以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
−塵芥収集車の構成−
図2A及び図2Bは、本発明の実施形態の塵芥収集車1を示し、この塵芥収集車1は、走行可能な車台2と、その車台2上に設けられた運転室3とを備えている。また、塵芥収集車1は、車台2上に架装物として、塵芥収容箱4と、この塵芥収容箱4の後方開口部4aに連設され、塵芥が投入される塵芥投入口7が形成された塵芥投入箱5と、この塵芥投入箱5に設けられて塵芥収容箱4に塵芥を積み込む塵芥積込装置6(図6参照)と、上端位置Aと下端位置B(図6参照)との間をスライド移動することで塵芥投入口7を開閉する投入口カバー8とを備えている。なお、塵芥収容箱4内に前後にスライド移動可能な排出板が設けられていてもよいし、塵芥投入箱5を上側の回動軸を中心に回動させて後方開口部4aを開閉可能に構成してもよいし、塵芥収容箱4を傾動可能に構成してもよいが、以下の説明では、その場合の油圧シリンダ等は省略する。
図6及び図8に示すように、本実施形態の塵芥積込装置6は、例えば、プレス式であり、塵芥投入箱5の両側壁9には溝型鋼で形成された案内溝部材20が補強枠を兼ねて前方上方より後方下部に向かって傾斜するように設けられている。塵芥投入箱5内にはその横幅一杯に広がる昇降板21が収容されている。一方、昇降板21の背面上部の左右端部に設けた支持部には、図7にも2点鎖線で示すように、昇降板支持軸21aが挿通されている。この昇降板支持軸21aが昇降板21の摺動距離に合致して塵芥投入箱5の側壁9に形成された摺動用開口22を越えて側壁9の内側より外側に突出するように配置されている。塵芥投入箱5の側壁9から外側に突出した昇降板支持軸21aと塵芥投入箱5の下部間には、塵芥投入箱5の外側で案内溝部材20の傾斜方向に沿って設けられた昇降シリンダ23が連結されている。この昇降シリンダ23の伸縮作動によって昇降板21を案内溝部材20に沿って上下に往復移動させるようにしている。
昇降板21の下端には、塵芥投入箱5内の横幅一杯に広がる圧縮板24の一端が前後に揺動自在に支持されている。この圧縮板24の先端は前方に向かって若干屈折形成されている。圧縮板24の背面に突設した接続部と昇降板21の背面上部に設けられた支持部との間には、揺動シリンダ25が連結され、この揺動シリンダ25の伸縮作動によって圧縮板24を前後に揺動させるようにしている。なお、塵芥積込装置6は、油圧シリンダで往復回動する押込板と、回転駆動される回転板とを備えた回転板式であってもよい。
図1Bに示すように、投入口カバー8は、略矩形板状を有し、左右両端に設けたローラ8aが左右側壁9の内側に設けたレール部材8bに沿って動くことで、上下にスライド移動可能となっている。
図7に示すように、投入口カバー8の上端部において車幅方向に飛び出す棒状の車幅方向端部8cに板状のリンク部材40の先端が回動可能に連結されている。リンク部材40の他端には、外側アーム部41の先端がアーム連結ピン41aにより回動可能に連結されている。外側アーム部41の基端側は、側面視で昇降シリンダ23と重なる位置に回動可能に支持されている。
外側アーム部41は、基端側のパイプ部材42と、基端側がパイプ部材42の先端に固定され、先端側がリンク部材40の基端側に回動可能に連結される板部材43とを備えている。パイプ部材42は、例えば、鋼製パイプで構成され、側面視で中間部において後方へ折り曲げられ、先端側はさらに側壁9に向かって(車幅方向内側へ)折り曲げられている。板部材43は、例えば車幅方向に一対の鋼板よりなり、パイプ部材42に対し溶接等により固定されている。これら一対の鋼板の間をリンク部材40が回動可能となっている。
外側アーム部41の基端側は、側壁9における昇降シリンダ23と塵芥投入口7との間に設けられたアーム取付ブラケット44に回動可能に連結されている。アーム取付ブラケット44は、例えば基端が側壁9に固定された角錐台44aを備え、図4にも示すように、この角錐台44aの先端は、昇降シリンダ23よりも車幅方向外側まで延び、板状の先端部44bが一体に設けられている。板状の先端部44bは、図7に示すように、側面視で昇降シリンダ23のピストンロッド23aと重なる位置まで前方に向かって下方へ延び、この先端部44bがパイプ部材42の基端側と回動可能に連結されている。
図8に示すように、塵芥投入箱5における塵芥積込装置6の上方には、塵芥投入箱5の左右側壁9をつなぐクロスバー10が設けられている。「塵芥積込装置6の上方」とは、塵芥積込装置6の上方のスペースを意味し、塵芥積込装置6の一部(例えば、昇降シリンダ23の一部)が側面視でクロスバー10よりも高い位置にあってもよい。クロスバー10は、例えば、剛性を保つためにある程度の厚さを有する鋼管よりなるが、棒鋼で構成されていてもよい。
