JP2019206309A - 車両シート構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】車両衝突時にシートバックフレームが後方の積荷から受ける衝撃を低コストで軽減できる車両シート構造を提供する。【解決手段】車両シート構造1は、車体フロア2に取付けられる車両シート10と、車両シート10のシートバックフレーム12に後方に突出した状態で取付けられる衝撃吸収部材としてのワイヤ部材30と、を備え、ワイヤ部材30は、後方からの積荷Wの衝突によって塑性変形して衝撃エネルギーを吸収するように構成されている。【選択図】図1

Description

本発明は、車両シート構造に関する。
下記の特許文献1には、車両シートのシートバックフレームの構造が開示されている。このシートバックフレームは、左右一対のサイドメンバと、サイドメンバの上部を連結するアッパメンバと、サイドメンバの下部を連結するロアメンバと、を有し、これら複数のメンバが所定の金属材料で一体化されるように構成されている。このシートバックフレームは、車両の前方衝突時に車両シートに後方から積荷が衝突したときの衝撃エネルギーをサイドメンバで吸収することによって衝撃を軽減しようとしている。
特開平11−198698号公報
ところで、車両シートの強度について評価するために、車両シートに後方から積荷が衝突するときの様子を模した衝撃試験が知られている。この衝撃試験は、一般的には、積荷が車体フロアの床面に直に積まれた状態で行われる。このため、積荷の高さ寸法が小さいときには、車両シートの背面の下部領域に積荷が衝突する。
ところが、車両において積荷が積まれる位置は、現実的には車体フロアの床面とは限らず、例えば、後部シートのシートバック部が前倒しされた状態で、このシートバック部の上面に積荷が積まれることもある。また、積荷の高さ寸法は、その種類や形状などによって異なる。
そして、積荷の積載位置や荷姿などの違いによって、車両シートの背面における積荷の衝突箇所が異なるため、シートバックフレームが積荷から受けるモーメントに差が生じる。例えば、積荷の衝突箇所が車両シートの背面の上側であるほど、シートバックフレームが積荷から受けるモーメントが大きくなり衝撃を受け易い。このため、積荷の積載位置や荷姿などについて上記の衝撃試験とは異なる別の衝撃試験も想定され得る。
ここで、別の衝撃試験を想定した場合、既存のシートバックフレームに後付けできる構造によってシートバックフレームに伝わる衝撃を軽減できるのが好ましい。これに対して、特許文献1に開示の構造は、シートバックフレーム自体が衝撃エネルギーを吸収するものであるためこの構造を採用できない。そこで、シートバックフレーム全体の剛性を高めることも考えられるが、この場合にはシートバックフレームに要するコストが高くなるという問題が生じ得る。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、車両衝突時にシートバックフレームが後方の積荷から受ける衝撃を低コストで軽減できる車両シート構造を提供しようとするものである。
本発明の一態様は、
車両シートと、
上記車両シートのシートバックフレームに後方に突出した状態で取付けられる衝撃吸収部材と、
を備え、
上記衝撃吸収部材は、後方からの積荷の衝突によって塑性変形して衝撃エネルギーを吸収するように構成されている、車両シート構造、
にある。
上記の車両シート構造において、衝撃吸収部材は、車両シートのシートバックフレームに、このシートバックフレームから突出した状態で取付けられる。このため、後方から移動した積荷に対しては、シートバックフレームよりも先に衝撃吸収部材が衝突する。そして、この衝撃吸収部材は、車両衝突時に後方から積荷が衝突したときに塑性変形して衝撃エネルギーを吸収する機能を有する。従って、衝撃吸収部材自体が積荷の衝突荷重によって塑性変形することで、衝撃吸収部材からシートバックフレームに伝わる衝撃を軽減できる。
