JP2019210015A - 吐出部材および吐出製品 - Google Patents

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Abstract

【課題】吐出孔から出てくる内容物が吐出時に変わった動きを伴い、それにより吐出操作を楽しむことができる吐出部材および吐出製品を提供する。【解決手段】泡体Fを吐出する複数の吐出孔27が開口する上向きの吐出面22aと、エアゾール容器12のステム13に装着されるステム装着部21aと、前記吐出面22aから立ち上がる軸棒24と、エアゾール容器12のステム13を吐出操作するための連結部材26aと、前記ステム装着部21aと吐出孔27を連通する螺旋状の通路28とを備えており、前記吐出孔27が細長い形状を有し、軸棒24を中心にして複数個、放射状に配列されていると共に、吐出孔27を構成する開口内周面が吐出方向を制御する一対の制御面を備えている吐出部材14。その吐出部材14を備えた吐出製品10。【選択図】図1

Description

本発明は吐出部材および吐出製品に関し、さらに詳しくは、泡ないしクリーム状の内容物を吐出する吐出製品に好ましく用いられる吐出部材およびその吐出部材を用いた吐出製品に関する。
特許文献1には、エアゾール容器から吐出された発泡性の吐出物が各別に通過する複数の成形孔およびこれらの成形孔が開口する造形面を有し、複数の成形孔を通過して成形された花弁状の造形片を、前記造形面上で組み合わせて花冠状の造形物を形成する造形ヘッドが開示されている。
この造形ヘッドによれば、成形孔から上方に吐出された複数の花弁状の造形片により、造形面上でバラの花のような形状の発泡体を形成することができる。
特開2016−26962号公報
特許文献1の造形ヘッドは、造形面上にバラの花のような発泡体を形成することができるが、成形時に成形孔から出てくる泡の動きは軸方向に上昇するだけであり、興趣に欠ける。本発明は吐出孔から出てくる発泡体などの内容物が螺旋状に上昇するなど、吐出時に変わった動きを伴い、それにより吐出操作を楽しむことができる吐出部材を提供することを技術課題とする。さらに本発明はその吐出部材を用い、吐出物の動きがおもしろい吐出製品を提供することを技術課題としている。
本発明の吐出部材14は、吐出孔27が開口する上向きの吐出面22aと、吐出容器(エアゾール容器12)のステム13に装着されるステム装着部21aと、前記吐出面22aから立ち上がる軸棒24と、吐出容器12のステム13を吐出操作するための押部(カバー26、結合部材26a、軸棒24)と、前記ステム装着部21aと吐出孔27を連通する通路(28、29)とを備えており、前記吐出孔27が細長い形状を有し、軸棒24を中心にして複数個、放射状に配列されていると共に、吐出孔27を構成する開口内周面が吐出方向を制御する一対の側面(上面27c、下面27d)を備えていることを特徴としている。軸棒24は吐出面22aに自立できず、使用時に手で支えるものを含む。
このような吐出部材14では、前記複数の吐出孔27のそれぞれ一対の側面(上面27c、下面27d)が、吐出面22aに対して同一方向に傾斜しており、それにより吐出された内容物(泡体F)が軸棒24を中心として螺旋状に上昇するものが一層好ましい。また、ステム13に装着され、ステム装着部21aと複数の吐出孔27とを連通する分岐通路(通路28)を有する通路部材(コア21)を備えているものが好ましい。
前記通路(28、29)が、ステム装着部21aと連通し軸方向に延びる中央通路29を備えており、中央通路29の側面に軸方向に延びる側面開口30が形成され、側面開口30と吐出孔27とが分岐通路28を介して連通しているものが好ましい。さらに前記分岐通路28が螺旋状であるものが好ましい。
