JP2019205485A - 医療システムおよびダイレータ並びに処置方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】複数の線状体を生体管腔内の生体組織の孔に容易に挿入でき、作業効率を高めることが可能な医療システムおよびダイレータ並びに処置方法を提供する。【解決手段】生体管腔内の卵円窩Oの孔に複数の線状体を挿入するための医療システム10であって、軸方向へ貫通するルーメン45が形成され、ルーメン45よりも径方向外側で、遠位部に保持部46が設けられたダイレータ40と、を有し、ルーメン45に穿刺デバイス60を収容可能であり、保持部46は、付属ガイドワイヤ20の遠位部を離脱可能に保持する。【選択図】図3
Description
本発明は、生体組織の孔に複数の線状体を挿入するための医療システムおよびダイレータ並びに処置方法に関する。
心臓は、刺激伝導系と呼ばれる心筋組織に電流が流れることで、適切なタイミングで収縮および拡張を繰り返し、血液を循環させている。この刺激伝導系を流れる電気信号の発生や伝達が正常でなくなると、適切なタイミングで収縮および拡張ができなくなり、不整脈が生じる。
不整脈の治療のために、不整脈を引き起こす信号の伝導経路を、加熱または冷却によりアブレーションして遮断する方法が知られている。この治療方法を行うために、経皮的に左心房まで挿入し、肺静脈口に位置する信号の伝導経路をアブレーション可能なアブレーションカテーテルが知られている。このようなアブレーションカテーテルは、低侵襲で高い効果が得られるとして盛んに用いられている。
左心房でアブレーションを行うためには、右心房から心房中隔の卵円窩という肉薄な隔壁に針を刺して、右心房から左心房へ通じる孔を開ける、心房中隔穿刺(Brockenbrough法)という手技が必要となる。アブレーションを行うためには、右心房からこの孔に複数のデバイスを挿入し、左心房へ通す必要がある。生体内の小さい孔にデバイスを挿入するためには、ガイドワイヤを生体内に挿入した後、このガイドワイヤに沿ってデバイスを挿入する方法が知られている(例えば、特許文献1を参照)。左心房へ通す複数のデバイスは、例えば、肺静脈電位を検出するリングカテーテル、アブレーションを行うアブレーションカテーテルなどである。ところで、卵円窩の1つの穿刺孔に複数のデバイスを通すことは難しく、熟練を必要とする。また、前述の心房中隔穿刺により、複数の孔を形成することもできる。この場合、それぞれの穿刺孔に、デバイスを一本ずつ通すことができる。しかしながら、穿刺を複数回行うと、目標位置と異なる部位に誤穿刺する可能性が高まる。
特許文献1に記載の方法は、1つのデバイスを目的の位置へ導くために、1本のガイドワイヤを使用する。このため、複数のデバイスを生体内に挿入する場合には、その数に応じた複数のガイドワイヤを目的の位置へ導入することが必要となり、操作に手間がかかる。
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、複数の線状体を生体管腔の生体組織の孔へ容易に挿入でき、作業効率を高めることが可能な医療システムおよびダイレータ並びに処置方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成する医療システムは、生体管腔内の生体組織の孔に複数の線状体を挿入するための医療システムであって、軸方向へ貫通するルーメンが形成され、前記ルーメンよりも径方向外側で、遠位部に保持部が設けられた長尺体と、を有し、前記ルーメンに前記第1の線状体を収容可能であり、前記保持部は、前記第2の線状体の遠位部を離脱可能に保持する。
上記目的を達成するダイレータは、生体管腔内の生体組織の孔を広げるためのダイレータであって、前記ダイレータは、軸方向へ貫通するルーメンが形成され、前記ルーメンよりも径方向外側で、遠位部に保持部が設けられており、前記保持部は、長尺な線状体を離脱可能に保持する。
上記目的を達成する処置方法は、上記の医療システムを使用して生体管腔内の生体組織の孔に複数の線状体を挿入するための処置方法であって、前記保持部に前記第2の線状体を保持した前記長尺体を生体管腔内に挿入するステップと、前記第1の線状体を前記長尺体のルーメンに通して前記生体組織の孔に挿入するステップと、前記長尺体の前記保持部を含む遠位部を前記生体組織の孔に挿入するステップと、前記第2の線状体を前記保持部から離脱させるステップと、を有する。
上記のように構成した医療システムおよびダイレータ並びに処置方法は、長尺体を生体管腔内に挿入し、長尺体のルーメンを介して、第1の線状体を生体組織の孔に挿入できる。さらに、長尺体を生体管腔内の生体組織の孔に挿入することで、保持部に保持される第2の線状体を生体組織の孔に挿入できる。このため、複数の線状体を容易に生体組織の孔に挿入でき、作業効率を高めることができる。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。なお、図面の寸法比率は、説明の都合上、誇張されて実際の比率とは異なる場合がある。本明細書では、デバイスの血管に挿入する側を「遠位側」、操作する手元側を「近位側」と称することとする。
本発明の実施形態に係る医療システム10は、右心房Rから心房中隔の卵円窩Oに孔を形成し、右心房Rから左心房Lへ通じる複数のアクセスルートを設けるために用いられる(図5を参照)。卵円窩Oに複数のアクセスルートがある場合、経皮的に大静脈に挿入した複数のデバイスを右心房Rへ導いた後、左心房へ容易に挿入できる。複数のデバイスは、例えば、アブレーションカテーテル、リングカテーテル等である。
