JP2019207427A - 撮像レンズ系及び撮像装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】良好な光学性能を有し、広角で、明るく、かつ、安価な撮像レンズ系を提供すること。【解決手段】物体側から順に、負のパワーを有する像側に凹形状の第1レンズL1と、正のパワーを有する物体側に凸形状の第2レンズL2と、負のパワーを有する第3レンズL3と、正のパワーを有する物体側に凸形状の第4レンズL4と、像側レンズ面に変曲点を有する第5レンズL5と、から構成され、さらに、前記第1レンズよりも像側で前記第3レンズよりも物体側の位置に開口絞りS7を備え、下記条件式(6)を満足すること。0.5≦t5/f…(6)ただし、t5:第5レンズの中心厚、f:レンズ系全体の焦点距離とする。【選択図】図140

Description

本発明は撮像レンズ系及び撮像装置に関し、特に、CCDやCMOS等の撮像素子を用いた車載用カメラ、監視カメラ等に使用されるのに適した撮像レンズ系及びそれを有する撮像装置に関する。
近年、CCDやCMOS等の撮像素子を用いた監視カメラ、車載用カメラの高性能化及び小型化が進んでおり、F値の小さい明るい撮像レンズ系に対する需要が高まっている。通常、撮像レンズ系のF値を小さくすると、像面湾曲等の収差が大きくなり、解像度等の光学性能が劣化することが知られている。
また、車載用カメラ及び監視カメラ用のレンズ系は、使用される環境における温度変化が大きいため、ガラスレンズを複数用いる構成が主流である。特許文献1には、球面ガラスレンズを6枚用いた撮像レンズ系が記載されている。
特開2010−91697号公報
近年では、樹脂材料の耐熱性が向上しているため、監視カメラ及び車載用カメラに対しても、安価で大量生産できるプラスチックレンズを用いることが多くなっている。さらに、非球面レンズを用いることにより、レンズ系の結像性能を向上し、かつ、レンズ枚数を削減することが期待できる。
特許文献1に記載のレンズ系は、プラスチックレンズに比べると屈折率の高いガラス球面レンズを6枚用いており、屈折率の低いプラスチック製の非球面レンズを用いる場合と
比べると高価である。また、歪曲収差(ディストーション)の形状に関しては特に工夫はしておらず、マイナス方向に単調に大きくなる歪曲収差を有している。このため、撮像された画像の中央部の画像が認識しづらいという問題があった。さらに、特許文献1に記載のレンズ系のF値は2.8で、かつ、全画角は最大で54度であり、監視カメラ及び車載用カメラ用として、より広角かつF値の小さい明るいレンズ系が求められている。
そこで、本発明は、上述の問題を解決するためになされたものであり、良好な光学性能を有し、広角で、明るく、かつ、安価な撮像レンズ系及びそれを用いた撮像装置を提供することを目的とする。
本発明の撮像レンズ系は、
物体側から順に、負のパワーを有する像側に凹形状の第1レンズと、正のパワーを有する物体側に凸形状の第2レンズと、正のパワーを有する第3レンズと、負のパワーを有する第4レンズと、正のパワーを有する物体側に凸形状の第5レンズと、第6レンズと、を備え、
さらに、前記第1レンズよりも像側で前記第4レンズよりも物体側の位置に開口絞りを備え、
下記条件式(3)を満足することを特徴とする。
0.5≦t6/f … (3)
ただし、
t6:第6レンズの中心厚
f:レンズ系全体の焦点距離
とする。
本発明の撮像レンズ系において、上記条件式(3)を満足するように、レンズ系全体の焦点距離fに対して第6レンズL6の中心厚t6を厚くすることにより、画面中央付近でプラスの歪曲収差を得られるとともに、像面湾曲を補正することができる。これにより、良好な光学性能を得ることができる。
本発明では、下記条件式(4)を満足することが好ましい。
-0.2<f/f6<0.2 … (4)
ただし、
f6:第6レンズの焦点距離
とする。
本発明では、前記第6レンズはメニスカスレンズであることが好ましい。
さらに、本発明では、前記第6レンズの像側レンズ面が変曲点を有することが好ましい。
本発明では、下記条件式(1)を満足することが好ましい。
t12/f>0.9 … (1)
ただし、
t12:第1レンズの像側レンズ面の面頂点と第2レンズの物体側レンズ面の面頂点との間の光軸上の距離
とする。
本発明では、前記第2レンズのアッベ数が40以上であることが好ましい。
さらに、本発明では、前記第2レンズのアッベ数が45以上であることが好ましい。
本発明では、
下記条件式(2)を満足することが好ましい。
f3/f2>2 … (2)
ただし、
f3:第3レンズの焦点距離
f2:第2レンズの焦点距離
とする。
本発明では、前記第3レンズがプラスチックレンズであることが好ましい。
さらに、本発明では、前記第2レンズがガラスレンズであることが好ましい。
また、本発明では、前記第4レンズ及び前記第5レンズがプラスチックレンズであることが好ましい。
本発明では、下記条件式(5)を満足することが好ましい。
ν5-ν4≧15 …(5)
ただし、
ν4:第4レンズのアッベ数
ν5:第5レンズのアッベ数
とする。
本発明では、前記第1レンズの物体側レンズ面の曲率半径の絶対値が300mm以上であることが好ましい。
さらに、本発明では、前記第1レンズの物体側レンズ面が平面であることが好ましい。
本発明の他の撮像レンズ系は、
物体側から順に、負のパワーを有する像側に凹形状の第1レンズと、正のパワーを有する物体側に凸形状の第2レンズと、負のパワーを有する第3レンズと、正のパワーを有する物体側に凸形状の第4レンズと、第5レンズと、を備え、
さらに、前記第1レンズよりも像側で前記第3レンズよりも物体側の位置に開口絞りを備え、
下記条件式(6)を満足することを特徴とする。
0.5≦t5/f … (6)
ただし、
t5:第5レンズの中心厚
f:レンズ系全体の焦点距離
とする。
なお、0.6≦t5/fであることがより好ましい。
本発明の他の撮像レンズ系において、上記条件式(6)を満足するように、レンズ系全体の焦点距離fに対して第5レンズL5の中心厚t5を厚くすることにより、画面中央付近でプラスの歪曲収差を得られるとともに、像面湾曲を補正することができる。これにより、良好な光学性能を得ることができる。
本発明では、下記条件式(7)を満足することが好ましい。
-0.2<f/f5<0.2 … (7)
ただし、
f5:第5レンズの焦点距離
とする。
なお、-0.1<f/f5<0.1であることがより好ましい。
本発明では、前記第5レンズはメニスカスレンズであることが好ましい。
さらに、本発明では、前記第5レンズの像側レンズ面が変曲点を有することが好ましい。
本発明では、下記条件式(1)を満足することが好ましい。
t12/f>0.9 … (1)
ただし、
t12:第1レンズの像側レンズ面の面頂点と第2レンズの物体側レンズ面の面頂点との間の光軸上の距離
とする。
なお、t12/f>1.1であることがより好ましい。
本発明では、前記第2レンズのアッベ数が40以上であることが好ましい。
さらに、本発明では、前記第2レンズのアッベ数が45以上であることが好ましい。
本発明では、下記条件式(8)を満足することが好ましい。
ν4-ν3≧15 … (8)
ただし、
ν3:第3レンズのアッベ数
ν4:第4レンズのアッベ数
とする。
本発明の撮像装置は、上述の撮像レンズ系と、前記撮像レンズ系の焦点に配置された撮像素子と、を備える。
本発明によれば、良好な光学性能を有し、広角で、明るく、かつ、安価な撮像レンズ系及びそれを用いた撮像装置を提供することができる。
