JP2019213261A - 電池システム - Google Patents
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Abstract
【課題】複数の電池要素間での温度差およびSOCの差の拡大を抑制する。【解決手段】ECUは、通電電流が所定値よりも小さい場合(S114にてYES)、低温セルから高温セルへの供給電流I1を設定し(S116)、設定された供給電流I1が流れるように調整装置を制御するステップ(S118)と、通電電流が所定値以上である場合(S114にてNO)、高温セルから低温セルへの供給電流I2を設定し(S120)、設定された供給電流I2が流れるように調整装置を制御するステップ(S122)とを含む、制御処理を実行する。【選択図】図5
Description
本開示は、複数の電池要素で構成される電池システムの充放電制御に関する。
たとえば、特開2010−124575号公報(特許文献1)には、蓄電装置と蓄電装置の入出力電力を変換する電力変換装置とが複数個並列に接続される構成において、複数の蓄電装置の温度と、複数の蓄電装置の温度を平均化して算出する目標温度との差分に応じて電力変換装置を用いて蓄電装置を充放電することによって、各蓄電装置間の温度差をなくし、劣化の差を減らす技術が開示される。
しかしながら、上述の特許文献1に開示されているように温度差を低減するために電力変換装置を用いた蓄電装置の充放電が継続される場合には、各蓄電装置のSOC(State Of Charge)に差が生じる場合がある。各蓄電装置間においてSOCに差が生じると、複数の蓄電装置全体のSOCを制御する場合において、複数の蓄電装置のうちの最もSOCが低い蓄電装置に合わせて充電が開始されたり、最もSOCが高い蓄電装置に合わせて充電が完了したりする。その結果、複数の蓄電装置全体における有効な満充電容量が低下することになる。そのため、各蓄電装置間の温度差の拡大を抑制するとともに各蓄電装置間のSOCの差の拡大を抑制することが求められる。
本開示は、上述した課題を解決するためになされたものであって、その目的は、複数の電池要素間での温度差およびSOCの差の拡大を抑制する電池システムを提供することである。
本開示のある局面に係る電池システムは、電池要素が複数個直列に接続されて構成される組電池と、電池要素の各々に接続され、電池要素の各々に流れる電流を調整する調整装置と、電池要素の各々において電流が目標値になるように調整装置を制御する制御装置とを備える。制御装置は、組電池に流れる電流が第1状態になる場合には、複数個の電池要素のうちの第1電池要素の第1目標値の大きさを、第1電池要素よりも温度が低い第2電池要素の第2目標値の大きさよりも減少させる均熱化制御を実行する。制御装置は、組電池に流れる電流が第1状態よりも電池要素の均熱化が要求されない第2状態になる場合には、組電池の放電時の第2目標値の大きさよりも放電時の第1目標値の大きさを増加させる第1均等化制御と、組電池の充電時の第2目標値の大きさよりも充電時の第1目標値の大きさを減少させる第2均等化制御とのうちのいずれか一方を実行する。
このようにすると、組電池に流れる電流が第1状態になる場合には、低温側の第2電池要素の発熱量を増加させることによって第2電池要素の温度を上昇させることができる。その結果、第1電池要素と第2電池要素との温度差の拡大を抑制して均熱化を図ることができる。このような均熱化制御が継続して行なわれると、第1電池要素のSOCと第2電池要素のSOCとの差が拡大する可能性がある。そのため、組電池に流れる電流が第1状態よりも均熱化が要求されない第2状態になる場合には、第1均等化制御と第2均等化制御とのうちのいずれか一方が実行されることによって、第1電池要素のSOCと第2電池要素のSOCとの差の拡大を抑制することができる。
本開示によると、複数の電池要素間での温度差およびSOCの差の拡大を抑制する電池システムを提供することができる。
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
以下では、この実施の形態に係る電池システムが電気自動車に適用される例について説明する。図1は、本実施の形態に係る電池システム2が搭載された車両1の全体構成を概略的に示すブロック図である。
図1を参照して、車両1は、モータジェネレータ(以下、「MG(Motor Generator)」と称する)10と、動力伝達ギア20と、駆動輪30と、電力制御ユニット(以下、「PCU(Power Control Unit)」と称する)40と、システムメインリレー(以下、「SMR(System Main Relay)」と称する)50と、電池システム2とを備える。電池システム2は、電池パック100と、電圧センサ210と、電流センサ220と、温度センサ230と、電子制御ユニット(以下、「ECU(Electronic Control Unit)」と称する)300とを備える。電池パック100は、バッテリ101と、調整装置102とを含む。
MG10は、たとえば三相交流回転電機である。MG10の出力トルクは、減速機等によって構成された動力伝達ギア20を介して駆動輪30に伝達される。MG10は、車両1の回生制動動作時には、駆動輪30の回転力によって発電することも可能である。なお、図1ではMGが1つだけ設けられる構成が示されるが、MGの数はこれに限定されず、MGを複数(たとえば2つ)設ける構成としてもよい。
PCU40は、インバータとコンバータと(いずれも図示せず)を含む。バッテリ101の放電時には、コンバータは、バッテリ101から供給された電圧を昇圧してインバータに供給する。インバータは、コンバータから供給された直流電力を交流電力に変換してMG10を駆動する。一方、バッテリ101の充電時には、インバータは、MG10によって発電された交流電力を直流電力に変換してコンバータに供給する。コンバータは、インバータから供給された電圧を降圧してバッテリ101に供給する。
