JP2019211407A - 移動装置、基板検査装置および制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】接触対象に対するプローブの先端部の接触状態が規定状態となったことを正確に判別する。【解決手段】プローブを移動させる第2移動機構12と、第2移動機構12の作動に伴って変化する被検出量を検出する荷重検出部14および電流検出部15と、第2移動機構12に供給する電源のパラメータを第1規定値に規定して第2移動機構12を制御すると共に検出された被検出量に基づいて特定した接触対象に対するプローブの先端部の接触状態が規定状態となったと判別したときにパラメータを第2規定値に規定して第2移動機構12を制御して接触対象にプローブをプロービングさせるコントローラ18と、検出された被検出量から接触対象とプローブの先端部との接触によって生じるプローブの振動に伴う被検出量の変動成分を除去する除去処理を実行する処理部16a,16bとを備え、コントローラ18は除去処理後の被検出量に基づいて接触状態を特定する。【選択図】図3
Description
本発明は、プローブを移動させる移動機構と移動機構を制御する制御部とを備えた移動装置、その移動装置を備えた基板検査装置、およびプローブを移動させる移動機構を制御する制御方法に関するものである。
この種の基板検査装置として、下記特許文献1に開示された配線基板上の検査点と検査プローブとの接触を測定する装置(以下、単に「装置」ともいう)が知られている。この装置は、ベルトによって配線基板に対して垂直方向に移動する台と、台にバネ構造体を介して取り付けれた検査プローブと、検査プローブ(検査プローブが取り付けられているバネ構造体)の移動量に応じたレベルの出力信号を出力するセンサとを備え、配線基板に設けられている配線における欠陥の有無を検査可能に構成されている。この場合、検査点の表面に酸化被膜が存在している場合においても検査プローブと検査点との間の電気的接続を良好に維持するため、検査プローブを検査点に対して所定の圧力で押圧する必要がある。このため、この装置では、センサから出力される出力信号のレベルから圧力を特定(推定)し、特定した圧力と所定の圧力とを比較して、特定した圧力が所定の圧力となったと判別したときに、検査プローブの移動を停止させ、検査プローブを介して入出力する電気信号に基づいて配線基板の検査を行う。ここで、検査プローブおよびバネ構造体が加速度移動(または減速度移動)している状態では、検査プローブおよびバネ構造体に慣性力が作用するため、加速度移動状態(または減速度移動状態)で特定した圧力が、定速度移動状態または停止状態で特定した圧力とは異なる値となることとなる。このため、この装置では、検査プローブが加速度移動(または減速移動)をしているときはセンサからの出力信号を無効とし、検査プローブが定速度移動をしているかまたは停止しているときの出力信号を有効とすることで、特定した圧力が不正確となることを防止している。
ところが、上記の装置には、解決すべき以下の課題がある。具体的には、上記の装置では、特定した圧力が不正確となることを防止するため、検査プローブが定速度移動をしているかまたは停止しているときの出力信号を有効としてる。しかしながら、例えば、定速度移動している検査プローブが配線基板に接触したときには、配線基板から加わる力によって検査プローブおよびバネ構造体が振動し、この振動に伴って検査プローブが配線基板を押圧する圧力が変動することとなる。一方、基板検査は、検査プローブが振動していない状態で行うため、検査プローブと検査点との間の電気的接続を良好に維持するために必要な圧力として規定された「所定の圧力」も、検査プローブが振動していない状態における圧力として規定されている。このため、所定の圧力となったか否かを判定するために出力信号のレベルから特定する圧力も、検査プローブが振動していない状態における圧力である必要がある。しかしながら、上記の装置では、検査プローブの振動に伴う圧力の変動を考慮していないため、検査プローブの振動に伴う変動成分が特定した圧力に含まれて、検査プローブが振動していない状態における圧力とは異なる圧力を特定している可能性がある。したがって、上記の装置には、検査プローブが配線基板を押圧する圧力が所定の圧力となったことを正確に判別することが困難となる可能性があり、この点の改善が望まれている。
本発明は、かかる改善すべき課題に鑑みてなされたものであり、接触対象に対するプローブの先端部の接触状態が規定状態となったことを正確に判別し得る移動装置、基板検査装置および制御方法を提供することを主目的とする。
上記目的を達成すべく請求項1記載の移動装置は、プローブを移動させる移動機構と、当該移動機構の作動に伴って変化する被検出量を検出する検出部と、前記移動機構に供給する作動用電源のパラメータを第1規定値に規定して当該移動機構を制御すると共に、前記検出部によって検出された前記被検出量に基づいて接触対象に対する前記プローブの先端部の接触状態を特定して、当該接触状態が予め規定された規定状態となったと判別したときに、当該パラメータを当該第1規定値とは異なる第2規定値に規定して当該移動機構を制御して当該接触対象に当該プローブをプロービングさせる制御部とを備えた移動装置であって、前記検出部によって検出された前記被検出量から、前記接触対象と前記先端部との接触によって生じる前記プローブの振動に伴う当該被検出量の変動成分を除去する除去処理を実行する処理部を備え、前記制御部は、前記除去処理後の前記被検出量に基づいて前記接触状態を特定する。
また、請求項2記載の移動装置は、請求項1記載の移動装置において、互いに異なる複数種類の前記被検出量を検出する複数の前記検出部を備え、前記制御部は、前記複数種類のうちのいずれか1種類についての前記除去処理後の被検出量基づいて前記接触状態を特定する。
また、請求項3記載の移動装置は、請求項1または2記載の移動装置において、前記制御部は、前記先端部が前記接触対象を押圧する圧力が予め規定された規定圧力となったときに前記規定状態となったと判別する。