また、衝撃吸収部材を予め準備してシートバックフレームに後付けすることができる。このとき、想定される積荷の積載位置や荷姿などに対応して塑性変形する衝撃吸収部材を使用することによって、シートバックフレームの剛性を必要以上に高める必要がない。このため、シートバックフレームに要するコストが高くなるのを防ぐことができる。
以上のごとく、上記の態様によれば、車両衝突時にシートバックフレームが後方の積荷から受ける衝撃を低コストで軽減できる車両シート構造を提供することが可能になる。
実施形態1の車両シート構造を側方から視た側面図。 図1の車両シート構造を後方から視た背面図。 図2中のワイヤ部材を拡大して示す背面図。 図3のワイヤ部材を矢印A方向から視た上面図。 図3のワイヤ部材を矢印B方向から視た側面図。 図5のワイヤ部材の車両前方衝突時の状態を示す側面図。 図6のワイヤ部材の積荷衝突時の状態を示す側面図。 図7のワイヤ部材の塑性変形時の状態を示す側面図。 実施形態2の車両シート構造のワイヤ部材について図4に対応した上面図。 実施形態3の車両シート構造のワイヤ部材について図3に対応した背面図。
上述の態様の好ましい実施形態について以下に説明する。
上記の車両シート構造において、上記衝撃吸収部材は、上記シートバックフレームの左右両側の2つのサイドフレームの間で左右方向に延在して上記2つのサイドフレームを連結するように構成されているのが好ましい。
この車両シート構造によれば、シートバックフレームの2つのサイドフレームの間の広範囲にわたって衝撃吸収部材で積荷の衝突荷重を受けることができる。
上記の車両シート構造において、上記の車両シート構造において、上記衝撃吸収部材は、上記車両シートを上方から視たときの平面視について、左右方向に延在する第1延在部と、上記第1延在部の左右両端から外側斜め前方に上記2つのサイドフレームに向けて延在する2つの第2延在部と、を有するのが好ましい。
この車両シート構造によれば、衝撃吸収部材に真後ろから衝突する積荷の衝突荷重を第1延在部によって受けることができ、衝撃吸収部材に真後ろよりも左右方向に外れた位置から衝突する積荷の衝突荷重を第2延在部によって受けることができる。
上記の車両シート構造において、上記衝撃吸収部材は、上記2つのサイドフレームのそれぞれに締結部材によって取外し可能に取付けられるのが好ましい。
この車両シート構造によれば、締結部材を使用して衝撃吸収部材を簡単にサイドフレームに取付けたりサイドフレームから取外したりすることが可能になる。
上記の車両シート構造において、上記衝撃吸収部材は、上記車両シートが通常使用位置にあるときに水平方向に対して所定の傾斜角度で上記シートバックフレームから後方斜め下向きに突出しており、車両衝突時に上記シートバックフレームが前方へ傾いたときに上記衝撃吸収部材が水平を向くように上記傾斜角度が設定されているのが好ましい。
この車両シート構造によれば、車両衝突時にシートバックフレームが前方へ傾いた状態では、衝撃吸収部材が水平を向くため、積荷からこの衝撃吸収部材に入力される衝突荷重がこの衝撃吸収部材の突出方向の真逆に作用する。このため、衝撃吸収部材の剛性を高めることができる。
上記の車両シート構造において、上記衝撃吸収部材は、一定の断面径を有するワイヤからなるのが好ましい。
この車両シート構造によれば、汎用のワイヤを利用して衝撃吸収部材を構築できるため、衝撃吸収部材の製作に要するコストを低く抑えることができる。
上記の車両シート構造において、上記衝撃吸収部材は、上記ワイヤを矩形環状に曲げ加工してなるワイヤ部材であり、上記ワイヤ部材は、互いに平行な2つの長辺軸部が上下方向に離れて配置されるように構成されているのが好ましい。
この車両シート構造によれば、ワイヤ部材の2つの長辺軸部によって上下方向の広範囲にわたって積荷の衝突荷重を受けることができる。また、ワイヤ部材におけるワイヤの曲げ加工は加工が容易であり、高価な金型を使用して製作される成形品に比べて製作に要するコストを低く抑えることができる。
