JP2019199057A - 複式筆記具 - Google Patents

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Abstract

【課題】先筒を後筒から取り外した状態で全てのノック棒が操作され、全てのノック棒が後筒の内部で係止された場合に、その状態を解除する。【解決手段】先筒と、先筒と分離可能な後筒とを備え、摺動溝を有する軸筒と、リフィルの各々に接続されるとともに摺動溝に沿って移動可能なノック棒と、ノック棒から突出された摺動突起と、ノック棒を後端側に付勢するノックスプリングと、ノック棒の移動に伴い回転する回転子と、回転子に形成され、摺動突起が移動可能な溝幅を有するカム溝と、が設けられ、カム溝の一方の側縁には、カム溝の他方の側縁側かつ先端側に傾斜した先端傾斜縁が設けられ、他方の側縁には、先端傾斜縁よりも後端側に位置し、摺動突起を係止させる係止縁が設けられ、カム溝には、係止位置から一方の側縁側かつ先端傾斜縁よりも先端側に、係止位置にある摺動突起が移動可能な解除部が設けられた。【選択図】図6

Description

本発明は、複式筆記具に関する。
従来、軸筒の内部に複数のリフィルを収容し、所定の繰り出し操作により、軸筒の先端から何れか一つのリフィルの先端部が繰り出される複式筆記具が提供されている(特許文献1参照)。
上記の複式筆記具におけるリフィルの繰り出し方式の一つとして、ノック式繰り出し方式と呼ばれるものがある。このノック式繰り出し方式では、軸筒の後端部に軸方向に沿って複数のスリットが形成され、これらのスリットに沿ってノック棒が各々スライド可能に配置された構成が採用されている。また、ノック式繰り出し方式では、軸筒の内部に配置されるノック棒の先端部にリフィルの後端部が装着されている。
そして、上記の複式筆記具は、何れかのノック棒がスリットに沿って前方にノック動作されることで、ノック棒に装着されたリフィルが前進し、そのリフィルの先端部が軸筒の先端から繰り出される。この状態では、ノック棒の突起部分が軸筒の内部で係止されているため、リフィルの先端部が軸筒の先端から繰り出された状態が維持される。
また、上記の複式筆記具では、何れかのリフィルの先端部が繰り出された状態において、他のノック棒が前方にノック動作されると、上記のノック棒の突起部分の係止が解除され、先端部が繰り出されているリフィルはノックスプリングの付勢力により後退する。すると、上記の複式筆記具では、後退したリフィルに代わって他のリフィルの先端部が軸筒の先端から繰り出される。
特許5972703号公報
上記の軸筒は、例えば、軸方向の先端側を構成し、その先端部分が先細となるテーパ形状に形成された先筒と、軸方向の後端側を構成し、先筒と分離可能な後筒とが互いに螺合されて形成される。
ここで、上記の複式筆記具では、先筒を後筒から取り外した状態で全てのノック棒がスリットに沿って前方にノック動作されると、全てのノック棒の突起部分が後筒の内部で係止されてしまい、全てのノック棒が後退できなくなることがある。
そこで、本発明は、先筒を後筒から取り外した状態で全てのノック棒がノック動作され、全てのノック棒が後筒の内部で係止された場合に、その係止された状態を解除可能な複式筆記具の提供を目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の実施態様は、以下のような構成を備える。
(1)第1の実施態様
本発明の第1の実施態様における複式筆記具は、軸方向の先端側を構成する先筒と、前記軸方向の後端側を構成し、前記先筒と分離可能な後筒とを備えるとともに、前記後筒に前記軸方向に沿って形成された複数本の摺動溝を有する軸筒と、前記軸筒の内部に収容された前記複数本の摺動溝と同数のリフィルと、複数本の前記リフィルの各々の後端に接続されるとともに前記摺動溝に沿って移動可能なノック棒と、前記ノック棒の内側面から、前記軸筒の軸心側に突出された摺動突起と、前記ノック棒を前記軸方向の後端側に付勢するノックスプリングと、前記軸筒の軸心に配置されており、前記ノック棒の移動を誘導するとともに、前記ノック棒の移動に伴い周方向に回転する回転子と、複数本の前記ノック棒の各々に対応させて前記回転子の表面に形成された溝であって、前記摺動突起が移動可能な溝幅を有するカム溝と、が設けられ、前記カム溝の両側縁のうちの一方の側縁には、前記カム溝の両側縁のうちの他方の側縁側かつ前記軸方向の先端側に向かって傾斜した先端傾斜縁が設けられ、前記他方の側縁には、前記先端傾斜縁よりも前記軸方向の後端側に位置し、前記一方の側縁側に向かって延び、前記摺動突起を係止させる係止縁が設けられ、前記カム溝には、前記摺動突起が前記係止縁に係止された係止位置から、前記一方の側縁側かつ前記先端傾斜縁よりも前記軸方向の先端側に、前記係止位置にある前記摺動突起が移動可能な解除部が設けられた。
