JP2019215416A - 積層体、表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】表示装置に適用した際に、外光反射の低減と反射光の色味つきの抑制とがより高いレベルで両立できる積層体、および、表示装置を提供。【解決手段】光学異方性層、および、偏光子を含み、光学異方性層の波長425nmにおける面内レタデーションが100nm未満であり、光学異方性層の波長550nmにおける面内レタデーションが100〜160nmであり、光学異方性層の面内遅相軸と偏光子の吸収軸とのなす角度が45°±10°であり、光学異方性層が式(1)の関係を満たし、式(2)の関係を満たす、積層体。式(1) Re(450)/Re(550)<1.00式(2) T(425)/T(450)<0.80【選択図】図1

Description

本発明は、積層体、および、表示装置に関する。
従来から、外光反射による悪影響を抑制するために、λ/4板と直線偏光板とからなる円偏光板が表示装置に使用されている。表示装置としては、例えば、有機エレクトロルミネッセンス(EL)表示装置が挙げられる。円偏光板としては、特許文献1に記載されるように、逆波長分散性の光学異方性層を用いた態様が開示されている。
特開2015−200861号公報
上記円偏光板においては、表示装置に適用した際に、外光反射の低減と、反射光の色味つきの抑制とがより高いレベルで両立することが望まれている。
一方、本発明者が特許文献1について検討したところ、上記2つの特性のより高いレベルでの両立が必ずしも十分でなく、更なる改良が必要であった。
本発明は、上記実情に鑑みて、表示装置に適用した際に、外光反射の低減と反射光の色味つきの抑制とがより高いレベルで両立できる積層体を提供することを課題とする。
また、本発明は、表示装置を提供することも課題とする。
本発明者らは、従来技術の問題点について鋭意検討した結果、所定の要件を満たす積層体を用いることにより、上記課題を解決できることを見出した。
すなわち、以下の構成により上記課題を解決することができることを見出した。
(1) 光学異方性層、および、偏光子を含み、
光学異方性層の波長425nmにおける面内レタデーションが100nm未満であり、
光学異方性層の波長550nmにおける面内レタデーションが100〜160nmであり、
光学異方性層の面内遅相軸と偏光子の吸収軸とのなす角度が45°±10°であり、
光学異方性層が後述する式(1)の関係を満たし、
後述する式(2)の関係を満たす、積層体。
(2) T(450)が35%以上である、(1)に記載の積層体。
(3) 光学異方性層が後述する式(1−1)の関係を満たす、(1)または(2)に記載の積層体。
(4) 光学異方性層が後述する式(1−2)の関係を満たす、(1)〜(3)のいずれかに記載の積層体。
(5) 後述する式(3)の関係を満たす色素含有層を含む、(1)〜(4)のいずれかに記載の積層体。
(6) 色素含有層が、350nm以上450nm未満の波長範囲に極大吸収波長を有する化合物を含む、(5)に記載の積層体。
(7) 偏光子が、二色性色素を含む、(1)〜(6)のいずれかに記載の積層体。
(8) (1)〜(7)のいずれかに記載の積層体と、表示素子とを含む、表示装置。
(9) 表示素子が、有機エレクトロルミネッセンス表示素子である、(8)に記載の表示装置。
本発明によれば、表示装置に適用した際に、外光反射の低減と反射光の色味つきの抑制とがより高いレベルで両立できる積層体を提供できる。
また、本発明によれば、表示装置を提供できる。
本発明の積層体の一実施形態の断面図である。 本発明の積層体の他の実施形態の断面図である。 本発明の積層体の他の実施形態の断面図である。 10%値半幅を説明するための図である。
以下、本発明について詳細に説明する。なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。まず、本明細書で用いられる用語について説明する。
本発明において、Re(λ)およびRth(λ)は各々、波長λにおける面内のレタデーションおよび厚み方向のレタデーションを表す。例えば、Re(450)は、波長450nmにおける面内レタデーションを表す。特に記載がないときは、波長λは、550nmとする。
また、ReA(λ)およびRthA(λ)は、それぞれ、ポジティブAプレートの波長λnmにおける面内レタデーションおよび厚み方向のレタデーションを表す。また、ReC(λ)およびRthC(λ)は、それぞれ、ポジティブCプレートの波長λnmにおける面内レタデーションおよび厚み方向のレタデーションを表す。
本発明において、Re(λ)およびRth(λ)はAxoScan OPMF−1(オプトサイエンス社製)において、波長λで測定した値である。AxoScanにて平均屈折率((nx+ny+nz)/3)と膜厚(d(μm))を入力することにより、
遅相軸方向(°)
Re(λ)=R0(λ)
Rth(λ)=((nx+ny)/2−nz)×d
が算出される。
なお、R0(λ)は、特段の記載がない限り、AxoScan OPMF−1で算出される数値として表示されるものであるが、Re(λ)を意味している。
本明細書において、屈折率nx、ny、および、nzは、アッベ屈折率(NAR−4T、アタゴ(株)製)を使用し、光源にナトリウムランプ(λ=589nm)を用いて測定する。また、波長依存性を測定する場合は、多波長アッベ屈折計DR−M2(アタゴ(株)製)にて、干渉フィルタとの組み合わせで測定できる。
また、ポリマーハンドブック(JOHN WILEY&SONS,INC)、および、各種光学フィルムのカタログの値を使用できる。主な光学フィルムの平均屈折率の値を以下に例示する:セルロースアシレート(1.48)、シクロオレフィンポリマー(1.52)、ポリカーボネート(1.59)、ポリメチルメタクリレート(1.49)、および、ポリスチレン(1.59)。
なお、本明細書では、「可視光」とは、400〜700nmのことをいう。
また、本明細書において、角度(例えば「90°」などの角度)、およびその関係(例えば「直交」、「平行」、および「45°で交差」など)については、本発明が属する技術分野において許容される誤差の範囲を含むものとする。例えば、厳密な角度±10°の範囲内であることなどを意味し、厳密な角度との誤差は、5°以下であることが好ましく、3°以下であることがより好ましい。
なお、本明細書において、Aプレートは以下のように定義される。
Aプレートは、ポジティブAプレート(正のAプレート)とネガティブAプレート(負のAプレート)との2種があり、フィルム面内の遅相軸方向(面内での屈折率が最大となる方向)の屈折率をnx、面内の遅相軸と面内で直交する方向の屈折率をny、厚み方向の屈折率をnzとしたとき、ポジティブAプレートは式(A1)の関係を満たすものであり、ネガティブAプレートは式(A2)の関係を満たすものである。なお、ポジティブAプレートはRthが正の値を示し、ネガティブAプレートはRthが負の値を示す。
式(A1) nx>ny≒nz
式(A2) ny<nx≒nz
なお、上記「≒」とは、両者が完全に同一である場合だけでなく、両者が実質的に同一である場合も包含する。「実質的に同一」とは、例えば、(ny−nz)×d(ただし、dはフィルムの厚みである)が、−10〜10nm、好ましくは−5〜5nmの場合も「ny≒nz」に含まれ、(nx−nz)×dが、−10〜10nm、好ましくは−5〜5nmの場合も「nx≒nz」に含まれる。
Cプレートは、ポジティブCプレート(正のCプレート)とネガティブCプレート(負のCプレート)との2種があり、ポジティブCプレートは式(C1)の関係を満たすものであり、ネガティブCプレートは式(C2)の関係を満たすものである。なお、ポジティブCプレートはRthが負の値を示し、ネガティブCプレートはRthが正の値を示す。
式(C1) nz>nx≒ny
式(C2) nz<nx≒ny
なお、上記「≒」とは、両者が完全に同一である場合だけでなく、両者が実質的に同一である場合も包含する。「実質的に同一」とは、例えば、(nx−ny)×d(ただし、dはフィルムの厚みである)が、0〜10nm、好ましくは0〜5nmの場合も「nx≒ny」に含まれる。
本明細書において、偏光子の「吸収軸」は、吸光度の最も高い方向を意味する。「透過軸」は、「吸収軸」と90°の角度をなす方向を意味する。
本明細書において、ポジティブAプレートの「遅相軸」は、面内において屈折率が最大となる方向を意味する。
本明細書において表記される2価の基(例えば、−O−CO−)の結合方向は特に制限されず、例えば、後述する式(I)中のDが−O−CO−である場合、Ar側に結合している位置を*1、G側に結合している位置を*2とすると、Dは*1−O−CO−*2であってもよく、*1−CO−O−*2であってもよい。
以下に、本発明の積層体、および、表示装置について図面を参照して説明する。
<積層体>
図1に、本発明の積層体の第1実施形態の断面図を示す。
積層体10Aは、光学異方性層12と、色素含有層14と、偏光子16とをこの順で含む。
以下、積層体10Aに含まれる各部材について詳述する。
(光学異方性層)
光学異方性層の波長425nmにおける面内レタデーションは100nm未満であり、積層体を適用した表示装置の外光反射がより抑制される点、および、反射光の色味つきがより抑制される点の少なくとも一方の効果が得られる点(以下、「本発明の効果がより優れる点」ともいう)で、95nm以下が好ましく、90nm以下が好ましい。下限は特に制限されないが、0nm以上が好ましく、60nm以上がより好ましい。
光学異方性層の波長550nmにおける面内レタデーションが100〜160nmであり、本発明の効果がより優れる点で、120〜160nmがより好ましく、130〜150nmがさらに好ましい。
光学異方性層が式(1)の関係を満たす。
式(1) Re(450)/Re(550)<1.00
