JP2019212580A - 真空バルブ - Google Patents
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Abstract
【課題】絶縁層の温度上昇を抑制する真空バルブを提供する。【解決手段】真空容器2の周囲を覆っている樹脂性の絶縁層8と、真空容器2内に設けられた一対の電極4A、4Bを取り囲むアークシールド5と、アークシールド5と真空容器2の内周面の間に設けられた支持部6と、を備え、支持部6は、胴部63と、胴部63からアークシールド5に向かって延び、アークシールド5の外周面と接して当該アークシールド5を支持する第1の突起部61と、胴部63から真空容器2に向かって延び、真空容器2の内周面に固定される第2の突起部62と、を有する。【選択図】図1
Description
本発明の実施形態は、真空バルブに関する。
一般的に、固体絶縁スイッチギヤは、電路の遮断を行う遮断部を有する。この遮断部として、絶縁性の樹脂で真空容器の周囲をモールドした絶縁層を備えた真空バルブが知られている。真空バルブは、真空容器内に固定側導体に固定されている固定側電極と可動側導体に固定されている可動側電極とが対向に配置され、この一対の固定側電極及び可動側電極を取り囲むように、例えば円筒状のアークシールドが設けられている。
真空バルブは、可動側電極が固定側電極と接触又は離間することで、電路の導通、遮断を行っている。そして、真空バルブが電路の遮断を行うと、電極間にアークが生じる。アークは、非常に高温であり、3000度を超えることもある。そのため、アークが発生するとアーク付近に配置される固定側電極、可動側電極及びアークシールドは高温となる。特に、固定側電極及び可動側電極にスパイラル電極を用いた場合、電極の外周周辺でアークを駆動させているため、ローレンツ力により電極から外側にはみ出し、アークは、アークシールドに触れるおそれがある。この場合、アークシールドは特に高温となる。
アークシールドは、アークシールドの外周面から真空容器に向けて延びた突出部を有している。この突出部が、真空容器の開口を貫通し、絶縁層と接することで、アークシールドが真空容器内で支持される。このように、アークシールドが絶縁層と接しているため、アークシールドがアークによって温度上昇すると、その熱が絶縁層に伝わり、絶縁層が高温化するおそれがある。そして、絶縁層が高温となると、絶縁層の絶縁性能が低下し、外部との絶縁性が図れなくなるおそれがある。
本実施形態は、上記課題を解決すべく、アーク発生時、真空バルブの周囲を覆っている絶縁層の温度上昇を抑制する真空バルブを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本実施形態の真空バルブは、真空容器と、前記真空容器の周囲を樹脂で覆っている絶縁層と、前記真空容器の中に設けられた一対の電極と、前記真空容器内に設けられ、前記一対の電極を取り囲むアークシールドと、前記アークシールドと前記真空容器の内周面の間に設けられた支持部と、を備え、前記支持部は、胴部と、前記胴部から前記アークシールドに向かって延び、前記アークシールドの外周面と接して当該アークシールドを支持する第1の突起部と、前記胴部から前記真空容器に向かって延び、前記真空容器の内周面に固定される第2の突起部と、を有することを特徴とする。
(第1の実施形態)
以下、第1の実施形態に係る真空バルブについて図面を参照しつつ詳細に説明する。まず、第1の実施形態の真空バルブの全体構成について説明する。図1は、開路状態の真空バルブ1の全体構成を示す全体図である。真空バルブ1は、真空の中で電路の導通、遮断を行う。この真空バルブ1は、図1に示すように、真空容器2、固定側導体3A、可動側導体3B、固定側電極4A、可動側電極4B、アークシールド5、支持部6、ベローズ7及び絶縁層8を備える。
以下、第1の実施形態に係る真空バルブについて図面を参照しつつ詳細に説明する。まず、第1の実施形態の真空バルブの全体構成について説明する。図1は、開路状態の真空バルブ1の全体構成を示す全体図である。真空バルブ1は、真空の中で電路の導通、遮断を行う。この真空バルブ1は、図1に示すように、真空容器2、固定側導体3A、可動側導体3B、固定側電極4A、可動側電極4B、アークシールド5、支持部6、ベローズ7及び絶縁層8を備える。
