JP2019206825A - シャッター装置 - Google Patents

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祐二 榎本
Yuji Enomoto
祐二 榎本
博文 望月
Hirobumi Mochizuki
博文 望月
聡男 柳田
Toshio Yanagida
聡男 柳田
慎吾 真野
Shingo Mano
慎吾 真野
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Abstract

【課題】構成を複雑化することなく、通常時の高速開閉動作から非常時や任意のタイミングで低速閉鎖に確実に切り替えることができるシャッター装置を提供すること。【解決手段】シャッター装置100の開閉装置1は、制御盤15からの電気信号に基づいて遠心制動装置5及び軸ロックモジュール7による制動力を解除して高速遠心式ブレーキモジュール3による駆動軸21への制動力を付与した状態でモータ2の駆動力によって駆動軸21を回転させてシャッターカーテン12の巻取又は繰出を行う第1クラッチ部としての第1のクラッチモジュール4と、操作レバーとしてのレリーズレバー633の操作による機械的な駆動力の入力に基づいて軸ロックモジュール7による制動力を解除して遠心制動装置5による駆動軸21への制動力を付与した状態で駆動軸21を回転させてシャッターカーテン12を繰り出す第2クラッチ部としての第2のクラッチモジュール6と、を備える。【選択図】図2

Description

本発明は、開閉装置によって開閉するシャッター装置に関する。
建物の開口部等に配置されるシャッター装置において、開閉に伴う屋内の温度変化の抑制や倉庫等の出入口の開閉を素早く行って利用者のストレスの低減を図る等の観点から、開閉動作が通常よりも早いものが知られている。例えば、シート製の面材が高速開閉(例えば、開閉速度40〜60m/min)するシートシャッター装置や、鋼製のシャッターカーテンを高速開閉(例えば、開閉速度12〜18m/min)する高速シャッター装置等が知られている。
また、開閉速度を切り替える機能を有するシャッター装置を開示するものとして例えば特許文献1がある。特許文献1には、モータの駆動を減速機で減速してシャッターに伝達し、シャッターの昇降を行うシャッター用昇降装置において、前記モータと減速機との間に、制御部の制御指令に応じてモータの駆動速度を2段階に切換えて減速機に伝達する2段切換装置を備えた構成について記載されている。そして、2段切換装置が、前記モータの駆動軸に一体化するサンギヤと、前記サンギヤに噛合するとともに前記減速機の入力軸に一体化するインターナルギヤに噛合するワンウェイクラッチと、前記サンギヤに噛合すると共に前記インターナルギヤに噛合するピニオンギヤ対と、前記ピニオンギヤ対のピニオンギヤを支持すると共にニードルベアリングを介して前記インターナルギヤに回転自在に支承されるキャリアと、前記キャリアの回転を停止させるバンドブレーキとを備えて構成されることが記載されている。
特開平7−197756号公報
シートシャッター装置は、その面材が塩化ビニル等によって構成されるため、高速開閉動作の用途で使用することはできるが、防犯等を兼ねた管理用途や防火用途に単独で使用することは難しい。また、防火用のシャッター装置には、建築基準法施行令・告示による「閉鎖作動時の運動エネルギーが10J(ジュール)以下であること」が要求されるため、鋼製のシャッターカーテンが高速で閉鎖動作するだけで、低速閉鎖を実現できない構成では、高速シャッター装置をそのまま防火用途に用いることはできない。
高速閉鎖動作及び非常時等の任意のタイミングでの低速閉鎖の両方の要求を満たすために、シートシャッター装置と防火用のシャッター装置(重量シャッター)を併設する構成を採ることがある。これによって、シャッター装置は、管理用及び防火用の両者の機能を有することになる。しかしながら、シートを開閉する機構と重量シャッターを開閉する機構の2つが必要となり、2つの機構を配置するためのコストやスペースが必要となる。
この点、特許文献1では、開閉速度を切り替える機能を有しており、開閉するための機構を1台とすることができる。しかし、特許文献1の構成では、シャッター上昇指令時に高速側に切り替えられ、シャッター降下指令時に低速側に切り替わる構成となっており、通常時にシャッター装置を高速開閉させることが十分に考慮されていなかった。また、2段切換装置の装置構成もサンギヤや一方向のワンウェイクラッチを用いる構造であり、通常時の閉鎖速度と非常時の閉鎖速度を変更する機構として適用することは困難であった。単独のシャッターで、通常時の高速開閉動作と、感知器の信号や利用者の任意のタイミンでの低速閉鎖と、の両方の機能をコスト面含めて実現できるシャッター装置が望まれていた。
