JP2019203219A - 介護用パジャマパンツ - Google Patents

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Abstract

【課題】着用者、介護者双方にとって快適であり更にデザイン性に富む介護用パジャマパンツを提供する。【解決手段】左パンツ部と、右パンツ部とを備え、おむつ交換用の前開き部を開閉可能な介護用パジャマパンツである。左パンツ部及び右パンツ部は、左側重ね部と右側重ね部とを備え、左側重ね部と右側重ね部とを外側に開いた状態で、着用者の前側から着用者の股部を越えて殿部に至るまで前開き部を開状態に保持でき、左側重ね部及び右側重ね部を重ねて着用することで前開き部を閉状態に保持できる。左側重ね部及び右側重ね部の上縁部には、重ね合わせの寸法を調整可能に接合する接合部材を備える。【選択図】図10

Description

本発明は、おむつを使用した被介護者が着用するパジャマのパンツに関する。
従来、介護用パジャマパンツとして以下のものが提案されている。
特許文献1には、ずぼんの前開きが股下まで開くようになされ、かつ前開きの左右両面を重ね合わせるようにした病人用ずぼんが開示されている。
また、特許文献2には、前あきパンツに重なり部が広くなるように、左の合わせ部と右の合わせ部とを設けるとともに、左右何れの合わせ部もボタン又はマジックテープ(登録商標)、フックなどの止め具を設け、あき止りを股下線あたりまで延長した、介護用パンツが記載されている。
実開昭56−23126号公報 特開2001−172808号公報
しかし、従来の介護用パジャマパンツは、前開き部を股下線付近まで開く工夫がされているものの、実際に介護においておむつ交換の検証に基づいてなされていない。介護用パジャマパンツの着用者は様々な姿勢でおむつの交換が必要とされる。例えば、単純に仰向けで両膝を伸展した姿勢、側臥位片膝屈曲姿勢、両膝屈曲姿勢等、様々な姿勢でのおむつ交換が行われる。このため、介護用パジャマパンツは、これらの姿勢において、おむつ交換が容易にできることが検証されていることが望まれる。
おむつ交換は着用者本人にとっても、介助者にとっても負担が大きい作業ではあるが、必要不可欠である。在宅介護が推進される現在、老老介護も増えることが予想され、介護する側の負担を軽減することも重要視される。介護用パジャマパンツの形状や構成の工夫によりおむつ交換がしやすくなることで、着用者本人や介助者の負担が軽減できる。
また、パジャマパンツとはいえ、いかにも機能優先だけのものでは着用者の心理状況に良いものとはいえない。衣服で人の心理状況を明るくすることができるのであれば、人生を楽しむためのきっかけにもなるであろう。このため、介護用パジャマパンツは、機能性が求められるとともに意匠性にも配慮がなされ、様々な着用者が使用できる汎用性のあるデザインを追求することが望ましい。
本発明は上述した課題に鑑みてなされたものであり、着用者、介護者双方にとって快適であり更にデザイン性に富む介護用パンツを提供することを目的とする。
前記課題を解決する請求項1に記載の発明は、着用者の左脚、左腰部、及び左殿部を覆う左パンツ部と、前記着用者の右脚、右腰部、及び右殿部を覆う右パンツ部とを備え、おむつ交換用の前開き部を開閉可能な介護用パジャマパンツであって、前記左パンツ部及び前記右パンツ部は、それぞれの裾に向けて先細る筒状部を備え、前記左パンツ部及び前記右パンツ部は、後ろ側で接合されており、前記左パンツ部は、前まちウエスト部が前記介護用パジャマパンツの幅方向の中央線を越えて右側に延びるとともに前記前まちウエスト部から下方に向けて延設された左側重ね部を備え、前記左側重ね部は、下側部が後ろ側に回りこんで前記殿部下と後ろ側のウエスト部との間に形成された前まち後ろまち切り替え部に至り、前記右パンツ部は、前まちウエスト部が前記介護用パジャマパンツの幅方向の中央線を越えて左側に延びるとともに前記前まちウエスト部から下方に向けて延設された右側重ね部を備え、前記右側重ね部は、下側部が後ろ側に回りこんで前記殿部下と後ろ側のウエスト部との間に形成された前まち後ろまち切り替え部に至り、前記左側重ね部と前記右側重ね部とを外側に開いた状態で、前側から股下を越えて殿部に至るまで前記前開き部を開状態に保持でき、前記左側重ね部及び前記右側重ね部の一方を内側、他方を外側にして重ねて着用することで前記前開き部を閉状態に保持でき、前記左側重ね部及び前記右側重ね部の上縁部には、前記左側重ね部及び前記右側重ね部を重ねた状態で重ね合わせの寸法を調整可能に接合する接合部材を備える、ことを特徴とする介護用パジャマパンツである。
本発明に係る介護用パジャマパンツは、着用者の左脚、左腰部、及び左殿部を覆う左パンツ部と、着用者の右脚、右腰部、及び右殿部を覆う右パンツ部とを備え、おむつ交換用の前開き部を開閉可能である。本介護用パジャマパンツは、左パンツ部及び右パンツ部は、それぞれ着用者の裾に向けて先細り、着用者の左右の脚部を覆う筒状部を備える。このため、介護用パジャマパンツはスマートで意匠性に富み、着用者が抵抗なく着用でき、更に普段着として使用することに抵抗がなくなる。
また、本発明に係る介護用パジャマパンツにおいて、左パンツ部及び右パンツ部は、後ろ側で接合されており、左パンツ部は、前まちウエスト部が介護用パジャマパンツの幅方向の中央線を越えて右側に延びるとともに前まちウエスト部から下方に向けて延設された左側重ね部を備え、左側重ね部は、下側部が後ろ側に回りこんで殿部下と後ろ側のウエスト部との間に形成された前まち後ろまち切り替え部に至り、右パンツ部は、前まちウエスト部が介護用パジャマパンツの幅方向の中央線を越えて左側に延びるとともに前まちウエスト部から下方に向けて延設された右側重ね部を備え、右側重ね部は、下側部が後ろ側に回りこんで殿部下と後ろ側のウエスト部との間に形成された前まち後ろまち切り替え部に至る。更に、左側重ね部と右側重ね部とを外側に開いた状態で、前側から股下を越えて殿部に至るまで前開き部を開状態に保持できる。
ここで、前まちウエスト部は、右側重ね部及び左側重ね部の上側端部を形成する部位である。そして、介護用パジャマパンツを着用した状態において、両重ね部の前まちウエスト部は介護用パジャマパンツの前側で重ねられ、前側のウエスト部の中央部位を形成する。
また、前まち後ろまち切り替え部は、股下位置と後ろ側のウエスト部の間に位置する。なお、前まち後ろまち切り替え部の位置は股下位置と後ろ側のウエスト部との間で必要に応じて設定できる。
このため、おむつの交換に際しては、介護用パジャマパンツを脱ぐことなく、左側重ね部と右側重ね部を左右に移動して前開き部を大きく開けて、おむつを交換できる。このように左側重ね部と右側重ね部を左右に移動して前開き部を大きく開く操作は、着用者が様々な姿勢、例えば両膝伸展、側臥位片膝屈曲、両膝屈曲の各姿勢をとっているときでも可能であり、各姿勢におけるおむつの交換を容易かつ速やかにできる。このことは実地に検証されている。よって、着用者、及び介護者の負担を軽減できる。
