JP2019218564A - グラフト共重合体及び熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 熱可塑性樹脂に配合してもデラミネーションが発生しにくく、一般物性を十分維持しながら耐摩耗性、摺動特性及び軋み音を改良することができる樹脂改質剤を提供すること。【解決手段】 エチレン系重合体(a)30〜80質量部の存在下に芳香族ビニル系単量体(b)及び必要に応じて芳香族ビニル系単量体(b)と共重合可能な他のビニル系単量体(c)の合計20〜70質量部(ただし、(a)、(b)及び(c)の合計は100質量部)をグラフト重合して得られるグラフト共重合体(A)であって、エチレン系重合体(a)は、密度が0.900g/cm3以上0.966g/cm3未満、数平均分子量が1万〜5万、分子量分布が5〜15、分子量が1万以下の割合が5.5%以上であることを特徴とするグラフト共重合体。【選択図】 なし

Description

本発明は、グラフト共重合体及びグラフト共重合体が配合された熱可塑性樹脂組成物に関するものである。
スチレン系樹脂を代表とする熱可塑性樹脂は、車両内装部品としてカーエアコン、カーステレオのスイッチ等の車両内装部品の材料として使用される。熱可塑性樹脂を用いて作られた成形品を組み立てた場合に、成形品のかん合している部分や異種又は同種材料からなる部品と接触している(こすれている)部分から軋み音が発生することや、長時間使用していると部品が摩耗してしまうことが良く知られている。
このような問題を解決するために、樹脂表面のかん合部や接触部にグリスを塗布することが行われる。しかし、このグリス塗布は作業時間と費用がかかるため、経済的ではなく効果の持続にも限りがある。そこで、熱可塑性樹脂の摺動特性や摩擦摩耗特性の改善を図る目的で、特許文献1には特定の分子量分布を有するポリエチレンを配合した熱可塑性樹脂組成物が提案されている。また、特許文献2には特定の密度又は分子量を有するポリエチレンとビニル単量体を配合した熱可塑性樹脂組成物が提案されている。
特開2000−038513号公報 特開平04−020550号公報
しかしながら、上記のポリエチレンや共重合体であっても、オレフィン系重合体との相溶性がないスチレン系樹脂などに配合した場合において、層状剥離(デラミネーション)が発生する、又は摺動特性の改良、軋み音の改良がまだ不十分であるという問題がある。よって、熱可塑性樹脂に配合してもデラミネーションが発生しにくく、十分な耐摩耗性及び摺動特性が得られ、軋み音を改良することができる樹脂改質剤が求められている。
本発明は、熱可塑性樹脂に配合してもデラミネーションが発生しにくく、一般物性を十分維持しながら耐摩耗性、摺動特性及び軋み音を改良することができる樹脂改質剤及び該樹脂改質剤を配合した熱可塑性樹脂組成物を提供することを目的とするものである。
上記課題を解決するために本発明者らは鋭意検討した結果、特定のエチレン系重合体を用いて得られた特定のグラフト共重合体が、上記課題を解決できる樹脂改質剤として機能することを見出し、この知見に基づき本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の一態様は、エチレン系重合体(a)30〜80質量部の存在下に、芳香族ビニル系単量体(b)及び必要に応じて芳香族ビニル系単量体(b)と共重合可能な他のビニル系単量体(c)を合計で20〜70質量部(ただし、(a)、(b)及び(c)の合計は100質量部)をグラフト重合して得られるグラフト共重合体(A)であって、上記エチレン系重合体(a)は、密度が0.900g/cm以上0.966g/cm未満、数平均分子量が1万〜5万、分子量分布が5〜15、分子量が1万以下の割合が5.5%以上であることを特徴とするグラフト共重合体である。
本発明に係るグラフト共重合体は、グラフト率が30%以上であることが好ましい。
本発明に係るグラフト共重合体において、上記エチレン系重合体(a)が、共重合成分としてエチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンとを含有するエチレン−α−オレフィン共重合体であることが好ましい。
本発明に係るグラフト共重合体において、上記エチレン系重合体(a)の数平均換算粒子径[(長辺+短辺)/2]が、500〜4500μmであることが好ましい。
本発明の一態様は、上記グラフト共重合体(A)と、該グラフト共重合体(A)以外の熱可塑性樹脂(B)とを含む熱可塑性樹脂組成物であって、上記グラフト共重合体(A)及び上記熱可塑性樹脂(B)の合計100質量部に対して、上記グラフト共重合体(A)の含有量が1〜50質量部であり且つ上記熱可塑性樹脂(B)の含有量が50〜99質量部であることを特徴とする熱可塑性樹脂組成物である。