本発明は、構成を複雑化することなく、通常時の高速開閉動作から非常時や任意のタイミングで低速閉鎖に確実に切り替えることができるシャッター装置を提供することを目的とする。
本発明は、シャッターカーテン(例えば、後述のシャッターカーテン12)と、前記シャッターカーテンを巻取可能な巻取装置(例えば、後述の巻取装置13)と、前記巻取装置に前記シャッターカーテンを巻取又は繰出する動力を伝達する開閉装置(例えば、後述の開閉装置1)と、前記開閉装置を制御する制御装置(例えば、後述の制御盤15)と、を備え、前記開閉装置は、駆動軸(例えば、後述の駆動軸21)を有するモータ(例えば、後述のモータ2)と、前記駆動軸に相対的に高速回転可能な制動力を付与する第1のブレーキ部(例えば、後述の高速遠心式ブレーキモジュール3)と、前記駆動軸に相対的に低速回転可能な制動力を付与する第2のブレーキ部(遠心制動装置5)と、前記駆動軸を停止させる制動力を付与するロック部(例えば、後述の軸ロックモジュール7)と、前記制御装置からの電気信号に基づいて前記第2のブレーキ部及び前記ロック部による制動力を解除して前記第1のブレーキ部による前記駆動軸への制動力を付与した状態で前記モータの駆動力によって前記駆動軸を回転させて前記シャッターカーテンの巻取又は繰出を行う第1クラッチ部(例えば、後述の第1のクラッチモジュール4)と、操作レバー(例えば、後述のレリーズレバー633)の操作による機械的な駆動力の入力又は前記制御装置からの非常信号に基づいて前記ロック部による制動力を解除して前記第2のブレーキ部による前記駆動軸への制動力を付与した状態で前記駆動軸を回転させて前記シャッターカーテンを繰り出す第2クラッチ部(例えば、後述の第2のクラッチモジュール6)と、を備えるシャッター装置に関する。
操作レバーの操作による機械的な駆動力の入力又は前記制御装置からの非常信号に基づいて前記ロック部による制動力を解除したときの前記駆動軸の回転は、前記シャッターカーテンの重量を利用した自重降下であることが好ましい。
前記第1のブレーキ部は、前記駆動軸の回転速度が所定の回転速度を超えると、当該回転速度の上昇に伴って制動力が増加する高速遠心式ブレーキモジュールであることが好ましい。
前記第2のブレーキ部は、前記駆動軸の回転速度が所定の回転速度を超えると、前記駆動軸の回転に制動力を付与して回転速度を所定範囲に収める遠心制動装置であることが好ましい。
本発明のシャッター装置によれば、構成を複雑化することなく、通常時の高速開閉動作から非常時や任意のタイミングで低速閉鎖に確実に切り替えることができる。
本発明による一つの好ましい実施例を示す装置分解図である。 本発明による好ましい実施例の断面を示す図である。 本発明による好ましい実施例の高速遠心式ブレーキモジュールと第1のクラッチモジュールの断面を示す断面図である。 本発明による好ましい実施例である遠心制動装置と第2のクラッチモジュールの断面を示す断面図である。 本発明による一つの好ましい実施例である軸ロックモジュールを示す断面図である。 本発明による一つの好ましい実施例である端部カバーが下ろされた軸ロックモジュール7の前面図である。 本発明の一実施形態に係るシャッター装置の概略図である。
以下、本発明の好ましい実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の説明で参照する図面は模式的に示したものであり、その大きさが必ず比例に基づいて描かれるものではなく、構成の一部を省略して説明することもある。
まず、本実施形態のシャッター装置を駆動するする開閉装置(開閉機)1の構成について説明する。
本実施形態の開閉装置1は、通常時の高速開閉動作と非常時の低速閉鎖を切り替える機能を有する。この機能によって通常時はシャッターカーテン12を高速開閉動作させ、火災発生時等の非常時にはシャッターカーテン12を低速閉鎖させることが可能になっている。
図1と図2を参照して開閉装置の構成について説明する。図1は本発明による一つの好ましい実施例を示す装置分解図であり、図2は本発明による好ましい実施例の断面を示す図である。図面に示されるように、本実施例の開閉装置1は出力軸92と、ギヤ減速モジュール91と、モータ2と、高速遠心式ブレーキモジュール3と、第1のクラッチモジュール4と、遠心制動装置5と、第2のクラッチモジュール6と、軸ロックモジュール7と、手動駆動モジュール8とを含む。
