JP2019215412A - トナー - Google Patents

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雅史 山下
Masafumi Yamashita
雅史 山下
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Abstract

【課題】低温定着性を維持しつつ、耐熱保存性及び耐熱ストレス性に優れるトナーを提供する。【解決手段】トナーは、トナー粒子10を含む。トナー粒子10は、結着樹脂13及び中空無機粒子14を含むトナーコア11と、トナーコア11の表面を覆うトナーシェル層12とを備える。中空無機粒子14は、無機酸化物から構成された外殻部14Aと、外殻部14Aに取り囲まれた中空部14Bとを有する。中空無機粒子14の個数平均一次粒子径は、100nm以上350nm以下である。中空無機粒子14の外殻部14Aの厚さは、10nm以上30nm以下である。【選択図】図1

Description

本発明は、トナーに関する。
カプセルトナー粒子を含むトナーが知られている(例えば、特許文献1参照)。カプセルトナー粒子は、トナーコアと、トナーコアの表面を覆うトナーシェル層とを備える。トナーコアをトナーシェル層で覆うことで、耐熱保存性に優れるトナーを得ることができる。
特開2004−294469号公報
しかしながら、特許文献1に開示される技術だけでは、低温定着性を維持しつつ、耐熱保存性及び耐熱ストレス性に優れるトナーを得ることは難しい。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、低温定着性を維持しつつ、耐熱保存性及び耐熱ストレス性に優れるトナーを提供することである。
本発明に係るトナーは、トナー粒子を含む。前記トナー粒子は、結着樹脂及び中空無機粒子を含むトナーコアと、前記トナーコアの表面を覆うトナーシェル層とを備える。前記中空無機粒子は、無機酸化物から構成された外殻部と、前記外殻部に取り囲まれた中空部とを有する。前記中空無機粒子の個数平均一次粒子径は、100nm以上350nm以下である。前記中空無機粒子の前記外殻部の厚さは、10nm以上30nm以下である。
本発明によれば、低温定着性を維持しつつ、耐熱保存性及び耐熱ストレス性に優れるトナーを提供することができる。
本発明に係るトナーに含まれるトナー粒子の断面構造の一例を示す図である。 中空無機粒子の調製方法の一例を説明するための図である。 中空無機粒子の調製方法の一例を説明するための図である。 耐熱ストレス性の評価方法を説明するための図である。
以下、本発明の好適な実施形態について説明する。なお、トナーは、トナー粒子の集合体(例えば粉体)である。外添剤は、外添剤粒子の集合体(例えば粉体)である。粉体(より具体的には、トナー粒子の粉体、中空無機粒子の粉体等)に関する評価結果(形状、物性等を示す値)は、何ら規定していなければ、粉体から粒子を相当数選び取って、それら粒子の各々について測定した値の個数平均である。
粉体の体積中位径(D50)の測定値は、何ら規定していなければ、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(株式会社堀場製作所製「LA−950」)を用いて測定されたメディアン径である。粉体の個数平均一次粒子径は、何ら規定していなければ、走査型電子顕微鏡を用いて測定した、100個の一次粒子の円相当径(ヘイウッド径:一次粒子の投影面積と同じ面積を有する円の直径)の個数平均値である。なお、粒子の個数平均一次粒子径は、特に断りがない限り、粉体中の粒子の個数平均一次粒子径を指す。
帯電性の強さは、何ら規定していなければ、摩擦帯電のし易さである。例えば、日本画像学会から提供される標準キャリア(負帯電性トナー用標準キャリア:N−01、正帯電性トナー用標準キャリア:P−01)と測定対象(例えばトナー)とを混ぜて攪拌することで、測定対象を摩擦帯電させる。摩擦帯電させる前と後とでそれぞれ、例えばQ/mメーター(トレック社製「MODEL 212HS」)で測定対象の帯電量を測定する。摩擦帯電の前後での帯電量の変化が大きい測定対象ほど帯電性が強いことを示す。
軟化点(Tm)は、何ら規定していなければ、高化式フローテスター(株式会社島津製作所製「CFT−500D」)を用いて測定した値である。高化式フローテスターで測定されたS字カーブ(横軸:温度、縦軸:ストローク)において、「(ベースラインストローク値+最大ストローク値)/2」となる温度が、Tm(軟化点)に相当する。
酸価の測定値は、何ら規定していなければ、「JIS(日本工業規格)K0070−1992」に従い測定した値である。
疎水性の強さ(又は親水性の強さ)は、例えば水滴の接触角(水の濡れ易さ)で表すことができる。水滴の接触角が大きいほど疎水性が強い。疎水化処理とは、疎水性を強める処理を指す。
以下、化合物名の後に「系」を付けて、化合物及びその誘導体を包括的に総称する場合がある。化合物名の後に「系」を付けて重合体名を表す場合には、重合体の繰返し単位が化合物又はその誘導体に由来することを意味する。アクリル及びメタクリルを包括的に「(メタ)アクリル」と総称する場合がある。アクリロニトリル及びメタクリロニトリルを包括的に「(メタ)アクリロニトリル」と総称する場合がある。「置換基で置換されていてもよい」とは、有機基の水素原子の一部又は全部が置換基で置換されていてもよいことを意味する。「炭素原子数3以上8以下のアルキル基」は、直鎖状又は分枝鎖状で非置換である。炭素原子数3以上8以下のアルキル基としては、例えば、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、及びn−オクチル基が挙げられる。
<トナー>
本実施形態に係るトナーは、例えば正帯電性トナーとして、静電潜像の現像に好適に用いることができる。本実施形態に係るトナーは、トナー粒子(それぞれ後述する構成を有する粒子)を含有する集合体(例えば粉体)である。トナーは、1成分現像剤として使用してもよい。また、混合装置(例えば、ボールミル)を用いてトナーとキャリアとを混合して2成分現像剤として使用してもよい。
本実施形態に係るトナーに含まれるトナー粒子は、結着樹脂及び中空無機粒子を含むトナーコアと、トナーコアの表面を覆うトナーシェル層とを備える。中空無機粒子は、無機酸化物から構成された外殻部と、外殻部に取り囲まれた中空部とを有する。中空無機粒子の個数平均一次粒子径は、100nm以上350nm以下である。中空無機粒子の外殻部(以下、単に「外殻部」と記載することがある。)の厚さは、10nm以上30nm以下である。外殻部の厚さの測定方法は、後述する実施例と同じ方法又はその代替方法である。
本実施形態に係るトナーは、上述の構成を備えるため、低温定着性を維持しつつ、耐熱保存性及び耐熱ストレス性に優れる。その理由は、以下のように推測される。
本実施形態に係るトナーに含まれるトナー粒子は、結着樹脂及び中空無機粒子を含むトナーコアを備える。トナーコアに含まれる中空無機粒子は、中空部を有する。中空部は、気体(例えば空気)で満たされているため、断熱性に優れる。更に、本実施形態に係るトナーに含まれるトナー粒子は、トナーコアの表面を覆うトナーシェル層を備える。よって、本実施形態に係るトナーは、耐熱保存性に優れる。
また、本実施形態に係るトナーでは、トナーコア中の中空無機粒子が厚さ10nm以上の外殻部を有し、かつ中空無機粒子の個数平均一次粒子径が350nm以下である。そのため、トナーに熱ストレスが加わった場合においても、トナーの形状を安定して維持できる。よって、本実施形態に係るトナーは、耐熱ストレス性に優れる。
また、本実施形態に係るトナーでは、トナーコア中の中空無機粒子が厚さ30nm以下の外殻部を有し、かつ中空無機粒子の個数平均一次粒子径が100nm以上である。そのため、本実施形態に係るトナーを用いて画像を形成する際、定着工程においてトナーコア中の中空無機粒子が容易に崩壊する。よって、本実施形態に係るトナーによれば、トナーコアに中空無機粒子が含まれていても、低温定着性を維持できる。
また、本実施形態に係るトナーでは、トナーコアに中空無機粒子が含まれているため、他のトナー成分(例えば結着樹脂)の使用量を低減できる。よって、本実施形態に係るトナーによれば、結着樹脂等の他のトナー成分の消費量を低減できる。
トナーコアの表面において、トナーシェル層で覆われた領域の面積割合(トナーシェル層の被覆率)は、90%以上100%以下であることが好ましく、95%以上100%以下であることがより好ましい。トナーシェル層の被覆率が90%以上である場合、耐熱保存性により優れるトナーを得ることができる。
