JP2019209562A - 無縫製加工方法及び無縫製加工装置 - Google Patents

無縫製加工方法及び無縫製加工装置 Download PDF

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守 中尾
友文 山中
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Abstract

【課題】シート状素材の接合とカバーテープでの補強を一連に行うことのできる無縫製加工方法及びその装置を提供する。【解決手段】シート状ワーク(W)を裏面同士が接触する姿勢に重ね合わせ、この重ね合わせたシート状ワーク(W)を一対の搬送ローラ(4)(4)間に送り込み、該搬送ローラ(4)(4)で挟圧しながらシート状素材(W)を超音波溶着溶断装置(2)で線状に溶着するとともに、接合端縁部の外端部分を溶断し、この端縁部分で接合されているシート状ワーク(W)を展開して、接合線部分にカバーテープ(14)を添設し、このカバーテープ(14)をシート状ワークの外面に接着する。【選択図】 図3

Description

本発明は、運動着・体操着等に使用されるストレッチ素材の接合に用いられる無縫製加工方法及びその装置に関し、特に肌に密着する状態で着用される被服の無縫製加工方法及びその装置に関する。
このような合成繊維シートあるいは合成樹脂シートなどをシート素材としてウエットスーツや防水繊維で構成される布帛製品の場合には、防水性を有するシート状素材を縫合し、その縫い目(縫合線)に沿ってシート状素材の両面にシールテープを溶着して漏水防止や補強を行っている(特許文献1)。
また、ストレッチ素材と称されている伸縮性に富む合成樹脂製布帛を縫合することなく接続するものとして、接合するシート状素材(ワーク)を一対のローラ間に送り込み、該ローラで挟圧しながらシート状素材を加熱手段で加熱して熱接合するものを、本出願人先に提案している(特許文献2や特許文献3)。
特許4664096号公報 特許3709383号公報 特許4958632号公報
シート状素材の継ぎ目を縫製して接続する場合、伸縮性を有しているシート状素材にテンションを掛けて縫合することになるから。縫合後のシート状素材にパッカリングが生じ製品の見場が損なわれるうえ、装着時の着心地も損なわれるという問題あった。
また、継目部を縫製することなくシート状素材同士を直接溶着した場合には、接続部分にある程度の幅を持たせなければ十分な接着力を保持することが出来ず、デザイン性に制限がかかるという問題があった。また、シート状素材の接合部分にシールテープを添着する場合には、シート素材の加熱溶着作業を行う溶着装置と、継目部分にシールテープを添着して継目部分を補強する作業装置とが離隔しており、その装置間移動時に溶着継目部が離れることがあり、作業効率が低下するうえ、シールテープでカバーした素材継目部分が身体側に突出する突条となることから装着した際の着心地も損なわれるという問題を有していた。
本発明は、このような点に鑑み提案されたもので、シート状素材を無縫製で接合するとともに、その接合端縁部の外端部分を溶断し、かつ、その接合部分を展開し、その接合線部分をカバーテープで覆い、カバーテープをシート状素材に接着することで、シート状素材の接合とカバーテープでの補強を一連に行うことのできる無縫製加工方法と、その装置を提供することを目的としている。
上術の目的を達成するために、請求項1に記載の本発明は、伸縮性を有するシート状ワークの端縁部同士を溶着するとともに、接合線部分にカバーテープを接着する無縫製加工方法であって、シート状ワークを裏面同士が接触する姿勢に重ね合わせ、この重ね合わせたシート状ワークを一対の搬送ローラ間に送り込み、該搬送ローラで挟圧しながらシート状素材を超音波溶着溶断装置で線状に溶着するとともに、接合端縁部の外端部分を溶断し、この端縁部分で接合されているシート状ワークを展開して、接合線部分にカバーテープ(14)を添設し、このカバーテープをシート状ワークの外面に接着するようにしたことを特徴としている。
請求項2に記載の本発明は、伸縮性を有するシート状ワークの端縁部同士を溶着するとともに、接合線部分にカバーテープを接着する無縫製加工装置であって、一対の搬送ローラ間に裏面同士が接触する姿勢に重ね合せて送り込まれたシート状ワークを一対の搬送ローラで挟圧しながら加熱接合する超音波連続溶着溶断装置と、この超音波連続溶着溶断装置(2)のワーク移送方向下流側に近設させて配置したシート状ワークの接合線部分をカバーテープで覆うカバーテープ接着装置とを具備することを特徴としている。
請求項3に記載の本発明は、請求項2に記載した構成に加えて、超音波連続溶着溶断装置をワークを挟圧する一対の搬送ローラと、この搬送ローラと同期作動する溶着手段及び溶断手段とで構成し、溶着手段は搬送ローラの対向転動面間に超音波振動と加圧力とを伝達するホーンを配置し、一対の搬送ローラを間歇的に回転させるようにしたことを特徴としている。また、請求項4に記載の本発明は、請求項2に又は請求項3に記載した構成に加えて、シート状ワークを挟圧搬送する搬送ローラの回転と同期させて超音連続溶着溶断装置を同期させて間歇作動させるようしたことを特徴としている。
請求項5に記載した本発明は、請求項2〜4のいずれか1項に記載の構成に加えて、カバーテープ接着装置を、溶断手段で切断されたのちのシート状ワークを展開し、この展開したシート状ワークの接合線部分にカバーテープを添設し、加熱しながら加圧するように構成してあることを特徴としている。
本発明に係る無縫製加工方法では、シート状ワークを裏面同士が接触する状態に重ね合わせ、この重ね合わせたシート状ワークを一対のローラ間に送り込み、該ローラで挟圧しながらシート状素材を超音波連続溶着溶断手段で加熱して熱接合するとともに接合端縁部の外端部分を溶断し、この端縁部分で接合されているシート状素材を展開して、接合線部分にカバーテープを添設し、このカバーテープをシート状素材の外面に接着するようにしていることから、シート状素材を縫合することなく確りと接合でき、かつカバーテープで補強することが出来る。これにより、内面(身体側)に突出した接合部が生じることがなく、着用時に突出物のこすれによる違和感が生じることはない。
