JP6652216B1 - 緑色顔料及びその利用 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐候性、耐熱性、保存安定性及び環境衛生性を備え、分散後に色分かれを生じないハロゲンフリーの緑色顔料、それを用いた塗料、印刷インキ及びトナーの提供。【解決手段】一般式(1)の化合物を含有する緑色顔料。[R1、R6、R7、R12、R13、R18、R19、R24は、水素原子を示し、R2〜R5、R8〜R11、R14〜R17、R20〜R23は、水素原子、シアノ基、ニトロ基、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルケニル基、炭素数6〜10のアリール基、−OR25、−COOR26、−CONHR27、−NHCOR28、−SO2NHR29又は−NR30R31を示し、R25〜R31は、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルケニル基、又は炭素数6〜10のアリール基を示し、X1は2つの水素原子又は配位子を有していてもよいマンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅又は亜鉛を示す。]【選択図】図1

Description

本発明は、安全性が高く、廃棄やリサイクルの際に有害物質が発生しない、ハロゲンフリーな緑色顔料に関する。更に詳しくは、耐候性と耐熱性に優れ、色分かれを生じず、かつ分散後の保存安定性に優れる緑色顔料、及びこれを用いる塗料、印刷インキ、トナーに関する。
近年、化学物質による環境汚染の懸念が深まっており、廃棄や焼却の際の生成物に対する配慮への要求が高まっている。ハロゲン化物は焼却の際にPCBやダイオキシンなどの有害物質を生成する可能性があり、製品の素材としての使用を控える動きがある。一方、現行の緑色顔料はフタロシアニングリーン(例えば、C.I.Pigment Green 7及びC.I.Pigment Green 36)で占められているが、フタロシアニングリーンはその化学構造に塩素や臭素を含んでいるため、燃焼時にダイオキシンなどの有毒物質が発生する可能性があることが欠点として挙げられる。しかし、現時点ではフタロシアンニングリーンに代わる安価、高耐性、高彩度な有機顔料候補が存在せず、緑色顔料として広く使われている。
このような背景から、近年、ハロゲン原子を含有しないハロゲンフリーな緑色顔料の探索・開発が行われており、ハロゲンフリーの青色顔料及び黄色顔料の調色によりハロゲンフリーの緑色顔料を目指す試みが行われている(例えば、特許文献1参照)。しかし、構造の全く異なる顔料を混合するために色分かれを生じる問題や、混合した顔料の種類により耐候性が異なるため、太陽光暴露等での色相変化が大きいという問題があった。
JPCA(日本プリント回路工業会)規格では、塩素(Cl)含有率:0.09wt%以下、臭素(Br))含有率:0.09wt%以下の規格が、銅張積層板に設けられている。特許文献2では、フタロシアニングリーンを他の緑色顔料に変更することが困難なことから、ハロゲン原子を含まない青色の着色剤を用いたプリント配線板用青色インキ組成物が提案されている。しかし、プリント配線基板のソルダーレジストは、作業者の視覚に対する刺激低減や、プリント配線基板の取り扱いにおいて見やすいなどの理由から、長年その色調を緑色とされており、現在も市場のプリント配線基板のほとんどに緑色が用いられている。また、プリント配線基板のソルダーレジストには、ハロゲン原子を含有しない青色顔料及び黄色顔料の調色による緑色が多く用いられる。しかし、黄色顔料の含有は耐熱性を低下させ、特に、はんだのPb系はんだからSn系はんだへの移行においてそのはんだ付け温度条件の上昇に耐えられない(はんだ耐熱性の劣化)という問題がある。また、発色がうまく行われず、露光感度が低く硬化性が不十分で露光工程に長時間を要すために生産能率が悪く、また、これら顔料の併用はコストを上昇させるという問題があった。
また、構造の大きく異なる二種以上の顔料を樹脂や溶剤に分散した塗料や印刷インキは、長期間貯蔵した際の保存安定性が問題になるケースがある。これらの顔料は、表面性や比重、界面電位、粒径等が異なるために、ビヒクル中で共凝集を生じて分散性が低下し、貯蔵時の流動性低下や経時増粘を招き使用不能になるという問題を生じる。また、顔料の鮮明性や着色力低下、塗膜表面のグロス低下といった品位面での問題も生じる。以上より、単独の化合物で緑色を発色可能であり、かつハロゲン原子を構造中に有さない顔料が求められている。
ハロゲンフリーで緑色を示す色素として、ナフタロシアニン化合物が知られている。例えば特許文献3には、ナフタロシアニン顔料を2〜20重量%含有することを特徴とする緑色画像形成のためのカラーフィルタ用カラーレジストインキが開示されている。しかし、カラーフィルタ用途における明彩性は記載されているものの、耐候性や耐熱性、色分かれ、及び保存安定性については明示されていない。
一方、特許文献4では、近赤外吸収特性に優れるナフタロシアニン顔料が記載されている。しかし、実施例で示されている化合物は全て構造中の特定の位置に置換基を含有しており、こちらの構造では、緑色顔料として耐熱性や耐候性、また分散後の保存安定性が劣るものであった。
特開2002−194242号公報 特開2001−354885号公報 特開2005−241928号公報 特開平7−11159号公報
本発明が解決しようとする課題は、耐候性、耐熱性、及び保存安定性及び環境衛生性をに優れ、かつ分散後に色分かれを生じない、ハロゲンフリーの緑色顔料、それを用いた塗料、及び印刷インキ、及びトナーを提供することである。
本発明者は、上記課題を解決するべく鋭意検討を重ねた結果、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、ハロゲンフリーの緑色顔料であって、下記一般式(1)で示される化合物と、下記一般式(2)で示される化合物とを必須成分とする緑色顔料に関する。
一般式(1)


[一般式(1)中、 〜R 24 は水素原子を表す。Xは、2つの水素原子又は配位子を有していてもよい金属原子を表し、金属原子は、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、又は亜鉛(Zn)である。]

一般式(2)



[一般式(2)中、R 50 〜R 73 は、それぞれ独立して、水素原子、スルホ基、フタルイミドメチル基、シアノ基、ニトロ基、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルケニル基、置換基を有してもよいアリール基、−OR 74 、−COOR 75 、−CONHR 76 、−NHCOR 77 、−SO - 、−SO NHR 78 又は−N
79 80 を表し、少なくとも1つ以上はスルホ基、フタルイミドメチル基、シアノ基、ニトロ基、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルケニル基、置換基を有してもよいアリール基、−OR 74 、−COOR 75 、−CONHR 76 、−NHCOR 77 、−SO - 、−SO NHR 78 又は−NR 79 80 である。
74 〜R 80 は、それぞれ独立して、水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルケニル基、又は置換基を有してもよいアリール基を表す。Z は、無機又は有機のカチオンを表す。X は、2つの水素原子又は配位子を有していてもよい金属原子を表し、金属原子は、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、又は亜鉛(Zn)である。]
また、本発明は、CuKα線によるX線回折パターンにおいて、少なくともブラッグ角2θ(±0.3°)が5.8°、13.3°、24.4°、及び26.7°に回折ピークを有することを特徴とする緑色顔料に関する。
また、本発明は、CuKα線によるX線回折パターンにおいて、ブラッグ角2θ(±0.3°)が13.3°の回折ピーク強度に対する、5.8°の回折ピーク強度の比が、1.0〜5.0であることを特徴とする緑色顔料に関する。
また、本発明は、顔料の一次粒子の平均アスペクト比が1〜3であることを特徴とする緑色顔料に関する。
また、本発明は、上記緑色顔料を含む塗料に関する。
また、本発明は、上記緑色顔料を含む印刷インキに関する。
また、本発明は、上記緑色顔料を含むトナーに関する。
本発明により、安全性が高く、廃棄やリサイクルの際に有害物質が発生しない、ハロゲンフリーな緑色顔料を提供することができる。更に詳しくは、耐候性と耐熱性に優れ、色分かれを生じず、かつ分散後の保存安定性に優れる緑色顔料、及びこれを用いた塗料、印刷インキ、トナーを提供することができる。
実施例17、58、及び65で製造した緑色顔料[A−17]、[A−58]、及び[A−65]のX線回折図である。
以下、本発明を詳細に説明する。なお、本明細書では、特に断りのない限り、「部」は質量部」を、「%」は「質量%」をそれぞれ意味するものとする。
<緑色顔料>
本発明の緑色顔料は、一般式(1)で示される化合物(以下、ナフタロシアニン化合物(1)ともいう)を必須成分とする。
一般式(1)