上記の車両シート構造において、上記車両シートは、上記シートバックフレームに上下方向に沿ってスライド可能に支持されたヘッドレストステーと、上記シートバックフレームに上記ヘッドレストステーの内突規制のために設けられた内突規制部と、を有し、
上記衝撃吸収部材は、上記車両シートの上記シートバックフレームにおいて上記内突規制部よりも低所に設けられているのが好ましい。
この車両シート構造によれば、シートバックフレームのうち内突規制部よりも低所に衝突する積荷の衝突荷重を衝撃吸収部材で受けることができる。
以下、車両シート構造の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
この車両シート構造を説明するための図面において、特に断わらない限り、車両前方を矢印FRで示し、車両上方を矢印UPで示し、車両右方を矢印RHで示し、車両左方を矢印LHで示すものとする。また、車両前後方向(車長方向)を矢印Xで示し、車両左右方向(車幅方向)を矢印Yで示し、車両上下方向(車高方向)を矢印Zで示すものとする。
(実施形態1)
図1に示されるように、車体フロア2に取付けられる車両シート10は、乗員の背もたれ面を形成するシートバック部11と、乗員の着座面を形成するシートクッション部16と、乗員の頭部を支持するヘッドレスト18と、を備えている。
シートバック部11の骨格部分を形成する金属製のシートバックフレーム12は、シートクッション部16の骨格部分を形成する金属製のシートクッションフレーム17にリクライニング機構13を介して回動可能に連結されている。このため、シートクッション部16に対してシートバック部11を、通常使用時に概ね垂直に配置された起立位置と、概ね平行に配置された前倒し位置との間で回動することができる。図1では、車両シート10が通常使用位置Pにある状態、即ちシートバック部11が起立位置にある状態について示している。
なお、車両シート10の前後方向Xの後方には後部シート20が配置されている。この後部シート20も、車両シート10と同様に、シートバック部21と、シートクッション部26と、ヘッドレスト28と、を備えている。この後部シート20のシートバック部21を前倒し位置に設定した状態で、シートバック部21の上面21aに積荷Wを積むことができる。また、後部シート20を左右に跳ね上げて或いは車体フロア2から取外して、車体フロア2の床面に直に積荷Wを積むこともできる。
図1及び図2に示されるように、シートバックフレーム12は、下向き略U字形状のアッパーパイプ12aと、アッパーパイプ12aの両端部に連結されて上下方向Zに沿って延在する左右両側の2つのサイドフレーム12bと、を有する。
アッパーパイプ12aには、筒軸が上下方向Zに延在する円筒状の2つのブラケット14と、一定の断面径を有するワイヤからなる2つの内突規制部15が設けられている。ブラケット14は、ヘッドレスト18から下方へ延出した2つのヘッドレストステー19を樹脂製のサポート部材を介して上下方向Zに沿ってスライド可能に支持するためのものである。
内突規制部15は、ヘッドレストステー19の内突規制のためのものである。ここでいう「内突規制」とは、ヘッドレストステー19と乗員との接触を防ぐための基準を示す車室内突起物規制である。本実施形態では、ヘッドレストステー19の可動範囲内でその下端部が室内へ突出するのが内突規制部15によってガードされている。これにより、車両シート10の後方の乗員がヘッドレストステー19の下端部に直に接触するのを防ぐことができる。
実施形態1の車両シート構造1は、上記の車両シート10と、この車両シート10のシートバックフレーム12に後方に突出した状態で取付けられる衝撃吸収部材としてのワイヤ部材30と、を備えている。
詳細については後述するが、ワイヤ部材30は、後方からの積荷W(図1参照)の衝突によって塑性変形して衝撃エネルギーを吸収する機能を有する。
ワイヤ部材30は、金属材料によって構成されており、その両端部のそれぞれがブラケット35に溶接されている。ブラケット35は、ナット部材37を用いて2つのサイドフレーム12bのそれぞれに締結固定される。このため、ワイヤ部材30は、2つのサイドフレーム12bのそれぞれに取外し可能に取付けられるように構成されている。
