JP2019218444A - 離型フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】耐溶剤性が改善された離型フィルムを提供する【解決手段】基材フィルムの少なくとも一方の面に離型層を有する離型フィルムであって、該離型層が炭素数8以上のアルキル基を含む化合物(a)と架橋剤(b)とを含有し、架橋剤(b)の含有量が炭素数8以上のアルキル基を含む化合物(a)の含有量の2.5質量倍以上であることを特徴とする、離型フィルム。【選択図】なし

Description

本発明は離型フィルムに関し、特に耐溶剤性が改善された離型フィルムに関する。
離型フィルムは、セラミックコンデンサー、ハードディスクドライブ、半導体装置等の精密電子機器の製造工程に用いられる粘着剤層の保護フィルム、粘着シートやセラミックグリーンシートを製造する際のキャリアフィルム、あるいは感光性樹脂層(フォトレジスト層)の支持基材や保護フィルムとして使用されている。
離型フィルムには、通常、剥離性の向上を目的として離型層が設けられている。
離型フィルムの離型層にはシリコーン系離型剤が一般的に用いられるが、精密電子機器等に関連する用途にシリコーン系離型剤を用いると、離型層に含まれる低分子量のシリコーン系化合物が粘着剤層に移行して精密電子機器に残存し、精密電子機器にトラブルを発生させることが懸念されている。
また、シリコーン粘着剤の離型フィルムにシリコーン系離型剤を用いると剥離不良を生じることがある。
そこで、非シリコーン系離型フィルムの離型剤として長鎖アルキル化合物を用いることが知られている。また、離型層が長鎖アルキル化合物と架橋剤とを含有する離型層を備えた離型フィルムが提案されている(特許文献1〜3)。
特開2003−147327号公報 特開2006−8981号公報 特開2006−8991号公報
離型フィルムの離型層上に塗布形成される各種転写層、例えば、粘着層、セラミック層、感光性樹脂層などの転写層を形成するための塗布組成物は、通常、有機溶剤を含んでおり、離型層は良好な耐溶剤性が求められている。
しかし、上記した特許文献1〜3に開示された技術は、耐溶剤性が不十分であった。離型層の耐溶剤性が不十分であると、離型層上に塗布形成される転写層に含まれる溶剤によって離型層の一部が溶解あるいは膨潤するなどして離型層と転写層との剥離性が不安定になることがある。
従って、本発明の目的は、耐溶剤性が改善された離型フィルムを提供することにある。
本発明は、上記目的は以下の発明によって達成された。
[1]基材フィルムの少なくとも一方の面に離型層を有する離型フィルムであって、該離型層が炭素数8以上のアルキル基を含む化合物(a)と架橋剤(b)とを含有し、架橋剤(b)の含有量が炭素数8以上のアルキル基を含む化合物(a)の含有量の2.5質量倍以上であることを特徴とする、離型フィルム。
[2]炭素数8以上のアルキル基を含む化合物(a)と架橋剤(b)との合計含有量が、離型層の固形分総量100質量%に対して60質量%以上である、[1]に記載の離型フィルム。
[3]架橋剤(b)がメラミン化合物である、[1]または[2]に記載の離型フィルム。
[4]炭素数8以上のアルキル基を含む化合物(a)が、側鎖に炭素数8以上のアルキル基を有するポリビニル樹脂である、[1]〜[3]のいずれかに記載の離型フィルム。
[5]離型層の表面自由エネルギーが20〜35mJ/mの範囲である、[1]〜[4]のいずれかに記載の離型フィルム。
本発明によれば、耐溶剤性が改善された離型フィルムを提供することができる。
本発明の離型フィルムは、基材フィルムの少なくとも一方の面に、炭素数8以上のアルキル基を含む化合物(a)と架橋剤(b)とを含有する離型層を有する。
以下、炭素数8以上のアルキル基を「長鎖アルキル基」ということがあり、また、炭素数8以上のアルキル基を含む化合物(a)を「長鎖アルキル化合物(a)」ということがある。
本発明における離型層は、長鎖アルキル化合物(a)と架橋剤(b)とを含有し、架橋剤(b)の含有量が長鎖アルキル化合物(a)の含有量の2.5質量倍以上であることを特徴とする。これによって、耐溶剤性が改善する。
[長鎖アルキル化合物(a)]
長鎖アルキル化合物(a)に含まれる長鎖アルキル基は、直鎖状あるいは分岐状のアルキル基を含む。長鎖アルキル基の炭素数は、剥離性を向上させるという観点から、10以上が好ましく、12以上がより好ましく、14以上が特に好ましい。上記アルキル基の炭素数は30以下が好ましく、28以下がより好ましく、25以下が特に好ましい。
長鎖アルキル化合物(a)としては、側鎖に長鎖アルキル基を有する化合物が好ましく用いられる。具体的には、長鎖アルキル基含有ポリビニル樹脂、長鎖アルキル基含有アルキド樹脂、長鎖アルキル基含有アクリル樹脂、長鎖アルキル基含有ポリエステル樹脂、長鎖アルキル基含有エーテル化合物、長鎖アルキル基含有アミン化合物等が挙げられる。
上記化合物の中でも、耐溶剤性および剥離性を向上させるという観点から、長鎖アルキル基含有ポリビニル樹脂、長鎖アルキル基含有アルキド樹脂および長鎖アルキル基含有アクリル樹脂が好ましく、特に、長鎖アルキル基含有ポリビニル樹脂が好ましい。