SMR50は、バッテリ101とPCU40とを結ぶ電流経路に電気的に接続されている。SMR50がECU300からの制御信号に応じて閉成されている場合、バッテリ101とPCU40との間で電力の授受が行なわれ得る。
バッテリ101は、再充電が可能に構成された直流電源である。バッテリ101は、ニッケル水素電池あるいはリチウムイオン電池などの二次電池のセルを蓄電要素として複数個(本実施の形態においては、たとえば、7個)含んで構成される組電池である。
電流センサ220は、バッテリ101に入出力される電流Ibを検出する。電圧センサ210および温度センサ230の各々は、たとえば、バッテリ101を構成するセル毎に1つずつ設けられている。そのため、電圧センサ210は、バッテリ101のセル毎の電圧Vb(1)〜Vb(7)を検出する。温度センサ230は、バッテリ101のセル毎の温度Tb(1)〜Tb(7)を検出する。各センサは、その検出結果をECU300に出力する。
ECU300は、CPU(Central Processing Unit)301と、メモリ302と、図示しない入出力バッファとを含んで構成される。メモリ302は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、および書き換え可能な不揮発性メモリを含む。メモリ302(たとえば、ROM)に記憶されているプログラムをCPU301が実行することで、各種制御が実行される。ECU300は、たとえば、各センサから受ける信号、並びにメモリ302に記憶されたマップおよびプログラムに基づいて、車両1および電池システム2が所望の状態となるように各機器を制御する。ECU300が行なう各種制御については、ソフトウェアによる処理に限られず、専用のハードウェア(電子回路)で処理することも可能である。
ECU300は、取得した情報(CPU301による演算結果等)をメモリ302に保存する。メモリ302は、バッテリ101の充電状態(すなわち、SOC)の検出や車両1の制御に用いられる情報等を、予め記憶していてもよい。たとえば、メモリ302は、バッテリ101の初期情報(セルの種類、容量、内部抵抗、電極の厚み、目付量等)を予め記憶していてもよい。
ECU300は、下限SOCおよび上限SOCによって定まる使用SOC範囲に従ってバッテリ101の充放電電力を制御する。ECU300は、たとえば、バッテリ101のSOCが上限SOCに近づくと、バッテリ101の入力電力(充電電力)を制限して、バッテリ101のSOCが上限SOCを超えないようにする。また、ECU300は、バッテリ101のSOCが下限SOCに近づくと、バッテリ101の出力電力(放電電力)を制限して、バッテリ101のSOCが下限SOCを下回らないようにする。下限SOCおよび上限SOCは、たとえばメモリ302に記憶されている。下限SOCおよび上限SOCの各々の数値は、ECU300によって変更できる。SOCの測定方法としては、たとえば、電流値積算(クーロンカウント)による手法、または、開放電圧(OCV:Open Circuit Voltage)の推定による手法など、種々の公知の手法を採用できる。
ECU300は、バッテリ101の充電電力の上限値を示す充電電力制限値Winと、バッテリ101の放電電力の上限値を示す放電電力制限値Woutとに基づいて、バッテリ101の充放電電力を制御するように構成される。ECU300は、バッテリ101への充電電力が充電電力制限値Winを超えないように、バッテリ101への充電電力の制限処理を実行する。また、ECU300は、バッテリ101からの放電電力が放電電力制限値Woutを超えないように、バッテリ101からの放電電力の制限処理を実行する。これらの制限処理は、たとえば、PCU40、SMR50等が制御されることにより行なわれる。充電電力制限値Winおよび放電電力制限値Woutは、たとえばメモリ302に記憶されている。充電電力制限値Winおよび放電電力制限値Woutの各々の数値は、ECU300によって変更できる。
図2は、電池パック100の詳細な構成の一例を示した図である。上述したとおり、電池パック100は、7個のセル101a,101b,101c,101d,101e,101f,101gを含んで構成されるバッテリ101と、セル101a〜101gの各々に接続され、セル101a〜101gの各々における電流を調整可能な調整装置102とを含む。
調整装置102は、セル101a〜101gにそれぞれ設けられる電流調整回路150a,150b,150c,150d,150e,150f,150gと、DC/DC制御IC(Integrated Circuit)108とを含む。たとえば、電流調整回路150aは、トランス103aと、第1スイッチング素子104aと、第1抵抗105aと、第2スイッチング素子106aと、第2抵抗107aとを含む。
トランス103aは、1次側コイル110aと2次側コイル111aとを含む。1次側コイル110aの一方端は、第1スイッチング素子104aを介在して第1抵抗105aの一方端に接続される。1次側コイル110aの他方端は、バッテリ101の正極に接続される。第1抵抗105aの他方端は、バッテリ101の負極に接続される。
2次側コイル111aの一方端は、第2スイッチング素子106aを介在して第2抵抗107aの一方端に接続される。2次側コイル111aの一方端は、セル101aの正極に接続される。第2抵抗107aの他方端は、セル101aの負極に接続される。