実施例1に係る撮像レンズ系の断面図である。 実施例1に係る撮像レンズ系の断面図である。 実施例1に係る撮像レンズ系の縦収差図である。 実施例1に係る撮像レンズ系の横収差図である。 実施例1に係る撮像レンズ系の像面湾曲を示す図である。 実施例1に係る撮像レンズ系の歪曲収差図である。 図6の歪曲収差図の横軸スケールを拡大した図である。 実施例2に係る撮像レンズ系の断面図である。 実施例2に係る撮像レンズ系の縦収差図である。 実施例2に係る撮像レンズ系の横収差図である。 実施例2に係る撮像レンズ系の像面湾曲を示す図である。 実施例2に係る撮像レンズ系の歪曲収差図である。 図12の歪曲収差図の横軸スケールを拡大した図である。 実施例3に係る撮像レンズ系の断面図である。 実施例3に係る撮像レンズ系の縦収差図である。 実施例3に係る撮像レンズ系の横収差図である。 実施例3に係る撮像レンズ系の像面湾曲を示す図である。 実施例3に係る撮像レンズ系の歪曲収差図である。 図18の歪曲収差図の横軸スケールを拡大した図である。 実施例4に係る撮像レンズ系の断面図である。 実施例4に係る撮像レンズ系の縦収差図である。 実施例4に係る撮像レンズ系の横収差図である。 実施例4に係る撮像レンズ系の像面湾曲を示す図である。 実施例4に係る撮像レンズ系の歪曲収差図である。 図24の歪曲収差図の横軸スケールを拡大した図である。 実施例5に係る撮像レンズ系の断面図である。 実施例5に係る撮像レンズ系の縦収差図である。 実施例5に係る撮像レンズ系の横収差図である。 実施例5に係る撮像レンズ系の像面湾曲を示す図である。 実施例5に係る撮像レンズ系の歪曲収差図である。 図30の歪曲収差図の横軸スケールを拡大した図である。 実施例6に係る撮像レンズ系の断面図である。 実施例6に係る撮像レンズ系の縦収差図である。 実施例6に係る撮像レンズ系の横収差図である。 実施例6に係る撮像レンズ系の像面湾曲を示す図である。 実施例6に係る撮像レンズ系の歪曲収差図である。 図36の歪曲収差図の横軸スケールを拡大した図である。 実施例7に係る撮像レンズ系の断面図である。 実施例7に係る撮像レンズ系の縦収差図である。 実施例7に係る撮像レンズ系の横収差図である。 実施例7に係る撮像レンズ系の像面湾曲を示す図である。 実施例7に係る撮像レンズ系の歪曲収差図である。 図42の歪曲収差図の横軸スケールを拡大した図である。 実施例8に係る撮像レンズ系の断面図である。 実施例8に係る撮像レンズ系の縦収差図である。 実施例8に係る撮像レンズ系の横収差図である。 実施例8に係る撮像レンズ系の像面湾曲を示す図である。 実施例8に係る撮像レンズ系の歪曲収差図である。 図48の歪曲収差図の横軸スケールを拡大した図である。 実施例9に係る撮像レンズ系の断面図である。 実施例9に係る撮像レンズ系の縦収差図である。 実施例9に係る撮像レンズ系の横収差図である。 実施例9に係る撮像レンズ系の像面湾曲を示す図である。 実施例9に係る撮像レンズ系の歪曲収差図である。 図54の歪曲収差図の横軸スケールを拡大した図である。 実施例10に係る撮像レンズ系の断面図である。 実施例10に係る撮像レンズ系の縦収差図である。 実施例10に係る撮像レンズ系の横収差図である。 実施例10に係る撮像レンズ系の像面湾曲を示す図である。 実施例10に係る撮像レンズ系の歪曲収差図である。 図60の歪曲収差図の横軸スケールを拡大した図である。 実施例11に係る撮像レンズ系の断面図である。 実施例11に係る撮像レンズ系の縦収差図である。 実施例11に係る撮像レンズ系の横収差図である。 実施例11に係る撮像レンズ系の像面湾曲を示す図である。 実施例11に係る撮像レンズ系の歪曲収差図である。 図66の歪曲収差図の横軸スケールを拡大した図である。 実施例12に係る撮像レンズ系の断面図である。 実施例12に係る撮像レンズ系の縦収差図である。 実施例12に係る撮像レンズ系の横収差図である。 実施例12に係る撮像レンズ系の像面湾曲を示す図である。 実施例12に係る撮像レンズ系の歪曲収差図である。 図72の歪曲収差図の横軸スケールを拡大した図である。 実施例13に係る撮像レンズ系の断面図である。 実施例13に係る撮像レンズ系の縦収差図である。 実施例13に係る撮像レンズ系の横収差図である。 実施例13に係る撮像レンズ系の像面湾曲を示す図である。 実施例13に係る撮像レンズ系の歪曲収差図である。 図78の歪曲収差図の横軸スケールを拡大した図である。 実施例14に係る撮像レンズ系の断面図である。 実施例14に係る撮像レンズ系の縦収差図である。 実施例14に係る撮像レンズ系の横収差図である。 実施例14に係る撮像レンズ系の像面湾曲を示す図である。 実施例14に係る撮像レンズ系の歪曲収差図である。 図84の歪曲収差図の横軸スケールを拡大した図である。 実施例15に係る撮像レンズ系の断面図である。 実施例15に係る撮像レンズ系の縦収差図である。 実施例15に係る撮像レンズ系の横収差図である。 実施例15に係る撮像レンズ系の像面湾曲を示す図である。 実施例15に係る撮像レンズ系の歪曲収差図である。 図90の歪曲収差図の横軸スケールを拡大した図である。 実施例16に係る撮像レンズ系の断面図である。 実施例16に係る撮像レンズ系の縦収差図である。 実施例16に係る撮像レンズ系の横収差図である。 実施例16に係る撮像レンズ系の像面湾曲を示す図である。 実施例16に係る撮像レンズ系の歪曲収差図である。 図96の歪曲収差図の横軸スケールを拡大した図である。 実施例17に係る撮像レンズ系の断面図である。 実施例17に係る撮像レンズ系の縦収差図である。 実施例17に係る撮像レンズ系の横収差図である。 実施例17に係る撮像レンズ系の像面湾曲を示す図である。 実施例17に係る撮像レンズ系の歪曲収差図である。 図102の歪曲収差図の横軸スケールを拡大した図である。 実施例18に係る撮像レンズ系の断面図である。 実施例18に係る撮像レンズ系の縦収差図である。 実施例18に係る撮像レンズ系の横収差図である。 実施例18に係る撮像レンズ系の像面湾曲を示す図である。 実施例18に係る撮像レンズ系の歪曲収差図である。 図108の歪曲収差図の横軸スケールを拡大した図である。 実施例19に係る撮像レンズ系の断面図である。 実施例19に係る撮像レンズ系の縦収差図である。 実施例19に係る撮像レンズ系の横収差図である。 実施例19に係る撮像レンズ系の像面湾曲を示す図である。 実施例19に係る撮像レンズ系の歪曲収差図である。 図114の歪曲収差図の横軸スケールを拡大した図である。 実施例20に係る撮像レンズ系の断面図である。 実施例20に係る撮像レンズ系の縦収差図である。 実施例20に係る撮像レンズ系の横収差図である。 実施例20に係る撮像レンズ系の像面湾曲を示す図である。 実施例20に係る撮像レンズ系の歪曲収差図である。 図120の歪曲収差図の横軸スケールを拡大した図である。 実施例21に係る撮像レンズ系の断面図である。 実施例21に係る撮像レンズ系の縦収差図である。 実施例21に係る撮像レンズ系の横収差図である。 実施例21に係る撮像レンズ系の像面湾曲を示す図である。 実施例21に係る撮像レンズ系の歪曲収差図である。 図126の歪曲収差図の横軸スケールを拡大した図である。 実施例22に係る撮像レンズ系の断面図である。 実施例22に係る撮像レンズ系の縦収差図である。 実施例22に係る撮像レンズ系の横収差図である。 実施例22に係る撮像レンズ系の像面湾曲を示す図である。 実施例22に係る撮像レンズ系の歪曲収差図である。 図132の歪曲収差図の横軸スケールを拡大した図である。 実施例23に係る撮像レンズ系の断面図である。 実施例23に係る撮像レンズ系の縦収差図である。 実施例23に係る撮像レンズ系の横収差図である。 実施例23に係る撮像レンズ系の像面湾曲を示す図である。 実施例23に係る撮像レンズ系の歪曲収差図である。 図138の歪曲収差図の横軸スケールを拡大した図である。 実施例24に係る撮像レンズ系の断面図である。 実施例24に係る撮像レンズ系の縦収差図である。 実施例24に係る撮像レンズ系の横収差図である。 実施例24に係る撮像レンズ系の像面湾曲を示す図である。 実施例24に係る撮像レンズ系の歪曲収差図である。 図144の歪曲収差図の横軸スケールを拡大した図である。 実施例25に係る撮像レンズ系の断面図である。 実施例25に係る撮像レンズ系の縦収差図である。 実施例25に係る撮像レンズ系の横収差図である。 実施例25に係る撮像レンズ系の像面湾曲を示す図である。 実施例25に係る撮像レンズ系の歪曲収差図である。 図150の歪曲収差図の横軸スケールを拡大した図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態に係る撮像レンズ系101の実施例1〜21について説明する。