(2)第2の実施態様
本発明の第2の実施態様における複式筆記具は、第1の実施態様に加え、前記解除部は、前記先端傾斜縁と連続して前記軸方向の先端側に延びる第1延長縁と、前記第1延長縁と連続して前記一方の側縁側に延びる誘導縁と、前記係止縁と連続して前記第1延長縁と対向するように延びる第2延長縁と、前記第2延長縁と連続して前記一方の側縁側かつ前記軸方向の先端側に向かって傾斜した解除傾斜縁と、を含んで構成される。
(3)第3の実施態様
本発明の第3の実施態様における複式筆記具は、第2の実施態様に加え、前記他方の側縁には、一の摺動突起が前記係止位置、かつ他の摺動突起が前記カム溝の後端側に位置する待機位置にある場合に、前記他の摺動突起が前記軸方向の先端側に移動されたときに、前記他の摺動突起が接触する、前記一方の側縁側かつ前記軸方向の先端側に向かって傾斜した後端傾斜縁が設けられ、前記誘導縁は、その後端側が前記他方の側縁側に向かって傾斜しており、前記ノックスプリングの付勢力により前記摺動突起の前記他方の側縁側かつ前記軸方向の後端側への移動を誘導する。
本発明によれば、先筒を後筒から取り外した状態で全てのノック棒がノック動作され、全てのノック棒が後筒の内部で係止された場合に、その係止された状態を解除可能な複式筆記具を提供することができる。
本実施の形態に係る複式筆記具の(A)正面図、(B)右側面図、(C)背面図、(D)底面図及び(E)平面図である。 図1(D)におけるII−II断面図である。 ノック棒の外筒押圧部を(A)斜視図、(B)正面図、(C)右側面図、(D)背面図、(E)底面図、(F)平面図及び(G)(E)のIII−III断面図で示す。 ノック棒の内筒押圧部を(A)斜視図、(B)正面図、(C)右側面図、(D)背面図、(E)底面図、(F)平面図及び(G)(E)のIV−IV断面図で示す。 ノック棒の外筒押圧部と内筒押圧部とを組み合わせた状態を(A)斜視図、(B)正面図、(C)右側面図、(D)背面図、(E)底面図、(F)平面図及び(G)(E)のV−V断面図で示す。 回転子を(A)正面図、(B)右側面図、(C)背面図、(D)底面図、(E)平面図及び(F)(D)のVI−VI断面図で示す。 回転子におけるカム動作図である。 回転子におけるカム動作図である。 図2に示す断面図と同じ視点で、(A)先筒を後筒から取り外した状態、(B)全繰り出し状態及び(C)全繰り出し状態が解除された状態をそれぞれ示す。 回転子におけるカム動作図である。 回転子におけるカム動作図である。
本実施の形態を図面を参照しつつ説明する。なお、以下の説明における「先端側」とは、複式筆記具10の軸方向のうち、後述する先筒22に向かう一方側をいい、「後端側」とは、後述する後筒21に向かう他方側をいう。また、先端側に向かう方向を「前方」とし、その反対方向を「後方」とする。そして、前方への移動を「前進」とし、後方への移動を「後退」とする。
<構成>
図1は、本実施の形態の複式筆記具10の外観(図1(A)〜(E))を示す。また、図2は、本実施の形態の複式筆記具10を、図1(D)におけるII−II断面図で示す。
なお、図1(A)〜(C)及び図2においては、複式筆記具10を水平にした状態を示しているが、「正面」、「右側面」、「背面」、「底面」及び「平面」については、複式筆記具10を垂直にした状態での位置関係としている。この位置関係については、以下同様である。
本実施の形態の複式筆記具10は、軸筒20の内部に3本のシャープペンシルリフィル40(図2参照)を収容する。なお、図2においては正面側に位置し断面にて表示されているシャープペンシルリフィル40と、その左側面側に位置するシャープペンシルリフィル40との2本のシャープペンシルリフィル40のみが表示されているが、図示されていない右側面側に位置するシャープペンシルリフィル40も存在する。
なお、複式筆記具10について、シャープペンシルリフィル40の筆記先端が軸筒20の内部にある状態を「退避状態」と称し、また、複式筆記具10について、シャープペンシルリフィル40の筆記先端が軸筒20から突出して筆記可能になっている状態を「突出状態」と称する。
本実施の形態の複式筆記具10の最外部を構成する軸筒20は、軸方向の先端側を構成する先筒22と、軸方向の後端側を構成し、先筒22と分離可能な後筒21と、これら後筒21及び先筒22を連結する中筒23(図2参照)とで構成されている。