一般に、長鎖アルキル化合物(a)に対する架橋剤(b)の含有比率を大きくすると剥離性が低下するが、長鎖アルキル基含有ポリビニル樹脂は、離型層における長鎖アルキル化合物(a)の含有比率を小さくし、架橋剤(b)の含有比率を大きくしても、良好な剥離性を維持できるという特長があり、この特長は架橋剤(b)として後述のメラミン化合物を用いることによってさらに高められる。
長鎖アルキル基含有ポリビニル樹脂は、例えば、ポリビニルアルコール重合体(ポリ酢酸ビニルの部分ケン化物を含む)、エチレン−ビニルアルコール重合体(エチレン−酢酸ビニル共重合体の部分ケン化物を含む)あるいはビニルアルコール−アクリル酸共重合体(酢酸ビニル−アクリル酸共重合体の部分ケン化物を含む)と、長鎖アルキル基含有イソシアネート化合物を反応させることによって合成することができる。
長鎖アルキル基含有イソシアネート化合物としては、炭素数が8以上のアルキル基を有するモノイソシアネート化合物が挙げられ、具体的には、オクチルイソシアネート、ノニルイソシアネート、デシルイソシアネート、ドデシルイソシアネート、テトラデシルイソシアネート、ヘキサデシルイソシアネート、オクタデシルイソシアネートなどが挙げられる。
長鎖アルキル基含有アルキド樹脂としては、長鎖アルキル基を有する多塩基酸と多価アルコールとの縮合物を、脂肪油や脂肪酸などの変性剤で変性したものが挙げられる。
多塩基酸としては、無水フタル酸、テレフタル酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸などの飽和多塩基酸や、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、無水シトラコン酸などの不飽和多塩基酸、シクロペンタジエン−無水マレイン酸付加物、テルペン−無水マレイン酸付加物、ロジン−無水マレイン酸付加物などのその他多塩基酸が挙げられる。ここで、多塩基酸には、加水分解すると多塩基酸となる酸無水物も含まれる。
多価アルコールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコールなどの二価アルコール、グリセリン、トリメチロールプロパンなどの三価アルコール、ジグリセリン、トリグリセリン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、マンニトール、ソルビトールなどの四価以上のアルコールが挙げられる。
変性剤としては、大豆油、アマニ油、キリ油、ヒマシ油、脱水ヒマシ油、ヤシ油などの脂肪油、及びこれらの脂肪酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレイン酸、エレオステアリン酸、リシノレイン酸、脱水リシノレイン酸などの油脂及び油脂脂肪酸、ロジン、コバール、コハク、セラックなどの天然樹脂、エステルガム、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂などの合成樹脂が挙げられる。また、ステアリン酸変性アルキド樹脂及び/又はステアリン酸変性アクリル樹脂とアミノ樹脂との硬化樹脂も塗布性と剥離性のバランスの観点から好ましい。
長鎖アルキル基含有アクリル樹脂としては、長鎖アルキル基を有するアクリル酸モノマーあるいはメタクリル酸モノマー、例えば、アクリル酸オクチル、メタクリル酸オクチル、アクリル酸ラウリル、メタクリル酸ラウリル、アクリル酸オクタデシル、メタクリル酸オクタデシルなどの単独重合体あるいは共重合体が挙げられる。
上記共重合体に用いられる他のモノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、アクリルアミド、メタクリルアミド、スチレンなどが挙げられる。
上記した長鎖アルキル化合物(a)は、市販されており、それらを使用することができる。市販品としては、中京油脂社製のレゼムシリーズの「K−256」、「N−137」、「P−677」、「Q−472」、アシオ産業(株)社製の“アシオレジン(登録商標)”シリーズの「RA−80」、「RA−95H」、「RA−585S」、ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製の“ピーロイル(登録商標)”シリーズの「HT」、「1050」、「1010」、「1070」、「406」、日本酢ビ・ポバール社製の「ZF−15」、「ZF−15H」、日本触媒社製の“エポミン(登録商標)”「RP−20」などが挙げられる。
[架橋剤(b)]
架橋剤(b)としては、例えば、メラミン化合物、エポキシ化合物、イソシアネート化合物、オキサゾリン化合物、カルボジイミド化合物等が挙げられる。中でも、メラミン化合物は、離型層の耐溶剤性を改善するという観点から有効である。
架橋剤として用いられるメラミン化合物とは、トリアジン環の3つの炭素原子にアミノ基がそれぞれ結合した、いわゆるメラミン[1,3,5−トリアジン−2,4,6−トリアミン]のアミノ基に種々の変性を施した化合物の総称であり、トリアジン環が複数縮合したものも含む。
