JP2006094965A - ゴルフクラブヘッド - Google Patents
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Abstract
【課題】フェース部の周辺部位で外郭部材を撓み易くすると共に、反発力を向上させ、飛距離を増大させることのできるゴルフクラブヘッドを提供すること
【解決手段】ボールを打球するフェース部14を前部に形成した中空構造の外郭部材12を有するゴルフクラブヘッド10であって、前記外郭部材12は、フェース部14から後方に離隔した部位に、このフェース部14に沿って延設され、かつ外郭部材12のフェース部14に隣接する部位38よりも肉厚の薄い薄肉部34と、前記フェース部14を区画する稜線部30から前記薄肉部34まで、後方に向けて肉厚が次第に減少する肉厚漸減部40とを有するゴルフクラブヘッド
【選択図】 図2
【解決手段】ボールを打球するフェース部14を前部に形成した中空構造の外郭部材12を有するゴルフクラブヘッド10であって、前記外郭部材12は、フェース部14から後方に離隔した部位に、このフェース部14に沿って延設され、かつ外郭部材12のフェース部14に隣接する部位38よりも肉厚の薄い薄肉部34と、前記フェース部14を区画する稜線部30から前記薄肉部34まで、後方に向けて肉厚が次第に減少する肉厚漸減部40とを有するゴルフクラブヘッド
【選択図】 図2
Description
本発明は、ボールを打球するフェース部を前部に形成した中空構造の外郭部材を有するゴルフクラブヘッドに関する。
クラウン部にトウ側サイド部からヒール側サイド部に向かって複数本の溝を形成することにより、ボールのインパクト時にクラウン部を撓み易くし、大きな反発力でボールの初速を大きくし、バックスピン量を増大し、打ち出し角度を高くするゴルフクラブヘッドが開発されている(例えば特許文献1参照)。
特開2003−88601
このゴルフクラブヘッドは、フェース部の肉厚が均一に形成され、このフェース部に連続するクラウン部の肉厚は、フェース部の半分以下の肉厚に形成されている。このため、この従来のゴルフクラブヘッドでは、クラウン部とフェース部との接続部に、肉厚が大きく変化する段部あるいは角部が形成される。このような段部あるいは角部は、打球時に作用する応力がフェース部からクラウン部に伝播する際に、応力集中が発生しやすく、クラウン部に形成した溝によるクラウン部の撓みを生じ難くする。また、応力集中によるエネルギーロスは、クラウン部の溝に伝播される応力を低減し、これにより、ボールに対するクラウン部の反発力が減少する。
本発明は、このような事情に基づいてなされたもので、フェース部の周辺部位で外郭部材を撓み易くすると共に、反発力を向上させ、飛距離を増大させることのできるゴルフクラブヘッドを提供することを目的とする。
上記目的を達成する本発明によるゴルフクラブヘッドは、ボールを打球するフェース部を前部に形成した中空構造の外郭部材を有するゴルフクラブヘッドであって、前記外郭部材は、フェース部から後方に離隔した部位に、このフェース部に沿って延設され、かつ外郭部材のフェース部に隣接する部位よりも肉厚の薄い薄肉部と、前記フェース部を区画する稜線部から前記薄肉部まで、後方に向けて肉厚が次第に減少する肉厚漸減部とを有することを特徴とする。
本発明のゴルフクラブヘッドによると、フェース部を区画する稜線部とこの後方に離隔した薄肉部との間に肉厚漸減部が設けられることにより、肉厚が急激に変化する段部がなくなり、打球時の応力集中がこの稜線部で発生するのを防止する。これにより、フェース部に作用する応力をその周辺の外郭部材に滑らかに伝達し、応力集中によるエネルギーロスを防止しつつ、薄肉部の撓みによる反発力を向上させることができる。
図1から図6は、本発明の好ましい実施形態によるゴルフクラブヘッド10を示す。
図1および図2に示すように、本実施形態のゴルフクラブヘッド10は、例えば繊維強化樹脂あるいは金属で管状構造に形成したシャフト8の先端に取付けられたウッド型のクラブヘッドとして形成してある。
図1および図2に示すように、本実施形態のゴルフクラブヘッド10は、例えば繊維強化樹脂あるいは金属で管状構造に形成したシャフト8の先端に取付けられたウッド型のクラブヘッドとして形成してある。
