JP2019202488A - マゼンタ色熱転写シート及びマゼンタ色染料インク - Google Patents

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Abstract

【課題】印画物の未印画部における染料移行や所謂地汚れの発生がなく、高濃度、高彩度、且つ耐光性に優れる印画物が提供可能なマゼンタ色熱転写シートを提供する。【解決手段】基材シート2の一方の面に耐熱滑性層3を、他方の面にマゼンタ染料層4を少なくとも有する熱転写シート1であって、マゼンタ染料層が特定の式で表されるアゾ系化合物と、アントラキノン系化合物を少なくとも含有し、マゼンタ染料中のアゾ系化合物の固形分重量比が5wt%〜50wt%であることを特徴とする、マゼンタ色熱転写シート。【選択図】図1

Description

本発明は、感熱転写方式のプリンタに使用される熱転写シートに関するものであり、特にマゼンタ色熱転写シートおよびマゼンタ色染料インクに関する。
一般に、感熱転写シートは、サーマルリボンと呼ばれ、感熱転写方式のプリンタに使用されるインクリボンのことであり、基材の一方の面に感熱転写層、その基材の他方の面に耐熱滑性層を設けたものである。ここで感熱転写層は、インクの層であって、プリンタのサーマルヘッドに発生する熱によって、そのインクを昇華(昇華転写方式)あるいは溶融(溶融転写方式)させ、被転写体側に転写するものである。
現在の感熱転写方式の中でも昇華型染料熱転写方式は、プリンタの高機能化と併せて各種画像を簡便にフルカラー形成できるため、デジタルカメラのセルフプリント、身分証明書などのカード類、アミューズメント用出力物等、広く利用されている。その中で、用途の多様化と普及拡大に伴い、高濃度、高彩度、且つ高耐光性を有する印画物が提供可能な熱転写シートを求める声が大きくなっている。
そこで、昇華型染料熱転写シートにおける問題として、昇華型染料層が染料インクを塗布形成できるように、昇華染料とバインダー樹脂をトルエン、メチルエチルケトン等の溶剤に溶解させて染料インクとし、染料層面の昇華染料の結晶化による品質悪化を防止している。しかし、昇華染料によっては、染料の溶剤への溶解性が不十分な場合の染料含有量が低く、実用的な濃度とすることができず、転写印刷時の発色が不十分となる問題があった。
また、バインダー樹脂への分散性が不十分な染料は、塗布膜に染料の結晶生成等により染料が表面に浮き出てしまうブリードアウト現象を生じたり、転写印刷時に非印刷部の地汚れや熱転写シート背面(例えば、耐熱滑性層)への転移(キック)による裏写り、さらには、他の色の染料層やオーバーコート(保護)層等へ再転移(バック)するキックバックが発生するという問題を有していた。
そのため、熱転写シートに用いられる昇華染料は、溶剤およびバインダー樹脂への分散性を考慮した組成物が求められる。
高濃度、高彩度な印画物を提供した技術例として、特許文献1では、ピリジン環の窒素原子にアリールアミノ基が結合した構造を有する化合物(マゼンタ色素)を有する熱転写シートが提案されている。しかしながら、特許文献1の化合物のみでマゼンタ染料層を形成すると、染料層表面に染料がブリードアウトし、印画時に未印画部が染色される、所謂地汚れの発生が認められた。また、耐光性も従来公知のマゼンタ染料と比較して十分とは言えなかった。
また、濃度、および耐光性に優れるマゼンタ染料層の技術例として、特許文献2では、アントラキノン系化合物を含有する熱転写シートが提案されている。しかしながら、特許文献2のマゼンタ染料層は、耐光性は高いものの印画物の彩度は不十分であった。
このように、記載されている熱転写シートは、上記ユーザーの要求を十分に満足できるものではなく、解決手段が求められていた。
特開2017−66376号公報 特開2009−72918号公報
以上の問題点を鑑み、本発明は、印画物の未印画部における染料移行、所謂地汚れの発生がなく、かつ高濃度、高彩度、且つ耐光性に優れる印画物が提供可能なマゼンタ色熱転写シートおよびこれに用いるマゼンタ色染料インクを提供するものである。
本発明者らは、上記課題に対して鋭意検討し、下記手段を見出した。