後筒21には、3本のシャープペンシルリフィル40の各々に対応した摺動溝21Aが、軸方向に沿って形成されている。また、後筒21の後端には、略釣鐘状の尾栓11が装着されている。この尾栓11の先端縁は、ノック棒50の一部であるノックボタン51の後端が当接するノックボタン係止縁11A(図2参照)となっている。一方、先筒22の先端部分はテーパ状に縮径し、その最先端には、シャープペンシルリフィル40の先端が突出可能な先端開口22A(図2参照)が設けられている。
中筒23は、後筒21の内部に挿入され各シャープペンシルリフィル40の移動を誘導する略筒状のガイド部23Aと、その前方に位置し後筒21の内側面と圧着する後方接続部23Dと、さらにその前方に位置し先筒22の内側面と螺合する前方接続部23Eと、これら後方接続部23D及び前方接続部23Eの境界を画すとともに外部から視認可能な部分である中間フランジ部23Fとで構成されている。
また、中筒23の後端には、後述の回転子30を支持するための支持突起23Gが形成されている。回転子30の先端には、この支持突起23Gが遊嵌される支持孔32が形成されている。
中筒23のガイド部23Aには、各シャープペンシルリフィル40が移動可能に挿通されるガイド孔23Bが形成されている。このガイド孔23Bの後端辺縁はノックスプリング先端係止縁23Cとなっている。このノックスプリング先端係止縁23Cと、ノック棒50の一部分であるノックスプリング後端係止縁52Hとの間には、シャープペンシルリフィル40の後端部分に外挿されるノックスプリング(図示せず)が介装されている。ノックスプリング(図示せず)は、中筒23に対してノック棒50を常に後方へ付勢している。
シャープペンシルリフィル40は、筆記芯70を収容する筒状の芯ケース41を有する。この芯ケース41は、筆記芯70を直接収容する内筒41Aと、この内筒41Aを収容する外筒41Bとの二重構造となっている。内筒41A及び外筒41Bは、内部が視認可能な透明ないし半透明の樹脂で形成され、その材質としては、例えば、ポリプロピレンやポリエチレンが用いられる。
内筒41Aの先端には筆記芯70を把持する芯把持機構46が接続される。芯把持機構46は、内筒41Aの先端に後端部分が直接圧入される押圧駒46Aと、この押圧駒46Aの先端に固定され筆記芯70の操出に直接関与するチャック46Cと、このチャック46Cの先端部分の外周に外挿される短筒状の締め具46Eとを備える。
押圧駒46Aが内筒41Aに圧入される部分の前方の部分は、フランジ状に拡径したチャックスプリング後端係止縁46Fとなっており、このチャックスプリング後端係止縁46Fの後端側の面に内筒41Aの先端が当接している。
チャック46Cは真鍮等の金属で形成され、その先端部分は略釣鐘状に拡径した拡開部46Dとなっている。この拡開部46Dは、放射状に複数箇所に分割され、外方へ放射状に拡開するように塑性変形されている。その拡開部46Dに締め具46Eが外挿されることで、この拡開部46Dが締め付けられ拡開が阻止される。
外筒41Bの先端には、継手42を介して、芯把持機構46のうち拡開部46D以外の部分を被覆する被覆筒43が接続されている。被覆筒43のほぼ中間部分には、内径が縮径して段部が形成され、この段部がチャックスプリング先端係止縁43Aとなっている。
このチャックスプリング先端係止縁43Aと前記したチャックスプリング後端係止縁46Fとの間には、内筒41Aを常に後方に付勢するチャックスプリング46Bが介装されている。さらにこの被覆筒43の先端には、前方へ段階的に縮径する略筒状の先端部材44が接続されている。
先端部材44のほぼ中間部分の、前記チャック46Cの拡開部46Dよりやや前方の位置には、内径が縮径した段部である先端段部44Aが形成されている。この先端段部44Aの前方の空間は、チャック46Cが前進して拡径可能な拡径室44Bとなっている。
先端部材44においては、この先端段部44Aのさらに前方はさらに段階的に縮径し、その最先端部分は筆記芯70が挿通可能な程度な内径にまで縮径している。この最先端部分の後端側の内部には、筆記芯70を保護するための軟質樹脂製の保護部材45が装着されている。
ノック棒50は、後筒21の摺動溝21Aから外方に突接されるノックボタン51と、外筒41Bを押圧する外筒押圧部52と、内筒41Aを押圧する内筒押圧部53とが組み合わされて構成されている。そして、ノック棒50はシャープペンシルリフィル40の各々の後端に接続されるとともに摺動溝21Aに沿って移動可能とされている。
3組あるノック棒50のうちの1組においては、ノックボタン51がクリップ51Aと一体に形成されている。なお、図2においては、外筒押圧部52から軸心側に突出された摺動突起52Eの断面が視認される。その他のノック棒50の詳細については後述する。
