次に、図1〜図20を参照して、本発明の実施形態である会計仕訳起票システムについて説明する。本実施形態の会計仕訳起票システム1は、金融機関等の情報提供機関からデータを取得し、或いはOCRにより読み込んだ証憑のデータを取得し、ユーザ(操作者)による仕訳処理の負担軽減を行うシステムであり、コンピュータを当該システムとして機能させる会計仕訳起票プログラムを含む。
本実施形態の会計仕訳起票システム1は、図1に示すように、サーバ管理会社等が運営するサーバ2にその主要部がコンピュータプログラム(ソフトウエア)として記憶され、実行されるシステムである。サーバ2はインターネット等のネットワーク3を介して、銀行の運営する銀行データベース4、信販会社が運営するクレジットデータベース5、ユーザが使用するユーザ端末6,6a等に接続されている。
サーバ2は、CPU(中央演算処理装置)、ハードディスク、メモリ等を備えたコンピュータシステム(いずれも図示省略)を備えており、ハードディスク内には本実施形態の会計仕訳起票システム1を実行するためのコンピュータプログラム等が記憶されている。このコンピュータプログラムは、CPUによって実行され、以下に説明する各会計処理が行われる。
本実施形態の会計仕訳起票システム1は、形式については特に限定されず、システム用に用いられるプログラムとしては、ユーザ端末6をクライアントとするクライアントサーバ形式のプログラムであってもよく、サーバ2内のブログラムをユーザ端末6で実行するいわゆるSaaS(Software as a Service)形式のプログラムであってもよい。また、本実施形態の会計仕訳起票システム1に用いられるプログラムは、DVD等の記憶媒体に記憶されてユーザ端末6にインストールされ、ユーザ端末6内で実行されるプログラムの形式であってもよい。
次に、本実施形態の会計仕訳起票システム1の機能的構成について図2を参照して説明する。会計仕訳起票システム1は、仕訳対象データ取得手段11と、仕訳比較データ記憶手段12と、仕訳マッチング手段13と、仕訳判定手段14と、表示手段15と、制御手段16とを備えている。これらの各手段は、サーバ2に記憶されたコンピュータプログラムによって実現され、サーバ2或いはユーザ端末6,6a上で実行される。
仕訳対象データ取得手段11は、銀行データベース4又はクレジットデータベース5等に記憶されている提供情報データ17(仕訳対象データ)を取得し、ユーザ端末6に取り込みを行う手段である。金融機関から提供された提供情報データ17は、本実施形態ではユーザ端末6内のハードディスク又はメモリ等の記憶媒体に記憶される。
一方で、仕訳対象データ取得手段11は、後述するスキャナ28及びOCR機能を利用して、文字情報が記載された書類である証憑の情報をデータ化したOCRデータ18(仕訳対象データ)も取得可能である。ユーザ端末6に取り込まれたOCRデータ18についても、本実施形態ではユーザ端末6内のハードディスク又はメモリ等の記憶媒体に記憶される。
仕訳比較データ記憶手段12は、提供情報データ17又はOCRデータ18と比較してマッチングを行うための仕訳比較データ20を記憶している。具体的には、一般的な商取引における一般推論データが記憶された一般推論DB21、履歴推論データが記憶された履歴推論DB22、及び消込推論データが記憶された消込推論DB23の各推論を行うためのデータベースが仕訳比較データ記憶手段12に該当する(「DB」はデータベースを示す。)。
仕訳マッチング手段13は、仕訳対象データである提供情報データ17と仕訳比較データ20とを比較し、両データがどの程度一致しているかマッチング結果を演算する手段である。両データのマッチング結果は一致の度合いに応じてパーセンテージで表される。両データが完全に一致していればマッチング結果は100%であり、例えば摘要のデータが1文字のみ異なっている場合のマッチング結果は99%である等のマッチング処理が行われる。
仕訳判定手段14は、提供情報データ17が、複合仕訳、単一入金仕訳、又は単一出金仕訳のいずれの仕訳が適切であるかを判定する手段である。また、仕訳判定手段14は、OCRデータ18が、複合仕訳、単一入金仕訳、単一出金仕訳、単一売掛仕訳、又は単一買掛仕訳のいずれの仕訳が適切であるかを判定する。
表示手段15は、後述するユーザ端末6のディスプレイ25に各種画面の表示を行う手段である。この表示手段15は、プログラムとしてユーザ端末6にインストールされていてもよく、サーバ2内にあってユーザ端末6に表示をさせるものであってもよい。
制御手段16は、仕訳対象データ取得手段11、仕訳比較データ記憶手段12、仕訳マッチング手段13、仕訳判定手段14及び表示手段15の各手段を制御する手段である。この制御手段16は、主要部がプログラムであり、サーバ2又はユーザ端末6等のハードウエア上で実行される。
ユーザ端末6は、ユーザが使用するパーソナルコンピュータであり、本体24、ディスプレイ25、キーボード26、マウス27、スキャナ28等を備えている。ユーザ端末6は特に制限はなく、ノートタイプのパーソナルコンピュータ型のユーザ端末6aでもよく、いわゆるタブレット端末等の端末でもよい。
なお、本実施形態の会計仕訳起票システム1における各手段は、会計仕訳起票プログラム及びこれを実行するハードウエア(コンピュータ)から構成されるため、仕訳対象データ取得手段11は仕訳対象データ取得装置、仕訳比較データ記憶手段12は仕訳比較データ記憶装置、仕訳マッチング手段13は仕訳マッチング装置、仕訳判定手段14は仕訳判定装置、表示手段15は表示装置、制御手段16は制御装置と適宜読み替えることが可能である。