前記いずれの吐出部材14においても、前記軸棒24の下端が吐出面22aに対し着脱自在に装着されているものが好ましい。また、前記軸棒24が押部を兼ねており、軸棒24の上端を押し下げることによりステム13を吐出操作することができるものが好ましい。軸棒24が着脱自在(手で支えるものを含む)である場合は、軸棒24の下部にブラシ毛43が植設されていてもよい。
本発明の吐出製品10は、前記いずれかの吐出部材14と、その吐出部材14のステム装着部21aに装着される発泡性の内容物ないしクリーム状の内容物を充填した吐出容器12とからなる。このような吐出製品10は、吐出容器12および吐出部材14を収容し、支持するスタンド11をさらに備えているのが好ましい。
本発明の吐出部材は、押部を吐出操作すると、細長い形状を有し、軸棒を中心にして複数個、放射状に配列されている吐出孔から出てきたひも状ないしテープ状の内容物が吐出面の上に堆積するが、そのとき、吐出孔の近辺の軸棒に接触して付着していく。そのため、使用者は使用のたびに軸棒の周囲に絡みついて吐出されていく状況を目視することができる。さらに吐出孔を構成する開口内周面が吐出方向を制御する一対の側面を備えているので、吐出物がその方向に吐出され、特定の形状を呈するように変化する。そのため、使用者は吐出物の動きを楽しむことができ、しかも吐出面の上にできた立体的な造形物を楽しむことができる。また、内容物が発泡性のものであれば、吐出面上中心部から放射状に広がるため、半径方向に大きくなる。そのため、通路の途中に大きい拡散室が不要であり、アフタードローを少なくできる。
このような吐出部材において、複数の吐出孔のそれぞれ一対の側面が、吐出面に対して同一方向に傾斜しており、それにより吐出された内容物が軸棒を中心として螺旋状に上昇するものは、複数の内容物が軸棒に絡みながら軸棒に沿って螺旋状に上昇しソフトクリームのような形状に成形することができる。そのため、内容物の動きを一層楽しむことができる。
また、前記ステム装着部が、ステムに装着され、ステム装着部と複数の吐出孔とを連通する分岐通路を有する通路部材を備えている場合は、ステムから吐出孔までの通路の容積を小さくすることができる。そのため、吐出後に通路内に残る内容物が少なくなる利点がある。前記通路が、ステム装着部と連通し軸方向に延びる中央通路を備えており、中央通路の側面に軸方向に延びる側面開口が形成され、側面開口と吐出孔とが分岐通路を介して連通している場合は、細長い吐出孔から吐出される吐出物の速さを調整しやすく、より立体的な動きにすることができる。たとえば、吐出孔の軸棒に近い部分から吐出させることで吐出物は軸棒に絡みやすく、軸棒の周囲を旋回しながら積み上がり、軸棒にしっかりと付着するため塗布しやすくなる。前記分岐通路が螺旋状である場合は、吐出物に旋回力が加わりやすく、軸棒に絡み付きやすい。
さらに軸棒の下端が吐出面に対し着脱自在に装着されている吐出部材では、吐出後に軸棒を吐出面から外すことにより、吐出物を手に取りやすくなる。また、前記軸棒が押部を兼ねており、軸棒の上端を押し下げることによりステムを吐出操作することができるものは、ステムをまっすぐ下に押し下げる操作ができるので、ステムに横向きの力がかかりにくい。軸棒が着脱自在であり、軸棒の下部にブラシ毛が植設されている場合は、ブラシ毛に吐出物が付着するので、軸棒に安定して吐出物を保持することができ、毛の生え際などに塗布しやすい。
本発明の吐出製品は、前述の吐出部材と、その吐出部材のステム装着部に装着される発泡性の内容物ないしクリーム状の内容物を充填した吐出容器とを備えているので、発泡性の内容物ないしクリーム状の内容物を吐出面の上に軸棒に沿って吐出することができる。それにより、吐出時の動きの面白さを楽しみながら、洗顔剤や芳香剤などの内容物の性質に基づく効果、たとえば手の平に取る、長時間芳香剤を蒸散するなどの効果を発揮する。吐出容器および吐出部材を収容し、支持するスタンドをさらに備えている据え置き型の吐出製品の場合は、テーブルの上などに載置した状態で押部を押すことができ、安定して操作することができ、吐出面から吐出された内容物をすくい取りやすい。