この真空バルブ1は、概略円筒形状の真空容器2内に、一対の固定側電極4Aと可動側電極4Bとが対向に配置され、可動側電極4Bを円筒軸Xに沿って移動させることで、可動側電極4Bと固定側電極4Aとを接離させる。この可動側電極4Bが固定側電極4Aと接触している場合には、導通となり、電路は閉路状態となる。一方、可動側電極4Bが固定側電極4Aと離間すると、電流は遮断され、電路は開路状態となる。
真空容器2は、密閉された空間が真空である容器である。真空とは、これに限られないが、例えば、10−2Pa以下であることが望ましい。この真空容器2は、絶縁筒21及び封着金具22を有する。絶縁筒21は、両端が開口した円筒形状を有する。この絶縁筒21は、絶縁性を有する材質であり、例えば、セラミックスや硝子である。
封着金具22は、絶縁筒21の両端の開口を塞ぐ部材である。封着金具22は、円盤形状を有し、その外径は、絶縁筒21の両端の開口と概略同一径である。この封着金具22が、絶縁筒21の両端の開口を塞ぎ、銀ろう付けされることで絶縁筒21と封着金具22は気密接合し、真空容器2の内部が密閉される。
絶縁筒21は、絶縁筒21の内周面の概略中央部分に突出した棚部23を有する。棚部23は、周方向に等間隔に少なくとも3つ以上の有する。棚部23は、後述する支持部6を支持する。図2は、図1のB−B断面図である。図2に示すように、本実施形態では、4つの棚部23を有する。即ち、棚部23は、絶縁筒21の内周面に90度間隔に設けられている。この4つの棚部23は、同一円周上、即ち、同じ高さに設けられている。この棚部23の上面には、後述する支持部6の第2の突起部62が載せられて固定されている。
絶縁層8は、真空容器2の周囲を覆った絶縁性の樹脂の層である。即ち、絶縁層8は、真空容器2の外周の形状に倣っているので、円筒形状を有する。絶縁層8の両端面は、固定側導体3A又は可動側導体3Bが貫通する開口を有する。樹脂として、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂などを用いることができる。本実施形態では、エポキシ樹脂を用いている。絶縁層8は、真空バルブ1と外部との絶縁を図っている。
固定側導体3A及び可動側導体3Bは、銅などの導電性を有する材質により構成された導体であり、例えば、円柱形状を有する。封着金具22の中心は、開口しており、固定側導体3A及び可動側導体3Bは、真空容器2外からこの開口を貫通し、固定側導体3A及び可動側導体3Bの一方端部が、真空容器2内に延びている。
固定側導体3A及び可動側導体3Bは、絶縁筒21の円筒軸Xと共通軸を有する。また、固定側導体3A及び可動側導体3Bは、対向に配置される。なお、本実施形態では、固定側導体3A及び可動側導体3Bは、絶縁筒21の円筒軸Xと共通軸を有するように配置したが、これに限定するものではなく、固定側導体3Aと可動側導体3Bを対向に配置すれば、所望の位置に配置することができる。
固定側導体3Aの外径は、封着金具22の開口の外径と概略同一径である。固定側導体3Aは、封着金具22の開口と銀ろう付けされることにより、封着金具22に固定されて支持されている。一方、可動側導体3Bの外径は、封着金具22の開口よりやや小さい。やや小さいとは、可動側導体3Bが、封着金具22の開口を円筒軸Xに沿って移動できる程度に小さければよい。即ち、可動側導体3Bは、封着金具22の開口に遊貫している。
ベローズ7は、伸縮可能な蛇腹状の伸縮管であり、金属等の材料からなる。このベローズ7は真空容器2内に設けられている。ベローズ7の内部は、可動側導体3Bが貫通している。ベローズ7の一方端部は、封着金具22の開口を覆うように封着金具22と銀ろう付けにより固定されている。即ち、ベローズ7の外径は、封着金具22の開口の外径より大きい。一方、ベローズ7の他方端部は、可動側導体3Bと銀ろう付けにより気密に固定されている。つまり、ベローズ7は、絶縁筒21と可動側導体3Bとに固定されることで、封着金具22の開口から流入してくる大気をベローズ7内部に留める。これにより、真空容器2内に大気が流入することを防止でき、真空容器2内の真空が保持される。
なお、可動側導体3Bの他方端部は、真空容器2外に配置された不図示の駆動装置と接続している。駆動装置は、制御装置と接続されており、制御装置の命令を受けて可動側導体3Bを移動させる。この駆動装置が、可動側導体3Bを円筒軸Xに沿って移動させることで、後述する可動側電極4Bは、固定側電極4Aと接触又は離間する。
固定側電極4A及び可動側電極4Bは、銅などの導電性を有する材質により構成された、例えばスパイラル電極である。スパイラル電極は、円盤状の電極で外周部から延びた複数のスリットを有することで、スリットにより部分的に区画された複数の腕部を有し、渦巻き状の形状となっている電極である。