[一般式(1)中、R、R、R、R12、R13、R18、R19、R24は、水素原子を示す。R〜R、R〜R11、R14〜R17、R20〜R23は、それぞれ独立して、水素原子、シアノ基、ニトロ基、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルケニル基、炭素数6〜10のアリール基、−OR25、−COOR26、−CONHR27、−NHCOR28、−SONHR29又は−NR3031を表す。R25〜R31は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルケニル基、又は炭素数6〜10のアリール基を表す。Xは、2つの水素原子又は配位子を有していてもよい金属原子を表し、金属原子は、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、又は亜鉛(Zn)である。]
一般式(1)における炭素数1〜5のアルキル基としては、直鎖状でも分岐状でもよく、具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、sec−ペンチル基、tert−ペンチル基、ネオペンチル基等を挙げることができる。
一般式(1)における炭素数1〜5のアルケニル基としては、直鎖状でも分岐状でもよく、具体例としては、ビニル基、1−プロペニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、イソプロペニル基、イソブテニル基、1,3−ブタジエニル基、1−ペンテニル基、2−ペンテニル基、3−ペンテニル基、4−ペンテニル基、等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
一般式(1)における炭素数6〜10のアリール基としては、置換もしくは未置換の単環又は縮合多環芳香族基であり、例えば、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基などを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
一般式(1)中のXは、耐熱性の観点から2つの水素原子、配位子を有していてもよい銅(Cu)、又は亜鉛(Zn)であることが好ましい。
一般式(1)中のR〜R、R〜R11、R14〜R17、R20〜R23は、耐熱性の観点からそれぞれ独立に水素原子、ニトロ基、炭素数1〜5のアルキル基、−OR25、−SONHR29又は−NR3031であることが好ましい。さらに、耐候性、耐熱性、分散後の保存安定性の観点から水素原子であることがより好ましい。
本発明におけるナフタロシアニン化合物(1)の構造の具体例として、下表1−1〜1−5に示す化合物が挙げられる
本発明の一般式(1)で示される化合物を含む緑色顔料は、粉末X線回折スペクトルにおいて、少なくともブラッグ角2θ(±0.3°)が5.8°、13.3°、24.4°、及び26.7ーに回折ピークを有することが好ましい。上記の回折ピークを有する緑色顔料は、塗料や印刷インキ、トナーに使用可能であり、鮮明性、耐熱性、耐候性が優れる特徴をもつ緑色顔料である。さらに、ブラッグ角2θ(±0.3°)が13.3°の回折ピーク強度に対する5.8°の回折ピーク強度の比が、1.0〜5.0であることがより好ましい。粉末X線回折スペクトルの測定方法、回折ピーク強度比の算出方法については後述する。
本発明において、顔料一次粒子の平均アスペクト比は1〜3であることが好ましい。また、より好ましくは1〜2.5に、さらに好ましくは1〜2に整粒することによって、より耐候性、耐熱性の優れる緑色顔料を得ることができる。また、顔料の凝集力が低下し、分散後の保存安定性が良好となる。平均アスペクト比の算出方法については後述する。
本発明の緑色顔料は、R〜R24が水素原子である一般式(1)の化合物及び下記一般式(2)で示される化合物(以下、ナフタロシアニン化合物(2)ともいう)を必須成分として含むことがより好ましい。緑色顔料中に一般式(2)で示される化合物を0.3〜20%含むことにより、またより好ましくは1〜10%含むことにより、目的の粒子径や表面性に制御することができる。結果として、耐候性、耐熱性、分散後の保存安定性が向上する。
一般式(2)

[一般式(2)中、R50〜R73は、それぞれ独立して、水素原子、スルホ基、フタルイミドメチル基、シアノ基、ニトロ基、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルケニル基、置換基を有してもよいアリール基、−OR74、−COOR75、−CONHR76、−NHCOR77、−SO -、−SONHR78又は−NR7980を表し、少なくとも1つ以上はスルホ基、フタルイミドメチル基、シアノ基、ニトロ基、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルケニル基、置換基を有してもよいアリール基、−OR74、−COOR75、−CONHR76、−NHCOR77、−SO -、−SONHR78又は−NR7980である。
74〜R80は、それぞれ独立して、水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルケニル基、又は置換基を有してもよいアリール基を表す。Zは、無機又は有機のカチオンを表す。Xは、2つの水素原子又は配位子を有していてもよい金属原子を表し、金属原子は、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、又は亜鉛(Zn)である。]
一般式(2)における置換基を有してもよいアルキル基としては、直鎖状でも分岐状でもよく、具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、sec−ペンチル基、tert−ペンチル基、ネオペンチル基、2−エチルヘキシル基、ステアリル基、2−メトキシエチル基、2−ヒドロキシエチル基、2−ニトロエチル基、ジメチルアミノエチル基、ジエチルアミノプロピル基等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
一般式(2)における置換基を有してもよいアルケニル基としては、直鎖状でも分岐状でもよく、具体例としては、ビニル基、1−プロペニル基、アリル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、イソプロペニル基、イソブテニル基、1,3−ブタジエニル基、1−ペンテニル基、2−ペンテニル基、3−ペンテニル基、4−ペンテニル基、1−ヘキセニル基、2−ヘキセニル基、3−ヘキセニル基、4−ヘキセニル基、5−ヘキセニル基等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
一般式(2)における置換基を有してもよいアリール基としては、置換もしくは未置換の単環又は縮合多環芳香族基であり、例えば、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、3,5−ジメチルフェニル基、2−メトキシフェニル基、4−ジエチルアミノフェニル基、3−ニトロフェニル基、4−シアノフェニル基などを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
一般式(2)における無機又は有機のカチオンとしては、リチウム、カリウム、ナトリウム、カルシウム、マグネシウム、ストロンチウム、アルミニウム等の金属塩、ラウリルアミン、ステアリルアミン等からなる第一級アンモニウム塩、ジラウリルアミン、ジステアリルアミン等からなる第二級アンモニウム塩、ジメチルラウリルアミン、ジメチルステアリルアミン等からなる第三級アンモニウム塩、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド等の第四級アンモニウム塩、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等からなるアルカノールアンモニウム塩が挙げられる。
一般式(2)中のXは、耐熱性及び保存安定性の観点から2つの水素原子であることが好ましい。
一般式(2)中のR50〜R73は、耐熱性の観点からそれぞれ独立にスルホ基、フタルイミドメチル基、ニトロ基、置換基を有してもよいアルキル基、−OR74、−COOR75、−CONHR76、−NHCOR77、−SO -、−SONHR78又は−NR7980であることが好ましい。さらに、耐候性、耐熱性、分散後の保存安定性の観点からスルホ基、フタルイミドメチル基、−COOR75、−SO -であることがより好ましい。
本発明におけるナフタロシアニン化合物(2)の構造の具体例としては、表1−1〜1−5で示す化合物[a−2]〜[a−56]、及び下表2−1〜2−2に示す化合物が挙げられる。
<緑色顔料の製造方法>
本発明の緑色顔料の製造方法としては、下記の方法が挙げられるが、これに限定されるものではない。
(ナフタロシアニン化合物(1)の合成)
下記一般式(3)で示される2,3−ジシアノナフタレン類を、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン等のプロトン授受型促進剤の存在下にて、アルコール溶媒中で加熱還流させて反応させることで、Xが2つの水素原子であるナフタロシアニン化合物(1)を得ることができる。
一般式(3)