次に、本実施形態の会計仕訳起票システム1を用いて会計処理を行う場合の作動について、図3を参照して説明する。ユーザがユーザ端末6を起動させ、本実施形態の会計仕訳起票システム1を起動すると、ユーザ確認画面(図示省略)がディスプレイ25上に表示される。ユーザがユーザ認証(STEP1)を行うことにより会計仕訳起票システム1の初期画面(図示省略)が表示される。
初期画面においては、金融機関等の情報提供機関からの提供情報データ17を取り込んで仕訳処理を行うか、証憑をスキャナ28で取り込んだOCRデータ18で仕訳処理を行うかを選択することができる。ここでは、まず、ユーザが金融機関からの提供情報データ17を取り込んで仕訳処理を行う場合について説明する(STEP2でY)。
ユーザが提供情報データ17を仕訳処理する旨の選択を行った場合、制御手段16は、仕訳対象データ取得手段11によってネットワーク3を介して銀行データベース4又はクレジットデータベース5にアクセスし、提供情報データ17を取得する(STEP3)。この提供情報データ17には、「取引日付」、「相手先」、「摘要」、「入金金額」、「出金金額」、及び「残高」が含まれている。
提供情報データ17が取り込まれると、制御手段16は、仕訳マッチング手段13によって、取得された提供情報データ17についてマッチング処理を行う(STEP4)。仕訳マッチング手段13は、仕訳比較データ記憶手段12の一般推論DB21、履歴推論DB22、及び消込推論DB23の各推論データベースを利用してマッチング処理を行っている。
次に、制御手段16は、表示手段15によってユーザ端末6のディスプレイ25に出納帳入力画面30を表示させる(STEP5)。図4に示すように、出納帳入力画面30には、出納帳入力及び表示項目として、仕訳がユーザによって確認されているか否かの状態を示す状態表示31と、入金・出金・振替の各区分を示す区分表示32と、伝票番号表示33と、日付表示34と、取引先の情報を示す相手科目表示35と、相手科目表示35の補助的説明を記載する補助科目表示36と、入金金額表示37と、出金金額表示38と、残高表示39と、摘要表示40と、相手先を示す相手先表示41と、証憑の有無を示す証憑表示42が表示される。
その他、出納帳入力画面30には、仕訳候補を伝票等表示エリア43に表示させる仕訳候補表示ボタン44、証憑データを証憑表示エリア45に表示させる証憑表示ボタン46、各仕訳の明細を表示させる明細表示ボタン47、各仕訳の伝票を表示させる伝票表示ボタン48及びプログラムの処理を終了させる終了ボタン49が設けられている。
また、明細表示ボタン47によって各仕訳の明細が表示されているときは、この明細表示ボタン47と同じ箇所に通帳表示ボタン50が表示される。また、伝票表示ボタン48によって各仕訳の伝票表示がなされているときは、この伝票表示ボタン48の箇所に一覧表示ボタン51が表示される。
また、出納帳入力画面30の右下には、伝票等表示エリア43にデータ入力のための伝票を表示させて新規にデータ登録を行うための入金伝票表示ボタン52、出金伝票表示ボタン53、及び振替伝票表示ボタン54が設けられている。
出納帳入力画面30のリストの1行目には、前月繰越の残高が表示されている。リストの2行目は、状態表示31が「▲」となっている。これは、提供情報データ17が取り込まれ、ユーザが未確認であるという状態(未確認データ)を示す。リストの3行目及び4行目の状態表示31も「▲」であるので、提供情報データ17が取り込まれているが、ユーザが内容を確認していない状態であることがわかる。
出納帳入力画面30のリストの区分表示32を見ると、2行目が「入金」、3行目が「出金」、4行目が「入金」となっている。これは、制御手段16が、取得した提供情報データ17の入金金額にデータが入っているか、出金金額にデータが入っているかによって判別している。
この状態で、ユーザは、出納帳入力画面30に表示された未確認の仕訳候補の確認を行うことができる。出納帳入力画面30のリストの2行目に表示された仕訳処理の内容を確認するためには、ユーザは2行目の未確認データをマウス27でクリックする等の操作で選択する(STEP6)。
未確認データの選択が行われると、制御手段16は、選択された未確認データについて、仕訳マッチング手段13によるマッチング処理(STEP4)によって演算されたマッチング結果(図3においては「M結果」)が、他の仕訳候補の表示が不要と判断される閾値である単独表示閾値以上であるか否かを判断する(STEP7)。本実施形態では、この単独表示閾値を95%のマッチング結果に設定している。この単独表示閾値は、図示しない閾値設定画面において任意に変更することが可能である。
ユーザによって選択された未確認データのマッチング結果が単独表示閾値未満であるときは(STEP7でN)、制御手段16は、当該マッチング結果が抽出可能閾値以上であるか否かを判断する(STEP8)。この抽出可能閾値は、仕訳候補として抽出可能、即ち、ユーザに対して提示可能な程度にマッチング結果が高い仕訳候補を抽出するための閾値である。本実施形態においては、この抽出可能閾値のマッチング結果を80%に設定している。
ユーザによって選択された未確認データのマッチング結果が抽出可能閾値以上である場合は(STEP8でY)、制御手段16は、仕訳判定手段14によって、未確認データが、複合仕訳、単一入金仕訳、又は単一出金仕訳に該当するのか判定を行う(STEP9)。マッチング結果が抽出可能閾値以上であるような提供情報データ17は、マッチング処理の際に参照された仕訳比較データ20で行われている仕訳処理を採用すれば、高い確率で正しい仕訳処理を行うことができる。