固定側電極4Aは、真空容器2内に延びた固定側導体3Aの端面と接し、銀ろう付けによって固着される。一方、可動側電極4Bは、可動側導体3Bの端面と接し、銀ろう付けにより固着される。即ち、固定側電極4Aと可動側電極4Bは、対向に配置される。この固定側電極4Aと可動側電極4Bが接離することで、電流の導通又は遮断を行う。なお、本実施形態では、固定側電極4A及び可動側電極4Bはスパイラル電極を用いたが、これに限定するわけではなく、縦磁界電極など種々のものが使用でき、また、平板電極などアークを駆動させない態様の電極であっても適用できる。
アークシールド5は、例えば、銅クロム合金を材質からなる。アークシールド5は、真空容器2内に、固定側電極4A及び可動側電極4Bを取り囲むように円筒軸X方向に設けられている。アークシールド5は、両端が開口した円筒形状を有する。アークシールド5の円筒軸X方向の長さは少なくとも、固定側電極4A及び可動側電極4Bの円筒軸X方向の厚みと固定側電極4A及び可動側電極4Bの開路状態の隙間の距離を足した以上の長さを有する。このアークシールド5両端部は、内側に湾曲し、湾曲した端部は、固定側導体3A又は可動側導体3Bには未達である。
アークシールド5は、金属粒子が絶縁筒21に付着し、絶縁性能が低下することを防止する。具体的には、電流遮断時に発生するアークにより、固定側電極4A及び可動側電極4Bの表面は蒸発し、金属粒子が発生する。この金属粒子が絶縁筒21に付着すると真空容器2の絶縁性能は低下してしまう。アークシールド5は、電極4A、4Bを取り囲むように設けられているので、金属粒子はアークシールド5に付着し、絶縁筒21に付着することを防止する。これにより、絶縁筒21に金属粒子が付着して絶縁層8の絶縁性能が低下することを防止する。
支持部6は、真空容器2内でアークシールド5を支持する。支持部6は、アークシールド5に用いられる材質より比熱の大きい材質、例えば、鉄合金からなる。支持部6は、絶縁筒21の内周面とアークシールド5の外周面の間に設けられる。支持部6は、絶縁筒21の円筒軸X方向に延びるリング状の胴部63を有する。このリング状の胴部63の内側にアークシールド5が配置されている。この胴部63の径方向の厚さは、後述する第2の突起部62の円筒軸X方向の厚みより厚い。
支持部6は、図2に示すように、胴部63から等間隔にアークシールド5に向かって延びる第1の突起部61を有する。本実施例では、この第1の突起部61を4つ有する。即ち、第1の突起部61は、胴部63の内周面に90度間隔に設けられている。また、支持部6は、胴部63から等間隔に真空容器2に向かって延びる第2の突起部を有する。本実施例では、第2の突起部62を4つ有する。即ち、第2の突起部62は、胴部63の外周面に90度間隔に設けられている。第1の突起部61及び第2の突起部62は、胴部63の円筒軸X方向の概略同一高さからそれぞれ突起している。また、各第1の突起部61と各第2の突起部62は、同一直線上に設けられている。つまり、第1の突起部61と第2の突起部62は、胴部63を介して対向に設けられている。
第1の突起部61の端面は、アークシールド5の外周面の概略中央部分と銀ろう付けにより接合されている。即ち、第1の突起部61がアークシールド5を支持している。図3は、支持部6とアークシールド5の接合を示す模式図である。図3に示すように、第1の突起部61は、突出部611と接触部612を有する。突出部611は、胴部63からアークシールド5に向けて円筒軸Xに対して垂直方向に延びている部分である。接触部612は、第1の突起部61がアークシールド5と接触する部分である。この接触部612が、アークシールド5と接合することで、第1の突起部61はアークシールド5を支持する。そして、図3に示すように、接触部612の長さh1は、胴部63からアークシールド5に向けて延びている突出部611の長さh2よりも短い。
図4は、支持部6と真空容器2の接合を示す模式図である。第2の突起部62は、絶縁筒21の内周面の概略中央部分に突出した棚部23の上面と接し、銀ろう付けにより固定されている。胴部63は、棚部23の端面と接していない。図4に示すように、第2の突起部62は、第2の突起部62が胴部63から絶縁筒21に向かって延びている一部分で棚部23が接触している。つまり、第2の突起部62と棚部23とが接触している長さh3は、胴部63から延びている第2の突起部62の長さh4より短い。なお、本実施形態では、第2の突起部62は、棚部23の上面に載り接していたが、これに限定するものではなく、第2の突起部62の端面と棚部23の端面を銀ろう付けにより接合させてもよい。
