JP2019217590A - 電動工具用集塵システム - Google Patents

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Abstract

【課題】集塵装置の排気を有効利用する。【解決手段】電動工具用集塵システムSは、吸塵ビット70が装着されるハンマードリル1と、ハンマードリル1に装着され、吸込部(導入口66)と、集塵用モータ52と、集塵用モータ52の駆動により回転して導入口66に吸引力を発生させる集塵用ファン54と、導入口66から吸い込んだ粉塵を貯留する集塵部(ダストボックス43)とを備えた集塵装置40と、ハンマードリル1と集塵装置40とにそれぞれ形成され、ダストボックス43を通過した排気をハンマードリル1の高温部(出力部3)へ導く排気流路(排気流路60及び筒状流路38)と、を含んでなる。【選択図】図1

Description

本発明は、ハンマードリル等の電動工具を使用する際に発生する粉塵を集塵するために使用される電動工具用集塵システムに関する。
ハンマードリル等の電動工具を用いてコンクリートや石材等の被加工材を加工する場合、被加工材から発生した粉塵が飛散しないように、特許文献1に開示されるような電動工具用集塵装置が用いられる。ここには、ハンマードリルに装着される本体部内に集塵モータ及びファン、フィルタを設けて、本体部から前方へ突出させたノズル(吸込部)をビットに貫通させて、ファンの回転による吸引力でノズルから粉塵を吸い込んで本体部内に集塵する構造が開示されている。
特開2015−150665号公報
上記従来の電動工具用集塵装置では、ファンの回転によって発生した空気流は、フィルタを通過した後は本体部の外へ排出されるにとどまっている。
そこで、本発明は、集塵後の排気を有効利用できる電動工具用集塵システムを提供することを目的としたものである。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、ビットが装着される電動工具と、
電動工具に装着され、吸込部と、集塵用モータと、集塵用モータの駆動により回転して吸込部に吸引力を発生させる集塵用ファンと、吸込部から吸い込んだ粉塵を貯留する集塵部とを備えた集塵装置と、
電動工具と集塵装置とにそれぞれ形成され、集塵部を通過した排気を電動工具の所定の高温部へ導く排気流路と、を含んでなることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1の構成において、各排気流路は、電動工具へ集塵装置を装着することで互いに連通することを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2の構成において、電動工具側の排気流路は、電動工具内に設けたファンの回転により発生する冷却風の流路と兼用されていることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3の何れかの構成において、電動工具は、打撃機構を含む出力部を備えたハンマードリルであり、高温部は出力部であることを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4の何れかの構成において、電動工具は、出力軸を上向きにしてモータを収容するモータ収容部を備えたハンマードリルであり、集塵装置は、モータ収容部の前方に装着されることを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項5の構成において、集塵装置は、モータ収容部の下方に装着されることを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、請求項1乃至6の何れかの構成において、電動工具は、防振部を介して防振側と非防振側とにハウジングが分割されるハンマードリルであり、ハンマードリル側の排気流路は、防振側のハウジングと非防振側のハウジングとの間の空間に形成されることを特徴とする。
請求項8に記載の発明は、請求項7の構成において、集塵装置は、防振側のハウジングに装着されることを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、電動工具と集塵装置とに、集塵部を通過した排気を電動工具の高温部へ導く排気流路をそれぞれ設けたことで、集塵後の排気を高温部の冷却に有効利用することができ、電動工具の高寿命化に繋がる。
請求項2に記載の発明によれば、請求項1の効果に加えて、各排気流路は、電動工具へ集塵装置を装着することで互いに連通するので、排気流路同士の接続が確実に行える。