本発明に係る熱可塑性樹脂組成物において、上記熱可塑性樹脂(B)がスチレン系樹脂であってもよい。
本発明に係る熱可塑性樹脂組成物において、上記熱可塑性樹脂(B)がポリカーボネート樹脂であってもよい。
本発明に係る熱可塑性樹脂組成物において、上記熱可塑性樹脂(B)がスチレン系樹脂及びポリカーボネート樹脂であってもよい。
本発明によれば、熱可塑性樹脂に配合してもデラミネーションが発生しにくく、一般物性を十分維持しながら耐摩耗性、摺動特性及び軋み音を改良することができる樹脂改質剤を提供することができる。
本発明の樹脂改質剤が配合された熱可塑性樹脂組成物によれば、熱可塑性樹脂の一般物性を十分維持したまま、デラミネーションが発生しにくく、耐摩耗性及び摺動特性が良好であり、軋み音が改良された成形品を提供することができる。
エチレン系重合体(a)の分子量が1万以下の割合を求める際の図である。 摩擦試験に関する図である。
以下、本発明に係るグラフト共重合体について詳細に説明する。
本実施形態のグラフト共重合体は、エチレン系重合体(a)存在下に、芳香族ビニル系単量体(b)及び必要に応じて(任意選択的に配合される)芳香族ビニル系単量体(b)と共重合可能な他のビニル系単量体(c)をグラフト重合して得られるグラフト共重合体(A)である。
エチレン系重合体(a)としては、エチレン単独重合体、エチレン−α−オレフィン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸エステル共重合体、エチレン−環状オレフィン共重合体等、エチレンに基づく単量体単位が主単位(通常、重合体を構成する全単量体単位を100モル%として、エチレンに基づく単量体単位の含有量が50モル%以上)の重合体を挙げることができる。
エチレン単独重合体としてはポリエチレンが挙げられる。また、エチレン−α−オレフィン共重合体のα−オレフィンとしては、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ドデセン、4−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ヘキセン等、炭素数3〜20のα−オレフィンが挙げられる。これらは1種又は2種以上用いることができる。
エチレン−α−オレフィン共重合体としては、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−1−ブテン共重合体、エチレン−1−ヘキセン共重合体、エチレン−1−オクテン共重合体、エチレン−1−ブテン−1−ヘキセン共重合体等が挙げられる。
エチレン系重合体(a)としては、共重合成分としてエチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンとを含有するエチレン−α−オレフィン共重合体であることが好ましい。
エチレン系重合体(a)のサイズに制限はないが、数平均換算粒子径[(長辺+短辺)/2]が、500〜4500μmであることが好ましく、700〜3500μmであることがより好ましく、1000〜3000μmであることが更により好ましく、1000〜2700μmであることが特に好ましい。
エチレン系重合体(a)はペレット形状で用いることができる。この場合、ペレットの表面積が大きいほど芳香族ビニル系単量体等の単量体がグラフト重合しやすくなる。ペレットの数平均換算粒子径[(長辺+短辺)/2]は上記範囲内であることが好ましい。
熱可塑性樹脂組成物の耐摩耗性、摺動特性、及び軋み音をバランスよく改良する観点から、エチレン系重合体(a)は、密度が0.900g/cm以上0.966g/cm未満、数平均分子量が1万〜5万、分子量分布が5〜15、分子量が1万以下の割合が5.5%以上であることが好ましい。
エチレン系重合体(a)の密度は、0.905g/cm以上0.951g/cm未満が好ましく、0.910g/cm以上0.941g/cm未満がより好ましく、0.915g/cm以上0.931g/cm未満が特に好ましい。なお、密度は、JIS K7112に準拠して測定される。
エチレン系重合体(a)の数平均分子量、分子量分布及び分子量が1万以下の割合は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて求めることができる。具体的には、標準ポリスチレンを用いた校正曲線から換算した重量平均分子量及び数平均分子量を求め、分子量分布(重量平均分子量/数平均分子量)が算出される。分子量が1万以下の割合は、図1に示すように、スライス分子量とスライス面積からなる分子量分布曲線から、スライス面積の積分値曲線を描き、スライス分子量が1万の時の積分値(%)である。
エチレン系重合体(a)のメルトフローレイトは特に制限はないが、摺動特性及び軋み音をバランスよく改良する観点から、0.3〜5(g/10min)であることが好ましい。なお、ここでいうメルトフローレイトとは、JIS K7210に準拠した、温度190℃、荷重21.2Nの条件で測定される値をいう。
