JP2018068594A - 医療デバイスおよび処置方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】誤穿刺を抑制して安全性を高めることができる医療デバイスおよび処置方法を提供する。【解決手段】生体内の卵円窩Oに孔を形成するための医療デバイス1であって、穿刺部31が設けられる針部30と、針部30を摺動可能に収容する保護管60と、針部30の近位部が連結される操作部70と、保護管60の近位部が連結され、操作部70に対して移動可能な移動部80とを有し、操作部70は、針部30が連結される操作本体部71と、操作本体部71に回転可能に連結される解除部100と、を有し、解除部100は第1の当接部105を有し、移動部80は第1の受け部86を有し、第1の当接部105が第1の受け部86と当接することで、穿刺部31が保護管60に収容された状態を維持し、第1の当接部105が第1の受け部86との当接を解除されていることで、穿刺部31が保護管60から相対的に遠位側へ突出可能である。【選択図】図2

Description

本発明は、生体組織を穿刺するための医療デバイスおよび処置方法に関する。
心臓は、刺激伝導系と呼ばれる心筋組織に電流が流れることで、適切なタイミングで収縮および拡張を繰り返し、血液を循環させている。この刺激伝導系を流れる電気信号の発生や伝達が正常でなくなると、適切なタイミングで収縮および拡張ができなくなり、不整脈が生じる。
不整脈の治療方法として、不整脈を引き起こす信号の伝導経路を、加熱または冷却によりアブレーションして遮断する方法が知られている。この治療方法を行うためのデバイスとして、経皮的に左心房まで挿入し、肺静脈口に位置する信号の伝導経路をアブレーション可能なデバイスが知られている。このようなアブレーションデバイスは、低侵襲で高い効果が得られるとして盛んに用いられている。
左心房でアブレーションを行う際には、右心房から心房中隔の卵円窩という肉薄な隔壁に針を刺して、右心房から左心房へ通じる孔を開ける、心房中隔穿刺(Brockenbrough法)という手技が必要となる。この心房中隔穿刺を行うためのデバイスである経中隔穿刺針(Transseptal Needle)には、機械的穿刺針(Mechanical Needle)と高周波エネルギー穿刺針(Radio Frequency Needle)がある。機械的穿刺針は、安価であるために主流となっている。
機械的穿刺針は、鋭利な針を用いて穿刺を行うものである。機械的穿刺針を用いると、針の過剰な押し付けにより誤穿刺のリスクが生じる。針により誤穿刺すると、心タンポナーデ(心膜と心筋の間に血液が貯留し心不全が起こる状態)という重篤な合併症が伴う可能性がある。一方で、高周波エネルギー穿刺針は、別途設けられる装置であるコンソールから供給される高周波エネルギーを出力することで、心房中隔を貫通させる方法である。このため、高周波エネルギー穿刺針は、誤穿刺のリスクはないが、高価であり、コンソールも必要とする。
例えば特許文献1には、機械的穿刺針をダイレータの内部に収容したデバイスが記載されている。このデバイスのダイレータから突出する穿刺針により卵円窩に孔を開け、開けた孔にダイレータを挿入することで、卵円窩の孔を広げている。
米国特許公開第2002/0169377号明細書
特許文献1に記載のデバイスは、穿刺した後、穿刺針がダイレータから突出した状態が維持される。このため、鋭利な穿刺針による誤穿刺の可能性が生じる。
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、誤穿刺を抑制して安全性を高めることができる医療デバイスおよび処置方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成する本発明に係る医療デバイスは、生体内の生体組織に孔を形成するための医療デバイスであって、遠位側の端部に鋭利な穿刺部が設けられる長尺な針部と、
前記針部を摺動可能に収容する長尺な保護管と、前記針部の近位部が連結される操作部と、前記保護管の近位部が連結され、前記操作部に対して前記針部の軸方向に沿って移動可能な移動部と、を有し、前記操作部は、前記針部が連結される操作本体部と、前記操作本体部に連結され、前記移動部の移動方向と交差する回転軸で回転可能な解除部と、を有し、前記解除部は、第1の当接部を有し、前記移動部は、前記第1の当接部と当接可能な第1の受け部を有し、前記第1の受け部は、移動することで直線的な軌跡を描き、前記第1の当接部は、回転することで前記第1の受け部が描く軌跡と部分的に重なる軌跡を描き、前記第1の当接部が前記第1の受け部の軌跡上に位置する場合、前記第1の当接部は、前記第1の受け部と当接可能であり、前記第1の当接部が前記第1の受け部と当接することで、前記移動部が前記操作本体部に対して近位側へ移動することを制限され、前記穿刺部が前記保護管に収容された状態を維持し、前記第1の当接部が前記第1の受け部の軌跡と異なる位置に位置する場合、前記第1の当接部は、前記第1の受け部との当接を解除可能であり、前記第1の当接部が前記第1の受け部との当接を解除されていることで、前記移動部が前記操作本体部に対して近位側へ移動可能であり、前記穿刺部が前記保護管から相対的に遠位側へ突出可能である。
上記目的を達成する本発明に係る処置方法は、前述の医療デバイスを使用して生体内で生体組織に孔を形成するための処置方法であって、前記第1の当接部を前記第1の受け部と当接可能な状態として前記移動部の前記操作本体部に対する近位側への移動を制限した前記医療デバイスを準備するステップと、前記医療デバイスの前記保護管および穿刺部を生体内に挿入するステップと、前記解除部を回転させて、前記第1の当接部を前記第1の受け部との当接が解除された状態とするステップと、前記医療デバイスを遠位側へ移動させて前記保護管を生体組織に押し当てることで、前記保護管を前記穿刺部に対して相対的に近位側へ移動させて、前記穿刺部を前記保護管から相対的に遠位側へ突出させるステップと、前記穿刺部により生体組織に孔を形成するステップと、前記生体組織に形成された孔に前記保護管を押し込むステップと、前記保護管を前記穿刺部に対して相対的に遠位側へ移動させて、前記保護管に前記穿刺部を収容するステップと、を有する。
上記のように構成した医療デバイスおよび処置方法は、第1の当接部が第1の受け部と当接可能となることで、保護管に穿刺部を収容した状態を良好に維持できる。このため、穿刺部による目的外の部位への誤穿刺が抑制されて、安全性を高めることができる。また、医療デバイスは、解除部を回転させて、第1の当接部と第1の受け部の当接を解除された状態とすることで、穿刺部が保護管から相対的に遠位側へ突出可能となる。したがって、解除部を操作して穿刺部を突出可能とし、保護管を生体組織に押し当てることで穿刺部を保護管から突出させて、生体組織に孔を形成できる。
実施形態に係る医療デバイスを示す平面図である。 実施形態に係る医療デバイスを示す断面図である。 実施形態に係る医療デバイスの各部位を組み合わせた状態を示す断面図である。 解除部および移動部を示す斜視図である。 医療デバイスの近位部および遠位部を示す断面図である。 図5のA−A線に沿う断面図である。 心臓の内部を示す部分断面図である。 医療デバイスにより穿刺を行う際の状態を示す断面図であり、(A)はガイドワイヤに沿ってシース組立体を右心房に挿入した状態、(B)はガイドワイヤを引き抜いた状態、(C)はシース組立体に穿刺デバイスを挿入した状態を示す。 医療デバイスにより穿刺を行う際の状態を示す断面図であり、(A)はシース組立体に穿刺デバイスを挿入した状態、(B)は安全機構を解除した状態、(C)は穿刺部により卵円窩を穿刺している状態を示す。 医療デバイスにより穿刺を行う際の状態を示す断面図であり、(A)は保護管が卵円窩の孔を貫通した状態、(B)は穿刺部が保護管に収容された状態、(C)は卵円窩の孔にシース組立体を挿入した状態を示す。 医療デバイスにより穿刺を行う際の状態を示す断面図であり、(A)はシース組立体から穿刺デバイスを引き抜いた状態、(B)は外シースからダイレータを引き抜いた状態、(C)は外シースにガイドワイヤを挿入した状態を示す。 医療デバイスの第1の変形例を示す断面図である。 医療デバイスの第2の変形例を示す断面図である。 医療デバイスの第3の変形例を示す断面図である。 図14のB−B線に沿う断面図である。 医療デバイスの第4の変形例を示す断面図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。なお、図面の寸法比率は、説明の都合上、誇張されて実際の比率とは異なる場合がある。本明細書では、デバイスの血管に挿入する側を「遠位側」、操作する手元側を「近位側」と称することとする。