変性の種類としては、3つのアミノ基の水素原子の少なくとも1つがメチロール化されたメチロール化メラミン化合物が好ましく、さらに、メチロール化メラミン化合物のメチロール基を炭素数が1〜4の低級アルコールで部分的にもしくは完全にエーテル化したアルキルエーテル化メラミン化合物が好ましい。特に、部分的にエーテル化したアルキルエーテル化メラミン化合物が好ましい。
エーテル化に用いられるアルコールとしては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコールが挙げられる。
架橋剤として用いられるメラミン化合物は市販品を用いることができる。市販品としては、例えば、DIC(株)の“スーパーベッカミン(登録商標)”J−820−60、同J−821−60、同J−1090−65、同J−110−60、同J−117−60、同J−127−60、同J−166−60B、同J−105−60、同G840、同G821、三井化学(株)の“ユーバン(登録商標)”20SB、同20SE60、同21R、同22R、同122、同125、同128、同220、同225、同228、同28−60、同2020、同60R、同62、同62E、同360、同165、同166−60、同169、同2061、住友化学(株)の“スミマール(登録商標)”M−100、同M−40S、同M−55、同M−66B、日本サイテックインダストリーズの“サイメル(登録商標)”303、同325、同327、同350、同370、同235、同202、同238、同254、同272、同1130、(株)三和ケミカルの“ニカラック(登録商標)”MS17、同MX15、同MX430、同MX600、ハリマ化成(株)のバンセミンSM−975、同SM−960、日立化成(株)の“メラン(登録商標)”265、同2650Lなどが挙げられる。
エポキシ化合物としては、例えば、エチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、ポリブタジエンジグリシジルエーテル等が挙げられる。
イソシアネート化合物としては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、メチレンジフェニルジイソシアネート等が挙げられる。
オキサゾリン化合物としては、例えば、2,2′−ビス(2−オキサゾリン)、2,2′−エチレン−ビス(4,4′−ジメチル−2−オキサゾリン)、2,2′−p−フェニレン−ビス(2−オキサゾリン)、ビス(2−オキサゾリニルシクロヘキサン)スルフィドなどのオキサゾリン基を有する化合物や、オキサゾリン基含有ポリマーが挙げられる。
カルボジイミド化合物としては、例えば、p−フェニレン−ビス(2,6−キシリルカルボジイミド)、テトラメチレン−ビス(t−ブチルカルボジイミド)、シクロヘキサン−1,4−ビス(メチレン−t−ブチルカルボジイミド)などのカルボジイミド基を有する化合物や、カルボジイミド基を有する重合体であるポリカルボジイミドが挙げられる。
[離型層]
離型層は、長鎖アルキル化合物(a)と架橋剤(b)とを含有し、架橋剤(b)の含有量が長鎖アルキル化合物(a)の含有量の2.5質量倍以上である。このように、架橋剤(b)を長鎖アルキル化合物(a)に対して大幅に増量させることによって、離型層の耐溶剤性が向上する。
上記観点から、架橋剤(b)の含有量は長鎖アルキル化合物(a)の含有量の3.0質量倍以上が好ましく、4.0質量倍以上がより好ましく、5.0質量倍以上がさらに好ましく、6.0質量倍以上が特に好ましい。一方、上記比率が大きくなりすぎると、剥離性が低下したり不安定になることがあるので、上記比率は35.0質量倍以下が好ましく、30.0質量倍以下がより好ましく、25.0質量倍以下がさらに好ましく、20.0質量倍以下が特に好ましい。
離型層における長鎖アルキル化合物(a)と架橋剤(b)の合計含有量は、耐溶剤性と剥離性の観点から、離型層の固形分総量100質量%に対して、60質量%以上が好ましく、70質量%以上がより好ましく、80質量%以上が特に好ましい。上記合計含有量の上限は100質量%である。
離型層は、長鎖アルキル化合物(a)および架橋剤(b)以外の成分を含有することができる。例えば、バインダー樹脂、酸触媒、粒子、帯電防止剤などを含有することができる。これらの中でも、酸触媒を含有することが好ましい。
酸触媒としては、硫酸、塩酸、硝酸、リン酸、p−トルエンスルホン酸等が挙げられる。
酸触媒を含有する場合の酸触媒の含有量は、剥離性および耐溶剤性を向上させるという観点から、架橋剤(b)に対して、1〜20質量%の範囲が好ましく、2〜15質量%の範囲がより好ましく、3〜10質量%の範囲が特に好ましい。
離型層に含有することができるバインダー樹脂としては、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂などが挙げられる。ここで、バインダー樹脂は長鎖アルキル基を有しない化合物である。
前述したように、離型層がシリコーン化合物を含有すると、精密電子機器にトラブルを発生させたり、シリコーン粘着剤層との剥離不良を起こしたりすることがあるので、離型層におけるシリコーン化合物の含有量は少量にすることが好ましい。具体的には、離型層の固形分総量100質量%に対して10質量%以下が好ましく、5質量%以下がより好ましく、1質量%以下がさらに好ましく、全く含まないことが最も好ましい。ここで、シリコーン化合物とは、従来からシリコーン系離型剤として一般的に知られているシリコーン化合物を指す。シリコーンとは、有機基(例えばアルキル基やフェニル基など)をもつケイ素と酸素が交互に結合してできた主鎖より成るポリマーである。例えば、基本骨格としてポリジメチルシロキサンを有するシリコーン化合物がよく知られている。
