JP2019214830A - セグメント、及びセグメントリング - Google Patents

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Abstract

【課題】セグメントの損傷を抑制することを可能とするセグメント、及びセグメントリングを提供する。【解決手段】トンネル周方向Wの一対の端面21と、トンネル軸方向Xの一対の側面22と、トンネル法線方向Yの一対の面20とで構成される6面を備える本体部2を備え、一対の前記側面22には、前記トンネル軸方向Xに沿って前記側面22に対して突出した形状を有する雄側ストッパ31、及び、トンネル軸方向Xに沿って前記側面22側に陥没した形状を有する雌側ストッパ32の少なくとも何れかが配置され、前記雄側ストッパ31は、トンネル軸方向Xに隣接した配置された他のセグメント1の有する前記雌側ストッパ32に内挿された状態で滑動することで、前記他のセグメント1の変動に伴う追従を抑制するためのものであることを特徴とする。【選択図】図2

Description

本発明は、トンネルの周方向に対して相互に連結し、軸方向に対して千鳥配列状に連結箇所を配置することで、前記トンネルを構築するためのセグメント、及びセグメントリングに関する。
従来、地震時に必要とされる耐震性の確保が困難な地中等の構造物について、例えば特許文献1のような構成部材を柔構造化することにより耐震性等に優れる構造物が提案されている。
特許文献1の構造物では、構造物の一部をなす構成部材(側壁及び中壁)を、当該構成部材の上下方向にそれぞれの4個ブロックにより構成し、前記隣り合うブロックを緊張材により緊張して、地震時の周辺地盤のせん断変形に追随するように水平方向に相対移動可能に接合したことを特徴としている。
特開2006−97429号公報
ここで、トンネル等の構造物には、トンネル周方向及びトンネル軸方向に対して複数のセグメント(ブロック)を連結して構築される。このような構造物は、例えば地震時における地盤のせん断変形に追従する。このとき、トンネル周方向に連結された一対のセグメントの結合箇所に起因する添接力(面外せん断力)が、トンネル軸方向に隣接するセグメントに作用し、大きな負担を与える(添接効果)。これにより、セグメントの損傷を引き起こす恐れがある。
この点、特許文献1では、連続するブロックを緊張材により軸方向に緊張して、隣り合う各ブロック間において、軸変形及び曲げ変形に対してせん断変形が卓越し、せん断力が伝達されるようにせん断方向への相対移動が可能に接合した部外を用いる技術が開示されている。このため、特許文献1の開示技術では、上述した添接効果によるブロックへの負担が発生し、ブロックの損傷を抑制することが難しい。
そこで、本発明は、上述した問題点に鑑みて案出されたものであって、その目的とするところは、セグメントの損傷を抑制することを可能とするセグメント、及びセグメントリングを提供することにある。
第1発明に係るセグメントは、トンネルの周方向に対して相互に連結し、軸方向に対して千鳥配列状に連結箇所を配置することで、前記トンネルを構築するためのセグメントであって、トンネル周方向の一対の端面と、トンネル軸方向の一対の側面と、トンネル法線方向の一対の面とで構成される6面を備える本体部を備え、一対の前記側面には、前記トンネル軸方向に沿って前記側面に対して突出した形状を有する雄側ストッパ、及び、前記トンネル軸方向に沿って前記側面側に陥没した形状を有する雌側ストッパの少なくとも何れかが配置され、前記雄側ストッパは、前記トンネル軸方向に隣接して配置された他のセグメントの有する前記雌側ストッパに内挿された状態で滑動することで、前記他のセグメントの変動に伴う追従を抑制するためのものであることを特徴とする。
第2発明に係るセグメントは、第1発明において、前記雌側ストッパにおける前記トンネル法線方向の長さは、前記雄側ストッパにおける前記トンネル法線方向の長さよりも3.0mm以上20.0mm以下の範囲で長いことを特徴とする。
第3発明に係るセグメントは、第1発明又は第2発明において、一対の前記側面には、前記側面の一端から他端まで連続して設けられた延在部を有する一対の主桁部をさらに備え、前記主桁部は、前記トンネル軸方向に沿って前記延在部から突出した形状を有する前記雄側ストッパ、及び、前記トンネル軸方向に沿って前記延在部に陥没した形状を有する前記雌側ストッパの少なくとも何れかが形成されることを特徴とする。
第4発明に係るセグメントは、第3発明において、前記主桁部は、前記トンネル法線方向に離間して配置される2つの前記雄側ストッパ、及び前記トンネル法線方向に離間して配置される2つの前記雌側ストッパの少なくとも何れかが形成されることを特徴とする。
第5発明に係るセグメントは、第3発明又は第4発明において、前記主桁部は、一対の前記側面のうち一方の前記側面に接して設けられた一端主桁部と、一対の前記側面のうち他方の前記側面に接して設けられた他端主桁部とを有し、前記一端主桁部は、前記トンネル軸方向に沿って一方の前記側面から遠ざかる方向に突出した形状を有する前記雄側ストッパが形成され、前記他端主桁部は、前記トンネル軸方向に沿って他方の前記側面に近づく方向に陥没した形状を有する前記雌側ストッパが形成され、前記雄側ストッパと、前記雌側ストッパとが、前記トンネル法線方向で互いに略同一の位置に形成されることを特徴とする。
第6発明に係るセグメントは、第5発明において、前記本体部は、中詰めコンクリートが内部に充填される鋼殻が、一対の前記主桁部、及び一対の継手板に取り囲まれることで形成され、各々の前記主桁部は、前記中詰めコンクリートに係止される前記雄側ストッパ及び前記雌側ストッパの少なくとも何れかが、前記トンネル軸方向で前記鋼殻の内部側にも形成されることを特徴とする。