トナーシェル層の被覆率は、市販の画像解析ソフトウェア(例えば、三谷商事株式会社製「WinROOF」)を用いてトナー粒子の断面のTEM(透過電子顕微鏡)撮影像を解析することによって測定できる。詳しくは、染色したトナー粒子の断面のTEM撮影像において、トナーコアの表面領域(外縁を示す輪郭線)のうちトナーシェル層で覆われた領域の割合を測定することにより、トナーシェル層の被覆率が得られる。
トナーコアは、必要に応じて、中空無機粒子以外の内添剤(例えば、着色剤、離型剤、電荷制御剤、及び磁性粉の少なくとも1つ)を含有してもよい。
本実施形態に係るトナーに含まれるトナー粒子は、外添剤を備えていてもよい。トナー粒子が外添剤を備える場合には、トナー粒子は、トナーコア及びトナーシェル層を有するトナー母粒子と、外添剤とを備える。外添剤はトナー母粒子の表面に付着する。なお、必要がなければ外添剤を割愛してもよい。外添剤を割愛する場合には、トナー母粒子がトナー粒子に相当する。
以下、本実施形態に係るトナーの詳細について、適宜図面を参照しながら説明する。
[トナー粒子の構成]
以下、図1を参照して、本実施形態に係るトナーに含まれるトナー粒子の構成について説明する。図1は、本実施形態に係るトナーに含まれるトナー粒子の断面構造の一例を示す図である。なお、説明の容易化のため、図1に示すトナー粒子10が外添剤を備えないトナー粒子である場合について説明する。
図1に示すトナー粒子10は、結着樹脂13、及び中空無機粒子14(例えば、複数個の中空無機粒子14)を含むトナーコア11と、トナーコア11の表面を覆うトナーシェル層12とを備える。中空無機粒子14は、無機酸化物から構成された外殻部14Aと、外殻部14Aに取り囲まれた中空部14Bとを有する。中空無機粒子14の個数平均一次粒子径は、100nm以上350nm以下である。中空無機粒子14の外殻部14Aの厚さは、10nm以上30nm以下である。
耐熱保存性により優れ、かつ耐熱ストレス性により優れるトナーを得るためには、中空無機粒子14の質量は、100質量部の結着樹脂13に対して0.1質量部以上であることが好ましい。また、低温定着性をより容易に維持するためには、中空無機粒子14の質量は、100質量部の結着樹脂13に対して1.0質量部以下であることが好ましい。
低温定着性を維持しつつ、耐熱保存性により優れるトナーを得るためには、トナーシェル層12の厚さが1nm以上400nm以下であることが好ましい。トナーシェル層12の厚さは、市販の画像解析ソフトウェア(例えば、三谷商事株式会社製「WinROOF」)を用いて、染色したトナー粒子10の断面のTEM(透過電子顕微鏡)撮影像を解析することによって計測できる。なお、1つのトナー粒子10においてトナーシェル層12の厚さが均一でない場合には、均等に離間した4箇所(詳しくは、トナー粒子10の断面の略中心で直交する2本の直線を引き、それら2本の直線がトナーシェル層12と交差する4箇所)の各々でトナーシェル層12の厚さを測定し、得られた4つの測定値の算術平均を、そのトナー粒子10の評価値(トナーシェル層12の厚さ)とする。
画像形成に適したトナーを得るためには、トナーコア11の体積中位径(D50)は、4μm以上9μm以下であることが好ましい。
以上、図1を参照しながら、本実施形態に係るトナーに含まれるトナー粒子の一例について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、本発明に係るトナーに含まれるトナー粒子は、外添剤(図示せず)を備えてもよい。例えば図1に示すトナー粒子10をトナー母粒子とし、このトナー母粒子の表面に外添剤が付着したトナー粒子を、本発明に係るトナーに含まれるトナー粒子としてもよい。
[トナー粒子の要素]
次に、本実施形態に係るトナーに含まれるトナー粒子の要素について説明する。
(結着樹脂)
低温定着性に優れるトナーを得るためには、トナーコアは、結着樹脂として熱可塑性樹脂を含有することが好ましく、結着樹脂全体の85質量%以上の割合で熱可塑性樹脂を含有することがより好ましい。熱可塑性樹脂としては、例えば、スチレン系樹脂、アクリル酸エステル系樹脂、オレフィン系樹脂(より具体的には、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等)、ビニル樹脂(より具体的には、塩化ビニル樹脂、ポリビニルアルコール、ビニルエーテル樹脂、N−ビニル樹脂等)、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、及びウレタン樹脂が挙げられる。また、これら各樹脂の共重合体、すなわち上記樹脂中に任意の繰返し単位が導入された共重合体(より具体的には、スチレン−アクリル酸エステル系樹脂、スチレン−ブタジエン系樹脂等)も、結着樹脂として使用できる。
熱可塑性樹脂は、一種以上の熱可塑性単量体を、付加重合、共重合、又は縮重合させることで得られる。なお、熱可塑性単量体は、単独重合により熱可塑性樹脂になる単量体(より具体的には、アクリル酸エステル系単量体、スチレン系単量体等)、又は縮重合により熱可塑性樹脂になる単量体(例えば、縮重合によりポリエステル樹脂になる多価アルコール及び多価カルボン酸の組合せ)である。
低温定着性に優れるトナーを得るためには、トナーコアが、結着樹脂としてポリエステル樹脂を含有することが好ましい。この場合、後述する繰返し単位(1−1)中のオキサゾリン基との反応性を高めるためには、結着樹脂として含有されるポリエステル樹脂の酸価が、5mgKOH/g以上であることが好ましく、10mgKOH/g以上40mgKOH/g以下であることがより好ましい。
結着樹脂がポリエステル樹脂を含む場合、結着樹脂は、ポリエステル樹脂のみから構成されていてもよく、ポリエステル樹脂と他の樹脂とを含んでいてもよい。
ポリエステル樹脂は、一種以上の多価アルコールと一種以上の多価カルボン酸とを縮重合させることで得られる。ポリエステル樹脂を合成するためのアルコールとしては、例えば以下に示すような、2価アルコール(より具体的には、脂肪族ジオール、ビスフェノール等)、及び3価以上のアルコールが挙げられる。ポリエステル樹脂を合成するためのカルボン酸としては、例えば以下に示すような、2価カルボン酸、及び3価以上のカルボン酸が挙げられる。なお、多価カルボン酸の代わりに、多価カルボン酸の無水物、多価カルボン酸ハライド等の縮重合によりエステル結合を形成できる多価カルボン酸誘導体を使用してもよい。
脂肪族ジオールの好適な例としては、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,2−プロパンジオール、α,ω−アルカンジオール(より具体的には、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,12−ドデカンジオール等)、2−ブテン−1,4−ジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、及びポリテトラメチレングリコールが挙げられる。
ビスフェノールの好適な例としては、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物、及びビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物が挙げられる。
3価以上のアルコールの好適な例としては、ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、ジグリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、及び1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼンが挙げられる。
2価カルボン酸の好適な例としては、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、マロン酸、1,10−デカンジカルボン酸、コハク酸、アルキルコハク酸(より具体的には、n−ブチルコハク酸、イソブチルコハク酸、n−オクチルコハク酸、n−ドデシルコハク酸、イソドデシルコハク酸等)、及びアルケニルコハク酸(より具体的には、n−ブテニルコハク酸、イソブテニルコハク酸、n−オクテニルコハク酸、n−ドデセニルコハク酸、イソドデセニルコハク酸等)が挙げられる。
3価以上のカルボン酸の好適な例としては、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸(トリメリット酸)、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、ピロメリット酸、及びエンポール三量体酸が挙げられる。
(中空無機粒子)
