JP2019199957A - 電磁ブレーキ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ブレーキ解除状態において、回転する摩擦板がアーマチュアディスクおよび固定ディスクに接触しない電磁ブレーキ装置を提供する。【解決手段】電磁ブレーキ装置(1)では、コイルばね(9)によって、アーマチュアディスク(5)が、摩擦ディスク(6)を介して、固定ディスク(7)に押し付けられ、摩擦ディスク(6)が一体回転するように取り付けられている回転軸(3)の回転拘束状態が形成されている。電磁石(4)を励磁すると、アーマチュアディスク(5)が吸引され、摩擦ディスク(6)が開放されて回転軸(3)が回転自在の状態に切り換わる。このとき、アーマチュアディスク(5)に形成した貫通孔(52)を介して、前側に位置している磁性材料からなる摩擦ディスク(6)も磁力によって吸引されて、円筒ハブ(8)の段面(85)に押し付けられ、双方のディスク(5、7)に接触しない位置に保持される。【選択図】図1A
Description
本発明は、モータ回転軸などの回転軸を回転拘束状態および回転自在状態に切り替えるために、当該回転軸に取り付けられる電磁ブレーキ装置に関するものである。
電磁ブレーキ装置では、両面に摩擦面が形成された摩擦ディスクを制御対象の回転軸に一体となって回転するように取り付け、この摩擦ディスクを挟み、アーマチュアディスクおよび固定ディスクが同軸状態で対向配置されている。アーマチュアディスクはコイルばねなどの付勢部材によって摩擦ディスクの側に押し付けられている。
アーマチュアディスクおよび摩擦ディスクは回転軸の中心軸線の方向にスライド可能であり、固定ディスクは定まった位置に固定されている。したがって、付勢部材の付勢力によって、アーマチュアディスクがスライドして、摩擦ディスクを固定ディスクに押し付けた状態が形成される。この結果、回転軸と一体回転する摩擦ディスクが、所定の押し付け力で固定ディスクとアーマチュアディスクの間に挟まれ、これらの間に発生する摩擦力によって、回転軸の回転拘束状態(ブレーキ状態)が形成される。
アーマチュアディスクの背面側(摩擦ディスクとは反対側)にはヨークおよびコイルからなる電磁石が配置されており、電磁石を励磁すると、強磁性材料からなるアーマチュアディスクが付勢部材による付勢力に逆らって磁力によって吸引される。この結果、アーマチュアディスクが固定ディスクから離れる方向にスライドして、固定ディスクとアーマチュアディスクによる回転拘束状態から摩擦ディスクが開放される。すなわち、摩擦ディスクと一体回転する回転軸が回転自在の状態(ブレーキ解除状態)に切り換わる。電磁石を消磁すると、回転軸の回転拘束状態に戻る。
ここで、回転軸の回転自在状態では、磁力によって吸引されたアーマチュアディスクは、固定ディスクから所定の距離だけ離れたスライド位置に保持される。したがって、固定ディスクおよびアーマチュアディスクの間に位置している摩擦ディスクは、これらの間において、回転軸の中心軸線の方向にスライド可能な状態になる。すなわち、そのスライド位置が不定になる。このため、例えば、回転軸と一体回転している摩擦ディスクがアーマチュアディスクの側にスライドすると、アーマチュアディスクと摩擦接触しながら回転するおそれがある。逆に、摩擦ディスクが固定ディスクの側にスライドすると、固定ディスクと摩擦接触しながら回転するおそれがある。摩擦接触しながら摩擦板が回転すると、騒音が発生し、また、摩耗粉が発生するので好ましくない。
本発明の目的は、制御対象の回転軸と一体回転する摩擦板が、ブレーキ解除状態において、アーマチュアディスクおよび固定ディスクに接触することのない電磁ブレーキ装置を提案することにある。
上記の目的を達成するために、本発明の電磁ブレーキ装置は、
回転軸と一体回転すると共に当該回転軸の中心軸線の方向にスライド可能なスライドディスクと、
前記スライドディスクの一方の側に同軸状態に対向配置された固定ディスクと、
前記スライドディスクの他方の側に同軸状態に対向配置され、前記中心軸線の方向にスライド可能なアーマチュアディスクと、
前記スライドディスクを挟み、前記アーマチュアディスクを前記固定ディスクに押し付けることにより、前記回転軸の回転を拘束している付勢部材と、
