JP2019217742A - 防眩性押出樹脂板とその製造方法、及び保護板 - Google Patents

防眩性押出樹脂板とその製造方法、及び保護板 Download PDF

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Abstract

【課題】Re値とその低下率が好適で、反りが少なく、表面性が良好で、高防眩性、低反射性、低ギラツキ性、及び低白ぼけ性を有する押出樹脂板を提供する。【解決手段】本発明は、ポリカーボネート含有層の少なくとも片面にメタクリル樹脂含有層が積層され、少なくとも1層が光拡散性微粒子を含有する押出樹脂板を共押出成形する製造方法に関する。第2番目の冷却ロールと第3番目の冷却ロールとの間に挟み込まれているときの積層体の全体温度(TX)を、ポリカーボネート含有層のガラス転移温度Tg(PC)に対し+15℃以上とする。最後の冷却ロールから剥離する位置における積層体の全体温度(TT)を、Tg(PC)に対し+5℃〜+19℃の範囲とする。引取りロールの周速度(V4)と第2番目の冷却ロールの周速度(V2)との周速度比(V4/V2)を0.98以上1.0未満とする。【選択図】図1

Description

本発明は、防眩性押出樹脂板とその製造方法、及び防眩性押出樹脂板を含む保護板に関する。
液晶ディスプレイ等のフラットパネルディスプレイ、並びに、かかるフラットパネルディスプレイとタッチパネル(タッチスクリーンとも言う)とを組み合わせたタッチパネルディスプレイは、銀行等の金融機関のATM;自動販売機;携帯電話(スマートフォンを含む)、タブレット型パーソナルコンピュータ等の携帯情報端末(PDA)、デジタルオーディオプレーヤー、携帯ゲーム機、コピー機、ファックス、及びカーナビゲーションシステム等のデジタル情報機器等に使用されている。
表面の擦傷等を防止するために、液晶ディスプレイ等のフラットパネルディスプレイ及びタッチパネル等の表面には透明な保護板が設置される。従来、保護板としては強化ガラスが主に使われてきたが、加工性及び軽量化の観点から、透明樹脂板の開発が行われている。保護板には、耐擦傷性及び耐衝撃性等の機能が求められる。
透明樹脂製の保護板として、耐衝撃性に優れるポリカーボネート層と光沢及び耐擦傷性に優れるメタクリル樹脂層とを含む樹脂板が検討されている。この樹脂板は、好ましくは共押出成形によって製造される。この場合、2種類の樹脂の特性の違いにより、得られる樹脂板に歪み応力が残る場合がある。樹脂板に残る歪み応力は「残留応力」と呼ばれ、この残留応力を有する樹脂板では熱変化等によって反り等が生じる恐れがある。
樹脂板中の残留応力を減らし、反りの発生を抑制する方法として、特許文献1には、押出成形に用いられる冷却ロールの回転速度を調整する方法が開示されている(請求項1)。特許文献2には、ポリカーボネートと積層するメタクリル樹脂として、メタクリル酸メチル(MMA)等のメタクリル酸エステルとスチレン等の芳香族ビニル単量体とを共重合した後、芳香族二重結合を水素化して得られた樹脂を用いる方法が開示されている(請求項2)。
また、上記課題を解決すべく、メタクリル樹脂の耐熱性及び耐湿性の向上が検討されている。例えば、特許文献3には、ポリカーボネートと積層するメタクリル樹脂として、MMA単位と、メタクリル酸(MA)単位、アクリル酸(AA)単位、マレイン酸無水物単位、N−置換又は無置換マイレミド単位、グルタル酸無水物構造単位、及びグルタルイミド構造単位から選ばれる単位とを有し、ガラス転移温度(Tg)が110℃以上である樹脂を用いる方法が開示されている(請求項1)。
その他、特許文献4には、2枚の樹脂シートを少なくとも1層の絵柄層を挟んで積層した化粧シートにおいて、2枚の樹脂シート間の線膨張率(線膨張係数とも言う)の差を小さくする方法が開示されている(請求項1)。
保護板の少なくとも一方の面には、耐擦傷性(ハードコート性)及び/又は視認性向上のための低反射性を有する硬化被膜を形成することができる(特許文献5の請求項1、2、及び特許文献6の請求項1等)。
液晶ディスプレイ用の保護板は、液晶ディスプレイの前面側(視認者側)に設置され、視認者はこの保護板を通して液晶ディスプレイの画面を見る。ここで、保護板は液晶ディスプレイからの出射光の偏光性をほとんど変化させないため、偏光サングラス等の偏光フィルタを通して画面を見ると、出射光の偏光軸と偏光フィルタの透過軸とがなす角度によっては、画面が暗くなり、画像の視認性が低下する場合がある。そこで、偏光フィルタを通して液晶ディスプレイの画面を見る場合の画像の視認性の低下を抑制しうる液晶ディスプレイ用の保護板が検討されている。例えば、特許文献7には、樹脂基板の少なくとも一方の面に硬化被膜が形成された耐擦傷性樹脂板からなり、面内のレターデーション値(Re)が85〜300nmである液晶ディスプレイ保護板が開示されている(請求項1)。
一般的に、押出樹脂板では成形時に応力が発生し、それにより分子が配向してレターデーションが発生する場合がある(特許文献8の段落0034を参照)。また、複数の樹脂層を含む押出樹脂板では、各樹脂層の残留応力の程度が異なる場合がある。また、押出樹脂板の成形では、最後の冷却ロールから離れるときに、押出樹脂板の表面にすじ状の欠点(いわゆるチャタマーク)が生じ、表面性が低下することがある。押出成形に用いられる冷却ロール及び引取りロールの回転速度等の製造条件を調整することによって、成形時に発生する応力及びチャタマークを減らすことができる。
例えば、押出樹脂板の成形時に発生する応力を低減し、Re値の低下を抑制するべく、特許文献8、9には、ポリカーボネート層の少なくとも片面にメタクリル樹脂層が積層された押出樹脂板を共押出成形する際に、複数の冷却ロールと引取りロールの周速度の関係、及び最後の冷却ロールから剥離する時点における樹脂全体の温度等の製造条件を好適化した押出樹脂板の製造方法が開示されている(特許文献8の請求項1、特許文献9の請求項3、4等)。
液晶ディスプレイ及びタッチパネル等の表面には、これらからの出射光を適度に散乱及び拡散させ、外光反射による映り込みを低減させるために、光拡散性樹脂板及び光拡散性樹脂フィルム等の光拡散性樹脂部材を取り付けることができる。
一般的に、光拡散性樹脂板等の光拡散性樹脂部材では、光拡散性を高めると、外光の散乱反射により樹脂が白っぽく見える現象(いわゆる白ぼけ)が生じてコントラストが低下する恐れがある。白ぼけを回避するために光拡散性を低めると、光散乱性の低下により外光反射による映り込み及びギラツキ等が生じる恐れがある。
光拡散性樹脂板等の光拡散性樹脂部材の製造方法としては、基体樹脂中に光拡散性微粒子を分散させた樹脂組成物を単層押出成形する方法、及び、光拡散性微粒子を含まない透明樹脂基材上に光拡散層を成膜または貼合する方法が挙げられる。後者方法において、光拡散層は、層内に光拡散性微粒子を含む、且つ/又は、表面に微細凹凸形状を有することができる(特許文献10、11等)。
特に、車載用液晶ディスプレイ等の保護板では、強い外光環境下においても良好な視認性を得るために、保護板は適度な光拡散(光散乱)機能を有し、高防眩性、低反射性、及び低ギラツキ性を有することが好ましい。特許文献10、11では、良好な防眩性を維持しつつ、画面のギラツキを抑え、白ぼけを抑制するために、内部光拡散によるヘイズ値と表面凹凸によるヘイズ値の好適化が提案されている(特許文献10の請求項1、特許文献11の請求項1)。
特開2007−185956号公報 国際公開第2011/145630号 特開2009−248416号公報 特開2007−118597号公報 特開2004−299199号公報 特開2006−103169号公報 特開2010−085978号公報 国際公開第2015/093037号 国際公開第2016/038868号 特開2002−267818号公報(特許第3703133号公報) 特開平11−305010号公報(特許第3507719号公報)
透明樹脂板の表面に耐擦傷性(ハードコート性)及び/又は低反射性を有する硬化被膜を形成する工程においては、透明樹脂板が100℃以上の温度に加熱される場合がある。例えば、熱硬化性の被膜材料は硬化に加熱を要するし、光硬化性の被膜材料は光照射時に熱を受ける。被膜材料が溶剤を含む場合、溶剤乾燥のために加熱される場合がある。
また、カーナビゲーションシステム等の車載用表示装置、携帯電話(スマートフォンを含む)等に搭載される液晶ディスプレイ用の保護板は、夏季日照下等の高温環境下で使用される場合がある。
このように製造工程又は使用環境下で樹脂板が高温に曝された場合、熱によりRe値が低下して、所望の範囲外となる恐れがある。Re値の熱変化は小さいことが好ましい。
近年、車載用液晶ディスプレイ等では、大画面化及び/又は多画面化、及びそれに伴う高精細化と高視認性の要求により、保護板に求められる性能が高まっている。特に、高防眩性(低反射性)及び低白ぼけ性(高コントラスト)の要求が高い。白ぼけを効果的に抑制するには、ヘイズ値を比較的小さくする必要がある。そのため、特許文献10に記載の比較的高ヘイズの光拡散シートでは、白ぼけを充分に抑制できない恐れがある。特許文献11に記載の比較的低ヘイズの光拡散性樹脂フィルムでは、特に高精細な液晶ディスプレイに対してギラツキを充分に抑制できない恐れがある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、面内のレターデーション値(Re)が液晶ディスプレイ等のフラットパネルディスプレイ及びタッチパネル等の保護板等として好適な範囲内であり、加熱によるRe値の低下率が小さく、加熱による反りの発生が少なく、表面性が良好で、高防眩性、低反射性、低ギラツキ性、及び低白ぼけ性を有する押出樹脂板とその製造方法を提供することを目的とする。
なお、本発明は、液晶ディスプレイ等のフラットパネルディスプレイ及びタッチパネル等の保護板として好適なものであるが、任意の用途に使用することができる。
本発明は、以下の[1]〜[14]の押出樹脂板とその製造方法及び保護板を提供する。
[1] ポリカーボネート含有層の少なくとも片面にメタクリル樹脂含有層が積層された押出樹脂板の製造方法であって、
前記押出樹脂板は、前記ポリカーボネート含有層及び前記メタクリル樹脂含有層のうち少なくとも1層が光拡散性微粒子(DP)を含有し、
前記ポリカーボネート含有層の少なくとも片面に前記メタクリル樹脂含有層が積層された熱可塑性樹脂積層体を溶融状態でTダイから共押出し、
互いに隣接する3つ以上の冷却ロールを用い、前記溶融状態の熱可塑性樹脂積層体を、第n番目(但し、n≧1)の冷却ロールと第n+1番目の冷却ロールとの間に挟み込み、第n+1番目の冷却ロールに巻き掛ける操作をn=1から複数回繰り返すことにより冷却し、
冷却後に得られた前記押出樹脂板を引取りロールによって引き取る工程(X)を含み、
