JP2019205373A - 塩分除去具 - Google Patents

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【課題】本発明は、味わいの変化を抑制させつつ、液状食品中に含まれる塩分量を低減させることができる塩分除去具を提案する。【解決手段】本発明の塩分除去具は、液状食品中に投入することによりこの液状食品の塩分濃度を低減させる塩分除去具であって、液状食品よりも塩分濃度の低い液体を内部に収容する、半透膜で形成された収容体である塩分除去フィルタを備え、塩分除去フィルタは、液体が外部に漏れ出ないように封止されている。【選択図】 図1

Description

本発明は、液状食品中に含まれる塩分量を低減させる塩分除去具に関する。
高塩分が高血圧を招き、循環器疾患(脳卒中・心筋梗塞)のリスクを高くすると報告されている(非特許文献1)。このような背景の下、2009年の高血圧治療ガイドラインでは、塩分摂取量の目標量を1日6g未満としている(非特許文献2)。
ところで、米国における一般的な中年期男女の塩分摂取量が1日8g程度(非特許文献3)であるのに対して、日本では1日の塩分摂取量が11〜12g程度となっている(非特許文献4、非特許文献5)。
このため、特に日本において2009年の高血圧治療ガイドラインが推奨する塩分摂取量(1日6g未満)となるように、1日の摂取量を制限するにはかなりの努力と工夫とを要する。しかしながら、現時点における、塩分摂取量を制限するための最も有効な方法といえば、調理の際に使用する塩分量を減らすことのみである(非特許文献6)。
このような塩分摂取量を制限する方法は、外食など不特定多数の人を対象に調理される料理の場合、一律に塩分量を減らすことはできず、不適切となる。また、調理の際に使用する塩分量を減らすために、料理を水で希釈したりすると、塩分だけでなくうまみ成分の濃度も低下し、味が極めて低下することとなる。
したがって、外食などでは、上記した塩分摂取量の制限方法を採用することができないため、各個人が自身に必要な塩分摂取量を考え、メニューから塩分量の少ない献立を選ぶなどして対応する必要がある(非特許文献7)。
このため、各個人において必要に応じて適宜、減塩できる手段が求められている。そこで、味噌汁、スープ、そば汁等の液状食品中に投入して減塩を行うナトリウムイオン置換パックが提案されている(特許文献1)。特許文献1に開示されたナトリウムイオン置換パックは、ナトリウムイオン交換樹脂を、水及び陽イオンが透過可能な材質からなるパックに封入しており、液状食品中に含まれるナトリウムイオンをカリウムイオンと交換させることで減塩することができる。
実公平4−23427号公報
Am J Clin Nutr. 2010年91巻 456-464ページ 日本高血圧学会高血圧治療ガイドライン作成委員会. 高血圧治療ガイドライン2009.日本高血圧学会,東京 2009 The INTERSALT Co-operative Research Group. The INTERSALT Study. An international co-operative study of electrolyte excretion and blood pressure: Further results. Appendix tables. Centre-specific results by age and sex. J Hum Hypertens 1989; 3: 331-407.) Nakagawa H, Morikawa Y, Okayama A, et al. Trends in blood pressure and urinary sodium and potassium excretion in Japan: reinvestigation in the 8th year after the Intersalt Study. J Hum Hypertens 1999; 13: 735-741. 健康・栄養情報研究会編.国民栄養の現状 平成14年度厚生労働省国民栄養調査結果.第一出版,東京 2004. 塩分一日6gの健康献立小川 聖子, 斉藤 君江, 高城 順子 (著)、女子栄養大学出版部 外食ミニガイド―エネルギー・たんぱく質・脂質・糖質・塩分、女子栄養大学出版部)
しかしながら、特許文献1に開示されたナトリウムイオン置換パックは、ナトリウムイオンをカリウムイオンと交換させる構成である。このため、液状食品中に含まれる塩分量を低減させることはできたとしても、逆に液状食品中に含まれるカリウムの量が多くなってしまうため、カリウムの過剰摂取を引き起こしたり、液状食品の味わいを変化させたりするという問題が生じる。