[実施例1]
図1は、実施例1の撮像レンズ系101を示すレンズ断面図である。図2は、実施例1のレンズ構成を示す断面図である。図1及び図2に示すように、本実施例の撮像レンズ系101は、物体側から順に、負のパワーを有する像側に凹形状の第1レンズL1と、正のパワーを有する物体側に凸形状の第2レンズL2と、正のパワーを有する第3レンズL3と、開口絞り5と、負のパワーを有する第4レンズL4と、正のパワーを有する物体側が凸形状の第5レンズL5と、第6レンズL6と、センサカバーガラス2と、IRカットフィルタ3と、を備えている。撮像レンズ系101と、撮像レンズ系101の焦点に配置された撮像素子(センサ)1と、から撮像装置が構成される。
図1では、図中の左側が物体側で右側が像側であり、無限遠の距離にある物点からの軸上光束、半画角48.682度(全画角97.364度)で最大像高3mmに到達する最大画角での軸外光束、並びに、半画角10度、20度、30度、及び40度の4つの画角の軸外光束を合わせて示している。ここで、軸上光束とは光軸上に位置する物点からの光
束であり、軸外光束とは光軸外に位置する物点からの光束である。
撮像素子1は、図1中で最も右側の撮像レンズ系101の像面に配置されている。センサカバーガラス2は、撮像素子1の物体側に配置されている。センサカバーガラス2の厚さは0.4mmである。IRカットフィルタ3は、入射する赤外光を反射又は吸収することにより透過させない。IRカットフィルタ3の厚さは0.3mmである。ダミー面4と、第1レンズL1の物体側レンズ面S2の面頂点との光軸AX上の距離が2mmである。なお、ダミー面4は、設計時に用いられる仮想の面であり、撮像レンズ系101を構成するものではない。絞り5は、撮像レンズ系101のF値を規定している。絞り5の直径は3.270mmであり、撮像レンズ系101のF値を2.0に規定している。
また、第2レンズL2の物体側レンズ面S4に直径4.540mmの絞り6を、第4レンズL4の物体側レンズ面S10に直径3.400mmの絞り7を、第5レンズL5の像側レンズ面S13に直径4.940mmの絞り8を、設けている。絞り6〜8は、軸外光束に対する制限開口として、収差が比較的大きい不要光をカットしている。なお不要光をカットしても周辺光量比は77%を確保している。
図1及び図2に示すように、第1レンズL1は、像側に凹面を向けた負のパワーを有するレンズである。また、第1レンズL1と第2レンズL2との光軸AX上における面間隔t12を、下記条件式(1)を満足するように大きくしておくことが好ましい。これにより、95度から100度程度の広い対角画角を確保しやすくなる。
t12/f>0.9 … (1)
ただし、t12は第1レンズL1の像側レンズ面S3面頂点から第2レンズL2の物体側レンズ面S4面頂点までの光軸AX上の距離であり、fはレンズ全系の焦点距離である。
なお、条件式(1)は、0.9<t12/f<1.1を満たすことがさらに好ましい。
また、実施例1の撮像レンズ系101では、第1レンズL1の物体側レンズ面S2は曲率半径が366.5739mmの物体側に凹形状の面であり、曲率半径の値及び図1からわかるようにほぼ平面に近い面となっている。第1レンズL1の物体側レンズ面S2は、曲率半径無限大の平面や、物体側に凸形状の面であってもよい。すなわち、第1レンズL1の物体側レンズ面S2の曲率半径の絶対値が300mm以上であることが好ましい。第1レンズL1の物体側レンズ面S2を平面にした場合には、撥水や親水のコーティングを容易に行え、コーティングの評価を容易に行え、鏡筒へのレンズ組み込みの際のレンズチルトなどの測定評価を容易に行える等の利点がある。
撮像レンズ系101をカメラシステム又は車に取り付けた後の寸法やデザインの都合上から、第1レンズL1の物体側レンズ面S2を凹面にしたり、平面にしたり、場合によっては凸面にしたりすることは可能であり、後述する実施例2〜6のように種々の設計が可能である。
また、第1レンズL1のアッベ数は40以上であることが好ましい。これにより倍率色収差の補正が可能となる。なお、第1レンズL1のアッベ数は45以上であることがさらに好ましい。
第2レンズL2及び第3レンズL3は、正レンズである。正のパワーを2枚のレンズに分散することにより、球面収差を補正しやすくしている。また、第2レンズL2及び第3レンズL3の一方をガラスレンズ、他方をプラスチックレンズとしてもよい。実施例1の撮像レンズ系101では、第2レンズL2をガラスレンズ、第3レンズL3をプラスチッ
クレンズとしている。
実施例1の撮像レンズ系101では、ガラスレンズの正のパワーをプラスチックレンズの正のパワーより大きくし、レンズ系全体におけるプラスチックレンズのパワーの負担割合をガラスレンズよりも小さくしている。これにより、プラスチックレンズである第3レンズL3から第6レンズL6のパワーバランスを最適にすることができて、温度変化時のピント位置変化やMTF値変化などの特性劣化を抑えている。
具体的には、下記条件式(2)を満足するのが更に望ましい。
f3/f2>2 … (2)
ただし、f2は第2レンズL2の焦点距離であり、f3は第3レンズL3の焦点距離である。
条件式(2)の下限を超えると、プラスチックレンズである第3レンズL3の焦点距離f3に対してガラスレンズである第2レンズL2の焦点距離f2が大きくなりすぎ、第2レンズL2のパワーが小さくなりすぎる。これにより、プラスチックレンズである第3レンズL3のパワーが大きくなり、温度変化時に撮像レンズ系101全体のピント位置の変化が大きくなり、光学特性が劣化しやすくなる。
条件式(2)は、2<f3/f2<3.4を満たすことがさらに好ましい。
実施例1では、第2レンズL2がガラス製であり、第3レンズL3がプラスチック製である。各レンズのパワーは焦点距離の逆数であるから、第2レンズL2と第3レンズL3のうちのガラスレンズ(第2レンズL2)の焦点距離は、プラスチックレンズ(第3レンズL3)の焦点距離よりも短い。
温度変化時の性能劣化のシミュレーションにおいて、それぞれガラスレンズ又はプラスチックレンズに用いられる材料のカタログ等に掲載されている屈折率の温度依存性の数値を用いて屈折率を変化させた。また、各レンズの材料の線膨張係数を用いて、面間隔を変化させた。また、面間隔のうち空気間隔について、鏡筒の線膨張係数に基づいて面間隔が変化すると仮定した。鏡筒の線膨張係数の代表的な数値として、2.8×10-5[mm/(mm・℃)]を用いた。
実施例1の撮像レンズ系101では、条件式(2)の値はf3/f2=18.657/5.712=3.27である。
また、第2レンズL2及び第3レンズL3は共に、アッベ数を40以上にすることが好ましい。これにより、軸上色収差を良好に補正することが可能となる。