すなわち、請求項1記載の発明は、
基材シートの一方の面に昇華染料層を有し、他方の面に耐熱滑性層を少なくとも有する熱転写シートであって、前記昇華染料層は少なくともマゼンタ染料層を含み、前記マゼンタ染料層が、下記一般式(1)で表されるアゾ系化合物と、アントラキノン系化合物を少なくとも含有し、前記マゼンタ染料層全体に対する前記アゾ系化合物の固形分重量比が5wt%〜50wt%であることを特徴とする、マゼンタ色熱転写シートである。
〔式中のRおよびRは、それぞれ独立して、無置換のアルキル基、または置換基を有するアルキル基を表し、Rは、無置換のアルキル、または置換基を有するアルキル基、無置換のアリール基、または置換基を有するアリール基を表し、Rは、無置換のアルキル基を表し、Rは、無置換のアルキル基、置換基を有するアルキル基、置換基を有するアリール基、無置換のアシル基、または置換基を有するアシル基を表し、Rは、無置換のアルキル基、または置換基を有するアルキル基、無置換のアリール基、または置換基を有するアリール基を表す。〕
また請求項2記載の発明は、前記アントラキノン系化合物が下記一般式(2)で表されることを特徴とする、請求項1に記載のマゼンタ色熱転写シートである。
また請求項3記載の発明は、前記基材と前記昇華染料層の間に、少なくともポリビニルピロリドン樹脂を含む下引き層を有することを特徴とする、請求項1または2に記載のマゼンタ色熱転写シートである。
請求項4記載の発明は、下記一般式(1)で表されるアゾ系化合物と、アントラキノン系化合物を少なくとも含有し、前記マゼンタ染料全体に対する前記アゾ系化合物の固形分重量比が5wt%〜50wt%であることを特徴とするマゼンタ色染料インクである。
〔式中のRおよびRは、それぞれ独立して、無置換のアルキル基、または置換基を有するアルキル基を表し、Rは、無置換のアルキル、または置換基を有するアルキル基、無置換のアリール基、または置換基を有するアリール基を表し、Rは、無置換のアルキル基を表し、Rは、無置換のアルキル基、置換基を有するアルキル基、置換基を有するアリール基、無置換のアシル基、または置換基を有するアシル基を表し、Rは、無置換のアルキル基、または置換基を有するアルキル基、無置換のアリール基、または置換基を有するアリール基を表す。〕
請求項5記載の発明は、前記アントラキノン系化合物が下記一般式(2)で表されることを特徴とするマゼンタ色染料インクである。
本発明のマゼンタ色熱転写シートによれば、一般式(1)で表されるアゾ系化合物の立体的構造から分子の凝集が抑制されており、昇華染料層内における分散性に優れ、また一般式(2)で表されるアントラキノン系化合物の溶媒への溶解性が低くとも、バインダー樹脂への分散性に優れており、これら染料からなる昇華染料層、とくにマゼンタ染料層では、ブリードアウトがなく染料インクにおける染料の高濃度化が可能であり、マゼンタ染料層による転写印刷における非印刷部での染料の転移による裏写りや、再転移による所謂地汚れの発生がなく、さらに印刷の高彩度と耐光性に優れる印刷物が得られる。
また一般式(1)で表されるアゾ系化合物の染料中の含有量の固形分重量比を5%〜50%とすることで、高彩度、地汚れの抑制および耐光性を付与することが可能である。
本発明の熱転写受像シートの第一の実施形態を示す側断面図である。 本発明の熱転写受像シートの第二の実施形態を示す側断面図である。
以下、この発明の実施形態について説明するが、この発明は以下に示す実施形態に限定されない。以下に示す実施形態では、この発明を実施するために技術的に好ましい限定がなされているが、この限定はこの発明の必須要件ではない。
本発明の第一の実施形態の熱転写シート1は、図1に示すように、基材2の一方の面にサーマルヘッドとの滑り性を付与する耐熱滑性層3を設け、基材2の他方の面にマゼンタ染料層4を少なくとも設けた構成である。
さらに好ましくは、図2に示すように、第二の実施形態の熱転写シート10は、前記基材2と前記マゼンタ染料層4の間に、下引き層5を設けた構成である。