第2番目の前記冷却ロールと第3番目の前記冷却ロールとの間に挟み込まれているときの前記熱可塑性樹脂積層体の全体温度(TX)を、前記ポリカーボネート含有層のガラス転移温度に対し+15℃以上とし、
最後の前記冷却ロールから剥離する位置における前記熱可塑性樹脂積層体の全体温度(TT)を、前記ポリカーボネート含有層のガラス転移温度に対し+5℃〜+19℃の範囲とし、
前記引取りロールの周速度(V4)と第2番目の前記冷却ロールの周速度(V2)との周速度比(V4/V2)を0.98以上1.0未満とする、押出樹脂板の製造方法。
[2] 溶融積層前に、濾過精度(FA)が下記式1)を充足するフィルタを用いて、光拡散性微粒子(DP)を含む溶融樹脂を溶融濾過する、[1]の押出樹脂板の製造方法。
35μm≧FA≧D+4×σ・・・1)
(上記式中、各符号は以下のパラメータを示す。
D:光拡散性微粒子(DP)の平均粒子径(μm)、
σ:光拡散性微粒子(DP)の粒子径分布の標準偏差(μm)。)
[3] 前記メタクリル樹脂含有層のガラス転移温度が115℃以上であり、
前記ポリカーボネート含有層の線膨張率(S1)と前記メタクリル樹脂含有層の線膨張率(S2)との差(S2−S1)と、前記ポリカーボネート含有層の線膨張率(S1)との比((S2−S1)/S1)が−10%〜+10%である、[1]又は[2]の押出樹脂板の製造方法。
[4] 前記メタクリル樹脂含有層が、メタクリル樹脂5〜80質量%と、芳香族ビニル化合物に由来する構造単位及び無水マレイン酸に由来する構造単位を含む共重合体95〜20質量%とを含有する、[1]〜[3]のいずれかの押出樹脂板の製造方法。
[5] 前記共重合体が、前記芳香族ビニル化合物に由来する構造単位50〜84質量%、無水マレイン酸に由来する構造単位15〜49質量%、及びメタクリル酸エステルに由来する構造単位1〜35質量%を含有する、[4]の押出樹脂板の製造方法。
[6] 工程(X)後にさらに、前記押出樹脂板を75〜125℃の温度で1〜30時間加熱する工程(Y)を含み、
加熱前後の双方において、前記押出樹脂板は、少なくとも幅方向の一部の面内のレターデーション値が50〜330nmであり、
加熱前に対する加熱後の前記押出樹脂板の前記レターデーション値の低下率が30%未満である、[1]〜[5]のいずれかの押出樹脂板の製造方法。
[7] ポリカーボネート含有層の少なくとも片面にメタクリル樹脂含有層が積層された押出樹脂板であって、
前記ポリカーボネート含有層及び前記メタクリル樹脂含有層のうち少なくとも1層が光拡散性微粒子(DP)を含有し、
前記メタクリル樹脂含有層のガラス転移温度が115℃以上であり、
75〜125℃の範囲内の一定温度で5時間加熱したときに、
少なくとも幅方向の一部の面内のレターデーション値が50〜330nmであり、
加熱前に対する加熱後の前記レターデーション値の低下率が30%未満であり、
前記ポリカーボネート含有層の線膨張率(S1)と前記メタクリル樹脂含有層の線膨張率(S2)との差(S2−S1)と、前記ポリカーボネート含有層の線膨張率(S1)との比((S2−S1)/S1)が−10%〜+10%である、押出樹脂板。
[8] 光拡散性微粒子(DP)を含有する層は、基体樹脂の屈折率(Nm)、光拡散性微粒子(DP)の屈折率(Nd)、及び光拡散性微粒子(DP)の平均粒子径(D)が下記式2)及び3)を充足する、[7]の押出樹脂板。
0.01≦|Nm−Nd|≦0.06・・・2)
2μm≦D≦20μm・・・3)
[9] 前記押出樹脂板を75℃または125℃の温度で5時間加熱したときに、加熱前後の双方において、少なくとも幅方向の一部の面内のレターデーション値が50〜330nmであり、加熱前に対する加熱後の前記レターデーション値の低下率が30%未満である、[7]又は[8]の押出樹脂板。
[10] 加熱前後の双方において、少なくとも幅方向の一部の面内のレターデーション値が80〜250nmである、[7]〜[9]のいずれかの押出樹脂板。
[11] 加熱前に対する加熱後の前記レターデーション値の低下率が15%未満である、[7]〜[10]のいずれかの押出樹脂板。
[12] [7]〜[11]のいずれかの押出樹脂板と、当該押出樹脂板の少なくとも一方の表面に形成された、表面凹凸を有する耐擦傷性層とを備える、保護板。
[13] [7]〜[11]のいずれかの押出樹脂板と、当該押出樹脂板の少なくとも一方の表面に形成された、表面凹凸を有する低反射性層とを備える、保護板。
[14] 前記押出樹脂板の内部光拡散によるヘイズ値(HI)、前記表面凹凸によるヘイズ値(HS)、及び、ヘイズ値(HI)とヘイズ値(HS)との合計値である前記保護板全体のヘイズ値(H)が、下記式4)〜7)を充足する、[12]又は[13]の保護板。
15%≦H≦40%・・・4)
10%≦HI≦25%・・・5)
5%≦HS≦15%・・・6)
HI≧HS・・・7)
本発明によれば、面内のレターデーション値(Re)が液晶ディスプレイ等のフラットパネルディスプレイ及びタッチパネル等の保護板等として好適な範囲内であり、加熱によるRe値の低下率が小さく、加熱による反りの発生が少なく、表面性が良好で、高防眩性、低反射性、低ギラツキ性、及び低白ぼけ性を有する押出樹脂板とその製造方法を提供することができる。
本発明に係る第1実施形態の押出樹脂板の模式断面図である。 本発明に係る第2実施形態の押出樹脂板の模式断面図である。 本発明に係る第1実施形態の保護板(硬化被膜付き押出樹脂板)の模式断面図である。 本発明に係る第2実施形態の保護板(硬化被膜付き押出樹脂板)の模式断面図である。 本発明に係る一実施形態の押出樹脂板の製造装置の模式図である。
[押出樹脂板]
本発明は、液晶ディスプレイ及びタッチパネル等の前面に配置され、これらからの出射光を適度に散乱及び拡散させ、外光反射による映り込みを低減させる目的で使用される保護板等として好適な押出樹脂板に関する。本発明の押出樹脂板は、ポリカーボネート(PC)を含有する層(以下、単にポリカーボネート含有層とも言う)の少なくとも片面にメタクリル樹脂(PM)を含有する層(以下、単にメタクリル樹脂含有層とも言う)が積層されたものである。
ポリカーボネート(PC)は耐衝撃性に優れ、メタクリル樹脂(PM)は透明性及び耐擦傷性に優れる。したがって、これら樹脂を積層した本発明の押出樹脂板は、透明性、耐衝撃性、及び耐擦傷性に優れる。また、本発明の押出樹脂板は押出成形法で製造されたものであるため、生産性に優れる。
(メタクリル樹脂含有層)
メタクリル樹脂含有層は、1種以上のメタクリル樹脂(PM)を含む。メタクリル樹脂(PM)は、好ましくはメタクリル酸メチル(MMA)を含む1種以上のメタクリル酸炭化水素エステル(以下、単にメタクリル酸エステルとも言う)に由来する構造単位を含む単独重合体又は共重合体である。
メタクリル酸エステル中の炭化水素基は、メチル基、エチル基、及びプロピル基等の非環状脂肪族炭化水素基であっても、脂環式炭化水素基であっても、フェニル基等の芳香族炭化水素基であってもよい。
透明性の観点から、メタクリル樹脂(PM)中のメタクリル酸エステル単量体単位の含有量は、好ましくは50質量%以上、より好ましくは80質量%以上、特に好ましくは90質量%以上であり、100質量%であってもよい。
メタクリル樹脂(PM)は、メタクリル酸エステル以外の1種以上の他の単量体に由来する構造単位を含んでいてもよい。他の単量体としては、アクリル酸メチル(MA)、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸tert−ブチル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ノニル、アクリル酸デシル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、アクリル酸4−ヒドロキシブチル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸2−メトキシエチル、アクリル酸3−メトキシブチル、アクリル酸トリフルオロメチル、アクリル酸トリフルオロエチル、アクリル酸ペンタフルオロエチル、アクリル酸グリシジル、アクリル酸アリル、アクリル酸フェニル、アクリル酸トルイル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸イソボルニル、及びアクリル酸3−ジメチルアミノエチル等のアクリル酸エステルが挙げられる。中でも、入手性の観点から、MA、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、及びアクリル酸tert−ブチル等が好ましく、MA及びアクリル酸エチル等がより好ましく、MAが特に好ましい。メタクリル樹脂(PM)における他の単量体に由来する構造単位の含有量は、好ましくは10質量%以下、より好ましくは5質量%以下、特に好ましくは2質量%以下である。
メタクリル樹脂(PM)は、好ましくはMMAを含む1種以上のメタクリル酸エステル、及び必要に応じて他の単量体を重合することで得られる。複数種の単量体を用いる場合は、通常、複数種の単量体を混合して単量体混合物を調製した後、重合を行う。重合方法としては特に制限されず、生産性の観点から、塊状重合法、懸濁重合法、溶液重合法、及び乳化重合法等のラジカル重合法が好ましい。
メタクリル樹脂(PM)の重量平均分子量(Mw)は、好ましくは40,000〜500,000である。Mwが40,000以上であることでメタクリル樹脂含有層は耐擦傷性及び耐熱性に優れるものとなり、Mwが500,000以下であることでメタクリル樹脂含有層は成形性に優れるものとなる。
本明細書において、特に明記しない限り、「Mw」はゲルパーエミーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて測定される標準ポリスチレン換算値である。
本明細書において、メタクリル樹脂含有層のガラス転移温度をTg(M)と表す。Tg(M)は特に制限されず、表面性が良好で、残留応力に起因する反りが小さい押出樹脂板を得やすいことから、Tg(M)の下限は、好ましくは115℃、より好ましくは120℃、特に好ましくは125℃、最も好ましくは130℃であり、Tg(M)の上限は、好ましくは160℃、より好ましくは155℃、特に好ましくは150℃である。
<メタクリル樹脂組成物(MR)>
メタクリル樹脂含有層は、メタクリル樹脂(PM)、及び必要に応じて1種以上の他の重合体を含むことができる。
例えば、メタクリル樹脂含有層は、メタクリル樹脂(PM)とSMA樹脂(S)とを含むメタクリル樹脂組成物(MR)(以下、単に樹脂組成物(MR)とも言う)からなることができる。
本明細書において、「SMA樹脂」とは、1種以上の芳香族ビニル化合物に由来する構造単位、及び無水マレイン酸(MAH)を含む1種以上の酸無水物に由来する構造単位を含み、さらに好ましくはメタクリル酸エステルに由来する構造単位を含む共重合体である。