本発明は、上述した問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、味わいの変化を抑制させつつ、液状食品中に含まれる塩分量を低減させることができる塩分除去具を提供することにある。
本発明のある形態に係る塩分除去具は、上記した課題を解決するために、液状食品中に投入することにより該液状食品の塩分濃度を低減させる塩分除去具であって、前記液状食品よりも塩分濃度の低い液体を内部に収容する、半透膜で形成された収容体である塩分除去フィルタを備え、前記塩分除去フィルタは、前記液体が外部に漏れ出ないように封止されている。
ここで、液状食品とは、例えば、味噌汁、スープ、そば汁等の液状の食品である。
上記構成によると、塩分除去フィルタは、液状食品よりも塩分濃度の低い液体を内部に収容する。このため、塩分除去具を液状食品中に投入することで、塩分除去フィルタ内の液体の塩分濃度と液状食品中の塩分濃度との差から、拡散により液状食品中のナトリウムイオンを塩分除去フィルタ内に移動させることができる。
また、塩分除去フィルタは、半透膜により形成されているため、ナトリウムイオンよりも大きな粒径サイズを有する、液状食品中の呈味成分が塩分除去フィルタ内に移動することを妨げることができる。
よって、本発明に係る塩分除去具は、味わいの変化を抑制させつつ、液状食品中に含まれる塩分量を低減させることができるという効果を奏する。
また、本発明のある形態に係る塩分除去具は、上記した構成において、前記塩分除去フィルタは、両端部が封止され、内部に前記液体を収容した中空糸膜により形成されていてもよい。
また、本発明のある形態に係る塩分除去具は、上記した構成において、前記中空糸膜の分画分子量は、150以上、20000以下の範囲の値であってもよい。
また、本発明のある形態に係る塩分除去具は、上記した構成において、前記塩分除去フィルタの内容積1mLに対する該塩分除去フィルタの表面積が80cm以上、800cm以下であってもよい。
また、本発明のある形態に係る塩分除去具は、上記した構成において、前記液体は、前記半透膜を透過可能な粒径サイズを有する呈味成分を含む水溶液であってもよい。
上記構成によると、塩分除去具を液状食品中に投入することで、塩分除去フィルタ内の液体の塩分濃度と液状食品中の塩分濃度との差から、拡散により液状食品中のナトリウムイオンを塩分除去フィルタ内に移動させることができる。
また、塩分除去フィルタ内に収容される液体は、半透膜を透過可能な粒径サイズを有する呈味成分を含む水溶液であるため、拡散により塩分除去フィルタ内から液状食品中にこの呈味成分を移動させることができる。
このため、塩分除去具は、液状食品中に投入されることによって、液状食品中の塩分を低減させることができるとともに、該液状食品中に呈味成分を付加させることができる。
また、本発明のある形態に係る塩分除去具は、上記した構成において、前記塩分除去フィルタを収容する、布製の袋をさらに備え、前記袋は、前記塩分除去フィルタを収容する収容空間である収容部と、前記収容部の上部に設けられ該収容部内に前記塩分除去フィルタを出し入れするための開口部と、前記開口部を塞ぐために、該開口部の縁に沿って設けられた蓋部と、を有する構成であってもよい。
上記構成によると、袋を備えるため、該袋内に複数の塩分除去フィルタをばらばらに分散させた状態で収容させ、液状食品中に投入することができる。
このため、液状食品中に含まれる塩分除去の効率を向上させることができる。
本発明は以上に説明したように構成され、味わいの変化を抑制させつつ、液状食品中に含まれる塩分量を低減させることができるという効果を奏する。
本発明の実施形態に係る塩分除去具が備える塩分除去フィルタの一例を示す模式図である。 本発明の実施の形態に係る塩分除去具の一例を示す図である。 本発明の実施例に係る中空糸型モジュールの構造の一例を示す図である。
以下、本発明の好ましい実施の形態を、図面を参照して説明する。なお、以下では全ての図を通じて同一又は対応する構成部材には同一の参照符号を付して、その説明については省略する。
図1は、本発明の実施形態に係る塩分除去具10が備える塩分除去フィルタ11の一例を示す模式図である。図1に示すように、塩分除去フィルタ11は、中空糸膜22から構成されており、中空糸膜22の内部には食用液が充填され、その両端部は該食用液が外部に漏れないように熱着により閉じられた構造となっているが、このような構造に限定されたものではなく、食用液が充填された中空糸膜22の両端部を紐等で物理的に縛る、物理的に切断して両端開口部を潰す、または切断した両端部を接着剤(人体に無害なもの)で接着する等の構造であってもよい。なお、食用液は、実質的に塩分を含まない飲用可能な液体であって、例えば、RO水、水道水、ミネラルウォーター等が例示できる。食用液は、液状食品よりも塩分濃度の低い飲用可能な液体であればよい。