基材2としては、熱転写における熱圧で軟化変形しない耐熱性と強度が必要とされ、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリプロピレン、セロファン、アセテート、ポリカーボネート、ポリサルフォン、ポリイミド、ポリビニルアルコール、芳香族ポリアミド、アラミド、ポリスチレン等の合成樹脂のフィルム、およびコンデンサー紙、パラフィン紙などの紙類等を単独、又は組み合わされた複合体として使用可能である。中でも、物性面、加工性、コスト面などを考慮するとポリエチレンテレフタレートフィルムが好ましい。
また、その厚さは、操作性、加工性を考慮し、2μm以上50μm以下の範囲のものが使用可能であるが、転写適性や加工性等のハンドリング性を考慮すると、2μm以上9μm以下程度のものが好ましい。
また、基材2においては、耐熱滑性層3または/およびマゼンタ染料層4を形成する面に、接着処理を施すことも可能である。接着処理としては、コロナ処理、火炎処理、オゾン処理、紫外線処理、放射線処理、粗面化処理、プラズマ処理、プライマー処理等の公知の技術を適用することができ、それらの処理を二種以上併用することもできる。
次に、耐熱滑性層3は、従来公知のもので対応でき、例えば、バインダとなる樹脂、離型性や滑り性を付与する機能性添加剤、充填剤、硬化剤、溶剤などを配合して耐熱滑性層形成用の塗布液を調製し、塗布、乾燥して形成することができる。
この耐熱滑性層3の乾燥後の塗布量は、0.1g/m以上2.0g/m以下程度が適当である。ここで、耐熱滑性層3の乾燥後の塗布量とは、耐熱滑性層形成用の塗布液を塗布、乾燥した後に残った固形分量のことを指す。
耐熱滑性層3の一例を挙げると、バインダ樹脂としては、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセトアセタール樹脂、ポリエステル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリエーテル樹脂、ポリブタジエン樹脂、アクリルポリオール、ポリウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、ポリエーテルアクリレート、エポキシアクリレート、ニトロセルロース樹脂、酢酸セルロース樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアクリル樹脂およびそれらの変性体等を挙げることができる。
また、熱転写シート1は、基材2と背面層3との間には、必要に応じてさらに帯電防止性を備える目的でプライマー層を設けても良い。
マゼンタ染料層4は、マゼンタ染料、バインダ樹脂、溶剤などを配合して染料層形成用塗布液を調製し、塗布、乾燥することで形成される。
このマゼンタ染料層4の乾燥後の塗布量は、0.3g/m以上1.0g/m以下程度が適当である。ここで、マゼンタ染料層4の乾燥後の塗布量とは、マゼンタ染料層形成用の塗布液を塗布、乾燥した後に残った固形分量のことを指す。
本発明のマゼンタ染料層は、下記一般式(1)で表されるアゾ系化合物を、マゼンタ染料中の固形分重量比で5wt%〜50wt%含有することを必須とする。
式中のRおよびRは、それぞれ独立して、無置換のアルキル基、または置換基を有するアルキル基を表し、Rは、無置換のアルキル、または置換基を有するアルキル基、無置換のアリール基、または置換基を有するアリール基を表し、Rは、無置換のアルキル基を表し、Rは、無置換のアルキル基、置換基を有するアルキル基、置換基を有するアリール基、無置換のアシル基、または置換基を有するアシル基を表し、Rは、無置換のアルキル基、または置換基を有するアルキル基、無置換のアリール基、または置換基を有するアリール基を表す。
本発明では一般式(1)に包含される染料は何れも使用可能であるが、例えば下記表1に記載の染料が挙げられる。
一般式(1)のアゾ系化合物は、他の公知のマゼンタ染料と比較して高濃度、高彩度な印画物を提供することができる。しかしながら、前記染料単独でマゼンタ染料層を形成すると、樹脂、および溶剤に対する溶解性が不十分であることに起因して、染料層表面へのブリードアウトを併発した。その結果、印画物の未印画部における染料移行、所謂地汚れの発生を伴った。また耐光性も十分には得られなかった。