さらに、本発明にかかる無縫製加工装置では、シート状素材を一対のローラで挟圧しながら加熱手段で加熱接合する溶着装置と、シート状素材の接続部(溶着部)の端縁部分で切除する切断装置を溶着装置のワーク移送方向下流側に近設させて配置し、かつ切断装置のワーク搬送方向下流側に近接させてカバーテープ接着装置を配置していることから、シート状素材の接合から接合部へのカバーテープの接着までの工程を一連に行うことができ、シート状素材の装置間移送時にシート状素材接合部のはがれを防止でき、作業効率を向上させることができる。
本発明に係る無縫製加工装置の一実施形態を示す概略構成図である。 本発明の一実施形態での要部概略平面図である。 本発明の一実施形態での要部取り出し斜視図である。
本実施形態の無縫製加工装置は、シート状素材(W)を搬送する無端ベルト搬送路(1)に、搬送方向上流側から、溶着溶断装置(2)、カバーテープ接着装置(3)が順に配置してある。
溶着溶断装置(2)は、裏面同士が接触する、いわゆる拝み合わせの状態に重ね合わせたシート状素材(W)を挟圧しながら送り出す一対の搬送ローラ(4)と、この搬送ローラ対(4)の下流側に配置した溶着手段(5)と溶断手段(6)とで構成してある。
溶着手段(5)は、搬送されているシート状素材(W)に超音波振動と加圧力とを伝達するホーン(7)、及び図示を省略した超音波振動を発生させる超音波ユニット、スライド機構、コントローラを具備している。
溶断手段(6)は、シート状素材搬送経路(T)での前記搬送ローラ対(4)よりも下流側で該搬送ローラ対(4)に近接させて配置した刃物(8)と、この刃物(8)をシート状素材搬送経路(T)に対して水平方向から出退駆動するエアシリンダ(図示略)とで構成してある。この溶断手段(6)では、裏面同士を重ね合わることで拝み合わせ状態で溶着接合したシート状素材(ワーク)(W)の溶着端縁部を切断するようにしてある。
カバーテープ接着装置(3)は、前記溶断手段(6)の搬送方向下流側に近接して配置してあり、前記無端ベルト搬送路(1)に上側から対向する押え無端ベルト(10)を配置してシート状素材搬送経路(T)を形成し、このシート状素材搬送経路(T)に溶断手段(6)側からフロントローラ(11)、熱板(12)、冷却板(13)が順に配置してある。
そして、カバーテープ(14)は溶断手段(6)とカバーテープ接着装置(3)のフロントローラ(11)との間からシート状素材搬送経路(T)に導入され、溶断手段(6)により接合端縁部分で切断されて接合端縁部分が線状に突出しているシート状素材(ワーク)(W)の本体部分を展開し、この該突出接合線に沿わせてリボン状カバーテープ(14)を添接して熱板(12)、冷却板(13)により熱処理することで、カバーテープ(14)をシート状素材(ワーク)(W)の接合部分に溶着するようにしている。
上記の無縫製加工装置を使用してストレッチ素材製の運動着を無縫製加工する場合を例に加工方法を説明する。
まず、ワークとなる伸縮性を有するストレッチ素材(W)を身体側に位置する面(内面)同士が接触する拝合わせ状態に重ね合わせて、溶着溶断装置(2)の搬送ローラ対(4)間に挿入する。この搬送ローラ対(4)での搬送時に、ホーン(7)から超音波振動と加圧力とをパルス的に伝達して、ワークの素材(W)を溶着することで線状に接合する。この時、溶着は超音波振動と加圧力がパルス的に作用されることから、断続する破線での的接合になっている。
溶着溶断装置(2)では、溶着手段(5)と溶断手段(6)がほぼ同一線上に設置されていることから、溶着手段(5)から送り出されたワーク(W)の接合線の上端部分を溶着と同期して溶断することになり、端縁側に形成されている非溶着の端縁部を除去する。この時、溶断手段(6)の刃物(8)を出退させるエアシリンダの作動は前記溶着手段(5)での溶着タイミングと同期している。なお、この刃物(8)の幅は、1パルスでのワーク送り出し長さの倍に設定することで、連続的切断となる。
この時、溶着手段(5)でのホーン(7)による超音波振動の印加と、加圧力の付与とが間歇的になることから、ワーク(W)では搬送時でのテンションが間歇的に解除されることになるから、ワーク(W)にパッカリングが生じることがなくなる。
超音波振動で溶着されたワーク(W)の接合端縁部で切除し、設合端部が表面に突出しているシート状素材のワーク(W)は、溶着溶断装置(2)から送り出されると、無端ベルト搬送路(1)上で展開され、接合線にカバーテープ(14)を添設する。そして、ワーク(W)とカバーテープ(14)とを無端ベルト搬送路(1)と、押え無端ベルト(10)で挟み付け、熱板(12)で加熱して接着するとともに、その接着部を続く冷却板(13)で冷却して、ワーク(W)であるシート状素材とカバーテープ(14)とを一体化させる。
このようにして、製作されたワーク(W)は、装着者の肌と接する面(素材の裏面)に接合部が突出したりカバーテープ(14)で段差がついたりすることはないから、装着者の動作時に接合突出部やカバーテープの段差による皮膚摩擦がなくなることになり、着心地が損なわれることがない。
また、カバーテープが外面に位置することから、ストレッチ素材製スポーツウエアのようにアウター的に使用する場合、カバーテープ(14)に着色テープを使用することで、デザイン性を高めることもできる。
本発明は、ストレッチ素材と呼ばれている伸縮性を有する布帛での無縫製加工に当たり、デザイン性・作業性に優れたものを提供す目ことが出来る。
W…シート状ワーク、2…超音波溶着溶断装置、3…カバーテープ接着装置、4…搬送ローラ、5…溶着手段、6…溶断手段、7…ホーン、14…カバーテープ。

