JP2019199529A - 延伸多孔フィルム - Google Patents
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Abstract
Description
中でもポリオレフィン系重合体(ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリフッ化ビニリデン等)は、疎水性のために耐水性が高いため、水系濾過膜の素材として適しており、多用されている。
例えば、特許文献1では、ポリプロピレン系樹脂にポリオレフィン・ポリスチレン系エラストマーを含有するシートを二軸延伸して多孔膜を得ることが開示されている。
なお、本発明における数値範囲の上限値及び下限値は、本発明が特性する数値範囲内から僅かに外れる場合であっても、当該数値範囲内と同様の作用効果を備えている限り本発明の均等範囲に包含するものである。また、本発明における主成分とは、80質量% 以上、好ましくは90質量%以上、更に好ましくは95質量%以上含有することである。
本発明の延伸多孔フィルム(以下、「本フィルム」と称することがある。)は、ポリプロピレン(A)、及び、ビニル芳香族エラストマー(B)を含む延伸多孔フィルムであって、該ポリプロピレン(A)は、貯蔵弾性率が1.70×109Pa以上3.00×109Pa以下であり、温度230℃、荷重2.16kgにおけるメルトフローレート(MFR)が3.0g/10分以上40g/10分以下であり、平均細孔径が0.20μm以上1.00μm以下である延伸多孔フィルムである。
以下、本発明の延伸多孔フィルムについて記載する。
本フィルムの平均細孔径は、0.20μm以上が好ましく、0.25μm以上がより好ましく、0.30μm以上であることが更に好ましく、0.40μm以上であることが特に好ましい。一方上限に関しては1.00μm以下が好ましく、0.95μm以下がより好ましく、0.90μm以下であることが更に好ましい。0.20μm以上であることで本フィルムの濾過速度が優れたものとなる。1.00μm以下であることで、濾過精度が高いフィルムとすることができる。
平均細孔径は、後述するように、用いる樹脂の種類、延伸条件により調整可能である。
ここで平均細孔径は、パームポロメーター(Porous Materials社製)を用いて測定するものであり、試液としてポリヘキサフルオロプロペン系液体「GALWICK」(Porous Materials社製、表面張力:15.6dynes/cm)を使用し、ASTM F316−86に準拠して測定したものである。
本フィルムの厚みは、特に制限されるものではないが、50μm以上が好ましく、100μm以上がより好ましい。一方、上限は300μm以下が好ましく、200μm以下がより好ましい。厚みが50μm以上であれば、充分な強度を有することができる。また、厚みが300mm以下であれば、小型化・軽量化が求められる用途に対しても使用が容易である。
空孔率は多孔構造を規定する為の重要な要素であり、本フィルムにおける多孔層の空間部分の割合を示すものである。一般に空孔率が高いほど、優れたろ過速度を有することが知られており、本フィルムは、空孔率が50%以上であり、好ましくは60%以上、より好ましくは65%以上である。上限に関しては98%以下が好ましく、95%以下がより好ましい。空孔率が50%以上であれば、求める多孔機能を有した多孔フィルムとすることができる。
空孔率は、用いる樹脂の種類、延伸条件により調整可能である。
ここで空孔率は、得られた延伸多孔フィルムの実質量W1を測定する一方、フィルムを構成する組成物の密度と厚みから空孔率0%の場合の質量W0を計算し、このW0、W1から、下記式に基づき算出したものである。
空孔率(%)={(W0−W1)/W0}×100
本フィルムの透気度は、好ましくは50秒/100cc以下、より好ましくは45秒/100cc以下、更に好ましくは40秒/100cc以下である。透気度が上記範囲であれば、強度と多孔性を両立した多孔フィルムを得ることができるため好ましい。一方、透気度の下限に関しては特に制限はないが、通常1秒/100cc以上である。
本フィルムにおいては、酸化防止剤の溶出量が1450ppm以下であるのがが好ましく、1400ppm以下であるのがより好ましく、1350ppmが更に好ましい。1300ppm以下であることで、濾過後の濾液の汚染が少なく、フィルター用途に使用できるろ過膜とすることができる。用いる材料の種類によって、溶出量を調整することができる。
