以下、図面を参照しながら、本実施形態に係る分離装置を備えた粉塵検出システムの詳細について説明する。
以下の説明では、図1において前後上下の各方向を規定し、図1の左側を粉塵検出システム1の左側とし、図1の右側を粉塵検出システム1の右側とし、図1の上側を粉塵検出システム1の上側とし、図1の下側を粉塵検出システム1の下側と定義する。また、図1の紙面垂直方向の手前側を粉塵検出システム1の前側とし、図1の紙面垂直方向の奥側を粉塵検出システム1の後側と定義する。ただし、これら各方向は、粉塵検出システム1の使用方向を限定する趣旨ではない。
(実施形態)
本実施形態に係る粉塵検出システム1は、図1に示すように、分離装置100と、粉塵センサ4と、を備えている。分離装置100は、試料空気91(試料流体)から粉塵92(図3A参照)を分離する装置である。粉塵センサ4は、分離装置100内に配置されており、分離装置100で分離された粉塵(すなわち後述の第1の通路33を通過した粉塵)92を検出するセンサである。
分離装置100は、筐体2と、捕集体3(筒体)と、を備えている。筐体2は、試料空気91が導入される第1のホース26(導入部)と、試料空気91が排出される第2のホース27(排出部)とを有する。捕集体3は、第1の開口端31(開口端)を有する。第1の開口端31は、試料空気91(試料流体)が導入される第1のホース26の導入口28に対向する。分離装置100には、第1の通路33と、第2の通路S1と、が形成されている。第1の通路33は、捕集体3で囲まれた通路であって、第1の開口端31から試料空気91に含まれる粉塵92(図3A参照)が流入する。第2の通路S1は、第1の通路33とは別の通路であって、捕集体3の外側に配置され、導入口28と第2のホース27(排出部)の排出口29とを繋ぎ、試料空気91が流れる。捕集体3は、突出部34を備える。突出部34は、第1の通路33の内側に突出している。
また、分離装置100は、エアブロー機構5と、流速センサ6と、粘着部材7とを更に備えている。
筐体2は、略柱形(例えば円柱形)の箱状であり、金属または合成樹脂などで形成されている。筐体2は、遮光性を有する合成樹脂で形成されてもよい。筐体2の略柱形の中心軸(図1の一点鎖線Q1)は、上下方向に平行である。すなわち、筐体2は、縦置きに配置されている。
筐体2は、周壁部21と、第1の壁部22と、第2の壁部23と、第1のホース26(導入部)と、第2のホース27(排出部)と、絞り部30と、を備えている。
周壁部21は、上下方向に貫通した筒状(例えば円筒状)であり、一端(すなわち上端)開口部及び他端(すなわち下端)開口部を有する。周壁部21の両端の開口部は、第1の壁部22及び第2の壁部23で部分的に塞がれている。
より詳細には、第1の壁部22は、周壁部21の一端開口部を塞ぐように周壁部21の一端開口部に設けられている。すなわち、第1の壁部22の外周縁22bに、周壁部21が連結されている。第1の壁部22は、環形(例えば円環形)の板状であり、中央に孔部22aを有する。
第1のホース26は、筒状(例えば円筒状)であり、第1の壁部22の孔部22aに貫通状に設けられている。第1のホース26は、周壁部21の中心軸に対して平行である。周壁部21の中心軸は、筐体2の中心軸(図1の一点鎖線Q1)である。第1のホース26は、試料空気91を外部から筐体2内に導入する導入口28として機能している。すなわち、本実施形態では、導入口28は、第1のホース26によって筒状に形成されている。導入口28の中心軸は、周壁部21の中心軸と平行である。
第2の壁部23は、筐体2の周壁部21の他端開口部を塞ぐように周壁部21の他端開口部に設けられている。すなわち、第2の壁部23の外周縁23bは、周壁部21の他端開口部の周縁に連結されている。第2の壁部23は、環形(例えば円環形)の板状であり、中央に孔部23aを有する。
第2のホース27は、筒状(例えば円筒状)であり、第2の壁部23の孔部23aに貫通状に設けられている。第2のホース27は、周壁部21の中心軸に対して平行である。第2のホース27は、試料空気91を筐体2の内部から外部に排出する排出口29として機能している。すなわち、本実施形態では、排出口29は、第2のホース27によって筒状に形成されている。排出口29の中心軸は、周壁部21の中心軸と平行である。筐体2、第1のホース26及び第2のホース27の各々の中心軸は、略直線(図1の一点鎖線Q1)上に並んでいる。
このように、本実施形態では、粉塵検出システム1は、縦置きに配置されている。すなわち、筐体2の上側の第1の壁部22に導入口28が設けられ、筐体2の下側の第2の壁部23に排出口29が設けられている。そして、試料空気91が、導入口28を通じて筐体2の上側から筐体2内に導入され、排出口29を通じて筐体2の下側から筐体2の外に排気される。
第1の壁部22の形状について説明すると、第1の壁部22は、例えばコーン状に形成されている。すなわち、第1の壁部22の内面は、導入口28の中心軸の方向に対して、第1の壁部22における孔部22a側(すなわち導入口28側)から外周縁22b側に向かうに従って、導入口28の中心軸と直交する方向において導入口28の中心軸から離れるように傾斜している。これにより、第1の壁部22と周壁部21との境界の凹角部K1が鈍角となり、凹角部K1で、試料空気91による乱流が発生することを抑制できる。この結果、導入口28から導入された試料空気91を排出口29へと円滑に流すことができる。凹角部K1の角度は、例えば180度未満の鈍角であれば、どのような鈍角でもよい。また、凹角部K1が鈍角となることで、凹角部K1がデッドスペースになることを防止でき、凹角部K1にゴミが堆積することを抑制できる。なお、第1の壁部22の外面も、第1の壁部22の内面と同様に傾斜している。