芳香族ビニル系単量体(b)としては、スチレン、α−メチルスチレン、パラメチルスチレン、ブロムスチレン等が挙げられる。これらは、1種又は2種以上用いることができる。これらのうち、スチレン、及びα−メチルスチレンが好ましい。
芳香族ビニル系単量体(b)と共重合可能な他のビニル系単量体(c)としては、例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、エタクリロニトリル、フマロニトリル等のシアン化ビニル系単量体、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、4−t−ブチルフェニル(メタ)アクリレート、ブロモフェニル(メタ)アクリレート、ジブロモフェニル(メタ)アクリレート、2,4,6−トリブロモフェニル(メタ)アクリレート、モノクロルフェニル(メタ)アクリレート、ジクロルフェニル(メタ)アクリレート、トリクロルフェニル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル系単量体、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド等のマレイミド系単量体などが挙げられる。これらはそれぞれ1種又は2種以上用いることができる。
本実施形態のグラフト共重合体(A)は、エチレン系重合体(a)30〜80質量部の存在下に、芳香族ビニル系単量体(b)及び必要に応じて芳香族ビニル系単量体(b)と共重合可能な他のビニル系単量体(c)を合計で20〜70質量部(ただし、(a)、(b)及び(c)の合計は100質量部)をグラフト重合して得ることができる。
エチレン系重合体(a)が30質量部未満では、熱可塑性樹脂に配合した際に十分な摺動特性が得られにくくなり、80質量部を超えると、熱可塑性樹脂に配合した際にデラミネーションが発生しやすくなる。エチレン系重合体(a)は35〜75質量部であることが好ましく、40〜70質量部であることがより好ましい。
本実施形態のグラフト共重合体(A)においては、芳香族ビニル系単量体(b)及び必要に応じて芳香族ビニル系単量体(b)と共重合可能な他のビニル系単量体(c)の合計を100質量部としたときに、芳香族ビニル系単量体(b)が65〜85質量部の割合でグラフト重合されることが好ましく、70〜80質量部の割合でグラフト重合されることがより好ましい。
グラフト共重合体(A)のグラフト率に特に制限はないが、熱可塑性樹脂組成物のデラミネーションを抑制する観点から、グラフト率は30%以上であることが好ましく、40%以上であることがより好ましい。
本実施形態のグラフト共重合体(A)を製造する方法には特に制限はなく、乳化重合、懸濁重合、塊状重合、溶液重合又はこれらの組み合わせの方法により得ることができるが、懸濁重合法を用いることが好ましい。
次に、本発明に係る熱可塑性樹脂組成物について説明する。
本実施形態の熱可塑性樹脂組成物は、上記本実施形態のグラフト共重合体(A)と、該グラフト共重合体(A)以外の熱可塑性樹脂(B)とを含む。
熱可塑性樹脂(B)の種類に特に制限はないが、例えば、スチレン系樹脂;ポリメチルメタクリレート樹脂等のアクリル系樹脂;ポリカーボネート系樹脂;ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂等のポリエステル系樹脂;ポリアミド系樹脂;ポリ乳酸樹脂等の生分解性樹脂;(変性)ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリオキシメチレン系樹脂、ポリスルフォン系樹脂、ポリアリレート系樹脂、ポリフェニレン系樹脂、熱可塑性ポリウレタン系樹脂等のエンジニアリングプラスチックス等が挙げられる。これらは1種又は2種以上用いることができる。なかでも、熱可塑性樹脂(B)はスチレン系樹脂及び/又はポリカーボネート樹脂を含むことが好ましい。
スチレン系樹脂としては、ゴム強化スチレン系樹脂、非ゴム強化スチレン系樹脂が挙げられる。
ゴム強化スチレン系樹脂の具体例としては、ゴム強化ポリスチレン樹脂(HIPS樹脂)、アクリロニトリル・ブタジエン系ゴム・スチレン重合体(ABS樹脂)、アクリロニトリル・アクリル系ゴム・スチレン重合体(AAS樹脂)、メタクリル酸メチル・ブタジエン系ゴム・スチレン樹脂(MBS樹脂)、アクリロニトリル・エチレン−プロピレン系ゴム・スチレン重合体(AES樹脂)等が挙げられる。