第4レンズL4は、負のパワーを有する両凹レンズである。第4レンズL4は、アッベ数を30以下とすることが好ましい。これにより、軸上色収差及び倍率色収差の補正を可能としている。第5レンズL5は、正のパワーを有し、両凸形状である。また、第4レンズL4の像側レンズ面S11と第5レンズL5の物体側レンズ面S12とが貼り合わされている。これにより、第4レンズL4から出射される光線がレンズ界面により全反射されることを防止しやすくなり、かつ、軸上色収差及び倍率色収差を更に補正しやすくなる。
図1及び図2に示すように、第6レンズL6は、変曲点を有する形状の像側レンズ面S15を有する。下記条件式(3)を満足するように第6レンズL6の中心厚t6を厚くすることが好ましい。他方、第6レンズL6の像側レンズ面S15は、IRカットフィルタ3よりも物体側に位置することが好ましい。第6レンズL6の像側レンズ面S15は、I
Rカットフィルタ3及びセンサカバーガラス2を用いない場合は、撮像素子1よりも物体側に位置することが好ましい。さらに、下記条件式(4)を満足するように、第6レンズL6の焦点距離f6の絶対値をレンズ系全体の焦点距離fに比べて大きくすることが好ましい。これにより、画面中央付近でプラスの歪曲収差(光学表示)を得やすくなるとともに、像面湾曲の補正をしやすくなる。
条件式(3)及び(4)は、第6レンズL6の中心厚(光軸AX上の厚み)をt6、レンズ系全体の焦点距離をf、第6レンズL6の焦点距離をf6として、以下のように表される。
0.5≦t6/f … (3)
-0.2<f/f6<0.2 … (4)
条件式(3)は、0.5≦t6/f<1.0を満たすことがより好ましい。また、条件式(4)は、-0.1<f/f6<0.2を満たすことがより好ましい。
また、画面中央付近でプラスの歪曲収差とすることにより、マイナスやゼロの歪曲収差のものと比べて、画面中心近傍での像を画面周辺での像よりも大きく映し出すことが可能となる。このため、センシング用途などで有用である。また、第6レンズL6のアッベ数を40以上とすることが好ましい。これにより倍率色収差の補正がしやすくなる。
図3は、実施例1に係る撮像レンズ系101の縦収差図である。図3では、e線(0.546μm)、F線(0.486μm)、C線(0.656μm)、g線(0.436μm)、d線(0.588μm)の5波長の縦収差を示す。図3において、e線(0.546μm)の縦収差は実線により示されている。図3の縦軸は、撮像レンズ系101の入射瞳半径に対する相対瞳高さを表し、横軸は縦の球面収差(mm)を表わしている。また、実施例1の撮像レンズ系101における入射瞳半径の値0.9320mmが、図3の上部に示されている。
図4は、実施例1に係る撮像レンズ系101の横収差図である。図4では、画角(半画角)0度、10度、20度、30度、40度、48.684度の5つの画角について、e線(0.546μm)、F線(0.486μm)、C線(0.656μm)、g線(0.436μm)、d線(0.588μm)の5波長の横収差曲線を示している。図4において、e線(0.546μm)の横収差は実線により示されている。
図4では、画角(半画角)ごとに、左側にメリディオナル方向(タンジェンシャル方向)の横収差を、右側にサジタル方向の横収差を示している。図4の縦軸は横収差量(μm)を表わしており、図4では、横収差量の最大スケールの値は±20μmである。±20μmとは、縦軸の最上部が+20μmで縦軸の最下部が-20μmということである。また、図4の横軸は相対瞳高さを表わしており、2つずつ並んだ横収差図の左側の図の横軸が、y方向の相対瞳高さyを表わし、右側の図の横軸がx方向の相対瞳高さxを表わしている。
図3の縦の球面収差は、単色のe線で+0.015mm〜-0.035mmの範囲に収まっており良好な値である。また、図4の横収差でも単色のe線では±0.01mm以内に収まっており良好な値である。また、5波長による色収差は、図3の縦の球面収差で0.015mm程度以内に収まっている。図4の横収差は、周辺部の倍率色収差でも1目盛の4μm程度なので、良好な値に収まっている。
また、像面への主光線入射角(CRA:Chief Ray Angle)は、11.4度以下となっており、像側テレセントリック性が確保されている。そのため、主光線入射角の許容範囲
の小さい撮像素子にも、本実施例に係る撮像レンズ系101を使用することができる。
図5は、e線(0.546μm)の像面湾曲を示す図である。図6は、e線(0.546μm)の光学表示の歪曲収差を示す図である。図5及び図6の縦軸は半画角を示しており、実施例1では最大目盛の値が48.682度である。図6に示すように、実施例1の撮像レンズ系101では、歪曲収差が、半画角0度から半画角9.25度までプラスの値になっており、9.25度よりも大きい半画角でマイナスの値になっている。
その様子を更にわかりやすくするために、図7に図6を拡大した図を示す。図7は、図6で示した光学表示の歪曲収差の横軸スケールを10倍拡大した図である。図7の歪曲収差図からわかるように、実施例1の撮像レンズ系101では、半画角3.9度で歪曲収差が+0.34%になっており、画角9.25度まで歪曲収差がプラスになっている。よって、画面の中心に近いところでの像が拡大されており、特に車載レンズ等でのセンシング用途や、各種の画像判別などがしやすいという利点がある。
表1に実施例1に係る撮像レンズ系101のレンズデータを示す。
Figure 2019207427
表1に示すように、面番号2,3は第1レンズL1で、ガラス製両面球面レンズである
。面番号4,5は第2レンズL2で、ガラス製両面球面レンズである。面番号6,7は第3レンズL3で、プラスチック製両面非球面レンズである。面番号8は絞り部材の物体側面であり、撮像レンズ系101の開口絞りとして機能する。絞り径は半径1.635mmである。面番号9は絞り部材の像側面であり、半径は第8面と同じ1.635mmである。なお第8面の面間隔は0.03mmなので、絞り部材の厚さは0.03mmで、内径は3.270mmである。
面番号10,11は第4レンズL4で、プラスチック製両面非球面レンズである。第11面のNei、Ndi、Vdiは、貼り合せに用いられる光学接着剤の屈折率とアッベ数を表している。e線は波長546.07nmで、d線は波長587.56nmである。面番号12,13は第5レンズL5で、プラスチック製両面非球面レンズである。面番号14,15は第6レンズL6で、プラスチック製両面非球面レンズである。なお第4レンズL4の像側レンズ面と第5レンズL5の物体側レンズ面とは貼り合わされている。第11面のNei、Ndi、Vdiは、貼り合せに用いられた接着剤の屈折率とアッベ数を表している。
面番号16と17はIRカットフィルタ3、面番号18と19はセンサカバーガラス2、面番号20は像面である。カバーガラス無しのセンサを用いる場合にはセンサカバーガラス2は不要となり、その際はセンサカバーガラス無しとして光学設計すれば良い。IRカットフィルタ3が不要の際は、カバーガラスが不要の場合と同様に、IRカットフィルタ無しとして光学設計すればよい。また、撮像レンズ系101の用途によっては、IRカットフィルタ3ではなく、別な波長を透過するバンドパスフィルタをIRカットフィルタ3に代えて配置してもよい。
表2に、第6,7,9,10,11,12面の非球面係数を示す。なお、表2では、例えば第7面のA4の値として-2.18082798.E-03と記載されているが、これは-2.18082798×10-3の意味である。なおこのことについては以下、表2〜表69についても同様である。
第6,7,10,11,12,13面は16次の偶数次非球面であり、各面のサグ量Sagは次式で表される。なお、サグ量とは、光軸AXからの高さがhで光軸AXと平行な直線がレンズ面と交わった点と、レンズ面と光軸AXとの交点である面頂点を通る光軸AXに垂直な平面との間の、光軸AXに平行な方向の距離のことである。
Sag(h)=(h2/R)/{1+√(1-(1+K)×h2/R2)}
