図面では、一桁の図面番号については、要素の参照符号の最初の桁はその要素が最初に現れる図面の番号である。二桁の図面番号については、要素の参照符号の最初の二桁はその要素が最初に現れる図面の番号である。
単一入口ポートを備えた外科用システム、たとえば遠隔操作のコンピュータ支援外科用システムは、多種多様な手術で使用されている。多様な外科的処置は、単一の入口ポートを通して患者に侵入する器具の様々な組合せを用いる。器具は、一態様では、器具のシャフト特性に基づいて器具の複数の組、たとえば標準的外科用器具、高度な外科用器具、およびカメラ器具に分類される。これらの器具は、手動で制御することができ、あるいはコンピュータ支援(完全または協調制御)により制御することができ、あるいは遠隔操作制御することができる。
単一の入口ポートを用いて行うことができる種々の手術は、体の種々の領域に対して行うことができる。たとえば、1つの手術は患者の口を通して行うことができ、別の手術は患者の肋骨の間で行うことができ、他の手術は、患者の他のオリフィスを通して、または患者の切開部を通して行うことができる。外科用システムは様々な器具を用いるように構成されるだけではなく、外科用システムはまた、様々な異なる入口ガイドを使用するように構成される。通常、異なるタイプの手術ごとに、異なる入口ガイドが用いられる。特定の外科的処置のために選択された入口ガイドは、必要に応じて、吹送シールを維持することができ、入口ガイドは、患者の体内への入口点において器具のシャフトを支持する。
単一の入口ポートとは、患者の単一の切開部または患者の単一の身体オリフィスが外科的処置を行うために使用されることを意味する。単一の入口ポート外科用システムを実施例として用いているが、この実施例は、後述する態様を単一の入口ポートを利用する外科用システムに限定するものではない。後述する態様は、単一の入口ガイドを通して患者の体内に複数の器具を挿入する任意の外科用システムで使用することができる。たとえば、外科用システムが患者の体内への2つ以上の入口ポートを利用し、複数のチャネルを有する入口ガイドが2つ以上の入口ポートのいずれかまたはすべてで使用される場合には、後述する態様はこのような外科用システムに直接適用可能である。
図2Aは、外科用システムの複数の外科用装置アセンブリの概略図である。第1の外科用装置アセンブリは、第1の器具マニピュレータ240A1および第1の器具260A1を含む。第1の器具260A1は、第1の器具マニピュレータ240A1に装着されている。第1の器具260A1は、第1の器具260A1の本体から遠位方向に延在するシャフト262A1を含む。第1の器具260A1を含む外科用装置アセンブリは、第1の長手方向運動機構233A1によって器具マニピュレータ位置決めシステム231Aに結合される。長手方向運動機構233A1は、第1の外科用装置アセンブリを近位方向および遠位方向に移動させる。第2の外科用装置アセンブリは、第2の器具マニピュレータ240A2および第2の器具260A2を含む。第2の器具260A2は、第2の器具マニピュレータ240A2に装着されている。第2の器具260A2は、第2の器具260A2の本体から遠位方向に延在するシャフト262A2を含む。第2の器具260A2を含む第2の外科用装置アセンブリは、第2の長手方向運動機構233A2によって器具マニピュレータ位置決めシステム231A2に結合される。長手方向運動機構233A2は、第2の外科用装置アセンブリを近位方向および遠位方向に移動させる。
単一の入口ポートを通して患者に複数の器具260A1、260A2を挿入するためには、器具260A1、260A2のシャフト262A1、262A2のうちの1つまたは複数が、シャフトが器具の本体に接続されているところとシャフトが入口ガイド270Aのチャネルに接触する点との間で湾曲することが必要とされる場合がある。器具のシャフトが過度に湾曲すると、器具のシャフトが破損するおそれがあり、および/または器具が手術中に適切に機能しないおそれがある。
このように、一態様では、各器具260A1、260A2(図2A)の全体が、態様によっては入口ガイドマニピュレータの一部である、器具マニピュレータ位置決めシステム231Aによって位置決めされるので、各シャフト262A1、262A2が入口ガイド270Aの対応するチャネルに挿入される際に、シャフトの湾曲は恒久的ではなく、器具の適切な動作を阻害しない。これは、湾曲によって器具が損傷しないこと、および湾曲によって器具の正しい動作に影響を与えないことを保証する。
一態様では、異なるチャネル構成を有する各入口ガイドについて、シャフト262A1の湾曲により生じる応力が所定の応力プロファイル内に留まるように、たとえば、シャフト262A1が降伏して形状が恒久的に変化しないようにシャフト262A1の応力を制御するように、器具マニピュレータ位置決めシステム231Aは、器具260A1の少なくとも1つの器具装着インターフェース240A1_IMIを移動させる。さらに、シャフト262A1が入口ガイド270A内でロールする際に、反復応力がシャフト262A1を疲労させ破壊しないように、応力が維持される。この反復応力負荷は、器具の寿命に関連する考慮事項であり得る。
一態様では、各器具装着インターフェースは、器具を器具マニピュレータに結合し、結合されている間にその器具を支持するように構成される。たとえば、第1の器具装着インターフェース240A1_IMIは、器具260A1を支持して、器具260A1を器具マニピュレータ240A1に結合し、第2の器具装着インターフェース240A2_IMIは、器具260A2を支持して、器具260A2を器具マニピュレータ240A2に結合する。
第1のチャネル構成を有する第1の入口ガイドについては、器具マニピュレータ位置決めシステム231Aは第1の状態を有し、第2のチャネル構成を有する第2の入口ガイドについては、器具マニピュレータ位置決めシステム231Aは第2の状態を有する。第1のチャネル構成は、第2のチャネル構成とは異なる。
第1の状態では、器具マニピュレータ位置決めシステム231Aは、長手方向運動機構233A1および結果的に器具マニピュレータ240A1を移動させることにより、器具装着インターフェース240A1_IMIを移動させ、そのようにして、器具260A1が器具装着インターフェース240A1_IMIに装着される際に、シャフト262A1の遠位端263A1が第1のチャネル構成に対応するチャネルに位置合わせされる。
第2の状態では、器具マニピュレータ位置決めシステム231Aは、器具装着インターフェース240A1_IMIを移動させ、そのようにして、器具260A1が器具装着インターフェース240A1_IMIに装着される際に、シャフト262A1の遠位端263A1が第2のチャネル構成に対応するチャネルに位置合わせされる。第1の状態または第2の状態のいずれにおいても、シャフトが入口ガイド270Aを通過する時に湾曲すれば、シャフトが入口ガイド270Aを通過する前に入口ガイドの対応するチャネルに位置合わせされるので、いかなる湾曲も器具を損傷せず、かつ器具の適切な動作を阻害することがない。ここで、チャネル構成における対応するチャネルは、シャフトが通過するチャネルである。
これにより、第1の状態では、器具装着インターフェース240A1_IMIの少なくとも一部は、平面286B内の第1の位置にある(図2B)。平面286Bは、入口ガイド270Aの長手方向軸線285Aに対して垂直である。第2の状態では、器具装着インターフェース240A1_IMIの一部が平面286B内の第2の位置に移動し、ここで第2の位置は第1の位置とは異なっている。器具装着インターフェース240A1_IMIの一部が、平面286B内で移動すると、器具マニピュレータ240A1の一部もまた、平面286Bに平行な平面内で移動することに留意されたい。
入口ガイドの長手方向軸線に垂直な平面内で1つまたは複数の器具装着インターフェースを移動させる、器具マニピュレータ位置決めシステム231Aの態様の多くの実施例を以下に提示する。移動は、一態様では、平面286B内の1つの次元であり、他の態様では、移動は平面286B内の2次元である。器具マニピュレータ位置決めシステムの後述する各態様は、ここで説明した2つの状態の少なくとも一方を有し、各態様は2つの状態の一方または各々を実施するための異なる方法を示している。加えて、器具マニピュレータ位置決めシステム231Aは、器具装着インターフェースの移動の手動制御を有するように、または器具装着インターフェースの移動の自動制御を有するように、実施することができる。
一態様では、器具マニピュレータ位置決めシステム231Aが、必要に応じて、入口ガイド270Aのチャネルに対して器具260A1、260A2の器具インターフェースマウント240A1_IMI、240A2_IMIを同時に移動させ、そのようにして、器具260A1、260A2のシャフト262A1、262A2が入口ガイド270のチャネルを通過する際に、器具のシャフト262A1、262A2のいかなる湾曲も、器具を損傷せず、かつ器具260A1、260A2の動作を阻害することがない。以上説明したように、いくつかの例では、器具のシャフトは、いかなる湾曲も伴わずに入口ガイドのチャネルを通過することができる。器具シャフトが、入口ガイド270から抜き出された時にシャフトが元の形状に戻らない程度にまで湾曲している場合には、器具が損傷していると考えられる。この態様では、器具マニピュレータ位置決めシステム231Aは、入口ガイドのファミリの各入口ガイドに必要とされるように各器具装着インターフェースを移動するように構成され、一態様では、調整はユーザ入力がほとんどまたは全くなしに行われる。
一態様では、器具マニピュレータ位置決めシステム231Aは、器具260A1、260A2が器具マニピュレータ位置決めシステム231Aに装着される前に、必要に応じて、器具装着インターフェース240A1_IMI、240A2_IMIを移動させる。一態様では、器具マニピュレータ位置決めシステム231Aは、1つの一体型システムである。別の態様では、器具ごとに個々の器具マニピュレータ位置決めシステム231Aがある。システム231Aの実施態様にかかわらず、その動作は本明細書で説明した通りである。
以上説明したように、器具マニピュレータ位置決めシステム231Aは、平面286B内で、第1の器具260A1のための第1の器具装着インターフェース240A1_IMIを移動させ、かつ第2の器具260A2のための第2の器具装着インターフェース240A2_IMIを移動させるように構成されており、そのようにして、第1のシャフト262A1が入口ガイド270Aの第1のチャネルに挿入するように位置決めされ、第2のシャフト262A2が入口ガイド270Aの第2のチャネルに挿入するように位置決めされる。第1および第2のチャネルは、異なるチャネルである。このように、器具マニピュレータ位置決めシステム231Aによる2つのインターフェースの移動は、入口ガイド270Aの対応するチャネルに2つのシャフトを効果的に位置合わせする、たとえば2つのシャフトの遠位端部を位置合わせする。
本明細書で用いられる「位置合わせ」は、チャネルの長さ方向軸線およびシャフトの長さ方向軸線が一致することを要しない。そうではなく、「位置合わせ」とは、シャフトが損傷なしにチャネルに入るための位置にあること、および挿入がシャフトの非恒久的湾曲を必要とする場合があることを意味する。しかし、いくつかの例では、1つまたは複数の器具のシャフトおよび1つまたは複数の対応する入口ガイドチャネルの長さ方向軸線が真に一致しており、シャフトの湾曲は生じない。このように、2つ以上の器具の第1の位置決め状態では、シャフトが、湾曲せずに、第1の構成で配置された第1の入口ガイドの対応するチャネルにそれぞれ入るように、器具が位置決めされ、2つ以上の器具の第2の位置決め状態では、シャフトが、湾曲せずに、第2の構成で配置された第2の入口ガイドの対応するチャネルにそれぞれ入るように、器具が位置決めされる。必要に応じて、2つ以上の器具の第2の位置決め状態では、シャフトが第2の構成で配置された第2の入口ガイドの対応するチャネルに入る際に、器具のシャフトのうちの1つまたは複数が湾曲するように器具が位置決めされる。このように、対応する入口ガイド構成に関する器具の様々な位置決め状態について、器具シャフトおよび入口ガイドチャネルの構成に基づいて、必要に応じて、シャフトの湾曲または非湾曲の様々な組み合わせが成される。
後述する一態様では、器具マニピュレータ位置決めシステム231Aは、第1の器具のための第1の器具装着インターフェースおよび第2の器具のための第2の装着インターフェースの各々に結合された調整ギヤを含む。一態様では、調整ギヤの移動は、第1および第2の器具装着インターフェースを、器具を損傷せずに第1および第2のチャネルにシャフトを挿入することが可能な位置に同時に移動させる、たとえば、第1および第2の器具がそれぞれ第1および第2の器具装着インターフェースに装着される際に、第1および第2の器具のシャフトは、それぞれ第1および第2のチャネルに位置合わせされる。さらなる態様では、器具マニピュレータ位置決めシステム231Aはまた、調整ギヤに結合された手動操作ノブを含む。ユーザがノブを回すと、調整ギヤが回転して、調整ギヤに結合された外科用器具を移動させる。あるいは、ユーザが各器具装着インターフェースを適切な位置に手動で移動させ、ピンを用いて器具装着インターフェースをその位置に固定する、たとえば器具マニピュレータは器具マニピュレータ位置決めシステム231Aのディスクに固定される。
一態様では、システム231Aと呼ばれることもある、器具マニピュレータ位置決めシステム231Aは、複数の可動プラットフォーム、すなわちシステム231Aに結合された複数の器具の各々に対して1つの可動プラットフォームを含む。一態様では、各可動プラットフォームは、長手方向運動機構に接続される、たとえば、第1の可動プラットフォームは長手方向運動機構233A1に結合され、第2の可動プラットフォームは、長手方向運動機構233A2に接続されている。可動プラットフォームの様々な例を以下に示す。
各長手方向運動機構は、器具マニピュレータアセンブリに接続される、たとえば、長手方向運動機構233A1は器具マニピュレータアセンブリ240A1に接続され、長手方向運動機構233A2は器具マニピュレータアセンブリ240A2に接続される。各長手方向運動機構は、接続された器具マニピュレータアセンブリを近位方向および遠位方向に、たとえば入口ガイド270Aの延長された長さ方向軸線285Aに沿って第1の方向および第2の方向に移動させる。
各器具マニピュレータアセンブリは、一態様では、器具マニピュレータアセンブリの遠位面に器具マニピュレータインターフェースを含む。各器具マニピュレータアセンブリはまた、器具マニピュレータインターフェースに取り付けられた器具の要素を駆動する複数のモータを含む。
一態様では、器具マニピュレータ位置決めシステム231Aは、横方向運動機構を含む。横方向運動機構は、可動プラットフォームの各々に結合され、すなわち複数の器具マニピュレータアセンブリ、たとえば器具マニピュレータアセンブリ240A1および器具マニピュレータアセンブリ240A2の各々に結合される。横方向運動機構は、平面286B内で複数の器具マニピュレータアセンブリを移動させる、すなわち横方向運動機構は、矢印290で示すように、長手方向運動機構により提供される運動の方向に垂直な平面内で器具マニピュレータアセンブリを移動させる。横方向運動機構の種々の実施例について以下で説明する。横方向運動機構は、器具装着インターフェースを横方向に移動させる、すなわち、入口ガイド270Aの、長さ方向軸線285Aと呼ばれることもある、延長された長さ方向軸線285Aに垂直な方向に移動させる。一態様では、横方向の動きは、延長された長さ方向軸線285Aに垂直な平面内における動きである。
図2Cは、本明細書で開示する器具、外科用装置アセンブリ、ならびにマニピュレータおよび制御システムの態様を用いる外科用システム200Cの態様を示す概略側面図である。3つの主要な構成要素は、内視鏡撮像システム292、外科医の操作盤294(マスタ)、および患者側支援システム210C(スレーブ)であって、すべて有線(電気的または光学的)または無線接続296で接続されている。1つまたは複数の電子データプロセッサは、システム機能を提供するために、これらの主要な構成要素に様々に配置することができる。実施例が米国特許出願第11/762,165号に開示されており、これは参照により本明細書に組み込まれる。
患者側支援システム210Cは、入口ガイドマニピュレータ230Cを含む。少なくとも1つの外科用装置アセンブリが入口ガイドマニピュレータ230Cに結合される。各外科用装置アセンブリは、外科用器具またはカメラ器具のいずれかを含む。たとえば、図2Cでは、1つの外科用装置アセンブリは、外科的処置の間に入口ガイド270Cを通って延在するシャフト262C2を有する器具260C1を含む。
入口ガイドマニピュレータ230Cは、以下でより完全に説明するように、位置決めシステム231Cまたはシステム231Cと呼ばれることもある、器具マニピュレータ位置決めシステム231Cを含む。位置決めシステム231Cは平面内で器具装着インターフェースの各々の一部を移動させて、それにより、器具装着インターフェースを使用して器具の各々が入口ガイドマニピュレータ230Cに結合される際に、器具のシャフトの各々が入口ガイド270Cのチャネルのうちの1つに挿入されるように位置合わせされる。通常、入口ガイド270Cは複数のチャネルを含む。このように、器具マニピュレータ位置決めシステム231Cは、必要に応じて、複数の器具での各器具を移動させることにより、器具のシャフトを効果的に移動させて、特定の入口ガイドチャネル構成のチャネルに入るように、シャフトの各々を位置合わせする。
このように、一態様では、器具がその器具装着インターフェースに取り付けられる際に、器具のシャフトが外科的処置に用いられる入口ガイドのチャネルと適切に位置合わせされるように、器具装着インターフェースを移動させる。別の態様では、器具が器具装着インターフェースに装着され、次いで器具装着インターフェースが移動する。器具装着インターフェースの移動は、器具のシャフトが外科的処置に用いられる入口ガイドのチャネルに適切に位置合わせされるように、器具全体を移動させる。したがって、器具装着インターフェースの移動は、器具が器具装着インターフェースの移動の前に装着されるか、移動の後に装着されるかによらず同じである。
一態様では、器具マニピュレータ位置決めシステム231Cの位置決め要素、たとえばシステム231Cの横方向運動機構の位置決め要素が平面内で移動して、器具装着インターフェースを同時に移動させ、結果的に各器具をその器具のシャフトが入口ガイド270Cに入るように適切な位置に移動させる。軌道と呼ばれることもある、平面内の移動の経路は、たとえば、円弧、直線、円弧の曲がりくねった組み合わせ、あるいは曲がった経路およびラインの何らかの組合せであってもよい。このように、軌道は1つの自由度または2つの自由度を有することができる。平面は、一態様では、入口ガイド270Cの長さ方向軸線に垂直である。このように、この態様では、軌道の各々は、長手方向軸線とも呼ばれる、入口ガイド270Cの長さ方向軸線に垂直な平面内にあり、典型的な軌道226、227、228、および229の例については図2Dを参照されたい。
位置決め要素が軌道に沿って移動すると、器具装着インターフェースが同一の軌道に沿って移動し、効果的に、器具装着インターフェースに結合された器具のシャフトの遠位先端部が同一の軌道に沿って移動する。このように、位置決め要素の移動によって、シャフトは、シャフトが入口ガイド270Cのチャネルと位置合わせされる位置に移動する。この位置で、シャフトは、器具を損傷することなく、かつ機器の動作を妨げることなく、入口ガイド270Cのチャネルに入り、入口ガイド270Cを通過することができる。器具マニピュレータ位置決めシステム231Cで実施される特定の経路は、システム231Cに装着することができる外科用装置アセンブリのタイプおよび/または入口ガイド270Cのチャネルの構成に少なくとも部分的に依存する。
以下でより完全に説明するように、異なる外科的処置では異なる入口ガイドが使用される。肋骨を通して体内に入る入口ガイドは、通常、腹部の切開部を通して体内に入る入口ガイドとは異なる形状を有する。入口ガイドの異なる形状は、入口ガイドを通して延在するチャネルの異なる配置、すなわち異なるチャネル構成を必要とする。
また、異なる器具については、器具のシャフトの形状および/または大きさが異なる場合があり得る。特定の外科的処置で用いられる器具のシャフトの形状および大きさに適応する入口ガイドが使用される。図2Dに示すような軌道は、患者側支援システム210Cで使用することができる入口ガイドのセットに適応するように設計される。
入口ガイド270Cなどの入口ガイドが入口ガイドマニピュレータ230Cに装着され、かつ、器具、たとえば器具260C1が入口ガイドマニピュレータ230Cに装着されている場合に、制御システムは、器具260C1のシャフト262C1が、器具マニピュレータ位置決めシステム231Cによって、入口ガイド270Cのチャネルに位置合わせされ得る、または位置合わせされているか否かを判断する。器具マニピュレータ位置決めシステム231Cがシャフト262C1を適切に位置決めすることができない場合には、アラームが作動し、システムは器具260C1を拒否する。
器具マニピュレータ位置決めシステム231Cは、システム231Cが器具装着インターフェースを移動させ、結果的に外科用装置アセンブリ全体をある位置に移動させることができる場合には、シャフト262C1を適切に位置合わせすることができるので、シャフト262C1が入口ガイド270Cの対応するチャネルを通過する際に、器具260C1は損傷を受けない。通常、器具260C1が損傷を受けないということは、シャフトが損傷する程度まで、たとえば恒久的に湾曲する程度までシャフト262C1が湾曲していないこと、および/またはシャフト262C1を通過する要素の動作が器具260C1の動作中に妨げられないことを意味する。
一態様では、複数の外科用装置アセンブリ280Cのうちの外科用装置アセンブリの少なくとも1つは、剛性のある部分を有する軸を含むが、この剛性部分は、入口ガイド270Cとシャフトの近位端との間で弾性的に湾曲することができる。矢印290は、遠位方向および近位方向を定義する。一態様では、複数の外科用装置アセンブリ280Cの各外科用装置アセンブリは、器具のシャフトの曲げ応力を所定の応力プロファイル内に維持するように、器具マニピュレータ位置決めシステム231Cによって位置決めされる。これによって、器具のシャフト、したがって器具が湾曲によって損傷を受けないこと、たとえば、シャフトが降伏することなく、形状が恒久的に変化しないように、シャフトの応力が制御されることを保証する。さらに、シャフトが入口ガイド270C内でロールする際に、反復応力によってシャフトが疲労し破壊させないように、応力が維持される。
器具装着インターフェースを移動させることにより、器具を、したがってシャフトを入口ガイドのチャネルに対して個々に位置決めする能力は、患者側支援システム210Cに融通性を提供する。たとえば、この能力は、異なるチャネル構成を有する入口ガイドをシステム210Cで使用することを可能にする。加えて、器具マニピュレータ位置決めシステムは、外科的処置に特有の器具の必要性を排除する。換言すれば、器具マニピュレータ位置決めシステムは、本明細書に記載するように、器具のシャフトを移動させることにより、様々な入口ガイドを有する器具の共通セットを使用することを可能にする。