電流調整回路150b〜150gについても電流調整回路150aと同様の構成を有する。そのため、それらの詳細な説明は繰り返さない。
第1スイッチング素子104a〜104gおよび第2スイッチング素子106a〜106gは、いずれもDC/DC制御IC108からの制御信号に基づいて動作する。DC/DC制御IC108は、たとえば、ECU300からの制御信号に基づいて第1スイッチング素子104a〜104gおよび第2スイッチング素子106a〜106gのうちの少なくともいずれかを動作させる。
このような構成を有する調整装置102を用いてセル101a〜101gのうちの少なくともいずれかのセルと、その他のセルのうちの少なくともいずれかのセルとの間で電力を授受することによってセルに流れる電流を調整することができる。
図3は、いずれか1つのセルからその他のセルに電力を授受してセルに流れる電流を調整する動作の一例を説明するための図である。たとえば、図3に示すように、セル101fとセル101a〜101eおよび101gとの間で電力を授受してセル101a〜101gに流れる電流を調整する場合を想定する。また、たとえば、バッテリ101には、電流Iが流れ、第1スイッチング素子104a〜104gおよび第2スイッチング素子106a〜106gがいずれもオフ状態である場合を想定する。
ECU300は、たとえば、第1動作として、セル101fに設けられる電流調整回路150fの第2スイッチング素子106fをオン状態とする。これにより、セル101fの電流調整回路150fの2次側コイル111fにおいて、図3(A)に示す矢印の方向に(すなわち、セル101fの負極側に)電流(以下、2次側コイルに流れる電流を2次側補助電流と記載する)が流れる。このとき、たとえば、2次側コイル111fにおいて2次側補助電流iaが流れるとすると、セル101fには、電流I+iaが流れることになる。
その後に、ECU300は、第2動作として、第2スイッチング素子106fをオフ状態とし、第1スイッチング素子104a〜104gをオン状態とする。これにより、1次側コイル110a〜110eおよび110gにおいて、図3(B)に示す矢印の方向に、電流(以下、1次側コイルに流れる電流を1次側補助電流と記載する)ib(=ia/6セル)が流れ、1次側コイル110fにおいて、図3(B)に示す矢印の方向に、1次側補助電流iaが流れる。
そして、ECU300は、第3動作として、第1スイッチング素子104a〜104gの各々をオフ状態とし、第2スイッチング素子106a〜106eおよび106gの各々をオン状態とする。これにより、2次側コイル111a〜111eおよび111gにおいて、図3(C)に示す矢印の方向に(すなわち、セル101a〜101eおよび101gのそれぞれ正極側に)2次側補助電流ibが流れる。このとき、セル101a〜101eおよび101gの各々には、電流I−ibが流れることになる。
この場合、セル101a〜101eおよび101gからセル101fに電流iaが供給されることになる。以下の説明においては、一方のセルから他方のセルに供給される電流を供給電流と記載する場合がある。
あるいは、ECU300は、たとえば、第1動作として、第2スイッチング素子106a〜106eおよび106gの各々をオン状態とする。これにより、セル101a〜101eおよび101gの電流調整回路150a〜150eおよび150gにおいて、図3(C)に示す矢印の方向とは逆方向に(すなわち、セル101a〜101eおよび101gの負極側に2次側補助電流が流れる。このとき、たとえば、2次側コイル111a〜111eおよび111gの各々に2次側補助電流ibが流れるとすると、セル101a〜101eおよび101gの各々には、電流I+ibが流れることになる。
その後、ECU300は、第2動作として、第2スイッチング素子106a〜106eおよび106gの各々をオフ状態とし、第1スイッチング素子104a〜104gをオン状態とする。これにより、1次側コイル110a〜110eおよび110gにおいて、図3(B)に示す矢印の方向とは逆方向に、1次側補助電流ibが流れ、1次側コイル110fにおいて、図3(B)に示す矢印の方向とは逆方向に、1次側補助電流ia(=ib×6セル)が流れる。
そして、ECU300は、第3動作として、第1スイッチング素子104a〜104gの各々をオフ状態とし、第2スイッチング素子106fをオン状態とする。これにより、2次側コイル111fにおいて、図3(A)に示す矢印の方向とは逆方向に(すなわち、セル101fの正極側に)2次側補助電流iaが流れる。このとき、セル101fには、電流I−iaが流れることになる。
この場合、セル101fからセル101a〜101eおよび101gに電流iaが供給されることになる。
上述のように構成される電池パック100において、ECU300は、バッテリ101の充電時あるいは放電時において、上述の調整装置102を用いて7個のセルの電流量を調整してセル間の温度差の拡大を抑制する均熱化制御を実行する。
具体的には、ECU300は、7個のセルの温度分布を取得して、最も温度の高い高温セルと最も温度の低い低温セルとを特定する。ECU300は、上述したように高温セルから低温セルに補助電流を供給することによって、高温セルに流れる電流の大きさを低温セルに流れる電流の大きさより低下させることによって、高温セルの発熱量を低温セルに発熱量よりも低下させる。これにより、高温セルの温度上昇を抑制しつつ、低温セルの温度上昇を促進してセル間の温度差の拡大を抑制する。