本発明の実施形態に係る医療デバイス1は、右心房から心房中隔の卵円窩Oに針を刺して、右心房Rから左心房L(図7を参照)へ通じる孔を形成するために用いられる。卵円窩Oに孔がある場合、経皮的に大静脈に挿入したアブレーションカテーテルを右心房Rへ導いた後、孔を介して左心房Lへ挿入し、肺静脈口の周囲をアブレーションすることができる。すなわち、医療デバイス1は、卵円窩にアブレーションカテーテルのアクセスルートを形成するためのデバイスである。
本実施形態に係る医療デバイス1は、図1〜3に示すように、穿刺を行う穿刺デバイス10と、穿刺デバイス10を収容するシース組立体20とを有している。穿刺デバイス10は、長尺な針部30と、針部30を収容する保護管60と、操作部70と、移動部80と、付勢部90とを有している。シース組立体20は、穿刺デバイス10が挿入されるダイレータ40と、ダイレータ40が挿入される外シース50とを有している。
針部30は、長尺なワイヤ状の部材である。針部30は、遠位側の端部に鋭利な穿刺部31を有している。針部30の近位側の端部は、操作部70に連結されている。
針部30は、穿刺部31よりも近位側に、所定の角度で曲がった針曲げ部35を備えている。近位部に対する針曲げ部35の角度β1は、特に限定されないが、例えば20〜90度、より好ましくは30〜80度、さらに好ましくは40〜70度である。針曲げ部35は、右心房に挿入した針部30の穿刺部31を、卵円窩Oへ向ける役割を果たす。なお、針部30は、針曲げ部35を備えなくてもよい。
穿刺部31は、生体組織に突き刺さる鋭利な部位であり、中心軸に対して傾斜する端面34を有している。なお、穿刺部31は、生体組織を穿刺できるのであれば、形状は特に限定されず、例えば円錐形状であってもよい。
針部30の穿刺部31よりも近位側の部位は、長尺な円柱状の線材である。なお、針部30の断面形状は、円形でなくてもよい。
針部30の長さは、適宜設定されるが、例えば500〜1100mmである。針部30の外径は、適宜設定されるが、例えば0.5〜1.0mmである。穿刺部31の鋭利な端部の中心軸に対する傾斜角度α1は、適宜設定されるが、例えば3〜45度、より好ましくは5〜40度、さらに好ましくは10〜35度である。
針部30の構成材料は、可撓性を有し、かつある程度硬質であることが好ましく、例えば、熱処理により形状記憶効果や超弾性が付与される形状記憶合金、ステンレス、タンタル、チタン、プラチナ、金、タングステンなどの金属、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル、ETFE等のフッ素系ポリマー、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)、ポリイミドなどが好適に使用できる。形状記憶合金は、Ni−Ti系、Cu−Al−Ni系、Cu−Zn−Al系などが好適に使用できる。また、針部30は、X線造影性材料を含んでもよい。X線造影性材料は、例えば、金、白金、イリジウム、タングステンあるいはそれらの合金、銀―パラジウム合金からなる群のうち少なくともいずれか1つの金属もしくは2つ以上の合金から形成されたものが好適である。また、針部30は、超音波造影性材料を含んでもよい。超音波造影性材料は、上述したX線造影性材料の他、ステンレスなども使用できる。
保護管60は、管体であり、針部30を摺動可能に収容する。保護管60は、針部30の穿刺部31を内部に収容して、生体組織を保護する。保護管60が、針部30に沿って近位側へ摺動すると、穿刺部31が、保護管60の内部から遠位側へ突出する。保護管60が、針部30に沿って遠位側へ摺動すると、穿刺部31が、保護管60の内部に収容される。保護管60の近位部は、操作部70の内部で移動可能な移動部80に連結されている。保護管60は、針部30よりも柔軟である。保護管60の外表面は、生体組織に対して低摩擦で接触できるように、低摩擦材料がコーティングされてもよい。低摩擦材料は、例えば、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、ETFE(エチレン・四フッ化エチレン共重合体)等のフッ素系ポリマーが挙げられる。また、保護管60の外表面は、生体組織に対して低摩擦で接触できるように、軸方向に沿って延在する複数の溝が形成されてもよい。また、保護管60の内表面は、針部30に対して低摩擦で接触できるように、低摩擦材料がコーティングされてもよく、または軸方向に沿って複数の溝が形成されてもよい。保護管60は、生体組織の孔に挿入する際に生体組織から受ける抵抗が小さくなるように、径方向の肉厚が薄いことが好ましい。保護管60の肉厚は、例えば、針部30の直径以下である。保護管60の内周面と針部30の外周面の間の半径でのクリアランスは、例えば、0.025〜0.1mmである。
保護管60は、自然状態において、遠位部に所定の角度で曲がった保護管曲げ部62を有する。保護管60の近位部に対する保護管曲げ部62の角度β2は、特に限定されないが、例えば20〜90度、より好ましくは30〜80度、さらに好ましくは40〜70度である。保護管曲げ部62は、右心房に挿入した針部30の穿刺部31を、卵円窩へ向ける役割を果たす。保護管60の遠位側端部の外周の縁部は、ダイレータ40に円滑に挿入できるように、曲面に加工されていることが好ましい。
保護管60の長さは、適宜設定されるが、例えば400〜1100mmである。保護管60の外径は、適宜設定されるが、例えば0.5〜1.5mmである。保護管60の内径は、適宜設定されるが、例えば0.3〜1.3mmである。
保護管60の構成材料は、可撓性がある材質であることが好ましく、例えば、熱処理により形状記憶効果や超弾性が付与される形状記憶合金、ステンレス、タンタル、チタン、プラチナ、金、タングステンなどの金属、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、ETFE(エチレン・四フッ化エチレン共重合体)等のフッ素系ポリマー、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)、ポリイミドなどが好適に使用できる。また、保護管60は、X線造影性材料や超音波造影性材料を含んでもよい。保護管60は、針部30により破損しないように、針部30の構成材料と同程度の強度を有してもよい。
操作部70は、針部30の近位部に連結されている。なお、針部30は、他の部材を介して、操作部70に間接的に連結されてもよい。操作部70は、操作本体部71と、解除部100と、ポート部72と、支持管36とを備えている。
操作本体部71は、筒状の部材であり、導出孔79と、第1の収容部76と、第2の収容部77と、第3の収容部78とを備えている。導出孔79は、操作本体部71の遠位側に形成されている。導出孔79は、保護管60を操作本体部71の内部から外部へ移動可能に導出する。第1の収容部76は、移動部80および付勢部90を収容する。第2の収容部77は、解除部100および操作本体部71の一部を収容する。第3の収容部78は、ポート部72の一部を収容する。