本フィルムの濾過速度は20ml/min・cm2以上200ml/min・cm2以下であることが好ましい。下限については、40ml/min・cm2以上がより好ましく、60ml/min・cm2以上であることが更に好ましい。上限については、180ml/min・cm2以下がより好ましく、160ml/min・cm2以下であることが更に好ましい。20ml/min・cm2以上であることで、フィルター用途に実用化できる濾過速度となる。一方、200ml/min・cm2以下であることで、濾過精度が高いフィルムとすることができる。
濾過速度は、平均細孔径により調整可能である。
ここで濾過速度とは、25℃の空気雰囲気下において有効濾過面積(A)9.6cm2とし、所定の体積(V)100ccのアセトンが0.07MPaの減圧力にて多孔質フィルムを通過することまでの時間(t)を測定し、下記式に基づき算出したものである。
濾過速度=V×60/t×A
(ポリプロピレン(A))
本発明におけるポリプロピレン(A)としては、ホモポリプロピレン(プロピレン単独重合体)、またはプロピレンとエチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1―ヘプテン、1−オクテン、1−ノネンもしくは1−デセンなどα−オレフィンとのランダム共重合体またはブロック共重合体などが挙げられる。
本発明において用いられるポリプロピレン(A)は、ホモポリプロピレンを用いることが好ましい。ホモポリプロピレンを選択することで、フィルター用途としての機械的強度を十分に確保できる。
弾性率は、用いる樹脂の種類により調整可能である。
ここで貯蔵弾性率は、歪み0.1%、周波数10Hz、昇温速度3℃/分、20℃の条件にて動的粘弾性の温度分散測定(JIS K7198A法の動的粘弾性測定)によって得られるものである。
本発明は、ポリプロピレンのMFRが大きいものを用いることで、平均細孔径が大きく濾過速度に優れた多孔化フィルムが得られることを見出したものである。つまり、同程度の貯蔵弾性率であっても、MFRが高いポリプロピレンを用いることで平均細孔径が大きく濾過速度に優れた多孔化フィルムが得られる。
MFRが大きいポリプロピレンを用いた場合、、延伸時の延伸応力がポリプロピレン部分に比較的集中し、界面部分の破壊が起こりにくくなると予想されていたことから、この効果は驚くべきものである。
メタロセン系ポリプロピレンは、低分子量成分の含有が少なく、異物の発生が少なくなるためフィルター関連用途への使用に好適である。
なお、ポリプロピレン(A)のMFRはJIS K7210に準拠して温度230℃で荷重2.16kgの条件で測定したものである。
本発明の延伸多孔フィルムはビニル芳香族エラストマー(B)を含むことが重要である。ビニル芳香族エラストマー(B)を含むことにより、効率的に微細で均一性の高い多孔構造が得られ、空孔の形状や孔径を制御し易くなる。
ここで、ビニル芳香族エラストマー(B)のMFRはJIS K7210に準拠して温度230℃、荷重2.16kgの条件で測定したものである。
ポリプロピレン(A)が85質量部以下、かつ、ビニル芳香族エラストマー(B)が15質量%以上であることによって、ポリプロピレン(A)とビニル芳香族エラストマー(B)を混合したフィルムを延伸した際に空孔が生じやすくなる。一方、ポリプロピレン(A)が55質量部以上、かつ、ビニル芳香族エラストマー(B)が45質量部以下であることによって、ポリプロピレン(A)とビニル芳香族エラストマー(B)を混合した際に、ビニル芳香族エラストマー(B)同士が適度に分散し、延伸により多孔部分が多く生成しやすくなる。
本発明では、ポリプロピレン(A)に結晶核剤(C)を更に含有することが好ましい。結晶核剤(C)を含有することにより、前記ポリプロピレン(A)の結晶化が促進され、結晶構造が緻密に均一化する。それゆえ、延伸前の組成物における前記ポリプロピレン(A)は緻密に均一化した結晶部と、該結晶部間に存在する非晶部とからなり、前記スチレン系熱可塑性エラストマー(B)は前記ポリプロピレン(A)の非晶部に多く存在する。そのため、延伸により前記ポリプロピレン(A)の緻密な結晶部と前記スチレン系熱可塑性エラストマー(B)との界面で生じる多孔化は、マトリックスの結晶化に伴う弾性率の向上によって容易になり、かつ、結晶の緻密な均一化によって、得られる多孔構造も緻密で均一な多孔構造を形成しやすくなる。