第7発明に係るセグメントは、第1発明〜第6発明の何れかにおいて、前記雄側ストッパ及び前記雌側ストッパは、前記トンネル周方向に沿って前記側面の一端から他端まで連続して配置されることを特徴とする。
第8発明に係るセグメントリングは、第1発明〜第6発明の何れかに係るセグメントを、前記トンネル周方向に複数連接させたセグメントリングであって、前記トンネル軸方向から見て、前記雄側ストッパ及び前記雌側ストッパは、前記トンネル軸方向に隣接した他のセグメントリングの有する一対の前記他のセグメントの端面と重なる位置から、前記トンネル周方向に沿って所定の長さまで連続して配置されることを特徴とするセグメントリング。
第1発明〜第8発明によれば、雄側ストッパは、他のセグメントの有する雌側ストッパに内挿された状態で滑動することで、他のセグメントの変動に伴う追従を抑制するためのものである。このため、トンネル周方向に連結された一対のセグメントの結合箇所に起因する面外せん断力が、トンネル軸方向に隣接するセグメントに作用する添接効果を抑制することができる。これにより、セグメントの損傷を抑制することが可能となる。
特に、第2発明によれば、雌側ストッパにおけるトンネル法線方向の長さは、雄側ストッパにおけるトンネル法線方向の長さよりも3.0mm以上20.0mm以下の範囲で長い。このため、セグメントに作用する添接効果を容易に抑制するとともに、トンネル軸方向に連結された各セグメントの連結状態への影響を抑制することができる。これにより、セグメントの損傷をさらに抑制することが可能となる。
特に、第3発明によれば、主桁部は、雄側ストッパ、及び、雌側ストッパの少なくとも何れかが形成される。このため、雄側ストッパが雌側ストッパに内挿された状態で滑動する場合においても、本体部に与える影響を抑制することができる。これにより、セグメントの損傷を容易に抑制することが可能となる。
特に、第4発明によれば、主桁部は、トンネル法線方向に離間して配置される2つの雄側ストッパ、及び2つの雌側ストッパの少なくとも何れかが形成される。このため、各セグメントが不特定方向に変形した場合においても、雄側ストッパが雌側ストッパ内で滑動できる状態を維持することができる。これにより、添接効果を抑制できる条件を大幅に広げることが可能となる。
特に、第5発明によれば、一対の主桁部の有する雄側ストッパと、雌側ストッパとが、トンネル法線方向で互いに略同一の位置に形成される。このため、トンネル軸方向に連結される複数のセグメントの一体性を向上させることが可能となる。
特に、第6発明によれば、各々の主桁部は、中詰めコンクリートに係止される雄側ストッパ及び雌側ストッパの少なくとも何れかが、トンネル軸方向で鋼殻の内部側にも形成される。このため、鋼殻の内部に充填される中詰めコンクリートと鋼殻との一体性を向上させることが可能となる。
特に、第7発明によれば、雄側ストッパ及び雌側ストッパは、トンネル周方向に沿って側面の一端から他端まで連続して配置される。このため、隣接するセグメントとの連結位置に関わらず、雄側ストッパが雌側ストッパに内挿された状態で、滑動できる状態を維持することができる。これにより、添接効果を抑制できる条件をさらに広げることが可能となる。
特に、第8発明によれば、雄側ストッパ及び雌側ストッパは、トンネル軸方向に隣接した他のセグメントリングの有する一対の他のセグメントの端面と重なる位置から、トンネル周方向に沿って所定の長さまで連続して配置される。このため、雄側ストッパ及び雌側ストッパを形成する範囲を最小限に抑えた上で、添接効果を抑制することができる。これにより、側面の一端から他端まで連続して雄側ストッパ及び雌側ストッパが形成される場合に比べて、各セグメントの連結を容易に実施することが可能となる。
本発明を適用したセグメントを複数組み合わせて構築されるトンネルの一例を示す斜視図である。 本発明を適用したセグメントの一例を示す斜視図である。 (a)〜(c)は、雄側ストッパ及び雌側ストッパの一例を示す断面図である。 (a)は、雄側ストッパ及び雌側ストッパの配置される位置を示す断面図であり、(b)は、雄側ストッパが雌側ストッパに内挿された状態を示す断面図である。 (a)及び(b)は、雄側ストッパが雌側ストッパ内で滑動する状態を示す断面図である。 (a)は、地震時においてトンネルに作用するせん断力を示す斜視図であり、(b)及び(c)は、地震時においてセグメントリングに作用するせん断力を示す側面図である。 (a)は、地震時におけるセグメントの変動を示す側面図であり、(b)は、(a)における7B−7Bの断面図である。 雄側ストッパの第1変形例を示す斜視図である。 雄側ストッパ及び雌側ストッパの第1変形例を示す断面図である。 (a)は、第1変形例の雄側ストッパ及び雌側ストッパの配置される位置を示す断面図であり、(b)は、第1変形例の雄側ストッパが雌側ストッパに内挿された状態を示す断面図である。 (a)及び(b)は、第1変形例の雄側ストッパが雌側ストッパ内で滑動する状態を示す断面図である。 (a)〜(d)は、第1変形例の雄側ストッパ及び雌側ストッパを有する主桁部の例を示す断面図である。 (a)〜(c)は、第1変形例の雄側ストッパ及び雌側ストッパを有する主桁部の他の例を示す断面図である。 実施例における一対のセグメントリングのモデルを示す模式図である。 (a)〜(e)は、実施例における一対のセグメントリングの条件を示す模式図である。 実施例において試算されたリング間スリップ量と正曲げ最大モーメントとの関係を示すグラフである。 本発明を適用したセグメントの他の例を示す斜視図である。 (a)は、第2変形例の雄側ストッパ及び雌側ストッパの配置される位置を示す断面図であり、(b)は、第2変形例の雄側ストッパが雌側ストッパに内挿された状態を示す断面図である。 (a)及び(b)は、第2変形例の雄側ストッパが雌側ストッパ内で滑動する状態を示す断面図である。