器具マニピュレータ位置決めシステム231Cを有する入口ガイドマニピュレータ230Cについてさらに詳細に考慮する前に、システム200Cの他の態様について説明する。撮像システム292は、たとえば手術部位の取り込まれた内視鏡撮像データおよび/または患者の外部の他の撮像システムからの手術前もしくはリアルタイムの画像データに対する画像処理機能を実行する。撮像システム292は、処理された画像データ(たとえば、手術部位の画像、ならびに関連する制御および患者情報)を外科医の操作盤294の外科医に対して出力する。いくつかの態様では、処理された画像データは、他の手術室のスタッフが見ることができるオプションの外部モニタ、あるいは、手術室から離れた1つまたは複数の場所に出力される(たとえば、別の場所の外科医がビデオをモニタすることができる、ライブで供給されるビデオをトレーニングのために使用することができる、など)。
外科医の操作盤294は、複数の自由度(「DOF」)の機械的入力装置(「マスタ」)を含み、それによって、外科医が、総称してスレーブと呼ばれる、器具、入口ガイド、および撮像システム装置を操作することができる。これらの入力装置は、いくつかの態様では、器具および外科用装置アセンブリの構成要素から外科医へ触覚フィードバックを提供することができる。操作盤294はまた、ディスプレイ上の画像が、ディスプレイ画面の後方/下方で働く外科医の手に対応する距離でほぼ焦点を結ぶように位置決めされた立体ビデオ出力ディスプレイを含む。これらの態様は、米国特許第6,671,581号により完全に説明されており、これは参照により本明細書に組み込まれる。
器具を挿入する際の制御は、たとえば、一方または両方のマスタの画像に示された器具を外科医が移動させることによって達成され、外科医は、マスタを用いて、画像内の器具を左右に移動させ、器具を外科医の方に引く。マスタの動きは、撮像システムおよび関連する外科用装置アセンブリに対して、出力ディスプレイ上の固定された中心点に向かってステアリングし、患者の内側に前進するように命令する。一態様では、マスタが画像に固定されているという印象を与えるようにカメラ制御が設計されているので、マスタハンドルが移動するのと同じ方向に画像が移動する。この設計は、外科医がカメラ制御から出た場合に器具を制御するための正しい位置にマスタがあるようにし、したがって、この設計は、器具制御を開始または再開する前に、マスタのクラッチを切り(係合解除し)、動かし、そしてクラッチをつなぐ(係合する)必要をなくす。いくつかの態様では、マスタの位置は、大きなマスタ作業スペースの使用を回避するために、挿入速度に比例させることができる。あるいは、外科医は、マスタのクラッチを切り、そしてクラッチをつないで、挿入のためのラチェット動作を使用することができる。いくつかの態様では、挿入は手動で制御することができ(たとえば、手動輪により)、外科用装置アセンブリの遠位端が手術部位付近にある場合には、自動挿入(たとえば、サーボモータ駆動ローラ)が行われる。患者の解剖学的構造および挿入軌道のために利用可能な空間の手術前またはリアルタイム画像データ(たとえば、MRI、X線)は、挿入を補助するために使用することができる。
患者側支援システム210Cは、床に装着されたベース201C、あるいは天井に装着されたベース(図示せず)を含む。ベース201Cは、移動可能であってもよいし、または(たとえば、床、天井、壁、または手術台などの他の機器に)固定されてもよい。
ベース201Cは、受動的で制御されていないセットアップ・アーム・アセンブリ220Cおよび能動的に制御されたマニピュレータ・アーム・アセンブリ230Cを含むアームアセンブリを支持する。能動的に制御されたマニピュレータ・アーム・アセンブリ230Cは、入口ガイドマニピュレータ230Cと呼ばれる。
一実施例では、セットアップ部は、第1のセットアップリンク202Cおよび2つの受動回転セットアップ関節203C、205Cを含む。セットアップ関節203C、205Cの関節ブレーキが解放された場合には、回転セットアップ関節203C、205Cは、結合されたセットアップリンク204C、206Cの手動による位置決めを可能にする。あるいは、これらのセットアップ関節のいくつかは、能動的に制御することができ、より多くのまたはより少ないセットアップ関節を様々な構成で使用することができる。セットアップ関節203C、205Cおよびセットアップリンク204C、206Cは、人が入口ガイドマニピュレータ230Cを直交x,y,z空間内で様々な位置および向きに配置することを可能にする。アームアセンブリ220Cのリンク202Cとベース201Cとの間の受動直動(prismatic)セットアップ関節(図示せず)を、大きな垂直調整212Cのために用いることができる。
遠隔の運動中心246Cは、ヨー、ピッチ、およびロール軸が交差する位置(すなわち、関節が移動範囲を通って移動する間に運動連鎖が実際上静止したままである位置)である。以下により詳細に説明するように、これらの能動的に制御された関節のいくつかは、個々の器具のDOFの制御に関連するマニピュレータであり、これらの能動的に制御された関節の他のものは、これらのマニピュレータの単一のアセンブリのDOFの制御に関連するマニピュレータである。能動関節およびリンクは、モータまたは他のアクチュエータによって移動可能であり、外科医の操作盤294におけるマスタアームの移動に関連する移動制御信号を受け取る。
図2Cに示すように、マニピュレータ・アセンブリ・ヨー関節211Cが、セットアップリンク206Cの端部と、第1のマニピュレータリンク213Cの第1の端部、たとえば近位端と、の間に結合される。ヨー関節211Cにより、第1のマニピュレータリンク213Cがマニピュレータ・アセンブリ・ヨー軸223Cの周りで「ヨー」として適宜定義することができる動きでリンク206Cに対して移動することができる。図示するように、ヨー関節211Cの回転軸は、遠隔の運動中心246Cに位置合わせされ、遠隔中心は一般に器具が患者に入る位置(たとえば、腹部手術では臍)を示す。
一実施形態では、セットアップリンク206Cは、水平またはx,y平面内で回転可能であり、ヨー関節211Cは、入口ガイドマニピュレータ230Cの第1のマニピュレータリンク213Cがヨー軸223Cの周りで回転できるように構成される。セットアップリンク206C、ヨー関節211C、および第1のマニピュレータリンク213Cは、入口ガイドマニピュレータ230Cに対して常に垂直なヨー軸223を提供し、ヨー軸223は、ヨー関節211Cを通り、遠隔の運動中心246Cに対して垂直な線で示す。
第1のマニピュレータリンク213Cの遠位端は、第1の能動的に制御された回転関節214Cにより第2のマニピュレータリンク215Cの近位端に結合される。第2のマニピュレータリンク215Cの遠位端は、第2の能動的に制御された回転関節216Cにより第3のマニピュレータリンク217Cの近位端に結合される。第3のマニピュレータリンク217Cの遠位端は、第3の能動的に制御された回転関節218Cにより第4のマニピュレータリンク219Cの遠位部分に結合される。
一実施形態では、リンク215C、217C、219Cは、互いに結合され、結合された運動機構として動作する。結合された運動機構は、周知である(たとえば、このような機構は、入力リンクおよび出力リンクの動きが互いに平行に保持されている場合に平行移動リンク機構として知られている)。たとえば、回転関節214Cが能動的に回転すると、関節216C、218Cもまた、リンク219Cがリンク215Cに一定の関係をもって移動するように回転する。したがって、関節214C、216C、218Cの回転軸は平行であることがわかる。これらの軸が関節211Cの回転軸223に垂直である場合には、リンク215C、217C、219Cは、マニピュレータアセンブリのピッチ軸の周りの「ピッチ」として適宜定義することができる動きでリンク213Cに対して移動する。マニピュレータピッチ軸は、この態様では、遠隔の運動中心246Cにおいて図2Cの紙面の手前から奥に延びる。マニピュレータアセンブリのピッチ軸の周りの動きを矢印221Cで示す。この実施形態では、リンク215C、217C、219Cが単一のアセンブリとして移動するので、第1のマニピュレータリンク213Cは、能動的な近位マニピュレータリンクと考えることができ、第2〜第4のマニピュレータリンク215C、217C、219Cは、一括して能動的な遠位マニピュレータリンクと考えることができる。
プラットフォーム232Cと呼ばれることもある、入口ガイド・マニピュレータ・アセンブリ・プラットフォーム232Cは、第4のマニピュレータリンク219Cの遠位端に結合される。入口ガイド・マニピュレータ・アセンブリ233Cが、プラットフォーム232Cに回転可能に装着される。入口ガイド・マニピュレータ・アセンブリ233Cは、器具マニピュレータ位置決めシステム231Cを有する。
複数の外科用装置アセンブリ280Cの各々は、挿入アセンブリ235Cにより入口ガイド・マニピュレータ・アセンブリ233Cに結合される。入口ガイド・マニピュレータ・アセンブリ233Cは、軸225Cの周りで複数の外科用装置アセンブリ280Cを1つのグループとして回転させる。具体的には、入口ガイド・マニピュレータ・アセンブリ233Cは、入口ガイド・マニピュレータ・アセンブリのロール軸225Cの周りで「ロール」として適宜定義することができる動きでプラットフォーム232Cに対して一体となって回転する。
低侵襲性手術では、不必要な組織損傷を回避するために、切開部または自然のオリフィスのいずれであっても、器具が患者の体内に入る位置に対して、器具は実質的に静止したままでなければならない。したがって、器具のヨーおよびピッチ運動は、空間内で相対的に静止したままであるマニピュレータアセンブリのロール軸225C上の単一位置を中心とすべきである。この位置は、遠隔の運動中心246Cと呼ばれる。
単一ポート手術では、すべての器具(カメラ器具を含む)が単一の小さな切開部(たとえば、臍)または自然のオリフィスを介して入らなければならないので、すべての器具がそのようなほぼ静止した遠隔の運動中心246Cに対して移動しなければならない。したがって、入口ガイドマニピュレータ230Cの遠隔の運動中心246Cは、マニピュレータアセンブリのヨー軸223Cとマニピュレータアセンブリのピッチ軸221Cとの交点によって定義される。リンク215C、217C、219Cの構成および関節214C、216C、218Cの構成は、入口ガイド・マニピュレータ・アセンブリ233Cが患者に対して自由に移動することを可能にするのに十分な距離をもって、遠隔の運動中心246Cが入口ガイド・マニピュレータ・アセンブリ233Cの遠位に位置するようになっている。マニピュレータアセンブリのロール軸225Cはまた、遠隔の運動中心246Cと交差する。
カニューレ275Cは、カニューレマウントに取り外し可能に結合され、カニューレマウントは、一実施形態では、第4のマニピュレータリンク219Cの遠位端219C_Pに結合される。一実施態様では、カニューレマウントは、遠隔の運動中心246Cがカニューレに沿って位置するように、収容された位置の隣接するリンク219Cとカニューレを正しい位置に保持する操作位置との間でマウントが移動することを可能にする回転関節により、リンク219Cに結合される。動作中に、カニューレマウントは、一態様によるリンク219Cに対して所定の位置に固定されている。
この説明では、カニューレは、通常、器具または入口ガイドが患者の組織を擦傷することを防止するために用いられる。カニューレは、切開部および自然のオリフィスの両方について用いることができる。器具または入口ガイドが挿入(長手方向)軸に対して頻繁に並進または回転しない状況では、カニューレを使用しなくてもよい。吹送を必要とする状況では、カニューレは、器具または入口ガイドを通って過剰な吹送ガスが漏出するのを防止するためのシールを含むことができる。手術部位で吹送および吹送ガスを必要とする処置をサポートするカニューレアセンブリの例は、米国特許出願第12/705,439号(2010年2月12日出願、「Entry Guide for Multiple Instruments in a Single Port System」を開示)に見出すことができ、この完全な開示は、あらゆる目的のために参照により本明細書に組み込まれる。吹送を必要としない胸部手術では、カニューレシールは省略してもよく、器具または入口ガイドの挿入軸の移動が最小である場合には、カニューレ自体を省略してもよい。剛性の入口ガイドは、入口ガイドに対して挿入される器具のいくつかの構成では、カニューレとして機能することができる。カニューレおよび入口ガイドは、たとえば、鋼または押し出し加工されたプラスチックであってもよい。プラスチックは鋼よりも安価であり、使い捨てに適する場合がある。
様々な受動セットアップ関節/リンクおよび能動関節/リンクは、患者が可動テーブル上の様々な位置に置かれた場合に、器具マニピュレータの位置決めによって広い移動範囲で器具および撮像システムを移動させることを可能にする。いくつかの実施形態では、カニューレマウントは、近位リンクまたは第1のマニピュレータリンク213Cに結合することができる。
マニピュレータアームの特定のセットアップおよび能動関節並びにリンクは、外科用システムの大きさおよび形状を小さくするために省略してもよいし、あるいは自由度を増やすために関節およびリンクを追加してもよい。マニピュレータアームは、手術に必要な姿勢の範囲を達成するために、リンク、受動関節、および能動関節の様々な組合せ(冗長なDOFが提供され得る)を含むことができることを理解されたい。さらに、種々の器具単独、あるいは入口ガイド、複数の器具、および/または複数の入口ガイドを含む外科用装置アセンブリ、ならびに様々な構成(たとえば、器具伝達手段または器具マニピュレータの近位面もしくは遠位面上)を介して器具マニピュレータ(たとえば、アクチュエータアセンブリ)に結合された器具が、本開示の態様に適用可能である。
複数の外科用装置アセンブリ280Cの各々は、器具マニピュレータアセンブリならびに外科用器具およびカメラアセンブリの一方を含む。図2Cでは、複数の外科用装置アセンブリ280Cのうちの2つを見ることができ、2つの見える外科用装置アセンブリの各々は、器具マニピュレータアセンブリおよび器具を含む。器具マニピュレータアセンブリ240C1、240C2は、一態様では、遠隔操作され、それで各々は遠隔操作器具マニピュレータアセンブリと呼ばれることもある。器具マニピュレータアセンブリ240C1、240C2の各々は、異なる挿入アセンブリによって入口ガイド・マニピュレータ・アセンブリ233Cに結合される、たとえば器具マニピュレータアセンブリ240C1は、挿入アセンブリ235Cにより入口ガイド・マニピュレータ・アセンブリに結合される。
一態様では、挿入アセンブリ235Cは、対応する外科用装置アセンブリを、入口ガイド・マニピュレータ・アセンブリ235Cから離れ、また入口ガイド・マニピュレータ・アセンブリ235Cに近づくように移動させる伸縮するアセンブリである。図2Cでは、挿入アセンブリ235Cは、完全に収縮した位置にある。
各器具マニピュレータアセンブリ240C1、240C2は、器具マニピュレータアセンブリ240C1、240C1の出力インターフェースの複数の出力を駆動する複数のモータを含む。器具260C1、260C2の各々は、伝達部を収容する本体を含む。伝達部は、複数の入力を含む入力インターフェースを含む。器具260C1、260C2の各々はまた、本体から遠位方向に延在する、主チューブと呼ばれることもあるシャフト262C1、262C2を含む。エンドエフェクタ263Cは、シャフトの遠位端に結合される。器具マニピュレータアセンブリおよび外科用器具の一例については、米国特許出願第61/866,115号 (2013年8月15日出願)を参照されたい、またこれは参照により組み込まれる。
器具260C1、260C2の各々は、対応する器具マニピュレータアセンブリ240C1、240C2の器具装着インターフェースに結合されているので、器具260C1、260C2の伝達部の入力インターフェースの複数の入力が、器具マニピュレータアセンブリ240C1、240C2の器具装着インターフェースの複数の出力によって駆動される。米国特許出願第61/866,115号(2013年8月15日出願)を参照されたい。
一態様では、無菌の外科用ドレープの一部である膜インターフェースを、器具マニピュレータアセンブリ240Cの器具装着インターフェースと器具260Cの伝達部の入力インターフェースとの間に配置することができる。膜インターフェースおよび無菌の外科用ドレープの一例については、たとえば、米国特許出願公開第2011/0277776号を参照されたい。別の態様では、無菌の外科用ドレープの一部である無菌アダプタを、器具マニピュレータアセンブリ240Cの器具装着インターフェースと器具260Cの伝達部の入力インターフェースとの間に配置することができる。無菌アダプタおよび無菌の外科用ドレープの一例については、たとえば、米国特許出願公開第2011/0277775号を参照されたい。
一態様では、1つまたは複数の器具マニピュレータアセンブリは、カメラ器具などの特定のタイプの器具を支持し、作動させるように構成することができる。図2Cに示すように、複数の外科用装置アセンブリ280Cのシャフトは、器具の本体から遠位方向に延在する。シャフトは、入口ポートに配置された共通カニューレ275Cを通って(たとえば、体壁または自然の開口部を通して)患者内へ延在する。一態様では、入口ガイド270Cがカニューレ275C内に位置決めされ、各器具シャフトが入口ガイド270Cのチャネルを通って延在し、器具シャフトにさらなる支持を提供する。
外科用システム200Cを用いて実行することができる手術は、体の種々の領域に対して行うことができる。たとえば、1つの手術は、患者の口を通して行うことができる。別の手術は、患者の肋骨の間で行うことができる。他の手術は、患者の他のオリフィスを通して、または患者の切開部を通して行うことができる。患者内への各異なる入口は、入口ガイドの異なる形状および/または大きさを必要とする場合がある。したがって、特定の手術のために、適切なガイド270Cが選択される。
腹部手術に適した入口ガイドは、口を通した手術または肋骨の間の手術には適さない場合がある。入口ガイドの大きさおよび形状は、複数の外科用装置アセンブリ280Cのシャフト262C1、262C2の入口ガイドを通してチャネルの位置を制限する。このように、器具マニピュレータ位置決めシステム231Cは、器具マニピュレータアセンブリ240C1、240C2および対応する器具260C1、260C2の各々を移動させ、それによってシャフト262C1、262C2の各々が入口ガイド270Cの異なるチャネルに入るように適切に位置合わせされる。一態様では、器具マニピュレータ位置決めシステム231Cは、器具マニピュレータアセンブリ240C1、240C2および対応する器具260C1、260C2の各々を移動させて、シャフト262C1、262C2を位置合わせすることで、シャフトが入口ガイド270Cを通過する際に、シャフトの近位端と、シャフトが入口ガイド270Cと接触する点と、の間のシャフト262C1、262C2のいかなる湾曲も器具を損傷させず、かつ器具の動作を阻害しないようになる。このように、システム200Cは様々な器具を用いるように構成されるだけではなく、システム200Cはまた、様々な異なる入口ガイドを使用するように構成される。これらの異なる入口ガイドの様々な組合せは、キット内に提供される。
図2Dは、複数の外科用装置アセンブリ280Cのうちの異なる1つが器具マニピュレータ位置決めシステム231Cによって移動することができる例示的な経路226〜229を示す。この例では、経路のうちの3つ227〜229が曲がった経路であり、経路のうちの1つ226が直線経路である。一態様では、直線経路226はカメラ器具に使用され、3つの曲がった経路227〜229は外科用器具に使用される。システム200Cで使用することができる各入口ガイドは、4つの経路のうちの1つに位置決めされた外科用装置アセンブリが、そのチャネルを通してその外科用装置アセンブリのシャフトを通過し、その器具の意図された目的のために正しく動作することができるように、位置決めされたチャネルを有する。一態様では、器具マニピュレータ位置決めシステム231Cは、外科用装置アセンブリ全体の各々を、システム200Cで使用されている入口ガイドの経路上の適切な位置へ自動的に移動させる。別の態様では、外科用装置アセンブリ全体の各々は、システム200Cで使用されている入口ガイドの経路上の適切な位置へ手動で移動される。
図2Eは、患者側支援システム210Cの一実施態様210Eを示す。この態様では、患者側支援システム210Eは、受動セットアップアーム220Eおよび入口ガイドマニピュレータ230Eを有する患者側カート210Eとして実現される。入口ガイドマニピュレータ230Eは、複数の外科用装置アセンブリを支持する。
一態様では、複数の外科用装置アセンブリのうちの少なくとも1つは、器具マニピュレータアセンブリ240E、無菌アダプタアセンブリ250E、および器具260Eを含む。器具260Eの、シャフトと呼ばれることもある主チューブは、外科的処置の間、入口ガイド270Eのチャネルを通って延在する。
入口ガイドマニピュレータ230Eに器具260Eを結合させるために器具マニピュレータアセンブリ240Eおよび無菌アダプタアセンブリ250Eを使用することは、単なる例示にすぎず、限定することを意図するものではない。器具マニピュレータ位置決めシステム231Eが、シャフト262Eをそのチャネルへ入れるための入口ガイド270Eの対応するチャネルにシャフト262Eを位置合わせことができるように、器具260Eは他の方法で入口ガイドマニピュレータに結合されてもよい。
入口ガイド270Eは、カニューレ275Eに移動可能に装着される。入口ガイド270Eは、必要に応じて、吹送シールを維持することができ、入口ガイド270Eは、患者299の体内への入口において器具のシャフトを支持する。以下でより完全に説明するように、複数の異なる入口ガイドは、患者側支援システム210Eに装着して使用することができる。通常、異なるタイプの手術ごとに、異なる入口ガイドが用いられる。
患者側支援システム210Eを用いて行うことができる種々の手術は、体の種々の領域に対して行うことができる。たとえば、1つの手術は、患者299の口を通して行うことができる。別の手術は、患者299の肋骨の間で行うことができる。他の手術は、患者299の他のオリフィスを通して行うことができる。腹部手術に適した入口ガイド270Eは、口を通した手術または肋骨の間の手術には適さない場合がある。口を通した手術または肋骨の間の手術には、異なる形状の入口ガイドが必要となり得る。
患者側支援システム210Eは様々な器具を用いるように構成されるだけではなく、システム210Eはまた、様々な異なる入口ガイドを使用するように構成される。これらの異なる入口ガイドの様々な組合せは、キット内に提供される。