中空無機粒子は、無機酸化物から構成された外殻部と、外殻部に取り囲まれた中空部とを有する。耐熱ストレス性により優れるトナーを得るためには、外殻部を構成する無機酸化物としては、シリカ、及び金属酸化物(より具体的には、アルミナ、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム等)が好ましく、シリカがより好ましい。
また、トナーコア中における中空無機粒子の分散性が高いほど、耐熱ストレス性により優れるトナーが得られる傾向がある。トナーコア中における中空無機粒子の分散性を高めるためには、外殻部の表面が疎水化処理されていることが好ましい。外殻部の表面を疎水化処理するための疎水化剤としては、シリコーンオイル、シラザン化合物、及びシラン化合物が好ましく、シラン化合物がより好ましく、アルコキシ基と炭素原子数3以上8以下のアルキル基とを有するシラン化合物(より具体的には、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、n−オクチルトリメトキシシラン、n−オクチルトリエトキシシラン等)が更に好ましい。
アルコキシ基と炭素原子数3以上8以下のアルキル基とを有するシラン化合物を用いて外殻部の表面を処理する場合、水分によりシラン化合物のアルコキシ基が加水分解されて生成したヒドロキシル基が、外殻部の表面に存在するヒドロキシル基と脱水縮合反応する。こうした反応により、外殻部の表面に炭素原子数3以上8以下のアルキル基(疎水性基)が付与される。
外殻部の表面に炭素原子数3以上8以下のアルキル基が付与された中空無機粒子は、疎水性が比較的高くなるため、トナーコア中における中空無機粒子の分散性をより高めることができる。
以下、中空無機粒子の調製方法の一例として、シリカから構成された外殻部を有する中空無機粒子の好適な調製方法について説明する。図2及び図3は、中空無機粒子の調製方法の一例を説明するための図である。
まず、中空部14B(図3参照)を形成するためのテンプレート20(図2参照)を準備する。中空部14Bを容易に形成するためには、テンプレート20としては、弱酸の塩から構成された粒子が好ましく、炭酸塩から構成された粒子がより好ましく、炭酸カルシウム粒子が更に好ましい。
テンプレート20として炭酸カルシウム粒子を使用する場合、炭酸カルシウム粒子の調製方法としては、例えば、塩化カルシウム水溶液中に炭酸ガスを導入し、炭酸カルシウム粒子の分散液を得た後、得られた炭酸カルシウム粒子を、洗浄し、次いで乾燥させる方法が挙げられる。得られる炭酸カルシウム粒子の粒子径は、例えば、炭酸ガスを導入する際の炭酸ガスの流量、及び炭酸ガスを導入する際の炭酸ガスの導入時間の少なくとも一方を変更することにより調整できる。
次いで、容器に、エタノールと、イオン交換水と、テンプレート20とを入れて、テンプレート20の分散液を調製する。次いで、容器内に外殻部14A(図2参照)の原料としてのテトラアルコキシシラン(より具体的には、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラ−n−ブトキシシラン、テトライソブトキシシラン等)と、塩基性触媒(例えばアンモニア水)とを添加する。次いで、容器内容物を反応させることにより、図2に示すように、テンプレート20と、テンプレート20の表面を覆う外殻部14A(詳しくは、シリカから構成された外殻部14A)とを有する被覆テンプレート21の分散液が得られる。被覆テンプレート21は、テンプレート20が外殻部14Aで被覆された構造を有する。この方法によれば、外殻部14Aには、貫通孔(図示せず)が形成される。外殻部14Aに形成される貫通孔の孔径は、トナーコアを調製する際にトナー成分が貫通孔から中空部14Bへ流入しない程度の孔径であればよく、例えば1nm以上10nm以下である。外殻部14Aの厚さは、例えば、テンプレート20の質量に対するテトラアルコキシシランの質量、及びテトラアルコキシシランを添加した後の容器内容物の反応時間の少なくとも一方を変更することにより調整できる。
次いで、得られた被覆テンプレート21を洗浄した後、洗浄した被覆テンプレート21を硝酸水溶液に浸漬する。これにより、硝酸が、被覆テンプレート21の外殻部14Aに形成された貫通孔から被覆テンプレート21内に流入し、流入した硝酸と、テンプレート20とが反応し、テンプレート20が除去される。その結果、図3に示すように、シリカから構成された外殻部14Aと、この外殻部14Aに取り囲まれた中空部14Bとを有する中空無機粒子14の分散液が得られる。なお、テンプレート20として炭酸カルシウム粒子を使用する場合は、被覆テンプレート21を硝酸水溶液に浸漬することにより、硝酸と炭酸カルシウムとが反応し、水溶性の硝酸カルシウムと、二酸化炭素と、水とが生成する。
次いで、得られた中空無機粒子14を洗浄した後、乾燥する。中空無機粒子14を洗浄する際、又は中空無機粒子14を乾燥する際に、硝酸とテンプレート20との反応で生成した生成物が、外殻部14Aに形成された貫通孔を経由して中空無機粒子14から除去される。その後、必要に応じて中空無機粒子14の表面を疎水化処理する。
得られる中空無機粒子14の個数平均一次粒子径は、例えば、テンプレート20の粒子径、及び外殻部14Aの厚さの少なくとも一方を変更することにより調整できる。
以上、中空無機粒子の調製方法の一例について説明した。なお、本実施形態では、中空無機粒子として、市販品を使用してもよい。
(着色剤)
トナーコアは、着色剤を含有していてもよい。着色剤としては、トナーの色に合わせて公知の顔料又は染料を用いることができる。トナーを用いて高画質の画像を形成するためには、着色剤の量が、結着樹脂100質量部に対して、1質量部以上20質量部以下であることが好ましい。
トナーコアは、黒色着色剤を含有していてもよい。黒色着色剤の例としては、カーボンブラックが挙げられる。また、黒色着色剤は、イエロー着色剤、マゼンタ着色剤、及びシアン着色剤を用いて黒色に調色された着色剤であってもよい。
トナーコアは、カラー着色剤を含有していてもよい。カラー着色剤としては、イエロー着色剤、マゼンタ着色剤、及びシアン着色剤が挙げられる。
イエロー着色剤としては、例えば、縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、アントラキノン化合物、アゾ金属錯体、メチン化合物、及びアリールアミド化合物からなる群より選択される一種以上の化合物を使用できる。イエロー着色剤としては、例えば、C.I.ピグメントイエロー(3、12、13、14、15、17、62、74、83、93、94、95、97、109、110、111、120、127、128、129、147、151、154、155、168、174、175、176、180、181、191、及び194)、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、並びにC.I.バットイエローが挙げられる。
マゼンタ着色剤としては、例えば、縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アントラキノン化合物、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、及びペリレン化合物からなる群より選択される一種以上の化合物を使用できる。マゼンタ着色剤としては、例えば、C.I.ピグメントレッド(2、3、5、6、7、19、23、48:2、48:3、48:4、57:1、81:1、122、144、146、150、166、169、177、184、185、202、206、220、221、及び254)が挙げられる。
シアン着色剤としては、例えば、銅フタロシアニン化合物、アントラキノン化合物、及び塩基染料レーキ化合物からなる群より選択される一種以上の化合物を使用できる。シアン着色剤としては、例えば、C.I.ピグメントブルー(1、7、15、15:1、15:2、15:3、15:4、60、62、及び66)、フタロシアニンブルー、C.I.バットブルー、並びにC.I.アシッドブルーが挙げられる。
(離型剤)
トナーコアは、離型剤を含有していてもよい。離型剤は、例えば、耐オフセット性に優れるトナーを得るために使用される。耐オフセット性に優れるトナーを得るためには、離型剤の量は、結着樹脂100質量部に対して、1質量部以上20質量部以下であることが好ましい。
離型剤としては、例えば、エステルワックス、ポリオレフィンワックス(より具体的には、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス等)、マイクロクリスタリンワックス、フッ素樹脂ワックス、フィッシャートロプシュワックス、パラフィンワックス、キャンデリラワックス、モンタンワックス、及びカスターワックスが挙げられる。エステルワックスとしては、天然エステルワックス(より具体的には、カルナバワックス、ライスワックス等)、及び合成エステルワックスが挙げられる。本実施形態では、一種の離型剤を単独で使用してもよいし、複数種の離型剤を併用してもよい。