このワイヤ部材30は、シートバックフレーム12の左右両側の2つのサイドフレーム12bの間で左右方向Yに延在してこれら2つのサイドフレーム12bを連結する。このとき、ワイヤ部材30は、シートバックフレーム12のサイドフレーム12bにおいて内突規制部15よりも低所に設けられている。
シートバック部11において、シートバックフレーム12のまわりにクッション部材11aが配置されおり、このクッション部材11aが表皮11cで被覆されている。図2では、便宜上、クッション部材11aに斜線を付している。そして、ワイヤ部材30の取付けのために、サイドフレーム12bの背面を覆うクッション部材11aにその一部を切り欠いた切り欠き部11bが設けられている。ワイヤ部材30は、この切り欠き部11bにおいてサイドフレーム12bに連結されている。
クッション部材11aに切り欠き部11bを設けることにより、ワイヤ部材30を後付けする場合に、クッション部材11aが後方に突出するのを防ぐことができる。即ち、ワイヤ部材30を間に挟んでサイドフレーム12bをクッション部材11aによって覆う場合に比べて、クッション部材11aが後方に突出するのを防ぐことができる。
図3に示されるように、ワイヤ部材30は、一定の断面径を有する円柱棒状のワイヤからなり、このワイヤを矩形環状に曲げ加工してなる。ワイヤ部材30は、互いに平行な2つの長辺軸部31,32と、互いに平行な2つの短辺軸部33,34と、を有する。2つの長辺軸部31,32は、上下方向Zに離れて配置されている。2つの短辺軸部33,34は、左右方向Yに離れて配置されている。
図4に示されるように、ワイヤ部材30を図3のA方向から視たとき、このワイヤ部材30の長辺軸部31は、車両シート10を上方から視たときの平面視について、左右方向Yに直線状の延在する第1延在部31aと、第1延在部31aの左右両端から外側斜め前方に2つのサイドフレーム12bに向けて直線状の延在する2つの第2延在部31bと、を有する。このとき、第1延在部31aは、短辺軸部33,34よりも後方に配置された突出部として構成されている。また、第2延在部31bは、第1延在部31aに対して傾斜した傾斜部として構成されている。
長辺軸部31は、第1延在部31a及び第2延在部31bを有することによって、後方へ突出した突出形状になっている。即ち、長辺軸部31は、第1延在部31aの寸法に第2延在部31bの2つ分の寸法を加算した値が投影寸法Lを上回るように構成されており、これにより突出形状を形成している。
また、特に図示しないものの、このワイヤ部材30の長辺軸部32は、長辺軸部31と同様に、左右方向Yに延在する第1延在部32aと、第1延在部32aの左右両端から外側斜め前方に2つのサイドフレーム12bに向けて延在する2つの第2延在部32bと、を有する。このとき、第1延在部32aは、短辺軸部33,34よりも後方に配置された突出部として構成されている。また、第2延在部32bは、第1延在部32aに対して傾斜した傾斜部として構成されている。
シートバックフレーム12のサイドフレーム12bにはウエルドボルト36が取付けられている。このウエルドボルト36のネジ軸36aは、ブラケット35の貫通孔35aに挿入された状態で袋状のナット部材37に螺合可能に構成されている。このとき、ウエルドボルト36のネジ軸36aにナット部材37を螺合させることによって、ワイヤ部材30がサイドフレーム12bに締結固定される。
図5に示されるように、ワイヤ部材30は、車両シート10が通常使用位置P(図1参照)にあるときに初期位置Q1に配置される。この初期位置Q1において、ワイヤ部材30を図3のB方向から視たとき、このワイヤ部材30の2つの長辺軸部31,32がいずれも水平方向に対して所定の傾斜角度θでシートバックフレーム12のサイドフレーム12bから後方斜め下向きに突出するように構成されている。このとき、上段の長辺軸部31のうちの第1延在部31aが突出先端部となり、下段の長辺軸部32のうちの第1延在部32aが突出先端部となる。なお、2つの長辺軸部31,32のそれぞれの傾斜角度θは、0°から90°までの範囲内で適宜に設定され得る。