入口ガイド270Eが肋骨の間の手術のための肋骨入口ガイドに置き換えられると、肋骨入口ガイドのチャネル構成は入口ガイド270Eのチャネル構成とは異なり、たとえば、相対的なチャネルの配置が2つの入口ガイドで異なっている。また、入口ガイド270Eを使用した手術が完了し、かつ肋骨入口ガイドが患者側システム201Eに装着された後に、1つまたは複数の異なる外科用装置アセンブリが入口ガイドマニピュレータ230Eに装着されてもよい。外科用装置アセンブリのシャフトの位置は、肋骨入口ガイドに挿入するために適切に位置合わせされる可能性が低い。この問題を修正するために、入口ガイドマニピュレータ230Eは、器具マニピュレータ位置決めシステム231Eを含む。器具マニピュレータ位置決めシステム231Eは、肋骨入口ガイドのチャネルに対して外科用装置アセンブリのための器具装着インターフェースを同時に位置決めして、それによって、外科用装置アセンブリが器具装着インターフェースの各々に装着された場合に、シャフトが肋骨入口ガイドの対応するチャネルを通過する際に各器具シャフトが損傷を受けないようにする。これは、いくつかの態様では、ユーザ入力がほとんどまたは全くなしに行われる。
図2Eに示す構成に戻り、入口ガイドマニピュレータ230Eに装着された複数の外科用装置アセンブリは、互いに近接して配置される。この密充填(close packing)配置を可能にするために、かつ入口ガイド270Eのチャネルを互いに近づけることを可能にするために、一態様では、器具のシャフトが、器具の筐体(図4B参照)から傾斜し、いくつかの態様では、シャフトがカニューレ275Eを通過する際に入口ガイド270Eに対して湾曲する。以上説明したように、器具マニピュレータ位置決めシステム231Eは、必要に応じて、入口ガイド270Eの対応するチャネルに対して外科用装置アセンブリ全体の各々を同時に位置決めすることで、シャフトが入口ガイド270Eの対応するチャネルを通過する際に各器具シャフトが損傷を受けないようにする。繰り返しになるが、これは、一態様では、ユーザ入力がほとんどまたは全くなしに行われる。
一態様では、器具マニピュレータ位置決めシステム231Eは、必要なアクチュエータおよびセンサの数を制限する。器具マニピュレータ位置決めシステム231Eは、入口ガイドマニピュレータ230Eのロールシステムに同期する。ロールシステムは、外科用装置アセンブリを1つのグループとしてロール運動する。一態様では、入口ガイド270Eに挿入するために外科用装置アセンブリのシャフトを位置合わせし、かつ同期を維持するために、器具マニピュレータ位置決めシステム231Eにおいてギヤが使用される。
器具マニピュレータ位置決めシステム231Eの設計および大きさを簡素化するために、一態様では、入口ガイド270Eの対応するチャネルに対して複数の器具シャフトの各々を位置合わせするのに使用される器具マニピュレータ位置決めシステム231Eの動きは、一態様では1つの自由度に制限されるが、別の態様では2つの自由度に制限される。自由度の数にかかわらず、動きは平面内にある。さらに、複数の外科用装置アセンブリの移動範囲は、複数の外科用装置アセンブリの移動範囲が、ドレープ管理、電子機器、およびシステム210Eの全体の大きさの小型化のために使用することができるかもしれない空間と競合しないように、可能な範囲に制限される。
したがって、以下でより完全に説明するように、入口ガイドマニピュレータ230Eが外科用装置アセンブリ全体の各々を位置決めすることで、外科用装置アセンブリのシャフトが、その特定の外科用装置アセンブリの入口ガイド270Eの対応するチャネルに入るように位置合わせされる。シャフトが入口ガイド270Eを通過する際に湾曲する場合には、いかなる湾曲によっても器具が損傷されず、かつ器具の動作を阻害しないように、シャフトが位置合わせされる。器具シャフトのこの同時自動位置合わせは、システム210Eで使用される入口ガイドごとに行われる。
一態様では、制御システムは、入口ガイドマニピュレータ230Eに装着された外科用装置アセンブリの、入口ガイド270Eのチャネル位置との互換性を自動的に確認する。いくつかの例では、シャフトを入口ガイド270Eの適切なチャネルに挿入するために、器具のシャフトを屈曲させる、たとえばわずかに湾曲させることが必要である。この屈曲によって器具が損傷されることになる場合には、器具がシステム210Eに装着された時に制御システムにより警告が発せられて、システムはその器具の使用を拒否する。器具のシャフトが、結果として生じる応力が許容可能な応力プロファイルの外側にあるように屈曲された場合には、シャフトが損傷を受け、たとえば恒久的に湾曲され、結果的にシャフトを通るテンドンが適正に動作しないおそれがある。
器具が入口ガイドと互換性がある場合には、制御システムは、入口ガイドとの互換性について外科用システムの他の要素、たとえば、ドレープ、カメラ、フットペダル制御アセンブリ、マスタ制御アセンブリなどを確認する。最後に、制御システムは、入口ガイド構成に基づいて、外科医および患者側補助者の両方のために、ユーザインターフェース要素、許容可能な制御モード、制御モードのタイプおよび挙動などで必要な調整を行う。たとえば、入口ガイドが耳、喉、および鼻の手術で使用される場合には、様々な器具の構成および許容可能な移動範囲が腹部手術に用いられる入口ガイド270Eとは異なるので、制御システムは、処置で使用する入口ガイドに基づいて必要な変更を自動的に行う。
以下でより完全に説明するように、一態様では、各器具260Eは、器具シャフトの曲げ応力を所定の応力プロファイル内に維持するように、入口ガイドマニピュレータ230Eにより位置決めされる。これは、湾曲によって器具が損傷しないこと、および湾曲によって器具の正しい動作に影響を与えないことを保証する。異なるチャネル構成を有する入口ガイドごとに、器具シャフトの曲げ応力が所定の応力プロファイル内に留まるように、入口ガイドマニピュレータ230Eが各器具を位置決めする。
図2Eでは、受動セットアップアーム220Eの要素202E、203E、204E、205E、206E、211Eは、受動セットアップアーム220Cの要素202C、203C、204C、205C、206C、211Cと同等である。したがって、受動セットアップアーム220Cの説明は受動セットアップ220Eにも当てはまるので、ここでは繰り返さない。入口ガイドマニピュレータ230Eの要素213E、214E、215E、216E、217E、218E、219Eは、入口ガイドマニピュレータ230Cの要素213C、214C、215C、216C、217C、218C、219Cと同等である。したがって、入口ガイドマニピュレータ230Cの要素213C、214C、215C、216C、217C、218C、219Cの説明は、入口ガイドマニピュレータ230Eの要素213E、214E、215E、216E、217E、218E、219Eにも当てはまるので、ここでは繰り返さない。同様に、ベース201Eは、ベース201Cと同等である。
入口ガイドマニピュレータ230Eは、1つのグループとしての複数の外科用装置アセンブリの軸221Eの周りでピッチを変化させる。入口ガイドマニピュレータ230Eは、1つのグループとしての複数の外科用装置アセンブリの軸223Eの周りでヨーを変化させる。一態様では、入口ガイドマニピュレータ230Eはまた、ロール軸225Eの周りで複数の外科用装置アセンブリを1つのグループとしてロール運動させる。ロール軸225Eは、この態様では、カニューレ275Eの長手方向軸線と一致している。ピッチ軸221E、ヨー軸223E、およびロール軸225Eは、遠隔の運動中心246Eで交差する。遠隔の運動中心246Eは、カニューレ275Eに沿って位置している。
図2Eには示していないが、外科用システムはまた、図2Cに関して説明したものと同等の制御システムおよびマスタ制御操作盤を含む。図2Eでは、手術は、患者299の腹部で行われている。しかし、患者側支援システム210Eを含む外科用システムは、多種多様な手術に使用される。様々な外科的処置は、器具の様々な組合せを使用する。
便宜のために、器具は、一態様では、以下でより完全に説明されるように、器具のシャフト特性に基づいて器具の複数の組、たとえば標準的な外科用器具、高度な外科用器具、およびカメラ器具に分類される。簡単に説明すると、高度な外科用器具のシャフトは、標準的な外科用器具の直径よりも大きな直径を有する。器具の分類は説明を容易にするためであって、グループの名前は器具を特定の外科用器具に限定するものではない。いくつかの手術では、手動の器具を遠隔操作の外科用器具と併せて使用することができる。手動の器具は、人が器具自体のハンドルまたはグリップを用いて制御する器具である。
カメラ器具のシャフトは、固定された屈曲部を有する。一態様では、2つの異なるカメラ器具が設けられる。カメラ器具のうちの一方は、カメラ器具のシャフトの第1の位置に固定された屈曲部を有し、カメラ器具のうちの他方は、カメラ器具のシャフトの第2の位置に固定された屈曲部を有する。第1のおよび第2の位置は、異なる位置である。
図3Aおよび図3Bは、入口ガイドマニピュレータ230Eに装着された複数の外科用装置アセンブリ300を示す。上述したように、複数の外科用装置アセンブリ300の各々は、器具マニピュレータアセンブリ240_1、無菌アダプタアセンブリ250_1、および器具260_1を含む。図3Aでは、複数の外科用装置アセンブリ300の各々は、挿入アセンブリ331の初期位置に位置決めされている。挿入アセンブリ331は、長手方向運動機構の一例である。図3Bでは、4つの外科用装置アセンブリのうちの3つは、挿入アセンブリ上で遠位方向に移動している。矢印390は、遠位方向および近位方向を定義する。ここで、遠位方向は患者299に向かう方向である。近位方向は患者299から離れる方向である。
図3Aおよび図3Bの各挿入アセンブリの近位端は、フローティング状態で示してある。以下でより完全に説明するように、一態様では、各挿入アセンブリの近位端は、可動プラットフォームに装着されている。可動プラットフォームは、入口ガイドマニピュレータ230Eの器具マニピュレータ位置決めシステム231Eに結合される。可動プラットフォームは、入口ガイドマニピュレータ230Eの横方向運動機構が入口ガイド270の長手方向軸線に垂直な平面内で可動プラットフォームを移動させ、結果的に外科用装置アセンブリ全体を移動させることを可能にし、そのようにして、可動プラットフォームに取り付けられた器具のシャフトを、シャフトを損傷することなく、たとえば曲げ応力の限界を超えることなく、入口ガイド270の対応するチャネルに挿入することができる。器具が器具マニピュレータ位置決めシステム231Eにより適切に位置決めされると、可動プラットフォームが所定位置に固定される。
図3Aおよび図3Bは、以下の説明で一例として使用する構成を示す。器具260_0はカメラ器具である。器具260_1〜260_3は、標準的なまたは高度な外科用器具である。器具260_1を第1の外科用器具と呼び、器具260_2を第2の外科用器具と呼び、器具260_3を第3の外科用器具と呼ぶ。このように、カメラ器具は時計のおよそ12時の位置に装着され、第1の外科用器具はおよそ3時の位置に装着され、以下同様である。第1、第2、および第3の外科用器具は、同一タイプの器具、または異なるタイプの機器であってもよい。外科用器具のタイプは、以下でより完全に説明するように、入口ガイドのチャネルサイズと互換性を有するように選択される。
図3Bに示すように、各挿入アセンブリは3つの構成要素を含む。一例として挿入アセンブリ331_1を用いると、挿入アセンブリ331_1は、フレーム331A_1、中間キャリッジ331B_1、および遠位キャリッジ331C_1を含む。中間キャリッジ331B_1は、フレーム331A_1のボールねじ上に載っている。一態様では、ボールねじは6mmピッチであり、ボールねじは逆駆動可能である。中間キャリッジ331B_1は、遠位キャリッジ331C_1を駆動する金属ベルトを含む。遠位キャリッジ331C_1は、外科用器具260_1を含む外科用装置アセンブリ300に取り付けられている。
このように、以下でより完全に説明するように、器具マニピュレータ位置決めシステム231Eの位置決め要素がフレーム331A_1の近位端に固定された可動プラットフォームを移動させると、挿入アセンブリ331_1ならびに、外科用器具260_1およびそのシャフトを含む複数の外科用装置アセンブリ300の外科用装置アセンブリは、すべて一体となって移動する。このように、器具マニピュレータ位置決めシステム231Eの位置決め要素の移動は、挿入アセンブリ331_1ならびに、外科用器具260_1およびそのシャフトを含む外科用装置アセンブリ300全体を、位置決め要素が追従する同じ軌道に沿って移動させる。
複数の外科用装置アセンブリ300の器具の位置決めをさらに詳細に考える前に、外科用装置アセンブリの一態様について説明する。図4Aおよび図4Bは、複数の外科用装置アセンブリ300のうちの外科用装置アセンブリの一態様をより詳細に示す。
ベースアセンブリ432(図4A)は、入口ガイドマニピュレータ230Eの回転可能なベースに接続される。挿入アセンブリ331は、ベースアセンブリ432の浮動(floating)プラットフォーム(図示せず)に接続される。ベースアセンブリ432の遠位端には、以下でより完全に説明するように、挿入アセンブリ331が移動可能な開口部433がある。
この実施例では、ベースアセンブリ432の筐体は、アセンブリ432が図2Eに示したものと同様の筐体に近接して位置合わせされ得るように、およそ楔形(扇形)である。4つの外科用装置アセンブリのベースアセンブリの各々の楔形の頂点は、カニューレ275Eの延長された長手方向軸線の周りに配置されている。
器具マニピュレータアセンブリ240は、挿入アセンブリ331に固定されている。器具マニピュレータアセンブリ240は、図2A〜図2C、図2E、図3A、および図3Bに示す器具マニピュレータアセンブリの一例である。器具マニピュレータアセンブリ240は、複数の駆動部を含む。
無菌アダプタアセンブリ250は、器具マニピュレータアセンブリ240に装着されている。無菌アダプタアセンブリ250は、図2E、図3A、および図3Bに示す無菌アダプタアセンブリの一例である。無菌アダプタアセンブリ250は、複数の中間ディスクを含む。各中間ディスクは、器具マニピュレータアセンブリ240の駆動部の駆動ディスクに結合される。したがって、この実施例では、器具装着インターフェースは、器具マニピュレータアセンブリ240と無菌アダプタアセンブリ250との組合せによって提供される。しかし、器具装着インターフェースは、代わりに、器具マニピュレータアセンブリ240に装着された無菌アダプタアセンブリ250の遠位面として定義することもできる。
無菌アダプタアセンブリ250は、無菌ドレープ(図示せず)を含む。無菌ドレープは公知であるから、さらなる詳細な説明を省略する。たとえば、米国特許第7,666,191号、米国特許第7,699,855号、米国特許出願公開第2011/0277775号、および米国特許出願公開第2011/0277776号を参照されたい。上記のすべては、参照により本明細書に組み込まれる。無菌ドレープは、システム210Eの少なくとも一部を覆って、無菌アダプタアセンブリ250Eが効率的かつ単純な器具交換を容易にしつつ、外科的処置中に無菌領域を維持する。
図4Bは、外科用器具260の一例をより詳細に示す。外科用器具260は、図2A、図2C、図2E、図3A、および図3Bに示す外科用器具の一例である。この態様では、外科用器具260は、被駆動インターフェースアセンブリ461、伝達部465、主チューブ467、平行運動機構468、リスト(wrist)469、およびエンドエフェクタ470を含む。リスト469については、たとえば、米国特許出願公開第2003/0036478号(「Surgical Tool Having Positively Positionable Tendon−Activated Multi−Disk Wrist Joint」を開示)に記載されており、これは参照により本明細書に組み込まれる。平行運動機構868については、たとえば、米国特許第7,942,868号(「Surgical Instrument With Parallel Motion Mechanism」を開示)に記載されており、これは参照により本明細書に組み込まれる。
被駆動インターフェースアセンブリ461は、複数の被駆動ディスクを含む。図2D、図3A、および図3Bに示すように、外科用器具260が無菌アダプタ250に装着されている場合には、各被駆動ディスクは、無菌アダプタアセンブリ250の対応する中間ディスクに結合される。
伝達部465の機械的構成要素(たとえば、ギヤ、レバー、ジンバル、ケーブルなど)は被駆動ディスクからの力をケーブル、ワイヤ、および主チューブ467を通るハイポチューブの組合せに伝達して、平行運動機構468、リスト469、およびエンドエフェクタ470の動きを制御する。主チューブ467は、主チューブ467の近位端に軸受471を有する。
主チューブ467は実質的に剛性であり、主チューブ467は、伝達部465と入口ガイド270Eとの間でわずかに湾曲させることができることを意味する。この湾曲により、入口ガイド270Eのチャネルを、ベースアセンブリのサイズで可能であるよりも、互いにより近接して配置することができる。外科用器具260Eが入口ガイド270Eから引き出された場合に主チューブ467が直線状に戻るように湾曲は弾性的である(主チューブは、カメラ器具のように恒久的な屈曲部を有して形成されてもよい)。許容可能な応力プロファイルは、上述したように、湾曲が弾性的なままであり、かつ主チューブ467が曲げ応力により恒久的に変形しないような、応力プロファイルである。
器具マニピュレータアセンブリ240(図4A)は、器具マニピュレータアセンブリ240の遠位端に無線周波数識別(RFID)リーダ445を含む。外科用器具260は、器具260の近位端表面に装着されたRFIDタグ455を有する。外科用器具260が無菌アダプタアセンブリ250に装着されている場合には、RFIDタグ455はRFIDリーダ445の下に配置される。外科用器具260が無菌アダプタアセンブリ250に装着された後に、制御システムは、RFIDリーダ445から情報を受け取り、外科用器具260の入口ガイド270Eとの互換性を判断するために、外科用器具260を識別する際にその情報を使用する。
図5Aは、入口ガイドマニピュレータ230Eに装着された4つのベースアセンブリ432_0、432_1、432_2、および432_3の概略図である。図5Aは、4つの楔形アセンブリ432_0、432_1、432_2、および432_3が円501を形成することを示す。円501の中心501Cは、カニューレ275Eの延長された長手方向軸線上にある。
楔形のベースアセンブリの使用は単なる例示であって、限定することを意図するものではない。ベースアセンブリが入口ガイドマニピュレータ230Eに装着され、次いで入口ガイドマニピュレータ230Eによって1つのグループとしてロール、ピッチ、およびヨーの動きができるものであれば、ベースアセンブリは、正方形、長方形、または他の形状を有してもよい。たとえば、図5Fでは、構成590に示すように、六角形の形状を有するベースアセンブリが入口ガイドマニピュレータ230Eに装着され、それにより移動することができる。
図5Bは、標準入口ガイド570Sと呼ばれる第1の入口ガイド570Sの断面図である。入口ガイド570Sは移動可能であり、たとえば、カニューレ580に回転可能に装着される。入口ガイド570Sは、チャネルと呼ばれる4つの管腔を有する。チャネルは入口ガイド570Sの近位端から入口ガイド570Sの遠位端まで延在し、たとえば、チャネルは入口ガイドの第1の端部から第2の端部まで延在する。これは、本明細書で説明する入口ガイドのチャネルの各々についても同様である。一態様では、入口ガイド570Sは入口ガイド270Eであり、カニューレ580はカニューレ275Eである。
この態様では、外科用装置アセンブリのうちの1つは、内視鏡およびカメラを含む。この器具は、カメラ器具と呼ばれる。カメラ器具は、予め屈曲したシャフトを有する。シャフトの屈曲部は伝達部465の遠位部分と入口ガイド270Eの近位端との間に残っており、たとえば、屈曲部は入口ガイド270Eには入らない。入口ガイド270Eおよびカニューレ275Eを通るカメラシャフトの一部の断面は、一態様では、長円形である。あるいは、入口ガイド270Eおよびカニューレ275Eを通るカメラシャフトの一部の断面は、円形形状を有してもよい。
このように、標準入口ガイドは、長円形の断面を有するカメラチャネル571S、および断面が円形である3つの外科用器具チャネル572S1、572S2、572S3を有する。この態様では、3つの外科用器具チャネル572S1、572S2、572S3の各々は、同じ大きさ、たとえば同じ直径を有する。外科用器具のシース付きシャフトがチャネルを通過することができるように、直径が選択される。外科用器具チャネル572S1、572S2、572S3は、標準的な外科用器具チャネルと呼ばれる。
図5Aでは、特定のベースアセンブリ432_0、432_1、432_2、432_3に関連する標準入口ガイド570Sのチャネルを点線で示す。ベースアセンブリに関連するチャネルとは、そのベースアセンブリに装着された外科用器具のシャフトがチャネルを通して挿入されることを意味する。たとえば、外科用器具260_2がベースアセンブリ432_2に装着され、シャフト467がチャネル572S2を通過する。このように、ベースアセンブリ432_2および外科用器具260_2の両方がチャネル572S2に関連する。
図5Cは、第2の入口ガイド570MSの断面図である。入口ガイド570MSは、カニューレ581内に位置決めされている。入口ガイド570MSはまた、チャネルと呼ばれる4つの管腔を有する。入口ガイド570MSは、標準入口ガイド570Sの外径よりも大きい外径を有する。
入口ガイド570MSは、長円形のカメラチャネル571MS、2つの標準的な円形の外科用器具チャネル572MS1、572MS3を有する。この態様では、入口ガイド570MSはまた、手動器具チャネル573MSを含む。一態様では、手動で制御される外科用器具がチャネル573MSを通過する。別の態様では、遠隔操作の外科用器具がチャネル573MSを通過する。
図5Dでは、x軸590およびy軸591は、入口ガイド570MSの中心に原点を有する。入口ガイド570Sは、破線で表され、その中心も原点にあって、入口ガイド570MSに重なっている。図5Dの入口ガイド570MSの中心は、入口ガイド570MSの長手方向軸線を表す。
入口ガイド570MSが使用中であり、ベースアセンブリ432_1、432_3に取り付けられた外科用器具の位置決め要素が図5Aに示すように標準位置にあるとすると、外科用器具260_1、260_3(図3A)のシャフトは、チャネル572MS1、572MS3を通して挿入するためには適切に位置決めされていない。代わりに、外科用器具260_1、260_3のシャフトは、標準入口ガイド570Sのチャネル572S1、572S3を通過するように位置決めされる。同様に、カメラ器具260_0は、チャネル571Sに対して位置決めされ、チャネル571MSに対しては位置決めされない。