これらの不足性能を補う目的で、本発明のマゼンタ染料層4は、樹脂、および溶剤に対する溶解性が高く、優れた耐光性を有するアントラキノン系化合物の併用を必須とする。
アントラキノン化合物は従来公知のものを使用することができ、特に限定されるものではないが、C.I.ディスパースレッド60、C.I.ディスパースバイオレット26、C.I.ディスパースバイオレット28、C.I.ディスパースバイオレット31等が挙げられる。中でも下記一般式(2)で表されるC.I.ディスパースバイオレット26、およびC.I.ディスパースバイオレット31は、他のアントラキノン系化合物と比較して高濃度、高彩度を付与することができるため、好適である。
マゼンタ染料中における一般式(1)のアゾ系化合物の含有量が、マゼンタ染料層全体に対する固形分重量比で5wt%未満であると、十分な濃度、彩度が得られなかった。一方、50wt%を超えると、地汚れの発生が認められ、また、耐光性も十分に得られなかった。
マゼンタ染料層4は、前述のアゾ系染料、アントラキノン系染料以外の染料を含んでもよい。例えば、C.I.ディスパースレッド73、C.I.ディスパースレッド135、C.I.ディスパースレッド167、C.I.ディスパースバイオレット13、C.I.ディスパースバイオレット56、C.Iソルベントレッド18、C.Iソルベントレッド19、C.Iソルベントレッド27、C.Iソルベントレッド143、C.Iソルベントレッド182、等を挙げることができる。
なお、染料層中に含まれる染料の種類、組成比は、以下方法で特定できる。
<抽出>
マゼンタ色熱転写シートを切り出し、10mlアセトニトリルに浸漬した後、超音波洗浄機中で20分間抽出する。
<定性・定量>
上記染料抽出液を超高速液体クロマトグラフ/質量分析計(UHPLC/MS)にて測定し、装置に登録の染料データベースにてUV/Visスペクトルを比較し、簡易的に定性を行う。次に簡易定性にて同定された各染料のアセトニトリル溶液を作製し、UHPLC/MS測定を行う。前記抽出液のスペクトルと染料別のスペクトルを比較し、定性を行う。また、絶対検量線法で検量線を作成して、前記抽出液中の染料の定量を行う。
マゼンタ染料層4のバインダ樹脂は、従来公知の樹脂がいずれも使用でき、特に限定されるものではないが、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、エチルヒドロキシセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、酢酸セルロース等のセルロース系樹脂やポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、ポリアクリルアミド等のビニル系樹脂やポリエステル樹脂、スチレン−アクリロニトリル共重合樹脂、フェノキシ樹脂等を挙げることができる。
また、マゼンタ染料層4には、性能を損なわない範囲で、イソシアネート化合物、シランカップリング剤、分散剤、粘度調整剤、安定化剤等を添加することができる。
本発明の熱転写シート1は、基材2とマゼンタ染料層4の間に下引き層5を設けてもよい。下引き層5を設けることで印画時の基材2への染料移行量を抑制し、受像層への染料移行量を多くすることができる。すなわち、印画物にさらに高い印画濃度を付与することができる。この下引き層5の乾燥後の塗布量は、0.1g/m以上0.5g/m以下程度が適当である。ここで、下引き層5の乾燥後の塗布量とは、下引き層形成用の塗布液を塗布、乾燥した後に残った固形分量のことを指す。
下引き層5のバインダ樹脂は、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリ酢酸ビニル、デンプン、ゼラチン、メチルセルロース、エチルセルロース等の水溶性高分子を挙げることができる。中でも、基材2、およびマゼンタ染料層4との密着性の観点からポリビニルピロリドンが好適である。
なお、耐熱滑性層3、マゼンタ染料層4、および下引き層5は、いずれも従来公知の塗
