JP2019198352A - ゴルフクラブヘッドおよびゴルフクラブセット - Google Patents

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Abstract

【課題】初速および飛距離の向上を図りつつ、スイートスポットの拡大を図る上で有利なゴルフクラブヘッドおよびゴルフクラブセットを提供する。【解決手段】変曲点Hがトウヒール方向に連続することによりクラウン面16A上にトウヒール方向に延在する稜線RLが視認可能に形成されている。稜線RLが形成されたクラウン内面16Bの箇所に、稜線RLよりもフェース面14A側に位置するクラウン部16の肉厚に比べて肉厚が小さい薄肉部34を稜線RLに沿って延在形成し、稜線肉厚<両側部分肉厚<中央部分肉厚かつ後方肉厚<中央部分肉厚とした。打球時に稜線RLの部分が屈曲して上方に凸状に大きく変形しやすくなり、これに伴いクラウン部16の帯状領域は稜線RL側が上昇し、したがって、帯状領域は、その向きがフェース面14Aの向きに近づくように変形する。【選択図】図5

Description

本発明はゴルフクラブヘッドおよびゴルフクラブセットに関する。
ゴルフクラブヘッドでボールを打球した際のボールの初速を向上させ、飛距離を改善するためには、フェース部のたわみ量を如何にして確保するかが重要である。
特許文献1には、ヘッド本体を平面視したときに、フェース部寄りのクラウン部の箇所において変曲点がトウヒール方向に連続することによりクラウン面上にトウヒール方向に延在する稜線が視認可能に形成されたゴルフクラブヘッドが提案されている。
このゴルフクラブヘッドによれば、クラウン部のうちフェース部寄りの狭い範囲の変形量を確保する一方、クラウン部のうちフェース部寄りの部分を除く部分の変形量が小さくなることで、フェース部のたわみ量を増加させて反発係数を高く、また、打ち出し角を大きくし、初速および飛距離を改善している。
特開2018−8016号公報
しかしながら、上記のゴルフクラブヘッドは、初速および飛距離を改善する一定の効果が奏される一方、スイートスポットを拡大する点については改善の余地がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、初速および飛距離の向上を図りつつ、スイートスポットの拡大を図る上で有利なゴルフクラブヘッドおよびゴルフクラブセットを提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、上下の高さを有して左右に延在するフェース部と、前記フェース部の上部から後方に延在するクラウン部と、前記フェース部の下部から後方に延在するソール部と、前記クラウン部と前記ソール部の間で前記フェース部のトウ側縁とヒール側縁との間をフェースバックを通って延在するサイド部とを含むヘッド本体を備え、それらフェース部とクラウン部とソール部とサイド部とで囲まれた内部が中空部であるゴルフクラブヘッドであって、前記ゴルフクラブヘッドを水平面に対して予め定められたライ角およびロフト角通りに設置した基準状態において、フェース面の中心点を通る法線を含みかつ前記水平面と直交する平面で前記ヘッド本体を破断した断面をフェース中心基準断面とし、前記基準状態で、前記ゴルフクラブヘッドを前記フェース面の前方から見たとき前記水平面に対して22.23mm上方に位置するヒール側の箇所から最もトウ側に位置する端部までの距離を前記水平面に投影した寸法をトウヒール方向のヘッド長さHLとし、前記フェース中心基準断面と平行し前記フェース中心基準断面からトウ方向に前記ヘッド長さHLの20%離れた平面を第1平面とし、前記フェース中心基準断面と平行し前記フェース中心基準断面からヒール方向に前記ヘッド長さHLの20%離れた平面を第2平面とし、前記第1平面から前記第2平面までの範囲内で前記フェース中心基準断面と平行する任意の平面で前記ヘッド本体を破断した断面をフェース基準断面とし、前記フェース基準断面において、前記フェース面の上端とクラウン面の前端との境界点を第1境界点K1とし、前記フェース基準断面において、前記第1境界点K1を含み前記水平面と平行する平面上で前記第1境界点K1からフェースバック方向に5mm離れた点を通り前記水平面と直交する直線と前記クラウン面との交点を第1交点P1としたとき、前記フェース基準断面において、前記第1交点P1から前記フェースバック方向に離れた前記クラウン面の箇所に変曲点Hが形成され、前記変曲点Hの曲率半径は、前記第1交点P1と前記変曲点Hとの間に位置する前記クラウン面の曲率半径よりも小さい値であり、前記基準状態で、前記ヘッド本体を平面視したときに、前記変曲点Hがトウヒール方向に連続することにより前記クラウン面上にトウヒール方向に延在する稜線が視認可能に形成され、前記稜線が形成された前記クラウン部の内面の箇所に、前記稜線よりも前記フェース面側に位置する前記クラウン部の肉厚に比べて肉厚が小さい薄肉部が前記稜線に沿って延在形成され、前記基準状態で、前記ヘッド本体を平面視したときに、前記フェース面と前記クラウン面との境界線と、前記稜線との間に挟まれた前記クラウン部の帯状領域のうち前記第1平面と前記第2平面との間に位置する部分を中央部分とし、前記帯状領域のうち前記中央部分を除いた残りの両側の部分を両側部分とし、前記クラウン部のうち前記稜線よりもフェースバック方向に位置する部分を後方部分とし、前記薄肉部の延在方向に沿った肉厚の平均値を稜線肉厚D1とし、前記中央部分の肉厚の平均値を中央部分肉厚D2とし、前記両側部分の肉厚の平均値を両側部分肉厚D3とし、前記後方部分の肉厚の平均値を後方肉厚D4としたとき、稜線肉厚D1<両側部分肉厚D3<中央部分肉厚D2かつ後方肉厚D4<中央部分肉厚D2であることを特徴とする。
請求項2記載の発明は、前記薄肉部は、前記稜線を中心として前記稜線と直交する方向に沿った幅が2.0mm以上5.0mm以下の範囲で形成されていることを特徴とする。
請求項3記載の発明は、前記薄肉部は、前記稜線が形成された前記クラウン部の内面の箇所から前記クラウン部のフェースバックまでの全長にわたって形成されていることを特徴とする。
請求項4記載の発明は、前記第1境界点K1と前記第1交点P1とを結ぶ直線が前記水平面に対してなす角度をフランジ角度θ1としたとき、前記フランジ角度θ1が15°以上35°以下であることを特徴とする。
請求項5記載の発明は、前記基準状態で、前記フェース基準断面において、前記変曲点Hを含み前記水平面と平行する平面上で前記変曲点Hからフェースバック方向に5mm離れた点を通り前記水平面と直交する直線と、前記クラウン面との交点を第2交点P2とし、前記変曲点Hと前記第2交点P2とを結ぶ直線と前記水平面とがなす角度を変曲点角度θ2としたとき、前記変曲点角度θ2は1°以上80°以下であることを特徴とする。
請求項6記載の発明は、前記両側部分肉厚D3が1.0mm以上2.0mm以下であることを特徴とする。
請求項7記載の発明は、前記第1平面と前記第2平面とで挟まれる前記フェース部の内面の前記クラウン部寄りの箇所から前記クラウン部の内面の前記フェース部寄りの箇所にわたってトウヒール方向と直交する前後方向に延在するリブがトウヒール方向に間隔をおいて複数形成され、前記リブのトウヒール方向の幅は0.5mm以上5mm以下であり、前記リブの前記クラウン部の内面からの高さは0.5mm以上10mm以下であることを特徴とする。
請求項8記載の発明は、前記ヘッド本体は、前記フェース部の中央に形成されたフェース開口部にフェース部材が接合されることで形成され、前記リブの前記フェース開口部寄りの端部は前記フェース開口部から前記クラウン部方向に1mm以上離間していることを特徴とする。
請求項9記載の発明は、請求項1から8の何れか1項記載ゴルフクラブヘッドを有する互いに番手が異なる複数本のゴルフクラブを含むことを特徴とするゴルフクラブセットである。
請求項1記載の発明によれば、打球時に変曲点H(稜線RL)を含むクラウン部の部分が他のクラウン部の部分よりも優先して上方に凸状に変形することでフェース部寄りのクラウン部の部分の変形量を大きく確保する上で有利となり、初速および飛距離の向上を図る上で有利となる。
さらに、稜線RLが形成されたクラウン部の内面の箇所に、稜線よりもフェース面側に位置するクラウン部の肉厚に比べて肉厚が小さい薄肉部を稜線に沿って延在形成し、薄肉部の平均肉厚である稜線肉厚D1が帯状領域より小さくなるよう、稜線肉厚D1<両側部分肉厚D3<中央部分肉厚D2かつ後方肉厚D4<中央部分肉厚D2とした。
したがって、打球時に稜線の部分が上方に凸状に大きく変形しやすくなり、これに伴いクラウン部の帯状領域はその稜線側の部分が上昇し、したがって、帯状領域は、その向きがフェース面の向きに近づくように変形する。
これによりクラウン部の帯状領域の部分があたかもフェース部の一部として機能することになり、フェース面の面積が拡大したのと同じ効果が奏されるため、フェース面の面積を大きくすることなくスイートスポットが拡大され、初速および飛距離の向上を図る上でより有利となる。
請求項2から請求項7記載の発明によれば、請求項1の効果を高める上で有利となる。
請求項8記載の発明によれば、ゴルフクラブヘッドの耐久性の向上を図る上で有利となる。
請求項9記載の発明によれば、ゴルフクラブセットを構成する番手が異なる複数のゴルフクラブにおいて請求項1の効果を確保する上で有利となる。