(セグメント1、セグメントリング71)
以下、本発明を適用したセグメント1及びセグメントリング71を実施するための形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
本発明を適用したセグメント1は、図1に示すように、トンネルの周方向W(トンネル周方向)に対して相互に連結し、トンネルの軸方向X(トンネル軸方向)に対して千鳥配列状に連結箇所を配置することで、主にシールドトンネル7を地中9に構築するためのものである。
シールドトンネル7は、周方向Wに沿って複数のセグメント1をリング状に相互に連結させて形成されたセグメントリング71を、軸方向Xに沿って複数連結させることで構築される。このため、シールドトンネル7には、軸方向Xに沿って連結された複数のセグメントリング71によって、トンネルの地山側Aと内空側Iとが形成される。これにより、シールドトンネル7は、トンネルの地山側Aからの土圧や水圧に対して、複数のセグメントリング71を抵抗させるものとすることができ、トンネルの内空側Iに内側空間Sを確保することが可能となる。
セグメントリング71は、シールドマシン70を用いて地中9を軸方向Xに沿って掘削し、シールドマシン70の後方(坑口側D)において複数のセグメント1を周方向Wに沿って連結することで形成される。上述したシールドマシン70を用いた掘削と、セグメントリング71の形成とを繰り返すことで、坑口側Dから切羽側Cに沿ったシールドトンネル7が構築される。
本発明を適用したセグメント1は、図2に示すように、本体部2を備え、例えば一対の主桁部3(主桁板)と、一対の継手板4と、スキンプレート5とを備えてもよい。
本体部2は、周方向Wに延在する。本体部2は、周方向Wと交わり軸方向Xに延在する一対の端面21と、軸方向Xと交わり周方向Wに延在する一対の側面22と、法線方向Y(トンネル法線方向)と交わり軸方向X及び周方向Wと平行な面を有する一対の面20とで構成される6面を備える。本体部2は、例えば軸方向Xの幅が200mm〜2,500mm程度であり、トンネルの法線方向Yの厚さが150mm〜700mm程度である。
本発明を適用したセグメント1が主桁部3を備える場合、主桁部3は、周方向Wに沿って側面22の一端から他端まで連続して設けられる延在部30を有し、側面22と接する。主桁部3は、軸方向Xに隣接する他のセグメント1の主桁部3と接する。主桁部3は、例えば後述する雄側ストッパ31、及び雌側ストッパ32の少なくとも何れかが形成され、軸方向Xに隣接する他のセグメント1の主桁部3との間で滑動することで、例えば地震等が発生した場合、他のセグメント1の変動に伴うセグメント1の追従を抑制する(例えば変動に追従しない)機能を備えるものである。
主桁部3は、側面22に沿うように湾曲状に形成される。主桁部3として、例えば所定の断面形状で形成されたセグメント形鋼が用いられる。
継手板4は、軸方向Xに沿って端面21の一端から他端まで連続して設けられ、端面21と接する。一対の継手板4の各端部と、一対の主桁部3の各端部とを接合することで、本体部2を囲む鋼殻が形成される。
継手板4は、端面21に沿うように平坦状に形成される。継手板4として、例えば湾曲等の加工を行わない鋼板やセグメント形鋼が用いられる。
本発明を適用したセグメント1は、例えば鋼殻の内部に中詰めコンクリートを充填することで、本体部2を形成することができる。本発明を適用したセグメント1は、必要に応じて、法線方向Yにおける地山側A及び内空側Iの少なくとも何れかに、鋼殻の内部を覆うスキンプレート5(5a)が設けられてもよい。この場合、一方のスキンプレート5aは面20aと接し、他方のスキンプレート5は面20bと接する。
本発明を適用したセグメント1は、例えば側面22に配置されたリング継手36を備える。リング継手36は、一対のセグメント1を軸方向Xに沿って連結するために用いられる。リング継手36の配置される数及び位置は、任意である。
各リング継手36は、雄側リング継手又は雌側リング継手の何れかを有する。雄側リング継手及び雌側リング継手は、互いに嵌合する形状を有する。例えば、軸方向Xに沿って隣接する一対のセグメント1において、一方のセグメント1には雄側リング継手が配置され、他方のセグメント1には雌側リング継手が配置される。これにより、一対のセグメント1を連結することができる。各リング継手36は、主桁部3に溶接等で固定されるほか、例えば少なくとも一部を本体部2に埋設されてもよい。
本発明を適用したセグメント1は、例えば端面21又は側面22に配置されたセグメント継手45を備える。セグメント継手45は、一対のセグメント1を周方向Wに沿って連結するために用いられる。セグメント継手45の配置される数及び位置は、任意である。
各セグメント継手45は、例えば雄側セグメント継手又は雌側セグメント継手の何れかを有する。雄側セグメント継手及び雌側セグメント継手は、互いに嵌合する形状を有する。例えば、周方向Wに沿って隣接する一対のセグメント1において、一方のセグメント1には雄側セグメント継手が配置され、他方のセグメント1には雌側セグメント継手が配置される。これにより、一対のセグメント1を連結することができる。各セグメント継手45は、主桁部3又は継手板4に溶接等で固定されるほか、例えば少なくとも一部を本体部2に埋設されてもよい。なお、一対のセグメント1がボルトとナットで連結される場合は、ボルトが雄側セグメント継手、ナットが雌側セグメント継手となる。
<雄側ストッパ31、雌側ストッパ32>