メタクリル樹脂組成物(MR)は好ましくは、メタクリル樹脂(PM)5〜80質量%と、SMA樹脂(S)95〜20質量%とを含むことができる。
Tg(M)を115℃以上とする等の観点から、樹脂組成物(MR)中のメタクリル樹脂(PM)の含有量は、好ましくは5〜80質量%、より好ましくは5〜55質量%、特に好ましくは10〜50質量%である。
SMA樹脂(S)は、1種以上の芳香族ビニル化合物及びMAHを含む1種以上の酸無水物に由来する構造単位を含む共重合体である。
芳香族ビニル化合物としては、スチレン(St);2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、4−エチルスチレン、及び4−tert−ブチルスチレン等の核アルキル置換スチレン;α−メチルスチレン及び4−メチル−α−メチルスチレン等のα−アルキル置換スチレン;が挙げられる。中でも、入手性の観点からスチレン(St)が好ましい。樹脂組成物(MR)の透明性及び耐湿性の観点から、SMA樹脂(S)中の芳香族ビニル化合物単量体単位の含有量は、好ましくは50〜84質量%、より好ましくは55〜82質量%、特に好ましくは60〜80質量%である。
酸無水物としては入手性の観点から少なくとも無水マレイン酸(MAH)を用い、必要に応じて、無水シトラコン酸及びジメチル無水マレイン酸等の他の酸無水物を用いることができる。樹脂組成物(MR)の透明性及び耐熱性の観点から、SMA樹脂(S)中の酸無水物単量体単位の含有量は、好ましくは15〜49質量%、より好ましくは18〜45質量%、特に好ましくは20〜40質量%である。
SMA樹脂(S)は、芳香族ビニル化合物及び酸無水物に加え、1種以上のメタクリル酸エステル単量体に由来する構造単位を含むことができる。メタクリル酸エステルとしては、MMA、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸シクロへキシル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ベンジル、及びメタクリル酸1−フェニルエチル等が挙げられる。中でも、アルキル基の炭素数が1〜7であるメタクリル酸アルキルエステルが好ましい。SMA樹脂(S)の耐熱性及び透明性の観点から、MMAが特に好ましい。押出樹脂板の曲げ加工性及び透明性の観点から、SMA樹脂(S)中のメタクリル酸エステル単量体単位の含有量は、好ましくは1〜35質量%、より好ましくは3〜30質量%、特に好ましくは5〜26質量%である。この場合において、芳香族ビニル化合物単量体単位の含有量は好ましくは50〜84質量%、酸無水物単量体単位の含有量は好ましくは15〜49質量%である。
SMA樹脂(S)は、芳香族ビニル化合物に由来する構造単位50〜84質量%、無水マレイン酸に由来する構造単位15〜49質量%、及びメタクリル酸エステルに由来する構造単位1〜35質量%を含有することが好ましい。
SMA樹脂(S)は、芳香族ビニル化合物、酸無水物、及びメタクリル酸エステル以外の他の単量体に由来する構造単位を有していてもよい。他の単量体としては、メタクリル樹脂(PM)の説明において上述したものを用いることができる。SMA樹脂(S)中の他の単量体単位の含有量は、好ましくは10質量%以下、より好ましくは5質量%以下、特に好ましくは2質量%以下である。
SMA樹脂(S)は、芳香族ビニル化合物、酸無水物、必要に応じてメタクリル酸エステル、及び必要に応じて他の単量体を重合することで得られる。この重合においては、通常、複数種の単量体を混合して単量体混合物を調製した後、重合を行う。重合方法は特に制限されず、生産性の観点から、塊状重合法及び溶液重合法等のラジカル重合法が好ましい。
SMA樹脂(S)のMwは、好ましくは40,000〜300,000である。Mwが40,000以上であることでメタクリル樹脂含有層は耐擦傷性及び耐衝撃性に優れるものとなり、Mwが300,000以下であることでメタクリル樹脂含有層は成形性に優れるものとなる。
Tg(M)を115℃以上とする等の観点から、樹脂組成物(MR)中のSMA樹脂(S)の含有量は、好ましくは20〜95質量%、より好ましくは45〜95質量%、特に好ましくは50〜90質量%である。
樹脂組成物(MR)は例えば、メタクリル樹脂(PM)とSMA樹脂(S)とを混合して得られる。混合法としては、溶融混合法及び溶液混合法等が挙げられる。溶融混合法では、単軸又は多軸の混練機、オープンロール、バンバリーミキサー、及びニーダー等の溶融混練機等を用い、必要に応じて、窒素ガス、アルゴンガス、及びヘリウムガス等の不活性ガス雰囲気下で溶融混練を行うことができる。溶液混合法では、メタクリル樹脂(PM)とSMA樹脂(S)とを、トルエン、テトラヒドロフラン、及びメチルエチルケトン等の有機溶媒に溶解させて混合することができる。
一実施形態において、メタクリル樹脂含有層は、メタクリル樹脂(PM)、及び必要に応じて1種以上の他の重合体を含むことができる。
他の実施形態において、メタクリル樹脂含有層はメタクリル樹脂組成物(MR)からなり、メタクリル樹脂組成物(MR)は、メタクリル樹脂(PM)、SMA樹脂(S)、及び必要に応じて1種以上の他の重合体を含むことができる。
他の重合体としては特に制限されず、ポリエチレン及びポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリアミド、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエステル、ポリスルホン、ポリフェニレンオキサイド、ポリイミド、ポリエーテルイミド、及びポリアセタール等の他の熱可塑性樹脂;フェノール樹脂、メラミン樹脂、シリコーン樹脂、及びエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂等が挙げられる。メタクリル樹脂含有層中の他の重合体の含有量は、好ましくは10質量%以下、より好ましくは5質量%以下、特に好ましくは2質量%以下である。
メタクリル樹脂含有層は必要に応じて、各種添加剤を含むことができる。添加剤としては、酸化防止剤、熱劣化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、滑剤、離型剤、高分子加工助剤、帯電防止剤、難燃剤、染料・顔料、艶消し剤、コアシェル粒子及びブロック共重合体等の耐衝撃性改質剤、及び蛍光体等が挙げられる。添加剤の含有量は、本発明の効果を損なわない範囲で適宜設定できる。メタクリル樹脂含有層を構成する樹脂100質量部に対して、例えば、酸化防止剤の含有量は0.01〜1質量部、紫外線吸収剤の含有量は0.01〜3質量部、光安定剤の含有量は0.01〜3質量部、滑剤の含有量は0.01〜3質量部、染料・顔料の含有量は0.01〜3質量部が好ましい。
メタクリル樹脂(PM)に他の重合体及び/又は添加剤を含有させる場合、添加タイミングはメタクリル樹脂(PM)の重合時でも重合後でもよい。
メタクリル樹脂組成物(MR)に他の重合体及び/又は添加剤を含有させる場合、添加タイミングは、メタクリル樹脂(PM)及び/又はSMA樹脂(S)の重合時でもよいし、これら樹脂の混合時又は混合後でもよい。
加熱溶融成形の安定性の観点から、メタクリル樹脂含有層の構成樹脂のメルトフローレイト(MFR)は、好ましくは1〜10g/10分、より好ましくは1.5〜7g/10分、特に好ましくは2〜4g/10分である。本明細書において、特に明記しない限り、メタクリル樹脂含有層の構成樹脂のMFRは、メルトインデクサーを用いて、温度230℃、3.8kg荷重下で測定される値である。
(ポリカーボネート含有層)
ポリカーボネート含有層は、1種以上のポリカーボネート(PC)を含む。ポリカーボネート(PC)は、好ましくは1種以上の二価フェノールと1種以上のカーボネート前駆体とを共重合して得られる。製造方法としては、二価フェノールの水溶液とカーボネート前駆体の有機溶媒溶液とを界面で反応させる界面重合法、及び、二価フェノールとカーボネート前駆体とを高温、減圧、無溶媒条件下で反応させるエステル交換法等が挙げられる。
二価フェノールとしては、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(通称ビスフェノールA)、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)サルファイド、及びビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン等が挙げられ、中でもビスフェノールAが好ましい。カーボネート前駆体としては、ホスゲン等のカルボニルハライド;ジフェニルカーボネート等のカーボネートエステル;二価フェノールのジハロホルメート等のハロホルメート;等が挙げられる。
ポリカーボネート(PC)のMwは、好ましくは10,000〜100,000、より好ましくは20,000〜70,000である。Mwが10,000以上であることでポリカーボネート含有層は耐衝撃性及び耐熱性に優れるものとなり、Mwが100,000以下であることでポリカーボネート含有層は成形性に優れるものとなる。
ポリカーボネート(PC)は市販品を用いてもよい。住化スタイロンポリカーボネート株式会社製「カリバー(登録商標)」及び「SDポリカ(登録商標)」、三菱エンジニアリングプラスチック株式会社製「ユーピロン/ノバレックス(登録商標)」、出光興産株式会社製「タフロン(登録商標)」、及び帝人化成株式会社製「パンライト(登録商標)」等が挙げられる。
ポリカーボネート含有層は必要に応じて、1種以上の他の重合体及び/又は各種添加剤を含むことができる。他の重合体及び各種添加剤としては、メタクリル樹脂含有層の説明において上述したものと同様のものを用いることができる。ポリカーボネート含有層中の他の重合体の含有量は、好ましくは15質量%以下、より好ましくは10質量%以下、特に好ましくは5質量%以下である。添加剤の含有量は本発明の効果を損なわない範囲で適宜設定できる。ポリカーボネート(PC)100質量部に対して、酸化防止剤の含有量は0.01〜1質量部、紫外線吸収剤の含有量は0.01〜3質量部、光安定剤の含有量は0.01〜3質量部、滑剤の含有量は0.01〜3質量部、染料・顔料の含有量は0.01〜3質量部が好ましい。
ポリカーボネート(PC)に他の重合体及び/又は添加剤を添加させる場合、添加タイミングは、ポリカーボネート(PC)の重合時時でも重合後でもよい。
本明細書において、ポリカーボネート含有層のガラス転移温度をTg(PC)と表す。Tg(PC)は、好ましくは120〜160℃、より好ましくは135〜155℃、特に好ましくは140〜150℃である。
加熱溶融成形の安定性の観点から、ポリカーボネート含有層の構成樹脂のMFRは、好ましくは1〜30g/10分、より好ましくは3〜20g/10分、特に好ましくは5〜10g/10分である。本明細書において、ポリカーボネート含有層の構成樹脂のMFRは、特に明記しない限り、メルトインデクサーを用いて、温度300℃、1.2kg荷重下の条件で測定される値である。
