JP2019213640A - ミシン - Google Patents

ミシン Download PDF

Info

Publication number
JP2019213640A
JP2019213640A JP2018111538A JP2018111538A JP2019213640A JP 2019213640 A JP2019213640 A JP 2019213640A JP 2018111538 A JP2018111538 A JP 2018111538A JP 2018111538 A JP2018111538 A JP 2018111538A JP 2019213640 A JP2019213640 A JP 2019213640A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
clamp
sewing
needle
sewing machine
jig
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2018111538A
Other languages
English (en)
Inventor
響一 玉木
Kyoichi Tamaki
響一 玉木
祐樹 恒川
Yuki Tsunekawa
祐樹 恒川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Juki Corp
Original Assignee
Juki Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Juki Corp filed Critical Juki Corp
Priority to JP2018111538A priority Critical patent/JP2019213640A/ja
Priority to CN201910507957.8A priority patent/CN110592814A/zh
Publication of JP2019213640A publication Critical patent/JP2019213640A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • DTEXTILES; PAPER
    • D05SEWING; EMBROIDERING; TUFTING
    • D05BSEWING
    • D05B29/00Pressers; Presser feet
    • D05B29/06Presser feet
    • DTEXTILES; PAPER
    • D05SEWING; EMBROIDERING; TUFTING
    • D05BSEWING
    • D05B3/00Sewing apparatus or machines with mechanism for lateral movement of the needle or the work or both for making ornamental pattern seams, for sewing buttonholes, for reinforcing openings, or for fastening articles, e.g. buttons, by sewing
    • D05B3/10Sewing apparatus or machines with mechanism for lateral movement of the needle or the work or both for making ornamental pattern seams, for sewing buttonholes, for reinforcing openings, or for fastening articles, e.g. buttons, by sewing for making piped openings
    • DTEXTILES; PAPER
    • D05SEWING; EMBROIDERING; TUFTING
    • D05BSEWING
    • D05B35/00Work-feeding or -handling elements not otherwise provided for

Abstract

【課題】被縫製物の取り付けの作業性の向上を図る。【解決手段】被縫製物Cを曲面に沿った状態で保持する保持治具30を曲面に沿って揺動可能に支持する揺動機構120を備え、縫い針101の針落ち部131aを有する下押さえ131を、針板116の上面から出没させる下押さえ機構130を備えている。下押さえ131は、針落ちの際に被縫製物が下方に撓むことを抑制する。また、下押さえ131は、針板116に対して下方に退避するので、被縫製物Cに段部がある場合でも、下押さえ131の引っ掛かりを抑制する。【選択図】図10