第1の実施の形態に係るゴルフクラブヘッドをフェース面の前方から見た正面図である。 図1のA矢視図である。 図1のB矢視図である。 図3のC矢視図である。 図1の平面Xで破断したフェース中心基準断面Pfcの断面図であり、フェース部の上部およびクラウン部の前部を描いている。 第1境界点K1を規定するための曲率半径Rの測定方法の説明図である。 図1の平面Xで破断したフェース中心基準断面Pfcの断面図であり、フェース部の上部およびクラウン部の前部とリブを描いている。 第1の実施の形態のゴルフクラブヘッドの打球前後における形状の変化を示すフェース中心基準断面Pfcの断面図であり、(A)は打球前の状態を示し、(B)は打球時の状態を示す。 従来のゴルフクラブヘッドの打球前後における形状の変化を示すフェース中心基準断面Pfcの断面図であり、(A)は打球前の状態を示し、(B)は打球時の状態を示す。 フェース面の中心点Pcの規定方法を示す第1の説明図である。 フェース面の中心点Pcの規定方法を示す第2の説明図である。 フェース面の中心点Pcの規定方法を示す第3の説明図である。 フェース面の中心点Pcの規定方法を示す第4の説明図である。 ゴルフクラブヘッドの重心点G0とフェース面上重心点FGとの関係を示すゴルフクラブヘッドの断面図である。 フェース面の輪郭線Iの定義を説明するゴルフクラブヘッドの正面図である。 フェース面の輪郭線Iの定義を説明するゴルフクラブヘッドの断面図である。 フェース面の中心点Pcの定義を説明するゴルフクラブヘッドの正面図である。 条件1におけるドライバーに関する実験例の評価結果を示す図である。 条件2におけるドライバーに関する実験例の評価結果を示す図である。 条件3におけるドライバーに関する実験例の評価結果を示す図である。 条件4におけるドライバーに関する実験例の評価結果を示す図である。 条件5におけるドライバーに関する実験例の評価結果を示す図である。 条件6におけるドライバーに関する実験例の評価結果を示す図である。 条件7におけるドライバーに関する実験例の評価結果を示す図である。 条件8におけるドライバーに関する実験例の評価結果を示す図である。 条件1におけるフェアウェイウッドに関する実験例の評価結果を示す図である。 条件2におけるフェアウェイウッドに関する実験例の評価結果を示す図である。 条件3におけるフェアウェイウッドに関する実験例の評価結果を示す図である。 条件4におけるフェアウェイウッドに関する実験例の評価結果を示す図である。 条件5におけるフェアウェイウッドに関する実験例の評価結果を示す図である。 条件6におけるフェアウェイウッドに関する実験例の評価結果を示す図である。 条件7におけるフェアウェイウッドに関する実験例の評価結果を示す図である。 条件8におけるフェアウェイウッドに関する実験例の評価結果を示す図である。 条件1におけるユーティリティに関する実験例の評価結果を示す図である。 条件2におけるユーティリティに関する実験例の評価結果を示す図である。 条件3におけるユーティリティに関する実験例の評価結果を示す図である。 条件4におけるユーティリティに関する実験例の評価結果を示す図である。 条件5におけるユーティリティに関する実験例の評価結果を示す図である。 条件6におけるユーティリティに関する実験例の評価結果を示す図である。 条件7におけるユーティリティに関する実験例の評価結果を示す図である。 条件8におけるユーティリティに関する実験例の評価結果を示す図である。
(第1の実施の形態)
次に本発明の実施の形態について説明する。
図1〜図4に示すように、本実施の形態において、ゴルフクラブヘッド10は、中空のウッド型ゴルフクラブヘッド(ドライバー)であり、ヘッド本体12を含んで構成されている。
なお、本発明は、ドライバーに限定されず、フェアウェイウッド、ユーティリティにも適用される。
ヘッド本体12は、主に金属材料により構成される。
前記金属材料としては、例えばステンレス鋼、マルエージング鋼、純チタン、チタン合金又はアルミニウム合金等の1種又は2種以上が用いられる。
ヘッド本体12は、フェース部14と、クラウン部16と、ソール部18と、サイド部20とを備えている。
フェース部14は、上下の高さを有して左右に延在している。
クラウン部16は、フェース部14の上部から後方に延在している。
ソール部18は、フェース部14の下部から後方に延在している。
サイド部20は、クラウン部16とソール部18の間でフェース部14のトウ22側縁とヒール24側縁との間をフェースバック26を通って延在している。
図5に示すように、ヘッド本体12は、それらフェース部14とクラウン部16とソール部18とサイド部20とで囲まれた内部が中空部28とされた中空構造を呈している。
フェース部14の外側に露出する表面がボールを打撃するフェース面14Aであり、フェース部14の中空部28に面した内面がフェース内面14Bとなっている。
クラウン部16の外側に露出する表面がクラウン面16Aであり、クラウン部16の中空部28に面した内面がクラウン内面16Bである。
図1〜図4に示すように、クラウン部16には、フェース面14A側でかつヒール24寄りの位置にシャフトSに接続するホーゼル30が設けられ、ホーゼル30にシャフトSが接続されることで本発明に係るゴルフクラブ100が構成される。
ソール部18の外側に露出する表面がソール面18Aであり、ソール部18の中空部28に面した内面がソール内面18B(図8(A)参照)となっている。
図中、符号19はリーディングエッジを示す。
次に、フェース面14Aの中心点Pcの規定方法について説明する。
フェース面14Aの中心点Pcは、フェース面14Aの幾何学的中心であり、中心点Pcの規定方法としては以下に例示する第1の規定方法、第2の規定方法を含め従来公知のさまざまな方法が採用可能である。
[A]フェース面14Aの中心点Pcの第1の規定方法:
フェース面14Aと他のゴルフクラブヘッド10の部分との境目が明確である場合、言い換えると、フェース面14Aの周縁が稜線によって特定される場合における中心点Pcの規定方法である。この場合はフェース面14Aが明瞭に定義されることになる。
図10〜図13はフェース面14Aの中心点Pcの規定方法を示す説明図である。
(1)まず、図10に示すように、ライ角およびフェース角が規定値となるように水平面HP上にゴルフクラブヘッド10を載置する。このときのゴルフクラブヘッド10の状態を基準状態とする。なお、ライ角およびフェース角の設定値は、例えば製品カタログに記載された値である。
(2)次にクラウン部16及びソール部18を結ぶ方向における仮中心点c0を求める。
すなわち、図10に示すように、トウ22およびヒール24を結ぶ水平面HPと平行な線(以下水平線という)の概略中心点と交差する垂線f0を引く。
この垂線f0とフェース面14Aの上縁とが交差するa0点と、垂線f0とフェース面14Aの下縁とが交差するb0点の中点を仮中心点c0とする。
(3)次に図11に示すように仮中心点c0を通る水平線g0を引く。
(4)次に図12に示すように水平線g0とフェース面14Aのトウ22側の縁とが交差するd0点と、水平線g0とフェース面14Aのヒール24側の縁とが交差するe0点の中点を仮中心点c1とする。
(5)次に図13に示すように仮中心点c1を通る垂線f1を引き、この垂線f1とフェース面14Aの上縁とが交差するa1点と、垂線f1とフェース面14Aの下縁とが交差するb1点の中点を仮中心点c2とする。
ここで、仮中心点c1とc2とが合致したならばその点をフェース面14Aの中心点Pcとして規定する。
仮中心点c1とc2が合致しなければ、(2)乃至(5)の手順を繰り返す。
なお、フェース面14Aは曲面を呈しているため、水平線g0の中点、垂線f0、f1の中点を求める場合の水平線g0の長さ、垂線f0、f1の長さはフェース面14Aの曲面に沿った長さを用いるものとする。
そして、フェースセンターラインCLは、中心点Pcを通りかつトウ22−ヒール24方向と直交する方向に延在する直線で定義される。
[B]フェース面14Aの中心点Pcの第2の規定方法:
次に、フェース面14Aの周縁と他のゴルフクラブヘッド10の部分との間が曲面で接続されておりフェース面14Aが明瞭に定義できない場合の中心点Pcの定義を説明する。
図14に示すように、ゴルフクラブヘッド10は中空であり、符号G0はゴルフクラブヘッド10の重心点を示し、符号Lpは重心点G0とフェース面上重心点FGとを結ぶ直線であり、言い換えると、直線Lpは重心点G0を通るフェース面14Aの垂線である。
すなわち、ゴルフクラブヘッド10の重心点G0をフェース面14Aに投影した点がフェース面上重心点FGである。
ここで、図15に示すように、重心点G0とフェース面上重心点FGとを結ぶ直線Lpを含む多数の平面H1、H2、H3、…、Hnを考える。
ゴルフクラブヘッド10を各平面H1、H2、H3、…、Hnに沿って破断したときの断面において、図16に示されるように、ゴルフクラブヘッド10の外面の曲率半径r0を測定する。
曲率半径r0の測定に際して、フェース面14A上のフェースライン、パンチマーク等が無いものとして扱う。
曲率半径r0は、フェース面14Aの中心点Pcから外方向(図16における上方向、下方向)に向かって連続的に測定される。
そして、測定において曲率半径r0が最初に所定の値以下となる部分をフェース面14Aの周縁を表わす輪郭線Iとして定義する。
所定の値は例えば200mmである。
多数の平面H1、H2、H3、…、Hnに基づいて決定された輪郭線Iによって囲まれた領域が、図15、図16に示すように、フェース面14Aとして定義される。
次に、図17に示すように、ライ角およびフェース角が規定値となるように水平な地面上(水平面HP)にゴルフクラブヘッド10を載置する。
直線LTは、フェース面14Aのトウ側点PTを通過して鉛直方向に延在する。
直線LHは、フェース面14Aのヒール側点PHを通過して鉛直方向に延在する。
直線LCは、直線LTおよび直線LHと平行である。直線LCと直線LTとの距離は、直線LCと直線LHとの距離と等しい。
符号Puは、フェース面14Aの上側点を示し、符号Pdはフェース面14Aの下側点である。上側点Puおよび下側点Pdは、いずれも直線LCと輪郭線Iとの交点である。
中心点Pcは、上側点Puと下側点Pdとを結ぶ線分の中点で定義される。
次に、ゴルフクラブヘッド10の各部の規定について詳細に説明する。
図1〜図4に示すように、ゴルフクラブヘッド10を水平面HPに対して予め定められたライ角およびロフト角通りに設置した基準状態とする。
