JP2019196210A - ミシン目付きシート材 - Google Patents
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Abstract
Description
以下、本発明に係るミシン目付きシート材の一実施形態について図面を参照しつつ説明する。図1はこのミシン目付きシート材の平面図である。
シート材1は、紙、樹脂材料等で形成することができる。樹脂材料としては、例えば、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、またはポリ塩化ビニルなど、あるいは、これらを複数含有するものなどを採用することができる。また、シート材1は、熱で収縮するシュリンクフィルムとすることができ、物品の外周面に密着して包装するシート材1として用いることができる。シート材1の厚みは、特には限定されないが、例えば、35〜60μmとすることが好ましく、40〜55μmとすることがさらに好ましい。但し、シート材1を物品を覆うものではなく、箱などの容器または物品自体を構成する材料として用いる場合には、目付として250〜450g/m2のシート材(例えば、紙など)を用いることが好ましい。
図1に示すように、一対のミシン目2は、破断方向の下流側にいくにしたがって、両ミシン目2の間隔が狭くなるように、互いに傾斜するように形成されている。ここでは、各ミシン目2の延びる方向に沿う線をLとする。そして、各ミシン目2は、線L上に、所定間隔をおいて並ぶ複数の貫通孔21により構成されている。なお、図1では、ミシン目2の延びる方向を第1方向、これと直交する方向を第2方向と称することとする。
図1の例では、貫通孔21を線Lに沿うように線状に形成している。この態様では、貫通孔は閉じている。
図3に示すように、複数の貫通孔21の少なくとも一部は、第1方向と直交する第2方向に開いている。貫通孔21の形状は、第2方向に開いているのであれば、特には限定されないが、例えば、図3に示すような、円形(a)、第1方向に長径を有する楕円(b)、第2方向に長径を有する楕円(c)、第2方向に延びる線形状(d)、矩形状(e)など、あるいは、これらを組み合わせた異形状など、種々の形状にすることができる。
図4に示すように、隣接する貫通孔において、互いに向き合う箇所が円弧状に形成された形状、つまり、図3(a)〜図3(c)のような形状とすれば、次の効果を得ることができる。
ミシン目付きシート材は、全ての貫通孔21が同じ大きさでなくてもよく、例えば、図5に示すように、上述したように第2方向に広がっている複数の貫通孔21を有する第1貫通孔群201と、この第1貫通孔群201よりも破断方向の下流側に配置され、第2方向に広がっていない線状の複数の貫通孔22を有する第2貫通孔群202と、を備えることができる。そして、第1貫通孔群201では、破断方向にいくにしたがって、貫通孔21の第2方向の幅が狭くなっている。そして、第2方向の幅が最も狭い貫通孔21に続いて、第2貫通孔群202が配置されている。
貫通孔21の態様は、上記態様1〜4のいずれでもよいが、図6に示すように、シート材1に対し、第2方向にテンションを作用させることができる。これにより、貫通孔には、線Lを挟んで互いに反対を向く方向にテンションを作用させることができる。
このとき、例えば、図7に示すように、破断方向の下流側におけるテンションF1が、上流側のテンションF2よりも大きいことが好ましい。
次に、本発明に係る包装体の一実施形態について、図面を参照しつつ説明する。本実施形態に係る包装体は、上述したミシン目付きシート材の構成を適用したシュリンクフィルムにより、薬剤揮散器(物品)を包装したものである。まず、薬剤揮散器について説明する。
図8は薬剤揮散器の正面図、図9は図8の側面図である。図8及び図9に示すように、この薬剤揮散器30は、芳香剤などの薬剤が収容される樹脂製の容器3と、この容器3の上部に着脱自在に取り付けられる樹脂製のカバー部材4と、を備えている。以下では、説明の便宜のため、図8の紙面の手前側及び奥側を、それぞれ正面側及び背面側と称し、図8の左右を側面と称することとする。
まず、容器3について説明する。図10は容器の正面図、図11は図10の側面図である。図10及び図11に示すように、容器3は、開口を有する上部31、この上部31と連続し下方へ延びる胴部32、及びこの胴部32の下部を塞ぐ底部33とで構成されており、これらによって内部空間を形成している。そして、この内部空間には、芳香剤等の液状の薬剤が収容される。上部31は、蓋部38が取り付けられる円筒状の首部311を有しており、この首部311の上端に円筒状の開口(図示省略)が形成されている。そして、この開口の周縁には、ねじ溝(図示省略)が形成されており、開口を塞ぐ蓋部38を着脱自在に取り付け可能となっている。