本フィルムを構成する原料としてには、本発明の効果を損なわない範囲において、前記のポリプロピレン(A)及びビニル芳香族エラストマー(B)以外の成分、例えばポリプロピレン(A)以外の他の樹脂を含有することを許容することができる。
他の樹脂としては、ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、塩素化ポリエチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアセタール系樹脂、アクリル系樹脂、エチレン酢酸ビニル共重合体、ポリメチルペンテン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、環状オレフィン系樹脂、ポリ乳酸系樹脂、ポリブチレンサクシネート系樹脂、ポリアクリロニトリル系樹脂、ポリエチレンオキサイド系樹脂、セルロース系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリフェニレンスルフィド系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリビニルアセタール系樹脂、ポリブタジエン系樹脂、ポリブテン系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリアミドビスマレイミド系樹脂、ポリアリレート系樹脂、ポリエーテルイミド系樹脂、ポリエーテルエーテルケトン系樹脂、ポリエーテルケトン系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリケトン系樹脂、ポリサルフォン系樹脂、アラミド系樹脂、フッ素系樹脂等が挙げられる。
本発明のフィルムは、まず、原料を混合し、実質的に未延伸のシートを、押出方法にて製造する。
原料の混合方法は、一軸または二軸押出機、バンバリーミキサー、ミル、ニーダーブレンダーなど、各種公知の方法を採用することができ、これらの方法を用いて、あらかじめ各成分を溶融混合し、ペレット状に加工したものを押出成形に用いてもよいし、溶融混合し直接押出成形を行ってもよい。
押出方法としては、Tダイ押出成形、インフレーション成形、カレンダー成形、スカイフ法等の各種成形方法を採用し得るが、中でも、本発明のフィルムに要求される物性や用途の観点からは、Tダイ押出成形が好ましい。
得られた未延伸フィルムを一軸延伸、又は、二軸延伸を行う。一軸延伸は縦一軸延伸であってもよいし、横一軸延伸であってもよい。二軸延伸は同時二軸延伸であってもよいし、逐次二軸延伸であってもよい。未延伸フィルムの組成、厚み、および延伸倍率を変更することにより、作成される積層多孔フィルムの厚み、空孔率を調整することができる点が本発明の一つの利点である。本発明の目的である本フィルムを作製する場合には、各延伸工程で延伸条件を選択でき、多孔構造を制御し易い逐次二軸延伸がより好ましい。なお、膜状物の流れ方向(MD)への延伸を「縦方向の延伸」といい、流れ方向に対して垂直方向(TD)への延伸を「横方向の延伸」という。横延伸は、延伸区間となる一対の駆動ロールの速度差を利用して行う方法が好ましいが、これに限定されるものではない。 一方、横延伸に用いる装置は、クリップ式テンターを用いることが好ましい。但しこれに限定するものではない。
未延伸フィルムを好ましくは0℃〜60℃、より好ましくは10〜40℃の温度で、好ましくは縦方向に1.1倍以上4.5倍未満、より好ましくは、1.2倍以上4.0倍未満の範囲で延伸する。0℃以下で延伸した場合はフィルムが破断する傾向があり、また、60℃を超える温度で延伸した場合は、得られる延伸フィルムの空孔率が低くなる傾向がある。また、本実施の形態で得られる多孔フィルムの透過性が向上することから、上記延伸工程を実施する前に、フィルム成形工程で得られたフィルムを一定の温度範囲で一定時間熱処理しても良い。
上記クリップ走行装置は縦延伸フィルムの両端部を一対のクリップで掴んで搬送すると同時に、グリップ走行装置のガイドレールが開いて2列のグリップ間の距離を広げることにより当該フィルムを延伸する。
上記オーブンは、流れ方向にいくつかのゾーンに区切られており、ゾーンごとに設定温度又は熱風の風量を変えられることが望ましい。上流側から、予熱ゾーンを設けて縦延伸フィルムを延伸可能な温度にまで加熱し、延伸ゾーンで延伸し、延伸後に必要に応じて熱処理ゾーンを設けて熱処理し、オーブンから前記フィルムが出て常温に曝される前に徐冷ゾーンを設けられる。