図1A〜図5に示すように、この左右に延びるクロスバー10の左右中央よりも背面から見て右側には、電動モータ等よりなる駆動モータ11が固定されている。駆動モータ11の電力は、例えば車台2側のバッテリBT(図10参照)から供給される。図5にも示すように、駆動モータ11の出力軸11aには、駆動プーリ11bが回転一体に設けられている。駆動モータ11は、モータ取付ブラケット11cを介してクロスバー10に固定されている。この駆動プーリ11bに伝動部材としての伝動ベルト12が掛けられている。一方、図1Bにも示すように、駆動プーリ11bの上方で、塵芥積込装置6の上側には、ベアリングを内蔵した上側支持部13を介して従動プーリ13aが回転可能に支持されている。従動プーリ13aは、左右側壁9の中央から左右いずれか一方にずれた位置(図1Bでは、前方から見て左側)に設けられている。この従動プーリ13aに伝動ベルト12の上端側が掛けられている。このように伝動ベルト12は、上下に延びて駆動プーリ11bと従動プーリ13aとの間で駆動モータ11によって駆動されるようになっている。
そして、内側アーム部14の一端14aが伝動ベルト12に回動可能に連結されている。具体的には、図5に示すように、伝動ベルト12の所定位置に固定された固定部14cには、上側アーム支持部14dが設けられ、この上側アーム支持部14dに内側アーム部14の一端14aが回動可能に支持されている。一方、内側アーム部14の他端14bは、投入口カバー8の上端側に設けた下側アーム支持部14eに回動可能に連結されている。図1Bに示すように、下側アーム支持部14eは、投入口カバー8のコ字状断面のアーム取付ブラケット8dに固定されている。これにより、伝動ベルト12の駆動に合わせて内側アーム部14が上下に移動するようになっている。
すなわち、駆動モータ11を制御して伝動ベルト12を駆動させることで、内側アーム部14が上下に移動し、それによって投入口カバー8が図7に示す上端位置Aと下端位置Bとの間でスライド移動し、塵芥投入口7が開閉されるようになっている。
駆動モータ11の制御は、制御部としてのPLC15及びコントロールボード16が行う。図10に簡略化して示すように、PLC15は、プログラマブル・ロジック・コントローラ(programmable logic controller)であり、適宜プログラムを書き換えることが可能となっている。コントロールボード16は、例えば、マイコン(マイクロコンピュータ)及びDACを含む。DACは「Digital Analog Converter」の略で、「D/Aコンバーター」ともいわれ、デジタル信号をアナログ信号に変換する回路又はコンポーネントを意味する。コントロールボード16は、ドライバ17に接続され、ドライバ17が駆動モータ11に接続されている。
図1A及び図1Bに示すように、塵芥投入箱5内には、投入口カバー8が上端位置A又は下端位置Bの手前に移動してきたのを検知する上側センサ18及び下側センサ19がそれぞれ設けられている。具体的には後述するが、下側センサ19は、塵芥投入口7の上縁よりも少し上方のクロスバー10の近傍に設けられている。上側センサ18は、塵芥投入箱5内部の上端部に設けられている。
一方、投入口カバー8の上辺の上側センサ18及び下側センサ19に対応する位置には、上下に延びるプレート状の被検知板26が設けられている。この被検知板26が上側センサ18及び下側センサ19の近傍に移動したときに、その存在が検出されるようになっている。被検知板26の上下長さは、上側センサ18及び下側センサ19によって検出したい投入口カバー8の高さに合わせて設定すればよい。図9Bにも示すように、PLC15は、上側センサ18又は下側センサ19の信号を受けて駆動モータ11の回転数を低下させるように構成されている。
具体的には、図1Bに示すように、上側センサ18は、投入口カバー8が上端位置Aに来て完全に開くよりも所定位置手前で被検知板26を検出するように、上側センサ取付ブラケット18aを介して塵芥投入箱5の上側に固定されている。図1Aに示すように、上側センサ18は、上側センサ取付ブラケット18aの長孔18b等を利用して上下位置を微調整可能となっている。また、下側センサ19は、投入口カバー8が下端位置Bに来て完全に閉じるよりも所定位置手前で被検知板26を検出するように、クロスバー10に下側センサ取付ブラケット19aを介して取り付けられている。図5に示すように、下側センサ19も、下側センサ取付ブラケット19aの長孔19b等を利用して位置を微調整可能となっている。
次に、塵芥積込装置6等を制御するPLC15に対する入出力状態について、図2A、図2B、図6、図10等により説明する。
塵芥収集車1は、図2A及び図2Bに示すように、塵芥投入箱5の塵芥投入口7の周辺を監視するためのカメラ91を備えている。このカメラ91は、例えば、運転室3等に設けられる画像処理ユニット90に接続されている。具体的には、カメラ91は、図10に示すように、信号分配器92を介して監視用のモニタ93及び画像処理ユニット90に接続されている。画像処理ユニット90には、所定のプログラムを実行して各種の制御を行うCPU94、カメラ91からの画像データを取得して公知の画像処理を行う画像処理部(DSP95)、CPU94やDSP95において使用されるデータを記憶するメモリM96、CPU94の指令を受けて開閉されるリレースイッチSW4等も設けられている。CPU94は、上記PLC15及びコントロールボード16と共に制御部を構成している。例えば、DSP95において人物が積込危険検知エリアにいると認識すれば、CPU94がリレースイッチSW4を開放させて塵芥積込装置6を緊急停止させるように構成されている。また、DSP95において人物が投入口カバー8の開閉検知エリア(積込危険検知エリアと異なる)にいると判定すれば、CPU94がPLC15にその判定結果を出力し、PLC15がコントロールボード16に投入口カバー8を開かせるための指示を出す。また、積込作業が終了して駆動源メインスイッチとしてのPTOスイッチSWPをOFFにすると、PLC15がコントロールボード16に投入口カバー8を閉じさせるための指示を出す。