ここで、車両衝突時(特に、車両の前方衝突時)には、シートバックフレーム12のサイドフレーム12bがヘッドレスト18の重みで前方へ傾く。そこで、上記の傾斜角度θは、シートバックフレーム12のサイドフレーム12bが前方へ傾いたときにワイヤ部材30が水平を向くように設定されるのが好ましい。
具体的には、図6に示されるように、ワイヤ部材30が車両衝突時に二点鎖線で示される初期位置Q1から実線で示される荷重受け位置Q2まで移動して、2つの長辺軸部31,32はいずれも水平に延在した状態になる。
図7に示されるように、ワイヤ部材30が荷重受け位置Q2まで移動した後で、このワイヤ部材30に対して後方から積荷Wが衝突する。このとき、ワイヤ部材30は、2つの長辺軸部31,32のそれぞれの後端面31c,32cで積荷Wの前面と衝突し、この積荷Wの衝突荷重Fを2つの長辺軸部31,32で受ける。積荷Wによる衝突荷重Fは、ワイヤ部材30の突出方向の真逆に作用する。
図8に示されるように、ワイヤ部材30の2つの長辺軸部31,32はそれぞれ、積荷Wによる衝突荷重Fによって前方(突出方向の逆方向)に向けてその突出量が小さくなるように塑性変形する。このときのワイヤ部材30の塑性変形によって衝撃エネルギーが吸収される。
ところで、積荷Wは、車体フロア2の床面に直に積まれる場合や、後部シート20において前倒しされたシートバック部21の上面21aに積まれる場合などがある。また、積荷Wの高さ寸法は、その種類や形状などによって異なる。
このとき、積荷Wの積載位置や荷姿などの違いによって、車両シート10の背面における積荷の衝突箇所が異なるため、シートバックフレーム12が積荷Wから受けるモーメントに差が生じる。例えば、積荷Wの衝突箇所が車両シート10の背面の上側であるほど、シートバックフレーム12が積荷Wから受けるモーメントが大きくなり衝撃を受け易い。
そこで、本実施形態では、想定される積荷Wの積載位置や荷姿などに対応して塑性変形するワイヤ部材30を使用して、このワイヤ部材30をシートバックフレーム12のサイドフレーム12bに後付けするようにしている。
これにより、積荷Wの衝突箇所によっては剛性が足りないような既存のシートバックフレーム12に対してワイヤ部材30を後付けすることによって、このシートバックフレーム12を補強できる。この場合、ワイヤ部材30の後付けについては、シートバックフレーム12の小改造によって対応できる。
また、複数種類の車両シート10に共通のシートバックフレーム12を使用している場合でも、各車両シート10に適したワイヤ部材30を準備して後付けすることによって対応できる。
上述の実施形態1によれば、以下のような作用効果が得られる。
上記の車両シート構造1において、ワイヤ部材30は、車両シート10のシートバックフレーム12に、このシートバックフレーム12から突出した状態で取付けられる。このため、後方から移動した積荷Wに対しては、シートバックフレーム12よりも先にワイヤ部材30が衝突する。そして、このワイヤ部材30は、車両衝突時に後方から積荷Wが衝突したときに塑性変形して衝撃エネルギーを吸収する機能を有する。従って、ワイヤ部材30自体が積荷Wの衝突荷重Fによって塑性変形することで、ワイヤ部材30からシートバックフレーム12に伝わる衝撃を軽減できる。
また、ワイヤ部材30を予め準備してシートバックフレーム12に後付けすることができる。このとき、想定される積荷Wの積載位置や荷姿などに対応して塑性変形するワイヤ部材30を使用することによって、シートバックフレーム12の剛性を必要以上に高める必要がない。このため、シートバックフレーム12に要するコストが高くなるのを防ぐことができる。
その結果、車両衝突時にシートバックフレーム12が後方の積荷Wから受ける衝撃を低コストで軽減できる車両シート構造1を提供することが可能になる。