一態様では、入口ガイドマニピュレータ230Eの器具マニピュレータ位置決めシステム231Eは、外科用器具260_1に関連する第1の位置決め要素を矢印581で示す位置に移動させる。具体的には、その位置決め要素の移動は、外科用器具260_1に結合されるので、外科用器具260_1のシャフトを適切な位置に移動させて、シャフトを損傷することなくチャネル572MS1へのシャフトの挿入を可能にする。
同様に、入口ガイドマニピュレータ230Eの器具マニピュレータ位置決めシステム231Eは、外科用器具260_3に関連する第2の位置決め要素を矢印583で示す位置に移動させる。入口ガイドマニピュレータ230Eの器具マニピュレータ位置決めシステムはまた、カメラ器具260_0に関連する第3の位置決め要素を矢印580で示す位置に移動させる。新たな位置では、外科用器具のシャフトおよびカメラ器具のシャフトは、入口ガイド570MSの対応するチャネルを通した挿入を可能にするように位置決めされる。一態様では、すべての位置決め要素が正しい位置に同時に移動する。一態様では、位置決め要素がシステム231Eの横方向運動機構に含まれる。
図5Eでは、点線は、挿入アセンブリ531および第1の入口ガイド、たとえば入口ガイド570S用に構成されたシャフト567を有する外科用装置アセンブリ500の位置を表す。シャフト567が入口ガイド570Sから引き出され、かつ入口ガイド570MSなどの第2の入口ガイドがシステムに配置されている場合には、点線で示すように、シャフト567の位置は第2の入口ガイドの対応するチャネルに挿入するには正しくない(図5D参照)。
図5Eの実線は、入口ガイドマニピュレータ530の器具マニピュレータ位置決めシステム550が、外科用装置アセンブリ500に結合された要素549を移動させた結果を示す。具体的には、挿入アセンブリ531は、位置決め要素549に接続された浮動プラットフォーム532Aに装着されている。位置決め要素549が器具マニピュレータ位置決めシステム550によって移動すると、浮動プラットフォーム532Aが移動し、次にシャフト567を含む外科用装置アセンブリ500全体を移動させる。
このように、入口ガイド570MSの外科用装置アセンブリ500を再位置決めするために、器具マニピュレータ位置決めシステム550は、位置決め要素549を移動させ、次に浮動プラットフォーム532Aを移動させて、挿入アセンブリ531およびシャフト567を含む外科用装置アセンブリ500全体が図5Eの点線で示す位置から実線で示す位置まで移動する。一態様では、手動でノブを回すことにより、位置決め要素549を移動させる。別の態様では、サーボモータを用いて位置決め要素549を移動させる。
図5Eでは、ただ1つの外科用装置アセンブリ500およびそれに関連するベースアセンブリ532を示している。しかし、これは一態様における4つのベースアセンブリの各々を表しているので、この説明はベースアセンブリの総数、たとえば4つのベースアセンブリの各々にも適用可能であり、あるいは、いくつかの態様では、ベースアセンブリの総数より少ない数のベースアセンブリにも適用可能である。また、外科用装置アセンブリを関連するベースアセンブリに結合するための挿入アセンブリの使用は、単なる例示であり、限定することを意図するものではない。別の態様では、外科用装置アセンブリは、ベースアセンブリに直接結合される。
図5Eはまた、シャフト567の円形状の湾曲を示す。円形状の湾曲では、シャフト567の湾曲は円の円弧である。シャフト567が円形状に湾曲する場合には、以下でより完全に説明されるように、円形状の湾曲は、すべての可能な湾曲のうちで湾曲の長さにわたる最小の応力を導入する。
図6Aは、入口ガイドマニピュレータ530の器具マニピュレータ位置決めシステム640Aの一実施態様を示す。図6Aでは、ただ1つの外科用装置アセンブリ500およびそれに関連するベースアセンブリ532を示している。しかし、これは一態様におけるベースアセンブリの総数の各々を表しているので、この説明は4つのベースアセンブリの各々にも適用可能であり、あるいは、いくつかの態様では、ベースアセンブリの総数より少ない数のベースアセンブリにも適用可能である。
ベースアセンブリ532の浮動プラットフォーム600A、たとえば可動プラットフォームは、挿入アセンブリ531に接続されている。したがって、上に示したように、浮動プラットフォーム600Aの移動はシャフト567の位置を移動させる。器具マニピュレータ位置決めシステム640Aの横方向運動機構の位置決め要素610は、浮動プラットフォーム600Aに結合されている。この実施例では、位置決め要素610および浮動プラットフォーム600Aは、4つの自由度で、たとえば第1の軸601に沿って、第2の軸602に沿って、ピッチ603で、およびヨー604で移動することができる。第1の軸601および第2の軸602は、先に示したように、入口ガイドの長手方向軸線に垂直な平面内にある。
一態様では、位置決め要素610が浮動プラットフォーム600Aを、したがって挿入アセンブリ531を方向601、602に移動させることができるように、プラットフォーム600Aはレールシステムに懸架されている。プラットフォーム600Aはまた、位置決め要素610およびプラットフォーム600Aのピッチを変更することを可能にする支持体620に移動可能に懸架されており、たとえばレールシステムは支持体620装着されている。支持体620はまた、アンカー630の周りで回転して、位置決め要素610およびプラットフォーム600Aのヨーを変更することができる。
上に示したように、患者側支援システム210Eは、多種多様な入口ガイドと共に使用される。使用される特定の入口ガイドは、通常、実行される手術に依存する。いくつかの例では、入口ガイドのチャネルは、入口ガイドを通って真っ直ぐに延在しなくてもよい。この場合には、入口ガイドから出る器具シャフトは、入口ガイドの長手方向軸線に対してすべてが平行であるわけではなく、むしろ器具シャフトは扇形に拡がっている。入口ガイドは、入口ガイドの長手方向軸線に対してある角度をなす、たとえば、チャネルが傾斜している、1つまたは複数のチャネルを有する。この入口ガイドでは、位置決め要素610のピッチおよび/またはヨーは、シャフト567を傾斜したチャネルに挿入するように変更することができる。
図6Bは、少なくとも1つの傾斜したチャネル670Cを有する入口ガイド670の断面図であり、たとえば、チャネル670Cは長手方向軸線690に対してある角度をなしている。長手方向軸線690は、入口ガイド670の遠位端670Dから入口ガイド670の近位端670Pまで延在する。チャネル670Cの長さ方向軸線670CLは、長手方向軸線690に対してある角度をなしている。入口ガイド670は、図6Bで見ることができる2つのチャネルよりも多くを有してもよい。
一態様では、チャネル670Cは手動チャネルである。手動チャネルの角度は、手動の器具、たとえばステープラを手術部位の中心に向けるように選択される。
図6Cは、入口ガイドの長手方向軸線に垂直な面内で2つの直交する方向601、602に、すなわち2つの自由度で、挿入アセンブリ531、および結果的にシャフト567を移動させる、器具マニピュレータ位置決めシステム640Cの一例を示す。挿入アセンブリ531は、第2の浮動プラットフォーム600Cの開口部653を通って延在する。挿入アセンブリ531の近位端は、第1の浮動プラットフォーム600Bに装着されている。プラットフォーム600Bは、第1の組のレール663の上に載っている。一組のレール663は、プラットフォーム600Cに装着されている。サーボモータ660は、第1の位置決め要素により、この態様では、送りねじ661およびナットにより、プラットフォーム600Bに接続されている。
プラットフォーム600Cは、第2の組のレール652の上に載っている。サーボモータ650は、第2の位置決め要素により、この態様では、送りねじ651およびナットにより、プラットフォーム600Bに接続されている。サーボモータ650は、プラットフォーム600Cおよび結果的に挿入アセンブリ531を方向601に移動させる。サーボモータ660は、プラットフォーム600Bおよび結果的に挿入アセンブリ531を方向602に移動させる。ピッチおよびヨーを変化させる能力を追加するために、一組のレール652が2つの自由度を有する支持体上に装着されている。位置決め機構640Cの構成は単なる例示にすぎず、例示した特定の要素に限定することを意図するものではない。
図7A〜図7Cは、浮動プラットフォーム700を含むベースアセンブリ732の一部の一態様のそれぞれ上面図、底面図、および斜視図である。ベースアセンブリ732は、ベースアセンブリ432の一態様を表す。図7A〜図7Cでは、浮動プラットフォーム700のこの態様を理解するために必要な構成要素のみが含まれている。
浮動プラットフォーム700は、第1のプラットフォーム700Aおよび第2のプラットフォーム700Bを含む。第1のプラットフォーム700Aは、脚部700L1、700L2(図7B)を有する。脚部700L1は、脚部700L2の内側面700L2Sを含む平面に垂直な平面内にある外側面700L1Sを有する。軸790は外側面700L1Sに沿っており、軸791は内側面700L2Sに沿っている。
脚部700L1の外側面700L1Sは、第1の組の精密直線レール752に結合されている。一組のレール752は、ベースアセンブリ732の内側面に固定されている。図7Bおよび図7Cでは、一組のレール752のうち遠位レールだけが見える。近位レールもまた、ベースアセンブリ732に固定されている。複数の組の軸受701が、脚部700L1の外側面700L1Sに装着されている。複数の組の軸受701は、予め装着されており、一組のレール752の上に載っている。
第2のプラットフォーム700Bの側面は、脚部700L2の内側面700L2Sに結合されている。第2のプラットフォーム700Bの近位部分700B1は、脚部700L2の近位端表面の上に延在する。第2のプラットフォーム700Bの別の側面は、挿入アセンブリ731の一部に固定されている。一態様では、挿入アセンブリ731は、フレーム、中間キャリッジ、および遠位キャリッジを含む。図7A〜図7Cに示す挿入アセンブリ731の一部は、フレームである。中間キャリッジは、フレーム内のボールねじ713に載っている。一態様では、ボールねじ713は6mmピッチであり、ボールねじ713は逆駆動可能である。中間キャリッジは、遠位キャリッジを駆動する金属ベルトを含む。遠位キャリッジは、外科用装置アセンブリに取り付けられている。
第2の組の精密直線レール763は、脚部700L2の内側面700L2Sに固定されている。第2の組のレール763は、第1の組のレール752に対して垂直である。図7Bおよび図7Cでは、一組のレール763のうち遠位レールだけが見える。近位レールもまた、脚部700L2の内側面700L2Sに固定されている。複数の組の軸受702が、プラットフォーム700Bの側面に装着されている。複数の組の軸受702は、予め装着されており、一組のレール763の上に載っている。
第2のプラットフォーム700Bの近位部分700B1は、ベースアセンブリ筐体732の近位端表面の円形開口部715に配置された位置決め要素レセプタクル710を含む。以下でより完全に説明するように、位置決め要素を含むユニットが筐体732に装着されており、位置決め要素、たとえばピンが位置決め要素レセプタクル710と嵌合するようになっている。一態様では、ピンおよび位置決め要素レセプタクル710の両方は強度の高い鋼で作られ、位置決め要素レセプタクル710のピンの結合のバックラッシュを最小にするように精密に機械加工される。一態様では、第2のプラットフォーム700Bは、ステンレス鋼、たとえば、30%冷間加工されたNitronic60で作製される。しかし、良好に機能する、たとえば、かじり(galling)または冷間圧接を示さない任意の強度の高い鋼を、他の鋼と共に用いてもよい。
図7Dは、位置決め要素レセプタクル710の一態様の破断図である。位置決め要素レセプタクルアセンブリ714が、第2のプラットフォーム700Bの近位部分700B1に装着されている。位置決め要素レセプタクルアセンブリ714は、筐体714H、位置決め要素レセプタクル710、および2つの軸受711、712を含む。位置決め要素レセプタクル710は、この態様では、中空の円筒であって、近位端において開口し、かつ遠位端において開口している。軸受711は、筐体714Hと位置決め要素レセプタクル710との間で、位置決め要素レセプタクル710の近位端に隣接して配置されている。軸受712は、筐体714Hと位置決め要素レセプタクル710との間で、位置決め要素レセプタクル710の遠位端に隣接して配置されている。軸受711、712は、位置決め要素レセプタクル710が筐体714Hに対して、および結果的に第2のプラットフォーム700Bに対して回転することを可能にする。軸受711、712の使用は単なる例示であり、限定することを意図するものではない。一態様では、軸受は位置決め要素レセプタクルアセンブリ714に含まれない。
プラットフォーム700は、2つの組のレール752、763の上に浮いている。位置決め要素が位置決めレセプタクル710と嵌合すると、位置決め要素の移動は、浮動プラットフォーム700を軸790、791の一方または両方に沿って移動させる。入口ガイドマニピュレータ230Eの器具マニピュレータ位置決めシステム231Eは、位置決め要素を特定の位置に移動させることにより、挿入アセンブリ731の位置を制御する。
図8Aは、入口ガイドマニピュレータ230Eに含まれ、かつ浮動プラットフォーム700に結合され得る器具マニピュレータ位置決めシステム840Aの第1の例である。器具マニピュレータ位置決めシステム840Aは、固定ディスク870Aに結合された調整ディスク841Aを含む。調整ディスク841Aおよび固定ディスク870Aが互いに同期して動くと、上述したように、固定ディスク870Aの回転によって複数の外科用装置アセンブリ300を1つのグループとしてロール運動させる。具体的には、固定ディスク870Aの回転が調整ディスク841Aに結合された外科用装置アセンブリをロール運動させるように、調整ディスク841Aが固定ディスク870Aと同期して動く。
しかし、特定の入口ガイドに挿入するように器具のシャフトを位置決めするために、調整ディスク841Aの回転が固定ディスク870Aに伝達されないように、調整ディスク841Aは最初に固定ディスク870Aから分離される。入口ガイドの所与の組について、位置決め要素の位置は、各入口ガイドのチャネルに対して既知である。この実施例では、入口ガイドの所与の組について、位置決め要素は、既知である6つの位置P0〜P5のいずれかに移動することができる。1つの位置から次の位置へ位置決め要素を移動させるために必要な変位は、器具マニピュレータ位置決めシステム840Aにプログラムされている。この実施例では、調整カム843Aは、6つの位置P0〜P5の各々の位置決め要素の位置を規定する。
カムフォロワ842Aは、調整カム843Aの上に載るように装着され、固定スロット844A内に装着されている。固定スロット844Aは、カムフォロワ842Aの移動範囲を制限するので、位置決め要素の運動を制限する。一態様では、カムフォロワ842Aを用いて2つのタイプの運動、すなわち、直線に沿った直線運動および円弧に沿った円運動が可能である。
直線に沿った運動では、カムフォロワ842Aがロッドを含み、ロッドの一方の端部は調整カム843Aに載っており、ロッドの第2の端部は、たとえば、位置決め要素レセプタクル710内に延在する。したがって、調整ディスク841Aが回転すると、ロッドが固定スロット844A内で移動し、次に移動プラットフォーム700および挿入アセンブリ731に結合された器具の遠位端を平面内の直線に沿って移動させる。
円弧に沿った運動では、リンクロッド845(図8B)が、カムフォロワ842Aを回転ディスク846Bに連結する。位置決め要素849Bは、回転ディスク846Bの側面に固定されている。調整ディスク841Aが回転すると、カムフォロワ842Aのピンが調整カム843Aに追従し、スライダークランクのように作用して、回転ディスク846Bを駆動する。出力ピン894B、すなわち位置決め要素は、ディスク846Bの側面に装着されている。このように、回転ディスク846Bが回転すると、出力ピン849Bが一定の半径の円弧に沿って移動する。一態様では、出力ピン849Bが位置決め要素レセプタクル710に装着され、浮動プラットフォーム700に結合された器具のシャフトが一定の半径の円弧に沿って移動する。
一態様(図8C)では、位置決め要素849Cは、二次ディスク847の側面に装着されている。二次ディスク847は、回転ディスク846Cと噛合している。したがって、出力ピン849Cは、出力ピン849Bが追従する円弧とは異なる円弧に追従する。
図8Aでは、単一の固定スロット、単一のカムフォロワ、および単一の調整カムのみを示しているが、調整ディスク841Aは、複数の外科用装置アセンブリ300の各々について固定スロット、カムフォロワ、および調整カムを含んでもよいし、あるいは複数の外科用装置アセンブリ300の一部の各々について固定スロット、カムフォロワ、および調整カムを含んでもよい。
図8Dは、入口ガイドマニピュレータ230Eに含まれ、かつ浮動プラットフォーム700に結合され得る器具マニピュレータ位置決めシステム840Dの別の例を示す。器具マニピュレータ位置決めシステム840Dは、固定ディスク870Dを含む。複数の外科用装置アセンブリ300は、入口ガイドマニピュレータ230Eの固定ディスク870Dに結合されており、固定ディスク870Dの回転によって、複数の外科用装置アセンブリ300を1つのグループとしてロール運動させる。この態様では、調整ディスクが使用されていないが、それは外科用装置アセンブリを正しい位置に手動で移動させるためであることに留意されたい。
特定の入口ガイドに挿入するように器具のシャフトを位置決めするために、位置決め要素レセプタクル710が、固定ディスク870Dの貫通孔である、6つの位置P0〜P5のうちの1つと位置合わせされるまで、ユーザが浮動プラットフォーム700を手動で移動させる。一態様では、チャネルに隣接する入口ガイドの外面は、0〜5のうちの1つの数を含んでいるので、オペレータは6つの位置P0〜P5のうちのどれを選択するかが分かる。
位置決め要素レセプタクル710が固定ディスク870Dの正しい位置に位置合わせされると、ピンが位置決め要素レセプタクル710を貫通して固定ディスク870Dの孔に挿入され、浮動プラットフォームを所定の位置に固定する。一態様では、ボールロックピンが浮動プラットフォーム700を固定ディスク870Dに固定するために使用される。図8Dには、1組の位置のみを示しているが、固定ディスク870Dは、複数の外科用装置アセンブリ300の各々について、あるいは複数の外科用装置アセンブリ300の一部の各々について、1組の位置を含むことができる。
図8Eは、入口ガイドマニピュレータ230Eに含まれ、かつ浮動プラットフォーム700に結合され得る器具マニピュレータ位置決めシステム840Eの別の例を示す。器具マニピュレータ位置決めシステム840Eは、固定ディスク870Eの調整経路843Eを含む。複数の外科用装置アセンブリ300は、入口ガイドマニピュレータ230Eの固定ディスク870Eに結合されており、固定ディスク870Eの回転によって、複数の外科用装置アセンブリ300を1つのグループとしてロール運動させる。
入口ガイドの所与の組について、位置決め要素レセプタクル710の許容可能な位置は、各入口ガイドのチャネルに対して既知である。この実施例では、入口ガイドの所与の組について、許容可能な位置は、固定ディスク870Eの調整経路843Eに沿っている。
しかし、器具のシャフトを移動させて特定の入口ガイドに挿入するために、入口ガイド270Eの長手方向軸線が垂直になるように、入口ガイド270Eを移動させる。次に、シャフトを有する外科用器具が外科用装置アセンブリを形成するために器具マニピュレータ上に装着され、外科用装置アセンブリのシャフトが入口ガイド270Eのチャネルに挿入される。シャフトが湾曲すると、器具マニピュレータは、調整経路843Eに沿って最小エネルギーの位置まで移動する、たとえば、器具マニピュレータが、シャフトの湾曲が最小になるところへ移動して、シャフトの湾曲が最小化される。外科用装置アセンブリが最小エネルギーの位置に移動した後に、浮動プラットフォーム700が、その位置で調整経路843Eに固定される。一態様では、ボールロックピンが浮動プラットフォーム700を固定ディスク870Eの調整経路843Eの位置にロックするために使用される。図8Eには、単一の調整経路843Eのみを示しているが、固定ディスク870Eは、1組の調整経路、すなわち複数の外科用装置アセンブリ300の各々について1つの経路、または複数の外科用装置アセンブリ300の一部の各々について1つの経路を含むことができる。
図9は、入口ガイドマニピュレータ230Eに含まれる器具マニピュレータ位置決めシステム940の別の態様を示す。器具マニピュレータ位置決めシステム940は、横方向運動機構を含む。横方向運動機構は、駆動ギヤもしくは調整リングギヤと呼ばれることもある調整ギヤ941、および複数のギヤボックス942_0、942_1、942_2、942_3を含む。以下でより完全に説明するように、ギヤボックス942_0、942_1、942_2、942_3の各々は、調整ギヤ941に係合する入力スパー(spur)ギヤ、および出力ピンを有する。出力ピンは、上述した位置決め要素である。各位置決め要素は、浮動プラットフォームの位置決め要素レセプタクル、たとえば、浮動プラットフォーム700の位置決め要素レセプタクル710に嵌合する。
ギヤボックス942_0、942_1、942_2、942_3の各々は、リリースピン943_0、943_1、943_2、943_3で取り付けられている。リリースピンは、取り付け中に各ギヤボックスを固定して、ギヤボックスが適切に同期することを保証する。図9では、リリースピン943_1は、ギヤボックス942_1から取り外されている。
一態様では、調整ギヤ941を回転させることによって、ギヤボックス942_0、942_1、942_2、942_3の各々が位置決め要素を移動させて、位置決め要素に結合された浮動プラットフォームが特定の軌道上を移動する。前述したように、挿入アセンブリは浮動プラットフォームに取り付けられており、外科用装置アセンブリは挿入アセンブリに取り付けられている。したがって、位置決め要素が特定の軌道上で浮動プラットフォームを移動させると、外科用器具のシャフトの遠位端がその特定の軌道に追従する。
図9では、ギヤボックス942_0、942_1、942_2、942_3は、1組のギヤボックスを表している。図10A〜図10Dには、ギヤボックスの第1の組を示す。図11A〜図11Kには、ギヤボックスの第2の組を示す。1つの組におけるギヤボックスの組合せは単なる例示にすぎず、限定することを意図するものではない。以下でより完全に説明するように、図9の1組のギヤボックスで使用されるギヤボックスの特定の組合せは、患者側支援システム210Eで使用される入口ガイドおよび器具によって決定される。