次に、本実施形態に係る真空バルブ1が電路を閉路状態から開路状態にする動作について説明する。閉路状態とは、可動側電極4Bが、固定側電極4Aに接触し、電気的に接続している状態をいう。開路状態とは、可動側電極4Bが固定側電極4Aから離間して、電気的に接続していない状態をいう。
まず、閉路状態である場合は、固定側電極4Aと可動側電極4Bが接触しており、電気的に接続している。次に、不図示の駆動装置は、不図示の制御装置から遮断命令が送られてくると、可動側導体3Bを絶縁筒21の円筒軸Xに沿って、固定側電極4Aとは反対の方向に引っ張り、可動側電極4Bを固定側電極4Aと離間させる。
図5は、遮断時に発生したアークの模式図である。図5に示すように、電路を遮断すると、固定側電極4Aと可動側電極4Bとの間にアークAが生じる。アークAが発生した際、固定側電極4Aと可動側電極4Bの間には、電極4A、4Bを流れていた電流によって、電極4A、4Bの半径方向に磁界(横磁界)が発生する。この磁界はアークAに印加される。アークAは、この磁界とアークAに流れる電流によりローレンツ力が働き、1箇所に停滞することなく、円周方向に駆動する。
アークAは、約3000℃に至ることもあり、高温である。また、アークは、固定側電極4Aと可動側電極4B間を駆動しているが、図5に示すように、法線方向に働くローレンツ力により場合によっては、電極4A、4B間からはみ出してアークシールド5と接触することがある。このような場合、アークシールド5が高温となり、アークシールド5から支持部6及び絶縁筒21を介して絶縁層8にこの熱が伝わる。この熱によって絶縁層8は温度上昇し、絶縁層8の絶縁性能が低下するおそれがある。
しかし、本実施形態では、第1の突起部61は、胴部63からアークシールド5に向かって延びる突出部611と第1の突起部61とアークシールド5が接触する接触部612を有し、接触部612がアークシールド5と接触している長さh1は、突出部611の長さh2より短い。即ち、第1の突起部61とアークシールド5が接触する面積を小さくすると同時に、アークシールド5から胴部63までの長さが長い。つまり、まず、第1の突起部61とアークシールド5の接触面積が小さいことで、アークシールド5から第1突起部61に伝わる熱量が抑制される。さらに、アークシールド5から胴部63までの長さが長いので、第1の突起部61から胴部63に伝わる熱量が抑制される。つまり、アークシールド5が高温になっても、アークシールド5から胴部63に伝わる熱量を抑えられる。
また、支持部6は、円筒軸X方向に延びるリング状の胴部63を有し、この胴部63の径方向の厚さは、第2の突起部62の円筒軸X方向の厚さよりも厚みを有する。即ち、胴部63の体積をより大きくする。これにより、支持部6の体積も増加するので、支持部6の熱容量が増加し、支持部6は温度上昇しにくくなる。よって、アークシールド5から熱が伝わっても、支持部6の温度上昇は抑制される。
さらに、第2の突起部62は、胴部63から真空容器2に向かって延びている一部分で棚部23と接触している。即ち、第2の突起部62の長さh4は、第2の突起部62が棚部23と接触している長さh3より長く、胴部63から棚部23までの長さが長いので、伝達する熱量を抑えることができる。それと同時に、第2の突起部62の長さ全体で棚部23と接触している場合と比べて接触面積が少ないので、第2の突起部62から棚部23に伝わる熱量を抑えることができる。よって、胴部63から棚部23に伝わる熱量を抑えることができる。
なお、第2の突起部62が棚部23と接している接触面積は、第2の突起部62の断面積より小さいほうが望ましい。この方が、第2の突起部62を流れている熱を第2の突起部62と棚部23の接触部分で更に窄めることができ、第2の突起部62から棚部23へ流れる熱を抑制することができる。
また、支持部6は、アークシールド5より比熱の大きい材質を用いている。即ち、支持部6は、アークシールド5と比べて温度上昇しにくい。よって、高温となったアークシールド5から支持部6に熱が伝わっても、支持部6の温度上昇は抑制される。
これに加えて、本実施形態では、支持部6の第2の突起部62と絶縁筒21が接触している箇所は、棚部23の4点のみである。したがって、第2の突起部62と絶縁筒21が全周に亘って接触している場合と比べて、接触面積が小さいので、第2の突起部62から絶縁筒21へ伝わる熱量を抑えることができる。
