JP2019204667A - 蓄電装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】積層方向における端に配置された蓄電モジュールのオーバハング部の変形を抑制することができる蓄電装置を提供する。【解決手段】蓄電装置1は、複数の蓄電モジュール4と、複数の導電板5と、一対のエンドプレート8A,8Bと、を備える。蓄電モジュール4は、電極積層体11と、封止体12と、を有する。封止体12は、電極積層体11の側面11a側から積層方向D1における電極積層体11の端面11b側へ回り込んだオーバハング部24を含む。積層方向D1における端に配置された蓄電モジュール4のオーバハング部24と、エンドプレート8Aとの間には、積層方向D1における外側へのオーバハング部24の変形を抑制する突出部9bが配置されている。【選択図】図2
Description
本発明は、蓄電装置に関する。
従来、電極板の一方面上に正極が設けられ、他方面上に負極が設けられたバイポーラ電極を備えた、いわゆるバイポーラ型の蓄電モジュールが知られている(特許文献1参照)。このような蓄電モジュールは、複数のバイポーラ電極が積層された電極積層体を備えている。電極積層体の側面には、隣り合うバイポーラ電極間を封止する封止体が設けられている。
上述したような蓄電モジュールを互いの間に導電部材を介在させつつ複数積層することにより、蓄電装置を構成することが考えられる。ところで、上述したような蓄電モジュールでは、使用条件等により電極積層体の内圧が上昇する場合がある。この場合において、封止体が、電極積層体の側面側から積層方向における端面側へ回り込んだオーバハング部を有していると、オーバハング部が積層方向における外側に変形することが考えられる。
上述したような蓄電装置においては、積層方向における中間に配置された蓄電モジュールでは、オーバハング部が変形したとしても、隣り合うオーバハング部に当接することで、更なる変形が抑制される。一方、積層方向における端に配置された蓄電モジュールでは、中間に配置された蓄電モジュールとは異なり、オーバハング部の変形が抑制されない。
オーバハング部が過大に変形すると、オーバハング部において封止体が破断したり、封止体とバイポーラ電極との間に隙間が生じたりするおそれがある。封止体の破断又は封止体とバイポーラ電極との間の隙間の形成は、電極積層体内に収容された電解液の漏出の原因となり得る。したがって、上述したような蓄電装置には、積層方向における端に配置された蓄電モジュールのオーバハング部の変形を抑制するための技術が望まれる。
本発明は、積層方向における端に配置された蓄電モジュールのオーバハング部の変形を抑制することができる蓄電装置を提供することを目的とする。
本発明の一側面に係る蓄電装置は、積層された複数の蓄電モジュールと、隣り合う蓄電モジュール間と、蓄電モジュールの積層方向における複数の蓄電モジュールの両側とにそれぞれ配置された複数の導電部材と、複数の蓄電モジュール及び複数の導電部材を積層方向に挟み、複数の蓄電モジュール及び複数の導電部材に拘束加重を付加する一対の拘束部材と、を備え、蓄電モジュールは、複数のバイポーラ電極が積層方向に沿って積層された電極積層体と、電極積層体の側面に設けられて枠状を呈し、隣り合うバイポーラ電極間を封止する封止体と、を有し、封止体は、電極積層体の側面側から積層方向における電極積層体の端面側へ回り込んだオーバハング部を含み、積層方向における端に配置された蓄電モジュールのオーバハング部と、拘束部材との間には、積層方向における外側へのオーバハング部の変形を抑制する変形抑制部が配置されている。
この蓄電装置では、積層方向における端に配置された蓄電モジュールのオーバハング部と、拘束部材との間に、積層方向における外側へのオーバハング部の変形を抑制する変形抑制部が配置されている。これにより、積層方向における端に配置された蓄電モジュールの内圧が上昇した場合でも、当該蓄電モジュールのオーバハング部が積層方向における外側に変形することを変形抑制部によって抑制することができる。オーバハング部の変形を抑制することにより、封止体の破断や封止体とバイポーラ電極との間の隙間の形成を抑制することができ、電極積層体の外部への電解液の漏出を防止することができる。