また、本発明に係る介護用パジャマパンツは、左側重ね部及び右側重ね部の一方を内側、他方を外側にして重ねて着用することで前開き部を閉状態に保持できる。
このため、左側重ね部と右側重ね部を前で重ねることにより、前開き部を完全に閉塞して、外部から前開き部が視認できない状態にできる。
このため、前開き部を閉塞した状態で、通常のパジャマパンツや普段のズボンを着用したのと同じように装える。よって、着用者への心理的な負担が小さくなり、快適な生活が可能となる。
更に、本発明に係る介護用パジャマパンツでは、左側重ね部及び右側重ね部の上縁部に、左側重ね部及び右側重ね部を重ねた状態で重ね合わせの寸法を調整可能に接合する接合部材を備えている。
このため、左側重ね部及び右側重ね部を重ねた状態で、接合部材で接合できる。このとき重ね合わせ寸法を調整できるので、一つのサイズの介護用パジャマパンツで異なるサイズの着用者に対応でき、サイズの多様化を防止でき製造コストを低減できる。
同じく請求項2に記載の発明は、前記左パンツ部と前記右パンツ部とを縫製して組み合わせて前記右側重ね部と前記左側重ね部とを重ねた状態における前記介護用パジャマパンツは、前側部分及び後ろ側部分が面対称形として形成されていることを特徴とする。
本発明によれば、介護用パジャマパンツは、右側重ね部と左側重ね部とを重ねた状態において前側部分及び後ろ側部分が面対称形であるから、前後を逆に着用、即ち介護用パジャマパンツの前側を着用者の背側に、介護用パジャマパンツの後ろ側を着用者の腹側に着用することができる。そして、前後を逆に着用した状態でもおむつの交換に際しては、介護用パジャマパンツを脱ぐことなく、左側重ね部と右側重ね部を左右に移動して前開き部を大きく開けて、おむつを交換できる。
同じく請求項3に記載の発明は、前記右パンツ部、及び前記左パンツ部の裾は伸縮性がある素材で形成され、開口寸法を弾性的に変更できる裾部材を配置したことを特徴とする。
本発明に係る介護用パジャマパンツによれば、右パンツ部、及び左パンツ部の裾は伸縮性がある素材で形成され、開口寸法が、素材の伸縮により変形する裾部材を配置する。よって、裾の開口寸法を小さく設定することで、介護用パジャマパンツの股下長さの調整を脚下の裾部材を着用者の足首寸法に合わせることにより行うことができ、サイズの多様化を防止でき製造コストの低減を図ることができる他、裾下からの空気流入を防止して防寒効果を向上することができる。
同じく請求項4に記載の発明において、前記接合部材は、テープ部材に複数の合成樹脂製薄形オススナップを一定間隔で配置したオステープ部材と、テープ部材に複数の合成樹脂製薄形メススナップを一定間隔で配置したメステープ部材とから構成されることを特徴とする。
本発明によれば、接合部材として、テープ部材に複数の合成樹脂製薄形オススナップを一定間隔で配置したオステープ部材と、テープ部材に複数の合成樹脂製薄形メススナップを一定間隔で配置したメステープ部材とを採用する。
よって、接合部材を厚さ寸法が小さい平坦なものとでき、ウエスト回りが嵩張らずすっきりするとともに、着用者は異物感を感じにくく、取付け取り外しに大きな力がいらないため、着用者への身体的、心理的負担を減少させることができる。更に、オステープ部材とメステープ部材との接合位置を調整することができ、ウエストサイズの変更ができる。よって、一つのサイズの介護用パジャマパンツで異なるサイズの着用者に対応でき、サイズの多様化を防止でき、製造コストの低減を図ることができる。
同じく請求項5に記載の発明において、前記左パンツ部は、左前パンツ及び左後ろパンツが着用状態における脚の内側部で連続した一枚の布地で形成され、前記右パンツ部は、右前パンツと右後ろパンツが着用状態における脚の内側部で連続した一枚の布地で形成され、それぞれ前記脚の外側部で縫製されていることを特徴とする。
本発明によれば、左パンツ部を左前パンツ及び左後ろパンツを着用状態における脚の内側部で連続した一枚の布で形成し、右パンツ部を右前パンツ及び右後ろパンツを着用状態における脚の内側部で連続した一枚の布で形成し、脚の外側部で縫製されている。
よって、皮膚が敏感な脚の内側には連続した布地が接触するので、着用中、着脱時に縫い目部が接触することがない。このため、着用者は快適に介護用パジャマパンツを使用できる。
同じく請求項6に記載の発明において、前記左パンツ部及び前記右パンツ部は、布帛又は伸縮素材で構成されていることを特徴とする。
本発明に係る介護用パジャマパンツによれば、右パンツ部、左パンツ部は、布帛又は伸縮素材で構成され、必要な伸縮性、風合い、模様等を考慮して適正な素材を選択できる。このため、意匠性に富んだものとすることができる。
同じく請求項7に記載の発明は、ウエスト部に伸縮可能なゴム素材が配置され、ウエスト部の寸法を調整可能としたことを特徴とする。
本発明に係る介護用パジャマパンツによれば、ウエスト部に伸縮可能なゴム素材が配置され、ウエスト部の寸法を調整可能である。よって、ウエスト部のサイズが着用者にあわせて伸縮し、一つのウエストサイズの介護用パジャマパンツで異なるウエストサイズの着用者に対応でき、サイズの多様化を防止でき、製造コストの低減を図ることができる。
本発明に係る介護用パジャマパンツによれば、着用者、介護者双方にとって快適であり更にデザイン性に富むものとすることができる。
即ち、請求項1に記載の発明によれば、着用者の左脚、左腰部、及び左殿部を覆う左パンツ部と、着用者の右脚、右腰部、及び右殿部を覆う右パンツ部とを備え、おむつ交換用の前開き部を開閉可能である。本介護用パジャマパンツは、左パンツ部及び右パンツ部は、それぞれ裾に向けて先細る筒状部を備える。このため、介護用パジャマパンツはスマートで意匠性に富み、着用者が抵抗なく着用でき、更に普段着として使用することに抵抗がなくなる。
また、本発明に係る介護用パジャマパンツにおいて、左パンツ部及び右パンツ部は、後ろ側で接合されており、左パンツ部は、前まちウエスト部が介護用パジャマパンツの幅方向の中央線を越えて右側に延びるとともに前まちウエスト部から下方に向けて延設された左側重ね部を備え、左側重ね部は、下側部が後ろ側に回りこんで殿部下と後ろ側のウエスト部との間に形成された前まち後ろまち切り替え部に至り、右パンツ部は、前まちウエスト部が介護用パジャマパンツの幅方向の中央線を越えて左側に延びるとともに前まちウエスト部から下方に向けて延設された右側重ね部を備え、右側重ね部は、下側部が後ろ側に回りこんで殿部下と後ろ側のウエスト部との間に形成された前まち後ろまち切り替え部に至る。更に、左側重ね部と右側重ね部とを外側に開いた状態で、前側から股下を越えて殿部に至るまで前開き部を開状態に保持できる。