この場合において、ECU300は、高温セルの温度あるいは低温セルの温度に応じて高温セルおよび低温セルでの発熱量を調整することができる。具体的には、ECU300は、たとえば、電荷量(補助電流×補助時間(補助電流を流す時間))を一定としつつ、電流負荷(補助電流の2乗値×補助時間)を調整することによって発熱量を調整することができる。そのため、たとえば、セルの温度が低いほど補助電流の大きさを大きくしつつ、補助時間を短くし、セルの温度が高いほど補助電流の大きさを小さくしつつ、補助時間を長くすることによって、同じ電荷量を用いて発熱量の大小を調整することができる。
このように高温セルと低温セルとで発熱量を調整することによってセル間の温度差の拡大を適切に抑制し、均熱化を図ることができる。
しかしながら、均熱化制御を実行することによって、低温セルに流れる電流の大きさを高温セルに流れる電流の大きさよりも増加させた状態が継続される場合には、セル101a〜101gのSOCの差が拡大する場合がある。セル101a〜101g間においてSOCに差が生じると、たとえば、バッテリ101を充電する場合には、セル101a〜101gのうちの最もSOCが低いセルに合わせて充電が開始されることになる。このとき、最もSOCの高いセルにおいては、放電可能な電池残量を有している場合でも充電が開始されることになる。そして、バッテリ101の充電が完了する場合には、最もSOCが高いセルに合わせて充電が終了されることになる。このとき、最もSOCの低いセルにおいては、充電の余地を有している場合でも、最もSOCが高いセルに合わせて充電が終了されることになる。その結果、バッテリ101における有効な満充電容量が低下することになる。そのため、温度差の拡大を抑制するとともにセル間のSOCの差の拡大を抑制することが求められる。
そこで、本実施の形態においては、ECU300が、以下の動作を行なうものとする。すなわち、ECU300は、バッテリ101に流れる電流が第1状態になる場合には、複数のセルのうちの高温セルに流れる電流の第1目標値の大きさを、高温セルよりも温度が低い低温セルに流れる電流の第2目標値の大きさよりも減少させる均熱化制御を実行するものとする。そして、ECU300は、バッテリ101に流れる電流が第1状態よりもセルの均熱化が要求されない第2状態になる場合には、バッテリ101の放電時の第2目標値の大きさよりもバッテリ101の放電時の第1目標値の大きさを増加させる均等化制御を実行するものとする。
このようにすると、バッテリ101に流れる電流が第1状態になる場合には、低温セルの発熱量を増加させることによって低温セルの温度を上昇させることができる。その結果、高温セルと低温セルとの温度差の拡大を抑制して均熱化を図ることができる。このような均熱化制御が継続して行なわれると、高温セルのSOCと低温セルのSOCとの差が拡大する可能性がある。そのため、バッテリ101に流れる電流が第1状態よりも均熱化が要求されない第2状態になる場合には、均等化制御が実行されることによって、高温セルのSOCと低温セルのSOCとの差の拡大を抑制することができる。
以下、図4、図5および図6を参照して、ECU300で実行される制御処理の一例を説明する。図4、図5および図6は、いずれもECU300で実行される制御処理の一例を示すフローチャートである。
図4を参照して、ステップ(以下、Sをステップと記載する)100にて、ECU300は、電池パック100内のセル101a〜101gの温度分布を推定する。ECU300は、たとえば、温度センサ230によって検出されたセル101a〜101gの温度Tb(1)〜Tb(7)を用いて電池パック100内のセル101a〜101gの温度分布を推定する。
S102にて、ECU300は、必要となるセル間の発熱量の差を算出する。具体的には、ECU300は、取得された温度分布を用いてセル101a〜101gのうちの最も温度の高いセルと最も温度の低いセルとを特定する。ECU300は、特定された2つのセルの温度差を算出し、算出された温度差を用いて必要なるセル間の発熱量の差を算出する。ECU300は、たとえば、温度差と発熱量の差との関係を示すマップを用いて温度差から発熱量の差を算出してもよい。温度差と発熱量の差との関係示すマップは、たとえば、実験等によって適合され、予めECU300のメモリに記憶される。
S104にて、ECU300は、必要となるセル間の発熱量の差の大きさが所定値以上であるか否かを判定する。所定値は、たとえば、予め定められた値であって、実験等によって適合される。必要なるセル間の発熱量の差の大きさが所定値以上であると判定される場合(S104にてYES)、処理はS106に移される。なお、必要なるセル間の発熱量の差の大きさが所定値よりも小さいと判定される場合には(S104にてNO)、温度差の乖離が少ないため、この処理は終了される。
S106にて、ECU300は、セル101a〜101gの各々における満充電容量とSOCとを推定する。SOCの推定方法については上述したとおりであるため、その詳細な説明は繰り返さない。ECU300は、たとえば、SOCの所定の変化量に対する充電電流あるいは放電電流の積算値(電力量)から満充電容量を推定する。なお、満充電容量の推定方法については、公知の方法を用いればよく、上述の方法に限定されるものではない。
S108は、ECU300は、セル101a〜101gの各々における必要均等化量を算出する。具体的には、ECU300は、セル101a〜101gの各々のSOCを用いて平均値を算出する。ECU300は、セル101a〜101gにおける平均値に対する過剰分および不足分から必要均等化量を算出する。ECU300は、たとえば、あるセルにおいて平均値に対してΔSOC(0)だけ過剰である場合には、−ΔSOC(0)に相当する電力量をそのセルの必要均等化量として算出する。あるいは、ECU300は、たとえば、あるセルにおいて平均値に対してΔSOC(0)だけ不足する場合には、ΔSOC(0)に相当する電力量をそのセルの必要均等化量として算出する。