また、凹角部K1は、上下方向の位置に関して、後述の絞り部30の第2の壁部23側(すなわち第1の通路33側)の開口端30aよりも第2の壁部23側に配置されている。これにより、試料空気91が凹角部K1を円滑に流れ、一層、凹角部K1での乱流の発生及び凹角部K1でのゴミの堆積を抑制できる。なお、絞り部30の開口端30aと凹角部K1との配置関係は上記のように限定されない。例えば、凹角部K1は、上下方向の位置に関して、絞り部30の開口端30aと同じ位置、又は、開口端30aよりも孔部22a側の位置に配置されてもよい。
絞り部30は、導入口28の縁部28aに設けられている。すなわち、導入部26は、導入口28の縁部28aに絞り部30を有する。より詳細には、絞り部30は、導入口28の第2の壁部23側(すなわち第1の通路33側)の縁部28aに設けられている。絞り部30は、第2の壁部23側に突出している。絞り部30は、導入口28の第1の通路33側の縁部28aの周方向全体に亘って設けられている。つまり、絞り部30は、筒状に形成されている。
絞り部30の内周面30bは、導入口28の内周面に繋がっている。絞り部30の内周面(内面)30bは、導入口28の中心軸方向に対して、第2の壁部23側(すなわち第1の通路33側)に向かうに従って導入口28の内側に向かう方向に傾斜している。すなわち、絞り部30は、第2の壁部23側ほど、導入口28の開口面積を徐々に小さくなるように絞っている。この構成により、試料空気91に含まれる粉塵92aが導入口28の内周面上を流れても、絞り部30における傾斜した内周面30bによって、粉塵92aを捕集体3の開口面(後述の第1の開口端31)の中央に飛ばすことができる。この結果、粉塵92aが捕集体3の奥へと流れ易くなり、試料空気91から粉塵92aを分離する分離精度を更に向上できる。
また、絞り部30の外周面(外面)30cは、導入口28の中心軸方向に対して、第2の壁部23側(すなわち第1の通路33側)に向かうに従って導入口28の内側に向かう方向に傾斜している。この構成により、絞り部30における傾斜した外周面30cによって、絞り部30の外周面30cの付近に、試料空気91によって巻込流W1を発生させることができる。この巻込流W1によって、絞り部30から絞り部30の外側に逸れた粉塵92cを拾い上げて捕集体3に飛ばすことができる。これにより、捕集体3での粉塵92の分離漏れ(すなわち捕集漏れ)を低減でき、試料空気91から粉塵92を分離する分離精度を更に向上できる。
また、上述のように絞り部30が導入口28の縁部28aを絞ることで、試料空気91が絞り部30を通過するとき、試料空気91の流速が速くなる。これにより、絞り部30を通過した試料空気91は、絞り部30の外周面30cの付近の空気を効果的に巻き込んで、巻込流W1を発生させることができる。
第2の壁部23の形状について説明すると、第2の壁部23は、例えばコーン状に形成されている。すなわち、第2の壁部23の内面は、排出口29の中心軸の方向に対して、第2の壁部23における孔部23a側(すなわち排出口29側)から外周縁23b側に向かうに従って、排出口29の中心軸と直交する方向において排出口29の中心軸から離れるように傾斜している。これにより、第2の壁部23と周壁部21との間の凹角部K2が鈍角となり、凹角部K2で、試料空気91による乱流が発生することを抑制できる。この結果、導入口28から導入された試料空気91を排出口29へと円滑に流すことができる。凹角部K2の角度は、例えば180度未満の鈍角であれば、どのような鈍角でもよい。また、凹角部K2が鈍角となることで、凹角部K2がデッドスペースになることが防止でき、凹角部K2にゴミが堆積することを抑制できる。なお、第2の壁部23の外面も、第2の壁部23の内面と同様に傾斜している。
また、凹角部K2は、排出口29の第1の壁部22側(すなわち第1の通路33側)の開口端29aよりも第1の壁部22側に配置されている。これにより、試料空気91が凹角部K2を円滑に流れ、一層、凹角部K2での乱流の発生、及び、凹角部K2でのゴミの堆積を抑制できる。なお、排出口29の開口端29aと凹角部K2との配置関係は上記のように限定されない。例えば、凹角部K2は、上下方向の位置に関して、排出口29の開口端29aと同じ位置、又は、開口端29aよりも孔部23a側の位置に配置されてもよい。
捕集体3は、筐体2内に収納されており、導入口28から導入される試料空気91に含まれる粉塵92を捕集する(すなわち試料空気91から粉塵92を分離する)ように構成されている。捕集体3は、金属または合成樹脂などで形成されている。捕集体3は、外形がコーン状(すなわち錐台形(例えば円錐台形)の筒状)に形成されている。捕集体3は、円状の第1の開口端31と、円状の第2の開口端32と、第1の開口端31と第2の開口端32とを繋ぐ第1の通路33と、突出部34と、を有している。第1の開口端31及び第2の開口端32の各々の開口面は、筐体2の中心軸に直交している。
この捕集体3では、粉塵92が第1の開口端31から第1の通路33内に入って第2の開口端32に到達する(すなわち第1の通路33を通過する)ことで、粉塵92が捕集体3で捕集される。捕集体3で粉塵92が捕集されることで、試料空気91から粉塵92が分離される。
第1の通路33は、第1の開口端31の開口面31aに平行な断面が、第2の開口端32から第1の開口端31に近づくほど大きくなるように、形成されている。すなわち、第1の通路33の内周面は、コーン状に形成されている。これにより、導入口28から捕集体3に向かって飛来する粉塵92が、第1の通路33内に入り易くなっている。第1の通路33の中心軸(すなわち捕集体3の中心軸)は、導入口28の中心軸と一致している。すなわち、第1の通路33の中心軸は、導入口28の中心軸と直線(図1の一点鎖線Q1)上に並んでいる。なお、第1の通路33の外周面もコーン状に形成されている。
