JP2019193426A - 列車制御装置および列車制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】精度の良い自動列車運転を実施するための空制用パラメータの調整をより簡単に実施する。【解決手段】実施形態にかかる列車制御装置は、列車の空制時に、検出部により検出された速度および位置と、記憶部に記憶された列車抵抗と、に基づいて、列車の実際の減速度の推定値を算出する推定部と、列車の空制後の停止時に、推定部により算出された実際の減速度の推定値と、記憶部に記憶された減速モデルおよび空制用パラメータから算出される、推定値と対応した時点での列車の設定上の減速度を示す設定値と、の差分に基づいて、記憶部に記憶された空制用パラメータを調整する調整部と、空制用パラメータの調整後の列車の空制時に、検出部により検出された速度および位置と、記憶部に記憶された減速モデル、空制用パラメータおよび列車抵抗と、に基づいて、制動指令を算出する指令算出部と、を少なくとも備える。【選択図】図2

Description

本発明の実施形態は、列車制御装置および列車制御方法に関する。
近年、列車の運行を安定化させるための自動列車運転の技術の導入が進んでいる。自動列車運転の例として、たとえば、列車が停車駅に接近して減速する場合に、予め設定された減速モデルに基づいて列車の挙動を予測し、予測結果に基づいて列車の制動装置に与える制動指令を適宜調整することで、列車を停車駅の所定の位置に停止させるための駅停止制御がある。
特開2010−104084号公報 特開2013−034374号公報 特開2006−320037号公報
ところで、列車の制動装置は、一般に、電気ブレーキおよび空気ブレーキといった2種類のブレーキを含んでいる。電気ブレーキは、比較的安定した(たとえば線形な)減速度の変化を実現するのに対し、空気ブレーキは、状況に応じて様々に変動する不安定な(たとえば非線形な)減速度の変化を実現する。
ここで、空気ブレーキの減速特性の非線形性に対応するために、空気ブレーキによる制動時(空制時)における減速モデルを補正するための空制用パラメータが設定される場合がある。この場合、精度の良い自動列車運転を実施するための空制用パラメータの調整をより簡単に実現することが望まれる。
実施形態にかかる列車制御装置は、検出部と、記憶部と、推定部と、調整部と、指令算出部と、を備える。検出部は、列車の速度および位置を検出する。記憶部は、列車の少なくとも空制時に列車の制動装置に与えられる制動指令に応じて発生する減速度に関する減速モデルと、当該減速モデルを補正するために使用される空制用パラメータと、列車に発生する列車抵抗と、を記憶する。推定部は、列車の空制時に、検出部により検出された速度および位置と、記憶部に記憶された列車抵抗と、に基づいて、列車の実際の減速度の推定値を算出する。調整部は、列車の空制後の停止時に、推定部により算出された実際の減速度の推定値と、記憶部に記憶された減速モデルおよび空制用パラメータから算出される、推定値と対応した時点での列車の設定上の減速度を示す設定値と、の差分に基づいて、記憶部に記憶された空制用パラメータを調整する。指令算出部は、空制用パラメータの調整後の列車の空制時に、検出部により検出された速度および位置と、記憶部に記憶された減速モデル、空制用パラメータおよび列車抵抗と、に基づいて、制動指令を算出する。
図1は、実施形態にかかる列車制御装置を含む列車制御システムの構成を示した例示的かつ模式的な図である。 図2は、実施形態にかかる列車制御装置におけるATO装置の機能的構成を示した例示的かつ模式的なブロック図である。 図3は、実施形態にかかる第1の空制用パラメータの概念を説明するための例示的かつ模式的な図である。 図4は、実施形態にかかる第2の空制用パラメータの概念を説明するための例示的かつ模式的な図である。 図5は、実施形態にかかる列車制御装置が空制用パラメータを調整する際に実行する処理の一例を示した例示的かつ模式的なフローチャートである。 図6は、実施形態にかかる列車制御装置が空制用パラメータを調整する際に実行する処理の図3とは異なる他の一例を示した例示的かつ模式的なフローチャートである。 図7は、実施形態にかかる列車制御装置が走行時パラメータを調整する際に実行する処理の一例を示した例示的かつ模式的なフローチャートである。
以下、実施形態を図面に基づいて説明する。以下に記載する実施形態の構成、ならびに当該構成によってもたらされる作用および結果(効果)は、あくまで一例であって、以下の記載内容に限られるものではない。
図1は、実施形態にかかる列車制御装置11を含む列車制御システムの構成を示した例示的かつ模式的な図である。図1に示されるように、列車制御システムは、線路Rに沿って運行する列車10と、線路Rの各閉塞区間における列車10の在線の有無を各閉塞区間に設けられる軌道回路などを介して検知し、検知結果に応じて、各閉塞区間における信号現示を決定するATC(Automatic Train Control)地上装置20と、を備えている。
図1に示されるように、列車10は、列車制御装置11と、主幹制御器12と、制御伝送装置13と、駆動/制動制御装置14と、を備えている。なお、図1には、列車10と、当該列車10の前を先行する先行列車10Aと、が図示されているが、この先行列車10Aも、列車10と同様の構成を備えているものとする。
列車制御装置11は、列車10の運行を制御する。主幹制御器12は、運転士による列車10に対する運行操作(たとえば列車10を力行させるための力行操作や列車10を制動させるための制動操作など)を受け付ける。