そのうち、モータ2は駆動軸21を含み、前記駆動軸21の一端(図面では左側)にギヤ減速モジュール91が接続されている。ギヤ減速モジュール91は主に異なる複数のギヤからなるもので減速の効果を達する。ギヤ減速モジュール91は入力部910と出力軸911とを含み、前記入力部910が駆動軸21に接続され、出力軸911が出力軸92に接続されている。前記出力軸92がチェーンを介して巻取シャフト(図6参照)100を駆動してシャッターカーテン12を上げたり降下したりする。
さらに図1と、図2と、図3とを併せて参照する。図3は本発明による好ましい実施例の高速遠心式ブレーキモジュール3と第1のクラッチモジュール4の断面を示す断面図である。図面に示されるように、前記モータ2の駆動軸21の他端(図面では右側)に高速遠心式ブレーキモジュール3が接続されている。前記高速遠心式ブレーキモジュール3は、主に、開閉装置1の内部機構の故障、例えば制動裝置又はクラッチ装置の故障時にシャッターの高速降下による損害や危険が生じないよう機能する。
この実施例では、前記高速遠心式ブレーキモジュール3は主として端部ディスク31と、ブレーキシューアセンブリ32と2つのバネ33とを含む。前記端部ディスク31がモータ2の駆動軸21に接続されているため、端部ディスク31は駆動軸21に伴って回転される。また前記ブレーキシューアセンブリ32は2つのブレーキシュー321を含み、前記ブレーキシュー321の各々は一端が端部ディスク31に枢着され、2つのバネ33の二端にはそれぞれ当該2つのブレーキシュー321が接続されて当該2つのブレーキシュー321が互いに近接するように付勢させる。
換言すれば、端部ディスク31は第1の所定の回転速度を超える速度で高速回転するとき、当該2つのブレーキシュー321は遠心力によりバネ33の引っ張り力を抵抗して、径方向に外へ拡張して開閉装置1の取付枠11に接続される第1の環状のブレーキケース30に当接することで制動力が生成される。同時に回転速度の上昇に伴って制動力が段々増加される。本実施例では第1の所定の回転速度を1800RPMとする。
さらに、第1のクラッチモジュール4は、高速遠心式ブレーキモジュール3と遠心制動装置5の間に設けられる。第1のクラッチモジュール4は第1の連結軸211と、第1の回転盤41と、第1のブレーキディスク42と、第1の補助ブレーキディスク45と、電磁ブレーキ43と、第1の付勢バネ44と第1の固定仕切板401とを含む。第1の回転盤41が高速遠心式ブレーキモジュール3の端部ディスク31に接続されているため、第1の回転盤41は端部ディスク31に伴って駆動軸21と一緒に回転する。第1の連結軸211は駆動軸21と同軸に配置される。
さらに、第1の補助ブレーキディスク45は第1の連結軸211に取り付けられ且つ端部ディスク31と第1の回転盤41の間に位置する。第1の固定仕切板401は、開閉装置1の取付枠11に固着され、電磁ブレーキ43は第1の固定仕切板401に固着され、且つ第1のブレーキディスク42と第1の付勢バネ44とが第1の連結軸211に接続されている。そのうち第1の付勢バネ44は一端が第1の固定仕切板401に当接し、他端が第1のブレーキディスク42に押圧すると共に常に第1のブレーキディスク42と、第1の回転盤41と、第1の補助ブレーキディスク45と端部ディスク31とを互いに当接するようにする。それにより駆動軸21と、高速遠心式ブレーキモジュール3と、第1の連結軸211と、遠心制動装置5と、を連動させて回転又は制動させることができる。
一方、電気信号を受けて励磁することによって稼動する電磁ブレーキ43は当該第1のブレーキディスク42を吸着して第1のブレーキディスク42と、第1の回転盤41と、第1の補助ブレーキディスク45と、端部ディスク31と、を分離させる。この時、駆動軸21は第1の連結軸211から離脱すると共に高速遠心式ブレーキモジュール3は遠心制動装置5から離脱するため、駆動軸21が自在に回転できるようになる。
さらに、図1と、図2と、図3と、図4とを併せて参照する。図4は本発明による好ましい実施例である遠心制動装置5と第2のクラッチモジュール6の断面を示す断面図である。また本実施例による遠心制動装置5は、その全体的機構設計が前述した高速遠心式ブレーキモジュール3と類似している。
本実施例の遠心制動装置5は回転ディスク51と、制動シュー52と、バネ(図示せず)とを含み、回転ディスク51が第1の連結軸211に取り付けられ、制動シュー52が2つの制動ライニング521を含み、制動ライニング521の各々は、一端が回転ディスク51に枢着される。そのため、第1の連結軸211は第2の所定の回転速度を超える速度で回転するとき、当該2つの制動ライニング521は遠心力によりバネ(図示せず)の引っ張り力を克服して径方向に外へ拡張して第1の固定仕切板401に接続される第2の環状のブレーキケース40に当接することで制動力が生成される。同時に第2の連結軸212の回転速度は特定の範囲の内、即ち350RPM〜450RPMに維持される。本実施例では前記第2の所定の回転速度を350RPMとする。