また、棚部23が等間隔に設けられていない場合、絶縁筒21は、棚部23の間隔が短い部分に局所的に第2の突起部62から熱を伝えられ、その部分のみ高温化し、高温化した絶縁筒21から絶縁層8にその熱を伝導させてしまう。しかし、棚部23は、絶縁筒21の内周面に等間隔に設けられている。これにより、絶縁筒21は、局所的に高温化する箇所がなくなる。つまり、局所的に高温化した絶縁筒21からその熱が絶縁層8に伝わり、その熱伝導を受けた部分の絶縁層8が高温化し、絶縁性能が低下することが抑制される。
そして、電流零点になると、アークAは消弧し、電流は遮断される。即ち、電路は、電気的に接続されていない状態である開路状態となる。
(1)以上のように、本実施形態の真空バルブ1は、真空容器2と、真空容器2の周囲を覆っている樹脂性の絶縁層8と、真空容器2の中に設けられた一対の電極4A、4Bと、真空容器2内に設けられ、前記一対の電極4A、4Bを取り囲むアークシールド5と、アークシールド5と真空容器2の内周面の間に設けられた支持部6と、を備え、支持部6は、胴部63と、胴部63からアークシールド5に向かって延び、アークシールド5の外周面と接して当該アークシールド5を支持する第1の突起部61と、胴部63から真空容器2に向かって延び、真空容器2の内周面に固定される第2の突起部62を有するようにした。
これにより、アークシールド5の熱は、支持部6を介して真空容器2、絶縁層8に順次伝わる。支持部6は、第1の突起部61、胴部63、第2の突起部62を有するので、熱容量の大きい。よって、支持部6の温度上昇を抑制することができるので、アークシールド5から伝わる熱による絶縁層8の温度上昇を抑制することができる。
(2)本実施形態の真空バルブ1は、絶縁筒21の内周面に等間隔に設けられた4つの棚部23を有し、第2の突起部62が、棚部と同数あり、各第2の突起部62は、それぞれ棚部23に載せられて固定されるようにした。これにより、第2の突起部62が絶縁筒21の全周で接している場合と比べて、接触面積が少なくなる。したがって、第2の突起部62から伝導する熱量は少なくなり、絶縁層8の温度上昇を抑制することができる。
また、棚部23は、絶縁筒21の内周面に等間隔で設けられているので、絶縁筒21が局所的に温度上昇する箇所がなくなり、絶縁筒21は均等に温度上昇する。これにより、絶縁筒21が局所的に高温化することを抑制し、絶縁層8による絶縁性能の低下を防止する。
なお、本実施形態では、棚部23は4つ有していたが、これに限定するものではなく、棚部23は3つ以上有していればよい。また、第2の突起部62は4つ有していたが、これに限定するものではなく、棚部23の数と同数有していればよい。また、本実施形態では、第1の突起部61は、第2の突起部62に合わせて4つ有していたが、第1の突起部61は、第2の突起部62の数と同数である必要はなく、第1の突起部61は、胴部63から全周に亘って一続きの突起となっており、アークシールド5の外周面全周で接合させてもよい。
(3)第2の突起部62は、真空容器2に向かって延びている一部分で棚部23と接触しており、第2の突起部62の長さh4は、棚部23と第2の突起部62が接触している長さh3より長い。これにより、第2の突起部62と絶縁筒21の接触面積が小さくなると同時に胴部63から絶縁筒21までの距離が長くなり、胴部63から絶縁筒21に伝わる熱量を抑え、絶縁層8の温度上昇を抑制することができる。
(4)アークシールド5と支持部6の第1の突起部61が接触している端部と当該端部と対向する端部の長さh1は、胴部63から延びる第1突起部61の長さh2より短い。これにより、アークシールド5と第1の突起部61の接触面積が小さくなるとともに、アークシールド5から胴部63までの距離を長くしているので、アークシールド5から胴部63に伝わる熱量を抑え、絶縁層8の温度上昇を抑制することができる。
(5)前記胴部の径方向の厚さは、前記真空容器の軸方向の前記第2の突起部の厚さより厚みを有するリング形状であるようにした。即ち、胴部63の体積をより大きくすることで、支持部6の熱容量を更に大きくしている。これにより、支持部6は、温度上昇しにくくなり、絶縁層8の温度上昇を抑制し、絶縁層8の絶縁性能低下を抑制する。
(6)支持部6は、アークシールド5に用いられる材質より比熱の大きい材質を用いるようにした。これにより、支持部6の温度上昇を抑えることができ、絶縁層8の温度上昇を抑制することができる。