制御伝送装置13は、列車制御装置11および主幹制御器12からの出力に応じて、列車10を運行させるための制御指令(たとえば列車10を力行させるための力行指令や列車10を制動させるための制動指令など)を出力する。より具体的に、制御伝送装置13は、列車制御装置11からの出力に対応した制御指令と、主幹制御器12からの出力に対応した制御指令と、のうち、ブレーキ側に最も高位の制御指令を出力する。
駆動/制動制御装置14は、制御伝送装置13から伝送された制御指令にしたがい、モータ15および制動装置16を制御する。なお、制動装置16は、電力の回生を利用した電気ブレーキと、空気圧などを利用した空気ブレーキとの、特性の異なる(詳細は後述する)2種類のブレーキを含んでいる。
ここで、実施形態において、列車制御装置11は、速度位置検出部101と、ATC車上装置102と、記憶部103と、ATO(Automatic Train Operation)装置104と、を備えている。
速度位置検出部101は、車輪17の車軸に設けられるタコジェネレータ(速度発電機)18の出力のパルスをカウントすることで算出される移動距離および速度に基づいて、列車10の位置および速度を検出(推定)する。速度位置検出部101は、線路Rに設けられる地上子21から列車10に設けられる車上子19aを介して情報を受信することで取得される絶対位置に基づいて、列車10の位置を補正することが可能である。なお、地上子21は、線路Rの予め決められた位置に複数設けられる。たとえば、地上子21は、列車10が駅の停止目標位置に停止しているときの車上子19aに相対する位置に設けられたホームドアの制御用の地上子21に対して手前の数箇所(たとえば400m手前、20m手前、1m手前の3箇所に設けられる。
ATC車上装置102は、列車10の先行列車10Aへの衝突や列車10の脱線などを回避するための制御指令(制動指令)を出力するものである。ATC車上装置102は、列車10に設けられる受電器19bを介してATC地上装置20から信号現示に関する情報を受信すると、この信号現示に応じて設定される制限速度と、速度位置検出部101で検出され列車10の実速度とを比較し、実速度が制限速度を超過している場合に、制御伝送装置13を介して駆動/制動制御装置14に制動指令を出力する。
記憶部103は、たとえば、路線情報、運行情報、および車両情報を記憶する。路線情報は、線路Rにより構成される路線の勾配や曲線(曲率半径)を示す情報や、線路Rの各閉塞区間における制限速度、閉塞長(各閉塞区間の距離)、および線形情報(閉塞区間の並び)を示す情報や、各駅における地上子21の設置位置などを示す情報などを含んでいる。また、運行情報は、各駅の停止目標位置を示す情報や、運行種別ごとの停車駅および各駅間に対して予め設定された走行時間を示す情報などを含んでいる。また、車両情報は、列車10の長さや、重量、車輪17の径を示す情報などを含んでいる。
ATO装置104は、列車10の運行を安定化させるための制御を実行する。たとえば、ATO装置104は、列車10が停車駅に接近して減速する場合に、予め設定された減速モデルに基づいて列車10の挙動を予測し、予測結果に基づいて駆動/制動制御装置14に与える制動指令を適宜調整することで、列車10を停車駅の所定の位置に停止させるための駅停止制御を実行する。なお、減速モデルとは、与えられた制動指令に対して制動装置16が実際に発生させる減速度の設計値を示したモデルである。
なお、実際の減速度は、編成の個体差、レールの表面状態、ブレーキ装置の経年変化などにより変動する。したがって、実施形態において、ATO装置104は、駅停止制御の精度を確保するために、制動時の列車10に発生する減速度の推定結果などに基づき、パラメータを使用して減速モデルを適宜補正する機能を有している。
ところで、実施形態にかかる列車10の制動装置16は、前述したように、電気ブレーキおよび空気ブレーキといった、減速特性(減速度を発生させる能力、ブレーキの利き具合)が異なる2種類のブレーキを含んでいる。これらの電気ブレーキおよび空気ブレーキは、たとえば、列車10の速度が閾値(電空切替速度)より大きい場合は電気ブレーキが使用され、列車10の速度が閾値以下の場合は空気ブレーキが使用されるなどといったように、列車10の速度に応じて切り替えられる。
ここで、一般に、電気ブレーキによって実現される減速と、空気ブレーキによって実現される減速とは、特性が全く異なっている。より具体的に、電気ブレーキは、比較的安定した(たとえば線形な)減速度の変化を実現するのに対し、空気ブレーキは、状況に応じて様々に変動する不安定な(たとえば非線形な)減速度の変化を実現する。たとえば、空気圧でブレーキシュー(またはブレーキディスク)を車輪17に押し付けることで減速度を発生させる機構を有した空気ブレーキは、経年劣化や列車10の状態(現在の速度など)により同じ制動指令に対して得られる減速度が異なったり、同じ制動指令でも制動指令が強くなる方向に変化するときと弱くなる方向に変化するときで得られる減速度が異なったりする傾向が見られるため、減速特性の非線形性が顕著である。
上記のような減速特性の違いに対応するためには、減速モデルの補正に用いるパラメータを、電気ブレーキによる制動時(電制時)における減速モデルの補正のための電制用パラメータと、空気ブレーキによる制動時(空制時)における減速モデルの補正のための空制用パラメータと、に分けて設定することが望ましい。
