JP2008162564A - 車両用走行制御装置および車両用走行制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】先行車ロスト時に、追従用目標車速からカーブ通過用目標車速に自動的に切り替わってしまう。
【解決手段】車両コントローラ10は、先行車と自車両との相対的な位置関係に基づいて第1の目標車速を算出するとともに、自車両がカーブ路を走行する際の第2の目標車速を予め算出する。また、車間距離検出装置1によって先行車が検出されているときは、第2の目標車速よりも第1の目標車速を優先して自車両の車速を制御するとともに、カーブ路で先行車が検出されなくなると、検出できなくなる直前の先行車のカーブ路に対する位置、および第2の目標車速に基づいて、自車両の車速を制御する。
【選択図】図1
【解決手段】車両コントローラ10は、先行車と自車両との相対的な位置関係に基づいて第1の目標車速を算出するとともに、自車両がカーブ路を走行する際の第2の目標車速を予め算出する。また、車間距離検出装置1によって先行車が検出されているときは、第2の目標車速よりも第1の目標車速を優先して自車両の車速を制御するとともに、カーブ路で先行車が検出されなくなると、検出できなくなる直前の先行車のカーブ路に対する位置、および第2の目標車速に基づいて、自車両の車速を制御する。
【選択図】図1
Description
本発明は、目標車速に基づいて、車両の走行を制御する装置および方法に関する。
従来、先行車に追従して走行する場合の第1の目標車速と、自車両前方の道路形状に応じた第2の目標車速とを演算し、低い方の目標車速に基づいて、車両速度を制御する装置が知られている(特許文献1参照)。この装置では、第1の目標車速に基づいて車両速度の制御を行っている際に、カーブ路で先行車を見失うと、目標車速を第1の目標車速から第2の目標車速に切り換える。
しかしながら、従来の技術では、先行車を見失った際に、先行車が通過したカーブ路の形状に関係なく目標車速を切り換えるので、目標車速が低下して、先行車においていかれるような違和感をドライバが感じる可能性があった。
本発明による車両用走行制御装置は、先行車と自車両との相対的な位置関係に応じた第1の目標車速を算出するとともに、自車両がカーブ路を走行する際の第2の目標車速を予め算出し、カーブ路を走行する際に、先行車を検出しているときは、第2の目標車速よりも第1の目標車速を優先して自車両の車速を制御するとともに、先行車を検出できなくなったときは、検出できなくなる直前の先行車のカーブ路に対する位置および第2の目標車速に基づいて、自車両の車速を制御することを特徴とする。
本発明による車両用走行制御装置によれば、カーブ路で先行車を見失った際に、見失う直前の先行車のカーブ路に対する位置および第2の目標車速に基づいて車速制御を行うので、見失った後に先行車がカーブ路をどのように走行するのか推定することができ、先行車においていかれるような違和感をドライバが感じるのを抑制することができる。
−第1の実施の形態−
図1は、第1の実施の形態における車両用走行制御装置の構成を示す図である。第1の実施の形態における車両用走行制御装置は、車間距離検出装置1と、車速センサ2と、ナビゲーション装置3と、エンジンコントローラ4と、ブレーキアクチュエータ5と、車両コントローラ10とを備える。
図1は、第1の実施の形態における車両用走行制御装置の構成を示す図である。第1の実施の形態における車両用走行制御装置は、車間距離検出装置1と、車速センサ2と、ナビゲーション装置3と、エンジンコントローラ4と、ブレーキアクチュエータ5と、車両コントローラ10とを備える。
車間距離検出装置1は、例えば、レーザレーダを備えており、自車両前方にレーザ光を送出し、反射光を受光することによって、先行車両を検出するとともに、先行車両までの車間距離を検出する。車速センサ2は、自車両の速度を検出する。
ナビゲーション装置3は、GPSユニット31および地図データベース32を少なくとも備え、目的地までの推奨ルートの演算や、車両の現在地付近の地図表示など、カーナビゲーション装置の一般的な処理を行う。GPSユニット31は、図示しないGPS衛星から発信されるGPS信号を受信して、自車両の現在位置を検出する。地図データベース32には、複数のスケール(縮尺率)の地図データが格納されている。地図データには、道路地図をノードおよびリンクで表現した道路データが含まれている。道路データでは、交差点にノードが対応し、各ノード間を結ぶ線分、すなわち道路区間がリンクに対応する。
エンジンコントローラ4は、車両コントローラ10からの指示に基づいて、図示しないスロットルバルブのスロットル開度等を制御することにより、エンジンの出力を制御する。ブレーキアクチュエータ5は、車両コントローラ10からの指示に基づいて、ブレーキを制御する。
図2は、車両コントローラ10の内部構成を示すブロック図である。車両コントローラ10は、マイクロコンピュータおよびその周辺部品により構成され、マイクロコンピュータのソフトウェア形態により構成される先行車検知判定部11と、追従用目標車速演算部12と、カーブ通過目標車速演算部13と、カーブ通過目標車速補正部14と、目標車速切替部15と、車速制御部16と、駆動軸トルク制御部17とを備える。
先行車検知判定部11は、車間距離検出装置1からの出力信号に基づいて、自車両の前方を走行している先行車を検出しているか否かを示す信号をカーブ通過目標車速補正部14および目標車速切替部15に出力する。追従用目標車速演算部12は、先行車と自車両との相対的な位置関係に応じた目標車速、すなわち、先行車に追従して走行するための目標車速(第1の目標車速)を演算する。
カーブ通過目標車速演算部13は、自車両前方のカーブ路の形状に基づいて、カーブ路を通過する際の目標車速(第2の目標車速)を演算する。カーブ通過目標車速補正部14は、カーブ通過目標車速演算部13によって演算される目標車速に基づいて、カーブ路で先行車をロストした場合の目標車速(第3の目標車速)を演算する。目標車速切替部15は、追従用目標車速演算部12によって演算される目標車速、および、カーブ通過目標車速補正部14によって演算された目標車速のうち、一方の目標車速を選択して、車速制御部16に出力する。
車速制御部16は、車速センサ2によって検出される車速を、目標車速切替部15によって選択された目標車速と一致させるための駆動軸トルク指令値を演算する。駆動軸トルク制御部17は、車速制御部16で演算される駆動軸トルク指令値に基づいて、エンジントルク指令値およびブレーキ液圧指令値を演算する。演算されたエンジントルク指令値は、エンジンコントローラ4に出力され、ブレーキ液圧指令値は、ブレーキアクチュエータ5に出力される。
図3は、第1の実施の形態における車両用走行制御装置によって行われる制御内容を示すフローチャートである。車両が起動すると、車両コントローラ10は、ステップS10の処理を開始する。ステップS10からステップS40までの処理は、カーブ通過目標車速演算部13によって行われる。
ステップS10では、自車走行路において、自車位置前方に存在するカーブ路のカーブ半径を算出する。始めに、カーブ通過目標車速演算部13は、GPSユニット31によって検出された車両位置を基準として、自車位置前方の所定範囲内の道路データを地図データベース32から読み出す。図4は、地図データベース12から読み出した道路データの一例を示す図である。地図データベース32から読み出す道路データには、道路データに含まれる各ノードの緯度・経度、道路種別、道路幅、および、制限速度等のデータが含まれる。
