JP2019214945A - シリンダヘッドの加工方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】加工時間が短く安価でありながら、所望の形状の通路を得ることができるシリンダヘッドの加工方法を提供する。【解決手段】シリンダヘッド1は、燃焼室4に吸気Iを導入する吸気通路6と、燃焼室4から排気Gを導出する排気通路8と、吸気通路6における燃焼室4に開口する吸気ポート10を開閉する吸気バルブ22と、排気通路8における燃焼室4に開口する排気ポート16を開閉する排気バルブ24と、吸気バルブ22の弁座を構成する環状の吸気バルブシート28と、排気バルブ24の弁座を構成する環状の排気バルブシート30とを備えている。吸気通路6が、シリンダヘッド1の内側から挿入した、刃先の回転軌跡35がテーパ面である単一のカッター34を複数の軌道P1,P2上を移動させて加工されている。【選択図】図3

Description

本発明は、シリンダヘッド内部の吸気通路または排気通路を加工する方法に関するものである。
シリンダヘッドの加工方法として、その概略形状が鋳造で形成された後、機械加工により形状を整えるものが多い(例えば、特許文献1)。一例として、シリンダヘッドの吸気通路および排気通路は、鋳造によりシリンダヘッド本体と同時に形成される。その後、吸排気バルブの弁座を形成するバルブシート加工が吸排気通路に施される。その際、図9に示すように、通路内におけるバルブシート加工された部位と鋳造で形成された部位との境界に、段差部Bが形成される。このような段差部Bは、シリンダヘッドの内側からカッター100を用いた突き加工により削られて除去される。
特許第6110269号公報
上述の加工方法の場合、通路におけるカッター100で加工された領域の通路壁101は、バルブシートの軸心102と平行になる。つまり、通路におけるカッター100で加工された領域101と鋳造で形成された領域103とで、通路の形状が異なる。そのため、通路が、理想的な滑らかな湾曲形状とならない。吸排気通路を削り出しで形成すれば、理想的な湾曲形状の通路を得ることができる。しかしながら、削り出し加工は膨大な加工時間を要し、これに伴い加工コストも上昇する。
本発明は、加工時間が短く安価でありながら、所望の形状の通路を得ることができるシリンダヘッドの加工方法を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明のシリンダヘッドの加工方法は、燃焼室に吸気を導入する吸気通路と、前記燃焼室から排気を導出する排気通路と、前記吸気通路における前記燃焼室に開口する吸気ポートを開閉する吸気バルブと、前記排気通路における前記燃焼室に開口する排気ポートを開閉する排気バルブと、前記吸気バルブの弁座を構成する環状の吸気バルブシートと、前記排気バルブの弁座を構成する環状の排気バルブシートとを備えたシリンダヘッドの加工方法であって、前記吸気通路および前記排気通路の少なくとも一方の通路を、シリンダヘッドの内側から挿入した、刃先の回転軌跡がテーパ面または円筒面である単一のカッターを複数の軌道上を移動させて加工する。ここで、「シリンダヘッドの内側から挿入」とは、燃焼室側からカッターを挿入することをいう。
この構成によれば、自由曲線を描くように単一のカッターを移動させながら加工するので、通路を所望の形状に加工し易い。すなわち、理想的な滑らかな湾曲形状の通路を得やすい。これにより、特に、吸気通路において、通路抵抗が小さくなるので、吸気効率が向上する。その結果、エンジンの性能が向上する。また、削り出し加工に比べて、加工時間が短く、加工コストも安価であり、量産性に優れる。
本発明において、前記カッターを第1軌道上を移動させることにより前記通路のシリンダ中心側の部分を加工し、前記カッターを第2軌道上を移動させることにより前記通路のシリンダ外側の部分を加工してもよい。この構成によれば、2回の加工で済むので、削り出し加工に比べて、加工時間が短い。したがって、量産性に優れる。
