JP2019216553A - 定位置停止制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】減速時間が長く延びるのを抑制しつつ、停止時の良好な乗り心地を確保する。【解決手段】本実施形態に係る定位置停止制御装置は、車両の速度と位置を算出する速度・位置算出部と、車両のブレーキ特性情報を保持するブレーキ特性情報保持部と、前記速度・位置算出部で算出された車両の速度と位置、および、前記ブレーキ特性情報保持部で保持する車両のブレーキ特性情報に基づき、定位置停止制御のブレーキ指令を算出するブレーキ指令算出部と、定位置停止制御のブレーキ指令を停止時ブレーキ指令に切り替える停止時ブレーキ指令切り替え部とを備え、前記ブレーキ特性情報保持部は、車両のブレーキ特性情報として、ブレーキ指令に対応したブレーキ減速度の情報 と、ブレーキ指令切り替え時の過渡応答特性の情報とを、少なくとも保持し、前記停止時ブレーキ指令切り替え部は、停止時に使用する停止時ブレーキ指令を設定し、車両の速度とブレーキ減速度に応じて定位置停止制御のブレーキ指令を停止時ブレーキ指令に切り替える。【選択図】図1
Description
本発明の実施形態は、定位置停止制御装置に関する。
これまで、ATO(Automatic Train Operation:自動列車運転装置)やTASC(Train Automatic Stop Control:定位置停止装置)等の定位置停止制御装置で、列車を駅の定位置に自動停止させる制御において、停止位置精度向上のために乗り心地が悪くなることがあった。例えば、ブレーキの効き具合推定と停止位置予測に基づいてブレーキ指令を選択する手法において、停止間際にブレーキの効きが弱いと分かった場合、停止位置の精度を確保するためにブレーキを強めざるを得ず、停止時の乗り心地が悪くなってしまっていた。このため、このような場合でも、停止位置の精度を悪化させず、良好な乗り心地を確保する制御手法が求められていた。
特開2011−87364号公報(特許文献1)には、複数のブレーキ指令を切り替えて徐々にブレーキを弱める減速パターン、例えば、ブレーキ指令をB5→B3→B1の順で弱めるパターンを作成し、ブレーキの効き具合に応じてブレーキ指令を切り替えるタイミングを調整する技術が開示されている。これにより、停止間際に強めのブレーキが動作することを回避し、停止時の良好な乗り心地を確保している。
しかし、特許文献1に開示されている手法では、ブレーキ指令を段階的に下げるので、弱めのブレーキでの減速時間が長くなり、減速時間が長くなってしまうという問題がある。特に首都圏のように、高密度で車両の運転を行っている路線では、ラッシュ時に遅れを回復する余裕がないことから、数秒の時間の延びが累積され、全体として看過できない時間の延びとなる場合がある。また、ブレーキの効き具合によっては、弱めブレーキの動作時間が短くなったり、切り替えができなくなったりして、乗り心地が悪くなる場合もある。このため、減速時間が長く延びることを抑制しつつ、停止位置の精度を悪化させることなく、停止時の良好な乗り心地を確保することが求められている。
減速時間が長く延びるのを抑制しつつ、停止時の良好な乗り心地を確保することを目的とする。
本実施形態に係る定位置停止制御装置は、車両の速度と位置を算出する速度・位置算出部と、車両のブレーキ特性情報を保持するブレーキ特性情報保持部と、前記速度・位置算出部で算出された車両の速度と位置、および、前記ブレーキ特性情報保持部で保持する車両のブレーキ特性情報に基づき、定位置停止制御のブレーキ指令を算出するブレーキ指令算出部と、定位置停止制御のブレーキ指令を停止時ブレーキ指令に切り替える停止時ブレーキ指令切り替え部とを備え、前記ブレーキ特性情報保持部は、車両のブレーキ特性情報として、ブレーキ指令に対応したブレーキ減速度の情報と、ブレーキ指令切り替え時の過渡応答特性の情報とを、少なくとも保持し、前記停止時ブレーキ指令切り替え部は、停止時に使用する停止時ブレーキ指令を設定し、車両の速度とブレーキ減速度に応じて定位置停止制御のブレーキ指令を停止時ブレーキ指令に切り替える。
本実施形態に係る定位置停止制御装置は、車両の速度と位置を算出する速度・位置算出部と、車両のブレーキ特性情報を保持するブレーキ特性情報保持部と、前記速度・位置算出部で算出された車両の速度と位置、および、前記ブレーキ特性情報保持部で保持する車両のブレーキ特性情報に基づき、定位置停止制御のブレーキ指令を算出するブレーキ指令算出部とを有し、前記ブレーキ特性情報保持部は、車両のブレーキ特性情報として、ブレーキ指令に対応したブレーキ減速度の情報と、ブレーキ指令切り替え時の過渡応答特性の情報とを、少なくとも保持し、前記ブレーキ指令算出部は、現在のブレーキ指令から予測対象のブレーキ指令にブレーキ指令を変更した場合の車両挙動を予測し、予測結果に基づいてブレーキ指令を算出し、停止時に使用する停止時ブレーキ指令を設定し、車両の速度とブレーキ減速度に応じて予測対象のブレーキ指令を停止時ブレーキ指令に切り替える。