例えば図3に示すように、主桁部3には、雄側ストッパ31及び雌側ストッパ32の少なくとも何れかが形成される。雄側ストッパ31は、軸方向Xに沿って延在部30から突出する形状を有する。雌側ストッパ32は、軸方向Xに沿って延在部30に陥没した形状を有する。
雄側ストッパ31及び雌側ストッパ32は、周方向Wに沿って連続して形成される。雄側ストッパ31及び雌側ストッパ32は、例えば周方向Wに沿って側面22の一端から他端まで連続して形成される。雄側ストッパ31及び雌側ストッパ32は、例えば周方向Wから見て、直線部を有する矩形状等に形成されるほか、例えば湾曲状に形成されてもよい。
主桁部3は、例えば図3(a)に示すように、軸方向Xと交わる一対の面のうち、一方の面に雄側ストッパ31が形成され、他方の面に雌側ストッパ32が形成される。上記のほか、例えば図3(b)及び図3(c)に示すように、軸方向Xと交わる一対の面のうち、一方の面のみに雄側ストッパ31又は雌側ストッパ32が形成されてもよい。この場合、主桁部3における他方の面は、側面22と接する。何れの場合においても、雄側ストッパ31及び雌側ストッパ32は、法線方向Yで互いに略同一の位置に形成される。すなわち、セグメント1の一対の側面22に設けられた一対の主桁部3には、それぞれ軸方向Xに並んで雄側ストッパ31及び雌側ストッパ32が形成される。
本発明を適用したセグメント1は、例えば図4に示すように、一対の側面22a、22bのうち、一方の側面22aに接して設けられた一方の主桁部3a(一端主桁部)には、雄側ストッパ31が形成され、他方の側面22bに接して設けられた他方の主桁部3b(他端主桁部)には、雌側ストッパ32が形成される。この場合、軸方向Xに隣接する一対のセグメント1a、1bを連結するとき、一方の主桁部3aと、他方の主桁部3bとが当接する向きで、一対のセグメント1a、1bがリング継手36を介して連結される。これにより、一方の主桁部3aに形成された雄側ストッパ31が、他方の主桁部3bに形成された雌側ストッパ32内に内挿される。
例えば図5に示すように、雌側ストッパ32における軸方向Xの長さD2は、雄側ストッパ31における軸方向Xの長さD1と略等しい。なお、長さD1と長さD2の関係は、D2>D1でもよい。また、雌側ストッパ32における法線方向Yの長さL2は、雄側ストッパ31における法線方向Yの長さL1よりも長く、例えば3.0mm以上20.0mm以下の範囲で長い。このため、雄側ストッパ31は、雌側ストッパ32に内挿された状態で、滑動することができる。
例えばL2が長さL1よりも3.0mm未満で長い場合、以下で説明する添接効果の抑制ができず、添接効果が作用するセグメント1の損傷を引き起こす恐れがある。また、例えば長さL2が長さL1よりも20.0mmを超えて長い場合、雄側ストッパ31の滑動に伴い、各セグメント1a、1bにおける法線方向Yのずれが大きくなり、連結状態に影響を及ぼす恐れがある。このため、長さL2と長さL1において上記範囲を設けることで、雄側ストッパ31が所定の距離以上滑動した場合に、雌側ストッパ32により雄側ストッパ31を係止させることができる。これにより、雄側ストッパ31の滑動に伴い、添接効果を容易に抑制することができるとともに、各セグメント1a、1bの連結状態への影響を抑制することができる。
例えば図6(a)に示すように、地震時におけるせん断力Pe(破線矢印)がシールドトンネル7に作用する場合、各セグメントリング71a、71bは、図6(b)及び図6(c)の破線に示す形状に変形する。このとき、例えば図6(b)に示すセグメント1aに作用する断面力負担は、矢印に示す変形の程度に依存する。また、各セグメントリング71a、71bが変形するとき、例えば周方向Wに連結された各セグメント1の間のセグメント継手45は、当接する継手板4同士が目開いた状態で各セグメント1の連結を維持する。
また、地震時におけるせん断力Peがシールドトンネル7に作用する場合、周方向Wに連結された一対のセグメント1(例えば図6(a)のセグメント1c、1d)の結合箇所に起因する添接力Ps(実線矢印)が発生する。添接力Psは、軸方向Xに隣接するセグメント1(例えば図6(a)のセグメント1a)に作用し、セグメント1aに作用する断面力負担を増加させる要因となり、セグメント1aの損傷を引き起こす可能性がある。
この点、本発明を適用したセグメント1は、例えば図7に示すように、セグメント1aは、軸方向Xに隣接する一対のセグメント1c、1dにおける法線方向Yの位置に対して異なる位置(例えば図7(a)の矢印で示す差分F1)を保つことができる。すなわち、一対のセグメント1c、1dの有する雄側ストッパ31が、セグメント1aの有する雌側ストッパ32に内挿された状態で滑動することで、一対のセグメント1c、1dの変動に伴うセグメント1aの追従を抑制させることができる。このため、一対のセグメント1c、1dの結合箇所に起因する添接力Psが、セグメント1aに作用する添接効果を抑制できる。これにより、セグメント1aに作用する断面力負担の増加を防ぎ、セグメント1aの損傷を抑制することが可能となる。
なお、一対のセグメント1c、1dの結合箇所に起因する添接力Psは、一対のセグメント1c、1dの連結された端面21から、周方向Wに沿って所定の長さW1以上離間した位置には殆ど作用しない。すなわち、長さW1は、一対のセグメント1c、1dの結合箇所に起因する添接力Psが、セグメント1に作用し得る長さを示す。このため、軸方向Xから見て、セグメント1aの有する雌側ストッパ32は、例えば一対のセグメント1c、1dの端面21a、21bと重なる位置から、周方向Wに沿って所定の長さW1まで連続して配置されていればよい。この場合においても、一対のセグメント1c、1dの結合箇所に起因する添接力Psが、セグメント1に作用することを抑制できる。これにより、セグメント1aに作用する断面力負担の増加を防ぎ、セグメント1aの損傷を抑制することが可能となる。なお、長さW1は、例えばセグメント1における軸方向Xの幅の3倍である。また、上記構成を満たすセグメント1を周方向Wに連結したセグメントリング71を形成することで、各セグメント1に作用する断面力負担の増加を防ぎ、各セグメント1の損傷を抑制することが可能となる。
