JP2019209608A - 教育支援装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】教育施設での利用に適した空間構造体を提供する。【解決手段】教育支援装置は、鉛直方向に延びる柱部材と、前記柱部材に接続されると共に水平方向に延びる梁部材とを含み、内部に物品を収納するためのバックヤード空間が形成される自立架構式の空間構造体と、空間構造体の柱部材及び梁部材によって形成される架構面の少なくとも一部に設置され、ホワイトボード又はスクリーンとして利用可能なパネル部とを備える。【選択図】図1

Description

本発明は、教育支援装置に関する。
従来、柱状体と横梁体とから構成され、任意の広さの空間を構築するための空間構造体が提案されている(例えば、特許文献1)。このような技術により、オフィスや展示場等において、会議スペースや展示スペース等の空間を構築することができる。
特開2007−132474号公報
例えば学校の教室等、多目的に使用され得る空間においては、目的に応じて机や椅子、その他の機器や教材等の物品のレイアウトを変更することがある。しかしながら、一般的に教室には収納が少なく、利用の都度、物品を他の部屋や倉庫から出し入れするのは手間がかかるという問題があった。また、法規制や予算など様々な理由から校舎に対して躯体等への工事を行うのが困難な場合もある。
本発明は、教育施設での利用に適した空間構造体を提供することを目的とする。
本発明に係る教育支援装置は、鉛直方向に延びる柱部材と、前記柱部材に接続されると共に水平方向に延びる梁部材とを含み、内部に物品を収納するためのバックヤード空間が形成される自立架構式の空間構造体と、空間構造体の柱部材及び梁部材によって形成される架構面の少なくとも一部に設置され、ホワイトボード又はスクリーンとして利用可能なパネル部とを備える。
教育支援装置は、ホワイトボード又はスクリーンとして利用できると共に、バックヤード空間を利用し、教育支援装置が設置された空間の利用の目的に応じて空間内の備品のレイアウトを変更する場合や備品を使用しない場合に、不要な物品を収納することができる。したがって、例えばアクティブラーニングのように、一般的な講義形式ではない授業を行うような場合に、空間の利用方法の自由度が高まる。すなわち、教育施設での利用に適した空間構造体を提供することができる。
また、プロジェクタを設置するための庇部をさらに備え、庇部は、空間構造体の架構面の上縁を形成する梁部材からパネル部の前方に張り出すように設けられるようにしてもよい。このようにすれば、例えば既存の天井等に工事を行うことなく、プロジェクタを常設できる。したがって、プロジェクタの利用に際し備品の出し入れや準備にかかる時間を短縮することができる。また、空間構造体の上部が張り出すように設置部が設けられるため、教育支援装置が設けられる空間の天井や壁面には工事等を必要としない。
また、柱部材の上端に、水平ブレースを取り付けるための支持部材を備え、バックヤード空間の上方に水平に架設される水平ブレースを備えるようにしてもよい。このようにブレースを設けることで空間構造体の強度を向上させることができる。
また、バックヤード空間の出入口を開閉する扉をさらに備えるようにしてもよい。このようにすれば、バックヤード空間の内部が見られないように遮蔽することができ、また、注意して管理すべき物品をバックヤード空間に収納するような場合には、錠を設置し得る。
本発明によれば、教育施設で利用するために適した空間構造体を提供することができる。