本実施形態に係る停止制御装置は、車両の速度と位置を算出する速度・位置算出部と、車両のブレーキ特性情報を保持するブレーキ特性情報保持部と、運転士による手動ブレーキ指令の情報を取得する手動ブレーキ指令取得部と、手動ブレーキ指令を停止時ブレーキ指令に切り替える停止時ブレーキ指令切り替え部とを有し、前記ブレーキ特性情報保持部は、車両のブレーキ特性情報として、ブレーキ指令に対応したブレーキ減速度の情報と、ブレーキ指令切り替え時の過渡応答特性の情報とを、少なくとも保持し、前記停止時ブレーキ指令切り替え部は、停止時に使用する停止時ブレーキ指令を設定し、車両の速度とブレーキ減速度に応じて手動ブレーキ指令を停止時ブレーキ指令に切り替える。
本実施形態に係る停止支援装置は、車両の速度と位置を算出する速度・位置算出部と、車両のブレーキ特性情報を保持するブレーキ特性情報保持部と、運転士による手動ブレーキ指令の情報を取得する手動ブレーキ指令取得部と、手動ブレーキ指令を停止時ブレーキ指令に切り替える停止時ブレーキ指令切り替え部とを有し、前記ブレーキ特性情報保持部は、車両のブレーキ特性情報として、ブレーキ指令に対応したブレーキ減速度またはブレーキ力の情報と、ブレーキ指令切り替え時の過渡応答特性の情報とを、少なくとも保持し、前記停止時ブレーキ指令切り替え部は、停止時に使用する停止時ブレーキ指令を設定し、車両の速度とブレーキ減速度に応じて手動ブレーキ指令を停止時ブレーキ指令に切り替えるタイミングを運転士に知らせる。
以下、図面を参照しながら、実施形態に係る定位置停止制御装置を説明する。なお、以下の説明において、略同一の機能及び構成を有する構成要素については、同一符号を付し、重複説明は必要な場合にのみ行うこととする。
図1は、本実施形態に係る定位置停止制御装置100を備える車両200の構成を説明するブロック図である。この図1に示すように、車両200は、定位置停止制御装置100と、地上子検知部101と、速度センサ102と、駆動制動制御装置103とを備えて構成されている。
地上子検知部101は、線路上に設けられた位置補正用の地上子300を検知する装置である。これにより、定位置停止制御装置100は、車両200の位置を正しく補正することが可能になる。
速度センサ102は、車両200の速度を検出するセンサである。例えば、速度センサ102は、車両200の車輪の回転状況に応じたパルス情報を出力し、この出力されたパルス情報に基づいて、定位置停止制御装置100は、車両200の速度を算出して取得する。
駆動制動制御装置103は、定位置停止制御装置100からのブレーキ指令に従って、車両200の減速を制御する装置である。すなわち、駆動制動制御装置103は、ブレーキ指令に基づいて、車両200に備え付けられているブレーキ(図示せず)を作動させるとともに、このブレーキの強さもブレーキ指令に基づいて制御する。
さらに、上記の定位置停止制御装置100は、速度・位置算出部10と、ブレーキ指令決定部20と、ブレーキ指令送信部30とを備えて構成されている。速度・位置算出部10は、速度センサ102が出力したパルス情報に基づいて車両200の速度を算出するとともに、地上子検知部101が検知した地上子検知情報に基づいて位置を算出する。
すなわち、速度・位置算出部10は、車両200の車輪径と、速度センサ102からのパルス情報と、車輪一回転あたりのパルス数の仕様値とに基づいて、車両200の速度を算出する。また、速度・位置算出部10は、地上子検知部101からの地上子検知情報と、車両200の車輪径と、速度センサ102からのパルス情報と、車輪一回転あたりのパルス数の仕様値とに基づいて、車両200の位置を算出する。具体的には、速度・位置算出部10は、地上子検知部101からの地上子検知情報に基づいて、車両200の現在位置を確定しつつ、車両200の車輪径と、速度センサ102からのパルス情報と、車輪一回転あたりのパルス数の仕様値とに基づいて、移動距離を算出し、車両200の位置補正を行い、車両200の位置を随時決定する。速度・位置算出部10で算出された速度と位置は、速度・位置情報として、ブレーキ指令決定部20に出力される。