このため、おむつの交換に際しては、介護用パジャマパンツを脱ぐことなく、左側重ね部と右側重ね部を左右に移動して前開き部を大きく開けて、おむつを交換できる。このように左側重ね部と右側重ね部を左右に移動して前開き部を大きく開く操作は、着用者が様々な姿勢、例えば両膝伸展、側臥位片膝屈曲、両膝屈曲の各姿勢をとっているときでも可能であり、各姿勢におけるおむつの交換を容易かつ速やかにできる。このことは実地に検証されている。よって、着用者、及び介護者の負担を軽減できる。
また、本発明に係る介護用パジャマパンツは、左側重ね部及び右側重ね部の一方を内側、他方を外側にして重ねて着用することで前開き部を閉状態に保持できる。
このため、左側重ね部と右側重ね部を前で重ねることにより、前開き部を完全に閉塞して、外部から前開き部が視認できない状態にできる。
このため、前開き部を閉塞した状態で、通常のパジャマパンツや普段のズボンを着用したのと同じように装える。よって、着用者への心理的な負担が小さくなり、快適な生活が可能となる。
更に、本発明に係る介護用パジャマパンツでは、左側重ね部及び右側重ね部の上縁部に、左側重ね部及び右側重ね部を重ねた状態で重ね合わせの寸法を調整可能に接合する接合部材を備えている。
このため、左側重ね部及び右側重ね部を重ねた状態で、接合部材で接合できる。このとき重ね合わせ寸法を調整できるので、一つのサイズの介護用パジャマパンツで異なるサイズの着用者に対応でき、サイズの多様化を防止でき製造コストを低減できる。
また、請求項2に記載の介護用パジャマパンツによれば、介護用パジャマパンツは、右側重ね部と左側重ね部とを重ねた状態において前側部分及び後ろ側部分が面対称形であるから、前後を逆に着用、即ち介護用パジャマパンツの前側を着用者の背側に、介護用パジャマパンツの後ろ側を着用者の腹側に着用することができる。そして、前後を逆に着用した状態でもおむつの交換に際しては、介護用パジャマパンツを脱ぐことなく、左側重ね部と右側重ね部を左右に移動して前開き部を大きく開けて、おむつを交換できる。
また、請求項3に記載の介護用パジャマパンツによれば、右パンツ部、及び左パンツ部の裾は伸縮性がある素材で形成され、開口寸法が、素材の伸縮により変形する裾部材を配置する。よって、裾の開口寸法を弾性的に小さく設定することで、介護用パジャマパンツの股下長さの調整を脚下の裾部材を着用者の足首寸法に合わせることにより行うことができ、サイズの多様化を防止でき製造コストの低減を図ることができる他、裾下からの空気流入を防止して防寒効果を向上することができる。
また、請求項4に記載の介護用パジャマパンツによれば、接合部材として、テープ部材に複数の合成樹脂製薄形オススナップを一定間隔で配置したオステープ部材と、テープ部材に複数の合成樹脂製薄形メススナップを一定間隔で配置したメステープ部材とを採用する。
よって、接合部材を厚さ寸法が小さい平坦なものとでき、ウエスト回りが嵩張らずすっきりするとともに、着用者は異物感を感じにくく、取付け取り外しの際に大きな力がいらない。よって、着用者への身体的、心理的負担を減少させることができる。更に、オステープ部材とメステープ部材との接合位置を調整することができ、ウエストサイズの変更ができる。よって、一つのサイズの介護用パジャマパンツで異なるサイズの着用者に対応でき、サイズの多様化を防止でき、製造コストの低減を図ることができる。
また、請求項5に記載の介護用パジャマパンツによれば、左パンツ部を左前パンツ及び左後ろパンツを着用状態における脚の内側部で連続した一枚の布で形成し、右パンツ部を右前パンツ及び右後ろパンツを着用状態における脚の内側部で連続した一枚の布で形成し、脚の外側部で縫製されている。
よって、皮膚が敏感な脚の内側には連続した布地が接触するので、着用中、着脱時に縫い目部が接触することがない。このため、着用者は快適に介護用パジャマパンツを使用できる。
更に、請求項6に記載の介護用パジャマパンツによれば、右パンツ部、左パンツ部は、布帛又は伸縮素材で構成され、必要な伸縮性、風合い、模様等を考慮して適正な素材を選択できる。このため意匠性に富んだものとすることができる。
そして、請求項7に記載の介護用パジャマパンツによれば、ウエスト部に伸縮可能なゴム素材が配置され、ウエスト部の寸法を調整可能である。よって、ウエスト部のサイズが着用者にあわせて伸縮し、一つのウエストサイズの介護用パジャマパンツで異なるウエストサイズの着用者に対応でき、サイズの多様化を防止でき、製造コストの低減を図ることができる。
普通着として着用されるストレートパンツの作図を示す図である。 本発明に係る介護用パジャマパンツの第1次サンプル製作の検討過程を示す作図であり、(a)は図1に示したストレートパンツ、(b)は検討の結果による検討用パジャマパンツをストレートパンツとともに示すものである。 本発明に係る介護用パジャマパンツの検討用パジャマパンツ製作用の作図であり、(a)は前パンツ及び後ろパンツ、(b)は股まちを示すものである。 本発明に係る介護用パジャマパンツの第1次サンプルパジャマパンツの型紙を示すもので、(a)は後ろパンツ型紙、(b)は股まち型紙、(c)は前パンツ型紙を示し、(d)は着用者の寝姿勢を示す概略図である。 本発明に係る介護用パジャマパンツの第2次サンプルパジャマパンツ製作用の作図を示すものであり、(a)は前後パンツ、(b)は股まちを示すものである。 本発明に係る介護用パジャマパンツの第3次サンプルパジャマパンツ製作用の作図を示すものであり、(a)は前後パンツ、(b)は股まち、(c)は裾リブを示すものである。 本発明の実施形態に係る介護用パジャマパンツ製作用の作図を示すものであり、(a)は前後パンツ、(b)は股まち、(c)は裾リブを示すものである。 本発明の実施形態に係る介護用パジャマパンツの前後パンツ型紙を示す図である。 本発明の実施形態に係る介護用パジャマパンツの型紙を示すものであり、(a)は前股まち型紙、(b)は後ろ股まち型紙、(c)は裾リブ型紙を示すものである。 本発明の実施形態に係る介護用パジャマパンツを示すものであり、(a)は正面図、(b)は背面図、(c)は左側面図、(d)は右側面図、(e)は平面図、(f)は底面図である。 本発明の実施形態に係る介護用パジャマパンツの開発経過、実験を示す写真である。 本発明の実施形態に係る介護用パジャマパンツの開発経過、実験を示す写真である。 本発明の実施形態に係る介護用パジャマパンツの開発経過で使用した3Dモデル及びこの3Dモデルを使用した実験を示す写真である。 本発明の実施形態に係る介護用パジャマパンツの前開き部の状態を示す写真である。 本発明の実施形態に係る介護用パジャマパンツを使用して排泄支援ロボットを着用した状態を示す写真である。
図面に基づいて本発明に係る介護用パジャマパンツについて説明する。実施形態に係る介護用パジャマパンツ60は、発明者らによる以下の研究・開発経過を経て製作された。以下、研究・開発の過程について説明する。