空間構造体の一例を示す斜視図である。 空間構造体の一例を示す正面図である。 空間構造体の一例を示す背面図である。 空間構造体の一例を示す平面図である。 空間構造体の一例を示す左側面図である。 空間構造体の一例を示す右側面図である。 柱部材と床面側の梁部材との接続構造の一例を示す斜視図である。 柱部材と2本の天井側の梁部材との接続構造の一例を示す斜視図である。 天井側の梁部材同士の連結の様子を示す図である。 ジョイントの機能を説明するための断面図である。 ブレースの構成の一例を示す斜視図である。 柱部材と、板状の壁部材又はスクリーンとの連結構造の一例を示す斜視図である。 天井側の梁部材に固定されたプロジェクタの一例を示す斜視図である。 プロジェクタと天井側の梁部材とを接続するジョイントの一例を示す斜視図である。 空間構造体の使用例を示す斜視図である。 空間構造体の使用例を示す斜視図である。 空間構造体の使用例を示す斜視図である。 空間構造体の使用例を示す斜視図である。 横幅の短い空間構造体の一例を示す斜視図である。 横幅の長い空間構造体の一例を示す斜視図である。 室内における空間構造体の配置場所の一例を模式的に示す平面図である。 室内における空間構造体の配置場所の他の例を模式的に示す平面図である。
次に、本発明の実施形態について図面に基づいて説明する。
<空間構造体>
図1は、本実施形態に係る空間構造体の一例を示す斜視図である。図2は、空間構造体の一例を示す正面図である。図3は、空間構造体の一例を示す背面図である。図4は、空間構造体の一例を示す平面図である。図5は、空間構造体の一例を示す左側面図である。図6は、空間構造体の一例を示す右側面図である。なお、空間構造体のスクリーンが設けられた方向を便宜上前方として、図1に方向を示している。
本実施形態に係る空間構造体100は、鉛直方向に延びる複数の柱部材1と水平方向に延びる複数の梁部材2、3とを組み合わせて形成される架構式の構造体であり、床面等の設置場所に自立する。また、空間構造体100の内部には物品を収納できるバックヤード空間が形成される。また、空間構造体100は、前方に壁部材4及びホワイトボードとし
ても使用できるスクリーン(映写幕)5を備えている。なお、スクリーン5の大きさは特に限定されないが、本実施形態では、その横幅を例えば7200mm程度とする。また、天井側の梁部材2は、その一部がスクリーン5よりも前方へ張り出すと共に、プロジェクタ(映写機)6を吊下げている。プロジェクタ6は、例えば短焦点プロジェクタであり、スクリーン5へ映像を投影することができる。本実施形態では3つのプロジェクタ6が設けられているが、プロジェクタ6の数はスクリーン5の大きさに応じて増減させてもよい。また、空間構造体100は、空間構造体100の剛性を高めるために、柱部材1の間の一部にブレース7を備え、天井側の梁部材2の上方に水平に設けられる水平ブレース8を備えてもよい。また、空間構造体100は、左側面に、バックヤード空間を閉鎖すると共に、開閉可能な扉9を備える。本実施形態に係る空間構造体100は、ホワイトボードを兼ねたスクリーンを備え、学校等の教育施設において好適に利用することができるものであり、「教育支援装置」とも呼ぶものとする。
<柱部材>
図7は柱部材と床面側の梁部材との接続構造の一例を示す斜視図である。柱部材1は、その断面においてほぼ均等に四分割された形状を有する。具体的には、断面視において、中央部101から四方に放射状に隔壁102が伸び、柱部材1の断面におけるほぼ正方形の頂点Pを形成する。そして、各頂点Pから正方形において隣り合う頂点Pに向かって、壁面103が延びている。一の頂点Pから延びる壁面103と、隣り合う他の頂点Pから延びる壁面103は、両頂点Pの中間手前まで延びており、両者は接触しない。従って、対向する2つの壁面103(以下、「一対の壁面103」と称する)との間には、開口部104が形成される。また、一対の壁面103と隔壁102と中央部101とによって、溝部105が形成される。これらの開口部104および溝部105は、柱部材1の軸心方向にその全長にわたって延びている。
更に、柱部材1の断面の各頂点Pにおいて、各頂点Pから柱部材1の外方向に延出し、該頂点Pにつながる二つの壁面103にそれぞれ直交する二つの外壁面106が設けられている。その結果、一の頂点Pから延出する外壁面106と、隣り合う他の頂点Pから延出する外壁面106は対向する。そして、この対向する外壁面106と、これらとつながる一対の壁面103とによって、柱部材1の外側に半閉空間である配線用溝部107が形成される。この配線用溝部107には、空間構造体100で使用される情報機器の電源ケーブルや信号ケーブルを収納することが可能である。また、配線用溝部107にケーブルを収納すると外観のデザイン性が低下するため、カバー(図示せず)によって配線用溝部107を覆うようにしてもよい。
