JPH0652848U - 天井に取り付ける自動消火器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 家庭で天ぷら料理中、ゆえあって現場をはな
れ復帰が遅れると、鍋の中の油が引火して火災になるこ
とが統計上高率である。よって天ぷら鍋の油が引火する
と即人為によらず、自動的に粉末消火剤を鍋の油に散布
し消火する。 【構成】天井１０に保持拘束した粉末消火剤を入れた容
器１又は袋７が、係合した形状記憶合金が熱で作用し保
持拘束を解除され、容器又は袋に繋いだ支線２で鍋１１
上に懸吊され、熱で容器又は袋が開き、中の粉末消火剤
が鍋の油に散布され消火する。該容器、袋を天井に保持
拘束するにテグスを用いているので、温度上昇に伴いテ
グスを切断すべく鋏を使用し、鋏に形状記憶合金を係合
し、鋏の刃の部分にカミソリの刃を用い、また常にテグ
スが刃の位置にあてがうように保持部である孔を設けテ
グスを通してある。火災警報器に気体圧縮缶に気体の噴
出で発音する笛を連結し形状記憶合金で制御するように
して天井に保持する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は天井に取り付ける自動消火装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

屋内において水道管にホースを連結し放水する消火装置と、ボンベに消火剤を 充填し手動レバーの操作で噴射して消火する方式がある。消火剤は液体と粉末に なっている。

【０００３】

【考案が解決しょうとする課題】

ボンベ式消火器は法的に設置を義務付けられた場所があるが、一般家庭は任意 になっている。家庭火災の原因の内、不注意による鍋の油の引火が高率である。 家庭にボンベ式消火器を設置していたとしても、緩急時には消火器の設置に気付 かず、的確に操作が行えず、濡れた毛布を引火した鍋に被せる等教えられるが消 火が手遅れとなる場合があり火災となることが多い。油の発火に対する消火に水 の使用は禁物であるので粉末消火剤を使用しなければならない。又油が発火した 鍋に固形又は容器入り消火剤を直接投入すると油の火炎が飛び散り危険である。 鍋の油の引火と同時に人為によらず自動的に消火する事が可能であれば家庭火災 の大半が防止できる。消火器の価格が低廉であれば普及も容易である。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

粉末消火剤入り可燃容器に天井から懸吊する支線を繋ぎ、これを天井に保持す る拘束線を付け、該線に形状記憶材を掛止した刃物を係合し、周辺温度が過度に 上昇すると刃物で容器の拘束糸が切断され、消火剤入り可燃容器が直下の発火点 上に降下懸吊され、熱で容器が開き消火剤が鍋に散布され消火する。

【０００５】 粉末消火剤入り袋に天井から懸吊する支線を繋ぎ、これを開閉する容器に収納 し、該容器に形状記憶材と係合した閂器具をつける。これを天井に保持し、周辺 の温度が過度に上昇すると形状記憶材の作用でロックが解除され容器が開口し、 収納している消火剤入り袋が発火点上に降下懸吊され熱で袋が開き消火剤が鍋に 散布され消火する。

【０００６】 鋏の片方の刃に該拘束線を通す孔を設け、にぎりの端に形状記憶材を掛止し、 消火器は長期間天井に保持するので鋏に粘着物が付着すると確実に拘束糸の切断 ができないので形状記憶材を露出させて鋏にカバーをかける。周辺温度が過度に 上昇すると形状記憶材がにぎりを引き、他方の刃が孔に通した該拘束線を切断す る。しかして天井に保持拘束した消火剤を鍋上に降下させて消火する。

【０００７】 周辺の温度が過度に上昇すると発音すべく、エネルギー蓄積手段に開閉器具を 付け、ロックを形状記憶材の応力で解除する発音器を天井に取りつける。

【０００８】

【作用】

不注意で鍋の油に引火すると、対流で天井付近の空気の温度が急上昇する。天 井に形状記憶材を係合した容器に消火剤をいれ保持しておくと、ほぼ４０°Ｃで 形状記憶材が作動して容器が開口し消火剤が支線によって降下し鍋の油に散布し 消火する。または包装した消火剤に支線を繋ぎ該容器にいれ保持しておくと、天 井付近の空気の温度が急上昇で形状記憶材が作動して容器が開口して包装した消 火剤が鍋上に懸吊され火炎で包装が開き消火剤が鍋の油に全量落下し消火する。 発火直後に消火剤を鍋中に散布するので大火に至らない。天井付近の空気の温度 が急上昇すると、天井に設置した形状記憶材による始動手段を設けたゼンマイ又 は空気圧を動力とする音響発生器が発声し、家族に危急をつげるので燃料の供給 をとめれば上記消火器と相俟って大火災を未然に防止することができる。