さらに、第2のクラッチモジュール6は第2の連結軸212と、第2の回転盤61と、第2のブレーキディスク62と、第2の補助ブレーキディスク65と、手動制動解除機構63と、第2の付勢バネ64とを含む。第2の連結軸212は第1の連結軸211と駆動軸21と同軸に設けられ、第2の回転盤61は回転ディスク51を介して第1の連結軸211と結合される。また、手動制動解除機構63は固定カム部材631と、可動カム部材632と、レリーズレバー633と、第2の固定仕切板634とを含み、第2の固定仕切板634は開閉装置1の取付枠11に固着され、第2のブレーキディスク62と、第2の補助ブレーキディスク65と、第2の付勢バネ64とが第2の連結軸212に取り付けられる。
また、第2の付勢バネ64は一端が第2の固定仕切板634に当接し、他端が第2のブレーキディスク62に押圧すると共に第2のブレーキディスク62と、第2の回転盤61と第2の補助ブレーキディスク65とが常時に互いに当接するように駆動する。それにより第2の連結軸212は第1の連結軸211に結合される。また、第2の固定仕切板634は一側が当該固定カム部材631に取り付けて設けられ、可動カム部材632は第2の連結軸212に取り付けられ、可動カム部材632と固定カム部材631の当接する相対端面にはマッチする形状を有したカム面が形成される。レリーズレバー633は一端が可動カム部材632に接続されると共に、他端が取付枠11の外側に延出する。
それにより、レリーズレバー633を操作することで、可動カム部材632が固定カム部材631のカム面に移動する(ずれる)ことにより、第2の付勢バネ64の弾性力を克服して第2の連結軸212を駆動させて第2のブレーキディスク62を軸方向に変位するように駆動する。それ故に当該第2のブレーキディスク62と該第2の回転盤61とが分離することになる。この時、第2の連結軸212は第1の連結軸211から離脱し、高速遠心式ブレーキモジュール3及び遠心制動装置5は軸ロックモジュール7から離脱するため、自在に回転できるようになる。
図1と、図2と、図5Aと、図5Bと、を併せて参照する。図5Aは本発明による一つの好ましい実施例である軸ロックモジュール7を示す断面図である。図5Bは本発明による一つの好ましい実施例である端部カバー70が下ろされた軸ロックモジュール7の前面図である。軸ロックモジュール7は、第2の連結軸212に接続される駆動軸21を回転させないようにし、また軸ロックモジュール7の後側に接続される手動駆動モジュール8は人員の操作により回転された際、手動駆動モジュール8が第2の連結軸212と、第1の連結軸211と、駆動軸21とを駆動して回転させることを許可するように主に機能したものである。
さらに説明すると、本実施例の軸ロックモジュール7は第3の固定仕切板701と、中心軸部71と、固定スリーブ72と、可動スリーブ73とスリーブ式クラッチ機構74とを含む。そのうち、第3の固定仕切板701は取付枠11に固着され、中心軸部71は第2の連結軸212に接続されると共に中心軸部71からスリーブ式クラッチ機構74と、固定スリーブ72と、可動スリーブ73の順に同軸に配置される。
さらに、スリーブ式クラッチ機構74は4つの固定スタブ741と、8つの可動スタブ742と、4つのバネ743とを含む。上述したパーツは何れも固定スリーブ72と中心軸部71の間に収納される。そのうち、固定スタブ741は可動スリーブ73まで接続される。固定スリーブ72は第3の固定仕切板701に固着される。その外、中心軸部71には凸角からなる径方向突出部711が複数設けられ、当該径方向突出部711と固定スリーブ72の内リング面との間に第1の間距D1が存在する。固定スタブ741の直径は当該第1の間距D1よりも小さく、可動スタブ742の直径は当該第1の間距D1よりも大きい。
また、2つの可動スタブ742の間に固定スタブ741又はバネ743が配置され、且つ固定スタブ741とバネ743とが間隔をおいて配置され、バネ743は可動スタブ742を径方向突出部711に接近するよう押圧して用いられる。それにより、中心軸部71が回転しようとする時、可動スタブ742の直径は第1の間距D1よりも大きいため、可動スタブ742は径方向突出部711と固定スリーブ72との間に係止されて中心軸部71をロックして回転させることができない。一方、可動スリーブ73が回転しようとする時、固定スタブ741は可動スタブ742を押して回転することができるため、中心軸部71と一緒に回転する。