離型層は、例えば、長鎖アルキル化合物(a)、架橋剤(b)、必要に応じて他の成分を含有する組成物を基材フィルム上に塗布し、乾燥、加熱硬化して形成することができる。
組成物の塗布は、例えば、ウェットコーティング法により行うことができる。ウェットコーティング法としては、例えば、リバースコート法、スプレーコート法、バーコート法、グラビアコート法、ロッドコート法、ダイコート法、スピンコート法、エクストルージョンコート法、カーテンコート法等が挙げられる。
離型層の厚みは、10〜1000nmが好ましく、20〜600nmがより好ましく、20〜500nmがさらに好ましく、50〜300nmが特に好ましい。
離型層上に積層される各種転写層の良好な塗工性を確保するという観点、および剥離性を向上させるという観点から、離型層の表面自由エネルギーは、20〜35mJ/mが好ましく、21〜32mJ/mがより好ましく、22〜30mJ/mが特に好ましい。
離型層の表面自由エネルギーは、長鎖アルキル化合物(a)の種類、架橋剤(b)の種類、および長鎖アルキル化合物(a)と架橋剤(b)との含有比率を調整することによって上述の範囲とすることができる。
一般に、長鎖アルキル化合物(a)に対する架橋剤(b)の含有比率を大きくすると、離型層の表面自由エネルギーは高くなる傾向にある。
長鎖アルキル化合物(a)として長鎖アルキル基含有ポリビニル樹脂を含有する離型層は、架橋剤(b)の含有比率を変化させても、離型層の表面自由エネルギーはほとんど変化しないという特長を有する。つまり、長鎖アルキル基含有ポリビニル樹脂を含有する離型層は、架橋剤(b)の含有比率を大きくしても、良好な剥離性を維持することができ、かつ耐溶剤性の改善が図られる。
ここで、表面粗自由エネルギーは、接触角計、例えば、協和界面科学(株)の「Drop Master DM501」を用いて測定することができる。詳細は後述する。
離型フィルムの離型層表面の剥離力は、離型層上に積層された転写層の良好な剥離性を得るという観点から、比較的小さい方が好ましく、具体的には、7.0N/50mm以下が好ましく、3.0N/50mm以下がより好ましく、1.0N/50mm以下が特に好ましい。剥離力が小さくなり過ぎると、転写層の塗工性が低下したり、転写層が本来の剥離工程以外で剥離することがあるので、上記剥離力は、0.05N/50mm以上が好ましく、0.1N/50mm以上がより好ましい。
ここで、離型層表面の剥離力は、粘着テープとの剥離力である。つまり、離型フィルムの離型層表面に粘着テープを貼り合せ、粘着テープ側を180°に引き剥したときの剥離力である。測定方法の詳細は後述する。
離型フィルムの離型層上に塗布形成される転写層の用途に合わせて、離型層の表面粗さを制御することが好ましい。例えば、本発明の離型フィルムを、セラミックグリーンシートのセラミック層形成用キャリアフィルムや感光性樹脂層形成用支持基材や保護フィルムに適用する場合、離型層表面は比較的平滑であることが好ましく、離型層の表面粗さSRaは比較的小さくなるように設計されることが好ましい。具体的には、離型層の表面粗さSRaは、30nm以下が好ましく、20nm以下がより好ましく、10nm以下が特に好ましい。下限は1nm程度である。
一方、光沢が低い転写層や凹凸表面の転写層を形成する場合、あるいはコンプレッションモールド成型に使用する場合は、離型層の表面粗さSRaは比較的大きくなるように設計されることが好ましい。具体的には、離型層の表面粗さSRaは100nm以上が好ましく、200nm以上がより好ましく、300nm以上が特に好ましい。上限は3,000nm程度である。
離型層の表面粗さSRaは、後述する基材フィルムの表面粗さSRaを制御することによって調整することが好ましい。
[基材フィルム]
本発明の離型フィルムに用いられる基材フィルムとしては、特に限定されず、各種プラスチックフィルムを使用することができる。例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリブチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム等のポリエステルフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンフィルム等のポリオレフィンフィルム、ジアセチルセルロースフィルム、トリアセチルセルロースフィルム等のセルロースフィルム、ポリスルホンフィルム、ポリエーテルエーテルケトンフィルム、ポリエーテルスルホンフィルム、ポリフェニレンスルフィドフィルム、ポリエーテルイミドフィルム、ポリイミドフィルム、ポリアミドフィルム、アクリルフィルム、環状オレフィンフィルム、ポリカーボネートフィルム等が挙げられる。
