JP2019217945A - 手押し車 - Google Patents

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雄一 沢田
Yuichi Sawada
雄一 沢田
陽一 松田
Yoichi Matsuda
陽一 松田
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Abstract

【課題】バッグの容量を大きくしても折り畳みの際にフレームとの干渉がなく、操作性に優れた手押し車を提供する。【解決手段】本発明に係る手押し車1は、下端部に前輪3が取り付けられた左右一対の前脚5と、下端部に後輪7が取り付けられた左右一対の脚と、着座姿勢と起立姿勢との間で姿勢変更可能に取り付けられた腰掛部13と、該腰掛部13に設けられた収納バッグ支持部材15に支持された収納バッグ17とを備え、前脚5と後脚9の前後の間隔を小さくすることで折り畳み可能とした手押し車1であって、折り畳み状態にする際に連動して、前記腰掛部13が起立姿勢となることで、前記腰掛部13の収納バッグ支持部材15に支持された前記収納バッグ17が上方に移動して、前脚5及び後脚9との干渉を避けるように構成されている。【選択図】 図1

Description

本発明は、高齢者が散歩や買い物に利用するいわゆるシルバーカーと呼ばれる手押し車に関する。
手押し車の主な用途は散歩等を行う際の歩行の補助に用いるものであるが、使用しないときに小さくできるように折り畳みが可能なこと、また歩行に疲れた際に座ることができるように腰掛部があること、さらに散歩に必要な物品を入れるための収納用のバッグが付属していること、などの要請がある。
このような要請を満たすものとして、特許文献1に開示があり、この手押し車は、「下端に前輪を転動自在に支持する左右の前輪脚部と、下端に後輪を転動自在に支持する左右の後輪脚部と、ハンドルを下方から支持する上下方向に長い左右のハンドル支柱部と、前記各ハンドル支柱部を上下方向にスライド自在に支持するとともに、前記各前輪脚部及び各後輪脚部が使用状態の開脚位置と折り畳み状態の閉脚位置とに選択可能となるように当該各前輪脚部及び各後輪脚部の上端部を回動自在に枢支する枢支部を下端に有する左右の縦筒フレームと、前記各縦筒フレームの上下両端同士の間を左右方向へ延びて連結する上下の横フレームとを備えた手押し車であって、
前記各縦筒フレームに沿って起立する格納位置と前方に倒伏して着座可能な着座位置とに変換される腰掛部と、前記各前輪脚部同士の間に収容され、上方に開口する開口部より荷物を本体部内に収納する収納用バスケットとが設けられており、
前記腰掛部は、その左右両側に沿って延びる左右の腰掛フレームを備え、この各腰掛フレームの基端がそれぞれ前記各縦筒フレームに回転自在に支持されている一方、
前記収納用バスケットは、その後面の左右両側端を支持しつつ前記開口部に向かって上方へ延びる左右の上下フレームを備え、この各上下フレームの上端がそれぞれ前記各腰掛フレームの先端部に回転自在に支持されていることを特徴とする」ものである。
特許文献1の手押し車は、腰掛部に収納用バスケットが支持される構造であり、腰掛部は、着座可能な着座位置と、腰掛部が起立した格納位置との間で変換可能になっている。
しかしながら、折り畳み動作と腰掛部の位置変換とは連動しておらず、折り畳みの操作とは別に腰掛部の位置変換を手動で行うようになっている。
特開2017−114188号公報
従来のシルバーカー等の手押し車は、歩行の補助としての用途が主であり、それ故に付属する収納バッグは散歩に必要な物品が収納できる容量の小さいものが一般的であった。
しかしながら、最近では、散歩のみならず買い物に行く際にも手押し車が利用され、買い物した商品を収納できるようにするため、収納バッグの大容量化の要請がある。
収納バッグが配置される空間は、腰掛部の下方で、かつ、前脚と後脚の間である。そして、手押し車を折りたたむ際には、前脚と後脚が近づくため、収納バッグの配置される空間が狭くなる。このため、従来例では、取り付けられる収納バッグの大きさが、折り畳み状態でも前脚及び後脚と干渉しないごく小さいものに限定されていた。