蓄電装置は、拘束部材と、拘束部材に隣り合う導電部材との間に介在する絶縁部材を更に備え、絶縁部材は、拘束部材に沿って延在する平板部と、平板部から積層方向に沿って突出した突出部と、を有し、変形抑制部は、突出部によって構成されていてもよい。この場合、絶縁部材の突出部によって構成された変形抑制部により、積層方向における外側へのオーバハング部の変形を抑制することができる。
隣り合う一方の蓄電モジュールの封止体には、隣り合う他方の蓄電モジュールの封止体側に突出した凸部が設けられており、他方の蓄電モジュールの封止体には、凸部に対応した凹部が設けられており、凸部は、凹部内に位置しており、絶縁部材の突出部は、積層方向における端に配置された蓄電モジュールが有する封止体の凹部内に位置していてもよい。この場合、例えば、一の蓄電モジュールを別の蓄電モジュールに対して反対向きに積層しようとすると突出部同士が干渉するため、蓄電モジュール同士を誤った向きで組み付けてしまう誤組み付けを防止することができる。更に、絶縁部材と蓄電モジュールとを反対向きに組み付けようとすると突出部と凸部とが干渉するため、絶縁部材と蓄電モジュールとを誤った向きで組み付けてしまう誤組み付けを防止することもできる。
積層方向における端に配置された蓄電モジュールのオーバハング部と、拘束部材との間に配置された弾性部材を更に備え、変形抑制部は、弾性部材によって構成されていてもよい。この場合、弾性部材によって構成された変形抑制部により、積層方向における外側へのオーバハング部の変形を抑制することができる。
変形抑制部は、積層方向に直交する方向から見た場合に、導電部材と重なっていてもよい。この場合、積層方向における外側へのオーバハング部の変形を確実に抑制することができる。
変形抑制部は、積層方向から見た場合に、オーバハング部に沿った環状を呈していてもよい。この場合、積層方向における外側へのオーバハング部の変形を一層確実に抑制することができる。
導電部材には、積層方向に直交する所定方向に沿って延在する流路が設けられており、変形抑制部において、積層方向及び所定方向の双方に直交する方向に沿って延在する辺部は、所定方向に沿って延在する辺部よりも薄くてもよい。この場合、例えば流路内に冷媒を流通させる場合に、冷媒の流通が変形抑制部によって妨げられるのを抑制することができ、冷媒を効果的に流通させることができる。
封止体は、複数のバイポーラ電極の縁部にそれぞれ設けられた複数の一次封止体と、複数の一次封止体を外側から包囲する二次封止体と、を有し、オーバハング部は、二次封止体の一部であってもよい。この場合、隣り合うバイポーラ電極間を封止体によって確実に封止することができる。
封止体は、樹脂の射出成形体であってもよい。この場合、封止体が樹脂の射出成形体である構成において、積層方向の端に配置された蓄電モジュールのオーバハング部の変形を抑制することができる。
本発明によれば、積層方向の端に配置された蓄電モジュールのオーバハング部の変形を抑制することができる。
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の説明において、同一又は相当要素には同一符号を用い、重複する説明を省略する。
[蓄電装置の構成]
[蓄電装置の構成]
図1に示される蓄電装置1は、例えば、フォークリフト、ハイブリッド自動車、電気自動車等の各種車両のバッテリとして用いられる。蓄電装置1は、蓄電モジュール積層体2と、拘束部材3と、を備えている。
蓄電モジュール積層体2は、複数(本実施形態では3体)の蓄電モジュール4と、複数(本実施形態では4枚)の導電板(導電部材)5と、を備えている。複数の蓄電モジュール4は、所定の積層方向D1に沿って積層されている。蓄電モジュール4は、後述するバイポーラ電極14を備えたバイポーラ電池である。蓄電モジュール4は、積層方向D1から見た場合に、例えば矩形状を呈している。蓄電モジュール4は、例えば、ニッケル水素二次電池、リチウムイオン二次電池等の二次電池、又は電気二重層キャパシタである。以下の説明では、蓄電モジュール4がニッケル水素二次電池である場合を例示する。
複数の導電板5は、積層方向D1に隣り合う蓄電モジュール4,4間に配置された導電板5を含んでいる。これらの導電板5は、積層方向D1に隣り合う蓄電モジュール4,4間に介在し、積層方向D1に隣り合う蓄電モジュール4,4同士を電気的に接続している。これにより、複数の蓄電モジュール4は、電気的に直列に接続されている。