第1の開口端31(開口端)は、導入口28に対向して配置している。より詳細には、第1の開口端31は、導入口28の捕集体3側の開口端(縁部28a)に対向して配置している。第2の開口端32は、第1の通路33内を通して、導入口28の絞り部30側の開口端に対向して配置している。また、第2の開口端32は、粉塵センサ4の貫通路44の開口端に対向して配置している。第1の開口端31は、絞り部30の開口端30aと所定の距離を離して対向している。第2の開口端32は、センサ本体41の貫通路44と接触して対向している。
捕集体3は、第1の開口端31の開口面積(内径R1)が導入口28(第1のホース26)の開口面積(内径R2)以上である(R1≧R2)ように形成されている。また、捕集体3は、第1の開口端31の開口面積が第2の開口端32の開口面積(内径R3)よりも大きくなる(R1>R3)ように形成されている。さらに、捕集体3は、第2の開口端32の開口面積が粉塵センサ4の貫通路44の開口面積(直径R4)以上である(R3≧R4)ように形成されている。
なお、第1の開口端31の開口面積と導入口28の開口面積との比率は、図示例の比率には限定されない。第1の開口端31の開口面積が導入口28の開口面積以上であれば(すなわちR1≧R2)、第1の開口端31の開口面積と導入口28の開口面積との比率は、どのような比率であってもよい。第1の開口端31の開口面積と第2の開口端32の開口面積との比率は、図示例の比率には限定されない。第1の開口端31の開口面積が第2の開口端32の開口面積よりも大きければ(すなわちR1>R3)、第1の開口端31の開口面積と第2の開口端32の開口面積との比率は、どのような比率であってもよい。第2の開口端32の開口面積と貫通路44の開口面積との比率は、図示例の比率には限定されない。第2の開口端32の開口面積が貫通路44の開口面積以上であれば(すなわちR3≧R4)、第2の開口端32の開口面積と貫通路44の開口面積との比率は、どのような比率であってもよい。
導入口28の第1の通路33側の開口端と、第1の開口端31との間の間隔を間隔D2とする。間隔D2は、捕集体3の捕集精度(換言すれば分離精度)がよくなるように、設定される。捕集体3の捕集精度は、捕集体3が捕集し損じる粉塵92(図3A参照)が少ないほど高くなる。また、間隔D2は、筐体2内での試料空気91の流れに対する抵抗が小さくなるように(すなわち導入口28を流れる試料空気91の流速と、排出口29を流れる試料空気91の流速とが同じ流速となるように)、設定されることが望ましい。本実施形態では、間隔D2は、捕集体3の捕集精度がよくなる方が、試料空気91の流れに対する抵抗が小さくなる方よりも優先される。したがって、例えば、捕集体3の捕集精度の許容範囲内で、試料空気の流れに対する抵抗がより小さくなるように、間隔D2は設定される。
突出部34は、捕集体3の内周面3aから第1の通路33の内側に突出している。第1の通路33は、第1の開口端31から第1の通路33の奥(すなわち第2の開口端32側)に向かって流れた試料空気91が、折り返して(すなわち逆流して)、捕集体3の内周面3aに沿って第1の開口端31に向かって流れるときの流路を有する。突出部34は、捕集体3の内周面3aを逆流する試料空気91を反転させて、第1の開口端31から第1の通路33に流入する試料空気91と合流させ、再度、第1の通路33の奥に向かわせる。これにより、捕集体3の内周面3aの付近に、巻込流W2が発生する。すなわち、突出部34は、捕集体3の内周面3aに巻込流W2を発生させる。
第1の通路33では、導入口28から流れてきた試料空気91は、第1の開口端31の開口面31aのうちの中央領域31bから第1の通路33に流入し、第1の通路33の中央を通って第2の開口端32へと流れる。捕集体3の内周面3aの付近に発生した巻込流W2によって、第1の通路33の中央から捕集体3の内周面3a側に逸れた粉塵92bを、第1の通路33の奥へと流すことができる。これにより、捕集体3での粉塵92の捕集漏れ(すなわち分離漏れ)を低減でき、試料空気91から粉塵92を分離する分離精度を向上できる。本実施形態では、突出部34は、第1の開口端31の開口面31aに平行に突出しているが、第1の開口端31の開口面31aに対して、第1の通路33の外側又は内側に傾斜して突出してもよい。
突出部34は、捕集体3の第1の開口端31に設けられている。これにより、巻込流W2を、捕集体3の中心軸方向の略全体(すなわち第1の開口端31から第2の開口端32の付近までの範囲)に亘って発生させることができる。これにより、捕集体3の内周面3aにおける中心軸方向のどの位置に粉塵92が飛来しても、巻込流W2で、第1の通路33の奥に流すことができる。
より詳細には、突出部34は、例えば、第1の開口端31の周縁の全周に亘って設けられている。すなわち、突出部34は、円環板状に形成されている。これにより、巻込流W2を、第1の通路33の周方向の全体に亘って発生させることができる。これにより、捕集体3の内周面3aの周方向のどの位置に粉塵92が飛来しても、巻込流W2で、第1の通路33の奥に流すことができる。
突出部34は、第1の開口端31の開口面31aのうち、導入口28と対向する中央領域31bの外側の外側領域31c内に配置されている。すなわち、突出部34における突出方向の長さは、突出部34の先端が中央領域31bにはみ出さないように、形成されている。この構成により、試料空気91が導入口28から第1の通路33に流入することを、突出部34が妨げることを抑制できる。なお、本実施形態では、突出部34は、外側領域31c内に配置されるが、第1の開口端31の開口面31aのうち、絞り部30の捕集体3側の開口面(すなわち開口端30a)と対向する領域の外側の領域内に配置されてもよい。この場合も同様の効果を奏する。