2つの軌道上でカッターを移動させる場合、前記第1軌道における前記カッターの第1回転軸心および前記第2軌道における前記カッターの第2回転軸心は互いに非平行で、且つ、前記バルブシートの軸心と非平行であってもよい。この場合、前記第1回転軸心のシリンダ軸心に対する第1傾斜角度が、前記第2回転軸心の前記シリンダ軸心に対する第2傾斜角度よりも大きく設定されていてもよい。この構成によれば、所望の形状である、滑らかな湾曲形状の通路を得やすい。これにより、通路抵抗が低下するので、エンジンの性能が向上する。
本発明において、前記カッターを第1軌道上を移動させることにより前記通路のシリンダ中心側の部分を加工し、前記カッターを第2軌道上を移動させることにより前記通路のシリンダ外側のポート側部分を加工し、前記カッターを第3軌道上を移動させることにより前記通路のシリンダ外側のポートから離れた部分を加工してもよい。この構成によれば、加工を3回することにより、特に、シリンダ外側部分がシリンダ軸心に対して外側に大きく曲がる形状である場合、シリンダ外側部分を2回加工することにより、所望の形状の通路を得やすい。これにより、通路抵抗が低下するので、エンジンの性能が向上する。
3つの軌道上でカッターを移動させる場合、前記第1軌道における前記カッターの第1回転軸心、前記第2軌道における前記カッターの第2回転軸心および前記第3軌道における前記カッターの第3回転軸心は、互いに非平行で、且つ、前記バルブシートの軸心と非平行であってもよい。この構成によれば、所望の形状である、滑らかな湾曲形状の通路を得やすい。これにより、通路抵抗が低下するので、エンジンの性能が向上する。
3つの軌道上でカッターを移動させる場合、前記第1回転軸心のシリンダ軸心に対する第1傾斜角度が、前記第2回転軸心の前記シリンダ軸心に対する第2傾斜角度および前記第3回転軸心の前記シリンダ軸心に対する第3傾斜角度よりも大きく設定され、前記第3傾斜角度が、前記第2傾斜角度よりも大きく設定されていてもよい。この構成によれば、所望の形状の通路を得やすい。これにより、通路抵抗が低下するので、エンジンの性能が向上する。
本発明において、前記吸気通路を、前記カッターにより加工してもよい。この構成によれば、吸気通路の通路抵抗が小さくなるので、吸気効率が向上する。これにより、エンジンの性能が向上する。吸気通路の通路抵抗を下げる方が、排気通路の通路抵抗を下げるよりも、エンジンの性能を向上させる効果は大きい。
本発明において、前記テーパ面を有するカッターを使用してもよい。この構成によれば、例えば、曲りの小さい横断面における曲線はカッターのテーパ面で加工し、曲りの大きい縦断面における曲線はカッターの角度を変えて加工できる。これにより、工具の傾斜軸を1軸のみとして加工できる。
本発明のシリンダヘッドの加工方法によれば、加工時間が短く安価でありながら、所望の形状の通路を得ることができる。
本発明の第1実施形態に係る加工方法で加工されたシリンダヘッドを示す縦断面図である。 バルブシート加工後の同シリンダヘッドの吸気通路を示す断面図である。 同吸気通路を切削加工している状態を示す縦断面図である。 同切削加工のカッターの軌道を示す図である。 同シリンダヘッドの一対の吸気通路を示す正面図である。 同シリンダヘッドの吸気通路と従来の加工方法で加工されたシリンダヘッドの吸気通路を比較して示す断面図である。 本発明の第2実施形態に係る加工方法でシリンダヘッドの吸気通路を切削加工している状態を示す断面図である。 同切削加工のカッターの軌道を示す図である。 従来の加工方法で加工されたシリンダヘッドの吸気通路を示す断面図である。
以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照しながら説明する。図1は本発明の第1実施形態に係る加工方法で加工されたシリンダヘッド1を示す縦断面図である。本実施形態のシリンダヘッド1は、例えば、DOHC(Double OverHead Camshaft)の4バルブ式である。シリンダヘッド1は、エンジン回転軸を支持するクランクケース(図示せず)から突出するシリンダ2の先端に連結されている。シリンダ2の内部に燃焼室4が形成されている。シリンダヘッド1およびシリンダ2は、例えば、アルミニウム合金製である。
シリンダヘッド1の内部に、燃焼室4に吸気Iを導入する吸気通路6と、燃焼室4から排気Gを導出する排気通路8とが形成されている。吸気通路6は、一端の吸気ポート10が燃焼室4に開口し、他端の吸気入口12でシリンダヘッド1の外部に開口している。吸気入口12に吸気管14が接続されており、吸気通路6を介して燃焼室4に吸気Iが供給されている。