Description

本発明は、保持治具を用いて縫製を行うミシンに関する。
被縫製物を曲面状に沿わせた状態で縫製を行うために、曲面に沿った下側クランプ部材及び上側クランプ部材を備えるクランプ治具に被縫製物を挟んで保持した状態で、当該保持治具をミシンにセットして縫製が行われていた。
ところで、このように被縫製物が曲面に沿った状態で保持されると、ミシンの平坦な針板に対して被縫製物との間で隙間が生じて、下降した縫い針が隙間をつぶすように被縫製物を下方に撓ませた状態で縫製が行われるので、良好な縫製ができなくなるおそれがあった。
このため、従来のミシンは、針板の針穴の周囲に円筒状の突起部を設け、隙間による被縫製物の撓みを解消していた(例えば、特許文献1参照)。
特開2017−148179号公報
しかしながら、従来のミシンは、被縫製物が複数のパーツを重ねることで生じた段部を有する場合に、ミシンに設けられた突起に段部が引っ掛かりを生じて、パーツの端部が捲り上げられた状態で縫い付けられてしまうおそれがあった。
本発明は、良好な縫製を行うことをその目的とする。
請求項1記載の発明は、ミシンにおいて、
被縫製物を曲面に沿った状態で保持する保持治具を前記曲面に沿って揺動可能に支持する揺動機構を備え、
縫い針の針落ち部を有する下押さえを、針板の上面から出没させる下押さえ機構を備えることを特徴とする。
請求項2記載の発明は、請求項1に記載のミシンにおいて、
前記下押さえ機構は、前記縫い針の下降時に前記下押さえを前記針板から上方に突出させ、前記縫い針の上昇時に前記下押さえを下方に退避させることを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項2に記載のミシンにおいて、
前記下押さえは、その上端部が周囲の前記針板の上面と等しい高さとなるまで下方に退避することを特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項1から3のいずれか一項に記載のミシンにおいて、
前記針板は曲面状であることを特徴とする。
請求項5記載の発明は、請求項1から4のいずれか一項に記載のミシンにおいて、
ミシンベッド部から立設されたポストベッド部を備え、当該ポストベッド部の上端部に前記針板が設けられていることを特徴とする。
本発明は、上記構成により、被縫製物が複数のパーツを重ねることで生じた段部を有する場合であっても、下押さえが段部に引っ掛かりを生じることを抑制し、良好な縫製を行うことが可能となる。
クランプ補助装置に装着されるクランプ治具の正面図である。 クランプ治具の斜視図である。 クランプ治具の右側面図である。 クランプ治具のクランプ状態の左側面図である。 クランプ治具の解放状態の左側面図である。 左右のクランプユニットの取り付け位置におけるフレームの断面図である。 ミシンの前側の斜視図である。 ミシンの後側の斜視図である。 下押さえの突出状態におけるポストベッド部の上部の斜視図である。 下押さえの退避状態におけるポストベッド部の上部の斜視図である。 釜機構と下押さえ機構の概略構造を模式的に示す模式図である。
[発明の実施の形態の概略]
以下、本発明の実施の形態であるクランプ治具30を用いて縫製を行うミシン100について図面に基づいて説明する。
上記クランプ治具30は被縫製物Cを曲面に沿った状態で保持し、ミシン100に対して着脱可能な保持治具である。
[クランプ治具:概要]
図1はクランプ治具30の正面図、図2は斜視図である。なお、図1は被縫製物Cの解放状態、図2は被縫製物Cのクランプ状態を示している(被縫製物Cは図示略)。
クランプ治具30は、後述するY軸方向に沿って並んで配置され、被縫製物Cをクランプする三つのクランプユニット40A,40B,40Bと、各クランプユニット40A,40B,40Bを支持するフレーム31とを備えている。
なお、中央のクランプユニット40Aの両側に配置されたクランプユニット40B,40Bは、お互いが左右方向について対称構造であるため、同一の符号を用いて説明し、重複する説明は省略する。
また、中央のクランプユニット40Aと両側のクランプユニット40B,40Bは、基本構造が一致するので、基本構造についてはクランプユニット40Aで説明し、クランプユニット40Bについてはクランプユニット40Aと異なる点のみを説明する。
なお、クランプユニット40Aに固有の構成については数字のあとにアルファベットの「A」を加えた符号を使用し、クランプユニット40Bに固有の構成については数字のあとにアルファベットの「B」を加えた符号を使用し、クランプユニット40Aとクランプユニット40Bとに共通する構成については数字にアルファベットの「A」と「B」の何れも加えない符号を使用して以下の説明を行う。
また、上記クランプ治具30のフレーム31は、所定形状の平板であり、その平板面に平行であって互いに直交する一の方向をY軸方向、他の方向をZ軸方向とし、Y軸方向の一方を「左」、他方を「右」とし、Z軸方向の一方を「上」、他方を「下」とする。また、フレーム31の平板面に直交する方向をX軸方向とし、その一方(図1紙面手前側)を「前」、他方(図1紙面奥側)を「後」とする。
[クランプ治具:中央のクランプユニット]
各クランプユニット40A,40B,40Bは、いずれも、フレーム31の前面側に装備されている。
そして、クランプユニット40Aは、被縫製物Cの上側に配置される第一クランプ部材としての上側クランプ部材41Aと、被縫製物Cの下側に配置される左右一対の第二クランプ部材としての下側クランプ部材42A,42Aと、上側クランプ部材41A及び下側クランプ部材42Aをクランプ位置と解放位置とに切り替え可能に支持する支持機構43Aと、支持機構43Aを支持する支持ブロック44Aとを備えている。
左右の下側クランプ部材42A,42Aは、左右方向について対称形状であり、いずれも、X軸方向に沿った長尺の板状部材であって、支持ブロック44Aから前方に向かって延出されている。さらに、下側クランプ部材42A,42Aの前端部は、それぞれ左右方向外側に向かって張り出された形状となっている。
左右の下側クランプ部材42A,42Aの前端上部のクランプ面421A,421Aは、いずれも、中心軸がX軸方向に平行な円筒形の同一の外周面(曲面)に沿っている。そして、Y軸方向における両端部に位置する二つのクランプユニット40B,40Bのそれぞれの第二クランプ部材としての下側クランプ部材42B,42Bも、上述の円筒形の同一の外周面に沿ったクランプ面421B,421Bを有している。
つまり、これらのクランプユニット40A,40B,40Bの下側クランプ部材42A,42A,42B,42Bのクランプ面421A,421A,421B,421Bは、全て、同一の外周面に沿って並ぶように配置されている。
また、クランプユニット40Aの左右の下側クランプ部材42A,42Aは、その後端部の上面を支持ブロック44Aの下面に当接させた状態で当該支持ブロック44Aにネジ止めされている。
さらに、それぞれの下側クランプ部材42A,42Aは、その前端部のZ軸方向からみた形状が被縫製物Cの前側縁部の形状に近似している。このため、縫製の際には、被縫製物Cの前側縁部に沿った針落ち位置の近傍を保持することができる。
上側クランプ部材41Aは、X軸方向に沿った長尺の板状部材であって、支持機構43Aの可動ブロック45Aから前方に向かって延出されている。さらに、また、上側クランプ部材41Aの前端部は、左右方向外側に向かって張り出された形状となっている。これにより、上側クランプ部材41Aの前端部は、上から見て、二つの下側クランプ部材42A,42Aの前端部に重ね合わせることができる。