次に、自車両が走行すると考えられる推定経路を特定する。例えば、ユーザがナビゲーション装置3に対して目的地を設定して、目的地までの推奨経路を演算している場合には、演算した推奨経路を推定経路とする。ユーザが目的地を設定していない場合には、道路種別や道路幅等のデータに基づいて、車両が進むと考えられる経路の優先順位を推定し、その中で最も優先順位の高い経路を推定経路として設定する。なお、この推定経路には、自車位置前方に、n個(nは整数)のノードが含まれているものとする。
カーブ半径は、推定経路上の各ノードNk(k=1,2,…,n)を対象として算出する。例えば、ノードNkの位置におけるカーブ半径は、ノードNkと、その両隣のノードNk-1およびNk+1の位置座標に基づいて算出する。図5は、ノードNk-1,Nk,Nk+1の3点を通る円の半径Rkを示す図である。ノードNk-1,Nk,Nk+1の位置座標をそれぞれ、(Xk-1,Yk-1)、(Xk,Yk)、(Xk+1,Yk+1)とすると、半径Rkは、次式(1)により算出される。
Rk=√(Xr2+Yr2) (1)
ただし、
Xr=(CaYb−CbYa)/(XaYb−XbYa) (2)
Yr=(CbXa−CaXb)/(XaYb−XbYa) (3)
Ca=(Xa2−Ya2)/2 (4)
Cb=(Xb2−Yb2)/2 (5)
Xa=Xk-1−Xk (6)
Ya=Yk-1−Yk (7)
Xb=Xk+1−Xk (8)
Yb=Yk+1−Yk (9)
Rk=√(Xr2+Yr2) (1)
ただし、
Xr=(CaYb−CbYa)/(XaYb−XbYa) (2)
Yr=(CbXa−CaXb)/(XaYb−XbYa) (3)
Ca=(Xa2−Ya2)/2 (4)
Cb=(Xb2−Yb2)/2 (5)
Xa=Xk-1−Xk (6)
Ya=Yk-1−Yk (7)
Xb=Xk+1−Xk (8)
Yb=Yk+1−Yk (9)
各ノードNk(k=1,2,…,n)を対象としてカーブ半径Rkを算出すると、自車位置から各ノードNkまでの距離Lkのデータとともに、(N1,L1,R1)、(N2,L2,R2)、…、(Nn,Ln,Rn)という形でメモリ(不図示)に記憶させておく。
ステップS10に続くステップS20では、自車両前方のカーブを、予め設定された横加速度αy(例えば、αy=3.0m/s2)以下で走行するための通過可能車速Vckを算出する。ノードNkにおける通過可能車速Vckは、次式(10)により求められる。
Vck=√(αy・Rk) (10)
ただし、Rkは、ノードNkの位置におけるカーブ半径である。
Vck=√(αy・Rk) (10)
ただし、Rkは、ノードNkの位置におけるカーブ半径である。
ステップS20に続くステップS30では、ステップS20で算出した通過可能車速Vck、および、図示しないメモリに格納されている、自車位置からノードNkまでの距離Lkに基づいて、車両の現在地における制限車速Vcckを算出する。制限車速Vcckは、自車位置から、所定の減速度αx(例えば、αx=1.0m/s2)で減速した時に、ノードNkにおける車速が通過可能車速Vckとなるような車速であり、次式(11)により求められる。
Vcck=√(Vck 2+2・αx・Lk) (11)
Vcck=√(Vck 2+2・αx・Lk) (11)
ステップS30に続くステップS40では、目標車速パターンを演算する。まず、推定経路上の各ノードを対象としてステップS30で算出された制限車速Vcckのうち、最小値となるノードを特定する。ここでは、特定したノードをNk *とし、ノードNk *の通過可能車速をVck *、自車位置からノードNk *までの距離をLk *とする。
自車位置からノードNk *までの目標減速度は、所定値αxとし、ノードNk *までの間で、自車位置からの距離Lの位置における目標車速は、次式(12)で表せる。
Vok *=√{2・αx・(L0 *−L)} (12)
ただし、L0 *は、次式(13)で表される値である。
L0 *=(Vck *2+2・αx・Lk *)/(2・αx) (13)
Vok *=√{2・αx・(L0 *−L)} (12)
ただし、L0 *は、次式(13)で表される値である。
L0 *=(Vck *2+2・αx・Lk *)/(2・αx) (13)
また、ノードNk *以降の位置における目標車速は、次式(14)により求める。式(14)は、ノードNkとノードNk+1との間において、自車位置からの距離がLの位置における目標車速である。また、式(16)で表されるαKK+1は、ノードNkとノードNk+1との間の目標減速度である。
VKK+1=√{2αKK+1(L0−L)} (14)
ただし、
L0=(LK+1・Vck 2−Lk・Vck+1 2)/(Vck 2−Vck+1 2) (15)
αKK+1=0.5・(Vck 2−Vck+1 2)/(LK+1−LK) (16)
VKK+1=√{2αKK+1(L0−L)} (14)
ただし、
L0=(LK+1・Vck 2−Lk・Vck+1 2)/(Vck 2−Vck+1 2) (15)
αKK+1=0.5・(Vck 2−Vck+1 2)/(LK+1−LK) (16)
上式(12)および(14)より、現在検知しているノードの範囲内で、自車位置からの距離Lに応じたカーブ通過目標車速を求めることができる。ここでは、カーブ通過目標車速をVtcと表記する。
ステップS40に続くステップS50の処理は、追従用目標車速演算部12によって行われる。ステップS50では、先行車両に追従して走行するための目標車速Vtfを求める。この目標車速Vtfは、車間距離検出装置1によって検出される先行車までの車間距離Lを目標車間距離Ltに一致させるための目標車速である。目標車間距離Ltは、先行車の車速をVp、確保したい車間時間をThとすると、次式(17)で表される。
Lt=Vp×Th (17)
ただし、先行車の車速Vpは、自車両に対する先行車の相対速度VRおよび車速センサ2によって検出される自車両の速度Vhに基づいて求めることができる。相対速度VRは、先行車までの車間距離Lを時間微分することにより求めることができる。
Lt=Vp×Th (17)
ただし、先行車の車速Vpは、自車両に対する先行車の相対速度VRおよび車速センサ2によって検出される自車両の速度Vhに基づいて求めることができる。相対速度VRは、先行車までの車間距離Lを時間微分することにより求めることができる。
目標車速Vtfに基づいて、実車速Vhを出力する車速制御系は、カットオフ周波数ωVの一次遅れ系にマッチングされているものとする。図6は、追従用目標車速演算部12内部の制御ブロック構成を示す図である。目標車速Vtfは、次式(18)により求めることができる。
Vtf=VR・KV−(Lt−L)・KL+Vh (18)
ただし、KVおよびKLは、所定の制御ゲインである。
Vtf=VR・KV−(Lt−L)・KL+Vh (18)
ただし、KVおよびKLは、所定の制御ゲインである。
このとき、先行車の車速Vpから実車間距離Lまでの伝達特性GL(s)は、次式(19)で表される。
GL(s)=BL(s)/AL(s) (19)
ただし、
BL(s)=s+Th・KL・ωV (20)
AL(s)=s2+KV・ωV・s+KL・ωV (21)
ただし、sはラプラス演算子である。
GL(s)=BL(s)/AL(s) (19)
ただし、
BL(s)=s+Th・KL・ωV (20)
AL(s)=s2+KV・ωV・s+KL・ωV (21)
ただし、sはラプラス演算子である。
上式(19)〜(21)より、制御ゲインKVおよびKLを適当な値に設定することで、伝達特性GL(s)を変更することができるので、先行車追従制御における車間距離応答特性を所望の応答特性に設定することができる。