このゴルフクラブヘッド10は、チタン、チタン合金あるいはステンレス合金等の金属材から鋳造あるいは鍛造により中空の一体構造に形成された外郭部材12を備える。この外郭部材12は、ボールを打球するフェース部14を前部に形成し、このフェース部14からバック部16を後方に突出させ、クラウン部20のヒール部20側には、トウ部22とは反対側の後方に傾斜させた状態でシャフト8を支えるシャフト支持部24を備えている。符号26はソール部を示す。
この外郭部材12は、一体構造に形成し、あるいは、例えばフェース部14に別部材のフェース部材28を設ける等、各部を別部材で形成し、これらの複数の部材を互いに接合して形成してもよい。このような複数の部材を接合して形成する場合には、外郭部材12の少なくとも一部に繊維強化樹脂材料を用いることもできる。いずれの場合にも、フェース部材28は、他の部分よりも高硬度の材質や高剛性の材質、更に、高強度の材料を用いることが好ましいが、低弾性、低比重の材料でも良い。
この外郭部材12のフェース部14は、その周部に沿う稜線部30により、クラウン部18とヒール部20とトウ部22とソール部26とから区画されている。なお、本明細書中では、この稜線部30は、例えばフェース部14の外面の曲率半径が半分以下となるように、フェース部14の外面の曲率が急激に増大する部位に沿って仮想的に画かれるフェース部側稜線14aと、フェース部14を囲むクラウン部18とトウ部22とソール部26とヒール部20とのそれぞれの外面の曲率が半分以下となるように、その外面の曲率が急激に増大する部位に沿って仮想的に画かれる稜線との間の部位をいう。図3および図4に、クラウン部側稜線18aとソール側稜線26aを示し、トウ部側稜線およびヒール部側稜線については、図示を省略する。このように特定される稜線部30、具体的にはフェース側稜線14aで囲まれる領域が、ボールを前方に飛ばす打球領域として、ほぼ一定の曲率で僅かに湾曲した滑らかな外面を形成する。
更に、図2から図6に示すように、外郭部材12の内面には、フェース部14から後方に向けて例えば10から15mm離隔した部位に、フェース部14の延在方向に沿って複数の薄肉部34,36を形成してある。これらの薄肉部34,36は、外郭部材12の内面に凹設されて、例えばクラウン部18のフェース部14に隣接する外郭部材12の部位38よりも肉厚が薄くかつ内方に開口する滑らかな凹状の断面形状を有する。フェース部14に隣接した、本実施形態では3つの薄肉部34が、クラウン部18からトウ部22を介してソール部まで連続して延設され、これらの薄肉部34よりも後方に位置する薄肉部36は、クラウン部18にのみ延設されている。したがって、薄肉部34,36が形成する薄肉領域は、クラウン部18に最も多く形成され、クラウン部18の変形量、したがって打球時に形成される反発力は、ソール部26よりもクラウン部18の方が大きい。
なお、隣接する薄肉部34間に部位38で例示する間隙を配置し、過度の低剛性化を防止しつつ、広い範囲を低剛性化することが好ましい。このような間隙により、外郭部材12の耐久性を損なうことなく、反発力を向上させることができる。
図3および図4に詳細に示すように、稜線部30、具体的にはフェース部側稜線14aから、フェース部14に最も近接した薄肉部34まで、後方に向けて肉厚が次第に減少する肉厚漸減部40を形成してある。特に、クラウン部18側では、肉厚漸減部40はフェース部14から外方あるいは上方に向けて傾斜した状態に配置してある。このような肉厚漸減部40は、稜線部30を含みかつこのフェース部14に隣接する領域に段差あるいは段部を形成することなく、その肉厚を徐々に減少させ、フェース部14から最も近接した薄肉部34の底部に至るまで、滑らかな内面を形成する。なお、このような薄肉部が形成されてないヒール部20側の内面についても、段差を形成することなく、滑らかに形成することが好ましい。