本実施形態に係る医療システム10は、図1〜4に示すように、穿刺デバイス60(第1の線状体)と、ダイレータ40(長尺体)と、外シース50と、付属ガイドワイヤ20(第2の線状体)とを有している。
穿刺デバイス60は、卵円窩Oに孔を開けるためのデバイスである。穿刺デバイス60は、長尺な線材部62と、線材部62の遠位側端部に設けられる鋭利な穿刺部61とを有している。なお、穿刺デバイス60は、鋭利な穿刺部61を有さなくてもよい。したがって、穿刺デバイス60は、高周波電流、電磁波、レーザ、冷却等を利用して生体組織を焼灼して穿刺する穿刺部61を有してもよい。線材部62の外径は、特に限定されないが、例えば0.1〜2.0mmである。線材部62の軸方向の長さは、特に限定されないが、例えば510〜1000mmである。
付属ガイドワイヤ20は、遠位側の端部がダイレータ40に保持される長尺なガイドワイヤである。付属ガイドワイヤ20は、ダイレータ40に保持された状態から、離脱可能である。ダイレータ40に保持された付属ガイドワイヤ20は、外シース50の内腔を通らず、外シース50の外側に位置する。付属ガイドワイヤ20の外径は、適宜設定されるが、例えば0.1〜3mmである。付属ガイドワイヤ20の軸方向の長さは、適宜設定されるが、例えば550〜4500mmである。付属ガイドワイヤ20の構成材料は、適宜設定されるが、例えば、ステンレス鋼やNi−Ti合金等の柔軟性および強度を備える芯材の外側に、柔軟な樹脂材料を被覆して形成される。樹脂材料は、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリエステル(PET、PBT等)、ポリアミド、ポリイミド、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリカーボネート、シリコーン樹脂、フッ素系樹脂(PTFE、ETFE等)、シリコーンゴム、その他各種のエラストマー(例えば、ポリアミド系、ポリエステル系等の熱可塑性エラストマー)またはこれらの複合材料である。
ダイレータ40は、穿刺デバイス60により形成される卵円窩Oの孔を広げるために用いられる。ダイレータ40は、外径が略一定のダイレータ中央部41と、ダイレータ中央部41の遠位側に位置するテーパ部42(先端部)と、ダイレータ中央部41の近位側に位置するダイレータ近位部43とを有している。ダイレータ中央部41は、外径が略一定の管体である。テーパ部42は、遠位側に向かってテーパ状に減少する外径を有している。テーパ部42の中心軸に対する傾斜角度α1は、適宜設定されるが、例えば1〜80度、より好ましくは1〜30度、さらに好ましくは1〜10度である。ダイレータ近位部43は、外周面に、Yコネクタと連結可能な雄コネクタ44を有している。
また、ダイレータ40は、穿刺デバイス60を移動可能に収容するルーメン45と、付属ガイドワイヤ20を離脱可能に保持する保持部46が形成されている。ルーメン45は、ダイレータ40の中心軸と垂直な断面において、ダイレータ40の中心部に位置する。ルーメン45は、ダイレータ40を軸方向へ貫通している。ルーメン45は、テーパ部42の最も縮径した遠位側の端部で開口している。
ルーメン45は、遠位側の遠位側ルーメン45Aと、遠位側ルーメン45Aよりも内径の大きい近位側ルーメン45Bと、遠位側ルーメン45Aと近位側ルーメン45Bの間で内径が変化する中央ルーメン45Cを備えている。近位側ルーメン45Bの内径は、穿刺デバイス60の外径よりも十分に大きい。このため、近位側ルーメン45Bに挿入した穿刺デバイス60は、ダイレータ40の内周面に沿って滑らかに移動可能である。中央ルーメン45Cは、遠位側ルーメン45Aを通る穿刺デバイス60を、近位側ルーメン45Bへ円滑に誘導する。挿入するガイドワイヤとダイレータ40の内壁面のクリアランスは、近位側ルーメン45Bよりも遠位側ルーメン45Aで小さい。このため、遠位側ルーメン45Aの内径は、ガイドワイヤと接触しつつ摺動可能な内径である。したがって、近位側ルーメン45Bから遠位側ルーメン45Aへ、ガイドワイヤや穿刺デバイス60を押し込みやすい。さらに、ダイレータ40は、遠位側ルーメン45Aを移動する穿刺デバイス60のダイレータ40からの突出長を正確に規定できる。なお、ダイレータ40の内径は、軸方向に沿って一定でもよい。
ダイレータ40は、外力が作用しない自然状態において、遠位部に所定の角度で曲がったダイレータ曲げ部48を有する。ダイレータ曲げ部48は、右心房Rに挿入した穿刺デバイス60の穿刺部61を、卵円窩Oへ向ける役割を果たす。
保持部46は、付属ガイドワイヤ20を保持する部位である。保持部46は、ダイレータ40のテーパ部42の側面に設けられる保持孔46A(孔部)を有する。保持孔46Aの内腔は、ダイレータ40の中心軸と垂直な断面において、ルーメン45から径方向外側へ離れて位置する。保持孔46Aは、近位側に開口する挿入口46Bから、遠位側へ向かって延在する。挿入口46Bが保持孔46Aの近位側に位置することで、付属ガイドワイヤ20が、ダイレータ40に沿いつつ、保持孔46Aに無理なく入り込むことができる。保持孔46Aが延在する方向は、遠位側へ向かうほどダイレータ40の中心軸に近づく。これにより、ダイレータ40の中心軸に対して傾斜するテーパ部42に沿って、保持部46を滑らかに形成できる。したがって、保持部46は、ルーメン45に対して角度を有する。これによって、付属ガイドワイヤ20を保持部46から離脱する際、離脱する方向が卵円窩Oの方向と異なっている。