本発明の吐出製品の一実施形態を示す概略縦断面図である。 図1の吐出製品の一部切り欠き分解斜視図である。 図3Aは図1の吐出製品の平面図、図3Bは図3AのB−B線断面図、図3Cは図3AのC−C線断面図である。 図4Aおよび図4Bは、それぞれ図1の吐出部材の通路の空間を実体化して示す斜視図および側面図である。 図5Aは本発明の吐出製品の他の実施形態を示す斜視図、図5Bはその要部拡大図である。
図1に示す吐出製品10は、スタンド11と、そのスタンド内に収容されるエアゾール容器(吐出容器)12と、そのエアゾール容器に充填された発泡性の内容物と、エアゾール容器のステム13に装着される吐出部材14とからなる。スタンド11は全体的に上方に向かって細くなる略円筒状の周壁15と、上下方向の途中に設けられる水平方向の支持壁16と、支持壁16の下面から周壁の内面にかけて放射状に配列されるリブ17とを備えている(図2参照)。リブ17の内端はエアゾール容器12の容器本体18と嵌合する寸法にしている。周壁15のうち支持壁16より上側の部分15aは、吐出部材14の上下動をガイドするため、内面が円筒状にされている。スタンド11はポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル、ポリアセタールなどのポリカーボネート、ナイロンなどのポリアミドなどの硬質の合成樹脂の成形品を使用することができる。
エアゾール容器12は、有底筒状の容器本体18と、その容器本体18の上端開口を閉じるエアゾールバルブ19とからなる。容器本体18は、底部18a、胴部18bおよび開口部の周囲に形成されたビード18cからなる公知の形態を備えている。この実施形態では容器本体18はアルミニウムなどの金属製を採用している。しかしPETボトルなどの合成樹脂製であってもよい。
エアゾールバルブ19は、マウンティングカップ19aと、そのマウンティングカップによって容器本体18の上端開口に取り付けられるバルブハウジング19bと、そのバルブハウジング内に上下移動自在に収容される前述のステム13と、ステムのステム孔を開閉するステムラバーと、ステムを上向きに付勢するバネとを備えた公知の構造を備えている。マウンティングカップ19aの周縁はビード18cにクリンチされ、その部位はスタンド11の支持壁16の開口に嵌合され、固定される。なお、他の構造ないし形態であってもよい。
前述の発泡性を有する内容物は、例えば、洗顔剤、洗浄剤、入浴剤、保湿剤、クレンジング剤、日焼け止め剤、化粧水、シェービング剤、脱毛剤、制汗剤、殺菌消毒剤、害虫忌避剤などのスキンケア剤、トリートメント剤、スタイリング剤、染毛剤などのヘアケア剤などの人体用品、ホイップクリームなどの食品、消臭剤、芳香剤、虫よけ剤、殺菌剤などの家庭用品などである。但し、これらの用途に限られるわけではない。
この発泡性内容物は、前記用途の有効成分を含む原液と、原液を発泡・吐出させる噴射剤とからなる。噴射剤としては、例えばプロパン、ブタン、ペンタンなどの炭素数が3〜5の脂肪族炭化水素、ハイドロフルオロオレフィン、ジメチルエーテルなどの液化ガス、炭酸ガス、窒素などの圧縮ガスなどが挙げられる。なかでも、泡の成形性、保形性に優れ、泡を所望の形状にし易い点から、脂肪酸石鹸などの界面活性剤や、高級アルコール、高級脂肪酸などの固形油分などを原液中に含有したものを用い、さらに噴射剤として液化ガスを用いることが好ましい。
