JP2019209569A - 繊維構造体 - Google Patents

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Abstract

【課題】 薄いのにもかかわらず、吸音特性、特に低周波における吸音が極めて良好な繊維構造体が提供すること。【解決手段】 目付が800g/m2未満のポリエステル系繊維不織布と、目付が130g/m2以上のポリエステル系樹脂フィルムとからなり、厚みが20mm未満であることを特徴とする繊維構造体。さらには、800Hzの垂直入射吸音率が、0.6以上であることや、800Hzの垂直入射透過損失が、5.0dB以上であることが好ましい。また、ポリエステル系樹脂フィルムが、断面方向に孔を有するものであることや、ポリエステル系樹脂フィルムが音源側に存在することが好ましい。【選択図】 なし

Description

本発明は繊維構造体に関し、さらには吸音性に優れた繊維構造体に関する。
従来、車両、住宅、高速道路などに使われる防音用の繊維構造体として、種々のものが提案されている。
例えば、木質ボードや再生繊維にフェノール樹脂などの熱硬化性バインダーを含浸したフェルトや、ガラス繊維などの無機繊維に熱可塑性樹脂を含浸しホットプレスやコールドプレスした繊維構造体(例えば特許文献1)がある。また、高融点熱可塑性繊維と低融点熱可塑性繊維とから構成され、低融点熱可塑性繊維の一部を熱融着させた繊維構造体(例えば特許文献2)や、非弾性捲縮短繊維と熱接着性複合短繊維とで構成され、熱接着性複合短繊維の熱融着により固着点が形成され、かつ繊維が厚さ方向に配列した吸音用繊維構造体(特許文献3参照)、繊維構造体にシート状物を貼り合せた繊維構造体(特許文献4)、フィルムと不織布の多層体による繊維構造体(特許文献5)などの各種の技法が提案されている。
しかし、軽量化やコスト低減を主目的とすることが多く、それらの得られる性能については十分に満足のいくものではなかった。
特開昭59−227442号公報 特開平7−3599号公報 特開2001−207366号公報 特開2003−334881号公報 特開平7−219556号公報
本発明は、上記の背景に鑑みなされたものであり、その目的は、薄いのにもかかわらず、吸音特性、特に低周波における吸音が極めて良好な繊維構造体を提供することにある。
本発明の繊維構造体は、目付が800g/m未満のポリエステル系繊維不織布と、目付が130g/m以上のポリエステル系樹脂フィルムとからなり、厚みが20mm未満であることを特徴とする。
さらには、800Hzの垂直入射吸音率が、0.6以上であることや、800Hzの垂直入射透過損失が、5.0dB以上であることが好ましい。また、ポリエステル系樹脂フィルムが、断面方向に孔を有するものであることや、ポリエステル系樹脂フィルムが音源側に存在することが好ましい。
本発明によれば、薄いのにもかかわらず、吸音特性、特に低周波における吸音が極めて良好な繊維構造体が提供される。
本発明の繊維構造体は、目付が800g/m未満のポリエステル系繊維不織布と、目付が130g/m以上のポリエステル系樹脂フィルムとからなり、厚みが20mm未満であるものである。
このような本発明の繊維構造体は、ポリエステル系繊維不織布とポリエステル系樹脂フィルムからなるものであるが、ここで用いられるポリエステルとしては、特に適した樹脂として、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリヘキサメチレンテレフタレート、ポリテトラメチレンテレフタレート、ポリ−1,4−ジメチルシクロヘキサンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリピバロラクトン、ポリ乳酸(PLA)またはこれらの共重合体から構成されるポリエステルであることが好ましい。また上記ポリマー成分のうちの2種類以上からなる複合繊維等であることも好ましい。中でも繊維形成性等の観点からは、ポリエチレンテレフタレートまたはポリブチレンテレフタレートであることが特に好ましい。なお、このポリマー中には、各種安定剤、紫外線吸収剤、増粘分岐剤、艶消し剤、着色剤、その他各種の改良剤等も必要に応じて配合されていても良い。