複数の導電板5は、積層方向D1における複数の蓄電モジュール4の両側に配置された導電板5を更に含んでいる。複数の蓄電モジュール4に対して積層方向D1における一方側に配置された導電板5には、正極端子6が電気的に接続されている。複数の蓄電モジュール4に対して積層方向D1における他方側に配置された導電板5には、負極端子7が電気的に接続されている。正極端子6及び負極端子7は、例えば、導電板5の縁部から積層方向D1に直交する方向に引き出されている。正極端子6及び負極端子7により、蓄電装置1の充放電が実施される。
各導電板5の内部には、空気等の冷媒を流通させる複数の流路5aが設けられている。各流路5aは、例えば、積層方向D1、並びに正極端子6及び負極端子7が引き出される引出方向D2に直交する流通方向(所定方向)D3に沿って延在している。換言すれば、各流路5aは、導電板5を流通方向D3に沿って貫通している。これらの流路5a内に冷媒を流通させることで、導電板5は、蓄電モジュール4,4同士を電気的に接続する接続部材としての機能のほか、蓄電モジュール4で発生した熱を放熱する放熱部材としての機能を併せ持つ。導電板5は、例えば、積層方向D1から見た場合に、蓄電モジュール4の外縁よりも内側に配置されている。
拘束部材3は、蓄電モジュール積層体2を積層方向D1に挟み、蓄電モジュール積層体2に拘束加重を付加する一対のエンドプレート(拘束部材)8A,8Bと、エンドプレート8A,8B同士を締結する締結ボルトB及びナットNと、を備えている。各エンドプレート8A,8Bは、例えば金属により矩形状に形成されている。積層方向D1から見た場合に、各エンドプレート8A,8Bの外縁は、蓄電モジュール4の外縁よりも外側に位置している。
各エンドプレート8A,8Bには、積層方向D1から見た場合に蓄電モジュール積層体2よりも外側に位置する部分に、挿通孔8aが設けられている。締結ボルトBは、積層方向D1における他方側のエンドプレート8Bの挿通孔8aから一方側のエンドプレート8Aの挿通孔8aに向かって通されている。エンドプレート8Aの挿通孔8aから突出した締結ボルトBの先端部分には、ナットNが螺合されている。これにより、蓄電モジュール4及び導電板5がエンドプレート8A,8Bによって挟持されて蓄電モジュール積層体2としてユニット化されると共に、蓄電モジュール積層体2に対して積層方向D1に拘束荷重が付加されている。以下、エンドプレート8A,8Bを互いに区別しない場合、総称してエンドプレート8と記す場合がある。
蓄電装置1は、一対の絶縁部材9A,9Bを更に備えている。絶縁部材9A,9Bは、エンドプレート8A,8Bと、エンドプレート8A,8Bに隣り合う導電板5との間にそれぞれ介在している。絶縁部材9A,9Bは、エンドプレート8A,8Bと導電板5との間をそれぞれ電気的に絶縁している。各絶縁部材9A,9Bは、例えば、電気絶縁性を有する樹脂により形成されている。絶縁部材9A,9Bは、例えばエンドプレート8A,8Bの内面(蓄電モジュール積層体2側の面)上にそれぞれ設けられている。以下、絶縁部材9A,9Bを互いに区別しない場合、総称して絶縁部材9と記す場合がある。絶縁部材9の更なる詳細については後述する。
[蓄電モジュールの構成]
[蓄電モジュールの構成]
図2に示されるように、蓄電モジュール4は、電極積層体11と、電極積層体11を封止する樹脂製の封止体12と、を備えている。電極積層体11は、互いの間にセパレータ13を介在させつつ複数のバイポーラ電極14が積層されることによって構成されている。本実施形態では、電極積層体11の積層方向は、蓄電モジュール積層体2の積層方向D1と一致している。電極積層体11は、バイポーラ電極14の積層によって形成された側面11aを有している。
バイポーラ電極14は、電極板15と、電極板15の一方面15a上に設けられた負極16と、電極板15の他方面15b上に設けられた正極17と、を含んでいる。負極16は、負極活物質の塗工により形成された負極活物質層である。正極17は、正極活物質の塗工により形成された正極活物質層である。電極積層体11において、一のバイポーラ電極14の負極16は、積層方向D1に隣り合う一方のバイポーラ電極14の正極17とセパレータ13を介して対向している。当該一のバイポーラ電極14の正極17は、積層方向D1に隣り合う他方のバイポーラ電極14の負極16とセパレータ13を介して対向している。
