JP2019201590A - 免疫賦活用組成物及びサイトカイン産生促進用組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の目的は、pDCによる自然免疫及び獲得免疫を活性化するサイトカインの産生促進作用を示す物質を有効成分として含有する組成物を提供することにある。【解決手段】上記目的は、ペディオコッカス属乳酸菌の菌体、菌体成分及び培養物並びにこれらの処理物からなる群から選ばれる少なくとも1種の有効成分を含有し、かつ、プラズマサイトイド樹状細胞による自然免疫及び獲得免疫を活性化する作用を有する、免疫賦活用組成物などにより解決される。【選択図】図1A

Description

本発明は、自然免疫及び獲得免疫を活性化するための免疫賦活用組成物及びサイトカイン産生促進用組成物に関する。
外来異物に対する防御反応として、自然免疫及び獲得免疫がある。また、獲得免疫は、細菌などの細胞外異物に対する体液性免疫と、ウイルスなどの細胞内異物に対する細胞性免疫とに大別される。
自然免疫では、細菌やウイルスなどの外来異物を、マクロファージ、樹状細胞、マスト細胞などが細胞表面や細胞膜貫通型のパターン認識受容体であるTLR(Toll like receptor;トール様受容体)を介して感知する。このようにして異物の侵入を感知した細胞は、サイトカイン、ケモカイン、脂質メディエーターなどの生理活性物質を産生する。
外来異物が細胞外異物である細菌である場合は、上記の生理活性物質の作用などによって、マクロファージや好中球といった貪食細胞が細菌を貪食及び分解する。外来異物が細胞内異物であるウイルスである場合は、ウイルスやウイルスに感染した細胞はマクロファージ、樹状細胞、NK細胞によって貪食又は破壊され、さらにこれらの細胞によって産生されたインターフェロン−α(IFN−α)などのサイトカインによる抗ウイルス作用によってウイルスの増殖や複製が阻害される。
一方、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)などの細菌によっても、IFN−αの産生が誘導されることが知られている。産生したIFN−αにより、マクロファージやNK細胞が活性化して、外来異物である細菌を貪食及び破壊することが想定される。
自然免疫は、外来異物を大まかに認識して、非特異的な反応として生じる。それに対して、獲得免疫は、特定の抗原を認識して、特異的な反応として生じる。
外来異物を取り込んだ樹状細胞やマクロファージは、外来異物を分解しながらリンパ管に入り、リンパ節に移動する。これらの細胞は抗原提示細胞としてMHCクラスII分子を介して外来異物の抗原部分を細胞表面上に抗原提示する。この抗原提示の部分と、CD4+ナイーブT細胞の細胞表面にある抗原認識受容体であるTCR(Tcell Receptor;T細胞受容体)とが、特異的に結合する。
抗原提示を受けたCD4+ナイーブT細胞は、マクロファージや樹状細胞により産生されるサイトカインの作用によって、ヘルパーT細胞(Th1、Th2、Th17)、制御性T細胞(Treg)、細胞障害性T細胞(Tc)などのエフェクターT細胞に分化及び増殖する。例えば、マクロファージ、樹状細胞及びNK細胞によって産生されたインターロイキン−12(IL−12)やIFN−γにより、抗原提示を受けたCD4+ナイーブT細胞はTh1細胞へ分化及び増殖する。
その後、ヘルパーT細胞であるTh1細胞及びTh2細胞が産生するIFN−γといったサイトカインの作用などにより、B細胞は特定の抗原に対する抗体を産生する形質細胞へ、及びCD8+ナイーブT細胞はTc細胞への分化、増殖及び活性化を通じて、獲得免疫が発揮される。このように、獲得免疫ではTh1細胞が重要な役割を担うことから、獲得免疫を活性化するためにはTh1細胞への分化を誘導するIL−12及びIFN−γの産生が求められる。
自然免疫におけるIFN−αなどのサイトカインの産生や獲得免疫における抗原提示など、免疫系において樹状細胞が重要な役割を担う。樹状細胞は、プラズマサイトイド樹状細胞(pDC)及びミエロイド樹状細胞(mDC)に大別でき、mDCはさらにCD19が陰性であるmDC1及びBDCA3が陽性であるBDCA3DCに分けることができる。これらの樹状細胞サブセットは、それぞれ発現する細胞表面分子マーカーの種類及び程度、産生するサイトカインの種類などが相違することが知られている(例えば、非特許文献1及び2を参照)。
樹状細胞のうち、pDCは、ヒト末梢血における単核球の1%にも満たない極めてマイナーなサブセットである。pDCは、樹状形態を有するmDCとは異なり、末梢血中に存在して形質細胞に似た形質を示し、外来異物を取り込むなどして刺激を受けると樹状細胞様に分化する。pDCが外来異物に応答すると、IFN−αといったI型IFNが大量に産生され、自然免疫を活性化する。
例えば、pDCを活性化してIFN−αの産生を促進する可能性があるものとして、特許文献1にはラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・ラクティス(Lactococcus lactis subsp.Lactis)が記載されている。
また、乳酸菌によるサイトカインの産生誘導に関する文献として、特許文献2及び特許文献3が知られている。すなわち、特許文献2には、ペディオコッカス・アシディラクティシ(Pediococcus acidilactici)及びペディオコッカス・ペントサセウス(Pediococcus pentosaceus)がマウス腹腔滲出マクロファージのIL−12産生を誘導したことが記載されている。特許文献3には、テトラジェノコッカス・ハロフィラス(Tetragenococcus halophilus)がマウス骨髄由来樹状細胞(mDC)のIFN−β及びIL−12の産生を誘導したことが記載されている。
国際公開第2012/091081号 特開2006−028047号公報 特許第5312322号
Jens Geginat et al., Frontiers in Immunology, October 2015, Vol.6, Article 527 Bing Liu et al., Gastroenterology Research and Practice, Vol. 2015, Article ID 796461
特許文献1によれば、ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・ラクティスにより、pDCによるIFN−αの産生が誘導されている。しかし、IFN−γについてはIFN−αより産生量が少なく、さらに菌株間でのばらつきが大きい。また、特許文献1には、ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・ラクティスにより、pDCを含む樹状細胞のIL−12の産生誘導について、実証された実験データを伴った記載が無い。