なかでも、反射率がより低減される点で、式(1−1)の関係を満たすことが好ましく、式(1−2)の関係を満たすことがより好ましい。
式(1−1) Re(450)/Re(550)≦0.82
式(1−2) Re(450)/Re(550)≦0.80
なお、Re(450)/Re(550)の下限は特に制限されないが、0.70以上が好ましく、0.75以上がより好ましい。
なお、Re(450)は光学異方性層の波長450nmにおける面内レタデーションを表し、Re(550)は光学異方性層の波長550nmにおける面内レタデーションを表す。
光学異方性層は、逆波長分散性を示すことが好ましい。なお、上記逆波長分散性は、可視光域において示されることが好ましい。
光学異方性層が逆波長分散性を示すとは、光学異方性層の面内レタデーションが逆波長分散性を示すことを意味する。つまり、光学異方性層の面内レタデーションが、測定波長が大きくなるにつれて大きくなることを意味する。なかでも、Re(450)/Re(550)、および、Re(650)/Re(550)は、以下の関係Xを満たすことが好ましい。
関係X:{Re(450)/Re(550)}<{Re(650)/Re(550)}
なお、Re(650)は、光学異方性層の波長650nmにおける面内レタデーションを表す。
光学異方性層のRe(650)/Re(550)は特に制限されないが、1.02〜1.17が好ましい。
光学異方性層の厚みは特に制限されず、面内レタデーションが所定の範囲となるように調整されるが、薄型化の点から、10μm以下が好ましく、0.5〜8.0μmがより好ましく、0.5〜6.0μmがさらに好ましい。
なお、本明細書において、光学異方性層の厚みとは、光学異方性層の平均厚みを意図する。上記平均厚みは、光学異方性層の任意の5点以上の厚みを測定して、それらを算術平均して求める。
光学異方性層は、液晶化合物を用いて形成される層であることが好ましい。光学異方性層の形成方法としては、後述するポジティブAプレートの形成方法と同様の手順が挙げられる。
光学異方性層は、単層構造であっても、複層構造であってもよい。
光学異方性層が単層構造である場合、光学異方性層はポジティブAプレートからなることが好ましい。
光学異方性層が複層構造である場合、光学異方性層はポジティブAプレートと、ポジティブCプレートとを含むことが好ましい。
以下、ポジティブAプレートおよびポジティブCプレートについて詳述する。
(ポジティブAプレート)
ポジティブAプレートの波長550nmにおける面内レタデーションReA(550)は、本発明の効果がより優れる点で、100〜160nmが好ましく、120〜160nmがより好ましく、130〜150nmがさらに好ましい。
ポジティブAプレートの波長550nmにおける厚み方向のレタデーションRthA(550)は、本発明の効果がより優れる点で、50〜80nmが好ましく、60〜80nmがより好ましく、65〜75nmがさらに好ましい。
ポジティブAプレートの波長425nmにおける面内レタデーションReA(425)は、本発明の効果がより優れる点で、100nm未満が好ましく、95nm以下が好ましく、90nm以下が好ましい。下限は特に制限されないが、0nm以上が好ましく、60nm以上がより好ましい。
ポジティブAプレートは、式(4)の関係を満たす。
式(4) ReA(450)/ReA(550)<1.00
なかでも、本発明の効果がより優れる点で、式(4−1)の関係を満たすことが好ましく、式(4−2)の関係を満たすことがより好ましい。
式(4−1) ReA(450)/ReA(550)≦0.82
式(4−2) ReA(450)/ReA(550)≦0.80
なお、ReA(450)/ReA(550)の下限は特に制限されないが、0.70以上が好ましく、0.75以上がより好ましい。
なお、ReA(450)はポジティブAプレートの波長450nmにおける面内レタデーションを表し、ReA(550)はポジティブAプレートの波長550nmにおける面内レタデーションを表す。
ポジティブAプレートは、逆波長分散性を示すことが好ましい。なお、上記逆波長分散性は、可視光域において示されることが好ましい。
ポジティブAプレートが逆波長分散性を示すとは、ポジティブAプレートの面内レタデーションが逆波長分散性を示すことを意味する。つまり、ポジティブAプレートの面内レタデーションが、測定波長が大きくなるにつれて大きくなることを意味する。なかでも、ReA(450)/ReA(550)、および、ReA(650)/ReA(550)は、以下の関係Yを満たすことが好ましい。
関係Y:{ReA(450)/ReA(550)}<{ReA(650)/ReA(550)}
ポジティブAプレートのRe(650)/Re(550)は特に制限されないが、1.02〜1.17が好ましい。
ポジティブAプレートの厚みは特に制限されず、面内レタデーションが所定の範囲となるように調整されるが、薄型化の点から、10μm以下が好ましく、0.5〜8.0μmがより好ましく、0.5〜6.0μmがさらに好ましい。
なお、本明細書において、ポジティブAプレートの厚みとは、ポジティブAプレートの平均厚みを意図する。上記平均厚みは、ポジティブAプレートの任意の5点以上の厚みを測定して、それらを算術平均して求める。
ポジティブAプレートは、単層構造であっても、複層構造であってもよい。
ポジティブAプレートは、液晶化合物を用いて形成される層であることが好ましい。ただし、面内レタデーションなど所定の特性を満たせば、他の材料で構成されていてもよい。例えば、ポリマーフィルム(特に、延伸処理が施されたポリマーフィルム)から形成されていてもよい。
なお、従来、有機エレクトロルミネッセンス表示素子(有機EL表示パネル)は剛直な平面型が主流であった。しかし、近年、折り畳みが可能なフレキシブルな有機EL表示素子が提案されている。このようなフレキシブルな有機EL表示素子に用いる円偏光板としては、それ自体がフレキシブル性に優れることが求められる。この観点からは、液晶化合物を用いて形成されたポジティブAプレートであれば、ポリマーフィルムよりもフレキシブル性に優れるため、フレキシブルな有機EL表示素子に好適に適用できる。
また、後段で詳述するポジティブCプレートも、上記理由から、液晶化合物を用いて形成されたポジティブCプレートであることが好ましい。
つまり、液晶化合物を用いて形成されたポジティブAプレートおよび液晶化合物を用いて形成されたポジティブCプレートを含む積層体であれば、フレキシブルな有機EL表示素子により好適に適用できる。
液晶化合物の種類は特に制限されないが、その形状から、棒状タイプ(棒状液晶化合物)と円盤状タイプ(円盤状液晶化合物。ディスコティック液晶化合物)とに分類できる。さらにそれぞれ低分子タイプと高分子タイプとがある。高分子とは一般に重合度が100以上のものを指す(高分子物理・相転移ダイナミクス,土井 正男 著,2頁,岩波書店,1992)。なお、2種以上の棒状液晶化合物、2種以上の円盤状液晶化合物、または、棒状液晶化合物と円盤状液晶化合物との混合物を用いてもよい。
ポジティブAプレートは、光学特性の温度変化および湿度変化を小さくできることから、重合性基を有する液晶化合物(棒状液晶化合物または円盤状液晶化合物)を用いて形成することがより好ましい。液晶化合物は2種類以上の混合物でもよく、その場合、少なくとも1つが2以上の重合性基を有していることが好ましい。
つまり、ポジティブAプレートは、重合性基を有する液晶化合物(棒状液晶化合物または円盤状液晶化合物)が重合などによって固定されて形成された層であることが好ましく、この場合、層となった後はもはや液晶性を示す必要はない。
上記重合性基の種類は特に制限されず、ラジカル重合またはカチオン重合が可能な重合性基が好ましい。
ラジカル重合性基としては、公知のラジカル重合性基を用いることができ、アクリロイル基またはメタアクリロイル基が好ましい。
カチオン重合性基としては、公知のカチオン重合性基を用いることができ、具体的には、脂環式エーテル基、環状アセタール基、環状ラクトン基、環状チオエーテル基、スピロオルソエステル基、および、ビニルオキシ基などが挙げられる。なかでも、脂環式エーテル基、または、ビニルオキシ基が好ましく、エポキシ基、オキセタニル基、または、ビニルオキシ基がより好ましい。
特に、好ましい重合性基の例としては下記が挙げられる。
なかでも、ポジティブAプレートを形成する際に用いられる液晶化合物としては、式(I)で表される化合物が好ましい。
式(I) L−SP−A−D−G−D−Ar−D−G−D−A−SP−L
上記式(I)中、D、D、DおよびDは、それぞれ独立に、単結合、−O−CO−、−C(=S)O−、−CR−、−CR−CR−、−O−CR−、−CR−O−CR−、−CO−O−CR−、−O−CO−CR−、−CR−O−CO−CR−、−CR−CO−O−CR−、−NR−CR−、または、−CO−NR−を表す。
、R、RおよびRは、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、または、炭素数1〜4のアルキル基を表す。
また、上記式(I)中、GおよびGは、それぞれ独立に、炭素数5〜8の2価の脂環式炭化水素基を表し、脂環式炭化水素基を構成する−CH−の1個以上が−O−、−S−または−NH−で置換されていてもよい。
また、上記式(I)中、AおよびAは、それぞれ独立に、単結合、炭素数6以上の芳香環、または、炭素数6以上のシクロアルキレン環を表す。
また、上記式(I)中、SPおよびSPは、それぞれ独立に、単結合、炭素数1〜14の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキレン基、または、炭素数1〜14の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキレン基を構成する−CH−の1個以上が−O−、−S−、−NH−、−N(Q)−、もしくは、−CO−に置換された2価の連結基を表し、Qは、重合性基を表す。
また、上記式(I)中、LおよびLは、それぞれ独立に1価の有機基(例えば、アルキル基、または、重合性基)を表す。