図1と図2に戻って説明する。手動駆動モジュール8は、本実施例において手動スプロケットを採用し、前記手動スプロケットは軸ロックモジュール7の可動スリーブ73と結合されている。換言すれば、操作者はチェーン(図示せず)を引っ張って手動スプロケットを回転させると、可動スリーブ73が駆動されて回転する。以って中心軸部71を回転させる同時に、中心軸部71に接続されている第2の連結軸212と、第1の連結軸211と、駆動軸21と出力軸92とが一緒に回転される。
以下、各使用状態の稼動状態を説明する。まず、静止状態において、第1のクラッチモジュール4と第2のクラッチモジュール6とが何れも稼動していないため、高速遠心式ブレーキモジュール3と、遠心制動装置5と、軸ロックモジュール7と、が接続されている状態となり、駆動軸21と、第1の連結軸211と、第2の連結軸212と、が軸ロックモジュール7にロックされて回転できなくなる。
次に、開閉装置1の通常時の稼動状態を説明する。第1のクラッチモジュール4は、電気信号を受けて稼動して高速遠心式ブレーキモジュール3と遠心制動装置5とを分離させる。この時、モータ2の駆動軸21は高速遠心式ブレーキモジュール3による制限で高速で回転することができる。換言すれば、開閉装置1の内部の機構の部材が故障して駆動軸21が高速に回転してしまったとしても、高速遠心式ブレーキモジュール3は、パーツの損害や危険が生じないよう、駆動軸21の回転速度が低下になるよう制動力を提供する。
さらに、防火・避難時の稼動状態を説明する。人員が手動制動解除機構63のレリーズレバー633を操作した時、例えば火事発生時に防火・煙拡散防止のためにシャッターを閉める時、第2のクラッチモジュール6が稼動して駆動軸21と、第1の連結軸211と第2の連結軸212とを、軸ロックモジュール7のロックから離脱させる状態となる。この時、駆動軸21の回転は遠心制動装置5により制限される。駆動軸21の回転速度が350RPM〜450RPMの間に維持される。即ちシャッターは降下速度が3〜6m/Sに制限される。
惟し、特に留意したいのは、本実施例の手動制動解除機構63も危険防止装置に替えてよい。当該装置内には制御回路と蓄電池とが配置される。而も第2のクラッチモジュール6は電磁型クラッチを採用してよい。それにより、災害発生時に、危険防止装置の制御回路は、第2のクラッチモジュール6をトリガーして駆動させることができる。
また、手動でシャッターを上げるモードは、一般に停電状態又は防火状態でシャッターを上げて避難する時に用いられる。詳細には、静止状態では、高速遠心式ブレーキモジュール3と、遠心制動装置5と、軸ロックモジュール7と、が接続される状態となり、駆動軸21と、第1の連結軸211と、第2の連結軸212と、軸ロックモジュール7と、がロックされて回転できなくなる。ただし、この場合、操作者はただ手動駆動モジュール8のチェーンを回転させるだけで、駆動軸21を駆動することができる。それにより第1の連結軸211及び第2の連結軸212が回転され、さらに出力軸92を駆動してシャッターが上げられることになる。
次に、図1〜5Bを参照して説明した開閉装置1が適用されるシャッター装置100の例について説明する。図6は、本発明の一実施形態に係るシャッター装置100の概略図である。本実施形態のシャッター装置100は、ガイドレール111と、シャッターカーテン12と、ケース20と、連動中継器25と、巻取装置13と、開閉装置1と、制御盤15と、操作装置16と、報知装置17と、を含んで構成される。
ガイドレール111は、シャッターカーテン12の左右それぞれに配置される。ガイドレール111は、横断面が略U字状に形成されており、U字の内側に相当する部分で昇降するシャッターカーテン12の左右端部をガイドする。
シャッターカーテン12は、複数のスラット121が上下方向に連設されて構成される。シャッターカーテン12がガイドレール111に案内されながら上昇/降下することにより、建物開口部の開放/閉鎖が行われる。
ケース20は、シャッターカーテン12を巻き取る巻取装置13等を収容する。連動中継器25は、感知器等の信号を図示せぬ連動制御器を経由してシャッターカーテン12が全閉するまで自動閉鎖装置150に電源を供給する。
巻取装置13は、シャッターカーテン12の巻取/繰出を行う装置である。図2は、巻取装置13及びその近傍の様子を示す側面図であり、ケース20等の一部の構成の図示を省略している。
巻取装置13は、開閉装置1によって回転駆動される巻取シャフト131と、シャッターカーテン12を巻取可能な巻取ドラム132と、を備える。