Claims (5)

  1. 伸縮性を有するシート状ワークの端縁部同士を溶着するとともに、接合線部分にカバーテープを接着する無縫製加工方法であって、シート状ワーク(W)を裏面同士が接触する姿勢に重ね合わせ、この重ね合わせたシート状ワーク(W)を一対の搬送ローラ(4)(4)間に送り込み、該搬送ローラ(4)(4)で挟圧しながらシート状素材(W)を超音波溶着溶断装置(2)で線状に溶着するとともに、接合端縁部の外端部分を溶断し、この端縁部分で接合されているシート状ワーク(W)を展開して、接合線部分にカバーテープ(14)を添設し、このカバーテープ(14)をシート状ワークの外面に接着するようにしたことを特徴とする無縫製加工方法
  2. 伸縮性を有するシート状ワークの端縁部同士を溶着するとともに、接合線部分にカバーテープを接着する無縫製加工装置であって、一対の搬送ローラ(4)(4)間に裏面同士が接触する姿勢に重ね合せて送り込まれたシート状ワーク(W)を一対の搬送ローラ(4)(4)で挟圧しながら加熱接合する超音波連続溶着溶断装置(2)と、この超音波連続溶着溶断装置(2)のワーク移送方向下流側に近設させて配置したシート状ワーク(W)の接合線部分をカバーテープ(14)で覆うカバーテープ接着装置(3)とを具備することを特徴とする無縫製加工装置。
  3. 超音波連続溶着溶断装置(2)をワーク(W)を挟圧する一対の搬送ローラ(4)(4)と、この搬送ローラ(4)(4)と同期作動する溶着手段(5)及び溶断手段(6)とで構成し、溶着手段(5)は搬送ローラ(4)(4)の対向転動面間に超音波振動と加圧力とを伝達するホーン(7)を配置し、一対の搬送ローラ(4)(4)を間歇的に回転させるようにした請求項2に記載した無縫製加工装置。
  4. シート状ワーク(W)を挟圧搬送する搬送ローラ(4)(4)の回転と同期させて超音連続溶着溶断装置(2)を間歇作動するようした請求項2又は3に記載した無縫製加工装置。
  5. カバーテープ接着装置(3)を、溶断手段(6)で切断されたのちのシート状ワーク(W)を展開し、この展開したシート状ワーク(W)の接合線部分にカバーテープ(14)を添設し、加熱しながら加圧するように構成した請求項2〜4のいずれか1項に記載した無縫製加工装置。
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