なお、例えば図17に示すように、本発明を適用したセグメント1が主桁部3を備えない場合、雄側ストッパ31及び雌側ストッパ32の少なくとも何れかは、一対の側面22に直接配置されてもよい。この場合、雄側ストッパ31は、軸方向Xに沿って側面22に対して突出した形状を有する。雌側ストッパ32は、軸方向Xに沿って側面22側(例えば側面22内)に陥没した形状を有する。雄側ストッパ31及び雌側ストッパ32は、上記と同様の構成で側面22に形成することができる。この場合においても、上記と同様に雄側ストッパ31は、雌側ストッパ32に内挿された状態で滑動することで、他のセグメント1の変動に伴う追従を抑制するための機能を備えるものである。
<雄側ストッパ31、雌側ストッパ32の第1変形例>
次に、雄側ストッパ31及び雌側ストッパ32の第1変形例について説明する。上述した雄側ストッパ31及び雌側ストッパ32の一例と、第1変形例との違いは、主桁部3(波形主桁)にそれぞれ複数形成される点である。なお、上述した内容と同様の構成については、説明を省略する。
主桁部3は、例えば図8及び図9に示すように、法線方向Yに離間した2つの雄側ストッパ31a、31b、及び法線方向Yに離間した2つの雌側ストッパ32a、32bの少なくとも何れかが形成される。各雄側ストッパ31a、31bと各雌側ストッパ32a、32bとは、法線方向Yで互いに略同一の位置に、周方向Wに沿って連続して形成される。なお、主桁部3は、例えば中詰めコンクリート(本体部2)に係止される雄側ストッパ31a、31b、及び雌側ストッパ32a、32bの少なくとも何れかが、軸方向Xで鋼殻の内部側にも形成されてもよい。
各雄側ストッパ31a、31bは、軸方向Xに沿って延在部30に対して突出した形状を有する。各雌側ストッパ32a、32bは、軸方向Xに沿って延在部30に陥没した形状を有する。各雄側ストッパ31a、31b及び各雌側ストッパ32a、32bは、例えば周方向Wから見て、湾曲状に形成されるほか、例えば直線部を有する矩形状等に形成されてもよい。
主桁部3は、例えば軸方向Xに沿って延在部30に陥没した形状を有する凹部34a、34b、35a、35bを有する。凹部34aは雄側ストッパ31aと端部33aとの間に形成され、凹部34bは雄側ストッパ31bと端部33bとの間に形成され、凹部35aは雌側ストッパ32aと端部33aとの間に形成され、凹部35bは雌側ストッパ32bと端部33bとの間に形成される。各凹部34a、35aは、例えば法線方向Yで互いに略同一の位置に、周方向Wに沿って連続して形成される。各凹部34b、35bは、例えば法線方向Yで互いに略同一の位置に、周方向Wに沿って連続して形成される。
本発明を適用したセグメント1は、例えば図10に示すように、一対の側面22a、22bのうち、一方の側面22aに接して設けられた一方の主桁部3aには、側面22aと離間した部分に雄側ストッパ31a、31bが形成され、他方の側面22bに接して設けられた他方の主桁部3bには、側面22bと離間した部分に雌側ストッパ32a、32bが形成される。すなわち、各雄側ストッパ31a、31bは、軸方向Xに沿って一方の側面22aから遠ざかる方向に突出した形状を有する。また、各雌側ストッパ32a、32bは、軸方向Xに沿って他方の側面22bに近づく方向に陥没した形状を有する。このとき、雄側ストッパ31aと雌側ストッパ32a、及び雄側ストッパ31bと雌側ストッパ32bとが、法線方向Yで互いに略同一の位置に形成される。
この場合、軸方向Xに隣接する一対のセグメント1a、1bを連結するとき、一方の主桁部3aと、他方の主桁部3bとが当接する向きで、一対のセグメント1a、1bがリング継手36を介して連結される。これにより、一方の主桁部3aに形成された雄側ストッパ31a、31bが、他方の主桁部3bに形成された雌側ストッパ32a、32b内に内挿される。
例えば図11に示すように、雌側ストッパ32a、32bにおける軸方向Xの長さD4は、雄側ストッパ31a、31bにおける軸方向Xの長さD3と略等しい。なお、長さD3と長さD4との関係は、D4>D3でもよい。また、雌側ストッパ32a、32bにおける法線方向Yの長さL4は、雄側ストッパ31a、31bにおける法線方向Yの長さL3よりも長く、例えば3.0mm以上20.0mm以下の範囲で長い。このため、雄側ストッパ31a、31bは、雌側ストッパ32a、32bに内挿された状態で、滑動することができる。
例えばL4が長さL3よりも3.0mm未満で長い場合、添接効果の抑制ができず、添接効果が作用するセグメント1の損傷を引き起こす恐れがある。また、例えば長さL4が長さL3よりも20.0mmを超えて長い場合、雄側ストッパ31a、31bの滑動に伴い、各セグメント1a、1bにおける法線方向Yのずれが大きくなり、連結状態に影響を及ぼす恐れがある。このため、上記範囲の上限を設けることで、雄側ストッパ31a、31bが所定の距離以上滑動した場合に、雌側ストッパ32a、32bにより雄側ストッパ31a、31bを係止させることができる。これにより、雄側ストッパ31a、31bの滑動に伴い、添接効果を容易に抑制することができるとともに、各セグメント1a、1bの連結状態への影響を抑制することができる。