このため、付属ガイドワイヤ20が卵円窩Oを通って、左心房Lから右心房Rに抜けにくくなる。なお、保持孔46Aが延在する方向は、ダイレータ40の中心軸に対して傾斜しなくてもよい。保持孔46Aは、遠位側が閉じている。このため、収容する付属ガイドワイヤ20が保持孔46Aから遠位側へ突出せず、適切な位置を維持できる。保持孔46Aは、ルーメン45と連通しない。このため、保持孔46Aに保持される付属ガイドワイヤ20が、ルーメン45を通る穿刺デバイス60と接触することを抑制できる。なお、保持孔46Aは、ルーメン45と連通してもよい。保持孔46Aは、テーパ面42Aが構成する円錐状の外周面よりも内側まで到達している。このため、付属ガイドワイヤ20を保持する位置がダイレータ40のより内側に配置される。これにより、保持部46のテーパ面46Aからの突出量が抑えられる。また、保持部46の外面は、遠位側へ向かってダイレータ40の中心軸に近づくように傾斜している。このため、保持部46は、卵円窩Oに形成される孔に挿入する際の妨げ(抵抗)となり難い。保持部46を有するテーパ部42の一部と、保持部46を有さないテーパ部42の一部の中心軸に対する角度は同じでもよいが、異なってもよい。角度が同じ場合、保持部46を設けられたダイレータ40が卵円窩Oの孔に抵抗なく挿入されることができる。また、保持部46を有するテーパ部42の一部の外径が、保持部46を有さないテーパ部42の一部の外径と同じでもよいが、異なってもよい。外径が同じ場合、保持部46を設けられたダイレータ40が卵円窩Oの孔に抵抗なく挿入されることができる。また、保持部46を有するテーパ部42の一部の外径が、保持部46を有さないテーパ部42の一部の外径よりも大きくてもよい。
保持孔46Aの内径は、付属ガイドワイヤ20を着脱可能に嵌合できる大きさである。保持孔46Aの内径は、付属ガイドワイヤ20の外径と略一致する。保持孔46Aの内径は、例えば0.1〜3.2mm、より好ましくは0.3〜2.1mm、さらに好ましくは 0.4〜1.0mmである。なお、保持孔46Aの内径は、遠位側へ向かって減少してもよい。これにより、付属ガイドワイヤ20を保持孔46Aの奥へ押し込むことで、付属ガイドワイヤ20を強固に固定できる。保持孔46Aの内表面は、付属ガイドワイヤ20を保持できれば、滑らかあっても、滑らかでなくてもよい。保持部46Aの内表面は、例えばエンボス加工が施されてもよい。これにより、保持孔46Aの内表面は、摩擦力が大きくなり、付属ガイドワイヤ20を適切に保持できる。保持孔46Aの延在方向の長さは、適宜設定されるが、例えば1〜30mm、より好ましくは2〜20mm、さらに好ましくは3〜10mmである。
保持部46は、外シース50の内腔を通過できる大きさである必要がある。したがって、ダイレータ40の中心軸から、径方向の外側へ、保持部46の最も遠い部位までの距離は、外シース50の内表面の半径以下であることが好ましい。
ダイレータ40の保持部46が設けられる位置は、卵円窩Oを貫通して左心房Lへ到達可能な位置であれば、テーパ部42でなくてもよい。ただし、左心房Lの広さに限界があるため、保持部46は、ダイレータ40のできるだけ遠位部に位置することが好ましい。
ダイレータ40の中心軸に対して保持部46が設けられる方向は、ダイレータ40の近位部に対して遠位部が曲がる方向と同じである。これにより、保持部46に保持された付属ガイドワイヤ20を近位側へ牽引することで、ダイレータ40をダイレータ曲げ部48が曲がる方向へ曲げることができる。これにより、ダイレータ40の遠位側の端部の位置を、より高精度に操作できる。なお、ダイレータ40の中心軸に対して保持部46が設けられる方向は、ダイレータ40の近位部に対して遠位部が曲がる方向と同じでなくてもよく、逆方向であってもよい。
ダイレータ40の軸方向の長さは、適宜設定されるが、例えば500〜800mmである。ダイレータ40の外径は、適宜設定されるが、例えば1.0〜10.0mmである。ダイレータ40の遠位側ルーメン45Aが設けられる部位の内周面と、穿刺デバイス60の外周面との間のクリアランスは、適宜設定されるが、例えば0.01〜1.00mmである。ダイレータ40の近位部に対するダイレータ曲げ部48の角度β1は、特に限定されないが、例えば10〜90度である。ダイレータ40の遠位側端部からダイレータ曲げ部48までの長さは、適宜設定されるが、例えば10〜150mmである。
ダイレータ40の構成材料は、可撓性を有することが好ましく、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル、ETFE等のフッ素系ポリマー、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)、ポリイミド、形状記憶合金、ステンレス、タンタル、チタン、プラチナ、金、タングステンなどの金属などが好適に使用できる。また、ダイレータ40は、X線造影性材料や超音波造影性材料を含んでもよい。
外シース50は、アブレーションカテーテル等のデバイスのアクセスルートを提供する。外シース50は、シース本体51と、シース本体51の近位部に連結されるハブ54と、ハブ54に連通するポート部56と、ハブ54の内部の弁体55とを有している。
シース本体51は、ダイレータ40を軸方向へ移動可能に収容する長尺な管体である。シース本体51は、ダイレータ40と円滑に摺動する内周面を有する。シース本体51は、自然状態において、遠位部に所定の角度で曲がったシース曲げ部52を有する。シース本体51の近位部に対するシース曲げ部52の角度β2は、特に限定されないが、例えば0〜90度である。シース曲げ部52は、右心房Rに挿入した穿刺デバイス60の穿刺部61を、卵円窩Oへ向ける役割を果たす。