したがって、特許文献1に記載のラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・ラクティスによって自然免疫が活性化し得るとしても、IL−12やIFN−γといったCD4+ナイーブT細胞をTh1細胞へと分化する作用を有するサイトカインの産生を通じた獲得免疫の活性化は期待できず、たとえ活性化されるとしてもその程度は非常に小さい蓋然性がある。
また、特許文献2には、pDCを含む樹状細胞による獲得免疫を活性化するサイトカインの産生を誘導し得る乳酸菌についての記載は無い。特許文献3には、mDCだけではなく、pDCに対しても、テトラジェノコッカス・ハロフィラスが、自然免疫及び獲得免疫を活性化するサイトカインの産生促進作用を有することについての記載は無い。
したがって、特許文献1〜3には、pDCに対して自然免疫及び獲得免疫を活性化するサイトカインの産生促進作用を示す物質についての記載は無い。また、pDCが自然免疫を活性化するサイトカインだけではなく、獲得免疫を活性化するサイトカインを産生することも、ほとんど知られていない。
そこで、本発明が解決しようとする課題は、pDCによる自然免疫及び獲得免疫を活性化するサイトカインの産生促進作用を示す物質を有効成分として含有する組成物を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を積み重ねた結果、ペディオコッカス・アシディラクティシ(Pediococcus acidilactici)及びペディオコッカス・ペントサセウス(P.pentosaceus)といったペディオコッカス属乳酸菌がpDCに対してIFN−α及びIL−12の産生促進作用を示すことを見出した。これまでpDCが自然免疫を活性化するIFN−αに加えて、獲得免疫を活性化するIL−12の産生を促進することがほとんど知られていなかったという事実を鑑みれば、ペディオコッカス属乳酸菌がpDCに対してIFN−α及びIL−12の産生を促進するということは驚くべきことである。
また、ペディオコッカス属乳酸菌が有するpDCによるIFN−α及びIL−12の産生促進作用の程度は、特許文献1に記載のラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・ラクティスに比べると、非常に大きかった。このように、pDCに対してIFN−γの産生促進作用を有することがある程度は認められている菌株よりも、ペディオコッカス属乳酸菌が有するpDCによるIFN−α及びIL−12の産生促進作用が大きいということは、非常に驚くべきことである。
さらに、ペディオコッカス属乳酸菌の中でも、ペディオコッカス・アシディラクティシが有するpDCによるIFN−α及びIL−12の産生促進作用の程度は、マクロファージに対しては遜色の無いIL−12の産生促進作用を有することが認められているペディオコッカス・ペントサセウスよりも大きい。
これらの知見を基に、本発明者らは、ペディオコッカス属乳酸菌の菌体、菌体成分及び培養物並びにこれらの処理物などを有効成分として含有し、かつ、プラズマサイトイド樹状細胞による自然免疫及び獲得免疫を活性化する作用を有する、免疫賦活用組成物を創作することに成功した。本発明はこれらの知見及び成功例に基づいて完成するに至った発明である。
したがって、本発明の一態様によれば、以下の[1]〜[9]に示す態様の組成物が提供される。
[1]ペディオコッカス属乳酸菌の菌体、菌体成分及び培養物並びにこれらの処理物からなる群から選ばれる少なくとも1種の有効成分を含有し、かつ、プラズマサイトイド樹状細胞による自然免疫及び獲得免疫を活性化する作用を有する、免疫賦活用組成物。
[2]前記組成物は、ウイルス感染に対する免疫賦活用組成物である、[1]に記載の組成物。
[3]ペディオコッカス属乳酸菌の菌体、菌体成分及び培養物並びにこれらの処理物からなる群から選ばれる少なくとも1種の有効成分を含有し、かつ、プラズマサイトイド樹状細胞によるインターフェロン−α及びインターロイキン−12の産生促進作用を有する、サイトカイン産生促進用組成物。
[4]前記組成物は、前記有効成分と同量のラクトコッカス・ラクティス(Lactococcus lactis) JCM5805株を用いる場合よりも高い、プラズマサイトイド樹状細胞によるインターフェロン−α及びインターロイキン−12の産生促進作用を有する、[3]に記載の組成物。
[5]前記ペディオコッカス属乳酸菌は、ペディオコッカス・アシディラクティシ(Pediococcus acidilactici)及びペディオコッカス・ペントサセウス(P.pentosaceus)からなる群から選ばれるペディオコッカス属乳酸菌である、[1]〜[4]のいずれか1項に記載の組成物。
[6]前記ペディオコッカス属乳酸菌は、ペディオコッカス・アシディラクティシである、[1]〜[4]のいずれか1項に記載の組成物。
[7]前記組成物は、前記有効成分と同量のペディオコッカス・ペントサセウス NRIC99株を用いる場合よりも高い、プラズマサイトイド樹状細胞によるインターフェロン−α及びインターロイキン−12の産生促進作用を有する、[6]に記載の組成物。
[8]前記組成物が、腸溶の組成物である、[1]〜[7]のいずれか1項に記載の組成物。
[9][1]〜[8]のいずれか1項に記載の組成物を含有する飲食品用組成物。
本発明の一態様の組成物は、pDCによる自然免疫及び獲得免疫を活性化するサイトカインの産生促進作用を有し、さらに該作用に関連して、抗菌効果、抗ウイルス効果、免疫賦活効果、抗アレルギー効果、抗感染症効果、抗B型肝炎効果、抗C型肝炎効果、抗増殖活性効果、抗腫瘍効果、抗癌効果などを奏することが期待できる。
本発明の一態様の組成物で用いられる有効成分は飲食品の添加物などの使用実績のあるものである。したがって、本発明の一態様の組成物は、安全性が高いものであり、抗菌効果、抗ウイルス効果、免疫賦活効果、抗アレルギー効果、抗感染症効果、抗B型肝炎効果、抗C型肝炎効果、抗増殖活性効果、抗腫瘍効果、抗癌効果などとして有用であり、経口的又は非経口的な形態で提供することが期待できるものである。
図1Aは、実施例に記載されているとおりの、ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・ラクティス JM5805株(「JCM5805」)、ペディオコッカス・ペントサセウス NRIC99株及びNRIC122株(「NRIC99」及び「NRIC122」)並びにペディオコッカス・アシディラクティシ JCM8797株及びK15株(「JCM8797」及び「K15」)による、被験者Aから採取したpDCのインターロイキン−12(「IL−12」)産生促進試験の結果を示す図である。なお、ネガティブ・コントロール(「NC」)としては培地(「Med」)を用いている。 図1Bは、被験者Bから採取したpDCを用いた以外は、図1Aと同様のIL−12産生促進試験の結果を示す図である。 図1Cは、被験者Cから採取したpDCを用いた以外は、図1Aと同様のIL−12産生促進試験の結果を示す図である。 図1Dは、被験者Dから採取したpDCを用いた以外は、図1Aと同様のIL−12産生促進試験の結果を示す図である。 