後筒21の内部の後端部分であって、軸筒20の軸心には、回転子30が装着されている。回転子30は略筒状の部材であり、その先端には、前述のとおり前記支持突起23Gが遊嵌される支持孔32が形成されている。回転子30の表面には、各ノック棒50に対応したカム溝31が形成されている。そして、回転子30は、カム溝31によりノック棒50の移動を誘導するとともに、ノック棒50の移動に伴い周方向に回転する。この詳細については後述する。
図3は、ノック棒50の外筒押圧部52を、(A)斜視図、(B)正面図、(C)右側面図、(D)背面図、(E)底面図、(F)平面図及び(G)(E)のIII−III断面図でそれぞれ示したものである。
外筒押圧部52は、前記カム溝31に沿って摺動する摺動部52Aと、前記外筒41Bに圧入される圧入部52Bと、これら摺動部52A及び圧入部52Bを連結する連結部52Cとを有している。外筒押圧部52は、この圧入部52Bによって、外筒41Bの後端に接続される。
摺動部52Aと連結部52Cとは、境目なく連続しており、周方向に沿って円弧状に湾曲した(図3(F)参照)長板形状を呈している。摺動部52Aの両側からは、それぞれ側方へ突出した翼状突起52Fが形成されている。
この翼状突起52Fは、内筒押圧部53に接続された状態で外筒押圧部52の外面側に接するノックボタン51の側面を支持する役割を担っている。また、摺動部52Aの内側面側には、前記カム溝31と直接接触する摺動突起52Eが軸心側に突出している(図3(D)、(F)及び(G)参照)。
連結部52Cと圧入部52Bとの間には、外方に環状に突出したフランジ部52Dが形成されている。このフランジ部52Dの先端側の面は、前記したノックスプリング後端係止縁52Hとなっている。
フランジ部52Dから圧入部52Bにかけての正面側には、内筒押圧部53が挿通する切欠部52Gが形成されている。切欠部52Gの先端部分の外面側は、前方に向かって厚みを減ずるように傾斜した外向傾斜面52Iとなっている(図3(A)、(B)、(E)及び(G)参照)。
図4は、ノック棒50の内筒押圧部53を、(A)斜視図、(B)正面図、(C)右側面図、(D)背面図、(E)底面図、(F)平面図及び(G)(E)のIV−IV断面図でそれぞれ示したものである。
内筒押圧部53は、ノックボタン51との接続に関与する一対の突起状の接続部53Aと、前記切欠部52Gに挿通される挿通部53Bと、挿通部53Bの先端に形成され先端が平坦面となっている当接部53Cとを有している。内筒押圧部53は、接続部53Aの間にノックボタン51の接続突起51B(図2参照)を陥入させるようにして、ノックボタン51と接続される。
圧入部52Bは接続部53Aより幅が狭くなっており、その段差の部分が肩部53Eとなっている。また、接続部53Aの先端側は外方に向かって突出した隆起部53Dとなっている。
挿通部53Bは、ノック動作により前進して挿通部53Bに沿って摺動する部分である。また、当接部53Cは、このノック動作による挿通部53Bの前進により内筒41Aの後端と当接する部分である。挿通部53Bの先端部分の内面側は、当接部53Cに向かって厚みを増すように傾斜した内向傾斜面53Fとなっている(図4(C)、(D)、及び(G)参照)。
図5は、外筒押圧部52と内筒押圧部53とを組み合わせた状態を、(A)斜視図、(B)正面図、(C)右側面図、(D)背面図、(E)底面図、(F)平面図及び(G)(E)のV−V断面図でそれぞれ示したものである。
この図5は、ノック棒50が最も後端にある位置、すなわち図2に示す位置にある状態を示している。この状態においては、内筒押圧部53の内向傾斜面53Fが、外筒押圧部52の外向傾斜面52Iと接している(図5(G)参照)。この状態から、ノック動作により切欠部52Gに挿通される挿通部53Bが前進し、これにより内向傾斜面53Fは外向傾斜面52Iから離間する。これに伴い、内筒押圧部53の肩部53Eはフランジ部52Dに接近する。
図6は、回転子30を、(A)正面図、(B)右側面図、(C)背面図、(D)底面図、(E)平面図及び(F)(D)のVI−VI断面図でそれぞれ示したものである。
回転子30は、成形の都合上、前方に位置する前部材33と、後方に位置する後部材34とが別個に成形される。そして、回転子30は、前部材33と後部材34とを組み合わせて形成され、全体として略円筒形状を呈している。回転子30の先端面には、先述の支持孔32が形成されている。また、回転子30の表面には、ノック棒50の数と同じ、3条のカム溝31が形成されている。