ポート部72は、柔軟に変形可能なチューブ74と、チューブ74の端部に設けられる三方活栓75を有している。チューブ74の一部は、操作本体部71を貫通して第3の収容部78に入り込み、移動部80に連結されている。チューブ74は、移動部80の内部で、保護管60の内腔と連通している。チューブ74の他の端部は、操作本体部71の外部に位置し、三方活栓75が固定されている。三方活栓75にシリンジ等を接続することで、保護管60の内腔をプライミングしたり、保護管60に造影剤や薬剤等を注入したりすることができる。
第1の収容部76は、移動部80を、針部30の軸方向へ摺動可能に収容する。第1の収容部76は、移動部80の近位側に、付勢部90を収容する。したがって、移動部80は、第1の収容部76の内部で、付勢部90によって遠位側へ付勢されている。第1の収容部76の内部の近位側の端面76Aには、付勢部90の近位側の端部が連結されるとともに、付勢部90を貫通する針部30の近位部が連結されている。また、第1の収容部76の内部の近位側の端面76Aには、針部30が貫通する支持管36が連結されている。支持管36は、第1の収容部76の内部で針部30が撓むことを抑制する。
第2の収容部77は、針部30の軸方向と垂直な回転軸で回転可能な解除部100を、所定の回転角度範囲で回転可能に収容する。さらに、第2の収容部77は、後述する移動部80の第1の凸部85および第2の凸部87を、針部30の軸方向へ移動可能に収容する。第2の収容部77は、第1の収容部76と連通している。第2の収容部77は、操作本体部71の外周面に開口する入口部77Aを有している。入口部77Aには、解除部100が回転可能に貫通している。
第3の収容部78は、第1の収容部76に沿って形成される。第3の収容部78は、ポート部72のチューブ74が、操作本体部71の内部での移動部80の移動に伴って変形することを許容する。
付勢部90は、第1の収容部76に位置し、針部30および支持管36を囲むコイルバネ(弾性体)である。付勢部90の遠位側端部は、移動部80の近位部に当接する。付勢部90の近位側端部は、第1の収容部76の近位側の端面76Aに固定されている。移動部80が第1の収容部76の最も遠位側に位置する状態において、付勢部90の遠位側端部は、移動部80から離れる(図10(B)を参照)。したがって、外力が作用しない自然長の付勢部90の遠位側端部に移動部80が接する基準位置において、移動部80よりも遠位側に、第1の収容部76の遠位部の空間が位置している。したがって、移動部80は、基準位置よりも遠位側へ、付勢部90により付勢されることなく移動可能である。付勢部90は、移動部80が基準位置よりも近位側に移動する際に収縮し、移動部80を近位側へ付勢する。なお、付勢部90の遠位側端部は、移動部80に固定されてもよい。
付勢部90は、形状記憶合金やステンレス等からなるコイルバネであるが、付勢力を発生するものであれば、コイルバネでなくてもよい。したがって、付勢部90は、例えば、弾性体、弾性的に変形可能な材料からなる蛇腹構造の部材、圧縮性流体を収容したシリンダやバルーン等であってもよい。弾性体は、例えば天然ゴム、シリコーンゴム、各種エラストマー等である。
解除部100は、図4〜6に示すように、操作本体部71の外に位置する回転盤101と、第2の収容部77に位置する内部構造体102と、回転盤101と内部構造体102の間に位置する回転軸103とを備えている。解除部100は、後述する安全機構を解除するために操作する部位である。回転盤101は、操作者が回転操作を行う部位である。回転盤101は、円盤状であり、操作本体部71の外側面に接している。回転軸103は、入口部77Aを回転可能に貫通している。回転軸103の一方の端部は、操作本体部71の外部で回転盤101に連結されている。回転軸103の他の端部は、操作本体部71の第2の収容部77で、内部構造体102に連結されている。回転軸103は、回転盤101から伝わる回転力を内部構造体102に伝達する。内部構造体102は、入口部77Aを通り抜けられない大きさを有する。内部構造体102は、回転軸の103に連結される支持部104と、支持部104に連結される第1の当接部105および第2の当接部106を有する。支持部104は、移動部80の側面の1つである対向面82と隣接している。支持部104は、回転軸103の端部に連結されており、回転軸103と直交する両側へ、対向面82と平行に延在している。支持部104の一方側の端部には、第1の当接部105が連結されている。支持部104の他の端部には、第2の当接部106が連結されている。第1の当接部105および第2の当接部106は、回転軸103と平行な線状の部材である。第1の当接部105および第2の当接部106は、移動部80を挟んで位置する。第1の当接部105は、移動部80の第1の側面83と平行であり、かつ移動部80の移動方向と垂直である。第2の当接部106は、移動部80の第2の側面84と平行であり、かつ移動部80の移動方向と垂直である。第1の側面83および第2の側面84は、平行であり、移動部80の対向面を挟む面である。内部構造体102が回転することで、第1の当接部105は、円弧状の軌跡を描き、第1の側面83と近接および離間可能である。詳細には、第1の当接部105が描く軌跡は、第1の当接部105の形状に応じた3次元的形状である。すなわち、第1の当接部105が描く軌跡は、円柱形状である第1の当接部105の円柱の高さおよび直径を有する面が、回転軸103を中心に円弧を描く3次元的な形状である。また、内部構造体102が回転することで、第2の当接部106は、円弧状の軌跡を描き、第2の側面84と近接および離間可能である。詳細には、第2の当接部106が描く軌跡は、第2の当接部106の形状に応じた3次元的形状である。すなわち、第2の当接部106が描く軌跡は、円柱形状である第2の当接部106の円柱の高さおよび直径を有する面が、回転軸103を中心に円弧を描く3次元的な形状である。支持部104が移動部80の移動方向と垂直である際に、第1の当接部105が第1の側面83から最も離れ、第2の当接部106が第2の側面84から最も離れる。当該状態は、離間状態と定義する(図4、6を参照)。支持部104が移動部80の移動方向に対して傾くと、第1の当接部105が近位側へ向かって回動して第1の側面83に接触し、第2の当接部106が遠位側へ向かって回動して第2の側面84に接触することができる。当該状態は、近接状態と定義する(図3、5を参照)。近接状態において、第1の当接部105は、第2の当接部106よりも近位側へ位置している。
移動部80は、図3〜6に示すように、第1の収容部76の内部を針部30の軸方向に沿って摺動可能な略直方体の部材である。移動部80は、近位側から遠位側へ貫通する貫通孔81を有している。貫通孔81の遠位部は、操作本体部71の導出孔79から操作本体部71内に入り込む保護管60の近位側の端部が固定されている。保護管60から近位側へ導出される針部30は、貫通孔81を貫通し、第1の収容部76の近位側の端面に連結されている。貫通孔81には、針部30を覆う支持管36が、近位側から入り込んでいる。貫通孔81には、支持管36と摺動可能なシール部73が配置される。
移動部80は、上述したように、支持部104と対向する対向面82と、対向面82を挟む第1の側面83および第2の側面84を有する。第1の側面83および第2の側面84は、平行であり、移動部80の対向面82を挟む面である。