吸気通路6は、吸気ポート10から吸気入口12に向かってシリンダ軸心C1から離れる湾曲形状に形成されている。詳細には、吸気通路6の通路壁におけるシリンダ軸心C1側が湾曲形状の外側で、吸気通路6の通路壁におけるシリンダ軸心C1と反対側(シリンダの外側)が湾曲形状の内側となっている。つまり、吸気通路6の通路壁におけるシリンダ軸心C1と反対側の方が曲率が大きく(曲率半径が小さく)なっている。
排気通路8は、一端の排気ポート16が燃焼室4に開口し、他端の排気出口18でシリンダヘッド1の外部に開口している。排気出口18に排気管20が接続されており、排気通路8を介して燃焼室4から排気Gが排出されている。
排気通路8は、排気ポート16から排気出口18に向かってシリンダ軸心C1から離れる湾曲形状に形成されている。詳細には、排気通路8の通路壁におけるシリンダ軸心C1側が湾曲形状の外側で、排気通路8の通路壁におけるシリンダ軸心C1と反対側(シリンダの外側)が湾曲形状の内側となっている。つまり、排気通路8の通路壁におけるシリンダ軸心C1と反対側の方が曲率が大きく(曲率半径が小さく)なっている。また、吸気通路6の曲率半径が、排気通路8の曲率半径よりも大きく形成されている。
シリンダヘッド1は、吸気通路6の吸気ポート10を開閉する吸気バルブ22と、排気通路8の排気ポート16を開閉する排気バルブ24とを有している。両バルブ22,24は、例えば、鋼製である。吸気バルブ22および排気バルブ24は、動弁系25を介してクランクシャフト(図示せず)の回転動力により駆動される。動弁系25は、シリンダヘッド1に取り付けられたヘッドカバー26により覆われている。
吸気通路6の吸気ポート10に、吸気バルブ22の弁座を構成する環状の吸気バルブシート28が取り付けられている。同様に、排気通路8の排気ポート16に、排気バルブ24の弁座を構成する環状の排気バルブシート30が取り付けられている。吸気バルブシート28および排気バルブシート30は、例えば、シリンダヘッド1に圧入されて吸気ポート10および排気ポート16を形成している。
つぎに、シリンダヘッドの加工方法を説明する。本実施形態のシリンダヘッド1は、その概略形状が鋳造により形成される(鋳造過程)。鋳造過程において、シリンダヘッド1の吸気通路6および排気通路8がシリンダヘッド本体と同時に形成される。
つづいて、吸気通路6および排気通路8の燃焼室4への開口部に、吸気バルブシート28および排気バルブシート30が取り付けられる(バルブシート加工取付過程)。図2に示すように、吸気通路6および排気通路8内におけるバルブシート28,30が取り付けられた部位の近傍に、段差32が生じる。
つぎに、吸気通路6の通路壁の切削加工が行われる(ポート加工過程)。ポート加工過程では、吸気通路6の通路壁における吸気ポート10の近傍の部分が切削加工される。ポート加工過程は、シリンダヘッド1の吸気ポート10および吸気通路6の形状を変更し、シリンダヘッド1に流れる吸気(混合気)Iの流れの改善を図るために行われる。ポート加工過程において、段差32は除去される。前記吸気通路を。本実施形態では、ポート加工過程において、吸気通路6のみ加工されているが、排気通路8の通路壁の切削加工を施してもよい。
図3に示すように、ポート加工過程では、シリンダヘッド1の内側から挿入したカッター34により、吸気通路6の通路壁が切削加工される。ここで、「シリンダヘッド1の内側から挿入」とは、吸気ポート10側、すなわち、燃焼室45(図1)側からカッター34を挿入することをいう。
本実施形態のカッター34は、先端に丸味を持たせたテーパ付カッターであり、刃先の回転軌跡35がテーパ面である。詳細には、本実施形態のカッター34の刃先の回転軌跡35は円錐台形である。ただし、カッター34の刃先の回転軌跡35は、円錐台形に限定されず、円錐形であってもよい。また、カッター34の刃先の回転軌跡35は、テーパ面でなくてもよく、円筒面であってもよい。カッター34の外径は、吸気ポート10の径の半分以下であることが好ましい。