また、請求項4記載の移動装置は、請求項1から3のいずれかに記載の移動装置において、前記処理部は、人工知能による機械学習によって特定された前記被検出量の変動パターンに基づいて前記除去処理を実行する。
また、請求項5記載の基板検査装置は、請求項1から4のいずれかに記載の移動装置と、当該移動装置の前記移動機構によって移動させられて前記接触対象としての基板に前記先端部が接触した前記プローブを介して入出力する電気信号に基づいて当該基板を検査する検査部とを備えている。
また、請求項6記載の制御方法は、プローブを移動させる移動機構の作動に伴って変化する被検出量を検出し、前記移動機構に供給する作動用電源のパラメータを第1規定値に規定して当該移動機構を制御すると共に、前記検出した被検出量に基づいて接触対象に対する前記プローブの先端部の接触状態を特定して、当該接触状態が予め規定された規定状態となったと判別したときに、当該パラメータを当該第1規定値とは異なる第2規定値に規定して当該移動機構を制御して当該接触対象に当該プローブをプロービングさせる制御方法であって、前記検出した被検出量から、前記接触対象と前記先端部との接触によって生じる前記プローブの振動に伴う当該被検出量の変動成分を除去する除去処理を実行し、前記除去処理後の前記被検出量に基づいて前記接触状態を特定する。
請求項1記載の移動装置、請求項5記載の基板検査装置、および請求項6記載の制御方法では、検出した被検出量から接触対象とプローブの先端部との接触によって生じる振動に伴う被検出量の変動成分を除去する除去処理を実行し、除去処理後の被検出量に基づいて接触対象に対するプローブの先端部の接触状態が規定状態となったか否かを判別する。このため、この移動装置、基板検査装置および制御方法によれば、プロービングにおいてプローブの先端部と接触対象との接触によって生じるプローブの振動に伴って被検出量が変動したとしても、プローブが振動していないとしたときにプローブの先端部が接触対象を押圧する圧力を正確に特定することができる。このため、この移動装置、基板検査装置および制御方法によれば、接触対象に対するプローブの先端部の接触状態が規定状態となったか否かを正確に判別することができる結果、プロービングの際の第1規定値から第2規定値へのパラメータの移行を正確なタイミングで行うことができる。
また、請求項2記載の移動装置、および請求項5記載の基板検査装置では、互いに異なる複数種類のうちのいずれか1種類についての除去処理後の被検出量基づいて接触対象に対するプローブの先端部の接触状態を特定する。このため、この移動装置および基板検査装置によれば、例えば、複数種類の被検出量のうちのプローブの先端部が接触対象に接触した後に最も先に値の増加(または減少)が開始された1種類についての除去処理後の被検出量に基づいて処理接触対象に対する先端部の接触状態を特定することで、接触状態が規定状態となったと判別するまでの処理時間を短縮することができる。
また、請求項3記載の移動装置、および請求項5記載の基板検査装置では、プローブの先端部が接触対象を押圧する圧力が予め規定された規定圧力となったときに接触対象に対する先端部の接触状態が規定状態となったと判別する。このため、この移動装置および基板検査装置によれば、規定圧力以上の圧力によってプローブの先端部で接触対象を押圧することができるため、先端部を接触対象に確実に接触させることができる。
また、請求項4記載の移動装置、および請求項5記載の基板検査装置によれば、人工知能による機械学習によって特定された被検出量の変動パターンに基づいて除去処理を実行する。この場合、人工知能による機械学習では、例えば、シミュレーションプログラムにプローブの振動に関するパラメータを入力して変動パターンを得る手法と比較して、より正確な(実際の挙動により近い)変動パターンを得ることができる。このため、この移動装置および基板検査装置によれば、検出した被検出量からの変動成分の除去を正確に行うことができる結果、接触対象に対する先端部の接触状態が規定状態となったことをより正確に判別することができる。
以下、移動装置、基板検査装置および制御方法の形態について、添付図面を参照して説明する。
最初に、「基板検査装置」の一例としての図1に示す基板検査装置1の構成について説明する。基板検査装置1は、同図に示すように、基板保持部2、移動装置3、表示部4、操作部5および主制御部6を備えて、基板100に対する検査を実行可能に構成されている。
基板保持部2は、図2に示すように、基板100を載置可能な載置台2aと、載置台2aに載置された基板100を固定するクリップ2bとを備えて基板100を保持可能に構成されている。
移動装置3は、検査用のプローブ51(図1,4参照)を移動させてプローブ51の先端部51aを接触対象としての基板100の表面101に接触(プロービング)させる「移動装置」の一例であって、図3に示すように、第1移動機構11、第2移動機構12、ドライバ13、荷重検出部14、電流検出部15、処理部16a,16b、記憶部17およびコントローラ18を備えて構成されている。なお、移動装置3は、第1移動機構11および第2移動機構12をそれぞれ複数備えて、複数のプローブ51を移動可能に構成されているが、発明の理解を容易とするため、第1移動機構11および第2移動機構12をそれぞれ1つだけ図示して以下説明する。
第1移動機構11は、ドライバ13からの作動用電源の供給によって作動し、図2に示すように、基板保持部2における載置台2aの載置面(基板保持部2によって保持されている基板100の表面101)に平行な方向(同図に示すXY方向)にプローブ51を移動させる。この場合、第1移動機構11は、一例として、同図に示すように、アクチュエータ21、ガイドレール22、スライダ23およびアクチュエータ24を備えて構成されている。
アクチュエータ21は、図2に示すように、同図におけるX方向に沿って配設されている。また、アクチュエータ21は、ボールねじ21aと、ボールねじ21aの回転に伴ってボールねじ21aの長さ方向(同図におけるX方向)に移動するスライダ21bと、ボールねじ21aを回転させるモータ21cとを備えて構成されている。
ガイドレール22は、図2に示すように、アクチュエータ21と平行に(同図に示すX方向に沿って)配設され、スライダ23は、ガイドレール22上を移動可能に構成されている。