なお、Arが後述する式(Ar−1)、式(Ar−2)、式(Ar−4)、または、式(Ar−5)で表される基である場合、LおよびLの少なくとも一方は重合性基を表す。また、Arが、後述する式(Ar−3)で表される基である場合は、LおよびLならびに下記式(Ar−3)中のLおよびLの少なくとも1つが重合性基を表す。
上記式(I)中、GおよびGが示す炭素数5〜8の2価の脂環式炭化水素基としては、5員環または6員環が好ましい。また、脂環式炭化水素基は、飽和脂環式炭化水素基でも不飽和脂環式炭化水素基でもよいが、飽和脂環式炭化水素基が好ましい。GおよびGで表される2価の脂環式炭化水素基としては、例えば、特開2012−21068号公報の段落0078の記載を参酌でき、この内容は本明細書に組み込まれる。
上記式(I)中、AおよびAが示す炭素数6以上の芳香環としては、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、および、フェナンスロリン環などの芳香族炭化水素環;フラン環、ピロール環、チオフェン環、ピリジン環、チアゾール環、および、ベンゾチアゾール環などの芳香族複素環;が挙げられる。なかでも、ベンゼン環(例えば、1,4−フェニル基など)が好ましい。
また、上記式(I)中、AおよびAが示す炭素数6以上のシクロアルキレン環としては、例えば、シクロヘキサン環、および、シクロヘキセン環などが挙げられ、なかでも、シクロヘキサン環(例えば、シクロヘキサン−1,4−ジイル基など)が好ましい。
上記式(I)中、SPおよびSPが示す炭素数1〜14の直鎖状または分岐鎖状のアルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、または、ブチレン基が好ましい。
上記式(I)中、LおよびLで表される重合性基は、特に制限されないが、ラジカル重合性基(ラジカル重合可能な基)またはカチオン重合性基(カチオン重合可能な基)が好ましい。
ラジカル重合性基の好適範囲は、上述の通りである。
一方、上記式(I)中、Arは、下記式(Ar−1)〜(Ar−5)で表される基からなる群から選択されるいずれかの芳香環を表す。なお、下記式(Ar−1)〜(Ar−5)中、*1はDとの結合位置を表し、*2はDとの結合位置を表す。
ここで、上記式(Ar−1)中、Qは、NまたはCHを表し、Qは、−S−、−O−、または、−N(R)−を表し、Rは、水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を表し、Yは、置換基を有してもよい、炭素数6〜12の芳香族炭化水素基、または、炭素数3〜12の芳香族複素環基を表す。
が示す炭素数1〜6のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、および、n−ヘキシル基などが挙げられる。
が示す炭素数6〜12の芳香族炭化水素基としては、例えば、フェニル基、2,6−ジエチルフェニル基、および、ナフチル基などのアリール基が挙げられる。
が示す炭素数3〜12の芳香族複素環基としては、例えば、チエニル基、チアゾリル基、フリル基、ピリジル基、および、ベンゾフリル基などのヘテロアリール基が挙げられる。なお、芳香族複素環基には、ベンゼン環と芳香族複素環とが縮合した基も含まれる。
また、Yが有していてもよい置換基としては、例えば、アルキル基、アルコキシ基、ニトロ基、アルキルスルホニル基、アルキルオキシカルボニル基、シアノ基、および、ハロゲン原子などが挙げられる。
アルキル基としては、例えば、炭素数1〜18の直鎖状、分岐鎖状または環状のアルキル基が好ましく、炭素数1〜8のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、および、シクロヘキシル基)がより好ましく、炭素数1〜4のアルキル基がさらに好ましく、メチル基またはエチル基が特に好ましい。
アルコキシ基としては、例えば、炭素数1〜18のアルコキシ基が好ましく、炭素数1〜8のアルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−ブトキシ基、および、メトキシエトキシ基)がより好ましく、炭素数1〜4のアルコキシ基がさらに好ましく、メトキシ基またはエトキシ基が特に好ましい。
ハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、および、ヨウ素原子などが挙げられ、フッ素原子、または、塩素原子が好ましい。
また、上記式(Ar−1)〜(Ar−5)中、Z、ZおよびZは、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜20の1価の脂肪族炭化水素基、炭素数3〜20の1価の脂環式炭化水素基、炭素数6〜20の1価の芳香族炭化水素基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、−NR、または、−SRを表し、R〜Rは、それぞれ独立に、水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を表し、ZおよびZは、互いに結合して環を形成してもよい。環は、脂環式、複素環、および、芳香環のいずれであってもよく、芳香環であることが好ましい。なお、形成される環には、置換基が置換していてもよい。
炭素数1〜20の1価の脂肪族炭化水素基としては、炭素数1〜15のアルキル基が好ましく、炭素数1〜8のアルキル基がより好ましく、メチル基、エチル基、イソプロピル基、tert−ペンチル基(1,1−ジメチルプロピル基)、tert−ブチル基、または、1,1−ジメチル−3,3−ジメチル−ブチル基がさらに好ましく、メチル基、エチル基、または、tert−ブチル基が特に好ましい。
炭素数3〜20の1価の脂環式炭化水素基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロデシル基、メチルシクロヘキシル基、および、エチルシクロヘキシル基などの単環式飽和炭化水素基;シクロブテニル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、シクロヘプテニル基、シクロオクテニル基、シクロデセニル基、シクロペンタジエニル基、シクロヘキサジエニル基、シクロオクタジエニル基、および、シクロデカジエン基などの単環式不飽和炭化水素基;ビシクロ[2.2.1]ヘプチル基、ビシクロ[2.2.2]オクチル基、トリシクロ[5.2.1.02,6]デシル基、トリシクロ[3.3.1.13,7]デシル基、テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデシル基、および、アダマンチル基などの多環式飽和炭化水素基;が挙げられる。
炭素数6〜20の1価の芳香族炭化水素基としては、例えば、フェニル基、2,6−ジエチルフェニル基、ナフチル基、および、ビフェニル基などが挙げられ、炭素数6〜12のアリール基(特にフェニル基)が好ましい。
ハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、および、ヨウ素原子などが挙げられ、フッ素原子、塩素原子、または、臭素原子が好ましい。
一方、R〜Rが示す炭素数1〜6のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、および、n−ヘキシル基などが挙げられる。
また、上記式(Ar−2)および(Ar−3)中、AおよびAは、それぞれ独立に、−O−、−N(R)−、−S−、および、−CO−からなる群から選択される基を表し、Rは、水素原子または置換基を表す。
が示す置換基としては、上記式(Ar−1)中のYが有していてもよい置換基と同様のものが挙げられる。
また、上記式(Ar−2)中、Xは、水素原子または置換基が結合していてもよい第14〜16族の非金属原子を表す。
また、Xが示す第14族〜第16族の非金属原子としては、例えば、酸素原子、硫黄原子、置換基を有する窒素原子、置換基を有する炭素原子が挙げられ、置換基としては、上記式(Ar−1)中のYが有していてもよい置換基と同様のものが挙げられる。
また、上記式(Ar−3)中、DおよびDは、それぞれ独立に、単結合、−O−CO−、−C(=S)O−、−CR−、−CR−CR−、−O−CR−、−CR−O−CR−、−CO−O−CR−、−O−CO−CR−、−CR−O−CO−CR−、−CR−CO−O−CR−、−NR−CR−、または、−CO−NR−を表す。R、R、RおよびRは、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、または、炭素数1〜4のアルキル基を表す。
また、上記式(Ar−3)中、SPおよびSPは、それぞれ独立に、単結合、炭素数1〜12の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキレン基、または、炭素数1〜12の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキレン基を構成する−CH−の1個以上が−O−、−S−、−NH−、−N(Q)−、もしくは、−CO−に置換された2価の連結基を表し、Qは、重合性基を表す。
また、上記式(Ar−3)中、LおよびLは、それぞれ独立に1価の有機基(例えば、アルキル基、または、重合性基)を表し、上述したように、LおよびLならびに上記式(I)中のLおよびLの少なくとも1つが重合性基を表す。
また、上記式(Ar−4)〜(Ar−5)中、Axは、芳香族炭化水素環および芳香族複素環からなる群から選ばれる少なくとも1つの芳香環を有する、炭素数2〜30の有機基を表す。
また、上記式(Ar−4)〜(Ar−5)中、Ayは、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基、または、芳香族炭化水素環および芳香族複素環からなる群から選択される少なくとも1つの芳香環を有する、炭素数2〜30の有機基を表す。