第1の側面83は、略直方体の第1の凸部85を備える。第1の側面83からの第1の凸部85の高さは、第1の側面83から、離間状態の第1の当接部105までの距離よりも小さい。第1の凸部85の近位側の面には、第1の側面83から垂直に立ち上がる第1の受け部86が形成される。第1の受け部86は、移動することで直線的な軌跡を描く。詳細には、第1の受け部86が描く軌跡は、第1の受け部86の形状に応じた3次元形状である。すなわち、第1の受け部86が描く軌跡は、移動方向と垂直な面における第1の受け部86の形状(四角形)が、移動方向へ延在することで形成される3次元的形状であり、長尺な直方体である。第1の受け部86が描く直線的な軌跡と、第1の当接部105が描く円弧状の軌跡は、部分的に重なる。移動部80が、基準位置(自然長の付勢部90の遠位側端部と接する位置)または基準位置よりも遠位側に位置する際に、第1の受け部86は、近接状態の第1の当接部105よりも遠位側に位置する。このとき、第1の当接部105は、第1の受け部86が描く直線的な軌跡上に位置する。この状態において、移動部80が近位側へ移動すると、第1の受け部86が直線的に移動して第1の当接部105に接触する。第1の受け部86が第1の当接部105に接触すると、移動部80が操作本体部71に対してさらに近位側へ移動することが制限される。この状態において、操作本体部71に連結されている針部30の穿刺部31は、移動部80に連結されている保護管60に収容されている。このため、移動部80が操作本体部71に対して近位側へ移動不能となることで、穿刺部31が保護管60から突出することが制限される。すなわち、第1の受け部86および第1の当接部105は、穿刺部31が保護管60から突出することを制限する安全機構を構成する。第1の受け部86は、第1の当接部105が回動して離間状態となることで、第1の当接部105よりも近位側に位置することができる。第1の当接部105が離間状態となると、第1の当接部105が、第1の側面83から離れる。離間状態において、第1の側面83からの第1の凸部85の高さは、第1の側面83から第1の当接部105までの距離よりも小さい。このとき、第1の当接部105は、第1の受け部86の軌跡と異なる位置に位置する。第1の受け部86の軌跡と異なる位置は、直線的な直方体である第1の受け部86の軌跡に対して、移動部80が位置する側と反対側にある。このため、第1の当接部105は、第1の受け部86と当接不能となる。これにより、安全機構が解除され、穿刺部31が保護管60から突出可能となる。
第2の側面84は、略直方体の第2の凸部87を備える。第2の凸部87の遠位側の面には、第2の側面84から垂直に立ち上がる第2の受け部88が形成される。第2の受け部88は、移動することで直線的な軌跡を描く。詳細には、第2の受け部88が描く軌跡は、第2の受け部88の形状に応じた3次元形状である。すなわち、第2の受け部88が描く軌跡は、移動方向と垂直な面における第2の受け部88の形状(四角形)が、移動方向へ延在することで形成される3次元的形状であり、長尺な直方体である。第2の受け部88が描く直線的な軌跡と、第2の当接部106が描く円弧状の軌跡は、重なっている。第2の受け部88は、常に、第2の当接部106よりも近位側に位置する。第2の側面84からの第2の凸部87の高さは、第2の側面84から、離間状態の第2の当接部106までの距離よりも大きい。したがって、第2の当接部106は、第2の受け部88を超えて第2の受け部88よりも近位側へ移動不能である。すなわち、第2の当接部106は、常に、第2の受け部88が描く直線的な軌跡上に位置する。第2の受け部88は、移動部80が遠位側へ移動するとこで、第2の当接部106と接触可能である。移動部80が基準位置に位置する際に、第2の受け部88は、図9(B)に示すように、離間状態の第2の当接部106と接触または多少の間隔を空けて近接する。移動部80が基準位置よりも遠位側に移動すると、図10(B)に示すように、第2の受け部88が第2の当接部106を押し、解除部100を回転させる。これにより、第2の受け部88が、近接状態の第2の当接部106と接する。第2の受け部88が、近接状態の第2の当接部106と接すると、第1の当接部105は、第1の側面83に対して近接状態となり、第1の受け部86よりも近位側に位置する。
移動部80が、第1の収容部76の内部で基準位置または基準位置よりも遠位側に位置する場合、穿刺部31は、保護管60の内部に位置する。移動部80が、第1の収容部76の内部で基準位置よりも近位側に位置する場合、図9(C)、図10(A)に示すように、付勢部90が収縮し、穿刺部31は、保護管60よりも遠位側へ突出する。
シール部73は、図2、3に示すように、保護管60の内腔を封止するための部材である。シール部73は、保護管60から連続する貫通孔81の内周面に配置される。シール部73は、支持管36の外周面と摺動可能に接触する。シール部73は、例えばOリングである。Oリングは、保護管60と支持管36の間の隙間から血液が漏れることを抑制するとともに、体内へ空気が混入することを抑制する。
操作本体部71、移動部80、解除部100および支持管36の構成材料は、特に限定されないが、例えば、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ABS樹脂(アクリロニトリル、ブタジエン、スチレン共重合合成樹脂の総称)等の硬質の樹脂、ステンレス等の金属などが好適に使用できる。
ダイレータ40は、図1〜3に示すように、針部30により形成された卵円窩の孔を広げるために用いられる。ダイレータ40はダイレータ本体41と、ダイレータ本体41の近位部に連結されるハブ47と、ハブ47に連通するポート部48と、ハブ47の内部の弁体49とを有している。ポート部48の端部には、三方活栓48Aが設けられている。
ダイレータ本体41は、針部30および保護管60を収容する長尺な管体である。ダイレータ本体41は、遠位側端部に、遠位側に向かってテーパ状に縮径するテーパ部42を有している。ダイレータ40の内腔は、テーパ部42の最も縮径した端部で開口している。テーパ部42の中心軸に対する傾斜角度α2は、適宜設定されるが、例えば1〜20度、より好ましくは3〜15度、さらに好ましくは4〜10度である。
ダイレータ本体41は、遠位側に、内径の小さいダイレータ遠位部43と、近位側に、ダイレータ遠位部43よりも内径が大きいダイレータ近位部44を有している。ダイレータ遠位部43とダイレータ近位部44の間には、内径が遠位側に向かって縮径する縮径部45が設けられる。ダイレータ近位部44の内径は、保護管60の外径よりも十分に大きい。このため、ハブ47からダイレータ近位部44に挿入された保護管60は、ダイレータ近位部44の内周面に沿って、低摩擦で滑らかに移動可能である。縮径部45は、ダイレータ近位部44を通る保護管60を、ダイレータ遠位部43へ円滑に誘導する。ダイレータ遠位部43の内径は、保護管60が小さいクリアランスで接触しつつ摺動可能な内径である。これにより、ダイレータ遠位部43の位置を、針部30および保護管60に対して正確に規定できる。このため、針部30によって形成される孔へ、ダイレータ40を円滑に押し込むことができる。なお、ダイレータ本体41の内径は、軸方向に沿って一定であってもよい。
ダイレータ本体41は、自然状態において、遠位部に所定の角度で曲がったダイレータ曲げ部46を有する。ダイレータ本体41の近位部に対するダイレータ曲げ部46の角度β3は、特に限定されないが、例えば10〜70度、より好ましくは20〜60度、さらに好ましくは30〜50度である。ダイレータ曲げ部46は、右心房に挿入した針部30の穿刺部31や、ダイレータ40のテーパ部42を、卵円窩へ向ける役割を果たす。
ダイレータ本体41の長さは、適宜設定されるが、例えば400〜1500mmである。ダイレータ本体41の外径は、適宜設定されるが、例えば2〜6mmである。ダイレータ遠位部43の内径は、適宜設定されるが、例えば0.5〜1.5mmである。ダイレータ近位部44の内径は、適宜設定されるが、例えば1.0〜2.0mmである。ダイレータ遠位部43の長さは、適宜設定されるが、例えば1〜15mm、より好ましくは2〜12mm、さらに好ましくは3〜10mmである。ダイレータ遠位部43の内周面と保護管60の外周面の間の半径でのクリアランスは、適宜設定されるが、例えば0.03〜0.1mmである。