前記回転軸の回転拘束状態を解除するために、前記付勢部材の付勢力に逆らって前記アーマチュアディスクを前記スライドディスクから離れる方向に吸引する磁力を発生可能な電磁石と、
前記スライドディスクの両面、または、前記固定ディスクおよび前記アーマチュアディスクにおける前記スライドディスク側の表面に形成された摩擦面とを有し、
前記スライドディスクは磁性材料から形成されており、
前記アーマチュアディスクには磁気透過部が形成されており、
当該磁気透過部を介して、前記スライドディスクは前記磁力によって吸引されて、前記固定ディスクから離れた状態に保持されるようになっていることを特徴としている。
回転軸と一体回転すると共に当該回転軸の中心軸線の方向にスライド可能なスライドディスクと、
前記スライドディスクの一方の側に同軸状態に対向配置された固定ディスクと、
前記スライドディスクの他方の側に同軸状態に対向配置され、前記中心軸線の方向にスライド可能なアーマチュアディスクと、
前記スライドディスクを挟み、前記アーマチュアディスクを前記固定ディスクに押し付けることにより、前記回転軸の回転を拘束している付勢部材と、
前記回転軸の回転拘束状態を解除するために、前記付勢部材の付勢力に逆らって前記アーマチュアディスクを前記スライドディスクから離れる方向に吸引する磁力を発生可能な電磁石と、
前記スライドディスクの両面、または、前記固定ディスクおよび前記アーマチュアディスクにおける前記スライドディスク側の表面に形成された摩擦面とを有し、
前記スライドディスクは磁性材料から形成されており、
前記アーマチュアディスクには磁気透過部が形成されており、
当該磁気透過部を介して、前記スライドディスクは前記磁力によって吸引されて、前記固定ディスクから離れた状態に保持されるようになっていることを特徴としている。
ここで、前記アーマチュアディスクに形成した貫通孔あるいは切り欠き部分を、前記磁気透過部として用いることができる。
また、前記電磁石のヨークが、前記中心軸線を中心とする円環状端面を備えたヨークを備えている場合には、前記アーマチュアディスクの前記円環状端面に対峙する位置において、円周方向に沿って、等角度間隔に形成された前記貫通孔を、磁気透過部として用いることができる。
次に、本発明の電磁ブレーキ装置は、前記磁力によって吸引された前記スライドディスクを前記アーマチュアディスクに接触しないスライド位置に保持する保持機構を有していることを特徴としている。
前記保持機構は、前記回転軸の側に形成した回転軸側係合部と、前記スライドディスクが前記アーマチュアディスクの側にスライドすると前記回転軸側係合部に当接する前記スライドディスクの側に形成したディスク側係合部から構成することができる。
また、スライドディスクが、前記回転軸の外周面に同心状態で固定した筒状ハブを介して前記回転軸に取り付けられている場合には、前記保持機構の前記回転軸側係合部を、前記回転軸の外周面に同心状態で固定した筒状ハブの外周面に形成した段面とし、前記ディスク側係合部を、前記スライドディスクに形成した前記円筒ハブが挿入される中心孔の内周縁部分とすることができる。
本発明の電磁ブレーキ装置では、電磁石とスライドディスクの間を磁気的に遮断した状態を形成しているアーマチュアディスクに磁気透過部を形成し、スライドディスクを磁性材料から形成している。したがって、電磁石によってアーマチュアディスクが吸引される場合、すなわち、ブレーキ解除状態では、磁性材料からなるスライドディスクも同時に吸引される。したがって、回転軸と一体回転するスライドディスクは固定ディスクから離れたスライド位置に保持される。したがって、本発明によれば、回転軸と一体回転するスライドディスクが、固定ディスクに接触しながら回転することを回避できる。よって、接触状態での回転に伴う騒音の発生、および摩耗粉の発生を防止できる。
また、保持機構を備えている場合には、回転軸と一体回転するスライドディスクが、固定ディスクおよびアーマチュアディスクから離れた位置に保持されるので、これらと接触しながら回転することを回避できる。よって、接触状態での回転に伴う騒音および摩耗粉の発生を確実に防止できる。