上側クランプ部材41Aは、その下面のクランプ面を下側クランプ部材42A,42Aの上面のクランプ面に接近又は当接させたクランプ位置と上方に離隔した解放位置とに切り替え可能となるように、支持機構43Aを介して支持ブロック44Aに支持されている。
上側クランプ部材41Aの下面のクランプ面411Aは、中心軸がX軸方向に平行な円筒形の内周面(曲面)に沿っている。そして、Y軸方向における両端部に位置する二つのクランプユニット40B,40Bのそれぞれの第一クランプ部材としての上側クランプ部材41B,41Bも、上述の円筒形の内周面に沿ったクランプ面411B,411Bを有している。
つまり、これらのクランプユニット40A,40B,40Bの上側クランプ部材41A,41B,41Bのクランプ面411A,411B,411Bは、全て、同一の内周面に沿って並ぶように配置されている。
さらに、クランプユニット40A,40B,40Bの上側クランプ部材41A,41B,41Bのクランプ面411A,411B,411Bの内周面と、対向する下側クランプ部材42A,42A,42B,42Bのクランプ面421A,421A,421B,421Bの外周面とは、径が等しく、個別に対向し且つ平行となっており、各上側クランプ部材41A,41B,41Bと各下側クランプ部材42A,42A,42B,42Bとによって挟持した被縫製物Cを、前述した内周面及び外周面に沿った円周面に沿った状態で保持することができる。
また、クランプユニット40Aの上側クランプ部材41Aは、その上面を支持機構43Aの可動ブロック45Aの下面に当接させた状態で当該可動ブロック45Aにネジ止めされている。
さらに、上側クランプ部材41Aは、その前端部のZ軸方向からみた形状が被縫製物Cの前側縁部の形状に近似している。このため、縫製の際には、被縫製物Cの前側縁部に沿った針落ち位置の近傍を保持することができる。
図3は支持機構の側面図である。
支持機構43Aは、図2及び図3に示すように、上側クランプ部材41Aを保持する可動ブロック45Aと、支持ブロック44Aの上面に固定装備された基部432と、回動操作により上側クランプ部材41Aを下側クランプ部材42Aと対向するクランプ位置と下側クランプ部材42Aから離間した解放位置とに切り替える操作レバー433と、可動ブロック45A及び支柱431,431を介して上側クランプ部材41Aを支持する回動腕434と、基部432と操作レバー433とを連結するリンク部材435と、外部のクランプ補助装置(クランプ治具30に対する被縫製物Cの取り付け作業を補助する装置。図示は省略する)からの操作レバー433に対する切り替え操作の推力を入力する操作部材としての伝達体46とを備えている。
なお、上記「クランプ位置」とは下側クランプ部材42Aに対して上側クランプ部材41Aが被縫製物Cを挟持できる程度に近接した状態又はクランプ面411A、421A同士が接した状態をいい、「解放位置」とは下側クランプ部材42Aに対して上側クランプ部材41Aが離隔して被縫製物Cを解放可能な状態(本実施形態では90°近くまで開いた状態)を言うものとする。
基部432は、その前端部において回動腕434の後端の下部をY軸回りに回動可能に支持し、基部432の後端部においてリンク部材435の一端部をY軸回りに回動可能に支持している。
操作レバー433は、その前端部が回動腕434の後端の上部とY軸回りに回動可能に連結され、後端部はクランプ位置と解放位置との切り替えを行うための入力部となっている。具体的には、操作レバー433の後端部には、Y軸方向に貫通し、X軸方向に沿った長穴433aが形成されている。
さらに、操作レバー433の前端部より幾分後方となる位置において、リンク部材435の他端部とY軸回りに回動可能に連結されている。
これにより、基部432と操作レバー433と回動腕434とリンク部材435とが四節リンク機構を構成している。
この構成において、操作レバー433の入力部を下方に回動させると、操作レバー433と回動腕434との連結点aとリンク部材435と基部432との連結点bを結ぶ直線よりも、操作レバー433とリンク部材435との連結点cが下側となる。かかる状態で上側クランプ部材41Aと下側クランプ部材42Aとの間に被縫製物Cをクランプしてその復元力で操作レバー433が押し戻されても、連結点cがより下方に移動する方向に力が加わり、操作レバー433と基部432とが当接して上側クランプ部材41Aと下側クランプ部材42Aの開きが阻止され、クランプ状態を維持することができる。
つまり、操作レバー433の入力部の下方回動により、上側クランプ部材41Aと下側クランプ部材42Aとが被縫製物Cを挟んで保持するクランプ位置に切り替えることができる。
また、クランプ位置にある状態から操作レバー433の入力部を上方に回動させると、操作レバー433と回動腕434との連結点aとリンク部材435と基部432との連結点bを結ぶ直線よりも下側に位置していた操作レバー433とリンク部材435との連結点cが当該直線よりも上方に移動する。これにより、上側クランプ部材41Aと下側クランプ部材42Aの開きが阻止されなくなり、操作レバー433の入力部をさらに上方に回動させると、操作レバー433と回動腕434との連結点aがリンク部材435と基部432との連結点b側に引き寄せられて、上側クランプ部材41Aが上方に回動して解放位置となる。
つまり、操作レバー433の入力部の上方回動により、上側クランプ部材41Aを被縫製物Cの解放位置に切り替えることができる。
これらにより、支持機構43Aは、いわゆるトグル機構を構成している。
伝達体46は、平板状の支持ブロック44Aにより上下動可能に支持されており、U字状の枠部461と、枠部461の底部に固定装備された丸棒状の直動軸462と、枠部461の内側に設けられた連結軸463と、直動軸462を通じて枠部461を下方に押圧する弾性体としてのコイル状のバネ464とを備えている。
枠部461の内側には、Y軸方向に平行な連結軸463が固定装備されている。そして、前述した支持機構43Aの操作レバー433の入力部の長穴433aに連結軸463が挿入されている。
直動軸462は、支持ブロック44Aの平板面の中心より幾分後方となる位置を貫通して設けられた図示しない滑り軸受けにより、その長手方向に沿って往動可能に支持されている。
支持ブロック44Aの平板面は、X−Y平面に平行であり、直動軸462はZ軸方向に沿って往動可能となっている。
直動軸462は、その一端部(上端部)が枠部461に固定連結され、他端部(下端部)は、支持ブロック44Aの下側において、外部のクランプ補助装置に連結可能となっている。即ち、直動軸462の下端部の外周面には、当該外周面を一周する溝によってくびれた形状の被係止部462aが形成されている。
外部のクランプ補助装置は、直動軸462の被係止部462aを係止して、直動軸462の上方への移動動作の入力を可能としている。
コイル状のバネ464は、直動軸462を内側に通したバネであり、支持ブロック44Aの下側で直動軸462を下方に押圧している。これにより、直動軸462,枠部461を介して操作レバー433の入力部が下方に引き寄せられ、上側クランプ部材41Aが常にクランプ位置側に付勢されている。
つまり、外力を加えてコイル状のバネ464に抗して直動軸462を上方移動させることにより、枠部461の連結軸463が操作レバー433を上方に押し上げ、外力を加えることをやめてコイル状のバネ464のバネ圧に従って直動軸462を下方移動させることにより、枠部461の連結軸463が操作レバー433の入力部を下方に押し下げることができる。
これにより、伝達体46を介して、クランプ補助装置側からの上側クランプ部材41A及び下側クランプ部材42Aのクランプ位置と解放位置との切り替え操作を可能としている。