[一般式(3)中、R100、R105は水素原子を示す。R101〜R104は、それぞれ独立して、水素原子、シアノ基、ニトロ基、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルケニル基、炭素数6〜10のアリール基、−OR106、−COOR107、−CONHR108、−NHCOR109、−SONHR110又は−NR111112を表す。R106〜R112は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルケニル基、又は炭素数6〜10のアリール基を表す。]
また、別の方法として、上記一般式(3)で示される2,3−ジシアノナフタレン類、プロトン授受型促進剤、及び金属あるいは金属塩化物又は酸化物をアルコール溶媒中で加熱還流させて反応させることで、Xが配位子を有してよい金属原子であるナフタロシアニン化合物(1)を得ることができる。
2,3−ジシアノナフタレン類が、R101とR104、及びR102とR103が非対称の構造である場合、ナフタロシアニン化合物(1)は置換基の位置が異なる異性体の混合物として得られる。
(ナフタロシアニン化合物(2)の合成)
下記一般式(4)で示される2,3−ジシアノナフタレン類を、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン等のプロトン授受型促進剤の存在下にて、アルコール溶媒中で加熱還流させて反応させることで、Xが2つの水素原子であるナフタロシアニン化合物(2)を得ることができる。
一般式(4)
[一般式(4)中、R120〜R125は、それぞれ独立して、水素原子、スルホ基、フタルイミドメチル基、シアノ基、ニトロ基、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルケニル基、置換基を有してもよいアリール基、−OR126、−COOR127、−CONHR128、−NHCOR129、−SO -、−SONHR130又は−NR131132を表し、少なくとも1つ以上はスルホ基、フタルイミドメチル基、シアノ基、ニトロ基、置換基を有してもよい炭素数アルキル基、置換基を有してもよいアルケニル基、置換基を有してもよいアリール基、−OR126、−COOR127、−CONHR128、−NHCOR129、−SO -、−SONHR130又は−NR131132である。
126〜R132は、それぞれ独立して、水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルケニル基、又は置換基を有してもよいアリール基を表す。]
また、別の方法として、上記一般式(4)で示される2,3−ジシアノナフタレン類、プロトン授受型促進剤、及び金属あるいは金属塩化物又は酸化物をアルコール溶媒中で加熱還流させて反応させることで、Xが配位子を有してよい金属原子であるナフタロシアニン化合物(2)を得ることができる。
2,3−ジシアノナフタレン類が、R121とR124、及びR122とR123が非対称の構造である場合、ナフタロシアニン化合物(2)は置換基の位置が異なる異性体の混合物として得られる。
本発明の緑色顔料は、顔料化工程として、アシッドペースティング法、アシッドスラリー法、ドライミリング法、ソルトミリング法、ソルベントソルトミリング法、ソルベント法(アルコールや芳香族溶媒などの高沸点溶媒中で加熱処理すること)、もしくはそれらの組み合わせによって、望ましい粒子径に調整することができる。本発明においては、アシッドペースティング法、ソルベント法、及びソルベントソルトミリング法、及びそれらを組み合わせた方法を用いることがより好ましい。前記方法を用いることで、一次粒子を目的の粒径に制御し、高い耐候性、耐熱性を有する効果が得られる。また、分散後の保存安定性が優れる効果が得られる。ただし、本発明で示される緑色顔料はこれらの製造方法によって限定されるものではない。
本発明の緑色顔料は、R〜R24が水素原子である一般式(1)の化合物からなる緑色顔料を、上記方法にて粒子制御した後に一般式(2)で示される化合物を混合して得ることもできるし、上記方法にて顔料化する際に一般式(2)で示される化合物を添加し同時に顔料化して得ることもできるが、これらは選択的に使い分けることが好ましい。顔料化の際に一般式(2)で示される化合物が存在することで、溶剤への溶解性と粒子成長、微細化のバランスが制御できるため、より目的の粒子径を得られやすくなる。
本発明の緑色顔料は、色調を調整することを目的として、本発明の目的・効果を損なわない範囲で、一般式(1)の化合物以外の有機顔料、無機顔料、又は体質顔料を添加してもよい。
本発明の緑色顔料の一次粒子径は、顕微鏡法、質量法、光散乱法、光遮断法、電気抵抗法、音響法、動的光散乱法によって測定することができるが、顕微鏡法が好ましい。顕微鏡法に用いられる顕微鏡としては、例えば、走査型電子顕微鏡(SEM)、透過型電子顕微鏡(TEM)などがあげられる。本発明の実施例では、TEMにより測定を実施した。
本発明の緑色顔料の一次粒子の平均アスペクト比は、1〜3、好ましくは1〜2.5、より好ましくは1〜2、さらに好ましくは1〜1.5である。尚、本発明でいう顔料組成物の一次粒子の平均アスペクト比とは、TEMによって測定した顔料組成物の一次粒子の長辺の長さを短辺の長さで除した比率を意味する。このように、顔料組成物の一次粒子の平均アスペクト比が特定範囲内に制御されていることにより、特に塗料や印刷インキに使用する場合、顔料の分散性と分散安定性が向上し、保存安定性が向上する。
<塗料>
次に、本発明の塗料について説明する。本発明の塗料は、本発明の緑色顔料と、樹脂と溶剤を含有することを特徴とする。塗料の形態は、特に限定されず、自動車用、木材用、金属用等の各種一般塗料、磁気テープのバックコート塗料等であってよい。また、基本的にはハロゲン原子を含む材料を用いない。
上記実施形態において、樹脂は、塗膜を形成することができる重合体(以下、塗膜形成性重合体という)であることが好ましい。
塗膜形成性重合体は、ビヒクル成分として機能する。例えば、ビヒクル成分の主成分として、アクリル樹脂、アルキド樹脂、ポリエステル樹脂、アミノ樹脂、エポキシ樹脂、及びこれらの変性樹脂等から選択することができる。さらに、ビヒクル成分として、必要に応じて、アミノ樹脂、イソシアネート化合物、ブロック化イソシアネート化合物、ポリアミド樹脂、メラミン樹脂等に対する硬化剤又は架橋剤等を併用することが好ましい。
上記実施形態において、溶剤は、水及び/又は有機溶剤であってよく、所望とする塗料の形態に応じて、適宜選択することができる。
例えば、非水系の塗料の場合、溶剤として、トルエン、キシレン、ブチルアセテート、メチルアセテート、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ブチルアルコール、及び脂肪族炭化水素などを使用することができる。その他、塗料の技術分野で一般的に用いられる溶剤類を使用することもできる。
水系の塗料の場合、溶剤として、水、又は水希釈性で一価又は二価のアルコール、及びグリコールを使用することができる。具体例として、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、及びグリセリンが挙げられる。溶剤として、多価アルコールから誘導された水希釈性モノエーテルを使用することもできる。具体例として、メトキシプロパノール又はメトキシブタノールが挙げられる。さらに、例えば、ブチルグリコール又はブチルジグリコールなどの水希釈性グリコールエーテルを使用することもできる。これらを単独で使用しても、2種以上を組合せて使用してもよい。
一実施形態において、塗料は、緑色顔料と、塗膜形成性重合体と、溶剤とから構成されてよく、必要に応じて、その他の成分を加えてもよい。
例えば、一実施形態において、光輝材として、平均厚み0.5〜10μm、平均粒子径5〜50μmの金属フレークやマイカ、被覆ガラスフレークを加えてもよい。金属フレークやマイカは一般的に用いられているものが使用できる。金属フレークとしてはアルミフレークや金粉を例示することができ、マイカとしては通常のマイカの他、被覆マイカ等を例示することができ、被覆ガラスフレークとしては酸化チタン等の金属酸化物で被覆されたガラスフレークを例示することができる。
光輝材の配合量は、緑色顔料と、塗膜形成性重合体と、溶剤を含む上記塗料の全質量に対して、0.1〜10質量%の範囲とすることが好ましい。また、その他、当技術分野において通常使用されるその他の色材、及び種々の添加剤を必要に応じて配合してもよい。塗料の製造方法、また塗布、乾燥方法は特に限定されず、当技術分野で周知の方法を適用することができる。
<印刷インキ>
次に、本発明の印刷インキについて説明する。本発明の緑色顔料は、オフセット印刷、グラビア印刷、フレキソ印刷、スクリーン印刷等、種々の印刷方式に適したインキ用顔料として用いることができる。印刷インキの形態は、特に限定されず、オフセットインキ、グラビアインキ、フレキソインキ、スクリーンインキ、活性エネルギー線硬化性レジストインキ、ラジエーションキュアー型インキ、及びインクジェットプリンター用インキ等であってよい。また、基本的にはハロゲン原子を含む材料を用いない。
本発明の印刷インキの一実施形態は、本発明の緑色顔料と、樹脂と溶剤を含有する。樹脂及び溶剤として、印刷インキ用ビヒクルを含有することが好ましい。本発明における印刷インキ用ビヒクルは、各種印刷方式に適したビヒクルであれば公知のものを使用することができる。ビヒクルは樹脂、溶剤を主成分としており、樹脂の具体例としては、ロジン変性フェノール樹脂、アルキッド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸エステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、石油(系)樹脂、セルロース誘導体(例えば、エチルセルロース、酢酸セルロース、ニトロセルロース)、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体、ポリアマイド樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ポリアマイド樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ブタジエン−アクリルニトリル共重合体のような合成ゴム等が挙げられる。これらの樹脂は、その中の1種又は2種以上を用いることができる。また、その製造方法も公知の製造方法を使用できる。溶剤としては脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、アルコール、ケトン、エーテル、エステル等、公知公用の溶剤を使用することができる。また、これらの溶剤は、1種又は2種以上を併用することができる。
さらに、本発明の印刷インキの一実施形態は、本発明の緑色顔料と、重合性化合物を含有する。本発明における重合性化合物は、通常活性エネルギー線硬化型組成物に使用される公知の(1)光硬化性樹脂及び/又は熱硬化性樹脂と、(2)光重合開始剤及び/又は硬化剤と、(3)希釈剤を含んでなる。
本発明で使用される光硬化性樹脂及び/又は熱硬化性樹脂としては、従来知られている各種光硬化性樹脂や熱硬化性樹脂を用いることができ、特定のものに限定されないが、前記光硬化性樹脂(1−1)としては、例えば、紫外線硬化性樹脂、例えば、1分子中にカルボキシル基と少なくとも2個のエチレン性不飽和結合を併せ持つ感光性プレポリマー(オリゴマー又はポリマーを含む。以下、同じ。)(1−1−1)が好ましい。尚、当該光硬化性樹脂(1−1)としては、紫外線の他、電子線、X線などの活性光の照射により硬化し得る樹脂に適用される。
