JP2019209827A - 車両用空調装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】車室内を脱臭可能であって、且つ、ユニット内部を脱臭している間もユーザは空調機能を利用可能な車両用空調装置を提供する。【解決手段】空調ユニット1において送風機103とエバポレータ104の間にはオゾン発生装置105が配置されているとともに、各車室内吹出口114にはオゾンフィルタドア115が配されている。空調ECUは、ユーザが車室内に存在しないことを含む、所定の車室内脱臭実行条件が充足された場合には、各オゾンフィルタドア115を全開にした状態でオゾンを発生させることで、オゾンを車室内に充満させる。これにより、車室内に染み付いた臭いを脱臭する。一方、車室内にユーザがいる場合には、オゾンフィルタドア115を全閉状態に設定した上でオゾンを発生させ、ユニット内部を脱臭する。【選択図】図3
Description
本開示は、オゾンを用いてユニット内部の構成部材を脱臭する車両用空調装置に関する。
車両用空調装置の内部(以降、ユニット内部)は、エバポレータから生じた凝縮水によって湿度が高くなりやすい。このため、エバポレータや、ケーシングの内面、吹出口へと連通するダクトの表面などに細菌やカビ等が繁殖して、これら細菌やカビから発生した異臭が車室内に吹き出されることにより乗員が不快になるという課題がある。
そのような課題に対して、オゾン発生装置をユニット内に設け、当該オゾン発生装置にオゾンを発生させることによって車両用空調装置の内部を脱臭する構成も種々検討されている。例えば特許文献1には、オゾン発生装置からオゾンを発生させる場合には、モードドアを、各吹出用開口部への空気供給を遮断する位置に設定することによって、車室内へオゾンが漏れることを抑制しつつ、空調ユニット内を脱臭する構成が開示されている。
また、特許文献2には、エバポレータの上流側に設けられたオゾン発生素子と、エバポレータの表面が凝縮水により濡れていることを検出する湿度センサと、エバポレータの下流側に設けられたオゾン分解触媒と、を備え、湿度センサによりエバポレータ表面の濡れが検出されている場合に、送風機の風量を所定値まで抑制しつつ、オゾン発生素子よりオゾンを発生させる構成が開示されている。特許文献2に開示の構成によれば、ユニット内部(特にエバポレータ及びその周辺)を脱臭できる。
なお、オゾンは人体に影響を与える気体であるため、オゾンを用いて空調ユニット内を脱臭する構成では、少なくとも車室内に乗員が存在している場合にはオゾンが車室内への放出されないように構成又は制御する必要がある。
特許文献1に開示の構成では、各モードドアを閉じることでユニット内部のみを脱臭する構成である。特許文献1に開示の構成では車室内にはオゾンを放出しないため、車室内のシート等に染み込んだ臭いの元は除去することはできない。つまり、車室内を脱臭することはできない。なお、ここでの脱臭には、完全な脱臭(つまり無臭化)に限らず、臭いを低減する態様も含まれる。加えて、ユニット内部を脱臭している間は、空調機能を利用できないため、ユーザの利便性が低下する。
特許文献2に開示の構成によれば、エバポレータの下流側に配されたオゾン分解フィルタによってオゾンは分解されるため、オゾン発生中であっても、冷房等の空調機能を利用可能である。しかしながら、特許文献2の構成でも、車室内にはオゾンは放出されないため、車室内を脱臭することはできない。
本開示は、この事情に基づいて成されたものであり、その目的とするところは、車室内を脱臭可能であって、且つ、ユニット内部を脱臭している間もユーザは空調機能を利用可能な車両用空調装置を提供することにある。
その目的を達成するための車両用空調装置は、一例として、温度を調整した空気を車室内に配されている吹出口から吹き出すための構成を備える車両用空調装置であって、所定方向に風を発生させる送風機(103)と、送風機の下流側に配されてあって、送風機から送風された空気を冷却する冷却用熱交換器(104)と、送風機と冷却用熱交換器との間に設けられてあって、オゾンを発生させるオゾン発生装置(105)と、吹出口への空気の供給度合いを調節する複数のモードドア(109)と、吹出口又は当該吹出口に連通するダクト内に設けられてあって、オゾンを分解する一方、空気は通すように構成されているオゾンフィルタドア(115)と、オゾン発生装置の動作、送風機の動作、モードドアの位置、及び、オゾンフィルタドアの開度を制御する制御部(2)と、を備える。
以上の構成によれば、制御部がオゾンフィルタドアを全閉に設定している状態においては、オゾン発生装置にオゾンを発生させても、当該オゾンはオゾンフィルタドアによって分解されるため、車室内にオゾンが流出することを防ぐことができる。また、オゾンフィルタドアは通風性を有するため、オゾン発生中であっても、冷却用熱交換器を動作させて生成した冷房空気などを車室内に吹き出すことができる。つまり、ユーザが乗車時もユニット内部を脱臭可能であって、かつ、ユニット内部の脱臭中も、ユーザは空調機能を利用可能となる。また、オゾンフィルタドアを全開に設定すれば、車室内にオゾンを放出可能であるため、車室内も脱臭可能である。故に、以上の構成によれば、車室内を脱臭可能であって、且つ、ユニット内部を脱臭している間もユーザは空調機能を利用可能である。
なお、特許請求の範囲に記載した括弧内の符号は、一つの態様として後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであって、本開示の技術的範囲を限定するものではない。
以下、本開示の実施形態について図を用いて説明する。図1及び図2は、本開示に係る車両用空調装置が適用された車載システム100の概略的な構成の一例を示す図である。図1に示すように車載システム100は、空調ユニット1、空調ECU2、車室内ニオイセンサ3、オゾンセンサ4、スマートECU5、ボディECU6、及び空調操作部7を備える。さらに、車載システム100は、近距離通信部51、ウインドウモータ61、ドアロックモータ62、及びカーテシスイッチ63を備える。
各部材名称中のECUは、Electronic Control Unitの略であり、電子制御装置を指す。空調ユニット1と空調ECU2とを備える構成が車両用空調装置に相当する。空調ECU2が制御部に相当する。なお、本実施形態では一例として車両Hvが動力源としてエンジンのみを備えるエンジン車とするが、車両Hvは、動力源としてエンジンとモータを備える、いわゆるハイブリッド車であってもよいし、モータのみを動力源として備える電気自動車であってもよい。
空調ユニット1は、吸込口から取り入れた空気をもとに、温度等を調整した空気を生成し、車室内に配された吹出口から吹き出す装置である。また、本実施形態の空調ユニット1は、別途後述するように、オゾン発生装置105を内蔵しており、オゾンを含む空気を車室内に向けて吹き出し可能に構成されている。空調ユニット1は、図1に示すように、車室内の前部に配置されるインストゥルメントパネルの内側に配置されている。車両Hvには、空調ユニット1が出力する空気を車室内に向けて吹き出すための吹出口(以降、車室内吹出口114)として、デフロスタ吹出口114a、フェイス吹出口114b、フット吹出口114cが設けられている。各車室内吹出口114は、インストゥルメントパネルの内部に設けられているダクト113を介して空調ユニット1と接続されている。空調ユニット1の構成についての詳細は別途後述する。
空調ECU2は、空調ユニット1の作動を制御するECUである。空調ECU2は、空調ユニット1と専用の信号線を介して相互通信可能に接続されている。また、空調ECU2は、車室内ニオイセンサ3、オゾンセンサ4、スマートECU5、ボディECU6、及び空調操作部7のそれぞれと、車両内に構築されている通信ネットワークNwを介して、それぞれ相互通信可能に接続されている。なお、空調ECU2と空調ユニット1とは通信ネットワークNwを介して接続されていてもよい。車室内ニオイセンサ3や、オゾンセンサ4、空調操作部7は、空調ECU2と専用の信号線を介して相互通信可能に構成されていてもよい。
空調ECU2は、CPU21、フラッシュメモリ22、RAM、I/O、及びこれらの構成を接続するバスラインなどを備えた、コンピュータとして構成されている。なお、空調ECU2は、CPU21の代わりに、GPUやMPUを用いて実現されていても良い。さらにCPU21やGPU、MPUを組み合わせて実現されていてもよい。
フラッシュメモリ22は、不揮発性且つ書き換え可能なメモリである。フラッシュメモリ22には、コンピュータを空調ECU2として機能させるためのプログラム(以降、空調制御プログラム)等が格納されている。空調制御プログラムの具体的な記憶媒体としては、多様な非遷移的実体的記憶媒体(non-transitory tangible storage medium)を採用可能である。CPU21が空調制御プログラムを実行することは、空調制御プログラムに対応する方法が実行されることに相当する。
空調ECU2は、通信ネットワークNwを介して車室内ニオイセンサ3等から入力される種々のデータに基づいて空調ユニット1の作動を制御する。空調ECU2は後述する車室内脱臭処理やユニット脱臭処理を実施する。空調ECU2が提供する機能の詳細については後述する。なお、本実施形態の空調ECU2は、ユニット脱臭処理として、車室内にユーザが存在する場合の処理である有人時ユニット脱臭処理と、車室内にユーザが存在しない場合の処理である無人時ユニット脱臭処理とを実行可能に構成されている。
車室内ニオイセンサ3は、車室内に設置されたニオイセンサである。ニオイセンサは、設置箇所付近の空気の臭いの強さ(臭気レベル)を検出するセンサである。車室内ニオイセンサ3は、例えば運転席のヘッドレスト付近に配置されている。車室内ニオイセンサ3は、乗員の顔部の想定位置付近に配置されていることが好ましい。車室内ニオイセンサ3を乗員の顔部が位置する領域に配置した構成によれば、乗員が感じる臭気レベルに近い検出結果を得られるためである。なお、車室内ニオイセンサ3は、Bピラーの車室内側の面や、天井部、床部、ドアの車室内側の面、トランクルームなどに配置されていても良い。車室内ニオイセンサ3は複数配置されていても良い。なお、車室内の臭いとは、例えば、シート等のファブリックに染み込んだ、汗や、たばこ、ペットなどの臭いである。
車室内ニオイセンサ3としては、半導体式のニオイセンサや、水晶振動子式のニオイセンサ、FETバイオセンサとして構成されているもの、膜型表面応力センサとして構成されているものなど多様なものを採用することができる。半導体式は、半導体表面における臭気分子の吸着と表面反応による半導体の抵抗値の変化を利用して臭気レベルを検出する方式であり、より細かくは酸化物半導体式と有機半導体式などがある。水晶振動子式は、検出対象とする臭いに対応する分子を吸着する脂質膜を水晶振動子の表面に付与し、水晶振動子の共振周波数の低下量に基づいて臭気レベルを検出する方式である。本実施形態の車室内ニオイセンサ3は一例として、酸化インジウム系等の金属酸化物を用いた半導体式のニオイセンサを用いて実現されている。