本発明で用いられるポリエステル系不織布は、上記のようなポリエステル樹脂を用い、それを繊維化して、好ましくは短繊維としたのち、不織布としたものである。なお、樹脂の異なる2以上の繊維を混綿して用いることも好ましい態様である。
また、このポリエステル系繊維不織布を絡合させてシート状物とするためには、捲縮を付与した短繊維であることが好ましい。
この場合の、捲縮付与方法としては、熱収縮率の異なるポリマーをサイドバイサイド型に張り合わせた複合繊維を用いてスパイラル状捲縮を付与する方法や、異方冷却によりスパイラル状捲縮を付与する方法、捲縮数が3〜40個/2.54cm、さらに好ましくは7〜15個/2.54cm、となるように通常の押し込みクリンパー方式による機械捲縮を付与する方法など、種々の方法を適用することができる。そして嵩高性、製造コスト等の面からは、一般的な機械捲縮を付与する方法が最適である。
ここで本発明において不織布を構成するポリエステル繊維としては、その単繊維の繊維径が2〜50μmの範囲内であることが好ましい。さらには5〜40μmであることが、特には7〜20μmの範囲にあることが好ましい。単繊維径が小さすぎると充分な剛性が得られない傾向にある。逆に単繊維径が大きいと、充分な吸音特性を得にくくなる。
また、このポリエステル系繊維の単繊維横断面形状としては、通常の丸断面でもよいし、三角、四角、扁平などの異型断面であってもよい。なお、単繊維横断面形状が異型の場合、前記の単繊維径としては、その断面積を丸断面に換算した値を使用するものとする。また丸中空断面の場合は、中空部の存在を除外し、外径寸法にて繊維径を計算する。
このポリエステル系繊維はまた短繊維であることが好ましく、その繊維長としては20〜100mmの範囲内であることが好ましい。さらには24〜78mmであることが、特には32〜64mmの範囲にあることが好ましい。該繊維長が小さいと充分な剛性が得られないおそれがある。逆に該繊維長が大きすぎると、工程安定性が損われる傾向にある。
なお、このポリエステル系繊維不織布としては、その一部または全部に融点の低い熱接着性繊維成分が含まれていることが好ましい。融点の低い繊維と、融点の高い繊維とをそれぞれ含んでも良いが、特には融点の高い繊維成分と融点の低い繊維成分からなる複合繊維であることが好ましい。ここで融点の低い、いわゆる熱融着成分は、上記の融点の高い繊維よりも40℃以上低い融点を有することが好ましい。さらには80〜160℃低い融点であることが好ましい。融点の温度差が小さすぎると接着が不十分となるやすく、腰のない、取り扱いにくい繊維構造体となる傾向にある。熱融着成分の融点としては、70℃〜180℃の範囲内にあることが特に好ましい。さらには80〜170℃であることが好ましい。
このような熱融着成分に配されるポリマーとしては、具体的には各種のポリエステル系エラストマーや共重合ポリエステルを用いることができるが、特には共重合ポリエステル系ポリマーが好ましい。そのような共重合ポリエステル系ポリマーとしては、アジピン酸、セバシン酸などの脂肪族ジカルボン酸、フタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸類および/またはヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸などの脂環式ジカルボン酸類と、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、パラキシレングリコールなどの脂肪族や脂環式ジオール類とを所定数含有し、所望に応じてパラヒドロキシ安息香酸などのオキシ酸類を添加した共重合エステル等を挙げることができる。例えばテレフタル酸とエチレングリコールとにおいてイソフタル酸および1,6−ヘキサンジオールを添加共重合させたポリエステル等であることが好ましい。このポリマー中にも、各種安定剤、紫外線吸収剤、増粘分岐剤、艶消し剤、着色剤、その他各種の改良剤等を必要に応じて配合することも好ましい態様である。
