JP2019204590A - レドックスフロー電池用イオン交換膜およびレドックスフロー電池 - Google Patents

レドックスフロー電池用イオン交換膜およびレドックスフロー電池 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明の課題は、高イオン透過選択性と低抵抗のバランスに優れ、高耐久性を示すイオン交換膜を提供することにある。【解決手段】本発明に係るレドックスフロー電池用イオン交換膜は、下記一般式(1)で表される構成単位からなるポリキノキサリンを含有する。【選択図】なし

Description

本発明は、レドックスフロー電池用イオン交換膜およびこれを含むレドックスフロー電池に関する。更に詳しくは、バナジウム系レドックスフロー電池用イオン交換膜およびこれを含むバナジウム系レドックスフロー電池に関する。
大容量蓄電池としてレドックスフロー電池が知られている。レドックスフロー電池は、一般に電解液を隔てるイオン交換膜と、そのイオン交換膜の両側に設けられた電極とを有する。この電極で酸化反応と還元反応を同時に進めることにより充放電が行われる。レドックスフロー電池は、電極室内に電解液を供給し、電解液を循環させながら動作する。電解液中のイオンは電子を電極に渡し、電子はレドックスフロー電池の外部に授受される。この際、プロトンはイオン交換膜を介して授受される。このようにレドックスフロー電池は充放電を行う。このレドックスフロー電池には、両極間のイオンバランスを保つために隔膜としてカチオン交換膜やアニオン交換膜等のイオン交換膜が用いられている。
イオン交換膜としては、例えば米国デュポン社製ナフィオンに代表されるようなスルホン酸基を導入したパーフルオロカーボンスルホン酸ポリマーを含む膜が用いられている。しかしながらイオン透過選択性に乏しく、初期エネルギー効率が低い傾向にある。
一方、ポリベンズイミダゾールなどの芳香族ポリマーを用いたイオン交換膜が開発されている(特許文献1,2,3,4)。これらは、高イオン透過選択性を得やすいが、いずれも膜抵抗が大きく十分なエネルギー効率を有しているとはいえない。
特開2017−033895号公報 特開2016−207608号公報 特許第5451892号公報 国際公開第2015/119272号
上記の通り、従来のレドックスフロー電池においては、レドックスフロー電池のイオン交換膜の抵抗が大きいことが問題となっている。前記抵抗を低く抑えるため、イオン交換膜の膜厚を薄くするなどすると劣化の問題が生じてしまう。したがって、これらの問題の解決が望まれている。
本発明は、上記のような従来技術の課題解決を背景にしたものである。本発明の課題は、高イオン透過選択性と低抵抗とのバランスに優れ、高耐久性を示すイオン交換膜を提供することにある。
本発明者は、上記課題に鑑み、鋭意努力した結果、レドックスフロー電池のイオン交換膜にポリキノキサリンを用いることにより本発明を完成させた。
本発明は、以下の[1]〜[4]に関する。
[1]
下記一般式(1)で表される構成単位からなるポリキノキサリンを含有することを特徴とする、レドックスフロー電池用イオン交換膜。
Figure 2019204590
式中、Rは、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜30のアリール基のいずれかを示し、Xは、単結合、−O−、−S−、−SO2−、−CH2− および −C(CH32− からなる群より選ばれるいずれかを示す。
[2]
前記Rが、一般式(2)で表されるアリール基である、前記[1]に記載のレドックスフロー電池用イオン交換膜。
Figure 2019204590
式中、Yはスルホン酸基、ホスホン酸基、カルボキシル基および水酸基からなる群より選ばれるいずれかの基を示す。
[3]
電池の活物質としてバナジウムイオンを用いるレドックスフロー電池に用いられることを特徴とする、前記[1]または[2]に記載のレドックスフロー電池用イオン交換膜。
[4]
電解液を隔てるイオン交換膜と、そのイオン交換膜の両側に設けられた電極とを有するレドックスフロー電池であって、
前記イオン交換膜が前記[1]〜[3]のいずれかに記載のイオン交換膜であることを特徴とするレドックスフロー電池。
本発明では、レドックスフロー電池用イオン交換膜として特定のポリキノキサリンを含有するものを用いることにより、低抵抗かつ優れたエネルギー効率を有するレドックスフロー電池を提供することができる。また、本発明のイオン交換膜は、初期エネルギー効率に優れたレドックスフロー電池を提供できるだけでなく、耐酸化性にも優れている。