図2Aは、実施例に記載されているとおりの、ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・ラクティス JM5805株(「JCM5805」)、ペディオコッカス・ペントサセウス NRIC99株及びNRIC122株(「NRIC99」及び「NRIC122」)並びにペディオコッカス・アシディラクティシ JCM8797株及びK15株(「JCM8797」及び「K15」)による、被験者Aから採取したpDCのインターフェロン−α(「IFN−α」)産生促進試験の結果を示す図である。なお、ネガティブ・コントロール(「NC」)としては培地(「Med」)を用いている。 図2Bは、被験者Bから採取したpDCを用いた以外は、図2Aと同様のIFN−α産生促進試験の結果を示す図である。 図2Cは、被験者Cから採取したpDCを用いた以外は、図2Aと同様のIFN−α産生促進試験の結果を示す図である。 図2Dは、被験者Dから採取したpDCを用いた以外は、図2Aと同様のIFN−α産生促進試験の結果を示す図である。 図3Aは、実施例に記載されているとおりの、ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・ラクティス JM5805株(「JCM5805」)、ペディオコッカス・ペントサセウス NRIC99株及びNRIC122株(「NRIC99」及び「NRIC122」)並びにペディオコッカス・アシディラクティシ JCM8797株及びK15株(「JCM8797」及び「K15」)による、被験者Aから採取したpDCの共刺激分子マーカーCD86の解析結果を示す図である。なお、ネガティブ・コントロール(「NC」)としては培地(「Med」)を用いている。 図3Bは、解析した共刺激分子マーカーがCD80である以外は、図3Aと同様の共刺激分子マーカーの解析結果を示す図である。 図4Aは、実施例に記載されているとおりの、被験者にペディオコッカス・アシディラクティシ K15株(「K15」)及びデキストリン(「プラセボ」)を投与した場合のインフルエンザウイルスの罹患率の解析結果を示す図である。 図4Bは、実施例に記載されているとおりの、被験者にペディオコッカス・アシディラクティシ K15株(「K15」)及びデキストリン(「プラセボ」)を投与した場合の発熱日数の解析結果を示す図である。 図4Cは、実施例に記載されているとおりの、他の乳酸菌を20日以内に摂取した被験者にペディオコッカス・アシディラクティシ K15株(「K15」)及びデキストリン(「プラセボ」)を投与した場合の発熱日数の解析結果を示す図である。
以下、本発明の一態様である組成物の詳細について説明するが、本発明の技術的範囲は本項目の事項によってのみに限定されるものではなく、本発明はその目的を達成する限りにおいて種々の態様をとり得る。
本発明の一態様の組成物は、ペディオコッカス属乳酸菌の菌体、菌体成分及び培養物並びにこれらの処理物からなる群から選ばれる少なくとも1種の有効成分(以下、単に「有効成分」とよぶ場合がある。)を少なくとも含有する。
本発明の一態様の組成物は、含有する有効成分によって、プラズマサイトイド樹状細胞による自然免疫及び獲得免疫を活性化する作用、プラズマサイトイド樹状細胞によるインターフェロン−α及びインターロイキン−12の産生促進作用及びこれらの両方の作用を有し得る。本明細書では、これらの作用を総じて、「有効作用」とよぶ場合がある。本発明の一態様の組成物は、有効作用を有することにより、代表的には免疫賦活用組成物及びサイトカイン産生促進用組成物の態様をとり得る。
本明細書における各用語は、別段の定めがない限り、当業者により通常用いられている意味で使用され、不当に限定的な意味を有するものとして解釈されるべきではない。
例えば、「組成物」は、通常用いられている意味のものとして特に限定されないが、例えば、2種以上の物質が組み合わさってなる物であり、具体的には、有効成分と別の物質とが組み合わさってなるもの、有効成分の2種以上が組み合わさってなるものなどが挙げられ、より具体的には、有効成分の1種以上と固形担体又は溶媒の1種以上とが組み合わさってなる固形組成物及び液性組成物などが挙げられる。
本明細書における「プラズマサイトイド樹状細胞による自然免疫及び獲得免疫を活性化する作用」とは、例えば、プラズマサイトイド樹状細胞が関与する自然免疫及び獲得免疫がより向上する作用を意味する。プラズマサイトイド樹状細胞による自然免疫及び獲得免疫を活性化する作用の評価方法は特に限定されず、例えば、後述する実施例に記載があるように、プラズマサイトイド樹状細胞における共刺激分子CD80/CD86の発現量を測定することなどにより評価することができる。また、インフルエンザウイルスの罹患率により自然免疫の活性化作用を評価してもよく、さらに発熱した後、平熱に戻るまでの発熱日数により獲得免疫の活性化作用を評価してもよい。
本発明の一態様の組成物は、プラズマサイトイド樹状細胞による自然免疫及び獲得免疫を活性化する作用を有することにより、免疫賦活用組成物の態様をとり得る。免疫賦活用組成物としての好ましい態様は、プラズマサイトイド樹状細胞による自然免疫及び獲得免疫を活性化する作用を通じて、ウイルスの減弱又は感染したウイルスの除染をもたらす、ウイルス感染に対する免疫賦活用組成物である。
プラズマサイトイド樹状細胞による自然免疫及び獲得免疫を活性化する作用は、プラズマサイトイド樹状細胞による自然免疫及び獲得免疫に関連するサイトカインの産生が向上する作用を包含する。したがって、本発明の別の一態様の組成物は、サイトカイン産生促進用組成物である。
プラズマサイトイド樹状細胞が産生する自然免疫に関連するサイトカインとしては、例えば、インターフェロン(IFN)−αなどが挙げられる。プラズマサイトイド樹状細胞が産生する獲得免疫に関連するサイトカインとしては、例えば、インターロイキン(IL)−12などが挙げられる。
IFN−αは、I型インターフェロンの一種であり、ウイルスの増殖や複製を抑制する抗ウイルス作用を有する。また、IFN−αは、ウイルスに感染した細胞の増殖抑制作用、マクロファージ、ナチュラルキラー細胞(NK細胞)などの自然免疫に関わる細胞の活性化作用、抗腫傷作用、ウイルス以外の細胞内寄生生物の発育抑制作用などを有する。IFN−αはウイルス性肝炎の治療薬として臨床応用されている。
IL−12は、35kDaのサブユニット(IL−12Ap35)及び40kDaのサブユニット(IL−12Bp40)によって構成される70〜75kDaのヘテロ二量体であり、ナイーブT細胞をTh1細胞へ分化誘導する作用を有する。また、IL−12は、ナチュラルキラー細胞及びTリンパ球によるINF−γの産生を誘導する作用を有し、さらにT細胞の増殖及び機能を刺激するT細胞刺激因子として知られている。また、IL−12は、抗血管新生活性を示し、新しい血管の形成を阻害する。IL−12は、種々の免疫関連疾患の病因において重要な役割を果たすといわれている。
プラズマサイトイド樹状細胞(pDC)は、末梢血中に存在して形質細胞に似た形質を示し、外来異物を取り込むなどして刺激を受けると樹状細胞様に分化する細胞である。有効成分は、pDCに作用して、有効作用をもたらす。
