JP2019216949A - 消火方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】容易に設置可能な、消火剤を封入したフィルムを有する消火用具を用いて建物火災を低コストで消火できるとともに、効率的にフィルムを開封させて、効果的に消火できる消火方法を提供する。【解決手段】消火剤(10)を封入したフィルム(20)を有する消火用具(100)を建物の天井部(30)に固定具(41,42)で備え付け、消火用具を開封させて火災の火(F)を消火する消火方法であって、消火用具の中央部(100a)を、フィルムよりも燃えやすい素材から形成された支持部材(41)により支持させ、中央部を挟む両側部(100d,100d)を、消火用具の端部側から中央部にかけて上方に、消火剤の重みで傾斜させて配置し、火災時に傾斜を利用して、火あるいはその熱を中央部に集中させて、フィルムよりも燃えやすい素材に引火させるように誘導し、中央部のフィルムを破裂させることで、消火剤を拡散させる。【選択図】図2

Description

本発明は、特に建物火災における消火方法に関する。
建物火災を防ぐ消火設備の一つとして、スプリンクラー設備がある。スプリンクラー設備は、建物に設置され、例えば、火災を感知するセンサや、水を加圧する加圧装置、散水するスプリンクラーヘッド、配管、非常用電源、水源などから構成されている。スプリンクラー設備は、火災を感知すると自動的に建物の天井から放水して消火する。
また、上記スプリンクラー設備と同様に自動消火する設備として、自動消火器の構成が知られている。例えば下記特許文献1には、建物の天井裏に自動消火器を設置した構成が開示されている。このような自動消火器は、例えば、火災を感知するセンサ、消火液噴射ノズルを備える消火器本体、消火液などから構成されている。この自動消火器は、火災を感知すると天井から消火液を散布して消火する。
上述したスプリンクラー設備や自動消火器といった自動消火設備によれば、建物において火災を感知すると自動的に消火を行うので、建物火災をより迅速に消火できる利点がある。
特開2002−143335号公報
しかし、スプリンクラー設備などの従来の自動消火設備は、上述のとおり多数の部品から構成されており、しかも、その設置の際には建物の天井裏などの工事が必要となる。したがって、このような自動消火設備の設置にはコストがかかってしまう。また、近年、法令の改正などにより、所定施設の建物において、自動消火設備の追加的設置の要請が高まってきているところ、とりわけ、完成後の建物において上述の自動消火設備を後付けするとなると、その設置にかかるコストが増大してしまう。
そこで、従来の自動消火設備に代えて、コストの低減を図るため、消火剤を封入した消火用具を天井部に備え付けることが考えられる。この場合、消火用具として、例えば、家庭用天ぷら火災消火パックを用いることが考えられる。ここで、家庭用天ぷら火災消火パックとは、家庭の天ぷら火災の際に、火のついた天ぷら鍋等に投入されることで、消火剤を包んでいるフィルムが熱で破断し、天ぷら油火災専用に開発された消火剤の化学反応で油を不燃化・冷却して消火するものである。
しかしながら、この場合、家庭用天ぷら火災消火パックが火元に対して離間して設けられていると、火災の火の熱を家庭用天ぷら火災消火パックに伝わらせて家庭用天ぷら火災消火パックの開封に至るまでに時間を要してしまい、その結果、消火の開始が遅れる場合がある。また、家庭用天ぷら火災消火パックが開封しても、開封箇所によっては、消火剤が十分に火元に届かず、その結果、消火に時間を要する場合がある。
本発明は、以上のような事情に鑑みてなされたものであり、容易に設置可能な、消火剤を封入したフィルムを有する消火用具を用いて建物火災を低コストで消火できるとともに、効率的にフィルムを開封させて、効果的に消火できる消火方法を提供することを目的とする。
そこで、建物の天井部に、消火剤を封入したフィルムを備える消火用具を備え付ける際の工夫として、消火用具の中央部を支持して、中央部に火災の火あるいはその熱を誘導して、フィルムを中央部から破裂させる方法を考えた。
本発明では、消火剤を封入したフィルムを有する消火用具を建物の天井部に固定具で備え付け、消火用具を開封させて火災の火を消火する消火方法であって、消火用具の中央部を、フィルムよりも燃えやすい素材から形成された支持部材により支持させ、中央部を挟む両側部を、消火用具の端部側から中央部にかけて上方に、消火剤の重みで傾斜させて配置し、火災時に傾斜を利用して、火あるいはその熱を中央部に集中させて、フィルムよりも燃えやすい素材に引火させるように誘導し、中央部のフィルムを破裂させることで、消火剤を拡散させる。