電極積層体11において、積層方向D1における一端には、正極終端電極18が配置されている。積層方向D1における他端には、負極終端電極19が配置されている。正極終端電極18は、電極板15と、電極板15の他方面15bに設けられた正極17と、を含んでいる。正極終端電極18の正極17は、積層方向D1における一端に配置されたバイポーラ電極14の負極16とセパレータ13を介して対向している。正極終端電極18の電極板15の一方面15aには、蓄電モジュール4に隣接する一方の導電板5が接触している。
負極終端電極19は、電極板15と、電極板15の一方面15aに設けられた負極16と、を含んでいる。負極終端電極19の負極16は、積層方向D1における他端に配置されたバイポーラ電極14の正極17とセパレータ13を介して対向している。負極終端電極19の電極板15の他方面15bには、蓄電モジュール4に隣接する他方の導電板5が接触している。
電極板15は、例えば、ニッケルからなる金属箔、又はニッケルメッキ鋼板からなり、矩形状に形成されている。電極板15における縁部15c上の領域は、正極活物質及び負極活物質が塗工されない未塗工領域である。負極16を構成する負極活物質としては、例えば水素吸蔵合金が挙げられる。正極17を構成する正極活物質としては、例えば水酸化ニッケルが挙げられる。
セパレータ13は、例えばシート状に形成されている。セパレータ13としては、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン系樹脂からなる多孔質フィルム、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、メチルセルロース等からなる織布又は不織布等が例示される。セパレータ13は、フッ化ビニリデン樹脂化合物で補強されたものであってもよい。なお、セパレータ13は、シート状に限られず、袋状に形成されてもよい。
[封止体の詳細構成]
[封止体の詳細構成]
封止体12は、電極積層体11の側面11aに設けられ、矩形枠状を呈している。封止体12を構成する樹脂材料としては、例えばポリプロピレン(PP)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、又は変性ポリフェニレンエーテル(変性PPE)等が挙げられる。
封止体12は、電極板15の縁部15c(バイポーラ電極14の縁部)にそれぞれ設けられた複数の一次封止体21と、それらの一次封止体21の全体を外側から包囲する二次封止体22と、を有している。一次封止体21は、例えば、樹脂の射出成形によって矩形枠状に形成され、超音波又は熱を用いた溶着によって縁部15cに対して強固に結合している。一次封止体21は、例えば、縁部15cから積層方向D1と直交する方向に張り出しており、当該張出部分において二次封止体22に埋設されている。
二次封止体22は、例えば、樹脂の射出成形によって矩形枠状に形成され、射出成型時の熱によって一次封止体21の外表面に溶着されている。二次封止体22は、積層方向D1に隣り合うバイポーラ電極14,14間を封止している。これにより、積層方向D1に隣り合うバイポーラ電極14,14間には、内部空間Vが形成されている。内部空間Vには、例えば水酸化カリウム水溶液等のアルカリ溶液からなる電解液Eが収容されている。
二次封止体22は、枠部23と、一対のオーバハング部24と、を含んでいる。枠部23は、電極積層体11の側面11aに沿って延在し、矩形枠状を呈している。一対のオーバハング部24は、それぞれ、積層方向D1における枠部23の両端から、積層方向D1から見た場合における電極積層体11の中心側に向かって延在している。すなわち、オーバハング部24は、電極積層体11の側面11a側から、積層方向D1における電極積層体11の端面11b側へ回り込んでいる。
オーバハング部24は、例えば、積層方向D1に直交する平面に沿って延在している。一対のオーバハング部24は、それぞれ、積層方向D1における両端に配置された一次封止体21の少なくとも一部を覆っている。オーバハング部24は、一次封止体21を介して端面11bの縁部と対向している。オーバハング部24は、積層方向D1から見た場合に、端面11bの縁部に沿った矩形環状を呈している。積層方向D1に隣り合う蓄電モジュール4,4のオーバハング部24同士は、積層方向D1において対向している。