さらに、本発明によれば、アーマチュアディスクに開けた貫通穴などによって磁気透過部を形成し、スライドディスクを磁性材料から形成することにより、スライドディスクを電磁石によって吸引して、固定ディスクに接触させないようにしている。したがって、部品点数の増加を招くことなく、しかも、簡単な構成により、ブレーキ解除状態におけるスライドディスクと固定ディスクの接触を回避できるという利点がある。
以下に、図面を参照して、本発明を適用した電磁ブレーキ装置の実施例を説明する。
図1Aおよび1Bは本例の電磁ブレーキ装置を示す断面図および端面部であり、図2はその分解斜視図である。本例の電磁ブレーキ装置1は、例えば、モータ2の回転軸3に取り付けられており、当該回転軸3を回転拘束状態(ブレーキ状態)および回転自在状態(ブレーキ解除状態)に切り替えるために用いられる。
(全体構成)
電磁ブレーキ装置1は、電磁石4と、アーマチュアディスク5と、摩擦ディスク6(スライドディスク)と、固定ディスク7とを有し、これらがモータ2の側から回転軸3の中心軸線3aの方向にこの順序に配列されている。摩擦ディスク6は両面に摩擦面が形成されており、筒状ハブ8を介して、制御対象の回転軸3に一体回転するように取り付けられている。摩擦ディスク6の後側に対向配置されているアーマチュアディスク5は複数のコイルばね9(付勢部材)によって摩擦ディスク5の側に押し付けられている。
電磁ブレーキ装置1は、電磁石4と、アーマチュアディスク5と、摩擦ディスク6(スライドディスク)と、固定ディスク7とを有し、これらがモータ2の側から回転軸3の中心軸線3aの方向にこの順序に配列されている。摩擦ディスク6は両面に摩擦面が形成されており、筒状ハブ8を介して、制御対象の回転軸3に一体回転するように取り付けられている。摩擦ディスク6の後側に対向配置されているアーマチュアディスク5は複数のコイルばね9(付勢部材)によって摩擦ディスク5の側に押し付けられている。
アーマチュアディスク5および摩擦ディスク6は回転軸3の中心軸線3aの方向にスライド可能である。これに対して、摩擦ディスク6の前側に対向配置されている固定ディスク7の位置は固定されている。したがって、コイルばね9のばね力によって、アーマチュアディスク5がスライドして、摩擦ディスク6を固定ディスク7に押し付けた状態が形成されている。この結果、回転軸3と一体回転する摩擦ディスク6が、所定の押し付け力で固定ディスク7とアーマチュアディスク5の間に挟まれ、これらの間に発生する摩擦力によって、回転軸3のブレーキ状態が形成されている。
アーマチュアディスク5の後側に配置されている電磁石4を励磁すると、強磁性材料からなるアーマチュアディスク5がコイルばね9のばね力に逆らって磁力によって後側に吸引される。この結果、アーマチュアディスク5が固定ディスク7から離れる方向にスライドして、固定ディスク7とアーマチュアディスク5による回転拘束状態から摩擦ディスク6が開放され、摩擦ディスク6と一体回転する回転軸3がブレーキ解除状態に切り換わる。電磁石4を消磁すると、電磁ブレーキ装置1は回転軸3の回転を拘束したブレーキ状態に戻る。
(各部の構成)
次に、各部の構成を詳細に説明する。まず、電磁石4はヨーク41およびコイル42を備えている。ヨーク41は全体として円環形状をしており、その前端面には、一定の深さの円環状凹部43が開口している。この円環状凹部43に円環状にコイル42が装着され、封止材44によって封止されている。ヨーク41の外側円筒部45には、その中心軸線に平行な方向に貫通して延びるねじ挿通孔46が等角度間隔で形成されている。本例では、120度間隔で3個のねじ挿通孔46が形成されている。ヨーク41の中心を貫通している中心孔41bに回転軸3を差し込み、各ねじ挿通孔46に前側から差し込んだ固定ねじ47を、モータ前面の対応部位に形成されているねじ孔にねじ込み固定することにより、電磁石4がモータ前面に同軸状態に固定される。
次に、各部の構成を詳細に説明する。まず、電磁石4はヨーク41およびコイル42を備えている。ヨーク41は全体として円環形状をしており、その前端面には、一定の深さの円環状凹部43が開口している。この円環状凹部43に円環状にコイル42が装着され、封止材44によって封止されている。ヨーク41の外側円筒部45には、その中心軸線に平行な方向に貫通して延びるねじ挿通孔46が等角度間隔で形成されている。本例では、120度間隔で3個のねじ挿通孔46が形成されている。ヨーク41の中心を貫通している中心孔41bに回転軸3を差し込み、各ねじ挿通孔46に前側から差し込んだ固定ねじ47を、モータ前面の対応部位に形成されているねじ孔にねじ込み固定することにより、電磁石4がモータ前面に同軸状態に固定される。