塩分除去フィルタ11を構成する中空糸膜22は、半透膜により形成されており、液状食品中に含まれるナトリウムイオンが該中空糸膜22内に移動可能となっている。なお、中空糸膜22のカットオフ分子量(分画分子量)を、例えば、150以上、20000以下の範囲の値とすることができる。分画分子量が150より小さいと塩分除去効率が低下し作用効果を得ることができない可能性がある。また、分画分子量が20000を超えると旨味成分が除去される可能性がある。また、中空糸膜22を形成する材料としては、例えば、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアクリロニトリル、ポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、セルロースアセテート、再生セルロース等を用いることができる。
塩分除去具10は、図2に示すように合成繊維からなる布または不織布により形成された袋12内に所定個数の塩分除去フィルタ11を収容させた構成となっている。図2は、本発明の実施の形態に係る塩分除去具10の一例を示す図である。図2では、袋12内に収容された塩分除去フィルタ11を示すため、部分的に内部の状態を示している。
塩分除去具10では、図2に示すように複数の塩分除去フィルタ11が束状にまとめられた状態で袋12に収容されていてもよいし、複数の塩分除去フィルタ11がそれぞればらばらの状態で袋12に収容されていてもよい。
袋12は、図2に示すように、塩分除去フィルタ11を収容する収容空間を形成する収容部12aと、この収容部12aの上部に設けられた開口部12bとを有している。そして、袋12は、開口部12bを通じて塩分除去フィルタ11を収容部12a内から出し入れすることができる構造となっている。また、また袋12は、開口部12bの縁に沿って配置された帯状の蓋部12cを備えている。そして、この蓋部12cを開口部12bの縁に沿って、該開口部12b側に折り返すことで開口部12bを塞ぐことができる。このため、袋12内に塩分除去フィルタ11を収容した後、蓋部12cによって、塩分除去フィルタ11が袋12内から外部にでてしまうことを防ぐことができる。袋12としては、例えば、だしパック、または茶パック等を利用することができる。
また、袋12の正面形状において、開口部12bが設けられている側の端部を上部、開口部12bと対向する端部を底部とし、上部と底部とを連結する端部を側部としたとき、図2に示すように袋12は略四角形となっている。このような形状において、袋12の縦寸法(側部の寸法)は60mm以上、150mm以下の範囲の値とし、横寸法(底部または上部の寸法)は50mm以上、150mm以下の範囲の値とすることが好ましい。袋12の縦寸法および横寸法を上記した範囲とすることで、家庭において、液状食品が収容されている容器内に好適に塩分除去具10を投入することができる。
また、袋12は、図2に示すように、正面形状が四角形となる形状をしているが、この形状に限定されるものではない。例えば、袋12は、正面形状が円形であってもよい。また、袋12は、中空糸膜22が収容空間から漏れ出ないように構成されていればよく、上記の態様や実施例に限定されたものではない。
以上のように構成された塩分除去具10は、味噌汁等の液状食品内に投入され、所定時間経過後に引き上げるようにして利用される。液状食品内に投入された際、拡散により液状食品内に含まれるナトリウムイオンが塩分除去フィルタ11内に浸透することができる。このため、塩分除去具10を液状食品内から引き上げることにより液状食品内の塩分を低減させることができる。また、液状食品における、塩以外の呈味成分のうち、ナトリウムイオンより粒子サイズが大きい物質は、ナトリウムイオンより拡散係数が小さいため、塩分除去フィルタ11を構成する中空糸膜22を透過する速度がナトリウムイオンより遅くなる。このため、塩分除去フィルタ11によって液状食品内から除去されてしまう呈味成分量を抑制することができる。つまり、液状食品の風味の変化を抑制することができる。呈味成分としては、グルタミン酸、イノシン酸、グアニル酸、コハク酸、アスパラギン酸等が例示される。
また、効率的に液状食品内の塩分量を低減させるためには、塩分除去フィルタの内容積1mLに対する塩分除去フィルタの表面積が80cm以上〜800cm以下となることが好ましい。この比率が80cmより小さいと中空糸膜の内径が大きくなりすぎて使用しにくい場合があり、この比率が800cmより大きいと、中空糸膜の内径が小さくなりすぎて塩分除去性能が低下する可能性がある。なお、塩分除去具10が複数の塩分除去フィルタ11を袋12内に収容させた構成となる場合、塩分除去フィルタ11の内容積とは、複数の塩分除去フィルタ11の内容積の合計となり、塩分除去フィルタ11の表面積とは、複数の塩分除去フィルタ11の表面積の合計となる。