空制用パラメータを設定するための手法として、たとえば、空気ブレーキによって実現される減速度の変動に関する情報を走行試験などにより予め取得し、取得した情報に基づいて空制用パラメータを設定する手法が考えられる。しかしながら、この手法では、精度の良い自動列車運転を実施するための空制用パラメータを設定するのに十分な情報を得るために、与えられうる制動指令の変化の様々なパターンを想定した走行試験を数多く実施する必要があり、困難である。また、空制用パラメータを走行中の列車10の挙動に基づいてリアルタイムで調整する手法も考えられるが、この手法は、空制用パラメータとして調整すべきパラメータの数が制動指令の変化の様々なパターンに応じて増大し、処理負担が増大する。
そこで、実施形態は、列車制御装置11のATO装置104に以下のような機能を持たせることで、精度の良い自動列車運転を実施するための空制用パラメータの調整をより簡単に実施することを実現する。
図2は、実施形態にかかる列車制御装置11におけるATO装置104の機能的構成を示した例示的かつ模式的なブロック図である。図2に示されるように、ATO装置104は、特性情報保持部201と、走行計画算出部202と、列車挙動予測部203と、制御指令算出部204と、加減速度検出部205と、パラメータ調整部206と、を有している。
特性情報保持部201は、たとえば、与えられた制動指令に対して制動装置16が実際に発生させる減速度に関する前述した減速モデルと、当該減速モデルを補正するために使用されるパラメータと、列車10に発生する列車抵抗(空気抵抗や勾配抵抗、曲線抵抗などを含む)と、を含む特性情報を記憶(保持)する記憶部として機能する。特性情報には、制御指令(力行指令/制動指令)に対する制動装置16の応答の遅れに関する情報や、電制と空制との切り替わりの基準となる電空切替速度なども含みうる。なお、実施形態では、減速モデルが、電制時に対応した減速モデルと、空制時に対応した減速モデルと、の2種類に分けて用途別に記憶されていてもよい。同様に、実施形態では、応答遅れに関する情報も、電制時に対応した情報と、空制時に対応した情報と、の2種類に分けて用途別に記憶されていてもよい。
ここで、実施形態において、特性情報保持部201に記憶されたパラメータは、電制時における減速モデルの補正のための電制用パラメータと、空制時における減速モデルの補正のための空制用パラメータと、を含んでいる。詳細は後述するが、これらの電制用パラメータおよび空制用パラメータは、列車10の停止時に調整される。
さらに、実施形態において、特性情報保持部201に記憶されたパラメータは、電制用パラメータおよび空制用パラメータとは別に減速モデルを補正するために使用される走行時パラメータを含んでいる。この走行時パラメータは、駅間を走行している列車10の制動中に適宜調整される。
走行計画算出部202は、ATC車上装置102から出力される信号現示に関する情報と、速度位置検出部101から出力される列車10の速度および位置と、記憶部103および特性情報保持部201から読み出される各種の情報と、に基づいて、列車10が制限速度を守りながら所定時間で駅間を走行するための走行計画を算出する。走行計画は、たとえば列車10の出発時に算出されるが、列車10の走行中に信号現示に関する情報の変化が検知された場合は、走行中に新たな走行計画が算出されうる。
列車挙動予測部203は、列車10の制動時に、速度位置検出部101から出力される列車10の速度および位置と、記憶部103から読み出される路線情報、運行情報、および車両情報と、特性情報保持部201から読み出される特性情報のうちの減速モデルおよびパラメータと、に基づいて、過渡応答後の列車10の挙動を予測する。列車10の挙動は、たとえば、列車10の速度や、位置、減速度などの予測値として算出される。この予測値は、あくまで設定上(設計上)の値であり、列車10の実際の挙動とは異なる場合がある。
制御指令算出部204は、ATC車上装置102から出力される信号現示情報と、速度位置検出部101から出力される列車10の速度および位置と、記憶部103から読み出される路線情報、運行情報、および車両情報と、特性情報保持部201から読み出される特性情報のうちの列車抵抗と、走行計画算出部202により算出された走行計画と、列車挙動予測部203により予測された予測値と、に基づいて、列車10を走行計画に追従して走行させたり、列車10を駅の所定位置に停止させたりするための力行指令/制動指令を算出する。
加減速度検出部205は、速度位置検出部101から出力される列車10の速度および位置と、ATC車上装置102から読み出される路線情報と、特性情報保持部201から読み出される列車抵抗と、に基づいて、列車10の実際の加減速度の推定値を算出する推定部として機能する。
パラメータ調整部206は、加減速度検出部205から出力される列車10の実際の減速度の推定値と、特性情報保持部201から読み出される減速モデルおよびパラメータから算出される、列車10の実際の減速度の推定値と対応した時点での列車10の設定上の減速度を示す設定値と、を比較し、比較結果に基づいて、特性情報保持部201に記憶されたパラメータを調整する調整部として機能する。前述した通り、実施形態にかかる特性情報保持部201は、電制用パラメータと、空制用パラメータと、走行時パラメータと、の3種類のパラメータを記憶されているが、電制用パラメータおよび空制用パラメータの調整は、列車10が駅で停止している際に実施され、走行時パラメータの調整は、列車10が駅間を走行している際に実施される。
まず、空制用パラメータの調整について説明する。
実施形態において、パラメータ調整部206は、列車10の空制後の停止時に、空制時において加減速度検出部205により算出された列車10の実際の減速度の推定値と、減速モデルおよび空制時パラメータから算出される、推定値と対応した時点での列車10の設定上の減速度を示す設定値と、の差分(または比率)に基づいて、当該差分が0に近づく(または比率が1に近づく)ように、加減速度検出部205に記憶された空制時パラメータを調整する。