また、4つのギヤボックスの組の使用は単なる例示にすぎず、限定することを意図するものではない。この開示に鑑みて、一組のギヤボックスは、任意の数のギヤボックスを含むことができ、たとえば、自動的に位置決めされるマニピュレータアセンブリ240ごとに1つのギヤボックスを含むことができる。4つのギヤボックスの組を用いて、図3Aおよび図3Bの4つのマニピュレータアセンブリの各々が自動的に位置決めされる。しかし、上述したように、いくつかの態様は、システムに5つ以上のマニピュレータアセンブリ(図5F参照)を含むことができるので、すべてのマニピュレータアセンブリが自動的に位置決めされる場合には、一組のギヤボックスが、このようなシステムに5つ以上のギヤボックスを含むことができる。同様に、マニピュレータアセンブリのすべてではなく、そのうちの一部が自動的に位置決めされる場合には、一組のうちのギヤボックスの数は、マニピュレータアセンブリの総数よりも少なくなる。図9は、一組のうちのギヤボックスの可能な組合せの各々について繰り返さないが、それは、この開示に鑑みて、当業者であれば、異なる器具および/またはガイドチューブに適合するように自動的に位置決めされるマニピュレータアセンブリの数に対してギヤボックスを選択することができ、たとえば、一組のうちのギヤボックスの数は、1からシステムのマニピュレータアセンブリの総数までの範囲で変化させることができるからである。
一態様では、2つのタイプのギヤボックスが第1の組のギヤボックスに使用される。第1のギヤボックスは、円軌道上で位置決め要素を移動させる。第2のギヤボックスは、直線軌道上で位置決め要素を移動させる。この態様では、直線軌道ギヤボックス942_0_1(図10C、図10D)は、ギヤボックス942_0(図9)に対して用いられ、円軌道ギヤボックス942(図10A、図10B)は、ギヤボックス942_1、942_2、942_3(図9)の各々に対して用いられる。ギヤボックスのこの組合せは単なる例示にすぎず、限定することを意図するものではない。以下でより完全に説明するように、図9で使用されるギヤボックスの特定の組合せは、患者側支援システム210Eで使用される入口ガイドおよび器具によって決定される。
図10Aは、ギヤボックス942の近位端側の図である。この態様では、ギヤボックス942は、円軌道を有する、図9のギヤボックス942_1、942_2、942_3の各々を表している。図10Bは、ギヤボックス942の遠位端側の図である。図10Aおよび図10Bでは、ギヤボックス筐体の一部が取り除かれている。
ギヤボックス942は、入力ギヤ1001_Aおよび出力ギヤ1002_Aを含むギヤ列を支持する筐体を有する。上では、入力ギヤ1001_Aは入力スパーギヤと呼ばれていた。
出力ピン1049_B、たとえば位置決め要素は、出力ギヤ1002_Aの遠位側面1002S_Bに装着されている。この態様では、出力ピン1049_Bは、出力ギヤ1002_Aの回転中心からオフセットされて、出力ギヤ1002_Aに装着されている。したがって、出力ピン1049_B、および結果的に外科用器具のシャフトの軌道は、一定の半径の円弧である。一態様では、出力ピン1049_Bは、ステンレス鋼ピン、たとえば、30%冷間加工されたNitronic60である。しかし、良好に機能する、すなわち、かじりまたは冷間圧接を示さない任意の強度の高い鋼を、他の鋼と共に用いてもよい。
出力ピン1049_Bは、表面1002S_Bから筐体の遠位側1032S_Bの開口部1044_Bを通って遠位方向に延在する。開口部1044_Bの形状は、出力ピン1049_Bの移動範囲を制御するように選択される。したがって、開口部1044_Bは、出力ピン1049_Bに対する移動制限である。
図10Cは、直線軌道ギヤボックスであるギヤボックス942_0_1の近位端側の図である。ギヤボックス942_0_1は、ギヤボックス942_0(図9)の一例である。図10Dは、ギヤボックス942_0_1の遠位端側の図である。図10Cおよび図10Dでは、筐体の内側の要素が見えるように、ギヤボックス筐体を透明にしてある。
ギヤボックス942_0_1は、入力ギヤ1001_Cおよびカムギヤ1002_Cを含むギヤ列を支持する筐体を有する。カムギヤ1002_Cは、遠位面1002S_D(図10D)からカムギヤ1002_C内に機械加工されたスロットである調整カム1043を含む。したがって、調整カム1043をカムスロット1043と呼ぶことがある。
出力ピン1049_Dの近位端、たとえば位置決め要素の近位端は、調整カム1043に載っている。出力ピン1049_Dは、一対の直線レール1052の上に載っているキャリッジ1005に装着されている。直線レール1052は、筐体の内側遠位面に装着されている。一態様では、出力ピン1049_Dは、ステンレス鋼ピン、たとえば、30%冷間加工されたNitronic60である。しかし、良好に機能する、すなわち、かじりまたは冷間圧接を示さない任意の強度の高い鋼を、他の鋼と共に用いてもよい。
出力ピン1049_Dは、筐体の遠位側1032S_Dの固定スロット1044_Dを通って遠位方向に延在する。固定スロット1044_Dの大きさは、出力ピン1049_Dの移動範囲を制御するように選択される。したがって、固定スロット1044_Dは、出力ピン1049_Dに対する移動制限である。
入力ギヤ1001_Cがカムギヤ1002_Cを駆動すると、調整カム1043が出力ピン1049_Dを移動させる。通常、カムギヤ1002_Cが回転する際には、出力ピン1049_Dとカムスロット1043との間にはかなりの量の摩擦がある。しかし、一態様では、出力ピン1049_Dがカムスロット1043に着座されている場合には、一対の軸受が出力ピン1049_Dに装着されているので、ギヤボックス942_0_1は摺動運動ではなく軸受のロール運動を通してピン運動を伝達する。
ギヤボックス942_0_1では、出力ピン1049_Dの位置は、調整カム1043_Dのプロファイルによって誘導される。しかし、キャリッジ1005および直線レール1052は、出力ピン1049_Dの動きを直線上の動きに制限する。この構成は、可逆であるという利点を有しており、出力ピン位置の順序付けをより柔軟にする。
別の態様では、図11A〜図11Kに示すように、第2の組のギヤボックスは、4つの異なるギヤボックスを含む。図11Aは、直線軌道ギヤボックスであるギヤボックス942_0_2の近位端側の図である。ギヤボックス942_0_2は、ギヤボックス942_0(図9)の一例である。ギヤボックス942_0_2は、第2の組のギヤボックスの中の第1のギヤボックスであり、通常、カメラ器具を位置決めするために使用される。図11Bは、ギヤボックス942_0_2の遠位端側の図である。図11Aおよび図11Bでは、筐体の内側の要素が見えるように、ギヤボックス筐体を透明にしてある。図11Aでは、リリースピン943_0_2は、ギヤボックス942_0_2から取り外されているので、図示されていない。
ギヤボックス942_0_2は、入力ギヤ1101_Aおよびカムギヤ1102_Aを含むギヤ列を支持する筐体を有する。カムギヤ1102_Aは、遠位面1102DS_B(図11B)からカムギヤ1102_A内に機械加工されたスロットである調整カム1143_Bを含む。したがって、調整カム1143_Bをカムスロット1143_Bと呼ぶことがある。
出力ピン1149_Bの近位端はカムフォロワに接続されており、たとえば、位置決め要素の近位端は、調整カム1143_Bに載っているカムフォロワに結合されている。出力ピン1149_Bは、筐体の遠位側1132DS_Bの固定スロット1144_Bを通って遠位方向に延在する。固定スロット1144_Bの大きさは、出力ピン1149_Bの移動範囲に基づいて選択される。固定スロット1144_Bの幅は、公差を加えたスロット端面上でロール運動する出力ピン1149_Bの一部を収容するのに十分な幅である。
この態様では、ストップピン1103_Aは、カムギヤ1102_Aの近位面1102PS_Aから近位方向に延在する。ストップピン1103_Aは、筐体の近位側1132PS_Aの内面のスロット1104_Aに載っている。スロット1104_Aと組み合わせたストップピン1103_Aがカムギヤ1102_Aの回転範囲を制限するので、この組合せは移動範囲の制限である。
入力ギヤ1101_Aがカムギヤ1102_Aを回転させると、調整カム1143_Bは、スロット1144_B内の出力ピン1149_Bを移動させる。出力ピン1149_Bの位置は、調整カム1143_Dのプロファイルによって誘導される。しかし、スロット1144_Bは、出力ピン1149_Bの動きを直線上の動きに制限する。図18Cを参照されたい。
図11Cは、第1の2自由度の軌道ギヤボックスである、ギヤボックス942_1_2の近位端側の図である。ギヤボックス942_1_2は、ギヤボックス942_1(図9)の一例である。ギヤボックス942_1_2は、第2の組のギヤボックスの中の第2のギヤボックスである。図11Dは、ギヤボックス942_0_2の遠位端側の図である。図11Cおよび図11Dでは、筐体の内側の要素が見えるように、ギヤボックス筐体を透明にしてある。図11Cでは、リリースピン943_1_2は、ギヤボックス942_1_2から取り外されているので、図示されていない。
ギヤボックス942_1_2は、入力ギヤ1101_Cおよびカムギヤ1102_Cを含むギヤ列を支持する筐体を有する。カムギヤ1102_Cは、遠位面1102DS_D(図11B)からカムギヤ1102_C内に機械加工されたスロットである調整カム1143_Dを含む。したがって、調整カム1143_Dをカムスロット1143_Dと呼ぶことがある。
出力ピン1149_Dの近位端はカムフォロワに接続されており、たとえば、位置決め要素の近位端は、調整カム1143_Dに載っているカムフォロワに結合されている。出力ピン1149_Dは、筐体の遠位側1132DS_Dの固定スロット1144_Dを通って遠位方向に延在する。固定スロット1144_Dの大きさは、出力ピン1149_Dの移動範囲に基づいて選択される。固定スロット1144_Dの幅は、公差を加えたスロット端面上でロール運動する出力ピン1149_Dの一部を収容するのに十分な幅である。
この態様では、ストップピン1103_Cは、カムギヤ1102_Cの近位面1102PS_Cから近位方向に延在する。ストップピン1103_Cは、筐体の近位側1132PS_Cの内面のスロット1104_Cに載っている。スロット1104_Cと組み合わせたストップピン1103_Cがカムギヤ1102_Cの回転範囲を制限するので、この組合せは移動範囲の制限である。
入力ギヤ1101_Cがカムギヤ1102_Cを回転させると、調整カム1143_Dは、スロット1144_D内の出力ピン1149_Dを移動させる。出力ピン1149_Dの位置は、調整カム1143_Dのプロファイルによって誘導される。しかし、スロット1144_Dは、出力ピン1149_Dの動きを2つの円弧の組合せの動きに制限する。出力ピン1149_Dは、2つの自由度を有する。図18Eを参照されたい。
図11Eおよび図11Fは、第2の2自由度の軌道ギヤボックスである、ギヤボックス942_2_2の近位端側の図である。ギヤボックス942_2_2は、ギヤボックス942_2(図9)の一例である。ギヤボックス942_2_2は、第2の組のギヤボックスの中の第3のギヤボックスである。図11Gは、ギヤボックス942_2_2の遠位端側の図である。図11Hは、ギヤボックス942_2_2の断面図である。図11E、図11F、および図11Gでは、筐体の内側の要素が見えるように、ギヤボックス筐体を透明にしてある。
ギヤボックス942_2_2は、入力ギヤ1101_Eおよびカムギヤ1102_Eを含むギヤ列を支持する筐体を有する。カムギヤ1102_Eは、遠位面1102DS_G(図11B)からカムギヤ1102_E内に機械加工されたスロットである調整カム1143_Gを含む。したがって、調整カム1143_Gをカムスロット1143_Gと呼ぶことがある。
図11Eでは、リリースピン943_2_2は、ギヤボックス942_2_2に挿入した状態で示してある。前述のように、各リリースピン、たとえばリリースピン943_2_2は、取り付け中にそのギヤボックスを固定し、ギヤボックスが調整ギヤ941と適切に同期することを保証する。図11Fでは、リリースピン943_2_2は、ギヤボックス942_2_2から取り外されている。
出力ピン1149_Gの近位端はカムフォロワに結合されており、たとえば、位置決め要素の近位端は、調整カム1143_Gに載っているカムフォロワに結合されている。出力ピン1149_Gは、筐体の遠位側1132DS_Gの固定スロット1144_Gを通って遠位方向に延在する。固定スロット1144_Gの大きさは、出力ピン1149_Gの移動範囲に基づいて選択される。固定スロット1144_Gの幅は、公差を加えたスロット端面上でロール運動する出力ピン1149_Gの一部を収容するのに十分な幅である。
この態様では、ストップピン1103_Eは、カムギヤ1102_Eの近位面1102PS_Eから近位方向に延在する。ストップピン1103_Eは、筐体の近位側1132PS_Eの内面のスロット1104_Eに載っている。スロット1104_Eと組み合わせたストップピン1103_Eがカムギヤ1102_Aの回転範囲を制限するので、この組合せは移動範囲の制限である。
入力ギヤ1101_Eがカムギヤ1102_Eを回転させると、調整カム1143_Gは、スロット1144_G内の出力ピン1149_Gを移動させる。出力ピン1149_Gの位置は、調整カム1143_Gのプロファイルによって誘導される。しかし、スロット1144_Gは、出力ピン1149_Gの動きを直線と円弧との組合せの動きに制限する。出力ピン1149_Gは、2つの自由度を有する。図18Gを参照されたい。
第2の組の中の他のギヤボックス、すなわちギヤボックス942_0_2、942_1_2、942_3_2の各々は、図11Hのギヤボックス942_2_2の断面図と同様の断面図を有する。したがって、各ギヤボックス942_0_2、942_1_2、942_3_2の断面図は、さらなる情報を付加しないので、示していない。図11Hに示すように、この態様では、出力ピン1149_Gは、ブッシング1161によりカムフォロワ1160に結合されている。カムフォロワ1160は、カムスロット1104_Eに載っている。この態様では、出力ピン1149_Gを支持するために軸受を用いていないが、それは、出力ピン1149_Gが位置決め要素レセプタクルアセンブリ714(図7D)の軸受711、712によって支持されているからである。この態様では、ギヤボックス942_2_2の筐体は、ベース1170_Gおよび蓋1171_Gを含む。
図11Iは、第3の2自由度の軌道ギヤボックスである、ギヤボックス942_3_2の近位端側の図である。ギヤボックス942_3_2は、ギヤボックス942_3(図9)の一例である。ギヤボックス942_3_2は、第2の組のギヤボックスの中の第4のギヤボックスである。図11Jは、ギヤボックス942_3_2の遠位端側の図である。図11Iおよび図11Jでは、筐体の内側の要素が見えるように、ギヤボックス筐体を透明にしてある。図11Iでは、リリースピン943_3_2は、ギヤボックス942_3_2から取り外されているので、図示されていない。
ギヤボックス942_3_2は、逆転遊び(idler)ギヤ1108_I、入力ギヤ1101_Iおよびカムギヤ1102_Iを含むギヤ列を支持する筐体を有する。逆転遊びギヤ1108_Iは、調整ギヤ941上に載っており、カムギヤ1102_Iを駆動する。逆転遊びギヤ1108_Iは、この態様では、マニピュレータ位置決めシステムが不安定状態に入らないことを保証するために使用される。カムギヤ1102_Iは、遠位面1102DS_J(図11J)からカムギヤ1102_I内に機械加工されたスロットである調整カム1143_Jを含む。したがって、調整カム1143_Jをカムスロット1143_Jと呼ぶことがある。
出力ピン1149_Jの近位端はカムフォロワに結合されており、たとえば、位置決め要素の近位端は、調整カム1143_Jに載っているカムフォロワに結合されている。出力ピン1149_Jは、筐体の遠位側1132DS_Jの固定スロット1144_Jを通って遠位方向に延在する。固定スロット1144_Jの大きさは、出力ピン1149_Jの移動範囲に基づいて選択される。固定スロット1144_Jの幅は、公差を加えたスロット端面上でロール運動する出力ピン1149_Jの一部を収容するのに十分な幅である。
この態様では、ストップピン1103_Iは、カムギヤ1102_Iの近位面1102PS_Iから近位方向に延在する。ストップピン1103_Iは、筐体の近位側1132PS_Iの内面のスロット1104_Iに載っている。スロット1104_Iと組み合わせたストップピン1103_Iがカムギヤ1102_Iの回転範囲を制限するので、この組合せは移動範囲の制限である。
入力ギヤ1101_Iがカムギヤ1102_Iを回転させると、調整カム1143_Jは、スロット1144_J内の出力ピン1149_Jを移動させる。出力ピン1149_Jの位置は、調整カム1143_Jのプロファイルによって誘導される。しかし、スロット1144_Jは、出力ピン1149_Jの動きを2つの円弧の組合せの動きに制限する。出力ピン1149_Jは、2つの自由度を有する。図18Iを参照されたい。
図11Kは、カムギヤ1102_Iのより詳細な図である。一態様では、出力ピン1149_Jは、カムギヤ1102_Iの回転によって7つの位置のうちの1つに移動する。出力ピン1149_Jの7つの位置は、カムスロット1143_Jの点線1149_J_1〜1149_J_7で表している。図11Kのより明るい色の線は、作動線であるが、必須のものではない。
出力ピン1149_Jがカムスロット1143_J内で停止する各位置において、カム面は平坦である、すなわち、カムの平坦な面は、カムギヤ1102_Iの中心を通る半径方向線に対して垂直である。これによって、カムギヤ1102_Iの逆駆動を防止する。いくつかの状況では、外科用装置アセンブリの重量によって、そのアセンブリのための対応する出力ピンに力を伝達するように、外科用装置アセンブリ300を位置決めすることができる。出力ピン1149_Jの停止位置のフラットスポットは、ピンによってカムギヤ1102_Iに伝達された力のみがカムギヤ1102_Iの中心を通る半径方向の力であることを保証するので、カムギヤ1102_Iの逆駆動は問題とならない。カムギヤ1102_Iはまた、第2の組の中の他のギヤボックスの各々のカムギヤを表しているが、カム面は各ギヤボックスで同一ではない。
カムギヤ1102_Iの別の特徴は、出力ピン1149_Jが、カムギヤ1102の回転の均等な増分によって、図11Kに示すように、適切な停止位置に移動することである。この実施例では、カムギヤ1102_Iが90度回転して、出力ピン1149_Jを位置1149_J_1(ドレーピング位置)から位置1149_J_2へ移動させ、次にカムギヤ1102_Iが45度回転して、出力ピン1149_Jを次の各停止位置、すなわち、位置1149_J_3〜1149_J_7へ移動させる。カムギヤ1102_Iは均等な増分で回転するが、出力ピン1149_Jはカムスロット1143_J内で動くように制限されているので、停止位置1149_J_2〜1149_J_7は、図11Kでは均等な増分にはなっていない。
一態様では、第2の組のギヤボックスのうちのギヤボックスの各々は、同一の材料を用いて構成されている。ベースは2024−T4アルミニウムで作られている。蓋は6061−T6アルミニウムで作られている。カムギヤを含むギヤはすべて、2024−T4アルミニウムで作られている。一態様では、出力ピンの各々は、ステンレス鋼ピン、たとえば、30%冷間加工されたNitronic60、または416ステンレス鋼である。しかし、良好に機能する、すなわち、かじりまたは冷間圧接を示さない任意の強度の高い鋼を、他の鋼と共に用いてもよい。ここで挙げた材料は例示にすぎず、限定することを意図するものではない。他の同等な金属および/またはプラスチックを用いることもできる。
一態様では、ロールシステムおよび器具マニピュレータ位置決めシステムは、両方とも入口ガイドマニピュレータ230Eに含まれる。ロールシステムは、複数の外科用装置アセンブリ300(図3B)をロール運動するために使用されるロールリングギヤを含む。器具マニピュレータ位置決めシステム940の調整リングギヤ941は、各ギヤボックス、たとえばギヤボックス942_0〜942_3の入力ギヤとインターフェースする。
ギヤボックスの各々の出力ピンは、たとえば2つの方法の一方で移動する。ロールリングギヤが静止状態に保持され、調整リングギヤが回転する、あるいは調整リングギヤが静止状態に保持され、ロールリングギヤが回転する。しかし、一般的には、2つのギヤの一方が他方のギヤに対して差動的に動く場合に、たとえば、2つのギヤが異なる角速度で動く場合に、適切な位置決めを得ることができる。
図12A〜図12Dは、入口ガイドマニピュレータの一例を示しており、ロールリングギヤが静止状態に保持され、調整リングギヤが回転して、外科用装置アセンブリの各々を同時に移動させることで、外科用器具を損傷させて入口ガイドのチャネルを通過するために、その器具シャフトが適切な位置に配置される。図13Aおよび図13Dは、入口ガイドマニピュレータの一例を示しており、調整リングギヤが静止状態に保持され、ロールリングギヤが回転して、外科用装置アセンブリの各々を同時に移動させることで、外科用器具を損傷させずに入口ガイドのチャネルを通過するために、その器具シャフトが適切な位置に配置される。両方の実施例では、通常の動作中には、ロールリングギヤおよび調整リングギヤの回転が同期しており、それは2つのリングギヤが同じ角速度で一緒に回転することを意味している。
これらの実施例は例示にすぎず、限定することを意図するものではない。この開示に鑑みて、ロールリングギヤおよび調整リングギヤを非同期で動かす、たとえば2つのギヤが差動的に動く他の方法は、外科用装置アセンブリを適切な位置に移動させて、それらのシャフトが入口ガイドを通過することを可能にするために、たとえば、2つのリングギヤが異なる角速度で回転できるように、使用することができる。
図12Aは、ロールシステム1210および器具マニピュレータ位置決めシステム1220を有する入口ガイドマニピュレータ230Dの別の態様の概略図である。ロールシステム1210は、入口ガイドマニピュレータ230Dに結合された外科用器具アセンブリのすべてを1つのグループとしてロール運動させる。器具マニピュレータ位置決めシステム1220は、必要に応じて、入口ガイドマニピュレータ230Dに結合された外科用器具アセンブリのすべてまたは一部を同時に移動させて、外科用装置アセンブリのシャフトを入口ガイドの異なるチャネルに位置合わせすることで、入口ガイドに入る際にシャフトが湾曲する場合に、シャフトがシャフトへの応力限界を超えることなく入口ガイドに入り、それを通過することができる。
駆動アセンブリ1290は、ロールシステム1210および器具マニピュレータ位置決めシステム1220に結合されている。外科用装置アセンブリ1230は、マニピュレータ位置決めシステム1220に結合されている。図12Aには示していないが、外科用装置アセンブリ1230は、ロールシステム1210にも結合されている。