ここで、AxおよびAyにおける芳香環は、置換基を有していてもよく、AxとAyとが結合して環を形成していてもよい。
また、Qは、水素原子、または、置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基を表す。
AxおよびAyとしては、国際公開第2014/010325号パンフレットの段落0039〜0095に記載されたものが挙げられる。
また、Qが示す炭素数1〜6のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、および、n−ヘキシル基などが挙げられ、置換基としては、上記式(Ar−1)中のYが有していてもよい置換基と同様のものが挙げられる。
なかでも、本発明の効果がより優れる点で、AおよびAの少なくとも一方が、炭素数6以上のシクロアルキレン環であることが好ましく、AおよびAの一方が、炭素数6以上のシクロアルキレン環であることがより好ましい。
ポジティブAプレートの形成方法は特に制限されず、公知の方法が挙げられる。
なかでも、面内レタデーションの制御がしやすい点から、重合性基を有する液晶化合物(以後、単に「重合性液晶化合物」とも称する)を含むポジティブAプレート形成用組成物(以後、単に「組成物」とも称する)を塗布して塗膜を形成し、塗膜に配向処理を施して重合性液晶化合物を配向させ、得られた塗膜に対して硬化処理(紫外線の照射(光照射処理)または加熱処理)を施して、ポジティブAプレートを形成する方法が好ましい。
以下、上記方法の手順について詳述する。
まず、支持体上に、組成物を塗布して塗膜を形成し、塗膜に配向処理を施して重合性液晶化合物を配向させる。
使用される組成物は、重合性液晶化合物を含む。重合性液晶化合物の定義は、上述した通りである。
組成物中における重合性液晶化合物の含有量は特に制限されないが、ポジティブAプレートの面内レタデーションの制御がしやすい点から、組成物中の全固形分に対して、50質量%以上が好ましく、70質量%以上がより好ましく、90質量%以上がさらに好ましい。上限は特に制限されないが、99質量%以下の場合が多い。
なお、組成物中の全固形分には、溶媒は含まれない。
上記組成物には、上述した重合性液晶化合物以外の成分が含まれていてもよい。
例えば、組成物には、重合性基を有さない液晶化合物が含まれていてもよい。重合性基を有さない液晶化合物としては、例えば、式(I)中のLおよびLがいずれも重合性基以外の基である液晶化合物が挙げられる。
また、組成物には、重合開始剤が含まれていてもよい。使用される重合開始剤は、重合反応の形式に応じて選択され、例えば、熱重合開始剤、および、光重合開始剤が挙げられる。例えば、光重合開始剤としては、α−カルボニル化合物、アシロインエーテル、α−炭化水素置換芳香族アシロイン化合物、多核キノン化合物、および、トリアリールイミダゾールダイマーとp−アミノフェニルケトンとの組み合わせなどが挙げられる。
組成物中における重合開始剤の含有量は、組成物の全固形分に対して、0.01〜20質量%が好ましく、0.5〜5質量%がより好ましい。
また、組成物には、重合性モノマーが含まれていてもよい。
重合性モノマーとしては、ラジカル重合性またはカチオン重合性の化合物が挙げられる。なかでも、多官能性ラジカル重合性モノマーが好ましい。また、重合性モノマーとしては、上記の重合性基を有する液晶化合物と共重合性のモノマーが好ましい。例えば、特開2002−296423号公報中の段落[0018]〜[0020]に記載の重合性モノマーが挙げられる。
組成物中における重合性モノマーの含有量は、重合性液晶化合物の全質量に対して、1〜50質量%が好ましく、2〜30質量%がより好ましい。
また、組成物には、界面活性剤が含まれていてもよい。
界面活性剤としては、従来公知の化合物が挙げられるが、特にフッ素系化合物が好ましい。例えば、特開2001−330725号公報中の段落[0028]〜[0056]に記載の化合物、および、特願2003−295212号明細書中の段落[0069]〜[0126]に記載の化合物が挙げられる。
また、組成物には、溶媒が含まれていてもよい。溶媒としては、有機溶媒が好ましい。有機溶媒としては、アミド(例:N,N−ジメチルホルムアミド)、スルホキシド(例:ジメチルスルホキシド)、ヘテロ環化合物(例:ピリジン)、炭化水素(例:ベンゼン、ヘキサン)、アルキルハライド(例:クロロホルム、ジクロロメタン)、エステル(例:酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル)、ケトン(例:アセトン、メチルエチルケトン)、および、エーテル(例:テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン)が挙げられる。なお、2種類以上の有機溶媒を併用してもよい。
また、組成物には、垂直配向剤、および、水平配向剤などの各種配向制御剤が含まれていてもよい。これらの配向制御剤は、界面側において液晶化合物を水平または垂直に配向制御可能な化合物である。
さらに、組成物には、上記成分以外に、密着改良剤、可塑剤、および、ポリマーなどが含まれていてもよい。
使用される支持体は、組成物を塗布するための基材として機能を有する部材である。支持体は、組成物を塗布および硬化させた後に剥離される仮支持体であってもよい。
支持体(仮支持体)としては、プラスチックフィルムの他、ガラス基板を用いてもよい。プラスチックフィルムを構成する材料としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)などのポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、(メタ)アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリオレフィン樹脂、セルロース誘導体、シリコーン樹脂、および、ポリビニルアルコール(PVA)などが挙げられる。
支持体の厚みは、5〜1000μm程度であればよく、10〜250μmが好ましく、15〜90μmがより好ましい。
なお、必要に応じて、支持体上には、配向膜を配置してもよい。
配向膜は、一般的には、ポリマーを主成分とする。配向膜用ポリマーとしては、多数の文献に記載があり、多数の市販品を入手できる。利用されるポリマーは、ポリビニルアルコール、ポリイミド、または、その誘導体が好ましい。
なお、配向膜には、公知のラビング処理が施されることが好ましい。
また、配向膜としては、いわゆる光配向膜を用いてもよい。
配向膜の厚みは、0.01〜10μmが好ましく、0.01〜1μmがより好ましい。
組成物の塗布方法としては、カーテンコーティング法、ディップコーティング法、スピンコーティング法、印刷コーティング法、スプレーコーティング法、スロットコーティング法、ロールコーティング法、スライドコーティング法、ブレードコーティング法、グラビアコーティング法、および、ワイヤーバー法などが挙げられる。いずれの方法で塗布する場合においても、単層塗布が好ましい。
支持体上に形成された塗膜に、配向処理を施して、塗膜中の重合性液晶化合物を配向させる。
配向処理は、室温により塗膜を乾燥させる、または、塗膜を加熱することにより行うことができる。配向処理で形成される液晶相は、サーモトロピック性液晶化合物の場合、一般に温度または圧力の変化により転移させることができる。リオトロピック性液晶化合物の場合には、溶媒量などの組成比によっても転移させることができる。
なお、塗膜を加熱する場合の条件は特に制限されないが、加熱温度としては50〜150℃が好ましく、加熱時間としては10秒間〜5分間が好ましい。
次に、重合性液晶化合物が配向された塗膜に対して硬化処理を施す。
重合性液晶化合物が配向された塗膜に対して実施される硬化処理の方法は特に制限されず、例えば、光照射処理および加熱処理が挙げられる。なかでも、製造適性の点から、光照射処理が好ましく、紫外線照射処理がより好ましい。
光照射処理の照射条件は特に制限されないが、50〜1000mJ/cmの照射量が好ましい。
(ポジティブCプレート)
ポジティブCプレートの波長550nmにおける厚み方向のレタデーションであるRthC(550)は特に制限されないが、本発明の効果がよりすぐれる点で、−90〜−50nmが好ましく、−80〜−60nmがより好ましく、−75〜−65nmがさらに好ましい。
ポジティブCプレートの波長550nmにおける面内レタデーションReC(550)は、本発明の効果がより優れる点で、0〜20nmが好ましく、0〜10nmがより好ましい。
ポジティブCプレートは、本発明の効果がより優れる点で、逆波長分散性を示すことが好ましい。なお、上記逆波長分散性は、可視光域において示されることが好ましい。
ポジティブCプレートが逆波長分散性を示すとは、ポジティブCプレートの厚み方向のレタデーションが逆波長分散性を示すことを意味する。つまり、ポジティブCプレートの厚み方向のレタデーションが、測定波長が大きくなるにつれて大きくなることを意味する。言い換えると、後述するRthC(450)/RthC(550)、および、RthC(650)/RthC(550)は、以下の関係Zを満たすことが好ましい。
関係Z:{RthC(450)/RthC(550)}<{RthC(650)/RthC(550)}
ポジティブCプレートの厚みは特に制限されず、薄型化の点から、6μm以下が好ましく、0.5〜5.0μmがより好ましく、1〜3.0μmがさらに好ましい。
なお、本明細書において、ポジティブCプレートの厚みとは、ポジティブCプレートの平均厚みを意図する。上記厚みは、ポジティブCプレートの任意の5点以上の厚みを測定して、それらを算術平均して求める。