カム溝31は、摺動突起52Eが移動可能な溝幅を有しており、その後端から、後端部31A、中央部31B、先端部31C、解除部31Dと称する。また、カム溝31の両側縁については、図面中で左側を左縁31L、右側を右縁31Rと称する。
後端部31Aは、カム溝31において比較的溝幅の広い部分であって、その右縁31Rに、左縁31L側かつ前方に向かって傾斜した後端傾斜縁31Eが設けられている。この後端傾斜縁31Eは、一の摺動突起52Eが後述する係止位置、かつ他の摺動突起52Eが後端部31Aに位置する待機位置にある場合に、他の摺動突起52Eが前進されたときに、その他の摺動突起52Eが接触する部分である。そして、後端傾斜縁31Eの先端から中央部31Bに至る。
中央部31Bは、カム溝31において比較的溝幅の狭い部分であり、軸方向に沿って延びる左縁31Lと右縁31Rとが対向している。そして、中央部31Bにおいて軸方向に沿って延びる右縁31Rが右方に屈曲した部分(後述の係止縁31G)から先端部31Cに至る。
先端部31Cは、カム溝31において比較的溝幅の広い部分であって、その左縁31Lに、右縁31R側かつ前方に向かって傾斜した先端傾斜縁31Fが設けられている。また、先端部31Cの右縁31Rのうち、先端傾斜縁31Fよりも後方には、中央部31Bにおける右縁31Rの先端から90°よりわずかに小さい鋭角に右方に屈曲して延びる係止縁31Gが設けられている。この係止縁31Gは、摺動突起52Eが係止縁31Gに係止された係止位置に摺動突起52Eを位置させる際に用いられる。そして、先端傾斜縁31Fの先端から解除部31Dに至る。
解除部31Dは、カム溝31において、係止位置から先端傾斜縁31Fよりも前方かつ左縁31L側に、係止位置にある摺動突起52Eを移動可能とする部分である。この解除部31Dは、第1延長縁31Hと、誘導縁31Iと、第2延長縁31Jと、解除傾斜縁31Kと、を含んで構成される。
第1延長縁31Hは、解除部31Dの左縁31Lに設けられた部分であって、先端傾斜縁31Fと連続して軸方向に沿って前方に延びている。
誘導縁31Iは、解除部31Dの左縁31Lに設けられた部分であって、第1延長縁31Hと連続して左縁31L側に延びている。また、誘導縁31Iは、その後端側が右縁31R側に向かって傾斜している。
第2延長縁31Jは、解除部31Dの右縁31Rに設けられた部分であって、係止縁31Gと連続して第1延長縁31Hと対向するように軸方向に沿って延びている。
解除傾斜縁31Kは、解除部31Dの右縁31Rに設けられた部分であって、第2延長縁31Jと連続して左縁31L側かつ前方に向かって傾斜している。そして、解除傾斜縁31Kと誘導縁31Iとは対向している。
また、解除部31Dの先端、すなわち、カム溝31の先端には、摺動突起52Eの幅よりもやや狭い幅に形成された先端幅狭部31Mが設けられている。そして、解除部31Dを前進した摺動突起52Eは、先端幅狭部31Mに至ると、ノックボタン51が摺動溝21Aの先端に当接することで、その前進を停止する。
<作用効果>
以下、図2及び図7から図11を用いて、本実施の形態の複式筆記具10におけるノック動作を説明する。なお、図7及び図8並びに図10及び図11においては、カム溝31における摺動突起52Eの位置を、ハッチングを施した領域にて表示している。
そして、以下の説明における初期状態として、複式筆記具10は退避状態となっている(図2参照)。このとき、全てのノック棒50の摺動突起52Eは、カム溝31の後端部31Aにおいて左縁31Lに接しており、待機位置に位置している(図7(A)参照)。
この待機位置から、一のノックボタン51を前進させると、一のノックボタン51に接続されている内筒押圧部53が前進し、内筒41Aの後端に当接する。
このとき、内筒41Aの先端に接続されている押圧駒46Aが、チャックスプリング46Bを介して被覆筒43を前方へ押圧する。この前方への押圧力が、継手42を介して接続されている外筒41Bにも伝わることで、結果として、ノックスプリング(図示せず)を圧縮しつつ、シャープペンシルリフィル40全体が前進する。
このとき、外筒41Bに接続されている外筒押圧部52も同時に前進することで、摺動突起52Eはカム溝31の左縁31Lに沿って、中央部31Bを通って前進する(図7(B)参照)。
中央部31Bを通っている状態から、さらに一のノックボタン51を前進させると、摺動突起52Eは先端傾斜縁31Fへ至る(図7(C)参照)。ここで、摺動突起52Eの前進により生ずる力は、先端傾斜縁31Fを左方へ押圧し、その反作用で摺動突起52Eには右方への力がかかる。しかし、摺動突起52Eが属する摺動部52Aの外側に位置するノックボタン51は、軸筒20(後筒21)の摺動溝21Aに沿って移動するため左右へは移動できない。