ポート加工過程では、シリンダヘッド1の内側(吸気ポート10側)から挿入した、カッター34を複数の軌道上を移動させて加工する。詳細には、各軌道において、円形、楕円形のような定形の曲線でない自由曲線を描くようにカッター34を移動させながら、カッター34の周面(テーパ面35)で通路壁を加工する。ただし、自由曲線は、分割された複数の前記定形の曲線を継いで形成した曲線であってもよい。このように、自由曲線を描くようにカッター34を移動させることで、吸気通路6の通路壁の形状を自由に決めながら加工できる。
本実施形態では、カッター34を2つの軌道上を移動させて加工している。詳細には、図4に示すように、カッター34を実線で示す第1軌道P1上を移動させることにより吸気通路6のシリンダ中心側(シリンダ軸心C1側)の部分が加工され、カッター34を破線で示す第2軌道P2上を移動させることにより吸気通路6のシリンダ外側の部分を加工している。つまり、本実施形態では、第1および第2軌道P1,P2により通路壁を半周ずつ削っている。ここで、第1軌道P1はカッター34の第1回転軸心A1の軌道を示し、第2軌道P2はカッター34の第2回転軸心A2の軌道を示している。第1軌道P1および第2軌道P2は、切削装置にプログラムされた限定の軌道である。
図3に示すように、本実施形態では、第1軌道P1でのカッター34の第1回転軸心A1と、第2軌道P2でのカッター34の第2回転軸心A2は平行でない。詳細には、第1軌道P1におけるカッター34の第1回転軸心A1および第2軌道P2におけるカッター34の第2回転軸心A1は互いに非平行で、且つ、吸気バルブシート28の軸心C2と非平行である。
より詳細には、第1回転軸心A1のシリンダ軸心C1に対する第1傾斜角度θ1が、第2回転軸心A2のシリンダ軸心C1に対する第2傾斜角度θ2よりも大きく設定されている(θ1>θ2)。つまり、本実施形態では、2つの軌道P1,P2で角度θ1,θ2を変えながら、半周ずつ削っている。これにより、吸気通路6を所望の形状に加工し易い。本実施形態では、2つの軌道P1,P2を同じカッター34で加工しているが、第1軌道P1と第2軌道P2とで、異なるカッター34を用いてもよい。
本実施形態では、図4に示す形状の異なる2つの軌道P1,P2で加工が行われるが、各軌道P1,P2を通過するのは1回である。つまり、吸気通路6の通路壁における同じ部位の加工は1回のみである。したがって、通路壁の仕上がり面(加工面)は1つであり、きれいに仕上がる。一方、総削り出し、つまり、鋳造を用いないでカッターのみを使用する切削加工により通路壁を形成する場合、ボールエンドミルにより一定のピッチで繰り返し通路壁を削る。そのため、加工面が凹凸になる。したがって、本実施形態では、総削り出しに比べて面粗度を小さくできる。
上述のように、本実施形態では、テーパ面35を有するカッター34を用いて、傾斜角度下θ1,θ2の異なる第1軌道P1と第2軌道P2により吸気通路6の通路壁を加工している。図3に示す通路壁におけるシリンダ軸心C1側(内側)とシリンダ軸心C1の反対側(外側)の部分は、カッター34の傾斜角度θ1,θ2を変えることで所望の形状に加工される。図5に示す吸気通路6の通路壁における幅方向に対向する部分は曲りが小さいので、この曲がりにカッター34のテーパ面35を沿わせることで所望の形状に加工される。ここで、幅方向はエンジン回転軸の方向をいう。これにより、1軸旋盤により、吸気通路6の通路壁を所望の形状に加工できる。
上記構成によれば、自由曲線を描くようにカッター34を移動させながら加工するので、吸気通路6を所望の形状に加工し易い。すなわち、理想的な滑らかな湾曲形状の吸気通路6を得やすい。これにより、吸気通路6の通路抵抗が小さくなるので、吸気効率が向上する。その結果、エンジンの性能が向上する。
図6に、カッター100を吸気バルブシート28の軸心C2方向に往復させる従来の突き加工で形成された吸気通路6と、本実施形態の切削加工で形成された吸気通路6とを示す。図6において、従来の突き加工で形成された吸気通路6が実線で示され、本実施形態の切削加工で形成された吸気通路6が破線で示されている。同図から明らかなように、従来の突き加工では、吸気通路6における突き加工で形成された領域の通路壁106は、吸気バルブシート28の軸心C2と平行になり、吸気通路6が、理想的な滑らかな湾曲形状とならない。