ヨーク41の外側円筒部45には、ねじ挿通孔46から60度オフセットした位置に、ねじ孔48が形成されている。各ねじ孔48は、外側円筒部45の円環状端面45aから一定の深さを有するねじ孔である。また、当該円環状端面45aには、等角度間隔で、中心軸線方向に延びる所定深さのばね装着用の円形凹部49が形成されている。本例では、ねじ挿通孔46およびねじ孔48に干渉しないように、これらに対して30度オフセットした部位において60度の角度間隔で6個形成されている。各円形凹部49にコイルばね9が装着される。
次に、最も前側に配置されている固定ディスク7は、電磁石4とほぼ同一の外径寸法のものであり、中心を貫通している中心孔71と、その外周縁部分に沿って、120度の角度間隔で形成された3個のねじ穴72を備えている。固定ディスク7の前方からは、3本の締結ねじ73が、ねじ孔72および所定長さの円筒スペーサ74を通って、電磁石4の前面に形成されているねじ孔48にねじ込み固定されている。したがって、固定ディスク7は、円筒スペーサ74を挟み、電磁石前面から一定の距離の所に固定されている。なお、固定ディスク7の外周縁部分には、ねじ孔72に対して60度オフセットした3箇所の部位にU状に切り欠いたU溝75が形成されている。このU溝75は、電磁石固定用の固定ねじ47をねじ込む際に利用するドライバ差し込み溝である。
電磁石4と、この前面に対して一定の間隔を開けて固定した固定ディスク7の間において、電磁石4の側に配置されているアーマチュアディスク5は強磁性材料から形成されている。アーマチュアディスク5はヨーク41の外径寸法とほぼ同一寸法のものであり、その中心孔51はヨーク中心穴とほぼ同一径である。また、アーマチュアディスク5には、ヨーク41の円環状凹部43に対峙する部位に、等角度間隔で磁気透過部として機能する複数個の貫通孔52が形成されている。本例では、90度間隔で4個の貫通孔52が形成されている。さらに、アーマチュアディスク5の外周縁には、120度の角度間隔でU状に切り欠かれた3個のU溝54が形成されている。また、U溝54に対して60度オフセットした角度位置には3個のU溝55が形成されている。
3個のU溝54には、円筒スペーサがスライド可能な状態で中心軸線の方向に通っている。したがって、アーマチュアディスク5は、円筒スペーサによって、電磁石4に対して同軸状態に保持されていると共に、中心軸線の方向にスライド可能な状態で保持されている。なお、残りの3個のU溝55は、電磁石固定用の固定ねじ47をねじ込む際に利用するドライバ差し込み溝である。
次に、アーマチュアディスク5の前側に位置する摩擦ディスク6は、中心穴61が形成されたライニング保持ディスク62と、このライニング保持ディスク62の前側端面および後側端面に形成されている高摩擦材料からなるライニング層63、64とを備えている。ライニング層63、64は一定幅で円環状に形成されており、摩擦ディスク6の摩擦面を形成している。摩擦ディスク6の外径寸法は、U状溝74、54および固定ねじに干渉しないように、固定ディスク7およびアーマチュアディスク5よりも小径とされている。
摩擦ディスク6を回転軸3に取り付けている円筒ハブ8は、回転軸3をはめ込み可能な大きさの中心貫通孔81を備えており、ここに差し通された回転軸3に、固定ねじ82によって締結固定されている。また、円筒ハブ8は、その後端部分が円形外周面を備えた円形輪郭部分83とされ、それ以外の部分は、当該円形輪郭部分83と同一外径の外周面を90度の角度間隔で平坦に切除して得られるほぼ矩形の輪郭形状をした矩形輪郭部分84となっており、これらの間には、前方に面する段面85が形成されている。
摩擦ディスク6の中心孔は矩形輪郭部分83をスライド可能状態で受け入れる相補的な内周面形状をしている。よって、摩擦ディスク6は、円筒ハブ8に対して、一体回転すると共に、中心軸線の方向にスライド可能な状態で取り付けられている。また、摩擦ディスク6が後側(アーマチュアディスク5の側)にスライドすると、その矩形の中心孔の内周縁部分61aが段面85に当り、摩擦ディスク6のスライドが規制される。