図1、図5に示すように、基準状態において、フェース面14Aの中心点Pcを通る法線を含みかつ水平面HPと直交する平面Xでヘッド本体12を破断した断面をフェース中心基準断面Pfcとする。言い換えると、フェース中心基準断面Pfcは、基準状態において、フェースセンターラインCLを含みかつ水平面HPと直交する平面Xでヘッド本体12を破断した断面である。
さらに、図1に示すように、基準状態で、ゴルフクラブヘッド10をフェース面14Aの前方から見たとき水平面HPに対して22.23mm上方に位置するヒール24側の箇所から最もトウ22側に位置する端部までの距離を水平面HPに投影した寸法をトウヒール方向のヘッド長さHLとする。
そして、図1、図3、図4に示すように、フェース中心基準断面Pfcと平行しフェース中心基準断面Pfcからトウ方向にヘッド長さHLの20%離れた平面を第1平面Ptとする。
フェース中心基準断面Pfcと平行しフェース中心基準断面Pfcからヒール方向にヘッド長さHLの20%離れた平面を第2平面Phとする。
第1平面Ptから第2平面Phまでの範囲内でフェース中心基準断面Pfcと平行する任意の平面でヘッド本体を破断した断面をフェース基準断面Pfとする。したがって、フェース基準断面Pfはフェース中心基準断面Pfcを含む。
なお、第1平面Ptと第2平面Phで挟まれたフェース部14(フェース面14A)の領域が、ボールを打球するために使用されるインパクトエリアに相当する。
(第1境界点K1)
図5に示すように、第1境界点K1は、フェース基準断面Pfにおいて、フェース面14Aの上端とクラウン面16Aの前端との境界点をいう。
本実施の形態では、第1境界点K1を以下の方法で規定する。
図6に示すように、フェース基準断面Pfにおいて、中心点Pcからクラウン部16に向かって1mm間隔で3つの測定点pを規定し3つの測定点pを通る円弧の曲率半径Rを測定するとともに、この曲率半径の測定を3つの測定点pを1mmずつクラウン部16に近づく方向に向かって変位させつつ行なう操作を繰り返すことで曲率半径R(R=R1、R2、R3、……Rn−1、Rn、Rn+1、……)を順次測定する。
測定された曲率半径Rnをその直前に測定された曲率半径Rn−1で除した値が0.3未満となったときに、3つの測定点pのうちの中間の測定点pをフェース側第1規定点A1とする。
フェース側第1規定点A1よりも1mm中心点Pc寄りの測定点pをフェース側第2規定点A2とする。
フェース側第2規定点A2よりも1mm中心点Pc寄りの測定点pをフェース側第3規定点A3とする。
フェース側第1規定点A1、フェース側第2規定点A2、フェース側第3規定点A3を含む複数の測定点pを通る円弧の曲率半径でクラウン部16側に延長した曲線(円弧)を第1規定線αとする。
なお、第1規定線αを規定する複数の測定点pのうち、フェース側第2規定点A2から最もフェース面14Aの中心点Pcに近い測定点pまでの第1規定線αに沿った距離は約3mm〜15mmである。実際の中空ゴルフクラブヘッドでは、フェース基準断面Pfにおいて、上記約3mm〜15mmの範囲でフェース面14Aの曲率半径Rはほぼ一定である。
フェース基準断面Pfにおいて、クラウン部16からフェース部14に向かって1mm間隔で3つの測定点pを規定し3つの測定点pを通る円弧の曲率半径Rを測定するとともに、この曲率半径の測定を3つの測定点pを1mmずつフェース部14に近づく方向に向かって変位させつつ行なう操作を繰り返すことで曲率半径R(R=R1、R2、R3、……Rn−1、Rn、Rn+1、……)を順次測定する。
なお、クラウン部16の測定点pの始点は以下のように定めることが好ましい。
すなわち、フェース基準断面Pfにおいて、フェース側第1規定点A1を含み水平面HPと平行する平面上でフェース側第1規定点A1からフェースバック方向に30mm離れた点を通り水平面HPと直交する直線L10とクラウン面16Aとが交差する交点P10の箇所を始点するか、あるいは、交点P10よりもフェース部14寄りの箇所をクラウン部16の測定点pの始点とする。
測定された曲率半径Rnをその直前に測定された曲率半径Rn−1で除した値が0.4未満となったときに、3つの測定点pのうちの中間の測定点pをクラウン側第1規定点B1とする。
クラウン側第1規定点B1よりも1mmフェースバック寄りの測定点pをクラウン側第2規定点B2とする。
クラウン側第2規定点B2よりも1mmフェースバック寄りの測定点pをクラウン側第3規定点B3とする。
クラウン側第1規定点B1、クラウン側第2規定点B2、クラウン側第3規定点B3を含む複数の測定点pを通る円弧の曲率半径でフェース部14側に延長した曲線(円弧)を第2規定線βとする。
なお、第2規定線βを規定する複数の測定点pのうち、クラウン側第2規定点B2から最もフェース面14Aの中心点Pcから遠い測定点pまでの第2規定線βに沿った距離は約3〜15mmである。実際の中空ゴルフクラブヘッドでは、フェース基準断面Pfにおいて、上記約3mmから15mmの範囲でクラウン面16Aの曲率半径はほぼ一定である。
上記の第1規定線αと第2規定線βとの交点を第1境界点K1とする。
したがって、図6に示すように、第1境界点K1は、ゴルフクラブヘッド10の外面から外側に僅かに離れた箇所に位置している。
本実施の形態では、上述のような手順で第1境界点K1を規定したため、第1境界点K1を簡単かつ確実に定める上で有利となる。
第1境界点K1を規定するための各曲率半径を測定するためのデータ作製方法は、ゴルフクラブヘッド10をレーザースキャン等を用いて寸法測定を行うことにより、CADデータ(外面データ)を作成して、曲率半径を測定するなどすればよい。
なお、図3に示すように、ゴルフクラブヘッド10の基準状態で、ヘッド本体12を平面視したときに、フェース面14Aの上端とクラウン面16Aの前端との境界線Lfcが形成される。
すなわち、実際にゴルファーがアドレス時に認識するフェース面14Aの上端とクラウン面16Aの前端との境界線Lfcは、フェース側第1規定点A1とクラウン側第1規定点B1との間の箇所に位置する。また、この境界線Lfcは、外観仕上げ、特にクラウン部16の塗装の位置によってその位置を変化させることが可能である。
(変曲点H、曲率半径RA、稜線RL)
図5に示すように、ゴルフクラブヘッド10の基準状態で、フェース基準断面Pfにおいて、第1境界点K1を含み水平面HPと平行する平面HP′上で第1境界点K1からフェースバック方向に5mm離れた点を通り水平面HPと直交する直線L1とクラウン面16Aとの交点を第1交点P1とする。
変曲点Hは、フェース基準断面Pfにおいて、第1交点P1からフェースバック方向に離れたクラウン面16Aの箇所に形成されている。
曲率半径RAは、フェース基準断面Pfにおける変曲点Hの曲率半径であり、曲率半径RAは、第1交点P1と変曲点Hとの間に位置するクラウン面16Aの曲率半径よりも小さい値である。
図3に示すように、ゴルフクラブヘッド10の基準状態で、ヘッド本体12を平面視したときに、変曲点Hがトウヒール方向に連続することによりクラウン面16A上にトウヒール方向に延在する稜線RLが視認可能に形成されている。
また、ゴルフクラブヘッド10の基準状態で、ヘッド本体12を平面視したときに、稜線RLはその全長のうち大半の部分が境界線Lfcに対して略平行に延在している。
すなわち、図3、図5に示すように、フェース部14寄りのクラウン部16上に、フェース部14の上部から上方に変位しつつ後方に延在する第1傾斜面1602と、第1傾斜面1602の後端に続き下方に変位しつつ後方に延在する第2傾斜面1604とが形成されることで、それら第1傾斜面1602と第2傾斜面1604との境の箇所にトウヒール方向に延在する稜線RLが形成されている。
図5に示すように、フェース基準断面Pfにおいて、第1傾斜面1602は、第1交点P1と変曲点Hとの間を延在し、第2傾斜面1604は、変曲点Hからフェースバック方向に延在している。
(薄肉部26、稜線肉厚D1、中央部分肉厚D2、両側部分肉厚D3、後方肉厚D4)
図5に示すように、稜線RLが形成されたクラウン内面16Bの箇所に、稜線RLよりもフェース面14A側に位置するクラウン部16の肉厚に比べて肉厚が小さい薄肉部34が稜線RLに沿って延在形成されている。
具体的に説明すると、薄肉部34は、以下の2種類の場合を含む。
(1)薄肉部34は、稜線RLよりもフェース面14A寄りのクラウン部16の肉厚よりも小さく、かつ、薄肉部34よりもフェースバック26寄りのクラウン部16の肉厚よりも小さい。
したがって、フェース基準断面Pfにおいて、薄肉部34のフェース面14A寄りの端部と、薄肉部34のフェースバック26寄りの端部とが明瞭に定義される。
この場合、図7に示すように、薄肉部34は、稜線RLを中心として稜線RLと直交する方向に沿った幅Twが2.0mm以上5.0mm以下の範囲で形成されている。
(2)薄肉部34は、稜線RLよりもフェース面14A寄りのクラウン部16の肉厚よりも小さく、かつ、稜線RLが形成されたクラウン内面16Bの箇所からクラウン部16のフェースバック26までの全長にわたって形成されている。
なお、薄肉部34の肉厚は均一である必要はなく、次述する各部の肉厚D1〜D4の規定を満たすものであればよい。
図3に示すように、ゴルフクラブヘッド10の基準状態で、ヘッド本体12を平面視したときに、フェース面14Aとクラウン面16Aとの境界線Lfcと、稜線RLとの間に挟まれたクラウン部16の部分を帯状領域36とする。なお、本実施の形態では、境界線Lfcおよび稜線RLはそれらの延長線を含むものとし、したがって、帯状領域36は、境界線Lfcおよびその延長線と、稜線RLおよびその延長線との間に挟まれたクラウン部16の部分となる。
この帯状領域36のうち第1平面Ptと第2平面Phとの間に位置する部分を中央部分36Aとし、帯状領域36のうち中央部分36Aを除いた残りの両側の部分を両側部分36Bとする。
また、クラウン部16のうち稜線RLよりもフェースバック26方向に位置する部分を後方部分37とする。
なお、図3において、中央部分36A、両側部分36B、後方部分37をそれぞれ異なる種類のハッチングで表示している。
稜線肉厚D1は、薄肉部34の延在方向に沿った肉厚の平均値である。