粉塵センサ4は、筐体2内に収納されており、捕集体3で捕集された粉塵92を検出するように構成されている。すなわち、粉塵センサ4は、試料空気91に含まれる粉塵92を検出するように構成されている。粉塵センサ4は、例えば光電式のセンサである。粉塵センサ4は、図2に示すように、センサ本体41と、発光部42と、受光部43とを備えている。
センサ本体41は、遮光性を有する合成樹脂などで直方体形の箱状に形成されている。センサ本体41は、流入側に設けられた表板411(図3B参照)と、流出側に設けられた裏板412(図3B参照)とを備えている。表板411は、試料空気91が通過する第1の通過孔441(図3B参照)を有している。裏板412は、試料空気91が通過する第2の通過孔442(図3B参照)を有している。
センサ本体41は、第1の通過孔441と第2の通過孔442との間に形成された円筒状の貫通路44を有している。貫通路44は、センサ本体41の略中央に形成されている。貫通路44は、捕集体3及び粘着部材7と対向している。試料空気91は、第1の通過孔441からセンサ本体41内に導入され、第2の通過孔442からセンサ本体41の外へ排出される。すなわち、捕集体3で捕集される粉塵92は、貫通路44を通過する。
センサ本体41は、図3Aに示すように、接続口451と、接続口452とを有している。接続口451は、丸状であり、センサ本体41において貫通路44よりも左方に有している。接続口451には、後述の継手54が接続されている。接続口452は、丸状であり、センサ本体41において貫通路44よりも左方に有している。接続口452には、後述の継手57が接続されている。
貫通路44の開口面積は、導入口28の開口面積及び排出口29の開口面積よりも小さい。すなわち、第1の通過孔441及び第2の通過孔442の開口面積は、導入口28の開口面積及び排出口29の開口面積よりも小さい。
発光部42は、センサ本体41内に収納されており、貫通路44に向けて光を発するように構成されている。発光部42は、センサ本体41内において、貫通路44よりも右方に設けられている。発光部42は、光を発する発光素子と、発光素子を駆動する駆動回路と、発光素子から発せられた光を平行光に変換するレンズとを備えている。発光素子は、例えば発光ダイオードである。発光部42は、貫通路44に平行な平行光を照射する。すなわち、発光部42は、第1の通過孔441から導入されてセンサ本体41内を通過する試料空気に平行光を照射する。
受光部43は、センサ本体41内に収納されており、発光部42から発せられて貫通路44を通過する粉塵92で反射した光を受けるように構成されている。より詳細には、受光部43は、センサ本体41内において、貫通路44よりも右方に設けられている。受光部43は、貫通路44を通過する粉塵92で反射した光を受光素子に集めるレンズと、光を受け取る受光素子と、受光素子の出力信号を増幅する増幅器とを備えている。受光素子は、例えばフォトダイオードやフォトトランジスタなどである。受光部43は、試料空気91に含まれる粉塵92に反射した光を受ける。なお、発光部42から発せられた光のうち、粉塵92で反射しなかった光は、貫通路44を横切るため、受光部43には受光されない。
粉塵検出システム1は、図1に示すように、捕集体3及び粉塵センサ4を筐体2に支持するための支持具11を備えている。支持具11は、金属または合成樹脂などで形成されている。支持具11は、筐体2に取り付けられている。支持具11は、導入口28及び排出口29の各々の中心軸と、捕集体3の中心軸と、粉塵センサ4の貫通路44の中心軸とが略直線(図1における一点鎖線Q1)上に並ぶように、捕集体3及び粉塵センサ4を筐体2内に支持している。なお、支持具11は、筐体2に対する支持具11の取付位置を前後方向(図1の上下方向)に調整可能とし、導入口28の第1の通路33側の開口端と捕集体3の第1の開口端31との間の間隔D2を調整することができるようにすることが好ましい。
支持具11は、台部11aと、複数(例えば4つ)の脚部11bとを備えている。台部11aは、捕集体3及び粉塵センサ4が固定される部分である。台部11aは、例えば略矩形の板状であり、台部11aの両側の主面のうちの一方の主面に粉塵センサ4が固定される。本実施形態では、捕集体3は、粉塵センサ4に固定されており、粉塵センサ4を介して台部11aに固定されている。複数の脚部11bは、筐体2と台部11aとを連結する部分である。4つの脚部11bは、台部11aの他方の主面の周縁(例えば4隅)において、台部11aの他方の主面から筐体2の周壁部21に突き出すように設けられている。各脚部11bの一端部は、台部11aの他方の主面に固定され、各脚部11bの他端部は、筐体2の周壁部21の内周面に固定されている。
エアブロー機構5は、図1に示すように、エア供給源(図示省略)に接続されており、エア供給源から供給されるエア83(図3A参照)をセンサ本体41内に噴射するように構成されている。エアブロー機構5は、図2に示すように、第1のエアブロー機構51と、第2のエアブロー機構52とを備えている。エア83は、粉塵92などを含まない清浄なもの(少なくとも検出対象の粉塵92を含まないもの)である。エア83は、大気と同じ成分比率であることが好ましい。ただし、エア83は、大気と同じ成分比率であることには限定されず、適宜のガス成分を含んでもよい。
第1のエアブロー機構51は、図3Aに示すように、センサ本体41内において受光部43と対向する位置から受光部43に向けてエア83を噴射するように構成されている。すなわち、第1のエアブロー機構51は、受光部43に向けて高圧のエア83を放出するように構成されている。