本明細書におけるサイトカインの「産生促進作用」とは、例えば、サイトカイン遺伝子の発現量を促進すること、サイトカインタンパク質の翻訳量を増大すること及びサイトカインを産生するようにpDCを活性化することのうち少なくともいずれか1つの作用をいう。
本発明の一態様の組成物がpDCによるIFN−αの産生促進作用を有する場合は、本発明の一態様の組成物はpDCによる自然免疫を活性化する作用を有するともいえる。また、本発明の一態様の組成物がpDCによるIL−12の産生促進作用を有する場合は、本発明の一態様の組成物はpDCによる獲得免疫を活性化する作用を有するともいえる。
IL−12やIFN−αといったサイトカインの産生促進作用の評価方法は特に限定されず、例えば、後述する実施例に記載があるように、pDCが発現するサイトカイン遺伝子の発現量やサイトカインタンパク質の量を測定することなどにより評価することができる。
サイトカインの産生促進作用の評価方法の一具体例は、pDCと本発明の一態様の組成物とを共培養し、次いで培養後に回収した培養上清を試料溶液として、市販のサイトカイン測定キットを用いてサイトカイン濃度を測定することを含む方法などが挙げられるが、これに限定されない。共培養の条件は特に限定されず、例えば、サイトカインが失活せず、かつ、pDCが死滅しないような条件を挙げることができ、pDCの維持又は増殖に適した培地、温度、CO濃度、pHなどを採用した培養条件であることが好ましい。
有効作用の程度は特に限定されないが、例えば、本発明の一態様の組成物を用いない場合と比べて、pDCによるサイトカインの産生量が多くなる程度であり;好ましくは、本発明の一態様の組成物を用いない場合と比べて、pDCによるIL−12及び/又はINF−αの産生量が多くなる程度であり;より好ましくは、有効成分と同量のラクトコッカス・ラクティス(Lactococcus lactis) JCM5805株を用いる場合と比べて、pDCによるIFN−α及び/又はIL−12の産生量が多くなる程度である。ペディオコッカス属乳酸菌がペディオコッカス・アシディラクティシである場合は、有効作用の程度は、有効成分と同量のペディオコッカス・ペントサセウス NRIC99株を用いる場合と比べて、pDCによるIFN−α及び/又はIL−12の産生量が多くなる程度である。
また、有効作用の程度は、例えば、200μl中に1×10個のペディオコッカス属乳酸菌と2.5×10個のpDCとを共培養して24時間後に回収した上清中のIL−12の濃度が15pg/ml以上になる程度が好ましく、20pg/ml以上になる程度がより好ましい。また、上限は特に限定されないが、典型的には1,000pg/ml以下である。
本発明の一態様の組成物は、有効作用を有することにより、抗菌効果、抗ウイルス効果、免疫賦活効果、抗アレルギー効果、抗感染症効果、抗B型肝炎効果、抗C型肝炎効果、抗増殖活性効果、抗腫瘍効果、抗癌効果などを奏することが期待されるものであることから、抗菌用組成物、抗ウイルス用組成物、免疫賦活用組成物、抗感染症用組成物、抗B型肝炎用組成物、抗C型肝炎用組成物、腸管免疫賦活用組成物、気道免疫賦活用組成物、抗腫瘍用組成物、抗癌用組成物といった態様をとり得る。
本発明の一態様の組成物が奏する、抗菌効果、抗ウイルス効果、抗アレルギー効果、抗感染症効果、抗B型肝炎効果、抗C型肝炎効果、抗増殖活性効果、抗腫瘍効果、抗癌効果といった抗疾患効果とは、例えば、抗ウイルス効果の場合は、本発明の一態様の組成物の摂取個体における現在又は将来のウイルス性疾患の症状を改善、緩和若しくは治療し、又はウイルス性疾患に罹患しているとされる状態になることを抑制、遅滞若しくは予防することをいう。
本発明の一態様の組成物が奏する免疫賦活効果とは、例えば、本発明の一態様の組成物の摂取個体における現在又は将来の免疫系を活性化して、種々の疾患や異常を正常な状態になるように維持又は促進することをいう。
本発明の一態様の組成物の有効成分は、ペディオコッカス属乳酸菌の菌体、菌体成分及び培養物並びにこれらの処理物のいずれか1種又は2種以上である。
ペディオコッカス属乳酸菌は、通常知られているとおりのグラム陽性の乳酸を生成する球菌であるペディオコッカス属に属する乳酸菌であれば特に限定されないが、例えば、食経験のあるペディオコッカス属乳酸菌などが挙げられる。
ペディオコッカス属乳酸菌の入手方法は特に限定されず、例えば、ペディオコッカス属乳酸菌は漬物、酒粕、乳製品、醤油諸味などの発酵食品といった乳酸菌含有物から単離株として分離してもよいし、American Type Culture Collection(ATCC)、東京農業大学(NRIC)、理化学研究所(JCM)、独立行政法人製品評価技術基盤機構バイオテクノロジーセンター(NBRC)、独立行政法人製品評価技術基盤機構特許生物寄託センター(NITE−IPOD)から分譲される菌株であってもよい。
ペディオコッカス属乳酸菌の具体例としては、ペディオコッカス・アシディラクティシ(Pediococcus acidilactici)、ペディオコッカス・ペントサセウス(Pediococcus pentosaceus)、ペディオコッカス・セリコーラ(Pediococcus cellicola)、ペディオコッカス・クラウッセニー(Pediococcus claussenii)、ペディオコッカス・ダムノサス(Pediococcus damnosus)、ペディオコッカス・エタノーリデュランス(Pediococcus ethanolidurans)、ペディオコッカス・イノピナタス(Pediococcus inopinatus)、ペディオコッカス・パルヴルス(Pediococcus parvulus)、ペディオコッカス・スティレッシー(Pediococcus stilesii)などが挙げられるが、これらに限定されない。ペディオコッカス属乳酸菌としては、これらのいずれか1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用し得る。
ペディオコッカス・アシディラクティシ及びペディオコッカス・ペントサセウスの具体的な非限定的な例としては、ペディオコッカス・アシディラクティシ K15株、ペディオコッカス・アシディラクティシ NRIC0124株、ペディオコッカス・アシディラクティシ JCM8797株、ペディオコッカス・ペントサセウス OS株(NITE P−354)、ペディオコッカス・ペントサセウス NRIC1915株、ペディオコッカス・ペントサセウス NRIC99株、ペディオコッカス・ペントサセウス NRIC122株、ペディオコッカス・ペントサセウス JCM2024株、ペディオコッカス・ペントサセウス ATCC33314株などが挙げられる。
ペディオコッカス属乳酸菌の中でも、有効作用が大きく、食経験が豊富であることから、ペディオコッカス・アシディラクティシ及びペディオコッカス・ペントサセウスが好ましく、有効作用がより大きいことからペディオコッカス・アシディラクティシがより好ましく、ペディオコッカス・アシディラクティシ K15株及びペディオコッカス・アシディラクティシ JCM8797株がさらに好ましい。