先にも述べたように熱接着性繊維としては、融点の高い繊維と融点の低い繊維からなる複合繊維であることが好ましく、融点の高い繊維成分としては、前述の繊維成形に優れた各種のポリエステル樹脂を用いることが好ましい。そして熱融着成分が、1/2以上の表面積を占めるものが好ましい。重量割合は、熱融着成分とその他の成分が、複合比率で30/70〜70/30の範囲にあることが好ましい。熱接着性複合短繊維の形態をとる場合、その形状は特には限定されないが、熱融着成分とその他の非弾性ポリエステル等の成分とが、サイドバイサイド、あるいは芯鞘型であることが好ましく、特には芯鞘型であることが好ましい。そのような芯鞘型の熱接着性複合短繊維では、非弾性ポリエステルが芯部となり、熱可塑性共重合ポリエステルが鞘部となることが好ましい。芯部としては同心円状、または偏心状であることが好ましい。複合短繊維の場合は、その形状として、単繊維径としては10〜50μmの範囲内であることが好ましく、繊維長は10〜100mmに裁断されていることが好ましい。
特には本発明に用いるポリエステル系の不織布としては、融点の高い非弾性捲縮短繊維と、融点の低い熱接着性短繊維、特には熱接着性複合短繊維とを混綿させて、2種以上の繊維を混合した不織布であることが好ましい。より具体的には、例えば、単繊維径が25〜50μmの非弾性捲縮短繊維と、単繊維径が10〜50μmの熱接着性複合短繊維を混綿させ、加熱処理したものであることが好ましい。その場合には、熱接着性複合短繊維同士が交差した状態で熱融着された固着点、及び熱接着性複合短繊維と非弾性捲縮短繊維とが交差した状態で熱融着された固着点とが散在してなる繊維構造体となる。非弾性捲縮短繊維と熱接着複合短繊維との重量比率は90/10〜30/70であることが好ましく、熱接着複合短繊維の比率が少ない場合は、固着点が少なくなり、繊維構造体の腰がなく、成型性が不良となる傾向にある。一方、熱接着複合短繊維の比率が多い場合は、接着点が多くなり過ぎ、熱処理工程での取扱い性、成型性などが低下する傾向にある。
さて本発明の繊維構造体においては上記のようなポリエステル系繊維から不織布が形成されるのであるが、不織布を製造する方法には特に限定はなく、従来公知の方法を任意に採用することが可能である。より好ましくは、例えば1種または2種以上の繊維を混綿し、ローラーカードにより均一なウエブとして紡出した後、ウエブをアコーディオン状に折りたたみながら加熱処理し、熱融着による固着点を形成させる方法(市販のものでは、例えばStruto社製Struto設備など)などを採用することも好ましい。あるいはクロスレイヤーを使用してウエブを折りたたみ重ね合わせ、その後、熱融着処理する方法や、混綿・開繊された構成繊維を、空気流によって引き揃え、円筒形状であり表面をメッシュ状とされたサクションドラムの周面に気流によって当てることで集束させて、繊維ウエブを形成することも好ましい。このようなウエブ形成工程に適したエアレイ法によるウエブ形成装置としては、例えば、オテファ(AUTEFA)社製の「V12/R」、又はランド(RANDO)社製の「RANDO−WEBBER(ランドウェッバー)」(同社登録商標)がある。さらに、加熱接着工程を行って不織布とすることが好ましい。
このような不織布は、本発明では800g/m未満の目付であることが必要である。さらに好ましくは、200〜700g/m範囲にあることが好ましい。目付が、800g/mを超える場合は、最終的に繊維構造体がボード状となり、音が反射するようになり、本目的の繊維構造体としては使用することができない。また、重量増加となり車用途等には好ましくない。逆に目付が小さすぎると、本発明の繊維構造体のもう一つの構成物のフィルムを支えるだけの剛性が不十分となり、また取扱い性も困難になる。
さて本発明の繊維構造体は、上述のような繊維不織布とポリエステル系樹脂フィルムとからなるものであるが、そのフィルムの目付としては、130g/m以上であることが必要である。さらに好ましくは150g/m以上、さらには260g/m以上、特には350g/m〜〜400g/mの範囲であることが好ましい。薄くなると、低周波領域の吸音性が劣るものとなる。一方、厚すぎる場合は重量増加となり、例えば車用途などには適していない。