[絶縁部材の詳細構成]
[絶縁部材の詳細構成]
図1及び図2に示されるように、各絶縁部材9A,9Bは、エンドプレート8の内面に沿って延在する矩形状の平板部9aと、平板部9aの縁部から積層方向D1に沿って突出した突出部(変形抑制部)9bと、を有している。突出部9bは、例えば平板部9aに対して垂直に延在している。突出部9bは、例えば、積層方向D1から見た場合に、矩形環状を呈しており、蓄電モジュール4の外縁よりも内側且つ導電板5の外縁よりも外側に位置している。
突出部9bにおいて、上述した引出方向D2に沿って延在する一対の辺部10aは、引出方向D2に直交する流通方向D3に沿って延在する一対の辺部10bよりも薄い。換言すれば、辺部10aの厚さ(積層方向D1における長さ)は、辺部10bの厚さ(積層方向D1における長さ)よりも小さい。一方の辺部10bには、正極端子6又は負極端子7を引き出すための切欠きが設けられている。
積層方向D1における一端側の絶縁部材9Aの突出部9bは、積層方向D1における一端に配置された蓄電モジュール4のオーバハング部24と積層方向D1において対向している。絶縁部材9Aの突出部9bは、積層方向D1における一端に配置された蓄電モジュール4のオーバハング部24と、エンドプレート8Aとの間で、且つ、積層方向D1に直交する方向から見た場合に導電板5と重なる位置に配置されている。
積層方向D1における他端側の絶縁部材9Bの突出部9bは、積層方向D1における他端に配置された蓄電モジュール4のオーバハング部24と積層方向D1において対向している。絶縁部材9Bの突出部9bは、積層方向D1における他端に配置された蓄電モジュール4のオーバハング部24と、エンドプレート8Bとの間で、且つ、積層方向D1に直交する方向から見た場合に導電板5と重なる位置に配置されている。各絶縁部材9A,9Bの突出部9bは、積層方向D1から見た場合に、オーバハング部24に沿った矩形環状を呈している。
[作用効果]
[作用効果]
蓄電モジュール4では、使用条件等により電極積層体11の内圧が上昇する場合がある。この場合、図3及び図4に示されるように、オーバハング部24が積層方向D1における外側に変形することが考えられる。これは、内圧の上昇により電極積層体11が積層方向D1に膨らむように変形するためであり、積層方向D1から見た場合における電極積層体11の中央部が縁部と比べて大きく変形するためである。これにより、オーバハング部24においては、枠部23から遠い側の先端部が、枠部23に近い側の基端部を基点として、積層方向D1における外側に変形する。
これに対し、図3に示されるように、積層方向D1における中間に配置された蓄電モジュール4のオーバハング部24が変形した場合、積層方向D1に隣り合うオーバハング部24に当接することで、オーバハング部24の更なる変形が抑制される。
更に、蓄電装置1では、積層方向D1における端に配置された蓄電モジュール4,4のオーバハング部24と、エンドプレート8A,8Bとの間には、絶縁部材9A,9Bの突出部9bがそれぞれ配置されている。これらの突出部9bは、積層方向D1における外側へのオーバハング部24の変形を抑制する変形抑制部として機能する。
すなわち、図4に示されるように、積層方向D1における端に配置された蓄電モジュール4のオーバハング部24が変形したとしても、突出部9bに当接することで、オーバハング部24の更なる変形が抑制される。このように、蓄電装置1では、積層方向D1における端に配置された蓄電モジュール4の内圧が上昇した場合でも、当該蓄電モジュール4のオーバハング部24が積層方向D1における外側に変形することを突出部9bによって抑制することができる。オーバハング部24の変形を抑制することにより、封止体12の破断や封止体12とバイポーラ電極14との間の隙間の形成を抑制することができ、電極積層体11の外部への電解液Eの漏出を防止することができる。
蓄電装置1では、変形抑制部が、絶縁部材9の突出部9bによって構成されている。これにより、絶縁部材9の突出部9bによって構成された変形抑制部により、積層方向D1における外側へのオーバハング部24の変形を抑制することができる。