ステップS50に続くステップS60の処理は、カーブ通過目標車速補正部14および目標車速切替部15によって行われる。ステップS60では、車速制御部16に出力する目標車速VCMDを求める。ステップS60で行う目標車速算出処理の詳細な内容を、図7に示すフローチャートを用いて説明する。
ステップS100において、目標車速切替部15は、先行車検知判定部11から入力される信号に基づいて、先行車をロストしたか(見失ったか)否かを判定する。先行車をロストしたと判定すると、ステップS110に進み、ロストしていないと判定すると、ステップS160に進む。ステップS160において、目標車速切替部15は、追従用目標車速演算部12がステップS50で算出した目標車速Vtfを車速指令値VCMDに設定して、車速制御部16に出力する。
一方、先行車をロストした場合、目標車速切替部15は、カーブ通過目標車速補正部14によって演算される目標車速を車速指令値VCMDに設定して、車速制御部16に出力する。ステップS110〜ステップS150の処理は、先行車ロスト時に、カーブ通過目標車速補正部14が目標車速を算出する処理である。
ステップS110において、カーブ通過目標車速補正部14は、先行車ロスト時の先行車の位置におけるカーブ半径R1を検出し、検出したカーブ半径R1が所定値より小さいか否かを判定する。図3に示すフローチャートのステップS10では、自車両前方に存在するノードNkの位置におけるカーブ半径Rkのデータを、ノードNkまでの距離Lkのデータとともに、メモリに記憶させている。ここでは、先行車をロストした直前に車間距離検出装置1によって検出されていた車間距離Lに基づいて、メモリに記憶されている上記データを参照することにより、先行車ロスト時の先行車の位置におけるカーブ半径R1を求める。
続いて、求めたカーブ半径R1が所定値より小さいか否かを判定する。この所定値は、先行車ロスト時に先行車が走行していた道路がカーブと見なせるか否かを判定するためのしきい値であり、例えば、500mである。先行車ロスト位置におけるカーブ半径R1が所定値より小さいと判定するとステップS120に進み、所定値以上であると判定すると、ステップS150に進む。
ステップS150では、先行車ロスト時の先行車の位置におけるカーブ半径が大きく、先行車が直線とみなせるような道路を走行していたため、カーブ通過目標車速補正部14は、以下の方法により、車速指令値VCMDを演算する。まず、先行車をロストした直前の自車両の加速度が0以上の場合(加速度が正または零の場合)には、所定の加速度α1を加速度指令値αsに代入する。一方、先行車をロストした直前の自車両の加速度が0より小さい場合(加速度が負の場合)、すなわち、自車両が減速していた場合には、所定の加速度α2(α1>α2)を加速度指令値αsに代入する。所定の加速度α1およびα2は、実験などを行うことによって、予め適切な値を設定しておく。また、自車両の加速度は、車速センサ2によって検出される車速を時間微分することにより求める。
続いて、次式(22)より、車速指令値VCMDを算出する。算出された車速指令値VCMDは、目標車速切替部15で選択されて、車速制御部16に出力される。
VCMD=VCMD1+Δt・αs (22)
ただし、Δtは、車両コントローラ10内部の制御周期であり、VCMD1は、1制御周期前に演算された車速指令値VCMDである。
VCMD=VCMD1+Δt・αs (22)
ただし、Δtは、車両コントローラ10内部の制御周期であり、VCMD1は、1制御周期前に演算された車速指令値VCMDである。
ここで、先行車を検出していない場合、自車両の速度を所定速度Vqに保つ制御が行われる。すなわち、先行車が直線とみなせるような道路を走行している場合には、自車速が所定速度Vqに到達するまで、加速度指令値αsで車両を加速させる制御が行われることになる。従って、カーブ通過目標車速補正部14は、式(22)より算出される車速指令値VCMDが所定速度Vqに到達すると、所定速度Vqを車速指令値VCMDに設定する。
一方、ステップS120では、先行車をロストした位置におけるカーブ半径R1が、先行車ロスト位置より前方の位置におけるカーブ半径R2より小さいか否かを判定する。先行車ロスト位置より前方の位置とは、例えば、先行車ロスト位置より所定距離前方の位置である。ステップS120の判定を肯定するとステップS130に進み、否定するとステップS140に進む。
ステップS130で行う処理を図8を用いて説明する。図8は、先行車をロストした位置におけるカーブ半径R1が、先行車ロスト位置より前方の位置におけるカーブ半径R2より小さい場合の状況を説明するための図である。図8において、横軸は、車両進行方向における距離であり、二点鎖線c1は、カーブ半径を示す線である。また、実線c2は、図3に示すフローチャートのステップS40で算出される目標車速Vtcであり、点線c3は、ステップS50で算出される目標車速Vtfである。点線c4は、後述する先行車ロスト後の目標車速である。
図8において、先行車ロスト時の自車位置をL1、先行車ロスト時の先行車の位置をL2、先行車ロスト位置L2より前方の位置をL3とする。この場合、先行車ロスト位置L2のカーブ半径R1よりも、その先の位置L3のカーブ半径R2の方が大きいので、自車両は、先行車追従制御によって半径R1のカーブを通過できる車速となっている。すなわち、ロストした先行車は、カーブ半径が最も小さい地点を既に通過しているため、ロストした先行車に追従して走行していた自車両も、十分な減速が行われている。従って、先行車ロスト後の目標車速を、先行車追従用の目標車速Vtfから、カーブ通過目標車速Vtcまで低下させる必要はない。
カーブ通過目標車速補正部14は、先行車ロスト時に車速センサ2によって検出される車速Vhと、先行車ロスト時の自車位置L1におけるカーブ通過目標車速Vtcとの差ΔV1を求め、自車両前方の各位置を対象として、カーブ通過目標車速演算部13が算出した目標車速VtcにΔV1を加算した車速を、先行車ロスト後の車速指令値VCMDとする(図8の点線c4参照)。すなわち、先行車ロスト後の車速指令値VCMDは、カーブ通過目標車速VtcよりΔV1だけ高い値となっている。算出された車速指令値VCMDは、目標車速切替部15で選択されて、車速制御部16に出力される。
なお、車速を車速指令値VCMDに追従させる制御を行う際に、先行車ロスト位置L2の前方の位置L3におけるカーブの緩さ度合に応じて、車速を車速指令値VCMDに追従させるための減速度を設定してもよい。すなわち、カーブの緩さ度合が大きければ、減速度を小さく(減速度合を弱く)し、カーブの緩さ度合が小さければ、減速度を大きく(減速度合を強く)する。カーブの緩さ度合は、例えば、先行車ロスト位置L2のカーブ半径R1と、位置L3のカーブ半径R2との比R2/R1に基づいて判断することができる。すなわち、R2/R1の値が大きいほど、先行車ロスト位置L2の前方の位置L3におけるカーブの緩さ度合は大きく、R2/R1の値が1に近いほど、カーブの緩さ度合が小さいと判定する。
ステップS140で行う処理を図9を用いて説明する。図9は、先行車をロストした位置におけるカーブ半径R1が、先行車ロスト位置より前方の位置におけるカーブ半径R2より大きい場合の状況を説明するための図である。図9において、横軸は、車両進行方向における距離であり、二点鎖線c5は、カーブ半径を示す線である。また、実線c6は、図3に示すフローチャートのステップS40で算出される目標車速Vtcであり、点線c7は、ステップS50で算出される目標車速Vtfである。点線c8は、先行車をロストした後の目標車速を示す線である。
