JP2019214163A - 既設管更生方法、既設管更生構造、製管装置及び弾性封止材 - Google Patents
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Abstract
Description
製管の方式としては、既設管の一端側の人孔内において更生管を製管しながら既設管内へ押し出す元押し式、又は更生管の先端をワイヤ及びウィンチで反対側の人孔へ向けて引き込む牽引式が知られている。
本発明は、かかる事情に鑑み、溝付きの帯状部材から螺旋管状の更生管を製管することよって既設管を更生する際、削孔後の溝開口の閉塞処理を不要として工期を短縮することを目的とする。
前記更生管を製管する際、前記更生管における前記接続口と対応する接続口対応部分及びその周辺の前記溝に条体状の弾性封止材を外周側から嵌め込み、
その後、前記接続口対応部分を削孔するとともに前記接続口対応部分の前記弾性封止材を切除することを特徴とする。
前記削孔によって連通口が形成される。該連通口に臨む溝開口には弾性封止材が予め埋め込まれている。したがって、削孔後に溝開口を補修材や裏込め材で塞ぐ処理を省略できる。この結果、更生施工の工期を短縮できる。
前記接続口対応部分が前記製管部から前記既設管までの間に在る時、前記弾性封止材の嵌め込みを行うことが好ましい。
当該方法によれば、接続口対応部分が製管装置から送り出されて人孔内に露出しているとき、弾性封止材を嵌め込むことで、嵌め込み作業を容易化できる。更生管は、元押し式又は牽引式によって製管される。
好ましくは、更生管を既設管内に送り込んで既設管の内周に被覆した後、前記接続口対応部分を削孔して連通口を形成する。
前記更生管が、外周側面に帯長方向へ延びる溝が形成された帯状部材からなる螺旋管状であり、
前記更生管における前記接続口と対応する部分には連通口が形成され、
前記連通口の周辺部における前記溝には外周側から嵌め込み可能な弾性封止材が埋め込まれており、
前記弾性封止材が、前記溝に沿って延びる螺旋条体状であり、かつ前記連通口においては切除されていることを特徴とする。
更生管における前記溝は螺旋状になる。連通口周辺における前記螺旋状の溝に螺旋条体状の弾性封止材が嵌め込まれる。
連通口には前記溝が開口され、かつ該溝開口が弾性封止材によって塞がれている。したがって、前記溝開口に雑芥物が詰まるのを防止でき、連通口における流下性を確保できる。
前記弾性封止材が、前記外周側開口を通して前記溝内部に嵌め込まれる封止条体を含み、前記封止条体の自然状態における幅が前記外周側開口幅及び前記溝幅のうち少なくとも前記外周側開口幅より大きいことが好ましい。
前記外周側開口幅は、前記溝の内部の最大溝幅より狭くなっていればよい。
前記封止条体の自然状態とは、前記封止条体が弾性変形されていない状態をいう。
帯状部材に装着される際の封止条体は、幅方向に圧縮されるように弾性変形された状態で溝の外周側開口に差し込まれ、外周側開口を通過すると拡幅するように弾性復帰して、溝の内部に収まる。
前記封止条体の自然状態における幅が前記外周側開口幅より大きいから、封止条体が溝内部に収容された後は溝から外れ難くすることができる。
より好ましくは前記封止条体の自然状態における幅が前記溝幅より大きくする。これによって、封止条体が溝の内壁に密着され、封止条体が溝から外れるのを一層確実に防止できるとともに、封止性を高めることができる。
前記既設管の一端に連なる人孔内に設置され、前記更生管を製管しながら前記既設管へ送り出す製管部と、
条体状の弾性封止材を繰り出す繰出部と、
前記更生管における前記接続口と対応する接続口対応部分が前記製管部から前記既設管までの間に在る時、前記繰出部からの弾性封止材を前記接続口対応部分及びその周辺の前記溝に外周側から嵌め込む嵌込冶具と、
を備えたことを特徴とする。
当該製管装置によれば、更生管を元押し式又は牽引式によって製管できる。かつ、人孔内において弾性封止材の嵌め込み作業を行うことができる。製管後、接続口対応部分を削孔して連通口を形成すると、前記溝が連通口に開口し、かつ該溝開口が弾性封止材によって塞がれた状態で現れる。したがって、削孔後の溝開口の閉塞処理は不要である。
好ましくは、前記嵌込冶具は、前記製管部に対して着脱可能である。
前記製管部によって前記更生管が螺旋状に送り出されることによって、前記弾性封止材の延び方向に前記溝への嵌め込みが進むことが好ましい。
嵌込冶具と製管部が協働することによって、弾性封止材を螺旋状の溝に嵌め込むことができる。また、嵌込冶具の構造を簡素化できる。