シャッター装置100の左右には軸受ブラケット135が配置されており、該軸受ブラケット135にベアリング(図示省略)を介して巻取シャフト131が回転可能に支持される。巻取ドラム132は、その軸心が巻取シャフト131の軸心に一致しており、巻取シャフト131と一体的に回転する。巻取ドラム132の周面には、シャッターカーテン12の上端部が固定される。
巻取シャフト131が所定方向(巻取方向)に回転するとシャッターカーテン12が巻取ドラム132に巻き取られ、建物開口部が開放される。巻取シャフト131が所定方向と逆向きに回転するとシャッターカーテン12が巻取ドラム132から繰り出され、最終的に開口部が閉鎖される。
開閉装置1は、モータ2の回転力を巻取シャフト131に機械的に伝達する伝達機構143と、を備える。
伝達機構143は、モータ2の出力軸92に接続されるモータ側スプロケット、巻取シャフト131に接続される巻取側スプロケットと、モータ側スプロケット及び巻取側スプロケットに巻き回されるローラチェーンと、等から構成される。
制御盤15は、操作装置16から入力される信号に基づいてモータ2の駆動を制御する制御回路を有する。操作装置16は、制御盤15に電気的に接続される。制御盤15は、操作装置16の操作信号に基づいてシャッターカーテン12を動作させる制御を行う。また、シャッター装置100の制御の他にシャッター装置100の異常により検知信号を出力させたり、警報信号を出力させたりする回路も併せ持っている。
上記実施形態によれば、以下のような効果を奏する。
シャッター装置100が備える開閉装置1は、駆動軸21を有するモータ2と、駆動軸21に相対的に高速回転可能な制動力を付与する第1のブレーキ部としての高速遠心式ブレーキモジュール3と、駆動軸21に相対的に低速回転可能な制動力を付与する第2のブレーキ部としての遠心制動装置5と、駆動軸21を停止させる制動力を付与するロック部としての軸ロックモジュール7と、制御盤15からの電気信号に基づいて遠心制動装置5及び軸ロックモジュール7による制動力を解除して高速遠心式ブレーキモジュール3による駆動軸21への制動力を付与した状態でモータ2の駆動力によって駆動軸21を回転させてシャッターカーテン12の巻取又は繰出を行う第1クラッチ部としての第1のクラッチモジュール4と、操作レバーとしてのレリーズレバー633の操作による機械的な駆動力の入力(又は危険防止装置の動作信号)に基づいて軸ロックモジュール7による制動力を解除して遠心制動装置5による駆動軸21への制動力を付与した状態で駆動軸21を回転させてシャッターカーテン12を繰り出す第2クラッチ部としての第2のクラッチモジュール6と、を備える。
これにより、通常時はモータ2の駆動力によってシャッターカーテン12を高速回転させることができるとともに通常時は遠心制動装置5によって低速回転でシャッターカーテン12を繰り出すことができる。また、非常時には電源を喪失している場合でも、電力供給がない状態で確実に低速閉鎖を実現させることができる。
また、本実施形態では、レリーズレバー633の操作による機械的な駆動力の入力又は危険防止装置からの非常信号に基づいて軸ロックモジュール7による制動力を解除したときの駆動軸21の回転は、シャッターカーテン12の重量を利用した自重降下である。
これにより、非常時に電力の供給がなくなった場合でも、シャッターカーテン12を低速回転で確実に繰り出すことができる。
また、本実施形態では、第1のブレーキ部は、駆動軸21の回転速度が所定の回転速度を超えると、当該回転速度の上昇に伴って制動力が増加する高速遠心式ブレーキモジュール3である。これにより、駆動軸21が想定よりも高速で回転しようとした場合でも、高速遠心式ブレーキモジュール3によって適切な速度でシャッターカーテン12を開閉することができる。
また、本実施形態では、第2のブレーキ部は、駆動軸21の回転速度が所定の回転速度を超えると、駆動軸21の回転に制動力を付与して回転速度を所定範囲に収める遠心制動装置5である。これにより、非常時の回転速度を所定の低速範囲に収めることができ、より安定したシャッターカーテン12の閉鎖動作が可能となる。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は、上述の実施形態に制限されるものではなく、適宜変更が可能である。例えば、第1のブレーキ部及び第2のブレーキ部について、高速遠心式ブレーキモジュールや遠心制動装置以外の制動力を付与する構成を適用してもよい。
また、上記実施形態では、感知器からの信号に基づいて非常時に高速開閉動作から低速閉鎖に切り替わる構成を一例として説明したが、この構成に限定されない。例えば、上記実施形態の操作装置16に低速降下ボタンを設けるとともに、制御盤15に対応する回路を組み込み、任意のタイミングで高速開閉動作から低速閉鎖に切り替える構成としてもよい。このように、本実施形態のシャッター装置は、事情に応じて適宜変更することができる。