一方、熱硬化性樹脂(1−2)としては、従来公知の各種熱硬化性樹脂を用いることができ、特定のものに限定されないが、熱硬化特性や硬化皮膜の特性等の点から、1分子中に少なくとも2個のエポキシ基を有するエポキシ化合物(1−2−1)が好ましい。このような熱硬化性樹脂を含有する組成物は、各種樹脂絶縁層の形成、エッチングレジストやマーキングインキなどとしての用途の他、プリント配線板のソルダーレジスト形成に好適に用いることができる。
上記熱硬化性成分としてのエポキシ化合物(1−2−1)を光硬化性樹脂(1−1)と共に配合する場合、その配合量は、前記光硬化性樹脂(1−1)100重量部当り5〜100重量部が適当であり、好ましくは15〜60重量部である。
光重合開始剤(2−1)や硬化剤(2−2)は、組成物中の樹脂の種類(光硬化性及び/又は熱硬化性)に応じて用いられる。なお、前記した光硬化性樹脂(2−1)とエポキシ樹脂(2−2ー1)を共に含有する光硬化性・熱硬化性レジストインキ組成物の場合、前記感光性プレポリマー(2−1−1)中に水酸基及び/又はカルボキシル基が含有され、感光性プレポリマー中の水酸基及び/又はカルボキシル基がエポキシ樹脂の硬化剤として働くため、さらにエポキシ樹脂用硬化剤を併用することなく、ソルダーレジストとして十分に機能する。また前記光重合開始剤(2−1)として、感光性向上のために使用されるアミノ基含有の前記光重合開始剤、光増感剤が含まれる場合、光重合開始剤、光増感剤中のアミノ基の効果により、前記エポキシ樹脂(1−2−1)の硬化がさらに促進される。しかながら、密着性、耐薬品性、耐熱性などの特性をより一層上げる目的で、さらに前記したようなエポキシ樹脂用硬化剤(2−2)を併用することが好ましい。
本発明で使用される希釈剤(3)としては、組成物中の樹脂の種類に応じて(3−1)有機溶剤及び/又は(3−2)光重合性モノマーが使用できる。光重合性モノマーの使用目的は、前記光硬化性樹脂(1−1)を希釈せしめ、塗布しやすい状態にするとともに、光重合性を与えるものであり、好適な使用量は前記光硬化性樹脂(1−1)100重量部当り3〜300重量部である。3重量部未満の場合には光硬化性付与効果が充分ではない。
本発明の印刷インキには、密着性、硬度などの特性を向上させる目的で、必要に応じて硫酸バリウム、チタン酸バリウム、酸化ケイ素粉、無定形シリカ、タルク、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、ガラス繊維、炭素繊維、雲母粉などの公知慣用の無機充填剤が配合でき、その配合割合は組成物全体量の0〜60重量%が適当であり、好ましくは5〜40重量%である。さらに必要に応じてハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、tert−ブチルカテコール、ピロガロール、フェノチアジンなどの公知慣用の熱重合禁止剤、アスベスト、微粉シリカなどの公知慣用の増粘剤、シリコーン系、高分子系などの消泡剤及び/又はレベリング剤、イミダゾール系、チアゾール系、トリアゾール系、シランカップリング剤などの密着性付与剤のような公知慣用の添加剤類を配合することができる。
本発明の印刷インキは、オフセット印刷機、グラビア印刷機、フレキソ印刷機、スクリーン印刷機などの印刷機を用いて、基材の塗膜を形成できる。すなわち、印刷層が形成された印刷物となる。基材は、印刷物に使用されている公知の素材を使用できる。基材は、例えば上質紙等の非塗工紙、微塗工紙、アート紙、コート紙、軽量コート紙、キャストコート紙等の塗工紙、白板紙、コートボール紙等の板紙、合成紙、アルミ蒸着紙、及びポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニル等のプラスチックシート、プリント配線基板等が挙げられる。
本発明の印刷インキは、例えばフォーム用印刷物、各種書籍用印刷物、カルトン紙等の各種包装用印刷物、各種プラスチック印刷物、シール/ラベル用印刷物、美術印刷物、金属印刷物(美術印刷物、飲料缶印刷物、缶詰等の食品印刷物)、広告、チラシ、パンフレット用印刷物、プリント配線基板などの印刷物に使用できる。
<トナー>
次に、本発明のトナーについて説明する。
一実施形態において、本発明の緑色顔料は緑色着色組成物として、トナーの用途で好適に使用することができる。また、基本的にはハロゲン原子を含む材料を用いない。
本発明のトナーは、本発明の緑色顔料と、結着樹脂を含有するトナー用着色組成物からなることを特徴とする。トナーの用途で緑色顔料使用する場合、緑色顔料は、例えば、加熱及びUV光等の照射を伴う使用環境下で変色しないことが好ましい。これに対し、本発明の緑色顔料は、優れた耐候性及び耐熱性を有するため、トナー用着色組成物の変色が抑制され、所望とする色相を維持することができる。
トナーは、乾式トナー、又は湿式トナーのいずれであってもよい。例えば、乾式トナーは、上記緑色顔料と、結着樹脂とを含むトナー用着色組成物を溶融混練し、冷却した後、粉砕、及び分級工程を行い、さらに、必要に応じて追加成分を添加、及び混合する後処理工程を経て、製造することができる。その他の当技術分野で公知の方法に従って、トナー用着色組成物を使用してトナーを製造することもできる。
トナー用着色組成物を構成する結着樹脂は、特に限定されないが、例えば、スチレン−p−クロルスチレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタレン共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体、ポリ塩化ビニル、フェノール樹脂、天然変性フェノール樹脂、天然樹脂変性マレイン酸樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリ酢酸ビニル、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン、ポリアミド樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、ポリビニルブチラール、テルペン樹脂、クマロンインデン樹脂、石油系樹脂等であってよい。
一実施形態において、結着樹脂は、ポリエステル樹脂、又はスチレン系共重合体を含むことが好ましく、少なくともポリエステル樹脂を含むことが好ましい。緑色顔料は、上記結着樹脂のなかでも、ポリエステル樹脂に対する適性が特に優れている。そのため、一実施形態において、トナー用着色組成物は、上記緑色顔料と、ポリエステル樹脂を含む結着樹脂とを含有することが好ましい。このようなトナー用着色組成物において、緑色顔料は、ポリエステル樹脂を含む結着樹脂中に、均一かつ微細に分散されるため、高品質のトナーを提供することができる。
上記結着樹脂として使用するポリエステル樹脂は、アルコール成分と、酸成分との反応によって得られる樹脂であってよい。上記ポリエステル樹脂を構成するアルコール成分として、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,4−ブテンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、グリセロール、ジグリセロール、ソルビット、ソルビタン、ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、及びトリペンタエリスリトール、及び下式(D)で表されるビスフェノール誘導体等の多価アルコールを使用することができる。これらの1種を単独で使用しても、又は2種以上を組合せて使用してもよい。
式中、Rはエチレン基又はプロピレン基であり、x及びyはそれぞれ1以上の整数であり、x+yは2〜10である。
ポリエステル樹脂を構成する酸成分は、二価のカルボン酸であってよい。二価のカルボン酸として、例えば、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、及び無水フタル酸等の芳香族ジカルボン酸類又はその無水物;コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、及びアゼライン酸等の脂肪族ジカルボン酸類又はその無水物;炭素数16〜18のアルキル基で置換されたコハク酸又はその無水物;フマル酸、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸等の脂肪族不飽和ジカルボン酸又はその無水物等が挙げられる。
酸成分として、架橋成分として有効な三価以上のカルボン酸を使用してもよい。例えば、トリメリット酸、ピロメリット酸、ナフタレントリカルボン酸、ブタントリカルボン酸、ヘキサントリカルボン酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、オクタンテトラカルボン酸、及びベンゾフェノンテトラカルボン酸、並びにこれらの無水物等が挙げられる。
酸成分として、例示した化合物の1種を単独で使用しても、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
ポリエステル樹脂は、アルコール成分と酸成分との反応によって得られるホモポリエステル及びコポリエステルのいずれであってもよい。ポリエステル樹脂の1種を単独で使用しても、2種以上を組合せて使用してもよい。
一実施形態において、トナーにおける耐オフセット性及び低温定着性の点から、ポリエステル樹脂の重量平均分子量(Mw)は、5,000以上が好ましく、10,000〜1,000,000の範囲がより好ましく、20,000〜100,000の範囲がさらに好ましい。上記重量平均分子量は、ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)で測定される分子量を意味する。上記重量平均分子量が5,000以上である場合、トナーにおいて優れた耐オフセット性を容易に得ることができる。また、重量平均分子量が1,000,000以下である場合、優れた定着性を容易に得ることができる。
一実施形態において、ポリエステル樹脂の酸価は10〜60mgKOH/gの範囲が好ましく、15〜55mgKOH/gの範囲がより好ましい。酸価を10mgKOH/g以上に調整した場合、離型剤の遊離を容易に抑制することができる。また、酸価を60mgKOH/g以下に調整した場合、樹脂の親水性が高くなることを抑制し、高湿環境における画像濃度の低下を防止することができる。
一実施形態において、ポリエステル樹脂の水酸基価は20mgKOH/g以下であることが好ましく、更に好ましくは15mgKOH/g以下である。水酸基価を20mgKOH/g以下に調整した場合、樹脂の親水性が高くなることを抑制し、高湿環境において画像濃度の低下を抑制することができる。
また、トナーの凝集防止の点から、ポリエステル樹脂の示差走査熱量計(装置:DSC−6、島津製作所製)によって測定されるガラス転移温度(Tg)は、50〜70℃であることが好ましく、50〜65℃であることがより好ましい。
上記トナー用着色組成物に対して、必要に応じて、荷電制御剤を添加することができる。荷電制御剤を使用した場合、帯電量の安定したトナーを容易に得ることができる。トナー用着色組成物に加える荷電制御剤は、従来から知られた正又は負の荷電制御剤のいずれであってもよい。