また、中央部を線状の支持部材で支持しかつ消火用具の両端部をそれぞれ保持した状態で、消火用具を前記天井部に備え付け、火災の際に、消火用具を中央部で破断させて、消火用具をぶら下げた状態で破断部を揺動させてもよい。また、中央部の下端が、消火用具の両端部よりも上方に位置するように中央部を支持部材で吊し上げた状態で、消火用具を天井部に備え付けてもよい。中央部を挟んだ両側に消火剤を分離させた状態で、消火用具を天井部に備え付けてもよい。火災が生じた際に、火災の火又は熱により消火用具が開封する前に支持部材を火により燃焼させ、この燃焼によって支持部材近傍を起点として消火用具を開封させてもよい。また、消火剤を収容するフィルムの袋部の長手方向の長さの中央部分を支持部材で支持し、支持部材を垂直方向視でこの長手方向と直交する方向に沿って配置させてもよい。
本発明によれば、建物火災を低コストで、効率的かつ効果的に消火することができる。
消火用具の一例を示し、(a)は平面図、(b)は側面図、(c)は(b)のA−A線に沿った断面図である。 消火用具の設置状態の一例を示す斜視図である。 消火用具の設置状態の一例を示す図である。 消火用具を設置した建物で火災が発生した状態を示す図である。 実施形態に係る消火方法の一例を示す図である。 実施形態に係る消火方法の一例を示す図である。 実施形態に係る消火方法の一例を示す図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。ただし、本発明の技術的範囲は以下に説明する実施形態に限定されるものではない。また、図面においては、実施形態を説明するため、一部分を大きくまたは強調して記載するなど適宜縮尺を変更して表現した部分を含んでいる。以下の各図において、XYZ座標系を用いて図中の方向を説明する。このXYZ座標系においては、垂直方向(鉛直方向)をY方向とする。また、互いに直交する水平方向のうちの一方をX方向と表記し、他方をZ方向と表記する。X方向、Y方向及びZ方向のそれぞれは、図中の矢印の方向が+方向であり、矢印の方向とは反対の方向が−方向であるものとして説明する。
実施形態に係る消火方法は、主として、建物において火災が発生した際に、当該火災を消火する方法である。実施形態に係る消火方法について説明する前に、当該消火方法において使用される消火用具100について説明する。図1は、実施形態で使用される消火用具100の一例を示し、(a)は平面図、(b)は側面図、(c)は(b)のA−A線に沿った断面図である。なお、図1では、消火用具100については、水平面(XZ平面)上に載置された状態を示している。図1(a)〜(c)、に示すように、消火用具100は、消火剤10と消火用具本体20とを含み構成されている。
消火剤10は、後述する消火用具100の袋部21に密封充填されている。消火剤10は、火の火元に供給された際に消火作用を発揮する成分を有している。消火剤10は、炭酸カリウムを主成分とする水溶液であるが、これに限定されず、例えば、水や、溶液、泡、ガス、粉末などであってもよいし、炭酸水素ナトリウムや、二酸化炭素などを主成分とするものであってもよい。
消火用具本体20は、袋状の袋部21と、袋部21を囲うように設けられた接合部22とを有している。消火用具本体20はフィルムから構成されている。消火用具本体(フィルム)20は、例えば、X方向を長手方向かつZ方向を短手方向とする長方形を含む形状に形成されている。消火用具本体20は、例えば、形状及び大きさが同一の長方形状の第1フィルム20a及び第2フィルム20bから構成されている。第1フィルム20a及び第2フィルム20bは、その端部周辺の領域が互いに隙間なく重ねた状態で接合されている。即ち、例えば、第1フィルム20a及び第2フィルム20bの各4辺は、熱圧着などの手法によって貼り付けられている。これにより、第1フィルム20aと第2フィルム20bとが接合されて、接合部22が形成されるとともに、第1フィルム20aと第2フィルム20bとに挟まれた内部空間Sを覆う袋部21が形成される。なお、袋部21及び接合部22は、YZ平面と平行な同一の仮想平面に対して対称に形成される。このため、消火用具100は、X方向において、中央部100aの位置と、袋部21の長さ21aの中央部21bの位置とが一致する。なお、袋部21及び接合部22は、YZ平面と平行な同一の仮想平面に対して非対称に形成されてもよい。
袋部21には、消火剤10が封入されている。また、袋部21には、気体11が封入されている。気体11は、袋部21の上部(+Y側の部分)に溜まった状態となっている。気体11は、例えば空気であるが、消火剤10の成分が気化したものであってもよい。なお、袋部21において、消火剤10とともに気体11を封入するか否かは任意である。