より具体的に、実施形態において、加減速度検出部205は、列車10の空制時に、上記の推定値の算出を、所定の制御サイクルで複数回実行する。そして、パラメータ調整部206は、列車10の空制後の停止時に、複数の推定値と、当該複数の推定値に対応した複数の設定値と、の差分(または比率)の平均値に基づいて、空制用パラメータを調整する。
たとえば、パラメータ調整部206は、過去の一定期間に求められた複数の平均値に基づいて、実際の減速度(推定値)が設定上の減速度(設定値)に対して強めに出た第1の期間における平均値には比較的小さい第1の重みを乗じ、実際の減速度が設定上の減速度に対して弱めに出た第2の期間における平均値には比較的大きい第2の重みを乗じることで算出される、複数の平均値の重み付き平均値に基づいて、空制用パラメータを調整する、という調整方法を実施しうる。この調整方法によれば、列車10の走行時において、減速度が強めに出ると予測されたものの実際は弱めだった場合、走行時パラメータの調整が間に合わずに列車10の過走が発生するのを抑制することができる。なお、このような重み付き平均値を用いた調整方法の詳細については、図5を参照して後で説明するため、ここではこれ以上の説明を省略する。
また、パラメータ調整部206は、上記とは別の調整方法として、直近に求められた平均値をそのまま空制用パラメータの調整に反映すると現在の空制用パラメータをそのまま使用するよりも実際の減速度(推定値)が設定上の減速度(設定値)に対して強めに出る場合、平均値を比較的小さい第1の割合で空制用パラメータの調整に反映し、直近に求められた平均値をそのまま空制用パラメータの調整に反映すると現在の空制用パラメータをそのまま使用するよりも実際の減速度が設定上の減速度に対して弱めに出る場合、平均値を比較的大きい第2の割合で空制用パラメータの調整に反映する、という調整方法も実施しうる。この調整方法によっても、列車10の走行時において、減速度が強めに出ると予測されたものの実際は弱めだった場合、走行時パラメータの調整が間に合わずに列車10の過走が発生するのを抑制することができる。なお、このような直近の平均値のみを用いた調整方法の詳細については、図6を参照して後で説明するため、ここではこれ以上の説明を省略する。
ところで、前述したように、空気ブレーキは、同じ制動指令でも制動指令が強くなる方向に変化するときと弱くなる方向に変化するときで得られる減速度が異なるという傾向(減速特性の非線形性)が見られる。このため、制動指令が強くなる方向に変化するときと弱くなる方向に変化するときとで同一の空制用パラメータを使用すると、減速モデルの適切な補正が実現されないことがある。
そこで、実施形態は、空制用パラメータを、制動指令が弱くなる方向に変化する第1の状況において使用する第1の空制用パラメータと、制動指令が強くなる方向に変化する第2の状況において使用する第2の空制用パラメータと、の2つに分けて設定する。
第1の状況とは、たとえば、駅停止制御における停止間際の状況である。一般に、駅停止制御においては、乗り心地の悪化を抑制するため、停止間際になるほど、列車10の速度の低下に合わせて制動指令が弱くなる。しかしながら、制動指令が弱くなるときには列車10の実際の減速度が設計上の減速度よりも強めに出ることがある。
そこで、実施形態は、第1の状況において、第1の空制用パラメータによる減速モデルの補正を、減速モデルに基づく減速度に対する設定値の加算として実現する。つまり、実施形態は、第1の空制用パラメータを、減速モデルに基づく減速度に対する加算値(偏差)として設定する。このように設定すれば、以下に示される図3のように、制動指令が弱くなるときに実際の減速度が設計上の減速度よりも強めに出てしまうという自列車の特性を学習して、列車挙動を予測することで、より精度よく停止目標位置に停止することができる。
図3は、実施形態にかかる第1の空制用パラメータの概念を説明するための例示的かつ模式的な図である。図3の(A)〜(C)は、縦軸が表しているものはそれぞれ異なるものの、それぞれ同一の内容を表している。
より具体的に、図3の(A)は、減速モデルに基づく減速度(点線参照)と、第1の空制用パラメータによる補正後の減速度(実線参照)と、の関係を表している。この図3の(A)において、横軸は、制動指令の強弱に対応しており、縦軸は、減速度の強弱に対応している。図3の(A)に示されるように、第1の空制用パラメータによる補正は、減速モデルに基づく減速度に、制動指令が弱い側であっても強い側であっても同等のバイアスをかけるものとして実現される。これにより、制動指令が弱いほど列車10の実際の減速度が設計上の減速度よりも強めに出るという制御が実現される。
図3の(B)は、図3の(A)の縦軸の減速度を、当該減速度と所定の比較値(減速モデルに基づく減速度)との偏差に変換したものである。つまり、図3の(B)は、減速モデルに基づく減速度と比較値との偏差(=一定値0)(点線参照)と、第1の空制用パラメータによる補正後の減速度と比較値との偏差(実線参照)と、の関係を表している。図3の(B)において、点線と実線との縦軸方向の間隔は、横軸方向の位置によらず略一定である。したがって、図3の(B)によれば、図3の(A)の点線を実線に沿った形にする補正は、第1の空制用パラメータを減速モデルに基づく減速度に対する加算値(偏差)として設定すれば容易に実現できるということが分かる。