ダイレータ本体41の構成材料は、可撓性を有することが好ましく、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、ETFE(エチレン・四フッ化エチレン共重合体)等のフッ素系ポリマー、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)、ポリイミド、形状記憶合金、ステンレス、タンタル、チタン、プラチナ、金、タングステンなどの金属などが好適に使用できる。また、ダイレータ本体41は、X線造影性材料や超音波造影性材料を含んでもよい。
ハブ47は、シース本体51の近位部に設けられ、ダイレータ本体41の内腔と連通する。ハブ47には、穿刺デバイス10が貫通する。ポート部48は、ハブ47に連結され、ハブ47の内腔を介してダイレータ本体41の内腔と連通する。ポート部48は、端部に三方活栓48Aを有している。三方活栓48Aにシリンジ等を接続することで、ダイレータ本体41の内腔をプライミングしたり、ダイレータ本体41に造影剤や薬剤等を注入したりすることができる。
弁体49は、ハブ47およびダイレータ本体41の内腔を封止するための部材である。弁体49は、柔軟に変形可能であり、ハブ47の内周面に配置される。弁体49は、保護管60の外周面と摺動可能に接触する。また、弁体49は、保護管60が挿入された状態で、弾性力により保護管60を押圧し、保護管60とダイレータ40を固定することができる。なお、弁体49で固定されても、保護管60とダイレータ40を把持して力を作用させることで、軸方向へ相対的に移動させることは可能である。また、保護管60をハブ47から引き抜くことで、弁体49の保護管60が挿入された孔部は閉じ、ハブ47の内腔を近位側から封止する。弁体49は、例えば円盤状の弾性体の中央に切れ目を入れた部材である。弾性体は、例えば天然ゴム、シリコーンゴム、各種エラストマー等である。弁体49は、保護管60の抜き差しを許容しつつ、ダイレータ40を介して血液が漏れることを抑制するとともに、体内へ空気が混入することを抑制する。
外シース50は、アブレーションカテーテルのアクセスルートを提供する。外シース50は、シース本体51と、シース本体51の近位部に連結されるハブ54と、ハブ54に連通するポート部56と、ハブ54の内部の弁体55とを有している。
シース本体51は、ダイレータ40を軸方向へ移動可能に収容する長尺な管体である。シース本体51は、ダイレータ40と円滑に摺動する内周面を有する。シース本体51は、自然状態において、遠位部に所定の角度で曲がったシース曲げ部52を有する。シース本体51の近位部に対するシース曲げ部52の角度β4は、特に限定されないが、例えば10〜180度、より好ましくは30〜150度、さらに好ましくは45〜135度である。シース曲げ部52は、右心房に挿入した針部30の穿刺部31や、シース本体51の遠位部を、卵円窩へ向ける役割を果たす。
シース本体51は、遠位側端部に、遠位側に向かってテーパ状に縮径するシーステーパ部53を有している。シース本体51の内腔は、シーステーパ部53の最も縮径した端部で開口している。シーステーパ部53の中心軸に対する傾斜角度α3は、適宜設定されるが、例えば1〜15度、より好ましくは2〜10度、さらに好ましくは3〜7度である。外シース50にダイレータ40を挿入したシース組立体20において、シーステーパ部53は、ダイレータ40のテーパ部42の近位側に位置し、テーパ部42と連続するように位置することができる。シース本体51の内周面は、ダイレータ40の外周面が摺動可能に接するように、ダイレータ40の外周面との間にクリアランスを有することが好ましい。
シース本体51は、その全長にわたってダイレータ本体41が貫通可能である。したがって、シース本体51の軸方向の長さは、ダイレータ本体41よりも短い。
シース本体51の長さは、適宜設定されるが、例えば400〜1000mmである。シース本体51の外径は、適宜設定されるが、例えば2.5〜7.0mmである。シース本体51の内径は、適宜設定されるが、例えば2〜6mmである。シース本体51の内周面とダイレータ本体41の外周面の間の半径でのクリアランスは、適宜設定されるが、例えば0.1〜0.5mmである。
シース本体51の構成材料は、可撓性がある材質であることが好ましく、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、ETFE(エチレン・四フッ化エチレン共重合体)等のフッ素系ポリマー、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)、ポリイミドなどが好適に使用できる。また、シース本体51の構成材料は、X線造影性材料、超音波造影性材料、金属ブレードやコイルを含んでもよい。
ハブ54は、シース本体51の近位部に設けられ、シース本体51の内腔と連通する。ハブ54には、ダイレータ40が貫通する。ポート部56は、ハブ54に連結され、ハブ54の内腔を介してシース本体51の内腔と連通する。ポート部56は、端部に三方活栓57を有している。三方活栓57にシリンジ等を接続することで、シース本体51の内腔をプライミングしたり、シース本体51に造影剤や薬剤等を注入したりすることができる。
弁体55は、ハブ54およびシース本体51の内腔を封止するための部材である。弁体55は、柔軟に変形可能であり、ハブ54の内周面に配置される。弁体55は、ダイレータ40の外周面と摺動可能に接触する。また、弁体55は、ダイレータ40が挿入された状態で、弾性力によりダイレータ40を押圧し、ダイレータ40と外シース50を固定することができる。なお、弁体55で固定されても、ダイレータ40と外シース50を把持して力を作用させることで、軸方向へ相対的に移動させることは可能である。また、ダイレータ40をハブ54から引き抜くことで、弁体55のダイレータ40が挿入された孔部は閉じ、ハブ54の内腔を近位側から封止する。弁体55は、例えば円盤状の弾性体の中央に切れ目を入れた部材である。弾性体は、例えば天然ゴム、シリコーンゴム、各種エラストマー等である。弁体55は、ダイレータ40の抜き差しを許容しつつ、外シース50を介して血液が漏れることを抑制するとともに、体内へ空気が混入することを抑制する。
針部30、保護管60、ダイレータ40および外シース50を組み合わせた状態において、針曲げ部35、保護管曲げ部62、ダイレータ曲げ部46およびシース曲げ部52の位置、曲げ方向および曲げ角度は、一致または略一致することが好ましい。これにより、穿刺部31を望ましい方向へ突出させることができる。
次に、本実施形態に係る医療デバイス1を用いて、卵円窩Oに孔を開けてアブレーションカテーテルのためのアクセスルートを設ける方法を説明する。
始めに、大腿静脈に針を穿刺し、この針の中にショートガイドワイヤを挿入する。次に、針を抜去し、ショートガイドワイヤに沿って、カテーテルイントロデューサーを血管内に挿入する。次に、外シース50の内部にダイレータ40を挿入したシース組立体20を準備する。続いて、ショートガイドワイヤを抜去し、ガイドワイヤ110をカテーテルイントロデューサーに挿入する。次に、ガイドワイヤ110を血管に残したまま、カテーテルイントロデューサーを抜去し、ガイドワイヤ110の近位側端部を、ダイレータ40の遠位側端部からルーメン41Aに挿入する。次に、シース組立体20を、カテーテルイントロデューサーに挿入し、血管内に挿入する。続いて、ガイドワイヤ110を先行させつつ、シース組立体20の遠位部を右心房Rまで徐々に押し進める。次に、シース組立体20を、ガイドワイヤ110に沿って右心房Rから上大静脈内へ、一旦挿入する。続いて、シース組立体20を後退させて右心房R内へ引き込むと、図7、図8(A)に示すように、シース組立体20の遠位側端部が、卵円窩Oの近傍へ自然と導かれる。この後、ガイドワイヤ110をシース組立体20から抜去する。