上記の車両シート構造1によれば、シートバックフレーム12の2つのサイドフレーム12bの間の広範囲にわたってワイヤ部材30で積荷Wの衝突荷重Fを受けることができる。
上記の車両シート構造1によれば、ワイヤ部材30に真後ろから衝突する積荷Wの衝突荷重Fを2つの長辺軸部31,32のそれぞれの第1延在部31a,32aによって受けることができる。また、ワイヤ部材30に真後ろよりも左右方向Yに外れた位置から衝突する積荷Wの衝突荷重Nを第2延在部31b,32bによって受けることができる。
上記の車両シート構造1によれば、ナット部材37を使用してワイヤ部材30を簡単にサイドフレーム12bに取付けたりサイドフレーム12bから取外したりすることが可能になる。
上記の車両シート構造1によれば、車両衝突時にシートバックフレーム12が前方へ傾いた状態では、ワイヤ部材30が水平を向くため、積荷Wからこのワイヤ部材30に入力される衝突荷重Fがこのワイヤ部材30の突出方向の真逆に作用する。このため、ワイヤ部材30の剛性を高めることができる。
上記の車両シート構造1によれば、汎用のワイヤを利用してワイヤ部材30を構築できるため、ワイヤ部材30の製作に要するコストを低く抑えることができる。
上記の車両シート構造1によれば、ワイヤ部材30の2つの長辺軸部31,32によって上下方向Zの広範囲にわたって積荷Wの衝突荷重を受けることができる。また、ワイヤ部材30におけるワイヤの曲げ加工は加工が容易であり、高価な金型を使用して製作される成形品に比べて製作に要するコストを低く抑えることができる。
上記の車両シート構造1によれば、シートバックフレーム12のうち内突規制部15よりも低所に衝突する積荷Wの衝突荷重Fをワイヤ部材30で受けることができる。
以下、上記の実施形態1に関連する他の実施形態について図面を参照しつつ説明する。他の実施形態において、実施形態1の要素と同一の要素には同一の符号を付しており、当該同一の要素についての説明は省略する。
(実施形態2)
図9に示されるように、実施形態2の車両シート構造101は、ワイヤ部材130の構造についてのみ実施形態1のワイヤ部材30のものと相違している。
その他の構成は、実施形態1と同様である。
ワイヤ部材130の上段の長辺軸部131は、左右方向Yに延在する第1延在部131aと、第1延在部131aの左右両端から前方に延在する2つの第2延在部131bと、を有する。このとき、長辺軸部131は、実施形態1の長辺軸部31とは異なり、第1延在部131aに対して傾斜した傾斜部を有していない。ワイヤ部材130の下段の長辺軸部は、上記の長辺軸部131と同様の構造を有する。
実施形態2の車両シート構造101によれば、実施形態1に比べてワイヤ部材130の形状が簡素化されるため、ワイヤを曲げ加工するときの作業が容易になる。
その他、実施形態1と同様の作用効果を奏する。
(実施形態3)
図10に示されるように、実施形態3の車両シート構造201は、衝撃吸収部材として実施形態1のワイヤ部材30に代えて、このワイヤ部材30とは異なるプレート部材230を使用している点で、実施形態1の車両シート構造1と相違している。
その他の構成は、実施形態1と同様である。
プレート部材230は、左右方向Yに延在する第1プレート部231と、第1プレート部231の左右両端から外側斜め前方に2つのサイドフレーム12bに向けて延在する2つの第2プレート部232と、を有する。このプレート部材230は、金属材料をプレス加工することによって構成されている。このプレート部材230の外郭形状及び外周寸法は、実施形態1のワイヤ部材30のものと概ね同様である。
実施形態3の車両シート構造201によれば、プレート部材230を採用することによって、実施形態1のワイヤ部材30に比べて積荷Wの衝突荷重Fを受ける面積を増やすことができる。
その他、実施形態1と同様の作用効果を奏する。
本発明は、上述の実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の応用や変更が考えられる。例えば、上述の実施形態を応用した次の各形態を実施することもできる。