第1フィルム20a及び第2フィルム20bは、いずれも消火剤10を封入した状態を保持可能な素材から形成され、例えば樹脂製である。このような樹脂としては、例えば、ポリエチレンや、ポリエステル、ポリイミドなどが用いられる。第1フィルム20a及び第2フィルム20bは、同一の素材から形成されるが、それぞれ異なる素材から形成されてもよい。また、第1フィルム20a及び第2フィルム20bの厚さは、それぞれ同一であるが、異ならせてもよい。例えば、消火用具本体20は第1フィルム20aを上向き(+Y側)にかつ第2フィルム20bを下向き(−Y側)にして設置される(図2参照)が、ここで、第2フィルム20bは、第1フィルム20aに比べて易破断性を有する素材で形成されてもよいし、薄く形成されてもよい。
図1において、消火用具100は、X方向に延びる直線状に配置して載置されている。また、消火剤10等を封入した状態で、若干弛んだ状態となっている。このため、消火用具100は、変形容易に形成されており、例えば、X方向に対して所定角度で屈曲するように折り曲げられたり、曲線状に変形させたりすることが可能となっている。
なお、出願人の自社製品に係る家庭用天ぷら火災消火パックは、60ミリリットル(ml)の消火剤10を封入しており、X方向の長さが160ミリメートル(mm)、Y方向の長さ(厚さ)が10ミリメートル(mm)、Z方向の長さ(幅)が55ミリメートル(mm)のサイズであり、重さは60グラム(g)である。実施形態に係る消火用具100は、例えば、500ミリリットル(ml)の消火剤10を封入しており、そのサイズ及び重さは、例えば、上記の家庭用天ぷら火災消火パックの8〜9倍となるように形成される。
次に、実施形態に係る消火方法について説明する。
図2は、実施形態に係る消火方法における消火用具100の設置状態の一例を示す斜視図である。消火用具100のユーザーは、図2に示すように、消火用具100を建物の天井部30に固定具41,42で備え付ける。消火用具100は、火災の火Fの発生が想定される場所の上方の天井部30に備え付けられる。ここで、火災の火Fの発生が想定される場所としては、例えば調理室である。この場合、調理室には、人が火気を使用して調理を行うための設備(不図示)が設けられており、例えばガスコンロが設置されている。そして、ユーザーは、ガスコンロの上方に消火用具100を備え付ける。
以下の実施形態の説明では、ユーザーが消火用具100を調理室に設ける場合を例に挙げて説明するが、消火用具100を設ける建物は、特に限定されず、例えば、木造家屋や、可燃物の保管施設、商業施設、宿泊設備などであってもよい。また、建物における消火用具100の備え付け個所についても、調理室の天井部30に限定されず、例えば、居間や、寝室、売り場などの天井部であってもよい。消火用具100が設置される天井部30の下側(−Y側)の表面30aは、例えば、図2に示すように水平面である。
ユーザーによる消火用具100の天井部30への備え付けは、例えば以下の方法で行われる。
先ず、ユーザーは、1つの消火用具100につき、1つの支持部材41と、2つの保持部材42,42を用意する。これら支持部材41及び保持部材42,42は、消火用具100を建物の天井部30に備え付けるための固定具である。そして、ユーザーは、これらの部材を天井部30に取り付ける。支持部材41及び保持部材42は、天井部30において、消火用具100の設置場所に対応する位置に取り付けられる。なお、後述するように、実施形態では、消火用具100は、天井部30に備え付けられると、その中央部100aを挟んだ両側の端部100b,100bが保持部材42,42に保持されるが、端部100bを保持する手段として、保持部材42を用いるか否かは任意である。すなわち、消火用具100は、天井部30に対して、例えば接着剤などを用いて直接接合させてもよく、このような場合には、保持部材42は天井部30に設けられなくてもよい。
支持部材41は、フィルム20よりも燃えやすい素材から形成される。例えば、支持部材41は、フィルム20よりも融点あるいは着火点が低い素材から形成される。支持部材41は、例えば紐であり、綿や麻などの天然繊維から形成される。なお、支持部材41は、上記した構成に限定されず、紐状に代えて、糸状や、棒状、直棒状、円弧状などのものであってもよいし、ポリエステルやナイロンなどの合成繊維や、ゴムや木材などの素材から形成されてもよい。