図3の(C)は、図3の(A)の縦軸の減速度を、当該減速度の、所定の比較値(減速モデルに基づく減速度)に対する比率に変換したものである。つまり、図3の(C)は、減速モデルに基づく減速度の比較値に対する比率(=一定値1)(点線参照)と、第1の空制用パラメータによる補正後の減速度の比較値に対する比率(実線参照)と、の関係を表している。図3の(C)において、点線と実線との縦軸方向の間隔は、横軸方向の位置によって変化する(特に制動指令が弱くなるほど非線形的に大きくなる)。したがって、図3の(C)によれば、図3の(A)の点線を実線に沿った形にする補正は、第1の空制用パラメータを減速モデルに基づく減速度に対する乗算値(比率)として設定すると容易には実現できないということが分かる。
以上の理由で、実施形態では、制動指令が弱くなる方向に変化する第1の状況で使用される第1の空制用パラメータが、減速モデルに基づく減速度に対する加算値(偏差)として設定される。したがって、実施形態では、第1の空制用パラメータが、前述した推定値および設定値の差分に基づいて調整される。
一方、第2の状況とは、たとえば、駅停止制御の開始直後の状況である。第2の状況においては、上述した第1の状況と異なり、制動指令が強くなるときには列車10の実際の減速度が設計上の減速度よりも強めに出ることや経年変化によっては弱めに出ることがある。
そこで、実施形態は、第2の状況において、第2の空制用パラメータによる減速モデルの補正を、減速モデルに基づく減速度に対する設定値の乗算として実現する。つまり、実施形態は、第2の空制用パラメータを、減速モデルに基づく減速度に対する乗算値(比率)として設定する。このように設定すれば、以下に示される図4のように、制動指令が強くなるときに実際の減速度が設計上の減速度よりも強めまたは弱めに出てしまうという自列車の特性を学習して、列車挙動を予測することで、より精度よく停止目標位置に停止することができる。
図4は、実施形態にかかる第2の空制用パラメータの概念を説明するための例示的かつ模式的な図である。図4の(A)〜(C)は、縦軸が表しているものはそれぞれ異なるものの、それぞれ同一の内容を表している。
より具体的に、図4の(A)は、減速モデルに基づく減速度(点線参照)と、第2の空制用パラメータによる補正後の減速度(実線参照)と、の関係を表している。この図3の(A)において、横軸は、制動指令の強弱に対応しており、縦軸は、減速度の強弱に対応している。図4の(A)に示されるように、第2の空制用パラメータによる補正は、減速モデルに基づく減速度に、制動指令が弱い側であっても強い側であっても同等のゲインをかけるものとして実現される。これにより、制動指令が強いほど列車10の実際の減速度が設計上の減速度よりも強めに出るという制御が実現される。
図4の(B)は、図4の(A)の縦軸の減速度を、当該減速度と所定の比較値(減速モデルに基づく減速度)との偏差に変換したものである。つまり、図4の(B)は、減速モデルに基づく減速度と比較値との偏差(=一定値0)(点線参照)と、第2の空制用パラメータによる補正後の減速度と比較値との偏差(実線参照)と、の関係を表している。図4の(B)において、点線と実線との縦軸方向の間隔は、横軸方向の位置によって変化する。したがって、図4の(B)によれば、図4の(A)の点線を実線に沿った形にする補正は、第2の空制用パラメータを減速モデルに基づく減速度に対する加算値(偏差)として設定すると容易には実現できないということが分かる。
図4の(C)は、図4の(A)の縦軸の減速度を、当該減速度の、所定の比較値(減速モデルに基づく減速度)に対する比率に変換したものである。つまり、図4の(C)は、減速モデルに基づく減速度の比較値に対する比率(=一定値1)(点線参照)と、第2の空制用パラメータによる補正後の減速度の比較値に対する比率(実線参照)と、の関係を表している。図4の(C)において、点線と実線との縦軸方向の間隔は、横軸方向の位置によらず略一定である。したがって、図4の(C)によれば、図4の(A)の点線を実線に沿った形にする補正は、第2の空制用パラメータを減速モデルに基づく減速度に対する乗算値(比率)として設定すれば容易に実現できるということが分かる。
以上の理由で、実施形態では、制動指令が強くなる方向に変化する第2の状況で使用される第2の空制用パラメータが、減速モデルに基づく減速度に対する乗算値(比率)として設定される。したがって、実施形態では、第2の空制用パラメータは、前述した推定値および設定値の比に基づいて調整される。
なお、電制時パラメータおよび走行時パラメータについては、空制用パラメータと異なり、空気ブレーキの減速特性の非線形性を考慮する必要がない。したがって、実施形態では、電制時パラメータおよび走行時パラメータは、空制用パラメータのうち減速特性の非線形性を想定していない第2の空制用パラメータと同様に、前述した推定値および設定値の比に基づいて調整される。
以下、実施形態において実行される処理について説明する。
図5は、実施形態にかかる列車制御装置11が空制用パラメータを調整する際に実行する処理の一例を示した例示的かつ模式的なフローチャートである。この図5に示される処理フローは、前述したような、重み付き平均値に基づいた調整方法に対応する。また、図5に示される処理フローは、列車10が駅で停止したことを条件として開始する。
図5に示される処理フローでは、まず、S501において、列車制御装置11は、今回走行した駅間で取得された情報、つまり直近の走行区間において所定の制御サイクルで複数回取得された減速度の推定値および設定値に基づき、第1の状況における推定値と設定値との差分の平均値を偏差平均データ群に追加するとともに、第2の状況における推定値と設定値との比率の平均値を比率平均データ群に追加する。