布方法にて、塗布、形成することで形成可能であり、例としてグラビアコーティング法、スクリーン印刷法、スプレーコーティング法、リバースロールコート法等が挙げられる。
以下に、本発明の各実施例および各比較例に用いた材料を示す。なお、文中で「部」とあるのは、特に断りのない限り質量基準である。また、本発明は実施例に限定されるものではない。
<耐熱滑性層付き基材の作製>
基材として、4.5μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを使用し、片面に下記組成の耐熱滑性層塗布液を、グラビアコーティング法により、乾燥後の塗布量が0.5g/mになるように塗布し、100℃1分乾燥することで耐熱滑性層付き基材を得た。
<耐熱滑性層塗布液>
シリコンアクリレート 100部
MEK 100部
<マゼンタ色熱転写シートの作製>
(実施例1)
耐熱滑性層付き基材の耐熱滑性層未塗布面に、下記組成の下引き層塗布液をグラビアコーティング法により、乾燥後の膜厚が0.2μmになるように塗布し、100℃2分乾燥することで、下引き層を形成した。さらに、その下引き層の上に下記組成のマゼンタ染料層塗布液を、グラビアコーティング法により、乾燥後の膜厚が0.7μmになるように塗布し、80℃1分乾燥することで、マゼンタ染料層を形成し、実施例1のマゼンタ色熱転写シートを得た。
<下引き層塗布液>
ポリビニルピロリドン 100部
純水 600部
イソプロピルアルコール 400部
<マゼンタ染料層塗布液−1>
ポリビニルアセタール 100部
表1No.4の染料(アゾ系化合物) 40部
一般式(2)の染料 60部
ポリエーテル変性シリコーンオイル 3部
メチルエチルケトン 1500部
トルエン 1000部
(実施例2)
下記マゼンタ染料層塗布液−2に変更した以外は、実施例1と同様にして実施例2のマゼンタ色熱転写シートを得た。
<マゼンタ染料層塗布液−2>
ポリビニルアセタール 100部
表1No.4の染料(アゾ系化合物) 50部
C.I.ディスパースレッド60(アントラキノン系化合物) 50部
ポリエーテル変性シリコーンオイル 3部
メチルエチルケトン 1500部
トルエン 1000部
(実施例3)
実施例1の下引き層を塗布せずに基材上に直接マゼンタ染料層−1を塗布した以外は、実施例1と同様にして実施例3のマゼンタ色熱転写シートを得た。
(実施例4)
下記マゼンタ染料層塗布液−3に変更した以外は、実施例1と同様にして実施例4のマゼンタ色熱転写シートを得た。
<マゼンタ染料層塗布液−3>
ポリビニルアセタール 100部
表1No.4の染料(アゾ系化合物) 33部
一般式(2)の染料(アントラキノン系化合物) 33部
C.I.ディスパースレッド60(アントラキノン系化合物) 34部
ポリエーテル変性シリコーンオイル 3部
メチルエチルケトン 1500部
トルエン 1000部
(実施例5)
下記マゼンタ染料層塗布液−4に変更した以外は、実施例1と同様にして実施例5のマゼンタ色熱転写シートを得た。
<マゼンタ染料層塗布液−4>
ポリビニルアセタール 100部
表1No.4の染料(アゾ系化合物) 6部
一般式(2)の染料(アントラキノン系化合物) 47部
C.I.ディスパースレッド60(アントラキノン系化合物) 47部
ポリエーテル変性シリコーンオイル 3部
メチルエチルケトン 1500部
トルエン 1000部
(比較例1)
下記マゼンタ染料層塗布液−5に変更した以外は、実施例1と同様にして比較例1のマゼンタ色熱転写シートを得た。
<マゼンタ染料層塗布液−5>
ポリビニルアセタール 100部
表1No.4の染料(アゾ系化合物) 100部
ポリエーテル変性シリコーンオイル 3部
メチルエチルケトン 1500部
トルエン 1000部
(比較例2)
下記マゼンタ染料層塗布液−6に変更した以外は、実施例1と同様にして比較例2のマゼンタ色熱転写シートを得た。
<マゼンタ染料層塗布液−6>
ポリビニルアセタール 100部
一般式(2)の染料(アントラキノン系化合物) 100部
ポリエーテル変性シリコーンオイル 3部
メチルエチルケトン 1500部