この仕訳処理は、仕訳マッチング手段13によるマッチング結果に応じて、例えば、選択された未確認データのマッチング結果が一番高い仕訳が複合仕訳の場合には、未確認データを複合仕訳に該当すると判定する。また、仕訳マッチング手段13によるマッチング結果が二番目に高い仕訳が単一入金仕訳の場合、この二番目の仕訳候補を単一入金仕訳候補とする。これは、単一出金仕訳の場合も同様である。
このように、仕訳判定手段14によって仕訳処理がなされた提供情報データ17は、制御手段16が、マッチング結果が抽出可能閾値以上である1又は複数の仕訳候補を、マッチング結果が高いものから順に、仕訳候補一覧画面55に表示させる(STEP10)。このとき、出納帳入力画面30においては、伝票等表示エリア43に、図5に示す仕訳候補一覧画面55が表示される。
図5に示すように、仕訳候補一覧画面55には、出金伝票、入金伝票、又は振替伝票を表示する区分リスト56が表示されており、図5の状態では振替伝票の表示であることがわかる。区分リスト56では、仕訳判定手段14の判定結果に応じて、単一出金仕訳の場合は出金伝票、単一入金仕訳の場合は入金伝票、複合仕訳の場合は振替伝票が選択される。
また、仕訳候補一覧画面55の下方には、表示された仕訳候補の内容を修正する履歴修正ボタン57、摘要等から仕訳候補を検索する検索ボタン58、処理の取消を行う取消ボタン59も設けられている。その他、仕訳候補一覧画面55における日付表示欄等の表示欄(入力可能なものもある。)についての説明は省略する。
仕訳候補一覧画面55には、仕訳マッチング手段13によるマッチング処理(STEP4)で、マッチング結果が高いものから順に表示される仕訳候補表示60が表示されている。
仕訳候補表示60に表示される項目は、マッチング結果の順位を示す順位表示61、仕訳処理を行う伝票の種類を示す伝票表示62、借方科目の内訳を示す借方科目表示63、貸方科目の内訳を示す貸方科目表示64、税込金額を表示させる税込金額表示65、消費税の対象となるか否か又は税率を示す消費税表示66、摘要の内容を示す摘要表示67、相手先又は不動産等の物件を示す相手先/物件表示68、マッチング処理を行った際に推論の基礎となったデータベースを示す推論表示69となっている。
図5に示すように、仕訳候補一覧画面55には、順位表示61で1位及び2位の仕訳候補が表示されている。順位が1位の仕訳候補は、伝票表示62が「振替」となっているため、振替伝票による仕訳を行う複合仕訳であることが確認できる。順位が2位の仕訳候補は、伝票表示62が「入金」となっているため、入金伝票による仕訳を行う単一入金仕訳であることが確認できる。
図5に示す仕訳候補一覧画面55では、銀行データベース4から取得した提供情報データ17において、D銀行の普通預金口座の入金金額欄に「99,500」と記載され、摘要に「Aショウテン」と記載されているケースの仕訳候補一覧が表示されている。
このようなケースでは、順位が2位の仕訳候補のように、入金金額欄の金額と同額である「99,500」の売上があった場合と、売上は「100,000」であるが、相手先が銀行の振込手数料を差し引いた額が「99,500」となっている場合がある。
仕訳候補一覧画面55における順位が1位の仕訳候補は、推論表示69を見ると「消込」と「履歴」が表示されており、消込推論DB23及び履歴推論DB22を用いて推論が行われたことがわかる。即ち、仕訳マッチング手段13は、当該提供情報データ17の仕訳候補を推論するにあたって、消込処理を行うデータと、過去に仕訳処理がなされたデータを利用して推論を行っている。一方で、順位が2位の仕訳候補は、推論表示69が「履歴」となっており、履歴推論DB22のみを用いて推論が行われたことがわかる。
このような場合、単に過去の仕訳処理で近似する処理がなされたものを参照して推論する場合に比べて、これに加えて消込処理で近似する処理がなされたものを参照した方が、推論の確率としては高くなることは明らかである。
従って、本実施形態においては、マッチングの一つの基準として「消込」及び「履歴」の両方の推論を行った仕訳候補(順位が1位の仕訳候補)が、「履歴」推論のみを行った仕訳候補(順位が2位の仕訳候補)よりもマッチング結果が高いと判定し、上記順位付けとしている。なお、上記マッチング処理及び仕訳判定処理の詳細な処理については、本願発明者による特開2007−304643号公報の自動仕訳に関する記載を参照することができる。
ユーザは、以上の情報を見た上で、仕訳候補一覧画面55の中から適当と思われる仕訳候補を選択する。仕訳候補の選択は、適当と思われる仕訳候補が表示されている行をクリックする等の操作により行う(STEP11)。
以上の各処理が行われ、未確認の仕訳候補の確認が行われると、出納帳入力画面30の状態表示31の「▲」が消えて確認済みを示す「空白」に変化する(STEP12)。また、出納帳入力画面30のリストの区分表示32の表示も必要に応じて変化する。今回のように、仕訳が複合仕訳であった場合、図4の出納帳入力画面30の区分表示32に振替伝票を示す「振替」の表示となる(STEP12)。ユーザは、出納帳入力画面30の状態表示31の「▲」が全て「空白」になるまで処理を続けることができる(STEP13)。
以上のように、本実施形態の会計仕訳起票システム1によれば、ユーザは、仕訳候補一覧画面55を見ることにより、仕訳マッチング手段13によって示された仕訳候補を、マッチング結果が高いものから順に見ることができる。従って、仕訳に関して専門知識がないユーザであっても、正しい仕訳候補を選択することができる。