中央部分肉厚D2は、中央部分36Aの肉厚の平均値である。
両側部分肉厚D3は、両側部分36Bの肉厚の平均値である。
後方肉厚D4は、後方部分37の肉厚の平均値である。
そして、上記各肉厚を以下のように規定した。
稜線肉厚D1<両側部分肉厚D3<中央部分肉厚D2かつ後方肉厚D4<中央部分肉厚D2。
また、両側部分肉厚D3は1.0mm以上2.0mm以下とした。
(フランジ角度θ1)
図5に示すように、ゴルフクラブヘッド10の基準状態で、フェース基準断面Pfにおいて、第1境界点K1を含み水平面HPと平行する平面HP′上で第1境界点K1からフェースバック方向に5mm離れた点を通り水平面HPと直交する直線L1とクラウン面16Aとの交点を第1交点P1とする。
フランジ角度θ1は、第1境界点K1と第1交点P1とを結ぶ直線L20が水平面HP(HP′)に対してなす角度である。
フランジ角度θ1を15°以上35°以下とした。
(変曲点角度θ2)
図5に示すように、ゴルフクラブヘッド10の基準状態で、フェース基準断面Pfにおいて、変曲点Hを含み水平面HPと平行する平面HP″上で変曲点Hからフェースバック方向に5mm離れた点を通り水平面HPと直交する直線L2と、クラウン面16Aとの交点を第2交点P2とする。
変曲点角度θ2は、変曲点Hと第2交点P2とを結ぶ直線L22と水平面HP(HP″)とがなす角度である。
変曲点角度θ2を1°以上80°以下とした。
(リブ38)
図3、図7に示すように、第1平面Ptと第2平面Phとで挟まれるフェース内面14Bのクラウン部16寄りの箇所からクラウン内面16Bのフェース部14寄りの箇所にわたってトウヒール方向と直交する前後方向に延在するリブ38がトウヒール方向に間隔をおいて複数形成されている。
図3に示すように、リブ38のトウヒール方向の幅Lwは0.5mm以上5mm以下である。
また、図7に示すように、リブ38のクラウン内面16Bからの高さLhは0.5mm以上10mm以下である。
なお、本実施の形態では、リブ38のクラウン内面16Bからの高さLhとは、リブ38の延在方向に沿った最高高さを言うものとする。
また、本実施の形態では、図7に示すように、ヘッド本体12がフェース部14の中央に形成されたフェース開口部1402にフェース部材40が接合されることで形成されている。
リブ38のフェース開口部1402寄りの端部はフェース開口部1402からクラウン部16方向に1mm以上離間しているものとした。
すなわち、リブ38のフェース開口部1402寄りの端部とフェース開口部1402との距離Ldを1mm以上とした。
なお、図中、符号Wはフェース部材40とフェース開口部1402とを接合することで形成されたビードを示す。
本実施の形態では、ゴルフクラブヘッド10の基準状態で、ヘッド本体12を平面視したときに、変曲点Hがトウヒール方向に連続することによりクラウン面16A上にトウヒール方向に延在する稜線RLが視認可能に形成されている。
したがって、図8(A)、(B)に示すように、打球時に変曲点H(稜線RL)を含むクラウン部16の部分が他のクラウン部16の部分に比べて優先して上方に凸状に変形し、フェース部14寄りのクラウン部16の部分の変形量を大きく確保する上で有利となる。
なお、図8(B)において符号Bはボールを示す。
すなわち、クラウン部16のうちフェース部14寄りの狭い範囲の変形量が大きいので、その変形はフェース部14のたわみに寄与する度合いが高くなる。一方、クラウン部16のうちフェース部14寄りの部分を除く部分は変形量が小さく、したがって、フェース部14のたわみに寄与する度合いが少ない無駄な変形が抑制され、フェース部14のたわみ量が増加し反発係数を高くでき、初速および飛距離の向上を図る上で有利となる。
言い換えると、打球時、ボールBがフェース部14に当接した際に第1傾斜面1602と稜線RLの近傍の第2傾斜面1604の箇所が稜線RLを上昇させるように撓むことでフェース部14がフェースバック26側にたわみ、ボールBがフェース部14から離れる際に、第1傾斜面1602と稜線RLの近傍の第2傾斜面1604の箇所が稜線RLと共に元の位置に復帰することでフェース部14が元の位置に復帰する。
その結果、打球時に変曲点H(稜線RL)を含むクラウン部16の部分が他のクラウン部16の部分に比べて上方に凸状に優先して変形することで、フェース部14寄りのクラウン部16の変形量を大きく確保でき、フェース部14のたわみ量が増加するため、反発係数を高くすると共に、初速および飛距離の向上を図る上で有利となる。
さらに、本実施の形態では、稜線RLが形成されたクラウン内面16Bの箇所に、稜線RLよりもフェース面14A側に位置するクラウン部16の肉厚に比べて肉厚が小さい薄肉部34を稜線RLに沿って延在形成し、薄肉部34の平均肉厚である稜線肉厚D1が帯状領域36より小さくなるよう、稜線肉厚D1<両側部分肉厚D3<中央部分肉厚D2かつ後方肉厚D4<中央部分肉厚D2とした。
したがって、図8(B)に示すように、帯状領域36の肉厚よりも薄肉部34の肉厚を小さくする事で、打球時に帯状領域36に作用する変形エネルギーが稜線RLに集中するようになり、稜線RLの部分が屈曲して上方に大きく変形しやすくなり、これに伴いクラウン部16の帯状領域36はその稜線RL側の部分が上昇し、したがって、帯状領域36は、その向きがフェース面14Aの向きに近づくように変形する。
これによりクラウン部16の帯状領域36の部分があたかもフェース部14の一部として機能することになり、フェース面14Aの面積が拡大したのと同じ効果が奏されるため、フェース面14Aの面積を大きくすることなくスイートスポットが拡大され、初速および飛距離の向上を図る上でより有利となる。
打球時に帯状領域36の向きがフェース面14Aの向きに近づくように変形しやすくなる理由についてさらに説明する。
第1に、稜線肉厚D1が両側部分肉厚D3、中央部分肉厚D2よりも小さいため、帯状領域36に作用する変形エネルギーが薄肉部34に集中する事で変形が促進され、稜線RLの全長にわたる部分が屈曲して上方に大きく変形しやすくなるためである。
第2に、稜線肉厚D1<両側部分肉厚D3<中央部分肉厚D2としたので、第1平面Ptと第2平面Phで挟まれたフェース部14のインパクトエリアの後方に接続する中央部分36Aの剛性よりも、フェース部14のインパクトエリアから外れた箇所の後方に接続する両側部分36Bの剛性が低い。
そのため、打球時に中央部分36Aに対応する稜線RLの部分が屈曲して上方に大きく変形しやすくなる。
第3に、後方肉厚D4<中央部分肉厚D2としたので、後方部分37の剛性が中央部分36Aの剛性よりも低いので、後方部分37の稜線RL寄りの箇所の変形を促進でき、したがって、中央部分36Aの稜線RLの部分が屈曲して上方に大きく変形しやすくなるためである。
したがって、稜線肉厚D1<両側部分肉厚D3<中央部分肉厚D2かつ後方肉厚D4<中央部分肉厚D2という規定が満たされないと、帯状領域36の向きがフェース面14Aの向きに近づくように変形しにくくなることから、フェース面14Aの面積が拡大したのと同じ効果が奏されず、スイートスポットの拡大、初速および飛距離の向上を図る上で不利となる。
次に、図9(A)、(B)を参照して稜線RLを有するが薄肉部34が形成されていない従来のゴルフクラブヘッドと本実施の形態のゴルフクラブヘッドとを比較して説明する。
図9(A)、(B)に示すように、従来のように稜線RLを有するが薄肉部34が形成されていないゴルフクラブヘッド10′では、打球時に変曲点H(稜線RL)を含むクラウン部16の部分が他のクラウン部16の部分よりも優先して上方に凸状に変形することでフェース部14寄りのクラウン部16の部分の変形量を大きく確保することできる。
しかしながら、薄肉部34が形成されていないため、本実施の形態とは異なり、稜線RLの部分が屈曲して上方に凸状に大きく変形する効果が低い。
ここで、従来のゴルクラブヘッド10′においても本実施の形態のゴルクラブヘッド10と同様の帯状領域36を規定すると、帯状領域36は、その向きがフェース面14Aの向きに近づくように変形しにくい。
したがって、フェース部14のたわみ量が増加するものの、クラウン部16の帯状領域36の部分があたかもフェース部14の一部として機能する効果が低く、フェース面14Aの面積が拡大し、スイートスポットが拡大されるという効果も低く、初速および飛距離の向上を図る効果は本実施の形態に比較して低いものに留まる。
また、本実施の形態では、薄肉部34の幅Twを、稜線RLを中心に2.0mm以上5.0mm以下としたので、打球時に稜線RLの部分が屈曲して上方に凸状に大きく変形しやすくなり、帯状領域36の向きがフェース面14Aの向きに近づくように変形する効果を確保する上で有利となる。
薄肉部34の幅Twが上記範囲を下回ると、薄肉部34の幅が狭すぎるため、打球時に稜線RLの部分が上方に凸状に変形する変形量を確保する効果が低下する。
薄肉部34の幅Twが上記範囲を上回ると、薄肉部34の幅が広すぎるため、打球時に稜線RLの部分が上方に凸状ではなく、丸みを帯びて変形するため、変形量が低下する。
また、本実施の形態では、薄肉部34は、稜線RLが形成されたクラウン内面16Bの箇所からクラウン部16のフェースバック26までの全長にわたって形成されているので、打球時に稜線RLの部分が屈曲して上方に凸状に大きく変形しやすくなり、帯状領域36の向きがフェース面14Aの向きに近づくように変形する効果を確保する上で有利となる。
また、本実施の形態では、フランジ角度θ1を15°以上35°以下としたので、打球時に変曲点H(稜線RL)を含むクラウン部16の部分が他のクラウン部16の部分よりも優先して上方に凸状に変形することでフェース部14寄りのクラウン部16の部分の変形量を大きく確保する効果が確保される。
フランジ角度θ1が上記範囲を下回ると、打球時に変曲点H(稜線RL)を含むクラウン部16の部分の変形量を確保する上で不利となる。