一実施形態において、トナーが正帯電性トナーである場合、使用可能な正の荷電制御剤の具体例として、ニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、有機錫オキサイド、四級アンモニウム塩化合物、及び四級アンモニウム塩を官能基としてスチレン・アクリル樹脂に共重合したスチレン・アクリル系ポリマー等が挙げられ、なかでも、四級アンモニウム塩化合物が好ましい。使用可能な四級アンモニウム塩化合物の具体例として、四級アンモニウム塩と有機スルホン酸又はモリブデン酸とからなる造塩化合物が挙げられる。上記有機スルホン酸としては、ナフタレンスルホン酸を使用することが好ましい。
一方、トナーが負帯電性トナーである場合、使用可能な負の荷電制御剤の具体例として、モノアゾ染料の金属錯体、スルホン酸を官能基としてスチレン・アクリル樹脂に共重合したスチレン・アクリル系ポリマー、芳香族ヒドロキシカルボン酸の金属塩化合物、芳香族ヒドロキシカルボン酸の金属錯体、フェノール系縮合物、及びホスホニウム系化合物等が挙げられる。芳香族ヒドロキシカルボン酸としては、サリチル酸、3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸、3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、3−フェニルサリチル酸が好ましい。また、金属塩化合物に用いられる金属としては、亜鉛、カルシウム、マグネシウム、クロム、及びアルミニウム等が挙げられる。
また、トナー用着色組成物に対して、離型剤を用いることができる。離型剤の例としては、ポリプロピレンワックス、ポリエチレンワックス、フィーシャートロプシュワックス等の炭化水素系ワックス類、合成エステルワックス類、カルナバワックス、ライスワックス等の天然エステル系ワックス類等が挙げられる。
さらに、トナー用着色組成物に対して、必要に応じて、滑剤、流動化剤、研磨剤、導電性付与剤、及び画像剥離防止剤等の外添剤を添加してもよい。これら外添剤は、従来、トナーを製造するために使用されている公知の外添剤から選択することができる。
外添剤の具体例としては、以下のものが挙げられる。
滑剤は、ポリフッ化ビニリデン、及びステアリン酸亜鉛等であってよい。流動化剤は、乾式法又は湿式法で製造したシリカ、酸化アルミニウム、酸化チタン、珪素アルミニウム共酸化物、珪素チタン共酸化物、及びこれらを疎水性化処理したもの等であってよい。研磨剤は、窒化珪素、酸化セリウム、炭化ケイ素、チタン酸ストロンチウム、タングステンカーバイド、炭酸カルシウム、及びこれらを疎水化処理したもの等であってよい。導電性付与剤は、酸化錫等であってよい。
トナー用着色組成物において、先に例示した流動化剤のなかでも、疎水化処理されたシリカ、珪素アルミニウム共酸化物、及び珪素チタン共酸化物微粉体の少なくとも1種を使用することが好ましい。これら微粉体の疎水化処理方法としては、シリコンオイル又はテトラメチルジシラザン、ジメチルジメトキシシラン等のシランカップリング剤による処理等が挙げられる。
一実施形態において、トナー用着色組成物から形成されるトナーは、一成分系現像剤として使用することができる。他の実施形態において、トナーは、二成分系現像剤として使用することもできる。トナーを二成分系現像剤として使用する場合、トナー用着色組成物は、さらにキャリアを含む。二成分系現像剤として使用するトナーに用いるキャリアは、当技術分野で公知の材料であってよい。
キャリアとして使用可能な材料の例として、鉄粉、フェライト粉、ニッケル粉のような磁性粉体等、又はこれらの表面を樹脂等で処理したもの等が挙げられる。キャリア表面を被覆する樹脂としては、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、アクリル酸エステル共重合体、メタクリル酸エステル共重合体、フッ素含有樹脂、シリコーン含有樹脂、ポリアミド樹脂、アイオノマー樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂等、あるいはこれらの混合物が挙げられる。これらのなかでは、スペントトナーの形成が少ないためシリコーン含有樹脂が特に好ましい。これらキャリアの重量平均粒径は30〜100μmの範囲であることが好ましい。
(化合物の同定方法) 本発明に用いた一般式(1)で示される化合物の同定には、MALDI TOF−MSスペクトルを用いた。MALDI TOF−MSスペクトルは、ブルカー・ダルトニクス社製MALDI質量分析装置autoflexIIIを用い、得られたマススペクトラムの分子イオンピークと、計算によって得られる質量数との一致をもって、得られた化合物の同定を行った。
(緑色顔料の粉末X線回折測定方法)
粉末X線回折測定は、日本工業規格JIS K0131(X線回折分析通則)に準じて、回折角(2θ)が、3°から35°の範囲で測定した。
測定条件は下記の通りとした。
X線回折装置:(株)リガク社製RINT2100
サンプリング幅:0.02°
スキャンスピード:2.0°/min
発散スリット:1°
発散縦制限スリット:10mm
散乱スリット:2°
受光スリット:0.3mm
管球:Cu
管電圧:40kV
管電流:40mA
図1に、緑色顔料の粉末X線回折による回折パターンの一例を示す。図1において、X軸はブラッグ角(2θ)、Y軸は回折ピークの強度(count)である。以下に回折ピークの強度比の算出方法を説明する。
図1における回折パターンのバックグランド除去は、通常の方法で行った。例として、ブラッグ角(2θ)5.8°の低角度側のすその4°付近と高角度側のすその7°付近に接する直線を引き、この直線状の値をバックグラウンドとして除去した。同様にして、ブラッグ角(2θ)13.3°の低角度側のすその11.5°付近と高角度側のすその15°付近に接する直線を引き、この直線状の値をバックグラウンドとして除去した。ブラッグ角(2θ)5.8°のピーク強度をIα、13.3°のピーク強度をIβとし、回折ピークの強度比はIα/Iβとして算出した。
(平均アスペクト比の算出方法)
透過型電子顕微鏡にて倍率5,000倍で撮影した2枚の写真より抽出した顔料粒子100個について長径、短径を計測した。長径/短径の比の平均を算出し、平均アスペクト比とした。
下記、実施例1〜実施例16の緑色顔料[A−1]〜緑色顔料[A−16]、およびこれらの緑色顔料を用いた実施例の塗料、インキおよびトナーは参考例である。
<ナフタロシアニン化合物(1)を含む顔料>
[実施例1]
(緑色顔料[A−1]の製造)
1−ヘキサノール300部に、ナフタレン−2,3−ジカルボニトリル50.0部、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン47.0部を混合し、6時間加熱撹拌しながら還流させた。反応終了後、得られた濃緑色沈殿物を濾別した後、順次メタノール、N−メチル−2−ピロリドン、再度メタノールの順に洗浄を行い、80℃で乾燥させ、化合物[a−1]を得た。TOF−MSによる質量分析の結果、化合物[a−1]であることを同定した。得られた化合物の収量・収率をそれぞれ表3−1に示す。
次いで、98%硫酸1000部に化合物[a−1]40.0部を撹拌しながら徐々に加え、4時間撹拌し溶解させた。次いで、溶解液を55℃の水8000部に撹拌しながら30分かけて徐々に滴下し、濾過、温水洗浄を行い、80℃で乾燥させ、緑色顔料[A’−1]38.6部を得た。次いで、緑色顔料[A’−1]35.0部をジエチレングリコール350部に添加し、120℃で3時間加熱撹拌した。濾過、温水洗浄を行い、80℃で乾燥させ、緑色顔料[A’’−1]を得た。次いで、緑色顔料[A’’−1]300部、塩化ナトリウム1500部、ジエチレングリコール400部を3L双腕型ニーダーに仕込み、ドウを形成後、材料温度100℃で6時間混練した。得られたドウを取出し、ドウの約10重量倍量の水にリスラリーして70℃で1.5時間攪拌後、濾過した。さらに再びリスラリーし、濾過水洗してペースト顔料を得、加熱オーブンにて80℃で48時間乾燥させ、緑色顔料[A−1]を得た。
[実施例2〜16]
(緑色顔料[A−2]〜[A−16]の製造)
緑色顔料[A−1]の製造で使用したナフタレン−2,3−ジカルボニトリルの代わりに、表3−1に記載の2,3−ジシアノナフタレン類を使用した以外は、実施例1と同様の操作を行い、化合物[a−2]〜[a−16]を得た。TOF−MSによる質量分析の結果、化合物[a−2]〜[a−16]であることを同定した。得られた各化合物の収量・収率をそれぞれ表3−1に示す。次いで、緑色顔料[A−1]の製造で使用した化合物[a−1]の代わりに、化合物[a−2]〜[a−16]を使用した以外は、実施例1と同様の操作を行い、緑色顔料[A’−2]〜[A’−16]を得た。次いで、緑色顔料[A−1]の製造で使用した緑色顔料[A’−1]の代わりに、緑色顔料[A’−2]〜[A’−16]を使用した以外は、実施例1と同様の操作を行い、緑色顔料[A’’−2]〜[A’’−16]を得た。次いで、緑色顔料[A−1]の製造で使用した[A’’−1]の代わりに、緑色顔料[A’’−2]〜[A’’−16]を使用した以外は、実施例1と同様の操作を行い、緑色顔料[A−2]〜[A−16]を得た。
<ナフタロシアニン化合物(2)>
[製造例1]
(化合物[b−1]の製造)
実施例1で得られた化合物[a−1]26部を98%硫酸214部と25%発煙硫酸236部中に溶解し、85℃にて2時間攪拌し、スルホン化反応を行った。次いで、この反応溶液を氷水3000部中に滴下し、析出した化合物を瀘別、水洗してそのペーストを得た。得られたペーストを、水8000部に再分散し、室温下にて1時間攪拌した。濾別、水洗後、80℃で一昼夜乾燥させ、化合物[b−1]26.0部(収率:89.9%)を得た。
[製造例2]
(化合物[b−2]の製造)
実施例1で得られた化合物[a−1]26部を98%硫酸214部と25%発煙硫酸236部中に溶解し、85℃にて2時間攪拌し、スルホン化反応を行った。次いで、この反応溶液を氷水3000部中に滴下し、析出した化合物を瀘別、水洗してそのペーストを得た。得られたペーストを、水8000部に再分散し、26%アンモニア水を用いてpH10に調整して溶解させた。この溶液中に、8%硫酸アルミニウム水溶液62部を徐々に添加した。滴下した箇所から析出物が次々に現れ、添加と共に徐々にpHが低下した。添加終了後にはブリードは見られなかった。スラリーから析出物を濾別した後、水洗して、80℃で乾燥し、化合物[b−2]25.9部(収率88.7%)を得た。
[製造例3]
(化合物[b−3]の製造)
実施例1で得られた化合物[a−1]26部を98%硫酸214部と25%発煙硫酸236部中に溶解し、85℃にて2時間攪拌し、スルホン化反応を行った。次いで、この反応溶液を氷水3000部中に滴下し、析出した化合物を瀘別、水洗してそのペーストを得た。得られたペーストを、水8000部に再分散し、pH10±0.2に調整し、70℃で1時間撹拌した。次いで、ココナットアミンアセテート(花王社製アセタミン24;カチオン部分の分子量が186)モル当量分を徐々に添加し、析出した結晶をろ過して水洗し、80℃で一昼夜乾燥させ、化合物[b−3]32.0部(収率:89.8%)を得た。
[製造例4]
(化合物[b−4]の製造)
実施例1で得られた化合物[a−1]26部をクロロスルホン酸260部中に溶解し、105℃にて7時間攪拌し、スルホン化反応を行った。次いで、この反応溶液を氷水3000部中に滴下し、析出した化合物を瀘別、水洗してそのペーストを得た。得られたペーストを、水8000部に再分散し、pH10±0.2に調整し、70℃で1時間撹拌した。次いで、ココナットアミンアセテート(花王社製アセタミン24;カチオン部分の分子量が186)モル当量分を徐々に添加し、析出した結晶をろ過して水洗し、80℃で一昼夜乾燥させ、化合物[b−4]39.7部(収率:87.7%)を得た。
[製造例5]