ここで、STEP7に戻って、ユーザによって選択された未確認データのマッチング結果が単独表示閾値以上であるときは(STEP7でY)、制御手段16は、マッチング結果が一番高い仕訳候補のみについて表示を行う(STEP14)。その際、仕訳判定手段14による判定結果に応じて、複合仕訳候補、単一入金仕訳候補、又は単一出金仕訳候補のいずれかの仕訳候補を表示手段15に表示させる(STEP14)。
例えば、仕訳判定手段14による判定結果が、複合仕訳候補である場合、図4に示す伝票等表示エリア43に、図6に示す振替伝票画面70を表示させ、その画面上の仕訳結果画面85に複合仕訳候補を表示させる。
振替伝票画面70では、借方科目/借方補助71、貸方科目/貸方補助72、金額73、消費税74、摘要/対象期間75、物件/部屋76、相手先/期日77の各表示が表示されている。
このように、本実施形態の会計仕訳起票システム1によれば、ユーザによって選択された未確認データにおいて、仕訳マッチング手段13によってマッチングされた仕訳候補のマッチング結果が単独表示閾値以上に高い場合は、その仕訳候補のみをユーザに示して確認を促す。
また、仕訳候補がユーザに表示される際、仕訳判定手段14による判定結果に応じて、仕訳処理に適した画面に表示される。このため、ユーザは、マッチング結果が単独表示閾値以上に高い仕訳候補について、その仕訳候補の仕訳処理に適した画面でその仕訳候補の確認を行うことができる。
また、この振替伝票画面70では、図4に示す出納帳入力画面30のリストの2行目に表示されている仕訳処理の内容を確認するために、仕訳結果画面85にその内容を表示させることができる。この場合、出納帳入力画面30において、伝票表示をさせたい仕訳項目を指定して伝票表示ボタン48をクリックする。例えば、図4に示す出納帳入力画面30のリストの2行目をマウス27等で選択し、伝票表示ボタン48をクリックすると、伝票等表示エリア43に図6に示す振替伝票画面70が表示される。
このように、本実施形態の会計仕訳起票システム1では、出納帳入力画面30のような簡易な表示のみならず、振替伝票画面70のような詳細な仕訳の内容を仕訳結果画面85に表示させることも可能となる。この振替伝票画面70を終了させる場合は、出納帳入力画面30において、伝票表示ボタン48に替わって表示される一覧表示ボタン51をクリックすればよい。
また、振替伝票画面70の下方には、追加ボタン78、修正ボタン79、削除ボタン80、取消ボタン81、行追加ボタン82、行削除ボタン83、及び更新ボタン84が設けられている。ユーザは、これらのボタンを利用することにより、振替伝票画面70の仕訳内容の修正等を行うことができる。
なお、出納帳入力画面30において、新規でデータ入力を行う場合は、例えば、出納帳入力画面30の振替伝票表示ボタン54をクリックすると、図6に示すような振替伝票画面70が表示される。仕訳に関する専門知識があるユーザであれば、この図6のように、新規に振替伝票画面70を表示させて、キーボード26等から必要な項目を入力することができる。
ここで、図7を参照して、出納帳入力画面30において、明細表示ボタン47をクリックすると表示される明細表示画面30aについて説明する。この明細表示画面30aでは、各仕訳データにおける状態表示31は、ユーザによる確認が終わっていることを示す「空白」となっている。また、図7においては、ユーザによる仕訳処理の確認が行われており、その際の仕訳判定手段14による判定結果が複合仕訳候補であるため、区分表示32が「振替」となっている。
図7に示すように、明細表示画面30aは、複合仕訳が行われた仕訳データは、1行ではなく複数行に亘って詳細なデータが表示される。図7において、区分表示32が「振替」となっている複合仕訳データは、借方科目35a、貸方科目36a、借方金額37a、貸方金額38aの各項目が表示される。
図4における出納帳入力画面30では、リストの2行目の仕訳データは、入金金額表示37と残高表示39に金額が表示されているのみである。しかしながら、明細表示画面30aでは、リストの2行目は、借方科目35aに「普通 D銀行」、貸方科目36aに「諸口」、借方金額37aに「99,500」、摘要表示40に「売掛入金 手数料相殺」、相手先表示41に「Aショウテン」が表示されている。
また、リストの3行目には、借方科目35aに「諸口」、貸方科目36aに「売掛金」、貸方金額38aに「100,000」、相手先表示41には「A商店 2017/12/10」が記載されている。さらに、リストの4行目には、借方科目35aに「支払手数料」、貸方科目36aに「諸口」、借方金額37aに「500」、摘要表示40に「振込料」が記載されている。
提供情報データ17においては、金額としては「99,500」のデータのみが存在し、売掛金である「100,000」、及び振込手数料である「500」はデータとしては存在していない。これでは、ユーザが売掛金である「100,000」の消込処理を行うときに処理が困難となる。
しかしながら、本実施形態の会計仕訳起票システム1によれば、現金としての「99,500」のみならず、売掛金「100,000」、及び支払手数料「500」と3つの項目に仕訳されているため、ユーザが容易に消込処理等を行うことができる。
このように、本実施形態の会計仕訳起票システム1によれば、図4の出納帳入力画面30において、銀行の通帳と同様の見やすい表示を行うことができると共に、明細表示ボタン47をクリックするだけで、図7の明細表示画面30aにおいて仕訳の詳細な情報を表示させることができる。