フランジ角度θ1が上記範囲を上回ると、ゴルファーがゴルフクラブヘッドとしての形状に違和感を感じやすくなり、スイングしにくくなり、ヘッドスピードが低下し、飛距離を確保する上で不利となる。特にディープフェースになりすぎてアドレス時に違和感を感じやすくなる。また、フランジ角度θ1が上記範囲を上回ると、第1境界点K1に対応するヘッド本体12の部分(フェース面14Aとクラウン面16Aとの境目)の強度が低下するため、ゴルフクラブヘッドの耐久性を確保する効果が低下する。
また、本実施の形態では、変曲点角度θ2を1°以上80°以下としたので、稜線RLを視認しやすくなることから、構えやすさを確保し、ゴルクラブヘッド10で打ち出したボールの方向の安定を確保する上でより有利となる。
変曲点角度θ2が上記範囲を下回ると、稜線RLの視認性を確保する効果が低下し、打球時に稜線RLの部分が上方に凸状に変形する変形量を確保する効果も低下する。
変曲点角度θ2が上記範囲を上回ると、打球時に稜線RLの部分が上方では無く、フェース面14Aの向きから遠ざかるように変形し、フェース面14Aのたわみ量が低下し、ボールBに対する反発力を確保する効果が低下する。
また、本実施の形態では、クラウン部16の帯状領域36の両側部分肉厚D3を1.0mm以上2.0mm以下としたので、打球時に稜線RLの部分が上方に凸状に変形する変形量を確保する上で有利となる。
両側部分肉厚D3が上記範囲を下回ると、両側部分肉厚D3が薄すぎるため、打球時に変形エネルギーが両側部分肉厚D3の変形に奪われ、稜線RLの部分が上方に凸状に変形する変形エネルギーが少なくなり、稜線RLの部分が上方に凸状に変形する変形量が過小となり、ボールBに対する反発力を確保する効果が低下する。
両側部分肉厚D3が上記範囲を上回ると、両側部分肉厚D3が厚すぎるため、打球時に稜線RLの部分が上方に凸状に変形する変形量が過小となり、ボールBに対する反発力を確保する効果が低下する。
また、本実施の形態では、第1平面と第2平面とで挟まれるフェース部14の内面のクラウン部16寄りの箇所からクラウン内面16Bのフェース部14寄りの箇所にわたってトウヒール方向と直交する前後方向に延在するリブ38をトウヒール方向に間隔をおいて複数形成し、リブ38のトウヒール方向の幅Lwを0.5mm以上5mm以下とし、リブ38のクラウン内面16Bからの高さLhを0.5mm以上10mm以下とした。
したがって、リブ38を設けるといった簡単な構成で、中央部分肉厚D2を確保でき、各部の肉厚の関係を稜線肉厚D1<両側部分肉厚D3<中央部分肉厚D2かつ後方肉厚D4<中央部分肉厚D2とする上で有利となる。
リブ38の幅Lwが上記範囲を下回ると、中央部分肉厚D2を確保する効果が低下する。
リブ38の幅Lwが上記範囲を上回ると、質量過多になり、設計自由度(低重心設計・深重心設計)の効果が低くなる。
リブ38の高さLhが上記範囲を下回ると、中央部分肉厚D2を確保する効果が低下する。
リブ38の高さLhが上記範囲を上回ると、質量過多になり、設計自由度(低重心設計・深重心設計)の効果が低くなる。
なお、リブ38を設けずに、稜線肉厚D1<両側部分肉厚D3<中央部分肉厚D2かつ後方肉厚D4<中央部分肉厚D2といった規定を満たすように中央部分肉厚D2を設定してもよいが、本実施の形態にようにリブ38を設けると、質量過多となることを抑制しつつ設計の自由度を確保する上で有利となる。
また、本実施の形態では、ヘッド本体12は、フェース部14の中央に形成されたフェース開口部1402にフェース部材40が接合されることで形成されている場合、フェース部材40とフェース開口部1402との接合箇所は、例えば溶接によって接合されることで高温に晒されることで強度が局所的に低下しやすい。
本実施の形態では、リブ38のフェース開口部1402寄りの端部をフェース開口部1402からクラウン部16方向に1mm以上離間させたので、打球時の応力が上記接合箇所に集中することを緩和でき、耐久性の向上をる上で有利となる。
また、本発明は、このようなゴルフクラブヘッド10を有する互いに番手が異なる複数本のゴルフクラブ100を含むゴルフクラブセットに適用される。
以下、本発明の実験例について説明する。
図18〜図41は、本発明に係るゴルフクラブヘッド10の実験結果を示す図である。
試料となるゴルフクラブヘッド10を各実験例毎に作成し、以下の2つの評価項目を測定し指数(評価点)を求めると共に、2つの指数の合計点を求めた。
なお、以下の実験例では、ゴルフクラブヘッド10としてドライバー、フェアウェイウッド、ユーティリティをそれぞれ実験対象とした。
また、全ての実験例において、ヘッド本体12は、フェース部14の中央に形成されたフェース開口部1402にフェース部材40が接合されることで形成されているものとした。
(1)初速
ゴルフクラブヘッド10を備えたゴルフクラブをスイングロボットに設置し、以下の条件で実打試験を行い以下の3打点における初速の平均値を指数で評価した。 ヘッドスピード:40m/s
ボール:株式会社プロギア製プロギアTRスピン(商品名)
打点位置は、以下の合計3打点とし、各打点で5回ずつボールを打撃した。
(1)フェースセンターラインCL上で中心点Pcからクラウン部16方向に10mm離間した点
(2)フェースセンターラインCL上で中心点Pcからクラウン部16方向に5mm離間した点
(3)フェース面14Aの中心点Pc
比較例に相当する実験例におけるフェース面14Aの中心点Pcでの初速を100とした指数で示す。
また、上記3打点の指数を合計したものを初速の合計点とした。
各打点の指数、および、合計点が大きいほど初速が速く、評価が良いことを示す。
(2)耐久性
シャフトに固定したゴルフクラブヘッド10のフェース面14Aにエアキャノンにてゴルフボールを繰り返して当て、フェース部14の変形や破損が生じるまでに要した打撃回数を計測し、打撃回数を指数化した。ボールスピードは50m/sとした。打点位置はフェース面14Aの中心点Pcとした。
この場合、比較例に相当する実験例のゴルフクラブヘッド10の測定結果を100とした指数で示した。指数が大きいほど評価が良いことを示す。
(ドライバー)
まず、ドライバーの実験例について説明する。
なお、ドライバーは、各実験例で規定したパラメータを除き以下の条件を共通としている。
ロフト角 10.5°
ライ角 59°
重量 200g
(条件1)
図18に示すように、請求項1で規定する条件を変更し、請求項2、4−8で規定する条件は範囲外で一定条件とした。
図18に示すように、実験例1は、比較例に相当するものであり、稜線が形成された従来技術のゴルフクラブヘッド(ドライバー)である。
実験例2は、請求項1で規定する薄肉部34が形成されると共に、稜線肉厚D1<両側部分肉厚D3<中央部分肉厚D2かつ後方肉厚D4<中央部分肉厚D2という条件を満足している。
したがって、3点の初速、初速の合計点の全てが実験例1を上回っている。
なお、実験例2〜24においては、リブ38のフェース開口部1402寄りの端部とフェース開口部1402との距離が0.5mmであり、請求項8で規定する1mmを下回っているため、耐久性が実験例1よりも低下しており、以下では同様の説明を省く。
実験例3は、請求項1で規定する薄肉部34が形成されているものの、稜線肉厚D1<両側部分肉厚D3<中央部分肉厚D2かつ後方肉厚D4<中央部分肉厚D2という条件を満たさないものであり、本発明の範囲外である。
したがって、3点の初速、初速の合計点の全てが実験例2を下回っている。
そのため、請求項1の規定を満たす実験例2は、請求項1の規定を満たさない実験例1、実験例3に対して初速の向上を図る効果が優れている。
(条件2)
図19に示すように、請求項1で規定する条件は範囲内で一定条件とし、請求項2で規定する条件を変更し、請求項4−8で規定する条件は範囲外で一定条件とした。
実験例4、5、6は、薄肉部34の幅Twがそれぞれ2mm、4mm、5mmであり、請求項2で規定する2mm≦Tw≦5mmの範囲内である。
したがって、請求項1および請求項2の規定を満たす実験例4、5、6は、3点の初速、初速の合計点の全てが、前述した実験例2を上回っている。なお、実験例2は、薄肉部34の幅Twが1.5mmであり、請求項2で規定する2mm≦Tw≦5mmの範囲を下回っている。
実験例7は、薄肉部34の幅Twが6mmであり、請求項2で規定する2mm≦Tw≦5mmの範囲を上回っている。
したがって、請求項1の規定を満たすが請求項2の規定を満たさない実験例7は、3点の初速、初速の合計点の全てが実験例1を上回っているものの、実験例4、5、6に比較して改善の効果が低い。
(条件3)
図20に示すように、請求項1、2で規定する条件は範囲内で一定条件とし、請求項4で規定する条件を変更し、請求項5−8で規定する条件は範囲外で一定条件とした。
実験例8、9、10は、フランジ角度θ1が15°、30°、35°であり、請求項4で規定する15°≦θ1≦35°の範囲内である。
したがって、請求項1、2、4の規定を満たす実験例8、9、10は、3点の初速、初速の合計点の全てが請求項1、2の規定を満たすが請求項4の規定を満たさない前述した実験例4、5、6を上回っている。なお、前述した実験例4、5、6は、フランジ角度θ1が14°であり、請求項4で規定する15°≦θ1≦35°の範囲を下回っている。
実験例11は、フランジ角度θ1が40°であり、請求項4で規定する15°≦θ1≦35°の範囲を上回っている。
したがって、実験例11は、3点の初速、初速の合計点の全てが実験例1を上回っているものの、請求項1、2、4の規定を満たす実験例8、9、10に比較して改善の効果が低い。
また、実験例11は、耐久性が65であり、実験例8−10の耐久性68よりもさらに低下している。
これは、実験例11のフランジ角度θ1が40°であり、請求項4で規定する15°≦θ1≦35°の範囲を上回っていることから、第1境界点K1に対応するヘッド本体12の部分(フェース面14Aとクラウン面16Aとの境目)の強度が低下し、耐久性を確保する効果が低下しているためである。
(条件4)
図21に示すように、請求項1、2、4で規定する条件は範囲内で一定条件とし、請求項5で規定する条件を変更し、請求項6−8で規定する条件は範囲外で一定条件とした。