もっとも、特許文献1に開示のものでも、手押し車を折りたたむ際に、腰掛部を手動にて起立した格納位置に変更することで、各前輪脚部と各後輪脚部に収納バッグが干渉しないようにすることは可能であると思われる。
しかし、折り畳み操作をしながら、腰掛部を手でもって起立させるのは、特に高齢者にとっては容易とはいえず、操作性の悪いものとなる。
本発明はかかる課題を解決するためになされたものであり、バッグの容量を大きくしても折り畳みの際にフレームとの干渉がなく、操作性に優れた手押し車を提供することを目的としている。
(1)本発明に係る手押し車は、下端部に前輪が取り付けられた左右一対の前脚と、下端部に後輪が取り付けられた左右一対の後脚と、着座姿勢と起立姿勢との間で姿勢変更可能に取り付けられた腰掛部と、該腰掛部に設けられた収納バッグ支持部材に支持された収納バッグとを備え、前脚と後脚の前後の間隔を小さくすることで折り畳み可能とした手押し車であって、
折り畳み状態にする際に連動して、前記腰掛部が起立姿勢となることで、前記腰掛部の収納バッグ支持部材に支持された前記収納バッグが上方に移動して、前記前脚及び後脚との干渉を避けるように構成されていることを特徴とするものである。
(2)また、上記(1)に記載のものにおいて、前記前脚に回転自在に設けた支持ローラによって、前記腰掛部の両側の下部を支持し、折り畳み操作によって前記支持ローラが前記腰掛部を押し上げることで前記腰掛部が起立するように構成したことを特徴とするものである。
(3)また、上記(1)又は(2)に記載のものにおいて、前記収納バッグはその両側面を、上部前部が前方に、下部後部が後方に傾く方向に回動する状態で支持され、
前記収納バッグの背面に当接して、前記収納バッグが直立状態になる方向に姿勢を保持するバッグ姿勢保持部材を設けたことを特徴とするものである。
本発明に係る手押し車は、腰掛部に設けた収納バッグ支持部材に収納バッグを支持し、折り畳み状態にする動作に連動して、腰掛部が起立姿勢となることで、収納バッグ支持部材に支持された収納バッグが上方に移動して、前脚及び後脚との干渉を避けるように構成したので、収納バッグの大きさを、手押し車を折り畳んだ際の前脚と後脚のスペースに入る大きさに限定されずに大型化することができる。
本発明の実施の形態にかかる手押し車の着座可能状態の正面側から見た斜視図である。 本発明の実施の形態にかかる手押し車の折り畳み状態の正面側から見た斜視図である。 本発明の実施の形態にかかる手押し車の走行可能状態の正面側から見た斜視図である。 図1に示した手押し車の背面側から見た斜視図である。 図2に示した手押し車の背面側から見た斜視図である。 図3に示した手押し車の背面側から見た斜視図である。 図1に示した手押し車の上面側から見た斜視図である。 収納バッグの着脱方法を説明する説明図である。
本実施の形態に係る手押し車を図1〜図8に基づいて説明する。
なお、本実施の形態に係る手押し車は、図1に示す着座可能状態、図2に示す折り畳み状態、図3に示す走行可能状態の3つの状態に切り替えることができるものであり、図4、図5、図6は、それぞれ着座可能状態、折り畳み状態、走行可能状態の背面側の斜視図である。
本実施の形態に係る手押し車1は、図1〜図6に示すように、下端部に前輪3が取り付けられた左右一対の前脚5と、下端部に後輪7が取り付けられた左右一対の後脚9と、後脚9に連続して設けられた左右一対の支持柱11と、着座姿勢と起立姿勢との間で姿勢変更可能に取り付けられた腰掛部13と、腰掛部13に設けられた収納バッグ支持部材15に支持された収納バッグ17と、前脚5と後脚9の前後の間隔を小さくすることで折り畳み可能とした折り畳み機構19とを備えた手押し車1である。
以下、各構成および各構成に付属する部品等について説明する。
<前脚>
前脚5は左右一対からなり、下端部に前輪3が設けられ、上端部が支持柱11に上下方向に移動可能に設けられたブラケット21に回動可能に連結されている。