なお、クランプ補助装置による操作に限らず、操作レバー433を手動で操作することにより、上側クランプ部材41A及び下側クランプ部材42Aのクランプ位置と解放位置との切り替え操作を行うことも可能である。
支持ブロック44Aは、前述したようにX−Y平面に沿った矩形の平板であり、その上面側で支持機構43Aを介して上側クランプ部材41Aを支持し、下面側で下側クランプ部材42Aを支持している。
さらに、この支持ブロック44Aは、後端部にフレーム31の前面に当接する端面部を有しており、当該端面部を密接させた状態でフレーム31にネジ止めによって支持されている。
[クランプ治具:左右のクランプユニット]
図4は上側クランプ部材41Bがクランプ位置にあるときのクランプユニット40Bの側面図、図5は解放位置にあるときの側面図である。
なお、図4及び図5はクランプユニット40Bの傾斜をなくした状態(伝達体46の直動軸462がZ軸方向に平行な状態)で図示している。
左右のクランプユニット40B,40Bについて説明する。前述したように、左右のクランプユニット40B,40Bは左右方向ついて対称構造なので、ここでは左側のクランプユニット40Bのみについて説明し、右側のクランプユニット40Bについては説明を省略する。また、クランプユニット40Bについて、既に説明した中央のクランプユニット40Aと異なる点のみについて説明する。
各クランプユニット40A,40B,40Bの支持ブロック44A,44B,44Bは、前述した上側クランプ部材41A,41B,41B及び下側クランプ部材42A,42A,42B,42Bのクランプ面に倣う周面に対して外接する向きでフレーム31に支持されている。従って、Y軸方向の中央に位置する支持ブロック44Aは、X−Y平面に平行な向きとなり、左右両側に位置する各支持ブロック44B,44Bは、何れもX−Y平面に対してX軸回りに傾斜した向きとなっている。
従って、左右のクランプユニット40B,40Bは、その全ての構成が支持ブロック44B,44Bと同様に傾斜した向きとなっている。
また、クランプユニット40Bは、上側クランプ部材41B、下側クランプ部材42B及び支持機構43Bを備えている。
また、クランプユニット40Bの支持ブロック44Bは下側クランプ部材42Bを支持している。
クランプユニット40Bの支持機構43Bは、前述した支持機構43Aとほぼ同一の構成であり、可動ブロック45Aがなく、支柱431,431が上側クランプ部材41Bの上面に直接連結されている点が支持機構43Aと異なっている。
また、上側クランプ部材41B及び下側クランプ部材42Bの前端部は、被縫製物Cの形状に倣った形状となっていることから、上側クランプ部材41A及び下側クランプ部材42Aとは異なる形状となっている。
[クランプ治具:フレーム]
フレーム31は、図1及び図2に示すように、Y軸方向に長尺な矩形の本体部32と、本体部32のY軸方向の両端部からそれぞれ左斜め下方と右斜め下方とに延出された二本の腕部33,33とを有し、これらがY−Z平面に沿った一体的な平板状をなしている。
また、フレーム31の本体部32の上部後面側には、左右一対の治具把持機構35,35が設けられている。
クランプ治具30は、クランプ補助装置やミシンの取付板121(図7参照)に、本体部32の中央部の後面を接するように装着される。
左右一対の治具把持機構35,35は、上記取付板121の上端部の後面を前方に押圧して、当該治具把持機構35,35とフレーム31の後面との間で把持することにより、取付板121に対するクランプ治具30の固定を図るものである。
治具把持機構35は、図2及び図3に示すように、取付板121を把持する弾性部材からなる把持パッド351と、フレーム31の後面に固定装備された基部352と、回動操作により把持パッド351を、取付板121を把持する把持位置と取付板121から離間した解放位置とに切り替える操作レバー353と、把持パッド351を支持する回動腕354と、基部352と操作レバー353とを連結する図示しないリンク部材とを備えている。
この治具把持機構35は、クランプユニット40A、40Bの支持機構43A,43Bとほぼ同一の構造を有しており、トグル機構を用いて把持パッド351による取付板121の把持状態と解放状態とを切り替える。
つまり、操作レバー353の入力操作部を前方に回動させると、操作レバー353と回動腕354との連結点とリンク部材と基部352との連結点を結ぶ直線よりも、操作レバー353とリンク部材との連結点が前側となる。かかる状態で把持パッド351が取付板121を前方に押圧してフレーム31との間で把持した状態(把持位置)となる。
また、把持位置にある状態から操作レバー353の入力操作部を後方に回動させると、操作レバー353と回動腕354との連結点とリンク部材と基部352との連結点を結ぶ直線よりも前方に位置していた操作レバー353とリンク部材との連結点が当該直線よりも後方に移動する。これにより、把持パッド351が後方に移動し、取付板121を解放した状態(解放位置)となる。
これにより、クランプ治具30を、ミシン100に対して着脱可能としている。
[クランプ治具:治具側調節機構]
図6はクランプユニット40Bの取り付け位置におけるフレーム31の断面図である。
上記フレーム31とクランプユニット40Bとの間には、フレーム31に対する二つのクランプユニット40Bの配置を調節する治具側調節機構47が設けられている。なお、中央のクランプユニット40Aは、フレーム31に固定的に装備され、位置調節は行われない。
治具側調節機構47として、フレーム31の各腕部33,33には、図1に示すように、左右のクランプユニット40B,40Bを個々に取り付けるために、湾曲した曲線としての円弧に沿った複数の直線からなる折れ線状の長穴である上側取付穴471と下側取付穴472とが上下に並んで貫通形成されている。
なお、左右の腕部33,33及び各腕部33,33に設けられた上側取付穴471と下側取付穴472は、左右方向について対称となる形状なので、主に、左側の腕部33及び上側取付穴471と下側取付穴472について説明を行う。
上側取付穴471は、三つの直線部からなる折れ線状であり、下側取付穴472は二つの直線部からなる折れ線状である。
そして、上側取付穴471の直線部は、フレーム31の下方に中心位置が設定された共通の円弧に沿って形成されている。
また、下側取付穴472の直線部は、フレーム31の下方に中心位置が設定された共通の円弧に沿って形成されている。
また、下側取付穴472の円弧は上側取付穴471の円弧と同心であって下側取付穴472の円弧は上側取付穴471の円弧よりも小径に設定されている。さらに、これらの円弧の中心は、前述したクランプユニット40A,40B,40Bの上側クランプ部材41A,41B,41Bのクランプ面411A,411B,411B及び下側クランプ部材42A,42A,42B,42Bのクランプ面421A,421A,421B,421Bがなす周面の中心線上に位置している(以下、この周面の中心線を「クランプ面の中心線」という)。
なお、上記上側取付穴471及び下側取付穴472は、複数の直線部からではなく、いずれか一方の円弧に沿った一つの円弧状に形成しても良い。
図6に示すように、治具側調節機構47は、上記上側取付穴471及び下側取付穴472に加えて、クランプユニット40Bの支持ブロック44Bの後端面から後方に突出した二本のボス473,473と、支持ブロック44Bをフレーム31に締結固定する手回しハンドルを有するネジ474とを備えている。