次に、カバー部材4について説明する。図8及び図9に示すように、カバー部材4は、円筒状の本体部41と、この本体部41の上部開口を塞ぐ円形状の天面部42と、を備えており、これらが一体的に形成されている。
次に、上述した薬剤揮散器30をシュリンクフィルムにより包装した包装体について、図面を参照しつつ、説明する。図12は包装体の正面図、図13は図12の側面図、図14は図13の平面図である。
本実施形態では、一対の第2ミシン目82の間の距離が、上述したミシン目付きシート材の実施形態で説明したように、下方にいくにしたがって小さくなっている。また、貫通孔は、上述した態様1〜6のいずれであってもよい。その他、第1ミシン目及び第3ミシン目の構成は特には限定されない。
次に、包装体の使用方法について説明する。まず、第1切り取り領域701を指で掴み、下方に引っ張ると、第1切り取り領域701が切り取られるのに続いて、第2切り取り領域702が切り取られていく。そして、両第2ミシン目82が、その下端まで破断し、シュリンクフィルム7から切り取られると、第2切り取り領域702が切り取られた部分から指を挿入し、カバー領域703を切り離す。すなわち、第3ミシン目83を破断し、カバー領域703を第3部位73から切り離す。こうして、シュリンクフィルム7のうち、第1部位71及び第2部位72が取り外され、カバー部材4が露出した状態となる。一方、第3部位73は容器3に取り付けられたままの状態となる。
以上のように、本実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)シュリンクフィルム7は、リブ416に密着するようにカバー部材4に巻き付けられているため、リブ416を挟む領域には強くテンションが作用する。そのため、リブ416を挟むように配置されている第2ミシン目82には、カバー部材4の周方向、つまり第2ミシン目82とは直交する方向にテンションが作用し、これによって、第2ミシン目82を破断しやすくすることができる(上記態様5参照)。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。なお、以下の変形例は、適宜組み合わせ可能である。
本発明に係るミシン目付きシート材は、いずれかの箇所に、破断方向に進行するにしたがって隙間の距離が短くなる一対のミシン目が形成されていればよい。そして、各管通孔については、用途などに応じて、態様1〜6の構成の少なくとも一つ、あるいはこれらを適宜組み合わせたものであればよい。また、ミシン目2は直線状以外の曲線状に延びていてもよく、あるいは直線と曲線との組み合わせであってもよい。いずれの場合も、ミシン目2の延びる方向が、本発明の第1方向となる。
上記実施形態では、本発明に係るミシン目付きシート材をシュリンクフィルム7として薬剤揮散器30に包装した例を示したが、これは一例に過ぎない。まず、シュリンクフィルムの包装対象となる物品は、種々のものにすることができ、上記実施形態に係る芳香剤以外の種々の容器、箱などの物品にも当然に適用することができる。また、シュリンクフィルムの形状、つまりシュリンクフィルムで覆う部分の形状、大きさも特には限定されない。さらに、シュリンクフィルムに設けられるミシン目も、シュリンクフィルムの取り外し方法などに応じて、適宜設計すればよく、上記<1>で説明したとおり適用することができる。
なお、シュリンクフィルムのようなミシン目付きシート材を物品に取り付ける場合、上述したように、テンションを大きくするために、リブ416の両側にミシン目を配置することが好ましいが、これに限定されない。すなわち、リブ416のような突部を物品の外周面に設けるほか、シュリンクフィルムに対してテンションが作用しやすくなるような、鋭利な角部、または曲率半径の小さい円弧状の角部などを覆うようにシート材を巻き付け、その両側にミシン目を配置すれば、破断しやすくなる。なお、シュリンクフィルム7に限られず、テンションが作用したシート材であってもよい。