オゾンセンサ4は、車室内の空気に含まれるオゾンの量を検出するように、車室内の所定位置に設置されたオゾンセンサである。オゾンセンサは、オゾンの濃度を検出するセンサ(いわゆるオゾンセンサ)である。オゾンの濃度の検出方法としては、紫外線吸収法や、薄膜半導体法、隔膜ポーラログラフ法など、多様な方法を採用可能である。紫外線吸収法は、試料ガスに対して紫外線を照射し、紫外線の吸光度によってオゾンの濃度を推定する方法である。薄膜半導体法は、抵抗値の変動量に基づいてオゾンの濃度を推定する方法である。例えば本実施形態のオゾンセンサ4は、薄膜半導体方式でオゾン濃度を検出するように構成されている。
スマートECU5は、車両Hvのユーザによって携帯される携帯機200と無線通信を実施することで、車両Hvのドアの施錠や開錠、エンジン始動などの車両制御を実行するECUである。スマートECU5は、携帯機200と直接的に無線通信を実施するための通信モジュールである近距離通信部51と、専用の信号線を介して相互通信可能に接続されている。なお、スマートECU5と近距離通信部51とは通信ネットワークNwを介して接続されていても良い。
近距離通信部51は、例えば、LF帯及びUHF帯の電波を用いて携帯機200と無線通信を実施するように構成されている。なお、近距離通信部51と携帯機200は、Bluetooth(登録商標)や、Wi-Fi(登録商標)や、ZigBee(登録商標)等の近距離無線通信規格に準拠した無線通信(以降、近距離通信)を実施するように構成されていても良い。携帯機200は、車両Hvを利用するための専用の通信端末であってもよいし、スマートフォンやタブレット端末、ウェアラブルデバイスなどの汎用的な情報処理端末であってもよい。携帯機200は、種々の用途に供される通信端末を援用して実現することができる。
スマートECU5は近距離通信部51を介した携帯機200との通信結果に基づいて、携帯機200が車室内に存在するか否か、及び、車室外の所定領域(以降、施開錠エリア)に存在するか否かを判定する。携帯機200の位置(例えば車室内に存在するか否か等)を判定する方法は、多様な方法を採用可能である。そのため、ここでは詳細な説明は省略する。スマートECU5は、携帯機200との通信結果に基づいて携帯機200の位置を示すデータを空調ECU2に提供する。なお、携帯機200はユーザによって携帯されるデバイスである。故に、車室内に携帯機200が存在するか否かを判定することは、車室内にユーザ(つまり乗員)がいるか否かを判定することに相当する。
ボディECU6は、車両Hvに搭載されている種々のボディ系のモータを制御するECUである。ボディ系のモータとは、例えば、各ドアの窓ガラス(いわゆるドアウインドウ)の開度を変更するためのトルクを提供するウインドウモータ61や、各ドアのロック機構の施錠状態を変更するトルクを提供するドアロックモータ62などである。ボディECU6は、ウインドウモータ61やドアロックモータ62などと電気的に接続されてあって、これらの動作を制御する。また、ボディECU6は、ボディ系のセンサと接続されてあって、これらのセンサの検出結果を取得する。ボディ系のセンサとは、例えばカーテシスイッチ63や、着座センサなどである。カーテシスイッチ63は、ドアの開閉を検出するセンサであって、ドア毎に配置されている。着座センサは、車両Hvの座席にユーザが着座しているか否かを検出するセンサであって、例えば車両Hvの各座席に配置されている。着座センサは、感圧素子などを用いて実現されている。
ボディECU6は、例えばスマートECU5からの要求に基づいて、車両Hvの各ドアに設けられたドアロックモータ62に所定の制御信号を出力することで各ドアを施錠したり開錠したりする。また、ボディECU6は、車両Hvのドアの施錠状態や、ドアの開閉状態、ドアウインドウの開度を示すデータを空調ECU2に提供する。
空調操作部7は、ユーザが空調ユニット1の動作設定(例えば吹出す空気の温度や風量、吹出モード)を入力するための装置である。空調操作部7は、ユーザ操作に対応する信号を空調ECU2に出力する。空調ECU2は、空調操作部7から入力された信号に基づいて空調ユニット1を制御する。すなわち、ユーザは、空調操作部7を操作することにより、種々の車室内吹出口114から吹き出される空気の温度や、吹出モード、風量(換言すれば吹出量)を調整することができる。
また、空調操作部7は、オゾン発生装置105の動作に係る設定も入力可能に構成されている。例えば空調操作部7は、車室内脱臭処理の実施/禁止を設定するためのボタンや、ユニット脱臭処理の実行及び停止命令を指示するためのボタンなどを備える。空調操作部7は、メカニカルなスイッチを用いて実現されていてもよいし、図示しないディスプレイに積層されたタッチパネルを用いて実現されていてもよい。空調操作部7は車室内の所定の位置に設けられていればよい。
なお、吹出モードとは、複数の車室内吹出口114のうち、空気を吹き出させる車室内吹出口114の組み合わせに相当する。一般的に吹出モードとしては、フェイスモードや、バイレベルモード、フットデフロスタモードなどがある。フェイスモードは、フェイス吹出口114bから乗員としてのユーザの上半身に向けて空気を吹き出す吹出モードである。バイレベルモードは、フェイス吹出口114bとフット吹出口114cの両方を開口して乗員の上半身と足元に向けて空気を吹き出す吹出モードである。フットデフロスタモードは、フット用開口部112c及びデフロスタ用開口部112aを同程度開口して、フット吹出口114c及びデフロスタ吹出口114aの双方から空気を吹き出す吹出モードである。
<空調ユニット1の構成について>
次に、ここでは図3を用いて空調ユニット1の構成について説明する。空調ユニット1は図3に示すように、ケース101、内外気切替ドア102、送風機103、エバポレータ104、オゾン発生装置105、ヒートコア106、エアミックスドア107、空調ニオイセンサ108、及び、複数のモードドア109を備える。ケース101には、外気導入口110、内気導入口111、及び複数の送風用開口部112が設けられている。
次に、ここでは図3を用いて空調ユニット1の構成について説明する。空調ユニット1は図3に示すように、ケース101、内外気切替ドア102、送風機103、エバポレータ104、オゾン発生装置105、ヒートコア106、エアミックスドア107、空調ニオイセンサ108、及び、複数のモードドア109を備える。ケース101には、外気導入口110、内気導入口111、及び複数の送風用開口部112が設けられている。
外気導入口110は、車室外の空気(以降、外気)をケース101内に導入するための開口部であり、内気導入口111は、車室内の空気(以降、内気)をケース101内に導入するための開口部である。内気導入口111は車室内の任意の位置に配された内気吸込口(図示略)とダクト113を介して接続されている。外気導入口110及び内気導入口111は、ケース101の最上流側に設けられている。
送風用開口部112は、ケース101内で生成された空気を、車室内に連通するダクト113へと送り出すための開口部である。ケース101には、送風用開口部112として、デフロスタ用開口部112a、フェイス用開口部112b、及びフット用開口部112cが設けられている。
また、各送風用開口部112には、車室内吹出口114までの空気の通路を提供するダクト113が接続されている。ケース101は、種々のダクト113と接続されることにより、空調ユニット1の概形を提供する。すなわち、空調ユニット1の内部(以降、ユニット内部)という表現には、ケース101の内部だけでなく、ダクト113の内部も含まれ得る。
各車室内吹出口114は、ダクト113の最下流に相当する。各ダクト113内の車室内吹出口114付近には、オゾン分解フィルタを用いて実現された、通風機能を有するオゾンフィルタドア115が配されている。
なお、ケース101の内部には、外気導入口110や内気導入口111から、送風用開口部112に向かって空気の流路が形成されている。つまり、外気導入口110や内気導入口111はケース101内部に形成されている空気流路の最上流側に相当し、送風用開口部112はケース101内部に形成されている空気流路の最下流側に相当する。
デフロスタ用開口部112aは、デフロスタダクト113aに向けて空気を供給するための開口部である。デフロスタダクト113aは、デフロスタ吹出口114aとデフロスタ用開口部112aとを連通するダクト113である。デフロスタ吹出口114aは、フロントガラスの内面に向けて空気を吹き出すように形成されている吹出口であって、例えばインストゥルメントパネルの上面部のうち、フロントガラスの下端部付近に配されている。デフロスタダクト113aは、デフロスタ吹出口114aに向かう空気が通る通路(以降、デフロスタ空気通路)を提供する構成に相当する。
フェイス用開口部112bは、フェイスダクト113bに向けて空気を供給するための開口部である。フェイスダクト113bは、フェイス吹出口114bとフェイス用開口部112bとを連通するダクト113である。フェイス吹出口114bは、前部座席の乗員の上半身〜顔部が存在しうる領域に向けて空気を吹き出すように形成されている吹出口である。フェイス吹出口114bは、例えばインストゥルメントパネルの車幅方向中央付近に設けられている。フェイスダクト113bは、フェイス吹出口114bに向かう空気が通る通路(以降、フェイス空気通路)を提供する構成に相当する。
フット用開口部112cは、フットダクト113cに向けて空気を供給するための開口部である。フットダクト113cは、フット吹出口114cとフット用開口部112cとを連通するダクト113である。フット吹出口114cは、前部座席の乗員の足元に向けて空気を吹き出すように形成されている吹出口である。フット吹出口114cは、例えばインストゥルメントパネルの下端付近に設けられている。フット吹出口114cは、車室内においてフェイス吹出口114bよりも下方に配されている。フットダクト113cは、フット吹出口114cに向かう空気が通る通路(以降、フット空気通路)を提供する構成に相当する。
内外気切替ドア102は、外気導入口110及び内気導入口111の開度を調節するドアである。空調ECU2は、モータ等のアクチュエータを用いて内外気切替ドア102の位置(例えば角度)を電気的に変更することで、ケース101内部への内気もしくは外気の導入モードを実現する。便宜上、ケース101に内気を導入する位置を内気導入位置と称する。内気導入位置は、外気導入口110が閉じ、かつ、内気導入口111が開いた状態を提供するドアの位置である。また、ケース101に外気を導入する位置を外気導入位置と称する。外気導入位置は、外気導入口110が開き、かつ、内気導入口111が閉じた状態を提供するドアの位置である。
送風機103は、外気導入口110又は内気導入口111からケース内に導入された空気を、下流側(具体的にはエバポレータ104)に送るための構成である。送風機103は、例えば遠心式多翼ファン(シロッコファン)と、このファンを駆動するモータとを用いて実現されている。なお、送風機103の構成としては多様な構成を採用可能である。
エバポレータ104は、冷凍サイクルから供給される低温低圧の冷媒が内部を流通する熱交換器である。エバポレータ104は、熱交換部を通過する送風空気と、内部を流通する冷媒との間の熱交換を提供する。すなわち、エバポレータ104は、送風機103により送られてきた空気を冷却する。エバポレータ104は、送風機103の下流側に配置されている。エバポレータ104は、送風機103によって送風される全ての空気が通過するように配置されている。換言すれば、エバポレータ104は、送風機103から送風された空気が流れる流路の全体を横切るように配置されている。