第1のエアブロー機構51は、ノズル53と、継手54とを備えている。ノズル53は、センサ本体41内に設けられている。より詳細には、ノズル53は、センサ本体41内において、受光部43の受光面と対向する位置に設けられている。ノズル53は、エア83が噴射される噴射口531を有している。継手54は、センサ本体41外に設けられており、ノズル53と通路管55とを連通させる。すなわち、継手54は、ノズル53と通路管55とを接続するために接続口451に取り付けられている。通路管55は、例えばチューブであり、エア供給源82からのエア83が通る。すなわち、エア供給源82からのエア83は、通路管55及び継手54を通ってノズル53から受光部43に向けて噴射される。
第2のエアブロー機構52は、センサ本体41内において発光部42と対向する位置から発光部42に向けてエア83を噴射するように構成されている。すなわち、第2のエアブロー機構52は、発光部42に向けて高圧のエア83を放出するように構成されている。
第2のエアブロー機構52は、ノズル56と、継手57とを備えている。ノズル56は、センサ本体41内に設けられている。より詳細には、ノズル56は、センサ本体41内において、発光部42の発光面と対向する位置に設けられている。ノズル56は、エア83が噴射される噴射口561を有している。継手57は、センサ本体41外に設けられており、ノズル56と通路管58とを連通させる。すなわち、継手57は、ノズル56と通路管58とを接続するために接続口452に取り付けられている。通路管58は、例えばチューブであり、エア供給源82からのエア83が通る。すなわち、エア供給源82からのエア83は、通路管58及び継手57を通ってノズル56から発光部42に向けて噴射される。
図1に示す流速センサ6は、試料空気91の流速を測定するように構成されている。流速センサ6は、例えば、筐体2内において粉塵センサ4と排出口29との間に設けられている。より詳細には、流速センサ6は、センサ本体41の下流側であって排出口29の入口付近に取り付けられている。
導入口28付近では、試料空気91の乱流が発生するため、試料空気91の流速が大きく変動する。このため、試料空気91の流速を精度よく測定することができない。そこで、流速センサ6は、試料空気91が乱流ではなく層流である位置に配置されていることが好ましい。そこで、流速センサ6は、排出口29の入口付近に取り付けられている。なお、流速センサ6は、排出口29の入口付近に配置されていることに限定されず、試料空気91が乱流ではなく層流である位置に配置されていればよい。例えば、流速センサ6は、第1のホース26に取り付けられていてもよいし、第2のホース27に取り付けられていてもよい。
ところで、流速センサ6の測定結果は、粉塵センサ4の検出周期を決める際に用いられる。粉塵センサ4は、貫通路44の長さL1を流速センサ6で測定された流速V1で除することによって得られる時間T1(=L1/V1)よりも短い検出周期T2で、貫通路44を通過する粉塵92を検出する。これにより、貫通路44を通過する粉塵92の検出漏れを防止できる。例えば、貫通路44の長さL1が20mm、流速センサ6で測定された流速V1が20m/sである場合、時間T1は1msである。したがって、検出周期T2は、例えば0.5msであればよい。
粘着部材7は、貫通路44を通過する粉塵92を採取するように構成されている。粘着部材7は、フィルム状であり、粘着面を有している。粘着部材7は、貫通路44と排出口29との間において、粘着面が貫通路44の開口面(第2の通過孔442)と対向する位置に設けられている。
粉塵検出システム1は、図1に示すように、粘着部材7を支持する支持機構として、開口部713を有するプレート71を備えている。プレート71は、筐体2の取付孔201(図1参照)に挿入され、粉塵センサ4のガイド部材46によってガイドされる。
プレート71は、合成樹脂または金属などで板状に形成されている。プレート71は、本体部711と、先端部712とを一体に備えている。本体部711は、丸孔の開口部713と、複数の長孔の貫通孔714とを有している。開口部713は、粉塵採取用の開口部であり、粘着部材7によって覆われている。すなわち、粘着部材7は、粘着面が貫通路44と対向して開口部713を覆うようにプレート71に取り付けられている。各貫通孔714は、試料空気用の貫通路であり、各貫通孔714を試料空気91が通過する。
また、図1に示すように、粉塵センサ4は、プレート71をガイドするガイド部材46を備えている。ガイド部材46は、金属または合成樹脂で形成されている。ガイド部材46は、センサ本体41に接するように取り付けられている。ガイド部材46は、2つの溝461を有している。各溝461は、プレート71の本体部711における長手方向に直交する断面の断面形状と略同じ形状である。各溝461には、プレート71が差し込まれている。これにより、ガイド部材46は、プレート71の開口部713(すなわち粘着部材7が貫通路44の開口面と対向する位置)にプレート71をガイドする。
さらに、筐体2は、プレート71を取り付けるための取付孔201を有している。より詳細には、取付孔201は、例えば、筐体2の周壁部21に形成されている。粘着部材7を用いて粉塵92を採取する場合、取付孔201には、図1に示すように、プレート71が差し込まれている。これにより、筐体2を分解せずにプレート71に取り付けられた粘着部材7を筐体2内に配置することができる。一方、粉塵92を採取しない場合、ガイド部材46をセンサ本体41から外し、取付孔201を蓋部材にて塞いでおけばよい。