トルエン 1000部
(比較例3)
下記マゼンタ染料層塗布液−7に変更した以外は、実施例1と同様にして比較例3のマ
ゼンタ色熱転写シートを得た。
<マゼンタ染料層塗布液−7>
ポリビニルアセタール 100部
C.I.ディスパースレッド60(アントラキノン系化合物) 100部
ポリエーテル変性シリコーンオイル 3部
メチルエチルケトン 1500部
トルエン 1000部
(比較例4)
下記マゼンタ染料層塗布液−8に変更した以外は、実施例1と同様にして比較例4のマゼンタ色熱転写シートを得た。
<マゼンタ染料層塗布液−8>
ポリビニルアセタール 100部
表1No.4の染料(アゾ系化合物) 54部
一般式(2)の染料(アントラキノン系化合物) 20部
C.I.ディスパースレッド60(アントラキノン系化合物) 26部
ポリエーテル変性シリコーンオイル 3部
メチルエチルケトン 1500部
トルエン 1000部
(比較例5)
下記マゼンタ染料層塗布液−9に変更した以外は、実施例1と同様にして比較例5のマゼンタ色熱転写シートを得た。
<マゼンタ染料層塗布液−9>
ポリビニルアセタール 100部
C.I.ディスパースレッド343(アゾ系化合物) 20部
一般式(2)の染料(アントラキノン系化合物) 20部
C.I.ディスパースレッド60(アントラキノン系化合物) 60部
ポリエーテル変性シリコーンオイル 3部
メチルエチルケトン 1500部
トルエン 1000部
なお上記C.I.ディスパースレッド343は、表1の化合物とは異なるアゾ系化合物である。
<熱転写性保護層シートの作製>
前記耐熱滑性層付き基材の耐熱滑性層未塗布面に、下記組成の剥離層塗布液を、グラビアコーティング法により、乾燥後の膜厚が1.0μmになるように塗布し、100℃1分乾燥することで、剥離層を形成した。さらに、その剥離層の上に、下記組成の接着層塗布液1を、グラビアコーティング法により、乾燥後の膜厚が1.0μmになるように塗布し、100℃1分乾燥することで、接着層を形成し、熱転写性保護層シートを得た。
<剥離層塗布液>
ポリメタクリル酸メチル 100部
無水シリカ(平均粒子径:2μm) 5部
トルエン 450部
メチルエチルケトン 450部
<接着層塗布液>
ポリメタクリル酸エチル 100部
紫外線吸収剤 30部
メチルエチルケトン 870部
<熱転写受像シートの作製>
基材として、188μmの白色発泡ポリエチレンテレフタレートフィルムを使用し、その一方の面に下記組成の受像層塗布液を、グラビアコーティング法により、乾燥後の塗布量が5.0g/mになるように塗布、乾燥することで、熱転写受像シートを作製した。
<受像層塗布液>
塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体 100部
ポリエーテル変性シリコーンオイル 3部
トルエン 200部
メチルエチルケトン 200部
<印画>
実施例1〜5、および比較例1〜5のマゼンタ色熱転写シートを熱転写受像シート上に、染料層と受像層が接するように配置し、サーマルシミュレーターにて3cm角の面積のベタ印画を行った。さらに熱転写性保護層シートを得られた印画物上に、保護層と受像層が接するように配置し、5cm角の面積のベタ印画を行い、保護層付き印画物を得た。なお、印画条件は次の通りとした。
<印画条件>
印画環境:23℃50%RH
印加電圧:マゼンタ層17V、保護層14V
ライン周期:0.7msec
印画密度:主走査300dpi、副走査300dpi、
評価用サーマルプリンタにて転写させた。
<印画物の評価>
得られた印画物について、地汚れの有無、濃度特性、彩度特性、および耐光性を評価した。各評価項目の詳細な評価方法を以下に記載した。
<地汚れ評価>
保護層が転写された5cm角の内、マゼンタベタを形成した3cm角外の受像層の色味を目視観察した。地汚れの有無を以下基準にて判定した。
〇:赤みを帯びていない。
×:赤みを帯びている。
<濃度特性評価>
X−rite社製X−rite528を用いて、ベタ画像形成部のマゼンタ濃度(OD)を測定した。得られたODから濃度特性を以下基準にて判定した。OD、および判定結果を表2に記載した。