アクチュエータ24は、図2に示すように、同図におけるY方向に沿ってアクチュエータ21のスライダ21bとスライダ23との間に掛け渡されている。また、アクチュエータ24は、ボールねじ24aと、ボールねじ24aの回転に伴ってボールねじ24aの長さ方向(同図におけるY方向)に移動するスライダ24bと、ボールねじ24aを回転させるモータ24cとを備えて構成されている。
第2移動機構12は、「移動機構」の一例であって、図3に示すように、ドライバ13から出力されて電流検出部15を経由して供給される作動用電源によって作動して、基板保持部2における載置台2aの載置面(基板保持部2によって保持されている基板100の表面101)に直交する方向(図4に示すZ方向)にプローブ51を移動させる。また、第2移動機構12は、一例として、同図に示すように、アクチュエータ31、支持部32およびコイルばね33を備えて構成されている。
アクチュエータ31は、図4に示すように、同図におけるZ方向に沿って配設されている。また、アクチュエータ31は、ボールねじ31aと、ボールねじ31aの回転に伴ってボールねじ31aの長さ方向(同図におけるZ方向)に移動するスライダ31bと、ボールねじ31aを回転させるモータ31cとを備えて構成されている。
支持部32は、図4に示すように、プローブ51の基端部51b側を収容可能な収容部32aが形成され、収容部32a内に基端部51b側を収容した状態でプローブ51を支持する。なお、同図における支持部32の拡大部分(円で囲んだ部分)は、収容部32a内を透過した状態で図示している。また、支持部32は、アクチュエータ31のスライダ31bに取り付けられて、スライダ31bと共に同図におけるZ方向に移動する。
コイルばね33は、支持部32の収容部32a内に配設されて、基板保持部2における載置台2aの載置面(基板保持部2によって保持されている基板100の表面101)に向かう向き(同図に示すZ1の向き)にプローブ51を付勢する。
ドライバ13は、作動用電源を出力する図外の電源部を備えて構成され、コントローラ18の制御に従って第1移動機構11および第2移動機構12に供給する作動用電源のパラメータ(電圧値、電流値、極性および周波数)を規定することにより、第1移動機構11および第2移動機構12を制御する。
荷重検出部14は、図4に示すように、支持部32の収容部32a内に配設されて、コイルばね33(この例では、圧縮コイルばね)を介してプローブ51に加わる荷重(第2移動機構12の作動に伴って変化する被検出量の一例)を検出して検出値Pd(図9参照)を示す検出信号S1を出力する(図3参照)。なお、荷重検出部14には、コイルばね33の初期圧縮分に対応するコイルばね33の初期反力(初期反力は設計値から算出可能)、およびプローブ51に加わる荷重の合力が加わるが、この例では、コイルばね33の初期反力を差し引いた荷重(つまり、プローブ51に加わる荷重のみ)を示す検出信号S1が荷重検出部14から出力されるものとする。
電流検出部15は、ドライバ13から第2移動機構12に供給される作動用電源の電流値(第2移動機構12の作動に伴って変化する被検出量の他の一例)を検出して検出値Id(図11参照)を示す検出信号S2を出力する(図3参照)。
処理部16aは、荷重検出部14から出力される検出信号S1(荷重検出部14によって検出された荷重)から基板100とプローブ51の先端部51aとの接触によって生じるプローブ51およびコイルばね33の振動に伴う荷重の変動成分を除去する除去処理80(図6参照)を実行する。また、処理部16bは、電流検出部15から出力される検出信号S2(電流検出部15によって検出された電流値)から基板100とプローブ51の先端部51aとの接触によって生じるプローブ51およびコイルばね33の振動に伴う電流値の変動成分を除去する除去処理90(図10参照)を実行する。
記憶部17は、基板100における被接触点102の位置情報を含む基板100についての基板データDbを記憶する。また、記憶部17は、処理部16a,16bによってそれぞれ実行される除去処理80,90(図6,10参照)において用いる変動データDfを記憶する。この変動データDfには、第2移動機構12によって移動させられているプローブ51の先端部51aと基板100との接触によって生じる生じるプローブ51およびコイルばね33の振動に伴う荷重および電流値の変動パターン(図8参照)を示す情報が含まれている。
なお、この移動装置3では、人工知能(AI)による機械学習(深層学習)によって得られた変動パターンDfが用いられている。この場合、変動パターンDfを得る他の手法として、シミュレーションプログラムにプローブ51およびコイルばね33の振動に関するパラメータを入力して変動パターンを得る手法が考えられるが、この手法では、シミュレーション用の近似式等にパラメータを代入して変動パターンを演算によって得るため、近似式の選択によっては、得られた変動パターンが実際の挙動とは大きく異なることがある。これに対して、人工知能による機械学習では、例えば、多くのデータに基づいて人工知能が最適な近似式を見つけ出す処理等を行うため、シミュレーションプログラムによって変動パターンを得る手法と比較して、より正確な(実際の挙動により近い)変動パターンを得ることが可能となっている。
コントローラ18は、ドライバ13と共に「制御部」を構成し、「制御方法」に従い、ドライバ13から第1移動機構11および第2移動機構12に供給する作動用電源のパラメータを規定することによって第1移動機構11および第2移動機構12を制御し、基板100に対してプローブ51をプロービングさせるプロービング処理70(図5参照)を実行する。
また、コントローラ18は、プロービング処理70において、第1移動機構11を制御して、図2に示すように、基板保持部2における載置台2aの載置面(基板保持部2によって保持されている基板100の表面101)に平行な方向(同図に示すXY方向)にプローブ51を移動させる。