請求項3に記載の発明によれば、請求項1又は2の効果に加えて、電動工具側の排気流路を、電動工具内に設けたファンの回転により発生する冷却風の流路と兼用しているので、モータの冷却風も高温部の冷却に利用可能となる。
請求項4に記載の発明によれば、請求項1乃至3の何れかの効果に加えて、冷却する高温部をハンマードリルの出力部としているので、高温になりやすい出力部を効果的に冷却することができる。
請求項5に記載の発明によれば、請求項1乃至4の何れかの効果に加えて、集塵装置を、出力軸を上向きにしてモータを収容するモータ収容部の前方に装着しているので、モータ収容部の前方のスペースを利用して集塵装置を装着できる。
請求項6に記載の発明によれば、請求項5の効果に加えて、集塵装置をモータ収容部の下方に装着しているので、前方への突出部分を抑えて前後方向にコンパクトとなる。
請求項7に記載の発明によれば、請求項1乃至6の何れかの効果に加えて、電動工具で防振部を介して防振側と非防振側とにハウジングを分割し、電動工具側の排気流路を、防振側のハウジングと非防振側のハウジングとの間の空間に形成しているので、分割されるハウジングを利用して排気流路が簡単に得られる。
請求項8に記載の発明によれば、請求項7の効果に加えて、集塵装置を、防振側のハウジングに装着するので、より高い防振効果が得られる。
電動工具用集塵システム及びハンマードリルの中央縦断面図である。 図1のA−A線断面図である。 ハンマードリルにおける防振部の作用を示す中央縦断面図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、ハンマードリル1に集塵装置40及び吸塵ビット70を装着して電動工具用集塵システムSを形成した例を示す中央縦断面図である。
まず、ハンマードリル1は、出力部3を収容するインナハウジング2と、インナハウジング2の下方に結合され、出力軸6を上向きとしたモータ5を収容するモータハウジング4と、インナハウジング2の外側を覆う外側ハウジング7と、外側ハウジング7の後方からモータハウジング4の下方にかけて設けられるハンドルハウジング8とを有している。
ハンドルハウジング8は、スイッチ10及びスイッチレバー11を備えて外側ハウジング7の後方で上下方向に延びるハンドル部9と、モータハウジング4の下側へ回り込んで、下部に電源となる前後2つのバッテリーパック13,13を装着するバッテリー装着部12とを備えている。バッテリー装着部12内でバッテリーパック13の上側には、制御回路基板を有するコントローラ14が前後方向に収容されている。
ここでの外側ハウジング7は、インナハウジング2及びモータハウジング4に対して前後へ相対移動可能に設けられて、ハンドルハウジング8のハンドル部9は、上端が外側ハウジング7の後面上部と結合され、バッテリー装着部12は、モータハウジング4の下部に対して前後へ相対移動可能に係合している。
そして、インナハウジング2と外側ハウジング7との間と、モータハウジング4とハンドルハウジング8との間とには、防振部15A,15Bが設けられている。防振部15Aは、外側ハウジング7内で、インナハウジング2の後面と外側ハウジング7の後部内面との間にそれぞれ対向させて設けた前後のボス16,16と、両ボス16,16に跨がって外装されるコイルバネ17Aとから形成される。防振部15Bは、ハンドルハウジング8のバッテリー装着部12内で、モータハウジング4の下面でバッテリー装着部12内へ下向きに突出させた突出片18と、その後方でバッテリー装着部12内に立設した受けリブ19との間で前後方向に設けられたコイルバネ17Bとから形成される。
よって、外側ハウジング7及びハンドルハウジング8は、常態ではコイルバネ17A,17Bの付勢により、バッテリー装着部12の前部上端が突出片18の基端に当接する図1の後退位置へ弾性的に付勢されて、コイルバネ17A,17Bの付勢に抗してインナハウジング2及びモータハウジング4に対して前後へ相対移動できる防振ハウジングとなっている。
バッテリー装着部12の前部で左右の側面には、図2に示すように、上下方向のガイド溝20,20がそれぞれ凹設され、バッテリー装着部12の前側下部で左右方向の中央には、上面に係止孔22が形成された凹み部21が形成されている。