ポジティブCプレートを構成する材料は上記特性を示せば特に制限されず、上述したポジティブAプレートで述べた態様が挙げられる。なかでも、上記特性の制御がしやすい点で、ポジティブCプレートは、重合性基を有する液晶化合物(棒状液晶化合物または円盤状液晶化合物)が重合などによって固定されて形成された層であることが好ましく、この場合、層となった後はもはや液晶性を示す必要はない。なかでも、ポジティブCプレートは、ポジティブAプレートと同様に、式(I)で表される化合物を用いて形成されることが好ましい。
ポジティブCプレートの形成方法は特に制限されず、公知の方法が採用でき、例えば、上述したポジティブAプレートを形成する方法が挙げられる。
なお、ポジティブAプレートが液晶化合物を含む組成物Aを用いて形成され、ポジティブCプレートも液晶化合物を含む組成物Cを用いて形成される場合、組成物A中に含まれる液晶化合物と組成物C中に含まれる液晶化合物とは同一の種類であることが好ましい。
(色素含有層)
色素含有層には、所定の吸収特性を示す色素が含まれる。積層体の第1実施形態においては、色素含有層が含まれることにより、後述する式(2)の関係が達成される。
色素含有層に含まれる色素は特に制限されないが、350nm以上450nm未満の波長範囲に極大吸収波長を有する化合物(以後、「特定化合物」ともいう)が好ましい。
なかでも、特定化合物の極大吸収波長は、350〜410nmの波長範囲にあることが好ましく、370〜410nmの波長範囲にあることがより好ましい。
上記極大吸収波長の測定方法は、特定化合物5mgをクロロホルム1000mLに溶解させた溶液を用いて、分光光度計(UV−3150 島津製作所製)にて吸収スペクトル(測定範囲:300〜700nm)を測定して、極大吸収波長を求める。
色素含有層に含まれる色素の吸収スペクトルにおける長波長側の吸収の形状は特に制限されないが、積層体を適用した表示装置の反射光の色味つきがより抑制される点で、下記式で表される10%値半幅が、100nm以下であることが好ましく、60nm以下であることがより好ましい。下限は特に制限されないが、30nm以上の場合が多い。
10%値半幅 = λ10% − λmax
図4に示すように、λmaxは極大吸収波長を表し、λ10%は極大吸収波長よりも長波長側に位置し、上記極大吸収波長の吸光度(Absmax)の1/10となる吸光度(Abs10%)となる波長を表し、10%値半幅は図9中のWに該当する。
上記λmaxおよびλ10%は、特定化合物5mgをクロロホルム1000mLに溶解させた溶液を用いて、分光光度計(UV−3150 島津製作所製)にて吸収スペクトルを測定して、それぞれを求める。
色素含有層の波長450nmにおける吸光度に対する波長425nmにおける吸光度の比(色素含有層の波長425nmにおける吸光度/色素含有層の波長450nmにおける吸光度)は特に制限されないが、0.300以下が好ましく、積層体を適用した表示装置の反射光の色味つきがより抑制される点で、式(3)の関係を満たすことがより好ましく、式(3−1)の関係を満たすことがさらに好ましい。
式(3) A(425)/A(450)<0.200
式(3−1) A(425)/A(450)≦0.100
A(425)は、波長425nmにおける色素含有層の吸光度を表す。A(450)は、波長450nmにおける色素含有層の吸光度を表す。
A(425)/A(450)の下限は特に制限されないが、0.0001以上の場合が多い。
上記色素含有層の波長450nmにおける吸光度および波長425nmにおける吸光度は、可視域に吸収をもたない基材上に色素含有層を作製し、分光光度計(UV−3150 島津製作所製)にて測定したスペクトルより求めることができる。
色素含有層に含まれる色素の分子量は特に制限されないが、溶解性の点から、1000以下が好ましく、600以下がより好ましい。下限は特に制限されないが、200以上の場合が多い。
色素含有層に含まれる色素は特に制限さないが、ジメチン化合物(ジメチン骨格を有する化合物)、アゾ化合物(アゾ骨格を有する化合物)、アゾメチン化合物(アゾメチン骨格を有する化合物)、ピラゾロン化合物(ピラゾロン骨格を有する化合物)、ベンゾフェノン化合物(ベンゾフェノン骨格を有する化合物)、ベンゾトリアゾール化合物(ベンゾトリアゾール骨格を有する化合物)、ベンゾオキサジノン化合物(ベンゾオキサジノン骨格を有する化合物)、キノリン化合物(キノリン骨格を有する化合物)、キノフタロン化合物(キノフタロン骨格を有する化合物)、ナフタレン化合物(ナフタレン骨格を有する化合物)、および、アントラセン化合物(アントラセン骨格を有する化合物)が挙げられる。
なお、上記で例示する化合物は、所定の基本骨格を有していれば他の骨格または置換基を有していてもよい。例えば、ナフタレン化合物としては、ナフタレン骨格を有していれば他の環構造を含んでいてもよいし、所定の置換基(例えば、アルキル基)を含んでいてもよい。
色素としては、より具体的には、市販の紫外線吸収剤、特開2017−142412号公報で例示される光選択吸収性化合物、および、特許第5236293号公報に記載される化合物が挙げられる。
色素含有層中における色素の含有量は特に制限されないが、本発明の効果がより優れる点で、色素含有量全質量に対して、0.01〜10質量%が好ましく、0.01〜5質量%がより好ましい。
色素含有層は、上述した色素以外に、他の成分を含んでいてもよい。
他の成分としては、樹脂が挙げられる。
樹脂は特に制限されないが、例えば、(メタ)アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリオレフィン樹脂、セルロース誘導体、および、シリコーン樹脂が挙げられる。
色素含有層中における樹脂の含有量は特に制限されないが、本発明の効果がより優れる点で、色素含有量全質量に対して、50〜99.9質量%が好ましく、80〜99質量%がより好ましい。
色素含有層は、いわゆる貼合層(色素含有貼合層)であってもよい。つまり、上述した光学異方性層と後述する偏光子との密着性を向上させる層であってもよい。
貼合層としては、公知の各種の材料からなる層が挙げられる。例えば、貼り合わせる際には流動性を有し、その後、固体になる、接着剤からなる層(接着剤層)でも、貼り合わせる際にゲル状(ゴム状)の柔らかい固体で、その後もゲル状の状態が変化しない、粘着剤からなる層(粘着剤層)でもよい。つまり、色素含有層は、色素を含む接着剤層、または、色素を含む粘着剤層であってもよい。
色素含有層が粘着剤層(色素含有粘着剤層)である場合、樹脂としては、(メタ)アクリル樹脂が好ましい。
(メタ)アクリル樹脂は、アルキル(メタ)アクリレート由来の繰り返し単位を含むことが好ましい。アルキル(メタ)アクリレートとしては、直鎖状または分岐鎖状の炭素数1〜24のアルキル(メタ)アクリレートが挙げられる。アルキル(メタ)アクリレートとしては、例えば、n−ブチル(メタ)アクリレート、s−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、n−ペンチル(メタ)アクリレート、イソペンチル(メタ)アクリレート、イソヘキシル(メタ)アクリレート、イソヘプチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、および、イソノニル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
また、(メタ)アクリル樹脂は、極性基を有する単量体由来の繰り返し単位を含むことが好ましい。極性基としては、カルボキシル基、水酸基、アミノ基、および、エポキシ基などが挙げられる。極性基を有する単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−または3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、および、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートなどの水酸基を有する不飽和単量体;アクリロイルモルホリン、ビニルカプロラクタム、N−ビニル−2−ピロリドン、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性テトラヒドロフルフリルアクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、および、2,5−ジヒドロフラン、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
(メタ)アクリル樹脂中におけるアルキル(メタ)アクリレート由来の繰り返し単位の含有量は、(メタ)アクリル樹脂の全繰り返し単位に対して、50〜99.9質量%が好ましく、70〜99.9質量%がより好ましい。
(メタ)アクリル樹脂中における極性基を有する単量体由来の繰り返し単位の含有量は、(メタ)アクリル樹脂の全繰り返し単位に対して、0.1〜50質量%が好ましく、0.1〜30質量%がより好ましい。
色素含有層の製造方法は特に制限されず、例えば、色素、および、樹脂またはその前駆体(いわゆるモノマー)を含む組成物を所定の基材上に塗布して塗膜を形成し、必要に応じて、塗膜に対して硬化処理を施す方法が挙げられる。
硬化処理の方法としては、例えば、光照射処理、および、加熱処理が挙げられる。
色素含有層の厚みは特に制限されないが、膜厚精度および薄型化の点から、0.3〜50μmが好ましく、1〜20μmがより好ましい。
(偏光子)
偏光子は、自然光を特定の直線偏光に変換する機能を有するいわゆる直線偏光子であればよい。偏光子としては、特に限定されないが、吸収型偏光子が挙げられる。
偏光子の種類は特に制限はなく、例えば、ヨウ素系偏光子、二色性色素を利用した色素系偏光子、ポリエン系偏光子、および、ワイヤーグリッドを用いた偏光子が挙げられる。ヨウ素系偏光子、および、色素系偏光子は、一般に、ポリビニルアルコールにヨウ素または二色性色素を吸着させ、延伸することで作製される。