以下では、ペディオコッカス属乳酸菌として、ペディオコッカス・アシディラクティシを使用することを想定して、本発明の一態様の組成物の詳細について説明する。ただし、ペディオコッカス・アシディラクティシ以外のペディオコッカス属乳酸菌を用いる場合は、以下の「ペディオコッカス・アシディラクティシ」との記載を「ペディオコッカス・ペントサセウス」などの他のペディオコッカス属乳酸菌に読み替えればよい。
ペディオコッカス・アシディラクティシを分離する方法は特に限定されないが、例えば、常法に従って、乳酸菌含有物の抽出液を適宜希釈して、MRS培地やM17培地などの公知の乳酸菌培養用培地を用いて、30℃〜40℃程度で培養することを含む方法などが挙げられる。例えば、ペディオコッカス・アシディラクティシ K15株は、乳酸菌含有物として糠床から単離した乳酸菌株であり、その至適温度は40℃前後である。
本発明者らの調べたところによれば、ペディオコッカス・アシディラクティシは、ストレス条件下で培養することにより、二本鎖RNAを高濃度で含有することができる。二本鎖RNAの含有量が大きいペディオコッカス・アシディラクティシとしては、例えば、菌体1×1010cfuあたり1,500ng以上の二本鎖RNAを含有するペディオコッカス・アシディラクティシや菌体1×1010cfuあたり核酸の総量に対する二本鎖RNAの割合が3.5%以上であるペディオコッカス・アシディラクティシなどが挙げられる。また、上限は特に限定されないが、典型的にはそれぞれ200,000ng以下及び99%以下である。
ストレス条件とは、高塩濃度、高温、低温、貧栄養、富栄養、低pH、高pH、通気及びはこれらの組み合わせといった、乳酸菌を通常培養する条件から外れている条件であり、好ましくは乳酸菌の倍加時間が好適な条件で培養した場合の時間よりも長くなるような条件である。
具体的には、塩分によるストレス条件下での培養とは、例えば、塩分0.5〜30%(w/v)、好ましくは5〜15%(w/v)を含む培地を使用して培養することが挙げられる。塩分濃度が0.5%(w/v)以下又は30%(w/v)以上の培地では、ペディオコッカス・アシディラクティシの増殖が極端に遅くなることから好ましくない。
高温又は低温によるストレス条件下での培養とは、例えば、ペディオコッカス・アシディラクティシの増殖に適した至適温度±1℃〜30℃、好ましくは至適温度±5℃〜20℃で培養することが挙げられ、具体的にはペディオコッカス・アシディラクティシの至適温度が40℃であれば10℃〜39℃又は41℃〜60℃で培養することなどが挙げられる。
通気によるストレス条件下での培養とは、例えば、空気を供給して、撹拌などすることにより溶存酸素濃度を高めるような条件下で培養することなどが挙げられる。この際、空気に代えて酸素ガスを用いてもよく、溶存酸素濃度が高められるのであれば撹拌以外に振盪などの手段を採用してもよい。なお、撹拌数は、培養槽の大きさなどによって適宜設定し得る。
空気の供給量(通気量)は特に限定されないが、例えば、単位体積当たり0.01〜10VVM程度であり、好ましくは0.1〜1VVM程度である。通気量が0.01VVMより小さい場合は溶存酸素濃度が高められない可能性があり、通気量が10VVMより大きい場合は大量の気泡によって乳酸菌が物理的にダメージを受ける可能性があることから、これらの場合は好ましくない。
ペディオコッカス・アシディラクティシを培養するその他の条件としては、ペディオコッカス・アシディラクティシの増殖に適した条件を用いればよく、例えば、使用する培地としては、ペディオコッカス・アシディラクティシの培養に通常使用する培地を採用することができ、そのような培地としては、例えば、MRS培地及びM17培地などを挙げることができるが、これらに限定されない。また、培養時間はペディオコッカス・アシディラクティシの増殖が認められ、充分な菌体密度が得られる時間であれば特に限定されない。
ペディオコッカス・アシディラクティシは、ストレス条件下で培養することにより、ストレスがない条件下で培養する場合と比べて、例えば、二本鎖RNAなどの菌体成分をより多く産生し得る。
ペディオコッカス・アシディラクティシは、ストレス条件下で培養したペディオコッカス・アシディラクティシであっても、通常の条件下で培養したペディオコッカス・アシディラクティシであっても、いずれでもよい。ペディオコッカス・アシディラクティシは、例えば、ストレス条件下で培養したペディオコッカス・アシディラクティシの1種又は2種以上と、通常の条件下で培養したペディオコッカス・アシディラクティシの1種又は2種以上とを組み合わせたものであってもよい。
本発明の一態様の組成物における有効成分は、ペディオコッカス・アシディラクティシそれ自体、すなわち、ペディオコッカス・アシディラクティシの菌体に加えて、ペディオコッカス・アシディラクティシの菌体成分、ペディオコッカス・アシディラクティシの培養物、ペディオコッカス・アシディラクティシの菌体、菌体成分及び培養物のいずれかの処理物であり得る。
ペディオコッカス・アシディラクティシの菌体は、例えば、ペディオコッカス・アシディラクティシの培養物を遠心分離などの通常知られている固液分離手段を用いて培地を除去することにより得られる菌体などが挙げられる。
ペディオコッカス・アシディラクティシの菌体成分は、例えば、ペディオコッカス・アシディラクティシの菌体内に存在する、又は菌体外に分泌する精製又は非精製の成分が挙げられ、具体的には一本鎖RNA及び二本鎖RNA並びに一本鎖DNA及び二本鎖DNAなどが挙げられる。
ペディオコッカス・アシディラクティシの培養物は、例えば、ペディオコッカス・アシディラクティシを培養して得た培養液そのものが挙げられる。
ペディオコッカス・アシディラクティシの菌体、菌体成分及び培養物の処理物は、例えば、ペディオコッカス・アシディラクティシの菌体、菌体成分及び培養物を、殺滅菌処理、乾燥処理などの通常知られている乳酸菌の菌体、菌体成分及び培養物を処理する方法に供して得られる処理物などが挙げられる。
ペディオコッカス・アシディラクティシの培養物を殺菌し、培地を限外ろ過膜や遠心濃縮機などの通常知られている固液分離手段によって培地を除去して菌体を回収し、次いで得られた菌体を水や食塩水などで洗浄することにより、ペディオコッカス・アシディラクティシの菌体を得ることができる。このようにして得られた菌体をそのままで、又はデキストリンなどの糖といった食品素材と混ぜたものを、乾燥処理に供して得られる乾燥粉末などを、有効成分として使用可能である。乾燥処理の方法は特に限定されず、例えば、自然乾燥、風乾、噴霧乾燥、凍結乾燥などが挙げられる。本発明の一態様の組成物が含有する有効成分は、保存性や製造上の取り扱いの容易さから、ペディオコッカス・アシディラクティシの乾燥粉末であることが好ましい。
有効成分は、ペディオコッカス・アシディラクティシの菌体、菌体成分及び培養物並びにこれらの処理物であれば特に限定されないが、例えば、核酸を含有する菌体、菌体成分及び培養物並びにこれらの処理物が好ましく、RNAを含有する菌体、菌体成分及び培養物並びにこれらの処理物であることがより好ましく、二本鎖RNAを含有する菌体、菌体成分及び培養物並びにこれらの処理物であることがより好ましい。
