JP2019203068A - 耐擦過性レーザーマーキング用インク組成物 - Google Patents

耐擦過性レーザーマーキング用インク組成物 Download PDF

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明 石河
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Abstract

【課題】レーザー照射により、黒色度が格段に高くかつ耐擦過性に優れた文字や図柄、バーコード、QRコードなどを形成することができる耐擦過性レーザーマーキング用インク組成物を提供する。【解決手段】本発明による耐擦過性レーザーマーキング用インク組成物は、(i)エポキシ樹脂100重量部に対し、(ii)イットリウムの酸化物とモリブデンの酸化物との複合酸化物からなるレーザーマーキング用添加剤5〜100重量部と、(iii)吸熱剤0.5〜45重量部とを含むものである。【選択図】なし

Description

本発明は、レーザー照射によりマーキングを行うためのインクに関し、より詳しくは、COレーザーを照射することにより黒色系の色調に変色を起こすモリブデン含有複合酸化物を含むインクに関し、特に耐擦過性に優れた印字を形成できるインクに関するものである。
従来、電気・電子部品等への文字のマーキングは、通常のインクを捺印、転写、印刷等の方法で電子部品本体に任意の形状で付着させた後に、加熱あるいは紫外線照射により、定着させる方法で行われていた。しかしながら、このような方法では摩擦等により印字が消失してしまうことがあり、微細な文字や曲面でのマーキングが困難であるうえ、インクの性能を維持するためのメンテナンスが煩わしい。そこで、インクを用いない印字方法が採用されつつあり、その一つにレーザーマーカを用いた印字方法がある。レーザーマーカは、レーザーを照射することにより印字を行うもので、その印字機構には、被照射物の表面を飛散させる方法や、被照射物表面の化学変化を利用して印字をする方法がある。
YAGもしくはCO2レーザー照射により変色可能な添加剤を配合した樹脂インク組成物の表面をマーキングする技術が、既に幾つか知られている。例えば、熱可塑性樹脂に水酸化銅一リン酸塩、酸化モリブデンまたは二酸化チタンを含有させたインク組成物(特許文献1)、熱可塑性樹脂にリン酸銅、硫酸銅、塩基性リン酸第二銅およびチオシアン酸銅からなる群より選んだ少なくとも1つを含有させたインク組成物(特許文献2)、ABS樹脂に少なくとも2種の金属酸化物を含有させたインク組成物(特許文献3)、モリブデン化合物と塩基性フィラーを含有させたインク組成物(特許文献4)、エポキシ樹脂に無機酸銅水和物を含有させたインク組成物(特許文献5)、熱可塑性樹脂にカーボンブラックを含有させたインク組成物(特許文献6)、酸化鉄を含有したインク組成物(特許文献7)、モリブデン酸ナトリウムまたはモリブデン酸カリウムを含有したインク組成物(特許文献8)、イットリウム酸化物とモリブデン酸化物を含む添加剤(特許文献9)が開示されている。
しかし、これらのレーザーマーキング用添加剤を使用しても、マーキングされた文字や図柄の黒色度や品質が十分でない。また、容器などの表面は他のものとの接触により擦れることが多いため、同表面に施される文字や図柄(QRコードを含む)は高い耐擦過性が求められるものであるが、従来、このような要望に応える耐擦過性の印字や図柄を形成することができるレーザーマーキング用インクは、知られていない。
特開平3−24161号公報 特開平8−187951号公報 特開平9−20855号公報 特開平11−29711号公報 特開平5−229256号公報 特開平5−92657号公報 特開昭60−155493号公報 特表2009−512574号公報 特許第4582386号公報