次に、本実施形態に係る粉塵検出システム1の動作について図1を参照しながら説明する。導入口28を通して、試料空気91が筐体2内に導入される。一方、排出口29には集塵機構(図示省略)が接続されており、集塵機構が排出口29を通して試料空気91を吸引することにより、導入口28から排出口29に向かう試料空気91の流れが生じる。
試料空気91は、導入口28から筐体2内に導入され、捕集体3と筐体2とで囲まれた空間(すなわち第2の通路S1)を通って排出口29から外部に排出される。その際、試料空気91が導入口28から筐体2内に入るとき、絞り部30で試料空気91の流れが絞られる。これにより、試料空気91の流速が高められる。この結果、試料空気91が、絞り部30の外周面30cの付近の空気を効果的に巻き込んで流れ、これにより、絞り部30の外周面30cに巻込流W1が発生する。
また、導入口28から導入された試料空気91のうち、一部の試料空気91aは、第1の開口端31の開口面31aの中央領域31bから第1の通路33内に流入し、第1の通路33の中央を通って、第1の通路33の奥に向かって流れる。そして、試料空気91aの一部は、粉塵センサ4の貫通路44を通過する。そして、試料空気91aの残りは、粉塵センサ4の貫通路44に進入せず、捕集体3の内周面3aに沿って第1の開口端31に向かって逆流する。そして、逆流した試料空気91aは、捕集体3に設けられた突出部34で第1の通路33の中央に戻され、再び、第1の通路33の奥に向かって流れる。この結果、捕集体3の内周面3aに巻込流W2が発生する。
一方、試料空気91に含まれる粉塵92は、導入口28から筐体2内に導入された後、慣性の法則によってそのまま真っ直ぐに流れて、捕集体3の第1の通路33の中央を通って通過し、さらに、粉塵センサ4の貫通路44を通過する。ただし、一部の粉塵92bは、捕集体3の第1の開口端31から貫通路44へ直接進行するのではなく、捕集体3の内周面3aに衝突する。このように捕集体3の内周面3aに衝突した粉塵91bは、捕集体3の内周面3aに発生した巻込流W2によって、第1の通路33の中央を通って第1の通路33の奥へと流れる試料空気91aに戻されて、第1の通路33を通過する。これにより、捕集体3の捕集精度が向上される。
また、粉塵92のうち、導入口28の内周面上を流れる粉塵92aは、導入口28から筐体2内に導入されるとき、絞り部30の内周面30bで跳ね上げられることで、第1の通路33の中央に飛ばされて試料空気91aの流れに乗せられる。そして、粉塵92aは、試料空気91aによって第1の通路33を通過する。これにより、導入口28の内周面上を流れる粉塵92aも、捕集体3で捕集できる。この結果、捕集体3の捕集精度が更に向上される。なお、絞り部30の内周面30bで跳ね上げられた粉塵92aのうち、第1の通路33の内周面3aに衝突した粉塵92は、上述の粉塵92bと同様、捕集体3の内周面3aに発生した巻込流W2によって、第1の通路33を通過させられる。
また、試料空気91に含まれる粉塵92のうち、絞り部30を通過するとき、絞り部30の外側に逸れた粉塵92cは、絞り部30の外周面30cの付近に発生する巻込流W1によって拾い上げられて、試料空気91の流れに戻される。この結果、絞り部30の外側に逸れた粉塵92cは、試料空気91によって、第1の通路33の中央に飛ばされて、第1の通路33を通過する。これにより、捕集体3の捕集精度が更に向上される。
その後、粉塵センサ4は、捕集体3で捕集された粉塵(すなわち第1の通路33を通過した粉塵)92を検出する。そして、粉塵センサ4の貫通路44を通過した粉塵92は、貫通路44から出て、粘着部材7に付着される。そして、流速センサ6は、試料空気91の流速を測定する。その後、試料空気91は、排出口29から筐体2の外へ排出される。
上記のように、本実施形態に係る粉塵検出システム1では、捕集体3に突出部34が設けられているため、突出部34によって、捕集体3の内周面3aの付近に、試料空気91aによる巻込流W2を発生させることができる。この巻込流W2によって、第1の通路33の中央から捕集体3の内周面3a側に逸れた粉塵92bを、第1の通路33の奥へと再び流すことができる。これにより、捕集体3での捕集漏れ(すなわち分離漏れ)を低減でき、捕集体3での捕集精度及び分離精度を向上できる。
また、導入口28に絞り部30が設けられているため、試料空気91に含まれる粉塵92の中に、導入口28の内周面上を流れる粉塵92aが含まれていても、絞り部30の内周面30bによって、上記の粉塵92aを第1の通路33の中央に飛ばすことができる。これにより、導入口28の内周面上を流れる粉塵92aであっても、第1の通路33の奥へと流すことができ、捕集体3での捕集精度及び分離精度を更に向上できる。
次に、本実施形態に係るエアブロー機構5の動作について図3A〜図5Bを参照しながら説明する。
まず、第1のエアブロー機構51の動作について説明する。図3A及び図3Bに示すように、第1のエアブロー機構51は、受光部43と対向する位置に設けられたノズル53からエア83を噴射する。図4A及び図4Bに示すように、受光部43に付着などによって滞留している粉塵92は、エア83によって吹き飛ばされる。その後、図5A及び図5Bに示すように、エア83によって吹き飛ばされた粉塵92は、貫通路44を通って第2の通過孔442からセンサ本体41の外に排出される。
続いて、第2のエアブロー機構52の動作について説明する。第2のエアブロー機構52についても第1のエアブロー機構51と同様である。まず、第2のエアブロー機構52は、発光部42と対向する位置に設けられたノズル56からエア83を噴射する。発光部42に付着などによって滞留している粉塵92は、エア83によって吹き飛ばされる。その後、エア83によって吹き飛ばされた粉塵92は、貫通路44を通って第2の通過孔442からセンサ本体41の外に排出される。