+A4×h4+A6×h6+A8×h8+A10×h10+A12×h12
+A14×h14+A16×h16
ただし、
h:光軸からの垂直方向高さ
Sag(h):非球面の頂点における接平面から高さhにおける非球面上の位置までの光軸に沿った距離(サグ量)
R:レンズ面の曲率半径
K:コーニック係数(円錐係数)
An:n次の非球面係数
である。
Figure 2019207427
表3に、第14,15面の非球面係数を示す。特に3次や5次の奇数次の非球面係数を入れることにより光軸近傍での形状変化度合を急激にすることが可能となり、上述したプラスの歪曲収差を得やすくなる。また、第6レンズL6の像側レンズ面S15は変曲点のある形状となっている。さらにまた、第6レンズL6は、物体側レンズ面(第14面)と像側レンズ面(第15面)の曲率半径の符号が同一であることからわかるように、メニスカスレンズである。
第14,15面は20次の奇数次非球面で、各面のサグ量Sagは次式で表される。
Sag(h)=(h2/R)/{1+√(1-(1+K)×h2/R2)}
+A3×h3+A4×h4+A5×h5+A6×h6
+A7×h7+A8×h8+A9×h9+A10×h10
+A11×h11+A12×h12+A13×h13+A14×h14
+A15×h15+A16×h16+A17×h17+A18×h18
+A19×h19+A20×h20
ただし、
h:光軸からの垂直方向高さ
Sag(h):非球面の頂点における接平面から高さhにおける非球面上の位置までの光軸に沿った距離(サグ量)
R:曲率半径
K:コーニック係数(円錐係数)
An:n次の非球面係数
である。
Figure 2019207427
[実施例2]
実施例2に係る撮像レンズ系101を図8〜図13及び表4〜表6に示す。図8〜図13は、実施例1の図2〜図7に対応した図であり、図が示す内容も実施例1と同様なので図の説明は省略する。また、表4〜表6の示す内容及び表の構成は、表1〜表3と同様なので、表の説明についても省略する。
Figure 2019207427
Figure 2019207427
Figure 2019207427
実施例2に係る撮像レンズ系101において、第2レンズL2の物体側レンズ面S4に
直径4.400mmの絞り6、第4レンズL4の物体側レンズ面S10に直径3.400mmの絞り7、第5レンズL5の像側レンズ面S13に直径4.660mmの絞り8、が設けられている。これらの絞り6〜8は、軸外光束に対する制限開口として機能し、収差が比較的大きい不要光をカットしている。なお、不要光をカットしても周辺光量比は71%を確保できている。
実施例2に係る撮像レンズ系101は、物体側から順に、像側に凹形状の負レンズからなる第1レンズL1と、物体側に凸形状の正レンズからなる第2レンズL2と、正レンズからなる第3レンズL3と、開口絞り5と、像側に凹形状の負レンズからなる第4レンズL4と、物体側に凸形状の正レンズからなる第5レンズL5と、正レンズである第6レンズL6と、を有している。
第1レンズL1は、像側に凹面を向けた負のパワーを有するレンズであり、また、第1レンズL1と第2レンズL2との間の光軸上の面間隔t12を、レンズ系全体の焦点距離f=3.717mmにほぼ匹敵する間隔3.773mmにすることにより、対角画角98.2度までの広角化を可能としている。
実施例2の撮像レンズ系101では、条件式(1)の値は、t12/f=3.773/3.717=1.02である。
また、表4からわかるように、第1レンズL1の物体側レンズ面S2は、曲率半径が無限大の平面である。このため、第1レンズL1は、球面研磨よりも更に容易な平面ラッピングにより製造することが可能で、レンズチルトの測定評価が容易で、撥水や親水のコーティングが容易で、施されたコーティングの評価が容易であるという利点がある。
第2レンズL2と第3レンズL3は正レンズであり、条件式(2)の値は、f3/f2=2.46である。実施例1の撮像レンズ系101と比べると、ガラスレンズのパワー負担割合を減らした状態で、温度変化時のピント位置変化やMTF値変化などの特性劣化を少なく抑えている。なお、温度変化シミュレーション時におけるレンズデータの変化の方法は、実施例1と同様なので説明は省略する。
第6レンズL6は、像側レンズ面S15に変曲点を有しており、条件式(3)の値は実施例1の撮像レンズ系101よりも大きい。第6レンズL6のパワーは、実施例1と比べて大きいため、第6レンズL6の焦点距離f6は小さくなる。そのため、条件式(4)のf/f6の値は0.1666となり、実施例1の0.1296より大きくなっている。
また、実施例2の撮像レンズ系101における像面IMGへの主光線入射角度CRAは、12.4度以下である。
図13の歪曲収差図からわかるように、実施例2に係る撮像レンズ系101は、半画角1.6度で+0.14%の歪曲収差を得ることができている。画面の中心に近いところでの歪曲収差がプラスなので、画面中心付近で像の大きさが大きくなっている。このため、特に車載レンズ等でのセンシング用途や、各種の画像判別などがしやすいという利点を実施例2の撮像レンズ系101も有している。しかし、実施例1の撮像レンズ系101の方が、実施例2の撮像レンズ系101よりも更にプラス方向に大きい歪曲収差を有している。そのため、実施例1の方が実施例2よりも画面中心付近での像の大きさが大きい。
[実施例3]
実施例3に係る撮像レンズ系101を、図14〜図19及び表7〜表9に示す。図や表で実施例1又は実施例2と同じ説明の箇所は説明を省略する。実施例3に係る撮像レンズ
系101において、第1レンズL1の物体側レンズ面S2は平面であり、CRAの最大値は12.01度で、実施例2よりも0度に近い。
Figure 2019207427
Figure 2019207427
Figure 2019207427
条件式(3)の値は0.73であり、実施例2よりもレンズ系全体の焦点距離fに対す
る第6レンズL6の中心厚の比が小さい。また、温度変化時の特性の劣化は、実施例1及び2と同様に少なく抑えられている。温度変化シミュレーション時のレンズデータの変化の方法も実施例1及び2と同様なので説明は省略する。
第2レンズL2の物体側レンズ面S4に直径4.400mmの絞り6を、第4レンズL4の物体側レンズ面S10に直径3.400mmの絞り7を、第5レンズL5の像側レンズ面S13に直径4.800mmの絞り8を、設けている。絞り6〜8は、軸外光束に対する制限開口として収差が比較的大きい不要光をカットしている。なお周辺光量比は72%となっている。また、第6レンズL6の像側レンズ面S15は変曲点のある形状となっている。
[実施例4]
図20〜図25及び表10〜表12を用いて実施例4に係る撮像レンズ系101について説明する。図や表で、実施例1〜3と同様のところは説明を省略する。
Figure 2019207427
Figure 2019207427
Figure 2019207427
実施例4に係る撮像レンズ系101において、第1レンズL1の物体側レンズ面S2は
平面である。条件式(1)の値は1.02であり、実施例3の条件式(1)の値よりも小さい。また、条件式(2)の値は3.35であり、実施例2及び3の条件式(2)の値よりも大きく、ガラスレンズである第2レンズL2のパワー負担割合が実施例2及び3と比べて大きい。
また、図25より最大歪曲収差は+0.33%であり実施例2及び3よりも大きい。歪曲収差が最大になる像高は0.191mmなので、画面最周辺になる最大像高3mmの約6%の像高であり、画面中央付近に位置する。よって、画面中央付近の像の大きさを大きくすることができている。また、実施例1〜3と同様に温度変化時の特性劣化は少なく抑えてられており、温度変化シミュレーションにおけるレンズデータの変化の方法も実施例1〜3と同様なので説明は省略する。
