JP2019210268A - 外用剤及び外用剤の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
ミノキシジル1%を含有する液剤は「壮年性脱毛症における発毛、育毛及び脱毛の進行予防の効能効果」で一般用医薬品として使用されており、また、ミノキシジル2%を含有する液剤が世界各国で一般用医薬品(OTC)として承認されている。近年では、ミノキシジル5%を含有する液剤も育毛等の効能効果が更に高められたものとして主要国等で一般医薬品として承認され広く使用されている。
育毛等の有効成分としてのミノキシジルを真皮内に浸透して頭髪の育毛等を促進するための方策として、様々な提案がなされている。
再表2014/006983(特許文献4)には、ミノキシジル等の育毛成分とサリチル酸誘導体とメントール等の清涼剤とエタノールと精製水とを含有し、経皮吸収促進剤としてポリエチレングリコール、ジイソプロピルアジペート、レシチン、乳酸エステル類、モノカプリル酸の中鎖脂肪酸グリセリド類などを含有する育毛剤が開示されている。
特開2002−308740(特許文献5)には、ミノキシジル含有組成物において、ジブチルヒドロキシトルエン及びブチルヒドロキシアニソールからなる群より選ばれる1種又は2種を配合し、かつpHを5.7〜6.4とする組成物の変色防止方法が開示されている。
特開2005−206536(特許文献6)には、(A)ユーカリエキス、(B)多価アルコール、(C)血行促進剤、(D)毛包賦活剤、(E)極性油剤を含有する育毛剤組成物が提案され、育毛効果が高く、頭皮に対する刺激が低く、かつ製剤の経時的安定性にも優れる育毛剤が開示されている。
また、特開2006−143640(特許文献7)にはユーカリエキス0.0001〜0.5重量%を含有する養毛・育毛量が提案され、特開2008−208117(特許文献8)には、ユーカリエキス0.00001〜1質量%を含有する育毛剤組成物が提案されている。
さらに、上記の皮膚浸透性促進効果を有するとともにとともに、人体皮膚に塗布した場合のベタツキ不快感を抑制する作用効果を奏する外用剤を提供する。
本発明の外用剤において、前記溶媒は、前記ラウロマクロゴールの含有において水を含有してなる、ことを特徴とする。
この測定した人工皮膚膜浸透量が人体皮膚浸透量と相関性があることを前提として、この人工皮膚膜透過試験により人体皮膚浸透性を評価した。
この構成により、[効果イ:ミノキシジルの皮膚浸透性促進効果:人体皮膚に類似の人工皮膚膜に塗布した場合に、ミノキシジルの人工皮膚膜透過性を高め、人工皮膚膜透過の改善及び/又は人工皮膚膜透過の促進等の人工皮膚膜透過性促進効果を奏するミノキシジル含有外用剤が得られる。すなわち、本発明の構成のミノキシジルを含有する外用剤を人体皮膚に塗布した場合に、ミノキシジルの皮膚浸透性を高め、皮膚浸透の改善及び/又は皮膚浸透の促進等のミノキシジルの皮膚浸透性促進効果]を期待できる外用剤が得られる。
この構成により、前述の[効果イ:ミノキシジルの皮膚浸透性促進効果]を更に著しく向上した[効果ロ:ミノキシジルの皮膚浸透性促進効果の増加効果:人体皮膚に類似の人工皮膚膜に塗布した場合に、ミノキシジルの人工皮膚膜透過性を更に高め、人工皮膚膜透過の改善及び/又は人工皮膚膜透過の促進等の人工皮膚膜透過性促進効果を更に向上する「ミノキシジルの皮膚浸透性促進効果の増加効果」]を期待できる外用剤が得られる。
すなわち、ラウロマクロに加えてグリセリンを含有するミノキシジル含有外用剤において、グリセリンはミノキシジルの皮膚浸透促進剤補助剤としての機能を奏する。
ラウロマクロゴーに加えてグリセリンを含有するミノキシジル含有外用剤は、グリセリンを含有しなくラウロマクロゴールのみを含有するミノキシジル含有外用剤よりも、更に優れたミノキシジルの人工膜透過を促進する効果を奏する。
ミノキシジルは優れた養毛作用及び/又は育毛作用を奏することが知られている。
ミノキシジルの物性は、THE MERCK INDEX 第13版によると、融点248℃の固体であり、エタノールへの溶解性29mg/ml、2−プロパノールへの溶解性6.7mg/ml、水への溶解性2.2mg/ml、プロピレングリコールへの溶解性75mg/ml、の溶解性を有する固体である。すなわち、ミノキシジルは、エタノールに29mg/ml程度の溶解性を有し、水にはわずかに溶ける性質を有する。
前述の公知文献により、この範囲内のミノキシジルを含有する外用剤は、優れた脱毛予防、育毛、発毛等の効果を奏することが知られている。ミノキシジルの含有割合が少なくなるに従って、育毛等の効果が低下する傾向にある。
ミノキシジルの含有割合が0.2重量%未満の外用剤の場合には、育毛等の効果が低下していく傾向があり、ミノキシジルの含有割合が10重量%を超える外用剤の場合には、人体に悪影響を及ぼす副作用が発生することが予想される。
このような観点において、本発明においては、望ましいミノキシジルの含有割合は0.2重量%〜10重量%の範囲である。
本発明のミノキシジルを含有する外用剤において、ラウロマクロゴールは、ミノキシジルを皮膚に効率良く浸透させる皮膚浸透促進剤として作用する。
皮膚浸透促進剤としてラウロマクロゴールを含有するミノキシジル含有外用剤は、ラウロマクロゴールを含有しないミノキシジル含有外用剤と比べて、ミノキシジルの皮膚浸透性を高め、皮膚浸透の改善及び/又は皮膚浸透の促進等の皮膚浸透促進作用効果が期待できる。
ラウロマクロゴールは、ラウリルアルコールに酸化エチレンを付加重合させて得られる化学構造を有し、ポリオキシエチレンラウリルエーテルとも呼ばれ、付加重合された酸化エチレン基(ポリオキシエチレン基とも言う)の付加モル数により、数種類のラウロマクロゴールが製品化されて入手できる。例えば、2モルの酸化エチレン基を有するラウロマクロゴール(化粧品成分表示名称:ラウレス−2)、約4モルの酸化エチレン基を有するラウロマクロゴール(化粧品成分表示名称:ラウレス−4)、6モルの酸化エチレン基を有するラウロマクロゴール(化粧品成分表示名称:ラウレス−6)、9モルの酸化エチレン基を有するラウロマクロゴール(化粧品成分表示名称:ラウレス−9)、21モルの酸化エチレン基を有するラウロマクロゴール(化粧品成分表示名称:ラウレス−21)、25モルの酸化エチレン基を有するラウロマクロゴール(化粧品成分表示名称:ラウレス−2b)等がある。
本発明に含有されるラウロマクロゴールの種類としては、特に限定されなく、上記の種々のラウロマクロゴールが実施可能である。
約9モル以下の酸化エチレン基を有するラウロマクロゴールは極めて水に溶けやすく、10モル以上の酸化エチレン基を有するラウロマクロゴールはモル数が多くなるに従って、水への溶解性が低下していく傾向があるが、一般にラウロマクロゴールは水に溶けやすい性質を有する。
ラウロマクロゴールのグリセリンに対する溶解性の公知資料は見付からなかったが、発明者らの実験によれば、液状〜半流動性の2gのラウロマクロゴール(9モルの酸化エチレン基を含有するポリオキシエチレンラウリルエーテル:ラウレス−9)は、常温で、10gのグリセリンに溶解することを確認している。
液状〜半流動性の2gのラウロマクロゴール(ラウレス−9)は、常温で、8gのグリセリンと2gのエタノールとを混合して粘性を低くした混合溶媒に容易に溶解することを確認している。
半固形状の2gのラウロマクロゴール(25モルの酸化エチレン基を含有するポリオキシエチレンラウリルエーテル:ラウレス−25)は、約50℃に昇温状態で、グリセリン、の10gに容易に溶解することを確認している。
ラウロマクロゴールの人体に与える副作用としては、特別なものは知られていない。
また、後述するが、発明者らの実験により、ミノキシジルは水単体に僅かに溶解できる(公知データ:THE MERCK INDEX:水への溶解性2.2mg/ml)が、しかしながら、ラウロマクロゴールと所定量の水とを混合した水・ラウロマクロゴール混合液剤は、ラウロマクロゴール単体又は水単体よりも、多量のミノキシジルを溶解できることを見出した。