雄側ストッパ31及び雌側ストッパ32は、例えば図12(a)〜図13(c)に示す形状により、主桁部3に形成されてもよい。主桁部3は、例えば図12(a)に示すように、周方向Wに対する断面方向で、図心位置と重心位置とが略一致するように、法線方向Yで延在部30の両端部33a、33bの各々で、延在部30の両側面の所定の位置に、雄側ストッパ31a、31b及び雌側ストッパ32a、32bが形成される。ここで、主桁部3が周方向Wに沿って一様な断面を有する場合、重心位置は、主桁部3における周方向Wの中心位置に対する断面方向に関し、軸方向X、法線方向Yに対する幾何学的寸法の釣り合い点、すなわち断面寸法(断面高さ、断面厚さ)の中心点を指す。また、図心位置は、周方向Wに対する断面方向に関し、軸方向X、法線方向Yに対する断面1次モーメントの釣り合い点を指す。
主桁部3は、法線方向Yの全高H又は軸方向Xの全幅W2に対して、図心位置と重心位置との軸方向Xのずれ量Δが8%以下となるときに、図心位置と重心位置とが略一致するものとなる。主桁部3は、全高H又は全幅W2に対して、図心位置と重心位置とのずれ量Δが、特に、3%以下となることが望ましい。
<雄側ストッパ31、雌側ストッパ32の第2変形例>
次に、雄側ストッパ31及び雌側ストッパ32の第2変形例について説明する。上述した雄側ストッパ31及び雌側ストッパ32の一例と、第2変形例との違いは、主桁部3(I型主桁)にそれぞれ複数形成される点である。なお、上述した内容と同様の構成については、説明を省略する。
本発明を適用したセグメント1は、例えば図18〜図19に示すように、雄側ストッパ31及び雌側ストッパ32を有する一対のフランジ30fが、法線方向Yに隔てて設けられ、法線方向Yに沿って一対のフランジ30fと接続するウェブ30w(延在部30)が配置されることで、主桁部3が形成される。
主桁部3は、例えば図18(a)に示すように、法線方向Yに離間した一対のフランジ30f、及び法線方向Yに沿って一対のフランジ30fと接続するウェブ30wで構成される。一対のフランジ30fの両端部には、雄側ストッパ31a、31b、及び雌側ストッパ32a、32bの少なくとも何れかが、それぞれ形成される。各雄側ストッパ31a、31bと各雌側ストッパ32a、32bとは、法線方向Yで互いに略同一の位置に、周方向Wに沿って連続して形成される。なお、主桁部3は、例えば中詰めコンクリート(本体部2)に係止される雄側ストッパ31a、31b、及び雌側ストッパ32a、32bの少なくとも何れかが、軸方向Xで鋼殻の内部側にも形成され、側面22a、22bに接してもよい。
各雄側ストッパ31a、31bは、軸方向Xに沿って延在部30(フランジ30f)に対して突出した形状を有する。各雌側ストッパ32a、32bは、軸方向Xに沿って延在部30(フランジ30f)に陥没した形状を有する。各雄側ストッパ31a、31b及び各雌側ストッパ32a、32bは、例えば周方向Wから見て、湾曲状に形成されるほか、例えば直線部を有する矩形状等に形成されてもよい。
この場合、例えば図18(b)に示すように、軸方向Xに隣接する一対のセグメント1a、1bを連結するとき、各セグメント1a、1bのフランジ30fが当接する向きで連結される。これにより、一方のフランジ30fに形成された雄側ストッパ31a、31bが、他方のフランジ30fに形成された雌側ストッパ32a、32b内に内挿される。
例えば図19(a)に示すように、雌側ストッパ32a、32bにおける法線方向Yの幅L6は、雄側ストッパ31a、31bにおける幅L5よりも大きく、例えば3.0mm以上20.0mm以下の範囲で大きい。また、図19(b)に示すように、フランジ30fの所定位置(図18(b)では破線位置)を基準として軸方向Xに沿った距離において、雄側ストッパ31a、31bの距離D5は、当接するフランジ30fの雌側ストッパ32a、32bの距離D6よりも短い。この場合、雄側ストッパ31a、31bは、一対のフランジ30fに形成された雌側ストッパ32a、32bに内挿された状態で、滑動することができる。
主桁部3は、例えば図9で示した形状と同様に、軸方向Xに沿って延在部30に陥没した形状を有する凹部34a、34b、35a、35bを有してもよい。凹部34aは雄側ストッパ31aと端部33aとの間に形成され、凹部34bは雄側ストッパ31bと、凹部35aは雌側ストッパ32aと端部33aと兼用して形成される。各凹部34a、35aは、例えば法線方向Yで互いに略同一の位置に、周方向Wに沿って連続して形成される。各凹部34b、35bは、例えば法線方向Yで互いに略同一の位置に、周方向Wに沿って連続して形成される。
本発明を適用したセグメント1によれば、雄側ストッパ31は、他のセグメント1の有する雌側ストッパ32に内挿された状態で滑動することで、他のセグメント1の変動に伴う追従を抑制するためのものである。このため、周方向Wに連結された一対のセグメント1の結合箇所に起因する面外せん断力が、軸方向Xに隣接するセグメント1に作用する添接効果を抑制することができる。これにより、セグメント1の損傷を抑制することが可能となる。
また、本発明を適用したセグメント1によれば、雌側ストッパ32における法線方向Yの長さL2、L4は、雄側ストッパ31における法線方向Yの長さL1、L3よりも3.0mm以上20.0mm以下の範囲で長い。このため、セグメント1に作用する添接効果を抑制するとともに、軸方向Xに連結された各セグメント1の連結状態への影響を容易に抑制することができる。これにより、セグメント1の損傷をさらに抑制することが可能となる。
また、本発明を適用したセグメント1によれば、主桁部3は、雄側ストッパ31、及び、雌側ストッパ32の少なくとも何れかが形成される。このため、雄側ストッパ31が雌側ストッパ32に内挿された状態で滑動する場合においても、本体部2に与える影響を抑制することができる。これにより、セグメント1の損傷を容易に抑制することが可能となる。
