JP2008504659A - 真空しゃ断器バルブにおける開閉接触子 - Google Patents

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Abstract

アキシャル磁界又はラジアル磁界と、ポット状接触子ホルダと、平板接触子とを備え、接触子ホルダが、そのポット壁におけるスリットにより形成された磁界を発生するためのコイルを有している、真空しゃ断器バルブにおける開閉接触子において、スリット付きポット壁(23)の外径(Ds)が、接触子ホルダ上に存在する平板接触子(25)の直径(Dk)より小さくされている。また、平板接触子(25)と接触子ホルダ(22)のベースとの間にはめ込まれた環状支持体(20)が存在し、この環状支持体(20)が接触子ホルダ(22)の少なくともスリット付き部位を取り囲んでいる。外側支持体(20)とスリット付きポット壁(23)との間に「真空」隙間(30)が配置されている。
【選択図】 図2

Description

本発明は、特許請求の範囲の請求項1の上位概念部分に記載の真空しゃ断器バルブにおける開閉接触子に関する。
従来、接触子ホルダと平板接触子から成る真空しゃ断器バルブにおける開閉接触子が知られている。その接触子ホルダは、磁界を発生するためのコイルセグメントを有し、そのコイルセグメントは、ポット状接触子ホルダの横側囲壁のスリットにより形成されている。かかる接触子装置は特に、欧州特許出願公開第0104384号明細書および欧州特許出願公開第0155376号明細書に記載されている。両開閉接触子の相対方向に応じて、ラジアル磁界あるいはアキシャル磁界が発生され、実際には、高電圧に対して、特にアキシャル磁界を発生する接触子装置が重要である。そのアキシャル磁界のために、接触子ホルダのスリットは、両接触子において同じに方向づけられている。
中電圧範囲および高電圧範囲における特別なAMF(Axial Magnetic Field)・接触子は、通常の接触子形状の場合、短絡電流のしゃ断過程に応じて、スリットにより形成されたコイルセグメントの半径方向における際立った拡張が現れ、このために、そのコイルセグメントの縁に大きな電界が生じ、これは、それに応じて開閉バルブの誘電特性を著しく悪くする。
高電流および高電圧でも接触子装置の安定性を保証するために、従来において既に、耐熱鋼から成る支持体も存在している。しかしその支持体は、接触子ポットの内部に徹底して配置されている。
本発明の課題は、構造的改良によって接触子の性能を高めることにある。
この課題は本発明に基づいて請求項1に記載の特徴によって解決される。実施態様は従属請求項に記載されている。
本発明に基づく開閉接触子の場合、スリット付きポット壁の外径は、接触子ホルダ上に存在する平板接触子の直径より小さくされている。また、外側に環状支持体、即ち、外側支持体が存在し、この環状支持体は、平板接触子と接触子ホルダのベース、即ち、ポット底との間にはめ込まれ、接触子ホルダの少なくともスリット付き部位を取り囲んでいる。
本発明によって、特にアキシャル磁界形の真空しゃ断器バルブに普及される改良形開閉接触子が得られる。従来、その問題の適当な解決策は知られていない。つまり、従来の製造方法では、コイル体が並の導電率でしかない外側環状スチールバンドによって取り囲まれているとき、典型的に約30%の開閉能力の低下が生じ、このために、真空しゃ断器バルブはかなり大きくなり、これに伴って、高価になる。その開閉能力の低下の原因は、スリットで分離された2つのコイルセグメントの間におけるスチールバンドにより引き起こされる部分的な短絡にある。その短絡は、はんだ付け過程中における良導電性はんだの流れ込みにより、スチールバンドとコイルセグメントが、ないし、隣り合う2つのコイルセグメント間が、電気的に緊密に接触される、ことによって引き起こされる。
本発明に基づく外側支持体付きのAMF・接触子は、製造時に、外側支持体とコイル体との間に典型的には1mmの間隔が保たれ、外側支持体がその上縁部位と下縁部位だけが接触子装置にはんだ付けされる、ようにして製造される。そのような隙間幅によれば、流れ込むはんだにより隙間が塞がれてブリッジが生ずることが防止される。開閉運転時に短絡電流遮断によりコイル体が拡張したときでも、2つのコイル要素間にせいぜい、ほんの僅かな電流容量と比較的大きな抵抗の電気接続が生ずるだけであり、このために、接触子は、外側支持体自体による電気分流に基づく開閉能力の僅かな低下しか生じない。不導電材料例えばセラミックスから成る外側支持体を選択したとき、あるいは、金属外側支持体の内周面にセラミック材料を被覆したとき、コイル体の拡張時における電気分流は完全になくなり、開閉能力は低下されない。
通常の接触子構造および接触子寸法が利用でき、それどころか、外側支持体が接触子装置全体を安定化させるので、本発明に基づいて開閉能力を増大するために、コイル体のスリット角を大きくすることが可能となる。これによって、同じ大きさの構造の場合、従来よりも大きな遮断容量が得られる。
請求項の記載と関連して、以下図を参照した実施例の説明から、本発明の一層の詳細および利点が理解できる。
図1には、同形の2つの接触子10、10′から成る従来の接触子装置1が示されている。その接触子10、10′はそれぞれ、電極棒11、11′と、接触子ホルダ12、12′と、円板接触子15、15′を有している。
図1において、接触子ホルダ12、12′はポット状に形成され、そのポット壁13、13′と呼ばれる環状部位に、直線的あるいは湾曲した方位傾斜スリット14、14′を有している。そのスリット14、14′は、ポット壁13、13′の円周を、ベースから、即ち、ポット底からポット壁13、13′の自由端まで延びている。スリット14、14′は、ポット壁13、13′の自由端で、接触子ホルダ12、12′上に置かれた円板接触子15、15′に在るスリット16、16′に開口している。そのスリット16、16′は、通常、半径方向に延びているが、半径と零とは異なった角度を成すこともできる。
かかる配置構造は従来公知であり、上述した従来技術を参照されたい。接触子ホルダ12、12′における方位スリット14、14′によって、開閉すべき電流が流れるコイルセグメントが形成されている。開閉すべき電流によって、磁界が発生され、この磁界は、図1に示されたスリット14、14′の向きの場合、接触子装置に対して軸方向に同じ方向に向けられ、接触子10、10′を開く際、図において符号LBが付された拡散アークを生じさせる。
両接触子10、10′においてスリット14、14′が(図1と異なって)互いに逆方向に延びているとき、両接触子10、10′間にラジアル磁界が生じ、従って、この場合に収縮するアークが平板接触子15、15′上を外向きに流れる。そのため、平板接触子におけるスリットは場合によって渦巻き状に形成されねばならない。
図1に示された配置構造の場合、スリットにより形成されたコイルセグメントは外側部位が自由であり、開閉動作に応じて拡張する。このために、スリット縁に増大された外側磁界が発生し、この磁界は、その接触子装置が特に高電圧領域に利用されている場合、開閉機能に支障を生じさせる。
図2において、図1の開閉接触子が本発明に基づいて変更されている。図1と同じように、電極棒21と、ポット壁としての環状部位23と方位スリット24を備えた接触子ホルダ22と、スリット26付き平板接触子25が存在している。しかし図2において、コイルセグメント付きのポット壁23は、内側にずらして(縮径して)形成されている。従って、直径Dsのポット壁23によって、それぞれ直径Dkの接触子ホルダ22のベース22aおよび平板接触子25と共に、空所が形成されている。この空所内に、ポット壁23の少なくともコイル部分を取り囲む環状に延びる外側支持体20が配置されている。
外側支持体20は、小さな導電率の鋼などの材料から成っている。この支持体20は不導電材料、例えばセラミックでも構成できる。また、金属リングの内周面にセラミック材料を被覆することもできる。
外側支持体20は空所の中にはんだ付けされねばならない。そのはんだがスリット24の中に侵入して、短絡あるいは部分短絡を生じさせ、これにより、磁界を減少させ、従って、接触子の開閉特性を悪化させてしまう、ことがある。
図2に応じて、コイルセグメント付き接触子ホルダ22の壁と外側支持体20との間に環状空洞30が存在するようにするため、外側支持体20を薄く形成して空所の中に挿入する、ように設計されている。その環状空洞30は、真空しゃ断器バルブにおける接触子装置に規定通りに利用した場合、「真空」隙間を実現する。
外側支持体20とコイルセグメントとの間の真空隙間30によって、はんだ付け過程中に、方位スリット24の中に、ないし、隣接スリット24と外側支持体20との間に、はんだが侵入する、ことが防止される。これにより、コイルセグメント内に、あるいはコイルセグメントと外側支持体との間に、良導電性の短絡あるいは部分短絡を生ずることなしに、外側支持体20と他の接触子部品との間の機械的な強固な結合が得られる。
従来におけるAMF・接触子装置の斜視図。 外側支持体付きの本発明に基づく接触子の断面図。
符号の説明
20 外側支持体
22 接触子ホルダ
23 ポット壁
25 平板接触子
30 空洞
Ds ポット壁の外径
Dk 平板接触子の外径