【０００９】

【実施例】

本考案を図面を参照して説明すると、図１は２例を示し、Ａ．Ｂとする。Ａに ついて、粉末消火剤入り可燃容器１に天井から懸吊する針金２を繋ぎ、巻き付け て端末を天井に固定するようにしている。この可燃容器１に天井に保持する拘束 線テグス３を付け、これに鋏５の刃をあてがい、にぎりの端に形状記憶合金４を わたして止めている。テグス３に鋏５がよく係合するようにテグス３と可燃容器 １の間に枕６を挿入しテグス３を持ち上げている。長期間のうち鋏５に粘着物が 付着し機能低下を防止すべく形状記憶合金４を露出させてカバーをかけるが、構 成を明確にするため省略している。周辺温度が約４０°Ｃに上昇すると鋏に付け た形状記憶合金４が縮小し、鋏で可燃容器１の拘束テグス３が切断され、消火剤 入り可燃容器が直下の発火点上に降下懸吊される。作用は図２で示す。

【００１０】 図１のＢについて、粉末消火剤入り袋７に天井から懸吊する針金２を繋ぎ、Ａ に示すように巻き付けて端末を天井固定するようにして、２体でなっている開閉 する球形容器８に収納しテグス３で封鎖している。封鎖法は２体それぞれの下部 に突起を設けテグス３を張架緊締する。この方法はテグス３が球形容器８と間隙 があり、球形容器８を開放するためのテグス３に鋏のセットを容易にする為であ る。球形容器８を天井に懸吊すべく２体それぞれの上部に針金を繋ぎ、１本にま とめる。天井周辺の温度が約４０°Ｃに上昇すると鋏５に付けた形状記憶合金４ が縮小して刃がテグス３を切断して球形容器８が開き、収納している粉末消火剤 入り袋７が巻いてある針金から開放されながら鍋上に降下する。本案の消火器は 必然的に熱源を使用する天井に設置するので、鋏５に粘着物が付着し機能が阻害 される。これを防止すべく形状記憶合金４を露出させてカバー９をかける。テグ ス３、鋏５及び形状記憶合金４の係合はＡと同様である。作用は図２で示す。

【００１１】 図２は図１と同じく２例をそれぞれＡ．Ｂとし使用状態を示す。Ａについて、 図１のＡの如く拘束線テグス３で天井１０に拘束しておく。レンジ上の鍋１１の 油が不注意で発火し天井周辺の温度が約４０°Ｃに上昇すると形状記憶合金４の 作用で鋏５が拘束線テグス３を切断し開放されて、粉末消火剤入り可燃容器が支 線針金２が解けながら降下し発火した鍋１１上に懸吊される。火炎熱で可燃容器 が開き粉末消火剤が鍋内の発火した油に散布され消火する。消火剤は重炭酸をソ ーダ使用しているので油の熱で炭酸ガスを発生して空気中の酸素を遮断する。Ｂ について、図１のＢの如く２体でなっている球形容器８を天井１０に懸吊してお く。天井周辺の温度が約４０°Ｃに上昇すると形状記憶合金４の作用で鋏５が拘 束線テグス３を切断し、二本の針金２で懸吊した球形容器８が左右に開き、天井 に固定した支線針金２を巻き付けて収納してある粉末消火剤入り袋が、針金２が 解けながら低速で降下し発火した鍋１１上に懸吊される。火炎熱で袋が開き粉末 消火剤が鍋内の発火した油に散布され消火する。

【００１２】 図３について、鋏５の刃の部分１２をヘアーピンカーブに曲折し、片方にカミ ソリの刃１３を挟み固定し、他方に刃１３が嵌挿されるように間隙を形成し、消 火器を保持拘束するテグス３を保持する孔１４を設け、にぎりの端に形状記憶合 金４を掛止する。周辺の温度が約４０°Ｃに上昇すると形状記憶合金４が鋏５の にぎりを引き、刃１３が他方に穿った孔に通した保持拘束線であるテグス３を切 断する。消火器を保持拘束するテグスが常に刃１３の位置を保持するので、形状 記憶合金４の作用による切断に失敗がない。テグス３を保持拘束線に使用するの は引っ張り強い、耐候性がよい、そしてカミソリ刃で低圧力で切断できる。