本明細書において、介護用パジャマパンツそれ自体の方向を特定するとき「前(前側)」、「後ろ(後ろ側)」、「左(左側)」、「右(右側)」の語を用いる。また、着用者の方向を特定するとき「腹」「背」の語を用いる。なお、介護用パジャマパンツの「左」「右」は、介護用パジャマパンツの着用者から見た「左」「右」であり、観察者が外部から認識する介護用パジャマパンツの「左」「右」とは逆になる。
<介護用パジャマパンツ開発の目的>
本研究・開発は、おむつを利用する要介護者を着用者として想定し、おむつ交換をしやすいパジャマパンツを開発することを目的としている。
おむつ交換は着用者本人にとっても、介助者にとっても負担が大きい作業であるが、必要不可欠な作業である。在宅介護が推進される現在、老老介護も増えることが見込まれ、介護する側の負担を軽減することも重要視される。下衣の形状でおむつ交換がしやすくなることにより、本人や介助者の負担が軽減できることが望ましい。また、パジャマパンツとはいえ、いかにも機能優先の介護服では着用者の心理状況に良いとは考えられない。衣服で人の心理状況を明るくすることができれば、人生を楽しむためのきっかけにもなると考える。このことから、機能性だけではなく意匠性に工夫をし、汎用性のあるデザインを追求した。
<介護用パジャマパンツ開発の経過>
図1〜図15に示すように、開発・研究は、検討用パジャマパンツ20、第1次サンプルパジャマパンツ30、第2次サンプルパジャマパンツ40、第3次サンプルパジャマパンツ50の製作、検証の手順を踏んで、実施形態に係る介護用パジャマパンツ60の開発に至った。
<着用者の三次元モデルの造形>
介護用パジャマパンツの製作にあたり、普通体型の被験者1名を選定し、三次元計測を行った。計測では寝姿勢で3ポーズ(両膝伸展・両膝屈曲・側臥位片膝屈曲)を計測してそれぞれ三次元モデルを造形した。
データの取得は以下の条件で行った。
・被験者:60代女性
・ハンディスキャナー:ASUS Xtion PRO LIVEを使用
・計測条件:マットレス上で寝姿勢3種を計測
取得したデータで三次元モデルを造形した。
・3Dプリンタ:Value 3D Magixパーソナル3DプリンタMF−2000を使用
・ウエストから下の下肢寝姿勢3種を1/5の縮小率で造形した。
この三次元モデルの写真を図13(a)、(b)、(c)に示す。図13(a)は両膝屈曲、(b)は両膝伸展、(c)は側臥位片膝屈曲の各姿勢の三次元モデルを示している。
これらの三次元モデルを使用して形状の確認、着せつけ実験、寝姿勢の違いによるフィット具合の確認を行った。特に着用実験においては被験者の体にも負担がかかるので、3Dプリンタで造形したモデルを実験に使用することは、被験者への負担を軽減しながら着用感が確認できる有効な方法である。
通常のパジャマパンツはウエストがゴムになっているものが多く、それでは完全に脱がせるか、膝あたりまで下ろさないとおむつ交換が困難である。図13(d)、(e)にパジャマパンツを下ろした状態を示す。この際、寝姿勢で体位を変えつつズボンを下ろしながら脱ぐことは負担がかかる。このことから、ウエストは前で大きく開くようにし、完全にパンツを脱がなくても良い形状とする。
<検討用パジャマパンツの形状検討>
まず、ストレートパンツ10を参考として検討用パジャマパンツ20の形状を検討した。図1は普通着として着用されるストレートパンツの作図を示す図である。また、図2は介護用パジャマパンツの第1次サンプル製作の検討過程を示す作図であり、(a)は図1に示したストレートパンツ、(b)は検討の結果による検討用パジャマパンツをストレートパンツとともに示すものである。
図2に示すように、検討用パジャマパンツ20は、普通着であるストレートパンツ10を基本形状として、おむつの着用、着脱を考慮して様々な変更を加えて案出した。
ストレートパンツ10は、前パンツと後ろパンツを縫製した左パンツ部と、同じく前パンツと後ろパンツを縫製した右パンツ部とから形成される。左パンツ部及び右パンツ部は左右対称である。
図3は検討用パジャマパンツ製作用の作図であり、(a)は前パンツ及び後ろパンツ、(b)は股まちを示すものである。検討用パジャマパンツ20は、前パンツ21、後ろパンツ22、股まち23に基づいて前パンツ型紙、後ろパンツ型紙、及び股まち型紙を作成し、これらの型紙に基づいて布地を裁断、縫製して製作した。
製作に際しては、ストレートパンツ10の形状を検討し、検討用パジャマパンツ20の形状を以下のようにした。
・前後パンツの幅とまたぐり形状に前後を形成する。
・寝姿勢のみではなく、椅子や車いすに座ったときの座位を想定して殿部を立体成形する。
・股ぐりのまちの幅でおむつを着用したときの周囲寸法を確保するためウエスト部をゴムでギャザーの仕様にする。
・ストレートパンツの股ぐりを5cm深くし、おむつの厚み分とした。
<第1次サンプルパジャマパンツの形状検討及び製作>
検討用パジャマパンツ20の形状を更に検討し、第1次サンプルパジャマパンツ30の形状を決定した。図4は第1次サンプルパジャマパンツの型紙を示すもので、(a)は後ろパンツ型紙、(b)は股まち型紙、(c)は前パンツ型紙を示し、(d)は着用者の寝姿勢を示す概略図である。第1次サンプルパジャマパンツ30は、前パンツ型紙31、後ろパンツ型紙32、股まち型紙33に基づいて裁断された布地を縫製して製作した。第1次サンプルパジャマパンツ30は前パンツ型紙31と後ろパンツ型紙32とを異なる形状とし、股まち型紙33の形状を湾曲させて、殿部を立体的な形状とした。
図4に示した型紙に基づいて1/5サイズのパジャマパンツを製作し、図13(a)に示した両膝屈曲モデルと、同図(c)に示した側臥位片膝屈曲モデルとに着用する実験を行った。また、実寸で製作したパジャマパンツでの着用実験を行った。
図11(a)は平置きした第1次サンプルパジャマパンツの後ろからの写真、同(b)は同上からの写真、(c)は同右からの写真、(d)は同平置きで畳んだ状態の側面の写真である。また、(e)は第1次サンプルパジャマパンツを両膝伸展の三次元モデルに着用した右からの状態を示す写真、(f)は同じく後ろからの写真である。更に、図11(g)は第1次サンプルパジャマパンツを両膝屈曲状態の三次元モデルに着用した下からの写真、(h)は同じく左からの写真、(i)は同じく上からの写真である。
着用実験の結果から以下の検討結果を得た。
・座位を想定して殿部を立体的な形状にしたが、図11(e)、(f)に示すように、寝姿勢のときに殿部の下に布が溜り、皺となり邪魔なので、立体形状は採用しないものとした。
・ウエスト部分に開き分がないと着脱が従来と変わらないため、開きを作る必要がある。
・介護の現場経験がある看護師より、おむつ交換は人により前から、もしくは後ろから交換すると聞いたので、パンツの股まち部分の前後差はつけずに前後どちらでも着用できるパンツの形状にすることにした。
・ヒップの周囲寸法が大きいので15cmカットした。これによりもたつきを解消し、すっきりとしたシルエットとする。
・股ぐりのカーブ形状とまちの形状を検討した。