また、ユーザが明細表示画面30aから出納帳入力画面30に画面表示を変更したい場合は、図7に示す明細表示画面30aにおいて、通帳表示ボタン50をクリックすることにより、ディスプレイ25の表示を出納帳入力画面30に変更することができる。
次に、図4に示す出納帳入力画面30のリストの3行目に表示された仕訳処理の内容を確認する作業は以下のとおりである。ユーザは、出納帳入力画面30の3行目の表示部分をマウス27でクリックする等の操作で未確認データの選択を行う(STEP6)。
未確認データの選択が行われると、制御手段16は、選択された未確認データについて、仕訳マッチング手段13によるマッチング処理(STEP4)によって演算されたマッチング結果が、単独表示閾値以上であるか否かを判断する(STEP7)。
ユーザによって選択された未確認データのマッチング結果が単独表示閾値未満であるときは(STEP7でN)、制御手段16は、当該マッチング結果が抽出可能閾値以上であるか否かを判断する(STEP8)。
ユーザによって選択された未確認データのマッチング結果が抽出可能閾値以上である場合は(STEP8でY)、制御手段16は、仕訳判定手段14によって、未確認データが、複合仕訳、単一入金仕訳、又は単一出金仕訳に該当するのか判定を行う(STEP9)。また、制御手段16は、出納帳入力画面30の伝票等表示エリア43に、図8に示す仕訳候補一覧画面55を表示させ、マッチング結果が抽出可能閾値以上である1又は複数の仕訳候補を、マッチング結果が高いものから順に表示する(STEP10)。
図8において、仕訳候補一覧画面55の区分リスト56を見ると、出金伝票の表示であることがわかる。仕訳候補一覧画面55には、仕訳マッチング手段13によるマッチング処理で、マッチング結果が高いものから順に表示される仕訳候補表示60が表示される。
通常は、マッチング結果の高いものから複数の順位の仕訳候補が表示されるが(図5参照)、図8においては、仕訳候補一覧画面55には順位が1位の候補のみが表示されている。これは、仕訳マッチング手段13によるマッチング結果が抽出可能閾値以上の仕訳候補が1つのみであったことを示している。
ユーザは、図8の仕訳候補一覧画面55に、マッチング結果が抽出可能閾値よりも高い1位の候補のみ表示されており、当該仕訳候補は、高い確率で正しい仕訳がなされていると判断できるため、仕訳についての専門的な知識がない場合であっても、この1位の候補を選択して(STEP10)仕訳内容を確認することができる。
仮に、ユーザが1位の仕訳候補の仕訳内容について誤りを発見した場合は、履歴修正ボタン57をクリックすることにより、仕訳候補の記載内容を正しい内容に修正することができる。
図8の状態で、仕訳候補一覧画面55の仕訳候補表示60に表示された1位の候補をユーザがマウス27等を用いてクリックすると、出納帳入力画面30に戻り、図4の3行目の状態表示が「空白」に変化し(STEP12)、仕訳内容の確認が行われたことを示す。
この状態から、図4の出納帳入力画面30のリストの3行目の仕訳の内容を伝票画面で確認する場合には、伝票表示ボタン48をクリックする。すると、伝票等表示エリア43に、図9に示す出金伝票画面86が表示される。この出金伝票画面86では、図4の出納帳入力画面30のリストの3行目の仕訳を出金伝票を用いて仕訳した場合の仕訳の内容が仕訳結果画面85に表示される。
また、仮にSTEP7において、仕訳マッチング手段13によるマッチング結果が単独表示閾値以上であった場合は(STEP7でY)、図9に示す出金伝票画面86の仕訳結果画面85に仕訳候補が表示される。
次に、図4に示す出納帳入力画面30のリストの4行目に表示された仕訳処理の内容を確認する作業は以下のとおりである。ユーザは、出納帳入力画面30の4行目の表示部分をマウス27でクリックする等の操作で未確認データの選択を行う(STEP6)。
未確認データの選択が行われると、制御手段16は、選択された未確認データについて、仕訳マッチング手段13によるマッチング処理(STEP4)によって演算されたマッチング結果が、単独表示閾値以上であるか否かを判断する(STEP7)。
ユーザによって選択された未確認データのマッチング結果が単独表示閾値未満であるときは(STEP7でN)、制御手段16は、当該マッチング結果が抽出可能閾値以上であるか否かを判断する(STEP8)。
ユーザによって選択された未確認データのマッチング結果が抽出可能閾値以上である場合は(STEP8でY)、制御手段16は、制御手段16は、仕訳判定手段14によって、未確認データが、複合仕訳、単一入金仕訳、又は単一出金仕訳に該当するのか判定を行う(STEP9)。また、制御手段16は、出納帳入力画面30の伝票等表示エリア43に、図10に示す仕訳候補一覧画面55を表示させ、マッチング結果が抽出可能閾値以上である1又は複数の仕訳候補を、マッチング結果が高いものから順に表示する(STEP10)。
図10において、仕訳候補一覧画面55の区分リスト56を見ると、入金伝票の表示であることがわかる。仕訳候補一覧画面55には、仕訳マッチング手段13によるマッチング処理で、マッチング結果が高いものから順に表示される仕訳候補表示60が表示される。
図10においても、上記出金伝票の場合と同様に、仕訳候補一覧画面55には順位が1位の候補のみが表示されている。これは、仕訳マッチング手段13によるマッチング結果が抽出可能閾値以上の仕訳候補が1つのみであったことを示している。
図10の状態で、仕訳候補一覧画面55の仕訳候補表示60に表示された1位の候補をユーザがマウス27等を用いてクリックして選択すると(STEP10)、出納帳入力画面30に戻り、図4の出納帳入力画面30のリストの4行目の状態表示が「空白」に変化し(STEP12)、仕訳内容の確認が行われたことを示す。