非ゴム強化スチレン系樹脂の具体例としては、スチレン重合体(PS樹脂)、スチレン・アクリロニトリル共重合体(AS樹脂)、α−メチルスチレン・アクリロニトリル共重合体(αMS−ACN樹脂)、メタクリル酸メチル・スチレン共重合体(MS樹脂)、メタクリル酸メチル・アクリロニトリル・スチレン共重合体(MAS樹脂)、スチレン・N−フェニルマレイミド共重合体(S−NPMI樹脂)、スチレン・N−フェニルマレイミド・アクリロニトリル共重合体(S−A−NPMI樹脂)等が挙げられる。
本実施形態で用いることができるポリカーボネート樹脂とは、種々のジヒドロキシジアリール化合物とホスゲンとを反応させるホスゲン法、又はジヒドロキシジアリール化合物とジフェニルカーボネート等の炭酸エステルとを反応させるエステル交換法によって得られる重合体であり、代表的なものとしては、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、;“ビスフェノールA”から製造されたポリカーボネート樹脂が挙げられる。
上記ジヒドロキシジアリール化合物としては、ビスフェノールA の他に、ビス(4−ヒドロキシジフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、ビスビス(4−ヒドロキシジフェニル)フェニルメタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシジフェニル−3−メチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−第3ブチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−ブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5ジブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)プロパンのようなビス(ヒドロキシアリール)アルカン類、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサンのようなビス(ヒドロキシアリール)シクロアルカン類、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルエーテルのようなジヒドロキシジアリールエーテル類、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルファイド、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルファイドのようなジヒドロキシジアリールスルファイド類、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホキシドのようなジヒドロキシジアリールスルホキシド類、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルホンのようなジヒドロキシジアリールスルホン類等が挙げられる。これらは単独又は2種類以上混合して使用することができる。
上記の他に、ピペラジン、ジピペリジルハイドロキノン、レゾルシン、4,4’−ジヒドロキシジフェニル類等を混合してもよい。
さらに、上記のジヒドロキシジアリール化合物と、以下に示すような3価以上のフェノール化合物を混合使用してもよい。3価以上のフェノールとしては、フロログルシン、4,6−ジメチル−2,4,6−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−ヘプテン−2,4,6−ジメチル−2,4,6−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−ヘプタン、1,3,5−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−ベンゾール、1,1,1−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−エタン及び2,2−ビス−(4,4’−(4,4’−ヒドロキシジフェニル)シクロヘキシル)−プロパン等が挙げられる。
上記のポリカーボネート樹脂を製造する場合、重量平均分子量は、通常10000〜80000であり、好ましくは15000〜60000である。製造の際には、分子量調整剤、触媒等を必要に応じて使用することができる。
本実施形態の熱可塑性樹脂組成物においては、上記グラフト共重合体(A)及び上記熱可塑性樹脂(B)の合計100質量部に対して、上記グラフト共重合体(A)の含有量が1〜50質量部であり且つ上記熱可塑性樹脂(B)の含有量が50〜99質量部であることが好ましい。グラフト共重合体(A)の含有量が50質量部を超えると、熱可塑性樹脂(B)が有する本来の物性が損なわれやすくなる。グラフト共重合体(A)の含有量は、グラフト共重合体(A)及び熱可塑性樹脂(B)の合計100質量部に対して、3〜40質量部であることがより好ましく、5〜30質量部であることが特に好ましい。