支持部材41の両端部分は、天井部30に固定されている。また、支持部材41の中央部分は、天井部30から離間して下方に垂れた状態となっている。支持部材41の天井部30への固定方法としては、周知の固定手段を用いることが可能であり、例えば、接合材を介して天井部30に支持部材41を接合させてもよいし、支持部材41の一部(例えば両端部分)を保持する器具を天井部30に設置して、この器具に支持部材41を固定させてもよい。支持部材41は、Y方向から見て、天井部30における消火用具100の設置領域のうち、消火用具100の中央部100aに対応する位置に取り付けられる。また、支持部材41は、Y方向から見て、設置される消火用具100の長手方向(X方向)と直交する方向(Z方向)に延びるように配置される。なお、支持部材41は、Y方向から見てZ方向に延びるように配置されることに限定されず、例えば、Y方向から見て曲線状に配置されてもよいし、Y方向から見てZ方向に対して傾斜する方向に延びるように配置されてもよい。
保持部材42,42は、それぞれ、例えば、紐状部材43とクリップ44とを有している。紐状部材43は、例えば紐である。紐状部材43の両端部分は、天井部30に固定されている。また、紐状部材43の中央部分(両端部分に挟まれた部分)は、天井部30から離間して下方(−Y方向)に垂れた状態となっている。紐状部材43の天井部30への固定方法としては、周知の固定手段を用いて行うことが可能であり、例えば、接合材を介して天井部30に紐状部材43を接合させてもよいし、紐状部材43の一部(例えば両端部分)を固定する器具を天井部30に設置して、この器具に紐状部材43を固定させてもよい。クリップ44は、消火用具100を挟持する挟持部44aと、紐状部材43を挿通可能な挿通部44bとを有している。クリップ44は、紐状部材43を挿通部44bに挿通した状態で、天井部30に対して間隔を空けて空中に保持される。クリップ44は、紐状部材43を介して天井部30からぶら下がった状態で設置される。なお、保持部材42,42は、上記した構成に限定されず、消火用具100の端部を保持可能な構成であればよく、周知の保持手段の構成が適用可能である。
次いで、ユーザーは、消火用具100を、例えば、Y方向から見て、長手方向をX方向かつ短手方向をZ方向に配置した状態で、天井部30の下方に設置する。消火用具100の設置は、天井部30に設置された支持部材41及び保持部材42,42を用いて行う。この際、ユーザーは、先ず、消火用具100の一端側を、支持部材41と天井部30との隙間に挿通する。そして、消火用具100の中央部100aをその下方から支持部材41が支持した状態とする。その後、消火用具100の両端部100b,100bをそれぞれクリップ44で挟持する。この際、クリップ44は、袋部21を損傷させないように接合部22を挟持するが、袋部21を挟持させてもよい。これにより、消火用具100は空中で保持される。このように、消火用具100は、その中央部100aが支持部材41で支持され、かつ中央部100aを挟んだ両側の端部100b,100bがそれぞれ支持された状態で、天井部30に設置される。
ユーザーは、消火用具100を天井部30に設置する際、消火用具100をその中央部100aを通るYZ平面に対して対称的に配置する。また、ユーザーは、中央部100aを支持部材41により吊し上げた状態で、消火用具100を設置する。この際、ユーザーは、消火用具100の中央部100aの下端100cを、消火用具100の両側の端部100b,100bよりも上方(+Y側)に位置させる。また、ユーザーは、消火用具100の端部100b,100bを、消火用具100の下端100e,100eよりも上方(+Y側)に位置させる。そして、ユーザーは、消火用具100の中央部100aを挟む両側部100d,100dを、端部100b,100b側から中央部100aにかけて上方に傾斜させる。この際、両側部100d,100dを、消火剤10の重みで傾斜させる。この際、両側部100d,100dの下側(−Y側)の面は、端部100b,100b側から中央部100aにかけて上方に傾斜した傾斜面である。すなわち、消火用具100の−X側の側部100dの下側面は、その−X側の側部100d側から中央部100aにかけて+Xかつ+Y方向に傾斜しているとともに、消火用具100の+X側の側部100dの下側面は、その+X側の側部100d側から中央部100aにかけて−Xかつ+Y方向に傾斜している。消火用具100は、Z方向に見てW字状を呈するように設置される(図3(a)参照)。なお、消火用具100は、上記した状態で配置されることに限定されない。例えば、消火用具100は、その中央部100aを通るYZ平面に対して非対称的に配置されてもよいし、消火用具100における中央部100aの下端100cを端部100bと同じ高さ(Y方向の位置)で配置するようにしてもよい。