これらのプラスチックフィルムの中でも、耐熱性が良好である、ポリイミドフィルム、ポリエステルフィルム、環状オレフィンフィルムが好ましい。上記ポリエステルフィルムとしては、ポリエチレンテレフタレートフィルムが好ましく、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムがより好ましい。
基材フィルムとしてポリエステルフィルムを使用する場合は、基材フィルムの表面粗さSRaを制御するという観点から、3層積層構成のポリエステルフィルムが好ましい。3層積層構成としては、A層/B層/A層またはA層/B層/C層が挙げられる。ここで、A層、B層およびC層は、それぞれ組成が異なることを意味する。
上記3層構成において、A層またはC層に粒子を含有させることによって、ポリエステルフィルムの表面粗さSRaを制御することができる。例えば、A層またはC層に含有させる粒子の平均粒子径および/または含有量を調整することによって、ポリエステルフィルムの表面粗さSRaを制御することができる。
上記した3層積層構成の中でも生産設備の簡易化や生産性向上の観点から、A層/B層/A層のポリエステルフィルムが好ましく用いられる。
基材フィルムの厚みは、10〜200μmが好ましく、15〜150μmがより好ましく、20〜100μmが特に好ましい。
基材フィルムは、片面もしくは両面に、基材フィルムから発生するオリゴマー成分の析出を抑制するためのプライマー層を設けることができる。プライマー層を形成するための原料としては、有機アルミニウム化合物を含む有機ケイ素化合物やポリビニルアルコールなどが挙げられる。
有機アルミニウム化合物を含む有機ケイ素化合物に用いられる有機アルミニウム化合物としては、アルミニウムトリス(アセチルアセトネート)、アルミニウムモノアセチルアセトネートビス(エチルアセトアセテート)などのアルミニウムキレート化合物などが挙げられる。
有機アルミニウム化合物を含む有機ケイ素化合物に用いられる有機ケイ素化合物としては、γ−メタクリロキシ基含有オルガノアルコキシシラン、エポキシ基含有オルガノアルコキシシラン、ビニル基含有オルガノアルコキシシラン、ビニル基含有アセトキシシランおよびこれらの混合物などが挙げられる。
また、プライマー層として、鉛筆硬度(JIS K5600−5−4(1999)で規定される鉛筆硬度)がF〜2Hの硬化樹脂層を用いることができる。この硬化樹脂層としては、従来から公知のハードコート層成分を適宜調整して用いることができる。
プライマー層の厚みは、0.1〜1.0μmが好ましく、0.2〜0.5μmがより好ましい。
プライマー層を基材フィルムの離型層側に設ける場合は、プライマー層は基材フィルムと離型層との間に配置される。
[離型フィルムの適用例]
本発明の離型フィルムは、セラミックコンデンサー、ハードディスクドライブ、半導体装置等の精密電子機器の製造工程に用いられる粘着剤層の保護フィルム、粘着シートやセラミックグリーンシートを製造する際のキャリアフィルム、あるいは感光性樹脂層(フォトレジスト層)の支持基材や保護フィルムとして使用することができる。また、回路基板のエポキシ封止樹脂層の離型フィルムとして、また、コンプレッションモールド成型用離型フィルムとして使用することができる。
以下、実施例により本発明を詳述するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
[測定方法および評価方法]
(1)離型層の表面自由エネルギーの測定
表面自由エネルギーおよびその各成分(分散力、極性力、水素結合力)の値が既知の3種の液体として、水、ジヨードメタン、1−ブロモナフタレンを用い、23℃、65%RH下で、接触角計DropMasterDM501(協和界面科学(株)製)にて、各液体の離型層上での接触角を測定した。1つの測定面に対し5回測定を行いその平均値を接触角(θ)とした。この接触角(θ)の値および各液体の既知の値(Panzerによる方法IV(日本接着協会誌第15巻、第3号、第96頁に記載)の数値から、北崎・畑の式より導入される下記式を用いて各成分の値を計算した。
(γSd・γLd)1/2+(γSp・γLp)1/2+(γSh・γLh)1/2=γL(1+cosθ)/2
ここで、γLd、γLp、γLhは、それぞれ測定液の分散力、極性力、水素結合力の各成分を表し、θは測定面上での測定液の接触角を表し、また、γSd、γSp、γShは、それぞれ積層膜表面の分散力、極性力、水素結合力の各成分の値を表し、γLは各液体の表面エネルギーを表す。既知の値およびθを上記の式に代入して得られた連立方程式を解くことにより、測定面(離型層表面)の3成分の値を求めた。
下記式の通り、求められた分散力成分の値と極性力成分の値と水素結合力成分の値の和を、表面自由エネルギー(E)の値とした。
E=γSd+γSp+γSh
(2)表面粗さSRaの測定
基材フィルムおよび離型層の表面粗さSRaは、光干渉型顕微鏡((株)菱化システム社製、VertScan2.0、型式:R5300 GL−Lite−AC)を用いて、観察モード=Waveモード、面補正=4次、フィルター=530nmWhite、対物レンズ=50倍、測定領域=252.69×189.53μmにて表面形態観察し、求めた。測定は1水準につき10回行い、その平均値から求めた。尚、基材フィルムの表面粗さSRaは、離型層を塗布する面の表面粗さSRaである。