シース本体51は、遠位側端部に、遠位側に向かってテーパ状に縮径するシーステーパ部53を有している。シース本体51の内腔は、シーステーパ部53の最も縮径した端部で開口している。シーステーパ部53の中心軸に対する傾斜角度α2は、適宜設定されるが、例えば1〜15度である。外シース50にダイレータ40を挿入したシース組立体80において、シーステーパ部53は、ダイレータ40のテーパ部42の近位側に位置し、テーパ部42と連続するように位置することができる。シース本体51の内周面は、ダイレータ40の外周面が摺動可能に接するように、ダイレータ40の外周面との間にクリアランスを有することが好ましい。
シース本体51は、その全長にわたってダイレータ40が貫通可能である。したがって、シース本体51の軸方向の長さは、ダイレータ40よりも短い。シース本体51の軸方向の長さは、適宜設定されるが、例えば400〜790mmである。シース本体51の外径は、適宜設定されるが、例えば1.1〜11.0mmである。シース本体51の内径は、適宜設定されるが、例えば1.05〜10.95mmである。シース本体51の内周面と、ダイレータ40の外周面との間のクリアランスは、適宜設定されるが、例えば0.01〜1.00mmである。
シース本体51の構成材料は、可撓性がある材質であることが好ましく、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル、ETFE等のフッ素系ポリマー、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)、ポリイミドなどが好適に使用できる。
ハブ54は、シース本体51の近位部に設けられ、シース本体51の内腔と連通する。ハブ54には、ダイレータ40が貫通する。ポート部56は、ハブ54に連結され、ハブ54の内腔を介してシース本体51の内腔と連通する。ポート部56は、端部に三方活栓57を有している。三方活栓57にシリンジ等を接続することで、シース本体51の内腔をプライミングしたり、シース本体51に造影剤や薬剤等を注入したりすることができる。
弁体55は、ハブ54およびシース本体51の内腔を封止するための部材である。弁体55は、柔軟に変形可能であり、ハブ54の内周面に配置される。弁体55は、ダイレータ40の外周面と摺動可能に接触する。また、弁体55は、ダイレータ40が挿入された状態で、弾性力によりダイレータ40を押圧し、ダイレータ40と外シース50を固定することができる。なお、弁体55で固定されても、ダイレータ40と外シース50を把持して力を作用させることで、軸方向へ相対的に移動させることは可能である。また、ダイレータ40をハブ54から引き抜くことで、弁体55のダイレータ40が挿入された孔部は閉じ、ハブ54の内腔を近位側から封止する。弁体55は、例えば円盤状の弾性体の中央に切れ目を入れた部材である。弾性体は、例えば天然ゴム、シリコーンゴム、各種エラストマー等である。弁体55は、ダイレータ40の抜き差しを許容しつつ、外シース50を介して血液が漏れることを抑制するとともに、体内へ空気が混入することを抑制する。
ダイレータ40および外シース50は、組み合わされることでシース組立体80を構成する。ダイレータ40および外シース50を組み合わせた状態において、ダイレータ曲げ部48およびシース曲げ部52の位置、曲げ方向および曲げ角度は、一致または略一致することが好ましい。これにより、穿刺部61を望ましい方向へ突出させることができる。
次に、実施形態に係る医療システム10を用いて、卵円窩Oに孔を開けてアブレーションカテーテル等の複数のデバイスのためのアクセスルートを設ける方法を説明する。
始めに、大腿静脈に針を穿刺し、この針の中にショートガイドワイヤを挿入する。次に、針を抜去し、ショートガイドワイヤに沿って、カテーテルイントロデューサーを血管内に挿入する。次に、外シース50の内部にダイレータ40を挿入したシース組立体80を準備する(図3を参照)。ダイレータ40の保持部46には、付属ガイドワイヤ20の遠位部が保持されている。次に、ダイレータ40のルーメン45にガイドワイヤ90を挿入する。次に、シース組立体80を、カテーテルイントロデューサーに挿入し、血管内に挿入する。続いて、ガイドワイヤ90を先行させつつ、シース組立体80の遠位部を右心房Rまで徐々に押し進める。次に、ダイレータ40を、ガイドワイヤ90に沿って右心房Rから大静脈内へ、一旦挿入する。続いて、ダイレータ40を後退させて右心房R内へ引き込むと、図5、図6(A)に示すように、ダイレータ40の遠位側端部が、卵円窩Oの近傍へ自然と導かれる。この後、ガイドワイヤ90をダイレータ40から抜去する。
次に、心腔内心エコーカテーテル(ICE:Intra cardiac echo catheter)により右心房R内を観察しつつ、ダイレータ40を遠位側へ押し込む。これにより、図6(B)に示すように、卵円窩Oは、ダイレータ40によって左心房L側へ押されて突出した状態となる。このとき、外シース50およびダイレータ40の遠位部が曲がっているため、ダイレータ40の遠位側の端部が、卵円窩Oへ向きやすい。なお、卵円窩Oを、左心房L側へ突出した状態としなくてもよい。
次に、図6(C)に示すように、ダイレータ40の近位側からルーメン45に穿刺デバイス60を挿入し、ダイレータ40の遠位側の端部から突出させる。これにより、穿刺部61が卵円窩Oを穿刺する。穿刺部61が卵円窩Oを貫通すると、卵円窩Oを左心房L側へ押圧していたダイレータ40の遠位側端部の一部が、卵円窩Oに開けられた孔に入り込む。なお、ダイレータ40の一部が、卵円窩Oの孔に入り込まなくてもよい。