実験例13、14、15、16は、変曲点角度θ2がそれぞれ1°、45°、65°、80°であり、請求項5で規定する1°≦θ2≦80°の範囲内である。
したがって、請求項1、2、4、5の規定を満たす実験例13、14、15、16は、3点の初速、初速の合計点の全てが請求項1、2、4の規定を満たすが請求項5の規定を満たさない実験例8、9、10を上回っている。なお、前述した実験例8、9、10は、変曲点角度θ2が82°であり、請求項4で規定する1°≦θ2≦80°の範囲を上回っている。
実験例12は、変曲点角度θ2が0.5°であり、請求項5で規定する1°≦θ2≦80°の範囲を下回っている。
したがって、実験例12は、3点の初速、初速の合計点の全てが実験例1を上回っているものの、請求項1、2、4、5の規定を満たす実験例13、14、15、16に比較して改善の効果が低い。
(条件5)
図22に示すように、請求項1、2、4、5で規定する条件は範囲内で一定条件とし、請求項6で規定する条件を変更し、請求項7、8で規定する条件は範囲外で一定条件とした。
実験例18、19は、両側部分肉厚D3がそれぞれ1mm、2mmであり、請求項6で規定する1mm≦D3≦2mmの範囲内である。
したがって、請求項1、2、4−6の規定を満たす実験例18、19は、3点の初速、初速の合計点の全てが請求項1、2、4、5の規定を満たすが請求項6の規定を満たさない実験例17、20を上回っている。
実験例17、20は、両側部分肉厚D3がそれぞれ0.9mm、2.2mmであり、請求項6で規定する1mm≦D3≦2mmの範囲外である。
したがって、実験例17、20は、3点の初速、初速の合計点の全てが実験例1を上回っているものの、請求項1、2、4−6の規定を満たす実験例18、19に比較して改善の効果が低い。
(条件6)
図23に示すように、請求項1、2、4−6で規定する条件は範囲内で一定条件とし、請求項7で規定する条件を変更し、請求項8で規定する条件は範囲外で一定条件とした。
実験例21は、リブ38の幅Lwを0.5mmとし、リブ38の高さLhを0.5mmとし、実験例22は、リブ38の幅Lwを3mmとし、リブ38の高さLhを5mmとし、実験例23は、リブ38の幅Lwを5mmとし、リブ38の高さLhを10mmとした。
したがって、実験例21、22、23は、請求項7で規定する0.5mm≦Lw≦5mm、0.5mm≦Lh≦10mmの範囲内である。
そのため、請求項1、2、4−7の規定を満たす実験例21、22、23は、3点の初速、初速の合計点の全てが前述した請求項1、2、4−6の規定を満たすが請求項7の規定を満たさない実験例18、19を上回っている。なお、実験例18、19は、リブ38の幅Lwが0.4mm、リブ38の高さLhが0.4mmであり、請求項7で規定する0.5mm≦Lw≦5mm、0.5mm≦Lh≦10mmの範囲を下回っている。
実験例24は、リブ38の幅Lwを6mmとし、リブ38の高さLhを11mmとした。
したがって、実験例24は、請求項7で規定する0.5mm≦Lw≦5mm、0.5mm≦Lh≦10mmの範囲をそれぞれ上回っている。
したがって、請求項1、2、4−6の規定を満たすが請求項7の規定を満たさない実験例24は、3点の初速、初速の合計点の全てが実験例1を上回っているものの、請求項1、2、4−7の規定を満たす実験例21、22、23に比較して改善の効果が低い。
(条件7)
図24に示すように、請求項1、2、4−7で規定する条件は範囲内で一定条件とし、請求項8で規定する条件を変更した。
実験例25は、リブ38のフェース開口部1402寄りの端部とフェース開口部1402との距離が2mmであり、請求項8で規定する1mmを上回っている。
したがって、実験例25は、3点の初速、初速の合計点の全てが請求項1、2、4−7の規定を満たす実験例21、22、23と同等であり、さらに、耐久性が105であり、実験例1、および、実験例21、22、23を上回っている。
(条件8)
図25に示すように、実験例26は、請求項1で規定する条件は範囲内で一定条件とし、請求項3で規定する条件を満たし、請求項4−8で規定する条件は範囲外で一定条件とした。
すなわち、実験例36は、薄肉部34が稜線RLが形成されたクラウン内面16Bの箇所からクラウン部16のフェースバック26までの全長にわたって形成されているものである。
したがって、請求項1および請求項3の規定を満たす実験例36は、3点の初速、初速の合計点の全てが請求項1の規定を満たさない実験例1を上回っている。
なお、実験例26においても、請求項8で規定するリブ38のフェース開口部1402寄りの端部とフェース開口部1402との距離が0.5mmであり、請求項8で規定する1mmを下回っているため、耐久性は実験例1よりも低下している。
(フェアウェイウッド)
次に、フェアウェイウッドの実験例について説明する。
なお、フェアウェイウッドは、各実験例で規定したパラメータを除き以下の条件を共通としている。
ロフト角 15°
ライ角 58.5°
重量 215g
(条件1)
図26に示すように、請求項1で規定する条件を変更し、請求項2、4−8で規定する条件は範囲外で一定条件とした。
図26に示すように、実験例31は、比較例に相当するものであり、稜線が形成された従来技術のゴルフクラブヘッド(フェアウェイウッド)である。
実験例32は、請求項1で規定する薄肉部34が形成されると共に、稜線肉厚D1<両側部分肉厚D3<中央部分肉厚D2かつ後方肉厚D4<中央部分肉厚D2という条件を満足している。
したがって、3点の初速、初速の合計点の全てが実験例31を上回っている。
なお、実験例32〜54においては、リブ38のフェース開口部1402寄りの端部とフェース開口部1402との距離が0.5mmであり、請求項8で規定する1mmを下回っているため、耐久性が実験例31よりも低下しており、以下ではその説明を省く。
実験例33は、請求項1で規定する薄肉部34が形成されているものの、稜線肉厚D1<両側部分肉厚D3<中央部分肉厚D2かつ後方肉厚D4<中央部分肉厚D2という条件を満たさないものであり、本発明の範囲外である。
したがって、3点の初速、初速の合計点の全てが実験例32を下回っている。
そのため、請求項1の規定を満たす実験例32は、請求項1の規定を満たさない実験例31、実験例33に対して初速の向上を図る効果が優れている。
(条件2)
図27に示すように、請求項1で規定する条件は範囲内で一定条件とし、請求項2で規定する条件を変更し、請求項4−8で規定する条件は範囲外で一定条件とした。
実験例34、35、36は、薄肉部34の幅Twがそれぞれ2mm、4mm、5mmであり、請求項2で規定する2mm≦Tw≦5mmの範囲内である。
したがって、請求項1および請求項2の規定を満たす実験例34、35、36は、3点の初速、初速の合計点の全てが、前述した実験例32を上回っている。なお、実験例32は、薄肉部34の幅Twが1.5mmであり、請求項2で規定する2mm≦Tw≦5mmの範囲を下回っている。
実験例37は、薄肉部34の幅Twが6mmであり、請求項2で規定する2mm≦Tw≦5mmの範囲を上回っている。
したがって、請求項1の規定を満たすが請求項2の規定を満たさない実験例37は、3点の初速、初速の合計点の全てが実験例31を上回っているものの、実験例34、35、36に比較して改善の効果が低い。
(条件3)
図28に示すように、請求項1、2で規定する条件は範囲内で一定条件とし、請求項4で規定する条件を変更し、請求項5−8で規定する条件は範囲外で一定条件とした。
実験例38、39、40は、フランジ角度θ1が15°、30°、35°であり、請求項4で規定する15°≦θ1≦35°の範囲内である。
したがって、請求項1、2、4の規定を満たす実験例38、39、40は、3点の初速、初速の合計点の全てが請求項1、2の規定を満たすが請求項4の規定を満たさない前述した実験例34、35、36を上回っている。なお、前述した実験例34、35、36は、フランジ角度θ1が14°であり、請求項4で規定する15°≦θ1≦35°の範囲を下回っている。
実験例41は、フランジ角度θ1が40°であり、請求項4で規定する15°≦θ1≦35°の範囲を上回っている。
したがって、実験例41は、3点の初速、初速の合計点の全てが実験例31を上回っているものの、請求項1、2、4の規定を満たす実験例38、39、40に比較して改善の効果が低い。
また、実験例41は、耐久性が66であり、実験例38、39、40の耐久性69よりもさらに低下している。
これは、実験例41のフランジ角度θ1が40°であり、請求項4で規定する15°≦θ1≦35°の範囲を上回っていることから、第1境界点K1に対応するヘッド本体12の部分(フェース面14Aとクラウン面16Aとの境目)の強度が低下し、耐久性を確保する効果が低下しているためである。
(条件4)
図29に示すように、請求項1、2、4で規定する条件は範囲内で一定条件とし、請求項5で規定する条件を変更し、請求項6−8で規定する条件は範囲外で一定条件とした。
実験例43、44、45、46は、変曲点角度θ2がそれぞれ1°、45°、65°、80°であり、請求項5で規定する1°≦θ2≦80°の範囲内である。
したがって、請求項1、2、4、5の規定を満たす実験例43、44、45、46は、3点の初速、初速の合計点の全てが請求項1、2、4の規定を満たすが請求項5の規定を満たさない実験例38、39、40を上回っている。なお、前述した実験例38、39、40は、変曲点角度θ2が82°であり、請求項4で規定する1°≦θ2≦80°の範囲を上回っている。
実験例42は、変曲点角度θ2が0.5°であり、請求項5で規定する1°≦θ2≦80°の範囲を下回っている。
したがって、実験例42は、3点の初速、初速の合計点の全てが実験例31を上回っているものの、請求項1、2、4、5の規定を満たす実験例43、44、45、46に比較して改善の効果が低い。
(条件5)
図30に示すように、請求項1、2、4、5で規定する条件は範囲内で一定条件とし、請求項6で規定する条件を変更し、請求項7、8で規定する条件は範囲外で一定条件とした。