ブレーキ指令決定部20は、車両200の速度・位置情報に基づいて、車両200を駅に自動的に停止させるためのブレーキ指令を生成する。より詳しくは、ブレーキ指令決定部20は、ブレーキ特性情報保持部21と、ブレーキ指令算出部22と、停止時ブレーキ指令切り替え部23とを備えて構成されている。ブレーキ特性情報保持部21は、車両200のブレーキ特性情報を保持している。ここでは、ブレーキ特性情報保持部21は、ブレーキ特性情報として、ブレーキ指令に対応したブレーキ減速度の情報と、ブレーキ指令切り替え時の過渡応答特性の情報を、少なくとも保持している。ブレーキ指令に対応したブレーキ減速度の情報は、ブレーキ指令に対応したブレーキ力として保持していても良く、ブレーキ力からブレーキ減速度が導出される。換言すれば、ブレーキ指令に対応したブレーキ力も、本実施形態においては、ブレーキ指令に対応したブレーキ減速度の情報の一種である。過渡応答特性は、例えば、むだ時間や時定数などである。このブレーキ特性情報保持部21で保持されているブレーキ特性情報は、ブレーキ指令算出部22や停止時ブレーキ指令切り替え部23に出力されて、用いられる。
ブレーキ指令算出部22は、車両200の速度・位置情報と車両200のブレーキ特性情報とに基づいて、車両200を駅に自動的に停止させるための定位置停止制御のブレーキ指令を算出する。すなわち、ブレーキ指令算出部22では、車両200の現在の速度と位置を初期値とし、現在のブレーキ指令から予測対象ブレーキ指令に切り替えた場合の車両200の挙動を予測する。例えば、予測対象ブレーキ指令を現在から停止まで継続した場合の速度と位置のシミュレーションを行い、停止位置を予測する。停止位置の予測は、ブレーキ特性情報保持部21に保持されているブレーキ指令に対応したブレーキ減速度の情報と、ブレーキ指令切り替え時の過渡応答特性の情報とを用いて行う。そして、複数の予測対象ブレーキ指令のうち、停止位置予測結果が目標停止位置に近いものを、定位置停止制御のブレーキ指令として選択する。
停止時ブレーキ指令切り替え部23は、乗り心地向上のため、定位置停止制御のブレーキ指令を、車両200の停止間際に、停止時に使用する停止時ブレーキ指令に切り替える。停止時ブレーキ指令としては、最低位のブレーキ指令、或いは、最低位のブレーキ指令に近いブレーキ指令を設定する。本実施形態においては特に、停止時ブレーキ指令切り替え部23は、車両200の速度とブレーキ速度に応じて、ブレーキ指令算出部22で算出された定位置停止制御のブレーキ指令を、停止時ブレーキ指令に切り替える制御を行う。
ブレーキ指令送信部30は、停止時ブレーキ指令切り替え部23から出力されたブレーキ指令を、駆動制動制御装置103に送信する。すなわち、ブレーキ指令決定部20の停止時ブレーキ指令切り替え部23から出力された、定位置停止制御のブレーキ指令、又は、停止時ブレーキ指令を、駆動制動制御装置103に送信する。駆動制動制御装置103は、ブレーキ指令送信部30から送信されたブレーキ指令に基づいて、車両200の減速を制御し、車両200を駅の停止位置に自動的に停止させる。
次に、図2に基づいて、停止時ブレーキ指令切り替え部23の切り替え処理について説明する。この図2に示す切り替え処理は、定位置停止制御装置100による定位置停止制御中であり、且つ、車両200の位置が駅の所定の停止位置近傍である場合に、制御周期毎に、繰り返し実行される処理である。
この図2に示すように、まず、停止時ブレーキ指令切り替え部23は、この停止時ブレーキ指令切り替え部23に設定されている停止時ブレーキ指令と、ブレーキ指令算出部22で現在算出された現在ブレーキと比較する(ステップS1)。そして、現在ブレーキ指令が停止時ブレーキ指令と同じであるか、又は、現在ブレーキ指令が停止時ブレーキ指令より弱い場合(ステップS1:No)は、この切り替え処理を終了する。一方、現在ブレーキ指令が停止時ブレーキ指令よりも強い場合(ステップS1:Yes)には、ステップS2に進んで、切り替え判定処理を行う。
すなわち、停止時ブレーキ指令切り替え部23は、車両200の現在の速度である現在速度と、現在のブレーキ減速度である現在減速度を算出する(ステップS2)。現在速度は、速度・位置算出部10から取得した速度・位置情報に基づいて算出する。この現在速度を算出するにあたり、必要に応じて、平滑化処理や演算遅れ補償を施すようにしてもよい。
現在減速度は、例えば、現在の実効ブレーキ指令に対応したブレーキ減速度を、ブレーキ特性情報保持部21に保持されているブレーキ特性情報に基づいて算出する。ここで、実効ブレーキ指令とは、過渡応答を加味した実際に効果を発揮しているブレーキ指令に相当するものであり、現在ブレーキ指令が切り替わった直後は、現在ブレーキ指令に切り替わる前のブレーキ指令と現在ブレーキ指令の中間の値となる。或いは、現在減速度は、速度・位置情報に基づいて算出された現在の速度を微分することにより、算出することもできる。