続いて、心腔内心エコーカテーテル(ICE:Intra cardiac echo catheter)により左心房Lおよび右心房R内を観察しつつ、シース組立体20を遠位側へ押し込む。これにより、図8(B)に示すように、卵円窩Oは、ダイレータ40により左心房L側へ押されて突出した状態となる。このとき、外シース50およびダイレータ40の遠位部が曲がっているため、シース組立体20の遠位側の端部が、卵円窩Oへ向きやすい。なお、卵円窩Oを、左心房L側へ突出した状態としなくてもよい。
次に、図8(C)に示すように、ダイレータ40の近位側からルーメン41Aに、穿刺デバイス10を挿入する。このとき、図9(A)に示すように、解除部100の第1の当接部105は、第1の受け部86の近位側に位置して安全機構が作動し、移動部80の操作部70に対する近位側への移動が制限されている。したがって、保護管60から穿刺部31が突出せず、ダイレータ40の内周面の損傷を抑制できる。
次に、図4に示すように、解除部100の回転盤101を回転操作し、安全機構を解除する。回転盤101を回転させると、図9(B)に示すように、内部構造体102が第2の収容部77の内部で回転する。これにより、第1の当接部105が第1の側面83から離れた離間状態となる。第1の当接部105が離間状態となると、第2の当接部106が第2の受け部88に当接する。これにより、解除部100が回転し過ぎずに適切な位置で停止できる。第1の当接部105が離間状態となると、第1の受け部86が、第1の当接部105との当接が解除され、移動部80が、操作部70に対して近位側へ移動可能となる。したがって、安全機構が解除され、保護管60から穿刺部31が突出可能となる。
次に、図9(C)に示すように、操作部70を遠位側へ移動させる。これにより、操作部70に連結されている針部30の穿刺部31がダイレータ40から突出する。チューブ74は、第3の収容部78の内部で変形し、操作本体部71と移動部80の相対的な移動を吸収する。このとき、保護管60は、卵円窩Oに突き当たり、遠位側への移動が制限される。このため、保護管60が穿刺部31に対して近位側へ移動し、穿刺部31が保護管60から相対的に突出して卵円窩Oに突き刺さる。保護管60が穿刺部31に対して近位側へ移動すると、保護管60が連結されている移動部80が、付勢部90を収縮させつつ、操作部70に対して近位側へ移動する。移動部80が、操作部70に対して近位側へ移動すると、第1の受け部86は、離間状態の第1の当接部105と接触せず、第1の当接部105よりも近位側へ移動する。
操作部70に連結されている穿刺部31を遠位側へ移動させると、図10(A)に示すように、付勢部90により付勢された保護管60も遠位側へ移動する。これにより、保護管60が、穿刺部31により形成された卵円窩Oの孔を広げつつ貫通し、左心房Lへ到達する。なお、移動部80が、操作部70に対して所定の長さを超えて近位側へ移動することを制限する機構が設けられてもよい。例えば、第2の凸部87が、第2の収容部77の近位側の端面77Bと突き当たることで、移動部80が、操作部70に対して必要以上に近位側へ移動することを制限できる。これにより、保護管60の穿刺部31に対する近位側への移動が制限される。したがって、保護管60を、卵円窩Oに形成した孔に押し込むことが容易となる。保護管60が左心房Lへ到達すると、保護管60が卵円窩Oから受ける抵抗力が減少する。これにより、図10(B)に示すように、付勢部90が拡張し、移動部80が操作部70に対して遠位側へ移動する。移動部80が操作部70に対して遠位側へ移動すると、保護管60が穿刺部31に対して遠位側へ移動し、穿刺部31が保護管60に収容される。このため、穿刺部31および保護管60が卵円窩Oを貫通すると、付勢部90の付勢力によって、穿刺部31が自動的に保護管60に収容される。したがって、穿刺部31が目的外の位置を誤穿刺することを抑制でき、高い安全性が得られる。
移動部80が操作部70に対して遠位側へ移動すると、付勢部90から付勢力を受けた移動部80は、基準位置を超えて遠位側へ移動する。これにより、移動部80の第2の受け部88が、離間状態の第2の当接部106に当接する。このため、第2の当接部106は、第2の受け部88から遠位方向の力を受けて、遠位側へ回動する。これにより、第1の当接部105は、第1の側面83に対して近接状態となり、第1の受け部86の近位側に位置する。したがって、安全機構が作動した状態となり、移動部80の操作部70に対する移動が制限される。したがって、穿刺部31が保護管60から突出せず、穿刺部31が目的外の部位を誤穿刺することを抑制して、安全性を高めることができる。
穿刺部31および保護管60が卵円窩Oを貫通すると、卵円窩Oを左心房L側へ押圧していたダイレータ40の遠位側端部の一部が、卵円窩Oに開けられた孔に入り込む。なお、ダイレータ40の一部が、卵円窩Oの孔に入り込まなくてもよい。
次に、穿刺デバイス10に沿ってシース組立体20を遠位側へ押し込む。これにより、図10(C)に示すように、ダイレータ40のテーパ部42および外シース50のシーステーパ部53が、卵円窩Oの孔を押し広げつつ卵円窩Oを通過し、左心房Lに到達する。このとき、テーパ部42およびシーステーパ部53が、遠位側へ縮径しているため、卵円窩Oの孔を滑らかに広げることができる。また、穿刺部31により卵円窩Oを穿刺した際に、ダイレータ40のテーパ部42の一部が、卵円窩Oの孔に入り込んでいる。このため、ダイレータ40および外シース50を、卵円窩Oの孔に押し込むことが容易である。
次に、図11(A)に示すように、穿刺デバイス10をダイレータ40から抜去する。続いて、図11(B)に示すように、外シース50を残して、ダイレータ40を体外へ抜去する。保護管60、ダイレータ40および外シース50により広げられた卵円窩Oの孔は、外シース50により維持される。外シース50からダイレータ40を抜去すると、弁体55が閉じ、血液の漏えいや、血管内への空気等の混入を抑制できる。この後、図11(C)に示すように、外シース50の近位側から、弁体55を介してガイドワイヤ110を挿入し、左心房Lへ到達させる。この後、ガイドワイヤ110に沿って、外シース50の近位側から、弁体55を介してアブレーションカテーテルを挿入する。これにより、卵円窩Oを貫通する外シース50を利用して、アブレーションカテーテルを左心房Lへ挿入することができる。アブレーションカテーテルにより左心房Lにてアブレーションを行った後、アブレーションカテーテルおよび外シース50を体外に抜去すると、卵円窩Oの孔が収縮する。これにより、手技が完了する。
以上のように、本実施形態に係る医療デバイス1は、生体内の卵円窩O(生体組織)に孔を形成するための医療デバイス1であって、遠位側の端部に鋭利な穿刺部31が設けられる長尺な針部30と、針部30を摺動可能に収容する長尺な保護管60と、針部30の近位部が連結される操作部70と、保護管60の近位部が連結され、操作部70に対して針部30の軸方向に沿って移動可能な移動部80と、を有し、操作部70は、針部30が連結される操作本体部71と、操作本体部71に連結され、移動部80の移動方向と交差する回転軸で回転可能な解除部100と、を有し、解除部100は、第1の当接部105を有し、移動部80は、第1の当接部105と当接可能な第1の受け部86を有し、第1の受け部86は、移動することで直線的な軌跡を描き、第1の当接部105は、回転することで第1の受け部86が描く軌跡と部分的に重なる軌跡を描き、第1の当接部105が第1の受け部86の軌跡上に位置する場合、第1の当接部105は、第1の受け部86と当接可能であり、第1の当接部105が第1の受け部86と当接することで、移動部80が操作本体部71に対して近位側へ移動することを制限され、穿刺部31が保護管60に収容された状態を維持し、第1の当接部105が第1の受け部86の軌跡と異なる位置に位置する場合、第1の当接部105は、第1の受け部86との当接を解除可能であり、第1の当接部105が第1の受け部86との当接を解除されていることで、移動部80が操作本体部71に対して近位側へ移動可能であり、穿刺部31が保護管60から相対的に遠位側へ突出可能である。