前脚5は、図1に示すように、上端部から下方に延出する下凸で緩やかに湾曲する緩湾曲部5aを有し、湾曲部の下端に連続して鉛直方向に向かって急激に湾曲する急湾曲部5bを有し、急湾曲部5bから連続して鉛直になった部位の下端に前輪3が取り付けられている。
前脚5における急湾曲部5bには、左右の前脚5を連結する前脚連結部材23が設けられている。
前脚5における緩湾曲部5aには、内側に向けて突出して腰掛部13の下部を支持する回転自在の腰掛部支持ローラ25が設けられている。
<後脚>
後脚9は左右一対からなり、下端部に後輪7が設けられ、上端部は支持柱11に連続している。
左右一対の後脚9の一方には、傘の石突きを受ける受け部材27が取り付けられている。傘は、その石突きを受け部材27に乗せて、支持柱11に設けた図示しない締結バンドで締結することで支持柱11に保持することができる。
<支持柱>
支持柱11は、まっすぐな左右一対の棒状体からなり、その上端部にはハンドル29が設けられている。また、支持柱11の上端部でハンドル29少し下方には、後輪7にブレーキをかけるためのブレーキ棒31が左右の支持柱11に亘るように設けられている。ブレーキ棒31には、図示しないワイヤが連結され、ワイヤの先端には後輪7に設けられたブレーキ機構に連結されている。ブレーキ棒31をハンドル29に近づく方向に操作することで、ブレーキがかかる仕組みになっている。
支持柱11におけるブレーキ棒31の少し下には、半月状の背もたれ33が左右の支持柱11に亘るように設けられている。この背もたれ33は、図1の矢印で示す方向に回動可能になっており、図1の直立状態から水平状態にすることができる。また、背もたれ33は、図1に示す直立状態になるように図示しない付勢手段で付勢されている。さらに、背もたれ33における水平状態で下面両端には、爪部33aが設けられている。背もたれ33はこのような構成を有することで、腰掛部13に買い物かごを載置した状態で、背もたれ33を水平状態にして爪部33aを買い物かごの縁部に係止させて買い物かご止め部材として機能させることができる。
また、片方の支持柱11(図4の図中右側の支持柱11)における背もたれ33の少し下方には、後述するフック37が係止する係止突起35が設けられている(図4参照)。
支持柱11の下部には、前述したように、上下動可能な左右一対のブラケット21が取り付けられている。ブラケット21は、支持柱11が挿入されている筒状部21aと筒状部21aから前方に張り出すように形成された張り出し部21bとを備えている。張り出し部21bには、前述したように前脚5の上端部が回動可能に取り付けられている。
片側のブラケット21(図4の図中右側の支持柱11に設けられたブラケット21)には、係止突起35に係止させるためのフック37が設けられている。フック37を係止突起35に係止することで、ブラケット21が下方に移動するのを規制することができ、後述するように折り畳み状態を維持することができる。
支持柱11における、図1、図4においてブラケット21が位置している部位には、図4に示すように、常時は出状態に付勢された出没可能な突起39が設けられている。突起39は、常時は出方向に付勢されており、押すことで没状態にできるようになっている。ブラケット21における筒状部21aには、突起39が挿入して係止する係止穴(図示なし)が設けられており、突起39が係止穴に係止することで、ブラケット21の位置が固定される。
ブラケット21には、左右のブラケット21に亘るように横部材41が取り付けられており、横部材41の中央部には操作部43が設けられている。操作部43は操作ハンドル45を有し、操作ハンドル45を後方側に引き上げることで(図4の黒矢印参照)、横部材41内の操作機構(図示なし)を介して突起39を没入させて突起39とブラケット21の係止穴との係止を外すことができ、ブラケット21を支持柱11に沿って移動可能な状態にすることができる。
<腰掛部>
腰掛部13は、略U字状の座フレーム47と、座フレーム47の上に設置された座板部49とを有している。座フレーム47の後端部が、支持柱11に取り付けられた支持機構51によって、着座姿勢と起立姿勢との間で姿勢変更可能に取り付けられ、座フレーム47の下部が前脚5に取り付けられた腰掛部支持ローラ25によって支持されている。