Claims (9)

  1. アキシャル磁界又はラジアル磁界と、ポット状接触子ホルダと、平板接触子とを備え、接触子ホルダが、そのポット壁における方位スリットにより形成された磁界を発生するためのコイルを有している、真空しゃ断器バルブにおける開閉接触子において、スリット付きポット壁(23)の外径(Ds)が、接触子ホルダ上に存在する平板接触子(25)の直径(Dk)より小さく、平板接触子(25)と接触子ホルダ(22)のベースとの間にはめ込まれた環状支持体(20)が存在し、該環状支持体(20)が接触子ホルダ(22)の少なくともスリット付き部位を取り囲んでいることを特徴とする真空しゃ断器バルブにおける開閉接触子。
  2. 環状支持体(20)の内周面とスリット付きポット壁(23)との間に空洞隙間(30)が存在していることを特徴とする請求項1に記載の開閉接触子。
  3. 隙間(30)の幅が3mm以下、特に1mmの大きさを有していることを特徴とする請求項2に記載の開閉接触子。
  4. 環状支持体(20)が、コイル付き接触子ホルダ(22)より、明白に小さな導電率を有していることを特徴とする請求項1に記載の開閉接触子。
  5. 環状支持体(20)が鉄基材料から成っていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1つに記載の開閉接触子。
  6. 環状支持体(20)が、少なくともその内周面が不導電材料から成っていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1つに記載の開閉接触子。
  7. 不導電材料がセラミックスであることを特徴とする請求項6に記載の開閉接触子。
  8. 環状支持体(20)が、その上縁部位と下縁部位においてのみ、接触子ホルダ(22)ないし平板接触子(25)にはんだ付けされていることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1つに記載の開閉接触子。
  9. 環状支持体(20)が平板接触子(25)と同じ外径(Dk)を有していることを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1つに記載の開閉接触子。
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