次に、穿刺デバイス60に沿ってダイレータ40を遠位側へ押し込む。これにより、図6(D)に示すように、ダイレータ40のテーパ部42および外シース50のシーステーパ部53が、卵円窩Oの孔を押し広げつつ卵円窩Oを通過し、左心房Lに到達する。テーパ部42およびシーステーパ部53が、遠位側へ縮径しているため、卵円窩Oの孔を滑らかに広げることができる。また、穿刺部61により卵円窩Oを穿刺した際に、ダイレータ40のテーパ部42の一部が、卵円窩Oの孔に入り込んでいるため、ダイレータ40および外シース50を、卵円窩Oの孔に押し込むことが容易である。このとき、テーパ部42に設けられる保持部46も、左心房Lへ到達する。これにより、保持部46に保持されている付属ガイドワイヤ20の遠位部も、左心房Lへ到達する。
次に、付属ガイドワイヤ20の近位部を移動しないように保持し、ダイレータ40を遠位側へ押し込む。もしくは、ダイレータ40の近位部を移動しないように保持し、付属ガイドワイヤ20の近位部を近位側へ牽引する。これにより、図7(A)に示すように、付属ガイドワイヤ20の遠位側端部が、保持部46から離脱する。また、付属ガイドワイヤ20を保持部46から離脱させるために、付属ガイドワイヤ20を回転させてもよい。付属ガイドワイヤ20の遠位側端部は、付属ガイドワイヤ20が保持部46から離脱した後も、左心房Lの内部に維持される。
次に、図7(B)に示すように、外シース50を残して、ダイレータ40を、体外へ抜去する。ダイレータ40により広げられた卵円窩Oの孔は、外シース50により維持される。付属ガイドワイヤ20は、外シース50とともに卵円窩Oの孔を貫通している。したがって、外シース50の外周面に、付属ガイドワイヤ20が接触している。すなわち、付属ガイドワイヤ20は、外シース50の内部に位置しない。外シース50からダイレータ40を抜去すると、弁体55が閉じ、血液の漏えいや、血管内への空気等の混入を抑制できる。
次に、図7(C)に示すように、付属ガイドワイヤ20をガイドとして、他のダイレータ100および外シース101を右心房Rまで到達させ、卵円窩Oの孔に挿入する。このとき、付属ガイドワイヤ20が卵円窩Oを既に貫通している。このため、ダイレータ100および外シース101を、付属ガイドワイヤ20に沿って左心房Lへ容易に到達させることができる。付属ガイドワイヤ20は、外シース50の内腔ではなく、外側に位置しているため、外シース50の外側に、ダイレータ100および外シース101を配置できる。ダイレータ100および外シース101の構成は、特に限定されず、公知のものを利用できる。なお、ダイレータ100および外シース101は、ダイレータ40および外シース50と同じ構成であってもよい。
また、ダイレータ100および外シース101を卵円窩Oの孔に挿入する際に、ダイレータ40が外シース50から抜去されておらず、付属ガイドワイヤ20が、ダイレータ40の保持部46に保持されていてもよい。この場合、ダイレータ100を押し込んで保持部46に接触させることで、保持部46から付属ガイドワイヤ20を容易に離脱させることができる。なお、保持部46から付属ガイドワイヤ20を離脱させるために、ダイレータ100および外シース101とは異なるシースを、付属ガイドワイヤ20に沿って生体管腔内に挿入してもよい。
次に、ダイレータ100を抜去する。これにより、図7(D)に示すように、卵円窩Oの1つの孔に、外シース50および外シース101が貫通した状態となる。続いて、外シース50の近位側から、弁体55を介してガイドワイヤ90を挿入する。なお、ガイドワイヤ90および附属ガイドワイヤ20は、他のガイドワイヤに入れ替えてもよい。
この後、ガイドワイヤ90、付属ガイドワイヤ21に沿って、アブレーションカテーテル、リングカテーテル等を挿入する。これにより、卵円窩Oを貫通する外シース50および外シース101を利用して、複数のデバイスを左心房Lへ容易に挿入できる。左心房Lでのアブレーションが完了した後、各デバイスを外シース50および外シース101から体外に抜去する。さらに、外シース50および外シース101を抜去すると、卵円窩Oの孔が収縮する。これにより、手技が完了する。
以上のように、本実施形態に係る医療システム10は、生体管腔内の卵円窩O(生体組織)の孔に複数の線状体を挿入するための医療システム10であって、軸方向へ貫通するルーメン45が形成され、ルーメン45よりも径方向外側で、遠位部に保持部46が設けられたダイレータ40(長尺体)と、を有し、ルーメン45に穿刺デバイス60を収容可能であり、保持部46は、付属ガイドワイヤ20の遠位部を離脱可能に保持する。上記のように構成した医療システム10は、ダイレータ40を生体管腔内に挿入し、ダイレータ40のルーメン45を介して、穿刺デバイス60を生体管腔内で突出させ、卵円窩Oに孔を形成できる。さらに、穿刺デバイス60に沿って、ダイレータ40を卵円窩Oの孔に挿入することで、保持部46に保持される付属ガイドワイヤ20を卵円窩Oの孔に挿入できる。したがって、付属ガイドワイヤ20を卵円窩Oの孔に通すための別のデバイスが不要である。このため、複数の線状体である穿刺デバイス60および付属ガイドワイヤ20を、効率よく卵円窩Oの孔に挿入できる。これにより、穿刺デバイス60および付属ガイドワイヤ20に沿って、外シース50および外シース101を孔に挿入して設置できる。このため、アブレーションカテーテル等の複数のデバイスのための複数のアクセスルートを容易に確保でき、作業効率を高めることができる。また、一度の穿刺で、複数のアクセスルートを確保できるため、安全性が高い。