ラウロマクロゴールの含有量が、0.2重量%を超えて約6重量%までの範囲において、ラウロマクロゴール含有量が多くなるに従ってミノキシジルの人工皮膚膜透過促進作用は増加していき、ラウロマクロゴールの含有量が約6重量%を超えて約10重量%までの範囲においてラウロマクロゴール含有量が多くなるに従ってミノキシジルの人工皮膚膜透過促進作用は緩やかな増加傾向になる。そして、ラウロマクロゴールの含有量が10重量%を超える場合には、更に緩やかな人工皮膚膜透過促進効果の増加傾向になり、略一定の人工皮膚膜透過促進効果になる。すなわち、ラウロマクロゴールの約10重量%以下の含有量において充分なミノキシジル皮膚透過促進作用を奏する。
ラウロマクロゴールの含有量が、組成物の全量に対して、0.2重量%未満の場合には、ミノキシジルの皮膚透過を促進する効果が充分に発揮されない傾向があり、充分な[効果イ:ミノキシジルの皮膚浸透性促進効果]が得られない傾向がある。
本発明のミノキシジルを含有する外用剤において、皮膚浸透促進剤としてのラウロマクロゴールに加えて、更に、グリセリンを含有するミノキシジル含有外用剤が実施可能である。グリセリンは、皮膚浸透促進剤としてのラウロマクロゴールと一緒に含有されるミノキシジル含有外用剤において、ミノキシジルの皮膚浸透性を更に効率良く促進させる皮膚浸透促進剤補助剤としての機能を奏することを見出した。
皮膚浸透促進剤としてラウロマクロゴールに加えて、更に皮膚浸透促進剤補助剤としてグリセリンを含有するミノキシジル含有外用剤は、ラウロマクロゴールのみを含有するミノキシジル含有外用剤、又は、ラウロマクロゴールを含まなくグリセリンのみを含有するミノキシジル含有外用剤と比較して、優れた人工皮膚膜透過促進作用効果を奏する。
すなわち、ラウロマクロゴールと、更に皮膚浸透促進剤補助剤としてのグリセリンを含有するミノキシジル含有外用剤は、前述の[効果イ:ミノキシジルの皮膚浸透性促進効果]を有するとともに、その[効果イ:ミノキシジルの皮膚浸透性促進効果]を更に著しく向上した[効果ロ:ミノキシジルの皮膚浸透性促進効果の増加効果:人体皮膚に類似の人工皮膚膜に塗布した場合に、ミノキシジルの人工皮膚膜透過性を更に高め、人工皮膚膜透過の改善及び/又は人工皮膚膜透過の促進等の人工皮膚膜透過性促進効果を更に向上して「ミノキシジルの皮膚浸透性促進効果の増加効果」]を期待できる外用剤が得られる。
すなわち、グリセリンは、グリセリンとラウロマクロゴールとの併用による皮膚浸透促進剤補助剤としての機能とミノキシジルを溶解する溶媒機能との双方の機能を有する。
グリセリンの含有量が組成物の全量に対して2〜30重量%である構成において、ミノキシジルが溶解された外用剤が得られるとともに、前述の[効果イ:ミノキシジルの皮膚浸透性促進効果]、[効果ロ:ミノキシジルの皮膚浸透性促進効果の増加効果]に加えて、更に、[効果ハ:皮膚塗布使用時ベタツキ不快感抑制効果:ミノキシジル含有外用剤を人体皮膚に塗布した場合における高い粘性を有するグリセリンに起因するベタツキ感・ネバネバ感・粘々感等のベタツキ不快感を抑制する皮膚塗布使用時ベタツキ不快感抑制効果]の効果が得られる。
グリセリンの含有量が30重量%を超える場合には、外用剤を人体皮膚に塗布した時に、高い粘性を有するグリセリンに起因するベタツキ感やネバネバ感(粘々感)が発生する傾向が認められ、充分な[効果ハ:使用時ベタツキ不快感抑制効果]が得られない傾向がある。
この含有割合の構成により、ミノキシジルが溶解された外用剤が得られるとともに、前述の[効果イ:ミノキシジルの皮膚浸透性促進効果の増加効果]、[効果ロ:ミノキシジルの皮膚浸透性促進効果の増加効果]、及び、[効果ハ:皮膚塗布使用時ベタツキ不快感抑制効果]の効果が得られる。
この含有割合範囲を有する外用剤は、前述のラウロマクロゴールの含有量が組成物の全量に対して0.2〜10重量%である外用剤又はグリセリンの含有量が組成物の全量に対して2〜30重量%である外用剤と比べて、[効果イ:ミノキシジルの皮膚浸透性促進効果]、[効果ロ:ミノキシジルの皮膚浸透性促進効果の増加効果]、が得られるとともに、特に、皮膚に塗布して使用した時にベタツキ感やネバネバ感等の不快感が更に抑制された[効果ハ:使用時ベタツキ不快感抑制効果]の更に優れた効果が得られる。
ラウロマクロゴールの含有量が10重量%を超える場合には、ラウロマクロゴールの含有量の増加に比例するミノキシジルの皮膚浸透促進効果が得られなくなり、また、何らかの副作用の発生の懸念がある。
グリセリンの含有量が30重量%を超える場合には、外用剤を人体皮膚に塗布した時に、高い粘性を有するグリセリンに起因するベタツキ感やネバネバ感(粘々感)の発生が認められ、充分な[効果ハ:使用時ベタツキ不快感抑制効果]が得られない傾向がある。
本発明の外用剤において、低級アルコールはミノキシジルを溶解可能な溶媒としての機能を奏する。また、低級アルコールは、ラウロマクロゴールを任意の割合で溶解及び/又は分離なく混和可能である。
低級アルコールとしては、特に限定されないが、エタノールとプロピルアルコールのうちの少なくとも一つが望ましい。
エタノールは、化粧料等の外用剤の溶媒・溶剤として広く使用されている。エタノールは、ミノキシジルを29mg/mlの割合で溶解できる性質を有する(前述のTHE MERCK INDEXに記載)。第十五改正日本薬局方(日本公書協会編集、平成18年4月25日株式会社じほう発行)に記載されているように、エタノールは、無色澄明の低い粘性を有する液体であり、沸点78〜79℃であって、グリセリンと任意の割合で混和して混合溶媒とすることができ、また、水とも混和する性質を有する。
また、エタノールは、水が存在すると殺菌性を奏する作用がある化粧品原料辞典(中央印刷株式会社、平成3年11月29日発行)。なお、無水エタノールに替えて、エタノールと水とより成る薄められた約95%体積エタノールも使用可能である。
2−プロパノールは、イソプロピルアルコール、プロパン−2−オール、sec−プロピルアルコールとも命名され、沸点約82℃、融点約−90℃、粘度1.77mPas(30℃)の常温で無色の低い粘性を有する液体であり、水及び/又はグリセリンと任意の割合で互いに混和して、混合溶媒とすることができる。
1−プロパノールは、沸点約98℃、融点約−126℃、粘度約1.94mPas(30℃)の常温で無色の液体であり、水及び/又はグリセリンと任意の割合で互いに混和して、混合媒体として使用することができる。
ラウロマクロゴールを含有するとともに30〜60重量%の範囲の低級アルコールを含有する外用剤において、低級アルコールはラウロマクロゴールとミノキシジルを容易に溶解可能であるとともに、ラウロマクロゴールとミノキシジルとか低級アルコール溶媒中に溶解していることに起因して前述の[効果イ:ミノキシジルの皮膚浸透性促進効果]を効率よく発揮することが可能となる。
低級アルコールが60重量%を超える場合には、外用剤が人体皮膚に塗布された時に、引火しやすく火災発生に注意を有する。
本発明の外用剤において、ミノキシジルとラウロマクロゴールに加えて、さらに、水を含有してなるミノキシジル含有外用剤が実施可能である。
水としては、特に限定されないが、精製水が望ましい。精製水として、例えば、局方の常水を、蒸留により精製した精製水、イオン交換樹脂を通して精製した精製水、又は、超ろ過により精製した精製水が望ましい。「精製水」は「純水」とも呼ばれる。前述の化粧品原料辞典には、「精製水は、無色透明で、におい(匂い又は臭い)が無く、味も無く、pHが5.0〜7.0の液体である」が記載されている。また、水は人体に優しく、人体皮膚に塗布した場合、保湿作用を奏する。また、水は、エタノール等の低級アルコール等の可燃性液体と一緒に含有する組成物において、低級アルコールの発火や燃焼を抑制する作用も奏する。
水は、低級アルコール及び/又はグリセリンに任意の割合で、互いに混和して、透明な澄明な混合媒体を得ることができる。