支持機構51は後述する折り畳み機構19の一要素であるがここで概説する。支持機構51は、後端側が支持柱11に固定され、前端側が前方に延出する第1支持部材51aと、後端側が第1支持部材51aの前端に上下方向に回動可能に取り付けられ、前端側に座フレーム47の後端が固定された第2支持部材51bによって構成されている。
第2支持部材51bの先端が鉛直下方に向く状態で、腰掛部13が着座姿勢となるように、腰掛部13の座フレーム47が第2支持部材51bに取り付けられている。したがって、腰掛部13の座フレーム47の回動軸は第2支持部材51bの回動軸になり、腰掛部13が着座姿勢では座フレーム47の位置と座フレーム47の回動軸の位置が上下にずれた状態になっている。座フレーム47の位置と座フレーム47の回動軸の位置がずれることの意義については、後述する。
腰掛部13の下方には、収納バッグ17を支持する収納バッグ支持部材15が設けられている。収納バッグ支持部材15は、略L字状の部材からなり、L字の一辺の端部が腰掛部13の座フレーム47に回転可能に取り付けられ、L字の他辺の端部が第2支持部材51bに固定されている。
L字の辺の交差部の内側には、図8に示すように、後述する収納バッグ17の支持突起57が回転可能に載置される載置溝部53が設けられている。載置溝部53は、開口を斜め上方に向けたU字状で、かつ開口側が末広がりの形状をしている。
座フレーム47の後端には、左右の座フレーム47に亘るように、バッグ姿勢保持部材としての横棒55が取り付けられている。この横棒55は、折り畳み状態において、収納バッグ17の背面に当接して収納バッグ17の姿勢を保持する機能を有している。
<収納バッグ>
収納バッグ17は、矩形箱状をしており、従来のものより容量の大きい大型のバッグである。もっとも、収納バッグ17は、図1に示すように、前脚5と後脚9が開いた状態では、前脚5と後脚9との間に挿入可能な大きさである。図2に示すように、折りたたんだ状態では、前脚5と後脚9とが近づくため前脚5と後脚9との間のスペースは狭くなるが、収納バッグ17はこのスペースからはみ出す程度の大きさを有している。
収納バッグ17の両側部には、収納バッグ17を収納バッグ支持部材15の載置溝部53に載置して支持するための支持突起57が設けられている。支持突起57は、軸部57aと軸部57aより大径の頭部57bからなり、頭部57bを載置溝部53に挿入することによって揺動可能状態、かつ着脱可能状態で支持される。
支持突起57が設けられている位置は、収納バッグ17の側部において高さ方向で中央よりも少し上部であり、前後方向で少し後ろ寄りである。このため、収納バッグ17を支持突起57で支持すると、下部後部が後方に、上部前部が前方になるように傾いた姿勢になろうとする。
しかし、収納バッグ17の背面側には、前述の横棒55や後述の逆U字部材59があり、これらが収納バッグ17の背面に当接して収納バッグ17を背面側から支持することで、収納バッグ17は略鉛直姿勢になっている。
このように、本実施の形態では、傾いた姿勢になるように支持された収納バッグ17を、背面側から横棒55や逆U字部材59によって押し返えして略鉛直姿勢にすることで、収納バッグ17の姿勢を安定的に略鉛直姿勢に保持するようにしている。
なお、収納バッグ17における側面部の前後方向中央部で収納バッグ17を吊下げ支持すれば収納バッグ17を略鉛直姿勢にすることはできるが、この場合には、仮に背面側に支持部材を設けたとしても、収納バッグ17が前方向に揺動し易いため、手押し車1を走行させたときに、収納バッグ17が揺れ動くことになる。
<折り畳み機構>
折り畳み機構19は、手押し車1を走行可能な状態と折り畳み状態とに切り替えるための機構である。折り畳み機構19は、後端が後脚9の下部に回転可能に取り付けられ、前端が前脚5の緩湾曲部5aに回転可能に取り付けられた一対の斜材フレーム61と、前脚5と斜材フレーム61間に設けられたリンク機構63を備えて構成されている。リンク機構63は、後端が斜材フレーム61に回転可能に取り付けられた後側リンク63aと、前端が前脚5に回転可能に取り付けられた前側リンク63bとを備え、前側リンク63bの後端と後側リンク63aの前端が回転可能に連結されている。