(7)真空容器2は棚部23を有し、支持部6の第2の突起部62は、棚部23の上面に載り、銀ろう付けにより固定されている。この固定の際、棚部23の上面に銀ろうを載せ、その上から第2の突起部62を載せることできる。よって、棚部23と第2の突起部62を容易に接合することが可能であり、作業効率が向上する。
(変形例1)
変形例1に係る真空バルブ1について、図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、第1の実施形態と同一の構成及び同一の機能については、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。図6は、変形例1に係る真空バルブの概略構成を示す径方向断面図である。第1の実施形態では、第1の突起部61と第2の突起部62は胴部63を介して対向する位置に設けられていたが、変形例1では、図6に示すように、第2の突起部62は、第1の突起部61が設けられている場所から45度ずらして設けられている。
変形例1に係る真空バルブ1について、図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、第1の実施形態と同一の構成及び同一の機能については、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。図6は、変形例1に係る真空バルブの概略構成を示す径方向断面図である。第1の実施形態では、第1の突起部61と第2の突起部62は胴部63を介して対向する位置に設けられていたが、変形例1では、図6に示すように、第2の突起部62は、第1の突起部61が設けられている場所から45度ずらして設けられている。
高温となったアークシールド5の熱は、第1の突起部61、胴部63、第2の突起部62の順に介し、真空容器2の絶縁筒21に伝わる。変形例1では、第2の突起部62は、第1の突起部61が設けられている背面ではなく、45度ずらして設けられている。そのため、第1の突起部61と第2の突起部62を繋ぐ胴部63の長さは長くなる。即ち、第1の突起部61から第2の突起部62に伝わる熱の伝達経路が長くなる。よって、支持部6内を通る熱の伝達経路が長くなるので、アークシールド5から真空容器2に伝わる熱量を抑制することができる。
(変形例2)
変形例2に係る真空バルブ1について、図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、第1の実施形態と同一の構成及び同一の機能については、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。図7は、変形例2に係る真空バルブ1の支持部6とアークシールド5の接合を示す模式図である。第1の実施形態では、アークシールド5と第1の突起部61が接合する端面は平坦であったが、変形例2では、図7に示すように、この接合端面は段差51、621を有している。
変形例2に係る真空バルブ1について、図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、第1の実施形態と同一の構成及び同一の機能については、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。図7は、変形例2に係る真空バルブ1の支持部6とアークシールド5の接合を示す模式図である。第1の実施形態では、アークシールド5と第1の突起部61が接合する端面は平坦であったが、変形例2では、図7に示すように、この接合端面は段差51、621を有している。
具体的には、各第1の突起部61は、胴部63からアークシールド5に向かって延びている長さが異なる。即ち、図7に示すように、第1の突起部61が胴部63からアークシールド5に向かって延びる長さは、円筒軸X方向の上側は短く、下側は長い。つまり、第1の突起部61の接触部612は、アークシールド5との接合面に高低差があり、1段の段差621を有する。この段差621の上にアークシールド5が載り接合され、第1の突起部61はアークシールド5を支持する。
一方、アークシールド5の外周面は、第1の突起部61と接触する箇所の径方向の厚みが異なる。即ち、図7に示すように、アークシールド5の外周面は、第1の突起部61と接触する箇所において、円筒軸X方向の上側の厚みが厚く、下側の厚みが薄い。つまり、アークシールド5の外周面は、第1の突起部61との接触する箇所に高低差があり、1段の段差51を有する。
段差51と段差621は、嵌合するように設けられている。即ち、アークシールド5の外周面の高低差と第1の突起部61の接触部612の高低差は概略同一である。換言すれば、段差51と段差621の高さは概略同一である。アークシールド5と第1の突起部61は、この互いの段差51、621を嵌め込んで銀ろう付けにより接合されている。
