JP2019212849A - 磁性体材料のリサイクル方法 - Google Patents
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Abstract
Description
この磁性薄帯を加工し、モータ、トランス、インダクタなどが作製される。
<概略>
まず、磁性薄帯の必要部分を打ち抜く第1加工工程をする。
次に、第1加工工程後の磁性薄帯の残りを加工する第2加工工程をする。
さらに、第2加工工程後の磁性薄帯を粉砕し、磁性粉末を作製する第3加工工程をする。
図1(a)は、実施の形態におけるモータの側面図である。図1(b)は、実施の形態におけるモータの平面図である。
磁性薄帯3として、磁気特性に優れたアモルファス合金薄帯やナノ結晶薄帯を用いる。これ以外の磁性体材料でもよい。高い磁気特性のナノ結晶薄帯とするには、ナノレベルの結晶とする必要がある。そのためには、原料溶液を急冷し薄帯にし、薄帯と製造し、その後、熱処理を行う。これによって、ナノ結晶を析出させて、磁気特性を向上させている。この製造方法を図2の断面図で説明する。
<原料薄帯30の製造>
図2で説明した単ロール式の製造装置により、原料薄帯30を作製する。具体的には、アーク溶解などを用いて、合金化したFe系合金組成物を、高周波加熱などによって融解し、液体急冷法を用いて、原料薄帯30を作製する。この時、原料薄帯30の厚みは、10μm以上40μm以下であるとよい。
次に、原料薄帯30を、図3(a)〜図3(c)に示すように、加工する。つまり、モータで使用する磁性薄帯3を、原料薄帯30から打ち抜く。結果、第1端材21と、第2端材22と、第3端材23とができる。
図4(a)と図4(b)に示すように、第1端材21と、第2端材22と、第3端材23とを粉砕機を使用せず、1mm四方にまで細かく裁断し、粗粉末202を作製する。粉砕機を使用せず、一定大きさに加工する。
次に、図4(b)と図4(c)に示すように、粗粉末202を粉砕することで、微粉末である第1粉砕粉101、第2粉砕粉102を得る。粉砕は、一般的な粉砕装置を使用できる。
図5(a)、図5(b)を用いて、粗粉末202を粉砕する製造メカニズムを説明する。図5(a)に示す粗粉末202を回転ミルなどの粉砕機で粉砕する。このことで、図5(b)に示すように、粗粉末202の表面がへき開され、第2粉砕粉102が削り取られ、表面に粉砕痕105を有する第1粉砕粉101となる。粗粉末202は、表面がへき開することで、粒径が20μm以上の角がなく丸みを帯びた第1粉砕粉101となる。
次に、第1粉砕粉101、第2粉砕粉102を熱処理して、粉砕による内部ひずみを取り除いたり、αFe結晶層を析出させたりする。熱処理装置は、例えば、熱風炉、ホットプレス、ランプ、シースー金属ヒーター、セラミックヒーター、ロータリーキルンなどを使用できる。この時、ホットプレスなどを用いて、急速加熱することで、結晶化がより進み、第1粉砕粉101の表面のへき開がさらに進む。したがって、粒径が小さい粉砕粉の割合を増やせる。
次に、第1粉砕粉101、第2粉砕粉102を用いて、部品製造工程と説明する。
急冷単ロール法により作製したFe73.5−Cu1−Nb3−Si13.5−B9(原子%)のFe系軟磁性合金薄帯として、厚み20μm以上40μm以下の原料薄帯30を用いた。
急冷単ロール法により作製したFe73.5−Cu1−Nb3−Si13.5−B9(原子%)のFe系の軟磁性合金薄帯として、厚み20μm以上40μm以下の原料薄帯30を用いた。この原料薄帯30を10mm四方に細断し、粗粉末を得た。粗粉末を回転ミルを用いて粉砕し、軟磁性合金薄帯の粉砕粉を得た。
実施例および、比較例はともに、上記に述べた通り、回転ミルを用いて、粉砕していることから、表面がへき開して、粒径が20μm以上の角がなく、丸みを帯びた形状をしている。