(化合物[b−5]の製造)
緑色顔料[A−1]の製造で使用したナフタレン−2,3−ジカルボニトリルの代わりに、6,7−ジシアノ−2−ナフトエ酸を使用した以外は、実施例1と同様の操作を行い、化合物[b−5]46.5部(収率:92.7%)を得た。TOF−MSによる質量分析の結果、化合物[b−5]であることを同定した。
[製造例6]
(化合物[b−6]の製造)
実施例1で得られた化合物[a−1]44部を95%硫酸540部に溶解し、これに11部のN−ヒドロキシメチルフタルイミドを添加し、85℃にて7時間攪拌した。冷却後、この反応溶液を氷水3600部中に滴下し、析出した化合物を瀘別、水洗してそのペーストを得た。得られたペーストを、水5000部に再分散し、室温下にて1時間攪拌した。濾別、水洗後、80℃で一昼夜乾燥させ、化合物[b−6]48.8部(収率:90.8%)を得た。
[製造例7]
(化合物[b−7]の製造)
製造例1で得られた化合物[b−1]25部にクロロホルム300部を加え、氷冷下で塩化オキサリル8.9部、N,N−ジメチルホルムアミド1部を添加して、50℃で2時間攪拌した。反応混合液を氷浴中で水500部に加え、析出した結晶をろ過して下記化合物[b’−7]23.0部(収率:80.9%)を得た。
次いで、化合物[b’−7]18部にクロロホルム200部を加え、氷冷下でジエチルアミノプロピルアミン13.7部を添加し、室温で2時間攪拌した。反応混合液を水350部に加え、析出した結晶をろ過して水洗し、80℃で一昼夜乾燥させ、化合物[b−7]18.0部(収率:89.8%)を得た。
<ナフタロシアニン(1)及びナフタロシアニン(2)を含む顔料>
[実施例17]
(緑色顔料[A−17]の製造)
実施例1で製造した緑色顔料[A−1]及び、製造例1で製造した化合物[b−1]を95:5の比率で混合し、緑色顔料[A−17]を得た。
[実施例18〜23]
(緑色顔料[A−18]〜[A−23]の製造)
緑色顔料[A−17]の製造で使用した化合物[b−1]の代わりに、化合物[b−2]〜[b−7]を使用した以外は、実施例17と同様の操作を行い、緑色顔料[A−18]〜[A−23]を得た。
[実施例24〜38]
(緑色顔料[A−24]〜[A−38]の製造)
緑色顔料[A−17]の製造で使用した化合物[b−1]の代わりに、緑色顔料[A−2]〜[A−16]を使用した以外は、実施例17と同様の操作を行い、緑色顔料[A−24]〜[A−38]を得た。得られた顔料の組成を表3−2に示す。
下記、実施例39〜実施例56の緑色顔料[A−39]〜緑色顔料[A−56]、およびこれらの緑色顔料を用いた実施例の塗料、インキおよびトナーは参考例である。
<中心金属を有するナフタロシアニン化合物(1)を含む顔料>
[実施例39]
(緑色顔料[A−39]の製造)
1−ヘキサノール300部に、ナフタレン−2,3−ジカルボニトリル50.0部、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン47.0部、及び塩化第一銅(I)6.9部を混合し、6時間加熱撹拌しながら還流させた。反応終了後、得られた濃緑色沈殿物を濾別した後、順次メタノール、N−メチル−2−ピロリドン、再度メタノールの順に洗浄を行い、80℃で乾燥させ、化合物[a−39]を得た。TOF−MSによる質量分析の結果、化合物[a−39]であることを同定した。得られた化合物の収量・収率をそれぞれ表3−3に示す。
次いで、実施例1と同様の操作を行い、緑色顔料[A−39]を得た。
[実施例40〜44]
(緑色顔料[A−40]〜[A−44]の製造)
緑色顔料[A−39]の製造で使用した塩化第一銅(I)6.9部の代わりに、表3に記載の金属塩を使用した以外は実施例39と同様の操作を行い、化合物[a−40]〜[a−44]を得た。TOF−MSによる質量分析の結果、化合物[a−40]〜[a−44]であることを同定した。得られた化合物の収量・収率をそれぞれ表3−3に示す。
次いで、実施例1と同様の操作を行い、緑色顔料[A−40]〜[A−44]を得た。
[実施例45〜50]
(緑色顔料[A−45]〜[A−50]の製造)
緑色顔料[A−39]の製造で使用したナフタレン−2,3−ジカルボニトリルの代わりに、表3に記載の2,3−ジシアノナフタレン類を使用し、金属塩の仕込量を表3に記載の量に変更した以外は、実施例39と同様の操作を行い、化合物[a−45]〜[a−50]を得た。TOF−MSによる質量分析の結果、化合物[a−45]〜[a−50]であることを同定した。得られた化合物の収量・収率をそれぞれ表3−3に示す。
次いで、実施例1と同様の操作を行い、緑色顔料[A−45]〜[A−50]を得た。
[実施例51〜56]
(緑色顔料[A−51]〜[A−56]の製造)
緑色顔料[A−40]の製造で使用したナフタレン−2,3−ジカルボニトリルの代わりに、表3に記載の2,3−ジシアノナフタレン類を使用し、金属塩の仕込量を表3に記載の量に変更した以外は、実施例40と同様の操作を行い、化合物[a−51]〜[a−56]を得た。TOF−MSによる質量分析の結果、化合物[a−51]〜[a−56]であることを同定した。得られた化合物の収量・収率をそれぞれ表3−3に示す。
次いで、実施例1と同様の操作を行い、緑色顔料[A−51]〜[A−56]を得た。
<中心金属を有するナフタロシアニン化合物(2)>
[製造例8]
(化合物[b−8]の製造)
化合物[b−1]の製造で使用した化合物[a−1]の代わりに、化合物[a−39]を使用した以外は、製造例1と同様の操作を行い、化合物[b−8]26.3部(収率:91.7%)を得た。
[製造例9]
(化合物[b−9]の製造)
化合物[b−6]の製造で使用した化合物[a−1]の代わりに、化合物[a−39]を使用した以外は、製造例6と同様の操作を行い、化合物[b−9]47.7部(収率:90.1%)を得た。
[製造例10]
(化合物[b−10]の製造)
化合物[b−3]の製造で使用した化合物[a−1]の代わりに、化合物[a−40]を使用した以外は、製造例3と同様の操作を行い、化合物[b−10]31.1部(収率:89.4%)を得た。
[製造例11]
(化合物[b−11]の製造)
化合物[b−7]の製造で使用した化合物[a−1]の代わりに、化合物[a−40]を使用した以外は、製造例7と同様の操作を行い、化合物[b−11]17.9部(収率:90.0%)を得た。
<中心金属を有するナフタロシアニン化合物(1)及び中心金属を有するナフタロシアニン(2)を含む顔料>
[実施例57]
(緑色顔料[A−57]の製造)
実施例39で製造した緑色顔料[A−39]及び、製造例8で製造した化合物[b−8]を95:5の比率で混合し、緑色顔料[A−57]を得た。
[実施例58]
(緑色顔料[A−58]の製造)
実施例39で製造した緑色顔料[A−39]及び、製造例9で製造した化合物[b−9]を95:5の比率で混合し、緑色顔料[A−58]を得た。
[実施例59〜64]
(緑色顔料[A−59]〜[A−64]の製造)
緑色顔料[A−57]の製造で使用した化合物[b−8]の代わりに、緑色顔料[A−45]〜[A−50]を使用した以外は、実施例57と同様の操作を行い、緑色顔料[A−59]〜[A−64]を得た。
[実施例65]
(緑色顔料[A−65]の製造)
実施例40で製造した緑色顔料[A−40]及び、製造例10で製造した化合物[b−10]を95:5の比率で混合し、緑色顔料[A−65]を得た。
[実施例66]
(緑色顔料[A−66]の製造)
実施例40で製造した緑色顔料[A−40]及び、製造例11で製造した化合物[b−11]を95:5の比率で混合し、緑色顔料[A−66]を得た。
[実施例67〜72]
(緑色顔料[A−67]〜[A−72]の製造)
緑色顔料[A−65]の製造で使用した化合物[b−10]の代わりに、緑色顔料[A−51]〜[A−56]を使用した以外は、実施例65と同様の操作を行い、緑色顔料[A−67]〜[A−72]を得た。
[実施例73〜76]
(緑色顔料[A−73]〜[A−76]の製造)
緑色顔料[A−17]の製造で使用した緑色顔料[A−1]の代わりに、緑色顔料[A−41]〜[A−44]を、化合物[b−1]の代わりに化合物[b−12]〜[b−15]を使用した以外は、実施例17と同様の操作を行い、緑色顔料[A−73]〜[A−76]を得た。得られた顔料の組成を表3−4に示す。なお、化合物[b−12]〜[b−15]は、下記の製造例によって得た。
[製造例12]
(化合物[b−12]の製造)
化合物[b−1]の製造で使用した化合物[a−1]の代わりに、化合物[a−41]を使用した以外は、製造例1と同様の操作を行い、化合物[b−12]25.7部(収率:89.4%)を得た。
[製造例13]
(化合物[b−13]の製造)
実施例41で得られた化合物[a−42]26部を98%硫酸332部と25%発煙硫酸118部中に溶解し、30℃で2時間攪拌し、スルホン化反応を行った。次いで、この反応溶液を氷水3000部中に滴下し、析出した化合物を瀘別、水洗してそのペーストを得た。得られたペーストを、水8000部に再分散し、26%アンモニア水を用いてpH10に調整して溶解させた。この溶液中に、8%硫酸アルミニウム水溶液62部を徐々に添加した。滴下した箇所から析出物が次々に現れ、添加と共に徐々にpHが低下した。添加終了後にはブリードは見られなかった。スラリーから析出物を濾別した後、水洗して、80℃で乾燥し、化合物[b−13]26.5部(収率:91.5%)を得た。
[製造例14]
(化合物[b−14]の製造)
化合物[b−6]の製造で使用した化合物[a−1]の代わりに、化合物[a−43]を使用した以外は、製造例1と同様の操作を行い、化合物[b−14]48.4部(収率:91.3%)を得た。を得た。
[製造例15]
(化合物[b−15]の製造)
化合物[b−7]の製造で使用した化合物[a−1]の代わりに、化合物[a−44]を使用した以外は、製造例1と同様の操作を行い、化合物[b−15]17.7部(収率:88.9%)を得た。
<ナフタロシアニン化合物(1)及びナフタロシアニン化合物(2)を含む顔料>
[実施例77]
(緑色顔料[A−77]の製造)
実施例1で製造した緑色顔料[A’’−1]及び、製造例3で製造した化合物[b−3]を95:5の比率で混合し、緑色顔料[A−77]を得た。
[実施例78]
(緑色顔料[A−78]の製造)
実施例1で製造した緑色顔料[A’−1]及び、製造例3で製造した化合物[b−3]を95:5の比率で混合し、緑色顔料[A−78]を得た。
[実施例79]
(緑色顔料[A−79]の製造)
実施例1で製造した緑色顔料[A’−1]300部、塩化ナトリウム1500部、ジエチレングリコール400部を3L双腕型ニーダーに仕込み、ドウを形成後、材料温度100℃で6時間混練した。得られたドウを取出し、ドウの約10重量倍量の水にリスラリーして70℃で1.5時間攪拌後、濾過した。さらに再びリスラリーし、濾過水洗してペースト顔料を得、加熱オーブンにて80℃で48時間乾燥させ、緑色顔料[A’ ’−79]を得た。次いで、緑色顔料[A’ ’−79]及び、製造例3で製造した化合物[b−3]を95:5の比率で混合し、緑色顔料[A−79]を得た。
[実施例80]
(緑色顔料[A−80]の製造)
実施例1で製造した緑色顔料[A’ ’−1]285部、製造例3で製造した化合物[b−3]15部、塩化ナトリウム1500部、ジエチレングリコール400部を3L双腕型ニーダーに仕込み、ドウを形成後、材料温度100℃で6時間混練した。得られたドウを取出し、ドウの約10重量倍量の水にリスラリーして70℃で1.5時間攪拌後、濾過した。さらに再びリスラリーし、濾過水洗してペースト顔料を得、加熱オーブンにて80℃で48時間乾燥させ、緑色顔料[A−80]を得た。