この状態から、図4の出納帳入力画面30のリストの4行目の仕訳の内容を伝票画面で確認する場合には、伝票表示ボタン48をクリックする。すると、伝票等表示エリア43に、図11に示す入金伝票画面87が表示される。この入金伝票画面87では、図4の出納帳入力画面30のリストの4行目の仕訳を入金伝票を用いて仕訳した場合の仕訳の内容が仕訳結果画面85に表示される。
また、仮にSTEP7において、仕訳マッチング手段13によるマッチング結果が単独表示閾値以上であった場合は(STEP7でY)、図11に示す入金伝票画面87の仕訳結果画面85に仕訳候補が表示される。
また、STEP8において、マッチング結果が抽出可能閾値を下回った場合は、仕訳候補として抽出が困難な状態であり、マッチング結果をユーザに提示することは好ましくない。よって、マッチング結果が抽出可能閾値を下回った場合は(STEP8でN)、制御手段16は、図6に示す仕訳入力画面である振替伝票画面70、或いは図9又は図11に示す仕訳入力画面である出金伝票画面86又は入金伝票画面87をディスプレイ25に表示させる(STEP15)。
このように、仕訳マッチング手段13によるマッチング結果が抽出可能閾値を下回るような場合であっても、その提供情報データ17に適した仕訳を行うための入力画面がディスプレイ25に表示されるため、ユーザが当該画面を用いて仕訳入力を行う際に(STEP16)、正しい仕訳処理を行うことができる可能性を高くすることができる。
なお、上記実施形態において、抽出可能閾値及び単独表示閾値を用いたシステムの例を説明したが、これらの閾値を用いることなく、仕訳候補をディスプレイ25に表示させてもよい。この場合、ユーザが未確認データを選択した際に(STEP6)、STEP7及びSTEP8を飛ばして仕訳処理を行い(STEP9)、仕訳候補一覧表示を行う(STEP10)。
仮に仕訳マッチング手段13によるマッチング結果が低いものであっても、ユーザの参考になる場合もあるため、このように仕訳候補を表示させることも可能である。この場合、マッチング結果が高いものから順に仕訳候補一覧画面55に表示させることにより、マッチング結果に応じた表示とすることができる。また、マッチング結果について、マッチング結果が高いものは「○」、中程度のものは「△」、低いものは「×」等の表示を行い、マッチング結果を表示させてもよい。
次に、本実施形態の会計仕訳起票システム1において、OCRにより読み込んだ証憑のデータを取得して仕訳処理を行う場合について、図3、図12〜図20を参照して説明する。本実施形態の会計仕訳起票システム1は、スキャナ28を用いて文字情報が記載された書類をOCR機能によりデータ化したOCRデータ18を仕訳対象データとすることも可能である。
ユーザがユーザ端末6を起動させ、本実施形態の会計仕訳起票システム1を起動すると、ユーザ確認画面(図示省略)がディスプレイ25上に表示される。ユーザがユーザ認証(STEP1)を行うことにより会計仕訳起票システム1の初期画面(図示省略)が表示される。
初期画面においては、金融機関からのデータを取り込んで仕訳処理を行うか、証憑をOCRで取り込んで仕訳処理を行うかを選択することができる。ユーザが証憑をOCRで取り込んで仕訳処理する旨の選択を行った場合(STEP2でN)、制御手段16は、後述する証憑マッチング処理(STEP17)を行う。
証憑マッチング処理(STEP17)は、図12に示すように、制御手段16が事前にスキャナ28によって取り込まれたOCRデータ18の有無をチェックする(STEP21)。事前に取り込まれたOCRデータ18がある場合(STEP21でY)、制御手段は、そのOCRデータ18が仕訳マッチング手段13によってマッチング処理が行われたか否かをチェックする(STEP22)。
既にマッチング処理が行われている場合は(STEP22でY)、証憑マッチング処理(STEP17)を終了させる。また、制御手段16は、表示手段15によってユーザ端末6のディスプレイ25に、図13に示す証憑登録画面100を表示させる(STEP18)。
一方で、STEP21において、OCRデータ18が取り込まれていない場合は、図13に示す証憑登録画面100を表示させる(STEP23)。この状態でユーザがスキャナ28を用いてOCRデータ18を取得する(STEP24)。制御手段16は、OCRデータ18が取得されると、仕訳マッチング手段13によってマッチング処理を行い(STEP25)、証憑マッチング処理(STEP17)を終了させる。
証憑登録画面100では、仕訳がユーザによって確認されているか否かの状態を示す状態表示101と、入金・出金・振替の各区分を示す区分表示102と、伝票番号表示103と、日付表示104と、借方科目表示105と、貸方科目表示106と、金額表示107と、税区分表示108と、摘要表示109と、物件表示110と、相手先表示111と、決済期日表示112と、証憑の有無を示す証憑表示113が表示される。
その他、証憑登録画面100には、仕訳候補を伝票等表示エリア114に表示させる仕訳候補表示ボタン115、証憑データを証憑表示エリア116に表示させる証憑表示ボタン117、各仕訳の明細を表示させる明細表示ボタン118、各仕訳の伝票を表示させる伝票表示ボタン119及びプログラムの処理を終了させる終了ボタン120が設けられている。
また、明細表示ボタン118によって各仕訳の明細が表示されているときは、この明細表示ボタン118と同じ箇所に通帳表示ボタン121が表示される。また、伝票表示ボタン119によって各仕訳の伝票表示がなされているときは、この伝票表示ボタン119の箇所に一覧表示ボタン122が表示される。