・ウエストの留め具は検討することとした。前後どちらでもはける形状にすると、寝具と体の間にボタンが位置し、邪魔になったり褥瘡の原因になったりするため、平らなものが望ましい。しかし、微細なフック及びループを使用した面ファスナーだといかにも機能優先の介護服のように見える他、洗濯を繰り返すうちにホコリが絡まってしまい、接着力が弱まってしまうため、このような面ファスナーは使用しないこととした。また、ひもはシンプルで使用しやすいが、危険を伴うことが想定されたため使用しないこととした。
<第2次サンプルパジャマパンツの製作のための部分縫い>
以上の検討に基づいて第2次サンプルパジャマパンツ40を製作する前に、半ズボン状の部分縫いサンプルを製作した。即ち、第1次サンプルパジャマパンツ30から股ぐりの形状を変更するため、股上部分のみの試作品を作り、着用実験をした。型紙は量産を見据え、裁断時の布地のロスが少なく、縫製工程が複雑にならないように考慮した。更に、前後同じ形状にするため、型紙は左右前後で同型になるようにし、かつ、ウエスト部分を大きく開く仕様にすることでサイズ対応ができるようにした。
<第2次サンプルパジャマパンツの部分縫いの着用実験の結果>
・前まちの重なり部分を4cmから8cmに変更する。重なり部分が少ないと開いてしまう。
・前まちと後ろまちのつなぎ目部分の位置を2cm後ろへ変える。図4(d)に示すように、寝た状態での着用者35における殿部36の接地部分の一番下側の位置37に設定する。
・股上丈が深いため、5cm減らす。
・まち底の幅を6cmカットする(まち幅が大きいと股下がもたつき邪魔になる)。
<介護を行う看護師からの聞き取り>
介護現場での経験がある看護師からの聞き取りを行った。
・おむつはウエストの位置までしっかり引き上げてはくことはほとんどない。股上部分が長い場合はウエスト部分を折り、股上を浅くして調整することもある。
おむつ交換は前後どちらから交換するかなど人により方法は様々であるが、同じ人でもそのときの状況によって方法が変わることもあるので一定ではないとのことだった。また、施設でのパジャマの扱いについては、洗濯の際は乾燥機を使用して乾かすため、素材に耐久性が必要で、介助者によっては力ずくで引っ張って着脱させる人も少なくはないので、それに耐えられる素材や縫製の強度も求められるという現場の声がある。
<第2次サンプルパジャマパンツの製作及び着用実験結果>
第2次サンプルパジャマパンツ40を製作し、着用実験を行った。図5は第2次サンプルパジャマパンツ製作用の作図を示すものであり、(a)は前後パンツ、(b)は股まちを示すものである。第2次サンプルパジャマパンツ40は、前後パンツ41、股まち42に基づいて型紙を作成し、これらに基づいて布地を裁断、縫製して製作した。股まち42は前股まち42Fと、後ろ股まち42Bとからなる。
第2次サンプルパジャマパンツ40の着用実験を行い、以下の結論を得た。
・ウエスト部分を引っ張って着脱させることが多いことや、洗濯耐性の都合でゴムの交換ができる方が良いとのことからウエストはゴム仕様ではない方が良いかもしれないとの意見があった。しかし、ゴムの方が開きのある部分が大きく開きやすいことなどからウエストはゴム仕様とする。
・裾口にリブをつけて、ある程度丈が長くても足首の位置で調整できるようにした。リブの布は肌触りがよく柔らかいものが好ましい(むくみ等がある場合があるため)。
・おむつ内で排泄があった際のゆとりも考慮して股上丈を5cm深くする。
・パンツ幅1.5cmカットする。
・まちの重なり部分が多く、開けると布が突っ張ってしまい大きく開けにくいため、重なり部分を減らす(8cm→3.5cm)。
・まちの幅は減らしすぎて脚が開きにくくなったので、4cm足す。
・前端の持ち出しが多いので3cmカットする。
・股下丈を2cm足す。
・ウエストのギャザー分量が多いので、まちウエスト部分と前後パンツのウエストで減らす(全周で-18cm)。
<第3次サンプルパジャマパンツの製作及び着用実験>
上記の検討結果から、第3次サンプルパジャマパンツ50の形状を決定した。図6は第3次サンプルの作図を示すものであり、(a)は前後パンツ、(b)は股まち、(c)は裾リブを示すものである。
第3次サンプルパジャマパンツ50は、前後パンツ51、股まち52、裾リブ53に基づいて型紙を作成し、これらに基づいて布地を裁断、縫製して製作した。本例では裾リブは伸縮性がある編み布を採用した。股まち52は前股まち52Fと、後ろ股まち52Bとからなる。
この第3次サンプルパジャマパンツ50の着用実験を行い、以下の結果を得た。
・全体的にもう少しすっきりさせるためにパンツ幅を2cmカット(片脚全周で4cm)、まち底を6cmカットする。
・パンツの幅を裾に向かって細くするために、裾部分で幅を10cmカットする。
・脇線と股下線を斜めにしたことで、縫製工程や裁断ロスを少なくするために股下を「わ裁ち」(型紙を反転してつなげて裁断すること)にした(ここまでは脇線で「わ裁ち」で、股下に縫い目あり)。
また、股下の縫い目をなくすことで、皮膚が柔らかくデリケートな内腿に、縫い目による影響(擦れたり、圧迫して跡になったり、その他縫い目による不快感)が、回避できる。
・後ろ股まちとの接合部での左右前股まちの重なり部分が少ないと開口部分の腹部周辺の重なり部分も減ってしまい開いて中が見えてしまうので、少しだけ前後接合部での前まち重なり部分の幅の追加をした(0.5mm)。持ち出し部分も1cm足す。
・前股まちの上部に左右の前股まちを重ねて接合する接合部材として、YKK株式会社製の「ソフィックス(登録商標)」を採用した。「ソフィックス(登録商標)」は、テープ部材に複数の合成樹脂製薄形オススナップを一定間隔で配置したオステープ部材と、テープ部材に複数の合成樹脂製薄形メススナップを一定間隔で配置したメステープ部材からなる薄形の丈夫なボタンテープである。このため接合部材の上に寝ても違和感がかなり少ないほか、洗濯等により異物が付着しない。
<実施形態に係る介護用パジャマパンツの製作>
上述したサンプルの製作、着用実験等に基づいて、本発明の実施形態に係る介護用パジャマパンツ60を製作した。図7は本発明の実施形態に係る介護用パジャマパンツの作図を示すものであり、(a)は前後パンツ、(b)は股まち、(c)は裾リブを示すもの、図8は本発明の実施形態に係る介護用パジャマパンツの前後パンツ型紙を示す図である。更に、図9は本発明の実施形態に係る介護用パジャマパンツの型紙を示すものであり、(a)は前股まち型紙、(b)は後ろ股まち型紙、(c)は裾リブ型紙を示すものである。
介護用パジャマパンツ60は、図7に示した前後パンツ61、股まち62、裾リブ63に基づいて、図8及び図9に示した型紙を作成し、この型紙を用いて裁断された布地を縫製して製作した。