本発明は、上記実情に鑑みて完成されたもので、レーザー照射により、黒色度が格段に高くかつ耐擦過性に優れた文字や図柄、バーコード、QRコードなどを形成することができる耐擦過性レーザーマーキング用インク組成物を提供することを課題とする。
本発明による耐擦過性レーザーマーキング用インク組成物は、(i)エポキシ樹脂100重量部に対し、(ii)イットリウムの酸化物とモリブデンの酸化物との複合酸化物からなるレーザーマーキング用添加剤5〜100重量部と、(iii)吸熱剤0.5〜45重量部とを含むものである。
エポキシ樹脂は、本発明による耐擦過性レーザーマーキング用インク組成物の主構成成分であって、エポキシ環を有し、通常は硬化剤との反応で三次元架橋硬化されるものである。酸化剤としては種々のアミン、酸無水物などが使用できる。エポキシ樹脂は特に限定されないが、エポキシエステル、エポキシビニル、エポキシアミド、エポキシウレタン(アミド変性エポキシ、ウレタン変性エポキシ、ビニル変性エポキシなどの変性エポキシ樹脂)が好ましい。
前記複合酸化物を構成するイットリウムとモリブデンの割合は、モル比で、好ましくはY:Mo=1:0.5〜100(Y:MoO=1:1〜200)、より好ましくはY:Mo=1:1〜50(Y:MoO=1:2〜100)、さらに好ましくはY:Mo=1:1〜10(Y:MoO=1:2〜20)、最も好ましくはY:Mo=1:2.5〜5(Y:MoO=1:5〜10)のものである。
該複合酸化物は、好ましくは、下記一般式で表される、イットリウムの酸化物とモリブデンの酸化物とからなる複合酸化物である。
Mo(1−x)
(式中、
よびyが上記範囲より小さい場合には、モリブデンの酸化物に対するイットリウムの固溶量が少なく、また、xおよびyが上記範囲より大きい場合には、モリブデンの酸化物とイットリウムの酸化物の複合化が進み、いずれの場合も得られた複合酸化物の構造は強固なものとなる。これらの要因は、レーザー光に対する添加剤の反応性を低下させ、レーザー照射時の添加剤の変色度合いを悪くする為、上式中のxおよびyが上記範囲を下回っても上回っても、レーザーマーキング性能が低下する。
イットリウムの酸化物とモリブデンの酸化物との複合酸化物は、イットリウムの酸化物とモリブデンの酸化物、または熱を加えることによりそれぞれ該酸化物となる前駆化合物を用いて合成することができる。合成時、焼結抑制剤、合成補助剤等を添加してもよい。合成法は、固相法、液相法、気相法のいずれであってもよい。合成原料は、例えば、金属の炭酸塩、酸化物、硝酸塩、リン酸塩、水酸化物、塩化物、カルボン酸塩(シュウ酸塩等)等であってよい。イットリウム源として、酸化イットリウム、硝酸イットリウム、水酸化イットリウム等が好ましく用いられ、モリブデン源として、三酸化モリブデン、モリブデン酸アンモニウム、等が好ましく用いられる。複合酸化物は、好ましくは、イットリウムの酸化物とモリブデンの酸化物、または熱を加えることにより該酸化物となる前駆化合物を、所定の割合で配合した原料配合物を粉砕機で乾式混合し、得られた混合物を300℃以上の温度で、好ましくは600〜820℃の範囲で焼成することで調製することができる。ここで、「所定の割合」とは、例えば、一般式、YMo(1−x)(式中、xおよびyはそれぞれ上述のとおりである)で表される複合酸化物を得るのに必要な原料化合物の割合である。
レーザーマーキング用インク組成物におけるレーザーマーキング用添加剤の割合は、エポキシ樹脂100重量部に対し、5〜100重量部、好ましくは10〜75重量部、より好ましくは15〜50重量部、さらに好ましくは20〜40重量部、最も好ましくは25〜35重量部である。
レーザーマーキング用添加剤の割合が小さすぎると、黒色度が低く、文字や図柄、コードなどを形成できても明瞭に認識ができない。レーザーマーキング用添加剤の割合が大きすぎると、黒色度が高く、文字や図柄、コードなどを形成できるが、レーザーマーキング用添加剤がレーザーを吸収した際に出てくる熱エネルギーにより、塗膜が破壊され擦れに対して耐久性が著しく弱くなる。