二本のボス473,473は、上側取付穴471の円弧に沿うように並んで配置されており、これらのボス473、473は上側取付穴471に挿入される。
ネジ474は、支持ブロック44Bの後端面における下側取付穴472の円弧の線上となる位置に形成されたネジ穴476に対して、フレーム31の後面側から下側取付穴472に通されて座金475を介して螺入されている。
従って、クランプユニット40Bの位置調節の際には、手回しハンドルを回してネジ474を緩め、当該ネジ474とボス473,473により上側取付穴471及び下側取付穴472に沿って支持ブロック44Bを移動させることにより、前述した二つの円弧に沿って任意に位置を調節することができる。そして、位置を決めると、再び、手回しハンドルを回してネジ474を締結し、その位置にクランプユニット40Bを固定することができる。
また、治具側調節機構47は、クランプユニット40Bの位置調節を一定の位置変化量の単位で行わせる間欠移動機構48を備えている。この間欠移動機構48は、前述した円弧と同心の円弧に沿って一定の間隔でフレーム31の前面側に形成された複数の位置決め穴481(図6では一つのみ図示)と、支持ブロック44Bの後端面に形成された有底穴482内において進退可能に格納された球体483と、球体483を有底穴482から突出させる方向に加圧する弾性体としてのコイル状のバネ484とを備えている。
また、有底穴482の開口部はかしめられており、球体483は、ある程度外部に突出するが、脱落しないようになっている。
上記球体483の外径は、位置決め穴481の内径よりも大きく、球体483の一部が有底穴482から突出した場合に位置決め穴481に嵌合する。これにより、クランプユニット40Bの位置調節の際に、支持ブロック44Bを上側取付穴471及び下側取付穴472に沿って移動させると、球体483が進退移動を行いながら複数並んだ位置決め穴481に順番に嵌合し、その都度、支持ブロック44Bを位置決めすることができる。
なお、位置決め穴481は、前面側が開口していれば良く、図6のように前後に貫通してなくとも良い。
また、位置決め穴481に嵌合する部材は、球体483である場合に限らず、支持ブロック44Bの移動を許容する先端が丸みを帯びた突起でも良い。
また、複数の位置決め穴481を支持ブロック44Bの後端面に設け、有底穴482をフレーム31の前面側に設け、球体483とコイル状のバネ484を格納する構成としても良い。
[ミシン:概略]
図7及び図8はミシン100の一部の構成を省略して図示した斜視図である。
上記ミシン100は、下端部に縫い針101を保持する針棒102を上下動させる図示しない針棒上下動機構と、縫い針と共に上下動を行う中押さえ103と、縫い針101に通された上糸を捕捉して下糸を絡める釜機構150と、中押さえ103を上下動させる中押さえ機構と、クランプ治具30を保持して揺動させる揺動機構120と、クランプ治具30をその揺動軸線に沿って移動させる軸線移動機構140と、針板116の上面から下押さえ131を出没させる下押さえ機構130と、上記各構成を格納又は搭載するミシンフレーム110とを備えている。
なお、ミシン100の各図におけるX軸方向、Y軸方向、Z軸方向については、ミシン100にクランプ治具30を後述する揺動機構120の取付板121に装着した場合であって、取付板121が基準位置にある状態(取付板121が鉛直上下方向に立設した状態)でのクランプ治具30に定めたX軸方向、Y軸方向、Z軸方向を適用する。
[ミシン:ミシンフレーム]
ミシンフレーム110は、下部に位置するミシンベッド部111と、ミシンベッド部111から立ち上げられた立胴部112と、立胴部112の上端部からミシンベッド部111と平行に延出されたミシンアーム部113とを備えている。
なお、図7及び図8において、ミシンフレーム110の各部のカバーの図示を一部省略しており、また、その内部の構成についても図示を省略している。
図9及び図10は、ポストベッド部114の上端部の斜視図である。
ミシンフレーム110のミシンベッド部111における上面前端部には、ポストベッド部114が立設されており、当該ポストベッド部114の上端部には針板116が設けられている。
図9及び図10に示すように、ポストベッド部114の上端部及び針板116の上面は、中心軸がX軸方向に沿った外周面(曲面)形状となっている。この外周面は上方に凸となっている。
また、上記周面は、揺動機構120が保持したクランプ治具30の上側クランプ部材41A,41B,41Bのクランプ面411A,411B,411B及び下側クランプ部材42A,42A,42B,42Bのクランプ面421A,421A,421B,421Bがなす周面と同心となる周面である。
[ミシン:針棒上下動機構]
上記針棒上下動機構は、ミシンモーター(図示略)と、当該ミシンモーターにより回転する上軸と、上軸の回転力を上下動の駆動力に変換して針棒102に付与するクランク機構とを備える周知の構成なので、詳細な説明は省略する。
[ミシン:釜機構]
図11は釜機構150と下押さえ機構130の概略構造を模式的に示す模式図である。
釜機構150は、いわゆる水平釜151と、水平釜151を支持する釜軸155と、ミシンモーターにより回転する下軸152と、下軸152に設けられた主動傘歯車153と、釜軸155に設けられた従動傘歯車154とを主に備えている。
水平釜151は、ポストベッド部114の内部であって針板116の下面近傍に配置されている。釜軸155は、ポストベッド部114内においてZ軸方向に沿った状態で回転可能に支持されている。そして、水平釜151の回転半径を水平に維持した状態で、当該水平釜151にZ軸回りの回転力を伝達する。
下軸152は、X軸方向に沿った状態でミシンベッド部111内に回転可能に支持されている。この下軸152は、前述したミシンモーターで駆動する上軸に対して、ベルト機構又は歯車機構を上下両端部に備えた伝達軸を介して回転力が付与されている。なお、下軸152と上軸は等速で回転を行う。
主動傘歯車153は、従動傘歯車154と噛合しており、下軸152のトルクを釜軸155に伝達する。主動傘歯車153は、従動傘歯車154の二倍の歯数であり、下軸152に対して釜軸155には二倍速で回転を行う。
[ミシン:下押さえ機構]
下押さえ機構130は、図11に示すように、針板116に設けられた下押さえ131と、下軸152に固定装備された偏心カム132と、一端部で偏心カム132を擁するコネクティングロッド133とを有している。
上記下押さえ131は、図9及び図10に示すように、ポストベッド部114の上面前端部に設けられた針板116の中央部にZ軸方向に貫通形成された円形の出没孔116a内に設けられている。
下押さえ131は、その中心軸がZ軸方向に沿った円筒部材であり、その中央貫通孔は、縫い針101の針落ちが行われる針落ち部としての針穴131aとなっている。
また、下押さえ131は、針板116の下側に設けられた図示しない滑り軸受により上下動可能に支持されている。
さらに、下押さえ131は、平面視で、水平釜151の上側であってその外周前側近傍に配置されている。従って、下押さえ131の針穴131aに縫い針101が上から突入すると、水平釜151の図示しない剣先により縫い針101の上糸を捕捉することができる。
偏心カム132は、真円形の外周カムであり、その中心から偏心した位置において下軸152に固定装備されている。
コネクティングロッド133は、その一端部で偏心カム132をX軸回りに回転可能に支持し、他端部は下押さえ131に対してX軸回りに回動可能に連結されている。また、コネクティングロッド133は、ポストベッド部114の内部で、概ね、Z軸方向に沿った向きで配置されている。