また、水は、低級アルコールには任意の割合で溶解及び/又は分離なく混和可能であり、所定の割合の水と低級アルコールとを含有する液剤は、ミノキシジルを溶解できるとともに、ラウロマクロゴールをも溶解可能であり、ミノキシジルとラウロマクロゴールとが溶解されてなる外用剤が得られる。
また、水は、低級アルコールとグリセリンには任意の割合で溶解及び/又は分離なく混和可能であり、所定の割合の水と低級アルコールとグリセリンを含有する液剤は、ミノキシジルを溶解できるとともに、ラウロマクロゴールをも溶解可能であり、ミノキシジルとラウロマクロゴールとが溶解されてなる外用剤が得られる。
発明者の実験において、水はラウロマクロゴールと所定の割合で分離なく混合して、混和した混合液体が得られる。
発明者は、種々の実験により、ミノキシジルはラウロマクロゴール単体にほとんど溶解しないが、しかしながら、ラウロマクロゴールと所定量の水とを混合した混合液剤は、ラウロマクロゴール単体又は水単体よりも多量のミノキシジルを溶解できることを見出した。
例えば、発明者の実験によると、50℃に加温したラウロマクロゴール(ラウレス−9)10gにミノキシジル0.1gを添加した場合、ミノキシジルは殆ど溶解しなかった。また、50℃に加温した水10gにミノキシジル0.1gを添加した場合、ミノキシジルは殆ど溶解しなかった。これに対して、50℃に加温した水10gとラウロマクロゴール(ラウレス−9)0.5gとの混合液剤にミノキシジル0.1gを添加した場合、ミノキシジルは完全に溶解し、その溶解したミノキシジル溶液を25℃の常温に降温した状態においても、ミノキシジルの析出などが認められなく、溶解状態を維持していることを確認した。すなわち、水は、ラウロマクロゴールの含有により、水単体よりも多量のミノキシジルを溶解する機能を奏することを見出した。
水は、所定の割合の低級アルコールと混合した液剤において、所定量のミノキシジルを溶解できる利点がある。しかしながら、水の含有割合が多くなりすぎる場合には、ミノキシジルが完全に溶解されない傾向があり、その結果、溶解しているミノキシジルの含有率が低下して、ミノキシジルの皮膚浸透量が低下する等の不具合が生じる場合がある。
この範囲の水を含有するラウロマクロゴール・ミノキシジル含有外用剤において、ミノキシジルとラウロマクロゴールとが完全に溶解されるとともに、前述の[効果イ:ミノキシジルの皮膚浸透性促進効果]を効率よく発揮する外用剤が得られる。
55重量%を超える水を含有する外用剤において、低級アルコールやグリセリンの含有量の如何によっては、ミノキシジルが完全に溶解されない傾向がある。
本発明の外用剤において、更に望ましい外用剤について説明する。
本発明の外用剤において、ミノキシジルとラウロマクロゴールとグリセリンと低級アルコールと水とを含有し、ミノキシジルとラウロマクロゴールとグリセリンと低級アルコールと水は互いに溶解及び/又は分離なく混和されてなる溶解混和状態を有する外用剤が、特に望ましく実施可能である。
この構成において、前述の[効果イ:ミノキシジルの皮膚浸透性促進効果]を期待できるとともに、さらに、[効果イ]に加えて、前述の[効果ロ:ミノキシジルの皮膚浸透性促進効果の増加効果]を期待できる外用剤が得られる。
ラウロマクロゴールはミノキシジルを殆ど溶解しないが、ラウロマクロゴールは、外用剤の中に溶解又は分離なく混和してミノキシジルの皮膚浸透促進剤としての機能に加えて、前述のように水の存在状態において所定量のミノキシジルを溶解できる機能をも有する。
低級アルコールは、ミノキシジルを溶解可能な溶媒としての機能、及び、高い粘性を有するグリセリンの粘性を下げることによるミノキシジルを溶解しやすくする機能を有する。
グリセリンは、ミノキシジルを高濃度で溶解できる性質を有するが、しかしながら、粘性が低級アルコールに比べて高く、例えば、グリセリンにミノキシジルを溶解させるためには、長時間を要する傾向がある。これに対して、高い粘度・粘性を有するグリセリンと、比較的低い粘度・粘性を有する低級アルコールとを混合した混合溶媒は、グリセリン単独よりも低い粘度・粘度を有するようになり、容易に、ミノキシジルを溶解したミノキシジル含有外用剤を得ることが可能となる。すなわち、粘度の高いグリセリンに粘度の低いエタノールを添加した混合溶媒は、粘度が低くなり、ミノキシジルを常温においても容易に溶解できる。
この構成により、上記の「効果イ:ミノキシジルの皮膚浸透性促進効果」を期待できるとともに、更に、上記[効果ロ:ミノキシジルの皮膚浸透性促進効果の増加効果]、及び、[効果ハ:使用時ベタツキ不快感抑制効果]、更に、使用取扱い時におけるエタノールの蒸発に起因する引火・燃焼の発生が抑制される、等の、実用上の状態を勘案して優れた効果を奏するミノキシジル含有外用剤が得られる。
本発明のミノキシジル含有外用剤において、さらに、ベンジルアルコール、ユーカリ油、l−メントール、pH調節剤、変色防止剤、などの添加助剤を含有するミノキシジル含有外用剤も実施可能である。
ベンジルアルコールは第二皮膚浸透促進剤補助剤としての機能を奏し、ユーカリ油は育毛補助剤及び/又は香料としての機能を奏し、l−メントールは清涼化剤としての機能を奏する。
本発明において、更に、ベンジルアルコールを含有するミノキシジル含有外用剤も実施可能である。
ラウロマクロゴールに加えてベンジルアルコールを含有するミノキシジル含有外用剤は、ラウロマクロゴールのみを含有するミノキシジル含有外用剤、又は、ベンジルアルコールのみを含有するミノキシジル含有外用剤、又は、ラウロマクロゴールとグリセリンとを含有するミノキシジル含有外用剤などと比較して、人工皮膚膜に塗布後、約1〜3時間後の短時間経過後におけるミノキシジル透過量が増加し、優れた人工皮膚膜透過促進作用効果を奏する。すなわち、ベンジルアルコールは、ラウロマクロゴールの皮膚浸透促進剤としての機能において、第二皮膚浸透促進剤補助剤としての機能を奏する。
ベンジルアルコールは、その濃度や量に依存して、皮膚に付着した場合には、皮膚をやや刺激する性質があり、また、人によっては、その濃度に依存してアレルギー性接触皮膚炎が生じると言われている。従って、一般的に、このような副作用の観点において、できる限り少量の添加含有が望ましい。
この構成により、上記の「効果イ:ミノキシジルの皮膚浸透性促進効果」を期待できるとともに、更に、上記[効果ロ:ミノキシジルの皮膚浸透性促進効果の増加効果]、及び、[効果ハ:使用時ベタツキ不快感抑制効果]、更に、[使用取扱い時におけるエタノールの蒸発に起因する引火・燃焼の発生が抑制される]、に加えて、[外用剤の人工皮膚膜塗布後の短時間経過後のミノキシジルの浸透性を促進する効果が著しく発揮される]等の、実用上の状態を勘案して、優れた効果を奏するミノキシジル含有外用剤が得られる。
前述の第十五改正日本薬局方の記載によると、ユーカリ油は、無色〜微黄色で、特異な芳香を有し、中性の液であり、薄めたエタノールに澄明に混和する。また、ユーカリ油を含有する外用剤は育毛等の効果を奏することが一般に知られている。また、予備実験によると、ユーカリ油は、水に溶け難く、水とは分離する性質を有する。
本発明の、ミノキシジル含有外用剤において、さらに、ユーカリ油を含有する外用剤も実施可能である。ユーカリ油の含有量は特に限定されないが、例えば、外用剤の組成物の全量に対して、0.001〜1重量%のユーカリ油を含有する外用剤が実施可能であり、特に望ましくは、0.01〜0.1重量%のユーカリ油を含有する外用剤が更に望ましい。
ミノキシジルがグリセリン・エタノール・水の混合液剤に均一に溶解されて混合されてなる外用剤において、ユーカリ油が含有された外用剤においても、ユーカリ油は分離することなく、均一に溶解・混和された外用剤が得られる。
ユーカリ油の含有量が1重量%を超える場合には、外用剤を人体に塗布した時に、ユーカリ油に起因する特異な芳香の強度が著しく強くなり、使用する人によっては不快感を感じる等の弊害を生じる傾向がある。