ここで、電磁石前面に形成されたばね装着用の円形凹部49にはコイルねじ9が装着されており、それらの前半部分が中心軸線の方向に突出して、アーマチュアディスク5の後面に当っている。したがって、アーマチュアディスク5はコイルばね9のばね力によって、常に、前方に押し付けられている。電磁石前面と固定ディスク7の間隔は、コイルばね9のばね力によって、摩擦ディスク6を挟み、アーマチュアディスク5が所定の押し付け力によって固定ディスク7の側に押し付けられた状態が形成されるように、設定されている。
(動作説明)
図3A、3Bを参照して電磁ブレーキ装置1の動作を説明する。まず、電磁石4が非励磁状態においては、図3Aに示すように、コイルばね9のばね力によって、アーマチュアディスク5および摩擦ディスク6が固定ディスク7に押し付けられている。この結果、これらの間に発生する摩擦力によって、摩擦ディスク6を介して回転軸3にブレーキ力が作用する。よって、回転軸3は回転拘束状態(ブレーキ状態)に保持される。
図3A、3Bを参照して電磁ブレーキ装置1の動作を説明する。まず、電磁石4が非励磁状態においては、図3Aに示すように、コイルばね9のばね力によって、アーマチュアディスク5および摩擦ディスク6が固定ディスク7に押し付けられている。この結果、これらの間に発生する摩擦力によって、摩擦ディスク6を介して回転軸3にブレーキ力が作用する。よって、回転軸3は回転拘束状態(ブレーキ状態)に保持される。
この状態において、電磁石4を励磁すると、図3Bに示すように、発生する磁力によってアーマチュアディスク5が吸引されて後方に所定量だけスライドする。この結果、摩擦ディスク6は、固定ディスク7とアーマチュアディスク5の間に挟まれた回転拘束状態から開放され、回転軸3が回転自在状態(ブレーキ解除状態)に切り換わる。
ここで、強磁性材料からなるアーマチュアディスク5には4個の円形貫通孔52が形成されているので、ここを介して、前側に位置している摩擦ディスク6にも磁力が作用する。よって、磁性材料からなる摩擦ディスク6も吸引されて、後方にスライドする。また、摩擦ディスク6が摺動する円筒ハブ8の外周面には段面85が形成されており、摩擦ディスク6のスライドは段面85に当ると阻止される。
本例では、図3Bに示すように、段面85によってスライドが阻止された摩擦ディスク6が、アーマチュアディスク5に接触しない位置となるようにしてある。したがって、本例の電磁ブレーキ装置1では、ブレーキ解除状態において、摩擦ディスク6は、電磁石4による磁力によって、段面85に押し付けられた状態となり、そのスライド方向の位置が固定される。よって、回転軸3が回転している状態において、それと一体回転している摩擦ディスク6が、アーマチュアディスク5あるいは固定ディスク7に接触しながら回転して、騒音や摩耗が発生するという弊害を防止できる。
(その他の実施の形態)
なお、上記の例は本発明の一例を示すものであり、本発明は当該実施例の各構成に限定されるものではない。例えば、アーマチュアディスク5に形成される磁気透過部としては、貫通孔の代わりに、当該ディスクを、その外周面あるいは内周面から所定の深さに切り欠くことにより形成した切り欠き溝であってもよい。また、摩擦ディスク6のスライドを阻止するための保持機構は、段面85と摩擦ディスク側の内周縁部分61aとの係合構造としてあるが、これ以外の機構であってもよい。例えば、筒状ハブ8を同一径の円筒部材から形成し、その後端に一回り大きな径の円環を同軸状態に固定して、当該円環によって摩擦ディスク6のスライドを阻止してもよい。
なお、上記の例は本発明の一例を示すものであり、本発明は当該実施例の各構成に限定されるものではない。例えば、アーマチュアディスク5に形成される磁気透過部としては、貫通孔の代わりに、当該ディスクを、その外周面あるいは内周面から所定の深さに切り欠くことにより形成した切り欠き溝であってもよい。また、摩擦ディスク6のスライドを阻止するための保持機構は、段面85と摩擦ディスク側の内周縁部分61aとの係合構造としてあるが、これ以外の機構であってもよい。例えば、筒状ハブ8を同一径の円筒部材から形成し、その後端に一回り大きな径の円環を同軸状態に固定して、当該円環によって摩擦ディスク6のスライドを阻止してもよい。