前記吐出部材14は、略円柱状ないし下部が細い椀状のコア(通路部材)21と、コアの上端に取り付けられる皿部22と、コア21を囲むように皿部の下面に取り付けられるスカート23と、皿部22の上面22aに取り付けられる軸棒24とからなる。コア21、皿部22およびスカート23は、別個に形成した後、接合してもよく、一体成形してもよい。コア21、皿部22およびスカート23の下方には、複数枚のリブ25が設けられている。コア21の下面にはエアゾール容器12のステム13と嵌合するステム装着部21aが設けられている。リブ25は通常は3〜6枚程度であるが、この実施形態では4枚としている。スカート23の外面は周壁15の支持壁16より上側の部分15aと摺動してガイド機能を果たすため、円筒状にしている。
図2に示すように、軸棒24の上端には皿部22の上面22aを覆うカップ状のカバー26が取り付けられている。カバー26はポリプロピレン、スチレンブタジエン共重合体などの透明または半透明の合成樹脂から形成するのが好ましく、それにより泡体が形成されていく様子を容易に観察することができ、得られる泡体Fを保護しうる。軸棒24とカバー26は一体に結合されており、皿部22及びコア21に対して着脱自在とされている。カバー26あるいは軸棒24とカバー26を結合する結合部材26aは、エアゾールバルブ(図1の符号19)を操作するための押部として利用できる。
さらにこの実施形態では、結合部材26aの上部にカバー26を着脱するときに用いる摘み26bが設けられている。皿部22の中心部には軸棒24の下端と着脱自在に嵌合する穴22bが形成されている。ただし軸棒24をカバー26に保持させる場合は、穴22bを設けず、軸棒24の下端を単に皿部22に当接させるだけでもよい。軸棒24とカバー26を一体に皿部22に対して着脱自在とすることにより、皿部22の上の泡体Fを容易にすくい取ることができ、皿部22の洗浄が容易である。
この実施形態では、カバー26と軸棒24は、皿部22を押し下げるための押部として作用する。ただしカバー26を設けず、軸棒24の上端、結合部材26aあるいは摘み26bを押し下げることもできる。皿部22を押し下げるようにしてもよい。コア21、皿部22およびスカート23は、前述のスタンド11と同様に、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル、ポリアセタールなどのポリカーボネート、ナイロンなどのポリアミドなどの硬質の合成樹脂の成形品を使用することができる。軸棒24は合成樹脂、エラストマー、金属製の棒ないしパイプが用いられる。軸棒24の表面は、泡が付着しやすいように粗面にすることもできるが、通常は付着した泡が離れやすいように平滑にする。
図3Aおよび図3Bに示すように、皿部22の上面(吐出面)22aには4個の吐出孔27が周方向均等に設けられている。この実施形態では、吐出孔27は吐出面の中心の穴22bから半径方向に延びており、それらが放射状に配列されている。吐出孔27は複数個、たとえば2〜6個程度の吐出孔27を周方向に均等に設けると、軸棒24に絡み付きながら螺旋状に重なった状態で得られる泡体の形状が安定する。この実施形態では吐出孔27は三日月状を呈しており、平面視では風車のように同じ旋回方向を向いている。すなわち、吐出孔27は凸曲線27aと、凹曲線27bとからなり、すべての吐出孔27が同じ回転方向を向いている。吐出孔27は矩形、三角形、2本の凸曲線からなる舟形、円形など、他の形状とすることもできる。なお、穴22bとそれぞれの吐出孔27の内側は連通していてもよく、その場合、吐出物は穴22bに差し込んだ軸棒24に絡み付きやすくなる。