本実施形態では、外郭部材12の各部の肉厚は、フェース部14のフェース部側稜線14aに隣接した部位の肉厚をt1、肉厚漸減部40の薄肉部34に隣接した部位の肉厚をt2、薄肉部34,36の最も薄肉の部分の肉厚をt3、部位38の肉厚をt4、フェース部材28の肉厚をt5としたときに、t5≧t1>t2=t4>t3の関係となるように形成してある。また、t4>t2=t3として肉厚漸減部40を長く形成してもよい。具体的には、t1は2.8〜2.0mm、t2,t4は1.8〜0.7mm、t3は1.0〜0.6mm、t5は3.3〜2.0mmの範囲であるのが好ましい。また、応力集中と強度低下を防ぐ理由から、薄肉部34,36の幅は、5〜10mm、応力集中と強度低下を防ぐ理由から、理由から、隣接する薄肉部34間の部位38の幅も、5〜10mmに形成するのが好ましい。
いずれの場合も、肉厚漸減部40から薄肉部34に滑らかな内面で移行することにより、これらの薄肉部34,36を形成したクラウン部18を撓み易く形成することができる。同様な理由から、薄肉部34とこれに隣接する部位38との間も滑らかな内面で移行するように形成することが好ましい。この肉厚漸減部40を上述のように10〜15mmの幅で形成することにより、必要以上に剛性が上がってしまうことと、重量の増加を防ぐことができる。
このように形成されたゴルフクラブヘッド10によれば、フェース部14を区画する稜線部30と、バック部16側に後方に離隔した薄肉部34との間に肉厚漸減部40が設けられることにより、フェース部とこれに隣接する外郭部材12のクラウン部18とトウ部22とヒール部26との間に、肉厚が急激に変化する段部がなく、滑らかな内面および外面で移行するため、打球時の応力集中がこの稜線部で発生するのが防止される。これにより、フェース部14に作用する応力がその周辺の外郭部材の部位に滑らかに伝達され、応力集中によるエネルギーロスを防止しつつ、薄肉部34の撓みによる反発力を向上させることができる。
また、薄肉部34が、外郭部材12の内面に開口した滑らかな凹状の断面形状を有してクラウン部18からトウ部22を介してソール部26まで連続して形成されることにより、ほぼ外郭部材12の全周にわたって撓むことができる。このような薄肉部34を複数本形成する場合には、このような薄肉部34により、外郭部材12が広範囲にわたって低剛性化され、その撓みによる反発力をボールに伝達することができる。
そして、クラウン部18にのみ形成される薄肉部36により、クラウン部18側に形成される薄肉部34,36の領域が多くなり、これにより、クラウン部18側の撓み量が大きく、したがってボールの打出角を上げ、ボールの飛距離を向上させることができる。また、肉厚漸減部40がクラウン部18側で外方あるいは上方に傾斜することにより、フェース部14に作用する応力をクラウン部18を外方に湾曲させる方向に沿って伝達することができ、これにより、クラウン部18の変形量を大きくすることができる。
以上、本発明の種々の実施形態および変形例について個々に説明してきたが、本発明はいずれかの実施形態あるいは変形例に限定されるものではなく、様々な用途に応じて適宜に組合せることが可能である。例えば、上述の実施形態では、シャフト支持部24があるために薄肉部34をヒール部20側で省略してあるが、例えばシャフト支持部24から離隔した部位にこのような薄肉部を設けることも可能である。
10…ゴルフクラブヘッド、12…外郭部材、14…フェース部、30…稜線部、34,36…薄肉部、40…肉厚漸減部。
Claims (4)
- ボールを打球するフェース部を前部に形成した中空構造の外郭部材を有するゴルフクラブヘッドであって、
前記外郭部材は、フェース部から後方に離隔した部位に、このフェース部に沿って延設され、かつ外郭部材のフェース部に隣接する部位よりも肉厚の薄い薄肉部と、前記フェース部を区画する稜線部から前記薄肉部まで、後方に向けて肉厚が次第に減少する肉厚漸減部とを有することを特徴とするゴルフクラブヘッド。 - 前記薄肉部は、それぞれが外郭部材の内方に開口した滑らかな凹状の断面形状を有し、クラウン部からトウ部を介してソール部まで連続して、複数形成されることを特徴とする請求項1に記載のゴルフクラブヘッド。
- 前記薄肉部は、クラウン部に形成される領域が最も多いことを特徴とする請求項1又は2に記載のゴルフクラブヘッド。
- 前記フェース部の内面から薄肉部まで、滑らかな曲面形状を形成することを特徴とする請求項1から3のいずれか1つに記載のゴルフクラブヘッド。
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