図9において、先行車ロスト時の自車位置をL1、先行車ロスト時の先行車の位置をL2、先行車ロスト位置L2より前方の位置をL3とする。この場合、先行車ロスト位置L2のカーブ半径R1よりも、その先の位置L3のカーブ半径R2の方が小さいので、先行車はカーブ半径が最も小さい地点をまだ通過しておらず、先行車はその後、減速することが予想される。従って、この場合には、先行車ロスト時の自車速V0から、ステップS40でカーブ通過目標車速演算部13が算出した目標車速Vtcになるまで、所定の減速度αsで車両を減速させる制御を行う。
所定の減速度αsは、少なくとも先行車ロスト時の自車両の減速度と同じかそれより大きい(減速度合が強い)値に設定する。ここでは、先行車ロスト時の減速度に対応する所定の減速度αsを実験等によって求めて、予めデータ化しておき、このデータと、先行車ロスト時の減速度とに基づいて、所定の減速度αsを求める。
カーブ通過目標車速補正部14は、自車速がカーブ通過目標車速Vtcと一致するまでは、所定の減速度α3に基づいて、上式(22)より、車速指令値VCMDを算出する。すなわち、先行車ロスト後は、先行車追従用の目標車速Vtfから、所定の減速度αsで減速制御が行われて、自車速がカーブ通過目標車速Vtcまで低下すると、その後は、カーブ通過目標車速Vtcが車速指令値VCMDに設定される。カーブ通過目標車速補正部14によって算出された車速指令値VCMDは、目標車速切替部15で選択されて、車速制御部16に出力される。
図7に示すフローチャートにおいて、ステップS130、S140、S150、または、S160の処理が行われると、図3に示すフローチャートのステップS70に進む。
ステップS70において、車速制御部16は、ステップS60で算出した車速指令値VCMDに対応する駆動力指令値FWCMDを算出する。ここでは、駆動力制御系の伝達遅れは、無視できるものとする。
図10は、車速制御部16内部の制御ブロック構成を示す図である。車速制御系から見た制御対象は、次式で示すように、入力が駆動トルク指令値TWCMD、出力が車速Vhであり、外乱が空気抵抗と転がり抵抗の和FDと勾配抵抗FGとなる。
Vsp(s)=GP(s)・{TWCMD(s)/RW+FG(s)+FD(s)} (23)
GP(s)=1/(M・s) (24)
ただし、RWはタイヤ半径、Mは車重である。
Vsp(s)=GP(s)・{TWCMD(s)/RW+FG(s)+FD(s)} (23)
GP(s)=1/(M・s) (24)
ただし、RWはタイヤ半径、Mは車重である。
上式(23)において、空気抵抗と転がり抵抗の和FDは、次式(25)に基づいて予め計算しておいて、駆動力指令値に加えることで、空気抵抗と転がり抵抗の影響を除去する。
FD=μA・SV・Vsp 2+μR・M・g (25)
ただし、μAは空気抵抗係数、SVは車両の前面投影面積、μRは転がり抵抗係数、gは重力加速度である。
FD=μA・SV・Vsp 2+μR・M・g (25)
ただし、μAは空気抵抗係数、SVは車両の前面投影面積、μRは転がり抵抗係数、gは重力加速度である。
勾配抵抗FGは、次式(26)に基づいて算出される勾配抵抗の推定値FGHを用いる。
FGH(s)=GVP(s)・Vh(s)−GVH(s)・FWCMD(s) (26)
ただし、
GVH(s)=BVH(s)/AVH(s) (27)
BVH(s)=ωVH (28)
AVH(s)=s+ωVH (29)
GVP(s)=GVH(s)/GP(s) (30)
FGH(s)=GVP(s)・Vh(s)−GVH(s)・FWCMD(s) (26)
ただし、
GVH(s)=BVH(s)/AVH(s) (27)
BVH(s)=ωVH (28)
AVH(s)=s+ωVH (29)
GVP(s)=GVH(s)/GP(s) (30)
後述する駆動力指令値信号FWCMD0に対して、次式(31)のように駆動力指令値FWCMDを演算することにより、駆動力指令値信号FWCMD0から車速Vhまでの伝達特性への勾配抵抗等の影響を排除する。
FWCMD=FWCMD0−FGH (31)
FWCMD=FWCMD0−FGH (31)
駆動軸トルク指令値TWCMDは、次式(32)にて表される。
TWCMD=RW・(FWCMD+FD) (32)
TWCMD=RW・(FWCMD+FD) (32)
以上の走行抵抗補償により、図10に示す駆動力指令値信号FWCMD0から車速Vhまでの伝達特性への外乱は除去されたと仮定すると、駆動力指令値信号FWCMD0から車速Vhまでの伝達特性は、次式(33)で表される。
Vh(s)=GP(s)・FWCMD0(s) (33)
Vh(s)=GP(s)・FWCMD0(s) (33)
上記システムに対して、駆動力指令値信号FWCMD0を次式(34)で表される値とすることにより、車速指令値VCMDから実車速Vhまでの応答GV(s)は、次式(35)で表される。ただし、KSPは速度ゲインである。
FWCMD0=KSP・(VCMD−Vh) (34)
GV(s)=BV(s)/AV(s) (35)
ただし、
BV(s)=KSP/M (36)
AV(s)=s+(KSP/M) (37)
FWCMD0=KSP・(VCMD−Vh) (34)
GV(s)=BV(s)/AV(s) (35)
ただし、
BV(s)=KSP/M (36)
AV(s)=s+(KSP/M) (37)
式(35)〜(37)より、応答GV(s)は、定常ゲインが1の一次遅れ系であり、車速Vhは車速指令値VCMDに対して、定常偏差なく追従することが分かる。
図3に示すフローチャートのステップS70に続くステップS80において、駆動軸トルク制御部17は、駆動軸トルク指令値TWCMDを実現するためのエンジントルク指令、および、ブレーキ液圧指令値を演算する。ただし、ドライバによるアクセル介入が発生している場合は、ブレーキ液圧指令値はゼロとし、エンジントルク指令値はドライバのアクセル操作が優先される。
トルクコンバータのトルク増幅率をRT、変速ギヤ比をRAT、デファレンシャルギヤ比をRDEF、エンジンイナーシャをJE、エンジン回転数をNEとすると、駆動軸トルクTW、エンジントルクTE、および、ブレーキトルクTBRの関係は、次式(38)にて表される。
TW=KGEAR・{TE−JE・(dNE/dt)}−TBR (38)
KGEAR=RT・RAT・RDEF (39)
TW=KGEAR・{TE−JE・(dNE/dt)}−TBR (38)
KGEAR=RT・RAT・RDEF (39)
ここで、先行車追従制御等で加速度が所定値内に制限されており、エンジン回転数の変化率が小さい場合は、エンジンイナーシャの影響は小さいと見なせるので、これをゼロとおくと、式(38)は次式(40)で表せる。
TW=KGEAR・TE−TBR (40)
上式(40)より、駆動軸トルク指令値TWCMDに対して、エンジントルク指令値TERを次式(41)より求める。
TER=TWCMD/KGEAR (41)
TW=KGEAR・TE−TBR (40)
上式(40)より、駆動軸トルク指令値TWCMDに対して、エンジントルク指令値TERを次式(41)より求める。
TER=TWCMD/KGEAR (41)
上式(41)によって算出されるエンジントルク指令値TERがエンジンブレーキトルクTE_IDLE以上であるか否かを判定する。エンジンブレーキトルクTE_IDLEは、概ねエンジン回転数に基づいて定まるため、予めエンジン回転数とエンジンブレーキトルクTE_IDLEとの関係を定めたテーブルマップを用意しておいて、エンジン回転数に基づいて、エンジンブレーキトルクTE_IDLEを求めることができる。
エンジントルク指令値TERがエンジンブレーキトルクTE_IDLE以上である場合には、ブレーキを使わずにエンジントルクのみで駆動軸トルク指令値通りのトルクを実現することができる。一方、エンジントルク指令値TERがエンジンブレーキトルクTE_IDLEより小さい場合には、エンジンブレーキトルクによる制御トルクを考慮して、駆動軸トルクを指令値に一致させるためのブレーキ操作量を演算する。