結着樹脂と離型剤との相溶性を改善するために、相溶化剤をトナーコアに添加してもよい。
(電荷制御剤)
トナーコアは、電荷制御剤を含有していてもよい。電荷制御剤は、例えば、帯電安定性又は帯電立ち上がり特性に優れるトナーを得るために使用される。トナーの帯電立ち上がり特性は、短時間で所定の帯電レベルにトナーを帯電させることができるか否かの指標になる。
トナーコアに正帯電性の電荷制御剤を含有させることで、トナーコアのカチオン性(正帯電性)を強めることができる。また、トナーコアに負帯電性の電荷制御剤を含有させることで、トナーコアのアニオン性(負帯電性)を強めることができる。
正帯電性の電荷制御剤の例としては、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、1,2−オキサジン、1,3−オキサジン、1,4−オキサジン、1,2−チアジン、1,3−チアジン、1,4−チアジン、1,2,3−トリアジン、1,2,4−トリアジン、1,3,5−トリアジン、1,2,4−オキサジアジン、1,3,4−オキサジアジン、1,2,6−オキサジアジン、1,3,4−チアジアジン、1,3,5−チアジアジン、1,2,3,4−テトラジン、1,2,4,5−テトラジン、1,2,3,5−テトラジン、1,2,4,6−オキサトリアジン、1,3,4,5−オキサトリアジン、フタラジン、キナゾリン、キノキサリン等のアジン化合物;アジンファストレッドFC、アジンファストレッド12BK、アジンバイオレットBO、アジンブラウン3G、アジンライトブラウンGR、アジンダークグリ−ンBH/C、アジンディープブラックEW、アジンディープブラック3RL等の直接染料;ニグロシンBK、ニグロシンNB、ニグロシンZ等の酸性染料;アルコキシル化アミン;アルキルアミド;ベンジルデシルヘキシルメチルアンモニウムクロライド、デシルトリメチルアンモニウムクロライド、2−(メタクリロイルオキシ)エチルトリメチルアンモニウムクロライド、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド塩化メチル4級塩等の4級アンモニウム塩;4級アンモニウムカチオン基を含む樹脂が挙げられる。これらの電荷制御剤の一種のみを使用してもよく、二種以上を組み合わせて使用してもよい。
負帯電性の電荷制御剤の例としては、キレート化合物である有機金属錯体が挙げられる。有機金属錯体としては、アセチルアセトン金属錯体、サリチル酸系金属錯体、及びこれらの塩が好ましい。
電荷制御剤の含有量は、帯電安定性に優れるトナーを得るためには、結着樹脂100質量部に対して、0.1質量部以上10質量部以下であることが好ましい。
(磁性粉)
トナーコアは、磁性粉を含有していてもよい。磁性粉の材料としては、例えば、強磁性金属(より具体的には、鉄、コバルト、ニッケル等)及びその合金、強磁性金属酸化物(より具体的には、フェライト、マグネタイト、二酸化クロム等)、並びに強磁性化処理が施された材料(より具体的には、熱処理により強磁性が付与された炭素材料等)が挙げられる。本実施形態では、一種の磁性粉を単独で使用してもよいし、複数種の磁性粉を併用してもよい。
(トナーシェル層)
本実施形態では、トナー粒子は、トナーコアの表面を覆うトナーシェル層を備える。トナーシェル層は、例えば樹脂から構成される。トナーコアの結着樹脂がポリエステル樹脂を含む場合、トナーシェル層をトナーコアの表面に均一に形成するためには、トナーシェル層を構成する樹脂が、下記式(1)で表される化合物(以下、化合物(1)と記載することがある。)を少なくとも含む単量体の重合物を含有することが好ましい。
Figure 2019215412
式(1)中、R1は、水素原子、又は置換基で置換されていてもよいアルキル基を表す。R1が表わすアルキル基の例としては、メチル基、エチル基、及びイソプロピル基が挙げられる。R1が置換基で置換されたアルキル基を表す場合、このような置換基の例としては、フェニル基が挙げられる。R1の好適な例としては、水素原子、メチル基、エチル基、及びイソプロピル基が挙げられる。
化合物(1)を少なくとも含む単量体の重合物は、化合物(1)と、他のビニル化合物とを共重合させた重合物であってもよい。なお、ビニル化合物は、ビニル基(CH2=CH−)、又はビニル基中の水素が置換された基を有する化合物(より具体的には、エチレン、プロピレン、ブタジエン、塩化ビニル、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリロニトリル、スチレン等)である。ビニル化合物は、上記ビニル基等に含まれる炭素−炭素二重結合(C=C)により付加重合して、高分子(樹脂)になり得る。
他のビニル化合物としては、アクリル酸アルキルエステル系単量体、及びスチレン系単量体からなる群より選択される一種以上のビニル化合物が好ましい。
アクリル酸アルキルエステル系単量体としては、例えば下記式(2)で表される化合物(以下、化合物(2)と記載することがある。)、及び下記式(3)で表される化合物(以下、化合物(3)と記載することがある。)が挙げられる。
Figure 2019215412
式(2)中、R2は、置換基で置換されていてもよいアルキル基を表す。R2が表わすアルキル基の例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、及び2−エチルヘキシル基が挙げられる。R2が置換基で置換されたアルキル基を表す場合、このような置換基の例としては、ヒドロキシル基が挙げられる。R2の好適な例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、2−エチルヘキシル基、ヒドロキシエチル基(例えば2−ヒドロキシエチル基)、ヒドロキシプロピル基、及びヒドロキシブチル基が挙げられる。
Figure 2019215412
式(3)中、R3は、置換基で置換されていてもよいアルキル基を表す。R3が表わすアルキル基の例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、及び2−エチルヘキシル基が挙げられる。R3が置換基で置換されたアルキル基を表す場合、このような置換基の例としては、ヒドロキシル基が挙げられる。R3の好適な例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、2−エチルヘキシル基、ヒドロキシエチル基(例えば2−ヒドロキシエチル基)、ヒドロキシプロピル基、及びヒドロキシブチル基が挙げられる。
化合物(1)は、付加重合により下記式(1−1)で表される繰返し単位(以下、繰返し単位(1−1)と記載する。)を形成する。下記式(1−1)中のR1は、式(1)中のR1と同義である。
Figure 2019215412
繰返し単位(1−1)は、未開環のオキサゾリン基を有する。未開環のオキサゾリン基は、環状構造を有し、強い正帯電性を示す。未開環のオキサゾリン基は、カルボキシル基、芳香族性スルファニル基、及び芳香族性ヒドロキシル基と反応し易い。例えば、トナーシェル層中の繰返し単位(1−1)がトナーコア中のポリエステル樹脂のカルボキシル基と反応すると、オキサゾリン基が開環し、下記式(1−2)に示すようにアミド結合及びエステル結合が形成される。こうした結合が形成されることで、トナーコアとトナーシェル層との結合が強固になり、トナーコアからのトナーシェル層の脱離が抑制されることになる。なお、下記式(1−2)中のR1は、式(1)中のR1と同義である。下記式(1−2)中の*は、トナーコアに含まれるポリエステル樹脂中の原子に結合する部位を表す。
Figure 2019215412
トナーの正帯電性を高めつつ、トナーコアからのトナーシェル層の脱離を抑制するためには、トナーシェル層は、繰返し単位(1−1)と、式(1−2)で表される繰返し単位(以下、繰返し単位(1−2)と記載する。)とを有するビニル樹脂を含むことが好ましい。以下、繰返し単位(1−1)と繰返し単位(1−2)とを有するビニル樹脂を、特定ビニル樹脂と記載することがある。特定ビニル樹脂中の繰返し単位(1−1)の割合(モル比)が高くなるほど、特定ビニル樹脂の正帯電性(ひいてはトナーの正帯電性)が高くなる傾向がある。一方、特定ビニル樹脂中の繰返し単位(1−2)の割合(モル比)が高くなるほど、トナーコアとトナーシェル層との結合が強固になる傾向がある。正帯電性を高めつつ、トナーコアからのトナーシェル層の脱離をより抑制するためには、トナーシェル層が特定ビニル樹脂のみから構成されていることが好ましい。特定ビニル樹脂中の繰返し単位(1−1)と繰返し単位(1−2)とのモル比は、例えば、結着樹脂の酸価を変更することにより調整できる。