ここで、偏差平均データ群とは、過去一定期間内に取得された差分の複数の平均値を蓄積するデータ構造であり、比率平均データ群とは、過去一定期間内に取得された比率の複数の平均値を蓄積するデータ構造である。したがって、S502において、列車制御装置11は、一定期間が経過して蓄積の必要がなくなった平均値、つまり一定期間前に追加された過去の平均値を、偏差平均データ群および比率平均データ群から削除する。
S503において、列車制御装置11は、偏差平均データ群を参照し、当該偏差平均データ群内における(差分の)平均値の最大値と最小値との差に応じて、各平均値に乗じる重みを按分する。たとえば、S503において、列車制御装置11は、実際の減速度(推定値)が設定上の減速度(設定値)に対して最も強めに出た期間における平均値には最小の重みを設定し、推定値が設定値に対して最も弱めに出た期間における平均値には最大の重みを設定し、それらの中間に対応した平均値には中間の重みを設定する。
そして、S504において、列車制御装置11は、S503で設定された重みを対応する平均値に乗算し、重み付き平均を計算することで、第1の空制用パラメータを調整する。たとえば、列車制御装置11は、ここで計算された重み付き平均値を、次に使用する第1の空制用パラメータとして設定する。
S505において、列車制御装置11は、比率平均データ群を参照し、当該比率平均データ群内における(比率の)平均値の最大値と最小値との差に応じて、各平均値に乗じる重みを按分する。たとえば、S505において、列車制御装置11は、上述したS503と同様に、実際の減速度(推定値)が設定上の減速度(設定値)に対して最も強めに出た期間における平均値には最小の重みを設定し、推定値が設定値に対して最も弱めに出た期間における平均値には最大の重みを設定し、それらの中間に対応した平均値には中間の重みを設定する。
そして、S506において、列車制御装置11は、S505で設定された重みを対応する平均値に乗算し、重み付き平均を計算することで、第2の空制用パラメータを調整する。たとえば、列車制御装置11は、ここで計算された重み付き平均値を、次に使用する第2の空制用パラメータとして設定する。
このようにして、2種類の空制用パラメータ(第1の空制用パラメータおよび第2の空制用パラメータ)の重み付き平均値に基づいた調整が終了する。
なお、前述したように、実施形態は、空制用パラメータの調整方法として、過去一定期間における複数の平均値に基づく重み付き平均値を用いた調整方法のみならず、以下に説明するような、直近の平均値のみを用いた調整方法も実施しうる。
図6は、実施形態にかかる列車制御装置11が空制用パラメータを調整する際に実行する処理の図5とは異なる他の一例を示した例示的かつ模式的なフローチャートである。この図6に示される処理フローも、図5に示される処理フローと同様に、列車10が駅で停止したことを条件として開始する。
図6に示される処理フローでは、まず、S601において、列車制御装置11は、今回走行した駅間で取得された情報、つまり直近の走行区間において所定の制御サイクルで複数回取得された減速度の推定値および設定値に基づき、第1の状況における推定値と設定値との差分の平均値と、第2の状況における推定値と設定値との比率の平均値と、を算出する。
そして、S602において、列車制御装置11は、S601において今回算出された差分の平均値をそのまま、つまり100%の割合で第1の空制用パラメータの更新値とすると、今回算出された差分の平均値を減速モデルに加算して得られる減速度が、第1の空制用パラメータの前回値を減速モデルに加算して得られる減速度より強いか否かを判断する。
S602において、減速度が強くなると判断された場合、S603に処理が進む。そして、S603において、列車制御装置11は、S601において今回算出された差分の平均値を小さい割合(第1の割合)で第1の空制用パラメータに反映する。
一方、S602において、減速度が弱くなると判断された場合、S604に処理が進む。そして、S604において、列車制御装置11は、S601において今回算出された差分の平均値を大きい割合(第2の割合)で第1の空制用パラメータに反映する。
そして、S605において、列車制御装置11は、S601において今回算出された比率の平均値をそのまま、つまり100%の割合で第2の空制用パラメータの更新値とすると、今回算出された比率の平均値を減速モデルに乗じて得られる減速度が、第1の空制用パラメータの前回値を減速モデルに加算して得られる減速度より強いか否かを判断する。
S605において、減速度が強くなると判断された場合、S606に処理が進む。そして、S606において、列車制御装置11は、S601において今回算出された比率の平均値を小さい割合(第1の割合)で第2の空制用パラメータに反映する。
一方、S605において、減速度が弱くなると判断された場合、S607に処理が進む。そして、S607において、列車制御装置11は、S601において今回算出された比率の平均値を大きい割合(第2の割合)で第2の空制用パラメータに反映する。
このようにして、2種類の空制用パラメータ(第1の空制用パラメータおよび第2の空制用パラメータ)の直近の平均値のみに基づいた調整が終了する。
なお、詳細な説明は省略するが、空制用パラメータと同様、電制用パラメータの調整も、列車10の駅での停止時に実施される。実施形態において、電制用パラメータの調整は、たとえば、電制時における列車10の減速度の推定値と設定値との比率に基づいて実施される。
また、実施形態において、走行時パラメータの調整は、以下に説明するように、駅間を走行している列車10の制動中に実施される。