図3Bおよび空胴部を実体化して示す図4A、図4Bから分かるように、吐出孔27は螺旋状の通路28の上端の開口であり、通路28の下端はコア21の下部の中心に形成される中央通路29と縦長の開口30で連通している。螺旋状の通路28は、扁平な螺旋状の羽根ないしスクリューの形態を呈する。螺旋状の通路28の半径方向外側の端部は、図4A、図4Bの螺旋状の線31で示すように、中央通路29の縦長の開口30の下端から半径方向外側に拡がりながら、60〜120度程度の旋回角度で反時計方向に旋回するように上方向に延びている。そしてコア21から皿部22を通り、吐出孔27の外側の端部28aへ到る。なお、図3Aは上から見ているので、螺旋状の線(破線)31は時計方向に旋回しながら下向きに延びている。
螺旋状の通路28の半径方向内側の端部は、図4Aのネジ状の螺旋状の線32で示すように、中央通路29の開口30の上端からほぼ中央通路29に周囲に沿って反時計方向に旋回しながら上昇し、皿部22の上面で開口する吐出孔27の内側の端部28bに到る。螺旋状の線32は途中で半径方向に広がった後、再び中心方向へと向かうようにしてもよい。なお、中央通路29の開口30の下端から吐出孔27の外側の端部28aまでの螺旋状の線31と、中央通路29の開口30の上端から吐出孔27の内側の端部28bまでの螺旋状の線32との長さや旋回角度を調整することにより、細長い吐出孔27の内側から外側にかけて吐出物(泡体F)の速さを調整することができ、軸棒24への絡み具合を調整して吐出物の形状を調整することができる。
なお、図3Cに示すように、吐出孔27を構成する上面27cと下面27dは、皿部22の上面22aに対し、螺旋の延長の向きに約30〜60度程度傾斜している。そのため、吐出孔27から出てくる泡体Fの吐出の向きが特定され、軸棒24への付着と相まって皿部22の上で反時計方向に旋回しながら積層される。このように吐出孔27を構成する開口内周面の上面27cおよび下面27dは、泡体Fの吐出方向を制御する一対の側面を構成している。開口内周面は、中心側に向かって5〜30度程度傾斜していてもよい。そのほうが吐出された泡体が軸棒24に付着しやすい。
上記のようにコア21内では1本のステム装着部21aから4本の通路28に分岐しており、そのため、コア21は分岐通路を設けた通路部材として作用する。このような分岐通路を設ける場合は、ステム13から吐出孔27までの通路28の容積を小さくすることができ、内容物の残量を少なくすることができる。螺旋状の通路28を形成するには、たとえばコア21を通路28の部位で上下に分離した状態で成形し、その後、それらを組み合わせばよい。隣接する通路28で放射方向の湾曲面で四分の一のブロック片に分離してもよい。通路は、分離した上下あるいは4個のブロック片の合わせ面に通路となるべき溝を形成しておく。それにより上下あるいは4個のブロック片を組み合わせたときに通路が形成される。
上記のごとく構成される吐出製品10は、軸棒24あるいはカバー26を下に押し込むと、エアゾール製品12のステム13が押し下げられ、エアゾールバルブ19が開く。それによりステム13から内容物が吐出され、ステム装着部21a、中央通路29、縦長の開口30、螺旋状の通路28を通って旋回力が加えられながら進み、皿部22の上面の三日月型の吐出孔27から押し出される(図3Aの矢印P参照)。押し出された直後の泡体Fは、吐出孔27の形状に対応した三日月型の断面形状を有する扁平な形態を呈する。そして泡体Fは螺旋状の線が短く螺旋角度が大きい内側の端部28b側から先に吐出され、皿部22の上面に対して所定の角度で斜めに押し出され、内側の端部が軸棒24に接触する。泡体Fには螺旋状の通路28により旋回力が加えられているため、泡体Fは軸棒24に絡み付きながら旋回する。
そして先に出ている泡体Fは、次々と下方から新たに斜め向きに吐出されてくる泡体Fによって、反時計方向に旋回しながら押し上げられる。そのため、吐出孔27から吐出される泡体Fは、図1の想像線のように軸棒24の周囲に付着しながら螺旋巻き状態で上昇し、ソフトクリーム状の形態を呈する。このとき、新たに吐出される泡体Fの上面が凸面となっているので、元の泡体の下に入り込みやすい。