前記吸熱剤は、たとえば;水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の金属水酸化物;硫酸カルシウム二水和物等の水和物;炭酸カルシウム、炭酸水素ナトリウム等の炭酸塩;アルミナや酸化ケイ素等が例示される。吸熱剤としては水酸化アルミニウムが好ましく、チタネート表面処理された水酸化アルミニウムが特に好ましい。
レーザーマーキング用インク組成物における吸熱剤の割合は、エポキシ樹脂100重量部に対し、0.5〜45重量部、好ましくは5〜30重量部、より好ましくは10〜30重量部、さらに好ましくは20〜30重量部である。吸熱剤の割合が小さすぎると、黒色度が高く、特に耐擦過性に優れた文字や図柄、コードなどを形成することができない。吸熱剤の割合が大きすぎると、吸熱剤自体へのレーザー吸収が大きくなり、レーザーマーキング添加剤へのレーザー吸収が阻害され、黒色度が低くなる。
前記レーザーマーキング用添加剤は、雲母薄片、金属酸化物で被覆された雲母薄片、SiOフレークおよびガラスフィラーからなる群から選ばれた基質に被覆されているか、または該基質と混合されたものでもよい。
基材にマーキングを施す方法自体は、常法に従って行って良い。本発明は、上述した耐擦過性レーザーマーキング用インク組成物を、プラスチックフィルム、紙、金属箔、ガラスなどからなる基材上に塗工する工程と、形成された塗工層にレーザーを照射して前記レーザーマーキング用添加剤を変色させる工程とを含む、耐擦過性のレーザーマーキング方法を提供する。
本発明による耐擦過性レーザーマーキング用インク組成物を、プラスチックフィルム、紙、金属箔またはガラスからなる基材や、金属缶などの容器の表面に塗工する工程と、形成された塗工層の上に透明な表面保護層を積層状に設ける任意工程と、得られた多層体にレーザーを照射して前記レーザーマーキング用添加剤を変色させる工程とを実施して、耐擦過性のレーザーマーキング印字ないし画像を形成することもできる。
本発明による耐擦過性レーザーマーキング用インク組成物は、通常、粒径0.1〜10μm、好ましくは0.5〜5μmの微粒子である。
本発明による耐擦過性レーザーマーキング用インク組成物は、無機ないしは有機の、顔料および/または染料を含んでよい。該インク中の無機ないしは有機顔料および染料の量は、好ましくは1〜30%、より好ましくは4〜15%である。
無機顔料の例としては、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アンチモン、硫化亜鉛等の白色顔料;酸化マグネシウム、酸化カルシウム等の体質顔料;酸化鉄、群青、紺青、カーボンブラック;チタンイエローやコバルトブルー等の複合酸化物顔料等の着色顔料;オキシ塩化ビスマス、酸化チタン等で被覆された雲母顔料のような高輝性顔料が挙げられる。
有機顔料の例としては、アゾ、アゾメチン、メチン、アントラキノン、フタロシアニン、ペリレン、チオインジゴ、キナクリドン、およびキノフタロン顔料等が挙げられる。
染料の例としては、アントラキノン系、アゾ染料の金属錯体、更にクマリン、ナフタルイミド、キサンテン、チアジン等の蛍光染料が挙げられる。
本発明による耐擦過性レーザーマーキング用インク組成物は、有機溶剤、反応性モノマー化合物および顔料、樹脂の分解や変色を防ぐ安定剤を含んでもよい。
有機溶剤の例としては、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸nプロピル、酢酸nブチル、酢酸イソブチル、メタノール、エタノール、nプロピルアルコール、イソプロピルアルコール、nブチルアルコール、イソブチルアルコール、第2ブチルアルコール、アセトン、メチルエチルケトン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート等が挙げられる。