また、本発明を適用したセグメント1によれば、主桁部3は、法線方向Yに離間して配置される2つの雄側ストッパ31a、31b、及び2つの雌側ストッパ32a、32bの少なくとも何れかが形成される。このため、各セグメント1が不特定方向に変形した場合においても、雄側ストッパ31a、31bが雌側ストッパ32a、32b内で滑動できる状態を維持することができる。これにより、添接効果を抑制できる条件を大幅に広げることが可能となる。
また、本発明を適用したセグメント1によれば、一対の主桁部3の有する雄側ストッパ31と、雌側ストッパ32とが、法線方向Yで互いに略同一の位置に形成される。このため、軸方向Xに連結される複数のセグメント1の一体性を向上させることが可能となる。
また、本発明を適用したセグメント1によれば、各々の主桁部3は、中詰めコンクリートに係止される雄側ストッパ31及び雌側ストッパ32の少なくとも何れかが、軸方向Xで鋼殻の内部側にも形成される。このため、鋼殻の内部に充填される中詰めコンクリートと鋼殻との一体性を向上させることが可能となる。
また、本発明を適用したセグメント1によれば、雄側ストッパ31及び雌側ストッパ32は、周方向Wに沿って側面22の一端から他端まで連続して配置される。このため、隣接するセグメント1との連結位置に関わらず、雄側ストッパ31が雌側ストッパ32に内挿された状態で、滑動できる状態を維持することができる。これにより、添接効果を抑制できる条件をさらに広げることが可能となる。
以下、本発明を適用したセグメント1について、実施例を挙げて具体的に説明する。本実施例では、図14に示す一対のセグメントリング71a、71bをモデルとして用いて、地震時における正曲げ最大モーメントの値を、一対のセグメントリング71a、71bの間のスリップ可能な範囲(スリップ量x)毎に試算した。
一対のセグメントリング71a、71bとして、6つのセグメントを用いて形成され、周方向Wに沿って60°毎に連結箇所(図14の黒丸)を有するモデルを用いた。一対のセグメントリング71a、71bは、軸方向Xに沿って連結箇所が千鳥配列状に配置されて連結するように設定した。このため、例えば軸方向Xから見て、セグメントリング71aの有する連結箇所が、セグメントリング71bの有する連結箇所に対して周方向Wに沿って30°離れて配置(図14の破線丸)されるように設定する。
各セグメントリング71a、71bの条件は、図15(a)に示すように、外径を3,550mm、内径を3,300mm、覆工厚を125mm、及び覆工幅を1,000mmとする合成セグメントとした。各条件は、「下水道施設耐 震計算例2015年版、公益社団法人日本下水道協会 2015年6月発刊」の内容に基づき設定した。
また、表層地盤特性は、図15(b)に示すように、固有周期を0.883[s]、設計応答速度を0.800[m/s]、動的せん断弾性波速度を112[m/s]、動的せん断弾性係数を21,014[kN/m2]、及び動的変形係数を62,747[kN/m2]とした。各条件は、「−管路施設編−後編P2−1タイプI土質モデル」の内容に基づき設定した。
上記設定した条件に基づき、各セグメントリング71a、71bにおける各セグメントのセグメント継手の回転バネ定数Kθを、図15(c)に示すように、常時における回転バネ定数Kθを3,136[kNm/rad]と導出した。この導出は、「内水圧が作用するトンネル覆工構造設計の手引き、財団法人先端建設技術センター 1999年3月発刊」の内容、及び「はり−ばねモデル」に基づき設定した。
また、地震時における回転バネ定数Kθを627[kNm/rad]と設定した。地震時における回転バネ定数Kθは、地震力により継手が塑性化することを想定し、常時における回転バネ定数Kθに対して1/5となるように設定した。なお、図15(c)において、θは回転バネの回転角(継手の目開き量/セグメントの厚み)[rad]を示し、Mは継手が目開く離間モーメント[kNm]を示す。
また、各セグメントリング71a、71bの間におけるリング継手のせん断リングバネ定数Kjは、図15(d)に示すように、各セグメントリング71a、71bの間における法線方向Yのずれ幅δを考慮した。図15(e)に示すように、ずれ幅δが後述するスリップ量x以上の場合を地震時とし、その時の法線方向Y及び接線方向(周方向W)におけるリング継手のせん断リングバネ定数Kjを3.08e+6[kN/m]と設定した。図15(e)において、δは図15(d)に示すずれ幅[m]を示し、Pは添接力(面外せん断力)[kN]を示す。上述したリング継手のせん断リングバネ定数Kjは、「内水圧が作用するトンネル覆工構造設計の手引き、財団法人先端建設技術センター 1999年3月発刊」の内容、及び「はり−ばねモデル解析法」の条件に基づき設定した。
上記条件に基づき、スリップ量xの条件を、参考例1として0.10mm、参考例2として0.50mm、参考例3として1.00mm、本実施例1として1.50mm、本実施例2として2.00mm、及び本実施例3として2.50mmと設定し、各条件における正曲げ最大モーメントの値を試算した。