塵芥収集車1の運転室3内の前部操作部(図示せず)及び塵芥投入箱5の後部には、図2A及び図2Bに示すように、各種スイッチが設けられている。具体的には、塵芥収集車1は、塵芥投入口7の左右周縁に架装物を操作する左側後部操作部50及び右側後部操作部60と緊急停止プレートSW3とを備えている。
一方、図12A及び図12Bに示すように、左側後部操作部50は、塵芥投入口7の左側周縁のサイドカバー5a後端の左側操作部用凹部5bにおいて、側壁9に固定されている。図12C及び図12Dに示すように、左側後部操作部50は、例えば、鋼板、樹脂成形品等よりなる箱状の左側後部操作部本体51を備えている。この左側後部操作部本体51は、左側操作部用凹部5bの側壁9に固定した状態で、背面及び左側面から操作可能なように、その角部を面取りしたような傾斜面51aに例えば静電容量型のタッチセンサを有する左側操作ボタン54を備えている。左側操作ボタン54は、例えば、上から、塵芥積込装置6の積込ボタンSW5、下降ボタンSW6、上昇ボタンSW7、反転ボタンSW8、緊急停止ボタンSW1を備え、それぞれタッチセンサを内蔵した円板状の高耐候性タッチ操作ボタンよりなる。少なくともこれらの左側操作ボタン54のち、塵芥積込装置6の動作を操作する上の4つのボタンについては、左側操作ボタン54の外周縁が左側操作ボタン54の表面よりも膨出した左上側ガード部52で覆われている。つまり、上から4つの積込ボタンSW5、下降ボタンSW6、上昇ボタンSW7、反転ボタンSW8が長円厚板形状の左上側ガード部52で覆われている。本実施形態では、左上側ガード部52は、左側後部操作部本体51と一体に形成されている。左上側ガード部52は、左側後部操作部本体51の傾斜面51aから突出するように形成されている。図12Dに断面を示すように、左上側ガード部52には、上下に例えば円形のボタン用孔部52a,52b,52c,52dが左側後部操作部本体51の内部へ貫通するように形成されている。これらのボタン用孔部52a,52b,52c,52dに、それぞれ対応する円板状の高耐久性タッチ操作ボタンが内蔵されている。この高耐久性タッチ操作ボタンの表面よりも、ボタン用孔部52a,52b,52c,52dの周縁の方がh1だけ高くなっており、誤操作を防止できるようになっている。h1は、例えば5〜10ミリ程度確保されていればよい。一方、緊急停止ボタンSW1に対応する高耐久性タッチ操作ボタンは、例えば、左側後部操作部本体51の傾斜面51aから突出するように形成されたリング状の左下側膨出部53のボタン用孔部53aに内蔵されており、逆にこの高耐久性タッチ操作ボタンの表面が、その外周縁を包囲する左下側膨出部53よりもh2だけ高くなっている。これは、緊急停止ボタンSW1がとっさに操作しなければならない操作ボタンであり、むしろ左下側膨出部53よりも高くして触りやすくするためである。また、上の4つの高耐久性タッチ操作ボタンSW5〜SW8から離れた位置に設けることで、触り間違えが発生しないように構成されている。
なお、図12B及び図12Cに示すように、左側後部操作部本体51の左側面55に設けた複数の貫通孔55aには、操作頻度が比較的低い、連絡ブザーボタンSW11、積込モード切換スイッチSW12、逆流防止切換スイッチSW13、連続単独切換スイッチSW14等が設けられている。このスイッチは設けられていてもいなくてもよく、押込式スイッチ、トグルスイッチなど、その種類も限定されない。
また、塵芥投入箱5における左側後部操作部50の後方には、手すり5dが設けられている。この手すり5dによっても、左側後部操作部50が投入する塵芥等に接触して誤操作されないようになっている。
一方、図13A〜図13Cに示すように、右側後部操作部60は、塵芥投入口7の右側周縁のサイドカバー5a後端の右側操作部用凹部5cにおいて、側壁9に固定されている。右側後部操作部60は、例えば、鋼板、樹脂成形品等よりなる角部が丸まった直方体状の右側後部操作部本体61を備えている。この右側後部操作部本体61は、右側操作部用凹部5cの側壁9に固定した状態で、背面61a側から操作可能なように、その背面61aに例えば静電容量型のタッチセンサを有する右側操作ボタン64を備えている。右側操作ボタン64は、例えば、上から、投入口カバー8の開ボタンSW9、閉ボタンSW10、緊急停止ボタンSW2を備え、それぞれタッチセンサを内蔵した円板状の高耐候性タッチ操作ボタンよりなる。