本実施形態の熱可塑性樹脂組成物は、本発明の目的を損なわない限りにおいて、目的に応じて樹脂の混合時、成形時等に顔料、染料、補強剤(タルク、マイカ、クレー、ガラス繊維等)、紫外線吸収剤、酸化防止剤、滑剤、離型剤、可塑剤、難燃剤、帯電防止剤、無機および有機系抗菌剤等の公知の添加剤を配合することができる。
本実施形態の熱可塑性樹脂組成物は、上述の成分を混合することで得ることができる。混合するために、例えば、押出し機、ロール、バンバリーミキサー、ニーダー等の公知の混練装置を用いることができる。また、混合順序にも何ら制限はない。
以下に実施例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらによって何ら制限されるものではない。なお、実施例中にて示す部および%は質量に基づくものである。
<エチレン系重合体の準備>
以下に示すエチレン系重合体(a−1)及び(a−2)を準備した。
[エチレン系重合体(a−1)]
住友化学(株)製、商品名「スミカセンEP GT140」
(エチレン−1−ブテン−1−ヘキセン共重合体)
流動性:0.9(g/10min)
密度:0.918(g/cm
数平均分子量:18,000
重量平均分子量:180,000
分子量分布:10
分子量が1万以下の割合:9.6(%)
数平均換算粒子径:3700μm
[エチレン系重合体(a−2)]
住友化学(株)製、商品名「スミカセン L405」
(低密度ポリエチレン)
流動性:3.7(g/10min)
密度:0.924(g/cm
数平均分子量:38,200
重量平均分子量:307,000
分子量分布:8
分子量が1万以下の割合:5.0(%)
数平均換算粒子径:3000μm
<グラフト共重合体(A)の製造>
[グラフト共重合体(A−1)]
100Lの耐圧容器に脱イオン水300部、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール(プルロニックF−68)0.12部、硫酸マグネシウム0.6部、エチレン系重合体(a−1)60部仕込み、攪拌しつつ槽内の窒素置換を行った。その後、スチレン24部、アクリロニトリル16部、tert−ブチルパーオキシピバレート(B(PV))1.1部、tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(カヤエステルO)0.1部、1,4−ベンゾキノン0.05部から構成される混合モノマーと脱イオン水50部を仕込み槽内の窒素置換を行った。槽内温度を85℃まで昇温後、85℃になってから1時間反応を継続させた。反応終了後、槽内温度を40℃まで冷却し、回収・洗浄・乾燥を行うことでグラフト共重合体(A−1)を得た。グラフト率の測定を下記に記載の方法で行ったところ、グラフト率は32%であった。
[グラフト共重合体(A−2)]
100Lの耐圧容器に脱イオン水300部、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール(プルロニックF−68)0.12部、硫酸マグネシウム0.6部、エチレン系重合体(a−1)53部仕込み、攪拌しつつ槽内の窒素置換を行った。その後、スチレン30部、アクリロニトリル17部、tert−ブチルパーオキシピバレート(B(PV))1.1部、tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(カヤエステルO)0.1部、1,4−ベンゾキノン0.05部から構成される混合モノマーと脱イオン水50部を仕込み槽内の窒素置換を行った。槽内温度を85℃まで昇温後、85℃になってから1時間反応を継続させた。反応終了後、槽内温度を40℃まで冷却し、回収・洗浄・乾燥を行うことでグラフト共重合体(A−2)を得た。グラフト率の測定を下記に記載の方法で行ったところ、グラフト率は41%であった。
[グラフト共重合体(A−3)]
100Lの耐圧容器に脱イオン水300部、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール(プルロニックF−68)0.12部、硫酸マグネシウム0.6部、エチレン系重合体(a−2)部60仕込み、攪拌しつつ槽内の窒素置換を行った。その後、スチレン24部、アクリロニトリル16部、tert−ブチルパーオキシピバレート(B(PV))1.1部、tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(カヤエステルO)0.1部、1,4−ベンゾキノン0.05部から構成される混合モノマーと脱イオン水50部を仕込み槽内の窒素置換を行った。槽内温度を85℃まで昇温後、85℃になってから1時間反応を継続させた。反応終了後、槽内温度を40℃まで冷却し、回収・洗浄・乾燥を行うことでグラフト共重合体(A−3)を得た。グラフト率の測定を下記に記載の方法で行ったところ、グラフト率は34%であった。