また、証憑登録画面100の右下には、伝票等表示エリア114に新規にデータ登録を行うための入金伝票表示ボタン123、出金伝票表示ボタン124、売掛伝票表示ボタン125、買掛伝票表示ボタン126、及び振替伝票表示ボタン127が設けられている。
この証憑登録画面100では、出納帳入力画面30と異なり、売掛伝票表示ボタン125及び買掛伝票表示ボタン126が追加されている。これは、提供情報データ17は、「取引日付」、「相手先」、「摘要」、「入金金額」、「出金金額」、及び「残高」であるのに対して、OCRデータ18は、「証憑の種類」、「取引日付」、「発行先」、「発行元」、「摘要」、「金額」、又は「支払期日」を含んでおり、売掛伝票又は買掛伝票での仕訳が必要となる場合があるからである。
たとえば、「証憑の種類」、「発行先」、「発行元」及び「摘要」の各データから、「金額」が売掛金又は買掛金に該当すると仕訳判定手段14が判定した場合、売掛伝票又は買掛伝票による仕訳を行い、単一売掛仕訳候補又は単一買掛仕訳候補を後述する仕訳候補一覧画面131に表示させる(図15)。
図13においては、証憑登録画面100の1行目の状態表示101は、ユーザが既に確認済みであることを示す「空白」となっている。また、図13において、2行目には既にOCRデータ18が取り込まれた状態となっているが、OCRデータ18が取り込まれる前の状態では2行目全体が「空白」となっている。
ユーザは、この証憑登録画面100がディスプレイ25に表示された状態で(STEP23)、スキャナ28に証憑であるレシート(図示省略)を挿入すると、スキャナ28により証憑画像130がイメージデータとしてユーザ端末6内に取り込まれ、OCR機能によってOCRデータ18として取り込まれる(STEP24)。
証憑登録画面100がディスプレイ25に表示された状態でOCRデータ18が取り込まれると、制御手段16は、仕訳マッチング手段13によって、取得されたOCRデータ18についてマッチング処理を行う(STEP25)。仕訳マッチング手段13は、仕訳比較データ記憶手段12の一般推論DB21、履歴推論DB22、及び消込推論DB23の各推論データベースを利用してマッチング処理を行っている。
仕訳マッチング手段13によるマッチング処理が行われると、図13に示すように、証憑登録画面100の2行目にデータが取り込まれた状態となる。この2行目を見ると、状態表示101が「▲」となっている。これは、OCRデータ18が取り込まれ、ユーザが未確認であるという状態(未確認データ)を示す。
2行目の区分表示102は「出金」となっているので、仕訳マッチング手段13によるマッチング処理の結果、マッチング結果が最も高かった仕訳候補が出金伝票により入力可能な単一出金仕訳結果であることを示している。
この状態で、ユーザは、証憑登録画面100に表示された未確認の仕訳候補の確認を行うことができる。証憑登録画面100のリストの2行目に表示された仕訳処理の内容を確認するためには、ユーザは2行目の表示部分をマウス27でクリックする等の操作で未確認データの選択を行う(STEP6)。
未確認データの選択が行われると、制御手段16は、選択された未確認データについて、仕訳マッチング手段13による証憑マッチング処理(STEP17)によって演算されたマッチング結果(図3では「M結果」)が、単独表示閾値以上であるか否かを判断する(STEP7)。
ユーザによって選択された未確認データのマッチング結果が単独表示閾値未満であるときは(STEP7でN)、制御手段16は、当該マッチング結果が抽出可能閾値以上であるか否かを判断し(STEP8)、マッチング結果が抽出可能閾値以上である場合は(STEP8でY)、図14に示すように、証憑登録画面100における伝票等表示エリア114に仕訳候補一覧画面131を表示させる(STEP10)。また、制御手段16は、証憑表示エリア116に証憑表示画面132を表示させる。
仕訳候補一覧画面131は、図15に示すように、出金伝票、入金伝票、振替伝票、売掛伝票、又は買掛伝票を表示する区分リスト133が表示されており、図15の状態では出金伝票の表示であることがわかる。また、仕訳候補一覧画面131の下方には、表示された仕訳候補の内容を修正する履歴修正ボタン134、摘要等から仕訳候補を検索する検索ボタン135、処理の取消を行う取消ボタン136も設けられている。
また、仕訳候補一覧画面131の上方部分には、仕訳の判定を行った証憑の種類137が表示されている。図15においては、証憑の種類137は「領収書」(領収証を含む)となっている。その証憑の種類137の下方位置には、消費税の税率等を選択する税金一覧表138が表示されている。その他の摘要等の表示については説明を省略する。
また、仕訳候補一覧画面131には、仕訳マッチング手段13によるマッチング処理(STEP25)で、マッチング結果が高いものから順に表示される仕訳候補表示139が表示されている。
仕訳候補表示139に表示される項目は、マッチング結果の順位を示す順位表示140、仕訳処理を行う伝票の種類を示す伝票表示141、借方科目の内訳を示す借方科目表示142、貸方科目の内訳を示す借方科目表示143、税込金額を表示させる税込金額表示144、消費税の対象となるか否か又は税率を示す消費税表示145、摘要の内容を示す摘要表示146、相手先又は不動産等の物件を示す相手先/物件表示147、マッチング処理を行った際に推論の基礎となったデータベースを示す推論表示148となっている。