さらに、一のノックボタン51は、摺動部52Aの両側の翼状突起52F(図3参照)で左右両方が押さえつけられているため、結果として、摺動突起52Eは右方へは移動できない。よって、先端傾斜縁31Fへの左方への押圧力により、回転子30は右回り(後端から見た回転方向。以下同様)へ回転する。
回転子30が右回りに回転した状態から、さらに一のノックボタン51を前進させると、摺動突起52Eは解除部31Dを通って前進し、解除傾斜縁31Kへ至る。ここで、摺動突起52Eの前進により生ずる力は、解除傾斜縁31Kを右方へ押圧し、その反作用で摺動突起52Eには左方への力がかかる。しかし、前記したとおり、摺動突起52Eは左方へは移動できないため、解除傾斜縁31Kへの右方への押圧力により、回転子30は左回りへ回転する。
回転子30が左回りに回転した状態から、さらに一のノックボタン51を前進させると、摺動突起52Eは先端幅狭部31Mに至り(図7(D)参照)、これに伴いノックボタン51が摺動溝21Aの先端に当接することで、摺動突起52Eの前進が停止する。このとき、複式筆記具10は、シャープペンシルリフィル40が先筒22の先端開口22Aから最も突出した状態を取る。
シャープペンシルリフィル40が先端開口22Aから最も突出した状態から、一のノックボタン51への押圧を解除すると、ノックスプリング(図示せず)の復元力により、シャープペンシルリフィル40全体が後方へ押し戻される。その後、シャープペンシルリフィル40は、摺動突起52Eが係止縁31Gに当接したところで(図7(E)参照)、その後退が停止する。すなわち、摺動突起52Eは、係止位置に位置する。
したがって、摺動突起52Eが係止位置にある複式筆記具10は、シャープペンシルリフィル40の筆記先端が先端開口22Aから最も突出した状態よりやや後退した位置で突出状態を保つこととなる。
係止位置にある摺動突起52Eを有するノックボタン51を前進させると、その摺動突起52Eは、先端幅狭部31Mに至るまで移動する(図7(D)参照)。このとき、内筒押圧部53の当接部53Cにより前方に押圧された内筒41Aが前進し、押圧駒46Aを介してチャックスプリング46Bを圧縮しつつチャック46Cが前方へ押圧される。
そして、チャック46Cの拡開部46Dは、前方の拡径室44Bへと前進し、締め具46Eによる拘束を免れて拡開し、筆記芯70が前方へ繰り出される。
すなわち、カム溝31において、摺動突起52Eが係止縁31Gから先端幅狭部31Mまで移動可能な距離(換言すると、図7(D)において摺動突起52Eの後端から係止縁31Gまでの距離、又は、図7(E)において摺動突起52Eの先端から先端幅狭部31Mまでの距離)が、筆記芯70の操出における1回分のノックストロークであり、ノック動作により摺動突起52Eはこの距離の間を往復移動することとなる。
摺動突起52Eが先端幅狭部31Mに至り、ノックボタン51が摺動溝21Aの先端に当接した状態で、一のノックボタン51への押圧を解除すると、ノックスプリング(図示せず)の復元力により、摺動突起52Eは、誘導縁31Iに沿って右縁31R側かつ後方に移動し、係止縁31Gに当接したところで(図7(E)参照)、その後退が停止する。すなわち、摺動突起52Eは、係止位置に位置する。そして、この際には、同時に、チャック46Cも後退し、拡開部46Dは再び締め具46Eにより拘束される。
このとき、筆記芯70に筆圧がかかると、シャープペンシルリフィル40は、内筒押圧部53の当接部53Cが外筒押圧部52の圧入部52Bの先端に当接する位置まで後退する余地がある。そして、この後退の間に、チャック46Cの拡開部46Dが締め具46Eに対して楔状に入り込むことで、筆圧がチャック46Cの芯保持力に転嫁されることになる。
このため、チャックスプリング46Bのみで芯保持力を担う必要がなくなるため、チャックスプリング46Bの荷重を、締め具46Eがチャック46Cに対して固定され得る程度の大きさ(具体的には約2N)で足りることになる。
そして、一の摺動突起52Eが係止位置にある場合、他の摺動突起52Eは、回転子30が元の位置(すなわち、図7(A)に示す位置)に対して右回りに回転した位置にあるため、カム溝31の後端部31Aにおいて右縁31Rの後端傾斜縁31Eと接している(図8(A)参照)。
一の摺動突起52Eが係止位置にある場合に、他の摺動突起52Eを有するノックボタン51を前進させると、他の摺動突起52Eは後端傾斜縁31Eを押圧する。