これにより、下軸152が回転すると、コネクティングロッド133は、偏心カム132の偏心量の二倍のストロークで下押さえ131をZ軸方向に沿って昇降させることができる。
そして、下押さえ131は、図9に示すように、針板116の上面から最大限に突出した状態(下押さえ131の上死点とする)と、図10に示すように、その上端面が最も低くなる位置(下押さえ131の下死点とする)とを繰り返す昇降動作を、縫い針101の上下動と同周期で繰り返すことができる。
なお、下押さえ131の下死点は、その上端面が針板116の上面と等しい高さとなる位置が最も望ましいが、針板116の上面より低位置としてもよい。また、下押さえ131の上端面が針板116の上面より幾分高位置としてもよいが、その場合には、針板116の上面に対して、被縫製物Cの一枚の厚さよりも突出しない高さとすべきである。
また、下押さえ131の上端面の外周全体には、アール(丸み)を形成しても良い。その場合には、下押さえ131の上端面の下死点の高さは、針板116の上面に対して、アールの半径に等しい高さまで突出していても良い。
また、偏心カム132は、下軸152に対して、縫い針101の下死点と下押さえ131の上死点とが一致し、縫い針101の上死点と下押さえ131の下死点とが一致する位相で下押さえ131が上下動を行うように取り付けられている。
従って、下押さえ131は、針落ちの際には針板116から突出し、縫い針101が針板116の上方に位置する際には針板116とほぼ同じ高さに退避している。
[ミシン:中押さえ機構]
中押さえ機構は、針板116の上方で被縫製物Cのばたつきを押さえる中押さえ103と、下端部で中押さえ103を保持する中押さえ棒と、上軸の回転力を上下動の駆動力に変換して中押さえ棒に付与するクランク機構とを備える周知の構成なので、詳細な説明は省略する。
中押さえ103は、縫い針101を遊挿する円筒部を備え、当該円筒部が縫い針の上昇時に被縫製物Cを上から押さえて被縫製物Cのばたつきを押さえている。
中押さえ機構は、中押さえ103を縫い針101と同周期であって縫い針101に遅れて上下動を行うよう動作伝達を行う。これにより、縫い針101の上昇に引っ張られて上昇しようとする被縫製物Cを押さえ、被縫製物Cからの縫い針101の引き抜きを良好に行わせる。
[ミシン:揺動機構]
揺動機構120は、図7及び図8に示すように、クランプ治具30の治具把持機構35により当該クランプ治具30を着脱可能に保持する取付板121と、取付板121の下端部に連結され、当該取付板121を介してクランプ治具30を揺動させる回動軸122と、ミシンベッド部111の後端部に搭載され、回動軸122にクランプ治具30の揺動動作の駆動源となる揺動モーター123と、揺動モーター123のトルクを取付板121に伝達する伝達機構124とを備えている。
取付板121は、その前面にクランプ治具30のフレーム31の位置決め穴に挿入する上下の位置決め突起1211,1212と、フレーム31の下端部が当接する下端支持部材1214とを備えている。
位置決め突起1211,1212は、取付板121の前面において前方に突出して設けられ、取付板121の前側に取り付けられるクランプ治具30のフレーム31に形成された位置決め穴に対して個別に後側から挿入される。
下端支持部材1214は、取付板121の前面においてY軸方向に沿って固定装備されている。
また、取付板121は、その下端部に回動軸122の前端部を挿入する挿入孔を備え、回動軸122の前端部を挿入させた状態で抱き締めにより固定連結されている。
回動軸122はX軸方向に平行であり、回動することにより、取付板121の上部に装着されたクランプ治具30をY軸方向に沿って揺動させることができる。
また、取付板121に対する回動軸122の中心線は、取付板121に装着されたクランプ治具30の上側クランプ部材41A,41B,41Bのクランプ面411A,411B,411B及び下側クランプ部材42A,42A,42B,42Bのクランプ面421A,421A,421B,421Bがなす周面の中心線と同一線上となるように位置が設定されている。従って、回動軸122の回動により、クランプ治具30はそのクランプ面の周面に沿って揺動を行うことができる。
回動軸122は、立胴部112の下部におけるY軸方向のほぼ中央部をX軸方向に沿って前後に貫通した状態で配置されている。回動軸122の前端部近傍及び後端部近傍は、立胴部112の前面及び後面に設けられたボールスプライン115(後面側は図示略)によって回転可能且つ回転中心線方向に沿って往動可能に支持されている。
伝達機構124は、揺動モーター123の出力軸に設けられた主動プーリ1241と、回動軸122の後端部に設けられた従動プーリ1242と、これらのプーリ1241,1242に掛け渡されたタイミングベルト1243とを備えている。
従動プーリ1242の外径は、クランプ治具30のクランプ面の径と等しく設定されており、これによって、ミシン100に許容される範囲で最大のものを使用している。即ち、クランプ治具30のクランプ面の径は、縫製時の作業領域の範囲と等しく、このサイズと等しいプーリであればミシンに許容される幅の範囲に納めることができる。
そして、従動プーリ1242の大型化に対して、主動プーリ1241の外径は十分に小さく設定されている。これにより、回動軸122に伝達される回転数は減速されるが、トルクを大きくすることができる。従って、クランプ治具30に厚みがある被縫製物Cや固い被縫製物Cが取り付けられ、縫製時に縫い針との摩擦によって揺動動作に対して抵抗が大きくなる場合であっても、クランプ治具30の揺動動作の遅れを低減することができる。
また、回動軸122は、後端部から前端部の近傍までスプライン溝が形成されており、従動プーリ1242は、スプラインナット構造となっている。これにより、回動軸122のスラスト方向の移動を許容しつつ、回動軸122にトルクを伝達することが可能となっている。
揺動モーター123は動作量が制御可能なモーターであれば特に制限は無いが、例えば、ステッピングモーターが使用される。
これらの構成により、揺動機構120は、クランプ治具30に保持された被縫製物Cの揺動角度を任意に制御することができる。
[ミシン:軸線移動機構]
軸線移動機構140は、図8に示すように、揺動機構120の回動軸122及び取付板121を介してクランプ治具30を揺動動作の揺動軸線方向(X軸方向)に沿って移動させる。
このため、軸線移動機構140は、揺動軸線方向移動の駆動源となる軸線移動モーター141と、立胴部112の右側面前側において軸線移動モーター141の出力軸に設けられた主動プーリ142と、立胴部112の右側面後側に設けられた従動プーリ143と、これらのプーリ142,143の間に掛け渡されたタイミングベルト144と、タイミングベルト144の途中に固定装備されたスライド部材145と、立胴部112の右側面においてスライド部材145をX軸方向に沿って滑動可能に支持するスライドガイド146とを備えている。
軸線移動モーター141は、立胴部112の右側面前側において出力軸を下方に向けた状態で支持されている。軸線移動モーター141は動作量が制御可能なモーターであれば特に制限は無いが、例えば、ステッピングモーターが使用される。
上記軸線移動モーター141の配置により、主動プーリ142は、Z軸回りに回転可能に支持された状態となる。また、従動プーリ143も、立胴部112の右側面後側において、Z軸回りに回転可能に支持されている。
従って、主動プーリ142と従動プーリ143はX軸方向に並ぶ配置となり、これらのプーリ142,143の間に掛け渡されたタイミングベルト144は、X軸方向に沿った状態で搬送される。