少なくともこれらの右側操作ボタン64のち、投入口カバー8の開閉動作を操作する投入口カバー8の開ボタンSW9及び閉ボタンSW10については、右側操作ボタン64の外周縁が右側操作ボタン64の表面よりも膨出した長円板形状の右上側ガード部62で覆われている。本実施形態では、右上側ガード部62は、右側後部操作部本体61とは別体の長円板形状部材で構成されており、例えば、図示しないビスにより右側後部操作部本体61に固定されている。図13Cに断面を示すように、右上側ガード部62には、上下に例えば円形のボタン用孔部62a,62bが右側後部操作部本体61の内部へ貫通するように形成されている。これらのボタン用孔部62a,62bに、それぞれ対応する円板状の高耐久性タッチ操作ボタンが内蔵されている。この高耐久性タッチ操作ボタンの表面よりも、ボタン用孔部62a,62bの周縁の方がh3だけ高くなっており、誤操作を防止できるようになっている。h3は、例えば5〜10ミリ程度確保されていればよい。一方、緊急停止ボタンSW2に対応する高耐久性タッチ操作ボタンは、例えば、右側後部操作部本体61の背面61aから突出するように形成されたをリング状の右下側膨出部63のボタン用孔部63aに内蔵されており、逆に、この高耐久性タッチ操作ボタンの表面が、その外周縁を包囲する右下側膨出部63よりもh4だけ高くなっている。これは、緊急停止ボタンSW2がとっさに操作しなければならない操作ボタンであり、むしろ右下側膨出部63よりも高くして触りやすくするためである。
それぞれの円板状の高耐候性タッチ操作ボタン(左側後部操作部50の5つの左側操作ボタン54と右側後部操作部60の3つの右側操作ボタン64)には、図14に示すように、内部にLED光源を有する複数の点灯報知部70が円周方向に所定間隔をあけて複数個設けられている。これら点灯報知部70は、非操作時は点灯せず、操作時のみ点灯するように構成されている。また、各高耐候性タッチ操作ボタンには、点灯報知部70に加え、高耐候性タッチ操作ボタンを操作したときに振動する振動モータ(図示せず)を有する振動報知部が設けられていてもよい。なお、詳しくは後述するが、各高耐候性タッチ操作ボタンがストロークエンドを有する駆動部の操作ボタンである場合、各操作ボタンを操作したときに駆動部がストロークエンドにあると、点灯報知部は点灯せず、振動報知部が振動しないように構成されている。またPTOスイッチSWPがOFFのときには、点灯報知部70及び振動報知部は、作動しないように構成されている。
また、図6に示すように、塵芥投入箱5内には、昇降板21を昇降させる昇降シリンダ23が最伸長した状態を検出する無接点スイッチLS1、昇降シリンダ23が最収縮した状態を検出する無接点スイッチLS2、圧縮板24を揺動させる揺動シリンダ25が最伸長した状態を検出する無接点スイッチLS4、揺動シリンダ25が最収縮した状態を検出する無接点スイッチLS3等が設けられている。無接点スイッチLS1及びLS2は、塵芥投入箱5と昇降シリンダ23との間において、それぞれ一方に検出体が、他方に被検知体が配設されて切換作動するようになっている。また、無接点スイッチLS3及びLS4は、昇降板21と揺動シリンダ25との間において、それぞれ一方に検出体が、他方に被検知体が配設されて切換作動するようになっている。なお、上記無接点スイッチLS1〜LS4は、昇降シリンダ23及び揺動シリンダ25の作動を検出するセンサ部に相当し、当該作動の検出信号をPLC15に送る機能を有している。これらの無接点スイッチLS1〜LS4、上側センサ18及び下側センサ19としては、例えば光電スイッチ、近接スイッチ等を使用できる。
図11に油圧回路図を簡略化して示すように、この油圧回路は、油圧ポンプP、オイルリザーバT、昇降シリンダ23を伸縮制御する電磁制御弁V1、揺動シリンダ25を伸縮制御する電磁制御弁V2等から構成されている。油圧ポンプPには、架装物の駆動源としての車両エンジン(図示省略)の駆動力がPTO(パワーテイクオフ)を介して伝達される。電磁制御弁V1,V2は、例えば6ポート3位置の電磁式の方向切換弁よりなる。電磁制御弁V1はソレノイドSOLa及びSOLbを有し、電磁制御弁V2はソレノイドSOLc及びSOLdを有している。電磁制御弁V1,V2は、各ソレノイドに通電されているときのみ上方位置又は下方位置に切り換わり、通電されていない状態では中立位置に復帰するようになっている。
図10に示すように、これらの各種スイッチSW1〜SW10、無接点スイッチLS1〜LS4、上側センサ18、下側センサ19、ソレノイドSOLa〜SOLd等は、PLC15に接続されている。PLC15は、図示省略の信号用電力供給部、中央処理部、各種リレーコイル、リレーコイルのa接点等を有しており、バッテリBT、キースイッチSWK、塵芥積込装置6を含む架装物の駆動源(車両エンジン)による動力伝達のONとOFFを操作するPTOスイッチSWP(駆動源メインスイッチ)、メンテナンススイッチSWM等と共に電気回路に組み込まれている。このPLC15は、各種スイッチSW1〜SW10、無接点スイッチLS1〜LS4、上側センサ18、下側センサ19の入力状況に基づいて予め設定された手順に従って、対応するソレノイドSOLa〜SOLdに出力するようにプログラムされている。なお、以下において、ソレノイドSOLa〜SOLdへの通電・解除を説明する際、リレーコイルの説明は省略する。