図7は、実施形態にかかる列車制御装置11が走行時パラメータを調整する際に実行する処理の一例を示した例示的かつ模式的なフローチャートである。この図7に示される処理フローは、駅間を走行している列車10の制動中、つまり列車10が制動指令に応じて減速する場合に開始する。
図7に示される処理フローでは、まず、S701において、列車制御装置11は、列車10が電気ブレーキによる制動中か否かを判断する。この判断は、たとえば、列車10の現在の速度が電空切替速度を下回ったか否かなどに基づいて行われる。列車10の現在の速度が電空切替速度以上である場合、列車10が電気ブレーキによる制動中であると判断され、列車10の現在の速度が電空切替速度を下回った場合、列車10が電気ブレーキではなく空気ブレーキによる制動中であると判断される。
S701において、列車10が電気ブレーキによる制動中であると判断された場合、S702に処理が進む。そして、S702において、列車制御装置11は、特性情報保持部201に記憶された各種の情報などに基づいて、減速モデルに基づく減速度に電制用パラメータを乗じて、列車10の減速度の設定値を算出する。
一方、S701において、列車10が空気ブレーキによる制動中であると判断された場合、S703に処理が進む。そして、S703において、列車制御装置11は、駆動/制動制御装置14に与えられている制動指令が弱くなる方向に変化しているか否かを判断する。
S703において、制動指令が弱くなる方向に変化していると判断された場合、つまり前述した第1の状況が発生していると判断された場合、S704に処理が進む。そして、S704において、列車制御装置11は、減速モデルに基づく減速度に第1の空制用パラメータを加算して減速度の設定値を算出する。
また、S703において、制動指令が強くなる方向に変化していると判断された場合、つまり前述した第2の状況が発生していると判断された場合、S705に処理が進む。そして、S705において、列車制御装置11は、減速モデルに基づく減速度に第2の空制用パラメータを乗じて減速度の設定値を算出する。
S702、S704、またはS705で減速度の設定値が算出されると、S706に処理が進む。そして、S706において、列車制御装置11は、速度位置検出部101により取得される列車10の速度の推移と、特性情報保持部201に記憶された列車抵抗とから、列車10の実際の減速度の推定値を算出する。
そして、S707において、列車制御装置11は、S706で算出された推定値と、S702、S704、またはS705で算出された設定値との差分および比率を算出し、算出した値を状況別に蓄積する。たとえば、S706で算出された推定値とS702で算出された設定値との比率は、電制用パラメータの調整用として蓄積され、S706で算出された推定値とS704で算出された設定値との差分は、第1の空制用パラメータの蓄積用として(前述した偏差平均データ群に)蓄積され、S706で算出された推定値とS705で算出された設定値との比率は、第2の空制用パラメータの蓄積用として(前述した比率平均データ群に)蓄積される。
そして、S708において、列車制御装置11は、S706で算出された推定値と、S702、S704、またはS705で算出された設定値との比率に基づいて、走行時パラメータを調整する。
そして、S709において、列車制御装置11は、S708における補正後の減速モデルに基づいて、列車10の挙動を予測する。
そして、S710において、列車制御装置11は、S709における列車10の挙動の予測結果に応じて、駆動/制動制御装置14に与える制御指令(力行指令/制動指令)を算出する。そして、処理が終了する。
なお、列車10の挙動の予測(S709と同様の処理)と、当該予測の結果に基づく制御指令の算出(S710と同様の処理)とは、列車10が減速していない場合においても実施される。
以上説明したように、実施形態にかかる列車制御装置11は、速度位置検出部101と、特性情報保持部201と、加減速度検出部205と、パラメータ調整部206と、制御指令算出部204と、を有している。速度位置検出部101は、列車10の速度および位置を検出する。特性情報保持部201は、列車10の少なくとも空気制動時に列車10の駆動/制動制御装置14に与えられる制動指令に応じて発生する減速度に関する減速モデルと、当該減速モデルを補正するために使用される空制用パラメータと、列車10に発生する列車抵抗と、を記憶する。加減速度検出部205は、列車10の空気制動時に、速度位置検出部101により検出された速度および位置と、特性情報保持部201に記憶された列車抵抗と、に基づいて、列車10の実際の減速度の推定値を算出する。パラメータ調整部206は、列車10の空気制動後の停止時に、特性情報保持部201により算出された実際の減速度の推定値と、特性情報保持部201に記憶された減速モデルおよび空制用パラメータから算出される、推定値と対応した時点での列車10の設定上の減速度を示す設定値との差分に基づいて、特性情報保持部201に記憶された空制用パラメータを調整する。制御指令算出部204は、空制用パラメータの調整後の列車10の空気制動時に、速度位置検出部101により検出された速度および位置と、特性情報保持部201に記憶された減速モデル、空制用パラメータおよび列車抵抗と、に基づいて、制動指令を算出する。このような構成により、精度の良い自動列車運転を実施するための空制用パラメータの調整をより簡単に実施することができる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、上記実施形態はあくまで一例であって、発明の範囲を限定することは意図していない。上記実施形態は、様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。上記実施形態およびその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