次に、停止時ブレーキ指令切り替え部23は、停止時ブレーキ指令に切り替えた場合の現在減速度から停止時目標減速度までの所要時間を算出する(ステップS3)。ここで、停止時目標減速度は、停止時ブレーキ指令の設定に応じて決定する。例えば、停止時ブレーキ指令を、7段ブレーキの最低位のブレーキ指令(B1)とした場合、ブレーキ指令(B1)に対するブレーキ減速度0.5km/h/sより高めの0.7km/h/sを停止時目標減速度とする。
乗り心地向上を図るべく、停止時ブレーキ指令は、最低位のブレーキ指令を基本とする。但し、段数の多い、例えば31段のブレーキ等で、ブレーキ指令(B1)のブレーキ減速度が小さく、ばらつきが大きい場合は、最低位のブレーキ指令に近い、より強めのブレーキ指令を、停止時ブレーキ指令とする。また、停止時目標減速度を、最低位のブレーキ指令のブレーキ減速度よりも小さくしたい場合、ブレーキオフ指令を選択してもよい。なお、駅のホームに勾配がある場合には、最低位のブレーキ指令よりも強めのブレーキ指令を選択するようにしてもよい。
図3は、7段ブレーキの最高位ブレーキ指令(B7)から最低位の停止時ブレーキ指令(B1)に切り替えた場合の減速度の変化を表すグラフを示している。ブレーキ指令(B7)のブレーキ減速度は、3.5km/h/sであり、ブレーキ指令切り替え時の時定数は0.6秒としている。また、説明を簡単にするために、むだ時間は0としている。この図3の例では、ブレーキ指令(B7)で減速中に停止時ブレーキ指令(B1)に切り替えると、約1.6秒で、減速度が停止時目標減速度の0.7km/h/sまで低下する。
図4は、図3と同じ曲線を、減速度が停止時目標減速度の0.7km/h/sまで低下した時刻を0秒として、描いたものである。例えば、ブレーキ指令(B5)から停止時ブレーキ指令に切り替えた場合も、図3の曲線に従って、減速度が低下する。
図4に示すように、ブレーキ指令(B5)のブレーキ減速度2.5km/h/sから停止時ブレーキ指令指令に切り替えた場合は、停止時目標減速度の0.7km/h/sまでの所要時間は約1.38秒であることが分かり、ブレーキ指令(B4)のブレーキ減速度2km/h/sから停止時ブレーキ指令に切り替えた場合は、停止時目標減速度の0.7km/h/sまでの所要時間は約1.2秒であることが分かる。
このような関係を、ブレーキ特性情報保持部21にテーブルとして保持しておくか、演算式を使って算出できるようにしておくことにより、現在減速度から停止時目標減速度までの所要時間を求めることができる。なお、上述の例では、各ブレーキ指令に対応するブレーキ減速度として設計値を用いたが、実際にブレーキ指令を与えた場合に発生する減速度はブレーキの効き具合によって異なるため、ブレーキの効き具合推定を行った結果に基づいて、所要時間を算出するようにしてもよい。
次に、図2に示すように、停止時ブレーキ指令切り替え部23は、停止時ブレーキ指令への切り替え速度を算出する(ステップS4)。図5は、図4の減速度変化の特性を用いて、停止時目標減速度の0.7km/h/s到達時の速度を0km/hとし、逆向きに減速度を積算して速度変化を算出したグラフを示す図である。
この図5に示すように、停止時目標減速度の0.7km/h/sまで所要時間1.38秒の場合は、速度約1.76km/hで停止時ブレーキ指令に切り替えればよいことが分かり、停止時目標減速度の0.7km/h/sまで所要時間1.2秒の場合は、速度約1.37km/hで停止時ブレーキ指令に切り替えればよいことが分かる。このような関係を、ブレーキ特性情報保持部21にテーブルとして保持しておいて、停止時ブレーキ指令への切り替え速度を導出してもよいし、或いは、車両200上でその都度、演算式を使って算出することにより、停止時ブレーキ指令への切り替え速度を導出してもよい。
次に、図2に示すように、停止時ブレーキ指令切り替え部23は、停止時ブレーキ指令への切り替え判定を行う(ステップS5)。すなわち、現在速度が切り替え速度を下回っているか否かを判断する。停止時ブレーキ指令に切り替えてから当該ブレーキ指令の効果が出始めるまでのむだ時間が大きい場合、停止時ブレーキ指令切り替え部23は、むだ時間経過後の速度を予測して判定を実施してもよい。
判定の基準となる停止時ブレーキ指令への切り替え速度は、1km/hから2km/h程度であり、速度センサとして速度発電機を用いた場合、十分な速度算出精度が得られない場合がある。このような場合には、1回転あたりの発生パルス数の多いパルスジェネレータを使用することが望ましい。