ロールシステム1210は、ロールリングギヤ1270を含む。ロールシステム1210は他の構成要素を含むが、これらの構成要素は、駆動アセンブリ1290の説明を容易にするために図面には示していない。器具マニピュレータ位置決めシステム1220は、調整リングギヤ1241およびギヤボックス942Dを含む。ギヤボックス942Dは、位置決め要素を含む。外科用装置アセンブリ1230は、たとえば上述したように、ギヤボックス942Dの位置決め要素に結合されているので、位置決め要素が移動すると、器具のシャフトも移動する。ギヤボックス942Dが位置決め要素を移動させると、外科用装置アセンブリ1230のシャフトの位置が平面内で移動するが、この平面は、一態様では、入口ガイドの長手方向軸線に垂直な横方向平面である。
図12Aでは、説明を容易にするために、単一のギヤボックス942Dのみを示している。しかし、調整リングギヤ1241は、図9に示したものと同等の方法で複数のギヤボックスと係合し、各ギヤボックスは、外科用装置アセンブリに結合可能である。外科用装置アセンブリ1230は、上述した複数の外科用装置アセンブリ300のうちの外科用装置と同等であるので、ここでは説明を繰り返さない。
駆動アセンブリ1290は、ロールリングギヤ1270および調整リングギヤ1241に結合されたロールモータアセンブリ1291を含む。調整リングギヤ1241は、調整ギヤと呼ばれることもある。ロール動作では、ロールモータアセンブリ1291がロールリングギヤ1270および調整リングギヤ1241を駆動することにより、2つのギヤの回転が同期する。
ブレーキ1292およびクラッチ1295が、ロールリングギヤ1270に結合されている。調整ギヤ駆動アセンブリ1293が、調整リングギヤ1241に結合されている。この態様では、直線運動でノブ1294を動かすことによりクラッチ1295が解放されると、調整ギヤ駆動アセンブリ1293は、ノブ1294を回すことにより手動で操作することができる。
マニピュレータ位置調整工程では、ノブ1294がクラッチ1295を解放し、ブレーキ1292がロールリングギヤ1270の回転を防止する。ノブ1294を回すことによって、調整ギヤ駆動アセンブリ1293が調整リングギヤ1241を回転させる。ロールリングギヤ1270が静止状態に保持されるので、ギヤボックス942Dは動かない。しかし、調整ギヤ駆動アセンブリ1293の回転は、上述したように、ギヤボックス942Dの位置決め要素を移動させ、次に外科用装置アセンブリ1230のシャフトの位置を変化させる。ロールリングギヤ1270と調整リングギヤ1241との間の差動運動は、ギヤボックス942Dの位置決め要素の移動を制御する。
図12Bは、入口ガイドマニピュレータ230Dの筐体1232内に装着されたロールリングギヤ1270および調整リングギヤ1241を有する1つの構成を示す。一態様では、調整リングギヤ1241は、調整ディスク841または調整ギヤ941のいずれかであってもよい。
ロールリングギヤ1270は、一態様では、4点接触軸受上で筐体1232の内側で回転する。調整リングギヤ1241は、ロールリングギヤ1270上で自由に回転し、遊星ギヤ差動機構1250の出力ギヤ1202(図12C)により駆動される。図12Cは、遊星ギヤ差動機構1250の一態様の断面図であり、図12Dは、遊星ギヤ差動機構1250の底面図である。遊星ギヤ差動機構1250は、クラッチ1295および調整ギヤ駆動アセンブリ1293の実施態様の一例である。
ロールリングギヤ1270に対する調整リングギヤ1241の動きは、筐体1232に配置された単一の手動ノブ1294を通してユーザにより制御される。ノブ1294は、スプラインシャフト1218に装着されている。
調整リングギヤ1241を駆動するために、ユーザは、予圧ばね1219に抗してノブ1294を引いて、ロック1213からノブ1294を解放し、それからノブ1294を回転させる。このように使用されると、ロールリングギヤ1270がクラッチ1295によってノブ1294から解放され、ブレーキ1292がロールリングギヤ1270の動きを防止し(サン(sun)ギヤ1217を有効に固定する)、ノブ1294の回転によって遊星キャリア1215を回転させる。遊星キャリア1215の回転は、遊星ギヤ1216を回転させ、次にリングギヤ1214を駆動する。リングギヤ1214は、出力ギヤ1202を駆動する。出力ギヤ1202の歯は、調整リングギヤ1241の外周の歯と噛合する。このように、ノブ1294の係合がロールリングギヤ1270を固定し、ノブ1294の回転が調整リングギヤ1241を回転させる。調整リングギヤ1241の回転は、上述したように位置決め要素を移動させる。ギヤ1201、1220は、構造体の適切な動作を支援するように構成された遊びギヤである。
遊星ギヤ差動機構1250のすべての構成要素のギヤ比は、ノブ1294が固定されて、クラッチ1295が係合された場合に、調整リングギヤ1241およびロールリングギヤ1270が同期することを保証するように選択される。ギヤ比はまた、ノブの回転と調整ディスクの回転との間の適切な関係を得るように選択される。一態様では、位置決め要素の位置に対応したノブ1294上の位置は、ボール戻り止めクリックとしてユーザに伝えられ、位置はまたいくつかのオーバーセンター(over-center)感触を同様に有することができる。
一態様では、調整リングギヤ1241の手動制御が用いられる。別の態様では、ノブ1294が取り除かれ、スプラインシャフト1218は、サーボモータのシャフトまたはソレノイドに結合される。サーボモータは、手動操作について上述したように、予圧ばね1219に抗して押したり引いたりして、ロールリングギヤ1270を固定し、且つ調整リングギヤ1241と係合するように構成される。
図13Aは、ロールシステム1310および器具マニピュレータ位置決めシステム1320を有する入口ガイドマニピュレータ230Eの別の態様の概略図である。ロールシステム1310は、システム1310に結合された器具アセンブリのすべてを1つのグループとしてロール運動させる。器具マニピュレータ位置決めシステム1320は、システム1310に結合された器具アセンブリのすべてまたは一部を同時に位置決めして、機器を損傷することなく、入口ガイドの異なるチャネルに外科用装置アセンブリのシャフトを挿入することを可能にする。
駆動アセンブリ1390は、ロールシステム1310および器具マニピュレータ位置決めシステム1320に結合されている。外科用装置アセンブリ1330は、マニピュレータ位置決めシステム1320に結合されている。図13Aには示していないが、外科用装置アセンブリ1330は、ロールシステム1310にも結合されている。
ロールシステム1310は、ロールリングギヤ1370を含む。器具マニピュレータ位置決めシステム1320は、調整リングギヤ1341およびギヤボックス942Dを含む。ギヤボックス942Dは、位置決め要素を含む。外科用装置アセンブリ1330は、たとえば上述したように、ギヤボックス942Dの位置決め要素に結合されている。ギヤボックス942Dが位置決め要素を移動させると、外科用装置アセンブリ1330のシャフトの位置が平面内で移動するが、この平面は、一態様では、横方向平面である。横方向平面は、入口ガイドマニピュレータ230Eの回転軸に垂直である。
図13Aでは、説明を容易にするために、単一のギヤボックス942Dのみを示している。しかし、調整リングギヤ1341は、図9に示したものと同等の方法で複数のギヤボックスと係合し、各ギヤボックスは、外科用装置アセンブリに結合可能である。外科用装置アセンブリ1330は、上述した外科用装置アセンブリ300と同等であるので、ここでは説明を繰り返さない。
一態様では、駆動アセンブリ1390は、ロールモータアセンブリ1391、クラッチ1392、およびブレーキ1393を含む。ロールモータアセンブリ1391は、ロールリングギヤ1370に直接結合され、かつ、クラッチ1392が係合されると、クラッチ1392を介して調整リングギヤ1341に直接結合される。クラッチ1392が係合解除されると、ロールモータアセンブリ1391は、調整リングギヤ1341に結合されない。
ブレーキ1393は、調整リングギヤ1341に直接結合される。ブレーキ1393が係合されると、ブレーキ1393が調整リングギヤ1341の回転を防止する。ブレーキ1393が係合解除されると、調整リングギヤ1341が回転することができる。
一態様では、クラッチ1392およびブレーキ1393は、電磁的構成要素として実現される。クラッチ1392は、電力がクラッチ1392に印加された場合にクラッチ1392が解放され、すなわち、係合が解除され、電力が印加されない場合にはクラッチ1392が係合されるように実現される。ブレーキ1393は、電力が印加された場合にブレーキ1393が解放され、電力がない場合にはブレーキが係合されるように実現される。
一態様では、入口ガイドマニピュレータ230Eは少なくとも3つの動作モード、すなわち、ロールモード、故障モード、および器具マニピュレータ位置決めのシステム調整モードを有する。ロールモードでは、ロールシステム1310に結合された外科用装置アセンブリを1つのグループとしてロール運動させる。故障モードでは、ロールシステム1310および器具マニピュレータ位置決めシステム1320の両方を無効にする。器具マニピュレータ位置決めシステムの調整モードでは、システム1320に結合された各外科用装置アセンブリを個別に移動させて、その器具シャフトが、そのシャフトの応力限界を超えることなく入口ガイドを通過するための適切な位置にあるようにする。表1は、各動作モードで制御システムがクラッチ1392およびブレーキ1393に電力を供給する方法の一例である。
図13Aに戻ると、ロールモードでは、ブレーキ1393が解放され、クラッチ1392が係合される。したがって、ロールモータアセンブリ1391がロールリングギヤ1370および調整リングギヤ1341を駆動することにより、2つのリングギヤの回転が同期する。
故障モードでは、クラッチ1392およびブレーキ1393の両方に対する電力が切断される。このようにして、ブレーキ1393およびクラッチ1392の両方が係合される。ブレーキ1393は、調整リングギヤ1341が回転することを防止する。係合されたクラッチ1392を介してロールリングギヤ1370が調整リングギヤ1341に接続されるので、ロールリングギヤ1370もブレーキ1393により回転が阻止される。このようにして、故障モードでは、リングギヤの動きが阻止される。
調整モードでは、クラッチ1392が解放され、ブレーキ1393が係合される。したがって、調整リングギヤ1341は回転が阻止されるが、ロールモータアセンブリ1391がロールリングギヤ1370を回転させる。調整リングギヤ1341とロールリングギヤ1370との間の位置の差が、器具シャフトが適切に位置決めされるようになるまで、ロールリングギヤ1370が回転する。
図12A〜図12Dの先の実施例では、ギヤボックスは静止状態に保たれており、調整リングギヤ1241の動きがギヤボックスの入力ギヤを回転させて、出力ピンを位置決めした。ここでは、ギヤボックスが調整リングギヤ1341に対して回転し、この動きがギヤボックスのギヤを回転させて、出力ピン、すなわち位置決め要素が正しい位置に移動する。
図13B〜図13Dは、図13Aの入口ガイドマニピュレータ230Eを実施する一態様のより詳細な図である。図13Bは、カバーが取り外された入口ガイドマニピュレータ230Eを示す。図13Bでは、ギヤボックス942_1、942_2(図9参照)、ベースアセンブリ732_1、732_3(図7A〜図7C参照)、および挿入アセンブリ731_1、731_3(図7A〜図7C参照)が見える。図13Bでは、調整リングギヤ1341の外側ギヤ歯およびロールリングギヤ1370のギヤ歯も見える。調整リングギヤ1341の外径は、ロールリング1370の外径と同じである。デジタルポテンショメータ1350は、入口ガイドマニピュレータ230Eの機械的接地板(ground)に対するロールリングギヤ2370の絶対位置を測定する。
図13Cは、調整リングギヤ1341とギヤボックス942_1の入力ギヤ1001との間のインターフェースを示す破断図である。入力ギヤ1001のギヤ歯は、調整リングギヤ1341の内側ギヤ歯と係合する。
図13Dは、ロールギヤアセンブリ1310および器具マニピュレータ位置決めシステム1320のための駆動アセンブリ1390の破断図である。モータアセンブリ1391、クラッチ1392、ブレーキ1393、および第2のポテンショメータ1351が、駆動アセンブリ1390の筐体1394に装着されている。本明細書で使用されるように、クラッチは1つのシャフトを別のシャフトとの間で接続および分離し、ブレーキはシャフトを接地板との間で接続および分離する。
モータ出力ギヤ1317は、ロールギヤ列1371を駆動し、ギヤ列1371は、ロールリングギヤ1370を駆動する。ロールギヤ列1371は、ロール入力ギヤ1372およびロール出力ギヤ1373を含む。ロール入力ギヤ1372およびロール出力ギヤ1373は、一緒に回転する。
調整ギヤ列1360は、クラッチ1392によりロールギヤ列1371に結合されている。調整ギヤ列1360は、器具マニピュレータ位置決めシステムのギヤ列1360と呼ばれることがある。調整ギヤ列1360は、調整リングギヤ1341を駆動する。調整ギヤ列1360は、調整入力ギヤ1361および調整出力ギヤ1362を含む。調整入力ギヤ1361および調整出力ギヤ1362は、一緒に回転する。
ロールギヤ列1371および調整ギヤ列1360のギヤ比は同じである。したがって、ギヤ列1371、1360の両方がモータ1391により駆動されると、ロールリングギヤ1370および調整リングギヤ1341が同期して回転する、たとえば、ロールリングギヤ1370および調整リングギヤ1341が1対1で回転する。
この例では、ロールモータアセンブリ1391は、シャフト1313を有する小型高トルク・スロットレス・ブラシレス直流モータ1312である。ロールモータアセンブリ1391は、ホールセンサアセンブリ1314およびエンコーダ1315を含む。モータシャフト1313は、ハーモニック(harmonic)・ギヤ・ドライブ1316に結合されている。ハーモニック・ギヤ・ドライブ1316は、モータ出力ギヤ1317に結合されている。
当業者には知られているように、ハーモニック・ギヤ・ドライブ1316は、3つの構成要素、すなわちウェーブジェネレータ、フレックスプライン、およびサーキュラ(circular)スプラインを含む。ハーモニック・ギヤ・ドライブ1316は、ゼロバックラッシュ、他のギヤ技術に対する高い位置精度、および他のギヤ技術に対する高トルク対重量比を有する。
モータ出力ギヤ1317は、ロールシステムギヤ列1371のロール入力ギヤ1372を駆動する。ロール入力ギヤ1372は、一対の軸受に装着されている。一対の軸受は、クラッチ1392のシャフト1331に装着されている。クラッチ1392のハブ1335は、ロールシステムギヤ列1371のロール入力ギヤ1372に固定されている。
クラッチ1392のシャフト1331は、シャフト1331の各端部の軸受を用いて筐体1394に回転可能に装着されている。器具マニピュレータ位置決めシステムギヤ列1360の調整入力ギヤ1361は、シャフト1331に固定されているので、シャフト1331が回転すると、調整入力ギヤ1361が回転する。
クラッチ1392のハブ1335は、ロール入力ギヤ1372のハブを介してシャフト1331に装着されている。アーマチャ(armature)1334は、永久磁石を含み、板ばねによってハブ1335に機械的に接続されているので、アーマチャ1334、ハブ1335、およびロール入力ギヤ1372がシャフト1331の周りで一体として回転する。
ロータ1333はシャフト1331に装着されているので、ロータ1331が回転すると、シャフト1331も回転する。電磁コイル1332に電力が印加されていない場合には、永久磁石アーマチャ1334はロータ1333にも取り付けられているので、ブレーキ1393が係合されていない場合には、調整入力ギヤ1361がロール入力ギヤ1372と同期して回転する。
電磁コイル1332に電力が印加されると、電磁コイル1332を通る電流の流れがロータ1333を磁化する磁界を生成するので、ロータ1333とアーマチャ1334との間にはもはや磁気的連結が存在しない。アーマチャ1334およびハブ1335を連結する板ばねは、アーマチャ1334を引き上げて、ロータ1333からアーマチャ1334を分離する。したがって、アーマチャ1334およびロータ1333が切り離され、シャフト1331はもはやロール入力ギヤ1372に結合されない。これにより、クラッチ1392が係合解除される際に調整入力ギヤ1361を回転させずに、ロール入力ギヤ1372を回転させることができる。
ロール入力ギヤ1372は、ロールシステムギヤ列1371のロール出力ギヤ1373を駆動する。ロール出力ギヤ1373は、一対の軸受に装着されている。一対のベアリングは、ブレーキ1393のシャフト1322に装着されている。ロール出力ギヤ1373は、ロールリングギヤ1370に係合されている。
ブレーキ1393のシャフト1322は、シャフト1322の各端部の軸受を用いて筐体1394に回転可能に装着されている。器具マニピュレータ位置決めシステムのギヤ列1360の調整出力ギヤ1362は、シャフト1322に固定されているので、シャフト1331が自由に回転すると、調整出力ギヤ1362が回転する。調整出力ギヤ1362は、器具マニピュレータ位置決めシステムのギヤ列1360の調整入力ギヤ1361によって駆動される。
ブレーキ1393のハブ1324は、電磁コイルおよび永久磁石を含む本体1323に隣接して、シャフト1322に装着されている。本体1323は、駆動筐体1394に固定されている。アーマチャ1325は、板ばねによってハブ1324に接続されている。本体1323の電磁コイルに電力が供給されていない場合には、アーマチャ1325は、本体1323の永久磁石の磁力線により本体1323に固定される。したがって、この状態では、シャフト1322は筐体1394に接続され、たとえば、シャフト1322は基板に接続されている。したがって、シャフト1322は回転できないので、器具マニピュレータ位置決めシステムのギヤ列1360の調整出力ギヤ1362は定位置に保持され、回転することができない。本体1323の電磁コイルに電力が印加されると、本体1323の永久磁石の磁界を打ち消す磁界が発生し、ハブ1324およびアーマチャ1325を接続する板ばねがアーマチャ1325を引き上げて、本体1323からアーマチャ1325を分離する。このようにして、シャフト1322が自由に回転し、すなわち、ブレーキ1393が解放される。
ロールシステムギヤ列1371のロール出力ギヤ1373は、ロールリングギヤ1370を駆動する。器具マニピュレータ位置決めシステムのギヤ列1360の調整出力ギヤ1362は、調整リングギヤ1341を駆動する。ブレーキシャフト1322の一端は、駆動筐体1394に装着された第2のデジタルポテンショメータ1351に結合されている。デジタルポテンショメータ1351は、機械的接地板に対する調整リングギヤ1341の絶対位置を測定する。
このように、第1のデジタルポテンショメータ1350(図13B)は、機械的接地板に対するロールリングギヤ1370の絶対位置を測定し、第2のデジタルポテンショメータ1351は、同じ機械的接地板に対する調整リングギヤ1341の絶対位置を測定する。ロールモード(表1参照)では、ロールリングギヤ1370および調整リングギヤ1341が同期して回転すると、第1のデジタルポテンショメータ1350および第2のデジタルポテンショメータ1351が共に回転する。調整モードでは、調整リングギヤ1341が制動されるので、第2のデジタルポテンショメータ1351は回転しない。しかし、第1のデジタルポテンショメータ1350は、回転してインクリメントされる。外科用装置アセンブリの構成は、調整モードにおける第1のデジタルポテンショメータと第2のデジタルポテンショメータとの差によって、すなわち、ロールリングギヤ1370の調整リングギヤ1341に対する相対位置によって決定される。
上述したように、患者側支援システム210Eは、器具の様々な組合せを使用する多様な外科的処置に用いられる。さらに上述したように、器具は、一態様では、器具のシャフト特性に基づいて器具の複数の組、たとえば標準的な外科用器具、高度な外科用器具、およびカメラ器具に分類される。また、いくつかの手術では、手動の器具を遠隔操作の外科用器具と併せて使用することができる。
一態様では、各標準的な外科用器具は、指定された外径、たとえば、6mm(0.237インチ)の外径のシャフトを有する。高度な外科用器具のシャフトの外径は、標準的な外科用器具のシャフトの外径よりも大きい。一態様では、高度な外科用器具は、8mm(0.315インチ)および12mm(0.473インチ)の外径のシャフトを有する。高度な外科用器具の例は、ステープラおよび血管封止器を含む。
システム210Eは、特定の処置のためのこれらの器具ならびにカメラ器具の特定の組合せを収容する柔軟性を有する。一態様では、いくつかの異なる入口ガイドがシステム210Eで使用される。それぞれの異なる入口ガイドは、以下でより完全に説明するように、チャネルの異なる構成を含む。チャネルは、一態様では、標準的な器具チャネル、高度な器具チャネル、カメラチャネル、および手動チャネルを含む。別の態様では、手動チャネルは、含まれておらず、取り除いてもよいし、標準的な器具チャネルまたは高度な器具チャネルに交換してもよい。標準的な器具チャネルは、標準的な外科用器具チャネルと呼ばれることがある。高度な器具チャネルは、高度な外科用器具チャネルと呼ばれることがある。
システム210Eの入口ガイドおよびカニューレサイズの選択は、臨床的ニーズ、システムの実現性、物流、および製造容易性に基づいていた。入口ガイドの器具チャネルは、外科用器具に装着されたシースを含むように大きさが設定されていた。シースは、組織または入口ガイド特徴が器具関節に引っ掛かることを防止する。
一態様では、入口ガイドのチャネル間の最小間隔は、たとえば0.046インチ(1.17mm)の隣接チャネル間の最小厚さであり、製造容易性に基づいて最小ウェビング(webbing)厚さを提供するように選択された。同様に、入口ガイドの最小外壁厚さは、たとえば0.035インチ(0.89mm)の最小外壁厚さであり、製造容易性に基づいて選択された。手動器具の入口ガイドチャネルの直径は、最小外壁厚さおよび隣接チャネル間の最小厚さを維持しつつ、できるだけ大きくされた。
図14A〜図14Jは、システム210Eで使用することができる入口ガイドのファミリの断面図である。ファミリ中に10の入口ガイドが含まれていることは単なる例示にすぎず、限定することを意図するものではない。ファミリ中の入口ガイドの数は、たとえば、外科的処置に使用される外科用器具の異なるタイプの数、ならびに異なる形状の入口ガイドおよび/または異なるタイプと数の外科用器具を必要とする外科的処置の数に依存する。一態様では、ファミリの中の各入口ガイドは、上述した特性を含んでいる。入口ガイドのファミリは、2つ以上の入口ガイドのキットに分類することができる。各入口ガイドは、複数のチャネルを含む。チャネルは、入口ガイドの1つまたは複数の内壁によって画定される。