塩分除去フィルタ11の内容積が大きくなればなるほど液状食品から取り除くことができるナトリウムイオンの量を多くすることができ、表面積が大きくなればなるほど液状食品から塩分除去フィルタ11内に移動するナトリウムイオンの単位時間当たりの量が多くなる。
なお、上記した塩分除去具10は、食用液が充填された中空糸膜22からなる、所定個数の塩分除去フィルタ11を袋12に収容する構成であったがこの構成に限定されるものではない。例えば、塩分除去フィルタ11が1つだけで十分な場合、袋12を不要とすることができる。
また、塩分除去具10が備える塩分除去フィルタ11は、食用液が充填された中空糸膜22から構成されていたが、この構成に限定されるものではない。例えば、塩分除去フィルタ11は、中空糸膜22の代わりにナトリウムイオンを透過可能とする半透膜により形成された袋または容器を備え、半透膜により形成された袋または容器内に食用液が充填された構成としてもよい。
(実施例)
本発明の実施例について説明する。なお、実施例では、塩分除去フィルタ11内に充填する食用液としてRO水を利用する構成を例示するが、食用液はこのRO水に限定されるものではない。
(塩分除去フィルタの作製方法)
まず、図3を参照して実施例に係る塩分除去フィルタ11の作製方法について説明する。図3は本発明の実施例に係る中空糸型モジュール20の構造の一例を示す図である。図3では、中空糸型モジュール20の内部構造が明確となるように、部分的に断面図によって構成を示している。
塩分除去フィルタ11の作製にあたり、図3示す中空糸型モジュール20を準備した。この中空糸型モジュール20は、円筒形の本体ケース21と該本体ケース21の両端に設けられたヘッダー23a、23bとを備えており、例えば、透析に利用されるダイアライザが例示できる。中空糸型モジュール20は、本体ケース21の内部において、一対の中空糸膜支持体24が設けられており、この一対の中空糸膜支持体24によって中空糸膜22が100〜18000本程度束ねられた束状に支持されている。なお図3ではヘッダー23b側の中空糸膜22の端部位置に設けられた中空糸膜支持体24のみ図示しているが、ヘッダー23b側の中空糸膜22の端部位置にも同様に中空糸膜支持体24が設けられている。
なお、中空糸膜22は内径が500μm、中空糸膜厚が150μm、カットオフ分子量が6000であるポリエーテルスルホン製中空糸膜を用いた。
このように準備された中空糸型モジュール20において中空糸膜22内にRO水を供給し、中空糸膜22内をRO水で満たした。そして、中空糸型モジュール20の本体ケース21を取り除き、中空糸膜22を50mm間隔で切断した。そして、切断された中空糸膜22の両端部を熱融着させた。このようにして、塩分除去フィルタ11を作製した。このとき、作製された塩分除去フィルタ11の1個あたりの重量は、8.57gであり、そのうち6.57gが中空糸膜22内に充填されたRO水の重量となる。
次に、重さ2gの塩分除去フィルタ11を、縦95mm×横70mmの布製の袋12内に収容させて塩分除去具10を完成させた。
(塩分除去実験)
まず、食用液として、塩分濃度が1.5%であり重量が124.5gの味噌汁α、塩分濃度が1.2%であり重量が126.5gの味噌汁β、塩分濃度が1.3%であり重量が92.6gの味噌汁γをそれぞれ用意した。
味噌汁α〜γそれぞれに、上記した方法により作製した塩分除去具10を、180秒間浸した後、取り出し、味噌汁の塩分濃度を測定したところ、以下の表1に示す結果となった。
Figure 2019205373
表1に示すように、味噌汁αは、塩分除去具使用前の塩分濃度が1.5%であったが、塩分除去具使用後は、塩分濃度が1.3%まで低下した。また、味噌汁βは、塩分除去具使用前の塩分濃度が1.2%であったが、塩分除去具使用後は、塩分濃度が0.9%まで低下した。さらに、味噌汁γは、塩分除去具使用前の塩分濃度が1.3%であったが、塩分除去具使用後は、塩分濃度が0.7%まで低下した。
このことから、塩分除去具10は、味噌汁α、β、γいずれに対しても塩分濃度を低下させることができることが分かった。
(官能検査1)
次に、上記方法により作製した塩分除去具10を用いて減塩した味噌汁の風味変化を調べるために以下の官能検査(官能検査1)を行った。
まず、一般的な製法で作った味噌汁を複数の容器に取り分け、一部の容器に入れられた味噌汁は塩分除去具10によって塩分量を低減させた味噌汁とし、他の容器に入れられた味噌汁は塩分量を低減させていない味噌汁とした。両者は、外観からは区別がつかないように同じ容器に同じ分量だけ入れた。そして、5人の被験者に準備した味噌汁を試飲してもらい味を比べてもらった。