そして、停止時ブレーキ指令切り替え部23は、現在速度が停止時ブレーキ指令への切り替え速度を下回った場合(ステップS5:Yes)には、ブレーキ指令算出部22で算出した定位置停止制御のブレーキ指令を、停止時ブレーキ指令に切り替えて、ブレーキ指令送信部30に出力し(ステップS6)、現在速度が停止時ブレーキ指令への切り替え速度を下回らなかった場合(ステップS5:No)には、この切り替え処理を終了する。
図6A乃至図6Bおよび図7A乃至図7Bに、停止間際で停止時ブレーキ指令に切り替えた場合の車両挙動の事例を示す。
図6Aは、ブレーキ指令(B5)のブレーキ減速度2.5km/h/sから、速度1.76km/hで停止時ブレーキ指令(B1)に切り替えた場合における、時間に対する減速度変化を表すグラフを示しており、図6Bは、このときの残距離に対する速度変化を表すグラフを示している。
図6Aは、ブレーキ指令(B5)のブレーキ減速度2.5km/h/sから、速度1.76km/hで停止時ブレーキ指令(B1)に切り替えた場合における、時間に対する減速度変化を表すグラフを示しており、図6Bは、このときの残距離に対する速度変化を表すグラフを示している。
点線は、停止時ブレーキ指令(B1)に切り替えず、ブレーキ指令(B5)を継続して停止した場合の挙動を示している。停止時ブレーキ指令(B1)に切り替えた場合、減速時間の延びは約0.7秒であり、減速距離の延び(停止位置誤差)は8.8cmであった。停止時の減速度は、停止時ブレーキ指令の減速度である0.7km/h/sとなり、良好な乗り心地を確保できる。
図7Aは、ブレーキ指令(B4)のブレーキ減速度2km/h/sから、速度約1.37km/hで停止時ブレーキ指令(B1)に切り替えた場合における、時間に対する減速度変化(を表すグラフを示しており、図7Bは、このときの残距離に対する速度変化を表すグラフを示している。
点線は、停止時ブレーキ指令(B1)に切り替えず、ブレーキ指令(B4)を継続して停止した場合の挙動を示している。停止時ブレーキ指令(B1)に切り替えた場合、減速時間の延びは約0.5秒であり、減速距離の延び(停止位置誤差)は5.5cmであった。停止時の減速度は、停止時ブレーキ指令の減速度である0.7km/h/sとなり、良好な乗り心地を確保できる。
なお、停止時ブレーキ指令切り替え部23が、停止時ブレーキ指令に切り替えた場合の減速距離の延びをあらかじめ考慮し、ブレーキ指令算出部22おける定位置停止制御のブレーキ指令算出の際に、手前側に停止するように調整することで停止位置誤差は解消できる。
図8に、従来方式を用い、低速域で複数の弱めブレーキ指令に切り替えて停止するパターンを示す。図8の上の図の実線は、低速域で複数の弱めブレーキ指令に切り替えて停止するパターン、点線はブレーキ指令(B5)一定で停止するパターンである。図8の下の図は、低速域で複数の弱めブレーキ指令に切り替えて停止するパターンの具体的なブレーキ指令変化を示す。ブレーキ指令(B5)を主体とし、低速域でのブレーキ指令(B3)の時間を3秒、ブレーキ指令(B1)の時間を3秒としたパターンである。低速域で弱めブレーキ指令に切り替えて停止する実線のパターンでは、点線のパターンに対して減速時間が3秒長くなっている。これに対し、本実施形態の方法では、図6Aに示したように、ブレーキ指令(B5)一定のパターンに対して減速時間の延びは0.7秒に抑えられる。
以下、ブレーキ指令切り替え時のむだ時間がある場合や、駅に勾配がある場合の停止時ブレーキ指令への切り替え速度の算出方法について説明する。
図9は、ブレーキ指令切り替え時のむだ時間がある場合に、ブレーキ指令(B5)から停止時ブレーキ指令に切り替えた場合の減速度の変化を示している。むだ時間は0.2秒とした。なお、減速度は設計値とは異なる場合がある。このため、設計値の5%増しであることを車上で検知したと仮定し、減速度を2.63km/h/sとした。停止時目標減速度も5%増しの0.74km/h/sとした。
図9は、ブレーキ指令切り替え時のむだ時間がある場合に、ブレーキ指令(B5)から停止時ブレーキ指令に切り替えた場合の減速度の変化を示している。むだ時間は0.2秒とした。なお、減速度は設計値とは異なる場合がある。このため、設計値の5%増しであることを車上で検知したと仮定し、減速度を2.63km/h/sとした。停止時目標減速度も5%増しの0.74km/h/sとした。
説明を簡単にするため、ブレーキ指令を決定する現時点(0秒)において、減速度はブレーキ指令(B5)に対する整定状態になっているものとする。従って、現時点(0秒)で停止時ブレーキ指令に切り替えた場合、むだ時間経過時点(0.2秒)までは減速度は変化せず、0.2秒経過時点から減速度が低下する。