また、コントローラ18は、プロービング処理70において、第2移動機構12を制御して、図4に示すように、基板保持部2における載置台2aの載置面に直交する方向(同図に示すZ方向)にプローブ51を移動させる。この場合、コントローラ18は、ドライバ13から第2移動機構12に供給する作動用電源のパラメータを第1規定値に規定して、プローブ51をZ1の向きに定速(一定速度)で移動させるように第2移動機構12を制御する。また、コントローラ18は、荷重検出部14および電流検出部15から出力されて処理部16a,16bによって除去処理80,90がされた検出信号S1,S2のいずれか一方に基づいて基板100に対するプローブ51の先端部51aの接触状態を特定し、接触状態が規定状態となったと判別したときに作動用電源のパラメータを第2規定値に規定して、プローブ51の移動速度を減速させた後に停止させるように第2移動機構12を制御する。この場合、この移動装置3では、一例として、プローブ51およびコイルばね33が振動していない状態においてプローブ51の先端部51aが規定圧力で基板100を押圧する状態を規定状態としている。
表示部4は、主制御部6によって実行される検査の結果などの各種の情報や画像を表示する。
操作部5は、検査の実行を指示する操作ボタンなどの各種の操作ボタンを備え、これらの操作ボタンが操作されたときに操作信号を出力する。
主制御部6は、操作部5から出力される操作信号に従って基板検査装置1を構成する各構成要素を制御する。また、主制御部6は、検査部として機能し、基板100に接触したプローブ51を介して入出力する電気信号に基づいて基板100を検査する検査処理を実行する。
次に、基板検査装置1を用いて基板100を検査する方法、およびその際の基板検査装置1の各部の動作について、図面を参照して説明する。
まず、図2に示すように、基板保持部2の載置台2aの載置面における予め決められた位置(例えば、中央部)に基板100を載置する。次いで、基板保持部2のクリップ2bで基板100の縁部を挟み込んで基板100を載置台2aに固定する。これにより、基板100が基板保持部2に保持される。
続いて、操作部5を操作して、検査処理の実行を指示する。この際に、操作部5が、操作信号を出力し、主制御部6が、操作信号に従って検査処理を実行する。この検査処理では、主制御部6は、移動装置3のコントローラ18に対して基板100に対するプローブ51のプロービングを指示し、これに応じて、コントローラ18が、図5に示すプロービング処理70を実行する。
このプロービング処理70では、コントローラ18は、記憶部17から基板データDbを読み出す(ステップ71)。次いで、コントローラ18は、基板データDbに基づいて基板100における被接触点102の位置を特定する(ステップ72)。
続いて、コントローラ18は、第1移動機構11を制御して(ステップ73)、プローブ51の先端部51aが基板100の被接触点102の上方に位置するように、図2に示すXY方向にプローブ51を移動させる。この場合、コントローラ18は、第1移動機構11を構成するアクチュエータ21のモータ21c、およびアクチュエータ24のモータ24cに対してドライバ13から供給する作動用電源のパラメータ(電圧値、電流値、極性および周波数)を制御することにより、第1移動機構11によるプローブ51の移動の向き、移動量および移動速度を制御する。
次いで、コントローラ18は、第2移動機構12を制御して、図4に示すZ1の向きのプローブ51の移動を開始させる。この場合、コントローラ18は、第2移動機構12を構成するアクチュエータ31のモータ31cに対してドライバ13から供給する作動用電源のパラメータ(電圧値、電流値、極性および周波数)を制御することにより、プローブ51をZ1の向きに定速(一定速度)で移動させる(ステップ74)。
一方、プロービング処理70の開始に連動して、荷重検出部14が、コイルばね33を介して加わる力(この例では、コイルばね33の初期反力とプローブ51が受ける荷重の合力)を検出して検出値Pd(この例では、初期反力と荷重の合力から初期反力を差し引いた値:図9参照)を示す検出信号S1を処理部16aに出力する。
また、処理部16aが、検出信号S1を入力して図6に示す除去処理80を実行する。この除去処理80では、処理部16aは、記憶部17から変動データDfを読み出す(ステップ81)。続いて、処理部16aは、検出信号S1によって示される荷重の検出値Pdの変動状態に基づいてプローブ51の先端部51aが基板100に接触したかを判別する(ステップ82)。この場合、プローブ51の先端部51aが基板100に接触することなく、プローブ51に荷重が加わっていない状態(図9に示す期間L1)では、同図に示すように、検出値Pdが0(または、ほぼ0)で変動しない(または、変動が少ない)ため、処理部16aは、ステップ82において、プローブ51の先端部51aが基板100に接触していないと判別し、荷重検出部14から入力した検出信号S1をそのままコントローラ18に出力し(ステップ83)、次いで、ステップ82を再び実行する。つまり、処理部16aは、プローブ51の先端部51aが基板100に接触していない状態では、荷重検出部14から入力した検出信号S1をそのままコントローラ18に出力する処理を継続する。
また、第2移動機構12に対するドライバ13からの作動用電源の供給開始(上記したステップ74の実行)に伴い、電流検出部15が、ドライバ13から第2移動機構12に供給している作動用電源の電流値を検出して検出値Id(図11参照)を示す検出信号S2を処理部16bに出力する。
また、処理部16bが、検出信号S2を入力して図10に示す除去処理90を実行する。この除去処理90では、処理部16bは、記憶部17から変動データDfを読み出す(ステップ91)。続いて、処理部16bは、検出信号S2によって示される電流の検出値Idの変動状態に基づいてプローブ51の先端部51aが基板100に接触したかを判別する(ステップ92)。この場合、アクチュエータ31がプローブ51をZ1の向きに定速で移動させ、かつプローブ51が基板100に接触していない状態、つまりアクチュエータ31のモータ31cにかかる負荷が一定の状態(図11に示す期間L1)では、同図に示すように、検出値Idが変動しない(または、変動が少ない)ため、処理部16bは、ステップ92において、プローブ51の先端部51aが基板100に接触していないと判別し、電流検出部15から入力した検出信号S2をそのままコントローラ18に出力し(ステップ93)、次いで、ステップ92を再び実行する。つまり、処理部16bは、プローブ51の先端部51aが基板100に接触していない状態では、電流検出部15から入力した検出信号S2をそのままコントローラ18に出力する処理を継続する。