トナーシェル層中のオキサゾリン基が開環して繰返し単位(1−2)が形成されたことを確認する方法としては、例えば、以下に示す方法が挙げられる。詳しくは、所定量のトナー粒子(試料)を溶剤に溶解させる。得られた溶液をNMR(核磁気共鳴)測定用試験管に入れ、NMR装置を用いて1H−NMRスペクトルを測定する。1H−NMRスペクトルでは、化学シフトδ6.5付近に、第2級アミドに由来する三重線(トリプレット)のシグナルが出現する。よって、得られた1H−NMRスペクトルにおいて、化学シフトδ6.5付近に三重線のシグナルが確認されれば、トナーシェル層中のオキサゾリン基が開環して繰返し単位(1−2)が形成されたと推定される。1H−NMRスペクトルの測定条件の一例としては、以下に示す条件が挙げられる。
1H−NMRスペクトルの測定条件の一例)
NMR装置:フーリエ変換核磁気共鳴装置(FT−NMR)(日本電子株式会社製「JNM−AL400」)
NMR測定用試験管:5mm試験管
溶剤:重水素化クロロホルム(1mL)
試料温度:20℃
試料質量:20mg
積算回数:128回
化学シフトの内部基準物質:テトラメチルシラン(TMS)
特定ビニル樹脂は、繰返し単位(1−1)及び繰返し単位(1−2)以外に、例えば化合物(2)に由来する繰返し単位及び化合物(3)に由来する繰返し単位の少なくとも一方(以下、これらをまとめて特定アクリル単位と記載することがある。)を更に含んでいてもよい。均一なトナーシェル層を形成するためには、特定ビニル樹脂は、繰返し単位(1−1)、繰返し単位(1−2)、及び特定アクリル単位のみを繰返し単位として含むことが好ましい。
特定ビニル樹脂を含むトナーシェル層を形成するための原料としては、例えばオキサゾリン基含有高分子水溶液(株式会社日本触媒製「エポクロス(登録商標)WSシリーズ」)を使用できる。このうち、「エポクロスWS−300」は、2−ビニル−2−オキサゾリン(化合物(1)の一種)と、メタクリル酸メチル(化合物(3)の一種)との共重合体を含む。また、「エポクロスWS−700」は、2−ビニル−2−オキサゾリンと、メタクリル酸メチルと、アクリル酸ブチル(化合物(2)の一種)との共重合体を含む。
(材料の好ましい組合せ)
低温定着性を維持しつつ、耐熱保存性及び耐熱ストレス性に特に優れるトナーを得るためには、結着樹脂がポリエステル樹脂を含み、中空無機粒子の外殻部を構成する無機酸化物がシリカであり、トナーシェル層が特定ビニル樹脂を含むことが好ましい。
(外添剤)
トナー粒子は、外添剤を更に備えてもよい。外添剤の外添方法としては、例えば、図1に示すトナー粒子10をトナー母粒子として用い、このトナー母粒子(粉体)と外添剤粒子(粉体)とを一緒に攪拌することで、トナー母粒子の表面に外添剤粒子を付着させる方法が挙げられる。
外添剤粒子としては、樹脂粒子及び無機粒子が好ましい。無機粒子としては、シリカ粒子、及び金属酸化物(より具体的には、アルミナ、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム等)の粒子が好ましい。本実施形態では、一種類の外添剤粒子を単独で使用してもよいし、複数種の外添剤粒子を併用してもよい。
トナー母粒子からの外添剤粒子の脱離を抑制しながら外添剤の機能を十分に発揮させるためには、外添剤の量(複数種の外添剤粒子を使用する場合には、それら外添剤粒子の合計量)が、トナー母粒子100質量部に対して、0.5質量部以上10質量部以下であることが好ましい。
流動性に優れるトナーを得るためには、外添剤粒子として、個数平均一次粒子径5nm以上500nm以下の無機粒子(粉体)を使用することが好ましい。
外添剤粒子は、表面処理されていてもよい。例えば、外添剤粒子としてシリカ粒子を使用する場合、表面処理剤によりシリカ粒子の表面に疎水性及び/又は正帯電性が付与されていてもよい。表面処理剤としては、例えば、カップリング剤(より具体的には、シランカップリング剤、チタネートカップリング剤、アルミネートカップリング剤等)、シラザン化合物(より具体的には、鎖状シラザン化合物、環状シラザン化合物等)、及びシリコーンオイル(より具体的には、ジメチルシリコーンオイル等)が挙げられる。表面処理剤としては、シランカップリング剤及びシラザン化合物が特に好ましい。シランカップリング剤の好適な例としては、シラン化合物(より具体的には、メチルトリメトキシシラン、アミノシラン等)が挙げられる。シラザン化合物の好適な例としては、HMDS(ヘキサメチルジシラザン)が挙げられる。シリカ基体(未処理のシリカ粒子)の表面が表面処理剤で処理されると、シリカ基体の表面に存在する多数のヒドロキシル基(−OH)が部分的に又は全体的に、表面処理剤に由来する官能基に置換される。その結果、表面処理剤に由来する官能基(詳しくは、ヒドロキシル基よりも疎水性及び/又は正帯電性の強い官能基)を表面に有するシリカ粒子が得られる。
<トナーの製造方法>
次に、上述した実施形態に係るトナーの好適な製造方法について説明する。以下、上述した実施形態に係るトナーと重複する構成要素については説明を省略する。
[トナーコアの調製工程]
まず、凝集法又は粉砕法によりトナーコアを調製する。
凝集法は、例えば、凝集工程及び合一化工程を含む。凝集工程では、トナーコアを構成する成分を含む微粒子を水性媒体中で凝集させて、凝集粒子を形成する。合一化工程では、凝集粒子に含まれる成分を水性媒体中で合一化させてトナーコアを形成する。
次に粉砕法を説明する。粉砕法によれば、比較的容易にトナーコアを調製できる上、製造コストの低減が可能である。粉砕法でトナーコアを調製する場合、トナーコアの調製工程は、例えば溶融混練工程と、粉砕工程とを備える。トナーコアの調製工程は、溶融混練工程の前に混合工程を更に備えてもよい。また、トナーコアの調製工程は、粉砕工程後に、微粉砕工程及び分級工程の少なくとも一方を更に備えてもよい。
混合工程では、例えば、結着樹脂と、中空無機粒子と、必要に応じて添加する他の内添剤とを混合して、混合物を得る。溶融混練工程では、トナー材料を溶融し混練して、溶融混練物を得る。トナー材料としては、例えば混合工程で得られる混合物が用いられる。粉砕工程では、得られた溶融混練物を、例えば室温(25℃)まで冷却した後、粉砕して粉砕物を得る。粉砕工程で得られた粉砕物の小径化が必要な場合は、粉砕物を更に粉砕する工程(微粉砕工程)を実施してもよい。また、粉砕物の粒径を揃える場合は、得られた粉砕物を分級する工程(分級工程)を実施してもよい。以上の工程により、粉砕物であるトナーコアが得られる。
[トナーシェル層の形成工程]
続いて、容器に、得られたトナーコアと、トナーシェル層を形成するための原料(トナーシェル原料)と、水(例えばイオン交換水)とを入れた後、容器内容物を攪拌しながら、容器内温を、設定温度(例えば50℃以上70℃以下の温度)になるまで昇温させる。トナーシェル原料としては、例えば、化合物(1)を少なくとも含む単量体の重合物の水溶液(オキサゾリン基含有高分子水溶液)が挙げられる。以下、トナーコアが結着樹脂としてポリエステル樹脂を含み、かつトナーシェル原料として、オキサゾリン基含有高分子水溶液を用いる場合について説明する。
容器内温を昇温させる際の昇温速度は、例えば0.4℃/分以上0.6℃/分以下である。昇温中に、トナーシェル原料のオキサゾリン基を開環させる開環剤(例えば、酢酸水溶液)及び/又はトナーシェル原料を容器に添加してもよい。
容器内温が設定温度に到達した後、設定温度を所定時間(例えば30分以上90分以下)保ちつつ、容器内容物を攪拌することにより、オキサゾリン基含有高分子のオキサゾリン基の一部が、トナーコアの表面に存在するカルボキシル基(ポリエステル樹脂が有するカルボキシル基)と反応する。この反応により、オキサゾリン基が開環すると共に、アミド結合及びエステル結合が形成される。これにより、トナーコアの表面を覆うトナーシェル層が形成されると共に、トナーシェル層がトナーコアの表面に固定される。トナーシェル層の被覆率は、例えば、オキサゾリン基含有高分子水溶液中のオキサゾリン基含有高分子の濃度(固形分濃度)、及びオキサゾリン基含有高分子水溶液の使用量の少なくとも一方を変更することにより調整できる。
次いで、容器にアンモニア水を添加して容器内容物のpHを、例えば6.5以上7.5以下に調整した後、容器内容物を室温(25℃)まで冷却して、トナー母粒子を含む分散液を得る。
[洗浄工程及び乾燥工程]
得られたトナー母粒子の分散液をイオン交換水で洗浄した後、例えば連続式表面改質装置を用いてトナー母粒子を乾燥させる。これにより、トナー母粒子の粉体が得られる。
[外添工程]