上で示したように、各入口ガイドは、カニューレに挿入される。各カニューレは、共通の壁厚さを有する。カニューレの壁は、切開部の大きさを最小にするようにできるだけ薄くするが、作業負荷を支援するのに十分な厚さにする。加えて、壁の厚さは、カニューレの遠位端がナイフエッジを有しないように十分に大きい。入口ガイドは、必要な、異なる大きさのカニューレの数を最小にするように選択された。円形断面を有する入口ガイドでは、2つのカニューレサイズが選択され、たとえば、内径約25mm(0.986インチ)および約31mm(1.222インチ)のカニューレであった。非円形断面を有する入口ガイドでは、ロールが可能であるとすれば、非円形の入口ガイドが入口ガイドマニピュレータ230の長手方向軸線の周りでロールすることができる最も小さな円形カニューレサイズが報告されている。しかし、典型的には、非円形の入口ガイドおよびカニューレはロール運動しない。
したがって、図14A〜図14Jに示す10の入口ガイドは、最小の3つのカニューレサイズを必要とする。標準的な内径25mmのカニューレは、標準入口ガイド701と共に使用される。内径31mmのカニューレは、他の円形断面の入口ガイドと共に使用される。25mmのカニューレおよび31mmのカニューレの両方は、異なる患者の解剖学的構造に適応するために、2つのサイズ、すなわち短い長さおよび長い長さを有する。処置においてロール運動が可能であれば、非円形断面のカニューレは、36mm(1.420インチ)の内径を有するカニューレを必要とするであろう。肋骨間に配置される非円形の入口ガイドは、通常、ロール運動しないであろう。
様々な非円形断面の入口ガイドの器具チャネルの位置は、以下でより完全に説明するように、入口ガイドの外周を抱え込んで、器具マニピュレータ位置決めシステムの制限内に適合するように調整(内向きに)された。4つの固有の非円形断面の入口ガイドが入口ガイドのファミリに含まれており、1つは経口手術のための水平構成であり、1つは経口手術のためのクロスアーム構成であり、2つは肋間手術のための垂直構成である。
入口ガイド1401(図14A)は、標準入口ガイドと呼ばれ、入口ガイド571Sと同じである。入口ガイド1401は、円形断面を有する。入口ガイド1401は、4つのチャネルを含む。4つのチャネルは、カメラチャネル1401Cおよび3つの標準的な外科用器具チャネル1401S1、1401S2、1401S3である。カメラチャネル1401Cは、長円形断面を有する。本明細書では、長円形チャネルとは、長円形断面を有するチャネルを指す。標準的な外科用器具チャネル1401S1、1401S2、1401S3は、円形断面を有する。本明細書では、円形チャネルとは、円形断面を有するチャネルを指す。この態様では、3つの円形の標準的な外科用器具チャネル1401S1、1401S2、1401S3の各々は、同じサイズ、すなわち同じ直径、たとえば0.310インチ(7.9mm)を有する。
入口ガイド1402(図14B)は、高度な器具入口ガイドの第1の例である。入口ガイド1402は、円形断面を有する。入口ガイド1402は、4つのチャネルを含む。4つのチャネルは、長円形カメラチャネル1402C、第1の円形の高度な外科用器具チャネル1402A1、円形の標準的な外科用器具チャネル1402S2、および第2の円形の高度な外科用器具チャネル1402A3である。この態様では、第1および第2の円形高度器具チャネル1402A1、1402A3は、同一の直径、たとえば0.428インチ(10.9mm)を有する。
入口ガイド1403(図14C)は、高度な器具入口ガイドの第2の例である。入口ガイド1403は、円形断面を有する。入口ガイド1403は、4つのチャネルを含む。4つのチャネルは、長円形カメラチャネル1403C、第1の円形の標準的な外科用器具チャネル1403S1、円形の高度な外科用器具チャネル1403A2、および第2の円形の標準的な外科用器具チャネル1403S3である。この態様では、第1および第2の円形の標準的な外科用器具チャネル1403S1、1403S3は、同一の直径、たとえば0.310インチ(7.9mm)を有する。一態様では、円形の高度な外科用器具チャネル1403A2は、ステープラ用のサイズであり、たとえば、直径0.595インチ(15.1mm)である。
入口ガイド1404(図14D)は、手動ポート入口ガイドの第1の例である。入口ガイド1404は、円形断面を有する。入口ガイド1404は、4つのチャネルを含む。4つのチャネルは、長円形カメラチャネル1404C、第1の円形の標準的な外科用器具チャネル1404S1、円形の手動チャネル1404M、および第2の円形の標準的な外科用器具チャネル1404S3である。この態様では、第1および第2の円形の標準的な外科用器具チャネル1404S1、1404S3は、同一の直径、たとえば0.310インチ(7.9mm)を有する。一態様では、円形の手動チャネル1404Mは、0.671インチ(17mm)の直径を有する。
入口ガイド1405(図14E)は、手動ポート入口ガイドの第2の例である。入口ガイド1405は、円形断面を有する。入口ガイド1405は、4つのチャネルを含む。4つのチャネルは、長円形カメラチャネル1405C、第1の円形の高度な外科用器具チャネル1405A1、円形の手動チャネル1405M、および第2の円形の高度な外科用器具チャネル1405A3である。この態様では、第1および第2の円形の高度な外科用器具チャネル1405A1、1405A3は、同一の直径、たとえば0.428インチ(10.9mm)を有する。一態様では、円形の手動チャネル1405Mは、0.472インチ(12mm)の直径を有する。
入口ガイド1406(図14F)は、手動ポートの入口ガイドの第3の例である。入口ガイド1406は、円形断面を有する。入口ガイド1406は、5つのチャネルを含む。5つのチャネルは、長円形カメラチャネル1406C、3つの円形の標準的な器具チャネル1406S1、1406S2、1406S3、および円形の手動チャネル1406Mである。この態様では、3つの円形の標準的な外科用器具チャネル1406S1、1406S2、1406S3の各々は、同じサイズ、すなわち同じ直径、たとえば0.310インチ(7.9mm)を有する。一態様では、円形の手動チャネル1406Mは、0.505インチ(12.8mm)の直径を有する。
入口ガイド1407(図14G)は、経口入口ガイドの第1の例である、すなわち、入口ガイド1407は、低侵襲性経口手術で使用される。入口ガイド1407はまた、低侵襲性胸部手術でも使用することができる。入口ガイド1407は、非円形断面、たとえば長円形断面を有する。入口ガイド1407の長円形断面は、長軸1490および短軸1491を有する。長軸1490は、短軸1491に対して垂直である。入口ガイド1407は、3つのチャネルを含む。3つのチャネルは、長円形カメラチャネル1407C、および2つの円形の標準的な器具チャネル1407S1、1407S3である。この態様では、第1および第2の円形の標準的な外科用器具チャネル1407S1、1407S3は、同一の直径、たとえば0.310インチ(7.9mm)を有する。第1の円形の標準的な外科用器具チャネル1407S1は、長さ方向軸線1481を有する。カメラチャネル1407Cの長円形断面は長軸1482を有し、第2の円形の標準的な外科用器具チャネル1407S2は長さ方向軸線1483を有する。長軸1482は、入口ガイド1407の長円形断面の長軸1490と一致する。長さ方向軸線1481および長さ方向軸線1483は、長軸1490と交差する。第1および第2の円形の標準的な外科用器具チャネル1407S1、1407S3は、入口ガイド1407の長円形断面の短軸1491に関して鏡面対称性を有する。
入口ガイド1408(図14H)は、経口入口ガイドの第2の例である。入口ガイド1408は、変形された三角形の断面を有する。断面は非円形断面であり、三角形形状の頂点が丸くなっており、三角形の一辺は中心において小さな円弧を有するので、変形された三角形断面と呼ぶ。入口ガイド1408は、4つのチャネルを含む。4つのチャネルは、長円形カメラチャネル1408C、および3つの円形の標準的な器具チャネル1408S1、1408S2、1408S3である。この態様では、3つの円形の標準的な外科用器具チャネル1408S1、1408S2、1408S3は、同一の直径、たとえば0.310インチ(7.9mm)を有する。
第1の円形の標準的な外科用器具チャネル1408S1は、長さ方向軸線1485を有する。カメラチャネル1408Cの長円形断面は、長軸1486および短軸1487を有する。第3の円形の標準的な外科用器具チャネル1408S3は、長さ方向軸線1488を有する。第2の円形の標準的な外科用器具チャネル1408S2は、長さ方向軸線1489を有する。
長さ方向軸線1485、1488は、長軸1486を含む線1490と交差する。線1490を入口ガイド1408の断面の長軸1490と呼ぶ。長さ方向軸線1489は、短軸1487を含む直線1491と交差する。線1491を入口ガイド1408の断面の短軸1491と呼ぶ。長軸1490および短軸1491は、長円形カメラチャネル1408Cの長さ方向軸線において交差する。入口ガイド1408は、短軸1491に関して鏡面対称性を有する。
入口ガイド1409(図14I)は、胸部入口ガイドの第1の例である。入口ガイド1409は、2つの円弧によって接続された平行な2辺を有する断面、たとえば長円状の断面である非円形断面を有する。入口ガイド1409は、3つのチャネルを含む。3つのチャネルは、長円形カメラチャネル1409C、および2つの円形の標準的な器具チャネル1409S1、1409S3である。この態様では、2つの円形の標準的な外科用器具チャネル1409S1、1409S3は、同一の直径、たとえば0.310インチ(7.9mm)を有する。
入口ガイド1410(図14J)は、胸部入口ガイドの第2の例である。入口ガイド1410は、長円状の断面である非円形断面を有する。入口ガイド1410は、3つのチャネルを含む。3つのチャネルは、長円形カメラチャネル1410C、および2つの円形の高度な外科用器具チャネル1410A1、1410A3である。この態様では、2つの円形の高度な外科用器具チャネル1410A1、1410A3は、同一の直径、たとえば0.428インチ(10.9mm)を有する。
表2は、入口ガイド1401〜1410について上に示した情報の要約である。提示したサイズは例示にすぎず、入口ガイドを提示した特定の寸法に限定するものではない。
3つのカニューレを有する10の入口ガイド構成を解析して、4つのギヤボックスの各々に実装される、必要な移動範囲および軌道を決定した。図15は、解析を実行するために使用される方法の処理流れ図である。
「入口ガイドのファミリを選択する」1501では、入口ガイドのファミリが選択される。この処理は、図14A〜図14Jに関して上述した考慮事項と同等であるので、ここでは繰り返さない。一般用語では、ファミリの入口ガイドおよびカニューレサイズの選択は、臨床的ニーズ、システムの実現性、物流、および製造容易性に基づくものであった。臨床的ニーズは、低侵襲性手術システムによって実行することができる種々の外科的処置のために必要とされる外科用器具を含んでいた。上の例では、ファミリは、標準的な外科用器具、高度な外科用器具、手動の外科用器具、カメラ器具、およびこれらの器具の組合せのための入口ガイドを含む。さらに、入口ガイドは、一態様では、可能な限り少数の異なるカニューレサイズを用いることを容易にするように選択される。入口ガイドチャネル構成は、外科用器具を用いる際の物流および入口ガイドの製造容易性にしたがって配置される。
入口ガイドのファミリが選択された後に、「モデルによる入口ガイドパラメータの決定」処理1502が実行される。入口ガイドパラメータのうちのいくつかは、器具マニピュレータ位置決めシステムまたは外科用装置アセンブリを考慮せずに、入口ガイドの形状およびサイズから直接導出することができる。たとえば、カメラ器具チャネルは、常にY軸上に中心があり、カメラ器具チャネルの中心は、入口ガイドの長手方向軸線からできるだけ遠くに配置される。これは、他の外科用器具チャネルおよび手動器具チャネルのための大部分の空間を提供し、その結果、外科医のためにカメラに対する外科用器具の直観的な構成が得られる。同様に、第1および第3の外科用装置アセンブリのシャフトのチャネルは、通常、カメラチャネルに関して対照的に、かつ入口ガイドの周囲に、かつカメラチャネルのできるだけ近くに配置される。これは、手動チャネルのための大部分の空間と、ベースアセンブリに装着された別の外科用装置アセンブリのシャフトのためのチャネルを配置するためのより大きな柔軟性と、を提供する。
「モデルによる入口ガイドパラメータの決定」処理1502が完了すると、「応力領域」処理1503において、実際の器具位置と理想的(最小応力)器具位置との間の許容可能なずれを示す各器具管腔位置の周りで応力領域が描かれる。各応力領域の境界は、等応力(isostress)線である。境界の内部の任意の点は、等応力境界上の応力よりも小さい応力を有する。
このようにして、最小応力位置が最初に決定される。一態様では、最小応力位置は、シャフトの湾曲が円形の湾曲である位置として選択される。シャフトの一端が所定の位置に固定され、シャフトの別の部分が入口ガイドとほぼ2点で接触するので、シャフトは円弧に追従する。応力は、純粋なモーメントによって印加されている。この円形の湾曲は、湾曲の長さにわたって、たとえば6インチ(152.2mm)の長さにわたって、シャフトの応力を最小にするものされた。表3では、位置決め要素に対する理想的な位置、および外科用器具シャフトが、(x,y)座標として与えられている。xおよびy方向は、ベースアセンブリの各位置決め要素の位置において定義される。表3の(x,y)座標(単位インチ)の値は、各器具挿入アセンブリのための公称位置を示す。図16Aは、(x,y)座標系を追加して再描画した図5Aである。当業者には知られているように、表3の座標は、各座標を25.4倍することによりミリメートルに変換することができる。
経口および胸部入口ガイド1407〜1410は、3つの器具マニピュレータのうちの2つのみ使用しているが、位置は3つのすべてのベースアセンブリの位置決め要素について指定されている。これは、衝突を回避するために、かつ、無菌ドレープにギャップを提供するために行われる。通常、2つのマニピュレータアセンブリのみと関連する外科用器具とが入口ガイドと共に使用される場合には、ベースアセンブリ432_1およびベースアセンブリ432_2が、2つのマニピュレータアセンブリを位置決めするために使用される。
カニューレ直径を最小にするために入口ガイドのチャネルを互いにより接近して配置することを容易にするために、外科用器具のシャフトは、器具の筐体(図4B参照)から傾斜し、カニューレを通過する際に入口ガイドに対して湾曲する。これは、シャフトの軸受に失われ、かつ器具の筐体の壁厚に失われた空間を補う。図16Bは、カニューレ内に装着された入口ガイド1670に入るシャフト1667を有する外科用器具1660を示す。シャフト1667は、入口ガイド1670に対して湾曲している。外科用器具460は、外科用器具1660の一例である。図16Cは、外科用器具260_1、260_2、260_3についての図3Aおよび図3Bに示すように装着された3つの外科用器具1660_1、1660_2、1660_3の概略上面図である。
シャフト1667の一端が器具の筐体に固定され、シャフト1667の別の点が入口ガイド1670(図16B)のチャネルの壁とほぼ2点で接触するので、図16Bに示すようにシャフト1667は円弧に追従する。必要な湾曲量すなわち角度θは、器具筐体の底部から入口ガイド1670の上部までの距離Lと、隣接する機器筐体および管腔からのチャネルの相対距離と、の関数である。角度θは、筐体からのシャフト出口角である。距離δは、シャフト1667の中心からシャフト1667の近位端に装着された軸受B(図16C)の外径までの距離である。距離hは、チャネルに対する器具筐体の導出された位置を示すために使用される筐体の理論的な鋭い寸法である。距離Gは、隣接する器具筐体の間で維持される最小距離である。
円形湾曲の仮定は、最悪の場合である挿入深さLであれば湾曲長さにわたってシャフトの応力を最小にする。しかし、他の湾曲は、器具筐体と入口ガイド管腔との間のさらなるオフセットを与えるために、必要に応じて達成することができる。このS字湾曲は、その大きさおよび方向(円形湾曲に対して垂直またはインラインのいずれか)の関数としてのシャフト応力を増大させる。本明細書では、モーメントおよび力がシャフトに同時に印加された場合に、S形状湾曲、たとえばS字湾曲が生成される。所与のシャフト材料について、どの程度のS字湾曲が許容されるかを理解するために、等応力境界で囲まれた領域が理想的な器具位置の周りにプロットされる。位置決め要素は、シャフトの応力が等応力境界上またはその内側に維持されている限り、シャフトをチャネルに挿入するために必要に応じてオフセットすることができる。位置決め要素が理想的な位置から移動する場合には、余分なシャフトの湾曲が器具シャフトに加えられるが、位置決め要素の位置が、したがって器具シャフトが等応力境界内に留まる限りは、余分なシャフトの湾曲に関連する応力は許容可能な応力レベルの範囲内である。
一態様では、標準的な外科用器具のシャフト材料は、ステンレス鋼、たとえば、17−4または17−7ステンレス鋼条件H1050などの析出硬化ステンレス鋼であった。しかし、高度な外科用器具では、異なる材料が使用される。より大きなシャフトにおける増大した湾曲角度を許容するために、血管封止器およびステープラ器具のシャフトのための異なる材料を選択する必要がある。
高度な外科用器具は、カニューレを介して湾曲を可能にするために、高強度プラスチックシャフトを有する。一態様では、シャフトは、ポリエーテル・エーテル・ケトン(PEEK)プラスチックで作られている。PEEKプラスチックは、有機ポリマー熱可塑性プラスチックである。一態様では、11.8GPa(1,711ksi)の曲げ弾性率を有するPEEKプラスチックが、高度な外科用器具のシャフト用に選択される。107周期におけるこのPEEKプラスチックの引張疲労は、約14,500psiの引張り強度である。これらの特性を有するPEEKプラスチックは、PEEK 450GL30としてVictrex(登録商標)Manufacturing Limitedにより製造されている(VICTREXは、英国Lancashire FY5 4QDのVictrex Manufacturing Limitedの登録商標である。)。より高い剛性を有するPEEKの代替的なグレードが利用可能である。PEEKの代替的なグレードは、45GPaおよび22GPaの弾性率を有する。これらのグレードは、高いケーブル張力下のシャフト座屈を防止するために、いくつかの高度な外科用器具に必要であろう。
図17では、等応力線で囲まれた、すなわち等応力境界で囲まれた、応力プロファイルと呼ばれることもある応力領域は、理想的(最小応力)器具シャフト位置からの許容可能なオフセットを示す位置決め要素および関連する入口ガイドチャネルごとに提示される。各領域は、おおよそアメリカンフットボール形状の断面、すなわち偏平回転楕円体形状の断面である形状を有する。シャフトが等応力境界内の位置に位置合わせされた場合には、器具のシャフトへの応力は許容可能である。このように、図17の応力領域は、器具のシャフトの湾曲に関連する許容可能な応力の領域である。各応力プロファイルの参照符号は、表3の情報に基づいて理想的な位置を示し、応力プロファイルの中心にある。参照符号の最初の部分は図14A〜図14Jの対応するチャネルの参照符号であり、参照符号が位置を指していることを示す_Pがこれに続く。たとえば、1408S0_Pは、入口ガイド1408のチャネル1408S0に挿入された場合の、カメラ器具シャフトの理想的な位置である。
図17は、チャネル1401S0_P〜1410S0_Pに対するカメラ器具シャフトの理想的な位置は、直線上にあり、それは入口ガイドマニピュレータ座標系のy軸の正の部分であることを示す。カメラ器具のシャフトに対しては、等応力境界が決定されていないが、上述したように、カメラ器具は予め湾曲されており、入口ガイドを通過する際にシャフトが湾曲されないからである。
ベースアセンブリ432_1に関連する位置決め要素によって制御される器具シャフトの応力プロファイルは、主にx軸に沿ってy軸の右側にあり、たとえば、図17に示すように、応力プロファイルは中心1401S1_P〜1410S1_Pを有する。図17では、ベースアセンブリ432_2に関連する位置決め要素によって制御される器具シャフトの応力プロファイルは、x軸の下側にあり、たとえば、この態様では、応力プロファイルは中心1401S2_P〜1410S3_P、1406S2_P、1408S2_P〜1410S2_Pを有する。
ベースアセンブリ432_3に関連する位置決め要素によって制御される器具シャフトの応力プロファイルは、図17には示されていない。その理由は、ベースアセンブリ432_1に関連する位置決め要素によって制御される器具シャフトの応力プロファイルの境界を画定する各(x,y)値について、ベースアセンブリ432_3に関連する位置決め要素によって制御される器具シャフトの応力プロファイルの境界上の対応する値が(−x,−y)だからである。したがって、ベースアセンブリ432_1に関連する位置決め要素について第1の軌道が決定されると、ベースアセンブリ432_3に関連する位置決め要素についての第2の軌道は、第1の軌道の負である。したがって、位置1401S1_P〜1410S1_Pに関連する応力データの解析は、ベースアセンブリ432_3に関連する位置決め要素の同じ情報を決定するために十分である。
「応力領域」処理1503において生成された応力領域は、「位置を選択する」処理1504で使用される。始めに処理1504では、直線軌道ギヤボックス(図10C、図10D)を使用するか、円軌道ギヤボックス(図10A、図10B)を使用するかを決定する必要がある。
したがって、予備的な軌道の終点は、必要な移動範囲の全体を制限するように画定される。カメラ器具に関連する位置決め要素については、移動範囲は、(x,y)座標系において位置1701〜1702である。ベースアセンブリ432_1の浮動プラットフォームに結合された第1の外科用器具に関連する位置決め要素については、移動範囲は、(x,y)座標系において位置1703〜1704である。最後に、ベースアセンブリ432_2の浮動プラットフォームに結合された第2の外科用器具に関連する位置決め要素については、移動範囲は、(x,y)座標系において位置1705〜1706である。
移動範囲が画定された後に、軌道およびこの軌道を構成する位置が選択される。カメラ器具については、直線軌道が必要となる。したがって、直線軌道ギヤボックスがカメラ器具用に選択される。第1の外科用器具については、図17の応力プロファイルは、点1703と点1704との間に引いた直線がすべての応力プロファイルと交差することを示している。したがって、第1の外科用器具シャフトの応力は、点1703と点1704との間のx軸に沿った点のチャネルのそれぞれの応力プロファイルの範囲内である。したがって、直線軌道ギヤボックスが第1および第3の外科用器具用に選択される。
第2の外科用器具については、点1705と点1706との間の直線は応力プロファイルのすべてと交差しないので、直線軌道は許容できない。円形軌道を決定するために、点1705および点1706含み、かつ、すべての応力プロファイルと交差する一定の半径の円弧を見いだすために、反復処理が用いられる。点1705および点1706を含み、かつ、すべての応力プロファイルと交差する一定の半径の円弧1710が、第2の外科用器具のための軌道として選択される。