以上より、エンジントルク指令値TERとブレーキトルク指令値TBRとの分配制御則は以下のようになる。
(i)TER≧TE_IDLE
TBR=0(ブレーキ液圧指令値PBR=0) (42)
TER=TWCMD/KGEAR (43)
(ii)TER<TE_IDLE
スロットル開度がゼロ、または、スロットルがアイドルポジションの時のエンジントルクをTE_IDLEとすると、駆動軸トルクは次式(44)で表すことができる。
TW=KGEAR・TE_IDLE−TBR (44)
従って、駆動軸トルク指令値TWCMDに対して、次式のブレーキトルクを発生させればよい。
TBR=KGEAR・TE_IDLE−TWCMD (45)
ブレーキシリンダ面積をAb、ロータ有効半径をRb、パッド摩擦係数をμbとすると、ブレーキトルク指令値TBRに対して、ブレーキ操作量であるブレーキ液圧指令値PBRは次式(46)で表せる。
PBR=TBR/KBRK (46)
KBRK=8・Ab・Rb・μb (47)
(i)TER≧TE_IDLE
TBR=0(ブレーキ液圧指令値PBR=0) (42)
TER=TWCMD/KGEAR (43)
(ii)TER<TE_IDLE
スロットル開度がゼロ、または、スロットルがアイドルポジションの時のエンジントルクをTE_IDLEとすると、駆動軸トルクは次式(44)で表すことができる。
TW=KGEAR・TE_IDLE−TBR (44)
従って、駆動軸トルク指令値TWCMDに対して、次式のブレーキトルクを発生させればよい。
TBR=KGEAR・TE_IDLE−TWCMD (45)
ブレーキシリンダ面積をAb、ロータ有効半径をRb、パッド摩擦係数をμbとすると、ブレーキトルク指令値TBRに対して、ブレーキ操作量であるブレーキ液圧指令値PBRは次式(46)で表せる。
PBR=TBR/KBRK (46)
KBRK=8・Ab・Rb・μb (47)
車両コントローラ10は、演算したエンジントルク指令値TERをエンジンコントローラ4に出力するとともに、演算したブレーキ液圧指令値PBRをブレーキアクチュエータ5に出力する。エンジンコントローラ4は、エンジントルクがエンジントルク指令値TERに一致するように、エンジンを制御する。また、ブレーキアクチュエータ5は、ブレーキ液圧指令値PBRに基づいて、ブレーキ制御を行う。
第1の実施の形態における車両用走行制御装置によれば、先行車と自車両との位置関係に応じた第1の目標車速を算出するとともに、車両前方に存在するカーブ路の形状に基づいて、カーブ路を走行する際の第2の目標車速を算出し、先行車を検出している状態でカーブ路において先行車を検出できなくなると、検出できなくなる直前の先行車のカーブ路に対する位置および第2の目標車速に基づいて、自車両の車速を制御する。これにより、カーブ路において、先行車を見失った際に、先行車がカーブ路をどのように走行するのかを推定することができ、先行車においていかれるような違和感をドライバが感じるのを抑制することができる。また、先行車を検出できなくなる直前のカーブ路に対する先行車の位置および第2の目標車速に基づいて、第3の目標車速を算出するので、先行車ロスト時の目標車速を適切に算出することができる。
また、第1の実施の形態における車両用走行制御装置によれば、カーブ路において先行車を検出できなくなった時の先行車の位置がカーブ路の最小半径の位置を過ぎた位置であれば、先行車が検出されなくなった時の自車両の速度と第2の目標車速との車速差を求め、求めた車速差を、カーブ路の各位置における第2の目標車速に加算した車速を第3の目標車速として算出する。先行車がカーブ路の最小半径の位置を過ぎている場合には、自車両も十分に減速していると考えられるため、目標車速を第2の目標車速まで低下させる必要はない。すなわち、先行車が検出されなくなった時の自車両の速度と第2の目標車速との車速差に基づいて、先行車が検出されなくなった時の目標車速を適切に算出することができる。
また、第1の実施の形態における車両用走行制御装置によれば、カーブ路において先行車を検出できなくなった時の先行車の位置がカーブ路の最小半径の位置より手前の位置であれば、自車両の速度が第2の目標車速と一致するまで、所定の減速度αsで車両を減速させる。これにより、先行車を見失った際に、目標車速が第1の目標車速から第2の目標車速に急に切り替わるのを防ぐことができる。特に、所定の減速度αsを、先行車を見失った時の自車両の減速度以上の値に設定するので、より安全性を確保した状態で、車両を減速させることができる。
さらに、第1の実施の形態における車両用走行制御装置によれば、先行車を見失った時の先行車の位置のカーブ半径が所定値以上であれば、自車両の速度が先行車非検出時の所定車速に到達するまで、所定の加速度で加速させる。この時、先行車を見失った時に自車両が加速していた場合の加速度が自車両が減速していた場合の加速度より大きくなるように設定するので、先行車を見失った時の自車両の状態に応じて、適切な加速度を設定することができる。
−第2の実施の形態−
第2の実施の形態における車両用走行制御装置が第1の実施の形態における車両用走行制御装置と異なるのは、図3に示すフローチャートの処理のうち、ステップS60で行う目標車速算出処理、特に、先行車ロスト時の目標車速算出処理である。第2の実施の形態における車両用走行制御装置が行う目標車速算出処理の詳細な内容を、図11に示すフローチャートを用いて説明する。ただし、図7に示すフローチャートの処理と同一の処理を行うステップについては、同一の符号を付して詳しい説明は省略する。
第2の実施の形態における車両用走行制御装置が第1の実施の形態における車両用走行制御装置と異なるのは、図3に示すフローチャートの処理のうち、ステップS60で行う目標車速算出処理、特に、先行車ロスト時の目標車速算出処理である。第2の実施の形態における車両用走行制御装置が行う目標車速算出処理の詳細な内容を、図11に示すフローチャートを用いて説明する。ただし、図7に示すフローチャートの処理と同一の処理を行うステップについては、同一の符号を付して詳しい説明は省略する。
図11に示すフローチャートにおいて、ステップS100〜S120、S150、および、S160の処理は、図7に示すフローチャートの処理と同じである。従って、以下では、ステップS120の判定を肯定した後に進むステップS200、および、ステップS120の判定を否定した後に進むステップS210の処理について説明する。
ステップS200で行う処理を図12を用いて説明する。図12は、先行車をロストした位置L2におけるカーブ半径R1が、先行車ロスト位置L2より前方の位置L3におけるカーブ半径R2より小さい場合の状況を説明するための図である。図12に示す各線は、図8に示す各線と対応している。
カーブ通過目標車速補正部14は、先行車をロストした直前の追従目標車速Vtfと、先行車ロスト時の自車位置L1におけるカーブ通過目標車速Vtcとの差ΔV2を求め、自車両前方の各位置を対象として、カーブ通過目標車速演算部13が算出した目標車速VtcにΔV2を加算した車速VCMD1を求める。そして、求めた車速VCMD1と、先行車ロスト時に車速センサ2で検出された車速とを比較して、値が大きい方の車速をVCMD2とし、車速VCMD2を最終的な車速指令値VCMDとする。算出された車速指令値VCMDは、目標車速切替部15で選択されて、車速制御部16に出力される。
上述したように、先行車ロスト位置L2のカーブ半径R1よりも、その先の位置L3のカーブ半径R2の方が大きい場合、自車両は、先行車追従制御によって半径R1のカーブを通過できる車速となっているので、目標車速VCMDを上述した方法で算出することにより、先行車に置いていかれるような違和感をさらに抑制することができる。