〔イオン交換膜〕
ポリキノキサリン
本発明のレドックスフロー電池用イオン交換膜は、下記一般式(1)で表される構成単位からなるポリキノキサリンを含有する。
Figure 2019204590
式中、Rは、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基及び炭素数6〜30のアリール基のいずれかを示し、Xは、単結合、−O−、−S−、−SO2−、−CH2− および −C(CH32− からなる群より選ばれるいずれかを示す。前記アルキル基及びアリール基は置換基を有してもよい。前記置換基としては、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、スルホ基、リン酸基などが挙げられる。
ここで、前記アルキル基の例として、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、および、2−エチルヘキシル基が挙げられる。また、前記アリール基の例として、フェニル基、トルイル基、キシリル基、および、ナフチル基が挙げられる。
より高いイオン交換能を付与するためには、上記ポリキノキサリンは、極性基を含むことが好ましく、特にイオン性基を含むことが好ましい。このようなポリキノキサリンを含有するイオン交換膜は、イオン伝導度が高い傾向にあり、イオンが通過する際の抵抗が低いので有利である。このような極性基を含むポリキノキサリンの好適な例として、上記一般式(1)で表される構成単位を含むポリキノキサリンのうち、上記Rが下記一般式(2)で表されるアリール基であるポリキノキサリンが挙げられる。
Figure 2019204590
式中、Yはスルホン酸基、ホスホン酸基、カルボキシル基および水酸基からなる群より選ばれるいずれかの基を示す。本発明では、プロトン解離度が高いことから、上記Yがスルホン酸基またはホスホン酸基であることが好ましく、スルホン酸基であることが特に好ましい。
このように、上記一般式(1)で表される構成単位を含むポリキノキサリンとして、イオン性基が共有結合を介して直接キノキサリン骨格に結合してなる構造を有するポリキノキサリンを採用する場合、ポリマーを膜状に成形した後に、イオン性基をプロトン型にするための酸浸漬処理を特に必要としない利点がある。
上記一般式(1)中のXは、原料の入手性の観点から、好ましくは単結合または−SO2−である。
本発明で用いられるポリキノキサリンの分子量は、特に限定されるものではないが、一般的なGPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)で測定される分子量として、1,000以上であることが好ましく、3,000以上であればより好ましい。このようにポリキノキサリンの分子量が前記下限値以上であると、イオン交換膜の形成に必要な粘度を確保でき、ポリキノキサリンから良好な性質を備えた成形物を得ることが容易となる傾向にある。一方、ポリキノキサリンの分子量は100,000以下であることが好ましい。ポリキノキサリンの分子量が前記上限値以下であると、粘度が過度に高くならず、ポリキノキサリンを成形してイオン交換膜とする際の作業性が良好となる傾向にある。
ポリキノキサリンの製造方法
ポリキノキサリンは3,3’−ジアミノベンジジン、3,3’,4,4’−テトラアミノジフェニルエーテル、3,3’,4,4’−テトラアミノジフェニルチオエーテル、3,3’,4,4’−テトラアミノジフェニルスルホン、2,2−ビス(3,4−ジアミノフェニル)プロパン、ビス(3,4−ジアミノフェニル)メタンなどの芳香族テトラミンと、1,4−ビスベンジルなどのテトラケトンとを、有機溶媒中で縮合反応させることにより合成される。芳香族テトラミンとテトラケトンとのモル比は、40:60〜60:40が好ましく、45:55〜55:45がより好ましく、等モルが最も好ましい。前記比率が等モルに近いほど分子量が大きくなりやすく、耐久性のある膜を得やすい。
この縮合反応で用いられる有機溶媒として、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、n−メチルピロリドンなどの非プロトン性極性溶媒が挙げられる。
反応時間は48時間以内であることが好ましい。
反応温度は用いる有機溶媒により異なるが、100℃〜150℃が好ましい。
イオン交換膜
本発明のイオン交換膜は、上記ポリキノキサリンを含有する。ここで、本発明のイオン交換膜は、製造工程に起因して不可避的に混入しうる成分、例えば、未反応のモノマー成分その他の原料、溶媒成分など、は含まれていてもよい。ただ、本発明のイオン交換膜は、通常の場合、上記ポリキノキサリン以外のポリマー成分は含まない。