証憑表示画面132は、図16に示すように、証憑種類及び未処理件数を表示させる証憑内容表示部150と、スキャナ28により取得された証憑の証憑画像130を示すイメージ表示部151と、複数の証憑画像130の表示操作を行う証憑操作部152が設けられている。
証憑操作部152は、「次へ」「前へ」「表示変更」「バインダ保存」及び「削除」の各ボタンが表示されている。ユーザは、これらのボタンをクリックすることにより、取得された複数の証憑の切り替え等の操作を行うことができる。なお、イメージ表示部151の左上に表示されている「1」の表示は、現在表示されている証憑画像130が、複数ある証憑画像130のうちの1番目であることを示している。
図16においては、イメージ表示部151に領収証の証憑画像130が表示されている。この証憑画像130は、OCR処理がなされており、記載内容がテキストデータ化されている。図16の証憑画像130から抽出されるOCRデータ18は、「証憑の種類」が「領収証(領収書)」、「取引日付」が「2017.12.10」、「発行元」が「ABC’S」、「金額」が「¥330」となっている。
ここで、図15に示す仕訳候補一覧画面131を見ると、順位が1位から3位までの仕訳候補が表示されている。順位が1位及び2位の仕訳候補は、推論表示148が「履歴」となっており、過去に本システムにおいて仕訳されて履歴推論DB22に記憶されている履歴を基礎として推論を行ったことがわかる。順位が3位の仕訳候補は、推論表示148が「一般」となっているため、一般推論DB21に記憶されているデータを基礎として推論を行ったことがわかる。
ユーザは、図16に示すイメージ表示部151に表示された証憑の証憑画像130を確認した上で、仕訳候補一覧画面131に表示された仕訳候補の中から、適当と思われる仕訳候補を選択する。仕訳候補の選択は、適当と思われる仕訳候補が表示されている行をクリックする等の操作により行う。
このように、本実施形態の会計仕訳起票システム1によれば、ユーザが専門知識を有していない場合であっても、仕訳候補一覧画面131に表示された仕訳候補を見れば、どの候補が正しいか理解しやすいので、ユーザの専門性に関わりなく、仕訳処理を行うことができる。
なお、操作者が上記操作を行った場合でも仕訳処理が正しいかどうか不明なときは、各画面における取消ボタン(図5の符号59等)をクリックすることにより、仕訳処理を行わずに作業を終了することができる。また、後に第三者に確認をしてもらう必要があるときは、図示しない附箋機能等を用いて確認担当者に連絡できるようにしてもよい。
次に、図17を参照して、仕訳候補一覧画面131において、区分リスト133が売掛伝票となっている場合について説明する。図17に示すように、仕訳候補一覧画面131の証憑の種類137は「請求書(控え)」となっている。これは、スキャナ28により取得された証憑が「請求書(控え)」であることを示す。また、仕訳候補一覧画面131には、仕訳マッチング手段13によるマッチング処理(STEP25)で、マッチング結果が高いものが仕訳候補表示139に表示されている。
ここで、図17に示す仕訳候補一覧画面131を見ると、順位が1位の仕訳候補のみが表示されている。順位が1位の仕訳候補は、推論表示148が「履歴」となっており、過去に本システムにおいて仕訳されて履歴推論DB22に記憶されている履歴を基礎として推論を行ったことがわかる。
一方で、ユーザによって選択された未確認データのマッチング結果が単独表示閾値以上であるときは(STEP7でY)、図18に示す売掛伝票画面153が表示される。この売掛伝票画面153では、仕訳結果画面85に単独表示閾値以上のマッチング結果を有する1つの仕訳候補が表示される。
次に、図19を参照して、仕訳候補一覧画面131において、区分リスト133が買掛伝票となっている場合について説明する。図19に示すように、仕訳候補一覧画面131の証憑の種類137は「請求書」となっている。これは、スキャナ28により取得された証憑が「請求書」であることを示す。また、仕訳候補一覧画面131には、仕訳マッチング手段13によるマッチング処理(STEP25)で、マッチング結果が高いものが仕訳候補表示139に表示されている。
ここで、図19に示す仕訳候補一覧画面131を見ると、順位が1位から3位の仕訳候補が表示されている。順位が1位の仕訳候補は、推論表示148が「履歴」となっており、過去に本システムにおいて仕訳されて履歴推論DB22に記憶されている履歴を基礎として推論を行ったことがわかる。順位が2位の仕訳候補は推論表示148が「一般」であり、順位が3位の仕訳候補は推論表示148が「履歴」となっている。
一方で、ユーザによって選択された未確認データのマッチング結果が単独表示閾値以上であるときは(STEP7でY)、図20に示す買掛伝票画面154が表示される。この買掛伝票画面154では、仕訳結果画面85に単独表示閾値以上のマッチング結果を有する1つの仕訳候補が表示される。
なお、上記実施形態において、仕訳マッチング手段13のマッチング結果の閾値を98%としたが、閾値はこれに限らず任意の数値を設定することができる。また、上記実施形態において、OCRデータ18は、領収書、請求書等をスキャナ28で読み込んでOCR処理しているが、これに限らず、スマートフォン等のカメラによる撮像データや、バーコードや二次元コード等のコードを読み込んでデータ化したものであってもよい。
また、上記実施形態では、提供情報データは、銀行等の金融機関から取得しているが、これに限らず、仕訳用のデータを所有する情報提供機関からの提供であればよい。情報提供機関としては、例えば、ネット通販等の小売業を営む機関等が該当し、このような機関によって提供される電子的な取引上のデータを取得してもよい。