また、上記実施形態から以下の技術的思想を把握することができる。
(1)駆動軸を含んだモータと、前記駆動軸の一端に結合され、前記駆動軸の回転速度は所定の回転速度を超えると駆動軸に制動力を与え、回転速度の上昇に伴って制動力を徐々に増加させる高速遠心式ブレーキモジュールと、前記高速遠心式ブレーキモジュールに結合され、前記駆動軸の回転速度を特定の範囲の内に維持させる遠心制動装置と、前記遠心制動装置に結合され、前記モータの前記駆動軸をロックするための軸ロックモジュールと、前記高速遠心式ブレーキモジュールと前記遠心制動装置との間に結合され、前記高速遠心式ブレーキモジュールと前記遠心制動装置を常に接続させる第1のクラッチモジュールと、前記遠心制動装置と前記軸ロックモジュールとの間に結合され、前記遠心制動装置と前記軸ロックモジュールを常に接続される第2のクラッチモジュールとが含まれており、開閉装置は、静止状態において前記モータの前記駆動軸が前記軸ロックモジュールによってロックされ、常時作動時に前記第1のクラッチモジュールが前記高速遠心式ブレーキモジュールと前記遠心制動装置を分離させるように制御され、災害発生時に前記第2のクラッチモジュールが前記遠心制動装置と前記軸ロックモジュールを分離させるように制御されることを特徴とする開閉装置である。
(2)前記高速遠心式ブレーキモジュールは端部ディスクとブレーキシューアセンブリと少なくとも一つのバネを含み、前記端部ディスクが前記駆動軸に結合され、前記ブレーキシューアセンブリは二つのブレーキシューを含み、各のブレーキシューの一端が前記端部ディスクに枢着され、前記少なくとも一つのバネは、両端がそれぞれ前記二つのブレーキシューに接続されて前記二つのブレーキシューが互いに接近するように付勢される、(1)に記載した開閉装置である。
(3)前記第1のクラッチモジュールは第1の回転盤と第1のブレーキディスクと電磁ブレーキと第1の連結軸と第1の付勢バネを含み、前記第1の回転盤が前記駆動軸に結合され、前記第1の連結軸が前記駆動軸と同軸に配置され、前記第1のブレーキディスク及び前記遠心制動装置が前記第1の連結軸に取り付けられ、前記電磁ブレーキが前記開閉装置1の取付枠に固着され、前記第1の付勢バネは、前記第1の連結軸に設けられ、且つ前記第1のブレーキディスクを前記第1の回転盤に当接するように常に付勢され、前記第1のブレーキディスクを前記第1の回転盤に当接することで前記第1の連結軸が前記駆動軸に結合され、前記電磁ブレーキは電気信号により制御されると、前記電磁ブレーキは前記第1のブレーキディスクを吸着して前記第1のブレーキディスクと前記第1の回転盤を分離させるとともに、前記第1の連結軸と前記駆動軸を離脱させることを特徴とする、(1)に記載した開閉装置である。
(4)前記遠心制動装置は回転ディスク及び制動シューを含み、前記回転ディスクが前記第1の連結軸に結合され、前記制動シューは二つの制動ライニングを含み、各の制動ライニングの一端が前記回転ディスクに枢着されていることを特徴とする、(3)に記載した開閉装置である。
(5)前記第2のクラッチモジュールは第2の回転盤と第2のブレーキディスクと手動制動解除機構と第2の連結軸と第二付勢バネを含み、前記第2の回転盤が前記第1の連結軸に結合され、前記第2の連結軸が前記第1の連結軸と同軸に配置され、前記第2のブレーキディスク及び前記手動制動解除機構が前記第2の連結軸に取り付けられ、前記第二付勢バネが前記第2の連結軸に設けられ、且つ前記第2のブレーキディスクを前記第2の回転盤に当接するように常に付勢されて前記第2の連結軸が前記第1の連結軸に結合され、前記手動制動解除機構は手動操作によって制御されると、前記第2のブレーキディスクと前記第2の回転盤を分離させ、前記第2の連結軸と前記第1の連結軸を離脱させる、請求項(3)に記載した開閉装置である。
(6)前記手動制動解除機構は固定カム部材と可動カム部材とレリーズレバーを含み、前記固定カム部材が前記開閉装置1の取付枠に固着され、前記可動カム部材が前記第2の連結軸に設けられ、前記可動カム部材と前記固定カム部材が互いに当接し、前記可動カム部材と前記固定カム部材の当接する相対端面は互いにマッチする形状を有したカム面とされ、前記レリーズレバーの一端が前記可動カム部材に接続され、前記レリーズレバーを操作することで、前記可動カム部材のカム面が前記固定カム部材のカム面に対してずれることにより、前記第2の連結軸が軸方向に変位して、前記第2のブレーキディスクと前記第2の回転盤が分離することになる、(5)に記載した開閉装置である。