第十五改正日本薬局方の記載によると、l−メントールは無色の結晶で、エタノールに極めて溶けやすく、水に溶けにくく、室温で徐々に昇華する性質を有する。
ミノキシジルが外用剤に溶解されて混合されてなる外用剤において、さらに、l−メントールを含有する外用剤が実施可能である。l−メントールの含有量は、特に限定されないが、例えば、外用剤の組成物の全量に対して、0.001〜1重量%のl−メントールを含有する外用剤が実施可能であり、特に望ましくは、0.01〜0.1重量%のl−メントールを含有する外用剤が更に望ましい。
これにより、(効果リ)外用剤を人体に塗布した時に、爽快感、清涼感などの使用感を向上する」という作用効果が得られる。
l−メントールの含有量が1重量%を超える場合には、外用剤を人体に塗布した時に、l−メントールに起因して皮膚に対して刺激感を強く感じる傾向があり、使用する人によっては逆に不快感を感じる等の弊害を生じる場合がある。
ミノキシジルが外用剤に溶解されてなるミノキシジル含有外用剤において、長期間、その外用剤を保管した場合、外用剤が黄色〜褐色に変色する傾向がある。変色の原因としては、溶解されているミノキシジルの何らかの劣化に起因することが想到される。
本発明の、ミノキシジルが外用剤に溶解されて混合されてなる外用剤において、さらに、変色防止剤を含有する外用剤が実施可能である。変色防止剤としては、特に限定されないが、例えば、ジブチルヒドロキシトルエン、ベンゾトリアゾール、グルコノラクトン、チモール、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、及び、ポリソルベートからなる群から選ばれる少なくとも一つが実施できる。
変色防止剤の含有量は、特に限定されないが、変色防止剤の種類によって変動し、例えば、組成物の全量に対して、0.05〜2.0重量%が実施可能であり、更に望ましくは、0.1〜1.0重量%である。変色防止剤の含有量が0.05重量%未満の場合は、外用剤の変色・変色を抑制する効果が少なくなる傾向がある。変色防止剤の含有量が2.0重量%を超える場合は、使用する変色防止剤の種類によっては、人体に有害な副作用が生じる場合がある。従って、変色防止剤の含有量は変色防止効果を発揮できる最少含有量に設定することが望ましい。
一般に、人体の皮膚(肌、皮膚膜)のpHは約4.5〜約6.5の弱酸性であり、健康な皮膚のpHは約5.5前後であり、また、人体皮膚には本来、自然に弱酸性を保つことのできる自己浄化作用が備わっていると言われている。例えば、pH9.5〜10.5程度の弱アルカリ性の石鹸で皮膚を洗浄した場合でも、皮膚の機能が正常に作用することにより、約10分〜約3時間程度で弱酸性に戻ると言われている。
皮膚を洗浄する石鹸は、弱アルカリ性を有するものが一般であり、弱アルカリ性の洗浄剤で、一時的に肌を柔らかくして肌に弾力性を与え、老廃物である角質や雑菌等を落とすという作用もあると言われている。また、酸性化粧品は、肌が引き締まる作用及び汗や皮脂の分泌を抑制する作用があり、弱アルカリ化した肌を正常な弱酸性肌に戻す作用があると言われている。
pH調節剤としては、特に限定されないが、例えば、クエン酸、リンゴ酸、酢酸、乳酸、コハク酸、マレイン酸、リン酸、塩酸、硫酸、及び、水酸化ナトリウムからなる群から選ばれる少なくとも一つが実施可能である。
望ましいpHの値は、特に限定されることなく、例えば、ミノキシジル含有外用剤を人体皮膚に塗布した時に、ミノキシジルの皮膚浸透作用が妨げられなく、さらに、皮膚の刺激・損傷などの不快感を与えないようなpH値が実施できる。例えば、pHが5〜9の範囲である外用剤が実施できる。
pHが7.1未満の場合には、人体皮膚に近いpHであるために皮膚に優しく皮膚を傷めないという利点が想到されるが、しかしながら、皮膚を柔らかくする作用に劣るために、ミノキシジル有効成分を皮膚内部の毛乳頭にまで浸透させる効果が低下し、そのために、育毛等の作用を促進するという効果が低下していく傾向があることが想到される。また、pHが9.0を超える場合には、人体皮膚を傷める等の不利益が生じる傾向が想到される。なお、pHが7.1〜8.1の範囲である外用剤を人体皮膚に塗布した時に、一時的に、皮膚が柔らかくなり、ミノキシジル有効成分を皮膚内部に浸透させるが、その後、数時間以内に、肌のpHは、自然に、弱酸性のpH5.5前後に戻るために、人体肌に副作用等の影響を与えないことが想到される。
例えば、pH調節剤として、組成物の全量に対して、0.005〜2.0重量%のクエン酸が使用可能である。第十五改正日本薬局方の記載によると、クエン酸は、無色の結晶又は結晶性粉末であり、水に極めて溶けやすく、エタノールに溶けやすい性質を有する。従って、ミノキシジルが本外用剤に溶解されたミノキシジル含有外用剤に添加使用した場合においても、容易に溶解して、所望のpH値を有する外用剤を調製できる。
本発明の外用剤の製造方法は、ミノキシジルとラウロマクロゴールとグリセリンと溶媒と添加助剤とを含有する外用剤の製造方法であって、前記溶媒はエタノールと水とのうちの少なくとも一つの溶媒であり、前記添加助剤は、ベンジルアルコール、PH調節剤、変色防止剤、メントール、及び、ユーカリ油からなる群から選ばれる少なくとも一つの添加助剤であり、(a)ミノキシジルとラウロマクロゴールとグリセリンと溶媒とが互いに溶解及び/又は分離なく混和されてなる溶解混和状態を有する第一混合溶液を調製する工程、及び、(b)前記第一混合溶液と、添加助剤とを混合して、互いに溶解及び/又は分離なく混和されてなる溶解混和状態を有する外用剤を調製する工程、を備えることを特徴とする。
そして、本発明の外用剤の製造方法により製造された外用剤は、前述の、[効果イ:ミノキシジルの皮膚浸透性促進効果]及び[効果ロ:ミノキシジルの皮膚浸透性促進効果の増加効果]を期待できる外用剤が得られる。
(典型的実施例1)
本実施例は、ミノキシジルとラウロマクロゴールとグリセリンと溶媒と添加助剤とを含有し、溶媒としてのエタノール(低級アルコール)と水とを含有し、前記添加助剤は、ベンジルアルコール、PH調節剤としてのクエン酸、変色防止剤としてのジブチルヒドロキシトルエン、清涼化剤としてのメントール、及び、育毛補助剤・香料としてのユーカリ油を含有する。
ミノキシジルの含有量が5g(ミノキシジル含有外用剤の全量に対して約5重量%)を含有し、ラウロマクロゴール含有量を替えた種々のミノキシジル含有外用剤の試料を調製した。但し、ラウロマクロゴールの含有量の変動に対応して水の含有量を変動したそれぞれの試料を調製した。ラウロマクロゴールとしては9モルの酸化エチレン基を有するラウロマクロゴール(化粧品成分表示名称:ラウレス−9:日光ケミカルズ株式会社製商品名NIKKOL BL−9)を使用した。
得られたそれぞれの試料について、外用剤の溶解状態・混和状態、人体皮膚に塗布した場合のベタツキ感(ネバネバ感)の有無、及び、ミノキシジルの人工皮膚膜透過量を測定した。
次に、室温の約25℃において、樹脂製容器の中に、所定量のグリセリンとエタノールを投入し、攪拌混合し、それにより、分離なく均一に混和された混合液剤を調製する。次に、そのグリセリンとエタノールとの混合液剤に、固体状ミノキシジルを添加し、溶解して、それにより、ミノキシジルが溶解された液剤を調製し、次に、水を添加して、攪拌混合し、それにより、分離なく均一に混和されたミノキシジル・グリセリン・エタノール・水・混合溶液を調製する。
別途、別の樹脂製容器の中に、エタノールにジブチルヒドロキシトルエン(BHT)を添加し混合して、ジブチルヒドロキシトルエン含有エタノール溶液を調製する。
別途、クエン酸を水に溶解したクエン酸水溶液を調製する。
そして、前記ミノキシジル・グリセリン・エタノール・水・混合溶液に、ユーカリ油、前記メントール含有エタノール溶液、前記ジブチルヒドロキシトルエン含有エタノール溶液、前記クエン酸水溶液を混合する。