S110にて、ECU300は、必要均等化量が所定値よりも小さいか否かを判定する。ECU300は、たとえば、セル101a〜101gの各々における必要均等化量のうちのその大きさが最も大きい値が所定値よりも小さいか否かを判定してもよい。あるいは、ECU300は、たとえば、セル101a〜101gの各々における必要均等化量のうちのその大きさが最も小さい値が所定値よりも小さいか否かを判定してもよい。あるいは、ECU300は、たとえば、セル101a〜101gの各々における必要均等化量の平均値が所定値よりも小さいか否かを判定してもよい。所定値は、予め定められた値であって実験等によって適合される。必要均等化量が所定値よりも小さいと判定される場合(S110にてYES)、処理は図5に示すフローチャートにおけるS112に移される。
図5を参照して、S112にて、ECU300は、通電電流(バッテリ101に流れる電流)を取得する。すなわち、ECU300は、電流センサ220によって検出される電流を通電電流として取得する。
S114にて、ECU300は、通電電流が所定値よりも小さいか否かを判定する。所定値は、均熱化制御を実行するか否かを判定するための予め定められた値であって、実験等により適合される。本実施の形態において、通電電流が所定値以上である場合が「第1状態」に相当し、通電電流が所定値よりも小さい場合が、均熱化が必要とされない「第2状態」に相当する。通電電流が所定値よりも小さいと判定される場合(S114にてYES)、処理はS116に移される。
S116にて、ECU300は、低温セルから高温セルへの供給電流I1を設定し、設定された供給電流I1が低温セルから高温セルへ流れるように調整装置102を制御する。
ECU300は、たとえば、セル101a〜101fのうちの最も温度が高いセルを高温セルとして特定し。その他の6つのセルを低温セルとして特定する。そのため、ECU300は、たとえば、バッテリ101に電流Iが流れると想定した場合に、高温セルにおいて電流I+I1が流れ、その他の6つの低温セルの各々において電流I−I1/6が流れるように調整装置102を制御する。なお、この高温セルに流れる電流I+I1が高温セルの目標電流に相当し、低温セルの各々に流れる電流I−I1/6が低温セルの目標電流に相当する。
ECU300は、たとえば、供給電流I1として12Aを設定する場合には、高温セルにおいて流れる電流が12A増加する補助電流が流れるように、高温セルの第2スイッチング素子を動作させてから所定時間が経過した後に、第2スイッチング素子をオフ状態にする。そして、第1スイッチング素子104a〜104gをオン状態にしてから所定時間が経過した後に、第1スイッチング素子104a〜104gをオフ状態にする。その後、6セルの低温セルにおいて流れる電流が2Aずつ減少する補助電流が流れるように低温セルの第2スイッチング素子を動作させる。
S118にて、ECU300は、供給電流I1の積算値A1を算出する。ECU300は、たとえば、前回の計算時点からの経過時間と供給電流I1とを乗算した値を積算値A1の前回値に加算することによって積算値A1(今回値)を算出する。なお、積算値A1の初期値はゼロである。
なお、S114にて、通電電流が所定値以上であると判定される場合(S114にてNO)、処理はS120に移される。S120にて、ECU300は、高温セルから低温セルへの供給電流I2を設定し、設定された供給電流I2が高温セルから低温セルへ流れるように調整装置102を制御する。
ECU300は、たとえば、バッテリ101に電流Iが流れると想定した場合に、高温セルにおいて電流I−I2が流れ、その他の6つの低温セルの各々において電流I+I1/6が流れるように調整装置102を制御する。
ECU300は、たとえば、供給電流I2として12Aを設定する場合には、6セルの低温セルの各々において流れる電流が2Aずつ増加する補助電流が流れるように、6セルの低温セルの第2スイッチング素子を動作させてから所定時間が経過した後に、第2スイッチング素子をオフ状態にする。そして、第1スイッチング素子104a〜104gをオン状態にしてから所定時間が経過した後に、第1スイッチング素子104a〜104gをオフ状態にする。その後、高温セルにおいて流れる電流が12A減少する補助電流が流れるように高温セルの第2スイッチング素子を動作させる。
S122にて、ECU300は、供給電流I2の積算値A2を算出する。ECU300は、たとえば、前回の計算時点からの経過時間と供給電流I2とを乗算した値を積算値A2の前回値に加算することによって積算値A2(今回値)を算出する。なお、積算値A2の初期値はゼロである。
S124にて、ECU300は、所定時間内の積算値A1−積算値A2の値が所定値よりも小さいか否かを判定する。ECU300は、たとえば、現時点を基準として所定時間だけ遡った時点からの積算値A1の増加分および積算値A2の増加分をそれぞれ所定時間内の積算値A1および所定時間内の積算値A2とし、その差分を算出して、所定時間内の積算値A1−積算値A2の値を算出する。所定値は、予め定められた値であって、実験等により適合される。所定時間内の積算値A1−積算値A2の値が所定値よりも小さいと判定される場合(S124にてYES)、処理はS128に移される。
なお、所定時間内の積算値A1−積算値A2の値が所定値以上であると判定される場合(S124にてNO)、処理はS126に移される。S126にて、ECU300は、供給電流I1をゼロに設定し、設定された供給電流I1になるように調整装置102を制御する。