(7)前記軸ロックモジュールに結合される手動駆動モジュールをさらに含み、手動駆動モジュールは前記駆動軸を手動で駆動して回転させるために使用される、(1)に記載した開閉装置である。
(8)前記軸ロックモジュールは同軸に配置された中心軸部と固定スリーブと可動スリーブとスリーブ式クラッチ機構を含み、前記固定スリーブ部と前記スリーブ式クラッチ機構が前記中心軸部と前記可動スリーブとの間に位置され、前記中心軸部が前記駆動軸に結合され、前記固定スリーブ部が前記開閉装置の取付枠に固着され、前記可動スリーブが前記手動駆動モジュールに結合され、前記中心軸部が回転しようとする時に、前記スリーブ式クラッチ機構が前記中心軸部を前記固定スリーブに接続させ、前記可動スリーブが回転しようとする時に、前記可動スリーブが前記スリーブ式クラッチ機構によって前記中心軸部を回転させる、(7)に記載した開閉装置である。
(9)前記スリーブ式クラッチ機構は少なくとも一つの固定スタブ及び少なくとも一つの可動スタブを含み、前記少なくとも一つの固定スタブ及び前記少なくとも一つの可動スタブは前記固定スリーブと前記中心軸部との間に設けられ、前記少なくとも一つの固定スタブが前記可動スリーブに接続され、前記中心軸部には少なくとも一つの径方向突出部が設けられ、前記中心軸部が回転しようとする時に、前記少なくとも一つの可動スタブが前記少なく一つの径方向突出部と前記固定スリーブとの間に係止されて前記中心軸部をロックし、前記可動スリーブが回転しようとする時に、前記少なくとも一つの固定スタブが前記少なくとも一つの可動スタブを押して回転して、前記中心軸部を前記可動スタブと一緒に回転する、(8)に記載した開閉装置である。
(10)ギヤ減速モジュール及び出力軸をさらに含み、前記ギヤ減速モジュールは入力部及び出力軸を含み、前記入力部が前記駆動軸の他端に結合され、前記出力軸が前記出力軸に結合されている、(1)に記載した開閉装置である。
1 開閉装置
2 モータ
12 シャッターカーテン
21 駆動軸
3 高速遠心式ブレーキモジュール(第1のブレーキ部)
30 第1の環状のブレーキケース
32 ブレーキシューアセンブリ
33 バネ
4 第1のクラッチモジュール(第1のクラッチ部)
40 第2の環状のブレーキケース
401 第1の固定仕切板
5 遠心制動装置(第2のブレーキ部)
52 制動シュー
6 第2のクラッチモジュール(第2のクラッチ部)
634 第2の固定仕切板
7 軸ロックモジュール(ロック部)
70 端部カバー
701 第3の固定仕切板
73 可動スリーブ
8 手動駆動モジュール
91 ギヤ減速モジュール
92 出力軸
100 シャッター装置

Claims (4)

  1. シャッターカーテンと、
    前記シャッターカーテンを巻取可能な巻取装置と、
    前記巻取装置に前記シャッターカーテンを巻取又は繰出する動力を伝達する開閉装置と、
    前記開閉装置を制御する制御装置と、
    を備え、
    前記開閉装置は、
    駆動軸を有するモータと、
    前記駆動軸に相対的に高速回転可能な制動力を付与する第1のブレーキ部と、
    前記駆動軸に相対的に低速回転可能な制動力を付与する第2のブレーキ部と、
    前記駆動軸を停止させる制動力を付与するロック部と、
    前記制御装置からの電気信号に基づいて前記第2のブレーキ部及び前記ロック部による制動力を解除して前記第1のブレーキ部による前記駆動軸への制動力を付与した状態で前記モータの駆動力によって前記駆動軸を回転させて前記シャッターカーテンの巻取又は繰出を行う第1クラッチ部と、
    操作レバーの操作による機械的な駆動力の入力又は前記制御装置からの非常信号に基づいて前記ロック部による制動力を解除して前記第2のブレーキ部による前記駆動軸への制動力を付与した状態で前記駆動軸を回転させて前記シャッターカーテンを繰り出す第2クラッチ部と、
    を備えるシャッター装置。
  2. 操作レバーの操作による機械的な駆動力の入力又は前記制御装置からの非常信号に基づいて前記ロック部による制動力を解除したときの前記駆動軸の回転は、前記シャッターカーテンの重量を利用した自重降下である請求項1に記載のシャッター装置。
  3. 前記第1のブレーキ部は、前記駆動軸の回転速度が所定の回転速度を超えると、当該回転速度の上昇に伴って制動力が増加する高速遠心式ブレーキモジュールである請求項1又は2に記載のシャッター装置。
  4. 前記第2のブレーキ部は、前記駆動軸の回転速度が所定の回転速度を超えると、前記駆動軸の回転に制動力を付与して回転速度を所定範囲に収める遠心制動装置である請求項1から3の何れかに記載のシャッター装置。
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