このようにして、ミノキシジル、グリセリン、エタノール、水、ユーカリ油、メントール、ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)、クエン酸を含有する標準ミノキシジル含有外用剤を調製する。
このようにして、表1に示すような、所定量の、ミノキシジル、グリセリン、エタノール、水、ユーカリ油、l−メントール、ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)、クエン酸に加えて、皮膚浸透促進剤としてのラウロマクロゴールの含有量を変えた種々のミノキシジル・ラウロマクロゴー含有外用剤を調製した。
これらの実施結果を表1に示す。表1において、含有成分の配合量の単位は「g」である。
得られたそれぞれの外用剤について、調製後の含有成分の混和性、及び、ミノキシジルの溶解性を目視で観察した。
調製したそれぞれの外用剤を人体の頭に塗布した時のベタツキ感を手の感触で確認した。
得られたそれぞれのミノキシジル含有外用剤について、第17改正・日本薬局方解説書・B一般試験法・「皮膚に適用する製剤の放出試験法」の「縦型拡散セル法」に準じて、縦型フランツセル人工皮膚膜透過試験により、ミノキシジル含有外用剤について、ミノキシジルの人工皮膚膜浸透量を測定して、含有されているラウロマクロゴール(皮膚浸透促進剤)のミノキシジルの皮膚浸透性に与える効果・影響を評価した。
測定したミノキシジルの人工皮膚膜浸透量が人体皮膚浸透量と相関性があることを前提として、この人工皮膚膜透過試験により人体皮膚浸透性を評価した。
ミノキシジル標準溶液の調製:ミノキシジル20mgを量り、エタノールを加えて100mLとする。この液10mLにPBS(リン酸カルシウム・バッファ液)を加えて20mLとする。この5mLにPBSを加えて25mLとする。この液2mLにPBSを加えて20mLとする。この液1mLにPBSを加えて10mLとする。このようにして、ミノキシジル含有濃度が0.1μg/mLのミノキシジル標準溶液を調製する。
各種のミノキシジル含有外用剤・試料溶液の調製:縦型拡散セル(有効面積1.766平方センチメータ)のレシーバ内に,撹拌子を入れ、所定の人体皮膚に類似の人口皮膚膜を装着し、パッキンを挟むようにして拡散セルのドナーをのせ、パラフィンを巻き付けて、固定グリップで挟み、撹拌セルを組み立てる。レシーバ側に注射器でPBSを注入し、温度32℃の温水を還流させながら、マグネティクスターラにより500rpmで撹拌する。ドナーの上部から試料15μLを添加する。試料添加後、所定時間後(例えば、1時間後、2時間後、3時間後、5時間後)にレシーバ側から200mLを採取する。採取後、直ちに、新たなPBS200mLを補充する。このようにして、各種の「ミノキシジル含有外用剤・試料溶液」を調製する。この試料を直ちに冷蔵庫で保管する。
このようにして、それぞれのミノキシジル含有外用剤・試料溶液について、所定時間後のミノキシジルの人工皮膚膜透過量を測定する。すなわち、一定量のミノキシジル(典型的実施例1においては、5gのミノキシジル)を含有するミノキシジル含有外用剤において、ラウロマクロゴールの含有量変化に対するミノキシジル透過量の経時変化を測定した。
それぞれのミノキシジル含有外用剤について、1〜3個の試料を作成して試験を行い、その平均値をミノキシジル透過量として算出した。
試料1〜8において、ミノキシジル及びラウロマクロゴールは溶媒に溶解され、それぞれの試料は混和された透明で澄明な液状を有する。
試料1〜8において、外用剤を人体皮膚に塗布した場合におけるベタツキ感は認められない。
3〜5時間後のミノキシジル透過量において、約0.5重量%を超えて約4重量%までのラウロマクロゴール含有量を含有する試料(試料3〜5)は、ラウロマクロゴール含有量に対するミノキシジル透過量の増加幅が大きく、ラウロマクロゴール含有量が約6重量%(試料6)を超えて多くなるに従って、ミノキシジル透過量は緩やかに増加する。
5時間後のミノキシジル透過量において、ラウロマクロゴールを含有しない試料(試料1)と比べて、約2重量%のラウロマクロゴールを含有する試料(試料4)は5.2倍のミノキシジル透過量であり、約4重量%のラウロマクロゴールを含有する試料(試料5)は11.2倍のミノキシジル透過量であり、著しい透過促進効果を有する。
5時間後のミノキシジル透過量において、ラウロマクロゴールを含有しない試料(試料1)と比べて、約6重量%のラウロマクロゴールを含有する試料(試料6)は12.8倍のミノキシジル透過量であり、約10重量%のラウロマクロゴールを含有する試料(試料7)は13.8倍のミノキシジル透過量であり、約15重量%のラウロマクロゴールを含有する試料(試料8)は14.0倍のミノキシジル透過量であり、ラウロマクロゴール含有量が約10重量%を超えて多く含有するに従ってミノキシジル透過量の増大は緩やかになる。
すなわち、ラウロマクロゴールを含有するミノキシジル含有外用剤を、人体頭部の皮膚に塗布した場合に、ミノキシジルの皮膚浸透性が促進されることが推測でき、期待できる。
本実施例は、ミノキシジルの含有量が5g(ミノキシジル含有外用剤の全量に対して約約5重量%)及びラウロマクロゴール4g(ミノキシジル含有外用剤の全量に対して約4重量%)を含有し、グリセリン含有量を替えた種々のミノキシジル含有外用剤の試料を調製した。但し、グリセリンの含有量の変動に対応して水の含有量を変動したそれぞれの試料を調製した。
次に、室温の約25℃において、樹脂製容器の中に、所定量のエタノールを投入し、そのエタノールに、固体状ミノキシジルとラウロマクロゴールとを添加し、溶解して、それにより、ミノキシジルとラウロマクロゴールが溶解された液剤を調製し、分離なく均一に混和されたミノキシジル・ラウロマクロゴール・エタノール・混合溶液を調製する。
別途、別の樹脂製容器の中に、エタノールにジブチルヒドロキシトルエン(BHT)を添加し混合して、ジブチルヒドロキシトルエン含有エタノール溶液を調製する。
別途、クエン酸を水に溶解したクエン酸水溶液を調製する。
そして、前記ミノキシジル・ラウロマクロゴール・エタノール・混合溶液に、ユーカリ油、前記メントール含有エタノール溶液、前記ジブチルヒドロキシトルエン含有エタノール溶液、前記クエン酸水溶液を混合する。
このようにして、ミノキシジル、ラウロマクロゴール、エタノール、ユーカリ油、メントール、ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)、クエン酸を含有する標準ミノキシジル含有外用剤を調製する。
このようにして、表2に示すような、所定量の、ミノキシジル、ラウロマクロゴール、エタノール、水、ユーカリ油、l−メントール、ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)、クエン酸に加えて、グリセリンの含有量を変えた種々のミノキシジル含有外用剤を調製した。
これらの実施結果を表2に示す。表2において、含有成分の配合量の単位は「g」である。
得られたそれぞれの試料について、外用剤の溶解状態・混和状態、人体皮膚に塗布した場合のベタツキ感(ネバネバ感)の有無、及び、典型的実施例1と同じ縦型フランツセル人工皮膚膜透過試験により、ミノキシジルの人工皮膚膜透過性を評価した。
これらの実施結果を表2に示す。
試料11〜17において、ミノキシジル及びラウロマクロゴールは溶媒に溶解され、それぞれの試料は混和された透明で澄明な液状を有する。
試料11〜16において、外用剤を人体皮膚に塗布した場合におけるベタツキ感は認められない。しかしながら、約35重量%のグリセリンを含有する外用剤(試料17)を人体皮膚に塗布した場合にベタツキ感が認められる。
それぞれの試料において、約2〜3時間後までのミノキシジル透過量は時間とともに比例して増加し、その後のミノキシジル透過量は緩やかな増加となる。