エバポレータ104は、例えばコルゲート状フィンとチューブとを交互に複数段積層して形成されチューブの長手方向端にタンクを用いて実現されている。エバポレータ104は図示しない圧縮機、凝縮器、膨張弁等と配管接合されて冷凍サイクルを提供する。なお、エバポレータ104の上流側には、下流域へのダストの混入を防止するスポンジ状のフィルタが配置されていても良い。エバポレータ104は冷却用熱交換器に相当する。
オゾン発生装置105は、オゾンを発生させる装置である。オゾン発生装置105は、エバポレータ104の上流側に配置されている。すなわちオゾン発生装置105は、送風機103とエバポレータ104の間に配置されている。オゾン発生装置105が単位時間当たりに発生させるオゾンの量は、空調ECU2によって制御される。
オゾン発生装置105としては、多様な方式のものを採用可能である。オゾンの生成方式としては、無声放電方式、紫外線ランプ方式、電気分解方式などがあり、無声放電方式としては、沿面放電方式、コロナ放電方式などがある。沿面放電方式はセラミックプレートを挟持するように設けられた一対の電極に交流高電圧を印加することによって、セラミックプレートにプラズマ放電を発生させ、それぞれの電極からオゾンを発生させる方式である。コロナ放電方式は、針状電極に高電圧を付加し、その先端部でコロナ放電を起こさせてオゾンを発生させる方式である。
例えば本実施形態のオゾン発生装置105は、沿面放電方式によってオゾンを生成するように構成されている。オゾン発生装置105は、例えば、最大出力運転時に車室内を10分程度で脱臭完了できる程度のオゾン生成能力を有していることが好ましい。例えば、オゾン発生装置105は最大出力として1時間当りにオゾンを1200mg生成可能に構成されていることが好ましい。
ヒートコア106は、エバポレータ104の下流側に配置されている。ヒートコア106は、エンジン冷却水が内部を流通する熱交換器である。ヒートコア106は、熱交換部を通過する送風空気と、内部を流通するエンジン冷却水との間の熱交換を提供する。すなわち、ヒートコア106は、エバポレータ104を通過してきた送風空気を加熱する、加熱用熱交換器に相当する。
エアミックスドア107は、ヒートコア106の上流側に配置されてあって、ヒートコア106を流通する空気と、ヒートコア106を迂回する空気との流量割合を調整するための構成である。エアミックスドア107は、ヒートコア106の直前に相当する位置に設けられている。エアミックスドア107は、スライドドア、フィルムドア等多様なドア部材により提供される。エアミックスドア107は、エアミックスドア107の位置を変更するためのモータと接続されており、その位置は空調ECU2によって制御される。
空調ニオイセンサ108は、ユニット内部の空気の臭いの強さ(以降、臭気レベル)を検出するセンサである。空調ニオイセンサ108は、例えばケース101の内面において、ヒートコア106よりも下流側となる任意の位置に配されている。空調ニオイセンサ108としては、前述の通り、半導体式のニオイセンサなど、多様な方式のものを採用することができる。本実施形態の空調ニオイセンサ108は一例として、酸化インジウム系等の金属酸化物を用いた半導体式のニオイセンサを用いて実現されている。
モードドア109は、ケース101が備える送風用開口部112に流入する空気の流量を調整するためのドアである。モードドア109は、複数の送風用開口部112に対して1つずつ配されている。すなわち本実施形態の空調ユニット1は、モードドア109として、デフロスタ用モードドア109a、フェイス用モードドア109b、及び、フット用モードドア109cを備える。
デフロスタ用モードドア109aは、デフロスタ用開口部112aの開度を調整するためのドアである。デフロスタ用モードドア109aは、デフロスタダクト113aに流入する空気量、ひいては、デフロスタ吹出口114aから吹き出させる空気量を調整するためのドアに相当する。フェイス用モードドア109bは、フェイス用開口部112bの開度を調整するためのドアである。フェイス用モードドア109bは、フェイスダクト113bに流入する空気量、ひいては、フェイス吹出口114bから吹き出させる空気量を調整するためのドアに相当する。フット用モードドア109cは、フット用開口部112cの開度を調整するためのドアである。フット用モードドア109cは、フットダクト113cに流入する空気量、ひいては、フット吹出口114cから吹き出させる空気量を調整するためのドアに相当する。
複数のモードドア109のそれぞれは、空調ECU2によって開度を制御される。開度の調整は、実体的には、ドアの位置(例えば角度)を制御することに相当する。モードドア109の開度の調整は、モードドア109の位置や姿勢を変更するためのトルクを提供するモータ(以降、モードドア駆動モータ)を用いて実現されれば良い。モードドア駆動モータは空調ECU2からの制御信号によってその作動が制御される。モードドア駆動モータとしては例えばサーボモータやステップモータを採用可能である。
複数のモードドア109はそれぞれ独立して開度を調整可能に構成されている。モードドア109は、モードリンク等によって、所定の組み合わせで連動するように構成であってもよい。複数のモードドア109は、フェイスモードや、バイレベルモード、フットデフロスタモードなど、所定の吹出モードを提供できるように構成されていれば良い。
なお、本実施形態では一例として、デフロスタ吹出口114aに向かう空気の通路(つまりデフロスタ空気通路)の最上流に、デフロスタ用モードドア109aを配置しているが、デフロスタ用モードドア109aの取付位置はこれに限らない。デフロスタダクト113aの途中に配置されていてもよいし、最下流に配置されていても良い。デフロスタ用開口部112aがデフロスタ流路の最上流に相当し、デフロスタ吹出口114aがデフロスタ流路の最下流に相当する。フェイス用モードドア109bやフット用モードドア109cについても同様に、それぞれの空気通路の途中に配置されていても良い。
オゾンフィルタドア115は、オゾンを除去しつつ、空気を通過させるように構成されているドアである。オゾンフィルタドア115の開度は、空調ECU2によって制御される。オゾンフィルタドア115は、全閉状態において、車室内吹出口114に向かって流れる全ての空気が通過するように構成されている。つまり、オゾンフィルタドア115は、全閉時に、ケース101内で発生されたオゾンが車室内に漏れ出ないように構成されている。
オゾンフィルタドア115は、ハニカム状に形成されたオゾン分解触媒(以降、オゾン分解フィルタ)を用いて実現されている。オゾンフィルタドア115を構成するオゾン分解フィルタとしては、例えば、無機繊維ペーパーやアルミ箔などを骨格にした担体としてのハニカム基材に、オゾンを分解する触媒を担持したものを採用することができる。触媒としては、ニッケル酸化物や二酸化マンガンなど、多様な材料を採用する事ができる。また、オゾン分解フィルタは活性炭を用いてオゾンを分解するように構成されていても良い。
なお、オゾンフィルタドア115を構成するオゾン分解フィルタは、空気を通すように構成されていればよく、その具体的な構造は、ハニカム構造に限定されない。担体は、断面が有する穴の概形が四角形や三角形となるように形成されていても良い。オゾン分解フィルタの担体は多孔質のセラミックを用いて実現されていても良い。
以上の構成により、空調ユニット1は、運転中、内外気切替ドア102によりケース内へと導入された外気又は内気が送風機103によって送風され、エバポレータ104を通る。エバポレータ104を通った空気は、エアミックスドア107によってヒートコア106へ送られるか、又はヒートコア106をバイパスし、モードドア109により選択される3つの送風用開口部112の少なくともいずれか1つを通じて車室内へ吹出される。
また、上記構成によれば、空気流路上に存在するモードドア109とオゾンフィルタドア115のそれぞれが少なくとも1組開いている場合には、車室内にオゾンを放出し、車室内を脱臭することができる。さらに、オゾン発生装置105がオゾンを発生させている場合であっても、全てのオゾンフィルタドア115が閉じている場合には、オゾンフィルタドア115によって当該オゾンは分解される。そのため、車室内にオゾンが流出し、車室内のオゾン濃度が所定の安全レベルを超過してしまう恐れを低減できる。
安全レベルは、乗員の健康状態に影響を与える恐れが実質的にないと見なせるレベルである。安全レベルは、例えばオゾン濃度が0.05ppm(≒0.1mg/m^3)以下の状態に相当するレベルとすればよい。安全レベルの上限値(ここでは0.05ppm)は適宜変更可能である。
すなわち、本実施形態の空調ユニット1は、オゾンフィルタドア115を開閉することによって、空調ユニット1の内部だけでなく、車室内も脱臭可能に構成されている。加えて、オゾンフィルタドア115は通風性を有するように構成されているため、ユーザが乗車している間もオゾンを発生させて空調ユニット1の内部を殺菌、脱臭することが可能である。
<空調ECU2の機能について>
次に空調ECU2の機能について説明する。空調ECU2は、主として、空調操作部7に対するユーザ操作に基づいて、空調ユニット1の作動を制御し、車室内吹出口114から吹き出す空気の温度及び吹出風量を調整する構成である。車室内へと吹き出す空気の設定温度や、各車室内吹出口114からの風量の制御目標量は、空調操作部7を介してユーザによって入力される。なお、空気の温度調整については、エバポレータ104を含む冷凍サイクル装置が生成した冷風と、加熱装置が生成した温風とを混合させる比率をエアミックスドア107を用いて調整することで行えばよい。
次に空調ECU2の機能について説明する。空調ECU2は、主として、空調操作部7に対するユーザ操作に基づいて、空調ユニット1の作動を制御し、車室内吹出口114から吹き出す空気の温度及び吹出風量を調整する構成である。車室内へと吹き出す空気の設定温度や、各車室内吹出口114からの風量の制御目標量は、空調操作部7を介してユーザによって入力される。なお、空気の温度調整については、エバポレータ104を含む冷凍サイクル装置が生成した冷風と、加熱装置が生成した温風とを混合させる比率をエアミックスドア107を用いて調整することで行えばよい。
また、空調ECU2は、CPU21が上述の空調制御プログラムを実行することで、車室内脱臭処理やユニット内脱臭処理などといった、オゾンを用いて空調ユニット1の内部等を脱臭する処理を実行する。空調ECU2は、CPU21が上述の空調制御プログラムを実行することによって図4に示す種々の機能ブロックに対応する機能を提供する。すなわち、空調ECU2は機能ブロックとして乗員有無判定部F1、ユニット臭気判定部F2、車室内臭気判定部F3、オゾンレベル判定部F4、オゾン発生制御部F5、モードドア制御部F6、フィルタドア制御部F7、及び、通知処理部F8を備える。空調ECU2が備える機能の一部又は全部はハードウェアとして実現されても良い。或る機能をハードウェアとして実現する態様には、1つ又は複数のICなどを用いて実現する態様が含まれる。