蓄電装置1では、突出部9bが、積層方向D1に直交する方向から見た場合に、導電板5と重なっている。これにより、積層方向D1における外側へのオーバハング部24の変形を確実に抑制することができる。
蓄電装置1では、突出部9bが、積層方向D1から見た場合に、オーバハング部24に沿った環状を呈している。これにより、積層方向D1における外側へのオーバハング部24の変形を一層確実に抑制することができる。
蓄電装置1では、突出部9bにおいて、引出方向D2に沿って延在する辺部10aが、流通方向D3に沿って延在する辺部10bよりも薄い。これにより、例えば導電板5の流路5a内に流通方向D3に沿って冷媒を流通させる場合に、冷媒の流通が突出部9bによって妨げられるのを抑制することができ、冷媒を効果的に流通させることができる。
蓄電装置1では、封止体12が、複数のバイポーラ電極14の縁部にそれぞれ設けられた複数の一次封止体21と、複数の一次封止体21を外側から包囲する二次封止体22と、を有し、オーバハング部24が、二次封止体22の一部である。これにより、隣り合うバイポーラ電極14,14間を封止体12によって確実に封止することができる。
蓄電装置1では、封止体12が樹脂の射出成形体であってもよい。これにより、封止体12が樹脂の射出成形体である構成において、積層方向D1における端に配置された蓄電モジュール4のオーバハング部24の変形を抑制することができる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限られない。例えば、図5に示される第1変形例のように蓄電装置1が構成されてもよい。第1変形例では、絶縁部材9が平板部9aのみを有し、突出部9bを有していない。蓄電装置1は、一対の弾性部材31を更に備えている。各弾性部材31は、例えば、弾性を有する樹脂により形成されている。
積層方向D1における一端側の弾性部材31は、一端に配置された蓄電モジュール4が有する一端側のオーバハング部24の外面(エンドプレート8A側の表面)に固定されている。弾性部材31は、一端に配置された蓄電モジュール4のオーバハング部24と、エンドプレート8Aとの間で、且つ、積層方向D1に直交する方向から見た場合に導電板5と重なる位置に配置されている。
積層方向D1における他端側の弾性部材31は、他端に配置された蓄電モジュール4が有する他端側のオーバハング部24の外面(エンドプレート8B側の表面)に固定されている。弾性部材31は、他端に配置された蓄電モジュール4のオーバハング部24と、エンドプレート8Bとの間で、且つ、積層方向D1に直交する方向から見た場合に導電板5と重なる位置に配置されている。各弾性部材31は、例えば、積層方向D1から見た場合に、オーバハング部24に沿った矩形環状を呈している。
このような第1変形例によっても、上記実施形態と同様に、積層方向D1における端に配置された蓄電モジュール4のオーバハング部24の変形を抑制することができる。第1変形例では、弾性部材31が、積層方向D1における外側へのオーバハング部24の変形を抑制する変形抑制部として機能する。なお、各弾性部材31は、絶縁部材9の平板部9aに固定されていてもよいし、或いは、エンドプレート8の内面に固定されていてもよい。後者の場合、例えば、エンドプレート8がオーバハング部24との対向面を有するように平板部9aが一回り小さく形成され、当該対向面に弾性部材31が固定されてもよい。
図6〜図9に示される第2変形例のように蓄電装置1が構成されてもよい。第2変形例では、二次封止体22において、流通方向D3に沿って延在する一対の辺部22aの一方には、安全弁(図示省略)を取り付けるための複数(この例では4個)の取付部25が設けられている。各取付部25は、例えば、流通方向D3に直交する引出方向D2に沿って辺部22aを貫通する複数の開口によって構成されている。
二次封止体22は、積層方向D1において互いに対向する第1表面22b及び第2表面22cを有している。第1表面22bは、積層方向D1における他方側に隣り合う蓄電モジュール4の二次封止体22、又は積層方向D1における他方側のエンドプレート8Bと対向する。第2表面22cは、積層方向D1における一方側に隣り合う蓄電モジュール4の二次封止体22、又は積層方向D1における一方側のエンドプレート8Aと対向する。