上述の実施形態では、ワイヤ部材30,130は互いに平行に延在する2つの長辺軸部を有する場合について例示したが、この長辺軸部の数は2つに限定されるものではなく、必要に応じて長辺軸部の数1つ或いは3つ以上に設定することもできる。
上述の実施形態では、衝撃吸収部材であるワイヤ部材30,130やプレート部材230がシートバックフレーム12のサイドフレーム12bに締結固定される場合について例示したが、これに代えて、ワイヤ部材30,130やプレート部材230がサイドフレーム12bに直に溶接される構造を採用することもできる。
上述の実施形態では、シートバックフレーム12に衝撃吸収部材であるワイヤ部材30,130やプレート部材230を1つ設ける場合について例示したが、これに代えて、衝撃吸収部材の数を複数に増やすこともできる。
上述の実施形態では、締結部材として袋状のナット部材37を使用し、このナット部材37をウエルドボルト36のネジ軸36aに螺合させる螺合構造について例示したが、この螺合構造を構成する要素はナット部材37とウエルドボルト36に限定されるものではなく、必要に応じて別の要素を使用することもできる。
1,101,201 車両シート構造
10 車両シート
12 シートバックフレーム
12b サイドフレーム
15 内突規制部
19 ヘッドレストステー
31,32 長辺軸部
31a,32a 第1延在部
31b,32b 第2延在部
30,130 ワイヤ部材(衝撃吸収部材)
37 ナット部材(締結部材)
230 プレート部材(衝撃吸収部材)
θ 傾斜角度
P 通常使用位置
W 積荷
Y 左右方向

Claims (8)

  1. 車両シートと、
    上記車両シートのシートバックフレームに後方に突出した状態で取付けられる衝撃吸収部材と、
    を備え、
    上記衝撃吸収部材は、後方からの積荷の衝突によって塑性変形して衝撃エネルギーを吸収するように構成されている、車両シート構造。
  2. 上記衝撃吸収部材は、上記シートバックフレームの左右両側の2つのサイドフレームの間で左右方向に延在して上記2つのサイドフレームを連結するように構成されている、請求項1に記載の車両シート構造。
  3. 上記衝撃吸収部材は、上記車両シートを上方から視たときの平面視について、左右方向に延在する第1延在部と、上記第1延在部の左右両端から外側斜め前方に上記2つのサイドフレームに向けて延在する2つの第2延在部と、を有する、請求項2に記載の車両シート構造。
  4. 上記衝撃吸収部材は、上記2つのサイドフレームのそれぞれに締結部材によって取外し可能に取付けられる、請求項2または3に記載の車両シート構造。
  5. 上記衝撃吸収部材は、上記車両シートが通常使用位置にあるときに水平方向に対して所定の傾斜角度で上記シートバックフレームから後方斜め下向きに突出しており、車両衝突時に上記シートバックフレームが前方へ傾いたときに上記衝撃吸収部材が水平を向くように上記傾斜角度が設定されている、請求項1〜4のいずれか一項に記載の車両シート構造。
  6. 上記衝撃吸収部材は、一定の断面径を有するワイヤからなる、請求項1〜5のいずれか一項に記載の車両シート構造。
  7. 上記衝撃吸収部材は、上記ワイヤを矩形環状に曲げ加工してなるワイヤ部材であり、上記ワイヤ部材は、互いに平行な2つの長辺軸部が上下方向に離れて配置されるように構成されている、請求項6に記載の車両シート構造。
  8. 上記車両シートは、上記シートバックフレームに上下方向に沿ってスライド可能に支持されたヘッドレストステーと、上記シートバックフレームに上記ヘッドレストステーの内突規制のために設けられた内突規制部と、を有し、
    上記衝撃吸収部材は、上記車両シートの上記シートバックフレームにおいて上記内突規制部よりも低所に設けられている、請求項1〜7のいずれか一項に記載の車両シート構造。
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