上述のように、本明細書では、介護用パジャマパンツ自体の方向を特定するとき「前」、「後」、「左」、「右」の語を用いる。着用者の方向を特定するとき「腹」、「背」の語を用いる。また、介護用パジャマパンツの「左」、「右」は、着用者にとっての「左」、「右」であり、観察者が認識する介護用パジャマパンツの「左」、「右」と逆となる。
図7において、前後パンツ61は裾に向けて幅寸法が小さく形成されて、先細りの輪郭を備える。股まち62は、前股まち62Fと、後ろ股まち62Bとからなる。前股まち62Fは、幅寸法が前まちウエスト部62aから股下62bに向けて幅寸法が小さくなる台形状である。また、後ろ股まち62Bから後ろまちウエスト部62cまで延設され、後ろ股まち62Bより幅が小さい長方形状である。
図8に示すように、本実施形態に係る介護用パジャマパンツ60では、前後パンツ61に基づいて左パンツ型紙71L、右パンツ型紙71Rを裁断する。左パンツ型紙71L、右パンツ型紙71Rは同形である。
左パンツ型紙71L及び右パンツ型紙71Rは、股下の部分を「わ裁ち」(前後パンツ61を反転し脚の内側でつなげて一枚の布として裁断すること)にする形状としている。これにより、右前パンツと右後ろパンツが着用状態における脚の内側部で連続した一枚の布地で形成され、縫製工程や裁断ロスを少なくすることができる。また、股下の縫い目をなくせるので、皮膚が柔らかくデリケートな内腿に、縫い目による影響(擦れたり、圧迫して跡になったり、その他縫い目による不快感)を回避できる。更に、左パンツ型紙71Lと右パンツ型紙71Rで裁断されて縫製された左右のパンツ部は、脚部を覆う先細りの筒状となりスマートな印象を与えることができる。
更に、前股まち62Fに基づいて、図9(a)に示す左右の前股まち型紙72L、72Rを作成する。また、後ろ股まち62Bを中心で反転してつなげることで後ろ股まち型紙73を「わ裁ち」できるように形成する。更に、裾リブ63に基づいて裾で反転してつなげることで、表と裏とを「わ裁ち」できるように形成した同図(c)に示す左裾リブ型紙74L、右裾リブ型紙74Rを形成する。
この左パンツ型紙71L、右パンツ型紙71R、左前股まち型紙72L、右前股まち型紙72R、後ろ股まち型紙73、左裾リブ型紙74L、右裾リブ型紙74R、及び、接合部材75を構成するオステープ部材76、メステープ部材77を縫製して介護用パジャマパンツ60を製作する。
本実施形態では、上述したように接合部材として、YKK株式会社製の「ソフィックス(登録商標)」を採用した。この接合部材75は、オステープ部材76、メステープ部材77からなる。図11(l)、(m)に示すように、オステープ部材76は、テープ部材76aに複数の合成樹脂製で薄形のオススナップ76bを一定間隔、例えば5cm間隔で配置したボタンテープである。また、メステープ部材77は、テープ部材77aに複数の合成樹脂製で薄形のメススナップ77bを一定間隔で配置したボタンテープである。このため、オステープ部材76のオススナップ76bとメステープ部材77のメススナップ77bの接合位置を調整してウエストサイズを変更できる。更に、接合部材75は、丈夫で薄形かつ平坦であるため、上に寝ても違和感が少ない。また、洗濯等により異物が付着したり接合力が低下しない。なお、他の形式の平坦な接合部材を使用することができる。
製作された介護用パジャマパンツ60について説明する。図10は本発明の実施形態に係る介護用パジャマパンツを示すものであり、(a)は正面図、(b)は背面図、(c)は左側面図、(d)は右側面図、(e)は平面図、(f)は底面図である。図10中の左(L)、右(R)は着用者から見た方向を表している。また、図11中(j)、(k)は製作した介護用パジャマパンツ60の写真、図12(a)〜(o)は介護用パジャマパンツの着用状態の写真であり、図14は本発明の実施形態に係る介護用パジャマパンツの前開き部88の状態を示す写真である。
介護用パジャマパンツ60は、左パンツ部81L、右パンツ部81Rとから構成される。左パンツ部81Lは、着用者の左脚、左腰部、及び左殿部を覆う。また、右パンツ部81Rは、着用者の右脚、右腰部、及び右殿部を覆う。
また、左パンツ部81L及び右パンツ部81Rは、それぞれ着用者の裾に向けて先細り、着用者の左右の脚部を覆う筒状部82L、82Rを備える。更に、介護用パジャマパンツ60の左パンツ部81L及び右パンツ部81Rが、着用者の腰部の後ろ側で接合されて着用者の腰部を覆う。
左パンツ部81Lは、左側重ね部84Lを備えている。左側重ね部84Lは、前まちウエスト部84LFが介護用パジャマパンツ60の幅方向の中央線Oを越えて右側に延びるとともに、前まちウエスト部84LFから下方に向けて延設されている。左側重ね部84Lは、下側部が股下位置85から後ろ側に回りこんで、股下位置85と後ろ側のウエスト部83B間に位置する前まち後ろまち切り替え部89に至る。
同様に、右パンツ部81Rは、右側重ね部84Rを備えている。右側重ね部84Rは、前まちウエスト部84RFが介護用パジャマパンツ60の幅方向の中央線Oを越えて左側に延びるとともに前まちウエスト部84RFから下方に向けて延設されている。また、右側重ね部84Rは、下側部が股下位置85から後ろ側に回りこんで着用者の殿部から後ろ側のウエスト部83B間に位置する前まち後ろまち切り替え部89に至る。
なお、図10に示した介護用パジャマパンツ60の左側重ね部84Lの前まちウエスト部84LFは、図7(b)に示した作図中の前股まち62Fの前まちウエスト部62aと区別するため異なる符号を付している。また、左側重ね部84Lのウエスト部84RF前股まちも同様である。
ここで、前まちウエスト部84RFは、右側重ね部84Rの上側端部を形成する。同様に前まちウエスト部84LFは、左側重ね部84Lの上端部を形成する。そして、図10(a)に示すように、本実施形態では、介護用パジャマパンツ60を着用した状態において、前まちウエスト部84RFと前まちウエスト部84LFとは前側で重ねられ、介護用パジャマパンツ60の前側のウエスト部83Fの中央部位を形成する。
また、前まち後ろまち切り替え部89は、図7(b)で示した作図中で、前股まち62Fと、後ろ股まち62Bとの境界線64に相当する箇所である。前まち後ろまち切り替え部89は、介護用パジャマパンツ60の後ろ側であって、股下位置85と後ろ側のウエスト部83Bの間に位置する。前まち後ろまち切り替え部89では、左側重ね部84Lと右側重ね部84Rとが、後ろ股まち(図9の後ろ股まち型紙73に基づいて作成される)に接合されている。なお、前まち後ろまち切り替え部89の位置は股下位置85と後ろ側のウエスト部83Bとの間で必要に応じて設定できる。
左側重ね部84Lと右側重ね部84Rとは着用状態において、左側重ね部84Lを前側とする左前とされる。なお、縫製の状態を変更することで右側重ね部84Rを前とする右前にすることができる。