また、保持部46は、ダイレータ40の遠位部に形成される孔部である。これにより、付属ガイドワイヤ20を孔部に嵌合させることで付属ガイドワイヤ20を離脱可能に保持できる。
また、ダイレータ40は、遠位側の端部に、外径が遠位側へ向かって減少するテーパ部42(先端部)を有し、保持部46は、テーパ部42に設けられる。これにより、付属ガイドワイヤ20を、ダイレータ40のできるだけ遠位側に配置できる。このため、付属ガイドワイヤ20を、卵円窩Oの孔へ効率よく挿入できる。また、保持部46は、外シース50の内径よりも小さい外径を有するテーパ部42に設けられることで、外シース50と干渉し難くなる。このため、ダイレータ40が、外シース50の内部を円滑に移動できる。
また、第1の線状体は、卵円窩Oに孔を形成することが可能な鋭利またはエネルギーを出力する穿刺部61を有する穿刺デバイス60である。これにより、穿刺デバイス60により卵円窩Oに孔を形成し、穿刺デバイス60に沿って、形成した孔にダイレータ40を挿入できる。
また、医療システム10は、ダイレータ40を収容可能な内腔を有する外シース50を有し、付属ガイドワイヤ20は、外シース50の外側に位置する。これにより、ダイレータ40に沿って外シース50を孔に配置できるとともに、外シース50の外側に、付属ガイドワイヤ20に沿って他の外シース101を配置できる。
また、本実施形態に含まれるダイレータ40は、生体管腔内の卵円窩O(生体組織)の孔を広げるためのダイレータ40であって、当該ダイレータ40は、軸方向へ貫通するルーメン45が形成され、ルーメン45よりも径方向外側で、遠位部に保持部46が設けられており、保持部46は、長尺な付属ガイドワイヤ20(線状体)を離脱可能に保持する。上記のように構成したダイレータ40は、付属ガイドワイヤ20を保持部46に保持した状態で、卵円窩Oに形成された孔に挿入できる。このため、保持部が卵円窩Oを通った後に、保持部46から付属ガイドワイヤ20を離脱させることで、付属ガイドワイヤ20を、容易に卵円窩Oの孔に挿入した状態とすることができる。さらに、ルーメン45を介して他の線状体である穿刺デバイス60を生体管腔内で突出させて、卵円窩Oに孔を形成できる。このため、複数の線状体である穿刺デバイス60および付属ガイドワイヤ20を、効率よく卵円窩Oの孔に挿入できる。
また、本発明は、上述の医療システム10を使用して生体管腔内の卵円窩O(生体組織)の孔に複数の線状体を挿入するための処置方法(治療方法)をも含む。当該処置方法は、保持部46に付属ガイドワイヤ20(第2の線状体)を保持したダイレータ40(長尺体)を生体管腔内に挿入するステップと、穿刺デバイス60をダイレータ40のルーメン45に通して卵円窩Oの孔に挿入するステップと、ダイレータ40の保持部46を含む遠位部を生体管腔内の卵円窩Oの孔に挿入するステップと、付属ガイドワイヤ20を保持部46から離脱させるステップと、を有する。上記のように構成した処置方法は、ダイレータ40を生体管腔内に挿入し、ダイレータ40のルーメン45を介して、穿刺デバイス60を生体管腔内で突出させて卵円窩Oに孔を形成し、その孔に穿刺デバイス60を挿入できる。穿刺デバイス60は、孔を通って左心房Lへ到達する。さらに、穿刺デバイス60に沿って、ダイレータ40を卵円窩Oの孔に挿入することで、保持部46に保持される付属ガイドワイヤ20を卵円窩Oの孔に挿入できる。したがって、付属ガイドワイヤ20を卵円窩Oの孔に通すための別のデバイスが不要である。このため、複数の線状体である穿刺デバイス60および付属ガイドワイヤ20を、効率よく卵円窩Oの孔に挿入できる。これにより、穿刺デバイス60および付属ガイドワイヤ20に沿って、外シース50および外シース101を孔に挿入して設置できる。このため、アブレーションカテーテル等の複数のデバイスのための複数のアクセスルートを容易に確保でき、作業効率を高めることができる。
なお、本発明は、上述した実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の技術的思想内において当業者により種々変更が可能である。例えば、上述した医療システム10は、卵円窩O以外の生体内の生体組織の孔に、複数の線状体を挿入するために用いられてもよい。孔を形成する生体組織は、例えば、塞栓された血管等である。生体組織の孔は、穿刺して形成された孔に限定されず、元から生体組織に存在する孔であってもよい。このため、医療システム10は、穿刺デバイス60を有さなくてもよい。したがって、ダイレータ40に収容される第1の長尺体は、穿刺デバイス60でなくてもよく、例えばガイドワイヤであってもよい。また、本実施形態において、ダイレータ40および付属ガイドワイヤ20は、生体組織の孔を貫通するが、完全に貫通しなくてもよい。すなわち、生体組織の孔の形状や行う手技によっては、穿刺デバイス60および付属ガイドワイヤ20は、孔を貫通するのではなく、孔の内部に到達してもよい。この場合、孔の内部に、複数のデバイスを導くことができる。
また、図8(A)に示す第1の変形例のように、ダイレータ110は、2つの保持部46を備えてもよい。これにより、ダイレータ110を生体組織の孔に一度挿入するだけで、2つの付属ガイドワイヤ20を孔に挿入できる。これにより、複数の付属ガイドワイヤ20に沿って、複数のデバイスを容易に孔に通すことができる。また、ダイレータに設けられる保持部は、3つ以上であってもよい。なお、前述の実施形態と同様の機能を有する部位には、同一の符号を付し、説明を省略する。