本発明のフィルターは、上記のような本発明の本フィルムを備えるものである。本発明のフィルターは、本発明の積層多孔フィルムのみの構造であってもよく、他の層と組み合わせた構造であってもよい。本発明のフィルターは、水或いはアセトンといった水系溶媒、ハロゲン化物、エステル類、エーテル、ベンゼン、トルエンといった石油系溶剤を生成するためのフィルター、具体的には、自動車産業(電着塗料)回収再利用システム)、半導体産業(超純水製造)、医薬・食品産業(除菌、酵素精製)などにおいて使用される精密濾過膜として有用である。
・A−1;ポリプロピレン(MFR(230℃、2.16kg):20g/10分、20℃貯蔵弾性率:2.05×109Pa、密度:0.9g/cm3
・A−2;ポリプロピレン(MFR(230℃、2.16kg):3.5g/10分、20℃貯蔵弾性率:1.67×109Pa、密度:0.9g/cm3
・A−3;ポリプロピレン(MFR(230℃、2.16kg):2.4g/10分、20℃貯蔵弾性率:2.03×108Pa、密度:0.9g/cm3
(ビニル芳香族エラストマー(B))
・B−1;スチレン系熱可塑性エラストマー(スチレン−(エチレン/プロピレン)−スチレンブロック共重合体(SEPS)、MFR(230℃、2.16kg):延伸時に流動せず、スチレン含有量:20質量%)。
・B−2;スチレン系熱可塑性エラストマー(スチレン−(エチレン/プロピレン)共重合体(SEP)、MFR(230℃、2.16kg):0.1g/10分、スチレン含有量:35質量%)。
(結晶核剤(C))
・C−1;α晶核剤(ソルビトール系化合物、グレード名:ゲルオールMD―LM30G、新日本理化社製)
パームポロメーター(Porous Materials社製)を用いて測定した。試液としてポリヘキサフルオロプロペン系液体「GALWICK」(Porous Materials社製、表面張力:15.6dynes/cm)を使用し、ASTM F316−86に準拠して測定した。
得られた延伸フィルムを1/1000mmのダイアルゲージにて、面内を不特定に5箇所測定しその平均を厚みとした。
得られた延伸フィルムの実質量W1を測定し、フィルムを構成する組成物の密度と厚みから空孔率0%の場合の質量W0を計算し、それらの値から下記式に基づき算出した。
空孔率(%)={(W0−W1)/W0}×100
得られた延伸フィルム300cm2を50℃の酢酸ブチル(25ml)に浸漬させ、72時間静置した後、浸漬溶液を0.2μmのフィルターに通しGPC測定を行って得られた溶出量を延伸フィルムの質量にて換算し、定量値とした。
25℃の空気雰囲気下にて、JIS P8117に準拠して透気度を測定した。測定機器として、デジタル型王研式透気度専用機(旭精工社製)を用いた。
(6)濾過速度
25℃の空気雰囲気下において有効濾過面積(A)9.6cm2とし、所定の体積(V)100ccのアセトンが0.07MPaの減圧力にて延伸多孔フィルムを通過することまでの時間(t)を測定した。それらの値から下記式に基づき濾過速度を算出した。
濾過速度=V×60/t×A
ポリプロピレン(A−1)を70質量%、スチレン系熱可塑性エラストマー(B−1)を30質量%、前記ポリプロピレン(A−1)と前記スチレン系熱可塑性エラストマー(B−1)との混合樹脂組成物100質量部に対し、結晶核剤(C−1)を0.1質量部の割合で配合し、2軸押出機に投入し、設定温度230℃で溶融混練後、ストランドダイにてストランド状に賦形した後、ストランドカッターにて裁断し、ペレット化した。
得られたペレットを単軸押出機に投入し、設定温度200℃で溶融混練後、Tダイにてシート状に賦形した後、127℃に設定したキャストロールにて冷却固化を行い、厚み230μmの未延伸シート状物を得た。その後、得られた未延伸シート状物を、20℃に設定したロール(X)と20℃に設定したロール(Y)間において、ドロー比100%(延伸倍率2.0倍)を掛けて低温延伸を行った。次いで、120℃に設定したロール(P)と120℃に設定したロール(Q)間において、ドロー比50%(延伸倍率1.5倍)を掛けて高温延伸を行い、MD延伸フィルムを得た。次いで、得られたMD延伸フィルムを、京都機械社製フィルムテンター設備にて、予熱温度130℃、予熱時間12秒間で予熱した後、延伸温度130℃、3.5倍横方向に延伸した後、140℃で熱処理を行い、二軸延伸多孔フィルムを得た。得られたフィルムの評価結果を表1に示す。