これに対し、上記実施形態では、自由曲線を描くようにカッター34を移動させながら加工するので、図6に破線で示すように、吸気通路6を所望の形状に加工し易い。また、通路全体を削り出す削り出し加工に比べて、加工時間が短く、加工コストも安価であり、量産性にも優れる。
図4に示す第1軌道P1上にカッター34を移動させることで吸気通路6のシリンダ中心C1側の部分が加工され、第2軌道P2上にカッター34を移動させることで吸気通路6のシリンダ外側の部分が加工されている。したがって、吸気通路6の加工が2回で済むので、削り出し加工に比べて、加工時間が短くなり、量産性に優れる。
図3に示すように、第1軌道P1におけるカッター34の第1回転軸心A1および第2軌道P2におけるカッター34の第2回転軸心A1は互いに非平行で、且つ、吸気バルブシート28の軸心C2と非平行である。さらに、第1回転軸心A1のシリンダ軸心C1に対する第1傾斜角度θ1が、第2回転軸心A2のシリンダ軸心C1に対する第2傾斜角度θ2よりも大きく設定されている。このように、傾斜角度θ1,θ2の異なる2つの軌道P1,P2で、吸気通路6のシリンダ中心側の部分およびシリンダ外側の部分がそれぞれ加工されるので、理想的な湾曲形状の吸気通路6を得ることができる。これにより、通路抵抗が低下して吸気効率が向上するので、エンジンの性能が向上する。
このように、曲りが大きい図4に示す通路壁におけるシリンダ軸心C1側(内側)とシリンダ軸心C1の反対側(外側)の部分は、カッター34の傾斜角度θ1,θ2を変えることで所望の形状に加工される。また、曲りが小さい図5に示す通路壁における幅方向に対向する部分は、カッター34のテーパ面35を設定することで所望の形状に加工される。これにより、傾斜軸が1軸のマシニングにより、吸気通路6の通路壁を所望の形状に加工できる。
図7,8は、本発明の第2実施形態に係るシリンダヘッドの加工方法を示す。第1実施形態が第1および第2軌道P1,P2で2回加工するのに対し、第2実施形態では、第1〜3軌道P1,P2,P3で3回加工する点で相違している。
詳細には、第2実施形態では、図8に実線で示す第1軌道P1上でカッター34を移動させることにより吸気通路6のシリンダ中心側の部分が加工され、破線で示す第2軌道P2上でカッター34を移動させることにより吸気通路6のシリンダ外側の吸気ポート10寄りの部分(下流側部分)が加工され、実線で示す第3軌道P3上でカッター34を移動させることにより、図7に示す吸気通路6のシリンダ外側の吸気ポート10から離れた部分(上流側部分)60が加工されている。
また、第1軌道P1におけるカッター34の第1回転軸心A1、第2軌道P2におけるカッター34の第2回転軸心A2および第3軌道P3におけるカッター34の第3回転軸心A3は、互いに非平行で、且つ、吸気バルブシート28の軸心C2と非平行である。さらに、第1回転軸心A1のシリンダ軸心C1に対する第1傾斜角度θ1が、第2回転軸心A2のシリンダ軸心C1に対する第2傾斜角度θ2および第3回転軸心A3のシリンダ軸心C1に対する第3傾斜角度θ3よりも大きく設定され、且つ、第3傾斜角度θ3が、第2傾斜角度θ2よりも大きく設定されている(θ1>θ3>θ2)。その他の構成は、第1実施形態と同じである。
第2実施形態によれば、吸気通路6が、傾斜角度θ1〜θ3の異なる3つの軌道P1〜P3で加工されている。特に、シリンダ軸心C1に対して外側へ大きく曲がる形状であるシリンダ外側部分を2回加工することにより、所望の形状の吸気通路6を得やすい。これにより、吸気通路6の通路抵抗が低下して吸気効率が向上するので、エンジンの性能が向上する。また、加工は3回のみで、しかも、同じ部位の加工は1回のみである。したがって、総削り出しで吸気通路6を加工するのに比べて、加工時間が短く済むうえに、仕上がり面(加工面)が一つできれいに仕上がって面粗度を小さくできる。その他の効果は第1実施形態と同じである。
上記実施形態では、吸気通路6のみが、本発明の加工方法で形成されているが、吸気通路6と図1の排気通路8の両方に本発明の加工方法を適用してもよい。また、排気通路8のみに、本発明の加工方法を適用してもよい。排気通路8の通路抵抗が小さくなることで、排気のポンピングロスが低減される。ただし、吸気通路6の通路抵抗を下げて吸気効率を向上させる方が、排気通路の通路抵抗を下げてポンピングロスを低減させるよりも、エンジンの性能を向上させる効果は大きい。