乗員有無判定部F1は、車室内にユーザ(つまり乗員)が存在しているか否かを判定する構成である。例えば、乗員有無判定部F1は、スマートECU5から、車室内に携帯機200が存在していることを示すデータが提供されている場合には、車室内にユーザが存在していると判定する。また、乗員有無判定部F1は、スマートECU5から、車室内に携帯機200が存在しないことを示すデータが提供されていることに基づいて、ユーザは存在していないと判定する。
なお、乗員有無判定部F1は、着座センサの検出結果を用いて、乗員が存在しているか否かを判定するように構成されていてもよい。つまり、着座センサによって何れの席にも乗員が着座していないことが検出されている場合に、車室内にユーザは存在しないと判定するように構成されていても良い。上記の構成においては、何れかの席に乗員が着座していることが検出されている場合には、車室内にユーザが存在すると判定すればよい。着座センサの検出結果はボディECU6を介して又は着座センサから直接的に取得すればよい。
また、乗員有無判定部F1は、車両Hvが駐車されている場合には、車室内にユーザは存在しないと判定するように構成されていても良い。車両Hvが駐車されていると判定する条件は適宜設計されればよく、多様な判定条件を採用することができる。例えば、走行用電源(例えばイグニッション電源)がオフであり、全てのドアが施錠されている場合に、車両Hvは駐車されていると判定する。走行用電源(例えばイグニッション電源)のオンオフは車載電源ラインの印加電圧に基づいて判断されれば良い。各ドアの施錠状態はボディECU6から取得可能である。なお、空調ECU2は、各ドアウインドウの開度や、各ドアの開閉状態などについても、ボディECU6から取得可能である。
なお、乗員有無判定部F1は、上述した携帯機200の位置情報や、着座センサの検知結果、駐車状態であるか否かなどの複数種類の情報を適宜組み合わせて、車室内にユーザが存在するか否かを判定するように構成されていても良い。また、上述した以外にも、乗員有無判定部F1は、車室内の撮影する車室内カメラなどの撮像画像を解析して車室内にユーザが存在するか否かを判定するように構成されていてもよい。シートベルトが装着されているか否かを検出するシートベルトセンサの検出結果を用いて乗員の有無を判定してもよい。さらには、車室内を検知範囲とする赤外線センサを用いて乗員の有無を判定してもよい。なお、車室内を検知範囲とする赤外線センサは、例えば小動物等が存在するか否かを検出するための赤外線センサを用いて実現可能である。
ユニット臭気判定部F2は、空調ニオイセンサ108の検出結果に基づいて、ユニット内部の臭気レベルが所定のユニット脱臭閾値以上であるか否かを判定する。便宜上、空調ユニット1内の臭気レベルがユニット脱臭閾値以上であるか否かを判定する処理のことをユニット臭気レベル判定処理と称する。ユニット脱臭閾値は、空調ユニット1内の脱臭が必要と判断する閾値である。換言すれば、ユニット脱臭閾値は、空調ユニット1の脱臭を目的としてオゾン発生装置105を作動させるための閾値である。ユニット臭気判定部F2は、空調ニオイセンサ108が検出している臭気レベルがユニット脱臭閾値以上である場合には、オゾン発生制御部F5に対してオゾンを発生させるように要求する。
ユニット臭気判定部F2は、空調ユニット1内の臭気レベルがユニット脱臭閾値以上である場合には、ユニット脱臭フラグをオンに設定する。また、空調ユニット1内の臭気レベルがユニット脱臭閾値以上ではない場合には、ユニット脱臭フラグをオフに設定する。ユニット脱臭フラグは、空調ユニット1の内部を脱臭する必要があるか否かを示す処理上のフラグである。ユニット脱臭フラグがオンの状態は空調ユニット1の内部を脱臭する必要があることを示す。また、ユニット脱臭フラグがオフの状態は、空調ユニット1の内部を脱臭する必要がないことを示す。ユニット脱臭フラグの値はフラッシュメモリ22等が備える不揮発性の記憶領域に保存されることが好ましい。もちろん、ユニット脱臭フラグの値はRAM等が備える揮発性メモリを用いて保持されてもよい。
ユニット臭気判定部F2は、例えば、イグニッション電源がオンとなったタイミングで空調ニオイセンサ108の検出結果を取得して、ユニット臭気レベル判定処理を実施するように構成されている。なお、ユニット臭気判定部F2は、空調ユニット1の運転中に定期的に(例えば10分毎に)ユニット臭気レベル判定処理を実施するように構成されていてもよい。ユニット臭気レベル判定処理は、イグニッション電源がオフとなったことをトリガとして実行されても良い。ユニット臭気レベル判定処理は、オゾンが空調ニオイセンサ108の検出結果に影響を与えるおそれを低減するため、ケース101内のオゾン濃度が所定の安全レベルとなっていることが見込まれる状況下で実行されることが好ましい。例えばオゾン発生装置105を停止してから一定時間以上経過していることを条件として実行されれば良い。
車室内臭気判定部F3は、車室内ニオイセンサ3の検出結果に基づいて、車室内の臭気レベルが所定の車室内脱臭閾値以上であるか否かを判定する。車室内脱臭閾値は、車室内の脱臭が必要と判断する閾値である。換言すれば車室内脱臭閾値は、車室内の脱臭を主目的としてオゾン発生装置105を作動させるための閾値である。車室内臭気判定部F3は、車室内ニオイセンサ3が検出している臭気レベルが車室内脱臭閾値以上である場合には、オゾン発生制御部F5に対してオゾンを発生させるように要求する。
車室内臭気判定部F3は、車室内の臭気レベルがユニット脱臭閾値以上である場合には、車室内脱臭フラグをオンに設定する。また、車室内の臭気レベルがユニット脱臭閾値以上ではない場合には、車室内脱臭フラグをオフに設定する。車室内脱臭フラグは、車室内を脱臭する必要があるか否かを示す処理上のフラグである。車室内脱臭フラグがオンの状態は車室内を脱臭する必要があることを示す。また、車室内脱臭フラグがオフの状態は、車室内を脱臭する必要がないことを示す。車室内脱臭フラグの値はフラッシュメモリ22等が備える不揮発性の記憶領域に保存されることが好ましい。もちろん、車室内脱臭フラグの値はRAM等が備える揮発性メモリを用いて保持されてもよい。
車室内臭気判定部F3は、例えば、イグニッション電源がオフとなったタイミングで車室内ニオイセンサ3の検出結果を取得し、車室内の臭気レベルが車室内脱臭閾値以上であるか否かを判定する処理(以降、車室内臭気レベル判定処理)を実施するように構成されている。なお、車室内臭気判定部F3は、イグニッション電源がオンとなったことをトリガとして車室内臭気レベル判定処理を実行するように構成されていても良い。その他、車室内臭気判定部F3は、空調ユニット1の運転中においても、定期的に(例えば10分毎に)ユニット臭気レベル判定処理を実施するように構成されていてもよい。車室内臭気レベル判定処理は、車室内のオゾン濃度が所定の安全レベルであることを条件として実行されればよい。例えば車室内臭気レベル判定処理はオゾンセンサ4によって車室内のオゾン濃度が所定の安全レベル以下となっていることが確認されている場合や、オゾン発生装置105を停止してから一定時間以上経過していることを条件として実行されれば良い。
オゾンレベル判定部F4は、オゾンセンサ4の検出結果を取得し、車室内のオゾン濃度が所定の安全レベルであるか否かを判定する。オゾンレベル判定部F4は例えばオゾン発生装置105が作動中、所定のサンプリング間隔で、オゾンセンサ4を動作させ、車室内のオゾン濃度を観測する。また、オゾン発生装置105によるオゾン発生が停止された以降においても、車室内のオゾン濃度が所定の安全レベルとなったことが確認されるまでは、定期的にオゾン濃度の検出を行う。
オゾン発生制御部F5は、ユニット臭気判定部F2や車室内臭気判定部F3からの要求に基づいてオゾン発生装置105を作動させる構成である。モードドア制御部F6は、オゾン発生装置105の作動状態や、空調操作部7を介して入力されている空調ユニット1の動作設定(吹出モードや風量)に基づいて、各モードドア109の開度を調整する構成である。
フィルタドア制御部F7は、オゾン発生装置105の作動状態や、空調操作部7を介して入力されている空調ユニット1の動作設定(吹出モードや風量)に基づいて、各オゾンフィルタドア115の開度を調整する構成である。通知処理部F8は、オゾン発生装置105の動作状態や車室内のオゾン濃度についてユーザに通知する処理を実行する。オゾン発生制御部F5、モードドア制御部F6、フィルタドア制御部F7、及び通知処理部F8などといった、オゾンの生成に係る空調ECU2の作動の詳細は別途後述する。なお、空調ECU2は、各種脱臭処理を実施しない場合には、オゾンの発生を停止する。また、オゾンの発生を停止してから所定時間以上経過してあって、ユニット内部にオゾン濃度が安全レベル以下となっていることが期待できる状況下においては、各オゾンフィルタドアを全開に設定することで、通風抵抗を低減する。
<車室内脱臭処理について>
次に図5に示すフローチャートを用いて、車室内脱臭処理について説明する。車室内脱臭処理は、車室内にオゾンを放出することで車室内を脱臭するための処理である。車室内脱臭処理は、車室内のオゾン濃度を一時的に安全レベルよりも高いレベルにする処理に相当する。高濃度のオゾンは、人体に影響を与える恐れがある。そのため、当該車室内脱臭処理は、乗員有無判定部F1によって車室内にユーザが存在しないことが確認されており、且つ、しばらくは(例えば20分以上は)ユーザが車両Hvに乗車しないことが見込まれるタイミングで実行されるように構成されていることが好ましい。
次に図5に示すフローチャートを用いて、車室内脱臭処理について説明する。車室内脱臭処理は、車室内にオゾンを放出することで車室内を脱臭するための処理である。車室内脱臭処理は、車室内のオゾン濃度を一時的に安全レベルよりも高いレベルにする処理に相当する。高濃度のオゾンは、人体に影響を与える恐れがある。そのため、当該車室内脱臭処理は、乗員有無判定部F1によって車室内にユーザが存在しないことが確認されており、且つ、しばらくは(例えば20分以上は)ユーザが車両Hvに乗車しないことが見込まれるタイミングで実行されるように構成されていることが好ましい。
本実施形態では一例として、図5に示す車室内脱臭処理は、車両Hvが駐車され、かつ、乗員有無判定部F1によって車室内にユーザがいないことが確認された場合に開始されるものとする。なお、送風機103やオゾン発生装置105の駆動には相応の電力が必要であるため、車室内脱臭処理を自動的に実行する条件(以降、車室内脱臭実行条件)には、車載バッテリの電力残量が所定の実行可能レベル以上であることが含まれていても良い。実行可能レベルは、車室内脱臭処理の完遂に要する電力に所定の裕度を加えたレベルに設定されていれば良い。当該車室内脱臭処理は一例としてステップS101〜S112を備える。
まずステップS101では車室内臭気判定部F3が車室内臭気レベル判定処理を実行する。すなわち、車室内ニオイセンサ3を作動させて車室内の臭気レベルを取得し、車室内の臭気レベルが車室内脱臭閾値以上であるか否かを判定する。車室内の臭気レベルが車室内脱臭閾値以上である場合には車室内脱臭フラグをオンに設定してステップS102に移る。一方、車室内の臭気レベルが車室内脱臭閾値未満である場合には車室内脱臭フラグをオフに設定してステップS102に移る。