3〜5時間後のミノキシジル透過量において、約2重量%を超えて約20重量%までのラウロマクロゴール含有量を含有する試料(試料12〜15)は、グリセリン含有量に対するミノキシジル透過量の増加幅が大きく、グリセリン含有量が約20重量%(試料15)を超えて多くなるに従って、ミノキシジル透過量は緩やかに増加する。
5時間後のミノキシジル透過量において、グリセリンを含有しない試料(試料11)と比べて、約30重量%のグリセリンを含有する試料(試料16)は1.61倍のミノキシジル透過量であり、約35重量%のグリセリンを含有する試料(試料17)は1.62倍のミノキシジル透過量である。すなわち、グリセリン含有量が約30重量%を超えて多く含有するに従ってミノキシジル透過量の増加は緩やかになる。
すなわち、ミノキシジルを含有するミノキシジル含有外用剤において、ラウロマクロゴールに加えて更にグリセリンを含有したミノキシジル含有外用剤は、その外用剤を人体頭部の皮膚に塗布した場合に、ラウロマクロゴール単体を含有する外用剤と比べて、ミノキシジルの皮膚浸透性が更に促進されることが推測でき、期待できる。
また、グリセリン含有割合が約35重量%の外用剤は、人体皮膚に塗布した場合にベタツキ感が認められる。
本実施例は、ミノキシジルが約5重量%を含有し、ラウロマクロゴールに加えて、ベンジルアルコールを含有するミノキシジル含有外用剤である。
ミノキシジルが約5重量%を含有し、ラウロマクロゴールとベンジルアルコールとの双方を含有するノキシジル含有外用剤であって、ベンジルアルコールの含有量を替えたミノキシジル含有外用剤を調製した。但し、ベンジルアルコールの含有量の変動に対応して水の含有量を変動したそれぞれの試料を調製した。
次に、室温の約25℃において、樹脂製容器の中に、所定量のエタノールとグリセリンを投入し、そのエタノール・グリセリン混合溶媒に、固体状ミノキシジルとラウロマクロゴールとを添加し、溶解して、それにより、ミノキシジルとラウロマクロゴールが溶解された液剤を調製し、分離なく均一に混和されたミノキシジル・ラウロマクロゴール・エタノール・グリセリン・混合溶液を調製する。
別途、別の樹脂製容器の中に、エタノールにジブチルヒドロキシトルエン(BHT)を添加し混合して、ジブチルヒドロキシトルエン含有エタノール溶液を調製する。
別途、クエン酸を水に溶解したクエン酸水溶液を調製する。
そして、前記ミノキシジル・ラウロマクロゴール・エタノール・グリセリン・混合溶液に、ユーカリ油、前記メントール含有エタノール溶液、前記ジブチルヒドロキシトルエン含有エタノール溶液、前記クエン酸水溶液を混合する。
このようにして、ミノキシジル、ラウロマクロゴール、グリセリン、エタノール、ユーカリ油、メントール、ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)、クエン酸を含有する標準ミノキシジル含有外用剤を調製する。
このようにして、表3に示すような、所定量の、ミノキシジル、ラウロマクロゴール、エタノール、グリセリン、水、ユーカリ油、l−メントール、ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)、クエン酸に加えて、ベンジルアルコールの含有量を変えた種々のミノキシジル含有外用剤を調製した。
得られたそれぞれの試料について、外用剤の溶解状態・混和状態、人体皮膚に塗布した場合のベタツキ感(ネバネバ感)の有無、及び、典型的実施例1と同じ縦型フランツセル人工皮層膜透過試験により、ミノキシジルの人工皮膚膜透過性を評価した。
これらの実施結果を表3に示す。
比較例として、ラウロマクロゴールを含有しなく、約4重量%のベンジルアルコールのみを含有するミノキシジル含有外用剤(試料39)も調製した。
得られたそれぞれの試料について、典型的実施例1と同じ縦型フランツセル人工皮膚膜透過試験により、ミノキシジルの透過性を評価した。
これに対して、ラウロマクロゴールを約4g含有する試料31(表1の試料5)のミノキシジル含有外用剤のミノキシジル透過量は505μg/cellであり、ラウロマクロゴールを含有しない試料1の約11.2倍である。
すなわち、ラウロマクロゴールを含有しなくベンジルアルコールのみを含有するミノキシジル外用剤(試料39)は、ベンジルアルコールを含有しなくラウロマクロゴールのみを含有する試料31(表1の試料5と同じ)と比べて、ミノキシジルの透過量を促進する効果は少ない。
また、2時間経過後の透過量の倍率は、ベンジルアルコール0.03g添加含有の試料32は0.98倍、ベンジルアルコール0.1g添加含有の試料33は1.08倍、ベンジルアルコール0.5g添加含有の試料34は1.17倍であり、ベンジルアルコール1.0g添加含有の試料35は1.31倍であり、ベンジルアルコール2.0g添加含有の試料36は1.14倍である。
このように、ラウロマクロゴールに加えてベンジルアルコールを添加含有するミノキシジル含有外用剤において、人工皮膚膜に塗布後の1〜2時間の経過におけるミノキシジルの人工皮膚膜透過量は、ラウロマクロゴールのみを含有するミノキシジル含有外用剤の約1〜1.3倍の透過量を有し、ラウロマクロゴールのみを含有するミノキシジル含有外用剤と比較して、優れたミノキシジル透過を促進する効果を奏する。
ラウロマクロゴールに加えてベンジルアルコールを添加含有するミノキシジル含有外用剤は、ベンジルアルコールを含有しなくラウロマクロゴールのみを含有するミノキシジル含有外用剤と比べて、人工皮膚膜に塗布後、約1〜3時間経過後におけるミノキシジル透過量が増加し、優れた短時間経過後人工皮膚膜浸透促進作用効果を奏する。すなわち、ラウロマクロゴールと、更にベンジルアルコールとの双方の皮膚浸透促進剤を含有するミノキシジル含有外用剤は、人体皮膚に塗布した場合に、塗布後の1〜3時間後の短時間経過後のミノキシジルの皮膚浸透性を高めるミノキシジル透過量の短時間後透過促進作用効果が期待できる。
また、ベンジルアルコールの含有割合が約1.0重量%までの範囲において、その含有量に比例して優れた短時間経過後人工皮膚膜浸透促進作用効果を奏するが、一方、ベンジルアルコールの含有割合が約1.0重量%を超える範囲においては、ミノキシジル透過量の増加割合は穏やかになる傾向がある。すなわち、ラウロマクロゴールに加えて含有するベンジルアルコールの含有割合は約1.0重量%以内の含有割合において充分な短時間経過後人工皮膚膜浸透促進作用効果を奏する。
本実施例は、ミノキシジルが約1重量%、又は、10重量%を含有し、ラウロマクロゴールを含有するミノキシジル含有外用剤である。
ミノキシジルが約1重量%又は10重量%を含有し、ラウロマクロゴールの含有量を替えたミノキシジル含有外用剤を調製した。但し、ミノキシジ及びラウロマクロゴールの含有量の変動に対応して水の含有量を変動したそれぞれの試料を調製した。
調製したミノキシジル含有外用剤についての実施例の結果を表4に示す。
試料41〜48において、ミノキシジル及びラウロマクロゴールは溶媒に溶解され、それぞれの試料は混和された透明で澄明な液状を有する。
試料41〜48において、外用剤を人体皮膚に塗布した場合におけるベタツキ感は認められない。
それぞれの試料において、約2〜3時間後までのミノキシジル透過量は時間とともに比例して増加し、その後のミノキシジル透過量は緩やかな増加となる。
3〜5時間後のミノキシジル透過量において、約0.2重量%を超えて約4重量%までのラウロマクロゴール含有量を含有する試料(試料42、43、46、47)は、ラウロマクロゴール含有量に対するミノキシジル透過量の増加幅が大きく、ラウロマクロゴール含有量が約4重量%を超えて多くなるに従って、ミノキシジル透過量は緩やかに増加する。
すなわち、ラウロマクロゴールを含有するミノキシジル含有外用剤を、人体頭部の皮膚に塗布した場合に、ミノキシジルの皮膚浸透性が促進されることが期待できる。