本発明は、以上の実施形態に限定されるものでなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で、種々の追加、変更または削除が可能である。例えば、上記実施形態のシリンダヘッド1は、DOHCの4バルブ式であるが、これに限定されない。また、本発明のシリンダ加工方法は、多気筒エンジンにも単気筒エンジンにも適用できる。したがって、そのようなものも本発明の範囲内に含まれる。
1 シリンダヘッド
4 燃焼室
6 吸気通路
8 排気通路
10 吸気ポート
16 排気ポート
22 吸気バルブ
24 排気バルブ
28 吸気バルブシート
30 排気バルブシート
34 カッター
A1 第1回転軸心
A2 第2回転軸心
A3 第3回転軸心
C1 シリンダ軸心
C2 バルブシートの軸心
P1 第1軌道
P2 第2軌道
P3 第3軌道
θ1 第1傾斜角度
θ2 第2傾斜角度
θ3 第3傾斜角度

Claims (9)

  1. 燃焼室に吸気を導入する吸気通路と、前記燃焼室から排気を導出する排気通路と、前記吸気通路における前記燃焼室に開口する吸気ポートを開閉する吸気バルブと、前記排気通路における前記燃焼室に開口する排気ポートを開閉する排気バルブと、前記吸気バルブの弁座を構成する環状の吸気バルブシートと、前記排気バルブの弁座を構成する環状の排気バルブシートとを備えたシリンダヘッドの加工方法であって、
    前記吸気通路および前記排気通路の少なくとも一方の通路を、シリンダヘッドの内側から挿入した、刃先の回転軌跡がテーパ面または円筒面である単一のカッターを複数の軌道上を移動させて加工するシリンダヘッドの加工方法。
  2. 請求項1に記載のシリンダヘッドの加工方法において、前記カッターを第1軌道上を移動させることにより前記通路のシリンダ中心側の部分を加工し、前記カッターを第2軌道上を移動させることにより前記通路のシリンダ外側の部分を加工するシリンダヘッドの加工方法。
  3. 請求項2に記載のシリンダヘッドの加工方法において、前記第1軌道における前記カッターの第1回転軸心および前記第2軌道における前記カッターの第2回転軸心は互いに非平行で、且つ、前記バルブシートの軸心と非平行であるシリンダヘッドの加工方法。
  4. 請求項3に記載のシリンダヘッドの加工方法において、前記第1回転軸心のシリンダ軸心に対する第1傾斜角度が、前記第2回転軸心の前記シリンダ軸心に対する第2傾斜角度よりも大きく設定されているシリンダヘッドの加工方法。
  5. 請求項1に記載のシリンダヘッドの加工方法において、前記カッターを第1軌道上を移動させることにより前記通路のシリンダ中心側の部分を加工し、前記カッターを第2軌道上を移動させることにより前記通路のシリンダ外側のポート側部分を加工し、前記カッターを第3軌道上を移動させることにより前記通路のシリンダ外側のポートから離れた部分を加工するシリンダヘッドの加工方法。
  6. 請求項5に記載のシリンダヘッドの加工方法において、前記第1軌道における前記カッターの第1回転軸心、前記第2軌道における前記カッターの第2回転軸心および前記第3軌道における前記カッターの第3回転軸心は、互いに非平行で、且つ、前記バルブシートの軸心と非平行であるシリンダヘッドの加工方法。
  7. 請求項6に記載のシリンダヘッドの加工方法において、前記第1回転軸心のシリンダ軸心に対する第1傾斜角度が、前記第2回転軸心の前記シリンダ軸心に対する第2傾斜角度および前記第3回転軸心の前記シリンダ軸心に対する第3傾斜角度よりも大きく設定され、
    前記第3傾斜角度が、前記第2傾斜角度よりも大きく設定されているシリンダヘッドの加工方法。
  8. 請求項1から7のいずれか一項に記載のシリンダヘッドの加工方法において、前記吸気通路を、前記カッターにより加工するシリンダヘッドの加工方法。
  9. 請求項1から8のいずれか一項に記載のシリンダヘッドの加工方法において、前記テーパ面を有するカッターを使用するシリンダヘッドの加工方法。
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