続いて、ステップS210の処理について説明する。図13は、先行車をロストした位置におけるカーブ半径R1が、先行車ロスト位置より前方の位置におけるカーブ半径R2より大きい場合の状況を説明するための図である。図13に示す各線は、図9に示す各線と対応している。ただし、点線c81およびc82は、先行車をロストした後の目標車速を示す線である。
図13に示すように、先行車ロスト位置L2のカーブ半径R1よりも、その先の位置L3のカーブ半径R2の方が小さい場合、ロストした先行車は減速することが予想される。従って、この場合には、先行車ロスト時の自車速V0から、ステップS40でカーブ通過目標車速演算部13が算出した目標車速Vtcになるまで、所定の減速度αsで車両を減速させる制御を行う。
ここで、所定の減速度αsは、先行車ロスト位置L2のカーブ半径R1とその先の位置L3のカーブ半径R2との差ΔRに基づいて設定する。すなわち、カーブ半径の差ΔRが大きいほど、減速度αsを大きく(減速度合を強く)し、ΔRが小さいほど、減速度αsを小さく(減速度合を弱く)する。また、カーブ半径の差ΔRが大きく、かつ、位置L2とL3との間の距離が短いほど、減速度αsを大きく(減速度合を強く)するようにしてもよい。
図13に示す点線c81は、カーブ半径の差ΔRが大きい場合の目標車速を示し、点線c82は、カーブ半径の差ΔRが小さい場合の目標車速を示している。前方のカーブ半径が小さいほど、減速度を大きく(減速度合を強く)することによって、より早く、自車速を目標車速Vtcに一致させることができる。これにより、道路形状に応じたスムーズな車両制御を行うことができる。
カーブ通過目標車速補正部14は、カーブ半径の差ΔRに応じた減速度α3を設定すると、上式(22)より、車速指令値VCMDを算出する。算出された車速指令値VCMDは、目標車速切替部15で選択されて、車速制御部16に出力される。
第2の実施の形態における車両用走行制御装置によれば、カーブ路で先行車を見失った時の先行車の位置がカーブ路の最小半径の位置を過ぎた位置であれば、先行車が検出されなくなった時の自車両の速度と先行車ロスト時の自車位置における第2の目標車速との車速差ΔV2を求め、求めた車速差ΔV2をカーブ路の各位置における第2の目標車速に加算した車速と、先行車を見失った時の自車両の速度とを比較して、大きい方の車速を第3の目標車速として算出する。これにより、カーブ路において、先行車を見失った際に、先行車においていかれるような違和感をドライバが感じるのを抑制することができる。
また、第2の実施の形態における車両用走行制御装置によれば、カーブ路において先行車を検出できなくなった時の先行車の位置がカーブ路の最小半径の位置より手前の位置であれば、自車両の速度が第2の目標車速と一致するまで、所定の減速度αsで車両を減速させる。この時、先行車を検出できなくなった時の先行車の位置におけるカーブ半径R1に対して、先行車を見失った時の先行車の位置より前方の位置におけるカーブ半径R2が小さいほど、減速度αsを大きくする。これにより、先行車を見失った時の先行車の位置に応じて、適切な車両制御を行うことができる。
−第3の実施の形態−
図14は、第3の実施の形態における車両用走行制御装置に用いられる車両コントローラ10Aの内部構成を示すブロック図である。車両コントローラ10Aは、第1の実施の形態における車両コントローラ10が備える目標車速切替部15を備えておらず、また、カーブ通過時車間推定部21と、車間距離切替部22をさらに備えている。
図14は、第3の実施の形態における車両用走行制御装置に用いられる車両コントローラ10Aの内部構成を示すブロック図である。車両コントローラ10Aは、第1の実施の形態における車両コントローラ10が備える目標車速切替部15を備えておらず、また、カーブ通過時車間推定部21と、車間距離切替部22をさらに備えている。
カーブ通過時車間推定部21は、先行車をロストした際に、自車両のカーブ通過目標車速を用いて先行車の車速を推定し、先行車ロスト時の車間距離と、推定した先行車の車速および自車速とに基づいて、ロストした先行車までの車間距離を推定する。車間距離切替部22は、先行車を検出している間は、車間距離検出装置1によって検出される車間距離を選択し、先行車をロストした場合には、カーブ通過時車間推定部21で推定される車間距離を選択して、追従用目標車速演算部12に出力する。
図15は、第3の実施の形態における車両用走行制御装置によって行われる処理内容を示すフローチャートである。図3に示すフローチャートの処理と異なるのは、ステップS20とS30の間に、ステップS45の処理が追加されている点、および、ステップS60の処理が削除されている点である。
ステップS45で行う処理を図16を用いて説明する。図16において、L1は、先行車ロスト時の自車位置、L2は、先行車ロスト時の先行車の位置である。カーブ通過時車間推定部21は、まず、先行車ロスト時の自車位置と、ロスト直前に車間距離検出装置1によって検出されていた車間距離とに基づいて、先行車ロスト時の先行車の位置L2を求める。
次に、位置L2における先行車の車速と、位置L2におけるカーブ通過目標車速Vtcとの差ΔV3を求める。位置L2における先行車の車速は、先行車ロスト時に車速センサ2によって検出された車速と、自車両に対する先行車の相対速度とに基づいて求める。そして、位置L2より先の位置におけるカーブ通過目標車速VtcにΔV3を加算した値を、ロストした先行車の推定車速Vp_setとする。図16において、点線c10は、ロストした先行車の推定車速Vp_setを表している。ここでは、推定車速Vp_setと位置L1からの距離との関係を求めて、例えば、テーブルマップ化しておく。
続いて、次式(48)より、先行車ロスト時の自車位置L1からの距離Lを求める。
L=L_1+Δt・Vp_set (48)
ただし、L_1は、位置L1と位置L2との間の距離、すなわち、先行車をロストした直前に車間距離検出装置1によって検出された車間距離である。また、Δtは、車両コントローラ10内部の制御周期である。
L=L_1+Δt・Vp_set (48)
ただし、L_1は、位置L1と位置L2との間の距離、すなわち、先行車をロストした直前に車間距離検出装置1によって検出された車間距離である。また、Δtは、車両コントローラ10内部の制御周期である。
そして、求めた距離Lと、上述した推定車速Vp_setおよび位置L1からの距離の関係を定めたテーブルマップとに基づいて、サンプリング周期Δtごとに、ロストした先行車の推定車速Vp_setを求める。
最後に、次式(49)より、ロストした先行車までの推定車間距離d0_estを求める。
d0_est=d0_est1+Δt・(Vp_set−Vh) (49)
ただし、d0_est1は、1制御周期前の推定車間距離であり、初期値は、先行車をロストした直前に車間距離検出装置1によって検出された車間距離L_1とする。
d0_est=d0_est1+Δt・(Vp_set−Vh) (49)
ただし、d0_est1は、1制御周期前の推定車間距離であり、初期値は、先行車をロストした直前に車間距離検出装置1によって検出された車間距離L_1とする。
上述したように、車間距離切替部22は、カーブ路で先行車をロストすると、カーブ通過時車間推定部21によって推定される車間距離を選択して、追従用目標車速演算部12に出力する。追従用目標車速演算部12は、車間距離切替部22から入力される推定車間距離d0_estを車間距離Lに代入して、上式(18)より、目標車速Vtfを求め、車速指令値VCMDとして、車速制御部16に出力する。