一方、出力部3は、インナハウジング2の前側の筒状のバレル部2aに保持されて前後方向に延びる筒状のツールホルダ23を有している。ツールホルダ23の下方では、モータ5の出力軸6がインナハウジング2内に突出しており、その出力軸6の前側に中間軸24が、後側にクランク軸25がそれぞれ上下方向に支持されて、各軸に設けたギア26,26が出力軸6の上端に設けたピニオンと噛合している。中間軸24は、上端に設けたベベルギアが、ツールホルダ23へ回転可能に外装されたベベルギア27と噛合している。このベベルギア27は、ツールホルダ23の外周にスプライン結合された切替スリーブ28が後退して係合することで、中間軸24の回転をツールホルダ23へ伝達するもので、この切替スリーブ28の前後位置は、外側ハウジング7の上面に設けた切替ツマミ29で切替操作可能となっている。
また、ツールホルダ23の後部には、シリンダ30が保持されてピストン31が前後移動可能に収容され、ピストン31と、その後方でクランク軸25に設けた偏心ピン32とがコネクティングロッド33を介して連結されている。シリンダ30内でピストン31の前方には、空気室34を介してストライカ35が前後移動可能に収容されており、その前方でツールホルダ23内には、挿入されたビットが当接するインパクトボルト36が設けられている。ツールホルダ23の前端には、ビットを着脱操作するための操作部材としての操作スリーブ37が設けられている。この操作スリーブ37の前端内側には、ビットに設けた後述する抜け止め凹部74にツールホルダ23を介して係合するチャック部材37a,37aが設けられており、操作スリーブ37の前後へのスライド操作によりチャック部材37aの径方向の移動がロック/アンロックされることでビットの着脱が可能となっている。
このハンマードリル1では、出力軸6が回転すると、クランク軸25は常に回転してピストン31を前後移動させるため、連動したストライカ35がインパクトボルト36を打撃する。よって、切替ツマミ29の操作により、切替スリーブ28を後退位置へ切り替えると、ベベルギア27を介してツールホルダ23が回転するハンマードリルモードとなり、切替スリーブ28を前進位置へ切り替えると、ツールホルダ23が回転せず打撃のみを行うハンマーモードとなる。
そして、集塵装置40は、箱状のケーシング41を有し、ハンマードリル1のモータハウジング4及びハンドルハウジング8の前側で、ケーシング41がバッテリー装着部12に装着される。ケーシング41の下側に設けた結合部42に、集塵部としてのダストボックス43が着脱可能に装着されている。
ケーシング41の後部には、バッテリー装着部12の前面に沿って下方へ延びる後壁部44が形成されて、後壁部44の下端における左右方向の中央には、バッテリー装着部12の凹み部21に嵌合する凸部45が後ろ向きに突設されている。この凸部45の後面には、上端に前向きのフック47を突出させたフック板46が、左右方向のピン48によって前後へ揺動可能に支持されている。凸部45内には、フック板46の下端を後方へ押圧するコイルバネ49が設けられて、フック板46を、上端が凸部45の背面に当接する前側の揺動位置に付勢している。
また、後壁部44の左右に設けられる一対の側板50,50は、図2に示すように、後壁部44よりも後方へ突出してバッテリー装着部12の両側面に被さるようになっており、各側板50の後端には、バッテリー装着部12の左右に設けたガイド溝20,20に係合する係合片51,51が形成されている。
ここではガイド溝20,20に係合片51,51を合わせてケーシング41を下方からスライドさせると、凸部45が凹み部21に下方から嵌合してフック板46のフック47が係止孔22へ係止可能となっている。
さらに、ケーシング41内には、集塵用モータ52が、出力軸53を前向きにして収容されて、出力軸53の前端に集塵用ファン54が設けられている。ケーシング41内には、集塵用ファン54を収容するファン収容室55が区画形成されて、ケーシング41の側面には、ファン収容室55と連通する装置側排気口56,56・・が形成されている。
ケーシング41の下板57には、ファン収容室55の吸込側と連通する連通口58が形成され、上板59には、ファン収容室55の吹出側と連通する筒状の排気流路60が上向きに突出形成されている。
ハンマードリル1の外側ハウジング7におけるバレル部2aの下方には、集塵装置40の装着状態で排気流路60が挿入される排気導入口7aが形成され、排気導入口7aの前方で外側ハウジング7の下面には、本機側排気口7bが形成されて、バレル部2aと外側ハウジング7との間の筒状流路38に排気流路60から吹き出される空気が通過可能となっている。
また、ケーシング41内の上部前端には、LEDを用いたライト61が設けられて、ハンマードリル1への装着状態でツールホルダ23に装着されたビットの前方を照射可能となっている。