以下、上記電気回路について詳細に説明する。PLC15への電力供給は、バッテリBTによって行われる。このバッテリBTの正極から図10の右側に延びてグランドラインK1に至る通電ラインK2上には、上流側から順に、キースイッチSWK、リレーコイルCR1が介設されている。通電ラインK2のキースイッチSWKとバッテリBTとの間には、通電ラインK3の上流端が電気的に接続されている。また、通電ラインK3には、リレーコイルCR1の接点cr1と電源ランプLが介設されている。リレーコイルCR1がONになって接点cr1が閉じられると、通電ラインK3に通電することによって電源ランプLが点灯する。また、リレーコイルCR1の接点cr1及び電源ランプLの中間において通電ラインK3から分岐するように、通電ラインK4の上流端が電気的に接続されている。通電ラインK4とPLC15との間には、PTOスイッチSWP、各種スイッチSW1〜SW10、無接点スイッチLS1〜LS4、上側センサ18、下側センサ19が電気的に接続されている。
さらに、通電ラインK4から分岐する通電ラインK5によって、塵芥積込装置6の塵芥積込作動中には必ずPLC15に通電されるようになっている。この通電ラインK5は、積込継続信号を入力するラインであり、上述した緊急停止ボタンSW1,SW2、緊急停止プレートSW3が設けられている。上述したように、緊急停止ボタンSW1,SW2は、その外周縁を包囲する膨出部よりも表面が膨出していて触りやすくなっている。これらの緊急停止ボタンSW1〜SW3によって通電が遮断されると、PLC15の作動が停止する。これにより、電磁制御弁V1,V2のソレノイドSOLa〜SOLdを励磁させるためのPLC15からの制御信号の出力が全て途絶え、電磁制御弁V1,V2が中立位置に復帰し、塵芥積込装置6の作動が停止されるようになっている。
上述したように、塵芥積込装置6の積込作動時には、キースイッチSWK及びPTOスイッチSWPがいずれも閉じられており、通電ラインK3〜K5によってPLC15に通電されている。その通電ラインK5の途中に画像処理ユニット90が設けられているので、この状態でリレースイッチSW4が開放されると、PLC15への通電が遮断されて塵芥積込装置6の作動が停止されるようになっている。
−塵芥収集車の作動−
次に、このように構成された塵芥収集車1の作動について説明する。
まず、塵芥積込装置6の作動について説明する。塵芥積込装置6は、通常、図6で実線に示す塵芥の積込行程終了状態で停止している。この状態では、昇降板21は上昇限界位置に、圧縮板24は前方揺動限界位置にそれぞれ配置されている。
作業者は、塵芥収集車1に乗り込むと、キースイッチSWKをONにする。このキースイッチSWKのONに伴ってバッテリBTからの電力がPLC15の信号用電力供給部に入力され、PLC15が通電状態となる。
作業者は、塵芥収集車1を運転し、収集現場に着いて塵芥収集車1を停止させた後、PTOスイッチSWPをONにする。すると、PTOが接続状態となり、油圧ポンプPの駆動が開始される。この際、電磁制御弁V1及びV2は中立位置にあり、油圧ポンプPから吐出された作動油は各シリンダ23,25を駆動させることなくオイルリザーバTに還流される。なお、このPTOスイッチSWPがOFFのときには、各操作ボタンSW1、SW2、SW5〜SW10に触れても、その点灯報知部70又は振動報知部は、作動せず、各駆動部を操作できない。このため、塵芥収集車1の走行中や信号待ち(駐停車中)の際に例えば積込装置や投入口カバー8を駆動させることができず、安全である。
また、この状態では、昇降シリンダ23及び揺動シリンダ25はいずれも最伸長状態にあるので、無接点スイッチLS1及びLS4が作動し、この無接点スイッチLS1及びLS4のON信号がPLC15に入力されている。この状態で作業者が、塵芥投入箱5の塵芥投入口7より塵芥を投入した後、積込ボタンSW5に触ると、PLC15により、ソレノイドSOLdが通電状態となり、電磁制御弁V2が上方位置に切り換わる。その結果、揺動シリンダ25が収縮作動し、圧縮板24をその圧縮面が略水平位置になるまで反転させる。このとき、積込ボタンSW5は、静電容量型のタッチセンサを有するものであり、押込式のものと違って押し込む必要がないので、頻繁に操作され得る積込ボタンSW5が劣化しにくい。一方で、その下側の下降ボタンSW6を含め、膨出した左上側ガード部52における積込ボタンSWの外周縁を包囲する部分よりも奥まった位置に積込ボタンSW5が設けられているので、触り間違えにくい。
圧縮板24が後方揺動限界位置に達すると、すなわち、揺動シリンダ25が最収縮すると、無接点スイッチLS3が作動し、PLC15は、電磁制御弁V2を中立位置に復帰させると同時に、ソレノイドSOLbが通電状態となり、電磁制御弁V1が上方位置に切り換わるため、昇降シリンダ23が収縮作動し、昇降板21を案内溝部材20に沿って下降させる。その結果、昇降板21に連結された圧縮板24が、その圧縮面を略水平となるように保持したまま平行に下降するため、塵芥投入箱5の内底面の円弧面との間で塵芥を押し潰すことができる。