図16は、上述した参考例1〜3、本実施例1〜3における正曲げ最大モーメントの試算結果を示す。試算結果は、参考例1が46.2[kNm]、参考例2が39.1[kNm]、参考例3が32.8[kNm]、本実施例1が26.5[kNm]、本実施例2が24.4[kNm]、本実施例3が24.4[kNm]であった。また、参考例1に対する参考例2の傾きが−17.75、参考例2に対する参考例3の傾きが−12.6、及び参考例3に対する本実施例1の傾きが−12.6を示した。これに対し、本実施例1に対する本実施例2の傾きが−4.2、及び本実施例2に対する本実施例3の傾きが0.0を示した。このため、本実施例1〜3における正曲げ最大モーメントの値は、参考例1〜3における正曲げ最大モーメントの値に比べて、小さい値を示し、且つ、スリップ量xの変化に伴う変動も小さいことを示す結果が得られた。これにより、スリップ量xが1.50mm以上の場合、地震時においてセグメントに作用する正曲げ最大モーメントの値が十分に低減し、セグメントリング全周に亘って作用する曲げモーメントのバラつきが低減することを確認した。
上記結果は、スリップ量xを1.5mm以上とすることで、添接効果を抑制できることを示唆する。なお、スリップ量xが1.5mm以上の条件を、上述した長さL1(L3)、L2(L4)で示す場合、長さL2(L4)が長さL1(L3)よりも3.0mm以上長い場合を示す。この場合、雄側ストッパ31が雌側ストッパ32に内挿された状態で滑動できる距離は、滑動する方向に関わらず1.5mm以上(すなわちスリップ量xが1.5mm以上)となる。
以上、本発明の実施形態の例について詳細に説明したが、上述した実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならない。
1 :セグメント
2 :本体部
20 :面
21 :端面
22 :側面
3 :主桁部
30 :延在部
30f :フランジ
30w :ウェブ
31 :雄側ストッパ
32 :雌側ストッパ
33a :端部
33b :端部
34a :凹部
34b :凹部
35a :凹部
35b :凹部
36 :リング継手
4 :継手板
45 :セグメント継手
5 :スキンプレート
7 :シールドトンネル
70 :シールドマシン
71 :セグメントリング
9 :地中
A :地山側
I :内空側
C :切羽側
D :坑口側
S :内側空間
W :周方向
X :軸方向
Y :法線方向

Claims (8)

  1. トンネルの周方向に対して相互に連結し、軸方向に対して千鳥配列状に連結箇所を配置することで、前記トンネルを構築するためのセグメントであって、
    トンネル周方向の一対の端面と、トンネル軸方向の一対の側面と、トンネル法線方向の一対の面とで構成される6面を備える本体部を備え、
    一対の前記側面には、前記トンネル軸方向に沿って前記側面に対して突出した形状を有する雄側ストッパ、及び、前記トンネル軸方向に沿って前記側面側に陥没した形状を有する雌側ストッパの少なくとも何れかが配置され、
    前記雄側ストッパは、前記トンネル軸方向に隣接して配置された他のセグメントの有する前記雌側ストッパに内挿された状態で滑動することで、前記他のセグメントの変動に伴う追従を抑制するためのものであること
    を特徴とするセグメント。
  2. 前記雌側ストッパにおける前記トンネル法線方向の長さは、前記雄側ストッパにおける前記トンネル法線方向の長さよりも3.0mm以上20.0mm以下の範囲で長いこと
    を特徴とする請求項1記載のセグメント。
  3. 一対の前記側面には、前記側面の一端から他端まで連続して設けられた延在部を有する一対の主桁部をさらに備え、
    前記主桁部は、前記トンネル軸方向に沿って前記延在部から突出した形状を有する前記雄側ストッパ、及び、前記トンネル軸方向に沿って前記延在部に陥没した形状を有する前記雌側ストッパの少なくとも何れかが形成されること
    を特徴とする請求項1又は2記載のセグメント。
  4. 前記主桁部は、前記トンネル法線方向に離間して配置される2つの前記雄側ストッパ、及び前記トンネル法線方向に離間して配置される2つの前記雌側ストッパの少なくとも何れかが形成されること
    を特徴とする請求項3記載のセグメント。
  5. 前記主桁部は、
    一対の前記側面のうち一方の前記側面に接して設けられた一端主桁部と、
    一対の前記側面のうち他方の前記側面に接して設けられた他端主桁部と
    を有し、
    前記一端主桁部は、前記トンネル軸方向に沿って一方の前記側面から遠ざかる方向に突出した形状を有する前記雄側ストッパが形成され、
    前記他端主桁部は、前記トンネル軸方向に沿って他方の前記側面に近づく方向に陥没した形状を有する前記雌側ストッパが形成され、
    前記雄側ストッパと、前記雌側ストッパとが、前記トンネル法線方向で互いに略同一の位置に形成されること
    を特徴とする請求項3又は4記載のセグメント。
  6. 前記本体部は、中詰めコンクリートが内部に充填される鋼殻が、一対の前記主桁部、及び一対の継手板に取り囲まれることで形成され、
    各々の前記主桁部は、前記中詰めコンクリートに係止される前記雄側ストッパ及び前記雌側ストッパの少なくとも何れかが、前記トンネル軸方向で前記鋼殻の内部側にも形成されること
    を特徴とする請求項5記載のセグメント。
  7. 前記雄側ストッパ及び前記雌側ストッパは、前記トンネル周方向に沿って前記側面の一端から他端まで連続して配置されること
    を特徴とする請求項1〜6の何れか1項記載のセグメント。
  8. 請求項1〜6の何れか1項記載のセグメントを、前記トンネル周方向に複数連接させたセグメントリングであって、
    前記トンネル軸方向から見て、前記雄側ストッパ及び前記雌側ストッパは、前記トンネル軸方向に隣接した他のセグメントリングの有する一対の前記他のセグメントの端面と重なる位置から、前記トンネル周方向に沿って所定の長さまで連続して配置されること
    を特徴とするセグメントリング。
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