これによって、嵌込冶具が更生管から離れたりぶれたりするのを防止でき、弾性封止材を帯状部材の溝へ確実に押し込むことができる。
前記嵌込冶具が、前記複数の位置に跨り、各封止条体を対応する溝に嵌め込むことが好ましい。
これによって、帯状部材の複数条の溝に封止条体を一括して嵌め込むことができる。
あるいは前記弾性封止材が、互いに平行に並べられた複数の封止条体と、これら封止条体を連ねる連接部とを一体に有し、各封止条体が、前記帯状部材の外周側面に形成された複数条の溝のうち対応する溝に外周側から嵌め込まれるものであってもよい。
前記溝の外周側開口の幅が前記溝の内部の溝幅より狭くなっており、
前記封止条体の自然状態における幅が前記外周側開口幅及び前記溝幅のうち少なくとも前記外周側開口幅より大きいことが好ましい。
<既設管1>
図1〜図9は、本発明の第1実施形態を示したものである。図1に示すように、本実施形態における更生対象の既設管1は、地中の下水管である。既設管1の中途部には、接続口2aが設けられ、そこに取付管2(分岐管)が接続されている。
なお、既設管1の更生対象区間内における取付管2の接続数は、1つに限られず、複数の場合もある。
既設管1の内周に更生管9が被覆されている。これによって、既設管1が更生されている。
更生管9は、帯状部材90によって構成されている。帯状部材90が既設管1の内周面に沿って螺旋状に巻回されることによって、螺旋管状の更生管9となっている。
図示は省略するが、帯状部材90には所定の基準点(例えば先端部)から測った帯長を示す目盛りが印字されている。
図3に示すように、連通口9cには、帯状部材90の被削端面90gと弾性封止材10の被削端面10gが臨んでいる。これら被削端面90g,10gによって連通口9cの周面が形成されている。
封止条体11の外周側面(図4において上側面)は、帯状部材90の外周側面とほぼ面一になっている。
封止条体11の長さは、溝封止領域9Rの軸長及び周長にもよるが、例えば数十メートル程度である。
図5は、更生施工中の既設管1を封止条体11の嵌め込み時の状態で示したものである。更生管9は、製管装置3によって製管される。製管装置3は、同図において模式的に示す製管部3aと、弾性封止材嵌め込み手段20を含む。
詳細な図示は省略するが、リール21は、自軸まわりに回転可能であり、かつ連結手段を介して製管部3aに連結されて支持されている。なお、リール21が、製管部3aとは別の支持手段によって支持されていてもよい。
冶具ベース部23は、例えば長方形の板状に形成されている。冶具ベース部23の長手方向は、更生管9の管軸と平行に向けられている。該冶具ベース部23の基端部(図7において右端部)が、製管部3aに取り外し可能に固定されている。
リール21から繰り出された封止条体11が、押さえ部24と更生管9との間に挟み付けられている。押さえ部24は、一定の位置において弾性封止材10を更生管9の溝95へ押し込む。
既設管1は、次のようにして更生される。
予め、既設管1における取付管2との接続口2aの位置を測定しておく。具体的には、既設管1における到達人孔4B側の端部から接続口2aの中心までの距離L1(図5)を測定する。例えば、TVカメラを搭載した遠隔操作可能な自走車にメジャーの先端を係着し、既設管1内において自走車を走らせ、接続口2aが撮影された時の自走車から既設管1の端部までの距離をメジャーで測る。
次に、帯状部材90における先端90eから封止開始部90dまでの帯長L90dを算出する。さらに好ましくは、先端90eから封止終了部90fまでの帯長L90fを算出する。図2に示すように、封止開始部90dは、帯状部材90における溝封止領域9Rの到達人孔4B側(図2において左側)の端部に対応する部分である。封止終了部90fは、帯状部材90における溝封止領域9Rの発進人孔4B側(図2において右側)の端部に対応する部分である。
封止開始部90dまでの帯長L90dは、製管すべき更生管9の径、帯状部材90の幅、前記測定距離L1、更生管9の余長部分9eの設定長さL9e(図8)に基づいて算出できる。封止終了部90fまでの帯長L90fは、さらに溝封止領域9Rの軸長に基づいて算出できる。
帯状部材90を地上の巻取りドラム(図示せず)から人孔4内に差し入れて製管部3aに導入し、該製管部3aによって螺旋管状の更生管9を製管しながら既設管1へ送り出す。
更生管9における接続口対応部分9bが製管部3aから既設管1までの間に在る時、封止条体11の嵌め込みを行う。具体的には、帯状部材90における封止開始部90dが製管部3aから既設管1までの間に位置したとき、製管部3aを一時停止する。帯状部材90に印字された帯長の目盛りを参照することによって、封止開始部90dの位置を容易に判定できる。