ここで、摺動突起52Eの前進により生ずる力は、後端傾斜縁31Eを右方へ押圧し、その反作用で摺動突起52Eには左方への力がかかる。しかし、前記したとおり、摺動突起52Eは左方へは移動できないため、後端傾斜縁31Eへの右方への押圧力により、回転子30は左回りへ回転する(図8(A)参照)。
すると、この回転子30の左回りの回転により、係止位置にある摺動突起52Eは、係止していた係止縁31Gから左縁31L側へ移動し、係止縁31Gとの係止が解除される(図8(B)参照)。
そして、係止縁31Gとの係止が解除された摺動突起52Eは中央部31Bに至り、ノックスプリング(図示せず)の復元力により、中央部31Bを後退する(図8(C)参照)。これに伴い、シャープペンシルリフィル40全体が後退し、筆記先端が先端開口22Aから軸筒20の内部に後退する。
そして、各ノックボタン51は、尾栓11のノックボタン係止縁11Aに当接するまで後退し、図2に示すような元の待機位置へ各摺動突起52Eが復帰する。
次に、先筒22を後筒21から取り外した状態(図9参照)で全てのノック棒50がノック動作され、全ての摺動突起52Eが係止位置にある状態(以下、「全繰り出し状態」とする)が解除される流れについて説明する。この全繰り出し状態(図9(B)参照)は、先筒22を後筒21から取り外した図9(A)に示す状態において、全てのノック棒50が同時にノック動作された場合や、ノック動作されたノック棒50を指で押さえつつ、他のノック棒50が順番にノック動作された場合に発生する。
全繰り出し状態では、全ての摺動突起52Eが係止位置にあり、係止縁31Gに係止されている(図10(A)及び図11(A)参照)。なお、本実施の形態において摺動突起52Eは3つ存在するが、残り1つの図示は省略している。
この全繰り出し状態から、図10に示す摺動突起52Eを有するノックボタン51を前進させると、摺動突起52Eは解除部31Dを通って前進し、解除傾斜縁31Kへ至る。その後は、上記のように、回転子30が左回りへ回転することにより、図11(A)に示す係止位置にある摺動突起52Eが係止縁31Gから左縁31L側へ移動し、図11(B)に示すように係止縁31Gとの係止が解除される。その後、係止縁31Gとの係止が解除された摺動突起52Eは、中央部31Bに至り、ノックスプリング(図示せず)の復元力により、中央部31Bを後退して(図11(C)参照)後端部31Aに位置し、待機位置へ復帰する。この場合、複式筆記具10は、図9(C)に示すように、一のシャープペンシルリフィル40が最も繰り出され、かつ、他の2つのシャープペンシルリフィル40の繰り出しが解除された状態となる。
一方、上記の図10に示す摺動突起52Eを有するノックボタン51を解除傾斜縁31Kから前進させると、摺動突起52Eは先端幅狭部31Mに至り(図10(B)参照)、これに伴いノックボタン51が摺動溝21Aの先端に当接することで、摺動突起52Eの前進が停止する。そして、摺動突起52Eが先端幅狭部31Mに至り、ノックボタン51が摺動溝21Aの先端に当接した状態で、一のノックボタン51への押圧を解除すると、ノックスプリング(図示せず)の復元力により、摺動突起52Eは、誘導縁31Iに沿って右縁31R側かつ後方に移動し(図10(C)参照)、係止縁31Gに当接したところで、その後退が停止する(図10(D)参照)。すなわち、摺動突起52Eは、係止位置に位置する。
そして、上記の図10に示す摺動突起52Eが係止位置に位置した際には、係止位置にあった図11に示す摺動突起52Eは上記のように待機位置へ復帰しており、全繰り出し状態が解除されている。その後は、上記のように、摺動突起52Eが待機位置にあるノックボタン51を前進させることで、係止位置にある摺動突起52Eを待機位置へ復帰させることができる(図10(E)及び(F)参照)。
以上のように、本実施の形態によれば、全繰り出し状態にある場合でも、摺動突起52Eが係止位置にあるノックボタン51を前進させて、回転子30を左回りへ回転させることにより、全繰り出し状態を解除することができる。
また、本実施の形態では、誘導縁31Iの後端側が右縁31R側に向かって傾斜しているため、摺動突起52Eが先端幅狭部31Mに至り、ノックボタン51が摺動溝21Aの先端に当接した状態で、ノックボタン51への押圧を解除すると、ノックスプリング(図示せず)の復元力により、その摺動突起52Eが係止位置まで後退する。そのため、本実施の形態によれば、全繰り出し状態が解除されて、待機位置へ復帰した摺動突起52Eを有するノックボタン51を前進させることで、係止位置にある摺動突起52Eを待機位置へ復帰させることができる。
<その他>