偏光子の膜厚は、50μm以下が好ましく、30μm以下がより好ましく、20μm以下がさらに好ましい。また、偏光子の膜厚は、0.1μm以上が好ましく、1μm以上がより好ましく、5μm以上がさらに好ましく、8μm以上が特に好ましい。
偏光子としては、可視域に吸収を有する二色性色素を含むサーモトロピック液晶組成物を用い、塗布等により作製した塗布型偏光子も好ましい。塗布型偏光子を用いることにより、ポリビニルアルコールを延伸した偏光子に対して、さらなる薄膜化が実現できる。また、曲げ等の外力が付加された場合においても、光学特性の変化が少ない偏光子を提供できる。
二色性色素を含むサーモトロピック液晶組成物としては、例えば、特開2011−237513号公報に記載されているサーモトロピック液晶性二色性色素、及び、少なくとも1種のサーモトロピック液晶性高分子を含有する組成物、ならびに、特開2012−141597号公報に記載されている重合性液晶化合物、二色性色素、および、重合開始剤を含有する組成物が挙げられる。
上述した塗布型偏光子の膜厚としては、250nm以上が好ましく、350nm以上がより好ましく、450nm以上がさらに好ましく、1000nm以下が好ましく、800nm以下がより好ましい。
偏光子の厚みは特に制限されないが、取り扱い性に優れると共に、光学特性にも優れる点より、35μm以下が好ましく、3〜25μmがより好ましく、4〜15μmがさらに好ましい。上記厚みであれば、画像表示装置の薄型化にも対応可能となる。
光学異方性層の面内遅相軸と偏光子の吸収軸とのなす角度θは、45±10°である。つまり、上記角度θは、35〜55°が好ましい。なかでも、本発明の効果がより優れる点で、光学異方性層の面内遅相軸と偏光子の吸収軸とのなす角度θは、40〜50°がより好ましく、42〜48°がさらに好ましい。
なお、上記角度とは、光学異方性層表面の法線方向から視認した際の、光学異方性層の面内遅相軸と偏光子の吸収軸とのなす角度を意図する。
(積層体)
積層体は、上述した光学異方性層、色素含有層、および、偏光子を含む。
積層体は、式(2)の関係を満たす。
式(2) T(425)/T(450)<0.80
T(425)は積層体の波長425nmにおける透過率を表し、T(450)は積層体の波長450nmにおける透過率を表す。
なかでも、積層体を適用した表示装置の反射光の色味つきがより抑制される点で、T(425)/T(450)は0.70より小さいことが好ましい。下限は特に制限されないが、0.10以上の場合が多く、0.30以上の場合が多い。
T(425)の範囲は特に制限されないが、積層体を適用した表示装置の反射光の色味つきがより抑制される点で、0〜30%が好ましく、5〜20%がより好ましい。
T(450)の範囲は特に制限されないが、積層体を適用した表示装置の反射光の色味つきがより抑制される点で、30%以上が好ましく、35%以上がより好ましい。
上記T(425)およびT(450)は、分光光度計(UV−3150;(株)島津製作所製)により測定する。
積層体は、上記式(2)の関係を満たせば、光学異方性層、色素含有層、および、偏光子以外の層を含んでいてもよい。
例えば、積層体は、液晶化合物の配向方向を規定する機能を有する配向膜を含んでいてもよい。配向膜の配置位置は特に制限されないが、例えば、光学異方性層に隣接する位置に配置される。
配向膜を構成する材料、および、配向膜の厚みは、上述した通りである。
また、積層体は、接着剤層および粘着剤層などの貼合層を含んでいてもよい。貼合層は、例えば、各層間を接着するための2つの層の間に配置されていてもよい。
また、積層体は、支持体を含んでいてもよい。支持体としては、いわゆる透明支持体が好ましい。
また、透明支持体としては、公知の透明支持体が挙げられる。また、透明支持体を形成する材料としては、トリアセチルセルロースに代表されるセルロース系ポリマー(以下、セルロースアシレートという)、熱可塑性ノルボルネン系樹脂(日本ゼオン(株)製のゼオネックスおよびゼオノア、ならびに、JSR(株)製のアートンなど)、(メタ)アクリル系樹脂、および、ポリエステル系樹脂が挙げられる。
また、積層体は、偏光子上に保護層(偏光子保護層)を含んでいてもよい。
偏光子保護層の構成は特に制限されず、例えば、透明支持体またはハードコート層であってもよく、透明支持体とハードコート層との積層体であってもよい。
ハードコート層としては、公知の層を使用でき、例えば、上述した多官能モノマーを重合硬化して得られる層であってもよい。
また、透明支持体としては、公知の透明支持体が挙げられる。また、透明支持体を形成する材料としては、トリアセチルセルロースに代表されるセルロース系ポリマー(以下、セルロースアシレートという)、熱可塑性ノルボルネン系樹脂(日本ゼオン(株)製のゼオネックスおよびゼオノア、ならびに、JSR(株)製のアートンなど)、(メタ)アクリル系樹脂、および、ポリエステル系樹脂が挙げられる。
偏光子保護フィルムの厚みは特に限定されないが、円偏光板の厚みを薄くできる点から、40μm以下が好ましく、25μm以下がより好ましい。
積層体の製造方法は特に制限されず、例えば、それぞれ用意した光学異方性層、色素含有層、および、偏光子を貼合層を介して貼り合わせる方法が挙げられる。
上記円偏光板は、種々の用途に適用でき、特に、反射防止用途に好適に適用できる。より具体的には、有機EL表示装置などの表示装置の反射防止用途に好適に適用できる。
上記第1実施形態においては、光学異方性層と偏光子との間に色素含有層が含まれる形態について述べたが、本発明はこの形態に限定されない。
例えば、図2に示すように、積層体10Bは、色素含有層14、偏光子16、および、光学異方性層12をこの順に含んでいてもよい。つまり、色素含有層14は、偏光子16の光学異方性層12側とは反対側に配置されていてもよい。
また、図3に示すように、積層体10Cは、偏光子16、光学異方性層12、および、色素含有層14をこの順に含んでいてもよい。つまり、色素含有層14は、光学異方性層12の偏光子16側とは反対側に配置されていてもよい。
また、上述したように、光学異方性層が複数の層で構成される場合、上記複数の層の間に色素含有層が配置されていてもよい。
さらに、積層体が式(2)の関係を満たせば、積層体は色素含有層を含んでいなくてもよい。例えば、光学異方性層または偏光子が上述した色素含有層に含まれる色素を含むことにより、色素含有層を含まない積層体であっても式(2)の関係を満たすことができる。
<表示装置>
本発明の表示装置は、上述した積層体と、表示素子とを含む。
積層体を外光反射防止用途に適用する際には、視認側に積層体を配置して、偏光子を光学異方性層よりも視認側に配置する。
積層体の構成は、上述した通りである。
表示素子としては、公知の表示素子が挙げられる。なかでも、有機EL表示素子が好ましい。有機EL表示素子は、電極間(陰極および陽極間)に有機発光層(有機エレクトロルミネッセンス層)を挟持してなる表示素子である。
以下に、実施例および比較例を挙げて本発明の特徴をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、および、処理手順は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更できる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
<比較例1>
(光配向膜の作製)
Langmuir,32(36),9245−9253(2016年)に記載された方法に従い、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)(東京化成試薬)と以下に示す桂皮酸クロリド誘導体を用いて、以下に示すモノマーm−1を合成した。
桂皮酸クロリド誘導体
モノマーm−1
冷却管、温度計、および、撹拌機を備えたフラスコに、溶媒として2−ブタノン(5質量部)を仕込み、フラスコ内に窒素を5mL/min流しながら、水浴加熱により還流させた。得られた溶液に、モノマーm−1(5質量部)、サイクロマーM100(ダイセル社製)(5質量部)、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)(1質量部)、および、2−ブタノン(5質量部)を混合した溶液を3時間かけて滴下し、得られた反応液をさらに3時間還流状態を維持したまま撹拌した。反応終了後、反応液を室温まで放冷し、2−ブタノン(30質量部)を加えて希釈することで約20質量%の反応液を得た。得られた反応液を大過剰のメタノール中へ投入して重合体を沈殿させ、回収した沈殿物をろ別し、得られた沈殿物を大量のメタノールで洗浄した後、50℃において12時間送風乾燥して、光配向性基を有する重合体PA−1を得た。
重合体PA−1
下記の配向膜形成用組成物1を#2.4のワイヤーバーで連続的に市販されているトリアセチルセルロースフィルム「Z−TAC」(富士フイルム社製)上に塗布した。塗膜が形成された支持体を140℃の温風で120秒間乾燥し、続いて偏光紫外線照射(10mJ/cm、超高圧水銀ランプ使用)して、配向膜1を形成した。
───────────────────────────────────
配向膜形成用組成物1
───────────────────────────────────
重合体PA−1 100質量部
下記の熱酸発生剤PAG 5質量部
イソプロピルアルコール 16.5質量部
酢酸ブチル 1072質量部
メチルエチルケトン 268質量部
───────────────────────────────────
熱酸発生剤PAG
(光学異方性層の作製)
下記の組成物A−1を、バーコーターを用い配向膜1上に塗布した。配向膜1上に形成された塗膜を温風にて135℃に加熱し、その後、60℃に冷却した後、窒素雰囲気下で高圧水銀灯を用いて波長365nmにて100mJ/cmの紫外線を塗膜に照射し、続いて120℃に加熱しながら500mJ/cmの紫外線を照射して、液晶化合物の配向を固定化し、ポジティブAプレートA−1を含むフィルムA−1を作製した。