ペディオコッカス・アシディラクティシの菌体、菌体成分及び培養物並びにこれらの処理物は、それらのいずれか1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができるが、例えば、ペディオコッカス・アシディラクティシの菌体、菌体成分及び培養物並びにこれらの処理物からRNA、好ましくは二本鎖RNAを単離して使用してもよい。ペディオコッカス・アシディラクティシの菌体、菌体成分及び培養物並びにこれらの処理物からRNAを単離する方法は特に限定されないが、例えば、ペディオコッカス・アシディラクティシの菌体から二本鎖RNAを単離する方法としては、特許文献3に記載の方法などが挙げられる。
二本鎖RNAを含有するペディオコッカス・アシディラクティシの菌体、菌体成分及び培養物並びにこれらの処理物を入手する方法は特に限定されないが、例えば、ペディオコッカス・アシディラクティシを通常のMRS培地に植菌し、35℃〜45℃で24時間〜72時間培養することにより、二本鎖RNAを含有するペディオコッカス・アシディラクティシの菌体、菌体成分及び培養物並びにこれらの処理物を入手する方法などが挙げられる。
ペディオコッカス・アシディラクティシの菌体、菌体成分及び培養物並びにこれらの処理物から二本鎖RNAを単離する方法の具体例としては、例えば、以下の方法が挙げられる。すなわち、二本鎖RNAを含有するペディオコッカス・アシディラクティシの菌体、菌体成分及び培養物を90〜100℃で5〜20分間の加熱殺菌処理に供して加熱殺菌処理液を得る。次いで加熱殺菌処理液を遠心分離等の固液分離手段に供して固形分を回収する。次いで固形分を洗浄して緩衝液に懸濁して懸濁液を得る。次いで懸濁液にリゾチームを添加して35〜40℃で加温してリゾチーム処理液を得る。次いでリゾチーム処理液にSDS及びProteinase Kを添加して35〜40℃で加温してプロテナーゼ処理液を得る。次いでプロテナーゼ処理液をフェノール/クロロホルム/イソアミルアルコール処理に供し、遠心分離等の固液分離手段により上清として粗核酸抽出液を得る。粗核酸抽出液には、DNA、一本鎖RNA、二本鎖RNAなどを含有する核酸混合物である。次いで、粗核酸抽出液を、セルロースカラムクロマトグラフィーに供することによって、精製された二本鎖RNAを得ることができる。セルロースカラムクロマトグラフィー及びその後の高度な精製手段は、特許文献3の記載に準じて実施することができる。
一般的なペディオコッカス・アシディラクティシは、長期にわたりヒトに摂取されてきた実績があり安全性が高いことから、本発明の一態様の組成物は、実用性が高く、そのままで、又は加工することにより、種々の用途に適用可能である。
本発明の一態様の組成物は、その摂取方法について特に限定されず、例えば、経口的又は非経口的に適用され得る。非経口的な適用としては、皮内、皮下、静脈内、筋肉内投与などによる注射及び注入;経皮;鼻、咽頭などの粘膜からの吸入などが挙げられるが、これらに限定されない。
本発明の一態様の組成物の摂取個体は特に限定されず、例えば、動物、中でも哺乳類が挙げられ、哺乳類としてはヒト、イヌ、ネコ、ウシ、ウマ、ブタ、ヒツジなどが挙げられ、これらの中でもヒトであることが好ましい。摂取個体は、健常な個体であってもよいが、抗疾患効果や免疫賦活効果が望まれる個体であることが好ましい。
本発明の一態様の組成物は、用途に応じて、例えば、有効成分と他の成分とを組み合わせて含有し得る。すなわち、本発明の一態様の組成物は、ペディオコッカス・アシディラクティシの菌体、菌体成分及び培養物並びにこれらの処理物に加えて、本発明の目的を達成し得る限り、他の成分として種々のものを配合できる。
他の成分としては、例えば、糖質甘味料、安定化剤、乳化剤、澱粉、澱粉加工物、澱粉分解物、食塩、着香料、着色料、酸味料、風味原料、栄養素、果汁、卵などの動植物性食材、賦形剤、増量剤、結合剤、増粘剤、香油、保存剤、緩衝剤などの通常の食品加工や医薬品加工に使用される添加物などを挙げることができる。他の成分の使用量は、本発明の課題の解決を妨げない限り特に限定されず、適宜設定され得る。
本発明の一態様の組成物は、通常用いられる形態であれば特に限定されず、例えば、固形状、液状、ゲル状、懸濁液状、クリーム状、シート状、スティック状、粉状、粒状、顆粒状、錠状、棒状、板状、ブロック状、ペースト状、カプセル状、カプレット状などの各形態を採り得る。
本発明の一態様の組成物は、例えば、経口用組成物である場合に、ペディオコッカス・アシディラクティシの菌体、菌体成分及び培養物並びにこれらの処理物を、食道及び胃を経由して小腸へ送達し得るものとして、腸溶性組成物とすることが好ましい。腸溶性組成物は、胃酸では溶けずに小腸において溶解する形態の組成物であれば特に限定されず、例えば、耐酸性マイクロカプセルやリポソームの形態の組成物などが挙げられる。
有効成分の含有量は、いずれかの有効作用が認められる量であれば特に限定されないが、経口用組成物としては、例えば、組成物全体に対して、0.0001質量%〜99質量%、好ましくは0.001質量%〜90質量%であり、非経口用組成物としては、例えば、0.00001質量%〜99質量%、好ましくは0.0001質量%〜90質量%である。
本発明の一態様の組成物の摂取量は特に限定されず、摂取個体の年齢、体格、症状などの摂取個体の特性;摂取方法;適用部位などに合わせて適宜設定することができる。本発明の一態様の組成物の摂取量は、例えば、ペディオコッカス・アシディラクティシの菌体を有効成分とする組成物の摂取量は1〜1,000mg/体重60kg/日である。摂取回数は特に限定されないが、例えば、1日1〜3回であり、摂取量に応じて適宜回数を増減することができる。
本発明の一態様の組成物は、該組成物を単独で、又は該組成物を配合する飲食品用組成物や医薬品用組成物などの形態をとり得る。したがって、本発明の具体的な一態様は、有効成分を含有する、又は本発明の一態様の組成物を含有する、飲食品用組成物、医薬品用組成物、医薬部外品用組成物、化粧品用組成物、動物飼料用組成物などである。
本発明の一態様の組成物が飲食品用組成物である場合は、摂取後に少なくとも有効作用が発揮し得る限り、あらゆる飲食品の形態をとり得るが、例えば、果汁飲料、野菜ジュース、果物野菜ジュース、茶飲料、コーヒー飲料、スポーツドリンク、清涼飲料、健康飲料などの飲料;ヨーグルトやチーズなどの乳製品;スープ、麺、プリン、ジャムなどの加工飲食品;チューインガム、キャンディ、錠菓、グミゼリー、チョコレート、ビスケット、スナックなどの菓子;アイスクリーム、シャーベット、氷菓などの冷菓;醤油や味噌などの調味料などが挙げられる。
飲食品用組成物の具体的な一態様は、例えば、生体に対して一定の機能性を有する飲食品である機能性飲食品である。機能性飲食品は、例えば、特定保健用飲食品、機能性表示飲食品、栄養機能飲食品、保健機能飲食品、特別用途飲食品、栄養補助飲食品、健康補助飲食品、サプリメント、美容飲食品などのいわゆる健康飲食品に加えて、乳児用飲食品、妊産婦用飲食品、高齢者用飲食品などの特定者用飲食品を包含する。さらに機能性飲食品は、コーデックス(FAO/WHO合同食品規格委員会)の食品規格に基づく健康強調表示(Health claim)が適用される健康飲食品を包含する。