(3)剥離力の測定
離型フィルムの離型層表面にアクリル系粘着テープ(日東電工(株)製の「No.31B」)の粘着面を自重5kgのゴムローラーで押さえながら一往復させて貼り合わせ、室温(23±2℃)で24時間放置後、引張り試験機((株)島津製作所社製「EZ−SX」品番)にて、300mm/minの速度で、粘着テープ側を180°に引き剥したときの剥離力を測定した。
(4)耐溶剤性の評価
有機溶剤として、メチルエチルケトン(MEK)、トルエン、酢酸エチルを用いて、それぞれの有機溶剤に対する耐溶剤性を以下の要領で評価した。
上記有機溶剤を浸した綿棒で、離型フィルムの離型層表面を5往復擦って離型層の状態を目視で観察し、下記基準で評価した。
A:上記3種のいずれの溶剤でも離型層が変化しない場合
B:上記3種の溶剤の中に離型層を白化させる溶剤がある場合
C:上記3種の溶剤の中に離型層を消失させる溶剤がある場合
[基材フィルム]
基材フィルムとして下記のポリエステルフィルム(ポリエチレンテレフタレートフィルム)およびポリイミドフィルムを用意した。
<ポリエステルフィルム1>
東レ(株)のポリエステルフィルム(“ルミラー(登録商標)” R75X)を用意した。このポリエステルフィルムは、厚みが25μmであり、表面粗さSRaが25nmであった。
<ポリエステルフィルム2>
東レ(株)のポリエステルフィルム(“ルミラー(登録商標)” FB40)を用意した。このポリエステルフィルムは、厚みが16μmであり、表面粗さSRaが8nmであった。
<ポリエステルフィルム3>
東レ(株)のポリエステルフィルム(“ルミラー(登録商標)” S10)を用意した。このポリエステルフィルムは、厚みが100μmであり、表面粗さSRaが25nmであった。
<ポリエステルフィルム4>
東レ(株)のポリエステルフィルム(“ルミラー(登録商標)” X42)を用意した。このポリエステルフィルムは、厚みが50μmであり、表面粗さSRaが400nmであった。
<ポリエステルフィルム5>
東レ(株)のポリエステルフィルム(“ルミラー(登録商標)” R80)を用意した。このポリエステルフィルムは、厚みが38μmであり、表面粗さSRaが7nmであった。
<ポリエステルフィルム6>
ユニチカ(株)のポリエステルフィルム(“エンブレット(登録商標)”S−38)を用意した。このポリエステルフィルムは、厚みが38μmであり、表面粗さSRaが33nmであった。
<ポリイミドフィルム1>
東レデュポン(株)のポリイミドフィルム(“カプトン(登録商標)”H100)を用意した。このポリイミドフィルムは厚みが25μmであり、表面粗さSRaが50nmであった。
[実施例1]
ポリエステルフィルム1の一方の面に、下記の組成物p1をグラビアコーターで塗布し100℃で予備乾燥後、170℃で加熱乾燥し、離型層を形成して離型フィルムを作製した。離型層の厚みは120nmであった。
<組成物p1>
・長鎖アルキル化合物(a);長鎖アルキル基含有ポリビニル樹脂(ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ(株)の「ピーロイル」1050)を固形分換算で10質量部
・架橋剤(b);メラミン化合物(三井化学(株)の「ユーバン」28−60)を固形分換算で25質量部
・酸触媒;p−トルエンスルホン酸(テイカ(株)の「TAYCACURE」AC−707)を固形分換算で1.8質量部
・溶媒;混合溶媒(トルエン:メチルエチルケトン:シクロヘキサノン=45:45:10(質量比))で固形分濃度2.0質量%に調整。
[実施例2]
下記組成物p2に変更する以外は、実施例1と同様にして離型フィルムを作製した。
<組成物p2>
・長鎖アルキル化合物(a);長鎖アルキル基含有ポリビニル樹脂(ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ(株)の「ピーロイル」1050)を固形分換算で10質量部
・架橋剤(b);メラミン化合物(三井化学(株)の「ユーバン」28−60)を固形分換算で45質量部
・酸触媒;p−トルエンスルホン酸(テイカ(株)の「TAYCACURE」AC−707)を固形分換算で3.2質量部
・溶媒;混合溶媒(トルエン:メチルエチルケトン:シクロヘキサノン=45:45:10(質量比))で固形分濃度2.0質量%に調整。
[実施例3]
下記組成物p3に変更する以外は、実施例1と同様にして離型フィルムを作製した。
<組成物p3>
・長鎖アルキル化合物(a);長鎖アルキル基含有ポリビニル樹脂(ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ(株)の「ピーロイル」1050)を固形分換算で10質量部
・架橋剤(b);メラミン化合物(三井化学(株)の「ユーバン」28−60)を固形分換算で60質量部
・酸触媒;p−トルエンスルホン酸(テイカ(株)の「TAYCACURE」AC−707)を固形分換算で4.2質量部
・溶媒;混合溶媒(トルエン:メチルエチルケトン:シクロヘキサノン=45:45:10(質量比))で固形分濃度2.0質量%に調整。
[実施例4]
下記組成物p4に変更する以外は、実施例1と同様にして離型フィルムを作製した。