軸棒24またはカバー26を押し下げるのをやめると、泡体Fの吐出が止まる。洗顔剤などの場合は、使用者は軸棒24とカバー26を取り外し、皿部22から泡体Fをすくいとればよい。軸棒24を取り外しても、泡体Fのソフトクリームのような立体形状は維持される。このように使用者は、螺旋状に押し出され、積み重なっていく泡体の動きのおもしろさを感じることができる。とくに子供に手洗いを促すのに役立つ。
消臭・芳香剤などのように、空間に有効成分が蒸散される内容物の場合は、皿部22の上にそのまま放置しておく。それにより上下に積み重なった泡体Fはそのまま蒸散されていく。その場合、4層で上下に積み重なり、しかも螺旋状に積み上がった立体的な泡体Fは表面積が広いため、蒸散作用が効率的に行われる。カバー26の高さが調節自在である場合は、カバー26の下端と皿部22の上面の隙間の大きさを調節することにより、蒸散速度を調節することができる。
図5Aに示す吐出製品40は、本体41と、その本体41から分離したブラシ42とから構成されており、図1の吐出製品10におけるスタンド11やカバー26は備えていない。ブラシ42は使用者が手に持ち、染毛剤を髪の生え際などに塗布するために用いるもので、使用するときだけ本体41と一緒に用いればよく、常時本体41に装着させる必要はない。ブラシ42は軸棒24と、その下端に植毛されているブラシ毛43と、上端に設けられる握り44とからなる。この実施形態では図5Bに示すように、どの向きでもブラシ42を使用できるように、ブラシ毛43は円筒状に配列され、握り44は円筒状である。軸棒24の先端にはブラシ毛を設けていない挿入部45が設けられている。
本体41は、エアゾール容器12と、その上端のステムに装着した押しボタンを兼ねるコア21と、コア21の上下動をガイドするガイド部を備えた肩カバー46とからなる。図5Bに示すように、コア21の上面が吐出面22aとされており、図1の実施形態と同様の吐出孔27が形成されている。吐出面22aの中央にはブラシ42の先端の挿入部45を挿入できる穴22bが形成されている。挿入部45と穴22bは、手で保持したブラシ42の位置決めのために設けており、図1の実施形態のように軸棒24を常時保持する必要はない。ただし保持させてもよい。
この吐出製品40を使用する場合、使用者はブラシ42の握り44を握り、挿入部45を穴22bに挿入してブラシ42でコア21を押し下げる。それにより図1の吐出製品10と同様に、吐出孔27から泡体を吐出させ、軸棒24の周囲、とくにブラシ毛43の周囲に泡体を螺旋状に付着させることができる。所望の泡体が得られたとき、押し下げる操作をやめて、ブラシ毛43に付着している染毛剤などの泡体を髪の付け根などに塗布する。ブラシ毛43の毛質や長さは、エアゾール製品12の内容物や塗布位置などにより、適切なものを選択する。
この実施形態ではエアゾール容器12の上端に肩カバー46を固定している。肩カバー46の上部内面は、コア21の上下運動のガイドであり、エアゾール容器12のマウンティングカップ19aの周囲またはビード18cに固定している(図1参照)。肩カバー46には、オーバーキャップ(図示していない)を着脱自在に装着するための段部47が設けられている。コア21は着脱容易に取り付けるのが好ましく、それによりコア21の清掃が容易になる。
以上、本発明の代表的な実施形態を説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、発明の趣旨の範囲で解釈されるべきである。たとえば前記実施形態では発泡性の内容物を吐出して皿部22の上面に泡体Fを形成しているが、クリーム状の内容物を吐出するようにしてもよい。また、前記実施形態では、ステム装着部21aから吐出孔27まで内容物を導く通路28が分岐通路として設けているが、コア21とは別体の通路部材を設け、その通路部材にステムから複数の吐出孔に連通する分岐通路を設けてもよい。