(光拡散性微粒子(DP))
本発明の押出樹脂板では、ポリカーボネート含有層及びその少なくとも片面に形成されたメタクリル樹脂含有層のうち少なくとも1層が光拡散性微粒子(DP)を含有する内部拡散層である。内部拡散層のヘイズ値を好適化することで、液晶ディスプレイ及びタッチパネル等の表面から出射する光と外部から入射する光を適度に散乱及び拡散させ、高防眩性、低反射性、低ギラツキ性、及び低白ぼけ性を有する押出樹脂板を提供することができる。
詳細については後記するが、本発明の押出樹脂板の少なくとも一方の表面に表面凹凸を有する硬化被膜を形成して、保護板とすることができる。押出樹脂板の内部拡散層のヘイズ値と硬化被膜の表面凹凸によるヘイズ値を好適化することで、高防眩性、低反射性、低ギラツキ性、及び低白ぼけ性を効果的に有する保護板を提供することができる。
本発明の押出樹脂板の少なくとも1層が光拡散性微粒子(DP)を含むことで、液晶ディスプレイの画素と硬化被膜の表面凹凸との干渉によるギラツキを抑制することができる。
光拡散性微粒子(DP)としては、有機又は無機の透明微粒子を用いることができる。
屈折率の調整がしやすいことから、光拡散性微粒子(DP)として好適な有機微粒子としては、メタクリル酸エステル単位と架橋性単量体単位とを含む架橋メタクリル系樹脂、スチレン単位と架橋性単量体単位とを含む架橋ポリスチレン系樹脂、メタクリル酸エステル単位とスチレン単位と架橋性単量体単位とを含む架橋MS樹脂、架橋ポリウレタン系樹脂、架橋メラミン系樹脂、架橋ポリカーボネート系樹脂、及び2,4−ジアミノ−6−フェニル−1,3,5−トリアジン(ベンゾグアナミンとも言う)等の架橋樹脂;シリコーン系樹脂等が挙げられる。
同理由から、光拡散性微粒子(DP)として好適な無機微粒子の材料としては、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、酸化カルシウム、酸化錫、酸化インジウム、酸化カドミウム、及び酸化アンチモン等の金属酸化物;炭酸カルシウム等の金属炭酸塩;水酸化アルミニウム等の金属水酸化物等が挙げられる。
光拡散性微粒子(DP)は、1種または2種以上用いることができる。
光拡散性微粒子(DP)の平均粒子径は特に制限されず、平均粒子径が過小ではレーリー散乱による色つきが生じる恐れがあり、過大では、所望の光拡散性が得られず、ギラツキ等の抑制効果が不充分となる恐れがある。光拡散効果が効果的に得られることから、光拡散性微粒子(DP)の平均粒子径は、好ましくは2〜20μm、より好ましくは5〜10μmである。
光拡散性微粒子(DP)の屈折率は、基体樹脂との屈折率差が好適な範囲内となるように、設計される。屈折率差が過小では、所望のヘイズを得るために必要な光拡散性微粒子(DP)の量が多くなり、光拡散性微粒子(DP)の凝集欠点が生じる恐れがある。屈折率差が過大では、レーリー散乱による色つきが生じる恐れがある。基体樹脂と光拡散性微粒子(DP)との屈折率差は、好ましくは0.01〜0.06、より好ましくは0.01〜0.04、特に好ましくは0.015〜0.025である。なお、屈折率差が上記範囲内であれば、光拡散性微粒子(DP)の屈折率と基体樹脂の屈折率は、どちらが大きくてもよい。
すなわち、押出樹脂板の光拡散性微粒子(DP)を含有する層は、基体樹脂の屈折率(Nm)、光拡散性微粒子(DP)の屈折率(Nd)、及び光拡散性微粒子(DP)の平均粒子径(D)が下記式2)及び3)を充足することが好ましい。
0.01≦|Nm−Nd|≦0.06・・・2)
2μm≦D≦20μm・・・3)
光拡散性微粒子(DP)を含む層中の光拡散性微粒子(DP)の含有量は、屈折率差|Nm−Nd|、平均粒子径(D)、及び層の厚さに応じて、好適なヘイズ値となるように設計される。
(線膨張率比(SR))
本発明の押出樹脂板において、ポリカーボネート含有層の線膨張率(S1)とメタクリル樹脂含有層の線膨張率(S2)との差(S2−S1)と、ポリカーボネート含有層の線膨張率(S1)との比((S2−S1)/S1)を、線膨張率比(SR)と定義する。
熱変化等による反りの低減の観点から、線膨張率比(SR)は−10%〜+10%であり、好ましくは−10%〜+5%、より好ましくは−5%〜+2%である。線膨張率比(SR)は、−10%〜−0.1%、−5%〜−0.1%、+0.1%〜+10%、+0.1%〜+5%、又は+0.1%〜+2%であることができる。線膨張率比(SR)がかかる範囲内であると、表面性が良好で残留応力に起因する反りが小さい押出樹脂板を得やすい。
(各層及び押出樹脂板の厚さ)
本発明の保護板に用いられる押出樹脂板の全体の厚さ(t)は、液晶ディスプレイ等のフラットパネル及びタッチパネルディスプレイ等の保護板等の用途では、好ましくは0.5〜5.0mm、より好ましくは0.8〜3.0mmである。薄すぎると剛性が不充分となる恐れがあり、厚すぎると液晶ディスプレイ等のフラットパネル及びタッチパネルディスプレイ等の軽量化の妨げになる恐れがある。
メタクリル樹脂含有層の厚さは特に制限されず、好ましくは40〜200μm、より好ましくは50〜150μm、特に好ましくは60〜100μmである。薄すぎると耐擦傷性が劣り、厚すぎると衝撃性が劣る恐れがある。ポリカーボネート含有層の厚さは、好ましくは0.3〜4.9mm、より好ましくは0.6〜2.9mmである。
(積層構造)
本発明の押出樹脂板は、ポリカーボネート含有層の少なくとも片面にメタクリル樹脂含有層が積層されていれば、他の樹脂層を有していてもよい。本発明の押出樹脂板に含まれる押出樹脂板の積層構造としては、ポリカーボネート含有層−メタクリル樹脂含有層の2層構造;メタクリル樹脂含有層−ポリカーボネート含有層−メタクリル樹脂含有層の3層構造;メタクリル樹脂含有層−ポリカーボネート含有層−他の樹脂層の3層構造;他の樹脂層−メタクリル樹脂含有層−ポリカーボネート含有層の3層構造;等が挙げられる。
図1、図2は、本発明に係る第1、第2実施形態の押出樹脂板の模式断面図である。図中、符号16X、16Yは押出樹脂板、符号21はポリカーボネート含有層、符号22、22A、22Bはメタクリル樹脂含有層を示す。第1実施形態の押出樹脂板16Xは、ポリカーボネート含有層21−メタクリル樹脂含有層22の2層構造を有している。第2実施形態の押出樹脂板16Yは、第1のメタクリル樹脂含有層22A−ポリカーボネート含有層21−第2メタクリル樹脂含有層22Bの3層構造を有している。なお、押出樹脂板の構成は、適宜設計変更が可能である。
[押出樹脂板の製造方法]
以下、上記構成の本発明の押出樹脂板の製造方法について、説明する。本発明の押出樹脂板は、共押出成形を含む製造方法により製造される。
(工程(X))
ポリカーボネート含有層及びメタクリル樹脂含有層の構成樹脂はそれぞれ加熱溶融され、ポリカーボネート含有層の少なくとも片面にメタクリル樹脂含有層が積層された熱可塑性樹脂積層体の状態で、幅広の吐出口を有するTダイから溶融状態で共押出される。
ポリカーボネート含有層用及びメタクリル樹脂含有層用の溶融樹脂は、積層前にフィルタにより溶融濾過することが好ましい。溶融濾過した各溶融樹脂を用いて多層成形することにより、異物及びゲルに起因する欠点の少ない押出樹脂板が得られる。フィルタの濾材は、使用温度、粘度、及び濾過精度等により適宜選択される。例えば、グラスファイバー等からなる不織布;金属繊維不織布焼結シート状物;金属粉末焼結シート状物;金網;及びこれらの組合せ等が挙げられる。中でも耐熱性及び耐久性の観点から、金属繊維不織布焼結シート状物を複数枚積層したフィルタが好ましい。
光拡散性微粒子(DP)を含まない溶融樹脂用のフィルタの濾過精度(FA)は特に制限されず、好ましくは35μm以下、より好ましくは15μm以下、特に好ましくは5μm以下である。
光拡散性微粒子(DP)を含む溶融樹脂用のフィルタの濾過精度(FA)は、光拡散性微粒子(DP)の平均粒子径(D)と粒子径分布の標準偏差(σ)に応じて設計される。FAが過大では、除去したい不純物が捕捉されず、樹脂ヤケ等の欠点が生じる恐れがある。FAが過小では、光拡散性微粒子(DP)がフィルタ内に詰りやすくなる恐れがある。光拡散性微粒子(DP)を含む溶融樹脂の場合、下記式1)を充足するフィルタを用いて、溶融濾過することが好ましい。
35μm≧FA≧D+4×σ・・・1)
(上記式中、各符号は以下のパラメータを示す。
D:光拡散性微粒子(DP)の平均粒子径(μm)、
σ:光拡散性微粒子(DP)の粒子径分布の標準偏差(μm)。)
積層方式としては、Tダイ流入前に積層するフィードブロック方式、及びTダイ内部で積層するマルチマニホールド方式等が挙げられる。押出樹脂板の層間の界面平滑性を高める観点から、マルチマニホールド方式が好ましい。
Tダイから共押出された溶融状態の熱可塑性樹脂積層体は、複数の冷却ロールを用いて冷却される。本発明では、互いに隣接する3つ以上の冷却ロールを用い、溶融状態の熱可塑性樹脂積層体を、第n番目(但し、n≧1)の冷却ロールと第n+1番目の冷却ロールとの間に挟み込み、第n+1番目の冷却ロールに巻き掛ける操作をn=1から複数回繰り返すことにより冷却する。例えば、3つの冷却ロールを用いる場合、繰り返し回数は2回である。
冷却ロールとしては、金属ロール、及び外周部に金属製外筒を備えた弾性ロール(以下、金属弾性ロールとも言う)等が挙げられる。金属ロールとしては、ドリルドロール及びスパイラルロール等が挙げられ、その表面は鏡面であることが好ましい。金属弾性ロールは例えば、ステンレス鋼等からなる軸ロールと、この軸ロールの外周面を覆うステンレス鋼等からなる金属製外筒と、これら軸ロール及び金属製外筒の間に封入された流体とからなり、流体の存在により弾性を示すことができる。金属製外筒の厚さは好ましくは2〜5mm程度である。金属製外筒は、屈曲性及び可撓性等を有することが好ましく、溶接継ぎ部のないシームレス構造であるのが好ましい。このような金属製外筒を備えた金属弾性ロールは、耐久性に優れると共に、金属製外筒を鏡面化すれば通常の鏡面ロールと同様の取り扱いができ、使い勝手がよい。
冷却後に得られた押出樹脂板は、引取りロールによって引き取られる。以上の共押出、冷却、及び引取りの工程は、連続的に実施される。なお、本明細書では、主に加熱溶融状態のものを「熱可塑性樹脂積層体」と表現し、固化したものを「押出樹脂板」と表現しているが、両者の間に明確な境界はない。
図5に、一実施形態として、Tダイ11、第1〜第3冷却ロール12〜14、及び一対の引取りロール15を含む製造装置の模式図を示す。Tダイ11から共押出された熱可塑性樹脂積層体は第1〜第3冷却ロール12〜14を用いて冷却され、一対の引取りロール15により引き取られる。図示例では、第3冷却ロール14が「最後に熱可塑性樹脂積層体が巻き掛けられる冷却ロール(以下、単に最後の冷却ロールとも言う)」である。