ポリキノキサリンからイオン交換膜を成形する手法として最も好ましいのは、溶液からのキャストである。具体的には、上記ポリキノキサリンを適当な溶媒に溶解させて対応する溶液とし、この溶液を、ガラス基板などの適当な基板上にキャストし、このキャストした溶液から溶媒を除去してレドックスフロー電池用イオン交換膜を得ることができる。
溶媒としては、n−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドなどの非プロトン性極性溶媒を使用することができる。ここで、キャスト溶液中における上記ポリキノキサリンの量は、溶媒1mLに対して通常0.05〜0.3gである。
溶媒の除去は、イオン交換膜の均一性の点から乾燥によることが好ましい。この乾燥は、150〜250℃での加熱下で行うことが好ましい。
キャストする際の溶液の厚みは特に制限されないが、10〜1000μmであることが好ましい。より好ましくは50〜500μmである。溶液の厚みが10μmよりも薄いとレドックスフロー電池用イオン交換膜としての形態を保てなくなる傾向にあり、1000μmよりも厚いと不均一なイオン交換膜ができやすくなる傾向にある。溶液のキャスト厚を制御する方法は公知の方法を用いることができる。例えば、アプリケーター、ドクターブレードなどを用いて一定の厚みに制御することができる。キャストした溶液は、溶媒の除去速度を調整することでより均一な膜を得ることができる。例えば、加熱する場合には最初の段階では低温にして蒸発速度を下げたりすることができる。
本発明のレドックスフロー電池用イオン交換膜は目的に応じて任意の膜厚にすることができる。ただ、本発明のレドックスフロー電池用イオン交換膜は、イオン伝導性の面、具体的には、電池抵抗値を十分に低くしてレドックスフロー電池のエネルギー効率を一定以上に高く保つ観点からはできるだけ薄いことが好ましい。一方、本発明のレドックスフロー電池用イオン交換膜は、取り扱いを容易とし、バナジウム系レドックスフロー電池を作製したときに短絡等が起こる可能性を引き下げる観点からは、一定以上の厚さを有していることが好ましい。具体的には5〜200μmであることが好ましく、5〜50μmであることがさらに好ましく、5〜20μmであることが最も好ましい。
また、本発明のイオン交換膜の用途として、レドックスフロー電池が挙げられる。
レドックスフロー電池は、電解液を隔てるイオン交換膜と、そのイオン交換膜の両側に設けられた電極とを有している。具体的には、
第1の活物質を含む第1の電解液と第1の電極とを含む第1の電極室と、
第2の活物質を含む第2の電解液と第2の電極とを含む第2の電極室と、
前記第1の電極室と前記第2の電極室との間にあるイオン交換膜と
を含んでいる。
ここで、前記第1の活物質は、還元されやすい(すなわち、電子を受容しやすい)物質であり、前記第2の活物質は、前記第1の活物質との関係においてより酸化されやすい(すなわち、電子を提供しやすい)物質である。レドックスフロー電池は、前記第1の活物質の還元反応と前記第2の活物質の酸化反応との組み合わせによる電子のやりとりに基づき、電池としての本来的な機能を発揮する。例えば、バナジウム系レドックスフロー電池の場合、典型的な態様において、第1の活物質として5価バナジウムが採用され、第2の活物質として2価バナジウムが採用される。この場合、すなわち放電の際、第1の電極室では、5価バナジウムが4価バナジウムに還元される反応が行われ、第1の電極は正極として機能する。また、第2の電極室では、2価バナジウムが3価バナジウムに酸化される反応が行われ、第2の電極は負極として機能する。一方、充電の際には、外部電源を用いて、第1の電極室において4価バナジウムを5価バナジウムに酸化するとともに、第2の電極室において3価バナジウムを2価バナジウムに還元することになる。
また、レドックスフロー電池において、第1の電極室は、第1の電極に第1の電解液を供給するための配管を備えており、通常、第1の電極室と外部にある第1の電解液貯蔵タンクとの間で第1の電解液を循環可能な構造を有している。同様に、第2の電極室は、第2の電極に第2の電解液を供給するための配管を備えており、通常、第2の電極室と外部にある第2の電解液貯蔵タンクとの間で第2の電解液を循環可能な構造を有している。