次に、上記の例では、スライドディスクとして、両面に摩擦面が形成された摩擦ディスクを用いている。この代わりに、アーマチュアディスクにおけるスライドディスク側の面に摩擦面を形成すると共に、固定ディスクにおけるスライドディスク側の面に摩擦面を形成し、スライドディスクを磁性材料からなる円盤形状のものとすることも可能である。
1 電磁ブレーキ装置
2 モータ
3 モータの回転軸
3a 中心軸線
4 電磁石
41 ヨーク
42 コイル
5 アーマチュアディスク
52 貫通孔(磁気透過部)
6 摩擦ディスク(スライドディスク)
61 ライニング保持ディスク
61a 中心孔の内周縁部分
63、64 ライニング層
7 固定ディスク
8 円筒ハブ
85 段面
2 モータ
3 モータの回転軸
3a 中心軸線
4 電磁石
41 ヨーク
42 コイル
5 アーマチュアディスク
52 貫通孔(磁気透過部)
6 摩擦ディスク(スライドディスク)
61 ライニング保持ディスク
61a 中心孔の内周縁部分
63、64 ライニング層
7 固定ディスク
8 円筒ハブ
85 段面
Claims (6)
- 回転軸と一体回転すると共に当該回転軸の中心軸線の方向にスライド可能なスライドディスクと、
前記スライドディスクの一方の側に同軸状態に対向配置された固定ディスクと、
前記スライドディスクの他方の側に同軸状態に対向配置され、前記中心軸線の方向にスライド可能なアーマチュアディスクと、
前記スライドディスクを挟み、前記アーマチュアディスクを前記固定ディスクに押し付けることにより、前記回転軸の回転を拘束している付勢部材と、
前記回転軸の回転拘束状態を解除するために、前記付勢部材の付勢力に逆らって前記アーマチュアディスクを前記スライドディスクから離れる方向に吸引する磁力を発生可能な電磁石と、
前記スライドディスクの両面、または、前記固定ディスクおよび前記アーマチュアディスクにおける前記スライドディスク側の表面に形成された摩擦面とを有し、
前記スライドディスクは磁性材料から形成されており、
前記アーマチュアディスクには磁気透過部が形成されており、
当該磁気透過部を介して、前記スライドディスクは前記磁力によって吸引されて、前記固定ディスクから離れた状態に保持されるようになっていることを特徴とする電磁ブレーキ装置。 - 請求項1において、
前記磁気透過部は、前記アーマチュアディスクに形成した貫通孔あるいは切り欠き部分であることを特徴とする電磁ブレーキ装置。 - 請求項2において、
前記電磁石は前記中心軸線を中心とする円環状端面を備えたヨークを備えており、
前記アーマチュアディスクの前記磁気透過部は、前記円環状端面に対峙する位置において、円周方向に沿って、等角度間隔に形成された前記貫通孔であることを特徴とする電磁ブレーキ装置。 - 請求項1、2または3において、
前記磁力によって吸引された前記スライドディスクを前記アーマチュアディスクに接触しないスライド位置に保持する保持機構を有していることを特徴とする電磁ブレーキ装置。 - 請求項4において、
前記保持機構は、前記回転軸の側に形成した回転軸側係合部と、前記スライドディスクが前記アーマチュアディスクの側にスライドすると前記回転軸側係合部に当接する前記スライドディスクの側に形成したディスク側係合部とを備えていることを特徴とする電磁ブレーキ装置。 - 請求項5において、
前記回転軸側係合部は、前記回転軸の外周面に同心状態で固定した筒状ハブの外周面に形成した段面であり、
前記ディスク側係合部は、前記筒状ハブが挿入される前記スライドディスクに形成した中心孔の内周縁部分であることを特徴とする電磁ブレーキ装置。
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CN113410028A (zh) * | 2021-06-11 | 2021-09-17 | 河南龙键电力装备有限公司 | 一种减震降噪型电力变压器 |
KR102339593B1 (ko) * | 2021-02-26 | 2021-12-16 | (주)삼성정밀 | 전자브레이크 |
KR102339613B1 (ko) * | 2021-02-26 | 2021-12-16 | (주)삼성정밀 | 전자 브레이크 동작구조 |
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