さらに、第2レンズL2の物体側レンズ面S4に直径4.540mmの絞り6、第4レンズL4の物体側レンズ面S10に直径3.400mmの絞り7、第5レンズL5の像側レンズ面S13に直径4.950mmの絞り8、が設けられている。これにより、絞り6〜8は、軸外光束に対する制限開口として、収差が比較的大きい不要光をカットしている。なお、撮像レンズ系101の周辺光量比は79%となっている。また、第6レンズL6の像側レンズ面S15は変曲点を有する形状になっている。
[実施例5]
図26〜図31及び表13〜15を用いて実施例5に係る撮像レンズ系101について説明する。図や表で実施例1〜4と同様のところは説明を省略する。
Figure 2019207427
Figure 2019207427
Figure 2019207427
実施例5に係る撮像レンズ系101は、第6レンズL6にパワーを持たせない場合の例であり、条件式(4)の値はf/f6=-0.0035となっている。
なお、第6レンズL6の焦点距離f6の絶対値が1000mmを超えており十分に大きいので、第6レンズL6のパワーはほぼゼロといえる。そのため、例えば、製造誤差によるばらつき等により、第5レンズL5と第6レンズL6の間隔が変化したとしてもレンズ系全体の焦点距離fは変化しないというメリットがある。
図31に示すように、実施例6に係る撮像レンズ系101において歪曲収差のプラス側の最大値は+0.26%である。また、温度変化時の特性についても実施例1〜4と同様に温度変化時の特性劣化は少なく抑えており、温度変化シミュレーションにおけるレンズデータを変化させる方法も実施例1〜4と同様なので説明は省略する。
第2レンズL2の物体側レンズ面S4に直径4.440mmの絞り6、第4レンズL4の物体側レンズ面S10に直径3.400mmの絞り7、第5レンズL5の像側レンズ面S13に直径4.820mmの絞り8、が設けられている。絞り6〜8は、軸外光束に対する制限開口として収差が比較的大きい不要光をカットしている。実施例5に係る撮像レンズ系101の周辺光量比は71%となっている。また、第6レンズL6の像側レンズ面S15は変曲点のある形状となっている。
[実施例6]
図32〜図37及び表16〜表18を用いて実施例6に係る撮像レンズ系101について説明する。図や表で実施例1〜5と同様のところは説明を省略する。
Figure 2019207427
Figure 2019207427
Figure 2019207427
実施例6に係る撮像レンズ系101は、像面IMGにおける最大の主光線角度が9.36度であり、前述した実施例1〜5に比べて小さくなっていて像側テレセントリック性に
優れている点が特徴的である。
また、温度変化時の特性についても第1〜実施例5と同様に温度変化時の特性劣化は少なく抑えられており、レンズデータを変化させる方法も同様なのでここではその説明は省略する。
さらに、第2レンズL2の物体側レンズ面S4に直径4.40mmの絞り6が、第5レンズL5の像側レンズ面S13に直径5.05mmの絞り8が、設けられている。絞り6及び8は、軸外光束に対する制限開口として収差が比較的大きい不要光をカットしている。なお、実施例6に係る撮像レンズ系101の周辺光量比は62%となっている。また、第6レンズL6の像側レンズ面S15は変曲点のある形状となっている。
[実施例7]
図38〜図43及び表19〜表21を用いて実施例7に係る撮像レンズ系101について説明する。図や表で実施例1〜6と同様のところは説明を省略する。
Figure 2019207427
Figure 2019207427
Figure 2019207427
実施例7に係る撮像レンズ系101は、実施例6程ではないが、最大主光線角度が10.35度と小さい点が特徴的である。また、実施例1〜6と同様に、温度変化時の特性劣化は少なく抑えられている。
さらに、第2レンズL2の物体側レンズ面S4に直径4.40mmの絞り6が、第4レンズL4の物体側レンズ面S10に直径3.40mmの絞り7が、第5レンズL5の像側レンズ面S13に直径4.91mmの絞り8が、設けられている。絞り6〜8は、軸外光束に対する制限開口として収差が比較的大きい不要光をカットしている。なお、実施例7に係る撮像レンズ系101の周辺光量比は60%となっている。また、第6レンズL6の像側レンズ面S15は変曲点のある形状となっている。
[実施例8]
図44〜図49及び表22〜表24を用いて実施例8に係る撮像レンズ系101について説明する。図や表で実施例1〜7と同様のところは説明を省略する。
Figure 2019207427
Figure 2019207427
Figure 2019207427
実施例8に係る撮像レンズ系101において、第6レンズL6の焦点距離は-1192.8mmであり、実施例5〜7と同様にほぼパワーを持っていない。第6レンズL6の中心厚を、実施例6及び7の3.6mmから3mmに薄くしている。また、実施例1〜7と同様に温度変化時の特性劣化は少なく抑えられている。
さらに、第2レンズL2の物体側レンズ面S4に直径4.40mmの絞り6が、第4レンズL4の物体側レンズ面S10に直径3.40mmの絞り7が、第5レンズL5の像側レンズ面S13に直径5.00mmの絞り8が、設けられている。これらの絞り6〜8は、軸外光束に対する制限開口として収差が比較的大きい不要光をカットしている。なお、実施例8に係る撮像レンズ系101の周辺光量比は70%となっている。また、第6レンズL6の像側レンズ面S15は変曲点のある形状となっている。
[実施例9]
図50〜図55及び表25〜表27を用いて実施例9に係る撮像レンズ系101について説明する。図や表で実施例1〜8と同様のところは説明を省略する。
Figure 2019207427
Figure 2019207427
Figure 2019207427
実施例9に係る撮像レンズ系101において、第6レンズL6の焦点距離は-1220.6mmであり、実施例5〜8と同様に第6レンズL6はほぼパワーを持っていない。さらに、第6レンズL6の中心厚を、実施例8の3mmから2.4mmに薄くしている。また、実施例1〜8と同様に温度変化時の特性劣化は少なく抑えられている。
さらに、第2レンズL2の物体側レンズ面S4に直径4.40mmの絞り6が、第4レンズL4の物体側レンズ面S10に直径3.40mmの絞り7が、第5レンズL5の像側レンズ面S13に直径4.83mmの絞り8が、設けられている。絞り6〜8は、軸外光束に対する制限開口として収差が比較的大きい不要光をカットしている。なお、実施例9に係る撮像レンズ系101の周辺光量比は70%となっている。また、第6レンズL6の像側レンズ面S15は変曲点のある形状となっている。
なお、図55に示すように、歪曲収差のプラス側の最大値は+0.25%である。歪曲収差が最大になる像高は0.16mmとなっていて、最大像高3mmの約5%の像高であり、カメラでの撮影時にはほぼ画面中央に位置する。よって、画面中央付近で被写体の像の大きさを拡大できるというメリットがある。
[実施例10]
図56〜図61及び表28〜表30を用いて実施例10に係る撮像レンズ系101について説明する。図や表で実施例1〜9と同様のところは説明を省略する。
Figure 2019207427
Figure 2019207427
Figure 2019207427
実施例10に係る撮像レンズ系101において、第6レンズL6の焦点距離は-1267.1mmであり、実施例5〜9と同様にほぼパワーを持っていない。第6レンズL6の中心厚を、実施例9の2.4mmから2.1mmへと更に薄くしている。また、実施例1〜9と同様に温度変化時の特性劣化は少なく抑えられている。
さらに、第2レンズL2の物体側レンズ面S4に直径4.40mmの絞り6が、第4レ