このように、アークシールド5の外周面と第1の突起部61の接触部612に段差51、621を設けた。これにより、アークシールド5と第1の突起部61を銀ろうを使って接合する際に、第1の突起部の段差の上面に銀ろうを載せた上で、アークシールド5の段差51を第1の突起部61の段差621に嵌め込むことで容易にアークシールド5と第1の突起部61を接合させることができるので、真空バルブ1の組立作業の効率が向上する。
なお、本変形例2では、第1の突起部61の段差621の上面に銀ろうを載せ、アークシールド5と接合させたが、段差51、621は逆にしてもよい。つまり、アークシールド5の外周面は、第1の突起部61と接触する箇所において、円筒軸X方向の上側の厚みが薄く、下側の厚みが厚い。一方、第1の突起部61が胴部63からアークシールド5に向かって延びる長さは、円筒軸X方向の上側は短く、下側は長い。この場合は、アークシールド5の段差51に銀ろうを載せ、第1の突起部61を上から嵌め込むように接合させればよい。
本変形例2では、段差51、621は、1段のみ有したが、段差の数はこれに限らず、2段、3段と有していてもよい。また、段差51、612は、平坦なものでなく、互いの段差51、621が嵌合するように設けられていれば、傾斜を有していてもよい。例えば、図8に示すように、段差51及び段差621は、複数の切欠きであってもよい。この段差51の切欠きと段差621の切欠きは、嵌合するように設けられている。これにより、アークシールド5と第1の突起部61の切欠きを互いに嵌め込むだけで、第1の突起部61はアークシールド5を支持する。つまり、第1の突起部61は銀ろうを使用せずアークシールド5を支持するができる。したがって、組立作業の効率が向上するとともに、組立材料の削減をすることができ、コスト削減を図ることができる。
(他の実施形態)
本明細書においては、本発明に係る実施形態を説明したが、この実施形態は例として提示したものであって、発明の範囲を限定することを意図していない。上記のような実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の範囲を逸脱しない範囲で、種々の省略や置き換え、変更を行うことができる。実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
本明細書においては、本発明に係る実施形態を説明したが、この実施形態は例として提示したものであって、発明の範囲を限定することを意図していない。上記のような実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の範囲を逸脱しない範囲で、種々の省略や置き換え、変更を行うことができる。実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
本実施形態では、絶縁筒21は4つの棚部23を有し、第2の突起部62がこの4つの棚部23それぞれの上面に載せ、固定されていたが、絶縁筒21の内周面は、その全周に突出部を有し、また、第2の突起部62も突出部に倣うように胴部63から全周面に延びており、この第2の突起部62が突出部の上面全周に載り、固定させてもよい。これにより、第2の突起部62と絶縁筒21の固定がより強固なものとなり、真空バルブが電路の開閉を行う際に生じる衝撃を受けてもアークシールド5の位置ずれを防止することができる。
本実施形態では、アークシールド5の外周面の概略中央部分で第1の突起部61は接合させたが、これに限定するものではない。アークシールド5の外周面の上端又は下端で接合させてもよい。アークシールド5は、アークシールド5の中央付近がアークAと最も近接するので、アークシールド5は中央部分が熱源に近く、高温となりやすい。よって、アークシールド5の中央部分から離れた上端及び下端は、熱源から離れるため中央部分と比較すると、アークシールド5の中央部分の方がアークAによる温度上昇の影響を受けにくい。つまり、熱源であるアークAによる温度上昇の影響を受けにくいアークシールド5の上端又は下端で第1の突起部61と接合することで、アークシールド5から第1の突起部61への熱伝導を抑えることでき、絶縁層8の温度上昇を抑制することができる。