粉砕して得られたそれぞれの軟磁性合金薄帯の粉砕粉の粒度分布を、マイクロトラックMT3000(2)シリーズを用いて測定した。図6(a)、図6(b)に、実施例および、比較例における粉砕粉の粒度分布を示す。図6(a)、図6(b)は横軸が粒径(μm)、縦軸が各粒径の粉砕粉が存在する頻度を表している。
ここで、D10%とは、全体の個数を100%とした時の小さい方から10%の位置にある粒子の粒子径である。
効果について、図6(a)、図6(b)を参照しながら、説明する。
(実施の形態2)
実施の形態2は、実施の形態1において、複数の場所で、原料薄帯30が加工される場合の例である。記載しない事項は、実施の形態1と同様である。なお、場所とは工場を意味する。
複数の場所で、原料薄帯30を加工し、端材が発生する。場所としてA工場と、B工場とする。実施の形態1では、モータを製造する場合であったが、トランスなど別のものを作製する場合でもよい。原料薄帯30はシート状でかならず、端材が発生する。複数の場所とは、複数の会社間や、異なる工場である。別途運送が必要な場所間である。
第1加工工程と同じ場所で、その端材を一定の寸法に加工する。実施の形態1では、1mm角であった。少なくとも、10mm角より小さくする。なお、ここで、端材は、大きさがいろいろで扱いが困難であるため、同じ場所(各工場)で、端材を加工する。この加工により、体積が小さくなり運搬が容易となる。
A工場、B工場からの端材を分けて、粉砕し、磁性粉体を、それぞれ作製する。それぞれの磁性粉体を販売してもよい。また、端材の場所ごとで、分けて加工してもよい。つまり、種類ごとに分けて粉砕加工する。
第3加工工程後の粉末を熱処理し、バインダーと混合し部品を製造する。
上記のように種類ごとに、熱処理をしてもよい。この場合、複数の種類の磁性粉体ができる。それぞれを混ぜて部品を作製してもよい。
複数の場所にまたがるあまった磁性薄帯を、利用できる。
3 磁性薄帯
4 固定部
7 テイース
10 回転子
21 第1端材
22 第2端材
23 第3端材
30 原料薄帯
106 ローラ
101 粉砕粉
102 粉砕粉
107 ノズル
103 粉砕粉
104 アトマイズ粉
105 粉砕痕
201 軟磁性合金薄帯
202 粗粉末
203 微粉末
Claims (8)
- 磁性薄帯の必要部分を打ち抜く第1加工工程と、
前記第1加工工程後の前記磁性薄帯の残りを一定大きさに裁断加工する第2加工工程と、
前記第2加工工程で裁断加工された前記磁性薄帯を粉砕し、磁性粉末を作製する第3加工工程と、
を含む磁性薄帯のリサイクル方法。 - 前記磁性粉末を用いて磁性部品を作製する部品製造工程を、含む請求項1記載の磁性薄帯のリサイクル方法。
- 前記第1加工工程で打ち抜いた薄帯は、積層されモータまたはトランスとなる請求項1または2記載の磁性薄帯のリサイクル方法。
- 前記部品製造工程では、前記磁性粉末とバインダとを、混ぜて部品を製造する請求項1から3のいずれか1項に記載の磁性薄帯のリサイクル方法。
- 複数の工場で、前記第1加工工程と前記第2加工工程とを行い、
前記複数の場所で発生する前記第2加工工程後の前記薄帯を回収し、前記第3加工工程を行なう請求項1〜4のいずれか1項に記載の磁性薄帯のリサイクル方法。 - 前記第1加工工程と前記第2加工工程とは同じ工場で行う請求項5記載の磁性薄帯のリサイクル方法。
- 前記複数の場所での前記第2加工工程では、統一した一定の大きさに加工する請求項5または6に記載の磁性薄帯のリサイクル方法。
- 前記第3加工工程では、粉砕前に前記回収された薄帯を、種類別に加工する請求項5から7のいずれか1項に記載の磁性薄帯のリサイクル方法。
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