ポリプロピレン(A−1)を70質量%、スチレン系熱可塑性エラストマー(B−2)を30質量%、前記ポリプロピレン(A−1)と前記スチレン系熱可塑性エラストマー(B−1)との混合樹脂組成物100質量部に対し、結晶核剤(C−1)を0.1質量部の割合で配合し、Φ25mm二軸押出機に投入し、設定温度200℃で溶融混練後、Tダイ内からフィルムとして押出し、115℃のキャストロールに密着急冷し、厚み230μmの未延伸シート状物を得た。得られた未延伸シート状物を、20℃に設定したロール(X)と20℃に設定したロール(Y)間において、ドロー比100%(延伸倍率2.0倍)を掛けて低温延伸を行った。次いで、120℃に設定したロール(P)と120℃に設定したロール(Q)間において、ドロー比50%(延伸倍率1.5倍)を掛けて高温延伸を行い、MD延伸フィルムを得た。次いで、得られたMD延伸フィルムを、京都機械社製フィルムテンター設備にて、予熱温度130℃、予熱時間12秒間で予熱した後、延伸温度130℃、3倍横方向に延伸した後、140℃で熱処理を行い、二軸延伸多孔フィルムを得た。得られたフィルムの評価結果を表1に示す。
ポリプロピレン(A−2)を70質量%、スチレン系熱可塑性エラストマー(B−2)を30質量%、前記ポリプロピレン(A−1)と前記スチレン系熱可塑性エラストマー(B−1)との混合樹脂組成物100質量部に対し、結晶核剤(C−1)を0.1質量部の割合で配合し、Φ25mm二軸押出機に投入し、設定温度200℃で溶融混練後、Tダイ内からフィルムとして押出し、95℃のキャストロールに密着急冷し、厚み230μmの未延伸シート状物を得た。得られた未延伸シート状物を、20℃に設定したロール(X)と20℃に設定したロール(Y)間において、ドロー比100%(延伸倍率2.0倍)を掛けて低温延伸を行った。次いで、120℃に設定したロール(P)と120℃に設定したロール(Q)間において、ドロー比50%(延伸倍率1.5倍)を掛けて高温延伸を行い、MD延伸フィルムを得た。次いで、得られたMD延伸フィルムを、京都機械社製フィルムテンター設備にて、予熱温度115℃、予熱時間12秒間で予熱した後、延伸温度115℃、3倍横方向に延伸した後、125℃で熱処理を行い、二軸延伸多孔フィルムを得た。得られたフィルムの評価結果を表1に示す。
ポリプロピレン(A−3)を70質量%、スチレン系熱可塑性エラストマー(B−1)を30質量%用いた以外は実施例1と同様に厚み230μmの未延伸シート状物を得た。得られた未延伸シート状物を、20℃に設定したロール(X)と20℃に設定したロール(Y)間において、ドロー比100%(延伸倍率2.0倍)を掛けて低温延伸を行った。次いで、120℃に設定したロール(P)と120℃に設定したロール(Q)間において、ドロー比50%(延伸倍率1.5倍)を掛けて高温延伸を行い、MD延伸フィルムを得た。次いで、得られたMD延伸フィルムを、京都機械社製フィルムテンター設備にて、予熱温度145℃、予熱時間12秒間で予熱した後、延伸温度145℃、3倍横方向に延伸した後、155℃で熱処理を行い、二軸延伸多孔フィルムを得た。得られたフィルムの評価結果を表1に示す。
ポリプロピレン樹脂(A−3)を70質量%、スチレン系熱可塑性エラストマー(B−2)を30質量%用いた以外は比較例2と同様に二軸延伸多孔フィルムを得た。得られたフィルムの評価結果を表1に示す。
Claims (7)
- ポリプロピレン(A)、及び、ビニル芳香族エラストマー(B)を含む延伸多孔フィルムであって、
該ポリプロピレン(A)は、貯蔵弾性率が1.70×109Pa以上3.00×109Pa以下であり、温度230℃、荷重2.16kgにおけるメルトフローレート(MFR)が3.0g/10分以上40g/10分以下であり、
平均細孔径が0.20μm以上1.00μm以下である延伸多孔フィルム。 - 前記ポリプロピレン(A)はメタロセン系ポリプロピレンである請求項1に記載の延伸多孔フィルム。
- 濾過速度が20ml/min・cm2以上200ml/min・cm2以下である請求項1又は2に記載の延伸多孔フィルム。
- 前記ビニル芳香族エラストマー(B)は、温度230℃、荷重2.16kgにおけるメルトフローレート(MFR)が2.0g/10分以下である請求項1〜3のいずれか1項に記載の延伸多孔フィルム。
- 空孔率が50%以上である請求項1〜4のいずれか1項に記載の延伸多孔フィルム。
- 透気度が50秒/100cc以下である請求項1〜5のいずれか1項に記載の延伸多孔フィルム。
- 請求項1〜6のいずれかに1項に記載の延伸多孔フィルムを備えたフィルター。
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