S128にて、ECU300は、所定時間内の積算値A2−積算値A1の値が所定値よりも小さいか否かを判定する。所定値は、予め定められた値であって、実験等により適合される。そのため、S124にて用いられる所定値と同じ値であってもよいし、異なる値であってもよい。所定時間内の積算値A2−積算値A1の値が所定値よりも小さいと判定される場合(S128にてYES)、処理はS132に移される。
なお、所定時間における積算値A2−積算値A1の値が所定値以上であると判定される場合(S128にてNO)、処理はS130に移される。S130にて、ECU300は、供給電流I2をゼロに設定し、設定された供給電流I2になるように調整装置102を制御する。
S132にて、ECU300は、電池パック100内のセル101a〜101gの温度分布を推定する。なお、温度分布の推定方法については、上述のS100の処理における温度分布の推定方法と同様であるため、その詳細な説明は繰り返さない。
S134にて、ECU300は、最大セル間温度差が所定値よりも小さいか否かを判定する。ECU300は、推定された温度分布を用いてセル101a〜101gのうちの最も温度の高いセルと最も温度の低いセルとを特定する。ECU300は、特定された2つのセルの温度差を最大セル間温度差として算出する。所定値は、予め定められた値であって、実験等により適合される。最大セル間温度差が所定値よりも小さいと判定される場合(S132にてYES)、この処理は終了される。なお、最大セル間温度差が所定値以上であると判定される場合(S132にてNO)、処理はS114に戻される。
なお、図4のS110にて、必要均等化量が所定値以上であると(S110にてNO)、処理は図6に示すフローチャートにおけるS134に移される。
図6を参照して、S136にて、ECU300は、通電電流を取得する。S138にて、ECU300は、通電電流が所定値よりも小さいか否かを判定する。所定値は、S114の処理における所定値と同様である。バッテリ101に流れる電流が所定値よりも小さいと判定される場合(S138にてYES)、処理はS140に移される。
S140にて、ECU300は、低温セルから高温セルへの供給電流I1を設定し、設定された供給電流I1が低温セルから高温セルへ流れるように調整装置102を制御する。このときの調整装置102の具体的な動作の一例については、上述のS116の処理における説明のとおりであるため、その詳細な説明は繰り返さない。
S142にて、ECU300は、供給電流I1の積算値A1を算出する。積算値A1の算出方法については上述のS118の処理における説明のとおりであるため、その詳細な説明は繰り返さない。
なお、S138にて、通電電流が所定値以上であると判定される場合(S138にてNO)、処理はS144に移される。S144にて、ECU300は、高温セルから低温セルへの供給電流I2を設定し、設定された供給電流I2が高温セルから低温セルへ流れるように調整装置102を制御する。このときの調整装置102の具体的な動作の一例については、上述のS120の処理における説明のとおりであるため、その詳細な説明は繰り返さない。
S146にて、ECU300は、供給電流I2の積算値A2を算出する。積算値A2の算出方法については上述のS122の処理における説明のとおりであるため、その詳細な説明は繰り返さない。
S148にて、ECU300は、所定時間内の積算値A1−積算値A2の値が所定値に必要均等化量を加算した値よりも小さいか否かを判定する。所定値は、S124の処理の所定値と同様である。所定時間内の積算値A2−積算値A1の値が所定値に必要均等化量を加算した値よりも小さいと判定される場合(S148にてYES)、処理はS152に移される。
なお、所定時間内の積算値A1−積算値A2の値が所定値に必要均等化量を加算した値以上であると判定される場合(S148にてNO)、処理はS150に移される。S150にて、ECU300は、供給電流I1をゼロに設定し、設定された供給電流I1になるように調整装置102を制御する。
S152にて、ECU300は、所定時間内の積算値A2−積算値A1の値が所定値に必要均等化量を加算した値よりも小さいか否かを判定する。所定値は、S128の処理の所定値と同様である。所定時間内の積算値A2−積算値A1の値が所定値に必要均等化量を加算した値よりも小さいと判定される場合(S152にてYES)、処理はS156に移される。
なお、所定時間内の積算値A2−積算値A1の値が所定値に必要均等化量を加算した値以上であると判定される場合(S152にてNO)、処理はS154に移される。S154にて、ECU300は、供給電流I2をゼロに設定し、設定された供給電流I2になるように調整装置102を制御する。
S156にて、ECU300は、電池パック100内のセル101a〜101gの温度分布を推定する。なお、温度分布の推定方法については、上述のS100の処理における温度分布の推定方法と同様であるため、その詳細な説明は繰り返さない。
S158にて、ECU300は、最大セル間温度差が所定値よりも小さいか否かを判定する。所定値は、S134の処理における所定値と同様である。最大セル間温度差が所定値よりも小さいと判定される場合(S158にてYES)、この処理は終了される。なお、最大セル間温度差が所定値以上であると判定される場合(S158にてNO)、処理はS138に戻される。
以上のような構造およびフローチャートに基づく本実施の形態に係る電池システム2の動作について説明する。