上記実施形態では、カバー部材4の径を下方にいくにしたがって大きくすることで、シュリンクフィルム7に対し、下方にいくほどテンションが大きくなるように構成しているが、これに限定されない。すなわち、破断する方向にいくにしたがって、あるいは破断する方向の下流側でテンションが大きくなっていればよいため、例えば、カバー部材4の外径を一定にするとともに、シュリンクフィルム7の内径を破断方向の下流側で予め小さくなるように絞り、これに伴ってシュリンクフィルム7に作用するテンションを大きくすることができる。これ以外にも、テンションを変化させることができるような形状であれば、特には限定されない。なお、このようなテンションの変化が生じず、破断方向で概ね一定のテンションであってもよい。
破断の容易性と、不意の破断の防止を両立するためには、上記のように、物品に所定間隔をおいて開口部417を形成し、開口部417の間の連結片418によってシュリンクフィルム7を支持するように構成すればよいが、これに限定されない。例えば、矩形状以外の開口部でもよい。また、開口部417でなくてもよく、シュリンクフィルム7に接しないような凹部であってもよい。また、所定間隔をおいて凸部を設け、凸部でシュリンクフィルム7を支持するとともに、その間の凹部がシュリンクフィルム7に接しないように構成することもできる。また、凹部の並ぶ方向は、必ずしも上下方向でなくてもよく、ミシン目の延びる第1方向に所定間隔をおいて配置されていればよい。なお、シュリンクフィルム7に限られず、テンションが作用したシート材であってもよい。
本発明に係るミシン目付きシート材は、物品を包装するシュリンクフィルム以外にも適用することができ、シュリンクさせずに、単に物品を包装する包装材として用いることもできる。すなわち、所定の方向にテンションを伴ってシート材が物品に取り付けられていればよい。そして、このテンションの作用する方向と概ね直交するようにミシン目の第1方向が設定されていればよい。テンションが作用していなくてもよく、単に覆っているだけでもよい。あるいは、箱などの容器や物品自体を構成する材料として、本発明に係るミシン目付きシート材を使用することもできる。
2 ミシン目
21 貫通孔
30 物品
416 リブ(突部)
417 開口部(凹部)
Claims (8)
- シート材と、
前記シート材において、第1方向に延びる線上に所定間隔をおいて並び、前記シート材を貫通する複数の貫通孔によって構成された少なくとも一対のミシン目と、
を備え、
前記各ミシン目は、前記第1方向の一端部から他端部に向けて破断されるように構成され、
前記一対のミシン目の間の距離が、他端部側にいくにしたがって、狭くなるように形成されている、ミシン目付きシート材。 - 前記複数の貫通孔のうち、少なくとも一部の複数の貫通孔は、前記第1方向と直交する第2方向に開いている、ミシン目付きシート材。
- 前記複数の貫通孔のうち、少なくとも一部の複数の貫通孔は、隣接する貫通孔と向き合う部分が円弧状に形成されている、請求項2に記載のミシン目付きシート材。
- 前記ミシン目は、前記第1方向の一端部から他端部に向けて破断されるように構成され、
前記複数の貫通孔は、
前記第2方向に開いた複数の貫通孔を含む第1貫通孔群と、
前記第1貫通孔群の前記他端部側に配置され、前記線状に形成された複数の貫通孔を含む第2貫通孔群と、
を有し、
前記第1貫通孔群の貫通孔は、前記他端部側にいくにしたがって、前記第2方向の幅が小さくなるように形成されている、請求項2または3に記載のミシン目付きシート材。 - 前記シート材には、前記第1方向と直交する前記第2方向にテンションが作用している、請求項1から4のいずれかに記載のミシン目付きシート材。
- 前記一端部側よりも他端部側において前記テンションが大きい、請求項5に記載のミシン目付きシート材。
- 被包装面を有する物品と、
前記被包装面に所定の方向にテンションが作用した状態で、覆うように取り付けられる、請求項1から6のいずれかに記載のミシン目付きシート材と、
を備え、
前記第1方向が、前記テンションが作用する方向と直交するように、前記ミシン目付きシート材が取り付けられ、
前記物品の被包装面には、取り付けられた前記ミシン目付きシート材の第1方向に沿って延びる少なくとも一つの突部が形成されており、
前記ミシン目付きシート材は、前記突部を挟んで延びる一対の前記ミシン目を有している、包装体。 - 前記物品の被包装面には、前記第1方向に沿って所定間隔おきに凹部が形成されており、
前記ミシン目付きシート材は、前記ミシン目が前記凹部上を通過する位置に、配置されている、請求項7に記載の包装体。
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