また、図8(B)に示す第2の変形例のように、ダイレータ120の保持部121は、遠位側へ貫通する保持孔121Aを有してもよい。
また、図8(C)に示す第3の変形例のように、ダイレータ130の保持部131は、テーパ部42よりも近位側に設けられてもよい。この場合、保持部131は、外シース50に干渉しないように、ダイレータ130の外周面から突出しないことが好ましい。
また、図8(D)に示す第4の変形例のように、ダイレータ140の保持部141に形成される孔部の近位部が、縮径部142を有してもよい。縮径部142は、近位側へ向かって内径が減少する。付属ガイドワイヤ150は、この縮径部142が嵌合可能な溝状の凹部151が周方向に延びて形成される。付属ガイドワイヤ150を保持部141に挿入すると、縮径部142が凹部151に入り込む。これにより、保持部141は、付属ガイドワイヤ150を強固に保持できる。このため、ダイレータ140を生体管腔内で搬送する際に、付属ガイドワイヤ150が保持部141から予期せずに離脱することを抑制できる。付属ガイドワイヤ150を保持部141から離脱させる際には、付属ガイドワイヤ150を、ダイレータ140に対して相対的に近位側へ移動させる。これにより、保持部141および付属ガイドワイヤ150の少なくとも一方が変形し、付属ガイドワイヤ150が保持部141から離脱できる。
また、図9(A)、(B)に示す第5の変形例のように、ダイレータ160の保持部161は、孔部ではなく溝部であってもよい。保持部161は、近位側に開く挿入口162と、スリット状に延在する側面開口部163と、側面開口部163を挟む2つの側壁164を備えている。保持部161は、付属ガイドワイヤ20を収容可能な内腔が、側面開口部163に沿って、挿入口162から遠位側へ延在する。保持部161は、溝部であっても、付属ガイドワイヤ20を離脱可能に保持することができる。なお、溝部の構造は、付属ガイドワイヤ20を挟むように保持できれば、特に限定されない。
また、図10(A)、(B)に示す第6の変形例のように、ダイレータ170の保持部171は溝部であり、付属ガイドワイヤ150の遠位部は、溝状の凹部151が周方向に形成されてもよい。凹部151の外径は、軸方向に沿って徐々に変化する。このため凹部151が生体組織に接触する際の生体への影響が低減し、好ましい。なお、凹部151の外径は、軸方向に沿って段差状に変化してもよい。溝部のスリット状の開口部172の隙間の幅は、付属ガイドワイヤ150の凹部151の外径よりも大きく、かつ付属ガイドワイヤ150の最大外径(凹部151ではない一定の外径を有する部位の外径)よりも小さい。開口部172は、遠位側から近位側へ延在し、保持部171の近位側の面173にも形成される。保持部171の近位側の面173は、遠位側へ向かってダイレータ40の径方向外側へ傾斜している。開口部172の遠位側には、付属ガイドワイヤ20の最大外径よりも大きな内径の大径部174が設けられている。付属ガイドワイヤ150を保持部171に保持すると、付属ガイドワイヤ150の凹部151が、開口部172に挟まれる。このとき、スリット状の開口部172の隙間の幅は、付属ガイドワイヤ150の凹部151の外径よりも大きく、かつ付属ガイドワイヤ150の最大外径よりも小さい。このため、凹部151は、開口部172から離脱しない。ダイレータ170を生体管腔内で搬送する際には、付属ガイドワイヤ150は、近位側へ向かう抵抗力を受ける。しかしながら、開口部172は、保持部171の近位側の面173まで延在しているため、付属ガイドワイヤ150が保持部171から予期せずに離脱することを抑制できる。付属ガイドワイヤ150を保持部171から離脱させる際には、付属ガイドワイヤ150を、ダイレータ170に対して相対的に遠位側へ移動させる。これにより、凹部151が開口部172に沿ってスライドし、遠位側へ移動する。このため、付属ガイドワイヤ150は、遠位側の大径部174に到達し、大径部174から外部へ放出される。これにより、付属ガイドワイヤ150は、保持部171から離脱できる。
また、図11(A)に示す第7の変形例のように、ダイレータ180の保持部181は、接着剤や粘着剤により形成されてもよい。付属ガイドワイヤ20を、ダイレータ180に対して相対的に移動させることで、保持部181による連結が解除される。これにより、付属ガイドワイヤ20は、ダイレータ180から離脱できる。
また、図11(B)に示す第8の変形例のように、ダイレータ190の保持部191は、テーパ面42Aから突出せず、テーパ部42に完全に埋設されてもよい。これにより、卵円窩Oに形成した孔にダイレータ190を挿入する際に、保持部191が妨げとならず、円滑に挿入できる。
10 医療システム、
20、150 付属ガイドワイヤ(第2の線状体)、
40、110、120、130、140、160、170、180、190 ダイレータ、
42 テーパ部(先端部)、
42A テーパ面、
45 ルーメン、
46、111、121、131、141、161、171、181、191 保持部、
46A 保持孔(孔部)、
50 外シース、
60 穿刺デバイス(第1の線状体)、
80 シース組立体、
90 ガイドワイヤ(第1の線状体)、
O 卵円窩(生体組織)、
L 左心房、
R 右心房。
20、150 付属ガイドワイヤ(第2の線状体)、
40、110、120、130、140、160、170、180、190 ダイレータ、
42 テーパ部(先端部)、
42A テーパ面、
45 ルーメン、
46、111、121、131、141、161、171、181、191 保持部、