図2に示す消火用具100は、若干ねじられた状態で設置されている。また、図2に示す消火用具100において、中央部100aの内部空間Sには、例えば空気などの気体11が溜まった状態となっている(図1(c)参照)。
図3は、実施形態に係る消火方法における消火用具100の設置方法の一例を示す図である。図3(a)は、天井部30に設置された消火用具100をZ方向から見た図である。また、図3(b)は、消火用具本体20を透過して表した、図3(a)の消火用具100を示す図である。図3では、図2と同様に、天井部30に設置された消火用具100を示している。ただし、図3に示す消火用具100は、図2に示す消火用具100とは異なり、ねじられた状態とはなっていない。また、図3に示す消火用具100のX方向の中央部100aでは、消火用具本体20はY方向に潰れた形状となっている。すなわち、中央部100aでは、YZ平面と平行な断面において、消火用具本体20の上側(+Y側)のフィルムと下側(−Y側)のフィルムとが上下方向(Y方向)に重なった状態で互いに密着した状態となっている。これにより、内部空間Sは、中央部100aを境界としてその+X側と−X側とに分断されている。
図3(b)に示すように、消火用具100において、消火剤10は、中央部100aを挟んだ両側にそれぞれ均等に分離した状態で配置されている。また、消火用具100の中央部100aには、気体11が集まり、Y方向あるいはZ方向から見て支持部材41を挟む位置に気体部12,12が形成されている。
続いて、ユーザーが天井部30に消火用具100を設置した後の火Fの消火方法について説明する。以下の説明では、ユーザーが消火用具100を図3に示す状態で設置した場合を説明する。なお、ユーザーが消火用具100を図2に示す状態で設置した場合の消火方法についても、下記の消火方法とほぼ同様である。
図4は、消火用具100を設置した建物において火災が発生した状態を示す概略図である。図4に示すように、建物の天井部30に設置された消火用具100の下方から火災の火Fが出火したとする。この火Fは、例えば、天ぷら火災時の火であり、ガスコンロにより加熱された油に着火して生じた火である。
図5(a),(b)、図6(c),(d)、図7(e)は、実施形態にかかる消火方法の一例を示し、その過程を示す図である。なお、図5(a)〜図7(e)は、時系列で並んでいる。
消火用具100は、図5(a)に示すように、その下方で発生した火災の火Fに起因して、中央部100aが破断する。消火用具100は、例えば、支持部材41の近傍を起点として破断する。この際、消火用具100の下方で生じた火Fあるいはその熱は、両側部100d,100dの傾斜面に沿って上昇し、中央部100aに集まる。中央部100aに集まった火Fあるいはその熱は、フィルム20よりも燃えやすい素材である支持部材41に引火するように作用する。これにより、中央部100aのフィルム20が破裂する。すなわち、上述の方法では、火Fあるいはその熱を中央部100aに集中させて、フィルム20よりも燃えやすい支持部材41に引火させるように誘導し、中央部100aのフィルム20を破裂させる。
このような消火用具100の中央部100aにおけるフィルム20の破裂は、例えば、中央部100aが燃焼したり溶融したりすることにより生じる。この際、火F(図4参照)を支持部材41に引火させることによりフィルム20を破裂させてもよい。すなわち、火災の火F又の熱が袋部21に対して直接的に作用して袋部21が開封する前に、支持部材41を燃焼させて支持部材41の近傍を起点として消火用具100を破裂させるようにしてもよい。すなわち、火Fを支持部材41に燃え移らせて、支持部材41を燃焼させ、次いで、この支持部材41が燃焼する際の火やその熱により中央部100aを燃焼あるいは溶融させて、消火用具100を破裂させてもよい。つまり、支持部材41を燃焼させることによって消火用具100を破裂させてもよい。また、火Fを、直接中央部100aに燃え移らせて中央部100aを燃焼させて中央部100aを破裂させてもよい。また、火Fの熱を直接中央部100aに伝達させて中央部100aを溶融させ、これにより消火用具100を破裂させてもよいし、溶融して柔らかくなった状態の中央部100aに対して支持部材41を+Y方向に貫通させることで消火用具100を破裂させてもよい。
消火用具100は、破裂すると同時に破断する。なお、上述した消火方法において、消火用具100を破裂とともに破断させるか否かは任意である。すなわち、消火用具100は、破断せずに破裂した状態であってもよい。消火用具100が中央部100aにおいて破裂すると、中央部100aから消火剤10が放出され、拡散する。その結果、火災の火Fが消し止められる。