本実施形態では、第1の突起部61とアークシールド5を銀ろう付けにより接合させたが、第1の突起部61がアークシールド5を支持することができるのであれば種々の方法を用いることができる。また、第2の突起部62と棚部23は、銀ろう付けにより接合し固定させたが、固定できるのであれば種々の方法を用いることができる。
1 真空バルブ
2 真空容器
21 絶縁筒
22 封着金具
23 棚部
3A 固定側導体
3B 可動側導体
4A 固定側電極
4B 可動側電極
5 アークシールド
51 段差
6 支持部
61 第1の突起部
611 突出部
612 接触部
621 段差
62 第2の突起部
63 胴部
7 ベローズ
8 絶縁層
X 円筒軸
A アーク
2 真空容器
21 絶縁筒
22 封着金具
23 棚部
3A 固定側導体
3B 可動側導体
4A 固定側電極
4B 可動側電極
5 アークシールド
51 段差
6 支持部
61 第1の突起部
611 突出部
612 接触部
621 段差
62 第2の突起部
63 胴部
7 ベローズ
8 絶縁層
X 円筒軸
A アーク
Claims (7)
- 真空容器と、
前記真空容器の周囲を覆っている樹脂性の絶縁層と、
前記真空容器内に設けられた一対の電極と、
前記真空容器内に設けられ、前記一対の電極を取り囲むアークシールドと、
前記アークシールドと前記真空容器の内周面の間に設けられた支持部と、
を備え、
前記支持部は、
胴部と、
前記胴部から前記アークシールドに向かって延び、前記アークシールドの外周面と接して当該アークシールドを支持する第1の突起部と、
前記胴部から前記真空容器に向かって延び、前記真空容器の内周面に固定される第2の突起部と、
を有することを特徴とする真空バルブ。 - 前記真空容器は、前記真空容器の内周面に等間隔に設けられた少なくとも3つ以上の棚部を有し、
前記第2の突起部が、前記棚部と同数あり、
各第2の突起部は、それぞれ前記棚部に載せられて当該棚部に固定されていること、
を特徴とする請求項1に記載の真空バルブ。 - 前記第2の突起部は、前記胴部から前記真空容器に向かって延びている一部分で前記棚部と接触していること、
を特徴とする請求項2に記載の真空バルブ。 - 前記第1の突起部は、
前記アークシールドに向かって延びる突出部と、
前記アークシールドと接触する接触部と、
を有し、
前記突出部の長さは、前記接触部より長いこと、
を特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の真空バルブ。 - 前記胴部の径方向の厚さは、前記真空容器の軸方向の前記第2の突起部の厚さより厚みを有するリング形状であること、
を特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の真空バルブ。 - 前記支持部は、前記アークシールドに用いられる材質より比熱の大きい材質であること、
を特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の真空バルブ。 - 前記第1の突起部の端面及び前記アークシールドの外周面は、段差を有し、
前記第1の突起部と前記アークシールドは、互いの前記段差が嵌め込まれて接していること、
を特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載の真空バルブ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018110220A JP2019212580A (ja) | 2018-06-08 | 2018-06-08 | 真空バルブ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2019212580A true JP2019212580A (ja) | 2019-12-12 |
Family
ID=68845516
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2018110220A Pending JP2019212580A (ja) | 2018-06-08 | 2018-06-08 | 真空バルブ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2019212580A (ja) |
-
2018
- 2018-06-08 JP JP2018110220A patent/JP2019212580A/ja active Pending
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