続いて、コントローラ18は、プロービング処理70において、処理部16aから出力される検出信号S1に基づいてプローブ51に加わる荷重の検出値Pdを特定すると共に、処理部16bから出力される検出信号S2に基づいて作動用電源の電流の検出値Idを特定し、特定した検出値Id,Pdに基づいてプローブ51の先端部51aが規定圧力で基板100を押圧する状態となったか否か(基板100に対する先端部51aの接触状態が規定状態となったか否か)を判別する(ステップ75)。
具体的には、コントローラ18は、ステップ75において、検出信号S1によって示される検出値Pdが規定値Pr(図9参照)以上であるか否かを判別する。ここで、プローブ51の先端部51aが基板100を押圧する圧力が増加するに従ってプローブ51に加わる荷重(基板100を押圧する圧力の反力)が増加する。このため、規定値Prを規定圧力に規定し、検出値Pdが規定値Pr以上であるか否かを判別することで、プローブ51の先端部51aが規定圧力で基板100を押圧する状態となったか否かを判別することができる。
この場合、プローブ51がZ1の向きに定速で移動し、かつプローブ51が基板100に接触していない状態(図9に示す期間L1)では、同図に示すように、検出値Pdが規定値Prよりも低い値となる。このため、この状態では、コントローラ18は、ステップ75において、プローブ51の先端部51aが規定圧力で基板100を押圧する状態となっていないと判別する。
また、コントローラ18は、ステップ75において、検出信号S2によって示される検出値Idが規定値Ir(図11参照)以上であるか否かを判別する。ここで、プローブ51の先端部51aが基板100を押圧する圧力が増加するに従ってプローブ51に加わる荷重(基板100を押圧する圧力の反力)が増加し、これに伴ってプローブ51を移動させる第2移動機構12におけるアクチュエータ31のモータ31cに加わる負荷も増加する結果、モータ31cに供給している作動用電源の電流値が増加する。このため、作動用電源の電流の規定値Irを規定圧力に対応する値に規定し、検出値Idが規定値Ir以上であるか否かを判別することで、プローブ51の先端部51aが規定圧力で基板100を押圧する状態となったか否かを判別することができる。
この場合、プローブ51がZ1の向きに定速で移動し、かつプローブ51が基板100に接触していない状態(図11に示す期間L1)では、同図に示すように、検出値Idが規定値Irよりも低い値となる。このため、この状態では、コントローラ18は、ステップ75において、プローブ51の先端部51aが規定圧力で基板100を押圧する状態となっていないと判別する。
この場合、コントローラ18は、上記したように、ステップ75において、検出値Id,Pdのいずれに基づいての判別においても、プローブ51の先端部51aが規定圧力で基板100を押圧する状態となっていないと判別したときには、予め決められた時間間隔でステップ75を繰り返して実行する。
次いで、Z1の向きの定速でのプローブ51の移動によってプローブ51の先端部51aが基板100に接触したときには、プローブ51に荷重が加わり、この荷重が、図7に示すように、プローブ51の移動量の増加(つまり、時間経過)に伴って徐々に増加する。また、プローブ51に加わった荷重(以下、この荷重を「第1の荷重」ともいう)は、コイルばね33を介して荷重検出部14に作用する。
ここで、プローブ51の速度が高い大きいときには、プローブ51の先端部51aが基板100に接触する際の衝撃によってプローブ51およびコイルばね33が振動することがある。この場合、この振動は、プローブ51およびコイルばね33と支持部32との摩擦等の作用によって次第に減衰する減衰振動となる。このため、図8に示すように、プローブ51およびコイルばね33の減衰振動に伴って変動する荷重(以下、この荷重を「第2の荷重」ともいう)がコイルばね33を介して荷重検出部14に作用する。つまり、上記した第1の荷重に加えて第2の荷重が荷重検出部14に作用する。このため、荷重検出部14は、図9に示すように、プローブ51の先端部51aが基板100に接触した時点以降の期間L2では、第1の荷重および第2の荷重を合成した合成荷重の検出値Pdを示す検出信号S1を処理部16aに出力する。
また、処理部16aは、検出信号S1によって示される検出値Pdが0から増加したときには、除去処理80のステップ82において、プローブ51の先端部51aが基板100に接触したと判別し、続いて、検出信号S1によって示される検出値Pdに含まれているプローブ51およびコイルばね33の振動に伴う荷重(被検出量)の変動成分の除去を行う(ステップ84)。具体的には、処理部16aは、上記したステップ81において読み出した変動データDfから、プローブ51およびコイルばね33の振動に伴う荷重の変動パターン(図8参照)を特定する。次いで、処理部16aは、同図に示すように、変動パターンに基づき、予め決められた周期t(サンプリング周期)毎の荷重の変動量Pfを特定する。続いて、処理部16aは、図9に示すように、検出信号S1によって示される各周期tにおける検出値Pdから各周期tにおける変動成分である変動量Pfを差し引いて(検出値Pdから変動量Pfを除去した)処理値Ppを算出し、各処理値Ppを示す変動成分除去後の検出信号S1をコントローラ18に出力する(ステップ85)。