実験例48、49は、両側部分肉厚D3がそれぞれ1mm、2mmであり、請求項6で規定する1mm≦D3≦2mmの範囲内である。
したがって、請求項1、2、4−6の規定を満たす実験例48、49は、3点の初速、初速の合計点の全てが請求項1、2、4、5の規定を満たすが請求項6の規定を満たさない実験例47、50を上回っている。
実験例47、50は、両側部分肉厚D3がそれぞれ0.9mm、2.2mmであり、請求項6で規定する1mm≦D3≦2mmの範囲外である。
したがって、実験例47、50は、3点の初速、初速の合計点の全てが実験例31を上回っているものの、請求項1、2、4−6の規定を満たす実験例48、49に比較して改善の効果が低い。
(条件6)
図31に示すように、請求項1、2、4−6で規定する条件は範囲内で一定条件とし、請求項7で規定する条件を変更し、請求項8で規定する条件は範囲外で一定条件とした。
実験例51は、リブ38の幅Lwを0.5mmとし、リブ38の高さLhを0.5mmとし、実験例52は、リブ38の幅Lwを3mmとし、リブ38の高さLhを5mmとし、実験例53は、リブ38の幅Lwを5mmとし、リブ38の高さLhを10mmとした。
したがって、実験例51、52、53は、請求項7で規定する0.5mm≦Lw≦5mm、0.5mm≦Lh≦10mmの範囲内である。
そのため、請求項1、2、4−7の規定を満たす実験例51、52、53は、3点の初速、初速の合計点の全てが前述した請求項1、2、4−6の規定を満たすが請求項7の規定を満たさない実験例48、49を上回っている。なお、実験例48、49は、リブ38の幅Lwが0.4mm、リブ38の高さLhが0.4mmであり、請求項7で規定する0.5mm≦Lw≦5mm、0.5mm≦Lh≦10mmの範囲を下回っている。
実験例54は、リブ38の幅Lwを6mmとし、リブ38の高さLhを11mmとした。
したがって、実験例54は、請求項7で規定する0.5mm≦Lw≦5mm、0.5mm≦Lh≦10mmの範囲をそれぞれ上回っている。
そのため、請求項1、2、4−6の規定を満たすが請求項7の規定を満たさない実験例54は、3点の初速、初速の合計点の全てが実験例31を上回っているものの、請求項1、2、4−7の規定を満たす実験例51、52、53に比較して改善の効果が低い。
(条件7)
図32に示すように、請求項1、2、4−7で規定する条件は範囲内で一定条件とし、請求項8で規定する条件を変更した。
実験例55は、リブ38のフェース開口部1402寄りの端部とフェース開口部1402との距離が2mmであり、請求項8で規定する1mmを上回っている。
したがって、実験例55は、3点の初速、初速の合計点の全てが請求項1、2、4−7の規定を満たす実験例51−53と同等であり、さらに、耐久性が105であり、実験例31、および、実験例51、52、53を上回っている。
(条件8)
図33に示すように、実験例56は、請求項1で規定する条件は範囲内で一定条件とし、請求項3で規定する条件を満たし、請求項4−8で規定する条件は範囲外で一定条件とした。
すなわち、実験例56は、薄肉部34が稜線RLが形成されたクラウン内面16Bの箇所からクラウン部16のフェースバック26までの全長にわたって形成されているものである。
したがって、請求項1および請求項3の規定を満たす実験例56は、3点の初速、初速の合計点の全てが請求項1の規定を満たさない実験例31を上回っている。
なお、実験例56においても、請求項8で規定するリブ38のフェース開口部1402寄りの端部とフェース開口部1402との距離が0.5mmであり、請求項8で規定する1mmを下回っているため、耐久性は実験例31よりも低下している。
(ユーティリティ)
次に、ユーティリティの実験例について説明する。
なお、ユーティリティは、各実験例で規定したパラメータを除き以下の条件を共通としている。
ロフト角 19°
ライ角 58°
重量 230g
(条件1)
図34に示すように、請求項1で規定する条件を変更し、請求項2、4−8で規定する条件は範囲外で一定条件とした。
図34に示すように、実験例61は、比較例に相当するものであり、稜線が形成された従来技術のゴルフクラブヘッド(ユーティリティ)である。
実験例62は、請求項1で規定する薄肉部34が形成されると共に、稜線肉厚D1<両側部分肉厚D3<中央部分肉厚D2かつ後方肉厚D4<中央部分肉厚D2という条件を満足している。
したがって、3点の初速、初速の合計点の全てが実験例61を上回っている。
なお、実験例62〜84においては、リブ38のフェース開口部1402寄りの端部とフェース開口部1402との距離が0.5mmであり、請求項8で規定する1mmを下回っているため、耐久性が実験例61よりも低下しており、以下ではその説明を省く。
実験例63は、請求項1で規定する薄肉部34が形成されているものの、稜線肉厚D1<両側部分肉厚D3<中央部分肉厚D2かつ後方肉厚D4<中央部分肉厚D2という条件を満たさないものであり、本発明の範囲外である。
したがって、3点の初速、初速の合計点の全てが実験例62を下回っている。
そのため、請求項1の規定を満たす実験例62は、請求項1の規定を満たさない実験例61、実験例63に対して初速の向上を図る効果が優れている。
(条件2)
図35に示すように、請求項1で規定する条件は範囲内で一定条件とし、請求項2で規定する条件を変更し、請求項4−8で規定する条件は範囲外で一定条件とした。
実験例64、65、66は、薄肉部34の幅Twがそれぞれ2mm、4mm、5mmであり、請求項2で規定する2mm≦Tw≦5mmの範囲内である。
したがって、請求項1および請求項2の規定を満たす実験例64、65、66は、3点の初速、初速の合計点の全てが、前述した実験例62を上回っている。なお、実験例62は、薄肉部34の幅Twが1.5mmであり、請求項2で規定する2mm≦Tw≦5mmの範囲を下回っている。
実験例67は、薄肉部34の幅Twが6mmであり、請求項2で規定する2mm≦Tw≦5mmの範囲を上回っている。
したがって、請求項1の規定を満たすが請求項2の規定を満たさない実験例67は、3点の初速、初速の合計点の全てが実験例61を上回っているものの、実験例64、65、66に比較して改善の効果が低い。
(条件3)
図36に示すように、請求項1、2で規定する条件は範囲内で一定条件とし、請求項4で規定する条件を変更し、請求項5−8で規定する条件は範囲外で一定条件とした。
実験例68、69、70は、フランジ角度θ1が15°、30°、35°であり、請求項4で規定する15°≦θ1≦35°の範囲内である。
したがって、請求項1、2、4の規定を満たす実験例68、69、70は、3点の初速、初速の合計点の全てが請求項1、2の規定を満たすが請求項4の規定を満たさない前述した実験例64、65、66を上回っている。なお、前述した実験例64、65、66は、フランジ角度θ1が14°であり、請求項4で規定する15°≦θ1≦35°の範囲を下回っている。
実験例71は、フランジ角度θ1が40°であり、請求項4で規定する15°≦θ1≦35°の範囲を上回っている。
したがって、実験例71は、3点の初速、初速の合計点の全てが実験例61を上回っているものの、請求項1、2、4の規定を満たす実験例68、69、70に比較して改善の効果が低い。
また、実験例71は、耐久性が66であり、実験例68、69、70の耐久性69よりもさらに低下している。
これは、実験例71のフランジ角度θ1が40°であり、請求項4で規定する15°≦θ1≦35°の範囲を上回っていることから、第1境界点K1に対応するヘッド本体12の部分(フェース面14Aとクラウン面16Aとの境目)の強度が低下し、耐久性を確保する効果が低下しているためである。
(条件4)
図37に示すように、請求項1、2、4で規定する条件は範囲内で一定条件とし、請求項5で規定する条件を変更し、請求項6−8で規定する条件は範囲外で一定条件とした。
実験例73、74、75、76は、変曲点角度θ2がそれぞれ1°、45°、65°、80°であり、請求項5で規定する1°≦θ2≦80°の範囲内である。
したがって、請求項1、2、4、5の規定を満たす実験例73、74、75、76は、3点の初速、初速の合計点の全てが請求項1、2、4の規定を満たすが請求項5の規定を満たさない実験例68、69、70を上回っている。なお、前述した実験例68、69、70は、変曲点角度θ2が82°であり、請求項4で規定する1°≦θ2≦80°の範囲を上回っている。
実験例72は、変曲点角度θ2が0.5°であり、請求項5で規定する1°≦θ2≦80°の範囲を下回っている。
したがって、実験例72は、3点の初速、初速の合計点の全てが実験例61を上回っているものの、請求項1、2、4、5の規定を満たす実験例73、74、75、76に比較して改善の効果が低い。
(条件5)
図38に示すように、請求項1、2、4、5で規定する条件は範囲内で一定条件とし、請求項6で規定する条件を変更し、請求項7、8で規定する条件は範囲外で一定条件とした。
実験例78、79は、両側部分肉厚D3がそれぞれ1mm、2mmであり、請求項6で規定する1mm≦D3≦2mmの範囲内である。
したがって、請求項1、2、4−6の規定を満たす実験例78、79は、3点の初速、初速の合計点の全てが請求項1、2、4、5の規定を満たすが請求項6の規定を満たさない実験例77、80を上回っている。
実験例77、80は、両側部分肉厚D3がそれぞれ0.9mm、2.2mmであり、請求項6で規定する1mm≦D3≦2mmの範囲外である。
したがって、実験例77、80は、3点の初速、初速の合計点の全てが実験例61を上回っているものの、請求項1、2、4−6の規定を満たす実験例78、79に比較して改善の効果が低い。
(条件6)
図39に示すように、請求項1、2、4−6で規定する条件は範囲内で一定条件とし、請求項7で規定する条件を変更し、請求項8で規定する条件は範囲外で一定条件とした。
実験例81は、リブ38の幅Lwを0.5mmとし、リブ38の高さLhを0.5mmとし、実験例82は、リブ38の幅Lwを3mmとし、リブ38の高さLhを5mmとし、実験例83は、リブ38の幅Lwを5mmとし、リブ38の高さLhを10mmとした。