第3冷却ロール14の後段に隣接して第4以降の冷却ロールを設置してもよい。この場合は、熱可塑性樹脂積層体が最後に巻き掛けられる冷却ロールが「最後の冷却ロール」となる。なお、互いに隣接した複数の冷却ロールと引取りロールとの間には必要に応じて搬送用ロールを設置することができるが、搬送用ロールは「冷却ロール」には含めない。
なお、製造装置の構成は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、適宜設計変更が可能である。
本発明の製造方法では、第2冷却ロールと第3冷却ロールとの間に挟み込まれているときの熱可塑性樹脂積層体の全体温度(TX)を、ポリカーボネート含有層のガラス転移温度(Tg(PC))に対し+15℃以上とする。熱可塑性樹脂積層体の全体温度(TX)がTg(PC)に対して過低である場合、熱可塑性樹脂積層体に第2冷却ロールの形状が転写され、反りが大きくなる恐れがある。TXがTg(PC)以上であっても、Tg(PC)+15℃未満である場合には、第3冷却ロールによって冷却された後、最後の冷却ロール(図5では第3冷却ロール)から剥離する位置における熱可塑性樹脂積層体の全体温度(TT)の温度がTg(PC)より低くなり、前記同様に反りが大きくなる恐れがある。
なお、温度(TX)は後記[実施例]の項に記載の方法にて測定するものとする。
本発明の製造方法では、最後の冷却ロール(図5では第3冷却ロール)から剥離する位置における熱可塑性樹脂積層体の全体温度(TT)をポリカーボネート含有層のガラス転移温度(Tg(PC))に対して+5℃〜+19℃の範囲とする。温度(TT)は、(Tg(PC))に対して、好ましくは+7℃〜+17℃、より好ましくは+9℃〜+15℃、特に好ましくは+10℃〜+15℃である。
Tg(PC)に対して温度TTが過低では、押出樹脂板に最後の冷却ロール(図5では第3冷却ロール)の形状が転写され、反りが大きくなる恐れがある。一方、最後の冷却ロール(図5では第3冷却ロール)と接する樹脂層のガラス転移温度(Tg)に対して温度TTが過高では、押出樹脂板の表面性が低下する恐れがある。なお、温度(TT)は後記[実施例]の項に記載の方法にて測定するものとする。
本発明では、反りの小さい押出樹脂板を得るために、線膨張率比(SR)を−10%〜+10%とし、メタクリル樹脂含有層のガラス転移温度(Tg(M))を115℃以上とすることが好ましい。
「レターデーション」とは、分子主鎖方向の光とそれに垂直な方向の光との位相差である。一般的に高分子は加熱溶融成形されることで任意の形状を得ることができるが、加熱及び冷却の過程において発生する応力によって分子が配向してレターデーションが発生することが知られている。したがって、レターデーションを制御するためには分子の配向を制御する必要がある。分子の配向は例えば、高分子のガラス転移温度(Tg)近傍での成形時の応力により発生する。なお、本明細書において、「レターデーション」は特に明記しない限り、面内のレターデーションを示すものとする。
本発明者らは、押出成形の過程における製造条件を好適化することにより分子の配向を制御し、これによって、押出樹脂板の成形後のRe値を好適化でき、さらに、Re値の熱変化を抑制できることを見出した。
なお、詳細については後記するが、加熱前後の双方において、押出樹脂板は、少なくとも幅方向の一部のRe値が50〜330nmであり、加熱前に対する加熱後の押出樹脂板のRe値の低下率が30%未満であることが好ましい。
<周速度比とRe値との関係>
本明細書において、特に明記しない限り、「周速度比」は、第2冷却ロールに対するそれ以外の任意の冷却ロール又は引取りロールの周速度の比である。第2冷却ロールの周速度はV2、第3冷却ロールの周速度はV3、引取ロールの周速度はV4と表す。
本発明者らが第2冷却ロールに対する第3冷却ロールの周速度比(V3/V2)とRe値との関係について種々評価した結果、周速度比(V3/V2)を大きくしてもRe値は大きく増加しないことが分かった。その理由は、以下のように推定される。
本発明の製造方法では、最後の冷却ロール(図5では第3冷却ロール)から剥離する位置における熱可塑性樹脂積層体の全体温度(TT)は、ポリカーボネート含有層のガラス転移温度(Tg(PC))に対して+5℃〜+19℃の範囲に調整する。ここで、熱可塑性樹脂積層体の最後の冷却ロールによる冷却過程に着目する。熱可塑性樹脂積層体は最後の冷却ロールに接触しながら冷却されるため、最後の冷却ロールに最初に接触する位置における熱可塑性樹脂積層体の全体温度は、最後の冷却ロールから剥離する位置における熱可塑性樹脂積層体の全体温度(TT)よりも高い。したがって、最後の冷却ロールに最初に接触する時点の熱可塑性樹脂積層体の全体温度は、ポリカーボネート含有層のガラス転移温度(Tg(PC))に対して+5℃〜+19℃の範囲よりも高く、例えばガラス転移温度(Tg(PC))に対して+20℃程度又はそれ以上となる。この条件で周速度比(V3/V2)を大きくして押出樹脂板に大きな引張応力をかけたとしても、樹脂の分子が配向し難い高温度領域であるため、Re値は大きく増加しないと推察される。
本発明者らが第2冷却ロールに対する引取りロールの周速度比(V4/V2)とRe値との関係について種々評価した結果、周速度比(V4/V2)が大きいほどRe値が増すことが分かった。その理由は、以下のように推定される。
温度(TT)をポリカーボネート含有層のガラス転移温度(Tg(PC))に対して+5〜+19℃の範囲に調整する条件で、引取りロールの周速度比を大きくし、押出樹脂板に大きな引張応力をかける場合、樹脂の分子が配向しやすい温度領域であるため、Re値が増すと推察される。
<周速度比と加熱後のRe値の低下率との関係>
温度(TT)がポリカーボネート含有層のガラス転移温度(Tg(PC))に対して+5〜+19℃の範囲より低い条件の場合、加熱後のRe値の低下率が大きくなる傾向があることが分かった(後記比較例3を参照)。
これに対して、温度(TT)がポリカーボネート含有層のガラス転移温度(Tg(PC))に対して+5℃〜+19℃の範囲の条件で、周速度比(V4/V2)を調整しRe値を適正な範囲に調整した場合、加熱後のRe値の低下率は大きく変化しないことが分かった(後記実施例1〜11を参照)。
その理由は、以下にように推定される。温度(TT)をポリカーボネート含有層のガラス転移温度(Tg(PC))に対して+5℃〜+19℃の範囲に調整する場合、引取りロールの周速度比を大きくして押出樹脂板に大きな引張応力を掛けることにより分子が配向してRe値が大きくなるが、加熱温度がポリカーボネート含有層のガラス転移温度(Tg(PC))より低い温度であるため分子の配向が緩和し難く、Re値の低下率は大きく変化しないと推察される。
以上の知見から、温度(TT)をポリカーボネート含有層のガラス転移温度(Tg(PC))に対して+5℃〜+19℃の範囲に制御し、周速度比(V4/V2)を好適な範囲内に調整することで、Re値及び加熱後のRe値の低下率を制御できることが分かった。
具体的には、本発明の製造方法では、周速度比(V4/V2)を0.98以上1.0未満とする。周速度比(V4/V2)が1.0以上では、Re値が330nmを超える恐れがある。周速度比(V4/V2)が0.98未満ではReが50nm未満となる恐れがある。Re値の好適化の観点から、周速度比(V4/V2)は、より好ましくは0.985〜0.995である(後記実施例1〜11を参照)。
<面内のレターデーション値(Re)>
押出樹脂板のRe値は特に制限されない。液晶ディスプレイ及びタッチパネル等の保護板の用途では、Re値が330nm超では、偏光サングラス等の偏光フィルタを通して視認した場合に可視光範囲の各波長の透過率の差が大きくなり、さまざまな色が見えて視認性が低下する恐れがあり、Re値が50nm未満では、可視光範囲の全波長での透過率が低下し視認性が低下する恐れがある。視認性の観点から、Reは好ましくは50〜330nmである。この範囲内では、値が大きいほど明るさが増し、値が小さくなるほど色が鮮明となる傾向がある。明るさと色のバランスの観点から、Re値はより好ましくは80〜250nmである。なお、少なくとも幅方向の一部のReが好ましくは50〜330nm、より好ましくは80〜250nmであればよい。
一般的な押出樹脂板では、製造工程又は使用環境下で高温に曝された場合、熱によりRe値が低下して、所望の範囲外となることがある。Re値の熱変化は小さいことが好ましい。
<加熱条件>
押出樹脂板のRe値の低下率を評価するための加熱条件に関しては、75〜125℃の範囲内の一定温度、1〜30時間の範囲内の一定時間とすることができる。例えば、75℃で5時間又は125℃で5時間の条件で評価を実施することができる。例えば、試験片を125℃±3℃又は75℃±3℃に管理されたオーブン内で5時間加熱することで、評価を実施することができる。なお、上記加熱条件は、耐擦傷性層又は視認性向上効果のための低反射性層として機能する硬化被膜等を形成する過程における一般的な加熱の温度と時間を考慮している。したがって、上記条件の加熱を実施して評価したときに、Re値を好適な範囲に維持できることが好ましい。
具体的には、押出樹脂板を75〜125℃の温度で1〜30時間加熱したとき、加熱前後の双方において、押出樹脂板は、少なくとも幅方向の一部の面内のRe値が好ましくは50〜330nm、より好ましくは80〜250nmであり、加熱前に対する加熱後の押出樹脂板のRe値の低下率が好ましくは30%未満、より好ましくは20%未満、特に好ましくは15%未満である。
なお、Re値は後記[実施例]の項に記載の方法にて測定するものとする。
(工程(Y))
工程(X)後に、押出樹脂板を75〜125℃の温度で1〜30時間加熱する工程(Y)を実施してもよい。この場合、Re値及びその熱変化を効果的に制御し、液晶ディスプレイ等のフラットパネルディスプレイ及びタッチパネル等の保護板等として好適な押出樹脂板をより安定的に得ることができる。
工程(Y)前後の双方において、押出樹脂板は、少なくとも幅方向の一部のRe値が好ましくは50〜330nmであり、より好ましくは80〜250nmであり、工程(Y)前に対する工程(Y)後の押出樹脂板のRe値の低下率が好ましくは30%未満、より好ましくは15%未満である。
[保護板]
上記の本発明の押出樹脂板を液晶ディスプレイ等のフラットパネルディスプレイ及びタッチパネル等の保護板として用いることができる。
上記の本発明の押出樹脂板の少なくとも一方の表面に任意の膜を形成して、液晶ディスプレイ等のフラットパネルディスプレイ及びタッチパネル等の保護板として用いてもよい。
一実施形態において、本発明の保護板は、最表面に、耐擦傷性層又は視認性向上効果のための低反射性層として機能する硬化被膜を有することができる。硬化被膜は、表面凹凸を有し、表面光拡散層として機能することが好ましい。この場合、硬化被膜は、表面凹凸による光拡散効果によって、防眩機能を有することができる。