飲食品用組成物の包装形態は特に限定されず、適用される形態などに応じて適宜選択できるが、例えば、コーティング紙、PETやPTPなどのプラスチック、アルミなどの金属、ガラスなどを素材とするパック、瓶、缶、パウチなどが挙げられる。
本発明の一態様の組成物が医薬品用組成物である場合は、適用後に少なくとも有効作用が発揮し、それに伴い抗疾患効果が現われる限り、あらゆる医薬品の形態をとり得る。
医薬品用組成物の剤型は特に限定されないが、例えば、注射剤(筋肉、皮下、皮内)、経口製剤、点鼻製剤などが例示される。例えば、医薬品用組成物は、抗ウイルス効果を発揮するためのワクチンとして調製することができる。医薬品用組成物がワクチンの形態である場合、複数種類の有効成分を含む混合カクテルワクチンであってもよい。
本発明の一態様の組成物の製造方法は特に限定されず、例えば、ペディオコッカス・アシディラクティシの菌体、菌体成分及び培養物並びにこれらの処理物と、任意に他の成分とを混合して、所望の剤形に成形する方法などが挙げられる。
本発明の一態様の組成物の製造方法の具体的態様としては、例えば、MRS培地にペディオコッカス・アシディラクティシを植菌し、ペディオコッカス・アシディラクティシの至適温度±5〜20℃で12〜72時間培養することにより培養物を得て、次いで得られた培養物から培地を限外ろ過膜や遠心濃縮機などの通常知られている固液分離手段によって培地を除去して菌体を回収し、次いで得られた菌体を水や食塩水などで洗浄することにより、ペディオコッカス・アシディラクティシの菌体を得ることを含む方法などが挙げられる。このようにして得られた菌体、該菌体を水や食塩水などに懸濁した菌体懸濁液、該菌体を乾燥処理に供して得られる乾燥粉末などは、本発明の一態様の組成物の有効成分として使用可能である。乾燥処理の方法は特に限定されず、例えば、自然乾燥、風乾、噴霧乾燥、凍結乾燥などが挙げられる。
本発明の一態様の組成物の製造方法では、本発明の目的を達成し得る限り、上記した工程の前段若しくは後段又は工程中に、種々の工程や操作を加入することができる。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではなく、本発明の課題を解決し得る限り、本発明は種々の態様をとることができる。
[例1.乳酸菌のインターロイキン−12産生促進試験]
ペディオコッカス属乳酸菌が有するインターロイキン−12(IL−12)産生促進作用を以下のとおりに評価した。
1−1.乳酸菌懸濁液の調製
乳酸菌としては、ペディオコッカス・アシディラクティシ(Pediococcus acidilactici) K15株及びJCM8797株;ペディオコッカス・ペントサセウス(P.pentosaceus) NRIC99株及びNRIC122株;及びラクトコッカス・ラクティス(Lactococcus lactis)JCM5805株を用いた。
なお、「NRIC」の菌株は東京農業大学、「JCM」の菌株は理化学研究所から分譲された菌株であることを示す。また、K15株は、乳酸菌含有物として糠床から単離した。
各乳酸菌株は、MRS培地に1×10個/mlとなるように接種して乳酸菌原液を調製した。この乳酸菌原液を、26℃〜30℃で24時間静置培養した後、95℃で10分間の煮沸殺菌処理を行うことにより、培養殺菌処理液を調製した。培養殺菌処理液を遠心分離して得た菌体を、生理食塩水にて洗浄した後、生理食塩水に1×10個/mlとなるように懸濁し、乳酸菌懸濁液を調製した。
1−2.プラズマサイトイド樹状細胞(plasmacytoid DC;pDC)の分離
非ウイルス感染健常者である被験者A〜Dの4名の各末梢血50mlより、リンパ球分離液(ナカライテスク社)を用いて低密度勾配遠心法により末梢血単核細胞を分離した。その後、末梢血単核細胞からCD14マイクロビーズ(ミルテニーバイオテク社)及びMACS(ミルテニーバイオテク社)を用いて、CD14陽性細胞を取り除いた。CD14陽性細胞を取り除いた後に、FITC標識CD304抗体(ミルテニーバイオテク社)で標識後、FITCマイクロビーズ(ミルテニーバイオテク社)と反応させ、MACSによりCD304陽性細胞を分離し、この細胞(CD14陰性CD304陽性)をpDCとして用いた。
1−3.乳酸菌とpDCとの共培養
細胞培養液として10%FBS(Hyclone社)、25mM D−グルコース、25mM HEPES及び1μM ピルビン酸ナトリウムを含有するIMDM培地(GIBCO社)を用いた。96ウェルRound−bottomプレート(BD Falcon社)を用いて、1×10個の各乳酸菌株と2.5又は5×10個のpDCとを共培養し、24時間後に細胞及び上清を回収した。
1−4.IL−12産生促進活性の測定
回収した培養上清を用いて、IL−12の濃度をHuman IL−12p70 ELISA Set(eBioscience社)を用いて測定した。
1−5.評価
被験者A〜Dから採取したpDCのIL−12産生促進活性の測定結果をそれぞれ図1A〜図1Dに示す。
図1Aが示すとおり、ペディオコッカス・アシディラクティシ及びペディオコッカス・ペントサセウスは、ラクトコッカス・ラクティスに比べて、pDCに対するIL−12の高い産生誘導能を有していた。また、ペディオコッカス・アシディラクティシは、pDCに対する顕著に優れたIL−12の産生誘導能を有していた。
図1B〜図1Dが示すとおり、ペディオコッカス・アシディラクティシが有するpDCに対する顕著に優れたIL−12の産生誘導能は、いずれの被験者に由来するpDCを用いても確認された。
以上の結果より、ペディオコッカス属乳酸菌はpDCに対するIL−12の産生誘導能を有し、なかでもペディオコッカス・アシディラクティシは顕著に優れたpDCに対するIL−12の産生誘導能を有していた。
[例2.乳酸菌のインターフェロン−α産生促進試験]
ペディオコッカス属乳酸菌が有するインターフェロン−α(IFN−α)産生促進作用を以下のとおりに評価した。
2−1.IFN−α産生促進活性の測定
例1の乳酸菌とpDCとの共培養後に回収した培養上清を用いて、IFN−αの濃度をHuman IFN−a Matched Antibody Pairs(eBioscience社)を用いて測定した。
2−2.評価
被験者A〜Dから採取したpDCのIFN−α産生促進活性の測定結果をそれぞれ図2A〜図2Dに示す。
図2Aが示すとおり、ペディオコッカス・アシディラクティシ及びペディオコッカス・ペントサセウスは、ラクトコッカス・ラクティスに比べて、pDCに対するIFN−αの高い産生誘導能を有していた。また、ペディオコッカス・アシディラクティシは、pDCに対する顕著に優れたIFN−αの産生誘導能を有していた。
図2B〜図2Dが示すとおり、ペディオコッカス・アシディラクティシが有する顕著に優れたpDCに対するIFN−αの産生誘導能は、いずれの被験者に由来するpDCを用いても確認された。
以上の結果より、ペディオコッカス属乳酸菌はpDCに対するIFN−αの産生誘導能を有し、なかでもペディオコッカス・アシディラクティシは顕著に優れたpDCに対するIFN−αの産生誘導能を有していた。