このとき、封止開始部90dは、製管機3aから更生管9の1〜2ピッチ分の距離だけ離れていることが好ましい。
次に、製管部3aに嵌込冶具22を取り付ける。該嵌込冶具22の押さえ部24を複数の封止条体11の先端部に跨らせ、該押さえ部24によって各封止条体11の先端部を押さえ付ける。
かつ前記封止条体11を嵌めた部分よりも製管機3a側のリブ92に係止部25を係止させる。
この段階では、封止開始部90dを含む溝封止領域9Rが人孔4内に露出されているから、作業を容易に行うことができる。
複数の封止条体11が、それぞれ対応する溝95に嵌め込まれる。
係止部25を更生管9に係止させることによって、嵌込冶具22が更生管9から浮き上がったり、ぶれたりするのを防止でき、前記嵌め込み操作を安定的に行うことができる。
製管装置3によれば、嵌込冶具22と製管部3aが協働することによって、条体状の弾性封止材10を螺旋状の溝95に嵌め込むことができる。嵌込冶具22が回転したり螺旋状に移動したりする必要が無く、嵌込冶具22の構造を簡素化できる。
さらに、嵌め込み手段20を製管部3aから撤去し、更生管9の製管を再開する。
なお、取付管2が複数有る場合には、次の取付管2に対する接続口対応部分9bの封止処理のために、嵌め込み手段20を製管部3aに残置しておいてもよい。
取付管2が複数有る場合には、各取付管2に対する接続口対応部分9bについて、前記封止処理を行う。
余長部分9eは、後記削孔工程の前又は後に切除する。
削孔機5は遠隔操作可能であることが好ましい。TVカメラ6cを搭載した遠隔操作可能な自走車6によって、削孔位置を確認したり削孔状態を点検したりすることが好ましい。
図9では更生管9内から内部削孔を行っているが、取付管2に外部削孔機を挿入して、外部削孔を行ってもよい。
更生管9を自立管とすることで、既設管1と更生管9との間に裏込め材を充填しなくて済み、更生施工の工期を一層短縮できる。
溝開口95cが弾性封止材10で塞がっているから、溝開口95cに雑芥物が詰まるのを防止でき、連通口9cにおける流下性を確保できる。
<第2実施形態>
図10は、本発明の第2実施形態を示したものである。
第2実施形態においては、帯状部材90Bの特に嵌合部93B,94Bの断面形状が第1実施形態と異なっている。
帯状部材90Bにおける凹状嵌合部93Bは、2条の凹溝96を有している。凸状嵌合部94Bは、2条の凸部97を有している。凹状嵌合部93Bが外周側から凸状嵌合部94Bに被さり、各凹溝96に対応する凸部97が嵌合されている。
帯状部材90Bのリブ92は、嵌合部93Bより外周側へ突出されている。
図11は、本発明の第3実施形態を示したものである。
第3実施形態においては、第1実施形態と同様の断面形状の帯状部材90に、一体型の弾性封止材10Cが設けられている。弾性封止材10Cは、複数の封止条体11Cと連接部12を一体に有している。複数の封止条体11Cどうしが互いに平行に並べられている。隣接する2つの封止条体11C間に連接部12が設けられている。連接部12によってこれら封止条体11Cが連ねられている。連接部12の厚さは、好ましくは0.数mm〜数mmであり、より好ましくは1mm程度である。
更生管9の溝封止領域9Rにおける複数条の溝95の各々に、対応する封止条体11Cが嵌め込まれている。かつ、連接部12が、溝95間に跨るようにして帯状部材90の外周側面に被さっている。
弾性封止材10Cの外周側面(図11において上面)は、帯状部材の外周側面より連接部12の厚さ分だけ突出されている。
第3実施形態によれば、帯状部材90の複数条の溝95に弾性封止材10Cを一括的に嵌め込むことができる。
図12は、本発明の第4実施形態を示したものである。
第4実施形態においては、第2実施形態と同じ断面形状の帯状部材90Bが用いられている。第4実施形態の弾性封止材10Dは、第2実施形態と同様に一体型になっている。すなわち、弾性封止材10Dは、互いに平行に並べられた複数の封止条体11,11Bと、これら封止条体11,11Bを連ねる連接部12Dとを一体に有している。
例えば、帯状部材は、外周側面に溝を有していればよく、その断面形状は実施形態のものに限定されない。
嵌込冶具22が、製管部3aとは別の支持手段によって支持されていてもよい。
更生施工工程は適宜改変できる。例えば、更生管9の溝封止領域9Rの溝に弾性封止材を嵌め込んだ後、接続口対応部分9bを既設管内へ送り込む前に、削孔を行ってもよい。