<組成物p4>
・長鎖アルキル化合物(a);長鎖アルキル基含有ポリビニル樹脂(ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ(株)の「ピーロイル」1050)を固形分換算で10質量部
・架橋剤;メラミン化合物(三井化学(株)の「ユーバン」28−60)を固形分換算で90質量部
・酸触媒;p−トルエンスルホン酸(テイカ(株)の「TAYCACURE」AC−707)を固形分換算で6.3質量部
・溶媒;混合溶媒(トルエン:メチルエチルケトン:シクロヘキサノン=45:45:10(質量比))で固形分濃度2.0質量%に調整。
[実施例5]
下記組成物p5に変更する以外は、実施例1と同様にして離型フィルムを作製した。
<組成物p5>
・長鎖アルキル化合物(a);長鎖アルキル基含有ポリビニル樹脂(ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ(株)の「ピーロイル」1050)を固形分換算で10質量部
・架橋剤(b);メラミン化合物(三井化学(株)の「ユーバン」28−60)を固形分換算で190質量部
・酸触媒;p−トルエンスルホン酸(テイカ(株)の「TAYCACURE」AC−707)を固形分換算で13.3質量部
・溶媒;混合溶媒(トルエン:メチルエチルケトン:シクロヘキサノン=45:45:10(質量比))で固形分濃度2.0質量%に調整。
[比較例1]
下記組成物p6に変更する以外は、実施例1と同様にして離型フィルムを作製した。
<組成物p6>
・長鎖アルキル化合物(a);長鎖アルキル基含有ポリビニル樹脂(ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ(株)の「ピーロイル」1050)を固形分換算で10質量部
・架橋剤(b);メラミン化合物(三井化学(株)の「ユーバン」28−60)を固形分換算で15質量部
・酸触媒;p−トルエンスルホン酸(テイカ(株)の「TAYCACURE」AC−707)を固形分換算で1.1質量部
・溶媒;混合溶媒(トルエン:メチルエチルケトン:シクロヘキサノン=45:45:10(質量比))で固形分濃度2.0質量%に調整。
[実施例6]
下記組成物p7に変更する以外は、実施例1と同様にして離型フィルムを作製した。
<組成物p7>
・長鎖アルキル化合物(a);長鎖アルキル基含有ポリビニル樹脂(ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ(株)の「ピーロイル」1050)を固形分換算で10質量部
・架橋剤(b);メラミン化合物(住友化学(株)の「スミマール」M−55)を固形分換算で70質量部
・酸触媒;p−トルエンスルホン酸(テイカ(株)の「TAYCACURE」AC−707)を固形分換算で4.9質量部
・溶媒;混合溶媒(トルエン:メチルエチルケトン:シクロヘキサノン=45:45:10(質量比))で固形分濃度2.0質量%に調整。
[実施例7]
下記組成物p8に変更する以外は、実施例1と同様にして離型フィルムを作製した。
<組成物p8>
・長鎖アルキル化合物(a);長鎖アルキル基含有ポリビニル樹脂(ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ(株)の「ピーロイル」1050)を固形分換算で10質量部
・架橋剤(b);メラミン系架橋剤(DIC(株)の商品名「スーパーベッカミンG」821)を固形分換算で130質量部
・酸触媒;p−トルエンスルホン酸(テイカ(株)の「TAYCACURE」AC−707)を固形分換算で9.1質量部
・溶媒;混合溶媒(トルエン:メチルエチルケトン:シクロヘキサノン=45:45:10(質量比))で固形分濃度2.0質量%に調整。
[実施例8]
下記組成物p9に変更する以外は、実施例1と同様にして離型フィルムを作製した。
<組成物p9>
・長鎖アルキル化合物(a);下記合成の長鎖アルキル基含有ポリビニル樹脂a1を10質量部
・架橋剤(b);メラミン系架橋剤(住友化学(株)の「スミマール」M−55)を固形分換算で100質量部
・酸触媒;p−トルエンスルホン酸(テイカ(株)の「TAYCACURE」AC−707)を固形分換算で7質量部
・溶媒;混合溶媒(トルエン:メチルエチルケトン:シクロヘキサノン=45:45:10(質量比))で固形分濃度2.0質量%に調整。
<長鎖アルキル基含有ポリビニル樹脂a1の合成>
4つ口フラスコにキシレン200質量部、オタデシルイソシアネート600質量部を加え、攪拌下に加熱した。キシレンが還流し始めた時点から、ポリビニルアルコール(平均重合度500、ケン化度88モル%)100質量部を少量ずつ10分間隔で約2時間にわたって加えた。
ポリビニルアルコールを加え終わってから、さらに2時間還流を行い、反応を終了した。反応混合物を約80℃まで冷却してから、メタノール中に加えたところ、反応生成物が白色沈殿として析出したので、この沈殿を濾別し、キシレン140質量部を加え、加熱して完全に溶解させた後、再びメタノールを加えて沈殿させるという操作を数回繰り返した後、沈殿をメタノールで洗浄し、乾燥粉砕して得た。
[実施例9]
下記組成物p10に変更する以外は、実施例1と同様にして離型フィルムを作成した。