たとえば、MG10によって車両1が力行する場合には、バッテリ101は放電状態となる。このような場合において、電池パック100内のセル101a〜101gの温度分布が推定され(S100)、必要となるセル間の発熱量の差が算出される(S102)。セル101a〜101g間の温度差が大きいことによって、必要となるセル間の発熱量の差の大きさが所定値以上であると(S104にてYES)、セル101a〜101gの各々の満充電容量とSOCとが推定され(S106)、セル101a〜101gの各々の必要均等化量が算出される(S108)。セル101a〜101g間のSOC差が小さいことによって必要均等化量が所定値よりも小さいと判定される場合(S110にてYES)、通電電流が取得され(S112)、取得された通電電流が所定値よりも小さいか否かが判定される(S114)。
<通電電流が所定値以上である場合>
通電電流が所定値以上であると判定される場合(S114にてNO)、高温セルから低温セルへの供給電流I2が設定され、設定された供給電流I2が流れるように調整装置102が制御される(S120)。そのため、高温セルの電流が供給電流I2だけ減少した値になるため、発熱量の増加が抑制される。一方、低温セルの各々の電流が供給電流I2/6だけ増加した値になるため、発熱量の増加が促進されることになる。そのため、セル101a〜101gにおいて均熱化が図られる。このとき、高温セルのSOCの低下幅は、低温セルの各々のSOCの低下幅よりも小さくなる。
通電電流が所定値以上であると判定される場合(S114にてNO)、高温セルから低温セルへの供給電流I2が設定され、設定された供給電流I2が流れるように調整装置102が制御される(S120)。そのため、高温セルの電流が供給電流I2だけ減少した値になるため、発熱量の増加が抑制される。一方、低温セルの各々の電流が供給電流I2/6だけ増加した値になるため、発熱量の増加が促進されることになる。そのため、セル101a〜101gにおいて均熱化が図られる。このとき、高温セルのSOCの低下幅は、低温セルの各々のSOCの低下幅よりも小さくなる。
供給電流I2の積算値A2が算出され(S122)、所定時間内の積算値A1−積算値A2の値が所定値よりも小さく(S124にてYES)、かつ、所定時間内の積算値A2−積算値A1の値が所定値よりも小さいと判定される場合は(S128にてYES)、電池パック100内のセル101a〜101gの温度分布が推定される(S132)。そして、最大セル間温度差が所定値よりも小さいと(S134にてYES)、調整装置102による均熱化制御が終了される。
なお、均熱化制御によって消費される電力が大きくなるなどして、所定時間内の積算値A2−積算値A1の値が所定値以上になる場合(S128にてNO)、供給電流I2がゼロに設定され、均熱化制御が中止される。
<通電電流が所定値よりも小さい場合>
通電電流が所定値よりも小さいと判定される場合(S114にてYES)、低温セルから高温セルへの供給電流I1が設定され、設定された供給電流I1が流れるように調整装置102が制御される(S116)。そのため、高温セルの電流が供給電流I1だけ増加した値になるため、SOCの低下が促進されることになる。一方、低温セルの各々の電流が電流I1/6だけ減少した値になるため、SOCの低下が抑制される。そのため、セル101a〜101gにおいてSOCの均等化が図られる。
通電電流が所定値よりも小さいと判定される場合(S114にてYES)、低温セルから高温セルへの供給電流I1が設定され、設定された供給電流I1が流れるように調整装置102が制御される(S116)。そのため、高温セルの電流が供給電流I1だけ増加した値になるため、SOCの低下が促進されることになる。一方、低温セルの各々の電流が電流I1/6だけ減少した値になるため、SOCの低下が抑制される。そのため、セル101a〜101gにおいてSOCの均等化が図られる。
供給電流I1の積算値A1が算出され(S118)、所定時間内の積算値A1−積算値A2の値が所定値よりも小さく(S124にてYES)、かつ、所定時間内の積算値A2−積算値A1の値も所定値よりも小さいと判定される場合は(S128にてYES)、電池パック100内のセル101a〜101gの温度分布が推定される(S132)。そして、最大セル間温度差が所定値よりも小さいと(S134にてYES)、調整装置102の制御が終了される。
<必要均等化量が所定値以上である場合>
セル101a〜101gの間でのSOCの差が大きいことによって必要均等化量が所定値以上であると判定される場合(S110にてNO)、通電電流が取得され(S136)、取得された通電電流が所定値よりも小さいか否かが判定される(S138)。
セル101a〜101gの間でのSOCの差が大きいことによって必要均等化量が所定値以上であると判定される場合(S110にてNO)、通電電流が取得され(S136)、取得された通電電流が所定値よりも小さいか否かが判定される(S138)。
そして、通電電流の大きさに応じて供給電流I1および供給電流I2のうちのいずれかが設定されて調整装置102が制御され(S140またはS142)、積算値A1または積算値A2が算出される(S144またはS146)。
供給電流I1および供給電流I2に設定された場合に調整装置102の制御は、必要均等化量の分だけ多く実施されることになるため(S148またはS152)、セル101a〜101g間のSOCのばらつきが抑制される。
以上のようにして、本実施の形態に係る電池システム2によると、通電電流が所定値以上である場合には、低温セルの発熱量を増加させることによって低温セルの温度を上昇させることができる。また、高温セルの発熱量を減少させることによって高温セルの温度の上昇を抑制することができる。その結果、高温セルと低温セルとの温度差の拡大を抑制して均熱化を図ることができる。このような均熱化制御が継続して行なわれると、高温セルのSOCと低温セルのSOCとの差が拡大する可能性がある。そのため、通電電流が所定値よりも小さい場合には、高温セルの電流を減少させ、低温セルの電流を増加させることによって高温セルのSOCと低温セルのSOCとの差の拡大を抑制することができる。このように、電池パック100内のセル101a〜101gの均熱化を図りながら、セル101a〜101gのSOCのばらつきを抑制することによって、電池容量の経年劣化を抑制して、電動車両の走行可能距離の短縮を抑制することができる。したがって、複数の電池要素間での温度差およびSOCの差の拡大を抑制する電池システムを提供することができる。