また、軸棒24はパイプなどで構成することもできる。さらに軸棒24を複数本設けてもよい。また、吐出容器としてエアゾール容器12を採用しているが、ポンプ作用で内容物を吐出する吐出容器であってもよい。前記実施形態では、エアゾール製品から1種類の内容物が分岐されて4つの吐出孔から吐出している。しかし二重のステムあるいは2本のステムから2種類の内容物を吐出する2液タイプのエアゾール製品を採用し、中央通路29に代えて、ステムの吐出口に対応する通路を備えたコアを採用して、2種類の吐出物を積層状態で吐出する吐出製品とすることもできる。その場合は内容物同士を混合しやすい。
10 吐出製品
11 スタンド
12 エアゾール容器
13 ステム
14 吐出部材
15 周壁
15a 周壁の支持壁より上側の部分
16 支持壁
17 リブ
18 容器本体
18a 底部
18b 胴部
18c ビード
19 エアゾールバルブ
19a マウンティングカップ
19b バルブハウジング
21 コア
21a ステム装着部
22 皿部
22a 皿部の上面(吐出面)
22b 穴
23 スカート
24 軸棒
25 リブ
26 カバー
26a 結合部材(押し部)
26b 摘み
27 吐出孔
F 泡体
27a 凸曲線
27b 凹曲線
27c 上面
27d 下面
28 (螺旋状の)通路
28a 吐出孔の外側の端部
28b 吐出孔の内側の端部
29 中央通路
30 縦長の開口
31 螺旋状の線
32 螺旋状の線
40 吐出製品
41 本体
42 ブラシ
43 ブラシ毛
44 握り
45 挿入部
46 肩カバー
47 段部

Claims (10)

  1. 吐出孔が開口する上向きの吐出面と、
    吐出容器のステムに装着されるステム装着部と、
    前記吐出面から立ち上がる軸棒と、
    吐出容器のステムを吐出操作するための押部と、
    前記ステム装着部と吐出孔を連通する通路とを備えており、
    前記吐出孔が細長い形状を有し、軸棒を中心にして複数個、放射状に配列されていると共に、吐出孔を構成する開口内周面が吐出方向を制御する一対の側面を備えている
    吐出部材。
  2. 前記複数の吐出孔のそれぞれ一対の側面が、吐出面に対して同一方向に傾斜しており、それにより吐出された内容物が軸棒を中心として螺旋状に上昇する請求項1記載の吐出部材。
  3. 前記ステムに装着され、ステム装着部と複数の吐出孔とを連通する分岐通路を有する通路部材を備えている請求項1または2記載の吐出部材。
  4. 前記通路が、ステム装着部と連通し軸方向に延びる中央通路を備えており、中央通路の側面に軸方向に延びる側面開口が形成され、側面開口と吐出孔とが分岐通路を介して連通している請求項1記載の吐出部材。
  5. 分岐通路が螺旋状である、請求項3または4記載の吐出部材。
  6. 前記軸棒の下端が吐出面に対し着脱自在に装着されている請求項1〜5のいずれかに記載の吐出部材。
  7. 前記軸棒が押部を兼ねており、軸棒の上端を押し下げることによりステムを吐出操作することができる請求項1〜6のいずれかに記載の吐出部材。
  8. 前記軸棒の下部にブラシ毛が植設されている請求項6記載の吐出部材。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の吐出部材と、その吐出部材のステム装着部に装着される発泡性の内容物ないしクリーム状の内容物を充填した吐出容器とからなる吐出製品。
  10. 前記吐出容器および吐出部材を収容し、支持するスタンドをさらに備えている請求項9記載の吐出製品。
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