ステップS102では、車室内脱臭フラグがオンに設定されているか否かを判定する。車室内脱臭フラグがオンに設定されている場合にはステップS103を実行する。一方、車室内脱臭フラグがオフに設定されている場合には本フローを終了する。なお、車室内臭気レベル判定処理は、イグニッション電源がオンになったタイミングや、ユーザが乗車している間などに適宜実行しておいてもよい。車室内脱臭処理は、車室内脱臭フラグがオンになっていることを条件として実行されるように構成されていても良い。
ステップS103ではモードドア制御部F6が、全てのモードドア109を開状態に設定する。また、フィルタドア制御部F7が、全てのオゾンフィルタドア115を開状態に設定する。ステップS103での各種ドアの開度の調整が完了するとステップS104に移る。
なお、本実施形態では一例として、全てのモードドア109を全開に設定するが、これに限らない。フェイス用モードドア109bのみを開くように構成されていても良い。少なくとも1つのモードドア109が開いた状態に設定されれば良い。モードドア109の開度は全開に限らず、半開などであってもよい。つまり、開状態は、閉じていない状態を指し、全開の状態の他に、半開の状態なども含まれる。フィルタドア制御部F7は、開状態に設定されている(つまり開かれている)モードドア109と対応するオゾンフィルタドア115を開状態に設定すればよい。
ところで、送風用開口部112がモードドア109によって閉ざされているダクト113内部には、オゾンが到達しづらい。その結果、ダクト113そのものの脱臭効果は低減しうる。故に、車室内だけでなくダクト113内部も脱臭することを目的とする場合には、全てのモードドア109を全開状態に設定することが好ましい。
ステップS104ではオゾン発生制御部F5が、内外気切替ドア102を内気導入位置に設定した上で、オゾン発生装置105にオゾンを発生させ始める。また、オゾン発生制御部F5は、送風機103を動作させ、オゾン発生装置105が生成したオゾンを車室内に展開させる。これにより、オゾンを含む空気を車室内及び空調ユニット1を循環させる。これにより、車室内を脱臭する処理が実質的に始まる。なお、オゾン発生装置105が生成したオゾンは、エバポレータ104等を通って車室内吹出口114に到達する。そのため、車室内脱臭処理としてオゾン発生装置105に生成させたオゾンは、エバポレータ104等の空調ユニット1の内部にも作用し、空調ユニット1内部も脱臭しうる。
オゾン発生制御部F5は、オゾン発生装置105を最大出力で動作させてもよいし、最大出力よりも小さい出力レベルで動作させてもよい。所定の充填時間以内に車室内のオゾンの濃度が所定の脱臭レベルまで達するように動作させれば良い。送風機103の風力もまた適宜設計されれば良い。脱臭レベルは例えば1ppmとする。脱臭レベルの具体的な数値は適宜変更可能である。なお、オゾンは0.1ppm以上の濃度があれば、脱臭・除菌効果が得られる。故に、脱臭レベルは0.1ppmに設定されることが好ましい。ただし、一般的にニオイセンサのセンサ素子は、高濃度のオゾンに一定時間以上曝されると特性が変化し、劣化する恐れがある。脱臭レベル及び車室内脱臭時間は、車室内ニオイセンサ3や空調ニオイセンサ108のセンサ素子が劣化しない程度の濃度、長さに設定されていることが好ましい。
さらに、ステップS104では通知処理部F8が、車載ディスプレイに車室内にオゾンを放出中であることを示すメッセージを表示するなどして、車室内にオゾンを放出中であることをユーザに通知する。車室内にオゾンを放出中であることのユーザへの通知は、予め定められたパターンの警報音の出力や、車両Hvに搭載された照明(例えば前照灯やハザードランプ等)の点灯、インジケータの点滅などによって実現されてもよい。便宜上、車載ディスプレイ等の報知装置を用いて、車室内にオゾンを放出中(換言すれば車室内を脱臭中)であることをユーザに通知する処理を警告処理と称する。車室内にオゾンを放出中であることのメッセージ表示(つまり警告処理)は後述するように、車室内のオゾン濃度が安全レベルに低下するまで継続されれば良い。
ステップS105ではオゾン発生制御部F5が、ステップS104にてオゾンを発生させ始めてから所定の車室内脱臭時間経過したか否かを判定する。オゾンを発生させ始めてからの経過時間は図示しないタイマー等を用いて計測されれば良い。オゾンの発生を開始した時点から未だ車室内脱臭時間経過していない場合にはステップS105を否定判定してステップS106を実行する。一方、オゾンの発生を開始した時点から車室内脱臭時間経過した場合にはステップS105を肯定判定してステップS109を実行する。
車室内脱臭時間は、車室内の脱臭の完了が期待できる長さに適宜設計されている。車室内脱臭時間は、オゾン発生装置105の性能や車室内の広さによって定まる。車室内脱臭時間は例えば10分に設定されている。なお、本実施形態では車室内脱臭時間は一定値とするがこれに限らない。車室内脱臭時間は、ステップS101で観測された臭気レベルに応じて動的に調整されて運用されても良い。車室内脱臭時間は、臭気レベルが高いほど長くなるように設定されれば良い。
ステップS106では空調ECU2が、スマートECU5やボディECU6等から提供される情報に基づいて、車両Hvに乗車するための操作(以降、乗車操作)をユーザが実施したか否かを判定する。例えば空調ECU2は、ドアが開錠されたことを示すデータがボディECU6から提供された場合には、乗車操作が実行されたと判定する。
なお、乗車操作がなされたか否か、換言すれば、ユーザが車両Hvに乗車しようとしているか否かは、ドアの施錠状態以外の情報によって判断してもよい。例えばドアの外面部に設けられたドアボタンやタッチセンサの出力信号に基づいて、ユーザが乗車操作を実施したか否かを判定しても良い。また、ドア下に検知エリアを形成する赤外線センサの出力信号に基づいて、ユーザが乗車操作を実施したか否かを判定しても良い。その他、空調ECU2は、スマートECU5によって携帯機200が車室外の所定領域に存在することが確認されていることを条件として、ユーザが乗車操作を実施したか判断するように構成されていても良い。
車両Hvに乗車するための操作をユーザが実施したと判定することは、車両Hvに乗車するためのユーザ操作を検出することに相当する。ステップS106において車両Hvに乗車するための操作をユーザが実施したと判定した場合にはステップS107を実行する。また、車両Hvに乗車するための操作をユーザが実施されていない場合には、ステップS105を再実行する。ステップS106を実行する空調ECU2が乗車判定部に相当する。
ステップS107ではオゾン発生制御部F5がオゾン発生装置105を用いたオゾンの発生を停止してステップS108に移る。ステップS108では空調ECU2は急速換気処理を開始する。急速換気処理は、車室内のオゾン濃度を安全レベルまで速やかに低下させるための処理である。例えば、空調ECU2は、急速換気処理として、内外気切替ドア102を外気導入位置に設定するとともに、各モードドア109を全開に設定し、送風機103を最大出力で作動させる。また、ボディECU6と連携して全て窓を全開にする。
なお、空調ECU2が急速換気処理として実施する制御の内容は上述したものに限定されない。他の態様として、空調ECU2は、内外気切替ドア102を内気導入位置に設定するとともに、各モードドア109を全開、且つ、各オゾンフィルタドア115を全閉に設定した上で、送風機103を最大出力で作動させてもよい。このような制御内容によれば、車室内のオゾンは、内気循環によってオゾンフィルタドア115で分解されていくため、車室外にオゾンを放出することなく、オゾン濃度を低下させることができる。また、上記の構成によれば窓を開けないため、車両Hvの防犯性を維持することができる。
さらに、ユーザが実際にドアを開けるまでは、内気循環とオゾンフィルタドア115による急速換気処理を実施するとともに、ユーザによってドアが開けられた以降においては、外気導入及び全窓開放による急速換気処理を実行するように構成されていても良い。上記の構成によれば、車両Hvの防犯性を維持しつつ、オゾンがユーザの体調に影響を与える恐れを低減できる。急速換気処理は例えば1分以内にオゾン濃度が安全レベルまで低減できるように設計されていることが好ましい。急速換気処理に要する時間を急速換気所要時間とも記載する。急速換気処理は、オゾンがユーザの体調に影響を与えうるレベルで車室内に残存している場合に適用される換気処理に相当する。
ステップS109ではオゾン発生制御部F5がオゾン発生装置105を用いたオゾンの発生を停止してステップS110に移る。ステップS110では空調ECU2は通常換気処理を開始する。通常換気処理は、車室内のオゾン濃度を安全レベルまで相対的に緩やかに低下させるための処理である。例えば、空調ECU2は、通常換気処理として、内外気切替ドア102を内気導入位置に設定するとともに、各モードドア109を全開、且つ、各オゾンフィルタドア115を全閉に設定した上で、送風機103を所定の出力で作動させる。通常換気処理は例えば5分程度でオゾン濃度が安全レベルまで低減するように設定されていることが好ましい。通常換気処理に要する時間を通常換気所要時間とも記載する。なお、通常換気処理の途中にて、ユーザの乗車操作が検出された場合には急速換気処理が実行されれば良い。
ステップS111では空調ECU2が、オゾンセンサ4の検出結果に基づいて、車室内のオゾン濃度が安全レベルまで低下したか否かを判定する。まだ車室内のオゾン濃度が安全レベルまで低下していない場合には、引き続き通常換気処理/急速換気処理を継続する。車室内のオゾン濃度が安全レベルまで低下した場合には、ステップS112を実行する。ステップS112では換気処理及び警告処理を停止して本フローを終了する。なお、ステップS112において通知処理部F8は、車室内の脱臭が完了したことを車載ディスプレイ等の報知装置を介してユーザに通知しても良い。
<無人時ユニット脱臭処理>
次に、図6に示すフローチャートを用いて無人時ユニット脱臭処理について説明する。無人時ユニット脱臭処理は、例えば、ユニット脱臭フラグがオンに設定されている状態において、乗員有無判定部F1によって車室内にユーザがいないことが確認された場合に実行されればよい。
次に、図6に示すフローチャートを用いて無人時ユニット脱臭処理について説明する。無人時ユニット脱臭処理は、例えば、ユニット脱臭フラグがオンに設定されている状態において、乗員有無判定部F1によって車室内にユーザがいないことが確認された場合に実行されればよい。
また、空調ECU2は、ユニット脱臭フラグがオンとなっている状態において、車両Hvが駐車されたことを検出した場合に無人時ユニット脱臭処理を実行するように構成されていても良い。なお、車両Hvが駐車されたと判定した時点において、車室内脱臭フラグとユニット脱臭フラグの両方がオンに設定されている場合には、無人時ユニット脱臭処理よりも車室内脱臭処理が優先して実行されれば良い。車室内脱臭処理は、ユニット内部の脱臭も兼ねるためである。その他、無人時ユニット脱臭処理は、上記の条件に加えて、車載バッテリの電力残量が所定の実行可能レベル以上であることを実行の条件として備えていてもよい。