次に、一組の位置が、位置決め要素の各軌道上で形成される。各選択された位置は、境界線上または応力プロファイル内にある。選択された位置は器具シャフトの応力が許容可能であることを保証するが、隣接する器具が選択された位置に移動すると、器具筐体が衝突する可能性がある。このように、選択された位置における器具と筐体との関係を解析して、位置が何らかの衝突を生じないことを保証する。
それぞれの実際の位置において、対応する器具の筐体が、図16Cのレイアウトに基づいて描かれている。問題を定義することを回避するため、入口ガイドのファミリのうちの入口ガイドのサブセットは、経験的に選択される。入口ガイド構成ごとの隣接する外科用器具の筐体は対になっており、筐体間の隙間が測定される。衝突がある場合には、筐体間の隙間が所定の間隔G、たとえば0.100インチ(2.54mm)に設定され、選択された位置がこの間隔を得るように調整される。衝突がない場合には、器具筐体間の隙間は、軌道の最終的な検証のために保存される。この処理は、入口ガイドのサブセットの各入口ガイドについて繰り返される。所定の隙間は、カメラ位置決め要素のオフセットを画定するためにも使用される。隣接する器具筐体との隙間によって制限されない位置については、軌道に沿って、あるいは器具シャフトの応力が最小となるところに沿って均等に離間されているなどの都合の良い特性にしたがって、位置が選択される。
図17のx軸に沿った正方形のボックスは、第1の外科用器具の直線軌道上の位置を表している。上述したように、位置決め要素は単一方向に移動するように制限されないので、直線軌道の位置は重要ではない。一態様では、直線軌道は、直線ギヤボックスの設計に基づく軌道に沿って軌道が前後に移動する際に、点のうちのいくつかを複数回使用する。図17の円弧1710に沿った正方形のボックスは、第2の外科用器具の円軌道上の位置を表している。
図18Aは、図14A〜図14Jの入口ガイドのファミリのための、外科用器具およびカメラ器具の軌道、ならびにギヤボックス1842_0、1842_1、1842_2の出力ピンの移動範囲を示す。プロットはカニューレを見下ろすように配向され、各ギヤボックス位置にはラベルが付されている。ギヤボックス1842_3の出力ピン(図示せず)の軌道が描かれていないが、それは、ギヤボックス1842_1の軌道および移動範囲の負として得られるからである。図示するように、ギヤボックス1842_3の出力ピンの軌道は円形であり、他の3つのギヤボックスの他の軌道は直線である。表4は、入口ガイド1401〜1410について図18の参照符号に関連する値を与える。
カメラ器具の移動範囲を減少させるために、一態様では、2つのカメラ器具が、外科用システム、たとえば外科用システム200Cで使用される。第1のカメラ器具は、入口ガイド1407、1408を除くすべての入口ガイドと共に使用される。第2のカメラ器具は、入口ガイド1407、1408にのみ使用される。2つのカメラの間の差は、シャフトの湾曲の位置である。図19Aおよび図19Bは、カメラ器具1960A、1960Bの概略図である。カメラ器具260_0は、カメラ器具1960Aまたはカメラ器具1960Bのいずれかの一例である。
線1900A、1900Bは、紙面に垂直な平面1900A、1900Bをそれぞれ示す。平面1900Aは、カメラ器具1960Aの遠位関節動作関節に運動を与えるカメラ器具1960Aの駆動ディスクの第1の対を二等分する。シャフト1967Aの湾曲の開始位置は、シャフトの湾曲の開始から平面1900Aまでの距離によって規定される。第1のカメラ器具では、距離はX1、たとえば1.739インチ(44.10mm)である。平面1900Bは、カメラ器具1960Bの遠位関節動作関節に運動を与えるカメラ器具1960Bの駆動ディスクの第1の対を二等分する。第2のカメラ器具では、距離はX2、たとえば1.833インチ(46.48mm)である。
2つのカメラ器具の使用は、カメラ器具に関連する直線ギヤボックスが必要とする移動範囲を、図17に示す0.0〜0.461インチ(0.0〜11.69mm)の移動範囲の代わりに、図18に示す範囲に減少させる。別の態様では、単一のカメラ器具のみが使用される。
3つの外科用器具のためのギヤボックスの移動範囲は、半径方向に0.246インチ(6.24mm)であり、横方向に0.217インチ(5.50mm)である。カメラギヤボックスは、半径方向に0.216インチ(5.48mm)の移動範囲を有する。したがって、すべての器具が必要とする組合せ移動範囲は、半径方向に0.246インチ(6.24mm)、横方向に0.217インチ(5.50mm)である。
入口ガイドマニピュレータの位置決めシステムによって移動される入口ガイドの順序は、第2の外科用器具の円形ギヤボックス位置によって規定される。表5では、相対位置は、円形ギヤボックスの出力ギヤ角の関数として規定されている。
以上の解析では、器具のシャフトに関連する曲げ応力は、入口ガイドの特定のチャネルに挿入されるように設計された器具についてのみ決定された。たとえば、より小さい直径のシャフトを有する標準的な外科用器具は、高度な外科用器具用に設計されたより大きな直径のチャネルのうちの1つに挿入されるようには考慮されていなかった。
しかし、別の態様では、標準的な外科用器具が、たとえば高度な外科用器具用に設計されたチャネルを通過することができるように、ブッシングが、より大きな直径のチャネルに挿入されることが仮定されていた。このように、標準的な外科用器具が、たとえば高度な外科用器具用に設計されたガイドチューブチャネルと共に使用され得る場合に、一組のガイドチューブについて、応力解析が繰り返された。また、解析は、器具の衝突は問題ではないことを保証した。最後に、解析はまた、入口ガイドの異なるチャネル位置によって課せられる制約に加えて、器具マニピュレータごとにドレーピング位置を規定する。具体的には、ドレーピングが容易になるように、器具マニピュレータは離れるように移動した。この解析の結果は、図11A〜図11Kに示す第2の組のギヤボックスであった。
ドレーピング位置と組み合わせた入口ガイドの解析は、各器具マニピュレータ、たとえば各外科用装置アセンブリを、対象とする一組の入口ガイドに適応する7つの位置のうちの1つへ移動させなければならないことを見出した。第1の位置はドレーピング位置であり、他の6つの位置は、使用されている入口ガイドと外科用装置アセンブリとの組合せに基づいている。
図18Bは、ギヤボックス942_0_2(図11Aおよび図11B)に関連する器具マニピュレータについての7つの位置を示す。図18Cは、スロット1144_B(図11B)の出力ピン1149_Bの7つの位置を示す。図18B〜図18Iでは、座標系は、マニピュレータアセンブリに対するものであって、ワールド(world)座標系に対するものではない。表6Aは、図18Bに示す寸法の各々についてインチ単位での値を示す。表6Bは、図18Cに示す寸法の各々についてインチ単位での値を示す。表6Aおよび表6Bの括弧内の数字は、ミリメートル単位である。
図18Dは、ギヤボックス942_1_2(図11Cおよび図11D)に関連する器具マニピュレータについての7つの位置を示す。図18Eは、スロット1144_D(図11D)の出力ピン1149_Dの7つの位置を示す。表7Aは、図18Dに示す寸法の各々についてインチ単位での値を示す。表7Bは、図18Eに示す寸法の各々についてインチ単位での値を示す。表7Aおよび表7Bの括弧内の数字は、ミリメートル単位である。
図18Fは、ギヤボックス942_2_2(図11E〜図11H)に関連する器具マニピュレータについての7つの位置を示す。図18Gは、スロット1144_G(図11G)の出力ピン1149_Gの7つの位置を示す。表8Aは、図18Fに示す寸法の各々についてインチ単位での値を示す。表8Bは、図18Gに示す寸法の各々についてインチ単位での値を示す。表8Aおよび表8Bの括弧内の数字は、ミリメートル単位である。
図18Hは、ギヤボックス942_3_2(図11I〜図11J)に関連する器具マニピュレータについての7つの位置を示す。図18Iは、スロット1144_J(図11J)の出力ピン1149_Jの7つの位置を示す。表9Aは、図18Dに示す寸法の各々についてインチ単位での値を示す。表9Bは、図18Eに示す寸法の各々についてインチ単位での値を示す。表9Aおよび表9Bの括弧内の数字は、ミリメートル単位である。
一態様では、外科用システムの制御システム2000(図20A)は、器具マニピュレータ位置決めシステムの互換性モジュール2010を含む。制御システム2000はまた、メモリに記憶されている互換性および構成データ2015、ならびにシステム管理モジュール2025を有する。
図20Aでは、制御システム2000およびシステム管理モジュール2025は、単一の位置にある要素として示してある。これは説明を容易にするためであり、限定することを意図するものではない。通常、制御システム2000およびシステム管理モジュール2025は、外科用システム全体に分散され、必要に応じて様々な構成要素が通信できるように相互接続されている。また、当業者であれば、モジュールは、ハードウェア、ファームウェア、プロセッサ上で実行される格納されたコンピュータコード、または3つの任意の組合せで実現することができることを理解する。
一態様では、器具マニピュレータ位置決めシステムの互換性モジュール2010は、方法2050(図20B)を実行する。方法2050についてさらに詳細に考慮する前に、外科用器具および入口ガイド入力2001のうちのいくつかを理解することが役に立つ。無菌アダプタアセンブリ250がマニピュレータアセンブリ240(図4A)に装着されると、スイッチが作動して、システム管理モジュール2025ならびに互換性および構成データ2015に信号を送り、無菌アダプタ2025が装着されたことを示す。この信号に応答して、制御システム2000は、マニピュレータアセンブリ240の駆動モータを作動させて、マニピュレータアセンブリ240の駆動ディスクを無菌アダプタ250の中間ディスクと嵌合する。
外科用器具260が無菌アダプタアセンブリ250に装着されると、第2のスイッチが作動して、システム管理モジュール2025ならびに互換性および構成データ2015に信号を送り、外科用器具260が装着されたことを示す。この信号に応答して、制御システム2000は、マニピュレータアセンブリ240の駆動モータを作動させて、無菌アダプタアセンブリ250の中間ディスクを外科用器具260の被駆動インターフェースアセンブリ461と嵌合する。制御システム2000はまた、マニピュレータアセンブリ240のRFIDリーダ445を作動させて、外科用器具260のRFIDタグ455を読み出す。RFIDタグから読み出した識別情報は、システム管理モジュール2025ならびに互換性および構成データ2015に供給される。
このように、各外科用器具がシステム210Cに装着されると、外科用器具に関する装着および情報を示す信号が「システム準備完了」チェック処理2051に供給される。また、カニューレ275Eおよび入口ガイド270Eの識別情報も、「システム準備完了」チェック処理2051に供給される。一態様では、カニューレ275Eおよび入口ガイド270EのRFIDタグを制御システム2090に接続されたRFIDリーダによりスキャンして、識別情報を得る。別の態様では、ユーザは、制御システム2000によって提供されるユーザインターフェース、たとえば外科医の制御操作盤のユーザインターフェースを介して、カニューレ275Eおよび入口ガイド270Eの識別情報を入力する。また、識別情報は、色、マウント塗料上のピンなどの物理的特徴、磁気リングなどを介して得ることができる。
「システム準備完了」チェック処理2051が外科用器具から、ならびにカニューレおよび入口ガイドから情報を受け取る前に、ユーザがシステム200Cを使おうとすると、「システム準備完了」チェック処理2051は、システム管理モジュール2025に対して第1の警告信号2003を作動させる。第1のアクティブ警告信号2003に応答して、システム管理モジュール2025はユーザへの警告を生成する。たとえば、1つまたは複数の構成要素が制御システム2000に登録されていないこと、ならびに登録が成功するまでシステム動作が禁止されることを示すメッセージが表示画面上に表示される。視覚メッセージに加えて、音声メッセージまたは警告を生成してもよい。
すべての外科用器具、カニューレ、および入口ガイドが制御システム2000に登録されると、「システム準備完了」チェック処理2051は、「互換性」チェック処理2052に処理を移行する。「互換性」チェック処理2052は、システム200Cに装着された入口ガイドに関連する、記憶された互換性および構成データ2015から情報を読み出す。「互換性」チェック処理2052は、入口ガイドが、入口ガイドマニピュレータ230の器具マニピュレータ位置決めシステムに関連する入口ガイドのファミリの中に存在するかどうかを最初にチェックする。入口ガイドがファミリの中に存在しない場合には、チェック処理2052が制御システム2000に対して第2のアクティブ警告信号2003を送信し、次に制御システム2000は、入口ガイドがシステム200Cで用いるのに適切でないことをユーザに通知する。
入口ガイドがファミリの中に存在する場合には、チェック処理2052は、装着された外科用器具およびカメラ器具が装着された入口ガイドと互換性があるかどうかを判断し、外科用器具に互換性がある場合には、外科用器具が正しい位置に装着されているかどうかを判断する。これらのチェックのいずれかが真でない場合には、チェック処理2052は制御システム2000に対して第3のアクティブ警告信号2003を送信し、次に制御システム2000は外科用器具の構成の問題点をユーザに通知する。
一態様では、チェック処理2052は、ドレープ、足踏みペダル制御アセンブリ、マスタ制御アセンブリなどの、システム200Cに取り付けられた他の要素に互換性があるかどうかを入口ガイド構成に基づいて判断し、非互換性が検出された場合には、警告メッセージを送信する。
チェック処理2052がシステム200Cに取り付けられた様々な要素に互換性があると判断した場合には、処理は、「システムを構成する」処理2053に移行する。一態様では、「システムを構成する」処理2053は、器具マニピュレータ位置決めシステムを自動的に作動させて、調整ディスクを適切な位置に移動させ、器具シャフトの各々を入口ガイドに挿入するために位置決めする。別の態様では、「システムを構成する」処理2053は、システム管理モジュール2025に対して第1のアクティブ構成メッセージ信号2004を送信する。信号2004に応答して、システム管理モジュール2025は、表示モジュールにコマンドを送信して、調整ディスクを正しい位置に手動で移動させるようにユーザに通知する。
一態様では、「システムを構成する」処理2053はまた、互換性および構成データ2015から構成データを読み出し、システム管理モジュール2025にそのデータを送信して、入口ガイドと共に動作するためにシステム200Cを構成する。たとえば、システム管理モジュール2025は、構成データを使用して、取り付けられた入口ガイドのタイプが与えられた手術の特定のタイプのユーザインターフェースを調整する。モジュール2025は、構成データを使用して、ユーザインターフェース要素、許容可能な制御モード、制御モードのタイプおよび挙動、可視インターフェース要素の設計、可聴トーン、ならびに外科医または患者側補助者のいずれかのためのユーザインターフェースの他の任意の態様を、入口ガイド構成に基づいて調整することができる。「システムを構成する」処理2053が完了すると、「完全動作を可能にする」処理2054が、システム管理モジュール2025にアクティブイネーブル信号2005を送信して、システム200Cがシステム200Cに装着された入口ガイドを用いて手術を行うように適切に構成されていることを示す。
図21Aおよび図21Bは、入口ガイドマニピュレータ230の一部2130に装着されたベースアセンブリ2132_0、2132_1の側面図を示す。一態様では、取り付けられた外科用装置アセンブリを有する挿入アセンブリが、ベースアセンブリ2132_0、2132_1の各々の浮動プラットフォームに接続されているが、取り付けられた外科用装置アセンブリを有する挿入アセンブリは、図21Aおよび図21Bには示していない。
ベースアセンブリ2132_0は、ヒンジアセンブリ2133_0により部分2130に接続されている。ヒンジアセンブリ2133_0の長手方向軸線を含む平面は、入口ガイドマニピュレータ230の長手方向軸線を含む平面に対して垂直である。同様に、ベースアセンブリ2132_1は、ヒンジアセンブリ2133_1により部分2130に接続されている。図21Aでは見ることができない他の2つのベースアセンブリの各々は、同様に部分2130に接続されている。図21Bでは、ベースアセンブリ2132_0、2132_1は、保守または他の措置のためにベースアセンブリ2132_0、2132_1にアクセスできるように、枢着されている。ベースアセンブリ2132_2、2132_3は、図21Bに見ることができる。
図22Aは、入口ガイドマニピュレータ230の部分2230に装着されたベースアセンブリ2232_0、2232_1の側面図を示す。図22Bおよび図22Cは、部分2230に取り付けられたベースアセンブリ2232_0、2232_1、2232_2、2232_2の上面図である。一態様では、取り付けられた外科用装置アセンブリを有する挿入アセンブリが、ベースアセンブリ2232_0、2232_1、2232_2の各々の浮動プラットフォームに接続されているが、取り付けられた外科用装置アセンブリを有する挿入アセンブリは、図22A〜図22Cには示していない。
ベースアセンブリ2232_0は、ヒンジアセンブリ2233_0により部分2230に接続されている。ヒンジアセンブリ2233_0は、入口ガイドマニピュレータ230から遠位方向に延在する。同様に、ベースアセンブリ2232_1は、ヒンジアセンブリ2233_1により部分2230に接続されている。他の2つのベースアセンブリ2232_2、2232_2の各々も同様に、それぞれヒンジ2233_2、ヒンジ2233_3により部分2230に接続されている。図22Cでは、ベースアセンブリ2232_1は、保守または他の措置のためにベースアセンブリ2232_1にアクセスできるように、枢着されている。
図23Aおよび図23Bは、入口ガイドマニピュレータ230の部分2330に装着されたベースアセンブリ2332_0、2332_1の側面図を示す。一態様では、取り付けられた外科用装置アセンブリを有する挿入アセンブリが、ベースアセンブリ2332_0、2332_1の各々の浮動プラットフォームに接続されているが、取り付けられた外科用装置アセンブリを有する挿入アセンブリは、図23Aおよび図23Bには示していない。
ベースアセンブリ2332_0は、一組のレールにより部分2330に接続されている。同様に、ベースアセンブリ2332_1は、一組のレールにより部分2330に接続されている。図23Aでは見ることができない他の2つのベースアセンブリの各々は、同様に部分2330に接続されている。図23Bでは、ベースアセンブリ2332_1は、保守または他の措置のためにベースアセンブリ2332_1にアクセスできるように、一組のレール2333_1上で滑り出されている。ベースアセンブリ2332_2は、図23Bで見ることができる。
上記の実施例のいくつかでは、「近位の」または「近位に」という用語は、システムの動きの運動学的連鎖に沿ってマニピュレータアームベースにより近い、あるいはシステムの動きの運動学的連鎖に沿って遠隔の運動中心(または手術部位)からより遠くにある、物体または要素を記述するために一般的に使用される。同様に、「遠位の」または「遠位に」という用語は、システムの動きの運動学的連鎖に沿ってマニピュレータアームベースからより遠くにある、あるいはシステムの動きの運動学的連鎖に沿って遠隔の運動中心(または手術部位)により近い、物体または要素を記述するために一般的に使用される。
本明細書で用いられる「第1の」、「第2の」、「第3の」、「第4の」などは、異なる構成要素または要素を区別するために使用される形容詞である。したがって、「第1の」、「第2の」、「第3の」、「第4の」などは、構成要素または要素のいかなる順序付け、あるいは異なるタイプの要素のいかなる特定の数も意味するものではなく、たとえば、同一タイプの3つの要素を第1の、第2の、および第3の要素として示すことができる。
本発明の態様および実施形態を示す上記の説明および添付の図面は、限定するものとして解釈すべきではなく、特許請求の範囲が保護される発明を定義する。様々な機械的な、組成的な、構造的な、電気的な、および動作上の変更は、本明細書および特許請求の範囲の趣旨および範囲から逸脱することなく、行うことができる。いくつかの例では、周知の回路、構造、および技術は、本発明を不明瞭にすることを避けるために、詳細には図示または説明していない。
さらに、本明細書の専門用語は、本発明を限定するものではない。たとえば、空間的に相対的な用語、たとえば「下に」、「下方に」、「下部の」、「上方に」、「上部の」、「近位の」、「遠位の」などは、図面に示すように、1つの要素または特徴の、別の要素または特徴に対する関係を記述するために使用することができる。これらの空間的に相対的な用語は、図面に示した位置および向きに加えて、使用または動作時における装置の異なる位置(すなわち場所)および向き(すなわち回転配置)を包含するように意図されている。たとえば、図面中の装置を反転した場合には、他の要素または特徴の「下方に」もしくは「下に」と説明した要素は、他の要素または特徴の「上方に」または「上に」となる。このように、例示的な用語である「下方」は、上方および下方の位置および向きの両方を包含することができる。装置はその他の方向(90度回転または他の向き)であってもよく、本明細書で用いられる空間的に相対的な表現はそれに応じて解釈される。同様に、様々な軸に沿った、およびその軸周りの動きについての説明は、様々な特別な装置位置および向きを含む。
文脈で別途指示しない限り、単数形は複数形も含むものとする。「備える」、「含む」などの用語は、記載した特徴、ステップ、動作、要素、および/または構成要素の存在を示すが、1つもしくは複数の他の特徴、ステップ、動作、要素、構成要素、および/またはグループの存在もしくは追加を排除するものではない。結合されるように記載された構成要素は、電気的あるいは機械的に直接結合されてもよく、あるいは1つまたは複数の中間構成要素を介して間接的に結合されてもよい。
すべての実施例および例示的な参照は、非限定的なものであって、特許請求の範囲を、本明細書に記載した特定の実施態様および実施形態ならびにそれらの均等物に限定するために用いるべきではない。見出しは単にフォーマッティングのためだけのものであって、いかなる形であれ本主題を限定するために用いるべきではなく、それは、1つの見出しの下のテキストは、1つまたは複数の見出しの下のテキストと相互参照し、あるいはそのテキストに適用することができるからである。最後に、本開示に鑑みて、一態様または一実施形態に関連して記載した特定の特徴は、図面に具体的に示されていない、あるいは本文に具体的に記載されていない場合であっても、本発明の他の開示した態様または実施形態に適用することができる。