反応性モノマー化合物の例としては、N−ビニルピロリドン、ジプロピレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ブタンジオールジアクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート、グリセロールプロポキシトリアクリレート、ペンタエリトリトールトリアクリレート、ジプロピレングリコールジメタクリレート、トリプロピレングリコールジメタクリレート、ブタンジオールジメタクリレート、ヘキサンジオールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ビスフェノールAのジ(3−メタクリルオキシ−2−ヒドロキシプロピルエーテル)、ビスフェノールAのジ(2メタクリルオキシエチルエーテル)、ビスフェノールAのジ−(3−アクリルオキシ−2−ヒドロキシプロピルエーテル)およびビスフェノールAのジ(2−アクリルオキシエチルエーテル)等が挙げられる。エタノール、イソプロピルアルコール、酢酸メチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、1−メトキシー2−プロパノール、トルエン、キシレンなどが好ましい。
安定剤の例としては、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、シアノアクリレート系、ベンゾエート系、ホルムアミジン系、ヒンダードアミン系化合物、アミノ安息香酸、アミノ安息香酸エステル等の紫外線吸収剤や酸化防止剤が挙げられる。
本発明による耐擦過性レーザーマーキング用インク組成物の調製は、常法に従って行われてよい。複合酸化物の分散には、サンドミル、ビーズミル、アトライター等が利用できる。すべての成分を混合してから分散をしてもよいが、ディゾルバー、ホモミキサー、ボールミル、 ロールミル、石臼式ミル、超音波分散機等の既知の分散手段を用いて予め顔料を分散させておいても良い。
また、複合酸化物の分散性をよくするために、これに表面処理を施してもよいし、分散剤、表面処理剤や、レーザー特性向上のための増感剤等を添加してもよい。また、用途に応じて、光安定剤、難燃化剤、ガラス繊維、帯電防止剤、電磁波遮断用添加剤等の既知の添加剤を併用してもよい。
本発明による耐擦過性レーザーマーキング用インク組成物を、基材の少なくとも片面に塗工して成るレーザーマーキング用印刷物、および、基材上に設けられた上記耐擦過性レーザーマーキング用インク組成物からなるインク皮膜層と、該インク皮膜層の上に設けられた透明な表面保護層とからなるレーザーマーキング用多層体、さらに、上記レーザーマーキング用印刷物もしくは上記レーザーマーキング用多層体にレーザー照射によりマーキングを施してなるレーザーマーキング製品などの形態で製品化することができる。
レーザーマーキング用のレーザーはCOレーザー、YAGレーザー、YVOレーザーであってもよく、波長は532〜10600nmであってもよい。特に波長中心が10600nmであるCOレーザーが好ましい。レーザー照射条件は、印刷方法、印刷条件、基材の種類等により適宜選択される。
本発明の耐擦過性レーザーマーキング用インク組成物によれば、、レーザー照射により、黒色度が格段に高い上に耐擦過性に優れた文字や図柄、コードなどを形成することができる。
図1(a)は、耐擦過性の良好なサンプル表面を走査型電子顕微鏡で観測した写真を示す。
図1(b)は、耐擦過性の不良なサンプルの表面を走査型電子顕微鏡で観測したときの写真を示す。
本発明を下記の複合酸化物の合成、レーザーマーキング用インク組成物の調製および性能評価によりさらに詳細に説明する。
(複合酸化物の合成)
合成例1
酸化イットリウム(Y)と酸化モリブデン(MoO)を、モル比Y/Mo=1/0.12に対応するように、それぞれ17.1gと2.7g取って、これらをヘンシェルミキサーで乾式混合した。得られた混合粉体をるつぼにとり、電気炉(アドバンテック東洋社製、KS−1503)で600℃で6時間焼成した。ついで、この焼成粉体を自動乳鉢で3時間解砕し、平均粒子径が1〜2μmである白色のレーザーマーキング用添加剤を得た。