<床面側の梁部材とアジャスタ>
床面側の梁部材3の断面形状は、柱部材1の断面形状とほぼ同一である。床面側の梁部材3の中心部301、隔壁302、壁面303(一対の壁面303)、開口部304、溝部305、頂点Qは、柱部材1の中央部101、隔壁102、壁面103(一対の壁面103)、開口部104、溝部105、頂点Pにそれぞれ対応する。ただし、床面側の梁部材3においては、中心部301に孔は設けられておらず、外壁面106によって形成される配線用溝部107も有していない。
柱部材1と床面側の梁部材3との連結は、ジョイント306、307、308を介して行われる。ジョイント306は、柱部材1の端部に接続されるジョイントである。ジョイント306は、柱部材1の中央部101に設けられたネジ孔に対応する貫通孔306bを有する接触面306aを備える。また、ジョイント306には、柱部材1の対向する外壁面106と同様の対向する外壁面306cが4組設けられている。また、対向する外壁面306cの間には、柱部材1の開口部104のような開口は設けられておらず、後述するジョイント307の固定用のネジ孔(図示せず)が設けられている。
ジョイント306とジョイント307とは、ジョイント306が有するジョイント307固定用のネジ孔(図示せず)と、ジョイント307側の貫通孔307aを利用して連結される。また、貫通孔307aの鉛直上方に設けられた貫通孔307bは、開口部104を介して、柱部材1の溝部105に配されるナット部材(図示せず)と接続されるボルトの通し穴である。また、ジョイント307には、ジョイント308を支持するための支持部307cと、該支持部307c上にジョイント308との連結のためのネジ孔307dが設けられる。このように、ジョイント307は、ジョイント306と後述するジョイント308とを連結する。
ジョイント308は、ほぼ平行な二本の足部308aと、該足部308aにつながったベース部308bとを含む。ベース部308bの上部中央には貫通孔308cが設けられている。そして、この平行な足部308aが、床面側の梁部材3の溝部305に挿入されビスで固定される。このようにジョイント308が固定された床面側の梁部材3を、ジョイント307が固定された柱部材1およびジョイント306に連結させる。このとき、ネジ孔307dと貫通孔308cとの位置を合わせ、ネジによりジョイント307とジョイント308とが結合される。
また、ジョイント306の鉛直下方には、アジャスタカバー309とアジャスタ310が設けられる。アジャスタ310は、その側面に設けられた雄ねじ部をジョイント306の雌ねじ部(図示せず)に螺入させ、下方に突出する大きさにより、柱部材1の高さを調整するためのものであり、アジャスタカバー309はアジャスタ310の側面を覆う。
空間構造体100は床面に自立するようになっており、既存の建築物に空間構造体100を設置する際に建築物に対する工事は必要ない。特に校舎のような建物については、法規制や予算など様々な理由から工事を行うのが困難な場合もあるところ、本実施形態に係る空間構造体100であれば、設置や移動も比較的容易に行うことができる。
<天井側の梁部材と水平ブレース>
図8は、柱部材と2本の天井側の梁部材との接続構造の一例を示す斜視図である。天井側の梁部材2の断面形状も、柱部材1の断面形状とほぼ同一である。天井側の梁部材2の中央部201、隔壁202、壁面203(一対の壁面203)、開口部204、溝部205、頂点Rは、柱部材1の中央部101、隔壁102、壁面103(一対の壁面103)、開口部104、溝部105、頂点Pにそれぞれ対応するので、これらの詳細な説明は省略する。