その後、必要に応じて、混合機(例えば、日本コークス工業株式会社製のFMミキサー)を用いて、得られたトナー母粒子と外添剤とを混合して、トナー母粒子の表面に外添剤を付着させてもよい。なお、トナー母粒子に外添剤を付着させずに、トナー母粒子をトナー粒子として使用してもよい。こうして、上述した実施形態に係るトナー(トナー粒子の粉体)が得られる。
以下、本発明の実施例について比較例と併せて説明する。なお、本発明は実施例の範囲に何ら限定されるものではない。
<炭酸カルシウム粒子の調製>
[炭酸カルシウム粒子C−1の調製]
温度計及び攪拌羽根を備えた容量1Lの3つ口フラスコに、塩化カルシウム(和光純薬工業株式会社製)16.5gと、イオン交換水283.5gとを投入した。次いで、フラスコ内容物に、炭酸ガスを100mL/分の流量で5分間導入することにより、炭酸カルシウム粒子の分散液を得た。
得られた炭酸カルシウム粒子の分散液を、ブフナー漏斗を用いてろ過(固液分離)して、ウェットケーキ状の炭酸カルシウム粒子を得た。次いで、得られたウェットケーキ状の炭酸カルシウム粒子をイオン交換水に再分散させた後、ブフナー漏斗を用いてろ過した。更に、再分散とろ過とを3回繰り返して、炭酸カルシウム粒子を洗浄した。
続けて、洗浄した炭酸カルシウム粒子を、連続式表面改質装置(フロイント産業株式会社製「コートマイザー(登録商標)」)を用いて、熱風温度45℃かつブロアー風量2m3/分の条件で乾燥させた。その結果、テンプレートとしての炭酸カルシウム粒子C−1(個数平均一次粒子径:120nm)の粉体が得られた。
[炭酸カルシウム粒子C−2〜C−6の調製]
炭酸ガスの流量及び炭酸ガスの導入時間を、表1に示す条件としたこと以外は、炭酸カルシウム粒子C−1の調製と同様の方法で、炭酸カルシウム粒子C−2〜C−6をそれぞれ調製した。
Figure 2019215412
<中空無機粒子H−1の調製>
容器に、245gのエタノールと、30gのイオン交換水と、10gの炭酸カルシウム粒子C−1とを入れた後、容器内容物に対して、超音波分散機(超音波工業株式会社製「ミニウエルダP128」)を用いて、出力100W、周波数28kHzの条件で、3分間超音波照射を行った。これにより、炭酸カルシウム粒子C−1の分散液を得た。次いで、温度計及び攪拌羽根を備えた容量1Lの3つ口フラスコをウォーターバスにセットし、フラスコ内に、得られた炭酸カルシウム粒子C−1の分散液を投入した。次いで、フラスコ内容物を回転速度200rpmで攪拌しながら、フラスコ内に、外殻部の原料としてのテトラエトキシシラン(和光純薬工業株式会社製)20gと、塩基性触媒としてのアンモニア水(アンモニアの濃度:1質量%)20gとを添加した。次いで、ウォーターバスを用いてフラスコ内温を25℃に保持しながら、フラスコ内容物を回転速度200rpmで6時間攪拌した。これにより、炭酸カルシウム粒子C−1(テンプレート)の表面が外殻部(詳しくは、シリカから構成された外殻部)で覆われた。その結果、被覆テンプレートの分散液が得られた。なお、分散液中の被覆テンプレートが有する外殻部には、貫通孔(孔径:1nm以上10nm以下)が形成されていた。
得られた被覆テンプレートの分散液を、ブフナー漏斗を用いてろ過(固液分離)して、ウェットケーキ状の被覆テンプレートを得た。次いで、得られたウェットケーキ状の被覆テンプレートをイオン交換水に再分散させた後、ブフナー漏斗を用いてろ過した。更に、再分散とろ過とを3回繰り返して、被覆テンプレートを洗浄した。
洗浄した被覆テンプレートを、硝酸(和光純薬工業株式会社製)の水溶液(硝酸の濃度:2質量%)300mLに1時間浸漬した。これにより、硝酸が、被覆テンプレートの外殻部に形成された貫通孔から被覆テンプレート内に流入し、流入した硝酸と、被覆テンプレート中の炭酸カルシウム粒子C−1(テンプレート)とが反応した。その結果、被覆テンプレート中の炭酸カルシウム粒子C−1(テンプレート)が除去された。これにより、シリカから構成された外殻部と、この外殻部に取り囲まれた中空部とを有する中空無機粒子Xの分散液が得られた。
得られた中空無機粒子Xの分散液を、ブフナー漏斗を用いてろ過(固液分離)して、ウェットケーキ状の中空無機粒子Xを得た。次いで、得られたウェットケーキ状の中空無機粒子Xをイオン交換水に再分散させた後、ブフナー漏斗を用いてろ過した。更に、再分散とろ過とを3回繰り返して、中空無機粒子Xを洗浄した。
続けて、洗浄した中空無機粒子Xを、連続式表面改質装置(フロイント産業株式会社製「コートマイザー(登録商標)」)を用いて、熱風温度45℃かつブロアー風量2m3/分の条件で乾燥させた。その結果、中空無機粒子Xの粉体が得られた。
温度計及び攪拌羽根を備えた容量1Lの3つ口フラスコに、500gのトルエン(東京化成工業株式会社製)と、3gのn−プロピルトリメトキシシラン(信越化学工業株式会社製「KBM−3033」、疎水化剤)と、50gの中空無機粒子Xとを入れた後、フラスコ内温を80℃に保持しながら、フラスコ内容物を2時間反応させた。これにより、中空無機粒子Xの外殻部の表面にn−プロピル基(疎水性基)が付与された。次いで、フラスコ内温を100℃で2時間保持することによってトルエンを除去し、中空無機粒子H−1(個数平均一次粒子径:160nm)の粉体を得た。
<中空無機粒子H−2〜H−13の調製>
炭酸カルシウム粒子の種類、テトラエトキシシラン(外殻部の原料)の使用量、テトラエトキシシランを含むフラスコ内容物の回転速度200rpmでの攪拌時間、及び疎水化剤の種類を、表2に示すとおりとしたこと以外は、中空無機粒子H−1の調製と同様の方法で、中空無機粒子H−2〜H−12をそれぞれ調製した。また、疎水化剤による処理を行わなかったこと以外は、中空無機粒子H−1の調製と同様の方法で中空無機粒子H−13を得た。つまり、中空無機粒子H−13は、中空無機粒子H−1を得るために調製した中空無機粒子Xと同じであった。
なお、表2において、「TEOS」は、テトラエトキシシラン(外殻部の原料)を指す。「攪拌時間」は、テトラエトキシシランを含むフラスコ内容物の回転速度200rpmでの攪拌時間を指す。「粒子径」は、中空無機粒子の個数平均一次粒子径を指す。中空無機粒子の個数平均一次粒子径は、後述する方法でトナーを作製した後、トナー粒子から分離させた中空無機粒子の粉体を測定対象として測定した場合も同じ結果が得られた。また、表2において、n−プロピルトリメトキシシランとしては、何れも信越化学工業株式会社製「KBM−3033」を使用した。n−オクチルトリエトキシシランとしては、信越化学工業株式会社製「KBE−3083」を使用した。また、表2に示す「外殻部の厚さ」は、以下に示す方法で測定した。
<外殻部の厚さの測定方法>
測定対象の中空無機粒子の粉体を常温硬化性のエポキシ樹脂中に分散させた後、得られた中空無機粒子の分散体を温度40℃の雰囲気で2日間硬化させて、硬化物を得た。得られた硬化物を、四酸化オスミウムを用いて染色した。続けて、ダイヤモンドナイフを備えたウルトラミクロトーム(ライカマイクロシステムズ株式会社製「EM UC6」)を用いて、染色された硬化物を切り出し、薄片試料を得た。続けて、得られた薄片試料の断面を、透過電子顕微鏡(TEM)(株式会社日立ハイテクノロジーズ製「H−7100FA」)を用いて、倍率10万倍で撮影した。そして、画像解析ソフトウェア(三谷商事株式会社製「WinROOF」)を用いてTEM撮影像を解析することで、外殻部の厚さを測定した。具体的には、中空無機粒子の断面の略中心で直交する2本の直線を引き、それら2本の直線が外殻部と交差する4箇所の各々で、外殻部の厚さを測定した。測定された4箇所の厚さの算術平均値を、その中空無機粒子の外殻部の厚さとした。そして、測定対象の中空無機粒子の粉体に含まれる10個の中空無機粒子について、それぞれ外殻部の厚さを測定し、測定された厚さの個数平均値を測定対象の中空無機粒子の粉体の評価値(表2に示す外殻部の厚さ)とした。
Figure 2019215412
<非中空無機粒子Yの調製>
温度計及び攪拌羽根を備えた容量1Lの3つ口フラスコをウォーターバスにセットし、フラスコ内に、245gのエタノールと、30gのイオン交換水とを入れた。次いで、フラスコ内容物を回転速度200rpmで攪拌しながら、フラスコ内に、テトラエトキシシラン(和光純薬工業株式会社製)20gと、塩基性触媒としてのアンモニア水(アンモニアの濃度:1質量%)20gとを添加した。次いで、ウォーターバスを用いてフラスコ内温を25℃に保持しながら、フラスコ内容物を回転速度200rpmで4時間攪拌した。これにより、シリカから構成された非中空無機粒子Y(中空部を有しない無機粒子)の分散液が得られた。
得られた非中空無機粒子Yの分散液を、ブフナー漏斗を用いてろ過(固液分離)して、ウェットケーキ状の非中空無機粒子Yを得た。次いで、得られたウェットケーキ状の非中空無機粒子Yをイオン交換水に再分散させた後、ブフナー漏斗を用いてろ過した。更に、再分散とろ過とを3回繰り返して、非中空無機粒子Yを洗浄した。