また、プローブ51の先端部51aが基板100に接触して、プローブ51に加わる荷重が、プローブ51の移動量の増加(つまり、時間経過)に伴って徐々に増加することにより、アクチュエータ31のモータ31cにかかる負荷(以下、この負荷を「第1の負荷」ともいう)が徐々に増加するため、図7に示すように、モータ31cに供給する作動用電源の電流値も徐々に増加する。また、プローブ51の先端部51aと基板100との接触によってプローブ51およびコイルばね33が振動したときには、プローブ51およびコイルばね33の減衰振動に伴って変動する負荷(以下、この負荷を「第2の負荷」ともいう)がモータ31cにかかるため、図8に示すように、モータ31cに供給する作動用電源の電流値も変動する。このため、電流検出部15は、図11に示すように、プローブ51の先端部51aが基板100に接触した時点以降の期間L2では、第1の負荷および第2の負荷を合成した合成負荷に対応する検出値Idを示す検出信号S2を処理部16bに出力する。
また、処理部16bは、検出信号S2によって示される検出値Idが上昇したときには、除去処理90のステップ92において、プローブ51の先端部51aが基板100に接触したと判別し、次いで、検出信号S2によって示される検出値Idに含まれているプローブ51およびコイルばね33の振動に伴う電流値(被検出量)の変動成分の除去を行う(ステップ94)。具体的には、処理部16aは、上記したステップ91において読み出した変動データDfから、プローブ51およびコイルばね33の振動に伴う電流値の変動パターン(図8参照)を特定する。続いて、処理部16aは、同図に示すように、変動パターンに基づき、周期t毎の変動量Ifを特定する。次いで、処理部16bは、図11に示すように、検出信号S2によって示される各周期tにおける検出値Idから各周期tにおける変動成分である変動量Ifを差し引いて(検出値Idから変動量Ifを除去した)処理値Ipを算出し、各処理値Ipを示す変動成分除去後の検出信号S2をコントローラ18に出力する(ステップ95)。
一方、コントローラ18は、上記したプロービング処理70のステップ75において、除去処理後の検出信号S1および検出信号S2に基づいて荷重および電流値のいずれかの増加(または減少)が開始されたか否かを判別し、増加(または減少)が開始されたと判別したときには、除去処理後の検出信号S1および検出信号S2のいずれか一方(いずれか一方の被検出量)に基づいて先端部51aが規定圧力で基板100を押圧する状態となった(接触状態が規定状態となった)か否かを判別する。この場合、荷重および電圧値のどちらが先に増加(または減少)を開始するかは、荷重検出部14および電流検出部15の検出特性、プローブ51の移動速度、およびコイルばね33の物理的特性等によって異なり、この例では、コントローラ18は、除去処理後の検出信号S1および検出信号S2のうちの、先に増加(または減少)が開始された被検出量を示す除去処理後の検出信号に基づいて先端部51aが規定圧力で基板100を押圧する状態となったか否かを判別する。具体的には、コントローラ18は、除去処理後の検出信号S1に基づいて判別を行うときには、除去処理後の検出信号S1によって特定される処理値Ppが規定圧力に対応する規定値Pr(図9参照)となったときに、先端部51aが規定圧力で基板100を押圧する状態となった(接触状態が規定状態となった)と判別する。また、コントローラ18は、除去処理後の検出信号S2に基づいて判別を行うときには、除去処理後の検出信号S2によって特定される処理値Ipが規定圧力に対応する規定値Ir(図11参照)となったときに、先端部51aが規定圧力で基板100を押圧する状態となった(接触状態が規定状態となった)と判別する。
続いて、コントローラ18は、ステップ75において先端部51aが規定圧力で基板100を押圧する状態となったと判別したときには、ドライバ13から第2移動機構12に供給している作動用電源のパラメータを第1規定値から第1規定値とは異なる第2規定値に切り替えさせることにより、プローブ51の移動速度を徐々に減速させて停止させるように第2移動機構12を制御する(ステップ76)。
次いで、コントローラ18は、プローブ51が停止したときに、プロービング処理70を終了する。この移動装置3および制御方法では、上記したように、コントローラ18が、処理部16a,16bによってそれぞれ実行される除去処理80,90によってプローブ51およびコイルばね33の振動に伴う変動成分が除去された除去処理後の被検出量(処理値Pp,Ip)に基づいて、被接触点102に対する先端部51aの圧力が規定圧力となったか否か(接触状態が規定状態となったか否か)を判別している。この場合、プローブ51およびコイルばね33の振動に伴う変動成分が除去されていない被検出量(図9,11に示す検出値Pd,Id)に基づいて、被接触点102に対する先端部51aの圧力が規定圧力となったか否かを判別する構成および方法では、両図に示すように、プローブ51が振動していない状態における被検出量(図9,11に示す処理値Pp,Ip)が規定圧力に対応する規定値Pr,Irよりも低いにも拘わらず、出値Pd,Idが規定値Pr,Ir以上となることがあるため、その時点で、被接触点102に対する先端部51aの圧力が規定圧力となったと誤って判別される可能性がある。これに対して、この移動装置3および制御方法では、検出された被検出量からプローブ51およびコイルばね33の振動に伴う変動成分が除去されているため、接触状態が規定状態となったか否かを正確に判別することができる。したがって、この移動装置3および制御方法では、基板100の被接触点102をプローブ51の先端部51aによって規定圧力以上の圧力で確実に押圧することが可能となっている。
続いて、主制御部6は、図外の検査用信号供給部を制御して検査用信号を出力させてプローブ51を介して基板100の被接触点102に供給させ、その際にプローブ51を介して入力した被検出信号を検出する。この場合、この基板検査装置1では、上記したように、移動装置3によってプローブ51の先端部51aを基板100の被接触点102に規定圧力以上の圧力で確実に押圧させることができる。このため、この基板検査装置1では、プローブ51の先端部51aが被接触点102に確実に電気的に接続されて、検査用信号の供給および被検出信号の入力が確実に行われる。