昇降板21が下降限界位置に達すると、すなわち、昇降シリンダ23が最収縮すると、無接点スイッチLS2が作動し、PLC15はソレノイドSOLbへの通電を解除して電磁制御弁V1を中立位置に復帰させると同時に、ソレノイドSOLcに通電し、電磁制御弁V2を下方位置に切り換える。その結果、塵芥の押し潰し終了状態より揺動シリンダ25が伸長作動し、軸支部を支点として圧縮板24をその圧縮面が略垂直になるまで時計回りに揺動させる。これにより、圧縮板24は、前行程で一次的に押し潰された塵芥を塵芥投入箱5の底面の平坦面との間で二次的に圧縮することができる。
圧縮板24が前方揺動限界位置に達すると、すなわち、揺動シリンダ25が最伸長すると、無接点スイッチLS4が作動し、PLC15は、ソレノイドSOLcへの通電を解除して電磁制御弁V2を中立位置に復帰させると同時に、ソレノイドSOLaに通電し、電磁制御弁V1を下方位置に切り換える。その結果、圧縮行程の終了状態より昇降シリンダ23が伸長作動し、圧縮板24をその圧縮面が略垂直となるように保持したまま平行に上昇させ、前行程にて圧縮した塵芥を塵芥収容箱4内に積み込む。そして、昇降板21が上昇限界位置に達すると、すなわち、昇降シリンダ23が最伸長すると、無接点スイッチLS1が作動し、PLC15は、ソレノイドSOLaへの通電を解除して電磁制御弁V1を中立位置に復帰させる。これにより、積込行程が終了する。
以上の通り、塵芥積込装置6は、積込ボタンSW5を触ることにより、反転行程、押潰行程、圧縮行程、積込行程(以下、積込サイクルともいう。)の順に作動し、塵芥投入箱5に投入された塵芥を塵芥収容箱4に積み込むことができる。
一方、作業者は、上記積込サイクルのうち、いずれか1つの行程を単独で行いたい場合がある。そのような場合には、下降ボタンSW6、上昇ボタンSW7、反転ボタンSW8のうち行いたい動作に対応する操作ボタンを触るとよい。このとき、各ボタンSW6〜SW8も静電容量型のタッチセンサを有するものであり、押込式のものと違って押し込む必要がないので、劣化しにくく、また、その表面よりも膨出した左上側ガード部52で外周縁を覆われているので、誤って触り間違えにくい。もし、各ボタンSW6〜SW8に触れたときに、無接点スイッチLS1〜LS4の信号等により、対応するシリンダ23,25がすでにストロークエンドにあることが検知されている場合には、点灯報知部70が点灯せず、振動もしないので、作業者は対応するシリンダ23,25がすでにストロークエンドにあり、操作できないことを容易に認知できる。
次に、PLC15の制御方法について、主に図9を参照しながら説明する。
塵芥積込装置6が通常の積込サイクルで作動している通常作動時においては、キースイッチSWK、PTOスイッチSWP及びメンテナンススイッチSWMがいずれも閉じられた状態となっている。これにより、PLC15が通電状態となる。
この状態で上述した積込サイクルが行われるが、例えば圧縮板24が後方揺動限界位置に達すると、すなわち、揺動シリンダ25が最収縮すると、上述したように無接点スイッチLS3が作動する。つまり、無接点スイッチLS3がOFFからONへ切り換わる。このとき、PLC15によって、ソレノイドSOLbが通電状態となるため、昇降シリンダ23が収縮作動し、昇降板21に連結された圧縮板24による押潰行程が開始される。
−投入口カバーの開閉動作−
次に、本実施形態に係る投入口カバー8の開閉動作について説明する。図7に示すように、例えば、投入口カバー8が下端位置Bにあって完全に閉じている全閉状態と、上端位置Aまで完全に開く全開状態との間の制御について説明する。
図9Aに示すように、例えば、キースイッチSWKがONになるとステップS01で制御がスタートする。
次いで、ステップS02において、PLC15及びCPU94は、右側操作ボタン64のうち開ボタンSW9を触るか、又は、DSP95により開閉検知エリアで人物のカバー開のための動作が認識されたかどうかを判定する。YESの場合には、ステップS03に進み、NOの場合には、ステップS06に進む。開ボタンSW9も静電容量型のタッチセンサを有するものであり、押込式のものと違って押し込む必要がないので、劣化しにくく、また、その表面よりも膨出した右上側ガード部62で外周縁を覆われているので、誤って触り間違えにくい。もし、開ボタンSW9に触れたときに、投入口カバー8がストロークエンド(全開位置)にあると、点灯報知部70が点灯せず、振動もしない。
ステップS03において、PLC15により、上側センサ18はONかどうかが判定される。上側センサ18がOFFである場合には、ステップS04に進んで処理1が行われる。