続けて、洗浄した非中空無機粒子Yを、連続式表面改質装置(フロイント産業株式会社製「コートマイザー(登録商標)」)を用いて、熱風温度45℃かつブロアー風量2m3/分の条件で乾燥させた。その結果、非中空無機粒子Y(個数平均一次粒子径:150nm)の粉体が得られた。
<結着樹脂の合成>
温度計(熱電対)、脱水管、窒素導入管、精留塔及び攪拌装置を備えた容量5Lの4つ口フラスコを油浴にセットし、このフラスコ内に、1,2−プロパンジオール1200gと、テレフタル酸1700gと、ジオクタン酸錫(II)3gとを投入した。続けて、窒素雰囲気下、温度230℃の条件でフラスコ内容物を15時間反応(詳しくは、縮合反応)させた。続けて、フラスコ内を減圧し、減圧雰囲気(圧力8.0kPa)かつ温度230℃の条件で、反応生成物(ポリエステル樹脂)のTmが所定の温度(90℃)になるまで、フラスコ内容物を反応させた。その結果、結着樹脂としてのポリエステル樹脂R−1(Tm:90℃)が得られた。
<トナーTA−1の作製>
[トナーコアの調製工程]
FMミキサー(日本コークス工業株式会社製「FM−20B」)に、100質量部のポリエステル樹脂R−1と、11.3質量部の離型剤(日油株式会社製「ニッサンエレクトール(登録商標)WEP−3」、成分:合成エステルワックス)と、11.3質量部の着色剤(三菱ケミカル株式会社製「MA100」、成分:カーボンブラック)と、0.6質量部の中空無機粒子H−1とを投入した後、これらの材料を回転速度2000rpmの条件で4分間混合した。
続けて、得られた混合物を、2軸押出機(株式会社池貝製「PCM−30」)を用いて、材料供給速度5kg/時、軸回転速度160rpm、設定温度(シリンダー温度)100℃の条件で溶融混練した。その後、得られた混練物を冷却した。続けて、冷却された混練物を、機械式粉砕機(フロイント・ターボ株式会社製「ターボミルT250」)を用いて粉砕した。続けて、得られた粉砕物を、分級機(日鉄鉱業株式会社製「エルボージェットEJ−LABO型」)を用いて分級した。その結果、体積中位径(D50)6.7μmのトナーコアが得られた。
[トナーシェル層の形成工程]
温度計及び攪拌羽根を備えた容量2Lの3つ口フラスコをウォーターバスにセットし、フラスコ内にイオン交換水300mLを入れた。そして、ウォーターバスを用いてフラスコ内の温度を30℃に保った。続けて、フラスコ内に、トナーシェル原料としてのオキサゾリン基含有高分子水溶液(株式会社日本触媒製「エポクロス(登録商標)WS−300」、固形分濃度:10質量%)30gを入れた後、フラスコ内容物を攪拌した。続けて、フラスコ内に、上述の手順で得られたトナーコア300gを添加し、回転速度200rpmでフラスコ内容物を1時間攪拌した。その後、フラスコ内にイオン交換水300mLを添加し、更に、フラスコ内にアンモニア水(アンモニアの濃度:1質量%)6mLを添加した。続けて、回転速度150rpmでフラスコ内容物を攪拌しながら、フラスコ内の温度を0.5℃/分の速度で60℃まで昇温させた。続けて、回転速度100rpmでフラスコ内容物を攪拌しながら、その温度(60℃)に1時間保った。フラスコ内容物の温度を60℃に保っている間に、トナーコアの表面を覆うトナーシェル層が形成された。トナーシェル層は、上述した特定ビニル樹脂から構成されていた。次いで、フラスコ内にアンモニア水(アンモニアの濃度:1質量%)を添加して、フラスコ内容物のpHを7に調整した後、フラスコ内容物を室温(25℃)まで冷却して、トナー母粒子を含む分散液を得た。
[洗浄工程]
得られたトナー母粒子の分散液を、ブフナー漏斗を用いて濾過(固液分離)して、ウェットケーキ状のトナー母粒子を得た。このウェットケーキ状のトナー母粒子をイオン交換水に再分散させた後、ブフナー漏斗を用いて濾過した。更に、再分散と濾過とを5回繰り返して、トナー母粒子を洗浄した。
[乾燥工程]
次いで、洗浄したトナー母粒子を、連続式表面改質装置(フロイント産業株式会社製「コートマイザー(登録商標)」)を用いて、熱風温度45℃かつブロアー風量2m3/分の条件で乾燥させた。
[外添工程]
乾燥させたトナー母粒子100質量部と、導電性酸化チタン粒子(チタン工業株式会社製「EC−100」)1.5質量部と、疎水性の乾式フュームドシリカ粒子(株式会社トクヤマ製「レオロシール(登録商標)HG−09」)1.5質量部と、樹脂粒子(日本ペイント・インダストリアルコーティングス株式会社製「ファインスフェア(登録商標)FS−102」、成分:非架橋スチレン−アクリル酸樹脂)1.0質量部とを、FMミキサー(日本コークス工業株式会社製「FM−10B」)を用いて、回転速度3500rpmかつジャケット温度20℃の条件で5分間混合した。これにより、トナー母粒子の表面に外添剤(導電性酸化チタン粒子、疎水性フュームドシリカ粒子、及び樹脂粒子)を付着させ、正帯電性のトナーTA−1を得た。
<トナーTA−2〜TA−9及びTB−1〜TB−7の作製>
トナーコアの調製工程において、中空無機粒子H−1の代わりに後述する表3に示す中空無機粒子(FMミキサーへの投入量:0.6質量部)を使用したこと以外は、トナーTA−1の作製と同様の方法で、トナーTA−2〜TA−9及びTB−1〜TB−4をそれぞれ作製した。トナーTA−2〜TA−9及びTB−1〜TB−4は、何れも正帯電性のトナーであった。また、トナーコアの調製工程において、中空無機粒子H−1の代わりに非中空無機粒子Y(FMミキサーへの投入量:0.6質量部)を使用したこと以外は、トナーTA−1の作製と同様の方法で、正帯電性のトナーTB−5を作製した。また、トナーコアの調製工程において、中空無機粒子H−1を使用しなかったこと以外は、トナーTA−1の作製と同様の方法で、正帯電性のトナーTB−6を作製した。また、トナーコアの調製工程においてFMミキサーに投入する材料として、正帯電性の電荷制御剤(オリヱント化学工業株式会社製「BONTRON(登録商標)P−51」)2.5質量部を追加したことと、トナーシェル層を形成しなかったこと以外は、トナーTA−1の作製と同様の方法で、正帯電性のトナーTB−7を作製した。トナーTB−7の作製では、外添工程において、トナー母粒子100質量部の代わりに、トナーTA−1の作製におけるトナーコアの調製工程と同様の手順で得られたトナーコア100質量部を使用した。
<被覆率の測定>
トナーTA−1〜TA−9について、以下に示す方法により、トナーシェル層の被覆率を測定した。まず、試料(トナーTA−1〜TA−9の何れか)を可視光硬化性樹脂(東亞合成株式会社製「アロニックス(登録商標)D−800」)中に分散させた後、可視光照射により樹脂を硬化させて、硬化物を得た。その後、超薄切片作製用ナイフ(住友電気工業株式会社製「スミナイフ(登録商標)」:刃幅2mm、刃先角度45°のダイヤモンドナイフ)及びウルトラミクロトーム(ライカマイクロシステムズ株式会社製「EM UC6」)を用いて、切削速度0.3mm/秒で硬化物を切削することで、150nmの薄片を作製した。得られた薄片を、銅メッシュ上で四酸化ルテニウム水溶液の蒸気中に10分間暴露して、Ru染色した。続けて、染色された薄片試料の断面を、透過電子顕微鏡(TEM)(株式会社日立ハイテクノロジーズ製「H−7100FA」)を用いて撮影した。
上記のようにして得たTEM撮影像(トナー粒子の断面撮影像)を、画像解析ソフトウェア(三谷商事株式会社製「WinROOF」)を用いて解析した。詳しくは、トナー粒子のTEM撮影像において、トナーコアの表面領域(外縁を示す輪郭線)のうちトナーシェル層で覆われた領域の割合を測定し、トナーシェル層の被覆率を得た。そして、試料(トナー)に含まれる10個のトナー粒子について、それぞれトナーシェル層の被覆率を測定し、得られた10個の測定値の算術平均を、試料(トナー)の評価値(トナーシェル層の被覆率)とした。
トナーTA−1〜TA−9では、何れもトナーシェル層の被覆率が90%以上100%以下であった。
<低温定着性の評価>
[2成分現像剤の調製]
現像剤用キャリア(京セラドキュメントソリューションズ株式会社製の「FS−C5250DN」用キャリア)100質量部と、評価に用いるトナー8質量部とを、ボールミルを用いて30分間混合して、評価に用いる2成分現像剤を調製した。
[最低定着温度の測定]
評価機としては、プリンター(京セラドキュメントソリューションズ株式会社製「FS−C5250DN」を改造して定着温度を変更可能にした評価機)を用いた。上述のようにして調製した2成分現像剤を評価機のブラック用現像装置に投入し、補給用トナー(評価対象のトナー)を評価機のブラック用トナーコンテナに投入した。