したがって、実験例81、82、83は、請求項7で規定する0.5mm≦Lw≦5mm、0.5mm≦Lh≦10mmの範囲内である。
そのため、請求項1、2、4−7の規定を満たす実験例81、82、83は、3点の初速、初速の合計点の全てが前述した請求項1、2、4−6の規定を満たすが請求項7の規定を満たさない実験例78、79を上回っている。なお、実験例78、79は、リブ38の幅Lwが0.4mm、リブ38の高さLhが0.4mmであり、請求項7で規定する0.5mm≦Lw≦5mm、0.5mm≦Lh≦10mmの範囲を下回っている。
実験例84は、リブ38の幅Lwを6mmとし、リブ38の高さLhを11mmとした。
したがって、実験例84は、請求項7で規定する0.5mm≦Lw≦5mm、0.5mm≦Lh≦10mmの範囲をそれぞれ上回っている。
そのため、請求項1、2、4−6の規定を満たすが請求項7の規定を満たさない実験例84は、3点の初速、初速の合計点の全てが実験例61を上回っているものの、請求項1、2、4−7の規定を満たす実験例81、82、83に比較して改善の効果が低い。
(条件7)
図40に示すように、請求項1、2、4−7で規定する条件は範囲内で一定条件とし、請求項8で規定する条件を変更した。
実験例85は、リブ38のフェース開口部1402寄りの端部とフェース開口部1402との距離が2mmであり、請求項8で規定する1mmを上回っている。
したがって、実験例85は、3点の初速、初速の合計点の全てが請求項1、2、4−7の規定を満たす実験例81、82、83と同等であり、さらに、耐久性が105であり、実験例61、および、実験例81、82、83を上回っている。
(条件8)
図41に示すように、実験例86は、請求項1で規定する条件は範囲内で一定条件とし、請求項3で規定する条件を満たし、請求項4−8で規定する条件は範囲外で一定条件とした。
すなわち、実験例86は、薄肉部34が稜線RLが形成されたクラウン内面16Bの箇所からクラウン部16のフェースバック26までの全長にわたって形成されているものである。
したがって、請求項1および請求項3の規定を満たす実験例86は、3点の初速、初速の合計点の全てが請求項1の規定を満たさない実験例61を上回っている。
なお、実験例86においても、請求項8で規定するリブ38のフェース開口部1402寄りの端部とフェース開口部1402との距離が0.5mmであり、請求項8で規定する1mmを下回っているため、耐久性は実験例61よりも低下している。
100 ゴルフクラブ
10 ゴルフクラブヘッド
12 ヘッド本体
14 フェース部
1402 フェース開口部
14A フェース面
14B フェース内面
16 クラウン部
16A クラウン面
16B クラウン内面
1602 第1傾斜面
1604 第2傾斜面
18 ソール部
20 サイド部
22 トウ
24 ヒール
26 フェースバック
28 中空部
34 薄肉部
36 帯状領域
36A 中央部分
36B 両側部分
37 後方部分
38 リブ
40 フェース部材
H 変曲点
RL 稜線
θ1 フランジ角度
θ2 変曲点角度
(条件8)
図25に示すように、実験例26は、請求項1で規定する条件は範囲内で一定条件とし、請求項3で規定する条件を満たし、請求項4−8で規定する条件は範囲外で一定条件とした。
すなわち、実験例26は、薄肉部34が稜線RLが形成されたクラウン内面16Bの箇所からクラウン部16のフェースバック26までの全長にわたって形成されているものである。
したがって、請求項1および請求項3の規定を満たす実験例26は、3点の初速、初速の合計点の全てが請求項1の規定を満たさない実験例1を上回っている。
なお、実験例26においても、請求項8で規定するリブ38のフェース開口部1402寄りの端部とフェース開口部1402との距離が0.5mmであり、請求項8で規定する1mmを下回っているため、耐久性は実験例1よりも低下している。

Claims (9)

  1. 上下の高さを有して左右に延在するフェース部と、前記フェース部の上部から後方に延在するクラウン部と、前記フェース部の下部から後方に延在するソール部と、前記クラウン部と前記ソール部の間で前記フェース部のトウ側縁とヒール側縁との間をフェースバックを通って延在するサイド部とを含むヘッド本体を備え、それらフェース部とクラウン部とソール部とサイド部とで囲まれた内部が中空部であるゴルフクラブヘッドであって、
    前記ゴルフクラブヘッドを水平面に対して予め定められたライ角およびロフト角通りに設置した基準状態において、フェース面の中心点を通る法線を含みかつ前記水平面と直交する平面で前記ヘッド本体を破断した断面をフェース中心基準断面とし、
    前記基準状態で、前記ゴルフクラブヘッドを前記フェース面の前方から見たとき前記水平面に対して22.23mm上方に位置するヒール側の箇所から最もトウ側に位置する端部までの距離を前記水平面に投影した寸法をトウヒール方向のヘッド長さHLとし、
    前記フェース中心基準断面と平行し前記フェース中心基準断面からトウ方向に前記ヘッド長さHLの20%離れた平面を第1平面とし、
    前記フェース中心基準断面と平行し前記フェース中心基準断面からヒール方向に前記ヘッド長さHLの20%離れた平面を第2平面とし、
    前記第1平面から前記第2平面までの範囲内で前記フェース中心基準断面と平行する任意の平面で前記ヘッド本体を破断した断面をフェース基準断面とし、
    前記フェース基準断面において、前記フェース面の上端とクラウン面の前端との境界点を第1境界点K1とし、
    前記フェース基準断面において、前記第1境界点K1を含み前記水平面と平行する平面上で前記第1境界点K1からフェースバック方向に5mm離れた点を通り前記水平面と直交する直線と前記クラウン面との交点を第1交点P1としたとき、
    前記フェース基準断面において、前記第1交点P1から前記フェースバック方向に離れた前記クラウン面の箇所に変曲点Hが形成され、
    前記変曲点Hの曲率半径は、前記第1交点P1と前記変曲点Hとの間に位置する前記クラウン面の曲率半径よりも小さい値であり、
    前記基準状態で、前記ヘッド本体を平面視したときに、前記変曲点Hがトウヒール方向に連続することにより前記クラウン面上にトウヒール方向に延在する稜線が視認可能に形成され、
    前記稜線が形成された前記クラウン部の内面の箇所に、前記稜線よりも前記フェース面側に位置する前記クラウン部の肉厚に比べて肉厚が小さい薄肉部が前記稜線に沿って延在形成され、
    前記基準状態で、前記ヘッド本体を平面視したときに、前記フェース面と前記クラウン面との境界線と、前記稜線との間に挟まれた前記クラウン部の帯状領域のうち前記第1平面と前記第2平面との間に位置する部分を中央部分とし、前記帯状領域のうち前記中央部分を除いた残りの両側の部分を両側部分とし、前記クラウン部のうち前記稜線よりもフェースバック方向に位置する部分を後方部分とし、
    前記薄肉部の延在方向に沿った肉厚の平均値を稜線肉厚D1とし、
    前記中央部分の肉厚の平均値を中央部分肉厚D2とし、
    前記両側部分の肉厚の平均値を両側部分肉厚D3とし、
    前記後方部分の肉厚の平均値を後方肉厚D4としたとき、
    稜線肉厚D1<両側部分肉厚D3<中央部分肉厚D2かつ後方肉厚D4<中央部分肉厚D2である、
    ことを特徴とするゴルフクラブヘッド。
  2. 前記薄肉部は、前記稜線を中心として前記稜線と直交する方向に沿った幅が2.0mm以上5.0mm以下の範囲で形成されている、
    ことを特徴とする請求項1記載のゴルフクラブヘッド。
  3. 前記薄肉部は、前記稜線が形成された前記クラウン部の内面の箇所から前記クラウン部のフェースバックまでの全長にわたって形成されている、
    ことを特徴とする請求項1記載のゴルフクラブヘッド。
  4. 前記第1境界点K1と前記第1交点P1とを結ぶ直線が前記水平面に対してなす角度をフランジ角度θ1としたとき、
    前記フランジ角度θ1が15°以上35°以下である、
    ことを特徴とする請求項1から3の何れか1項記載のゴルフクラブヘッド。
  5. 前記基準状態で、前記フェース基準断面において、前記変曲点Hを含み前記水平面と平行する平面上で前記変曲点Hからフェースバック方向に5mm離れた点を通り前記水平面と直交する直線と、前記クラウン面との交点を第2交点P2とし、
    前記変曲点Hと前記第2交点P2とを結ぶ直線と前記水平面とがなす角度を変曲点角度θ2としたとき、
    前記変曲点角度θ2は1°以上80°以下である、
    ことを特徴とする請求項1から4の何れか1項記載のゴルフクラブヘッド。
  6. 前記両側部分肉厚D3が1.0mm以上2.0mm以下である、
    ことを特徴とする請求項1から5の何れか1項記載のゴルフクラブヘッド。
  7. 前記第1平面と前記第2平面とで挟まれる前記フェース部の内面の前記クラウン部寄りの箇所から前記クラウン部の内面の前記フェース部寄りの箇所にわたってトウヒール方向と直交する前後方向に延在するリブがトウヒール方向に間隔をおいて複数形成され、
    前記リブのトウヒール方向の幅は0.5mm以上5mm以下であり、
    前記リブの前記クラウン部の内面からの高さは0.5mm以上10mm以下である、
    ことを特徴とする請求項1から6の何れか1項記載のゴルフクラブヘッド。
  8. 前記ヘッド本体は、前記フェース部の中央に形成されたフェース開口部にフェース部材が接合されることで形成され、
    前記リブの前記フェース開口部寄りの端部は前記フェース開口部から前記クラウン部方向に1mm以上離間している、
    ことを特徴とする請求項7記載のゴルフクラブヘッド。
  9. 請求項1から8の何れか1項記載ゴルフクラブヘッドを有する互いに番手が異なる複数本のゴルフクラブを含む、
    ことを特徴とするゴルフクラブセット。
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