第1表面22bには、第1表面22bから積層方向D1に沿って突出した複数の凸部26が設けられている。より詳細には、第1表面22bの四隅のそれぞれに凸部26が設けられている。これら4つの凸部26のそれぞれは、第1表面22bの外縁に沿って延在しており、積層方向D1から見た場合に例えばC字状を呈している。この例では、4つの凸部26は、互いに同一の形状を有している。凸部26の高さL1(積層方向D1における長さ)は、例えば4〜5mm程度である。凸部26の厚さL2(積層方向D1から見た場合に、凸部26の延在方向に直交する方向における長さ)は、例えば1〜2mm程度である。
第2表面22cには、複数の凸部26に対応した複数の凹部27が設けられている。より詳細には、第2表面22cの四隅のそれぞれに凹部27が設けられている。これら4つの凹部27のそれぞれは、第2表面22cの外縁に沿って延在しており、積層方向D1に直交する断面において例えばC字状を呈している。この例では、4つの凹部27は、互いに同一の形状を有している。凹部27の深さL3(積層方向D1における長さ)は、例えば5〜6mm程度である。凹部27の厚さ(積層方向D1から見た場合に、凹部27の延在方向に直交する方向における長さ)L4は、例えば1.5〜1.7mm程度である。このように、凹部27の深さL3は凸部26の高さL1よりも大きくてもよい。凹部27の厚さL4は凸部26の厚さL2よりも大きくてもよい。
図9に示されるように、蓄電装置1の製造工程は、複数の蓄電モジュール4を互いの間に導電板5を介在させつつ積層方向D1に沿って積層し、蓄電モジュール積層体2を得る積層工程を含む。この積層工程において、一の蓄電モジュール4に対して別の蓄電モジュール4を積層する際には、一の蓄電モジュール4の凸部26が別の蓄電モジュール4の凹部27に挿入される。その結果、得られた蓄電モジュール積層体2においては、隣り合う一方の蓄電モジュール4の凸部26が隣り合う他方の蓄電モジュール4の封止体12側に突出し、当該他方の蓄電モジュール4の凹部27内に位置している。本実施形態では、凸部26の先端側の一部が凹部27内に位置して(配置されて)いる。
蓄電モジュール積層体2においては、上述したように凹部27の深さL3が凸部26の高さL1よりも大きいため、凸部26の先端面が凹部27の底面から離間している。また、凹部27の厚さL4が凸部26の厚さL2よりも大きいため、積層方向D1に直交する方向において、凸部26が凹部27の内面27aから離間している。なお、図9において、一段目及び三段目の蓄電モジュール4の取付部25は、流通方向D3に沿って延在する一対の辺部22aの他方に設けられている。
第2変形例では、絶縁部材9Bは、平板部9aのみを有し、突出部9bを有していない。絶縁部材9Aの突出部9bは、凹部27に対応した形状及び配置で設けられている。より詳細には、平板部9aの四隅のそれぞれに突出部9bが設けられている。これら4つの突出部9bのそれぞれは、平板部9aの外縁に沿って延在しており、積層方向D1から見た場合に例えばC字状を呈している。この例では、4つの突出部9bは、互いに同一の形状を有している。蓄電装置1において絶縁部材9Aの突出部9bは、積層方向D1における一端に配置された蓄電モジュール4が有する封止体12の凹部27内に位置している。この例では、突出部9bの先端側の一部が凹部27内に位置して(配置されて)いる。
このような第2変形例によっても、上記実施形態と同様に、積層方向D1における端に配置された蓄電モジュール4のオーバハング部24の変形を抑制することができる。第2変形例では、絶縁部材9Aの突出部9bが、積層方向D1における外側へのオーバハング部24の変形を抑制する変形抑制部として機能する。更に、第2変形例では、例えば、一の蓄電モジュール4を別の蓄電モジュール4に対して反対向きに積層しようとすると突出部9b同士が干渉するため、蓄電モジュール4,4同士を誤った向きで組み付けてしまう誤組み付けを防止することができる。更に、絶縁部材9Aと蓄電モジュール4とを反対向きに互いに組み付けようとすると突出部9bと凸部26とが干渉するため、絶縁部材9Aと蓄電モジュール4とを誤った向きで組み付けてしまう誤組み付けを防止することもできる。