合成例2
三酸化モリブデンの量を45.8gに変えた以外は、合成例1と同様の操作を行い、モル比Y/Mo=1/2.04の白色のレーザーマーキング用添加剤を得た。
合成例3
三酸化モリブデンの量を91.9gに変えた以外は、合成例1と同様の操作を行い、モル比Y/Mo=1/4.08の白色のレーザーマーキング用添加剤を得た。
合成例4
三酸化モリブデンの量を272.7gに変えた以外は、合成例1と同様の操作を行い、モル比Y/Mo=1/12.12の白色のレーザーマーキング用添加剤を得た。
合成例5
三酸化モリブデンの量を545.5gに変えた以外は、合成例1と同様の操作を行い、モル比Y/Mo=1/24.24の白色のレーザーマーキング用添加剤を得た。
(レーザーマーキング用インク組成物の調製)
比較例1
合成例1で得られた複合酸化物30重量部と、熱硬化型1液エポキシアミド樹脂(桜宮化学社製)100重量部とを容器に入れて、ガラスビーズを加えて3本ロールで120分間分散して、レーザーマーキング用インク組成物を調製した。
比較例2〜5
複合酸化物として、合成例2〜5で得られたものを、それぞれ30重量部用いた以外は、比較例1と同様の操作を行い、レーザーマーキング用インク組成物を得た。
比較例6〜8
複合酸化物として、合成例3で得られたものを、5重量部、50重量部、100重量部用いた以外は、比較例1と同様の操作を行い、レーザーマーキング用インク組成物を得た。
比較例9
複合酸化物を同量の三酸化モリブデンに変えた以外は、比較例1と同様の操作を行い、レーザーマーキング用インク組成物を得た。
各比較例で得られたレーザーマーキング用インク組成物を表1にまとめて示す。
実施例1
合成例3で得られた複合酸化物30重量部と、熱硬化型1液エポキシアミド樹脂(桜宮化学社製)100重量部と、吸熱剤としてチタネート表面処理された水酸化アルミニウム〈日本軽金属社製「BX053T」〉10重量部とを容器に入れて、ガラスビーズを加えて3本ロールで120分間分散して、レーザーマーキング用インク組成物を調製した。
実施例2
実施例1における複合酸化物とエポキシアミド樹脂と吸熱剤のインク組成物に、白色顔料(商品名「R820」、石原産業社製)を10重量部添加した以外は、実施例1と同様の操作を行い、レーザーマーキング用インク組成物を得た。
実施例3
実施例2における白色顔料の量を20重量部に変更した以外は、実施例2と同様の操作を行い、レーザーマーキング用インク組成物を得た。
実施例4
実施例2における水酸化アルミニウムの量を20重量部に変更した以外は、実施例2と同様の操作を行い、レーザーマーキング用インク組成物を得た。
実施例5
実施例2における水酸化アルミニウムの量を45重量部に変更した以外は、実施例2と同様の操作を行い、レーザーマーキング用インク組成物を得た。
実施例6
実施例2におけるアミド変性エポキシ樹脂を同量のウレタン変性エポキシ樹脂に変更した以外は、実施例2と同様の操作を行い、レーザーマーキング用インク組成物を得た。
実施例7
実施例2におけるアミド変性エポキシ樹脂をビニル変性エポキシ樹脂に変更した以外は、実施例2と同様の操作を行い、レーザーマーキング用インク組成物を得た。
実施例8
実施例2における吸熱剤としての水酸化アルミニウムを水酸化マグネシウムに変更した以外は、実施例2と同様の操作を行い、レーザーマーキング用インク組成物を得た。
(性能評価)
(1)レーザーマーキング特性の評価
実施例および比較例で得られた各レーザーマーキング用インク組成物を、脱脂処理したアルミニウム板にバーコータ(R.D.Sラボラトリー・コーティング・ロッド)を用いて塗工し、120℃、5分間乾燥させ、膜厚100μmのインク皮膜層を形成した。このインク皮膜層に、波長中心が10600nmであるCOレーザー(キーエンス社製3Axis COレーザマーカ ML−Z9500/9510)を照射し所定のマーキングを施したした。レーザー照射条件はレーザー出力15%、走査速度1000mm/秒であった。