次いで、主制御部6は、検査用信号の物理量(例えば、電流値)と入力した被検出信号の物理量(例えば、電圧値)とに基づいて抵抗値を算出し、その抵抗値に基づいて、基板100の良否(例えば、基板100における各導体パターンの絶縁状態の良否や導通状態の良否)を検査する。続いて、主制御部6は、検査結果を表示部4に表示させる。次いで、主制御部6は、プローブ51の初期位置への復帰を移動装置3に指示し、これに応じて、移動装置3は、プローブ51を初期位置に移動させる。以上により、検査処理が終了する。
このように、この移動装置3、基板検査装置1および制御方法では、検出した荷重および電流値(被検出量)から基板100とプローブ51の先端部51aとの接触によって生じる振動に伴う荷重および電流値(被検出量)の変動成分を除去する除去処理80,90を実行し、除去処理後の荷重および電流値に基づいてプローブ51が基板100を押圧する圧力が規定圧力となったか否か(基板100に対する先端部51aの接触状態が規定状態となったか否か)を判別する。このため、この移動装置3、基板検査装置1および制御方法によれば、プロービングにおいて先端部51aと基板100との接触によって生じるプローブ51およびコイルばね33の振動に伴って荷重および電流値が変動したとしても、プローブ51およびコイルばね33が振動していないとしたときにプローブ51の先端部51aが基板100を押圧する圧力を正確に特定することができる。このため、この移動装置3、基板検査装置1および制御方法によれば、プローブ51の先端部51aが基板100を押圧する圧力が規定圧力となったか否か(基板100に対する先端部51aの接触状態が規定状態となったか否か)を正確に判別することができる結果、プロービングの際の第1規定値から第2規定値へのパラメータの移行を正確なタイミングで行うことができる。
また、この移動装置3、基板検査装置1および制御方法では、荷重および電圧値(異なる複数種類の被検出量)のうちのいずれか1つ(1種類)についての除去処理後の被検出量に基づいて基板100に対する先端部51aの接触状態を特定する。このため、この移動装置3、基板検査装置1および制御方法によれば、例えば、2つの被検出量のうちのプローブ51の先端部51aが基板100に接触した後に最も先に値の増加(または減少)が開始された1つについての除去処理後の被検出量に基づいて処理基板100に対する先端部51aの接触状態を特定することで、接触状態が規定状態となったと判別するまでの処理時間を短縮することができる。
また、この移動装置3、基板検査装置1および制御方法では、プローブ51の先端部51aが基板100を押圧する圧力が予め規定された規定圧力となったときに基板100に対する先端部51aの接触状態が規定状態となったと判別する。このため、この移動装置3、基板検査装置1および制御方法によれば、規定圧力以上の圧力によってプローブ51の先端部51aで基板100を押圧することができるため、先端部51aを基板100に確実に接触させることができる。
また、この移動装置3、基板検査装置1および制御方法によれば、人工知能による機械学習によって特定された荷重および電流値(被検出量)の変動パターンに基づいて除去処理80,90を実行する。この場合、人工知能による機械学習では、例えば、シミュレーションプログラムにプローブ51およびコイルばね33の振動に関するパラメータを入力して変動パターンを得る手法と比較して、より正確な(実際の挙動により近い)変動パターンを得ることができる。このため、この移動装置3、基板検査装置1および制御方法によれば、検出した荷重および電流値からの変動成分の除去を正確に行うことができる結果、基板100に対する先端部51aの接触状態が規定状態となったことをより正確に判別することができる。
なお、移動装置、基板検査装置および制御方法は、上記の構成および方法に限定されない。例えば、検査用信号を供給するためのプローブ51を接触対象としての基板100に接触させる移動装置3、およびその移動装置3を備えた基板検査装置1に適用した例について上記したが、他の接触対象に接触させるプローブを移動させる移動装置や、その移動装置を備えた各種の装置に適用することができる。具体的には、接触対象としての物品の寸法を測定したり、接触対象としての物品の形状を特定したりするために、プローブを移動させて物品の表面にプローブの先端部を接触させる移動装置、およびその移動装置を備えた形状特定装置や3次元測定装置に適用することができる。
また、この変動データDfに含まれている変動パターンは、人工知能(AI)による機械学習(深層学習)によって得られた変動パターンを用いる構成および方法について上記したが、シミュレーションによって得られた変動パターンを用いる構成および方法を採用することもできる。具体的には、コイルばね33のばね定数、コイルばね33およびプローブ51の質量、コイルばね33およびプローブ51が振動する際の支持部32との摺動によって生じる抵抗値等をパラメータとする運動方程式を作成し、その運動方程式を解いてプローブ51およびコイルばね33の減衰振動を示す関数を算出し、この関数から荷重および電流値の減衰波形を得る一連の工程をシミュレーションプログラムを用いて行い、得られた減衰波形を変動パターンとして用いる構成および方法を採用することができる。
また、第2移動機構12に供給する作動用電源の電流値、およびプローブ51が受ける荷重を被検出量として検出する例について上記したが、他の被検出量を検出する構成および方法を採用することもできる。例えば、第2移動機構12に供給する作動用電源の電圧値、プローブ51の速度や加速度、およびプローブ51の変位量(Z方向の位置の変化量)を被検出量として検出する構成および方法を採用することもできる。
また、2種類の被検出量のうちのいずれか1種類についての除去処理後の被検出量に基づいて基板100に対するプローブ51の先端部51aの接触状態を特定する例について上記したが、3種類以上の被検出量のうちのいずれか1種類についての除去処理後の被検出量に基づいて接触状態を特定する構成および方法を採用することもできる。この構成および方法によれば、例えば、3種類以上の被検出量のうちのプローブ51の先端部51aが基板100に接触した後に最も先に値の増加(または減少)が開始された1種類についての除去処理後の被検出量に基づいて処理基板100に対する先端部51aの接触状態を特定することで、接触状態が規定状態となったと判別するまでの処理時間をさらに短縮することができる。