本実施の形態では、リフィルをシャープペンシルリフィル40としたが、これに限らず、例えば、リフィルをボールペンリフィルとしてもよい。また、複数のリフィルを、例えば、シャープペンシルリフィル40とボールペンリフィルとを混合させて構成してもよい。
本実施の形態では、3本のシャープペンシルリフィル40が収納されていたが、この本数に限定されるものではなく、物理的に収容可能な本数の複数本であれば、2本又は4本以上であってもよい。
10 シャープペンシル
11 尾栓 11A ノックボタン係止縁
20 軸筒
21 後筒 21A 摺動溝
22 先筒 22A 先端開口
23 中筒 23A ガイド部 23B ガイド孔
23C ノックスプリング先端係止縁 23D 後方接続部
23E 前方接続部 23F 中間フランジ部 23G 支持突起
30 回転子
31 カム溝 31A 後端部 31B 中央部
31C 先端部 31D 解除部 31E 後端傾斜縁
31F 先端傾斜縁 31G 係止縁 31H 第1延長縁
31I 誘導縁 31J 第2延長縁 31K 解除傾斜縁
31M 先端幅狭部 31L 左縁 31R 右縁
32 支持孔 33 前部材 34 後部材
40 シャープペンシルリフィル
41 芯ケース 41A 内筒 41B 外筒
42 継手
43 被覆筒 43A チャックスプリング先端係止縁
44 先端部材 44A 先端段部 44B 拡径室
45 保護部材
46 芯把持機構 46A 押圧駒 46B チャックスプリング
46C チャック 46D 拡開部 46E 締め具
46F チャックスプリング後端係止縁
50 ノック棒
51 ノックボタン 51A クリップ 51B 接続突起
52 外筒押圧部 52A 摺動部 52B 圧入部
52C 連結部 52D フランジ部 52E 摺動突起
52F 翼状突起 52G 切欠部
52H ノックスプリング後端係止縁 52I 外向傾斜面
53 内筒押圧部 53A 接続部 53B 挿通部
53C 当接部 53D 隆起部 53E 肩部
53F 内向傾斜面
70 筆記芯

Claims (3)

  1. 軸方向の先端側を構成する先筒と、前記軸方向の後端側を構成し、前記先筒と分離可能な後筒とを備えるとともに、前記後筒に前記軸方向に沿って形成された複数本の摺動溝を有する軸筒と、
    前記軸筒の内部に収容された前記複数本の摺動溝と同数のリフィルと、
    複数本の前記リフィルの各々の後端に接続されるとともに前記摺動溝に沿って移動可能なノック棒と、
    前記ノック棒の内側面から、前記軸筒の軸心側に突出された摺動突起と、
    前記ノック棒を前記軸方向の後端側に付勢するノックスプリングと、
    前記軸筒の軸心に配置されており、前記ノック棒の移動を誘導するとともに、前記ノック棒の移動に伴い周方向に回転する回転子と、
    複数本の前記ノック棒の各々に対応させて前記回転子の表面に形成された溝であって、前記摺動突起が移動可能な溝幅を有するカム溝と、
    が設けられ、
    前記カム溝の両側縁のうちの一方の側縁には、前記カム溝の両側縁のうちの他方の側縁側かつ前記軸方向の先端側に向かって傾斜した先端傾斜縁が設けられ、
    前記他方の側縁には、前記先端傾斜縁よりも前記軸方向の後端側に位置し、前記一方の側縁側に向かって延び、前記摺動突起を係止させる係止縁が設けられ、
    前記カム溝には、前記摺動突起が前記係止縁に係止された係止位置から、前記一方の側縁側かつ前記先端傾斜縁よりも前記軸方向の先端側に、前記係止位置にある前記摺動突起が移動可能な解除部が設けられた複式筆記具。
  2. 前記解除部は、
    前記先端傾斜縁と連続して前記軸方向の先端側に延びる第1延長縁と、
    前記第1延長縁と連続して前記一方の側縁側に延びる誘導縁と、
    前記係止縁と連続して前記第1延長縁と対向するように延びる第2延長縁と、
    前記第2延長縁と連続して前記一方の側縁側かつ前記軸方向の先端側に向かって傾斜した解除傾斜縁と、
    を含んで構成される請求項1に記載の複式筆記具。
  3. 前記他方の側縁には、一の摺動突起が前記係止位置、かつ他の摺動突起が前記カム溝の後端側に位置する待機位置にある場合に、前記他の摺動突起が前記軸方向の先端側に移動されたときに、前記他の摺動突起が接触する、前記一方の側縁側かつ前記軸方向の先端側に向かって傾斜した後端傾斜縁が設けられ、
    前記誘導縁は、その後端側が前記他方の側縁側に向かって傾斜しており、前記ノックスプリングの付勢力により前記摺動突起の前記他方の側縁側かつ前記軸方向の後端側への移動を誘導する請求項2に記載の複式筆記具。
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