図3、図4は、本発明に係る第1、第2実施形態の保護板の模式断面図である。これらの図において、図1、図2と同じ構成要素には同じ参照符号を付してある。図中、符号17X、17Yは保護板、符号23A、23Bは硬化被膜を示す。第1実施形態の保護板17Xは、ポリカーボネート含有層21−メタクリル樹脂含有層22の2層構造を有する押出樹脂板16Xの両面にそれぞれ硬化被膜23A、23Bが形成されたものである。第2実施形態の保護板17Yは、第1のメタクリル樹脂含有層22A−ポリカーボネート含有層21−第2メタクリル樹脂含有層22Bの3層構造を有する押出樹脂板16Yの両面にそれぞれ硬化被膜23A、23Bが形成されたものである。なお、保護板の構成は、適宜設計変更が可能である。例えば、第1、第2実施形態の保護板において、硬化被膜は、押出樹脂板の一方の面にのみ形成されていてもよい。
硬化被膜は公知方法にて形成することができる。
硬化被膜の材料としては、無機系、有機系、有機無機系、及びシリコーン系等が挙げられ、生産性の観点から、有機系及び有機無機系が好ましい。
無機系硬化被膜は例えば、SiO、Al、TiO、及びZrO等の金属酸化物等の無機材料を、真空蒸着及びスパッタリング等の気相成膜で成膜することにより形成することができる。
有機系硬化被膜は例えば、メラミン系樹脂、アルキッド系樹脂、ウレタン系樹脂、及びアクリル系樹脂等の樹脂を含む塗料を塗工し加熱硬化する、又は、多官能アクリル系樹脂を含む塗料を塗工し紫外線硬化することにより形成することができる。
有機無機系硬化被膜は例えば、表面に光重合反応性官能基が導入されたシリカ超微粒子等の無機超微粒子と硬化性有機成分とを含む紫外線硬化性ハードコート塗料を塗工し、紫外線照射により硬化性有機成分と無機超微粒子の光重合反応性官能基とを重合反応させることにより形成することができる。この方法では、無機超微粒子が、有機マトリックスと化学結合した状態で有機マトリックス中に分散した網目状の架橋塗膜が得られる。
シリコーン系硬化被膜は例えば、カーボンファンクショナルアルコキシシラン、アルキルトリアルコキシシラン、及びテトラアルコキシシラン等の部分加水分解物、又はこれらにコロイダルシリカを配合した材料を重縮合させることにより形成することができる。
上記方法において、材料の塗工方法としては、ディップコート、グラビアロールコート等の各種ロールコート、フローコート、ロッドコート、ブレードコート、スプレーコート、ダイコート、及びバーコート等が挙げられる。
表面凹凸は、硬化被膜の成膜中又は成膜後に公知方法にて付与することができる。
例えば、押出樹脂板の表面に硬化性ハードコート塗料を塗工し、塗工膜に対して表面が粗面であるガラス板等の粗面体を押し当て、塗工膜を硬化させることで、表面凹凸付きの硬化被膜を形成することができる。
耐擦傷性(ハードコート性)硬化被膜(耐擦傷性層、ハードコート層)の厚さは、好ましくは2〜30μm、より好ましくは5〜20μmである。薄すぎると表面硬度が不充分となり、厚すぎると製造工程中の折り曲げにより割れが発生する恐れがある。低反射性硬化被膜(低反射性層)の厚さは、好ましくは80〜200nm、より好ましくは100〜150nmである。薄すぎても厚すぎても低反射性能が不充分となる恐れがある。
表面凹凸付きの硬化被膜を含む上記実施形態の保護板では、押出樹脂板に含まれる内部拡散層(ポリカーボネート含有層及びその少なくとも片面に形成されたメタクリル樹脂含有層のうち少なくとも1層)と硬化被膜の表面凹凸によって、液晶ディスプレイ及びタッチパネル等の表面から出射する光と外部から入射する光を効果的に散乱及び拡散させ、より効果的に高防眩性及び低反射性を有することができる。
上記実施形態の保護板では、押出樹脂板の表面は鏡面又はそれに近い平坦面であるため、外光の散乱反射により樹脂が白っぽく見える白ぼけを抑制し、コントラストの低下を抑制することができる。
以上の作用効果により、上記実施形態の保護板では、白ぼけを抑制しつつ、全体的に光拡散性を高め、外光反射による映り込み及びギラツキを効果的に抑制することができる。
上記作用効果が効果的に得られることから、押出樹脂板の内部光拡散によるヘイズ値(内部ヘイズ値)(HI)、硬化被膜の表面凹凸によるヘイズ値(HS)、及び、ヘイズ値(HI)とヘイズ値(HS)との合計値である保護板全体のヘイズ値(全体ヘイズ値)(H)が、下記式4)〜7)を全て充足することが好ましい。
15%≦H≦40%・・・4)
10%≦HI≦25%・・・5)
5%≦HS≦15%・・・6)
HI≧HS・・・7)
以上説明したように、本発明によれば、面内のレターデーション値(Re)が好適な範囲内であり、加熱によるRe値の低下率が小さく、加熱による反りの発生が少なく、表面性が良好な押出樹脂板とその製造方法を提供することができる。
本発明の押出樹脂板は、ポリカーボネート含有層の少なくとも片面にメタクリル樹脂含有層が積層されたものであるので、耐擦傷性及び耐衝撃性に優れる。
本発明の押出樹脂板は、Re値の熱変化が小さく、熱による反りの発生が少ないため、耐擦傷性層等として機能する硬化被膜を形成する工程等における加熱及び高温使用環境に耐えるものであり、生産性及び耐久性に優れる。
本発明の押出樹脂板は、少なくとも1層が光拡散性微粒子(DP)を含む内部拡散層である。内部拡散層のヘイズ値を好適化することで、液晶ディスプレイ及びタッチパネル等の表面から出射する光と外部から入射する光を適度に散乱及び拡散させ、高防眩性、低反射性、低ギラツキ性、及び低白ぼけ性を有する押出樹脂板を提供することができる。
本発明の押出樹脂板と表面凹凸付きの硬化被膜とを含む本発明の保護板は、押出樹脂板に含まれる内部拡散層と硬化被膜の表面凹凸によって、高防眩性、低反射性、低ギラツキ性、及び低白ぼけ性をより効果的に有することができる。そのため、本発明の保護板を液晶ディスプレイ及びタッチパネル等の前面に配置したときの画面の視認性に優れる。
[用途]
本発明の押出樹脂板は、銀行等の金融機関のATM、自動販売機、携帯電話(スマートフォンを含む)、タブレット型パーソナルコンピュータ等の携帯情報端末(PDA)、デジタルオーディオプレーヤー、携帯ゲーム機、コピー機、ファックス、カーナビゲーションシステム、ヒートコントロールパネル、車載TVモニター、及びE−コックピット等に使用される、液晶ディスプレイ等のフラットパネルディスプレイ及びタッチパネル等の保護板として好適である。
本発明に係る実施例及び比較例について説明する。
[評価項目及び評価方法]
評価項目及び評価方法は、以下の通りである。
(SMA樹脂の共重合組成)
SMA樹脂の共重合組成は、核磁気共鳴装置(日本電子社製「GX−270」)を用い、下記の手順で13C−NMR法により求めた。
SMA樹脂1.5gを重水素化クロロホルム1.5mlに溶解させて試料溶液を調製し、室温環境下、積算回数4000〜5000回の条件にて13C−NMRスペクトルを測定し、以下の値を求めた。
・[スチレン単位中のベンゼン環(炭素数6)のカーボンピーク(127、134,143ppm付近)の積分強度]/6
・[無水マレイン酸単位中のカルボニル部位(炭素数2)のカーボンピーク(170ppm付近)の積分強度]/2
・[MMA単位中のカルボニル部位(炭素数1)のカーボンピーク(175ppm付近)の積分強度]/1
以上の値の面積比から、試料中のスチレン単位、無水マレイン酸単位、MMA単位のモル比を求めた。得られたモル比とそれぞれの単量体単位の質量比(スチレン単位:無水マレイン酸単位:MMA単位=104:98:100)から、SMA樹脂中の各単量体単位の質量組成を求めた。
(重量平均分子量(Mw))
樹脂のMwは、下記の手順でGPC法により求めた。溶離液としてテトラヒドロフラン、カラムとして東ソー株式会社製の「TSKgel SuperMultipore HZM−M」の2本と「SuperHZ4000」とを直列に繋いだものを用いた。GPC装置として、示差屈折率検出器(RI検出器)を備えた東ソー株式会社製のHLC−8320(品番)を使用した。樹脂4mgをテトラヒドロフラン5mlに溶解させて試料溶液を調製した。カラムオーブンの温度を40℃に設定し、溶離液流量0.35ml/分で、試料溶液20μlを注入して、クロマトグラムを測定した。分子量が400〜5,000,000の範囲内にある標準ポリスチレン10点をGPCで測定し、保持時間と分子量との関係を示す検量線を作成した。この検量線に基づいてMwを決定した。
(各層のガラス転移温度(Tg))
各層のガラス転移温度(Tg)は、構成樹脂(組成物)10mgをアルミパンに入れ、示差走査熱量計(「DSC−50」、株式会社リガク製)を用いて、測定を実施した。30分以上窒素置換を行った後、10ml/分の窒素気流中、一旦25℃から200℃まで20℃/分の速度で昇温し、10分間保持し、25℃まで冷却した(1次走査)。次いで、10℃/分の速度で200℃まで昇温し(2次走査)、2次走査で得られた結果から、中点法でガラス転移温度(Tg)を算出した。なお、2種以上の樹脂を含有する樹脂組成物において複数のTgデータが得られる場合は、主成分の樹脂に由来する値をTgデータとして採用した。
(各層の線膨張率と線膨張率比)
線膨張率は、単位温度変化あたりの長さ変化率として定義される。各層の線膨張率は、熱機械分析装置(「TMA4000」、ブルカー・エイエックスエス株式会社製)を使用し、JIS K7197に準じて測定した。すなわち、各層について、同組成のプレス成形樹脂板を得、平滑な端面を形成すべくダイヤモンドソーを用いて、5mm×5mm、高さ10mmの四角柱状の試料を切り出した。得られた試料を石英板の上に5mm×5mmの面が石英板に接するように載置し、その上に、円筒状の棒を載置し、5gの圧縮荷重をかけ固定した。次いで、空気雰囲気下、昇温速度3℃/分で25℃(室温)から試料のガラス転移温度(Tg)−10℃まで昇温し、25℃(室温)まで冷却した(1次走査)。次いで、昇温速度3℃/分で25℃(室温)から試料のガラス転移温度(Tg)のプラス20℃まで昇温した(2次走査)。この2次走査時の各温度における線膨張率を測定し、30〜80℃の範囲における平均線膨張率を求めた。各層の線膨張率から線膨張率比(SR)を求めた。
(押出樹脂板の反り量)
押出樹脂板から、ランニングソーを用いて、押出成形時の幅方向200mm、押出成形時の流れ方向100mmの長方形状の試験片を切り出した。得られた試験片を、ガラス定盤上に、押出成形における上面が最上面となるよう載置し、温度23℃/相対湿度50%の環境下で24時間放置した。その後、隙間ゲージを用いて試験片と定盤との隙間の最大値を測定し、この値を初期の反り量とした。次いで、この試験片を125℃±3℃に管理されたオーブン内で5時間加熱した。その後、初期と同様に反り量の測定を行い、この値を加熱後の反り量とした。なお、定盤上に押出成形における上面が最上面となるよう載置した試験片において、上向きに凸の反りが生じた場合の反り量の符号を「プラス」、下向きに凸の反りが生じた場合の反り量の符号を「マイナス」と定義した。