スライド部材145は、タイミングベルト144に連結され、スライドガイド146に支持されているので、軸線移動モーター141の駆動により、X軸方向に移動を行う。
このスライド部材145は、立胴部112の内部において、揺動機構120の回動軸122とスラスト軸受けを介して連結されている。
つまり、スライド部材145はスラスト軸受けにより、回動軸122の回転を許容しつつも、スラスト方向(揺動軸線方向[X軸方向])への移動力を回動軸122に伝達することができる。
これらの構成により軸線移動機構140は、クランプ治具30に保持された被縫製物Cを揺動軸線方向に沿って任意に移動させることができる。
[ミシンの縫製動作]
上記ミシン100の被縫製物Cの縫製を行う際の準備作業から縫製作業までの流れを説明する。
予め、被縫製物Cをクランプした状態のクランプ治具30を取付板121に装着する。
即ち、クランプ治具30の左右の治具把持機構35,35の各把持パッド351,351を解放状態として、当該各把持パッド351,351とフレーム31との間に取付板121を下方から差し込む。
さらに、位置決め突起1211,1212を位置決め穴に挿入して、左右の治具把持機構35,35の操作レバー353,353を前方に押し込む。これにより、各把持パッド351,351が取付板121を把持し、クランプ治具30が装着状態となる。
上記準備作業が終わり、ミシン100の図示しない制御装置は縫製パターンデータを読み込んで揺動モーター123と軸線移動モーター141の一針ごとの動作量を算出する。
そして、ミシンモーターの駆動を開始し、針棒102の上下動に同期して毎針ごとに揺動モーター123と軸線移動モーター141を算出した動作量で駆動し、被縫製物Cを揺動及び軸線移動させて、縫製パターンデータに定められた針落ち位置に順番に針落ちを行う。
このとき、繰り返し上下動を行う縫い針101に対して、下押さえ131は縫い針101の上下動に同期しつつ逆位相で上下動を行う。これにより、図9及び図10に示すように、縫い針101の下降時には下押さえ131が針板116から突出し、縫い針101の上昇時には下押さえ131が針板116から突出しないように退避する。
従って、針落ち時には、下押さえ131が被縫製物Cを下から支えて縫い針101による下方の撓みを抑制する。
また、針上昇時には、下押さえ131は針板116に対して退避した状態となる。従って、生地や素材を重ねた被縫製物Cを縫製する場合であって、被縫製物Cの下面側に段部が生じている場合でも、被縫製物Cの揺動やX軸方向に沿った移動動作の際に、下押さえ131に対する段部の引っ掛かりを抑制し、めくり上げられた状態での縫製を回避低減することができ、良好な縫製を行うことが可能となる。
そして、縫製パターンデータに定められた全ての針落ち位置に針落ちが行われると、ミシンモーターが停止され、縫製動作が完了する。
さらに、クランプ治具30を取付板121から外し、クランプ治具30から被縫製物Cを取り外して、一連の縫製動作が完了する。
[実施形態の効果]
上記ミシン100は、縫い針101の針穴131aを有する下押さえ131を、針板116の上面から出没させる下押さえ機構130を備えている。
このため、生地や素材を重ねて生じた段部を有する被縫製物Cを縫製する場合に、下押さえ131を下方に退避させることで、段部が下押さえ131に引っ掛かりを生じることを抑制することができ、良好な縫製を行うことが可能となる。
また、下押さえ機構130は、縫い針101の下降時に下押さえ131を針板116から上方に突出させ、縫い針101の上昇時に下押さえ131を下方に退避させる動作を行う。
このため、生地や素材を重ねて生じた段部を有する被縫製物Cを曲面に沿わせた状態で縫製する場合に、下押さえ131の突出により、針落ち時の被縫製物Cの下方への撓みを抑制しつつ、下押さえ131の退避により、段部が下押さえ131に引っ掛かりを生じることを抑制することができ、特に、被縫製物Cを周面や曲面に沿わせた場合に、格別良好な縫製を行うことが可能となる。
また、下押さえ機構130は、下押さえ131の上端部が周囲の針板116の上面と等しい高さとなるまで下方に退避させている。これにより、被縫製物Cの段部の引っ掛かりを効果的に抑制すると共に、下押さえ131が針板116に対してより低位置に退避することで凹部が生じることを回避することができ、この凹部に対する被縫製物Cの引っ掛かりも抑制し、さらに良好な縫製を行うことが可能となる。
また、ミシン100では、針板116が曲面状、特に、揺動機構120が保持したクランプ治具30の上側クランプ部材41A,41B,41Bのクランプ面411A,411B,411B及び下側クランプ部材42A,42A,42B,42Bのクランプ面421A,421A,421B,421Bがなす周面と同心となる周面状になっている。
このため、被縫製物Cに対して針板116を平行且つ近接させて縫製を行うことができ、より良好な縫製を行うことが可能となる。
また、ミシン100は、ミシンベッド部111から立設されたポストベッド部114を備え、針板116は、ポストベッド部114の上端部に設けられている。
従って、縫製時に周面に沿った状態で保持された被縫製物Cに針板116を近接配置させると共に、揺動を行う被縫製物Cに対して妨げとなりにくい構造となり、より良好な縫製を行うことが可能となる。
[その他]
上記ミシン100に装着されるクランプ治具30については、被縫製物Cを周面(曲面)に沿わせた状態で保持することが可能であれば、その構造については、他の形態であっても良い。
また、ミシン100は、被縫製物Cを周面に沿って揺動させる揺動機構120と周面の中心線に沿って移動させる軸線移動機構140とにより被縫製物Cに対する任意の位置に針落ちを行うことを可能としているが、かかる構造に限定されず、被縫製物の周面(曲面)に沿って被縫製物を移動可能なあらゆる揺動機構をミシンに搭載しても良い。例えば、ロボットアームのように、被縫製物を3次元の任意の位置に移動可能な揺動機構をミシンに搭載してもよい。その場合、被縫製物Cを周面形状に限らず任意の曲面形状とし、当該曲面に沿わせて移動させながら縫製しても良い。但し、曲面は上方に凸となる形状とし、保持された被縫製物Cの下側に針板116を配置すべきである。
また、下押さえ131は、縫い針101の上下に貫通する針落ち部を備え、水平面(X−Y平面)に沿った断面形状が上下方向に渡って一定の形状を維持する部分を有する形状であればよい。例えば、針落ち部は、針穴131aのような貫通孔ではなく、上下方向に貫通した溝状であっても良い。また、下押さえ131は、上下方向の全長に渡って一定形状でなくともよく、例えば、下端部にフランジ状のストッパを有する形状であっても良い。
また、下押さえ131のガタつきを押さえるために、上方又は下方に下押さえ131を加圧するバネを併設しても良い。
また、下押さえ機構130は、コネクティングロッド構造に限らず、下押さえ131に対して、縫い針101の上下動と同期した上下動を付与するあらゆる機構を利用することできる。また、同期可能であれば、下押さえ131の上下動を付与するミシンモーター以外の別駆動源を備える構成としても良い。
30 クランプ治具(保持治具)
40A,40B クランプユニット
41A,41B 上側クランプ部材
42A,42B 下側クランプ部材
100 ミシン
101 縫い針
102 針棒
110 ミシンフレーム
111 ミシンベッド部
114 ポストベッド部
116 針板
116a 出没孔
120 揺動機構
130 下押さえ機構
131 下押さえ
131a 針穴(針落ち部)
411A,411B,421A,421B クランプ面
C 被縫製物