ケーシング41の後壁部44とハンドルハウジング8のバッテリー装着部12との間には、ケーシング41の装着状態で互いに電気的に接続される図示しない端子が設けられており、この端子同士の電気的接続により、集塵用モータ52及びライト61の電源は、バッテリーパック13からコントローラ14を介して得られるようになっている。ここではスイッチ10のON動作を契機として集塵用モータ52が駆動してライト61が点灯する。
ダストボックス43は、結合部42に前方から装着される箱状体で、後部下端に設けた係止軸62を、後壁部44の前面下端に設けた受け凹部63に係合させて、上端内面に設けた図示しない係止部をケーシング41の下面に係合させることで、結合部42へ着脱可能に装着される。ダストボックス43内には、装着状態で連通口58の下側に位置するフィルタ収容部64が設けられ、フィルタ収容部64に、前後方向を折り目として左右方向に折り畳まれた紙製のフィルタ65が設けられて、連通口58とダストボックス43内を仕切っている。ダストボックス43の上部前面には、筒状の導入口66が前向きに突設されている。
こうして集塵装置40内には、導入口66から吸い込まれた空気がダストボックス43内に入り、フィルタ65を通過して連通口58からファン収容室55に至る集塵経路Rが形成される。
そして、ハンマードリル1に装着される吸塵ビット70は、前端に切れ刃を備える金属製のビット本体71と、ビット本体71に装着される樹脂製のホース取付部72とを備えてなる。ビット本体71の後端に形成されたシャンク部73の後端には、ハンマードリル1のツールホルダ23に差込装着するための一対の抜け止め凹部74,74と、位相が異なる一対の回り止め溝75,75とがそれぞれ軸方向に形成されている。
ビット本体71の軸心には、吸塵路76が形成されている。吸塵路76の前端は、二股に分岐されてビット本体71の前端面に一対の吸込口77,77を開口させている。吸塵路76の後端は、ホース取付部72の装着位置で半径方向へ折曲してビット本体71の周面に出口78を開口させている。
ホース取付部72は、ビット本体71へ相対回転可能に外装される筒状の外装部79と、外装部79と連設されてビット本体71の半径方向外側へ突出し、先端が開口する筒状部80とからなる。外装部79は筒状部80と連通して、出口78を筒状部80内に開放させている。
この筒状部80と集塵装置40の導入口66との間には、フレキシブルホース81が差込接続されて、導入口66での吸引力を筒状部80で発生可能としている。このフレキシブルホース81は、筒状部80と導入口66との間の直線距離よりも長い寸法となって、下方に若干のたわみを有している。
以上の如く構成された電動工具用集塵システムSにおいて、ハンマードリル1に集塵装置40を装着する際には、ハンマードリル1のバッテリー装着部12の前方にケーシング41が位置する状態で、側板50,50の係合片51,51をバッテリー装着部12のガイド溝20,20に下方から係合するように何れか一方を上下方向へスライドさせる。すると、側板50,50間にバッテリー装着部12が嵌合して結合されると共に、フック板46のフック47が係止孔22に係止して装着が完了する。このとき、ケーシング41の排気流路60は、外側ハウジング7の排気導入口7aに挿入してファン収容室55を筒状流路38に連通させる。また、装着状態でケーシング41の前面は、操作スリーブ37のの内側に設けたチャック部材37aよりも後方に位置している。
そして、ツールホルダ23に装着した吸塵ビット70のビット本体71の先端を被加工材の被加工面に押し当てた状態でハンマードリル1のスイッチレバー11を押し込み操作してスイッチ10をONさせると、モータ5が駆動して出力軸6が回転し、中間軸24及びクランク軸25を回転させる。ここでは前述のようにハンマードリルモードとハンマーモードとの何れを選択してもピストン31は常に往復動するため、連動するストライカ35によってインパクトボルト36を介してビット本体71は打撃される。
また、コントローラ14からの給電により、ケーシング41内の集塵用モータ52も駆動して集塵用ファン54が回転するため、集塵経路Rが負圧となってフレキシブルホース81に吸引力が発生する。よって、吸塵ビット70ではホース取付部72及び吸塵路76を介して吸込口77から外気が吸引される。吸引された外気は、吸塵路76及びホース取付部72を通り、フレキシブルホース81を介して導入口66からダストボックス43内に入る。そして、フィルタ65を通過して連通口58からファン収容室55に至り、一部は装置側排気口56から外部へ排出される。従って、被加工材から生じた粉塵は、吸込口77に吸い込まれてホース取付部72及びフレキシブルホース81を介してダストボックス43内に進入し、フィルタ65に捕捉されてダストボックス43内に貯留する。