46A 保持孔(孔部)、
50 外シース、
60 穿刺デバイス(第1の線状体)、
80 シース組立体、
90 ガイドワイヤ(第1の線状体)、
O 卵円窩(生体組織)、
L 左心房、
R 右心房。
Claims (9)
- 生体管腔内の生体組織の孔に複数の線状体を挿入するための医療システムであって、
軸方向へ貫通するルーメンが形成され、前記ルーメンよりも径方向外側で、遠位部に保持部が設けられた長尺体と、を有し、
前記ルーメンに第1の線状体を収容可能であり、
前記保持部は、第2の線状体の遠位部を離脱可能に保持する医療システム。 - 前記保持部は、前記長尺体の遠位部に形成される孔部または溝部である請求項1に記載の医療システム。
- 前記長尺体は、遠位側の端部に、外径が遠位側へ向かって減少する先端部を有し、
前記保持部は、前記先端部に設けられる請求項1または2に記載の医療システム。 - 前記第1の線状体は、生体組織に孔を形成することが可能な鋭利またはエネルギーを出力する穿刺部を有する穿刺デバイスである請求項1〜3のいずれか1項に記載の医療システム。
- 前記長尺体を収容可能な内腔を有する外シースをさらに有し、
前記第2の線状体は、外シースの外側に位置する請求項1〜4のいずれか1項に記載の医療システム。 - 生体管腔内の生体組織の孔を広げるためのダイレータであって、
前記ダイレータは、軸方向へ貫通するルーメンが形成され、前記ルーメンよりも径方向外側で、遠位部に保持部が設けられており、
前記保持部は、長尺な線状体を離脱可能に保持するダイレータ。 - 前記保持部は、前記ダイレータの遠位部に形成される孔部または溝部である請求項6に記載のダイレータ。
- 前記ダイレータは、遠位側の端部に、外径が遠位側へ向かって減少する先端部を有し、
前記保持部は、前記先端部に設けられる請求項6または7に記載のダイレータ。 - 請求項1に記載の医療システムを使用して生体管腔内の生体組織の孔に複数の線状体を挿入するための処置方法であって、
前記保持部に前記第2の線状体を保持した前記長尺体を生体管腔内に挿入するステップと、
前記第1の線状体を前記長尺体のルーメンに通して前記生体組織の孔に挿入するステップと、
前記長尺体の前記保持部を含む遠位部を前記生体組織の孔に挿入するステップと、
前記第2の線状体を前記保持部から離脱させるステップと、を有する処置方法。
Priority Applications (2)
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JP2016191029A JP2019205485A (ja) | 2016-09-29 | 2016-09-29 | 医療システムおよびダイレータ並びに処置方法 |
PCT/JP2017/035213 WO2018062386A1 (ja) | 2016-09-29 | 2017-09-28 | 医療システムおよびダイレータ並びに処置方法 |
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JP2016191029A JP2019205485A (ja) | 2016-09-29 | 2016-09-29 | 医療システムおよびダイレータ並びに処置方法 |
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JP2019205485A true JP2019205485A (ja) | 2019-12-05 |
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ID=61759836
Family Applications (1)
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JP2016191029A Pending JP2019205485A (ja) | 2016-09-29 | 2016-09-29 | 医療システムおよびダイレータ並びに処置方法 |
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WO (1) | WO2018062386A1 (ja) |
Family Cites Families (3)
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EP0668056A1 (en) * | 1994-02-22 | 1995-08-23 | SMITH & NEPHEW DYONICS INC | Suture probe |
JPH1142233A (ja) * | 1996-09-19 | 1999-02-16 | C R Bard Inc | 改良された創傷縫合装置及び方法 |
JP5936093B2 (ja) * | 2011-05-02 | 2016-06-15 | ニプロ株式会社 | ダブルルーメンダイレータ |
-
2016
- 2016-09-29 JP JP2016191029A patent/JP2019205485A/ja active Pending
-
2017
- 2017-09-28 WO PCT/JP2017/035213 patent/WO2018062386A1/ja active Application Filing
Also Published As
Publication number | Publication date |
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