斜材フレーム61には、収納バッグ17の背面側を支持して姿勢を保持するバッグ姿勢保持部材としての逆U字部材59が取り付けられている。
前側リンク63bと前脚5との連結部、及び後側リンク63aと斜材フレーム61との連結部には、図7に示すように、ねじりバネ65が取り付けられている。ねじりバネ65によって、前側リンク63bと前脚5及び後側リンク63aと斜材フレーム61との間には折り畳む方向、すなわち図1の角度α(前側リンク63bと前脚5の成す角度)、β(斜材フレーム61と後側リンク63aの成す角度)を大きくする方向への付勢力が作用している。
この付勢力は、前脚5の上端を支持柱11に沿って上方に移動する力となるが、前脚5の上端がブラケット21によって移動規制されていることで開放状態が維持されている。
操作部43を操作することで、ブラケット21が支持柱11を上方に移動可能になると、折り畳みが可能となる。
以上のように構成された本実施の形態の手押し車1の作用について説明する。
まず、図1、図4に示す着座可能状態から手押し車1を折りたたむ場合、横部材41に設けられている操作部43の操作ハンドル45を、図4の矢印で示すように、後方斜め上方に向かって引き上げる。これによって、支持柱11の突起39とブラケット21との係止が外れて、ブラケット21が支持柱11に沿って上方に移動可能になる。
この状態では、折り畳み機構19の作用によって、ブラケット21が支柱に沿って上方に移動すると共に前脚5が後脚9に近づく方向に移動する。ブラケット21には前脚5の上端部が連結されているので、ブラケット21が上方に移動すると前脚5の上端が上方に移動すると共に前脚5の緩湾曲部5aに取り付けられた腰掛部支持ローラ25の位置が後方かつ上方に移動する。腰掛部支持ローラ25は、腰掛部13の座フレーム47の下部を支持しているので、腰掛部支持ローラ25が上動することで、腰掛部13は、座フレーム47後端側の第2支持部材51bの回動軸を回転中心として、図1の矢印で示すように、起立姿勢になる方向に回動する。
腰掛部13を起立姿勢にする作用力は、腰掛部支持ローラ25から座フレーム47に与えられるものであり、その作用点は腰掛部支持ローラ25が座フレーム47と当接する位置である。作用点と座フレーム47の回動軸の位置が近いと大きな作用力が必要となるが、本実施の形態では、座フレーム47の回動軸を第2支持部材51bの回動軸とすることで、作用点と回動軸の位置を上下にずらしており、これによって両者間の距離を離すことで作用力を小さくし、円滑な折り畳み動作を実現している。
ブラケット21が支持柱11に沿って所定の位置まで上動すると、図2、図5に示すように、腰掛部13が起立姿勢になり、この状態で、図5に示すように、係止突起35にフック37を係止させることでブラケット21が下方に移動するのを規制して、折り畳み状態を維持することができる。
腰掛部13には、略L字形状の収納バッグ支持部材15が設けられており、腰掛部13の起立動作に連動して、収納バッグ支持部材15の載置溝部53が前方かつ斜め上方に移動する。収納バッグ17の支持突起57が載置溝部53に載置されているので、収納バッグ17は、腰掛部13の起立動作に連動して、図1、図4に示す状態から、前方かつ斜め上方に移動して、図2、図5に示す状態になる。このとき、図2に示すように、収納バッグ17は前脚5の下部に設けた前脚連結部材23よりも前方にせり出しているが、前脚連結部材23よりも上方に移動していることで、収納バッグ17は前脚連結部材23と干渉することがない。
また、図5に示すように、収納バッグ17の背面には、腰掛部13の座フレーム47の後端に設けた横棒55が当接するので、収納バッグ17の姿勢が略直立状態に保持されている。
図2、図5に示す状態から、図3、図6に示す走行可能状態にするには、フック37を係止突起35から外し、操作部43を支持柱11に沿って下方に押し下げるようにすることで、ブラケット21が支持柱11に沿って下方に移動し、前脚5の下部が前方に移動する。このとき、腰掛部13は起立姿勢を維持しており、収納バッグ17の位置も変わらない。