そして、左側重ね部84Lと右側重ね部84Rとを外側に開いた状態で、前開き部88を着用者の前側から着用者の股部を越えて殿部に至り、前開き部開き止まり87までを開状態に保持できる。図14(a)は着用者が両膝を伸展した姿勢、図14(b)は着用者が両膝を屈曲した姿勢をしている。どちらの姿勢でも、介護用パジャマパンツ60の左側重ね部84Lと右側重ね部84Rとを外側に開いた状態で、前開き部88を着用者の前側から着用者の股部を越えて殿部の前開き部開き止まり87までを開状態に保持できることがわかる。
介護用パジャマパンツ60の前側のウエスト部83F(前股まちウエスト部は除く)、及び後ろ側のウエスト部83Bの周囲には、弾性体であるゴム素材のひもが縫い込まれて配置されている。本例では、前側のウエスト部83F(前股まちウエスト部は除く)、後ろ側のウエスト部83Bはギャザーが形成され、開口の寸法を調整できる。なお、弾性体としてゴム紐に換えて平ゴムを使用することができる。
更に、左パンツ部81L、右パンツ部81Rの足首部には左裾リブ86L、右裾リブ86Rが配置されている。この左裾リブ86L、右裾リブ86Rは伸縮性のある編み布であるリブ素材で形成されている。この左裾リブ86L、右裾リブ86Rは、開口寸法が、素材の伸縮により変形する。このため、左裾リブ86L、右裾リブ86Rによって着用者の足首寸法に合わせることにより介護用パジャマパンツ60の股下長さの調整を行うことが可能であり、サイズの多様化を防止でき製造コストの低減を図ることができる。また、裾下からの空気流入を防止して防寒効果を向上することができる。
そして、本実施形態に係る介護用パジャマパンツ60は、図10(a)〜(f)に示すように、右側重ね部84Rと左側重ね部84Lとを重ねた状態において、前側部分60F及び後ろ側部分60Bが、それぞれ前後の中央面CPに対して面対称形としている。
通常、介護用パジャマパンツの前側部分60Fを着用者の腹側にし、介護用パジャマパンツの後ろ側部分60Bを着用者の背側にして着用する。すると、介護用パジャマパンツ60の前開き部88(図14(a)、(b)参照)は着用者35の腹側の下部に位置する。
本実施形態に係る介護用パジャマパンツ60は、前後が対称形であるため、前後逆に着用することができる。この場合、介護用パジャマパンツ60の前側部分60Fを着用者の背側にし、介護用パジャマパンツの後ろ側部分60Bを着用者の腹側にして着用する。すると、介護用パジャマパンツ60の前開き部88(図14(a)、(b)参照)は着用者の背側の下側(殿部側)に位置することとなる。
そして、このように前後を逆に着用した場合であっても、着用感や外観上の違和感がない。また、おむつの交換に際しては、介護用パジャマパンツを脱ぐことなく、左側重ね部と右側重ね部を左右に移動して前開き部88を大きく開けて、容易におむつを交換できる。
<介護用パジャマパンツ60の縫製仕様>
以下、介護用パジャマパンツ60の縫製について説明する。縫製は以下のようにすることができる。
使用する素材(布地)は肌あたりが良いものが望ましい。布帛や伸縮素材(フライス・天竺・スムース・リブ・ジャージー等)などあらゆる素材で製作することができる。これにより、布地の素材や組成、柄や色などが限定されず、選択肢が多くなり、着用者の衣服に対する希望を実現することができる。好きな服や着たい服を着ることで外出する楽しみや人と会う楽しみの機会が増えることにつながる。
着脱の際、介助者によっては衣服の特定部分を強く引っ張り着脱させることが想定される。このため、各縫い目の負荷がかかりうるところは補強をした。補強方法、補強部分は下記の通りである。
前股まちの前端縫い代にハーフバイアステープ(アイロン接着・12mm幅)を出来上がり線に合わせて貼り、出来上がりにアイロンで折り、ミシンで縫う。
補強する箇所としては後ろ股まちと左右股まちの縫い合わせ部分が考えられる。
ここで、補強は布帛の場合はハーフバイアステープを使用し、後ろ股まちの殿部側の縫い代裏面に接着する。伸縮素材の場合は2本針オーバーロックミシンを使用し、前股まち縫い代部分にスピンテープを縫い込む。
更に補強する箇所としては、前後がつながった股まちと前後パンツの股ぐりの縫い合わせ部分がある。この場合、素材が布帛の場合はハーフバイアステープを使用し前後パンツの股ぐりの縫い代裏面に接着する。伸縮素材の場合は2本針オーバーロックミシンを使用し、前後股まちが縫い合わさったパーツ側の縫い代にスピンテープを縫い込む。
次に介護用パジャマパンツ60の着用実験について説明する。図11及び図12は本発明の実施形態に係る介護用パジャマパンツの開発経過、実験を示す写真である。
図11(j)は前側のウエスト部83Fを上側として平置きにした写真、同(k)は前側のウエスト部83Fを下側として平置きにした写真である。同(l)は接合部材75のオステープ部材76を示す写真、(m)は接合部材75のメステープ部材77を示す写真である。接合部材75の厚さ寸法が小さく、邪魔にならないことがわかる。
図11(n)は接合部材75の接合位置を調整して介護用パジャマパンツ60のウエストサイズを大きくした状態の拡大写真、同(o)は接合部材75の接合位置を調整して介護用パジャマパンツ60のウエストサイズを大きくした状態の写真である。また、図12(a)は接合部材75の接合位置を調整して介護用パジャマパンツ60のウエストサイズを小さくした状態の写真である。また同図(b)は接合部材75の接合位置を調整して介護用パジャマパンツ60のウエストサイズを小さくした状態において接合部材が現れた写真である。これらの写真により、介護用パジャマパンツ60のウエストサイズを容易に調整できることがわかる。
図12(c)は裾リブの拡大写真、同(d)は左右の裾リブの写真である。図12(e)は側臥位姿勢で介護用パジャマパンツ60の前開き部を閉状態とした写真、同(f)は側臥位姿勢で介護用パジャマパンツ60の前開き部を開状態とした写真である。これらの写真により、側臥位姿勢でも前開き部を開き、おむつの交換を容易に行えることがわかる。
図12(g)は前開き部を前側に着用した着用者が仰向きになっている状態を示す写真、同(h)は同姿勢で前開き部を開状態とした写真である。
更に、図12(i)は側臥位姿勢で介護用パジャマパンツ60の前開き部88を閉状態とした写真、同(j)は介護用パジャマパンツ60の前開き部88を背側(後ろ側)に着用した状態の写真である。また、同(k)(l)(m)は側臥位姿勢で介護用パジャマパンツ60の前開き部を背側(後ろ側)に着用した状態で前開き部88を開状態とした写真である。そして、図12(n)(o)は前開き部を背側にして閉状態とした写真である。これらの写真により、介護用パジャマパンツ60を前後逆に着用した状態でも前開き部88を背側でも開くことができ、おむつの交換を容易に行えることがわかる。
以上のことから、本実施形態に係る介護用パジャマパンツ60は、着用者が様々な姿勢をとった場合、また介護用パジャマパンツ60の前開き部を前側に着用した場合、前開き部を後ろ側に着用した場合の何れでも前開き部88を大きく開けておむつの交換が容易に行えることがわかる。