(押出樹脂板の面内のレターデーション値(Re)とその低下率)
押出樹脂板から、ランニングソーを用いて100mm四方の試験片を切り出した。この試験片を125℃±3℃に管理されたオーブン内で5時間加熱した。加熱前後についてそれぞれ、以下のようにRe値を測定した。試験片を23℃±3℃の環境下に10分以上放置した後、株式会社フォトニックラティス製「WPA−100(−L)」を用いて、Re値を測定した。測定箇所は、試験片の中央部とした。加熱前後のRe値の低下率を、以下の式から求めた。
[Re値の低下率(%)]
=100×([加熱前のRe値]−[加熱後のRe値])/[加熱前のRe値]
(押出樹脂板の表面性)
蛍光灯が設置された室内にて押出樹脂板の両面を目視観察し、次の基準で表面性を評価した。
○(良):押出樹脂板の表面に冷却ロールからの剥離マーク(いわゆるチャタマーク)が見られない。
△(可):押出樹脂板の表面にチャタマークが見られるが、目立たない。
×(不可):押出樹脂板の表面にチャタマークが目立って見られる。
(押出樹脂板の黒色異物)
押出樹脂板から1m四方の試験片を10枚切り出し、各試験片について直径0.6mm以上の黒色異物の個数を数えた。黒色異物の合計個数を求め、次の基準で評価した。
○(良):黒色異物の合計個数が1個以下である。
△(可):黒色異物の合計個数が2〜3個である。
×(不可):黒色異物の合計個数が4個以上である。
(熱可塑性樹脂積層体の全体温度(TT))
最後の冷却ロール(具体的には第3冷却ロール)から剥離する位置における熱可塑性樹脂積層体の全体温度(TT)を、赤外線放射温度計を用いて測定した。測定位置は押出樹脂板の幅方向の中心部とした。
(熱可塑性樹脂積層体の全体温度(TX))
第2冷却ロールと第3冷却ロールとの間に挟み込まれているときの熱可塑性樹脂積層体の全体温度(TX)は、一対のロールに阻まれて赤外線放射温度計を用いた直接の測定が困難である。そこで、第2冷却ロールから第3冷却ロールに渡る直前の熱可塑性樹脂積層体全体の温度と第3冷却ロールに渡った直後の熱可塑性樹脂積層体全体の温度とを、赤外線放射温度計を用いて測定した。測定箇所は押出樹脂板の幅方向の中心部とした。第3冷却ロールに渡る直前の温度と渡った直後の温度の平均値をTXとして求めた。
(防眩性(低反射性)、ギラツキ、白ぼけ)
液晶ディスプレイとタッチパネルとを含むタブレット型パーソナルコンピュータ(マイクロソフト社製「Surface Pro」、12.3インチ、267PPI)上に各例で得られた保護板を設置し、評価用表示装置とした。
防眩性(低反射性)の評価として、評価用表示装置の電源をOFFにした状態で、500lxの外光環境下にて表示面の中心より法線方向50cmの高さから表示面を目視し、試験者の映り込みの有無とレベルを評価した。
評価基準:
○(良):映り込みけが全くない/又はあっても目立たない。
△(可):映り込みが見られるが、実用上問題のないレベルである。
×(不可):全体的に映り込みが顕著に見られ、実用上問題のあるレベルである。
ギラツキの評価として、ラスター信号発生装置により評価用表示装置の表示面に緑色画面を表示させ、暗室環境下にて表示面の中心より法線方向50cmの高さから表示面を目視し、下記基準にてギラツキの有無とレベルを評価した。
評価基準:
○(良):ギラツキが全くない/又はあっても目立たない。
△(可):ギラツキが見られるが、実用上問題のないレベルである。
×(不可):全体的にギラツキが顕著に見られ、実用上問題のあるレベルである。
白ぼけの評価として、評価用表示装置の表示面に白黒マーカー画面を表示させ、500lxの外光環境下にて表示面の中心より法線方向50cmの高さから表示面を目視し、下記基準にて白黒マーカーの白ぼけの有無とレベルを評価した。
評価基準:
○(良):白ぼけが全くない/又はあっても目立たない。
△(可):白ぼけが見られるが、実用上問題のないレベルである。
×(不可):全体的に白ぼけが顕著に見られ、実用上問題のあるレベルである。
[材料]
用いた材料は、以下の通りである。
<メタクリル樹脂(PM)>
(PM1)ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、株式会社クラレ製「パラペット(登録商標)HR」(温度230℃、3.8kg荷重下でのMFR=2.0cm/10分)。
<SMA樹脂>
(SMA1)国際公開第2010/013557号に記載の方法に準拠して、SMA樹脂(スチレン−無水マレイン酸−MMA共重合体、スチレン単位/無水マレイン酸単位/MMA単位(質量比)=56/18/26、Mw=150,000、Tg=138℃、線膨張率=6.25×10−5/K)を得た。
<樹脂組成物(MR)>
メタクリル樹脂(PM1)とSMA樹脂(SMA1)とを混合して、以下の3種の樹脂組成物を得た。なお、SMA比率は、メタクリル樹脂(PM1)とSMA樹脂(S1)との合計量に対するSMA樹脂(S1)の仕込み比率(質量百分率)を示す。
(MR1)(PM1)/(S1)樹脂組成物(SMA比率20質量%、Tg=120℃、線膨張率=7.28×10−5/K)、
(MR2)(PM1)/(S1)樹脂組成物(SMA比率50質量%、Tg=130℃、線膨張率=6.87×10−5/K)、
(MR3)(PM1)/(S1)樹脂組成物(SMA比率70質量%、Tg=132℃、線膨張率=6.59×10−5/K)。
<ポリカーボネート(PC)>
(PC1)住化スタイロンポリカーボネート株式会社製「SDポリカ(登録商標) PCX」(温度300℃、1.2kg荷重下でのMFR=6.7g/10分、Tg=150℃、線膨張率=6.93×10−5/K)。
<光拡散性微粒子(DP)>
(DP−1)積水化成品工業株式会社製「MSX−8」(架橋MS(メタクリル酸メチル・スチレン共重合体)微粒子、平均粒子径=8μm、粒子径分布の標準偏差(σ)=3.5μm、屈折率=1.51)、
(DP−2)積水化成品工業株式会社製「MSX−8」(架橋MS(メタクリル酸メチル・スチレン共重合体)微粒子、平均粒子径=8μm、粒子径分布の標準偏差(σ)=3.5μm、屈折率=1.56)。
<光拡散性微粒子含有樹脂組成物>
実施例1〜11、13及び比較例3の各例では、メタクリル樹脂(PM1)、樹脂組成物(MR1)〜(MR3)のうちいずれかに対して光拡散性微粒子(DP−1)を添加した光拡散性微粒子含有樹脂組成物を調製した。なお、光拡散性微粒子を20質量%添加した組成物を基本とし、必要に応じて、この組成物に対して、光拡散性微粒子無添加の材料を適量添加混合することで、他の濃度の光拡散性微粒子含有樹脂組成物を調製した。
実施例12では、ポリカーボネート(PC1)に対して光拡散性微粒子(DP−2)を添加した光拡散性微粒子含有樹脂組成物を調製した。なお、光拡散性微粒子を10質量%添加した組成物を基本とし、必要に応じて、この組成物に対して、光拡散性微粒子無添加の材料を適量添加混合することで、他の濃度の光拡散性微粒子含有樹脂組成物を調製した。
光拡散性微粒子の濃度によって、押出樹脂板の内部ヘイズ値(HI)を10〜25%の範囲内で調整した。
[耐擦傷性層(硬化被膜)]
押出樹脂板のメタクリル樹脂含有層上に、バーコーターを用いて、主成分として多官能アクリル樹脂を含む紫外線硬化性塗料(日本合成化学工業(株)製「UV−1700B」9gと新中村化学工業(株)製「A−LEN−10」1gとの混合物)を約5μmの厚さで塗工した。次いで、この塗工層上に、表面が粗面であるガラス板を粗面が塗工層に接するように載置した。次いで、ガラス板側から強度120mW/cm、積算光量5J/cmの条件で、塗工層に紫外線を照射し、塗工層を硬化させ、耐擦傷性層(硬化被膜)((HC1)〜(HC4)のうちいずれか)を形成した。
表面粗さの異なる複数種のガラス板を用意することで、耐擦傷性層(硬化被膜)の表面ヘイズ値(HS)を4段階で調整した。各耐擦傷性層(HC1)〜(HC4)の表面ヘイズ(HS)は、以下の通りである。
耐擦傷性層(HC1):HS=3%、
耐擦傷性層(HC2):HS=5%、
耐擦傷性層(HC3):HS=10%、
耐擦傷性層(HC4):HS=15%。
[実施例1](押出樹脂板の製造)
図3に示したような製造装置を用いて押出樹脂板を成形した。
65mmφ単軸押出機(東芝機械株式会社製)を用いて、メタクリル樹脂(PM1)に光拡散性微粒子(DP−1)を10質量%添加した光拡散性微粒子含有樹脂組成物を溶融した。150mmφ単軸押出機(東芝機械株式会社製)を用いて、ポリカーボネート(PC1)を溶融した。これらの溶融樹脂をマルチマニホールド型ダイスを介して積層し、Tダイから溶融状態の2層構造の熱可塑性樹脂積層体を共押出した。各単軸押出機とマルチマニホールド型ダイスとの間の流路にそれぞれ、濾過精度(FA)25μmの溶融濾過フィルタを設置した。
次いで、溶融状態の熱可塑性樹脂積層体を、互いに隣接する第1冷却ロールと第2冷却ロールとの間に挟み込み、第2冷却ロールに巻き掛け、第2冷却ロールと第3冷却ロールとの間に挟み込み、第3冷却ロールに巻き掛けることにより冷却した。冷却後に得られた押出樹脂板を一対の引取りロールによって引き取った。なお、第3冷却ロールにポリカーボネート含有層が接するようにした。
第2冷却ロールと第3冷却ロールとの間に挟み込まれているときの熱可塑性樹脂積層体の全体温度(TX)は、第2冷却ロール及び第3冷却ロールの温度を制御することで180℃に調整した。第3冷却ロールから熱可塑性樹脂積層体が剥離する位置における、熱可塑性樹脂積層体の全体温度(TT)は、第2冷却ロール及び第3冷却ロールの温度を制御することで162℃に調整した。
引取りロールと第2冷却ロールとの周速度比(V4/V2)を0.990に、第3冷却ロールと第2冷却ロールとの周速度比(V3/V2)を1.00に調整した。
以上のようにして、メタクリル樹脂含有層(光拡散性微粒子を含有する内部拡散層)(表層1)−ポリカーボネート含有層(表層2)の積層構造を有する2層構造の押出樹脂板を得た。押出樹脂板は、メタクリル樹脂含有層の厚さを0.075mm、ポリカーボネート含有層の厚さを1.925mmとし、全体厚さを2mmとした。
得られた押出樹脂板のメタクリル樹脂含有層上に耐擦傷性層(HC2)を形成し、保護板を得た。
主な製造条件と評価結果を表1−1、表1−2に示す。なお、以降の実施例及び比較例において、表に記載のない製造条件は共通条件とした。
[実施例2〜11]
メタクリル樹脂含有層の組成と製造条件を表1−1に示すように変更する以外は実施例1と同様にして、メタクリル樹脂含有層(光拡散性微粒子を含有する内部拡散層)(表層1)−ポリカーボネート含有層(表層2)の積層構造を有する2層構造の押出樹脂板を得た。得られた押出樹脂板のメタクリル樹脂含有層上に耐擦傷性層(HC1)〜(HC4)のうちいずれかを形成し、保護板を得た。評価結果を表1−2に示す。
[実施例12]
図3に示したような製造装置を用いて押出樹脂板を成形した。