本実施例は、ミノキシジルを含有するとともに、ラウロマクロゴールとして、2モルの酸化エチレン基を有するラウロマクロゴール(化粧品成分表示名称:ラウレス−2:日光ケミカルズ株式会社製商品名NIKKOL BL−2)、4モルの酸化エチレン基を有するラウロマクロゴール(化粧品成分表示名称:ラウレス−4:日光ケミカルズ株式会社製商品名NIKKOL BL−4)、9モルの酸化エチレン基を有するラウロマクロゴール(化粧品成分表示名称:ラウレス−9:日光ケミカルズ株式会社製商品名NIKKOL BL−9)、21モルの酸化エチレン基を有するラウロマクロゴール(化粧品成分表示名称:ラウレス−21:日光ケミカルズ株式会社製商品名NIKKOL BL−21)、25モルの酸化エチレン基を有するラウロマクロゴール(化粧品成分表示名称:ラウレス−25:日光ケミカルズ株式会社製商品名NIKKOL BL−25)、又は、低級アルコールとしてのイソプロピルアルコールを含有する外用剤である。
なお、試料56については、エタノールに替えてイソプロピルアルコールを使用した。また、試料57は、ユーカリ油、l−メントール、ジブチルヒドロキシトルエン、クエン酸、等の添加助剤を含有しない外用剤である。
得られたそれぞれの試料について、外用剤の溶解状態・混和状態、人体皮膚に塗布した場合のベタツキ感(ネバネバ感)の有無、及び、典型的実施例1と同じ縦型フランツセル人工皮膚膜透過試験により、ミノキシジルの透過性を評価した。これらの実施結果を表5に示す。
約5重量%のミノキシジル、約10重量%のグリセリン、約55重量%のエタノール、約25重量%の水などを含有する外用剤において、酸化エチレン基のモル数の異なる種々のラウロマクロゴールを含有する外用剤において、それぞれの外用剤の溶解性混和性は良好であり、人体皮膚に塗布時のベタツキ感は認められない。
また、人工皮膚膜透過試験によるミノキシジルの透過量試験結果において、ラウロマクロゴールを含有する外用剤(試料52〜56)は、ラウロマクロゴールを含有しない外用剤(試料51)に比べて、より多くのミノキシジル透過量を奏し、5時間後のラウロマクロゴールを含有しない外用剤(試料51)に対するミノキシジル透過量の倍率は、5.3〜11.2倍である。
ユーカリ油、l−メントール、ジブチルヒドロキシトルエン、クエン酸、等の添加助剤を含有しない外用剤(試料58)において、ミノキシジル及びラウロマクロゴールが溶解された溶解性、混和性を有する外用剤が得られ、ラウロマクロゴールの添加含有により、ミノキシジルの人工皮膚膜透過性が促進されることが解かる。
本実施例は、ミノキシジル、ラウロマクロゴール、グリセリン、エタノール、水の含有量が異なる外用剤であり、ミノキシジルの溶解性を検討した。本実施例においては、ユーカリ油、l−メントール、ジブチルヒドロキシトルエン、クエン酸、等の添加剤を含有しない。
・試料62の調製:グリセリン10gとエタノール20gとラウロマクロゴール5gとを 混合し、その混合液剤にミノキシジル5gを添加混合して、ミノキシジルが溶解したミ ノキシジル溶液を調製した。次に、そのミノキシジル溶液に水60gを添加混合した。 この水60gの添加混合により、溶解しているミノキシジルの一部が固形状となって懸 濁状態で析出した。すなわち、ミノキシジルの一部が溶解されない状態であった。
・試料64の調製:グリセリン10gとエタノール45gとラウロマクロゴール5gとを 混合し、その混合液剤にミノキシジル5gを添加混合して、ミノキシジルが溶解したミ ノキシジル溶液を調製した。次に、そのミノキシジル溶液に水35gを添加混合した。 このようにして、ミノキシジルが溶解されているとともに、互いに溶解及び/又は分離 なく混和されてなる溶解混和状態を有する外用剤が得られた。
・試料65の調製:グリセリン10gとエタノール60gとラウロマクロゴール5gとを 混合し、その混合液剤にミノキシジル5gを添加混合して、ミノキシジルが溶解したミ ノキシジル溶液を調製した。次に、そのミノキシジル溶液に水20gを添加混合した。 このようにして、ミノキシジルが溶解されているとともに、互いに溶解及び/又は分離 なく混和されてなる溶解混和状態を有する外用剤が得られた。
・試料67の調製:グリセリン30gと水20gとラウロマクロゴール5gとを混合し、 その混合液剤を約50℃に昇温し、その昇温した混合液剤にミノキシジル5gを添加混 合して、ミノキシジルが溶解したミノキシジル溶液を調製した。次に、そのミノキシジ ル溶液に水35gを添加混合した。このようにして、ミノキシジルが溶解されていると ともに、互いに溶解及び/又は分離なく混和されてなる溶解混和状態を有する外用剤が 得られた。
・試料68の調製:グリセリン40gと水20gとラウロマクロゴール5gとを混合し、 その混合液剤にミノキシジル5gを添加混合して、ミノキシジルが溶解したミノキシジ ル溶液を調製した。次に、そのミノキシジル溶液に水25gを添加混合した。このよう にして、ミノキシジルが溶解されているとともに、互いに溶解及び/又は分離なく混和 されてなる溶解混和状態を有する外用剤が得られた。
それぞれの調製した外用剤についての実施例の結果を表6に示す。
約5重量%のミノキシジル、約5重量%、約10重量%のグリセリン、約5重量%のラウロマクロゴール、エタノール及び水を含有する外用剤(試料61〜65)において、溶媒としてのエタノールと水との含有量を替えた外用剤において、エタノールの含有量が少なくなるに従って、換言すれば、水の含有量が多くなるに従って、ミノキシジルの溶解性が劣る傾向にある。エタノール含有量が約30重量%以上、及び/又は、水含有量が約55重量%以下を含有する外用剤は、ミノキシジルの溶解性の観点において、ミノキシジルを溶解できる溶媒として実施可能であることが解かる。
また、約40重量%のグリセリンを含有する外用剤(試料68)は、人体皮膚に塗布時にベタツキ感が発生し、グリセリン含有量が約35重量%を超えるに従って人体皮膚に塗布時にベタツキ感発生する傾向がある。
典型的実施例1の試料5を調製する工程に替えて、下記の工程により外用剤を調製した。
室温の約25℃において、樹脂製容器の中に、エタノール55gと水10gを投入し、攪拌混合し、それにより、分離なく均一に混和された混合液剤を調製する。次に、そのエタノールと水との混合液剤に、固体状ミノキシジル5gとラウロマクロゴール4gを添加し、溶解して、それにより、ミノキシジルとラウロマクロゴールが溶解された液剤を調製し、次に、グリセリン10gを添加して、攪拌混合し、それにより、分離なく均一に混和されたミノキシジル・ラウロマクロゴール・グリセリン・エタノール・水・混合溶液を調製する。
別途、別の樹脂製容器の中に、エタノールにジブチルヒドロキシトルエン(BHT)を添加し混合して、ジブチルヒドロキシトルエン含有エタノール溶液を調製する。
別途、クエン酸を水に溶解したクエン酸水溶液を調製する。
そして、前記ミノキシジル・グリセリン・エタノール・水・混合溶液に、ユーカリ油、前記メントール含有エタノール溶液、ジブチルヒドロキシトルエン含有エタノール溶液、クエン酸水溶液を混合し、更に、全量が100gになるように追加の水を添加混合する。
このようにして、ミノキシジル、ラウロマクロゴール、グリセリン、エタノール、水、ユーカリ油、メントール、ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)、クエン酸を含有する試料5と同じ含有成分を備えたノキシジル含有外用剤を調製する。
典型的実施例1の試料5を調製する工程に替えて、下記の工程により外用剤を調製した。
室温の約25℃において、樹脂製容器の中に、グリセリン10gと水10gを投入し、約50℃に昇温して攪拌混合し、それにより、分離なく均一に混和された混合液剤を調製する。次に、その初オンされたグリセリンと水との混合液剤に、固体状ミノキシジル5gとラウロマクロゴール4gを添加し、溶解して、それにより、ミノキシジルとラウロマクロゴールが溶解された液剤を調製し、次に、エタノール55gを添加して、攪拌混合し、それにより、分離なく均一に混和されたミノキシジル・ラウロマクロゴール・グリセリン・エタノール・水・混合溶液を調製する。