一方、ファン収容室55に進入した外気の他の部分は、排気流路60から外側ハウジング7の排気導入口7aを通って筒状流路38に至り、バレル部2aと外側ハウジング7との間を通過して本機側排気口7bから排出される。この空気の流れにより、バレル部2aが冷却される。
また、モータ5の出力軸6には、モータ冷却用ファン82が設けられて、バッテリー装着部12におけるコントローラ14の左右外側の側面には、吸気口83が、モータハウジング4の底面には、バッテリー装着部12内と連通する開口84がそれぞれ形成されている。よって、出力軸6の回転に伴うモータ冷却用ファン82の回転により、吸気口83から外気が吸い込まれてコントローラ14を冷却した後、開口84からモータハウジング4内に入ってモータ5を冷却し、外側ハウジング7に設けた図示しない排気口から排出される。この冷却風の一部は、筒状流路38へ合流してバレル部2aを冷却した後、本機側排気口7bから排出される。
そして、ビット本体71の回転に伴い、ホース取付部72の外装部79との間に発生する摩擦力により、ホース取付部72にはビット本体71の回転方向への回転付勢力が加わるが、筒状部80と導入口66との間にはフレキシブルホース81が接続されているので、ホース取付部72の回転は抑制される。外装部79の摺動部分に粉塵等が進入して摺動性が悪くなっても、フレキシブルホース81によって回転の抑制効果は得られる。
また、穿孔作業時に発生する振動により、インナハウジング2及びモータハウジング4は前後移動することになる。しかし、外側ハウジング7及びハンドルハウジング8は、防振部15A,15Bによって、図3に二点鎖線で示すように前後へ相対移動して振動を緩和するため、作業者の手へ伝わる振動が抑えられる。このとき集塵装置40も、防振されるハンドルハウジング8のバッテリー装着部12に装着されているため、ハンドルハウジング8の全体重量が大きくなって振動が生じにくくなる。
一方、集塵装置40の取り外しは、フック板46の下端を前方へ押し込んで係止孔22へのフック47の係止を解除した状態で、装着時と逆にハンマードリル1と集塵装置40との何れか一方を他方からの離間方向へスライドさせると、側板50,50の係合片51,51がバッテリー装着部12のガイド溝20,20から外れて取り外しが完了する。
また、ダストボックス43内に貯留した粉塵を廃棄する際には、ダストボックス43の上部を前方へ引っ張ってケーシング41との係止を解除させ、そのまま係止軸62を中心に前方へ倒すようにすれば、ダストボックス43を結合部42から取り外すことができ、内部に貯留した粉塵を廃棄することができる。
このように、上記形態の電動工具用集塵システムSによれば、吸塵ビット70が装着されるハンマードリル1と、ハンマードリル1に装着され、吸込部(導入口66)と、集塵用モータ52と、集塵用モータ52の駆動により回転して導入口66に吸引力を発生させる集塵用ファン54と、導入口66から吸い込んだ粉塵を貯留する集塵部(ダストボックス43)とを備えた集塵装置40と、ハンマードリル1と集塵装置40とにそれぞれ形成され、ダストボックス43を通過した排気をハンマードリル1の高温部(出力部3)へ導く排気流路(排気流路60及び筒状流路38)と、を含んでなることで、集塵後の排気を出力部3の冷却に有効利用することができ、ハンマードリル1の高寿命化に繋がる。
特にここでは、排気流路60と筒状流路38とは、ハンマードリル1へ集塵装置40を装着することで互いに連通するので、排気流路60と筒状流路38との接続が確実に行える。
また、筒状流路38は、ハンマードリル1に設けたモータ冷却用ファン82の回転により発生する冷却風の流路と兼用されているので、モータ5の冷却風も出力部3の冷却に利用可能となる。
さらに、冷却する高温部を出力部3としているので、高温になりやすい出力部3を効果的に冷却することができる。
一方、集塵装置40を、出力軸6を上向きにしてモータ5を収容するモータ収容部(モータハウジング4)の前方に装着しているので、モータハウジング4の前方のスペースを利用して集塵装置40を装着できる。なおかつ集塵装置40をモータハウジング4の下方に向けて装着しているので、前方への突出部分を抑えて前後方向にコンパクトとなる。
また、ハンマードリル1を、防振部15A,15Bを介して防振側と非防振側とにハウジングを分割し、筒状流路38を、防振側のハウジング(インナハウジング2)と非防振側のハウジング(外側ハウジング7)との間の空間に形成しているので、分割されるハウジングを利用して筒状流路38が簡単に得られる。