なお、本発明にて用いるポリエステルフィルムの製造方法としては2軸延伸法によるものであることが好ましい。より具体的には、例えば通常のポリエステルペレットを押出し機に供給し、290℃に溶融し、回転冷却ドラムに溶融状態で押出して未延伸フィルムを得、その後、MD方向、TD方向に延伸することで得られる2軸延伸法が好ましく例示できる。ポリエステルフィルムとしてはさらに、ポリエステル樹脂中に硫酸バリウム、二酸化チタン、炭酸カルシウムまたは二酸化珪素などの耐熱性粒子を2〜50重量%含有する原料から構成され、内部に空隙を有する白色フィルム、またはポリエステル樹脂と非相溶である樹脂を1〜20重量%含有する白色フィルムであることが特に好ましい。この場合、粒子または非相溶樹脂を起点として多孔が形成されている。フィルムが多孔構造を有する場合、軽量化と同時に、多孔により吸音性が向上する。この本発明にて用いられるポリエステルフィルムを多孔化する技術は、上記に限定されるものではなく、発泡剤を含有したポリエステル樹脂を溶融押出して得られる発砲ポリエステルシートなども好適に用いることが出来る。
特には本発明の繊維構造体としては、ポリエステル系樹脂フィルムが、断面方向に孔を有するものであることが好ましい。特にはフィルムの厚み方向に1μm以下、面方向に30μm程度の細長い多孔が連続的に連なった構造であることが好ましく、例えば硫酸バリウム等の耐熱性粒子を添加し、延伸することによって得ることができる。
あるいは、さらに必要に応じ、物理的に、厚み方向に微細な穴をあけて、吸音効果を調整することも好ましい。目的に応じ、例えば針またはポンチで穴を開けたタイプであることが好ましく、その場合のサイズとしては直径5mm〜0.1mmで、その間隔が3mm以上であることが好ましい。または、ナイフ等の鋭利な工具で、ミシン目状に切れ目を入れることも好ましい。
そして最終的に本発明の繊維構造体は、繊維不織布とフィルムからなるものであって、その繊維構造体の厚さとしては20mm未満であることが必要である。さらには5〜15mmの範囲内であることが好ましい。厚みが20mmを超える場合は、最近の車の各パーツに挿入することが困難であり本発明に適さない。逆に厚さが薄すぎると、吸音性に劣る傾向にある。
このような本発明の繊維構造体は、ポリエステル系繊維からなる不織布に、ポリエステル系の樹脂フィルムを貼り合せたものである。不織布と比して密度の高いフィルムを、繊維構造体の表面に配置することで、特に低周波の音を、共振により吸音することが可能となった。さらに、理由は明確ではないものの、繊維構造体とフィルムがポリエステルという同一素材であることによって、フィルムの共振挙動を、その背後に存在する繊維構造体の固体振動と共振によって吸音した音を、繊維がばね状となってうまく受け止めることで、その防音効果が飛躍的に向上するものと推定される。さらには、繊維不織布とフィルムの接着性をできるだけ強固な物とし、2つの素材を一体化することによって、よりその効果を向上させることが可能となる。特に、車等の狭い空間において、その効果的である。
本発明の繊維構造体としては、800Hzの垂直入射吸音率が、0.6以上であることが好ましい。あるいは、800Hzの垂直入射透過損失が、5.0dB以上であることが好ましい。なおここで垂直入射吸音率及び垂直入射透過損失は、シート状のポリエステル繊維フィルムを音源側に位置するよう試料を配し、吸音率および透過損失を測定したものである。さらには800Hzの垂直入射吸音率が0.7〜1.0であることが好ましく、800Hzの垂直入射透過損失が、6〜30dBの範囲であることが好ましい。
また本発明の繊維構造体は、同一素材を採用することによって、リサイクルも容易となる。さらに融点が近いために成型しやすく、より容易に車の部品の形状に沿った繊維構造体となり、音漏れが少ない吸音材として、特に有用となる。