また、天井側の梁部材2においては、空間構造体100で使用される情報機器の電源ケーブルや信号ケーブルを収納するための配線用溝部が設けられている。天井側の梁部材2では、鉛直上方向および鉛直下方向の二方向にのみ配線用溝部207、209が形成される。ここで、鉛直上方向の配線用溝部207を構成する外壁面206の高さ(頂点Rからの外壁面206の高さ)は、鉛直下方向の配線用溝部209を構成する外壁面208の高さ(頂点Rからの外壁面208の高さ)よりも高く設計されている。また、鉛直下方向の配線用溝部209にもケーブルを収納する場合、下からケーブルが見えないようにカバーによって配線用溝部209を覆うようにしてもよい。なお、天井側の梁部材2の水平方向の外側には、外壁面35、37に相当する壁面は設けられず、配線用溝部は存在しない。
柱部材1と梁部材2との連結は、ジョイント21を介して行われる。ジョイント21は、柱部材1に設置されるときその端面と接触する設置面21aを有しており、この設置面21aの中央には貫通孔(図示せず)が設けられている。この貫通孔は、設置面21aが柱部材1の端面に設置されると、柱部材1の中央部101に設けられたネジ孔に対応する
位置をとる。そして、ネジによってジョイント21と柱部材1とが連結される。
更に、ジョイント21は、梁部材2に設置されるときその端面と接触する設置面21bを有しており、この設置面21bの中央には貫通孔21dが設けられている。この貫通孔21dは、設置面21bが梁部材2の端面に接触すると、梁部材2の中央部201に設けられたネジ孔に対応する位置をとる。そして、ネジによってジョイント21と梁部材2とが連結される。更に、設置面21bが梁部材2の端面に接触するときに、梁部材2の配線用溝部209の端部に嵌まるガイド部21cが、ジョイント21に設けられている。ガイド部21cが配線用溝部209に嵌まることで、梁部材2をジョイント21に連結するときの作業が容易となる。この設置面21b、ガイド部21c、貫通孔21dは、ジョイント21の4つの側面にそれぞれ設けられている。
また、ジョイント21の上部に設けられたネジ穴21eは、ねじを介して水平ブレースの支持部材81と接続するために用いられる。支持部材81は、両端にフランジ状の接続部を有する柱状体であり、一端がジョイント21と接続されると共に、他端は水平ブレース8と接続される。図示したように、支持部材81の下側のフランジ部には、ねじを介してジョイント21と接続するためのネジ穴81aを有する。また、支持部材81の上側のフランジ部には、ねじを介して水平ブレース8の接続部材802と接続するためのネジ穴81bを有する。
<水平ブレース>
水平ブレース8は、支持部材81等を介して柱部材1や梁部材2と結合され、空間構造体100を補強する。水平ブレース8は丸棒によって形成され、その両端部にはねじ溝が形成され、水平ブレースの接続部材802が接続できるようになっている。
水平ブレース8の接続部材802は、水平ブレース8を支持部材81に接続する。水平ブレースの接続部材802は、全体として丸みを帯びた直方体形状である。水平ブレースの接続部材802の一端は、水平ブレース8の端部に形成されたねじ溝と螺合する。また、他端近傍には、水平ブレースの接続部材802の軸方向と直交する方向に延び、水平ブレースの接続部材802を貫通する接続部材の貫通孔803が設けられている。水平ブレースの接続部材802の他端側にはその一部が欠けた段差が設けられ、接続部材の貫通孔803は、この段差部分に設けられている。段差を設け、支持部材81に対し水平ブレースの接続部材802を接続する向きを変えることで水平ブレース8の軸心を偏心させることができる。例えば、交差する一対の水平ブレース8のうちの一方の水平ブレース8の両端に接続される水平ブレースの接続部材802の欠けた段差を上側に向けて水平ブレースの接続部材802を水平ブレースの支持部材81へ接続し、他方の水平ブレース8の両端に接続される水平ブレースの接続部材802の欠けた段差を下側に向けて水平ブレースの接続部材802を水平ブレースの支持部材81へ接続する。これにより、2つの水平ブレース8の高さを互いに異ならせることができ、水平ブレース8同士の接触を避けることができる。また、水平ブレース8の張力は、図示していないターンバックル等により調整することができる。