上記のように構成した医療デバイス1は、第1の当接部105が第1の受け部86と当接可能となることで、保護管60に穿刺部31を収容した状態を良好に維持できる。このため、穿刺部31による目的外の部位への誤穿刺が抑制されて、安全性を高めることができる。また、医療デバイス1は、解除部100を回転させて、第1の当接部105と第1の受け部86の当接を解除された状態とすることで、穿刺部31が保護管60から相対的に遠位側へ突出可能となる。したがって、適切な位置で解除部100を操作して穿刺部31を突出可能とし、保護管60を卵円窩Oに押し当てることで穿刺部31を保護管60から突出させて、卵円窩Oに孔を形成できる。また、針部30を摺動可能に保持する保護管60を、卵円窩Oに形成された孔に押し込むことができるため、保護管60によって当該孔を効率よく拡張できる。
また、医療デバイス1は、移動部80を操作部70に対して遠位方向へ付勢する付勢部90をさらに有する。これにより、穿刺部31を収容した保護管60を卵円窩Oに押し当てると、付勢部90が変形して保護管60が針部30に対して近位側へ移動し、穿刺部31が保護管60から突出する。このため、安全性を維持しつつ、針部30を目的の位置へ搬送できる。そして、保護管60を卵円窩Oに押し当てることで、穿刺部31を突出させて卵円窩Oに孔を形成できる。さらに、卵円窩Oに孔が形成されると、付勢部90の付勢力によって保護管60が穿刺部31に対して遠位側へ移動し、穿刺部31が自動的に保護管60に収容される。このため、穿刺部31が目的外の部位を誤穿刺することを抑制して、安全性を高めることができる。また、針部30を摺動可能に保持する保護管60を、卵円窩Oに形成された孔に押し込むことで、保護管60によって当該孔を効率よく拡張できる。
また、移動部80は、移動方向に延在する第1の側面83を有し、第1の受け部86は、第1の側面83に形成され、第1の当接部105は、解除部100が回転することで、第1の側面83に近接および離間可能である。これにより、解除部100を操作部70に対して回転させることで、移動部80の移動方向に延在する第1の側面83の第1の受け部86に、第1の受け部86を当接させることが容易であり、かつ当接を解除することが容易である。なお、移動部80の移動方向に延在する第1の側面83は、本実施形態では移動方向と平行であるが、平行でなくてもよい。また、第1の側面83は、本実施形態では平面であるが、平面でなくてもよい。
また、解除部100は、第2の当接部106をさらに有し、移動部80は、操作本体部71に対して遠位側へ移動することで第2の当接部106と当接可能な第2の受け部88を有し、第2の当接部106が第2の受け部88に当接することで、解除部100が第2の受け部88から力を受けて回転し、第1の当接部105が第1の受け部86に対しての当接を解除された状態から第1の受け部86と当接可能な状態へ移行可能である。このため、移動部80が操作本体部71に対して遠位側へ移動して、穿刺部31が保護管60に収容される際に、解除部100が第2の受け部88から力を受けて回転する。これにより、第1の当接部105が離間状態から近接状態へ自動的に移行し、穿刺部31が保護管60から突出することが制限される。したがって、穿刺部31が保護管60に収容される際に、自動的に安全機構が作動するため、安全性がさらに高まる。
また、移動部80は、移動方向に延在する第2の側面84を有し、第2の受け部88は、第2の側面84に形成される。これにより、移動部80が移動することで、移動部80の移動方向に延在する第2の側面84の第2の受け部88が、第2の受け部88に当接することが容易であり、かつ当接を解除することが容易である。なお、移動部80の移動方向に延在する第2の側面84は、本実施形態では移動方向と平行であるが、平行でなくてもよい。また、第2の側面84は、本実施形態では平面であるが、平面でなくてもよい。
また、第1の当接部105および第2の当接部106は、解除部100の中心軸を挟んで両側に位置し、かつ移動部80を間に挟んでいる。これにより、第1の当接部105と第2の当接部106の回転を、省スペースで効果的に連動させることができる。
また、第1の当接部105および第2の当接部106は、解除部100の回転軸103と平行であり、かつ移動部80の移動方向と交差する線状の部材であり、第1の受け部86および第2の受け部88は、移動部80の第1の側面83および第2の側面84に形成される第1の凸部85および第2の凸部87に設けられる。これにより、第1の当接部105および第2の当接部106を、操作部70に対して移動する移動部80の第1の受け部86および第2の受け部88に当接させることが容易であり、かつ当接を解除することが容易である。
また、解除部100は、操作本体部71の外側に位置して回転操作が可能な回転盤101を有する。これにより、解除部100を回転させる操作が容易となり、操作性が向上する。
また、医療デバイス1は、保護管60を挿入可能な内腔を備えるダイレータ40を有し、ダイレータ40は、遠位側端部の外径が遠位側へ向かって減少している。これにより卵円窩Oの孔を貫通した針部30および保護管60に沿って、ダイレータ40を孔に円滑に押し込むことができ、当該孔をダイレータ40によって効果的に拡張できる。
また、本発明は、上述の医療デバイス1を使用して生体内で卵円窩O(生体組織)に孔を形成するための処置方法(治療方法)をも含む。当該処置方法は、収容状態であって、第1の当接部105を第1の受け部86と当接可能な状態として移動部80の操作本体部71に対する近位側への移動を制限した医療デバイス1を準備するステップと、医療デバイス1の保護管60および穿刺部31を生体内に挿入するステップと、解除部100を回転させて、第1の当接部105を第1の受け部86との当接が解除された状態とするステップと、保護管60を遠位側へ移動させて卵円窩Oに押し当てることで、保護管60を穿刺部31に対して相対的に近位側へ移動させて、穿刺部31を保護管60から相対的に遠位側へ突出させるステップと、穿刺部31により卵円窩Oに孔を形成するステップと、卵円窩Oに形成された孔に保護管60を押し込むステップと、保護管60を穿刺部31に対して相対的に遠位側へ移動させて、保護管60に穿刺部31を収容するステップと、を有する。
上記のように構成した処置方法は、第1の当接部105を第1の受け部86と当接可能となることで、保護管60に穿刺部31を収容した状態を良好に維持できる。このため、穿刺部31による目的外の部位への誤穿刺が抑制されて、安全性を高めることができる。また、解除部100を回転させて、第1の当接部105を第1の受け部86との当接が解除された状態とすることで、穿刺部31が保護管60から相対的に遠位側へ突出可能となる。したがって、適切な位置で穿刺部31を突出可能とし、保護管60を卵円窩Oに押し当てることで穿刺部31を保護管60から突出させて、卵円窩Oに孔を形成できる。また、針部30を摺動可能に保持する保護管60を、卵円窩Oに形成された孔に押し込むため、保護管60によって当該孔を効率よく拡張できる。
なお、本発明は、上述した実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の技術的思想内において当業者により種々変更が可能である。例えば、上述した医療デバイス1は、卵円窩以外の生体内の生体組織を穿刺するために用いられてもよい。
また、針部が、中空であってもよい。この場合、針部の内腔を利用して、薬剤や造影剤を注入したり、または心臓の内部の血液を外部へ導いて、血圧を計測したりすることができる。血圧を計測することで、針部の左心房Lへの到達を正確に確認することができる。