図9から分かるように、0.2秒経過時点から停止時目標減速度までの所要時間は1.38秒である。所要時間は、むだ時間経過時点の減速度、停止時ブレーキノッチの減速度、停止時目標減速度および時定数から数式で求められる。
図10は、駅に勾配がある場合に、ブレーキ指令(B5)から停止時ブレーキ指令に切り替えた場合の車両減速度の変化を示す。
現時点(0秒)からむだ時間経過時点(0.2秒)までは、ブレーキ指令(B5)のブレーキ減速度2.63km/h/sに対して、車両減速度は上り勾配5%の勾配抵抗と走行抵抗を加えた2.83km/h/sである。0.2秒以降は、ブレーキ減速度の低下に応じて車両減速度も低下する。むだ時間経過時点(0.2秒)から停止時目標減速度までの各時点におけるブレーキ減速度は、むだ時間経過時点(0.2秒)のブレーキ減速度、停止時ブレーキ指令の減速度、時定数を用いて数式で求められる。
現時点(0秒)からむだ時間経過時点(0.2秒)までは、ブレーキ指令(B5)のブレーキ減速度2.63km/h/sに対して、車両減速度は上り勾配5%の勾配抵抗と走行抵抗を加えた2.83km/h/sである。0.2秒以降は、ブレーキ減速度の低下に応じて車両減速度も低下する。むだ時間経過時点(0.2秒)から停止時目標減速度までの各時点におけるブレーキ減速度は、むだ時間経過時点(0.2秒)のブレーキ減速度、停止時ブレーキ指令の減速度、時定数を用いて数式で求められる。
なお、車両減速度の算出では、停止時ブレーキ指令への切り替え速度は2km/h程度以下で、減速距離も数10cmの範囲であるため、走行抵抗は停止時の値、勾配は車両先端が駅停止位置である場合の列車長案分勾配の値で一定とした。
次に、図11を用いて、停止時ブレーキ指令への切り替え速度の算出方法を説明する。停止時目標減速度に到達時の速度を0km/hとし、図10に示した車両減速度を逆向きに積算することで、むだ時間経過時点(0.2秒)における速度、すなわち停止時ブレーキ指令への切り替え速度を算出する。勾配や走行抵抗の影響があるため、ブレーキ減速度と車両減速度は異なり、ブレーキ減速度ではなく車両減速度を用いて停止時ブレーキ指令への切り替え速度を算出する。
この図11においては、停止時ブレーキ指令への切り替え速度は2.1km/hとなる。この速度は、むだ時間経過時点(0.2秒)における値であり、停止時ブレーキ指令への切り替え判定では、現在速度を起点としてむだ時間経過時点(0.2秒)の速度を予測して用いる。むだ時間経過時点(0.2秒)の予測速度が停止時ブレーキ指令への切り替え速度以下の場合に、停止時ブレーキ指令への切り替えを行う。
図9乃至図11の事例では、説明を簡単にするため、ブレーキ指令を決定する現時点(0秒)において、減速度はブレーキ指令(B5)に対する整定状態になっているとした。整定状態となってない場合、現時点(0秒)からむだ時間経過時点(0.2秒)まで減速度が変化するため、現在の減速度を起点とし、ブレーキ指令の履歴を用いてむだ時間経過時点の減速度を予測する。予測したむだ時間経過時点の減速度、停止時目標減速度および時定数を用いて、停止時目標減速度までの所要時間を算出する。
以上のように、本実施形態に係る定位置停止制御装置100によれば、停止位置予測に基づいて算出した定位置停止制御のブレーキ指令を、停止間際に速度が低下した時点で停止時ブレーキ指令に切り替えるようにした。このため、停止時の良好な乗り心地を確保しつつ、減速時間を可及的に短縮することができる。
さらに、定位置停止制御装置100は、停止位置予測を行う際に、あらかじめ停止時ブレーキ指令への切り替えを考慮することによって、停止位置精度を向上させることができる。すなわち、図1の構成において、ブレーキ指令算出部22は、予測対象ブレーキ指令に対する停止位置予測を行う際に、予測対象ブレーキ指令の減速度に応じた停止時ブレーキ指令への切り替え速度を算出し、前記切り替え速度において予測対象ブレーキ指令から停止時ブレーキ指令に切り替えて停止する条件でシミュレーションを行う。停止時ブレーキ指令への切り替えを考慮した停止位置予測に基づき、停止位置が目標停止位置に近いものを定位置停止制御のブレーキ指令として選択するとともに、ブレーキ指令切り替え部23は、前記切り替え速度で停止時ブレーキ指令に切り替える。このため、停止時の良好な乗り心地を確保しつつ、減速時間を可及的に短縮するとともに、停止位置精度を向上させることができる。
また、上述した停止時ブレーキ指令への切り替えを、手動運転時に適用することも可能である。その場合、停止位置精度は運転士の技量に依存するが、乗り心地の向上を図ることができる。