【００１３】 図４は天井に取付ける火災警報器である。天井周辺の温度が過度に上昇すると 発音すべく、エネルギー蓄積手段である圧縮気体容器１５に開閉器であるコック １６を付け、気体噴出口に笛１７を係合している。コック１６のレバー１８を中 心に対称的に形状記憶合金４と拘束線であるテグス３を保持する止具１９を設け ている。止具１７からレバー１８にそれぞれコイルバネ２０とテグス３を張架し テグス３に本案の鋏５を係合している。周辺温度が４０°Ｃに上昇すると形状記 憶合金４の応力で鋏の刃１３でテグス３が切断され、コイルバネ２０がレバー１ ８を引きコック１６が開口し、気体が噴出して笛が発音し警報を発する。

【００１４】 図示していないがゼンマイを動力とする音響発生器に形状記憶合金を係合した ストッパーを組み合わせて、天井に取付け周辺の温度が約４０°Ｃに上昇すると ストッパーが解除され発音する火災警報器。

【００１５】

【考案の効果】 鍋の油が発火すると、天井周辺の温度が上昇する。形状記憶合金を係合して約 ４０°Ｃで油に有効な可燃容器又は袋に入れた粉末消火剤が自動的に天井から低 速で降下し鍋内に散布し消火するので、消火が手遅れになることがない。又天井 が約４０°Ｃで警報を発する火災警報器を併用すると消火は万全になる。これら いずれも低価格で提供できるので家庭への普及は容易である。

【図面の簡単な説明】

【図１】天井に取付ける自動消火器の斜視図である。

【図２】天井に取付ける自動消火器の斜視図である。

【図３】天井に拘束した自動消火器を開放する鋏の斜視
図である。

【図４】天井に取付ける圧力気体を利用した警報器の斜
視図である。

【符号の説明】

Ａ 粉末消火剤を入れた可燃容器そのものが降下する
消火器 Ｂ 粉末消火剤を入れた袋を収納した容器で袋が降下
する消火器 １ 可燃容器 ２ 針金 ３ テグス ４ 形状記憶合金 ５ 鋏 ６ 枕 ７ 粉末消火剤入り袋 ８ 球形容器 ９ 鋏のカバー １０ 天井 １１ 鍋 １２ 鋏の刃の部分 １３ カミソリの刃 １４ テグスを保持する孔 １５ 圧縮気体容器 １６ コック １７ 笛 １８ レバー １９ 止具 ２０ コイルバネ

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 天井から懸吊する支線を繋いだ粉末消火
   剤入り可燃容器に、天井に保持する拘束線を付け、この
   線に形状記憶材を掛止した刃物を係合する。周辺温度が
   過度に上昇すると刃物で該容器の拘束糸が切断され、消
   火剤入り可燃容器が直下の発火点上に降下懸吊され、熱
   で容器が開き消火剤が鍋に散布され消火する天井に取り
   付ける自動消火器。
2. 【請求項２】 粉末消火剤入り袋に天井から懸吊する支
   線を繋ぎ、これを開閉する容器に納め、該容器に形状記
   憶材と係合した閂器具をつける。これを天井に保持し、
   周辺の温度が過度に上昇すると形状記憶材の作用でロッ
   クが解除され該容器が開口し、収納している消火剤入り
   袋が降下懸吊され消火する請求項１の天井に取り付ける
   自動消火器。
3. 【請求項３】 鋏の刃に拘束線が常に位置すべく、鋏の
   片方の刃に該拘束線の保持部を設け、にぎりの端に形状
   記憶材を掛止する。周辺の温度が過度に上昇すると形状
   記憶材が鋏のにぎりを引き、刃が他方の刃の孔に通した
   該拘束線を切断する請求項１の刃物。
4. 【請求項４】 周辺の温度が過度に上昇すると発音すべ
   く、エネルギー蓄積手段に制御器具を付け、ロックを形
   状記憶材の応力で解除し蓄積エネルギーで発音すること
   を特徴とする天井に取りつける火災警報器。