そして、通常の態様において、第1の電極室は、通常、第1の電解液と第1の電極との間で電子の受け渡しを行うための集電体を有しており、同様に第2の電極室は、通常、第2の電解液と第2の電極との間で電子の受け渡しを行うための集電体を有している。これらの集電体の好適な例として、炭素繊維不織布など多孔質の導電体が挙げられる。このような多孔質の導電体を集電体として採用すると、表面積が大きいために電解液と電極との間で電子の受け渡しが円滑に行われるとともに、各電極室内での電解液の移動も円滑に行われることになり、有利である。
このようなレドックスフロー電池において、イオン交換膜は、前記第1の電解液と前記第2の電解液とを隔てている。このイオン交換膜は、第1の電極室内の第1の電解液と第2の電極室内の第2の電解液との間のイオンバランスを調整するとともに、第1の活物質と第2の活物質との混合を防ぐ役割を果たしている。ここで、レドックスフロー電池のイオン交換膜は、第1の活物質として用いられる物質によっては、酸化に対して十分に高い耐性を有する必要がある。例えば、上記のバナジウム系レドックスフロー電池の場合、5価バナジウムは非常に酸化力が強いことから、イオン交換膜は、5価バナジウムに対して十分に高い耐性を有している必要がある。この点、上記ポリキノキサリンを含有する本発明のイオン交換膜は、酸化に対する耐性、特に5価バナジウムに対する耐性、が十分に高い。また、本発明のイオン交換膜は、ポリベンズイミダゾールなど従来の芳香族ポリマーを用いたイオン交換膜と比べて、膜抵抗も低い傾向にある。したがって、このような本発明のイオン交換膜をレドックスフロー電池のイオン交換膜として有するレドックスフロー電池は、低抵抗かつ優れたエネルギー効率を有する傾向にあり、有利である。
以下本発明を、実施例を用いて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されることはない。
[実施例1A]
ビスベンジル3.42g(1mmol)、ジアミノベンジジン2.14g(1mmol)をジメチルホルムアミド100ml中に混合し、120℃で24時間反応させた。室温に冷却後、水を加えて重合物を析出させた。乾燥後重合物(1A)3.9gを得た。
Figure 2019204590
(nは20〜100と推定される。)
[実施例1B]
ビスベンジル3.42g(1mmol)、3,3’,4,4’−テトラアミノジフェニルスルホン2.78g(1mmol)をジメチルホルムアミド100ml中に混合し、120℃で24時間反応させた。室温に冷却後、水を加えて重合物を析出させた。乾燥後重合物(1B)4.3gを得た。
Figure 2019204590
(nは20〜100と推定される。)
[実施例1C]
重合物(1A)2gを発煙硫酸100mlに混合し、80℃で4時間反応させた。室温に冷却後、水を加えて重合物を析出させた。乾燥後重合物(1C)1.8gを得た。
Figure 2019204590
(nは20〜100と推定される。)
[実施例1D]
重合物(1B)2gを発煙硫酸100mlに混合し、80℃で4時間反応させた。室温に冷却後、水を加えて重合物を析出させた。乾燥後重合物(1D)1.7gを得た。
Figure 2019204590
(nは20〜100と推定される。)
[実施例2A]
重合物(1A)1gをN−メチルピロリドン(NMP)10mLに溶解し、ガラス基板上におよそ200μmの厚さに塗布し、ガラス基板を200℃に加熱し、NMPを蒸発させた。得られたフィルムの膜厚は15μmであった。
[実施例2B]
重合物(1A)の代わりに重合物(1B)を用い、実施例2Aと同様にフィルムを得た。その膜厚は15μmであった。
[実施例2C]
重合物(1A)の代わりに重合物(1C)を用い、実施例2Aと同様にフィルムを得た。その膜厚は15μmであった。
[実施例2D]
重合物(1A)の代わりに重合物(1D)を用い、実施例2Aと同様にフィルムを得た。その膜厚は15μmであった。
[比較例1A]
特許文献4(WO2015/119272)の実施例1の方法に従い、ポリベンズイミダゾールを合成した。乾燥後重合物(11)1.8gを得た。
Figure 2019204590
(nは20〜100と推定される。)
[比較例2A]
重合物(1A)の代わりに重合物(11)を用い、実施例2Aと同様にフィルムを得た。その膜厚は15μmであった。
〔耐酸化試験〕
実施例2A〜2Dおよび比較例2Aで製膜したイオン交換膜のそれぞれにつき、耐酸化試験は以下のように行った。
0.9mol/Lの5価のバナジウムイオンを含む4.0mol/L硫酸から成る電解液に膜を浸漬し、70℃で96時間加熱した。試験後の膜について、膜形状の有無を確認後、2.5mol/L硫酸に一晩以上浸漬し、純水でさらに1時間浸漬することで酸成分を除去した。膜の評価は耐酸化試験の前後の膜について目視で膜の形状保持か否かの判定を行った。