以下、変形例について記載する。
上述の実施の形態では、電池システム2が電気自動車に適用される例について説明したが、電池システム2の適用対象としては、電気自動車に限定されず、たとえば、ハイブリッド自動車であってもよい。また、電池システム2の用途は、車両用に限定されるものではなく、たとえば、定置用であってもよい。
上述の実施の形態では、電池システム2が電気自動車に適用される例について説明したが、電池システム2の適用対象としては、電気自動車に限定されず、たとえば、ハイブリッド自動車であってもよい。また、電池システム2の用途は、車両用に限定されるものではなく、たとえば、定置用であってもよい。
さらに上述の実施の形態では、バッテリ101は、7個のセルを蓄電要素として含む構成を一例として説明したが、セルの個数は、7個に限定されるものではない。
さらに上述の実施の形態では、電流調整回路がバッテリ101のセル毎に設けられる場合を一例として説明したが、バッテリ101が2以上のセルを含む電池モジュールを蓄電要素として複数個設けられる場合には、電池モジュール毎に電流調整回路が設けられるようにしてもよい。
さらに上述の実施の形態では、通電電流が所定値以上のときに高温セルの発熱量を減少させ、低温セルの発熱量を増加させる均熱化制御を実行し、通電電流が所定値よりも小さいときに高温セルと低温セル間のSOCのばらつきを抑制する均等化制御を実行するものとして説明したが、たとえば、放電電流が所定値以上のとき(第1状態に相当)に均熱化制御を実行し、通電電流が充電時の電流のとき(第2状態に相当)にセル101a〜101gのSOCのばらつきを抑制するための均等化制御を実行するようにしてもよい。この場合、ECU300は、充電時においては、低温セルに対する単位時間当たりの充電量の大きさよりも高温セルに対する単位時間当たり充電量の大きさを減少させてもよい。このようにすると、均熱化制御によってSOCが低下した低温セルのSOCの増加幅を、均熱化制御によってSOCが増加した高温セルのSOCの増加幅よりも大きくすることができる。そのため、各セルのSOCのばらつきを抑制することができる。
さらに上述の実施の形態では、セルに設けられる温度センサの検出値を用いてセルの温度分布を推定するものとして説明したが、たとえば、電池パック100内の雰囲気温度、各セルの電流負荷、各セルの内部抵抗値から算出される各セルの前回の計算の時点からの発熱量と前回の計算における温度分布からセルの温度分布を推定してもよい。
さらに上述の実施の形態では、第1状態であるか第2状態であるかを判定するために通電電流が所定値以上であるか否かを判定するものとして説明したが、たとえば、車両1のアクセルペダルの踏み込み量がしきい値よりも大きいか否かを判定するなどして第1状態であるか第2状態であるかを判定してもよい。
さらに上述の実施の形態では、必要均等化量が所定値以上の場合には、一意に設定された必要均等化量の分だけ調整装置102の制御を長く実施する場合を一例として説明したが、セル101a〜101gの各々の必要均等化量に合うように電流調整回路150a〜150gの制御を実施してもよい。このようにすると、セル101a〜101g間のSOCの差の拡大を抑制することができる。
さらに上述の実施の形態では、セル101a〜101gのうちの最も温度の高いセルを高温セルとし、その他の6セルを低温セルとして、高温セルと低温セルとの間で電流を授受するものとして説明したが、たとえば、最も温度の高いセルと最も温度の低いセルとの間で電流を授受してもよい。
なお、上記した変形例は、その全部または一部を適宜組み合わせて実施してもよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 車両、2 電池システム、20 動力伝達ギア、30 駆動輪、40 PCU、50 SMR、100 電池パック、101 バッテリ、101a,101b,101c,101d,101e,101f,101g セル、102 調整装置、150a,150b,150c,150d,150e,150f,150g 電流調整回路、210 電圧センサ、220 電流センサ、230 温度センサ、300 ECU、301 CPU、302 メモリ。
Claims (1)
- 電池要素が複数個直列に接続されて構成される組電池と、
前記電池要素の各々に接続され、前記電池要素の各々に流れる電流を調整する調整装置と、
前記電池要素の各々において電流が目標値になるように前記調整装置を制御する制御装置とを備え、
前記制御装置は、
前記組電池に流れる電流が第1状態になる場合には、複数個の前記電池要素のうちの第1電池要素の第1目標値の大きさを、前記第1電池要素よりも温度が低い第2電池要素の第2目標値の大きさよりも減少させる均熱化制御を実行し、
前記組電池に流れる電流が前記第1状態よりも前記電池要素の均熱化が要求されない第2状態になる場合には、前記組電池の放電時の前記第2目標値の大きさよりも前記放電時の前記第1目標値の大きさを増加させる第1均等化制御と、前記組電池の充電時の前記第2目標値の大きさよりも前記充電時の前記第1目標値の大きさを減少させる第2均等化制御とのうちのいずれか一方を実行する、電池システム。
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