また、図12に示す第1の変形例のように、解除部110は、第2の当接部を備えなくてもよい。なお、前述の実施形態と同様の機能を有する部位には、同一の符号を付し、説明を省略する。移動部120は、第2の凸部および第2の受け部を備えなくてもよい。このような構造であっても、解除部110を回転させることで、第1の当接部105および第1の受け部86により構成される安全機構を作動させ、または解除することができる。
また、図13に示す第2の変形例のように、移動部130の第1の受け部131および第2の受け部132は、凸部に形成されるのではなく、第1の凹部133および第2の凹部134に形成されてもよい。
また、図14、15に示す第3の変形例のように、移動部140に設けられる第1の受け部141および第2の受け部142は、回転軸103と平行に対向面82側に突出する柱状(線状)の部材であってもよい。第1の受け部141に当接可能な解除部150の第1の当接部151は、回転軸103に連結される支持部153の端部に、柱状の第1の受け部141に引っ掛かることが可能なフック形状である。第2の受け部142に当接(当接)する第2の当接部152は、支持部153の端部に形成される。このような構造であっても、フック形状の第1の当接部151が、柱状の第1の受け部141に引っ掛かるように当接できる。また、支持部153の端部である第2の当接部152は、柱状の第2の受け部142に当接して、解除部150を回転させて、第1の受け部141と第1の当接部151の当接を解除し、安全機構を解除できる。
また、図16に示す第4の変形例のように、保護管170の内径は、穿刺部31を収容する遠位部171よりも近位側において、遠位部171よりも大きくてもよい。これにより、保護管170と針部30の摺動抵抗が減少し、針部30を保護管170の内部で円滑に移動させることができる。また、保護管170の遠位側端部172の外径は、遠位側へ向かってテーパ状に減少している。これにより、保護管170を生体組織に形成した孔に円滑に挿入でき、かつ当該孔を保護管170によって効果的に拡張できる。
また、穿刺デバイスは、付勢部を備えなくてもよい。また、本実施形態では、第1の当接部105が移動部80に対して近接した状態が、第1の受け部86と当接可能な状態であり、第1の当接部105が移動部80に対して離間した状態が、第1の受け部86に対しての当接を解除された状態である。しかしながら、移動部の構造によっては、第1の当接部が移動部に対して近接した状態が、第1の受け部に対しての当接を解除された状態となり、第1の当接部が移動部に対して離間した状態が、第1の受け部と当接可能な状態となることもあり得る。
1 医療デバイス、
10 穿刺デバイス、
20 シース組立体、
30 針部、
31 穿刺部、
40 ダイレータ、
41A ルーメン(内腔)、
60、170 保護管、
70 操作部、
71 操作本体部、
80、120、130、140 移動部、
83 第1の側面、
84 第2の側面、
85 第1の凸部、
86、131、141 第1の受け部、
87 第2の凸部、
88、132、142 第2の受け部、
90 付勢部、
100、110、150 解除部、
103 回転軸、
105、151 第1の当接部、
106、152 第2の当接部、
133 第1の凹部、
134 第2の凹部、
O 卵円窩(生体組織)、
L 左心房、
R 右心房。

Claims (8)

  1. 生体内の生体組織に孔を形成するための医療デバイスであって、
    遠位側の端部に鋭利な穿刺部が設けられる長尺な針部と、
    前記針部を摺動可能に収容する長尺な保護管と、
    前記針部の近位部が連結される操作部と、
    前記保護管の近位部が連結され、前記操作部に対して前記針部の軸方向に沿って移動可能な移動部と、を有し、
    前記操作部は、
    前記針部が連結される操作本体部と、
    前記操作本体部に連結され、前記移動部の移動方向と交差する回転軸で回転可能な解除部と、を有し、
    前記解除部は、第1の当接部を有し、
    前記移動部は、前記第1の当接部と当接可能な第1の受け部を有し、
    前記第1の受け部は、移動することで直線的な軌跡を描き、
    前記第1の当接部は、回転することで前記第1の受け部が描く軌跡と部分的に重なる軌跡を描き、
    前記第1の当接部が前記第1の受け部の軌跡上に位置する場合、前記第1の当接部は、前記第1の受け部と当接可能であり、
    前記第1の当接部が前記第1の受け部と当接することで、前記移動部が前記操作本体部に対して近位側へ移動することを制限され、前記穿刺部が前記保護管に収容された状態を維持し、
    前記第1の当接部が前記第1の受け部の軌跡と異なる位置に位置する場合、前記第1の当接部は、前記第1の受け部との当接を解除可能であり、
    前記第1の当接部が前記第1の受け部との当接を解除されていることで、前記移動部が前記操作本体部に対して近位側へ移動可能であり、前記穿刺部が前記保護管から相対的に遠位側へ突出可能である医療デバイス。
  2. 前記移動部を前記操作部に対して遠位方向へ付勢する付勢部をさらに有する請求項1に記載の医療デバイス。
  3. 前記移動部は、移動方向に延在する第1の側面を有し、
    前記第1の受け部は、前記第1の側面に形成され、
    前記第1の当接部は、前記解除部が回転することで、前記第1の側面に近接および離間可能である請求項1または2に記載の医療デバイス。
  4. 前記解除部は、第2の当接部をさらに有し、
    前記移動部は、前記操作本体部に対して遠位側へ移動することで前記第2の当接部と当接可能な第2の受け部を有し、
    前記第2の当接部が第2の受け部に当接することで、前記解除部が前記第2の受け部から力を受けて回転し、前記第1の当接部が前記第1の受け部に対しての当接を解除された状態から前記第1の受け部と当接可能な状態へ移行可能である請求項1〜3のいずれか1項に記載の医療デバイス。
  5. 前記第1の当接部および第2の当接部は、前記解除部の中心軸を挟んで位置し、かつ前記移動部を挟んでいる請求項4に記載の医療デバイス。
  6. 前記第1の当接部および第2の当接部は、前記解除部の回転軸と平行であり、かつ前記移動部の移動方向と交差する線状の部材であり、
    前記第1の受け部および第2の受け部は、前記移動部の移動方向に延在する側面に形成される凸部または凹部に設けられる請求項5に記載の医療デバイス。
  7. 前記解除部は、前記操作本体部の外部に位置して回転操作が可能な回転盤を有する請求項1〜6のいずれか1項に記載の医療デバイス。
  8. 請求項1に記載の医療デバイスを使用して生体内で生体組織に孔を形成するための処置方法であって、
    前記第1の当接部を前記第1の受け部と当接可能な状態として前記移動部の前記操作本体部に対する近位側への移動を制限した前記医療デバイスを準備するステップと、
    前記医療デバイスの前記保護管および穿刺部を生体内に挿入するステップと、
    前記解除部を回転させて、前記第1の当接部を前記第1の受け部との当接が解除された状態とするステップと、
    前記医療デバイスを遠位側へ移動させて前記保護管を生体組織に押し当てることで、前記保護管を前記穿刺部に対して相対的に近位側へ移動させて、前記穿刺部を前記保護管から相対的に遠位側へ突出させるステップと、
    前記穿刺部により生体組織に孔を形成するステップと、
    前記生体組織に形成された孔に前記保護管を押し込むステップと、
    前記保護管を前記穿刺部に対して相対的に遠位側へ移動させて、前記保護管に前記穿刺部を収容するステップと、を有する処置方法。
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