65mmφ単軸押出機(東芝機械株式会社製)を用いて、メタクリル樹脂組成物(MR3)を溶融した。150mmφ単軸押出機(東芝機械株式会社製)を用いて、ポリカーボネート(PC1)に光拡散性微粒子(DP−2)を10質量%添加した添加した光拡散性微粒子含有樹脂組成物を溶融した。これらの溶融樹脂を用いた以外は実施例4と同様にして、メタクリル樹脂含有層(表層1)−ポリカーボネート含有層(光拡散性微粒子を含有する内部拡散層)(表層2)の積層構造を有する2層構造の押出樹脂板を得た。
得られた押出樹脂板のメタクリル樹脂含有層上に耐擦傷性層(HC2)を形成し、保護板を得た。
主な製造条件と評価結果を表1−1、表1−2に示す。
[実施例13]
メタクリル樹脂含有層の組成と製造条件を表1−1に示すように変更し、各単軸押出機とマルチマニホールド型ダイスとの間の流路に溶融濾過フィルタを設置しなかった以外は実施例1と同様にして、メタクリル樹脂含有層(光拡散性微粒子を含有する内部拡散層)(表層1)−ポリカーボネート含有層(表層2)の積層構造を有する2層構造の押出樹脂板を得た。得られた押出樹脂板のメタクリル樹脂含有層上に耐擦傷性層(HC2)を形成し、保護板を得た。評価結果を表1−2に示す。
Figure 2019217742
Figure 2019217742
[比較例1〜3]
メタクリル樹脂含有層の組成と製造条件を表2−1に示すように変更する以外は実施例1と同様にして、メタクリル樹脂含有層(比較例1、2では光拡散性微粒子を添加せず、比較例2では光拡散性微粒子を含有する内部拡散層)(表層1)−ポリカーボネート含有層(表層2)の積層構造を有する2層構造の押出樹脂板を得た。得られた押出樹脂板のメタクリル樹脂含有層上に耐擦傷性層(HC1)又は(HC2)を形成し、保護板を得た。評価結果を表2−2に示す。
Figure 2019217742
Figure 2019217742
[結果のまとめ]
実施例1〜13ではいずれも、第2番目の冷却ロールと第3番目の冷却ロールとの間に挟み込まれているときの熱可塑性樹脂積層体の全体温度(TX)を、ポリカーボネート含有層のガラス転移温度(Tg(PC))に対し+15℃以上とし、最後の冷却ロールから剥離する位置における熱可塑性樹脂積層体の全体温度(TT)を、ポリカーボネート含有層のガラス転移温度(Tg(PC))に対し+5℃〜+19℃の範囲とし、引取りロールと第2番目の冷却ロールとの周速度比(V4/V2)を0.98以上1.0未満とした。これら実施例ではいずれも、初期のRe値と加熱後のReの低下率が好適な範囲内であり、初期と加熱後の反り量が小さく、表面性が良好な押出樹脂板を製造することができた。
実施例1〜13で得られた押出樹脂板はいずれも、光拡散性微粒子(DP)の凝集欠陥である黒色異物が少なく、品質が良好であった。
実施例1〜13ではいずれも、押出樹脂板のメタクリル樹脂含有層に光拡散性微粒子(DP)を10質量%添加し、このメタクリル樹脂含有層上に表面凹凸を有する耐擦傷性層(硬化被膜)を形成し、内部ヘイズ値(HI)と表面ヘイズ値(HS)を好適化した。これら実施例で得られた保護板は、防眩性(低反射性)が良好で、ギラツキ及び白ぼけが抑制され、液晶ディスプレイ等の前面に配置した場合にディスプレイの視認性が良好なものであった。
比較例1では、押出樹脂板のいずれの層にも光拡散性微粒子を添加せず、耐擦傷性層(硬化被膜)の表面凹凸も小さかったため、得られた保護板は内部ヘイズ値(HI)、表面ヘイズ値(HS)、及び全体ヘイズ値(H)がいずれも小さく、防眩性(低反射性)が不良であった。
比較例2では、押出樹脂板のいずれの層にも光拡散性微粒子を添加しなかったため、得られた保護板は内部ヘイズ値(HI)及び全体ヘイズ値(H)が小さく、ギラツキ抑制が不良であった。また、V4/V2が0.98未満であったため、初期のRe値と加熱後のRe値が不良であった。
比較例3では、TTがポリカーボネート含有層のガラス転移温度Tg(PC)に対し+5℃未満であり、V4/V2が1.0以上であったため、初期のRe値と加熱後のReの低下率が不良であった。
本発明は上記実施形態及び実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、適宜設計変更が可能である。
11 Tダイ
12 第1冷却ロール(第1番目の冷却ロール)
13 第2冷却ロール(第2番目の冷却ロール)
14 第3冷却ロール(第3番目の冷却ロール)
15 引取りロール
16、16X、16Y 押出樹脂板
17X、17Y 保護板
21 ポリカーボネート含有層
22、22A、22B メタクリル樹脂含有層
23A、23B 硬化被膜

Claims (14)

  1. ポリカーボネート含有層の少なくとも片面にメタクリル樹脂含有層が積層された押出樹脂板の製造方法であって、
    前記押出樹脂板は、前記ポリカーボネート含有層及び前記メタクリル樹脂含有層のうち少なくとも1層が光拡散性微粒子(DP)を含有し、
    前記ポリカーボネート含有層の少なくとも片面に前記メタクリル樹脂含有層が積層された熱可塑性樹脂積層体を溶融状態でTダイから共押出し、
    互いに隣接する3つ以上の冷却ロールを用い、前記溶融状態の熱可塑性樹脂積層体を、第n番目(但し、n≧1)の冷却ロールと第n+1番目の冷却ロールとの間に挟み込み、第n+1番目の冷却ロールに巻き掛ける操作をn=1から複数回繰り返すことにより冷却し、
    冷却後に得られた前記押出樹脂板を引取りロールによって引き取る工程(X)を含み、
    第2番目の前記冷却ロールと第3番目の前記冷却ロールとの間に挟み込まれているときの前記熱可塑性樹脂積層体の全体温度(TX)を、前記ポリカーボネート含有層のガラス転移温度に対し+15℃以上とし、
    最後の前記冷却ロールから剥離する位置における前記熱可塑性樹脂積層体の全体温度(TT)を、前記ポリカーボネート含有層のガラス転移温度に対し+5℃〜+19℃の範囲とし、
    前記引取りロールの周速度(V4)と第2番目の前記冷却ロールの周速度(V2)との周速度比(V4/V2)を0.98以上1.0未満とする、押出樹脂板の製造方法。
  2. 溶融積層前に、濾過精度(FA)が下記式1)を充足するフィルタを用いて、光拡散性微粒子(DP)を含む溶融樹脂を溶融濾過する、請求項1に記載の押出樹脂板の製造方法。
    35μm≧FA≧D+4×σ・・・1)
    (上記式中、各符号は以下のパラメータを示す。
    D:光拡散性微粒子(DP)の平均粒子径(μm)、
    σ:光拡散性微粒子(DP)の粒子径分布の標準偏差(μm)。)
  3. 前記メタクリル樹脂含有層のガラス転移温度が115℃以上であり、
    前記ポリカーボネート含有層の線膨張率(S1)と前記メタクリル樹脂含有層の線膨張率(S2)との差(S2−S1)と、前記ポリカーボネート含有層の線膨張率(S1)との比((S2−S1)/S1)が−10%〜+10%である、請求項1又は2に記載の押出樹脂板の製造方法。
  4. 前記メタクリル樹脂含有層が、メタクリル樹脂5〜80質量%と、芳香族ビニル化合物に由来する構造単位及び無水マレイン酸に由来する構造単位を含む共重合体95〜20質量%とを含有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の押出樹脂板の製造方法。
  5. 前記共重合体が、前記芳香族ビニル化合物に由来する構造単位50〜84質量%、無水マレイン酸に由来する構造単位15〜49質量%、及びメタクリル酸エステルに由来する構造単位1〜35質量%を含有する、請求項4に記載の押出樹脂板の製造方法。
  6. 工程(X)後にさらに、前記押出樹脂板を75〜125℃の温度で1〜30時間加熱する工程(Y)を含み、
    加熱前後の双方において、前記押出樹脂板は、少なくとも幅方向の一部の面内のレターデーション値が50〜330nmであり、
    加熱前に対する加熱後の前記押出樹脂板の前記レターデーション値の低下率が30%未満である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の押出樹脂板の製造方法。
  7. ポリカーボネート含有層の少なくとも片面にメタクリル樹脂含有層が積層された押出樹脂板であって、
    前記ポリカーボネート含有層及び前記メタクリル樹脂含有層のうち少なくとも1層が光拡散性微粒子(DP)を含有し、
    前記メタクリル樹脂含有層のガラス転移温度が115℃以上であり、
    75〜125℃の範囲内の一定温度で5時間加熱したときに、
    少なくとも幅方向の一部の面内のレターデーション値が50〜330nmであり、
    加熱前に対する加熱後の前記レターデーション値の低下率が30%未満であり、
    前記ポリカーボネート含有層の線膨張率(S1)と前記メタクリル樹脂含有層の線膨張率(S2)との差(S2−S1)と、前記ポリカーボネート含有層の線膨張率(S1)との比((S2−S1)/S1)が−10%〜+10%である、押出樹脂板。
  8. 光拡散性微粒子(DP)を含有する層は、基体樹脂の屈折率(Nm)、光拡散性微粒子(DP)の屈折率(Nd)、及び光拡散性微粒子(DP)の平均粒子径(D)が下記式2)及び3)を充足する、請求項7に記載の押出樹脂板。
    0.01≦|Nm−Nd|≦0.06・・・2)
    2μm≦D≦20μm・・・3)
  9. 前記押出樹脂板を75℃または125℃の温度で5時間加熱したときに、加熱前後の双方において、少なくとも幅方向の一部の面内のレターデーション値が50〜330nmであり、加熱前に対する加熱後の前記レターデーション値の低下率が30%未満である、請求項7又は8に記載の押出樹脂板。
  10. 加熱前後の双方において、少なくとも幅方向の一部の面内のレターデーション値が80〜250nmである、請求項7〜9のいずれか1項に記載の押出樹脂板。
  11. 加熱前に対する加熱後の前記レターデーション値の低下率が15%未満である、請求項7〜10のいずれか1項に記載の押出樹脂板。
  12. 請求項7〜11のいずれか1項に記載の押出樹脂板と、当該押出樹脂板の少なくとも一方の表面に形成された、表面凹凸を有する耐擦傷性層とを備える、保護板。
  13. 請求項7〜11のいずれか1項に記載の押出樹脂板と、当該押出樹脂板の少なくとも一方の表面に形成された、表面凹凸を有する低反射性層とを備える、保護板。
  14. 前記押出樹脂板の内部光拡散によるヘイズ値(HI)、前記表面凹凸によるヘイズ値(HS)、及び、ヘイズ値(HI)とヘイズ値(HS)との合計値である前記保護板全体のヘイズ値(H)が、下記式4)〜7)を充足する、請求項12又は13に記載の保護板。
    15%≦H≦40%・・・4)
    10%≦HI≦25%・・・5)
    5%≦HS≦15%・・・6)
    HI≧HS・・・7)
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