<天井側の梁部材同士の接続>
図9は、天井側の梁部材同士の連結の様子を示す図である。図9に示すように、天井側の梁部材2同士の連結は、ジョイント22、23、24を介して行われる。ジョイント22は、天井側の梁部材2の端部に接続されるジョイントである。ジョイント22は、天井側の梁部材2に設置されるときその端面と接触する設置面22aを有しており、この設置面22aの中央には貫通孔22bが設けられている。この貫通孔22bは、設置面22aが天井側の梁部材2の端面に設置されると、天井側の梁部材2の中央部201に設けられたネジ孔に対応する位置をとる。また、ジョイント22天井側の梁部材2の端面への位置
あわせを容易にするように、天井側の梁部材2の溝部205に対応する設置面22a上に4つの突起部22cが設けられている。そして、ネジによってジョイント22を天井側の梁部材2の端部に連結する。
更に、設置面22aが天井側の梁部材2の端面に接触するときに、天井側の梁部材2の配線用溝部209の端部に嵌まり込むガイド部22dが、ジョイント22に設けられている。ガイド部22dが配線用溝部209に嵌まり込むことで、天井側の梁部材2をジョイント60に連結するときの作業が容易となる。また、ガイド部22dの内側には、後述するジョイント24と該ジョイント22とを連結するためのネジ孔22eが設けられている。
ジョイント23及びジョイント24は、協働的に機能するジョイントであり、その様子を図10に示される。ジョイント23は、平板状のベース部23aと、ベース部23aの一端から上方に突出した爪部23bと、該ベース部23aの他端から該爪部23bとは反対側の下方に伸びるガイド部23cとを有する。また、ベース部23aには、ネジ孔23dが設けられている。
ジョイント24は、ベース部24aの上部中央付近に四角形状の貫通孔24bが設けられている。この貫通孔24bの横幅は、ジョイント24が収容し得る幅である。そして、この貫通孔24bの下部には、上下方向に延びるガイド溝24cが設けられ、更にその下部には下部ベース部24dが設けられる。この下部ベース部24dは、ガイド溝24cより前面に飛び出しており、その表面に貫通孔24eが設けられている。また、貫通孔24bの上部には、突起部24fが設けられ、その内部には上下方向に延びる貫通孔24gが設けられる。更に、ジョイント24のベース部24aの背面には、下方に突出した爪部24hが設けられている。
図10に示すように、ジョイント23の爪部23bとジョイント24の爪部24hが、天井側の梁部材2の側面側の溝部205に挿入され、そして爪部23bが該溝部205を形成する上側の壁面203と係合し、爪部24hが該溝部205を形成する下側の壁面203と係合することで、両ジョイントが天井側の梁部材2の側面側の任意の位置に固定される。
このように一の天井側の梁部材2に固定されたジョイント23、24に対して、別の天井側の梁部材2に設置されたジョイント22を連結させることで、該一の梁部材2と該別の梁部材2の連結がなされる。具体的には、ジョイント22のネジ孔22eとジョイント24の貫通孔24eを介して両ジョイントがネジ止めされることで、任意の位置での梁部材2同士の連結が達成される。
<ブレース>
図11は、本発明に係るブレースの構成の一例を示す図である。たすき掛け状で配置される2本のブレース7と、前記ブレース7の両端に接続されたブレース接続部材7a、7bと、前記ブレース接続部材7a、7bに接続されたブレース受部材7cにより構成され、前記ブレース受部材7cは柱部材1の溝部105に配置されるナット部材(図示せず)とボルトを介して接続される。
<壁部材及びスクリーン>
図12は、柱部材と、板状の壁部材又はスクリーンとの連結構造の一例を示す斜視図である。本実施形態に係る空間構造体100は、柱部材1、梁部材2、3により形成される架構面の少なくとも一部に、壁部材4や、スクリーン5等のパネル部を設置することができる。この例では、壁部材4の表裏を、通し穴が設けられた平板状の固定金具41、42