◎:ODが1.7以上
〇:ODが1.4以上1.7未満
×:ODが1.4未満
<彩度特性評価>
濃度特性と同様にX−rite社製X−rite528を用いて、L表色系における色度(L、a、b)を測定し、彩度(C)を下式によって算出した。また、得られたCから彩度特性を以下基準にて判定した。C、および判定結果を表2に記載した。なお、△以上が実用上問題ないレベルである。
=〔(a+(b1/2
◎:Cが70以上
〇:Cが60以上70未満
×:Cが60未満
<耐光性評価>
東洋精機製作所製アトラス・ウエザオメータCi4000に印画物を100時間投入した。投入前後のマゼンタODを測定し、下式によってOD保持率を算出した。また、得られたOD保持率から耐光性を以下基準にて判定した。
OD保持率、および判定結果を表2に記載した。
OD保持率:〔OD投入後〕/〔OD投入前〕×100%
〇:OD保持率が90%以上
×:OD保持率が90%未満
マゼンタ染料中に一般式(1)のアゾ系化合物を固形分重量比5%〜50%の範囲で含有し、且つアントラキノン系化合物を含有する実施例1〜5のマゼンタ色熱転写シートは、いずれも地汚れがなく、高濃度、高彩度、且つ高耐光性を示した。
中でも一般式(1)、および一般式(2)の含有比率が高い実施例1、および実施例4は、優れた濃度、彩度を示した。実施例3に対してポリビニルピロリドン樹脂を含む下引き層を設けた実施例1は、一段と高い濃度を示した。
これに対して、一般式(1)のアゾ系化合物のみでマゼンタ染料層を形成した比較例1は濃度、色度は高いものの、地汚れの発生が認められ、また耐光性も不十分であった。
また、アントラキノン系化合物のみでマゼンタ染料層を形成した比較例2、及び比較例3は、濃度が不十分であった。また、一般式(1)のアゾ系化合物を固形分重量比で54%含有する比較例4は、一般式(1)の染料比率が高いためか地汚れの発生が認められた。
また、アゾ系化合物として、一般式(1)の代わりにC.I.ディスパースレッド343を用いた比較例5は、高濃度を示したものの、彩度、耐光性は不十分であった。
1:熱転写シート
2:基材
3:耐熱滑性層
4:マゼンタ染料層
5:下引き層
10:熱転写シート

Claims (5)

  1. 基材シートの一方の面に昇華染料層を有し、他方の面に耐熱滑性層を少なくとも有する熱転写シートであって、
    前記昇華染料層は少なくともマゼンタ染料層を含み、
    前記マゼンタ染料層が、下記一般式(1)で表されるアゾ系化合物と、アントラキノン系化合物を少なくとも含有し、前記マゼンタ染料層全体に対する前記アゾ系化合物の固形分重量比が5wt%〜50wt%であることを特徴とする、マゼンタ色熱転写シート。
    〔一般式(1)中のRおよびRは、それぞれ独立して、無置換のアルキル基、または置換基を有するアルキル基を表し、Rは、無置換のアルキル、または置換基を有するアルキル基、無置換のアリール基、または置換基を有するアリール基を表し、Rは、無置換のアルキル基を表し、Rは、無置換のアルキル基、置換基を有するアルキル基、置換基を有するアリール基、無置換のアシル基、または置換基を有するアシル基を表し、Rは、無置換のアルキル基、または置換基を有するアルキル基、無置換のアリール基、または置換基を有するアリール基を表す。〕
  2. 前記アントラキノン系化合物が下記一般式(2)で表されることを特徴とする、請求項1に記載のマゼンタ色熱転写シート。
  3. 前記基材と前記昇華染料層の間に、少なくともポリビニルピロリドン樹脂を含む下引き層を有することを特徴とする、請求項1または2に記載のマゼンタ色熱転写シート。
  4. 下記一般式(1)で表されるアゾ系化合物と、アントラキノン系化合物を少なくとも含有し、前記マゼンタ染料全体に対する前記アゾ系化合物の固形分重量比が5wt%〜50wt%であることを特徴とするマゼンタ色染料インク。
  5. 前記アントラキノン系化合物が下記一般式(2)で表されることを特徴とするマゼンタ色染料インク。
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