Claims (5)

  1. 被縫製物を曲面に沿った状態で保持する保持治具を前記曲面に沿って揺動可能に支持する揺動機構を備え、
    縫い針の針落ち部を有する下押さえを、針板の上面から出没させる下押さえ機構を備えることを特徴とするミシン。
  2. 前記下押さえ機構は、前記縫い針の下降時に前記下押さえを前記針板から上方に突出させ、前記縫い針の上昇時に前記下押さえを下方に退避させることを特徴とする請求項1に記載のミシン。
  3. 前記下押さえは、その上端部が周囲の前記針板の上面と等しい高さとなるまで下方に退避することを特徴とする請求項2に記載のミシン。
  4. 前記針板は曲面状であることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のミシン。
  5. ミシンベッド部から立設されたポストベッド部を備え、当該ポストベッド部の上端部に前記針板が設けられていることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のミシン。
JP2018111538A 2018-06-12 2018-06-12 ミシン Pending JP2019213640A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018111538A JP2019213640A (ja) 2018-06-12 2018-06-12 ミシン
CN201910507957.8A CN110592814A (zh) 2018-06-12 2019-06-12 缝纫机

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018111538A JP2019213640A (ja) 2018-06-12 2018-06-12 ミシン

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2019213640A true JP2019213640A (ja) 2019-12-19

Family

ID=68852627

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018111538A Pending JP2019213640A (ja) 2018-06-12 2018-06-12 ミシン

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP2019213640A (ja)
CN (1) CN110592814A (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
CN110592814A (zh) 2019-12-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100463091B1 (ko) 재봉틀의천누름장치
KR101240382B1 (ko) 재봉기의 중심 노루발 장치
TWI411716B (zh) Sewing machine yarn breaking device
JP2008104718A (ja) ミシンの送り機構
JP2011101719A (ja) ミシンの送り調節機構
JP2010246839A (ja) ミシン
KR102452185B1 (ko) 2본침 로크 스티치 재봉틀
JP3734301B2 (ja) 自動縫いミシンの中押え装置
JP2008011915A (ja) ミシン
JP4261698B2 (ja) ミシンの布送り機構
CN106245239B (zh) 夹紧机构及具备该夹紧机构的缝纫机
JPH0134634B2 (ja)
JP2019213640A (ja) ミシン
JP2007029433A (ja) 穴かがり縫いミシン
JP4903588B2 (ja) ミシンの布押さえ装置
JP6692179B2 (ja) クランプ補助装置
JP2007006912A (ja) ミシンの針棒駆動装置
JP6960710B2 (ja) ミシン
JP7142472B2 (ja) クランプ治具及びクランプ補助装置
JP7137329B2 (ja) ミシン
JP3983367B2 (ja) ミシンの布押え装置
JP2019213645A (ja) クランプ補助装置
JP3917242B2 (ja) ミシンの布送り装置
JPS60212190A (ja) 二重環縫いミシン
JP3426708B2 (ja) 鳩目穴かがりミシンの針振り機構