無人時ユニット脱臭処理は一例としてステップS201〜S206を備える。まずステップS201ではモードドア制御部F6が、所定のモードドア109を開く。ユニット脱臭処理においては、ケース101内に空気が流れるように、複数のモードドア109のうち少なくとも1つのモードドア109が開いていればよい。また、その開度は、半開など、全開でなくともよい。もちろん、前述の通り、全てのモードドア109を開状態に設定してもよい。その場合には全てのダクト113内をオゾンが通過するため、各ダクト113の内部表面も脱臭の対象とすることができる。ここでは一例としてモードドア制御部F6はフェイス用モードドア109bのみを開状態に設定する。
また、ステップS201ではフィルタドア制御部F7が、複数のオゾンフィルタドア115のうち、少なくともモードドア制御部F6によって開状態に設定されるモードドア109に通ずる(換言すれば対応する)オゾンフィルタドア115を閉状態に設定する。なお、フィルタドア制御部F7は全てのオゾンフィルタドア115を閉じるように構成されていても良い。ステップS201での各種ドアの開度の調整が完了するとステップS202に移る。
ステップS202ではオゾン発生制御部F5が、オゾン発生装置105にオゾンを発生させ始める。また、オゾン発生制御部F5は、送風機103を動作させ、オゾンを空調ユニット1内部に行き渡らせる。その際、送風機103に発生させる風量は、オゾンが緩やかに空調ユニット1内部に展開する程度の弱いレベルとすることが好ましい。送風機103が生成する風が強すぎると、ユニット内部のオゾン濃度が低下し、オゾンの殺菌、脱臭効果が弱まってしまうためである。なお、内外気切替ドア102の位置は、内気導入位置であってもよいし、外気導入位置であってもよい。
また、オゾン発生制御部F5はオゾン発生装置105を最大出力で動作させてもよいし、最大出力よりも小さい出力レベルで動作させてもよい。所定の充填時間以内にユニット内部のオゾンの濃度が所定の脱臭レベルまで達するように動作させれば良い。オゾン発生装置105に発生させるオゾンの量は、送風機103に発生させる風量と合わせて適宜設計されれば良い。
ステップS203ではオゾン発生制御部F5が、ステップS202にてオゾンを発生させ始めてから所定のユニット脱臭時間経過したか否かを判定する。オゾンの発生を開始した時点から未だユニット脱臭時間経過していない場合にはステップS203を否定判定してステップS203を定期的に(例えば1秒毎に)実行する。つまり、オゾンを発生させ始めてからユニット脱臭時間が経過するまで待機する。そして、オゾンの発生を開始した時点からユニット脱臭時間経過した場合にはステップS203を肯定判定してステップS204を実行する。
ユニット脱臭時間は、エバポレータ104等のユニット内部の脱臭の完了が期待できる長さに適宜設計されている。ユニット脱臭時間は、オゾン発生装置105のオゾン生成能力等によって定まる。ユニット脱臭時間は例えば5分に設定されている。なお、本実施形態ではユニット脱臭時間は一定値とするがこれに限らない。ユニット脱臭時間は、本フロー開始前に最後に空調ニオイセンサ108で検出された臭気レベルに応じて動的に調整されて運用されても良い。ユニット脱臭時間は、臭気レベルが高いほど長くなるように設定されれば良い。
ステップS204ではオゾン発生制御部F5がオゾン発生装置105によるオゾンの発生を停止してステップS205に移る。ステップS205では空調ECU2はユニット換気処理を所定時間実行する。ユニット換気処理はユニット内部のオゾン濃度を安全レベルまで低下させるための処理である。例えば、空調ECU2は、ユニット換気処理として、各モードドア109を全開状態に設定するとともに、全てのオゾンフィルタドア115を全閉状態に設定し、送風機103を所定の出力レベルで作動させる。上記のユニット換気処理が完了したらステップS206を実行する。ステップS206ではユニット脱臭フラグをオフに設定して本フローを終了する。
<有人時ユニット脱臭処理>
次に、図7に示すフローチャートを用いて有人時ユニット脱臭処理について説明する。有人時ユニット脱臭処理は、例えば、乗員有無判定部F1によって車室内にユーザがいると判定されている状態において、ユニット脱臭フラグがオンに設定された場合に実行されればよい。
次に、図7に示すフローチャートを用いて有人時ユニット脱臭処理について説明する。有人時ユニット脱臭処理は、例えば、乗員有無判定部F1によって車室内にユーザがいると判定されている状態において、ユニット脱臭フラグがオンに設定された場合に実行されればよい。
また、空調ECU2は、ユーザによって空調操作部7に対して所定の脱臭指示操作がなされた場合に、有人時ユニット脱臭処理を実行するように構成されていても良い。脱臭指示操作がなされたか否かは、空調操作部7の出力信号に基づいて判定可能である。その他、有人時ユニット脱臭処理は、イグニッション電源がオンとなったタイミングで実行するように構成されていてもよい。
有人時ユニット脱臭処理は一例としてステップS301〜S309を備える。まずステップS301ではモードドア制御部F6が、所定のモードドア109を開状態に設定する。なお、本フロー開始時点において既に空調操作部7に対するユーザ操作に基づいて空調ユニット1を冷房/暖房運転している場合には、ユーザによって指定されている吹出モードに対応するモードドア109が開状態となっている。そのような場合には、モードドア109の制御は省略されれば良い。
また、ステップS301ではフィルタドア制御部F7が、複数のオゾンフィルタドア115のうち、少なくともモードドア制御部F6によって開状態に設定されるモードドア109に通ずるオゾンフィルタドア115を閉状態に設定する。なお、フィルタドア制御部F7はステップS301にて全てのオゾンフィルタドア115を閉じるように構成されていても良い。ステップS301での各種ドアの開度の調整が完了するとステップS302に移る。
ステップS302ではオゾン発生制御部F5が、オゾン発生装置105にオゾンを発生させ始める。また、オゾン発生制御部F5は、送風機103を所定/ユーザに指定された風量を提供するように動作させる。なお、オゾン発生制御部F5は所定の充填時間以内にユニット内部のオゾンの濃度が所定の脱臭レベルまで達するようにオゾン発生装置105を動作させる。前述の通り、オゾン発生装置105に発生させるオゾンの量は、送風機103に発生させる風量と合わせて適宜設計されれば良い。
ステップS303ではオゾン発生制御部F5が、ステップS302にてオゾンを発生させ始めてから所定のユニット脱臭時間経過したか否かを判定する。オゾンの発生を開始した時点から未だユニット脱臭時間経過していない場合にはステップS303を否定判定してステップS304を実行する。また、オゾンの発生を開始した時点からユニット脱臭時間経過した場合にはステップS303を肯定判定してステップS307を実行する。
ステップS304では、ユーザが空調操作部7に対して車室内吹出口114からの吹出量(換言すれば風量)を最大レベルに設定する操作(以降、最大風力要求)を実施したか否かを判定する。最大風力要求がなされたか否かは、空調操作部7の出力信号に基づいて判定可能である。例えば、空調操作部7を介して風量の設定レベルが最大レベルに設定された場合に、最大風力要求がなされたと判定すればよい。最大風力要求がなされた場合には、ステップS304を肯定判定してステップS305を実行する。一方、最大風力要求がなされていない場合には、所定時間待機後(例えば1秒後)にステップS303を再実行する。
ステップS305ではオゾン発生制御部F5がオゾン発生装置105によるオゾンの発生を停止し、ユニット換気処理を実行した後に、ステップS306を実行する。ステップS306では全てのオゾンフィルタドア115を全開状態に設定して本フローを終了する。
なお、ユーザが最大風力を要求している場合にステップS305〜S306を実施する理由は次の通りである。オゾンフィルタドア115は通風性を有するもののフィルタとして構成されているため、オゾンフィルタドア115が閉じている状態では、オゾンフィルタドア115によって車室内吹出口114からの風量が低下しうる。一方、ユーザが最大風力を要求する場合には、ユーザは車室内の温度が可及的速やかに設定温度となることを望んでいることが想定される。故に、ユーザが最大風力を要求しているシーンにおいては、オゾンフィルタドア115を全開にすることで、オゾンフィルタドア115による風量ダウンを解消し、冷暖房に対するユーザの利便性を維持又は向上させる。
なお、ステップS306を経由して本フローを終了した場合にはユニット脱臭フラグをオンのままとし、ユーザによって風量が最大レベルよりも小さいレベルに設定された場合に再び有人時ユニット脱臭処理を実行すれば良い。
ステップS307では、オゾン発生制御部F5がオゾン発生装置105によるオゾンの発生を停止してステップS308に移る。ステップS308では空調ECU2はユニット換気処理を所定時間実行してステップS309を実行する。ステップS309ではユニット脱臭フラグをオフに設定して本フローを終了する。
<実施形態のまとめ>
空調ユニット1において送風機103とエバポレータ104の間にはオゾン発生装置105が配置されているとともに、各車室内吹出口114にはオゾンフィルタドア115が配されている。そして、空調ECU2は、ユーザが車室内に存在しないことを含む、所定の車室内脱臭実行条件が充足された場合に、各オゾンフィルタドア115を全開にしてオゾンを生成させる事により、相対的に高濃度のオゾンを車室内に充満させる。これにより、車室内に染み付いた臭いを脱臭することができる。なお、ここでの脱臭とは、完全な脱臭(つまり無臭化)に限定されない。脱臭という表現員は、臭いを弱める態様も含まれる。
空調ユニット1において送風機103とエバポレータ104の間にはオゾン発生装置105が配置されているとともに、各車室内吹出口114にはオゾンフィルタドア115が配されている。そして、空調ECU2は、ユーザが車室内に存在しないことを含む、所定の車室内脱臭実行条件が充足された場合に、各オゾンフィルタドア115を全開にしてオゾンを生成させる事により、相対的に高濃度のオゾンを車室内に充満させる。これにより、車室内に染み付いた臭いを脱臭することができる。なお、ここでの脱臭とは、完全な脱臭(つまり無臭化)に限定されない。脱臭という表現員は、臭いを弱める態様も含まれる。
また、上記の構成によれば、オゾンフィルタドア115を全閉にしつつ、オゾンを生成させる事により、相対的に高濃度のオゾンをユニット内部に充満させ、空調ユニット1の内部を脱臭することができる。その際、オゾンフィルタドア115は全閉状態に設定されるため、仮に車室内にユーザが存在したとしても、オゾンが当該ユーザの健康状態に影響を与える恐れを低減できる。つまり、オゾンフィルタドア115を閉じることにより、車室内にユーザが存在する場合であっても随時ユニット内部を脱臭できる。また、オゾンフィルタドア115は通風機能を有するため、ユーザはユニット内部を脱臭している間も、冷房や暖房といった空調機能を利用することができる。
なお、車室内の脱臭は、ディーラーショップやカー用品店などで業者に依頼することによっても実施可能ではある。しかしながら、業者に車室内を脱臭してもらうには、車室内の脱臭サービスを提供している店舗まで車両Hvを移動させる必要があるとともに、脱臭作業が完了するまで当該店舗で待たなければならない等、ユーザの利便性を欠く。そのような課題に対して、本実施形態の構成によれば、ユーザは業者に依頼することなく、日常的に、車室内を脱臭することができる。その結果、ユーザの利便性及び快適性を向上させることができる。空調ユニット1の内部の臭いについても同様である。