[例3.pDCの共刺激分子マーカーの解析]
3−1.pDCの共刺激分子マーカーの測定
例1の乳酸菌とpDCとの共培養後に回収した被験者A由来のpDCを用いて、7AAD(BD Pharmingen社)、BV605標識CD80(Biolegend社)及びAPC標識CD86(Biolegend社)を用いて、pDCによるCD80及びCD86の発現についてFACSAria IIを用いて調べた。
3−2.評価
図3A及び図3Bが示すとおり、ペディオコッカス・アシディラクティシを供した場合は、pDCにおける共刺激分子CD80/CD86の発現が高くなることが確認された。これにより、ペディオコッカス・アシディラクティシは、pDCの抗原提示を通じて、及び/又はpDCの共刺激分子からの相互刺激によって、pDCが産生するIL−12やIFN−αといったサイトカインのさらなる産生を促進する可能性があることが示された。
以上の結果から、ペディオコッカス属乳酸菌はpDCに対するIL−12及びIFN−αの産生誘導能を有することから、ペディオコッカス属乳酸菌の菌体、菌体成分及び培養物並びにこれらの処理物を有効成分として含有する組成物は、pDCによる自然免疫及び獲得免疫を活性化する作用を有するものであることが確認された。
また、ペディオコッカス・アシディラクティシは、顕著に優れたpDCに対するIL−12及びIFN−αの産生誘導能を有しており、さらにpDCにおける共刺激分子CD80/CD86の発現を高め得ることから、ペディオコッカス・アシディラクティシの菌体、菌体成分及び培養物並びにこれらの処理物を有効成分として含有する組成物は、顕著に優れたpDCによる自然免疫及び獲得免疫を活性化する作用を有するものであることが確認された。
[例4.インフルエンザ罹患率及び発熱日数の評価]
4−1.被験者の選択基準
幼稚園に通う3〜6歳の健康な幼児を被験者とした。ただし、過去に乳酸菌製剤若しくは大豆製品に対してアレルギーの既往がある者、先天性心疾患若しくは重症の気道疾患を有している者又は早産(在胎37週未満で出生)若しくは低出生体重児(2500g未満で出生)の幼児は除外した。
4−2.試験方法
被験者のうち、乾燥K15株 9.1mgを賦形剤であるデキストリンと混合して得られた被験試料 1gを4ヵ月間(16週間)経口投与により摂取した群をK15群(87名)とした。また、デキストリン 1gを同様に経口投与により摂取した群をプラセボ群(85名)とした。
4−3.評価
被験者は、健康観察日誌に、毎日2回(朝・夕)及び発熱時(37.5℃以上を発熱と定義した)の体温(腋窩温)を記録し、さらに感冒症状の有無、被験試料の摂取、乳酸菌を含む食品の摂取、副作用、医師への受診、インフルエンザワクチン接種日、インフルエンザ抗原検査の結果、抗インフルエンザ薬の投与日数などを記録した。その結果、K15群及びプラセボ群の間には被験者背景に偏りがなく、均等に割付が実施されていたことがわかった。
4−4.結果
K15群及びプラセボ群のインフルエンザウイルスの罹患率(=インフルエンザウイルスに罹患した被験者の数/被験者の数)の結果を図4Aに示す。図4Aに示すとおり、K15群は、プラセボ群に比べて、インフルエンザ罹患率が低かった。
K15群及びプラセボ群における発熱日数(発熱から平熱に戻るまで日数)の結果を図4Bに示す。図4Bに示すとおり、K15群は、プラセボ群に比べて、発熱日数が短かった。
また、K15群及びプラセボ群のうち、他の乳酸菌を20日以内に摂取した被験者について解析した。結果を図4Cに示す。図4Cが示すとおり、K15群(36名)は、プラセボ群(41名)と比較して、有意に発熱日数が減少した。この結果から、他の乳酸菌を摂取したとしても、K15株を摂取することにより有意に発熱日数が短縮することがわかった。
以上の結果より、ペディオコッカス属乳酸菌を含有する組成物は、摂取個体に対して、インフルエンザの罹患率を低減し、発熱日数を短縮するという抗ウイルス活性を有することがわかった。
本発明の一態様の組成物は、経口的及び非経口的のいずれの態様においても適用可能な有効成分を含むものであり、プラズマサイトイド樹状細胞による自然免疫及び獲得免疫を活性化する作用やプラズマサイトイド樹状細胞によるインターフェロン−α及びインターロイキン−12の産生促進作用を通じて、抗菌活性、抗ウイルス活性、免疫賦活活性、抗アレルギー活性、抗感染症活性、抗B型肝炎活性、抗C型肝炎活性、抗増殖活性、抗腫瘍活性、抗癌活性を期待する摂取個体にとって有用なものであり、このような摂取個体の健康及び福祉に資する飲食品、医薬品、医薬部外品、化粧品などとして利用可能なものである。

Claims (9)

  1. ペディオコッカス属乳酸菌の菌体、菌体成分及び培養物並びにこれらの処理物からなる群から選ばれる少なくとも1種の有効成分を含有し、かつ、プラズマサイトイド樹状細胞による自然免疫及び獲得免疫を活性化する作用を有する、免疫賦活用組成物。
  2. 前記組成物は、ウイルス感染に対する免疫賦活用組成物である、請求項1に記載の組成物。
  3. ペディオコッカス属乳酸菌の菌体、菌体成分及び培養物並びにこれらの処理物からなる群から選ばれる少なくとも1種の有効成分を含有し、かつ、プラズマサイトイド樹状細胞によるインターフェロン−α及びインターロイキン−12の産生促進作用を有する、サイトカイン産生促進用組成物。
  4. 前記組成物は、前記有効成分と同量のラクトコッカス・ラクティス(Lactococcus lactis) JCM5805株を用いる場合よりも高い、プラズマサイトイド樹状細胞によるインターフェロン−α及びインターロイキン−12の産生促進作用を有する、請求項3に記載の組成物。
  5. 前記ペディオコッカス属乳酸菌は、ペディオコッカス・アシディラクティシ(Pediococcus acidilactici)及びペディオコッカス・ペントサセウス(P.pentosaceus)からなる群から選ばれるペディオコッカス属乳酸菌である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の組成物。
  6. 前記ペディオコッカス属乳酸菌は、ペディオコッカス・アシディラクティシである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の組成物。
  7. 前記組成物は、前記有効成分と同量のペディオコッカス・ペントサセウス NRIC99株を用いる場合よりも高い、プラズマサイトイド樹状細胞によるインターフェロン−α及びインターロイキン−12の産生促進作用を有する、請求項6に記載の組成物。
  8. 前記組成物が、腸溶の組成物である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の組成物。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の組成物を含有する飲食品用組成物。
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