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組成物A−1
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・液晶化合物L−1 39質量部
・液晶化合物L−2 39質量部
・液晶化合物L−3 17質量部
・液晶化合物L−4 5質量部
・重合開始剤PI−1 0.5質量部
・レベリング剤T−1 0.2質量部
・シクロペンタノン 235質量部
――――――――――――――――――――――――――――――――――
液晶化合物L−1
液晶化合物L−2
液晶化合物L−3
液晶化合物L−4
重合開始剤PI−1
レベリング剤T−1
特開2015−200861号公報の段落0124に記載のポジティブCプレートと同様の方法でポジティブCプレートC−1(ただし、Rth(550)が−72nmとなるように、ポジティブCプレートの厚みは制御している)を作製した。
(円偏光板の形成)
支持体であるTD80UL(富士フイルム社製)の表面を、アルカリ鹸化処理した。具体的には、上記支持体を1.5規定の水酸化ナトリウム水溶液に55℃で2分間浸漬し、取り出した支持体を室温の水洗浴槽中で洗浄し、30℃で0.1規定の硫酸を用いて中和した。その後、再度、得られた支持体を室温の水洗浴槽中で洗浄し、さらに100℃の温風で乾燥した。
続いて、ヨウ素水溶液中で厚み80μmのロール状ポリビニルアルコールフィルムを連続して5倍に延伸し、延伸後のフィルムを乾燥して、厚み20μmの偏光子を得た。
得られた偏光子と、アルカリ鹸化処理が施された支持体(TD80UL)とを貼りあわせ、片側に偏光子が露出した偏光板Pol−1を得た。
次に、偏光子の吸収軸とポジティブAプレートA−1の面内遅相軸とが45°となるように、偏光板Pol−1中の偏光子とフィルムA−1中のポジティブAプレートA−1とを粘着剤を介して貼り合せ、続いて支持体を剥離し、ポジティブAプレートA−1のみを偏光子上に転写した。
続いて、同様の手順に従って、ポジティブCプレートC−1をポジティブAプレートA−1上に転写し、ポジティブAプレートA−1とポジティブCプレートC−1とを含む光学異方性層を含む円偏光板1を作製した。
<比較例2>
組成物A−1を下記の組成物A−2に変更した以外は、比較例1と同様の方法で、円偏光板2を作製した。なお、比較例2においては、比較例1の(光学異方性層の作製)と同様の手順によって得られるフィルムは、ポジティブAプレートA−2を含むフィルムA−2である。
――――――――――――――――――――――――――――――――――
組成物A−2
――――――――――――――――――――――――――――――――――
・液晶化合物L−1 43質量部
・液晶化合物L−2 43質量部
・液晶化合物L−3 14質量部
・重合開始剤PI−1 0.5質量部
・レベリング剤T−1 0.2質量部
・シクロペンタノン 235質量部
――――――――――――――――――――――――――――――――――
<比較例3>
特開2017−142412号公報の段落0157に記載の方法により、下記色素Aを合成した。
色素A(極大吸収波長:404nm、10%値半幅:38nm)
下記組成の粘着剤組成物N−1を調製した。
――――――――――――――――――――――――――――――――――
粘着剤組成物N−1
――――――――――――――――――――――――――――――――――
・アクリル樹脂AP−1 100質量部
・色素A 0.5質量部
・架橋剤コロネートL 0.5質量部
・シラン化合物KBM−403 0.5質量部
・2−ブタノン 623.5質量部
――――――――――――――――――――――――――――――――――
アクリル樹脂AP−1:特開2017−142412号公報の段落0139に記載の方法で調製
コロネートL:トリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体の酢酸エチル溶液(固形分濃度75%)(日本ポリウレタン(株)製)
KBM−403:3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製)
離型処理が施されたポリエチレンテレフタレートフィルム(リンテック(株)製、SP−PLR382050、以下、「セパレーター」と略記する。)の離型処理面に、粘着剤組成物N−1を、乾燥後の粘着剤層の厚みが20μmとなるようにアプリケーターを用いて塗布し、100℃で1分間乾燥させて粘着剤シートNS−1を作製した。
偏光板中の偏光子とフィルムA−1中のポジティブAプレートA−1とを貼り合わせる際に用いる粘着剤を、上記粘着剤シートNS−1に変更した以外は、比較例1と同様の方法で、円偏光板3を作製した。
<実施例1>
偏光板中の偏光子とフィルムA−2中のポジティブAプレートA−2とを貼り合わせる際に用いる粘着剤を、上記粘着剤シートNS−1に変更した以外は、比較例2と同様の方法で、円偏光板4を作製した。
<実施例2>
粘着剤組成物N−1を下記粘着剤組成物N−2に変更した以外は、粘着剤シートNS−1と同様の方法で、粘着剤シートNS−2を作製した。
――――――――――――――――――――――――――――――――――
粘着剤組成物N−2
――――――――――――――――――――――――――――――――――
・アクリル樹脂AP−1 100質量部
・色素A 1質量部
・架橋剤コロネートL 0.5質量部
・シラン化合物KBM−403 0.5質量部
・2−ブタノン 623.5質量部
――――――――――――――――――――――――――――――――――
偏光板中の偏光子とフィルムA−2中のポジティブAプレートA−2を貼り合わせる際に用いる粘着剤を、上記粘着剤シートNS−2に変更した以外は、比較例2と同様の方法で、円偏光板5を作製した。
<実施例3>
組成物A−1を下記の組成物A−3に変更し、フィルムA−1中のポジティブAプレートA−1を貼り合わせる際に用いる粘着剤を、上記粘着剤シートNS−1に変更した以外は、比較例1と同様の方法で、円偏光板6を作製した。
――――――――――――――――――――――――――――――――――
組成物A−3
――――――――――――――――――――――――――――――――――
・液晶化合物L−1 43.5質量部
・液晶化合物L−2 43.5質量部
・液晶化合物L−3 8質量部
・液晶化合物L−4 5質量部
・重合開始剤PI−1 0.5質量部
・レベリング剤T−1 0.2質量部
・シクロペンタノン 235質量部
――――――――――――――――――――――――――――――――――
<実施例4>
組成物A−1を下記の組成物A−4に変更し、フィルムA−1中のポジティブAプレートA−1を貼り合わせる際に用いる粘着剤を、上記粘着剤シートNS−1に変更した以外は、比較例1と同様の方法で、円偏光板7を作製した。
――――――――――――――――――――――――――――――――――
組成物A−4
――――――――――――――――――――――――――――――――――
・液晶化合物L−1 45.5質量部
・液晶化合物L−2 45.5質量部
・液晶化合物L−3 4質量部
・液晶化合物L−4 5質量部
・重合開始剤PI−1 0.5質量部
・レベリング剤T−1 0.2質量部
・シクロペンタノン 235質量部
――――――――――――――――――――――――――――――――――
<実施例5>
粘着剤組成物N−1を下記粘着剤組成物N−3に変更した以外は、粘着剤シートNS−1と同様の方法で、粘着剤シートNS−3を作製した。
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粘着剤組成物N−3
――――――――――――――――――――――――――――――――――
・アクリル樹脂AP−1 100質量部
・色素B(5−ニトロアセナフテン) 0.5質量部
・架橋剤コロネートL 0.5質量部
・シラン化合物KBM−403 0.5質量部
・2−ブタノン 623.5質量部
――――――――――――――――――――――――――――――――――
色素Bの極大吸収波長は375nm、10%値半幅は51nmであった。
偏光板中の偏光子とフィルムA−2中のポジティブAプレートA−2とを貼り合わせる際に用いる粘着剤を、上記粘着剤シートNS−3に変更した以外は、比較例2と同様の方法で、円偏光板8を作製した。
<実施例6>
下記組成のアクリレート組成物F−1を調製した。
――――――――――――――――――――――――――――――――――
アクリレート組成物F−1
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・アクリレートモノマーA−TMMT(新中村化学工業株式会社) 50質量部
・色素A 5質量部
・重合開始剤PI−1 0.5質量部
・2−ブタノン 623.5質量部
――――――――――――――――――――――――――――――――――
セパレーターの離型処理面に、上記アクリレート組成物F−1を、バーコーター#6を用いて塗布し、100℃で1分間乾燥させて色素A含有層F−1を作製した。
色素A含有層F−1を、粘着剤を用いて円偏光板2の支持体面に貼り合わせ、続いてセパレーターを剥離することで、色素A含有層F−1を円偏光板2に転写し、円偏光板9を作製した。
<実施例7>
比較例2で作製した円偏光板2の支持体面に、市販のブルーカットフィルタ(ブルテクター 株式会社アユート製)を貼合し、円偏光板10を作製した。なお、上記ブルーカットフィルタは、偏光子の光学異方性層側とは反対側の表面上に配置した。
<実施例8>
3,3−ジヒドロキシベンジジン(25g)をN,N−ジメチルホルムアミド(250mL)に溶解し、0℃に冷却しながらt−ブチルカリウム(26g)を数回に分けて添加し、20分間撹拌した。続いて、得られた溶液に1−ブロモオクタン(1.79g)をさらに添加し、徐々に温度を上げ、10℃で5時間撹拌を続けた。NMR(Nuclear Magnetic Resonance)を用いて反応の終了を確認した後、酢酸エチル/水で分液を行い、有機相を回収した後、濃縮して濃縮物を得た。得られた濃縮物を酢酸エチル/ヘキサンを用いたシリカゲルカラムに適用した、ベンジジン化合物(A)を単離した。