なお、消火用具100の中央部100aが破裂あるいは破断した際、支持部材41は、火Fの影響により、燃焼や溶融してその一部あるいは全部が焼失したり、破断したりしてもよいし、火Fの影響を受けずに設置時の外形をほぼ維持した状態で残存してもよい。
以上説明した消火方法によれば、ユーザーは、消火剤10を封入したフィルム20を有する消火用具100を建物の天井部30に固定具41,42で備え付けるだけで、建物火災を自動的に消火することができる。また、上述した消火方法によれば、消火剤10を拡散させるので、効果的に消火できる。さらに、上述した消火方法によれば、消火の際に消火用具100を操作する必要がないので、低コストでかつ確実に消火を行うことができる。さらにまた、上述した消火方法で使用される消火用具100は、火災を感知するセンサや、ポンプ、動力源などが不要であって簡素な構成となっている。したがって、ユーザーは、建物に消火用具100を低コストかつ容易に設置することができる。
また、以上説明した消火方法によれば、中央部100aを挟む両側部100d,100dを、消火用具100の端部100b,100b側から中央部100aにかけて上方に、消火剤10の重みで傾斜させて配置し、火災時にこの傾斜を利用して、火Fあるいはその熱を中央部100aに集中させて、フィルム20よりも燃えやすい支持部材41に引火させるように誘導し、中央部100aのフィルム20を破裂させることで、消火剤10を拡散させる。これにより、建物火災を効率的かつ効果的に消火することができる。
引き続き、以下では、消火用具100を破断させて行う消火方法について説明する。
図5(a)では、火災の火Fによって消火用具100の中央部100aが柔らかくなり、これにより支持部材41が中央部100aを貫通することによって、消火用具100が中央部100aで破断した場合を例に挙げて図示している。また、図5(a)では、消火用具100が、袋部21の長手方向の長さ21aの中央部分(消火用具100の長手方向の中央部100a)21b(図1(a)参照)で破断した場合を示している。なお、消火用具100は、袋部21の長手方向の長さ21aの中央部分21bから外れた位置(例えば袋部21の長手方向の端部付近)で破断してもよい。また、図5(a)において、支持部材41は、設置時の形態をほぼ維持した状態で残存している。
このように、火Fあるいはその熱により消火用具100が中央部100aで破裂し破断すると、これに伴って袋部21が開封される。すると、破断部23,23を介して消火用具100から消火剤10が放出される。消火用具100から放出された消火剤10は、拡散しながら消火用具100の下方に位置する火災の火Fの火元(例えばてんぷら火災では、鍋内の油)に散布される。これにより、火Fの消火が開始される。
消火用具100がその中央部100aで破断すると、消火用具100は支持部材41による支持を失う。このため、図5(b)に示すように、破断して分離した消火用具50,60のそれぞれは、一端である端部100bは保持部材42に保持された状態のままであるが、他端である破断部23,23は下方に垂れ下がる。この際、消火用具100から破断部23を介して消火剤10が放出される。
図5(b)に引き続き図6(c)に示すように、破断部23,23は、下方に垂れ下がった勢いで互いに離間する方向に振れる。すなわち、破断した−X側の消火用具50は、保持部材42aを介して天井部30にぶら下がった状態で、その破断部23aは−X方向に振れる。また、破断した+X側の消火用具60は、保持部材42bを介して天井部30にぶら下がった状態で、その破断部23bは+X方向に振れる。判断した消火用具50,60は、このように動きながら破断部23a,23bを介して消火剤10を放出する。
その後、図6(d)に示すように、破断した消火用具50,60は、保持部材42を介して天井部30にぶら下がった状態で、破断部23,23が互いに近接する方向に振れる。破断した消火用具50,60は、引き続き、このように動きながら破断部23,23を介して消火剤10を放出する。
このように、消火用具100が破断すると、破断した消火用具50,60は、破断部23,23と反対側の端部(+Y側の端部)あるいは保持部材42を起点として揺動する。そして、破断部23,23は、揺動しながら消火剤10を放出する。これにより、消火剤10が拡散される。そして、破断した消火用具50,60の下方の広範囲にわたって消火剤10が散布される。特に、X方向において広い範囲に消火剤10が散布される。