このような本発明の繊維構造体を得るために、不織布とフィムとを貼り合せる方法としては、単に繊維構造体とシート状物を加熱プレスする方法や、機械的にニードル等により接合する方法、または、接着層を設ける方法等がある。接着層としては、粉体又はシート状、ネット状等の形状を採用でき、特には熱により初めて溶融接着されるホットメルトタイプの樹脂や低融点樹脂繊維からなる不織布であることが好ましい。なお、低融点樹脂または低融点樹脂繊維の組成としては、ウレタン系、アクリル系等の樹脂を使用することができ、さらには本発明の繊維構造体と同じく、ポリエステル系の接着剤または接着シートを用いることが特に好ましく、リサイクル性及び吸音特性の点が優れた繊維構造体となる。
また本発明の繊維構造体においては、フィルムが音源側に配されていることが好ましく、ポリエステル系樹脂フィルムが音源側に存在することによって、より優れた吸音効果を得ることが可能となる。さらに必要に応じ、フィルムの存在する側の反対側の繊維構造体の裏面にも、さらにフィルムやスパンボンド不織布、メルトブロー不織布などを貼り合せるとことも好ましい。さらに本発明の繊維構造体に、撥水加工、防炎加工、難燃加工、マイナスイオン発生加工など公知の機能加工を付加することも好ましい。
本発明のポリエステル系不織布にポリエステル系樹脂フィルムを貼り合せた繊維構造体は、吸音、特性が極めて良好で、厚みが薄いのにもかかわらず、吸音特性、特に、エンジンおよびその周辺、そして、路面側より発生する低周波における吸音が極めて良好な繊維構造体を提供することにある。さらに、成型性があり、ポリエステル系成分で構成されているため、耐薬品、耐久性等に優れ、また、易リサイクル性に優れ、燃焼時の有害物質の発生が少なく環境にやさしい繊維構造体である。
次に本発明の実施例及び比較例を詳述するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。なお、実施例中の各測定項目は下記の方法で測定した。
(1)融点
熱示差分析計を使用し、昇温20℃/分で測定し、融解ピークをもとめた。なお、融解ピークの判別が困難な場合は、微量融点測定装置(柳本製作所製)を用い、ポリマーが軟化して流動を始めた温度(軟化点)を融点とした。なお、n数は5とし、その平均値を求めた。
(2)捲縮数
JIS L 1015 7.12に記載の方法により測定した。なお、n数は5とし、その平均値を求めた。
(3)吸音特性(垂直入射吸音率及び垂直入射透過損失)
繊維構造体のフィルム側が音源側に位置するよう試料を配し、垂直入射吸音率(吸音率)及び垂直入射透過損失(透過損失)を、ISO 10534−2に準拠したBruel&Kjar社製マルチチャンネル分析システム(7758型材料試験用音響管ソフトウェア)による2マイクロフォン法で測定した。
(4)繊維構造体およびシート状物の厚さ(mm)
不織布及び繊維構造体は、JIS K6400により測定した。フィルムは、PEACOCK製FFG厚み測定器で測定した。
[実施例1]
融点が110℃の結晶性共重合ポリエステルを鞘成分に配し、融点256℃の通常のポリエチレンテレフタレートを芯成分に配した単繊維繊度2.2dtex(直径15.0μm)、繊維長51mmの芯鞘型熱接着性複合短繊維(芯成分:鞘成分の重量比=50/50の熱接着性複合短繊維)を準備した。同様に、機械捲縮(捲縮数9ケ/2.54cm)を付与した、単繊維繊度1.7dtex(直径13.2μm)、繊維長51mmのポリエチレンテレフタレート短繊維(非弾性捲縮短繊維)を準備した。
そして熱接着性複合短繊維と非弾性捲縮短繊維とを、重量比で30/70となるように混綿し、ローラーカード設備及びストルート設備を使用して繊維を縦方向に並べ、さらに熱処理機することによって、不織布(目付;247g/m、厚み;12.5mm)を得た。
一方、その不織布の表皮層に接着するシート材として、以下の通りにフィルムを作成した。すなわち硫酸バリウムの添加量が4重量%のA層(ポリエステル層)と、硫酸バリウムの添加量が45重量%のB層(中間層)となる各ポリエステル樹脂を、各1台、計2台の押出機を用いて、290℃で溶融し、A層/B層/A層の3層構造となるよう積層フィードブロックを用いて合流させ、その積層状態を保持したままダイスよりシート状に成形した。そしてA層/B層/A層の厚み比が2軸延伸後に4/92/4となるように各押出機の吐出量で調整した。