このように、試料空気91に含まれている粉塵92が粉塵センサ4の発光部42及び受光部43に付着した場合、エアブロー機構5によって、発光部42にエア83を噴射して、発光部42に付着されている粉塵92を、粉塵センサ4の外へ放出することができる。これにより、受光部43にエア83を噴射して、受光部43に付着されている粉塵92を、粉塵センサ4の外へ放出することができる。
(変形例)
上記の実施形態は、本開示の様々な実施形態の一つに過ぎない。上記の実施形態は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。以下、上記実施形態の変形例を列挙する。以下に説明する変形例は、適宜組み合わせて適用可能である。
(変形例1)
上記の実施形態では、粉塵検出システム1は、縦置きに配置されたが、横置きに配置されてもよい。横置きの場合、粉塵検出システム1は、筐体2の中心線が左右方向に延びるように、配置される。すなわち、粉塵検出システム1は、例えば、導入口28が筐体2の右側に位置し、排出口29が筐体2の左側に位置するように、配置される。この場合も、上記の実施形態と同様に、捕集体3での捕集精度及び分離精度を更に向上できる。
(変形例2)
上記の実施形態では、第1の壁部22及び第2の壁部23は、コーン状に形成されたが、図6に示すように、平板状に形成されてもよい。この場合は、第1の壁部22と周壁部21との境界の凹角部K1、及び第2の壁部23と周壁部21との境界の凹角部K2は、直角になる。なお、第1の壁部22及び第2の壁部23のうちの一方だけが平板状に形成されてもよい。
(変形例3)
上記の実施形態の分離装置100において、導入口28と捕集体3の第1の開口端31との間隔D2を変化させる可動機構80(図7参照)を更に備えてもよい。図7に示す可動機構80は、捕集体3を、筐体2に対して上下方向(すなわち導入口28に対して接近又は離反する方向)に、移動可能に支持する。可動機構80は、支持具11において、台部11aが脚部11bに対して上下方向に移動可能となるように改良されている。
より詳細には、可動機構80では、台部11aは、複数(例えば4つ)の長孔11cを有する。複数の長孔11cは、複数(例えば4つ)の脚部11bに一対一に対応しており、対応する脚部11bを台部11aに取り付けるためのねじ11dを通す孔である。各長孔11cは、上下方向に長く延びており、台部11aの厚さ方向に貫通している。複数の長孔11cは、台部11aの周縁部(例えば4隅)に設けられている。各ねじ11dは、台部11aの片面から、対応する長孔11cに挿入されて、対応する脚部11bの一端面にねじ込まれる。各ねじ11dの頭部は、長孔11cの短手方向(長手方向に直交する方向)の幅よりも大きい。これにより、ねじ11dの頭部が長孔11cの周縁に接触して、ねじ11dが長孔11cから外れることが防止される。
各ねじ11dは、対応する長孔11c内において、長孔11cの長手方向(すなわち上下方向)の両端の間を、長孔11cに沿って相対的に移動可能である。これにより、台部11aは、脚部11bに対して相対的に上下方向に、長孔11cの長さの範囲内で、移動可能である。
この可動機構80では、台部11aが脚部11bに対しては相対的に上方に移動されると、捕集体3及び粉塵センサ4は、筐体2に対して相対的に上方に移動する。すなわち、導入口28と捕集体3との間隔D2が縮まる。他方、台部11aが脚部11bに対しては相対的に下方に移動されると、捕集体3及び粉塵センサ4は、筐体2に対して相対的に下方に移動する。すなわち、導入口28と捕集体3との間隔D2が広がる。
なお、図7では、粘着部材7、ガイド部材46及びプレート71は、図示省略されている。上記の実施形態では、粘着部材7を支持するプレート71は、筐体2の取付孔201及びガイド部材46の溝461の両方に差し込まれている(図1参照)。ただし、本変形例では、プレート71は、取付孔201及び溝461のうち、溝461のみに差し込まれる。これにより、プレート71と筐体2との連結が外れ、プレート71に支持された粘着部材7が粉塵センサ4と一緒に可動可能になる。
(その他の変形例)
上記の実施形態では、絞り部30は、導入口28の縁部28aの周方向全体に亘って設けられているが、絞り部30は、導入口28の縁部28aの周方向の一部分だけに設けられてもよい。例えば、粉塵検出システム1が横置きの配置では、絞り部30は、導入口28の縁部28aの下側半分だけに設けられてもよい。
また、上記の実施形態では、突出部34は、捕集体3の周方向全体に亘って設けられているが、突出部34は、捕集体3の周方向の一部分だけに設けられてもよい。例えば、粉塵検出システム1が横置きの配置では、突出部34は、捕集体3の下側半分だけに設けられてもよい。
また、上記の実施形態では、突出部34は、捕集体3の内周面3aにおける第1の開口端31の所に設けられたが、捕集体3の内周面3aにおける第1の開口端31と第2の開口端32との間の位置であれば、どの位置に設けられてもよい。
また、上記の実施形態では、試料流体の一例として試料空気91を用いたが、試料液体を用いてもよい。
また、上記の実施形態では、導入口28及び排出口29は筒状に形成されたが、筒状でなくてもよい。例えば、導入口28は、第1の壁部22に設けられた孔部(例えば孔部22a)であってもよい。同様に、排出口29も第2の壁部23に設けられた孔部(例えば孔部23a)であってもよい。
(まとめ)