この状態では、収納バッグ17を斜め上方に持ち上げるようにすることで、収納バッグ17を簡単に取り外すことができる。
図3、図6の状態から、図1、図4に示す着座可能状態にするには、腰掛部13の座板部49の前側を、図3の矢印で示す方向に押し下げるようにすることで、腰掛部13を起立姿勢から着座姿勢にすることができる。腰掛部13が起立姿勢から着座姿勢に変わることに連動して、収納バッグ17が後方かつ斜め下方に移動して、図1、図4の状態になる。このとき、前脚5と後脚9の間には広いスペースがあるので、収納バッグ17が前脚連結部材23に干渉することはない。
以上のように、本実施の形態の手押し車1においては、腰掛部13に設けた収納バッグ支持部材15に収納バッグ17を支持し、折り畳み状態にする動作に連動して、腰掛部13が起立姿勢となることで、収納バッグ支持部材15に支持された収納バッグ17が上方に移動して、前脚5及び後脚9との干渉を避けるように構成したので、収納バッグ17を、手押し車1を折り畳んだ際の前脚5と後脚9のスペースに入る大きさに限定されずに大型化することができる。
また、収納バッグ17を、その両側部を回転可能に支持して、収納バッグ17の下部後方側が後方に移動する状態にして、着座可能状態では逆U字部材59によって、また走行可能状態では横棒55によって、収納バッグ17の背面側を支持して略鉛直姿勢になるようしたので、収納バッグ17がぶらぶらと揺れることを防止して安定的に保持することができる。
なお、上記の説明では、収納バッグ17を収納バッグ支持部材15に着脱可能に支持して収納バッグ17を取り外せるようにした例を示したが、収納バッグ17は収納バッグ支持部材15から取り外せない状態で支持するようにしてもよい。この場合には、収納バッグ17の上面に開閉蓋を設けて、収納物を簡単に取り出せるようにすればよい。
1 手押し車
3 前輪
5 前脚
5a 緩湾曲部
5b 急湾曲部
7 後輪
9 後脚
11 支持柱
13 腰掛部
15 収納バッグ支持部材
17 収納バッグ
19 折り畳み機構
21 ブラケット
21a 筒状部
21b 張り出し部
23 前脚連結部材
25 腰掛部支持ローラ
27 受け部材
29 ハンドル
31 ブレーキ棒
33 背もたれ
33a 爪部
35 係止突起
37 フック
39 突起
41 横部材
43 操作部
45 操作ハンドル
47 座フレーム
49 座板部
51 支持機構
51a 第1支持部材
51b 第2支持部材
53 載置溝部
55 横棒
57 支持突起
57a 軸部
57b 頭部
59 逆U字部材
61 斜材フレーム
63 リンク機構
63a 後側リンク
63b 前側リンク
65 ねじりバネ

Claims (3)

  1. 下端部に前輪が取り付けられた左右一対の前脚と、下端部に後輪が取り付けられた左右一対の後脚と、着座姿勢と起立姿勢との間で姿勢変更可能に取り付けられた腰掛部と、該腰掛部に設けられた収納バッグ支持部材に支持された収納バッグとを備え、前脚と後脚の前後の間隔を小さくすることで折り畳み可能とした手押し車であって、
    折り畳み状態にする際に連動して、前記腰掛部が起立姿勢となることで、前記腰掛部の収納バッグ支持部材に支持された前記収納バッグが上方に移動して、前記前脚及び後脚との干渉を避けるように構成されていることを特徴とする手押し車。
  2. 前記前脚に回転自在に設けた支持ローラによって、前記腰掛部の両側の下部を支持し、折り畳み操作によって前記支持ローラが前記腰掛部を押し上げることで前記腰掛部が起立するように構成したことを特徴とする請求項1記載の手押し車。
  3. 前記収納バッグは、その両側面を、上部前部が前方に、下部後部が後方に傾く方向に回動する状態で支持され、
    前記収納バッグの背面に当接して、前記収納バッグが直立状態になる方向に姿勢を保持するバッグ姿勢保持部材を設けたことを特徴とする請求項1又は2に記載の手押し車。
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