図12は、上述した図1に対応する図であり、上述した停止時ブレーキ指令への切り替えを、手動運転時にも適用可能な停止制御装置100aの構成例を説明する図である。
手動ブレーキ指令取得部24は、運転士による手動ブレーキ指令の情報を取得する。例えば、ブレーキ指令(B1)からブレーキ指令(B7)の7段のブレーキ指令がある場合、いずれのブレーキ指令を運転士が生成したかを示す情報を取得する。この手動ブレーキ指令取得部24が取得した手動ブレーキ指令を停止時ブレーキ指令切り替え部23に出力する。
停止時ブレーキ指令切り替え部23は、車両200の現在速度が切り替え速度以上である場合には、手動ブレーキ指令をブレーキ指令送信部30へのブレーキ指令として出力する。一方、車両200の現在速度が切り替え速度を下回る場合には、停止時ブレーキ指令切り替え部23は、手動ブレーキ指令ではなく、停止時ブレーキ指令をブレーキ指令としてブレーキ指令送信部30に出力する。すなわち、停止時ブレーキ指令切り替え部23は、車両200の速度とブレーキ減速度に応じて、手動ブレーキ指令を停止時ブレーキ指令に切り替える制御を行う。このように停止制御装置100aを構成することにより、手動運転時にも、停車間際に上述した停止時ブレーキ指令に切り替える制御を実現することができる。
この場合、停止時ブレーキ指令切り替え部23は、車両200の現在速度が切り替え速度を下回る場合に、手動ブレーキ指令を停止時ブレーキ指令に切り替えるのではなく、運転手にブザーやランプなどにより、切り替えるタイミングを知らせるようにしてもよい。すなわち、図13の停止支援装置100bに示すように、聴覚や視覚などを用いた何らかの手法で、切り替えるタイミングを運転手に知らせる通知部25を設けるようにしてもよい。運転手は、この通知部25からのタイミングの通知で、手動で手動ブレーキ指令を停止時ブレーキ指令に相当するブレーキ指令に切り替える。
なお、上述した図2に示す処理は、ソフトウェア上で実現可能であり、従来の定位置停止制御装置へプログラムを追加或いは変更することで実現することができる。このため、別途ハードウェアなどを追加することなく実現することができ、簡易な構成で実現できる。また、上述した図2に示す処理は、ソフトウェアではなく、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)や専用ICなどのハードウェアにより実現することもでき、或いは、ソフトウェアとハードウェアが協働して実現するようにすることもできる。
以上、いくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例としてのみ提示したものであり、発明の範囲を限定することを意図したものではない。本明細書で説明した新規な装置および方法は、その他の様々な形態で実施することができる。また、本明細書で説明した装置および方法の形態に対し、発明の要旨を逸脱しない範囲内で、種々の省略、置換、変更を行うことができる。添付の特許請求の範囲およびこれに均等な範囲は、発明の範囲や要旨に含まれるこのような形態や変形例を含むように意図されている。
10:速度・位置算出部、20:ブレーキ指令決定部、21:ブレーキ特性情報保持部、22:ブレーキ指令算出部、23:停止時ブレーキ指令切り替え部、24:手動ブレーキ指令取得部、25:通知部、30:ブレーキ指令送信部、100:定位置停止制御装置、101:地上子検知部、102:速度センサ、103:駆動制動制御装置、200:車両、300:地上子
Claims (7)
- 車両の速度と位置を算出する速度・位置算出部と、
車両のブレーキ特性情報を保持するブレーキ特性情報保持部と、
前記速度・位置算出部で算出された車両の速度と位置、および、前記ブレーキ特性情報保持部で保持する車両のブレーキ特性情報に基づき、定位置停止制御のブレーキ指令を算出するブレーキ指令算出部と、
定位置停止制御のブレーキ指令を停止時ブレーキ指令に切り替える停止時ブレーキ指令切り替え部とを備え、
前記ブレーキ特性情報保持部は、車両のブレーキ特性情報として、ブレーキ指令に対応したブレーキ減速度の情報と、ブレーキ指令切り替え時の過渡応答特性の情報とを、少なくとも保持し、
前記停止時ブレーキ指令切り替え部は、停止時に使用する停止時ブレーキ指令を設定し、車両の速度とブレーキ減速度に応じて定位置停止制御のブレーキ指令を停止時ブレーキ指令に切り替える、定位置停止制御装置。 - 車両の速度と位置を算出する速度・位置算出部と、
車両のブレーキ特性情報を保持するブレーキ特性情報保持部と、