変色部分(印字部)を分光光度計(大日精化工業社製、カラコムC)により測色し、以下基準で評価した。
×印字不可、△印字かすれ、○印字黒度良、◎鮮明な黒印字
評価結果を表1および表2に示す。
(2)耐擦過性の評価
実施例および比較例で得られた各レーザーマーキング用インク組成物を、脱脂処理したアルミニウム板試験片にバーコータ(R.D.Sラボラトリー・コーティング・ロッド)を用いて塗工し、120℃、5分間乾燥させ、膜厚100μmのインク皮膜層を形成した。ついで、同層に波長中心が10600nmであるCOレーザー(キーエンス社製3Axis COレーザマーカ ML−Z9500/9510)を照射して、所定のQRコードをマーキングした。レーザー照射条件はレーザー出力15%、走査速度1000mm/秒であった。
このQRコードに接するように、前記試験片に未マーキングの試験片を重ね、両片を500gの荷重下に1000回擦った後、QRコードの黒度を分光光度計(大日精化工業社製、カラコムC)により測色した。
耐擦過性は、両試験片を擦る前と後における各△L*値の差で評価し、評価基準は、差<5:◎(QRコード読み取り極めて良好)、差<10:○(QRコード読み取り良好)、差<20:△(QRコード読み取りほぼ可)、差≧20:×(QRコード読み取り不可)とする。
評価結果を表1および表2に示す。
添付図面は、耐擦過性の良好なサンプルと不良なサンプルの各表面を走査型電子顕微鏡で観測したときの写真を示す。
表1からわかるように、各比較例のレーザーマーキング用インク組成物を用いて得られた塗工物は、モリブデン比が高くインク組成物中の複合酸化物量が多くなるほどレーザー照射による発色性が良好である。ただし、レーザー照射によって形成された印字、図柄、バーコード,QRコードなどは耐擦過性が十分でない。合酸化物を三酸化モリブデンに変えた比較例1の塗工物では、レーザー照射による発色が全く起こらない。
表2からわかるように、各実施例のレーザーマーキング用インク組成物を用いて得られた塗工物は、レーザー照射による発色性が良好であり、かつレーザー照射によって形成された印字、図柄、バーコード、QRコードなどは耐擦過性に優れている。

Claims (7)

  1. (i)エポキシ樹脂100重量部に対し、(ii)イットリウムの酸化物とモリブデンの酸化物との複合酸化物からなるレーザーマーキング用添加剤5〜100重量部と、(iii)吸熱剤0.5〜45重量部とを含む、耐擦過性レーザーマーキング用インク組成物。
  2. 前記複合酸化物がモル比でY:Mo=1:0.5〜100ものである、請求項1に記載の耐擦過性レーザーマーキング用インク組成物。
  3. 前記エポキシ樹脂が、エポキシエステル、エポキシビニル、エポキシアミドおよびエポキシウレタンから選ばれる変性エポキシ樹脂である、請求項1または2に記載の耐擦過性レーザーマーキング用インク組成物。
  4. 前記吸熱剤が金属水酸化物からなる請求項1〜3のいずれかに記載の耐擦過性レーザーマーキング用インク組成物。
  5. 前記金属水酸化物が水酸化アルミニウムである、請求項4に記載の耐擦過性レーザーマーキング用インク組成物
  6. さらに、分散剤および/または分散助剤を含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の耐擦過性レーザーマーキング用インク組成物。
  7. 請求項1〜6記載のインク組成物を基材上に塗工する工程と、形成された塗工層にレーザーを照射して前記レーザーマーキング用添加剤を変色させる工程とを含む、耐擦過性のレーザーマーキング方法。
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