温度23℃かつ湿度50%RHの環境下、上記評価機を用いて、評価用紙(モンディ社製「ColorCopy(登録商標)」、A4サイズ、坪量90g/m2)に、トナー載り量1.0mg/cm2の条件で、大きさ25mm×25mmのソリッド画像(詳しくは、未定着のトナー像)を形成した。続けて、画像が形成された評価用紙を評価機の定着装置に通した。この際、定着装置の定着温度を100℃から2℃ずつ上げながら各定着温度について定着の可否を判定し、ソリッド画像(トナー像)を評価用紙に定着できる最低温度(最低定着温度)を測定した。トナーを定着させることができたか否かは、以下に示すような折擦り試験で確認した。詳しくは、定着装置に通した評価用紙を、画像を形成した面が内側となり、且つ画像の中央が折り目となるように半分に折り曲げ、布帛で被覆した1kgの真鍮製の分銅を用いて、折り目上を5往復摩擦した。続けて、評価用紙を広げ、評価用紙の折り曲げ部(ソリッド画像が形成された部分)を観察した。そして、折り曲げ部のトナーの剥がれの長さ(剥がれ長)を測定した。剥がれ長が1mm以下となる定着温度のうちの最低温度を、最低定着温度とした。最低定着温度が130℃以下であれば、「低温定着性を維持できている」と評価し、最低定着温度が130℃を超える場合、「低温定着性を維持できていない」と評価した。
<耐熱保存性の評価>
ポリエチレン製容器(容量20mL)に2gのトナー(評価に用いるトナー)を入れて、ポリエチレン製容器を密閉した。次いで、密閉された容器を58℃に設定された恒温槽内に3時間静置した。その後、容器から取り出したトナーを室温(25℃)まで冷却して、評価対象を得た。
得られた評価対象を、質量既知の100メッシュ(目開き150μm)の篩に載せた。そして、評価対象を含む篩の質量を測定し、篩別前のトナーの質量を求めた。続けて、粉体特性評価装置(ホソカワミクロン株式会社製「パウダテスタ(登録商標)PT−X」)に上記篩をセットし、粉体特性評価装置のマニュアルに従い、振幅1.0mmの条件で30秒間、篩を振動させ、評価対象を篩別した。篩別後、篩を通過しなかったトナーの質量を測定した。そして、篩別前のトナーの質量と、篩別後のトナーの質量とに基づいて、下記式に従って凝集度(単位:質量%)を求めた。凝集度が10質量%未満の場合、「耐熱保存性に優れている」と評価した。凝集度が10質量%以上の場合、「耐熱保存性に優れていない」と評価した。なお、下記式における「篩別後のトナーの質量」は、篩を通過しなかったトナーの質量であり、篩別後に篩上に残留したトナーの質量である。
凝集度=100×篩別後のトナーの質量/篩別前のトナーの質量
<耐熱ストレス性の評価>
評価機として、レオメーター(株式会社アントンパール製「MCR−301」)を用いた。図4に、この評価機(レオメーター)の概要を示す。以下、図4を参照して、耐熱ストレス性の評価方法について説明する。
図4に示すように、評価機30は、アルミニウム製の圧子31と、ステンレススチール(SUS)製のプレート32と、加熱装置33とを備える。圧子31の形状は、面積0.785cm2の底面F40を有する円柱である。プレート32は固定されており、圧子31はモーターにより駆動されて移動する。プレート32の上面に対して直交する方向(Z1方向又はZ2方向)に圧子31が変位することで、圧子31の底面F40とプレート32の上面との距離が変わる。圧子31の底面F40とプレート32の上面との間にトナー粒子34(評価に用いるトナーに含まれるトナー粒子)を挟み、圧子31をプレート32に近づける(Z2側に変位させる)ことで、トナー粒子34に所定の圧力を加えることができる。また、圧子31は、モーターにより駆動されて、プレート32の上面に対して直交する方向を回転軸として回転する。
耐熱ストレス性の評価では、周波数1Hzで偏向角0.01°ずつ回転する圧子31により、1.0mgのトナー粒子34に一定の押圧荷重(3.0N/cm2)をかけながら、トナー粒子34の温度を2℃/分で上昇させ、圧子31の回転トルクが5mN・mになるときの温度を測定した。回転トルクは、トナー粒子が溶け始めると5mN・m以上に上昇し、トナー粒子がある程度溶けると、下がり始める傾向がある。回転トルクが5mN・mになるときの温度(以下、耐熱ストレス性評価温度と記載することがある。)が、55℃以上であれば「耐熱ストレス性に優れている」と評価し、55℃未満であれば「耐熱ストレス性に優れていない」と評価した。
トナーTA−1〜TA−9及びTB−1〜TB−7のそれぞれについて、使用した中空無機粒子の種類、トナーシェル層の有無、最低定着温度、凝集度、及び耐熱ストレス性評価温度を表3に示す。
Figure 2019215412
トナーTA−1〜TA−9では、トナー粒子が、結着樹脂(ポリエステル樹脂)及び中空無機粒子を含むトナーコアと、トナーコアの表面を覆うトナーシェル層とを備えていた。トナーTA−1〜TA−9では、中空無機粒子が、無機酸化物(シリカ)から構成された外殻部と、外殻部に取り囲まれた中空部とを有していた。表2及び表3に示すように、トナーTA−1〜TA−9では、中空無機粒子の個数平均一次粒子径が100nm以上350nm以下であった。トナーTA−1〜TA−9では、中空無機粒子の外殻部の厚さが10nm以上30nm以下であった。
表3に示すように、トナーTA−1〜TA−9では、最低定着温度が130℃以下であった。よって、トナーTA−1〜TA−9は、低温定着性を維持できていた。トナーTA−1〜TA−9では、凝集度が10質量%未満であった。よって、トナーTA−1〜TA−9は、耐熱保存性に優れていた。トナーTA−1〜TA−9では、耐熱ストレス性評価温度が55℃以上であった。よって、トナーTA−1〜TA−9は、耐熱ストレス性に優れていた。
表2及び表3に示すように、トナーTB−1では、中空無機粒子の外殻部の厚さが10nm未満であった。トナーTB−2では、中空無機粒子の外殻部の厚さが30nmを超えていた。トナーTB−3では、中空無機粒子の個数平均一次粒子径が100nm未満であった。トナーTB−4では、中空無機粒子の個数平均一次粒子径が350nmを超えていた。トナーTB−5では、トナーコアが非中空無機粒子を含んでいた。しかし、トナーTB−5では、トナーコアが中空無機粒子を含んでいなかった。トナーTB−6では、トナーコアが中空無機粒子を含んでいなかった。トナーTB−7では、トナー粒子がトナーシェル層を備えていなかった。
表3に示すように、トナーTB−2、TB−3及びTB−5では、最低定着温度が130℃を超えていた。よって、トナーTB−2、TB−3及びTB−5は、低温定着性を維持できていなかった。トナーTB−6及びTB−7では、凝集度が10質量%以上であった。よって、トナーTB−6及びTB−7は、耐熱保存性に優れていなかった。トナーTB−1、TB−4、TB−6及びTB−7では、耐熱ストレス性評価温度が55℃未満であった。よって、トナーTB−1、TB−4、TB−6及びTB−7は、耐熱ストレス性に優れていなかった。
以上の結果から、本発明によれば、低温定着性を維持しつつ、耐熱保存性及び耐熱ストレス性に優れるトナーを提供できることが示された。
本発明に係るトナーは、例えば複合機又はプリンターにおいて画像を形成するために利用することができる。
10 トナー粒子
11 トナーコア
12 トナーシェル層
13 結着樹脂
14 中空無機粒子
14A 外殻部
14B 中空部

Claims (6)

  1. トナー粒子を含むトナーであって、
    前記トナー粒子は、結着樹脂及び中空無機粒子を含むトナーコアと、前記トナーコアの表面を覆うトナーシェル層とを備え、
    前記中空無機粒子は、無機酸化物から構成された外殻部と、前記外殻部に取り囲まれた中空部とを有し、
    前記中空無機粒子の個数平均一次粒子径は、100nm以上350nm以下であり、
    前記中空無機粒子の前記外殻部の厚さは、10nm以上30nm以下である、トナー。
  2. 前記無機酸化物は、シリカである、請求項1に記載のトナー。
  3. 前記中空無機粒子の前記外殻部の表面は、疎水化処理されている、請求項1又は2に記載のトナー。
  4. 前記中空無機粒子の前記外殻部の表面には、炭素原子数3以上8以下のアルキル基が付与されている、請求項3に記載のトナー。
  5. 前記中空無機粒子の質量は、前記結着樹脂100質量部に対して0.1質量部以上1.0質量部以下である、請求項1〜4の何れか一項に記載のトナー。
  6. 前記結着樹脂は、ポリエステル樹脂を含み、
    前記トナーシェル層は、下記式(1)で表される化合物を少なくとも含む単量体の重合物を含有する、請求項1〜5の何れか一項に記載のトナー。
    Figure 2019215412
    (前記式(1)中、R1は、水素原子、又は置換基で置換されていてもよいアルキル基を表す。)
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