<グラフト共重合体のグラフト率の測定>
下記に示す方法によりグラフト共重合体のエチレン系重合体含有率(%)と、グラフト共重合体のジクロロメタン不溶部の質量比率(%)とを測定し、グラフト率を求めた。
[グラフト共重合体のエチレン系重合体含有率の測定]
グラフト共重合体(A−1)を例として説明する。グラフト共重合体(A−1)は乾燥後に94部得られた。エチレン系重合体(a−1)は仕込み量の99%がグラフト共重合体中に含有すると仮定することで、グラフト共重合体(A−1)のエチレン系重合体含有量は下記式(1)より求めることができる。
エチレン系重合体含有率(%)=[{エチレン系重合体の仕込み量(部)×0.99}/グラフト共重合体の質量(部)]×100 …(1)
=[(60×0.99)/94]×100
=63.2(%)
[グラフト率の測定]
グラフト共重合体(A−1)を例として説明する。グラフト共重合体(A−1)をジクロロメタンを用いて分別作業を行うことでジクロロメタン不溶部の質量比率を求めたところ83.4%であった。エチレン系重合体はジクロロメタン不溶部に存在するので、グラフト率は下記式(2)より求めることができる。
グラフト率(%)=[{ジクロロメタン不溶部の質量比率(%)−エチレン系重合体含有率(%)}/エチレン系重合体含有率(%)]×100 …(2)
=(83.4−63.2)/63.2×100
=32(%)
[ゴム状重合体(b−1)の製造]
耐圧容器に、1,3−ブタジエン93部、スチレン7部、n−ドデシルメルカプタン0.5部、過硫酸カリウム0.24部、ロジン酸ナトリウム1.5部、水酸化ナトリウム0.1部及び脱イオン水150部を仕込み、70℃で15時間反応させた後、冷却して反応を終了させることで、ゴム状重合体(b−1)を得た。得られたゴム状重合体(b−1)を、四酸化オスミウム(OsO)で染色し、乾燥後に透過型電子顕微鏡で写真撮影をした。画像解析処理装置(装置名:旭化成(株)製 IP−1000PC)を用いて1000個のゴム粒子の面積を計測し、その円相当径(直径)を求め、ゴム状重合体(b−1)の重量平均粒子径を算出した。重量平均粒子径は0.10μmであった。
[ゴム状重合体(b−2)の製造]
上記で得られたゴム状重合体(b−1)を用いて凝集肥大化処理を行った。撹拌槽にゴム状重合体(b−1)270部、10%ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液0.055部を添加して10分間撹拌した後、5%リン酸水溶液0.8部を10分間に亘り添加した。その後、10%水酸化カリウム水溶液1部を添加することで、ゴム状重合体(b−2)を得た。得られたゴム状重合体(b−2)の重量平均粒子径を上述の方法で測定した結果、重量平均粒子径は0.35μmであった。
[熱可塑性樹脂(B−1)の製造]
窒素置換した反応器にゴム状重合体(b−2)48部(固形分)、水140部、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩0.1部、硫酸第1鉄0.001部、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート0.3部を入れ、60℃に加熱後、スチレン39部、アクリロニトリル13部、t−ドデシルメルカプタン0.6部及びキュメンハイドロパーオキサイド0.2部からなる混合物とオレイン酸カリウム1.5部及び水15部からなる混合物を4時間に亘り連続的に添加した。添加終了後さらに60℃で2時間重合した。その後、塩析・脱水・乾燥することでアクリロニトリル・ブタジエン系ゴム・スチレン重合体である熱可塑性樹脂(B−1)を得た。
得られた熱可塑性樹脂(B−1)のグラフト率、及びアセトン可溶分の還元粘度(0.4g/100cc、N,Nジメチルホルムアミド溶液として30℃で測定)は、それぞれ40%及び0.39dl/gであった。なお、グラフト率は、グラフト共重合体のアセトン可溶分量と不溶分量及びグラフト共重合体中の複合ゴムの質量から、上記と同様にして求めた。
[熱可塑性樹脂(B−2)の製造]
窒素置換した反応器にスチレン66.2部、アクリロニトリル22.1部、エチルベンゼン11.7部、t−ドデシルメルカプタン0.35部からなる単量体混合物を連続的に供給して、140℃で重合を行なった。反応器より重合液を予熱器と真空槽より成る分離回収工程に導き、回収、押出後、スチレン・アクリロニトリル共重合体である熱可塑性樹脂(B−2)を得た。上述の方法により、得られた熱可塑性樹脂(B−2)の還元粘度は0.62dl/gであった。
[熱可塑性樹脂(B−3)の製造]