ステップS04では、処理1が行われる。例えば、投入口カバー8が下端位置Bにある場合には、パイプ部材42がピストンロッド23aの車幅方向外側にある。このとき、下側センサ19が投入口カバー8(被検知板26)を検知している。図9Bに示すように、PLC15は、カバー開の信号と上側センサ18からのOFF信号を受けてコントロールボード16にカバー開のON信号を送る。すると、コントロールボード16は、ソフトスタートのために、電圧制御又は周波数制御によって駆動モータ11を徐々に加速するように制御し、これによって駆動モータ11が徐々に一定速度v2まで加速される。これにより、伝動ベルト12が駆動され、内側アーム部14が上昇し、結果として投入口カバー8が速度v1で徐々に開き始める。具体的には、投入口カバー8の上端部の車幅方向端部8cに連結されたリンク部材40が板部材43を引っ張るのに合わせてアーム取付ブラケット44の先端部44bとの連結部を中心に外側アーム部41が回動し、板部材43とリンク部材40とは、他の部材との接触を避けながら上昇していく。
駆動モータ11が加速して伝動ベルト12が一定速度v2になると、一定速度v2のまま投入口カバー8が上昇する。このとき、投入口カバー8の下側アーム支持部14eと、伝動ベルト12側の上側アーム支持部14dとの間の位置関係(距離)は変化するが、内側アーム部14がこれらに対して回動可能に接続されているので、投入口カバー8は滑らかにスライド移動する。
そして、投入口カバー8が上端位置Aに近づくと、上側センサ18が被検知板26を検知してPLC15に信号が送られる。
すると、PLC15は、上側センサ18からのON信号を受けてコントロールボード16にカバー開のOFF信号を送る。すると、コントロールボード16は、電圧制御又は周波数制御により駆動モータ11を減速させる。すなわち、コントロールボード16は、駆動モータ11を一定速度v2から停止するまで徐々に速度v3を減速させる。
一方、上側センサ18がONである場合には、すでに投入口カバー8がある程度開いた状態で、全開状態手前にあるので、投入口カバー8を勢いよく全開位置に開いてしまわないようにする必要がある。このため、ステップS05に進んで処理2の低速一定速度処理が行われる。図9Cに示すように、処理2では、投入口カバー8の開ボタンSW9に触れている間だけ投入口カバー8が一定の低速v4で開く。低速v4であるため、全開位置まで開いても衝撃は少ない。
ステップS06において、投入口カバー8を閉じる場合も同様の制御が行われる。詳しい説明は省略するが、ステップS06において、PLC15及びCPU94は、投入口カバー8の閉ボタンSW10を触るか、又は、DSP95により開閉検知エリアで人物のカバー閉のための動作が認識されたかどうかを判定する。YESの場合には、ステップS07に進み、NOの場合には、ステップS02に戻る。
ステップS07において、PLC15により、下側センサ19はONかどうかが判定される。下側センサ19がOFFである場合には、ステップS08に進んで処理3が行われる。
ステップS08では、処理1とは開閉が逆(上下逆)の動きである処理3が行われる。PLC15は、カバー閉の信号と下側センサ19からのOFF信号を受けてコントロールボード16にカバー閉のON信号を送る。すると、コントロールボード16は、ソフトスタートのために、電圧制御又は周波数制御によって駆動モータ11を徐々に加速するように制御し、これによって駆動モータ11が速度v1から徐々に一定速度v2まで加速される。これにより、伝動ベルト12が駆動され、内側アーム部14が下降し、結果として投入口カバー8が速度v1で徐々に下降し始める。駆動モータ11が加速して伝動ベルト12が一定速度v2になると、一定速度v2のまま投入口カバー8が下降する。そして、投入口カバー8が下端位置Bに近づくと、下側センサ19が被検知板26を検知してPLC15に信号が送られる。すると、PLC15は、下側センサ19からのON信号を受けてコントロールボード16にカバー閉のOFF信号を送る。すると、コントロールボード16は、電圧制御又は周波数制御により駆動モータ11を減速させる。すなわち、コントロールボード16は、駆動モータ11を一定速度v2から停止するまで徐々に速度v3を減速させる。
一方、下側センサ19がONである場合には、すでに投入口カバー8がある程度閉じた状態で、全閉状態手前にあるので、投入口カバー8を勢いよく全閉位置に閉じてしまわないようにする必要がある。このため、ステップS09に進んで処理4の低速一定速度処理が行われる。処理4では、投入口カバー8の閉ボタンSW10に触れている間だけ投入口カバー8が低速の一定速度で下降する。低速であるため、全閉位置まで閉じても衝撃は少ない。閉ボタンSW10も静電容量型のタッチセンサを有するものであり、押込式のものと違って押し込む必要がないので、劣化しにくく、また、その表面よりも膨出した右上側ガード部62で外周縁を覆われているので、誤って触り間違えにくい。もし、閉ボタンSW10に触れたときに、投入口カバー8がストロークエンド(全閉位置)にあると、点灯報知部70が点灯せず、振動もしない。
このように、本実施形態によると、静電容量型等のタッチセンサを有する操作ボタンSW1,SW2,SW5〜SW10を用いることで、従来のスプリングや摺動部品を有する押込式の操作ボタンと比較して、可動部品が少なくなり、耐久性に優れる。また、操作ボタンSW5〜SW10の外周縁をそれよりも膨出したガード部52,62で覆うことにより、誤操作を防ぐことができる。すなわち、タッチセンサは、手が操作ボタンSW5〜SW10に触れただけで反応するので、仮にガード部52,62がなかったり、ガード部52,62のうち操作ボタンSW5〜SW10を包囲する部分と操作ボタンSW5〜SW10の表面とが略同一面上にあったりする場合には簡単に反応してしまうが、本実施形態では、誤操作が防止される。また、従来のように操作ボタンを押し込む必要がないので、操作ボタンSW1、SW2、SW5〜SW10の外周縁を痛みやすいゴムなどで構成する必要がなくなり、雨水や汚水が浸入しにくい。