によって挟み、図示していないボルトでブラケット43のパネル固定穴43aに固定する。また、ブラケット43には、パネル固定穴43aと柱部材固定穴43bとが互いに直角の方向を向けて設けられている。柱部材固定穴43bは、柱部材1の溝部105内に配置したナット部材(図示せず)のねじ穴に対して固定されるネジを通す貫通孔である。このようにして、柱部材1の任意の位置に壁部材4を固定できる。また、スクリーン5は、その裏面にネジ穴が設けられ、ボルト等で壁部材4に接続される構造であってもよい。
なお、スクリーン5は、例えばホワイトボードや映写幕として利用できるパネル部である。ホワイトボードは、例えば鋼板に亜鉛メッキをしたスチールホワイトボードでもよいし、鋼板に釉薬を塗布し高温焼き付けしたホーローホワイトボードであってもよい。
<プロジェクタ>
図13は、天井側の梁部材に固定されたプロジェクタの一例を示す斜視図である。図14は、プロジェクタと天井側の梁部材とを接続するジョイントの一例を示す斜視図である。プロジェクタ6は、ジョイント61を介して天井側の梁部材2に連結される。天井側の梁部材2の鉛直下方向側の溝部205には図示していないナット部材が配置され、ジョイント61が取り付けられ、ジョイント61にプロジェクタ6が連結されることで、該プロジェクタ6が天井側の梁部材2に吊り下げられる。
ジョイント61は、吊下げ部材61aと、角度調整部材61bとを含む。吊下げ部材61aは、T字形状であり、上側の水平部分に設けられた貫通孔61cを通してボルトで天井側の梁部材2の溝部205に配置されるナット部材に固定される。角度調整部材61bは、プロジェクタ6の上部と接続されるベース板61dと、その上部にほぼ平行に2枚設けられる角度調整板61eとを含む。ベース板61dには、プロジェクタ6の上部と接続するためのボルトを通す貫通孔61fが設けられている。また、吊下げ部材61aの下側の垂直部分と角度調整部材61bの角度調整板61eとは、これらを貫通するボルト61gによって連結され、ボルト61gを中心に回動するようになっている。また、角度調整板61eには、ボルト61gの通し穴を中心として円弧状に調整溝61hが設けられている。すなわち、吊下げ部材61aと角度調整部材61bとを任意の角度にして、調整溝61hを通して吊下げ部材61aの垂直部分に設けられたねじ穴にボルトを挿入し、固定することができる。
プロジェクタ6は、図1等に示すように、空間構造体100の壁面のうちスクリーン5が設置された面の上部から、スクリーン5が設置された方向に張り出すように設けられた天井側の梁部材2に設置される。なお、梁部材2が張り出した庇部には、プロジェクタ6のほか、照明やスピーカ等の設置部としても利用することができる。空間構造体100の上部に設置部が設けられるため、空間構造体100が設置される部屋の天井や壁面には工事等をすることなく、様々な機器を常設することができる。
<使用例>
図15〜18は、空間構造体の使用例を示す斜視図である。図15〜17は、学校等の教育施設において教室の前方に空間構造体が配置された例を示す。図15は、机と椅子を教室の前方に向けて配置し、一般的な講義型の授業を行う例を示している。図16は、机が一体に設けられた椅子を使用し、グループごとに島を形成する例を示している。図17は、机と椅子を使用せず、グループごとに教材を用いて授業を行う例を示している。また、図18は、学校の昇降口に隣接したロビーに空間構造体が配置された例を示す。
図15〜18に示すように、空間構造体100は、例えば屋内の壁面を背にして配置され、ホワイトボード又はスクリーンとして使用される。また、その内部は、物品を収容するためのバックヤード空間(倉庫)として使用することができる。よって、例えば、能動
的学修(アクティブラーニング)を目的としてグループワークを行ったり、何らかの教材を用いて授業を行う場合に、必要な物品をバックヤード空間から取り出すと共に、不要な物品をバックヤード空間に収納することができ、教育施設等で好適に使用することができる。また、教室に限らず、ロビー等においては、普段はスクリーンをデジタルサイネージとして使用し、当該空間で授業や集会を行う場合には、必要な物品をバックヤード空間から取り出し、スクリーンをスライドの投影や板書に使用することができる。