また、介護用パジャマパンツ60の素材として伸縮素材を使用して製作することができる。また、介護用パジャマパンツ60の素材を、パジャマ感払拭のため、普段着のように着用できる、来客があっても恥ずかしくない、外出したくなるような色や柄の伸縮素材を使用して、機能性もありながら意匠性に富んだ商品とすることができる。
更に、本実施形態に係る介護用パジャマパンツ60は、上着として羽織ることが可能である。この場合は、右パンツ部81Rに左腕を通し、左パンツ部81Lに右腕を通し、前開き部88から首を出すように着用できる。これにより着用者は、1着で3通りの着用方法を楽しむことができる。
<排泄支援ロボットの使用>
本実施形態に係る介護用パジャマパンツ60は排泄支援ロボットの使用が可能であることを実験で確認した。図15は本発明の実施形態に係る介護用パジャマパンツ60を着用して排泄支援ロボット90を装着した状態を示す写真である。図15において、(a)は介護用パジャマパンツ60を着用せずに排泄支援ロボット90を装着した前からの写真、(b)は介護用パジャマパンツ60の前開き部88を後ろとして着用して排泄支援ロボット90を装着した後ろからの写真を示している。また、図15において、(c)は介護用パジャマパンツ60の前開き部88を後ろに着用して排泄支援ロボット90を装着した前からの写真、(d)は介護用パジャマパンツ60の前開き部を後ろ側に着用して排泄支援ロボット90を装着した後ろからの写真である。
この排泄支援ロボット90は、専用カバー91を装着し、装着者が排便・排尿したときおむつ内のセンサーが感知し、寝たままで排泄物の自動吸引と局部の洗浄・除湿ができる各種ホース92を備えた装置である。この着用実験から、介護用パジャマパンツ60を着用したままで排泄支援ロボット90を装着できることが実証された。
本発明に係る介護用パジャマパンツは、着用者、介護者双方にとって快適であり更にデザイン性に富むものであり、産業上の利用が可能である。
10:ストレートパンツ
11:前パンツ
12:後ろパンツ
20:検討用パジャマパンツ
21:前パンツ
22:後ろパンツ
23:股まち
30:第1次サンプルパジャマパンツ
31:前パンツ型紙
32:後ろパンツ型紙
33:股まち型紙
35:着用者
36:殿部
37:一番下側の位置
40:第2次サンプルパジャマパンツ
41:前後パンツ
42:股まち
42F:前股まち
42B:後ろ股まち
50:第3次サンプルパジャマパンツ
51:前後パンツ
52:股まち
52F:前股まち
52B:後ろ股まち
53:裾リブ
60:介護用パジャマパンツ
60B:後ろ側部分
60F:前側部分
61:前後パンツ
62:股まち
62a:前まちウエスト部(股まち)
62b:股下
62c:後ろまちウエスト部
62B:後ろ股まち
62F:前股まち
63:裾リブ
64:境界線
71L:左パンツ型紙
71R:右パンツ型紙
72L:左前股まち型紙
72R:右前股まち型紙
73:後ろ股まち型紙
74L:左裾リブ型紙
74R:右裾リブ型紙
75:接合部材
76:オステープ部材
76a:テープ部材
76b:オススナップ
77:メステープ部材
77a:テープ部材
77b:メススナップ
81L:左パンツ部
81R:右パンツ部
82L、82R:筒状部
83B:後ろ側のウエスト部
83F:前側のウエスト部
84L:左側重ね部
84LF:前まちウエスト部(左側重ね部)
84R:右側重ね部
84RF:前まちウエスト部(右側重ね部)
85:股下位置
86L:左裾リブ
86R:右裾リブ
87:前開き部開き止まり
88:前開き部
89:前まち後ろまち切り替え部
90:排泄支援ロボット
91:専用カバー
92:各種ホース

Claims (7)

  1. 着用者の左脚、左腰部、及び左殿部を覆う左パンツ部と、前記着用者の右脚、右腰部、及び右殿部を覆う右パンツ部とを備え、おむつ交換用の前開き部を開閉可能な介護用パジャマパンツであって、
    前記左パンツ部及び前記右パンツ部は、それぞれの裾に向けて先細る筒状部を備え、
    前記左パンツ部及び前記右パンツ部は、後ろ側で接合されており、
    前記左パンツ部は、前まちウエスト部が前記介護用パジャマパンツの幅方向の中央線を越えて右側に延びるとともに前記前まちウエスト部から下方に向けて延設された左側重ね部を備え、
    前記左側重ね部は、下側部が後ろ側に回りこんで前記殿部下と後ろ側のウエスト部との間に形成された前まち後ろまち切り替え部に至り、
    前記右パンツ部は、前まちウエスト部が前記介護用パジャマパンツの幅方向の中央線を越えて左側に延びるとともに前記前まちウエスト部から下方に向けて延設された右側重ね部を備え、
    前記右側重ね部は、下側部が後ろ側に回りこんで前記殿部下と後ろ側のウエスト部との間に形成された前まち後ろまち切り替え部に至り、
    前記左側重ね部と前記右側重ね部とを外側に開いた状態で、前側から股下を越えて殿部に至るまで前記前開き部を開状態に保持でき、
    前記左側重ね部及び前記右側重ね部の一方を内側、他方を外側にして重ねて着用することで前記前開き部を閉状態に保持でき、
    前記左側重ね部及び前記右側重ね部の上縁部には、前記左側重ね部及び前記右側重ね部を重ねた状態で重ね合わせの寸法を調整可能に接合する接合部材を備える、
    ことを特徴とする介護用パジャマパンツ。
  2. 前記左パンツ部と前記右パンツ部とを縫製して組み合わせて前記右側重ね部と前記左側重ね部とを重ねた状態における前記介護用パジャマパンツは、前側部分及び後ろ側部分が面対称形として形成されていることを特徴とする請求項1に記載の介護用パジャマパンツ。
  3. 前記右パンツ部、及び前記左パンツ部の裾には、伸縮性がある素材で形成され、開口寸法を弾性的に変更できる裾部材を配置したことを特徴とする請求項1に記載の介護用パジャマパンツ。
  4. 前記接合部材は、テープ部材に複数の合成樹脂製薄形オススナップを一定間隔で配置したオステープ部材と、テープ部材に複数の合成樹脂製薄形メススナップを一定間隔で配置したメステープ部材とから構成されることを特徴とする請求項1に記載の介護用パジャマパンツ。
  5. 前記左パンツ部は、左前パンツ及び左後ろパンツが着用状態における脚の内側部で連続した一枚の布地で形成され、
    前記右パンツ部は、右前パンツと右後ろパンツが着用状態における脚の内側部で連続した一枚の布地で形成され、
    それぞれ前記脚の外側部で縫製されていることを特徴とする請求項1に記載の介護用パジャマパンツ。
  6. 前記左パンツ部及び前記右パンツ部は、布帛又は伸縮素材で構成されていることを特徴とする請求項1に記載の介護用パジャマパンツ。
  7. 前記ウエスト部に伸縮可能なゴム素材が配置され、前記ウエスト部の寸法を調整可能としたことを特徴とする請求項1に記載の介護用パジャマパンツ。
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