以上説明したように、第1の態様に係る分離装置(100)は、筒体(3)を備える。筒体(3)は、開口端(31)を有する。開口端(31)は、試料流体(91)が導入される導入部(26)の導入口(28)に対向する。第1の通路(33)と、第2の通路(S1)と、が形成されている。第1の通路(33)は、筒体(3)で囲まれた通路であって、開口端(31)から試料流体(91)に含まれる粉塵(92)が流入する。第2の通路(S1)は、第1の通路(33)とは別の通路であって、筒体(3)の外側に配置され、導入口(28)と試料流体(91)が排出される排出部(27)の排出口(29)とを繋ぎ、試料流体(91)が流れる。筒体(3)は、突出部(34)を備える。突出部(34)は、第1の通路(33)の内側に突出している。
この構成によれば、突出部(34)によって、筒体(3)の内周面(3a)の付近に、試料流体(91)による巻込流(W2)を発生させることができる。この巻込流(W2)によって、第1の通路(33)の中央から筒体(3)の内周面(3a)側に逸れた粉塵(92b)を、第1の通路(33)の奥へと再び流すことができる。これにより、第1の通路(33)での粉塵(92)の分離漏れを低減でき、試料流体(91)から粉塵(92)を分離する分離精度を向上できる。
第2の態様に係る分離装置(100)では、第1の態様において、第1の通路(33)は、開口端(31)から第1の通路(33)の奥に向かって流れた試料流体(91)が、折り返して、筒体(3)の内周面(3a)に沿って開口端(31)に向かって流れるときの流路を有する。
この構成によれば、突出部(34)によって、第1の通路(33)の奥で折り返して開口端(31)に向かって流れる試料流体(91)を、再び、第1の通路(33)の奥に向かうように折り返させることができる。これにより、巻込流(W2)を発生させることができる。
第3の態様に係る分離装置(100)では、第1又は第2の態様において、突出部(34)は、開口端(31)に設けられている。
この構成によれば、突出部(34)によって発生させられる巻込流(W2)を、筒体(3)の内周面(3a)における長手方向の略全体に亘って(従って第1の通路(33)の開口端(31)まで)発生させることができる。これにより、筒体(3)の内周面(3a)のどこに粉塵(92)が飛来しても、巻込流(W2)で、第1の通路(33)の奥に再び流すことができる。
第4の態様に係る分離装置(100)では、第1〜第3の態様の何れか1つの態様において、突出部(34)は、開口端(31)の開口面(31a)のうち、導入口(28)と対向する領域(31b)の外側の領域(31c)に配置されている。
この構成によれば、試料流体(91)が導入口(28)から第1の通路(33)に入ることを、突出部(34)が妨げることを抑制できる。
第5の態様に係る分離装置(100)では、第1〜第4の態様の何れか1つの態様において、導入部(26)は、導入口(28)の縁部(28a)に絞り部(30)を有する。絞り部(30)の内面(30b)は、導入口(28)の中心軸方向に対して、第1の通路(33)の側に向かうに従って導入口(28)の内側に向かう方向に傾斜している。
この構成によれば、試料流体(91)に含まれる粉塵(92a)が導入口(28)の内周面上を流れても、絞り部(30)における傾斜した内面(30b)によって、上記の粉塵(92a)を第1の通路(33)の中央に飛ばすことができる。これにより、上記の粉塵(92a)が第1の通路(33)の奥へと流すことができ、試料流体(91)から粉塵(92)を分離する分離精度を更に向上できる。
第6の態様に係る分離装置(100)では、第5の態様において、絞り部(30)の外面(30c)は、導入口(28)の中心軸方向(図1の一点鎖線Q1の方向)に対して、第1の通路(33)の側に向かうに従って導入口(28)の内側に向かう方向に傾斜している。
この構成によれば、絞り部(30)における傾斜した外面(30c)によって、絞り部(30)の外面(30c)の付近に、試料流体(91)による巻込流(W1)を発生させることができる。この巻込流(W1)によって、絞り部(30)から絞り部(30)の外側に逸れた粉塵(92c)を拾い上げて第1の通路(33)に飛ばすことができる。これにより、第1の通路(33)での粉塵(92)の分離漏れを低減でき、試料流体(91)から粉塵(92)を分離する分離精度を更に向上できる。
第7の態様に係る分離装置(100)では、第1〜第6の態様の何れか1つの態様において、導入口(28)と第1の通路(33)の開口端(31)との間隔(D2)を変化させる可動機構(80)を更に備える。
この構成によれば、試料流体(91)から粉塵(92)を分離する分離精度を調整できる。また、筐体(2)内を流れる試料流体(91)の流速を調整できる。
第8の態様に係る分離装置(100)は、第1〜第7の態様の何れか1つの態様において、筐体(2)を更に備える。筐体(2)は、壁部(22)と、周壁部(21)と、を有する。壁部(22)には、導入部(26)が設けられている。周壁部(21)は、壁部(22)の外周縁(22b)に連結されている。壁部(22)の内面は、導入口(28)の中心軸の方向に対して、導入口(28)から外周縁(22b)に向かうに従って、導入口(28)の中心軸と直交する方向において導入口(28)の中心軸から離れるように傾斜している。
この構成によれば、壁部(22)と周壁部(21)との境界の凹角部(K1)で乱流が発生することを抑制できる。この結果、導入口(28)から導入された試料流体(91)を排出口(29)へと円滑に流すことができる。
第9の態様に係る粉塵検出システム(1)では、分離装置(100)と、粉塵センサ(4)と、を備える。分離装置(100)は、第1〜第3の態様の何れか1つの態様の分離装置である。粉塵センサ(4)は、第1の通路(33)を通過した粉塵(92)を検出する。
この構成によれば、上記の効果を奏する粉塵検出システム(1)を提供できる。