さらにこのシートを表面温度25℃の冷却ドラムによって冷却固化して未延伸フィルムとした。さらに95℃にて加熱して長手方向(縦方向)に3.3倍で延伸し、25℃のロール群で冷却した。さらに引き続いて、縦延伸したフィルムの両端をクリップで保持しながらテンターに導き120℃に加熱された雰囲気中で長手に垂直な方向(横方向)に3.6倍に延伸した。
その後テンター内で225℃の温度で得られたフィルムの熱固定を行った。その後、縦方向に0.5%、横方向に2.0%の弛緩を行い、室温まで冷やし、二軸延伸フィルムを得た。得られたフィルムの厚みは188μm、目付265g/mであった。
得られたフィルムを準備した不織布上に載せ、その両面を190℃の平板プレス機にて2分間プレスし、不織布とフィルムが接合した繊維構造体を得た。評価結果を表1に示す。
[実施例2]
実施例1と同様の原綿配合及び装置を使用して、目付510g/m、厚み24.5mmの繊維構造体を作成した。一方フィルムについては、中間層のB層を変更し、実施例1のB層に代えて、中間層用のポリエステル原料として平均粒径1.0μmの硫酸バリウム粒子50重量%を含んだポリエステルマスターチップを準備し、中間層に本チップと通常のポリエステルチップを、硫酸バリウムの濃度が20重量%となるよう混合し、3層構造フィルムを作成した。得られたフィルムは、厚み255μmの白色積層フィルムであった。実施例1と同様に、繊維構造体とフィルムを貼り合わせた。評価結果を表1に示す。
[実施例3]
融点が110℃の結晶性共重合ポリエステルを鞘成分に配し、通常のポリエチレンテレフタレートを芯成分に配した、単繊維繊度2.2dtex(直径15.0μm)、繊維長51mmの芯鞘型熱接着性複合短繊維(芯成分:鞘成分の重量比=30/70)と、機械捲縮(捲縮数9ケ/2.54cm)を付与した、単繊維繊度0.5dtex(直径7.1μm)、繊維長38mmのポリエチレンテレフタレート短繊維(非弾性捲縮短繊維)とを、重量比で20/80となるように混綿し、エアレード設備を使用し繊維をウエブ化しその後、熱処理機することで、繊維構造体(目付が495g/m、厚みが25mm)を得た。
一方、フィルムは、実施例1と同じフィルムを使用し同様にして貼り合わせた。評価結果を表1に併せて示す。
[実施例4]
実施例3と同様にして、繊維構造体は目付が608g/m、厚み27.2mm、一方フィルムは目付350g/m、厚み250μmのものを準備して、貼り合わせた。評価結果を表1に併せて示す。
[実施例5]
実施例4で使用した厚み250μmのフィルムに1mm径の穴を4mmのピッチの千鳥パターンにて、穴を開けた以外は、実施例4と同様にして、繊維構造体と貼り合わせた。評価結果を表1に併せて示す。なお、4000Hzの吸音率が実施例4よりも、0.18高い優れたものであった。
[比較例1]
実施例1において、フィルムとして、ポリエステルフィルム20μm、目付28g/mのものを使用した。一方、繊維構造体として目付を605g/m、厚みを31mmのものを準備し、繊維構造体とフィルムとを実施例1と同様にして貼りあわせた。評価結果を表1に併せて示す。
[比較例2]
実施例1と同じ配合の繊維構造体を用い、ポリエチレンフィルム120μm、目付115g/m、を用い、さらにアミド系接着不織布12g/mを繊維構造体とフィルムの間に配置した。その両面を120℃の平板プレス機にて、3分間プレスし、繊維構造体を得た。評価結果を表1に併せて示す。
Figure 2019209569

Claims (5)

  1. 目付が800g/m未満のポリエステル系繊維不織布と、目付が130g/m以上のポリエステル系樹脂フィルムとからなり、厚みが20mm未満であることを特徴とする繊維構造体。
  2. 800Hzの垂直入射吸音率が、0.6以上である請求項1記載の繊維構造体。
  3. 800Hzの垂直入射透過損失が、5.0dB以上である請求項1または請求項2に記載の繊維構造体。
  4. ポリエステル系樹脂フィルムが、断面方向に孔を有するものである請求項1〜3のいずれか1項記載の繊維構造体。
  5. ポリエステル系樹脂フィルムが音源側に存在する請求項1〜4のいずれか1項に記載の繊維構造体。
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