ンズL4の物体側レンズ面S10に直径3.40mmの絞り7が、第5レンズL5の像側レンズ面S13に直径4.884mmの絞り8が、設けられている。絞り6〜8は、軸外光束に対する制限開口として収差が比較的大きい不要光をカットしている。なお、実施例10に係る撮像レンズ系101の周辺光量比は70%となっている。
また、第6レンズL6の像側レンズ面S15は変曲点のある形状となっている。なお、図61に示すように、歪曲収差のプラス側の最大値は+0.27%である。画面中央付近で被写体の像の大きさを拡大できるというメリットは、実施例1及び4には及ばないが、実施例9よりも大きい。
[実施例11]
図62〜図67及び表31〜表33を用いて実施例11に係る撮像レンズ系101について説明する。図や表で実施例1〜10と同様のところは説明を省略する。
Figure 2019207427
Figure 2019207427
Figure 2019207427
実施例11に係る撮像レンズ系101は、像面IMGにおける最大主光線角度を9.82度と10度未満の角度にまで小さく抑えており、像側テレセントリック性に優れている。実施例11では歪曲収差のプラス側の最大値は+0.12%である。なお、実施例6では像面IMGにおける最大主光線角度は9.36度であったが、歪曲収差のプラス側の最大値は0.03%と実施例11よりも小さかった。
また、実施例1〜10と同様に温度変化時の特性劣化は少なく抑えられており、温度変化シミュレーション時のレンズデータの変化の方法も実施例1〜10と同様なので説明を省略する。さらに、第2レンズL2の物体側レンズ面S4に直径4.40mmの絞り6が、第4レンズL4の物体側レンズ面S10に直径3.30mmの絞り7が、第5レンズL5の像側レンズ面S13に直径5.03mmの絞り8が、設けられている。絞り6〜8は、軸外光束に対する制限開口として収差が比較的大きい不要光をカットしている。なお、実施例11に係る撮像レンズ系101の周辺光量比は63%となっている。また、第6レンズL6の像側レンズ面S15は変曲点のある形状となっている。
[実施例12]
図68〜図73及び表34〜表36を用いて実施例12に係る撮像レンズ系101について説明する。図や表で実施例1〜11と同様のところは説明を省略する。
Figure 2019207427
Figure 2019207427
Figure 2019207427
実施例12は、第6レンズL6の中心厚を実施例11と比べて薄くしたものである。また、実施例1〜11と同様に温度変化時の特性劣化は少なく抑えられている。
さらに、第2レンズL2の物体側レンズ面S4に直径4.40mmの絞り6が、第4レンズL4の物体側レンズ面S10に直径3.40mmの絞り7が、第5レンズL5の像側レンズ面S13に直径4.864mmの絞り8が、設けられている。絞り6〜8は、軸外
光束に対する制限開口として収差が比較的大きい不要光をカットしている。なお、実施例12に係る撮像レンズ系101の周辺光量比は70%となっている。また、第6レンズL6の像側レンズ面S15は変曲点のある形状となっている。
[実施例13]
図74〜図79及び表37〜表39を用いて実施例13に係る撮像レンズ系101について説明する。図や表で実施例1〜12と同様のところは説明を省略する。実施例13は、第6レンズL6の中心厚を実施例12よりも更に薄くしたものである。なお、実施例13に係る撮像レンズ系101では、第6レンズL6の焦点距離が25.226mmであり、第6レンズL6がほぼパワーを有していない実施例5〜12とは異なっている。逆に言えば、実施例5〜12は、第6レンズL6の焦点距離f6の絶対値が1000mm以上でありほぼパワーを持たないという特徴を有する。
また、実施例13は、実施例1〜12と同様に温度変化時の特性劣化は少なく抑えられている。さらに、第2レンズL2の物体側レンズ面S4に直径4.40mmの絞り6が、第4レンズL4の物体側レンズ面S10に直径3.40mmの絞り7が、第5レンズL5の像側レンズ面S13に直径4.80mmの絞り8が、設けられている。絞り6〜8は、軸外光束に対する制限開口として収差が比較的大きい不要光をカットしている。なお、実施例13に係る撮像レンズ系101の周辺光量比は64%となっている。また、第6レンズL6の像側レンズ面S15は変曲点のある形状となっている。
Figure 2019207427
Figure 2019207427
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[実施例14〜19]
図80〜図115、表40〜表57に示す実施例14〜19は、実施例13に対して第6レンズL6の中心厚を増大させて行った場合の実施例である。温度変化時の特性劣化は、実施例1〜13と同様に少なく抑えられている。
Figure 2019207427
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[実施例20,21]
図116〜図127及び表58〜表63を用いて実施例20及び21を説明する。図や表で実施例1〜10と同様のところは説明を省略する。
実施例20は、第2レンズL2のガラスレンズの材質を実施例1〜19とは異なるものに変えた例である。
Figure 2019207427
Figure 2019207427
Figure 2019207427
また、実施例21も第2レンズL2のガラスレンズの材質を実施例1〜20とは異なるものに更に変えた例である。
Figure 2019207427
Figure 2019207427
Figure 2019207427
[実施例22]
実施例1〜21は、開口絞りが第3レンズL3よりも像側にある実施例であったが、次に、開口絞りを第2レンズL2と第3レンズL3の間に配置した実施例22を示す。図128〜図133及び表64〜表66を用いて実施例22に係る撮像レンズ系101について説明する。図や表で他の実施例と同様のところは説明を省略する。
Figure 2019207427
Figure 2019207427
Figure 2019207427
[実施例23]
次に、開口絞りを第2レンズL2よりも物体側に配置した実施例23を示す。図134〜図139及び表67〜表69を用いて実施例23に係る撮像レンズ系101について説明する。図や表で他の実施例と同様のところは説明を省略する。
Figure 2019207427
Figure 2019207427
Figure 2019207427
なお、実施例1〜23では、第1レンズL1及び第2レンズL2にガラスレンズを用いている。しかし、例えば、温度特性性能に余裕のあるカメラや使用環境の場合には、第2レンズL2にプラスチックレンズを使用しても良い。更に、第1レンズL1にキズ付き防止などの要請が無い場合には、第1レンズL1にプラスチックレンズを使用しても良い。
また、上述した温度特性性能に余裕があり、第2レンズL2(ガラスレンズ)と第3レンズL3(プラスチックレンズ)とで正のパワーを分担して全てのプラスチックレンズのパワーのバランスを最適化することによりレンズ系の温度特性を最適化することが不必要な場合には、実施例1〜23において、第2レンズL2と第3レンズL3とを1枚の正レンズとして、撮像レンズ系のレンズ枚数を6枚から5枚にすることも可能である。
[実施例24]
上述のようにレンズ枚数を5枚とした例を実施例24として示す。図140〜図145及び表70〜表72を用いて実施例24に係る撮像レンズ系201について説明する。図や表で他の実施例と同様のところは説明を省略する。
図140に示すように、本実施例の撮像レンズ系201は、物体側から順に、負のパワーを有する像側に凹形状の第1レンズL1と、正のパワーを有する両凸形状の第2レンズL2と、開口絞りS6と、負のパワーを有する両凹形状の第3レンズL3と、正のパワーを有する両凸形状の第4レンズL4と、第5レンズL5と、センサカバーガラス2と、IRカットフィルタ3と、を備えている。