第3の実施の形態における車両用走行制御装置によれば、先行車と自車両との相対的な位置関係に応じた第1の目標車速を算出するとともに、自車両前方に存在するカーブ路の形状に基づいて、車両がカーブ路を走行する際の第2の目標車速を算出する。また、カーブ路で先行車を見失うと、先行車ロスト時の先行車の位置および先行車の車速と第2の目標車速とに基づいて、先行車の速度を推定するとともに、先行車ロスト時の車間距離と、推定した先行車の速度および自車両の速度とに基づいて、自車両と先行車両との間の車間距離を推定する。そして、カーブ路において、先行車検出時には、先行車までの車間距離の検出値に基づいて第1の目標車速を算出し、先行車非検出時には、推定した車間距離に基づいて、第1の目標車速を算出する。これにより、カーブ路で先行車を見失った場合でも、推定した車間距離基づいて、適切な目標車速を設定することができる。
本発明は、上述した各実施の形態に限定されることはない。例えば、先行車ロスト時の先行車の位置L2より前方の位置L3は、位置L2より所定距離前方の位置としたが、自車両の車速に応じて、所定距離を変更するようにしてもよい。例えば、自車両の車速が速いほど、所定距離を長くして、位置L3が位置L2より遠くなるように設定することができる。また、自車両の速度ではなく、先行車両の速度に応じて、所定距離を変更することもできる。
図7に示すフローチャートのステップS150では、先行車をロストした直前に自車両が加速していた場合の加速度α1を、自車両が減速していた場合の加速度α2より大きい値に設定したが、先行車ロスト時の先行車の位置におけるカーブ半径R1と、先行車ロスト時の先行車の位置より前方の位置におけるカーブ半径R2とに基づいて、加速度を設定することもできる。すなわち、カーブ半径R1に対するカーブ半径R2の比が所定値より大きい場合には、所定の加速度αsを第1の加速度に設定し、カーブ半径R1に対するカーブ半径R2の比が所定値以下の場合には、所定の加速度αsを第1の加速度より小さい第2の加速度に設定する。
第2の実施の形態では、先行車をロストした直前の追従目標車速Vtfと、カーブ通過目標車速演算部13が算出した第2の目標車速Vtcとの差ΔV2を求め、自車両前方の各位置を対象として、第2の目標車速VtcにΔV2を加算した車速VCMD1を求め、求めた車速VCMD1と、先行車ロスト時に車速センサ2で検出された車速とを比較して、値が大きい方の車速VCMD2を車速指令値VCMDとした。しかし、先行車をロストした時に自車両が減速している場合には、第2の目標車速VtcにΔV2を加算した車速VCMD1を車速指令値VCMDに設定し、先行車をロストした時に自車両が加速している場合には、車速VCMD2を車速指令値VCMDに設定するようにしてもよい。
また、第2の実施の形態において、先行車ロスト位置L2の前方の位置L3におけるカーブの緩さ度合に応じて、車速指令値VCMDを設定しても良い。カーブの緩さ度合は、例えば、先行車ロスト位置L2のカーブ半径R1と、位置L3のカーブ半径R2との比R2/R1に基づいて判断することができる。例えば、R2/R1の値が所定のしきい値以下の場合には、第2の目標車速VtcにΔV2を加算した車速VCMD1を車速指令値VCMDに設定し、R2/R1の値が所定のしきい値より大きければ、車速VCMD2を車速指令値VCMDに設定する。
第2の実施の形態では、先行車をロストした直前の追従目標車速Vtfと、カーブ通過目標車速演算部13が算出した目標車速Vtcとに基づいて、車速差ΔV2を求めた。しかし、先行車追従制御を行っている間は、自車両の速度は、先行車をロストした直前の追従目標車速Vtfとほぼ等しいため、先行車をロストした直前の自車速と、先行車をロストした時の自車位置に対応する目標車速Vtcとに基づいて、車速差ΔV2を求めることもできる。
特許請求の範囲の構成要素と第1〜第3の実施の形態の構成要素との対応関係は次の通りである。すなわち、車速センサ2が車速検出手段を、GPSユニット31が車両位置検出手段を、車間距離検出装置1が先行車検出手段を、車両コントローラ10が第1の目標車速算出手段、第2の目標車速算出手段、第3の目標車速算出手段、直線判定手段、先行車速度推定手段、および、車間距離推定手段を、車両コントローラ10、エンジンコントローラ4、および、ブレーキアクチュエータ5が車速制御手段をそれぞれ構成する。なお、以上の説明はあくまで一例であり、発明を解釈する上で、上記の実施形態の構成要素と本発明の構成要素との対応関係に何ら限定されるものではない。
1…車間距離検出装置、2…車速センサ、3…ナビゲーション装置、4…エンジンコントローラ、5…ブレーキアクチュエータ、10…車両コントローラ、11…先行車検知判定部、12…追従用目標車速演算部、13…カーブ通過目標車速演算部、14…カーブ通過目標車速補正部、15…目標車速切替部、16…車速制御部、17…駆動軸トルク制御部、31…PGSユニット、32…地図データベース
Claims (17)
- 自車両の速度を検出する車速検出手段と、
自車両の進路前方のカーブ路に対する自車両の走行位置を検出する車両位置検出手段と、
先行車と自車両との相対的な位置関係を検出する先行車検出手段と、
自車両の車速を制御する制御手段とを有し、
前記制御手段は、
前記位置関係に応じた第1の目標車速を算出する第1の目標車速算出手段と、
自車両が前記カーブ路を走行する際の第2の目標車速を予め算出する第2の目標車速算出手段とを有し、
前記カーブ路を走行する際に、前記先行車検出手段が先行車を検出しているときは、前記第2の目標車速よりも前記第1の目標車速を優先して自車両の車速を制御するとともに、前記先行車検出手段が先行車を検出できなくなったときは、検出できなくなる直前の先行車の前記カーブ路に対する位置、および、前記第2の目標車速に基づいて、自車両の車速を制御することを特徴とする車両用走行制御装置。 - 請求項1に記載の車両用走行制御装置において、
前記制御手段は、前記先行車検出手段が先行車を検出できなくなる直前の先行車の前記カーブ路に対する位置、および、前記第2の目標車速に基づいて、第3の目標車速を算出する第3の目標車速算出手段をさらに有し、前記第3の目標車速に基づいて、自車両の車速を制御することを特徴とする車両用走行制御装置。 - 請求項2に記載の車両用走行制御装置において、
前記第3の目標車速算出手段は、カーブ路において前記先行車が検出されなくなった時の先行車の位置が前記カーブ路の最小半径の位置を過ぎた位置であれば、前記先行車が検出されなくなった時の自車両の速度と、前記先行車が検出されなくなった時の自車位置に対応する前記第2の目標車速との車速差を求め、カーブ路の各位置における前記第2の目標車速に前記車速差を加算した車速を前記第3の目標車速として算出することを特徴とする車両用走行制御装置。 - 請求項3に記載の車両用走行制御装置において、
前記制御手段は、前記先行車が検出されなくなった時の先行車の位置におけるカーブ半径と、前記先行車が検出されなくなった時の先行車の位置より前方の位置におけるカーブ半径とに基づいて、前記車速検出手段によって検出される車速を前記目標車速に追従させる際の減速度を変更することを特徴とする車両用走行制御装置。 - 請求項4に記載の車両用走行制御装置において、
前記制御手段は、前記先行車が検出されなくなった時の先行車の位置におけるカーブ半径に対して、前記先行車が検出されなくなった時の先行車の位置より前方の位置におけるカーブ半径が大きいほど、前記減速度を小さくすることを特徴とする車両用走行制御装置。 - 請求項2に記載の車両用走行制御装置において、