窒素置換した反応器にスチレン66.2部、アクリロニトリル22.1部、エチルベンゼン11.7部、t−ドデシルメルカプタン0.40部からなる単量体混合物を連続的に供給して、140℃で重合を行なった。反応器より重合液を予熱器と真空槽より成る分離回収工程に導き、回収、押出後、スチレン・アクリロニトリル共重合体である熱可塑性樹脂(B−3)を得た。上述の方法により、得られた熱可塑性樹脂(B−3)の還元粘度は0.50dl/gであった。
[熱可塑性樹脂(B−4)の製造]
窒素置換した反応器にスチレン66.2部、アクリロニトリル22.1部、エチルベンゼン11.7部、t−ドデシルメルカプタン0.55部からなる単量体混合物を連続的に供給して、140℃で重合を行なった。反応器より重合液を予熱器と真空槽より成る分離回収工程に導き、回収、押出後、スチレン・アクリロニトリル共重合体である熱可塑性樹脂(B−4)を得た。上述の方法により、得られた熱可塑性樹脂(B−4)の還元粘度は0.45dl/gであった。
[熱可塑性樹脂(B−5)]
ポリカーボネート樹脂:住化スタイロンポリカーボネート(株)製 カリバー 200−15
(実施例1〜9、比較例1〜7)
表1に示す組成でグラフト共重合体(A)、熱可塑性樹脂(B)を混合した後、40mm二軸押出機を用いて実施例1、2、5、6及び比較例1、3、5は200℃、実施例9及び比較例7は280℃、これら以外は250℃にて溶融混練してペレットを得た。得られたペレットより、実施例1、2、5、6及び比較例1、3、5は200℃、実施例9及び比較例7は280℃、これら以外は250℃に設定した射出成形機にて種々の射出成形品を成形し、物性評価を行った。評価結果を表1に示す。なお、それぞれの評価方法を以下に示す。
[流動性試験]
流動性:ISO 1133に準拠してメルトボリュームレイト(実施例9及び比較例7は300℃、1.2kg、これら以外は220℃、10kg)を測定して評価した。
単位:cm/10min
[引張強度試験]
引張強度:ISO527準拠。
単位:MPa
[デラミネーション試験]
得られたペレットを射出成形して得られた平板試験片(縦×横×厚み=15cm×9cm×3mm、光沢面)のゲート部にカッターで切り込みを入れ、剥離するかどうかを判定した。
○:剥離なし
×:剥離あり
[摺動特性の評価(摩擦試験)]
以下の下面試験片及び上面試験片を用意した。
下面試験片:得られたペレットを射出成形して得られた平板試験片(縦×横×厚み=15cm×9cm×3mm、光沢面)。
上面試験片:超耐熱ABS樹脂(KU−630R−3(日本エイアンドエル(株)製))を射出成形して得られた平板試験片(縦×横×厚み=15cm×9cm×3mm、光沢面)を(縦×横×厚み=4cm×4cm×3mm)に切り出したもの。
各試験片を23℃、湿度50%の恒温室に24時間静置させた後に、図2に示すように上面試験片と下面試験片(図中の試験材)の2枚を重ね合わせ、上面試験片の上に1.389kgの荷重を乗せ、毎分50mmの一定速度で引っ張る時に生じる試験力をロードセルで計測し、下記式(3)より減少率を求め、3段階で評価した。
減少率(%)=[(a−b)/a]×100 …(3)
a:グラフト共重合体(A)無添加での試験力
b:グラフト共重合体(A)添加での試験力
(評価)
○:減少率10%以上
△:減少率5%以上10%未満
×:減少率5%未満
[きしみ音特性の評価]
以下の下面試験片及びコップ型成形品を用意した。
下面試験片:得られたペレットを射出成形して得られた平板試験片(縦×横×厚み=15cm×9cm×3mm、光沢面)。
コップ型成形品:超耐熱ABS樹脂(KU−630R−3(日本エイアンドエル(株)製))を射出成形して得られたコップ型成形品(直径×高さ×厚み×重さ=6.2cm×8.1cm×2mm×50g)。
各試験片を23℃、湿度50%の恒温室に24時間静置させた後に、下面試験片を水平に対して30°の傾きに固定し、その上にコップ型成形品を静かに乗せ100回滑らせた時に、きしみ音が発生する回数を数え、下記式(4)で改善率を求め、2段階で評価した。
改善率(%)=[(a−b)/a]×100 …(4)
a:グラフト共重合体(A)無添加でのきしみ音発生回数(回)
b:グラフト共重合体(A)添加でのきしみ音発生回数(回)

○:改善率30%以上
×:改善率30%未満
(実施例10〜17、比較例8〜9)
表2に示す組成でグラフト共重合体(A)及び熱可塑性樹脂(B)を混合した後、40mm二軸押出機を用いて実施例10、11、14、15及び比較例8は200℃、これら以外は250℃にて溶融混練してペレットを得た。得られたペレットより、実施例10、11、14、15及び比較例8は200℃、これら以外は250℃に設定した射出成形機にて種々の射出成形品を成形し、耐摩耗性評価を行った。評価結果を表2に示す。なお、評価方法を下記に示す。
[耐摩耗性の評価]