本発明の実施形態の構成によると、それぞれの操作ボタンの内部にLED光源を有する複数の点灯報知部70を設け、これら点灯報知部70は、非操作時は点灯せず、操作時のみ点灯するように構成したので、タッチセンサを有する操作ボタンSW1、SW2、SW5〜SW10を操作したことを作業員に明確に知らせることができる。また、操作時のみ点灯させるようにすることで、塵芥収集車1の後部に配設された点灯報知部70によって灯火規制に違反するのを防ぐことができる。
また、操作ボタンSW6〜SW10がストロークエンドを有する投入口カバー8やシリンダ23,25の操作ボタンSW6〜SW10であり、その操作ボタンSW6〜SW10を操作したときに投入口カバー8やシリンダ23,25がストロークエンドにあると、点灯報知部70が点灯せず、また振動しないようにしたので、作業者は、操作対象の駆動部がストロークエンドにあって操作不能であることを認識しやすい。
したがって、本実施形態に係る塵芥収集車1によると、タッチセンサを有する各操作ボタンSW5〜SW10をガード部52,62で覆うようにして設けたことにより、操作作ボタンSW5〜SW10を押し込む必要をなくしたので、操作ボタンSW5〜SW10の外周縁を痛みやすいゴムなどで構成する必要がなくなり、雨水や汚水が浸入しにくくなる上、ガード部52,62で外周縁を覆っているので、誤操作も防止できる。このため、操作性を損なうことなく耐久性及び信頼性の高い後部操作部50,60が得られる。
(その他の実施形態)
本発明は、上記実施形態について、以下のような構成としてもよい。
すなわち、上記実施形態では、ガード部52,62は、それぞれ長円板形状で構成し、各孔部に別々の操作ボタンSW5〜SW10を配置したが、例えば、図15及び図17に示すように、各操作ボタンSW5〜SW10に対応する位置に操作ボタンSW5〜SW10の位置を示す凹凸部56を設けてもよい。図15においては、左上側ガード部52の車幅方向側面に、各操作ボタンSW5〜SW8の高さ位置に対応して切込状の凹凸部56が形成されており、左上側ガード部52全体では雲型板形状となった例を示している。また、図16においては、左上側ガード部52における各操作ボタンSW5〜SW8の横位置に、操作ボタンの種類によって異なる形状(例えば○、△、▽、□)の突起を設け、これらを凹凸部56としている。このようにすると、1つのガード部52,62により複数の操作ボタンSW5〜SW10の誤操作を防ぐ役割をもたせることができるので、操作ボタンSW5〜SW10毎にガード部52,62を設ける場合と比較して、部品点数を削減できる。また、凹凸部56を設けることにより、暗所での積込作業で作業員が手探りで複数の操作ボタンSW5〜SW10の1つを見つける際に、操作ボタンSW5〜SW10を直接触れることなく凹凸部56の位置で操作ボタンSW5〜SW10の位置を判断することができる。従来では操作ボタンに触れたくらいで積込装置は作動しなかったが、タッチセンサを有する操作ボタンSW5〜SW10を備えた本実施形態においては、操作ボタンSW5〜SW10を触りつつ所望の種類の操作ボタンSW5〜SW10を探すことができないので、この凹凸部56は暗所での積込作業に有効である。
また、上記実施形態では、ガード部52,62には、円形の複数のボタン用孔部52a,52b,52c,52d,62a,62bが設けられ、これらのボタン用孔部52a,52b,52c,52d,62a,62bにそれぞれ対応する操作ボタンSW5〜SW10を配置したが、図16に示すように、ボタン用孔部の内方側は円板状の操作ボタンを嵌め込めるように円形にする一方、外方側の開口端部は操作ボタンSW5〜SW10のそれぞれに対応して異なる孔形状(例えば○、△、▽、□)にしてもよい。この構成によると、作業者が操作ボタンSW5〜SW10に直接手で触れることなく、ボタン用孔部52a,52b,52c,52d,62a,62bの開口端部を手で触ることで操作ボタンSW5〜SW10の種類を探り当てることができるので、手探りによる誤操作が防止される。
上記実施形態では、塵芥収集車1は、車両走行エンジンから架装物駆動用の動力を取り出すPTOを有するものとしたが、このPTOを有さない電動塵芥車であってもよい。この場合、特に駆動源メインスイッチがOFFのときには、操作ボタンSW5〜SW10の点灯報知部又は振動報知部は、作動せず、各駆動部を操作できないようにすると、塵芥収集車1の走行中や信号待ち(駐停車中)の際に例えば積込装置や投入口カバー8を駆動させることができず、安全である。
なお、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物や用途の範囲を制限することを意図するものではない。