ベンジジン化合物(A)(25g)を酢酸エチル(150mL)に溶解し、ジブチルヒドロキシトルエン(20mg)を加えた後、さらにアルデヒド(B)(14.32g)を加えて撹拌した。その後、得られた溶液に硫酸マグネシウム(30g)を加え、さらに30分撹拌し、その後一晩静置した。得られた溶液から硫酸マグネシウムを除去した後、80℃で5時間加熱還流を行い、TLC(thin-layer chromatography)にて反応完了を確認した後、室温で得られた溶液を濃縮した。得られた濃縮物に対してメタノールを加えることで、結晶性の固体を得た。得られた固体をメタノールで洗浄した後、乾燥することで、色素C(極大吸収波長:369nm、10%値半幅:68nm)を得た。
下記アクリレート組成物F−2を調製した。
――――――――――――――――――――――――――――――――――
アクリレート組成物F−2
――――――――――――――――――――――――――――――――――
・アクリレートモノマーA−TMMT (新中村化学工業株式会社) 50質量部
・色素C 50質量部
・重合開始剤PI−1 0.5質量部
・シクロペンタノン 623.5質量部
――――――――――――――――――――――――――――――――――
ガラス上に、上記アクリレート組成物F−2をスピンコート(回転数1500rpm)し、100℃で1分間乾燥させて色素C含有層F−2を作製した。
色素C含有層F−2を、粘着剤を用いて円偏光板2の支持体面に貼り合わせ、続いてガラスを剥離することで、円偏光板11を作製した。
<実施例9>
アクリレート組成物F−2のかわりに下記アクリレート組成物F−3を用いた以外は、実施例8と同様の方法で、円偏光板12を作製した。
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アクリレート組成物F−3
――――――――――――――――――――――――――――――――――
・アクリレートモノマーA−TMMT (新中村化学工業株式会社) 50質量部
・色素C 25質量部
・重合開始剤PI−1 0.5質量部
・シクロペンタノン 623.5質量部
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<実施例10>
アクリレート組成物F−2のかわりに下記アクリレート組成物F−4を用いた以外は、実施例8と同様の方法で、円偏光板13を作製した。
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アクリレート組成物F−4
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・アクリレートモノマーA−TMMT (新中村化学工業株式会社) 50質量部
・色素C 50質量部
・重合開始剤PI−1 0.5質量部
・シクロペンタノン 300質量部
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<実施例11>
比較例2で作製した円偏光板2のポジティブCプレートC−1面に比較例3で作製した粘着剤シートNS−1を貼合し、円偏光板14を作製した。
実施例1〜11、および、比較例1〜3で作製した円偏光板の各種評価結果を表1にまとめて示す。
<光学特性の測定>
AxoScan OPMF−1(オプトサイエンス社製)を用いて、波長425nm、450nm、および、550nmにおいて、Reの光入射角度依存性および光軸の傾斜角(即ち、層の屈折率が最大となる方向の、上記層面に対する傾き)を測定し、光学異方性層およびポジティブAプレートに関してRe(425)、Re(450)、Re(550)、および、Rth(550)をそれぞれ求めた。
<膜厚測定>
反射分光膜厚計FE3000(大塚電子株式会社製)を用いて、ポジティブAプレート、ポジティブCプレート、および、色素含有層の厚みを測定した。
<吸収測定>
色素含有粘着剤シート、色素含有層、および、円偏光板の吸収特性を分光光度計(UV−3150;(株)島津製作所製)により測定した。結果を表1に示す。
表中のA(425)は波長425nmにおける吸光度、T(425)は波長420nmにおける透過率(%)、A(450)は波長450nmにおける吸光度、T(450)は波長450nmにおける透過率(%)を表す。
<反射防止性能の評価>
有機EL表示素子搭載のSAMSUNG社製GALAXY S IVを分解し、円偏光板を剥離して、実施例1〜11および比較例1〜3の円偏光板を粘着剤を用いてそれぞれ有機EL表示素子上に貼合し、有機EL表示装置を作製した。実施例10で作製した円偏光板13は、ポジティブCプレートC−1上に貼合された粘着剤シートNS−1を用いて、有機EL表示素子上に貼合した。
得られた有機EL表示素子を用いて、以下の(反射率)および(反射色味)の評価を行った。
(反射率)
測色計(コニカミノルタ製、CM−2022)を用い、SCE(Specular component excluded)モードで測定し、得られたY値を、比較例1を基準として下記の基準で評価した。
A:比較例1でのY値に対し、Y値の割合が70%以下である場合
B:比較例1でのY値に対し、Y値の割合が70%超90%以下である場合
C:比較例1でのY値に対し、Y値の割合が90%超である場合
(反射色味)
測色計(コニカミノルタ製、CM−2022)を用い、SCE(Specular component excluded)モードで測定し、得られたa値およびb値から、下記の計算式で色味の指標|a|を算出し、下記の基準で評価した。
|a|={(a+(b0.5
A:|a|が比較例1以下の場合
B:|a|が比較例1より大きく、比較例1の1.5倍以下の場合
C:|a|が比較例1の1.5倍より大きく、比較例1の2.0倍以下の場合
D:|a|が比較例1の2.0倍より大きい場合
表1中、「光学異方性層」欄は、各実施例および比較例中の光学異方性層全体(ポジティブAプレートとポジティブCプレートとの積層体)の各特性を示す。
なお、各実施例および比較例において、光学異方性層の面内遅相軸と偏光子の吸収軸とのなす角度が45°であった。
表1中、「色素含有層」欄の「配置位置」欄において、「X」は色素含有層が光学異方性層と偏光子との間に位置することを表し、「Y」は色素含有層が偏光子の光学異方性層側とは反対側の表面側に位置することを表し、「Z」は色素含有層が光学異方性層の偏光子側とは反対側の表面側に位置することを表す。
表1に示すように、本発明の積層体を用いた場合、所望の効果が得られることが確認された。
なお、実施例8〜10と他の実施例との比較より、A(425)/A(450)が0.200未満の場合、反射色味がより優れることが確認された。
実施例3と4との比較より、式(1−2):Re(450)/Re(550)≦0.80の関係を満たす場合、反射率がより低減されることが確認された。
実施例1と2との比較より、T(450)が35%以上の場合、反射色味がより優れることが確認された。
10A,10B,10C 積層体
12 光学異方性層
14 色素含有層
16 偏光子

Claims (9)

  1. 光学異方性層、および、偏光子を含み、
    前記光学異方性層の波長425nmにおける面内レタデーションが100nm未満であり、
    前記光学異方性層の波長550nmにおける面内レタデーションが100〜160nmであり、
    前記光学異方性層の面内遅相軸と前記偏光子の吸収軸とのなす角度が45°±10°であり、
    前記光学異方性層が式(1)の関係を満たし、
    式(2)の関係を満たす、積層体。
    式(1) Re(450)/Re(550)<1.00
    式(2) T(425)/T(450)<0.80
    Re(450)は前記光学異方性層の波長450nmにおける面内レタデーションを表し、Re(550)は前記光学異方性層の波長550nmにおける面内レタデーションを表す。
    T(425)は前記積層体の波長425nmにおける透過率を表し、T(450)は前記積層体の波長450nmにおける透過率を表す。
  2. 前記T(450)が35%以上である、請求項1に記載の積層体。
  3. 前記光学異方性層が式(1−1)の関係を満たす、請求項1または2に記載の積層体。
    式(1−1) Re(450)/Re(550)≦0.82
  4. 前記光学異方性層が式(1−2)の関係を満たす、請求項1〜3のいずれか1項に記載の積層体。
    式(1−2) Re(450)/Re(550)≦0.80
  5. 式(3)の関係を満たす色素含有層を含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の積層体。
    式(3) A(425)/A(450)<0.200
    A(425)は、波長425nmにおける前記色素含有層の吸光度を表す。A(450)は、波長450nmにおける前記色素含有層の吸光度を表す。
  6. 前記色素含有層が、350nm以上450nm未満の波長範囲に極大吸収波長を有する化合物を含む、請求項5に記載の積層体。
  7. 前記偏光子が、二色性色素を含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載の積層体。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の積層体と、表示素子とを含む、表示装置。
  9. 前記表示素子が、有機エレクトロルミネッセンス表示素子である、請求項8に記載の表示装置。
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