得られたペレットを射出成形した平板試験片(縦×横×厚み=15cm×15cm×3mm)を、縦×横×厚み=9cm×9cm×3mmに切り出し、平板試験片中心部に6mmの孔をあけたものを試験片として用意した。各試験片を23℃、湿度50%の恒温室に48時間静置させた後に、テーバー式摩耗試験機を用いて下記に示した条件下で摩耗試験を行い、式(5)にて摩耗量を、式(6)にて減少率を求め、3段階で評価した。
(条件)
摩耗輪:CS−17(テーバー社製)
荷重:750g、試験機アームの重量含め1000gに調整。
テーブル回転数:1000回
回転速度:70rpm
摩耗量(mg)=試験前質量(mg)−試験後質量(mg) …(5)
減少率(%)=[(a−b)/a]×100 …(6)
a:グラフト共重合体(A)無添加での摩耗量(mg)
b:グラフト共重合体(A)添加での摩耗量(mg)
(評価)
◎:減少率40%超過
○:減少率10%以上40%未満
×:減少率10%未満
Figure 2019218564
Figure 2019218564
表1に示すように、実施例1〜9は本発明のグラフト共重合体(A)を配合した熱可塑性樹脂組成物の例であり、一般物性である流動性、引張強度を維持したまま、デラミネーションの発生がなく、摺動特性、軋み音の改善率が良好なものであった。
表1に示すように、比較例1〜2は本発明の規定を満たさないエチレン系重合体を用いたグラフト共重合体(A)を配合した例であり、摺動特性が劣るものであった。比較例3〜4、7はグラフト共重合体(A)を配合していない例であり、摺動特性、軋み音の改善率が劣るものであった。比較例5〜6は、グラフト重合されていないエチレン系重合体そのものを配合した例であり、デラミネーションが発生するものであった。
表2に示すように、実施例10〜17は本発明のグラフト共重合体(A)を配合した熱可塑性樹脂組成物の例であり、耐摩耗性の改善率が良好なものであった。
表2に示すように、比較例8〜9は本発明のグラフト共重合体(A)を配合していない例であり、耐摩耗性の改善率が劣るものであった。
以上のように、本発明のグラフト共重合体を配合した熱可塑性樹脂組成物は、一般物性を維持したまま、デラミネーションが発生せず、耐摩耗性、摺動特性及び軋み音の改良された成形品を提供することができる。本発明のグラフト共重合体は、例えば軋み音防止材料用の樹脂改質剤として有用である。

Claims (8)

  1. エチレン系重合体(a)30〜80質量部の存在下に、芳香族ビニル系単量体(b)及び必要に応じて芳香族ビニル系単量体(b)と共重合可能な他のビニル系単量体(c)を合計で20〜70質量部(ただし、(a)、(b)及び(c)の合計は100質量部)をグラフト重合して得られるグラフト共重合体(A)であって、
    前記エチレン系重合体(a)は、密度が0.900g/cm以上0.966g/cm未満、数平均分子量が1万〜5万、分子量分布が5〜15、分子量が1万以下の割合が5.5%以上であることを特徴とするグラフト共重合体。
  2. グラフト率が30%以上であることを特徴とする請求項1に記載のグラフト共重合体。
  3. 前記エチレン系重合体(a)が、共重合成分としてエチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンとを含有するエチレン−α−オレフィン共重合体であることを特徴とする請求項1又は2に記載のグラフト共重合体。
  4. 前記エチレン系重合体(a)の数平均換算粒子径[(長辺+短辺)/2]が、500〜4500μmであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のグラフト共重合体。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載のグラフト共重合体(A)と、該グラフト共重合体(A)以外の熱可塑性樹脂(B)と、を含む熱可塑性樹脂組成物であって、
    前記グラフト共重合体(A)及び前記熱可塑性樹脂(B)の合計100質量部に対して、前記グラフト共重合体(A)の含有量が1〜50質量部であり且つ前記熱可塑性樹脂(B)の含有量が50〜99質量部であることを特徴とする熱可塑性樹脂組成物。
  6. 前記熱可塑性樹脂(B)がスチレン系樹脂であることを特徴とする請求項5に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  7. 熱可塑性樹脂(B)がポリカーボネート樹脂であることを特徴とする請求項5に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  8. 熱可塑性樹脂(B)がスチレン系樹脂及びポリカーボネート樹脂であることを特徴とする請求項5に記載の熱可塑性樹脂組成物。
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