[比較例AA−1]
(比較顔料[AA−1])
Heubach社製Heuco Green 600734(C.I.Pigment Green 7)を、比較顔料[AA−1]として用いた。
[比較例AA−2]
(比較顔料[AA−2])
Heubach社製MONASTRAL Green 6Y‐C(C.I.Pigment Green 36)を、比較顔料[AA−2]として用いた。
[比較例AA−3]
(比較顔料[AA−3]の製造)
特開2002−194242号公報記載の実施例3と同様の方法で、C.I.Pigment Blue 15:3と黄色顔料とからなる比較顔料[AA−3]を得た。
[比較例AA−4]
(比較顔料[AA−4]の製造)
比較顔料[AA−3]の製造で用いたC.I.Pigment Blue 15:3の代わりに、ハロゲンを含有しないC.I.Pigment Blue 15:1を使用する以外は、比較例AA−3と同様の方法で、C.I.Pigment Blue 15:1と黄色顔料とからなる比較顔料[AA−4]を得た。
[実施例B−1〜B−80、比較例BB−1〜BB−4]
(緑色ソリッドベース塗料[B−1]〜[B−80]、比較ソリッドベース塗料[BB−1]〜[BB−4]の製造)
実施例1〜80で製造した各緑色顔料を用い、下記の方法により緑色ソリッドベース塗料を製造した。また、表6に示す公知の顔料を用いて同様に比較ソリッドベース塗料を得た。
1.ベース塗料の調製
先ず、以下の原料と、1.2mmφスチールビーズ230部とを225mlのガラス瓶に仕込み、レッドデビル社製ペイントシェーカーを用いて、60分間にわたって分散させ、混合物を得た。
・緑色顔料もしくは比較顔料:12.0部
・アクリル樹脂(DIC社製、アクリディック47−712):4.8部
・溶剤(トルエン:キシレン:酢酸ブチル:JXTGエネルギー社製T−SOL 150 FLUIDの質量比が3:3:2:2の混合溶媒):25.4部
次いで、上記混合物に、アクリディック47−712を47.0部、メラミン樹脂(DIC社製アミディアL−117−60)10.8部を加えて、さらに10分、分散させ、分散液を得た。
次いで、上記分散液からスチールビーズを除去して、緑色顔料[A−1]〜[A−80]の緑色ベース塗料[B’−1]〜[B’−80]、及び比較顔料[AA−1]〜[AA−4]の比較ベース塗料[BB’−1]〜[BB’−4]を得た。
2.白塗料の調製
以下は、緑色ソリッドベース塗料に使用する白塗料の調製例に関する。
先ず、以下の原料と、スチールビーズ900部とを900mlのガラス瓶に仕込み、レッドデビル社製ペイントシェーカーにて60分間分散させ、分散液を得た。
・酸化チタン(石原産業株式会社製酸化チタン タイペークCR90):66.6部
・アクリル樹脂(DIC社製、アクリディック47−712):101.7部
・メラミン樹脂(DIC社製、アミディアL−117−60):21.3部
・分散溶媒(トルエン:キシレン:酢酸ブチル:JXTGエネルギー社製T−SOL 150 FLUIDの質量比が3:3:2:2の混合溶媒):20.9部
次いで、上記分散液からスチールビーズを除去して白塗料を得た。
3.ソリッドベース塗料の調製
高速撹拌機を用いて、以下の成分を撹拌し、緑色ソリッドベース塗料[B−1]〜[B−80]及び比較ソリッドベース塗料[BB−1]〜[BB−4]を得た。
・緑色ベース塗料もしくは比較ベース塗料:10部
・白塗料:31.9部
<緑色ベース塗料[B’−1]〜[B’−80]の色評価>
得られた緑色ベース塗料[B’−1]〜[B’−80]を、アプリケーターを用いてポリエステルフィルムに塗布し、130℃で30分間焼き付けた。得られた塗膜は光沢のある緑色であった。比較ベース塗料[BB’−1]〜[BB’−4]も同様に行った。
上記で得られた焼付塗膜について、分光光度計(株式会社日立製作所製自記分光光度計「U−3500」を使用)を用いて光吸収スペクトルを測定した。この焼付塗膜の最大透過波長及び吸収波長は下記の表7のようになった。緑色ベース塗料[B’−1]〜[B’−80]を用いた塗膜が緑色光を透過することが確認された。
<緑色ベース塗料[B’−1]〜[B’−80]の保存安定性評価>
緑色ベース塗料[B’−1]〜[B’−80]について、保存安定性試験を実施した。得られた緑色ベース塗料について、B型粘度計(東機産業社製「BLII型粘度計」)を用いて、25℃における初期粘度を測定した。次いで、60℃の恒温機に4週間保存、経時促進させた後、初期粘度と同様にして粘度を測定した。得られた測定値に基づき初期粘度に対する経時後のインキ粘度変化率を算出した。比較ベース塗料[BB’−1]〜[BB’−4]についても同様の方法でインキ粘度変化率を算出した。以下の評価基準に沿って評価した。結果を表7に示した。下記評価基準で、「◎」、「○」が実用可能なレベルである。
≪評価基準≫
◎:変化率が3%未満
○:変化率が3%以上、5%未満
△:変化率が5%以上、15%未満
×:変化率が15%以上
<緑色ソリッドベース塗料[B−1]〜[B−80]の色分かれ評価>
上記で得られた緑色ソリッドベース塗料[B−1]〜[B−80]及び比較ソリッドベース塗料を、さらにキシレンで希釈してフォードカップNo.4で20秒(25)に調整し、試験官に注入してガラス壁面の変化を目視で観察した。結果を表7に示す。
下記評価基準で「〇」が実用可能なレベルである。
≪評価基準≫
〇:良(色分かれがない)
△:やや良(色分かれが若干ある)
×:不良(色分かれがある)
<緑色ソリッドベース塗料[B−1]〜[B−80]の耐候性評価>
以下は、耐候性試験を行うためのソリッドベース塗装板の作製、及びその評価法に関する。
高速撹拌機を用いて、以下の原料を撹拌し、トップコートクリア塗料を得た。
・アクリル樹脂(DIC社製、アクリディック44−179):120部
・メラミン樹脂(DIC社製、アミディアL117−60):30部
・希釈溶媒(トルエン、キシレン、JXTGエネルギー社製T−SOL 150 FLUID、3−エトキシプロピオン酸エチル、酢酸エチルの質量比が3:2:2:1:2の混合溶媒):50部
緑色ソリッドベース塗料[B−1]〜[B−80]をスプレーガンで噴霧し鋼板に塗装を行った。噴霧しやすい粘度に調整するため、ソリッドベース塗料に対して同質量を目安に希釈溶媒(トルエン、キシレン、JXTGエネルギー社製T−SOL 150 FLUID、3−エトキシプロピオン酸エチル、酢酸エチルの質量比が3:2:2:1:2の混合溶媒)を適宜混合した。塗装は9回に分けて行い、その後、6回に分けてトップコートクリア塗料を噴霧した。次いで、25℃で8時間乾燥させた後、140℃で30分乾燥させ、緑色ソリッドベース塗装板を得た。同様にして、比較ソリッドベース塗装板を得た。
作製した緑色ソリッドベース塗装板及び比較ソリッドベース塗装板を用い、以下に従って耐候性試験を行った。
耐候性試験は、超促進耐候性試験機(岩崎電気社製、アイスーパーUVテスターSUV−W151)を使用し、90mW/cm、照射下63℃、湿度70%で12時間及び暗黒下70℃、湿度100%で12時間を1サイクルとして、計48時間(2サイクル)と計96時間(4サイクル)の条件下で行った。耐候性試験前後の塗装板を目視で観察を行い、下記基準に従って、耐候性を評価した。結果を表7に示す。下記評価基準で「〇」が実用可能なレベルである。
≪評価基準≫
〇:色の変化がない。
△:色が白く退色している。
×:色が黒く変色している。
上記表7に示す結果からも明らかであるように、本発明の緑色塗料は、ハロゲンフリーであり、また耐候性及び保存安定性に優れ、かつ分散後に色分かれを生じないことが分かる。
[実施例C−1〜C−80、比較例CC−1〜CC−4]
(緑色活性エネルギー線硬化性・熱硬化性レジストインキ組成物[C−1]〜[C−80]、比較活性エネルギー線硬化性・熱硬化性レジストインキ組成物[CC−1]〜[CC−4]の製造)
下記の配合割合で各成分を配合し、3本ロールミルを用いて混練して、緑色活性エネルギー線硬化性・熱硬化性レジストインキ組成物、及び比較活性エネルギー線硬化性・熱硬化性レジストインキ組成物を調製した。
・感光性プレポリマー (クレゾールノボラック型エポキシ樹脂とアクリル酸の等モル反応生成物にその水酸基1個当り0.5モルの テトラヒドロフタル酸無水物を付加した樹脂、固形分):100部
・2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2− モルフォリノ−プロパン−1−オン:10部
・ジプロピレングリコールモノメチルエーテル:100部
・ジシアンジアミド:0.5部
・シリコーン系消泡剤:0.5部
・溶融シリカ:25部
・沈降性硫酸バリウム:75部
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート:15部
・エポキシ樹脂(日産化学(株)製 TEPIC):25部
・緑色顔料[A−1]〜[A−80]もしくは比較顔料:1.0部
上記より、緑色活性エネルギー線硬化性・熱硬化性レジストインキ組成物[C−1]〜[C−80]及び比較活性エネルギー線硬化性・熱硬化性レジストインキ組成物[CC−1]〜[CC−4]が得られた。
[実施例D−1〜D−80、比較例DD−1〜DD−4]
(緑色紫外線硬化性レジストインキ組成物[D−1]〜[D−80]、比較紫外線硬化性レジストインキ組成物[DD−1]〜[DD−4]の製造)
下記の配合割合で各成分を配合し、3本ロールミルを用いて混練して、緑色紫外線硬化性レジストインキ組成物[D−1]〜[D−80]、比較紫外線硬化性レジストインキ組成物[DD−1]〜[DD−4]を調製した。
・感光性プレポリマー (フェノールノボラック型エポキシアクリレート):100部
・トリメチロールプロパントリアクリレート:230部
・2−エチルアントラキノン:7部
・タルク:170部
・溶融シリカ:200部
・ビニルトリアジン:5部
・緑色顔料[A−1]〜[A−80]もしくは比較顔料:2.0部
上記より、緑色紫外線硬化性レジストインキ組成物[D−1]〜[D−80]及び比較紫外線硬化性レジストインキ組成物[DD−1]〜[DD−4]が得られた。
[実施例E−1〜E−80、比較例EE−1〜EE−4]
(緑色熱硬化性レジストインキ組成物[E−1]〜[E−80]、比較熱硬化性レジストインキ組成物[EE−1]〜[EE−4]の製造)
下記の配合割合で各成分を配合し、3本ロールミルを用いて混練して、緑色熱硬化性レジストインキ組成物[E−1]〜[E−80]、及び比較熱硬化性レジストインキ組成物[EE−1]〜[EE−4]を調製した。
・ビスフェノールA型エポキシ樹脂:100部
・ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート:6部
・2,4−ジアミノ−6−[2′−メチルイミダゾリル− (1′)]−エチル−S−トリアジン:10部
・タルク:5部
・沈降性硫酸バリウム:90部
・シリコーン系消泡剤:0.5部
・微粉シリカ:2.5部
・緑色顔料[A−1]〜[A−80]もしくは比較顔料:2.0部
上記より、緑色熱硬化性レジストインキ組成物[E−1]〜[E−80]、及び比較熱硬化性レジストインキ組成物[EE−1]〜[EE−4]が得られた。
前記のようにして得られた緑色活性エネルギー線硬化性・紫外線硬化性・熱硬化性レジストインキ組成物、比較活性エネルギー線硬化性・紫外線硬化性・熱硬化性レジストインキ組成物について、次のように試験片を作製して試験を行った。
緑色活性エネルギー線硬化性・熱硬化性レジストインキ組成物[C−1]〜[C−80]、及び比較活性エネルギー線硬化性・熱硬化性レジストインキ組成物[CC−1]〜[CC−4]を、それぞれPET100メッシュのスクリーンで各基板上に膜厚20μmの厚さに塗布し、熱風循環式乾燥炉によって、80℃で30分乾燥し、タックフリーの塗膜を形成した。この基板にネガフィルムを当て、所定のパターン通りに露光し、スプレー圧2kg/cmの1wt%NaCO水溶液で現像し、レジストパターンを形成した。この基板を150℃で40分加熱して熱硬化させ、試験片を作製した。
緑色紫外線硬化性レジストインキ組成物[D−1]〜[D−80]、及び比較紫外線硬化性レジストインキ組成物[DD−1]〜[DD−4]を、それぞれPET225メッシュのスクリーンで各基板上に膜厚30μmの厚さに塗布し、熱風炉でプリベークした後に、銀塩フイルムを密着させ、7kw高圧水銀灯で露光強度10.5mW/cm の下、次記の光硬化性試験に示す露光量にて露光を行い、試験片を作製した。
緑色熱硬化性レジストインキ組成物[E−1]〜[E−80]、及び比較熱硬化性レジストインキ組成物[EE−1]〜[EE−4]を、それぞれPET150メッシュのスクリーンで各基板上に膜厚20μmの厚さに塗布し、熱風循環式乾燥炉によって、140℃で30分加熱して熱硬化させ、試験片を作製した。
前記各レジストインキを用いて作製した試験片について、以下の各項目について試験を行い、評価した。
(1)はんだ耐熱性
(イ)250℃のPb系溶融はんだに、試験片を30秒間浸漬した後、直ちに流水下に冷却し、次いで、塗膜の状態を観察した。塗膜の膨れ、剥離、溶融等の異常の無いものを○、何らかの異常が認められたものを×とした。
(ロ)270℃のSn系溶融はんだに、試験片を30秒間浸漬した後、直ちに流水下に冷却し、次いで、塗膜の状態を観察した。塗膜の膨れ、剥離、溶融等の異常の無いものを○、何らかの異常が認められたものを×とした。
(2)光硬化性試験
上記緑色紫外線硬化性レジストインキ組成物[D−1]〜[D−80]、比較紫外線硬化性レジストインキ組成物[DD−1]〜[DD−4]における紫外線照射による露光は、ストファー・グラフィックアーツ・イクイップメント社の21段センシティビティガイドを用いて波長365nmにおける100mJ/cm、200mJ/cm、300mJ/cmの露光量にて行い、当該露光後上記に準じて現像した時の、露光による硬化部の残り段数が多いもの程感光性が良好とした。抜粋したサンプルの評価結果を表11に示す。
上記表8〜11に示す結果からも明らかであるように、本発明の緑色顔料を用いた緑色活性エネルギー線硬化性・熱硬化性・紫外線硬化性レジストインキ組成物は、ハロゲンフリーであり、また、はんだ耐熱性に優れる。更に、露光感度が高く、露光工程の時間が短縮かされ、生産能率を向上し得ることが分かる。
[実施例F−1〜F−80、比較例FF−1〜FF−4]
(緑色トナー[F−1]〜[F−80]及び比較トナー[FF−1]〜[FF−4]の製造)
緑色顔料[A−1]〜[A−80]2500部、及び熱可塑性ポリエステル樹脂2500部を加圧ニーダー中で混合及び混練した。混合及び混練は、設定温度120℃で、15分にわたって行った。次いで、得られた混練物を加圧ニーダーから取り出し、更に、ロール温度95℃の3本ロールを用いて混練を行った。得られた混練物を冷却後、10mm以下に粗粉砕することによって、着色樹脂組成物を得た。
上述のようにして得た着色樹脂組成物500部、熱可塑性ポリエステル樹脂4375部、3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸のカルシウム塩化合物(荷電制御剤)50部、及びエチレンホモポリマー(離型剤、分子量850、Mw/Mn=1.08、融点107℃)75部を、20Lの容積を有するヘンシェルミキサーを用いて混合(3000rpm、3分)し、さらに二軸混練押出機を用いて、吐出温度120℃にて溶融混練を行った。次いで、混練物を冷却固化した後、ハンマーミルで粗粉砕した。次いで、得られた粗粉砕物について、I式ジェットミル(IDS−2型)を用いて微粉砕化した後、分級することによってトナー母粒子を得た。
次いで、上記で得られたトナー母粒子2500部と疎水性酸化チタン(チタン工業社製STT−30A)12.5部を10Lのヘンシェルミキサーで混合し、緑色負帯電トナー[F−1]〜[F−80]を得た。一方、比較対象として、緑色顔料を比較顔料に変更したことを除き、全て実施例E−1と同様にして比較負帯電トナー[FF−1]〜[FF−4]を得た。
<緑色トナー[F−1]〜[F−80]の評価>
得られた緑色負帯電トナー[F−1]〜[F−80]及び比較負帯電トナー[FF−1]〜[FF−4]を、それぞれミクロトームを用いて厚さ0.9μmにスライスし、サンプルを形成した。次いで、各サンプルについて透過型電子顕微鏡を用いて顔料の分散状態を観察した。その結果、比較負帯電トナー[FF−1]〜[FF−4]よりも、緑色負帯電トナー[F−1]〜[F−80]の方が、顔料が均一に分配されており、分散性が高いことが判明した。
本発明より、安全性が高く、廃棄やリサイクルの際に有害物質が発生しない、ハロゲンフリーな緑色顔料を提供することができる。さらに、耐候性と耐熱性に優れ、色分かれを生じず、かつ分散後の保存安定性に優れる緑色顔料、及びこれを用いる塗料、印刷インキ、トナーを提供することができる。