<組成物p10>
・長鎖アルキル化合物(a);下記合成の長鎖アルキル基含有アクリル樹脂a2を10質量部
・架橋剤(b);メラミン化合物(三井化学(株)の「ユーバン」28−60)を固形分換算で25質量部
・酸触媒;p−トルエンスルホン酸(テイカ(株)の「TAYCACURE」AC−707)を固形分換算で1.8質量部
・溶媒;混合溶媒(トルエン:メチルエチルケトン:シクロヘキサノン=45:45:10(質量比))で固形分濃度2.0質量%に調整。
<長鎖アルキル基含有アクリル樹脂a2の合成>
撹拌機、窒素導入管、冷却管、ラバーセプタムを備えた4つ口フラスコに、メタクリル酸オクタデシル70質量部、アクリル酸ブチル25質量部、アクリル酸5質量部およびトルエン150質量部を入れ、系内を窒素置換した。これに窒素気流下、2,2−アゾビスイソブチロニトリル0.4質量部を加え、60℃に加熱して24時間重合反応を行い、アクリル系重合体の粘稠溶液を得た。このアクリル系重合体は、メタクリル酸オクタデシルとアクリル酸ブチルとアクリル酸とのランダム共重合体からなり、側鎖に長鎖アルキル基としてオクタデシル基を有するとともに、官能基としてカルボキシル基を有するものであり、数平均分子量は9.6万であった。
[実施例10]
下記組成物p11に変更する以外は、実施例1と同様にして離型フィルムを作成した。
<組成物p11>
・長鎖アルキル化合物(a);上記合成の長鎖アルキル基含有アクリル樹脂a2を10質量部
・架橋剤(b);メラミン化合物(三井化学(株)の「ユーバン」28−60)を固形分換算で90質量部
・酸触媒;p−トルエンスルホン酸(テイカ(株)の「TAYCACURE」AC−707)を固形分換算で6.3質量部
・溶媒;混合溶媒(トルエン:メチルエチルケトン:シクロヘキサノン=45:45:10(質量比))で固形分濃度2.0質量%に調整。
[比較例2]
下記組成物p12に変更する以外は、実施例1と同様にして離型フィルムを作成した。
<組成物p12>
・長鎖アルキル化合物(a);上記合成の長鎖アルキル基含有アクリル樹脂a2を10質量部
・架橋剤(b);メラミン化合物(三井化学(株)の「ユーバン」28−60)を固形分換算で20質量部
・酸触媒;p−トルエンスルホン酸(テイカ(株)の「TAYCACURE」AC−707)を固形分換算で1.4質量部
・溶媒;混合溶媒(トルエン:メチルエチルケトン:シクロヘキサノン=45:45:10(質量比))で固形分濃度2.0質量%に調整。
[実施例11]
下記組成物p13に変更する以外は、実施例1と同様にして離型フィルムを作成した。
<組成物p13>
・長鎖アルキル化合物(a);上記合成の長鎖アルキル基含有アクリル樹脂a2を10質量部
・架橋剤(b);イソシアネート化合物(三井化学(株)の「“タケネート(登録商標)”」D−103H)を固形分換算で90質量部
・酸触媒;p−トルエンスルホン酸(テイカ(株)の「TAYCACURE」AC−707)を固形分換算で6.3質量部
・溶媒;混合溶媒(トルエン:メチルエチルケトン:シクロヘキサノン=45:45:10(質量比))で固形分濃度2.0質量%に調整。
[実施例12]
基材フィルムをポリエステルフィルム2に変更する以外は、実施例4と同様にして離型フィルムを作製した。
[実施例13]
基材フィルムをポリエステルフィルム3に変更する以外は、実施例4と同様にして離型フィルムを作製した。
[実施例14]
基材フィルムをポリエステルフィルム4に変更する以外は、実施例4と同様にして離型フィルムを作製した。
[実施例15]
基材フィルムをポリエステルフィルム5に変更する以外は、実施例4と同様にして離型フィルムを作製した。
[実施例16]
基材フィルムをポリエステルフィルム6に変更する以外は、実施例4と同様にして離型フィルムを作製した。
[実施例17]
基材フィルムをポリイミドフィルム1に変更する以外は、実施例4と同様にして離型フィルムを作製した。
[評価]
上記で作製した実施例および比較例の離型フィルムについて、上述の測定方法および評価方法に従って評価した。その結果を表1に示す。
Figure 2019218444

Claims (5)

  1. 基材フィルムの少なくとも一方の面に離型層を有する離型フィルムであって、該離型層が炭素数8以上のアルキル基を含む化合物(a)と架橋剤(b)とを含有し、架橋剤(b)の含有量が炭素数8以上のアルキル基を含む化合物(a)の含有量の2.5質量倍以上であることを特徴とする、離型フィルム。
  2. 炭素数8以上のアルキル基を含む化合物(a)と架橋剤(b)との合計含有量が、離型層の固形分総量100質量%に対して60質量%以上である、請求項1に記載の離型フィルム。
  3. 架橋剤(b)がメラミン化合物である、請求項1または2に記載の離型フィルム。
  4. 炭素数8以上のアルキル基を含む化合物(a)が、側鎖に炭素数8以上のアルキル基を有するポリビニル樹脂である、請求項1〜3のいずれかに記載の離型フィルム。
  5. 離型層の表面自由エネルギーが20〜35mJ/mの範囲である、請求項1〜4のいずれかに記載の離型フィルム。
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