また、基板100に対するプローブ51の先端部51aの接触状態を1種類の被検出量だけに基づいて特定する構成および方法を採用することもできる。
また、プローブ51の先端部51aが基板100に接触して先端部51aが基板100を押圧する圧力が規定圧力となったときに規定状態となったと判別する例について上記したが、他の接触状態となったときに規定状態となったと判別する構成および方法を採用することもできる。例えば、プローブ51の先端部51aが基板100に接触した時点(基板100に対する先端部51a押圧が開始された時点)から予め決められた距離だけプローブ51をZ1の向きに移動させたときに規定状態となったと判別する構成および方法を採用することもできる。
また、第2制御においてZ1の向きのプローブ51の移動速度を徐々に低下させて停止させるように作動用電源のパラメータの第2規定値を規定する例について上記したが、プローブ51をZ1の向きに予め決められた長さだけ定速でさらに移動させて停止させるようにパラメータの第2規定値を規定する構成および方法や、Z2の向き(Z1とは逆の向き)に予め決められた長さだけ定速で移動させて停止させるようにパラメータの第2規定値を規定する(この例では、作動用電源の極性を反転させる)構成および方法を採用することもできる。
また、コイルばね33を介してプローブ51を支持部32に支持させる構成例について上記したが、他の構成を採用することもできる。例えば、弾性を有する板状体の先端部側や、弾性を有する板状体を複数組み合わせたリンク機構の先端部側にプローブ51を固定すると共に、板状体やリンク機構の基端部側を支持部32に固定してプローブ51を支持する構成を採用することもできる。
1 基板検査装置
3 移動装置
6 処理部
12 第2移動機構
13 電源部
14 荷重検出部
15 電流検出部
16a,16b 処理部
18 コントローラ
51 プローブ
51a 先端部
100 基板
S1,S2 検出信号
3 移動装置
6 処理部
12 第2移動機構
13 電源部
14 荷重検出部
15 電流検出部
16a,16b 処理部
18 コントローラ
51 プローブ
51a 先端部
100 基板
S1,S2 検出信号
Claims (6)
- プローブを移動させる移動機構と、当該移動機構の作動に伴って変化する被検出量を検出する検出部と、前記移動機構に供給する作動用電源のパラメータを第1規定値に規定して当該移動機構を制御すると共に、前記検出部によって検出された前記被検出量に基づいて接触対象に対する前記プローブの先端部の接触状態を特定して、当該接触状態が予め規定された規定状態となったと判別したときに、当該パラメータを当該第1規定値とは異なる第2規定値に規定して当該移動機構を制御して当該接触対象に当該プローブをプロービングさせる制御部とを備えた移動装置であって、
前記検出部によって検出された前記被検出量から、前記接触対象と前記先端部との接触によって生じる前記プローブの振動に伴う当該被検出量の変動成分を除去する除去処理を実行する処理部を備え、
前記制御部は、前記除去処理後の前記被検出量に基づいて前記接触状態を特定する移動装置。 - 互いに異なる複数種類の前記被検出量を検出する複数の前記検出部を備え、
前記制御部は、前記複数種類のうちのいずれか1種類についての前記除去処理後の被検出量基づいて前記接触状態を特定する請求項1記載の移動装置。 - 前記制御部は、前記先端部が前記接触対象を押圧する圧力が予め規定された規定圧力となったときに前記規定状態となったと判別する請求項1または2記載の移動装置。
- 前記処理部は、人工知能による機械学習によって特定された前記被検出量の変動パターンに基づいて前記除去処理を実行する請求項1から3のいずれかに記載の移動装置。
- 請求項1から4のいずれかに記載の移動装置と、当該移動装置の前記移動機構によって移動させられて前記接触対象としての基板に前記先端部が接触した前記プローブを介して入出力する電気信号に基づいて当該基板を検査する検査部とを備えている基板検査装置。
- プローブを移動させる移動機構の作動に伴って変化する被検出量を検出し、前記移動機構に供給する作動用電源のパラメータを第1規定値に規定して当該移動機構を制御すると共に、前記検出した被検出量に基づいて接触対象に対する前記プローブの先端部の接触状態を特定して、当該接触状態が予め規定された規定状態となったと判別したときに、当該パラメータを当該第1規定値とは異なる第2規定値に規定して当該移動機構を制御して当該接触対象に当該プローブをプロービングさせる制御方法であって、
前記検出した被検出量から、前記接触対象と前記先端部との接触によって生じる前記プローブの振動に伴う当該被検出量の変動成分を除去する除去処理を実行し、前記除去処理後の前記被検出量に基づいて前記接触状態を特定する制御方法。
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JP2018109953A JP2019211407A (ja) | 2018-06-08 | 2018-06-08 | 移動装置、基板検査装置および制御方法 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN113109602A (zh) * | 2021-04-25 | 2021-07-13 | 浙江机电职业技术学院 | 一种电子通讯元件的移动式测试装置 |
-
2018
- 2018-06-08 JP JP2018109953A patent/JP2019211407A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN113109602A (zh) * | 2021-04-25 | 2021-07-13 | 浙江机电职业技术学院 | 一种电子通讯元件的移动式测试装置 |
CN113109602B (zh) * | 2021-04-25 | 2022-11-18 | 浙江机电职业技术学院 | 一种电子通讯元件的移动式测试装置 |
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