また、ユニット内部を脱臭することについては特許文献1や特許文献2にも言及されている。しかしながら、特許文献1に開示の構成では、オゾン発生時には各吹出用開口部への空気供給を遮断する位置に設定するため、ユニット内部に空気の流れが形成されない。このような構成では、オゾン発生装置が生成したオゾンは自然拡散によってユニット内に分布するため、オゾン発生装置から離れた部分にオゾンが作用しない可能性がある。
対して、本実施形態の構成では、ユニット脱臭処理を実施する際にも、一部のモードドア109を開状態に設定するとともに、オゾンフィルタドア115を全閉状態に設定し、送風機103を低出力動作させることで、ユニット内部に空気の流れを形成する。これにより、オゾン発生装置105が生成したオゾンがユニット内部に行き渡りやすくなる。その結果、オゾン発生装置105から離れた部分にオゾンが作用しない可能性を低減することができる。
また、上記実施形態によれば、ユーザが車室内に存在する場合(つまりユーザが乗車している場合)であっても、オゾンフィルタドア115を全閉状態に設定することにより、ユニット内部を脱臭することができる。つまり、本実施形態の構成は、特許文献1に開示の構成に対してユーザが乗車時もユニット内部を脱臭可能であるといった利点を有する。
また、特許文献2に開示の構成では、オゾン分解触媒がエバポレータの下流側においてダクト断面の全面を覆うように固定配置されている。そのため、当該オゾン分解触媒によって、定常的に吹出口からの送風性能が低下しうる。
対して本実施形態の構成によれば、オゾン分解触媒に相当するオゾンフィルタドア115は開閉可能に構成されている。また、例えばオゾンを発生させていない場合など、吹出し空気をオゾンフィルタドアを通過させる必要が無いときには、オゾンフィルタドア115を開状態に設定する。そのような構成によれば、オゾンフィルタドア115が備える通風抵抗に起因して、車室内吹出口114からの吹き出される空気の勢いが、定常的に低下してしまうことを抑制できる。
以上、本開示の実施形態を説明したが、本開示は上述の実施形態に限定されるものではなく、以降で述べる種々の変形例も本開示の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。例えば下記の種々の変形例は、技術的な矛盾が生じない範囲において適宜組み合わせて実施することができる。なお、前述の実施形態で述べた部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。また、構成の一部のみに言及している場合、他の部分については先に説明した実施形態の構成を適用することができる。
[変形例1]
上述した実施形態では車室内ニオイセンサ3を用いて車室内の臭気レベルを測定し、車室内の臭気レベルが所定のレベル以上である場合に、自動的に車室内の車室内脱臭処理を実行する態様を開示したがこれに限らない。タイマー等を用いて、ユーザが指定した時刻になったら自動的に車室内脱臭処理を実行するように構成されていても良い。また、イグニッション電源がオフになる度に、車室内脱臭処理を実行するように構成されていてもよい。
上述した実施形態では車室内ニオイセンサ3を用いて車室内の臭気レベルを測定し、車室内の臭気レベルが所定のレベル以上である場合に、自動的に車室内の車室内脱臭処理を実行する態様を開示したがこれに限らない。タイマー等を用いて、ユーザが指定した時刻になったら自動的に車室内脱臭処理を実行するように構成されていても良い。また、イグニッション電源がオフになる度に、車室内脱臭処理を実行するように構成されていてもよい。
その他、車両Hvに搭載されているナビゲーション装置やロケータの測位結果に基づいて、車両Hvが自宅のガレージなど、所定の位置(以降、定常保管場所)に駐車されたことを条件として、車室内脱臭処理を実行するように構成されていても良い。ロケータは、GNSS(Global Navigation Satellite System)受信機及び慣性センサを備え、GNSS受信機で受信する測位信号と、慣性センサの計測結果とを組み合わせることにより、自車の車両位置を検出する装置である。なお、GNSS受信機は複数の人工衛星からの測位信号を受信した結果に基づいて位置座標を特定する装置である。さらに、車両Hvが電気自動車やハイブリッド車である場合には、走行用電源の充電が開始されたことをトリガとして車室内脱臭処理を開始するように構成されていても良い。
上述した種々の態様によれば、車室内ニオイセンサ3を用いずとも、所定のタイミングで自動的に車室内脱臭処理を実行可能である。つまり車室内ニオイセンサ3は任意の要素である。なお、上述の実施形態のように、車室内ニオイセンサ3が検出した臭気レベルが所定の車室内脱臭閾値以上であることを車室内脱臭実行条件に含める構成によれば、車室内の脱臭が不要なときにも車室内脱臭処理を実行してしまう恐れを低減できる。
[変形例2]
空調ECU2は、車室内のオゾン濃度が所定の影響レベル以上である間はユーザが車室内に入れないように、ボディECU6に対してドアの開錠を禁止するように構成されていてもよい。影響レベルは、例えば0.3ppmに相当するレベルに設定されていればよい。そのような構成においてボディECU6は、ユーザがドアボタンの押下等の開錠指示操作を実施した場合であっても、車室内のオゾン濃度が所定の影響レベル以上である間はドアを開錠しない。
空調ECU2は、車室内のオゾン濃度が所定の影響レベル以上である間はユーザが車室内に入れないように、ボディECU6に対してドアの開錠を禁止するように構成されていてもよい。影響レベルは、例えば0.3ppmに相当するレベルに設定されていればよい。そのような構成においてボディECU6は、ユーザがドアボタンの押下等の開錠指示操作を実施した場合であっても、車室内のオゾン濃度が所定の影響レベル以上である間はドアを開錠しない。
このような構成によれば、オゾンが充満した車両Hvにユーザが搭乗する恐れを低減することができる。なお、通知処理部F8は、ユーザの開錠指示操作を受け付けた際に、車室内のオゾン濃度が影響レベル以上であることに起因してドアの開錠を中止する場合には、オゾン濃度が高いことを音声メッセージ等で通知することが好ましい。また、上記の通知と並行して、オゾンの発生を停止し、急速換気処理を実行することが好ましい。
[変形例3]
車室内ニオイセンサ3及び空調ニオイセンサ108は、図8に示すように、開閉可能な保護カバー92によって、オゾンを含む空気からセンサ素子91を保護可能に構成されていることが好ましい。オゾンはセンサ素子91を劣化させる恐れがあるためである。以下、上記技術的思想に対応する実施の形態を変形例3として開示する。
車室内ニオイセンサ3及び空調ニオイセンサ108は、図8に示すように、開閉可能な保護カバー92によって、オゾンを含む空気からセンサ素子91を保護可能に構成されていることが好ましい。オゾンはセンサ素子91を劣化させる恐れがあるためである。以下、上記技術的思想に対応する実施の形態を変形例3として開示する。
本変形例における車室内ニオイセンサ3及び空調ニオイセンサ108は何れも、センサ素子91、保護カバー92、カバーモータ93、及びセンサIC94を備える。センサ素子91は、臭気レベルを検出するための半導体等の素子である。保護カバー92は、センサ素子91を保護するための構成であって開閉可能に構成されている。カバーモータ93は保護カバー92の開度を調整するためのトルクを提供するモータである。なお、センサ素子91をオゾンから保護するための機構(以降、保護機構)の具体的な構成は適宜設計されれば良い。保護機構は開閉可能であって、その開閉状態は空調ECU2によって制御されるように構成されていれば良い。
センサIC94は、ニオイセンサの動作を制御するICである。センサIC94は、空調ECU2と通信を実施して、空調ECU2の指示に基づいてカバーモータ93を制御するとともに、センサ素子91の出力信号が示す臭気レベルを空調ECU2に報告するICである。
上記構成において空調ECU2は、車室内の臭気レベルを検出する際には車室内ニオイセンサ3の保護カバー92を開ける一方、車室内にオゾンを充填させる場合には各種ニオイセンサの保護カバー92を閉じる。また、空調ECU2は、ユニット内部の臭気レベルを検出する際には空調ニオイセンサ108の保護カバー92を開ける一方、オゾン発生装置105にオゾンを発生させる場合には空調ニオイセンサ108の保護カバー92を閉じる。これにより、車室内ニオイセンサ3や空調ニオイセンサ108のセンサ素子91がオゾンに曝されないようにする。
なお、保護カバー92は必ずしも開閉可能に構成されている必要はない。保護カバー92は、図9に示すように、通風性を有するオゾン分解フィルタを用いて実現されていてもよい。保護カバー92がオゾン分解フィルタを用いて実現されている場合には、保護カバー92はセンサ素子91を覆うように固定されていればよい。そのような構成によっても、臭気レベルを検出可能であって、且つ、オゾンからセンサ素子91を保護可能である。
[変形例4]
車両Hvは、レンタカーやシェアカーといった、同世帯以外の複数のユーザが利用する車両(以下、サービス車両)であってもよい。サービス車両は、自動運転によって配車されたり、自動運転で旅客輸送を行ったりする車両であってもよい。
車両Hvは、レンタカーやシェアカーといった、同世帯以外の複数のユーザが利用する車両(以下、サービス車両)であってもよい。サービス車両は、自動運転によって配車されたり、自動運転で旅客輸送を行ったりする車両であってもよい。
ここではサービス車両としての車両Hvと、車両Hvの予約状況を管理するサーバである予約管理サーバ300と、を含む車両用空調システムの実施態様を変形例4として開示する。以降では、レンタカーやシェアカーといった、車両Hvを複数のユーザで共有するサービスを以降ではシェアリングサービスとも称する。シェアリングサービスには、個人所有の車両を、所有者が使用していない時間帯に他者に貸し出す形式のサービスも含まれる。
変形例4における車載システム100は、図10に示すように、車両Hvの外部に設けられている予約管理サーバ300と広域通信網を介して無線通信を実施するための広域通信部8を備える。
シェアリングサービスの利用者は、スマートフォンなどの情報処理端末を介して、車両Hvを利用する時間帯を含む情報を予約管理サーバ300に登録する(つまり予約する)ことにより、予約内容の範囲において車両Hvを使用することができる。なお、シャアリングサービスの利用者とは、シェアリングサービスを利用する旨の契約をサービス提供者と交わしている人物を指す。予約管理サーバ300は、定期的に又はユーザによる予約が実行される度に、車両Hvに対して予約状況を示す情報(以降、予約情報)を配信するように構成されている。