前記第3の目標車速算出手段は、カーブ路において前記先行車が検出されなくなった時の先行車の位置が前記カーブ路の最小半径の位置を過ぎた位置であれば、前記先行車が検出されなくなった時の自車両の速度と、前記先行車が検出されなくなった時の自車位置に対応する前記第2の目標車速との車速差を求め、カーブ路の各位置における前記第2の目標車速に前記車速差を加算した車速と、前記先行車が検出されなくなった時に前記車速検出手段によって検出された車速とを比較して、大きい方の車速を前記第3の目標車速として算出することを特徴とする車両用走行制御装置。 - 請求項2に記載の車両用走行制御装置において、
前記第3の目標車速算出手段は、カーブ路において前記先行車が検出されなくなった時の先行車の位置が前記カーブ路の最小半径の位置を過ぎた位置であれば、前記先行車が検出されなくなった時の自車両の速度と、前記先行車が検出されなくなった時の自車位置に対応する前記第2の目標車速との車速差を求め、カーブ路の各位置における前記第2の目標車速に前記車速差を加算した車速VCMD1と、前記先行車が検出されなくなった時に前記車速検出手段によって検出された車速とを比較して、大きい方の車速をVCMD2とし、前記先行車が検出されなくなった時に自車両が減速している場合には、前記車速VCMD1を前記第3の目標車速として算出し、前記先行車が検出されなくなった時に自車両が加速している場合には、前記車速VCMD2を前記第3の目標車速として算出することを特徴とする車両用走行制御装置。 - 請求項2に記載の車両用走行制御装置において、
前記第3の目標車速算出手段は、カーブ路において前記先行車が検出されなくなった時の先行車の位置が前記カーブ路の最小半径の位置を過ぎた位置であれば、前記先行車が検出されなくなった時の自車両の速度と、前記先行車が検出されなくなった時の自車位置に対応する前記第2の目標車速との車速差を求め、カーブ路の各位置における前記第2の目標車速に前記車速差を加算した車速VCMD1と、前記先行車が検出されなくなった時に前記車速検出手段によって検出された車速とを比較して、大きい方の車速をVCMD2とし、前記先行車が検出されなくなった時の先行車の位置におけるカーブ半径R1を基準として、前記先行車が検出されなくなった時の先行車の位置より前方の位置におけるカーブ半径R2の比が所定値以下の場合には、前記車速VCMD1を前記第3の目標車速として算出し、前記R1に対する前記R2の比が前記所定値より大きい場合には、前記車速VCMD2を前記第3の目標車速として算出することを特徴とする車両用走行制御装置。 - 請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の車両用走行制御装置において、
前記制御手段は、カーブ路において前記先行車が検出されなくなった時の先行車の位置が前記カーブ路の最小半径の位置より手前の位置であれば、前記車速検出手段によって検出される車速が前記第2の目標車速と一致するまで、所定の減速度で車両を減速させることを特徴とする車両用走行制御装置。 - 請求項9に記載の車両用走行制御装置において、
前記制御手段は、前記所定の減速度として、前記先行車が検出されなくなった時の自車両の減速度以上の値を設定することを特徴とする車両用走行制御装置。 - 請求項9に記載の車両用走行制御装置において、
前記制御手段は、前記先行車が検出されなくなった時の先行車の位置におけるカーブ半径R1と、前記先行車が検出されなくなった時の先行車の位置より前方の位置におけるカーブ半径R2との差が大きいほど、前記所定の減速度を大きくすることを特徴とする車両用走行制御装置。 - 請求項1から請求項11のいずれか一項に記載の車両用走行制御装置において、
前記先行車が検出されなくなった時の先行車の位置のカーブ半径が所定値以上であるか否かを判定する直線判定手段をさらに備え、
前記制御手段は、前記先行車検出手段によって先行車が検出されていなければ、前記車速検出手段によって検出される車速が所定車速となるように自車両の走行を制御するものであって、前記直線判定手段によって、カーブ路において前記先行車が検出されなくなった時の先行車の位置のカーブ半径が所定値以上であると判定されると、前記車速検出手段によって検出される車速が前記所定車速に到達するまで、所定の加速度で車両を加速させることを特徴とする車両用走行制御装置。 - 請求項12に記載の車両用走行制御装置において、
前記制御手段は、前記直線判定手段によって、前記先行車が検出されなくなった時の先行車の位置のカーブ半径が所定値以上であると判定されると、前記先行車が検出されなくなった時の先行車の位置におけるカーブ半径R1と、前記先行車が検出されなくなった時の先行車の位置より前方の位置におけるカーブ半径R2とに基づいて、前記所定の加速度を設定することを特徴とする車両用走行制御装置。 - 請求項13に記載の車両用走行制御装置において、
前記制御手段は、前記カーブ半径R1に対する前記カーブ半径R2の比が前記所定値より大きい場合には、前記所定の加速度を第1の加速度に設定し、前記カーブ半径R1に対する前記カーブ半径R2の比が前記所定値以下の場合には、前記所定の加速度を第1の加速度より小さい第2の加速度に設定することを特徴とする車両用走行制御装置。 - 請求項12に記載の車両用走行制御装置において、
前記車速制御手段は、前記直線判定手段によって、前記先行車が検出されなくなった時の先行車の位置のカーブ半径が所定値以上であると判定されると、前記先行車が検出されなくなった時に自車両が加速していた場合には、前記所定の加速度を第1の加速度に設定し、前記先行車が検出されなくなった時に自車両が減速していた場合には、前記所定の加速度を前記第1の加速度より小さい第2の加速度に設定することを特徴とする車両用走行制御装置。 - 請求項1に記載の車両用走行制御装置において、
カーブ路で前記先行車が検出されなくなると、前記先行車が検出されなくなる直前の先行車の位置および前記先行車の車速と、前記第2の目標車速算出手段によって算出される第2の目標車速とに基づいて、前記カーブ路における前記先行車の速度を推定する先行車速度推定手段と、
前記先行車が検出されなくなった時に前記車間距離検出手段によって検出された車間距離と、前記先行車速度推定手段によって推定される先行車の速度および前記車速検出手段によって検出される自車両の速度とに基づいて、自車両と前記先行車両との間の車間距離を推定する車間距離推定手段とをさらに備え、
前記第1の目標車速算出手段は、カーブ路において、前記先行車検出時には、前記車間距離検出手段によって検出される車間距離に基づいて前記第1の目標車速を算出し、前記先行車非検出時には、前記車間距離推定手段によって推定される車間距離に基づいて、前記第1の目標車速を算出し、
前記制御手段は、前記車速検出手段によって検出される車速が前記第1の目標車速算出手段によって算出される第1の目標車速と一致するように、自車両の走行を制御することを特徴とする車両用走行制御装置。 - 自車両の速度を検出し、
自車両の進路前方のカーブ路に対する自車両の走行位置を検出し、
先行車と自車両との相対的な位置関係を検出し、
前記位置関係に応じた第1の目標車速を算出し、
自車両が前記カーブ路を走行する際の第2の目標車速を予め算出し、
前記カーブ路を走行する際、先行車を検出しているときは、前記第2の目標車速よりも前記第1の目標車速を優先して自車両の車速を制御するとともに、先行車を検出できなくなったときは、検出できなくなる直前の先行車の前記カーブ路に対する位置、および、前記第2の目標車速に基づいて自車両の車速を制御することを特徴とする車両用走行制御方法。
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