2 取付管
2a 接続口
3 製管装置
3a 製管部
4 発進人孔(人孔)
9 更生管
9b 接続口対応部分
9c 連通口
9R 溝封止領域
10 弾性封止材
10B,10C,10D 弾性封止材
11 封止条体
11B,11C 封止条体
12 連接部
12D 連接部
21 リール(繰出部)
22 嵌込冶具
24 押さえ部
25 係止部
90 帯状部材
90B 帯状部材
95 溝
95B 溝
95d 外周側開口
W11 封止条体の自然状態における幅
W95d 外周側開口幅
W95 溝幅
Claims (11)
- 外周側面に帯長方向へ延びる溝が形成された帯状部材からなる螺旋管状の更生管を、取付管との接続口を有する既設管の内周に被覆することによって、前記既設管を更生する方法であって、
前記更生管を製管する際、前記更生管における前記接続口と対応する接続口対応部分及びその周辺の前記溝に条体状の弾性封止材を外周側から嵌め込み、
その後、前記接続口対応部分を削孔するとともに前記接続口対応部分の前記弾性封止材を切除することを特徴とする既設管更生方法。 - 前記既設管の一端に連なる人孔内において前記更生管を製管しながら前記既設管へ送り出し、
前記接続口対応部分が前記製管部から前記既設管までの間に在る時、前記弾性封止材の嵌め込みを行うことを特徴とする請求項1に記載の既設管更生方法。 - 取付管との接続口を有する既設管の内周に被覆された更生管を備え、
前記更生管が、外周側面に帯長方向へ延びる溝が形成された帯状部材からなる螺旋管状であり、
前記更生管における前記接続口と対応する部分には連通口が形成され、
前記連通口の周辺部における前記溝には外周側から嵌め込み可能な弾性封止材が埋め込まれており、
前記弾性封止材が、前記溝に沿って延びる螺旋条体状であり、かつ前記連通口においては切除されていることを特徴とする既設管更生構造。 - 前記溝の外周側開口の幅が前記溝の内部の溝幅より狭く、
前記弾性封止材が、前記外周側開口を通して前記溝内部に嵌め込まれる封止条体を含み、前記封止条体の自然状態における幅が前記外周側開口幅及び前記溝幅のうち少なくとも前記外周側開口幅より大きいことを特徴とする請求項3に記載の既設管更生構造。 - 外周側面に帯長方向へ延びる溝が形成された帯状部材を螺旋管状の更生管に製管し、かつ取付管との接続口を有する既設管の内周に前記更生管を被覆する製管装置であって、
前記既設管の一端に連なる人孔内に設置され、前記更生管を製管しながら前記既設管へ送り出す製管部と、
条体状の弾性封止材を繰り出す繰出部と、
前記更生管における前記接続口と対応する接続口対応部分が前記製管部から前記既設管までの間に在る時、前記繰出部からの弾性封止材を前記接続口対応部分及びその周辺の前記溝に外周側から嵌め込む嵌込冶具と、
を備えたことを特徴とする製管装置。 - 前記嵌込冶具が、一定の位置において前記弾性封止材を前記溝へ押し込む押さえ部を有し、
前記製管部によって前記更生管が螺旋状に送り出されることによって、前記弾性封止材の延び方向に前記溝への嵌め込みが進むことを特徴とする請求項5に記載の製管装置。 - 前記嵌込冶具が、前記押さえ部よりも前記送り出し方向の上流側における前記溝に差し入れられて更生管に係止される係止部を有していることを特徴とする請求項6に記載の製管装置。
- 前記帯状部材の外周側面の帯幅方向の複数の位置にそれぞれ前記溝が形成されており、前記弾性封止材が、複数の封止条体を含んでおり、
前記嵌込冶具が、前記複数の位置に跨り、各封止条体を対応する溝に嵌め込むことを特徴とする請求項5〜7の何れか1項に記載の製管装置。 - 請求項1〜8の何れか1項に記載の弾性封止材であって、互いに別体をなす複数の封止条体を有し、各封止条体が、前記帯状部材の外周側面に形成された複数条の溝のうち対応する溝に外周側から嵌め込まれることを特徴とする弾性封止材。
- 請求項1〜8の何れか1項に記載の弾性封止材であって、互いに平行に並べられた複数の封止条体と、これら封止条体を連ねる連接部とを一体に有し、各封止条体が、前記帯状部材の外周側面に形成された複数条の溝のうち対応する溝に外周側から嵌め込まれることを特徴とする弾性封止材。
- 前記溝の外周側開口の幅が前記溝の内部の溝幅より狭くなっており、
前記封止条体の自然状態における幅が前記外周側開口幅及び前記溝幅のうち少なくとも前記外周側開口幅より大きいことを特徴とする請求項9又は10に記載の弾性封止材。
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