その結果、被験者1、2は塩分除去具10を用いて塩分量を低減させた味噌汁と、塩分量を低減させていない味噌汁とを明確に区別できなかった。一方、被験者3、4、5は、塩分除去具10を用いて塩分量を低減させた味噌汁の方が、塩分量を低減させていない味噌汁よりも味が薄くなったが、味噌汁のうまみの低下は感じられなかった。
以上の結果から、塩分除去具10によって塩分量が低減されたとしても、味噌汁のうまみは維持されていることが分かった。
(官能検査2)
次に、塩分除去フィルタ11内に充填する食用液をRO水からだし汁に代えて、塩分除去具10を用いて減塩した味噌汁の風味変化を調べた。
まず、上記した方法により作製した塩分除去具10において、だし汁を中空糸膜22内に充填させた塩分除去フィルタ11を備える塩分除去具10を準備した。そして、官能検査1と同様に、塩分除去具10によって塩分量を低減させた味噌汁と、塩分量を低減させていない味噌汁とを準備した。両者は、区別がつかないように同じ容器に同じ分量だけ入れた。そして、6人の被験者に準備した味噌汁を試飲してもらい味を比べてもらった。
その結果、1人の被験者は、塩分除去具10を用いて塩分量を低減させた味噌汁と、塩分量を低減させていない味噌汁とを明確に区別できなかった。一方、5人の被験者は、塩分除去具10を用いて塩分量を低減させた味噌汁の方が美味であると感じた。
以上の結果から、塩分除去具10の構成を、だし汁を中空糸膜22内に充填させた塩分除去フィルタ11を備える構成とすることで、味噌汁中の塩分濃度を低下させるとともに、味噌汁の旨みを増すことができることが分かった。
上記説明から、当業者にとっては、本発明の多くの改良や他の実施形態が明らかである。従って、上記説明は、例示としてのみ解釈されるべきであり、本発明を実行する最良の態様を当業者に教示する目的で提供されたものである。本発明の精神を逸脱することなく、その構造及び/又は機能の詳細を実質的に変更できる。
また、添付図面に図示されている大きさや形状などについては、これに限定されず、本発明の効果を発揮する範囲内で適宜変更することが可能である。例えば、上記実施の形態において、食用液を充填した、1つの中空糸膜を塩分除去フィルタとしてもよい。あるいは、複数の中空糸膜をまとめて一つの塩分除去フィルタとしてもよい。また、塩分除去フィルタ自体を塩分除去具としてもよいし、複数の塩分除去フィルタを目の粗い布製の袋に数十本から数百本をまとめて収容させたもの又はばらばらに分散させた状態で収容したものを一つの塩分除去具としてもよい。その他、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施することが可能である。また、中空糸膜22内に水を満たす方法は実施例に限定されたものではなく、例えば中空糸膜22をエタノール等に浸漬して中空糸膜内をエタノールで満たした後に、水に浸漬して中空糸内を水に置換する方法を採用してもよい。
本発明の塩分除去具は、家庭で味噌汁などの液状食品の減塩を行う際に有用である。
10 塩分除去具
11 塩分除去フィルタ
12 袋
12a 収容部
12b 開口部
12c 蓋部

Claims (6)

  1. 液状食品中に投入することにより該液状食品の塩分濃度を低減させる塩分除去具であって、
    前記液状食品よりも塩分濃度の低い液体を内部に収容する、半透膜で形成された収容体である塩分除去フィルタを備え、
    前記塩分除去フィルタは、前記液体が外部に漏れ出ないように封止されている塩分除去具。
  2. 前記塩分除去フィルタは、両端部が封止され、内部に前記液体を収容した中空糸膜により形成されている請求項1に記載の塩分除去具。
  3. 前記中空糸膜の分画分子量は、150以上、20000以下の範囲の値である請求項2に記載の塩分除去具。
  4. 前記塩分除去フィルタの内容積1mLに対する該塩分除去フィルタの表面積が80cm以上、800cm以下となる請求項1から3のいずれか1項に記載の塩分除去具。
  5. 前記液体は、前記半透膜を透過可能な粒径サイズを有する呈味成分を含む水溶液である請求項1から4のいずれか1項に記載の塩分除去具。
  6. 前記塩分除去フィルタを収容する、布製の袋をさらに備え、
    前記袋は、前記塩分除去フィルタを収容する収容空間である収容部と、
    前記収容部の上部に設けられ該収容部内に前記塩分除去フィルタを出し入れするための開口部と、
    前記開口部を塞ぐために、該開口部の縁に沿って設けられた蓋部と、を有する、請求項1から5のいずれか1項に記載の塩分除去具。
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