<変形例>
図19、図20は、横幅の異なる空間構造体の一例を示す斜視図である。図19に示す空間構造体100は、横幅が5600mm程度であり、プロジェクタ6は2つ設けられている。図19に示す空間構造体100は、横幅が9600mm程度であり、プロジェクタ6は4つ設けられている。このように、設置する部屋の大きさに応じて、空間構造体100の横幅を変更することができる。また、設置する部屋の天井高に応じて柱部材1の長さを決定し、空間構造体100の高さについても変更することができる。
図21は、室内における空間構造体の配置場所の一例を模式的に示す平面図である。図21の外側の長方形は、空間構造体100が設置される部屋の壁面を模式的に表している。空間構造体100が配置される位置は、壁際には限定されない。図21では、室内の中央に空間構造体100を配置し、1つの部屋を2つの空間に分けて使用する。また、空間構造体100は、柱部材1及び梁部材2、3により形成される架構面のうち前後の対向する2面に、空間構造体100の外側を向けてスクリーン5が設置されている。また、天井側の梁部材2が張り出して形成される庇部も、上述した2面の上部に設けられ、それぞれにプロジェクタ6が吊り下げられている。分けられた2つの空間のいずれにおいてもホワイトボード又はスクリーンを使用できるようになっている。
図22は、室内における空間構造体の配置場所の他の例を模式的に示す平面図である。図22においても、外側の長方形は、空間構造体100が設置される部屋の壁面を模式的に表している。図22の例では、空間構造体100は、平面視においてL字状に屈曲した形状になっている。空間構造体100の柱部材1及び梁部材2、3は、上述した通り自由に組み合わせることができるため、空間構造体100の形状は平面視において直線状には限られない。また、図22に示す空間構造体100に対しても、2面以上の架構面にスクリーン5を設けるようにしてもよい。
図1等に示した扉9に代えてロールスクリーンやカーテンを設けるようにしてもよいし、これらを設けないようにしてもよい。出入口を覆うことで、バックヤード空間の内部が見られないように遮蔽することができる。また、扉9には錠を設けるようにしてもよい。特に、注意して管理すべき物品をバックヤード空間に収納するような場合には、鍵をかけられた方が好ましい。
上述した実施形態は本発明の一例であり、本発明に係る空間構造体は、実施形態に示した態様に限定されない。また、上述した各構成部材や変形例は、可能な限り組合せて実施することができる。
1 :柱部材
2 :天井側の梁部材
3 :床面側の梁部材
4 :壁部材
5 :スクリーン
6 :プロジェクタ
7 :ブレース
8 :水平ブレース
9 :扉

Claims (4)

  1. 鉛直方向に延びる柱部材と、前記柱部材に接続されると共に水平方向に延びる梁部材とを含み、内部に物品を収納するためのバックヤード空間が形成される自立架構式の空間構造体と、
    前記空間構造体の前記柱部材及び前記梁部材によって形成される架構面の少なくとも一部に設置され、ホワイトボード又はスクリーンとして利用可能なパネル部と
    を備える
    教育支援装置。
  2. プロジェクタを設置するための庇部をさらに備え、
    前記庇部は、前記空間構造体の架構面の上縁を形成する前記梁部材から前記パネル部の前方に張り出すように設けられる
    請求項1に記載の教育支援装置。
  3. 前記バックヤード空間の出入口を開閉する扉をさらに備える
    請求項1又は2に記載の教育支援装置。
  4. 前記柱部材の上端に、水平ブレースを取り付けるための支持部材を備え、前記バックヤード空間の上方に水平に架設される前記水平ブレースを備える
    請求項1から3のいずれか一項に記載の教育支援装置。
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