その後、図7(e)に示すように、破断した消火用具50,60は、徐々に振幅が小さくなるように揺動する。この際、消火用具50,60において消火剤10が残存している場合には、引き続き消火剤10が消火用具100から下方に放出される。
火災の火F(図4参照)は、その火元に消火剤10が散布されることで消火に至る。この消火は、上述した消火剤10の散布過程のいずれかの段階で完了する。すなわち、火Fは、例えば、消火用具100が破断した直後の時点で消火されてもよいし、破断した消火用具50,60の揺動中に消火されてもよい。
以上説明した消火用具100を破断させる消火方法によれば、消火用具100の破断部23は、揺動しながら消火剤10を放出するので、消火剤10を拡散させて広範囲にわたり散布することができる。これにより、効果的に火災の火Fを消火することができる。
また、上述した消火方法によれば、消火用具100は、中央部100aの下端100cが両端部100b,100bよりも上方に位置するように配置されている。これにより、気体が中央部100aに集まって中央部100aには気体部12が形成されるので、より確実に中央部100aを燃焼あるいは溶融させることができる。したがって、火Fの勢いが弱い段階であっても、より確実に消火用具100が破断するので、初期消火を自動的に行うことができる。
また、上述した消火方法によれば、袋部21の長手方向の長さ21aの中央部分21bを支持部材41で支持し、支持部材41を垂直方向視で長手方向と直交する方向に沿って配置させるので、破断した消火用具50,60のそれぞれから、ほぼ同量の消火剤を散布させ、火Fの火元に向けて万遍なく消火剤10を散布することができる。
以上、実施形態について説明したが、本発明は、上述した説明に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。また、上記の実施形態で説明した要件の1つ以上は、省略されることがある。そのような変更または改良、省略した形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
10…消火剤
20…消火用具本体(フィルム)
21…袋部
21a…長さ
21b…中央部分
23…破断部
30…天井部
41…支持部材(固定具)
42…保持部材(固定具)
50,60,100…消火用具
100a…中央部
100b…端部
100c…下端
100d,100d…両側部
F…火

Claims (6)

  1. 消火剤を封入したフィルムを有する消火用具を建物の天井部に固定具で備え付け、前記消火用具を開封させて火災の火を消火する消火方法であって、
    前記消火用具の中央部を、前記フィルムよりも燃えやすい素材から形成された支持部材により支持させ、前記中央部を挟む両側部を、前記消火用具の端部側から前記中央部にかけて上方に、前記消火剤の重みで傾斜させて配置し、火災時に前記傾斜を利用して、前記火あるいはその熱を前記中央部に集中させて、前記フィルムよりも燃えやすい素材に引火させるように誘導し、前記中央部のフィルムを破裂させることで、消火剤を拡散させることを特徴とする消火方法。
  2. 前記中央部を線状の支持部材で支持しかつ前記消火用具の両端部をそれぞれ保持した状態で、前記消火用具を前記天井部に備え付け、
    火災の際に、前記消火用具を前記中央部で破断させて、前記消火用具をぶら下げた状態で破断部を揺動させることを特徴とする請求項1に記載の消火方法。
  3. 前記中央部の下端が、前記消火用具の両端部よりも上方に位置するように前記中央部を前記支持部材で吊し上げた状態で、前記消火用具を前記天井部に備え付けることを特徴とする請求項2に記載の消火方法。
  4. 前記中央部を挟んだ両側に前記消火剤を分離させた状態で、前記消火用具を前記天井部に備え付けることを特徴とする請求項3に記載の消火方法。
  5. 火災が生じた際に、前記火災の火又は熱により前記消火用具が開封する前に前記支持部材を前記火により燃焼させ、該燃焼によって前記支持部材近傍を起点として前記消火用具を開封させることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の消火方法。
  6. 前記消火剤を収容する前記フィルムの袋部の長手方向の長さの中央部分を前記支持部材で支持し、前記支持部材を垂直方向視で該長手方向と直交する方向に沿って配置させることを特徴とする請求項2から請求項5のいずれか一項に記載の消火方法。
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