Figure 2019207427
Figure 2019207427
Figure 2019207427
[実施例25]
更に、実施例24から絞り位置を第2レンズL2よりも物体側に変更した例を、実施例25として示す。図146〜図151及び表73〜表75を用いて実施例25に係る撮像レンズ系201について説明する。図や表で他の実施例と同様のところは説明を省略する。
Figure 2019207427
Figure 2019207427
Figure 2019207427
[各実施例の特性値]
実施例1〜23に係る撮像レンズ系101での各種の特性値の計算結果を表76〜表81に示す。
表76は、実施例1〜23に係る撮像レンズ系101のF値、全画角2ω、半画角ω、光学全長L、バックフォーカス、第1レンズL1と第2レンズL2の間の空気間隔t12、第6レンズL6の中心厚t6を示す表である。
表76において、項番4の光学全長Lは、第6レンズL6の像側レンズ面S15から像面IMGまでの間にあるセンサカバーガラス2及びIRカットフィルタ3の厚さを空気換算したときの、第1レンズL1の物体側レンズ面S2の光軸上の面頂点から像面IMGまでの距離である。項番5のバックフォーカスは、第6レンズL6の像側レンズ面S15から像面IMGまでの間にあるセンサカバーガラス2及びIRカットフィルタ3を空気換算したときの、第6レンズL6の像側レンズ面S15の光軸上の面頂点から像面IMGまでの距離である。
Figure 2019207427
表77は、実施例1〜23に係る撮像レンズ系101のレンズ系全体の焦点距離f、第1レンズL1の焦点距離f1〜第6レンズL6の焦点距離f6、及び、第4レンズL4と第5レンズL5との合成焦点距離f45を示す表である。表77において、項番12のf45は、貼り合わされている第4レンズL4及び第5レンズL5の合成焦点距離を表わしている。
Figure 2019207427
表78は、実施例1〜23に係る撮像レンズ系101を構成するレンズの合成焦点距離を示す表である。表78において、項番16のf12は、第1レンズL1と第2レンズL2との合成焦点距離を表している。項番18のf3456は、第3レンズL3、第4レンズL4、第5レンズL5、第6レンズL6の合成焦点距離を表している。項番20のf123は、第1レンズL1、第2レンズL2、及び第3レンズL3の合成焦点距離を表している。項番22のf456は、第4レンズL4、第5レンズL5、及び第6レンズL6の合成焦点距離を表わしている。
Figure 2019207427
表79は、実施例1〜23に係る撮像レンズ系101の最大像高、前玉有効径、主光線角度、並びに、歪曲収差の最大値及び最小値を示す表である。項番25の前玉有効直径は、第1レンズL1の物体側レンズ面S2の有効直径を表わす。項番26は像空間、すなわち第6レンズL6と像面IMGとの間の空気中において、主光線と光軸とのなす角度の最大値を表わす。すなわち、主光線角度は、像面IMGへの主光線の入射角をいう。この値が0度に近い程、像側テレセントリック性に優れることになる。
項番27は、像高0から最大像高までの間における光学表示の歪曲収差の最大値を表わす。項番28は、項番27の歪曲収差値となる像高を表わす。項番29は、像高0から最大像高までの間における光学表示の歪曲収差の最小値を表わす。項番30は、項番29の歪曲収差値となる像高を表わす。なお、歪曲収差の最大、最小は符号も含めており、実施
例1〜23では、項番27よりも項番29の歪曲収差の絶対値の方が大きい。
Figure 2019207427
表80は、条件式(1)〜条件式(4)の値を示す表である。条件式(1)〜(4)の値について、項番31〜34に示す。
Figure 2019207427
表81は、撮像レンズ系101の周辺光量比と、絞り6〜8の絞り直径とを示す表である。像高0から最大像高までの範囲内における周辺光量比の最小値を項番35に示す。第2レンズL2の物体側レンズ面S4に設置される絞り6の絞り直径を項番36、第4レンズL4の物体側レンズ面S10に設置される絞り7の絞り直径を項番37、第5レンズL5の像側レンズ面S13に設置される絞り8の絞り直径をそれぞれ項番38に示す。
Figure 2019207427
実施例24及び25に係る撮像レンズ系201での各種の特性値の計算結果を表82に示す。表82に示される特性値は、表76〜表81と同様に定義されている。
Figure 2019207427
本実施形態の撮像レンズ系101及び201によれば、F値の小さな明るい撮像レンズ系であっても、収差、像面湾曲を小さくすることができて、高い解像性能を得ることができる。さらに、撮像レンズ系101を構成する6枚のレンズのうち少なくとも4枚をプラスチックレンズにすることにより、安価な撮像レンズ系を提供できる。また、撮像レンズ系201を構成する5枚のレンズのうち少なくとも3枚をプラスチックレンズにすることにより、安価な撮像レンズ系を提供できる。
さらに、本実施形態の撮像レンズ系101及び201は、撮像装置に用いられる場合に、画面中央部(像高の低い部分)でプラスの歪曲収差を発生させている。これにより、画面中央部での像の大きさを拡大することができるので、画面中央部での画像認識のしやすさを向上させることができる。さらにまた、本実施形態の撮像レンズ系101及び201は、画面周辺部においてマイナスの歪曲収差を発生させている。これにより、広い画角を
確保して必要な撮影範囲を確保することができる。
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
1…撮像素子 2…センサカバーガラス 3…IRカットフィルタ 4…ダミー面 5…開口絞り 6〜8…絞り 101,201…撮像レンズ系 L1〜L6…第1レンズ〜第6レンズ

Claims (7)

  1. 物体側から順に、負のパワーを有する像側に凹形状の第1レンズと、正のパワーを有する物体側に凸形状の第2レンズと、負のパワーを有する第3レンズと、正のパワーを有する物体側に凸形状の第4レンズと、像側レンズ面に変曲点を有する第5レンズと、から構成され、さらに、前記第1レンズよりも像側で前記第3レンズよりも物体側の位置に開口絞りを備え、下記条件式(6)を満足することを特徴とする撮像レンズ系。
    0.5≦t5/f … (6)
    ただし、t5:第5レンズの中心厚、f:レンズ系全体の焦点距離とする。
  2. 下記条件式(7)を満足することを特徴とする請求項1記載の撮像レンズ系。
    −0.2<f/f5<0.2 … (7)
    ただし、f5:第5レンズの焦点距離とする。
  3. 前記第5レンズはメニスカスレンズであることを特徴とする請求項1記載の撮像レンズ系。
  4. 下記条件式(1)を満足することを特徴とする請求項1記載の撮像レンズ系。
    t12/f>0.9 … (1)
    ただし、t12:第1レンズの像側レンズ面の面頂点と第2レンズの物体側レンズ面の面頂点との間の光軸上の距離とする。
  5. 前記第2レンズのアッベ数が40以上であることを特徴とする請求項1記載の撮像レンズ系。
  6. 下記条件式(8)を満足することを特徴とする請求項1記載の撮像レンズ系。
    ν4−ν3≧15 … (8)
    ただし、ν3:第3レンズのアッベ数、ν4:第4レンズのアッベ数とする。
  7. 請求項1に記載の撮像レンズ系と、前記撮像レンズ系の焦点に配置された撮像素子と、を備える撮像装置。
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