また、本実施形態の空調ECU2は、上述した種々の機能に加えて、図11に示すように、予約情報取得部F9と、空き時間判定部F10とを備える。なお、図11では乗員有無判定部F1等の図示は省略している。予約情報取得部F9は、広域通信部8と連携して、予約管理サーバ300から予約情報を取得する構成である。空き時間判定部F10は、予約情報取得部F9が取得した予約情報に基づいて、車両Hvが使用される時間帯及び使用されない時間帯を特定する構成である。また、空き時間判定部F10は、或るユーザによって予約されている時間帯の後ろに、車室内脱臭処理を実行可能な長さを有する、車両が使用されない時間帯が存在するか否かを判定する。
そして、空調ECU2は、或るユーザによる使用が終了した場合に、空き時間判定部F10によってその終了時点から一定時間以上、他のユーザによる予約は入っていないと判定されていることを条件として、車室内脱臭処理を実行する。例えば空調ECU2は、或るユーザ(以降、第1ユーザ)による使用が終了した時点から一定時間以上、他のユーザ(以降、第2ユーザ)による予約が入っていない場合には、車室内脱臭処理を実行する。
上記の構成によれば、第1ユーザの使用後から第2ユーザの使用開始までの間に車室内が脱臭されるため、第1ユーザが車室内に残した匂いによって第2ユーザが不快に感じる恐れを低減できる。また、サービス車両としての車両Hvの車室内を清潔に維持しやすくなる。その結果として、サービス利用者の快適性や利便性を高めることができる。
なお、他の態様として、予約管理サーバ300は、車両Hvが使用される度に車室内脱臭処理を実行可能なように、或る予約と他の予約の間には車室内脱臭処理用のインターバルを設定するように構成されていても良い。インターバルは、他のユーザによる予約を禁止する時間帯に相当する。インターバルは、車室内脱臭時間に急速換気所要時間/通常換気所要時間を加算した時間よりも長く設定されていれば良い。インターバルはユーザが予約した時間帯の直後に設定されれば良い。
その他、サービス車両としての車両Hvに搭載されている空調ECU2は、予約管理サーバ300からの指示に基づいて車室内脱臭処理を実行するように構成されていても良い。予約管理サーバ300もまた、車両Hvの予約状況に基づいて、車両Hvが使用されない時間帯を特定できるためである。つまり、空き時間判定部F10に相当する機能は予約管理サーバ300が備えていても良い。さらに、車両Hvが自動運転によってユーザのもとへ配車されるように構成されている場合には、ユーザの元への移動中に、車室内脱臭処理の一部又は全部を実行するように構成されていても良い。
<付言>
空調ECU2が提供する手段および/または機能は、実体的なメモリ装置に記録されたソフトウェアおよびそれを実行するコンピュータ、ソフトウェアのみ、ハードウェアのみ、あるいはそれらの組合せによって提供することができる。また、空調ECU2が備える機能の一部又は全部が、ハードウェアである電子回路によって提供される場合、それは多数の論理回路を含むデジタル回路、またはアナログ回路によって提供することができる。さらに、空調ECU2は、1つのコンピュータ、またはデータ通信装置を介してリンクされた1組のコンピュータ資源によって提供されうる。
空調ECU2が提供する手段および/または機能は、実体的なメモリ装置に記録されたソフトウェアおよびそれを実行するコンピュータ、ソフトウェアのみ、ハードウェアのみ、あるいはそれらの組合せによって提供することができる。また、空調ECU2が備える機能の一部又は全部が、ハードウェアである電子回路によって提供される場合、それは多数の論理回路を含むデジタル回路、またはアナログ回路によって提供することができる。さらに、空調ECU2は、1つのコンピュータ、またはデータ通信装置を介してリンクされた1組のコンピュータ資源によって提供されうる。
100 車載システム、1 空調ユニット、2 空調ECU、3 車室内ニオイセンサ、4 オゾンセンサ、5 スマートECU、6 ボディECU、7 空調操作部、8 広域通信部、200 携帯機、300 予約管理サーバ、F1 乗員有無判定部、F2 ユニット臭気判定部、F3 車室内臭気判定部、F4 オゾンレベル判定部、F5 オゾン発生制御部、F6 モードドア制御部、F7 フィルタドア制御部、F8 通知処理部、F9 予約情報取得部、F10 空き時間判定部、S106 乗車判定部
Claims (15)
- 温度を調整した空気を車室内に配されている吹出口から吹き出すための構成を備える車両用空調装置であって、
所定方向に風を発生させる送風機(103)と、
前記送風機の下流側に配されてあって、前記送風機から送風された空気を冷却する冷却用熱交換器(104)と、
前記送風機と前記冷却用熱交換器との間に設けられてあって、オゾンを発生させるオゾン発生装置(105)と、
前記吹出口への空気の供給度合いを調節する複数のモードドア(109)と、
前記吹出口又は当該吹出口に連通するダクト内に設けられてあって、オゾンを分解する一方、空気は通すように構成されているオゾンフィルタドア(115)と、
前記オゾン発生装置の動作、前記送風機の動作、前記モードドアの開度、及び、前記オゾンフィルタドアの開度を制御する制御部(2)と、を備える車両用空調装置。 - 請求項1に記載の車両用空調装置であって、
車室内に乗員が存在するか否かを判定する乗員有無判定部(F1)を備え、
前記制御部は、車室内を脱臭する車室内脱臭処理として、少なくとも1つの前記モードドアを開状態に設定するとともに、当該開状態に設定された前記モードドアと対応する前記オゾンフィルタドアを開いた状態で前記オゾン発生装置及び前記送風機を所定時間作動させるように構成されており、
前記制御部は、前記乗員有無判定部によって車室内に乗員が存在しないと判定されていることを条件として、前記車室内脱臭処理を実行するように構成されている車両用空調装置。 - 請求項2に記載の車両用空調装置であって、
車室内の臭気レベルを検出するニオイセンサである車室内ニオイセンサ(3)を備え、
前記制御部は、前記車室内ニオイセンサが検出した前記車室内の臭気レベルが所定の車室内脱臭閾値以上であることを条件として、前記車室内脱臭処理を自動的に実行するように構成されている車両用空調装置。 - 請求項3に記載の車両用空調装置であって、
前記車室内ニオイセンサは、センサ素子(91)をオゾンから保護するための保護カバー(92)を備え、
前記保護カバーは、通風性を有さない部材を用いて実現されており且つ前記制御部によって開閉可能に構成されているか、又は、オゾンを分解する一方空気は通す部材であるオゾン分解フィルタを用いて実現されていることを特徴とする車両用空調装置。 - 請求項2から4の何れか1項に記載の車両用空調装置であって、
前記車室内脱臭処理として、車室内のオゾン濃度が所定の脱臭レベルとなるように前記オゾン発生装置を作動させるように構成されており、
前記脱臭レベルは0.1ppm以上に設定されていることを特徴とする車両用空調装置。 - 請求項2から5の何れか1項に記載の車両用空調装置であって、
ユーザが乗車しようとしているか否かを判定する乗車判定部(S106)を備え、
前記制御部は、前記車室内脱臭処理を実行している途中において、前記乗車判定部によってユーザが乗車しようとしていると判定した場合には、車室内のオゾン濃度を所定の安全レベルまで速やかに低下させるための換気処理である急速換気処理を実行するように構成されている車両用空調装置。 - 請求項6に記載の車両用空調装置であって、
車室外の空気である外気を導入するための外気導入口と、車室内の空気である内気を導入するための内気導入口の開度を調節するための内外気切替ドア(102)を備え、
前記制御部は、前記急速換気処理として、
前記内外気切替ドアを内気を導入する位置である内気導入位置に設定し、
複数の前記モードドアを開状態に設定し、
開状態に設定される前記モードドアに対応する全ての前記オゾンフィルタドアを閉状態に設定し、
前記送風機を最大出力で動作させるように構成されている車両用空調装置。 - 請求項2から7の何れか1項に記載の車両用空調装置であって、
前記制御部が前記車室内脱臭処理を実行している場合には、車両に搭載された報知装置及び前記車両のユーザによって携帯される携帯機の少なくとも何れか一方を用いて、車室内のオゾン濃度が高いことを前記ユーザに通知するための処理を実施する通知処理部(F8)を備える車両用空調装置。 - 請求項8に記載の車両用空調装置であって、
車室内のオゾン濃度を検出するオゾンセンサ(4)を備え、
前記通知処理部は、前記オゾンセンサによって検出される車室内のオゾン濃度が所定の安全レベルを超過している間は、車室内のオゾン濃度が高いことを通知するための処理を継続的に実行するように構成されている車両用空調装置。 - 請求項2から9の何れかに記載の車両用空調装置であって、
前記制御部は、ユニット内部を脱臭する処理であるユニット脱臭処理として、少なくとも1つの前記モードドアを開状態に設定するとともに、当該開状態に設定された前記モードドアと対応する前記オゾンフィルタドアを閉じた状態で前記オゾン発生装置及び前記送風機を作動させるように構成されている車両用空調装置。 - 請求項10に記載の車両用空調装置であって、
ユニット内部の臭気レベルを検出するニオイセンサである空調ニオイセンサ(108)を備え、
前記制御部は、前記空調ニオイセンサが検出したユニット内部の臭気レベルが所定のユニット脱臭閾値以上であることを条件として、前記ユニット脱臭処理を自動的に実行するように構成されている車両用空調装置。 - 請求項11に記載の車両用空調装置であって、
前記空調ニオイセンサは、センサ素子をオゾンから保護するための保護カバーを備え、
前記保護カバーは、通風性を有さない部材を用いて実現されており且つ前記制御部によって開閉可能に構成されているか、又は、オゾンを分解する一方空気は通すオゾン分解フィルタを用いて実現されていることを特徴とする車両用空調装置。 - 請求項10から12の何れか1項に記載の車両用空調装置であって、
前記制御部は、前記ユニット脱臭処理を実行している間において、ユーザによって前記送風機の風量を最大にする指示操作が行われた場合には、前記オゾンの発生を停止してから前記オゾンフィルタドアを開状態に設定することにより、前記ユニット脱臭処理を中断するように構成されている車両用空調装置。 - 複数のユーザによって共有される車両で使用される、請求項2から13の何れか1項に記載の車両用空調装置であって、
前記車両の外部に設けられてあって、ユーザによる前記車両の使用予約を受け付けるサーバである予約管理サーバと、無線通信を実施するための通信部(8)を備え、
前記制御部は、前記通信部を介して前記予約管理サーバから前記車両の予約状況を示す情報である予約情報を取得する予約情報取得部(F9)と、
前記予約情報取得部が取得した前記予約情報に基づいて、或るユーザによって予約されている時間帯の後ろに、前記車室内脱臭処理を実行可能な長さを有する、前記車両が使用されない時間帯が存在するか否かを判定する空き時間判定部(F10)を備え、
前記制御部は、或るユーザによる使用が終了した場合に、前記空き時間判定部によってその終了時点から一定時間以上、他のユーザによる予約が入っていないと判定されたことを条件として、前記車室内脱臭処理を実行するように構成されている車両用空調装置。 - 請求項1から14の何れか1項に記載の車両用空調装置であって、
前記制御部は、前記オゾン発生装置にオゾンを発生させていない場合には、前記オゾンフィルタドアを開状態に設定するように構成されている車両用空調装置。
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