前記速度・位置算出部で算出された車両の速度と位置、および、前記ブレーキ特性情報保持部で保持する車両のブレーキ特性情報に基づき、定位置停止制御のブレーキ指令を算出するブレーキ指令算出部とを有し、
前記ブレーキ特性情報保持部は、車両のブレーキ特性情報として、ブレーキ指令に対応したブレーキ減速度の情報と、ブレーキ指令切り替え時の過渡応答特性の情報とを、少なくとも保持し、
前記ブレーキ指令算出部は、現在のブレーキ指令から予測対象のブレーキ指令にブレーキ指令を変更した場合の車両挙動を予測し、予測結果に基づいてブレーキ指令を算出し、
停止時に使用する停止時ブレーキ指令を設定し、車両の速度とブレーキ減速度に応じて予測対象のブレーキ指令を停止時ブレーキ指令に切り替える、定位置停止制御装置。 - 車両の速度と位置を算出する速度・位置算出部と、
車両のブレーキ特性情報を保持するブレーキ特性情報保持部と、
運転士による手動ブレーキ指令の情報を取得する手動ブレーキ指令取得部と、
手動ブレーキ指令を停止時ブレーキ指令に切り替える停止時ブレーキ指令切り替え部とを有し、
前記ブレーキ特性情報保持部は、車両のブレーキ特性情報として、ブレーキ指令に対応したブレーキ減速度の情報と、ブレーキ指令切り替え時の過渡応答特性の情報とを、少なくとも保持し、
前記停止時ブレーキ指令切り替え部は、停止時に使用する停止時ブレーキ指令を設定し、車両の速度とブレーキ減速度に応じて手動ブレーキ指令を停止時ブレーキ指令に切り替える、停止制御装置。 - 車両の速度と位置を算出する速度・位置算出部と、
車両のブレーキ特性情報を保持するブレーキ特性情報保持部と、
運転士による手動ブレーキ指令の情報を取得する手動ブレーキ指令取得部と、
手動ブレーキ指令を停止時ブレーキ指令に切り替える停止時ブレーキ指令切り替え部とを有し、
前記ブレーキ特性情報保持部は、車両のブレーキ特性情報として、ブレーキ指令に対応したブレーキ減速度またはブレーキ力の情報と、ブレーキ指令切り替え時の過渡応答特性の情報とを、少なくとも保持し、
前記停止時ブレーキ指令切り替え部は、停止時に使用する停止時ブレーキ指令を設定し、車両の速度とブレーキ減速度に応じて手動ブレーキ指令を停止時ブレーキ指令に切り替えるタイミングを運転士に知らせる、停止支援装置。 - 停止時ブレーキ指令として、最低位のブレーキ指令或いは最低位のブレーキ指令に近いブレーキ指令を設定するようにした、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の定位置停止制御装置。
- 前記ブレーキ特性情報保持部は、停止時ブレーキ指令に切り替える速度を、車両の減速度に応じたテーブルで保持するようにした、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の定位置停止制御装置。
- 停止時ブレーキ指令に切り替える速度を、車両の減速度に応じて車上で算出するようにしたことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の定位置停止制御装置。
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Cited By (1)
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WO2021107102A1 (ja) | 2019-11-29 | 2021-06-03 | 三菱マテリアル株式会社 | 銅合金、銅合金塑性加工材、電子・電気機器用部品、端子、バスバー、放熱基板 |
-
2018
- 2018-06-13 JP JP2018113029A patent/JP2019216553A/ja active Pending
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WO2021107102A1 (ja) | 2019-11-29 | 2021-06-03 | 三菱マテリアル株式会社 | 銅合金、銅合金塑性加工材、電子・電気機器用部品、端子、バスバー、放熱基板 |
EP4067518A1 (en) | 2019-11-29 | 2022-10-05 | Mitsubishi Materials Corporation | Copper alloy, copper alloy plastic working material, electronic/electrical device component, terminal, busbar, heat-dissipating board |
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