結果を以下に示す(表1)。
〔イオン交換膜性能の試験〕
実施例2A〜2Dおよび比較例2Aで製膜したイオン交換膜のそれぞれにつき、イオン交換膜性能の試験を以下のように行った。
イオン交換膜を、炭素繊維不織布(厚さ:1.5mm)からなる2枚の炭素電極材料で挟み込み、評価用セルを組み立てた。この評価用セルは、上下方向(通液方向)に10cm、幅方向に1.6cmの電極面積16cm2 を有する小型のセルとしており、各極に電解液を供給するための配管を有している。各極の電解液は、セルに設けられた配管を通じて各電極を構成する炭素電極材料に供給され、この炭素電極材料内を上下方向に通過することになる。
定電流密度で充放電を繰り返し、イオン交換膜性能のテストを行った。充放電時の電流値は1280mAとすることで、電流密度は80mA/cm2とした。充電時の上限電圧は1.6V、放電時の下限電圧は1.0Vとした。正極電解液には1.5mol/Lのオキシ硫酸バナジウムの2.5mol/L硫酸水溶液を用い、負極電解液には1.5mol/Lの硫酸バナジウムの2.5mol/L硫酸水溶液を用いた。電解液量はセル、配管に対して大過剰とした。液流量は毎分6.2mlとし、30℃で測定を行った。
ここで、充放電テストにおいて、電流密度を電極幾何面積当たり80mA/cm2(1260mA)として、1.6Vまでの充電に要した電気量をQ1クーロン、1.0Vまでの定電流放電で取りだした電気量をQ2クーロンとした。そして、これらQ1およびQ2を用いて、下記式に基づき電球効率を求めた。
電流効率=Q2×100/Q1
負極液中のV3+をV2+に完全に還元するのに必要な理論電気量に対して、放電により取りだした電気量の比を充電率とした。その上で、充電率が50%のときの電気量に対応する充電電圧VC50および放電電圧VD50を、電気量−電圧曲線からそれぞれ求めた。その後、前記VC50および前記VD50を用いてセル抵抗Rを求め、さらに、このセル抵抗Rを用いて簡便法により電圧効率を求めた。セル抵抗Rおよび電圧効率は、具体的には下記式に基づき求めた。
セル抵抗R=(VC50−VD50)×100/2I
電圧効率=(E−I・R/10)×100/(E+I・R/10)
これらの式において、Eは充電率50%のときのセル開回路電圧1.432V(実測値)、Iは定電流充放電における電流値1.260Aである。
結果を以下に示す(表1)。
Figure 2019204590
表1の結果から明らかなように、実施例2A〜2Dのイオン交換膜は、優れたエネルギー効率を示し、耐酸化性試験後においても形状を保持した。さらに比較例2Aとの対比から示されるように、イオン交換膜を構成するポリマーとしてポリキノキサリンを採用したときには、ポリベンズイミダゾールを採用したときと比べて、得られるレドックスフロー電池における膜抵抗が低減した。また、実施例2A,2Bと実施例2C,2Dとの対比から、イオン交換膜を構成するポリキノキサリンがスルホン酸基のようなイオン性基を有する場合には、得られるレドックスフロー電池が低抵抗かつ優れたエネルギー効率を有していることがわかった。

Claims (4)

  1. 下記一般式(1)で表される構成単位からなるポリキノキサリンを含有することを特徴とする、レドックスフロー電池用イオン交換膜。
    Figure 2019204590
    式中、Rは、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜30のアリール基のいずれかを示し、Xは、単結合、−O−、−S−、−SO2−、−CH2− および −C(CH32− からなる群より選ばれるいずれかを示す。
  2. 前記Rが、一般式(2)で表されるアリール基である、請求項1に記載のレドックスフロー電池用イオン交換膜。
    Figure 2019204590
    式中、Yはスルホン酸基、ホスホン酸基、カルボキシル基および水酸基からなる群より選ばれるいずれかの基を示す。
  3. 電池の活物質としてバナジウムイオンを用いるレドックスフロー電池に用いられることを特徴とする、請求項1または2に記載のレドックスフロー電池用イオン交換膜。
  4. 電解液を隔てるイオン交換膜と、そのイオン交換膜の両側に設けられた電極とを有するレドックスフロー電池であって、
    前記イオン交換膜が請求項1〜3のいずれか1項に記載のイオン交換膜であることを特徴とするレドックスフロー電池。
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