別途、別の樹脂製容器の中に、エタノールにジブチルヒドロキシトルエン(BHT)を添加し混合して、ジブチルヒドロキシトルエン含有エタノール溶液を調製する。
別途、クエン酸を水に溶解したクエン酸水溶液を調製する。
そして、前記ミノキシジル・ラウロマクロゴール・グリセリン・エタノール・水・混合溶液に、ユーカリ油、前記メントール含有エタノール溶液、ジブチルヒドロキシトルエン含有エタノール溶液、クエン酸水溶液を混合し、更に、全量が100gになるように追加の水を添加混合する。
このようにして、ミノキシジル、ラウロマクロゴール、グリセリン、エタノール、水、ユーカリ油、メントール、ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)、クエン酸を含有する試料5と同じ含有成分を備えたノキシジル含有外用剤を調製する。
試料67の調製において、水55gにミノキシジル5gを添加混合した場合、ミノキシジルは溶解されなかった。更に、このミノキシジルと水との組成物にラウロマクロゴール5gとグリセリン30gを混合した場合にも、一部のミノキシジルは溶解されなかった。
Claims (22)
- 少なくとも、
ミノキシジルと、
ミノキシジルを溶解可能な溶媒と、
前記溶媒に溶解可能なラウロマクロゴールと、を含有し、
ミノキシジルとラウロマクロゴールとが前記溶媒に溶解されてなる、
ことを特徴とする外用剤。 - 前記溶媒は、低級アルコールを含有してなる、
ことを特徴とする請求項1に記載の外用剤。 - 前記溶媒は、前記ラウロマクロゴールの含有において水を含有してなる、
ことを特徴とする請求項1に記載の外用剤。 - 前記溶媒は、低級アルコールと水とを含有してなる、
ことを特徴とする請求項1に記載の外用剤。 - 前記ミノキシジルと前記ラウロマクロゴールと前記溶媒に加えて、
さらに、グリセリンを含有してなり、
ミノキシジルとラウロマクロゴールとグリセリンと前記溶媒は、互いに溶解及び/又は分離なく混和されてなる溶解混和状態を有する、
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の外用剤。 - ミノキシジルと、
ラウロマクロゴールと、
グリセリンと、
低級アルコールと、
水と、を含有し、
ミノキシジルとラウロマクロゴールとグリセリンと低級アルコールと水は、互いに溶解及び/又は分離なく混和されてなる溶解混和状態を有する、
ことを特徴とする請求項1に記載の外用剤。 - ミノキシジルの含有量は、組成物の全量に対して、0.2〜10重量%である、
ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の外用剤。 - ラウロマクロゴールの含有量が、組成物の全量に対して、0.2〜10重量%である、
ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の外用剤。 - さらに、グリセリンを含有し、
グリセリンの含有量が、組成物の全量に対して、2〜30重量%である、
ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の外用液剤。 - さらに、グリセリンを含有し、ラウロマクロゴールの含有量が、組成物の全量に対して、0.2〜10重量%であり、
グリセリンの含有量が、組成物の全量に対して、2〜30重量%である、
ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の外用剤。 - 前記溶媒は低級アルコールを含有し、
前記低級アルコールは、エタノールとプロピルアルコールのうちの少なくとも一つであ る、
ことを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載の外用液剤。 - 前記ミノキシジルと前記ラウロマクロゴールと前記溶媒に加えて、
さらに、ベンジルアルコールを含有してなり、
ミノキシジルとラウロマクロゴールとベンジルアルコーと前記溶媒は、互いに溶解及び/又は分離なく混和されてなる溶解混和状態を有する、
ことを特徴とする請求項1乃至11のいずれかに記載の外用剤。 - さらに、ユーカリ油を含有してなる、
ことを特徴とする請求項1乃至12のいずれかに記載の外用剤。 - さらに、
PH調節剤、
変色防止剤、及び、
メントール、
からなる群から選ばれる少なくとも一つの添加助剤を含有してなる、
ことを特徴とする請求項1乃至13のいずれかに記載の外用剤。 - ミノキシジルが溶解されているとともに分離なく均一に混和された澄明な液状態を有し、
ミノキシジルの皮膚浸透性を促進し、
皮膚に塗布した場合に、ミノキシジルの皮膚浸透性を促進し、
皮膚に塗布した場合におけるベタツキ不快感が抑制されてなる、
ことを特徴とする請求項1乃至14のいずれかに記載の外用剤。 - ミノキシジルとラウロマクロゴールとグリセリンと溶媒と添加助剤とを含有する外用剤の製造方法であって、
前記溶媒はエタノールと水とのうちの少なくとも一つの溶媒を含有し、
前記添加助剤は、ベンジルアルコール、PH調節剤、変色防止剤、メントール、及び、ユーカリ油からなる群から選ばれる少なくとも一つの添加助剤であり、
(a)ミノキシジルとラウロマクロゴールとグリセリンと溶媒とが互いに溶解及び/又は 分離なく混和されてなる溶解混和状態を有する第一混合溶液を調製する工程、及び 、
(b)前記第一混合溶液と、添加助剤とを混合して、互いに溶解及び/又は分離なく混和 されてなる溶解混和状態を有する外用剤を調製する工程、
を備えることを特徴とする外用剤の製造方法。 - 前記(a)工程は、
(a−1)ミノキシジルとラウロマクロゴールとがエタノールに溶解されてなるミノキシ ジル・ラウロマクロゴール・エタノール・混合溶液を調製する工程、及び、
(a−2)前記ミノキシジル・ラウロマクロゴール・エタノール・混合溶液と、グリセリ ンと、水とが混合されてなる前記第一混合溶液を調製する工程、
を備えることを特徴とする請求項16に記載の外用剤の製造方法。 - 前記(a)工程は、
(a−1)ミノキシジルとラウロマクロゴールとが、エタノールとグリセリンとの混合溶 媒に溶解されてなるミノキシジル・ラウロマクロゴール・エタノール・グリセ リン・混合溶液を調製する工程、及び、
(a−2)前記ミノキシジル・ラウロマクロゴール・エタノール・グリセリン・混合溶液 と、水とを混合して、前記第一混合溶液を調製する工程、
を備えることを特徴とする請求項16に記載の外用剤の製造方法。 - 前記(a)工程は、
(a−1)ミノキシジルとラウロマクロゴールとが、エタノールと水との混合溶媒に溶解 されてなるミノキシジル・ラウロマクロゴール・エタノール・水・混合溶液を 調製する工程、及び、
(a−2)前記ミノキシジル・ラウロマクロゴール・エタノール・水・混合溶液と、グリ セリンとを混合して、前記第一混合溶液を調製する工程、
を備えることを特徴とする請求項16に記載の外用剤の製造方法。 - 前記(a)工程は、
(a−1)ミノキシジルとラウロマクロゴールとが、水とグリセリンとの混合溶媒に溶解 されてなるミノキシジル・ラウロマクロゴール・水・グリセリン・混合溶液を 調製する工程、及び、
(a−2)前記ミノキシジル・ラウロマクロゴール・水・グリセリン・混合溶液と、エタ ノールとを混合して、前記第一混合溶液を調製する工程、
を備えることを特徴とする請求項16に記載の外用剤の製造方法。 - 前記(a)工程は、
ミノキシジルが前記混合溶媒に溶解されてなるミノキシジル混合溶液を調製する工程、及び、
前記ミノキシジル混合溶液とラウロマクロゴールとが混合されてなる前記第一混合溶液を調製する工程、
を備えることを特徴とする請求項16乃至20のいずれかに記載の外用剤の製造方法。 - 前記(b)工程において、前記添加助剤は、エタノール又は水に溶解された形態で、混合されてなる、
ことを特徴とする請求項16乃至21のいずれかに記載の外用剤の製造方法。
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