Claims (7)

  1. 下記一般式(1)で示される化合物と、下記一般式(2)で示される化合物とを必須成分とする緑色顔料。

    一般式(1)


    [一般式(1)中、 〜R 24 は水素原子を表す。Xは、2つの水素原子又は配位子を有していてもよい金属原子を表し、金属原子は、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、又は亜鉛(Zn)である。]

    一般式(2)



    [一般式(2)中、R 50 〜R 73 は、それぞれ独立して、水素原子、スルホ基、フタルイミドメチル基、シアノ基、ニトロ基、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルケニル基、置換基を有してもよいアリール基、−OR 74 、−COOR 75 、−CONHR 76 、−NHCOR 77 、−SO - 、−SO NHR 78 又は−N
    79 80 を表し、少なくとも1つ以上はスルホ基、フタルイミドメチル基、シアノ基、ニトロ基、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルケニル基、置換基を有してもよいアリール基、−OR 74 、−COOR 75 、−CONHR 76 、−NHCOR 77 、−SO - 、−SO NHR 78 又は−NR 79 80 である。
    74 〜R 80 は、それぞれ独立して、水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルケニル基、又は置換基を有してもよいアリール基を表す。Z は、無機又は有機のカチオンを表す。X は、2つの水素原子又は配位子を有していてもよい金属原子を表し、金属原子は、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、又は亜鉛(Zn)である。]
  2. CuKα線によるX線回折パターンにおいて、少なくともブラッグ角2θ(±0.3°)が5.8°、13.3°、24.4°、及び26.7°に回折ピークを有することを特徴とする、請求項記載の緑色顔料。
  3. CuKα線によるX線回折パターンにおいて、ブラッグ角2θ(±0.3°)が13.3°の回折ピーク強度に対する、5.8°の回折ピーク強度の比が、1.0〜5.0であることを特徴とする、請求項1または2記載の緑色顔料。
  4. 顔料の一次粒子の平均アスペクト比が1〜3であることを特徴とする、請求項1〜いずれか記載の緑色顔料。
  5. 請求項1〜いずれかに記載の緑色顔料を含む塗料。
  6. 請求項1〜いずれかに記載の緑色顔料含む印刷インキ。
  7. 請求項1〜いずれかに記載の緑色顔料含むトナー。
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