10 列車
11 列車制御装置
101 速度位置検出部(検出部)
201 特性情報保持部(記憶部)
204 制御指令算出部(指令算出部)
205 加減速度検出部(推定部)
206 パラメータ調整部(調整部)

Claims (8)

  1. 列車の速度および位置を検出する検出部と、
    前記列車の少なくとも空制時に前記列車の制動装置に与えられる制動指令に応じて発生する減速度に関する減速モデルと、当該減速モデルを補正するために使用される空制用パラメータと、前記列車に発生する列車抵抗と、を記憶する記憶部と、
    前記列車の空制時に、前記検出部により検出された前記速度および前記位置と、前記記憶部に記憶された前記列車抵抗と、に基づいて、前記列車の実際の減速度の推定値を算出する推定部と、
    前記列車の空制後の停止時に、前記推定部により算出された前記実際の減速度の推定値と、前記記憶部に記憶された前記減速モデルおよび前記空制用パラメータから算出される、前記推定値と対応した時点での前記列車の設定上の減速度を示す設定値と、の差分に基づいて、前記記憶部に記憶された前記空制用パラメータを調整する調整部と、
    前記空制用パラメータの調整後の前記列車の空制時に、前記検出部により検出された前記速度および前記位置と、前記記憶部に記憶された前記減速モデル、前記空制用パラメータおよび前記列車抵抗と、に基づいて、前記制動指令を算出する指令算出部と、
    を備える、列車制御装置。
  2. 前記推定部は、前記推定値の算出を所定の制御サイクルで複数回実行し、
    前記調整部は、複数の前記推定値と、当該複数の推定値に対応した複数の前記設定値と、のそれぞれの差分の平均値に基づいて、前記空制用パラメータを調整する、
    請求項1に記載の列車制御装置。
  3. 前記調整部は、過去の一定期間に求められた複数の前記平均値に基づいて、前記実際の減速度が前記設定上の減速度に対して強めに出た第1の期間における前記平均値には第1の重みを乗じ、前記実際の減速度が前記設定上の減速度に対して弱めに出た第2の期間における前記平均値には前記第1の重みよりも大きい第2の重みを乗じることで算出される、前記複数の平均値の重み付き平均値に基づいて、前記空制用パラメータを調整する、
    請求項2に記載の列車制御装置。
  4. 前記調整部は、直近に求められた前記平均値をそのまま前記空制用パラメータの調整に反映すると現在の前記空制用パラメータをそのまま使用するよりも前記実際の減速度が前記設定上の減速度に対して強めに出る場合、前記平均値を第1の割合で前記空制用パラメータの調整に反映し、直近に求められた前記平均値をそのまま前記空制用パラメータの調整に反映すると現在の前記空制用パラメータをそのまま使用するよりも前記実際の減速度が前記設定上の減速度に対して弱めに出る場合、前記平均値を前記第1の割合よりも大きい第2の割合で前記空制用パラメータの調整に反映する、
    請求項2に記載の列車制御装置。
  5. 前記空制用パラメータは、前記制動指令が弱くなる方向に変化する第1の状況において使用される第1の空制用パラメータと、前記制動指令が強くなる方向に変化する第2の状況において使用される第2の空制用パラメータと、を含み、
    前記調整部は、少なくとも前記第1の空制用パラメータを、前記第1の状況における前記差分の平均値に基づいて調整する、
    請求項2〜4のいずれか1項に記載の列車制御装置。
  6. 前記調整部は、前記第2の状況における複数の前記推定値と、当該複数の推定値に対応した複数の前記設定値と、のそれぞれの比率の平均値に基づいて、前記第2の空制用パラメータを調整する、
    請求項5に記載の列車制御装置。
  7. 前記記憶部は、前記列車の走行中に前記減速モデルを補正するために使用される走行時パラメータをさらに記憶し、
    前記調整部は、前記列車の走行中に、前記推定値の前記設定値に対する比率に基づいて、前記走行時パラメータを調整する、
    請求項1〜6のいずれか1項に記載の列車制御装置。
  8. 列車の速度および位置を検出する検出ステップと、
    前記列車の少なくとも空制時に前記列車の制動装置に与えられる制動指令に応じて発生する減速度に関する減速モデルと、当該減速モデルを補正するために使用される空制用パラメータと、前記列車に発生する列車抵抗と、を記憶部に記憶する記憶ステップと、
    前記列車の空制時に、前記検出ステップにより検出された前記速度および前記位置と、前記記憶部に記憶された前記列車抵抗と、に基づいて、前記列車の実際の減速度の推定値を算出する推定ステップと、
    前記列車の空制後の停止時に、前記推定ステップにより算出された前記実際の減速度の推定値と、前記記憶部に記憶された前記減速モデルおよび前記空制用パラメータから算出される、前記推定値と対応した時点での前記列車の設定上の減速度を示す設定値と、の差分に基づいて、前記記憶部に記憶された前記空制用パラメータを調整部により調整することと、
    前記空制用パラメータの調整後の前記列車の空制時に、前記検出ステップにより検出された前記速度および前記位置と、前記記憶部に記憶された前記減速モデル、前記空制用パラメータおよび前記列車抵抗と、に基づいて、前記制動指令を算出する指令算出ステップと、
    を備える、列車制御方法。
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