他の変形として、上記実施形態において、絶縁部材9A,9Bの突出部9b(変形抑制部)は、積層方向D1における端に配置された蓄電モジュール4,4のオーバハング部24と、エンドプレート8A,8Bとの間に介在していてもよい。突出部9bの辺部10a及び辺部10bは互いに同一の厚さを有していてもよい。導電板5は任意の形状であってよく、導電板5には流路5aが設けられていなくてもよい。拘束部材は、エンドプレート8A,8Bに限定されず、例えば板状以外の形状を有する部材であってもよい。
1…蓄電装置、4…蓄電モジュール、5…導電板(導電部材)、5a…流路、8,8A,8B…エンドプレート(拘束部材)、9,9A,9B…絶縁部材、9a…平板部、9b…突出部(変形抑制部)、10a…辺部、10b…辺部、11…電極積層体、11a…側面、11b…端面、12…封止体、14…バイポーラ電極、21…一次封止体、22…二次封止体、24…オーバハング部、26…凸部、27…凹部、31…弾性部材(変形抑制部)、D1…積層方向、D2…引出方向、D3…流通方向(所定方向)。
Claims (9)
- 積層された複数の蓄電モジュールと、
隣り合う前記蓄電モジュール間と、前記蓄電モジュールの積層方向における前記複数の蓄電モジュールの両側とにそれぞれ配置された複数の導電部材と、
前記複数の蓄電モジュール及び前記複数の導電部材を前記積層方向に挟み、前記複数の蓄電モジュール及び前記複数の導電部材に拘束加重を付加する一対の拘束部材と、を備え、
前記蓄電モジュールは、複数のバイポーラ電極が前記積層方向に沿って積層された電極積層体と、前記電極積層体の側面に設けられて枠状を呈し、隣り合う前記バイポーラ電極間を封止する封止体と、を有し、
前記封止体は、前記電極積層体の前記側面側から前記積層方向における前記電極積層体の端面側へ回り込んだオーバハング部を含み、
前記積層方向における端に配置された前記蓄電モジュールの前記オーバハング部と、前記拘束部材との間には、前記積層方向における外側への前記オーバハング部の変形を抑制する変形抑制部が配置されている、蓄電装置。 - 前記拘束部材と、前記拘束部材に隣り合う前記導電部材との間に介在する絶縁部材を更に備え、
前記絶縁部材は、前記拘束部材に沿って延在する平板部と、前記平板部から前記積層方向に沿って突出した突出部と、を有し、
前記変形抑制部は、前記突出部によって構成されている、請求項1に記載の蓄電装置。 - 隣り合う一方の前記蓄電モジュールの前記封止体には、隣り合う他方の前記蓄電モジュールの前記封止体側に突出した凸部が設けられており、前記他方の前記蓄電モジュールの前記封止体には、前記凸部に対応した凹部が設けられており、
前記凸部は、前記凹部内に位置しており、
前記絶縁部材の前記突出部は、前記積層方向における端に配置された前記蓄電モジュールが有する前記封止体の前記凹部内に位置している、請求項2に記載の蓄電装置。 - 前記積層方向における端に配置された前記蓄電モジュールの前記オーバハング部と、前記拘束部材との間に配置された弾性部材を更に備え、
前記変形抑制部は、前記弾性部材によって構成されている、請求項1に記載の蓄電装置。 - 前記変形抑制部は、前記積層方向に直交する方向から見た場合に、前記導電部材と重なっている、請求項1〜4のいずれか一項に記載の蓄電装置。
- 前記変形抑制部は、前記積層方向から見た場合に、前記オーバハング部に沿った環状を呈している、請求項1〜5のいずれか一項に記載の蓄電装置。
- 前記導電部材には、前記積層方向に直交する所定方向に沿って延在する流路が設けられており、
前記変形抑制部において、前記積層方向及び前記所定方向の双方に直交する方向に沿って延在する辺部は、前記所定方向に沿って延在する辺部よりも薄い、請求項6に記載の蓄電装置。 - 前記封止体は、前記複数のバイポーラ電極の縁部にそれぞれ設けられた複数の一次封止体と、前記複数の一次封止体を外側から包囲する二次封止体と、を有し、
前記オーバハング部は、前記二次封止体の一部である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の蓄電装置。 - 前記封止体は、樹脂の射出成形体である、請求項1〜8のいずれか一項に記載の蓄電装置。
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