さらに、集塵装置40は、防振側のハウジング(ハンドルハウジング8)に装着されるので、より高い防振効果が得られる。
なお、排気流路の構成は上記形態に限らず、外側ハウジングの排気導入口と本機側排気口とを前後逆にして、集塵装置側の排気流路を前側に接続するようにしてもよい。また、本機側排気口は外側ハウジングの下面に限らず、側面や上面にあってもよいし、複数あってもよい。さらに、ハンマードリル側の排気流路は筒状でなくても差し支えない。
一方、集塵用モータや集塵用ファンは、上記形態の配置に限らず、ケーシングの下側に設けたり、向きを変えたりしても差し支えない。電源も、ハンマードリルから得る場合に限らず、ケーシングにバッテリーを搭載してもよい。
そして、ハンマードリルへの集塵装置の装着構造も、上下方向でなく前後方向でケーシングをスライドさせて装着するようにしてもよいし、ハンドルハウジングの下部に装着してもよい。
その他、上記形態では吸塵ビットを設けているが、本発明は吸塵ビットの使用に限定しない。よって、ビットと吸込部との接続は、フレキシブルホースを用いる構造に限らず、集塵装置のケーシングから突出させたノズルに吸込部を設けてビットを貫通させる構造であっても本発明は適用可能である。
1・・ハンマードリル、2・・インナハウジング、2a・・バレル部、3・・出力部、4・・モータハウジング、5・・モータ、6・・出力軸、7・・外側ハウジング、7a・・排気導入口、7b・・本機側排気口、8・・ハンドルハウジング、12・・バッテリー装着部、14・・コントローラ、15A,15B・・防振部、23・・ツールホルダ、35・・ストライカ、36・・インパクトボルト、37・・操作スリーブ、37a・・チャック部材、40・・集塵装置、41・・ケーシング、42・・結合部、43・・ダストボックス、52・・集塵用モータ、54・・集塵用ファン、60・・排気流路、65・フィルタ、66・・導入口、70・・吸塵ビット、71・ビット本体、72・ホース取付部、76・・吸塵路、77・・吸込口、80・・筒状部、81・・フレキシブルホース、R・・集塵経路、S・・電動工具用集塵システム。

Claims (8)

  1. ビットが装着される電動工具と、
    前記電動工具に装着され、吸込部と、集塵用モータと、前記集塵用モータの駆動により回転して前記吸込部に吸引力を発生させる集塵用ファンと、前記吸込部から吸い込んだ粉塵を貯留する集塵部とを備えた集塵装置と、
    前記電動工具と前記集塵装置とにそれぞれ形成され、前記集塵部を通過した排気を前記電動工具の所定の高温部へ導く排気流路と、
    を含んでなる電動工具用集塵システム。
  2. 各前記排気流路は、前記電動工具へ前記集塵装置を装着することで互いに連通することを特徴とする請求項1に記載の電動工具用集塵システム。
  3. 前記電動工具側の前記排気流路は、前記電動工具内に設けたファンの回転により発生する冷却風の流路と兼用されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の電動工具用集塵システム。
  4. 前記電動工具は、打撃機構を含む出力部を備えたハンマードリルであり、前記高温部は前記出力部であることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の電動工具用集塵システム。
  5. 前記電動工具は、出力軸を上向きにしてモータを収容するモータ収容部を備えたハンマードリルであり、前記集塵装置は、前記モータ収容部の前方に装着されることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の電動工具用集塵システム。
  6. 前記集塵装置は、前記モータ収容部の下方に装着されることを特徴とする請求項5に記載の電動工具用集塵システム。
  7. 前記電動工具は、防振部を介して防振側と非防振側とにハウジングが分割されるハンマードリルであり、前記ハンマードリル側の排気流路は、前記防振側のハウジングと前記非防振側のハウジングとの間の空間に形成されることを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載の電動工具用集塵システム。
  8. 前記集塵装置は、前記防振側のハウジングに装着されることを特徴とする請求項7に記載の電動工具用集塵システム。
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